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特表2024-502641スヌーズモードを備える電力コンバータ制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】スヌーズモードを備える電力コンバータ制御
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
H02M3/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542526
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022011760
(87)【国際公開番号】W WO2022155079
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】17/347,119
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/136,276
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス アルトゥロ ブランコ
(72)【発明者】
【氏名】ミン ルオ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS06
5H730BB57
5H730FG05
5H730FG07
5H730FV02
(57)【要約】
一例において、装置(110)が、制御信号生成器(202)とスヌーズモードコントローラ(204)とを含む。制御信号生成器は、第1の出力、第1の入力、第2の入力、及び第1のスヌーズ入力を有する誤差増幅器(208)と、第2の出力、第1の出力に結合される第3の入力、及び第4の入力を有する第1の比較器(210)と、第3の出力、第3の入力に結合される第5の入力、第6の入力、及び第2のスヌーズ入力を有する第2の比較器(212)とを含む。制御信号生成器はまた、第4の出力及び論理回路入力を有し、論理回路入力の第1の入力が第2の出力に結合される論理回路(218)と、第5の出力及び第7の入力を有し、第7の入力が第4の出力に結合されるパルス生成器(220)とを含む。スヌーズモードコントローラは、第1のスヌーズ入力及び第2のスヌーズ入力に結合される第6の出力を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
制御信号生成器とスヌーズモードコントローラとを含み、
前記制御信号生成器が、
第1の出力、第1の入力、第2の入力、及び第1のスヌーズ入力を有する誤差増幅器と、
第2の出力、前記第1の出力に結合された第3の入力、及び第4の入力を有する第1の比較器と、
第3の出力、前記第3の入力に結合された第5の入力、第6の入力、及び第2のスヌーズ入力を有する第2の比較器と、
第4の出力及び論理回路入力を有する論理回路であって、前記論理回路入力の第1のものが前記第2の出力に結合された前記論理回路と、
第5の出力及び第7の入力を有するパルス生成器であって、前記第7の入力が前記第4の出力に結合された前記パルス生成器と、
を含み、
前記スヌーズモードコントローラが、前記第1のスヌーズ入力及び前記第2のスヌーズ入力に結合された第6の出力を有する、
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記誤差増幅器が第7の出力を有し、
前記制御信号生成器が、
第8の出力及び第8の入力を有する第1のタイマであって、前記第8の入力が前記第3の出力に結合され、前記第8の出力が前記論理回路入力の第2のものに結合された前記第1のタイマと、
第9の出力、第9の入力、及び第10の入力を有する第2のタイマであって、前記第9の入力が前記第3の出力に結合され、前記第10の入力が前記第7の出力に結合され、前記第9の出力が前記論理回路入力の第3のものに結合される前記第2のタイマと、
を含み、
前記論理回路が、前記論理回路入力を介して受信した信号間で論理OR演算を実施する、
装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記スヌーズモードコントローラが、
第11の出力及びクロック結合器入力を有するクロック結合器と、
第12の出力、第11の入力、第12の入力、及び第13の入力を有する第3の比較器であって、前記第13の入力が前記第11の出力に結合される前記第3の比較器と、
第13の出力及び第14の入力を有する第2の論理回路であって、前記第14の入力が前記第12の出力に結合される前記第2の論理回路と、
第14の出力及び第3の論理回路入力を有する第3の論理回路であって、前記第3の論理回路入力の第1のものが前記第13の出力に結合され、前記第14の出力が前記第1のスヌーズ入力及び前記第2のスヌーズ入力に結合される、前記第3の論理回路と、
を含む、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記スヌーズモードコントローラが、
前記第11の入力において、スケーリング係数に従ってスケーリングされた基準電圧を受け取り、
前記第12の入力においてフィードバック電圧を受け取り、
前記クロック結合器入力において、ゼロクロス検出信号、クロック信号、及び高速ドロップ検出信号を受信し、
前記ゼロクロス検出信号、前記クロック信号、又は前記高速ドロップ検出信号のうちの任意の1つにおける立ち上がりエッジの検出に応答して、アサートされたパルスを有するスヌーズクロックを提供し、
前記スヌーズクロックの立ち上がりエッジに応答して、前記スケーリングされた基準電圧を前記フィードバック電圧と比較し、
前記スケーリングされた基準電圧と前記フィードバック電圧との間の前記比較に基づいて、スヌーズモード制御信号を提供する、
ように構成される、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記スヌーズモード制御信号のアサートに応答して、前記装置の静止電流が低下する、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記スヌーズモードコントローラが、
ゼロクロス検出信号、クロック信号、及び高速ドロップ検出信号に基づいて、スヌーズクロック信号を提供し、前記スヌーズクロック信号が前記ゼロクロス検出信号、前記クロック信号、又は前記高速ドロップ検出信号のいずれかの立ち上がりエッジに応答して、アサートされたパルスを含み、
前記スヌーズクロック信号における立ち上がりエッジに応答して、スヌーズモード制御信号を提供するために、スケーリングされた基準電圧が、電力コンバータの出力電圧を表すフィードバック電圧より大きいか否かを判定し、
前記スヌーズモード制御信号の値が変化することに応答して、前記誤差増幅器及び前記第2の比較器の少なくとも一部を無効する、
ように構成され、
前記装置の静止電流が、前記スヌーズモード制御信号の値が変化することに応答して前記誤差増幅器及び前記第2の比較器を無効にすることと、前記スヌーズクロック信号における立ち上がりエッジにのみ応答して、前記スケーリングされた基準電圧が前記フィードバック電圧よりも大きいか否かを判定することと、によって低減される、
装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の比較器が、前記第4の入力において、電力コンバータの電流を表す信号を受け取るように構成され、
前記第2の比較器が前記第6の入力においてほぼゼロの電圧を有する信号を受け取るように構成され、
前記第2の比較器の動作が前記スヌーズモードコントローラの出力信号の値に基づいて有効にされる、装置。
【請求項8】
装置であって、
誤差増幅器を含む制御信号生成器とスヌーズモードコントローラとを含み、
前記制御信号生成器が、
前記誤差増幅器によって、基準信号と、電力コンバータの出力電圧を表すフィードバック信号との間の差異を示す誤差信号を判定し、
比較結果を提供するために、前記誤差信号の値が、前記電力コンバータの電流を表す信号よりも大きいか否かを判定し、
前記比較結果に基づいて前記電力コンバータを制御するための制御信号を提供する、
ように構成され、
前記スヌーズモードコントローラが、スケーリング係数によってスケーリングされた前記基準電圧の値が、前記フィードバック信号よりも大きいと判定することに応答して、前記誤差増幅器の少なくとも一部を無効にするように構成される、
装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、前記スヌーズモードコントローラが、
前記電力コンバータの前記電流が減少してゼロに到達することに応答してアサートされるゼロクロス検出信号の立ち上がりエッジと、
固定周波数を有するクロック信号の立ち上がりエッジと、
前記電力コンバータの前記出力電圧の値の変化率に比例する周波数を有する高速ドロップ検出信号の立ち上がりエッジと、
の各々に応答して、信号パルスを含むスヌーズクロックを提供するように構成される、
装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、前記スヌーズモードコントローラが、スヌーズ比較結果を提供するために、前記スヌーズクロックにおける立ち上がりエッジに応答して、前記スケーリングされた基準電圧を前記フィードバック信号と比較するように構成される、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記スヌーズ比較結果が、前記クロック信号のプログラムされた数の周期に対してアサートされていないことに応答して、前記固定周波数の値が低減される、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、前記スヌーズモードコントローラが、前記スヌーズ比較結果に基づいてスヌーズモード制御信号を提供するように構成され、前記スヌーズモード制御信号が、前記スヌーズモード制御信号の値が変化することに応答して、前記誤差増幅器の少なくとも前記一部を無効にするように構成される、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記制御信号生成器が、前記スヌーズモード制御信号のデアサートに応答して、電流のバーストを提供するために、前記電力コンバータを制御するように構成される、装置。
【請求項14】
請求項9に記載の装置であって、前記スヌーズクロックの周波数が前記電力コンバータの前記出力電圧の変化率に基づいて可変である、装置。
【請求項15】
システムであって、
負荷と、
前記負荷に結合される電力コンバータであって、電力源から前記負荷に切り替えるように構成される前記電力コンバータと、
前記電力コンバータに結合されるコントローラであって、前記電力コンバータを介して制御を実施するように構成される前記コントローラと、
を含み、
前記コントローラが、
誤差増幅器を含む制御信号生成器と、
スヌーズモードコントローラと、
を含み、
前記制御信号生成器が、
基準信号と、電力コンバータの出力電圧を表すフィードバック信号との間の差異を示す誤差信号を前記誤差増幅器によって判定し、
比較結果を提供するために、前記誤差信号の値が、前記電力コンバータの電流を表す信号よりも大きいか否かを判定し、
前記比較結果に基づいて前記電力コンバータを制御するための制御信号を提供する、
ように構成され、
前記スヌーズモードコントローラが、スケーリング係数によってスケーリングされた前記基準電圧の値が、前記フィードバック信号よりも大きいと判定されることに応答して、前記誤差増幅器の少なくとも一部を無効にするように構成される、
システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記スヌーズモードコントローラが、
前記電力コンバータの前記電流が減少してゼロに到達することに応答してアサートされるゼロクロス検出信号の立ち上がりエッジと、
前記電力コンバータの前記出力電圧が調整内のままである時間量に基づいて決定される固定周波数を有するクロック信号の立ち上がりエッジと、
前記電力コンバータの前記出力電圧の値における変化率に比例する周波数を有する高速ドロップ検出信号の立ち上がりエッジと、
の各々に応答して、信号パルスを含むスヌーズクロックを提供するように構成される、
システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記スヌーズモードコントローラが、前記スヌーズクロックにおける立ち上がりエッジに応答して、前記スケーリングされた基準電圧を前記フィードバック信号と比較して、スヌーズ比較結果を提供するように構成される、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記スヌーズモードコントローラが、前記スヌーズ比較結果に基づいてスヌーズモード制御信号を提供するように構成され、前記スヌーズモード制御信号が前記誤差増幅器の少なくとも前記一部を無効にするように構成される、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記スヌーズモード制御信号のアサートにより、前記コントローラによって消費される静止電流が低減される、システム。
【請求項20】
請求項18に記載のシステムであって、前記制御信号生成器が、前記スヌーズモード制御信号のデアサートに応答して、電流のバーストを提供するために、前記電力コンバータを制御するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スイッチモード電源(SMPS)は、負荷への結合を可能にするエネルギー蓄積要素(インダクタ、変圧器のインダクタンス、及び/又はキャパシタ等)に、スイッチノード/端子を介して結合されている一つ又は複数のパワートランジスタ又は他の切り替え要素を切り替えることによって、電力を入力電力源から負荷に伝送する。パワートランジスタは電力コンバータに含まれ得、電力コンバータはエネルギー蓄積要素を含むか又はエネルギー蓄積要素に結合され得る。SMPSは、一つ又は複数のゲート駆動信号をパワートランジスタに提供するためのSMPSコントローラを含み得る。
【背景技術】
【0002】
コンバータへの入力電圧は、出力電圧よりも大きいか、出力電圧よりも小さいか、又は出力電圧に等しい場合があり得る。入力電圧が出力電圧よりも大きい場合、コンバータは、「ステップダウン」コンバータ/レギュレータ又は「降圧コンバータ」と呼ばれ得る。入力電圧が出力電圧よりも小さい場合、コンバータ/レギュレータは「ステップアップ」コンバータ/レギュレータ又は「昇圧コンバータ」と呼ばれ得る。コンバータ/レギュレータが、ステップアップ機能とステップダウン機能の両方を実施し得る場合は、「昇降圧コンバータ」と呼ばれ得る。
【発明の概要】
【0003】
一例において、装置が制御信号生成器及びスヌーズモードコントローラを含む。制御信号生成器は、第1の出力、第1の入力、第2の入力、及び第1のスヌーズ入力を有する誤差増幅器を含む。制御信号生成器はまた、第2の出力、第1の出力に結合された第3の入力、及び第4の入力を有する第1の比較器を含む。制御信号生成器はまた、第3の出力、第3の入力に結合された第5の入力、第6の入力、及び第2のスヌーズ入力を有する第2の比較器を含む。制御信号生成器はまた、第4の出力及び論理回路入力を有する論理回路を含み、論理回路入力の第1の入力は第2の出力に結合される。制御信号生成器はまた、第5の出力及び第7の入力を有するパルス生成器を含み、第7の入力は第4の出力に結合される。スヌーズモードコントローラは、第1のスヌーズ入力及び第2のスヌーズ入力に結合された第6の出力を有する。
【0004】
一例において、装置が制御信号生成器及びスヌーズモードコントローラを含む。制御信号生成器は、基準信号と、電力コンバータの出力電圧を表すフィードバック信号との間の差異を示す誤差信号を誤差増幅器によって判定し、誤差信号の値が電力コンバータの電流を表す信号よりも大きいか否かを判定して、比較結果を提供し、比較結果に基づいて電力コンバータを制御するための制御信号を提供するように構成される。スヌーズモードコントローラは、スケーリング係数によってスケーリングされた基準電圧の値がフィードバック信号よりも大きいと判定することに応答して、誤差増幅器の少なくとも一部を無効にするように構成される。
【0005】
一例において、システムが、負荷、電力コンバータ、及びコントローラを含む。電力コンバータは負荷に結合される。電力コンバータは、電力を電力源から負荷へ切り替えるように構成される。コントローラは、電力コンバータに結合される。コントローラは、電力コンバータを介して制御を実施するように構成される。コントローラは、誤差増幅器を含む制御信号生成器を含む。制御信号生成器は、基準信号と電力コンバータの出力電圧を表すフィードバック信号との差異を示す誤差信号を誤差増幅器によって判定し、誤差信号の値が、電力コンバータの電流を表す信号よりも大きいか否かを判定して、比較結果を提供し、比較結果に基づいて電力コンバータを制御するための制御信号を提供するように構成される。スヌーズモードコントローラは、スケーリング係数によってスケーリングされた基準電圧の値が、フィードバック信号よりも大きいと判定することに応答して誤差増幅器の少なくとも一部を無効にするように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示のシステムのブロック図である。
【0007】
図2】例示のコントローラのブロック図である。
【0008】
図3】例示の誤差増幅器の概略図である。
【0009】
図4】例示の高速ドロップ検出回路の概略図である。
【0010】
図5A】例示の信号波形の図である。
【0011】
図5B】例示の信号波形の図である。
【0012】
図5C】例示の信号波形の図である。
【0013】
図6】例示の信号波形の図である。
【0014】
図7】例示の信号波形の図である。
【0015】
図8】例示の信号波形の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
スイッチモード電源(SMPS)コントローラは、パワートランジスタを切り替えて、エネルギー蓄積要素を備える回路配置を形成し、負荷電流を負荷及び/又は出力キャパシタに供給して、調整された出力電圧を維持する。或いは、本明細書には図示されていないが、パワートランジスタの少なくとも幾つかが、ダイオード等の受動スイッチとして実装される。パワートランジスタが、電力コンバータのスイッチング状態を充電又は放電中に、スイッチノード/端子を介して、エネルギー蓄積インダクタに結合され得る。少なくとも幾つかの例において、エネルギー蓄積インダクタは、SMPSコントローラによって充電スイッチング状態と放電スイッチング状態との間で切り替えられて、インダクタ電流(例えば、エネルギー蓄積インダクタを介する電流)を負荷及び出力キャパシタに供給し、調整された出力電圧を維持する。上述のように、少なくとも幾つかの例において、一つ又は複数のパワートランジスタが受動スイッチによって置き換えられ、受動スイッチは、受信された入力信号の特性に基づいて反応し、SMPSコントローラによって切り替えられない。幾つかの例において、SMPSが、エネルギー蓄積要素を備えるが出力キャパシタを備えない定電流源として動作するように構成され得る。電力コンバータはスイッチング状態(「オン」及び「オフ」状態等)のシーケンスを周期的に繰り返す。単一のオン/オフサイクルがスイッチングサイクルと呼ばれ得る。
【0017】
パワートランジスタは、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)等の電界効果トランジスタ(FET)、又は任意の他の適切なソリッドステートトランジスタデバイス(例えば、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)等)として実装され得る。電力コンバータには種々のアーキテクチャがあり得、各々、降圧、昇圧、及び昇降圧等の特定の機能を有する。本明細書では、昇圧トポロジーの電力コンバータが説明される。しかしながら、本明細書は、降圧及び/又は昇降圧(反転及び/又は非反転)トポロジーの電力コンバータに同様に適用可能である。また、本明細書は、調整された出力電圧(VOUT)を提供する他の回路アーキテクチャに関連し得る。
【0018】
電力コンバータを制御するために、SMPSコントローラが、SMPSコントローラが実装されている制御モードに基づいて制御信号を提供する。制御モードは、電流モード制御、電圧モード制御、バレー制御、ピーク制御、平均制御等であり得る。本明細書において、バレー制御が説明される。しかしながら、本明細書は、他の制御モードにも同様に適用可能である。SMPSコントローラは、ドライバ又はドライバに結合される論理回路に制御信号を提供し得、またドライバは、パワートランジスタのゲートにゲート制御信号を提供して、電力コンバータの動作のモードを制御する。パワートランジスタによって受信されたゲート制御信号は、パワートランジスタが導通状態(例えば、オン)であるか又は非導通状態(例えば、オフ)であるか等、パワートランジスタのスイッチング状態を制御する。電力コンバータの各状態は、導通状態にあるパワートランジスタと非導通状態にあるパワートランジスタとの特定の組み合わせに関係する。電力コンバータの動作のモードを変更するために、SMPSコントローラは、パワートランジスタに負うように命令するスイッチング状態のシーケンスを改変する。少なくとも幾つかの例において、SMPSコントローラは、ハードウェア構成要素配置を含み、制御信号の値がこれらのハードウェア構成要素配置に基づいて判定されるようにする。
【0019】
SMPSに対する幾つかの使用例は、静止電流削減の恩恵を受ける。静止電流は、SMPSによって負荷に提供される電流とは関係なく、SMPSそれ自体によって消費される電流である。例えば、静止電流は、無負荷又は軽(例えば、低)負荷電流状態にあるSMPSによって消費される電流であり得る。SMPSが電流を引き出す電力源が、バッテリ等の消耗しやすい電力源である場合、SMPSの静止電流を減らすことにより、電力源からの電力引き出しが低減され、再充電又は交換までの電力源の利用可能寿命が延び得る。SMPSが電流を引き出す電力源が、主電力、又は主電力から得られる電力(例えば、変圧器、又は他の電力コンバータ等の出力)等の非枯渇性電力源である場合、SMPSの静止電流を減らすことにより、SMPSの消費エネルギーが削減されることによってSMPSの使用に関連するコストが削減され得る。
【0020】
本明細書の幾つかの態様は、スリープモードを実装するSMPSに関する。スリープモードは、VOUTの監視のベースとなるクロック信号(SNOOZE_CLK)を低減し得る。例えば、VOUTが、発振器信号(CLK)等のプログラムされた数のサイクル又は周期に対する調整内に留まっていることに応答して、SMPSは、VOUTの値における減少率が、SNOOZE_CLKが遅くなり得るのと同様であると判定し得る。SNOOZE_CLKを遅くすることによって、SNOOZE_CLKを遅くしない応用例に比べて、SMPSの静止電流は低減され得る。
【0021】
少なくとも幾つかの例において、SNOOZE_CLKは、複数の信号の組み合わせとして判定され得る。例えば、SNOOZE_CLKは、複数の信号間で論理OR演算を実施することによって判定され得る。信号としては、ゼロクロス検出信号(ZCD)、CLK、及び高速ドロップ検出信号(FDD)が含まれ得る。少なくとも幾つかの例において、電力コンバータのインダクタ電流を表す電圧が、基準信号(Vref)とVOUTに基づくフィードバック信号(Vfb)とに基づいて誤差増幅器によって提供される誤差信号(Vea)の値に到達する前にゼロに達することに応答して、ZCDは、バレーモード制御システムにおいてアサートされる。CLKは、SMPSの応用例又は使用例に従って、プログラムされた調節可能な周期を備える発振器によって提供され得る。少なくとも幾つかの例において、VOUTの値を監視し、VOUTの値が減少する率に比例する周波数を有する周期的信号を提供する回路によって、FDDが提供され得る。逆に、幾つかのシステムにおいて、VOUTの値を監視し、VOUTの値が増加する率に比例する周波数を有する周期的信号を提供する回路によって、FDDが提供され得る。そのような例では、FDDは、高速立ち上がり検出信号として名前が変更され得る。SNOOZE_CLKがアサートされたことに応答して、SMPSは、スヌーズ又はスリープモードに入り得る。
【0022】
幾つかの例において、誤差増幅器は、誤差増幅器がスヌーズモードから出るための信号を受信することに応答して、SMPSに電流のパルスを提供させるように構成される。誤差増幅器は、補償信号経路及び非補償信号経路を更に含み得、非補償信号経路は、補償信号経路よりも迅速に、信号の値の過渡変化に応答する。
【0023】
図1は例示のシステム100のブロック図である。少なくとも幾つかの例において、システム100は、電力を電力源104から負荷106に切り替えるように構成されたSMPS102を含む任意の電子デバイスを表す。例えば、システム100は、モノのインターネット(IoT)デバイス、センサ、又は任意の他の適切な電子デバイスであり得る。少なくとも幾つかの例において、電力源104はバッテリである。幾つかの例において、SMPS102は、電力コンバータ108及びコントローラ110を含む。コントローラ110は、電力源104によって提供される電力を負荷106に切り替えるように電力コンバータ108を制御するように構成される。例えば、コントローラ110は、Vrefを受け取り、電力コンバータ108を制御してVOUTを負荷106に提供し得る。VOUTが調整内にある間は、VOUTはVrefにほぼ等しい値を有する。
【0024】
システム100の一例において、電力源104は、電力コンバータ108に結合され、電力コンバータ108は負荷106及びコントローラ110に結合される。電力コンバータ108は、電力源104からVINを受け取り、VINに基づいてVOUTを負荷106に提供し、電力コンバータ108上でコントローラ110によって制御を実施するように構成される。コントローラ110は、Vrefを受け取り、Vrefとほぼ等しい値を有するようにVOUTを調整し得る制御信号を電力コンバータ108に提供し得る。幾つかの例において、コントローラ110は、制御信号を電力コンバータ108に提供する。他の例において、コントローラ110は、制御信号をドライバ(図示せず)に提供し、ドライバは、制御信号に基づいて電力コンバータ108を駆動する。
【0025】
コントローラ110はスヌーズモードを含み得る。少なくとも幾つかの例において、スヌーズモードがアクティブでない間のSMPS102と比較して、スヌーズモードは、SMPS102の電力源104からの静止電流引き出しを低減し得る。スヌーズモードは、SMPS102が、ターゲット電圧(例えば、Vrefによって表されるもの等)よりも大きい閾値量であるVOUTが、CLKのサイクルのプログラムされた数に対する調整内に留まっていると判定することに応答して、アクティブにされ得る。少なくとも幾つかの例において、SMPS102がスヌーズモードにある間、コントローラ110は、VOUTの値を判定するためのVOUTの監視、又はVrefに対するVfb等のVOUTを表す信号の監視を行わない。SNOOZE_CLKの満了に応答して、コントローラ110は、Vrefに対するVOUT(又はVfb)の値を判定し、その判定に基づいて電力コンバータ108を制御し得る。少なくとも幾つかの例において、SNOOZE_CLKは、VOUTの変化率(例えば、VOUTの変化率に比例する周波数)、固定周波数、又は電力コンバータ108のインダクタ(図示せず)のインダクタ電流の値に基づく値を有するように、プログラム可能である。上述のように、SNOOZE_CLKは、VOUTが、プログラムされた数のCLKのサイクルに対する調整内に留まっていることに応答して、より低い周波数を有するように制御され得る。VOUTが、プログラムされた数のCLKのサイクルに対する調整内に留まっていることは、少なくとも幾つかの例において、VOUTの値がゆっくり変化していることを示し得る。VOUTの値が、プログラムされた変化率を超える率で変化していることに応答して、SNOOZE_CLKは、より高い周波数を有するように制御され得る。少なくとも幾つかの例において、VOUTがプログラムされた数のCLKのサイクルに対する調整内に留まっていることに応答して、SNOOZE_CLKの周波数を減少させることにより、SMPS102の静止電流引き出しを減少させる。
【0026】
図2は例示のコントローラ110のブロック図である。SMPS102の構成要素として示されているが、種々の他の例では、コントローラ110は、別の装置、回路、又はシステムの構成要素であり得る。少なくとも幾つかの例において、コントローラ110は、制御信号生成器202、スヌーズモードコントローラ204、及びFDD回路206を含む。少なくとも幾つかの例において、コントローラ110は、Vref、Vfb、及び電力コンバータ108(IL)の電流を表す信号を受信し、Vref、Vfb、及びILに少なくとも部分的に基づいて制御信号(CONTROL)を提供する。少なくとも幾つかの例において、他の制御信号は、CONTROLの値の論理的に反転しているもの等、CONTROLの値に基づいて得られる。少なくとも幾つかの例において、制御信号生成器202は、誤差増幅器208、比較器210、比較器212、タイマ214、タイマ216、論理回路218、及びパルス生成器220を含む。少なくとも幾つかの例において、スヌーズモードコントローラ204は、クロック結合器222、比較器224、論理回路226、及び論理回路228を含む。
【0027】
制御信号生成器202の少なくとも幾つかの例示のアーキテクチャにおいて、誤差増幅器208は、第1の入力(例えば、正又は非反転入力)においてVrefを受け取り、第2の入力(例えば、負又は反転入力)においてVfbを受け取るように構成される。幾つかの例において、Vfbは、VOUTに基づいて判定された値を有する(例えば、その結果Vfbが、入力信号としてVOUTを有する分圧器の出力信号である)。他の例において、Vfbは実質的にVOUTと同じ値である(例えば、幾つかの実装において、VOUTはVfbとして用いられる)。誤差増幅器208の出力が、比較器210の第1の入力(例えば、正又は非反転入力)に結合される。幾つかの例において、誤差増幅器208は、スヌーズ制御信号(SNOOZE)を受信し、SNOOZEがアサートされることに応答して、オフにされる(例えば、機能しない)ように構成されたスヌーズ入力を有する。比較器210は、第2の入力(例えば、負又は反転入力)においてILを受信するように構成される。比較器212は、第1の入力(例えば、正又は非反転入力)においてILを受信し、第2の入力(例えば、負又は反転入力)においておよそ0ボルト(V)の値を有する信号を受信するように構成される。幾つかの例において、比較器212は、SNOOZEを受信し、SNOOZEがアサートされることに応答して、オフにされる(例えば、機能しない)ように構成されたスヌーズ入力を有するゲート付き比較器である。少なくとも幾つかの例において、誤差増幅器208及び/又は比較器212の一方又は両方がSNOOZEの逆数(SNOOZE_Zとして示される)を受け取る。SNOOZE_Zは、任意の適切なプロセス又はハードウェアアーキテクチャに従って提供され得る。本明細書では図示されていないが、少なくとも一例において、SNOOZE_Zは、SNOOZEを入力として受信するインバータ回路230によって提供される。そのような例において、インバータ回路は、論理回路228の出力と誤差増幅器208のスヌーズ入力との間に結合され得る。少なくとも幾つかの例において、タイマ214は、信号TOFFを提供するように構成され、タイマ216は、信号TOFF_MAXを提供するように構成される。少なくとも幾つかの例において、電力コンバータ108のオフ時間と電力コンバータ108のパワートランジスタの制御間のプログラムされたギャップ又は遅延時間との合計が満了になることに応答して、TOFFはアサートされる。少なくとも幾つかの例において、TOFF_MAXは、電力コンバータ108に対する最大オフ時間の満了に応答して、アサートされる。タイマ214は、誤差増幅器208の第2の出力に結合された入力を有する。例えば、タイマ214がアサートされた値を有するZCDを受け取ることに応答して、タイマ214はカウントを開始し得、アサートされた値を有するZCDを受信してから、プログラムされた時間(幾つかの例において、例えば、約10μs)後に、アサートされた値を有するTOFFを提供し得る。同様に、タイマ216がアサートされた値を有するZCDを受信することに応答して、タイマ216は、カウントを開始し得、アサートされた値を有するZCDを受信してからプログラムされた時間後に、アサートされた値を有するTOFF_MAXを提供し得る。少なくとも幾つかの例において、TOFFを提供することはまた、信号Vpfmに対して逆比例する等、これ以降に説明されるように、誤差増幅器208によって提供されるVeaに更に基づく。比較器210、タイマ214、及びタイマ216は各々、論理回路218の入力に結合される出力を有する。論理回路218は、パルス生成器220の入力に結合される出力を有し、パルス生成器220は、CONTROLが提供されるところに出力を有する。少なくとも幾つかの例において、論理回路218は、その入力信号間で論理OR機能を実施して、論理回路218の任意の一つ又は複数の入力信号がアサートされることに応答して、アサートされる出力信号を提供する。
【0028】
スヌーズモードコントローラ204の少なくとも幾つかの例示のアーキテクチャにおいて、クロック結合器222は、ZCDを受信するために比較器212の出力に結合される第1の入力と、CLKを受信するために発振器(図示せず)の出力に結合される第2の入力と、FDD回路206の出力に結合される第3の入力とを有する。SNOOZE_CLKが提供されるスヌーズモードコントローラ204の出力は、比較器224に結合される。比較器224は、第1の入力(例えば、正又は非反転入力)においてスケーリング係数を乗じたVrefを受け取り、第2の入力(例えば、負又は反転入力)においてVfbを受け取るように構成される。少なくとも幾つかの例において、スケーリング係数は1.01である。他の例において、スケーリング係数は任意の適切な値である。比較器224の出力が論理回路226の入力に結合される。論理回路226の出力が論理回路228の入力に結合され、論理回路228は、タイマ216の出力に結合された別の入力とSNOOZEが提供され誤差増幅器208に結合された出力とを有する。少なくとも幾つかの例において、論理回路226は、インバータであり、その論理的反転である。少なくとも幾つかの例において、論理回路228は、その入力信号の間で、論理AND機能を実施して、論理回路228の入力信号の各々がアサートされることに応答してアサートされる出力信号を提供する。
【0029】
コントローラ110の動作の一例において、誤差増幅器208は、Vrefの値とVfbの値との差を増幅してVeaを提供する。比較器210は、VeaとILを比較し、ILの値が、Veaよりも小さいことに応答して、アサートされた値を有する出力信号COMPを提供する。COMPのアサートに応答して、論理回路218は、アサートされた信号を提供し、それによってパルス生成器220が、パルス生成器220によって判定されたプログラムされたオン時間に対するアサートされた値を有するCONTROLを提供する。少なくとも幾つかの例において、CONTROLのアサートに応答して、電力コンバータ108の高側パワートランジスタ(図示せず)がオフになるように制御され、電力コンバータ108の低側パワートランジスタ(図示せず)がオンになるように制御される。少なくとも幾つかの例において、ILが、増加してVeaに到達する前に、減少してゼロになることに応答して、比較器212はZCDをアサートする。少なくとも幾つかの例において、ZCDのアサートに応答して、電力コンバータ108の高側パワートランジスタは、例えば、TOFF又はTOFF_MAXのアサート等を介して、オフになるように制御される。ZCDの値が、増加してVeaに到達する前に、減少してゼロになることに応答して、コントローラ110は、電力コンバータ108のオフ時間がVeaに基づいて制御されるパルス周波数変調(PFM)に従って動作するように電力コンバータ108を制御する。
【0030】
電力コンバータ108がPFMに従って動作している間、電力コンバータ108のオフ時間はVeaの関数であり得る。タイマ214は、任意の適切なプロセスに従って、又は任意の適切なハードウェアアーキテクチャを用いて、Vea及び/又は任意の他の適切な信号又は考慮に基づいてオフ時間を判定し、TOFFを提供し得、その範囲は、本明細書において限定されない。少なくとも幾つかの例において、タイマ214は、Vea及び電力コンバータ108の高側パワートランジスタがオフにされた後、電力コンバータ108の低側パワートランジスタがオフになるまでの待機時間(例えば、ギャップ時間)を定義するギャップ時間に基づいてオフ時間を判定し得る。ギャップ時間及びVeaに基づいて判定されたオフ時間の合計の満了に応答して、タイマ214は、アサートされた値を有するTOFFを提供し得る。少なくとも幾つかの例において、オフ時間は約10マイクロ秒に等しいかそれ未満の値を有する。少なくとも幾つかの例において、タイマ216は、VIN及びVOUTに少なくとも部分的に基づいて最大オフ時間を判定し得る。最大オフ時間の満了に応答して、タイマ216は、アサートされた値を有するTOFF_MAXを提供し得る。少なくとも一例において、最大オフ時間は、VIN/L×T_HS×T_LS/I_OUTにほぼ等しく、Lは、電力コンバータ108のインダクタのインダクタンスであり、T_HSは、電力コンバータ108の高側パワートランジスタがオンになる時間であり、T_LSは、電力コンバータ108の低側パワートランジスタがオンになる時間であり、I_OUTは電力コンバータ108の負荷電流である。少なくとも幾つかの例において、TOFF_MAX、TOFF、又はCOMPのいずれかのアサートに応答して、論理回路218はパルス生成器220を制御してアサートされた値を有するCONTROLを提供する。
【0031】
少なくとも幾つかの例において、重負荷条件下で、コントローラ110は、パルス幅変調(PWM)を用いて、定オン時間バレー電流制御に従って、電力コンバータ108を制御し得る。本明細書で用いられるように、重負荷条件は、負荷106が100ミリアンペア(mA)よりも大きい電流を電力コンバータ108から引き出す場合に存在し得る。中負荷条件下では、コントローラ110は、可変のオフ時間を備える定オン時間PFMに従って、電力コンバータ108を制御し得る。本明細書で用いられるように、中負荷条件は、負荷106が、約15mA~約100mAの電流を電力コンバータ108から引き出す場合に存在し得る。軽負荷条件下では、コントローラ110は、電力コンバータ108を制御して、バーストの間アクティブである、本明細書に記載されるスヌーズモードを備えるバーストモードで動作し得る。本明細書で用いられるように、軽負荷条件は、負荷106が約15mAよりも小さい電流を電力コンバータ108から引き出す場合に存在し得る。
【0032】
スヌーズモードコントローラ204の動作の一例において、クロック結合器222は、ZCD、CLK、又はFDDにおけるアサートされた値に応答して、アサートされた値を有するSNOOZE_CLKを提供する。例えば、少なくとも一つの実装において、クロック結合器222は、ZCD、CLK、又はFDDの任意の一つ又は複数がアサートされた値を有することに応答して、ZCD、CLK、及びFDDの間で、論理OR演算を実施し、アサートされた値を有するSNOOZE_CLKを提供する。他の例において、クロック結合器222は、ZCD、CLK、又はFDDにおいて立ち上がりエッジが検出されるたびに、アサートされたパルスを有するSNOOZE_CLKを提供する。比較器224は、SNOOZE_CLKがアサートされる間のみ、比較器224がその入力信号を比較し、出力信号を提供し得るように、SNOOZE_CLKによってクロックされ得る。SNOOZE_CLKがデアサートされる間、少なくとも幾つかの例において、比較器224はオフにされ、機能しなくされ得る。少なくとも幾つかの例において、比較器224は、クロック動的比較器と呼ばれ得る。
【0033】
SNOOZE_CLKがアサートになることに応答して、比較器224はその入力信号(例えば、スケーリングされたVref及びVfb)を比較し、出力信号を提供し得る。幾つかの例において、Vrefは、スヌーズモードコントローラ204にヒステリシスを提供するようにスケーリングされて、スヌーズモードコントローラ204によってコントローラ110が過渡信号ノイズ等によりスヌーズモード周波数に入ったり出たりするのを防止する。少なくとも幾つかの例において、比較器224によって提供されるアサートされた出力信号は、VOUTの値が、VOUTに対してプログラムされた値の約1パーセント以内まで減少し、コントローラ110は、電力コンバータ108を制御して電流のバーストを負荷106に提供するべきであることを示し得る。少なくとも幾つかの例において、比較器224によって提供される出力信号がアサートされることに応答して、SNOOZEは、デアサートされ得、SMPS102は、スヌーズモードから解除され得る。逆に、比較器224によって提供される出力信号がデアサートされ、TOFF_MAXがアサートされることに応答して、SNOOZEがアサートされ得、SMPS102はスヌーズモードに置かれるか又は維持され得る。SNOOZEのデアサートに応答して、誤差増幅器208及び比較器212はオンになって機能するようになり、コントローラ110が電力コンバータ108を制御して、電流を負荷106に提供するようにし得る。
【0034】
FDD回路206の動作の一例において、VOUTの変化率が監視され、その監視に基づいてFDDが提供される。例えば、FDD回路206は、FDDを、VOUTの変化率に比例する周波数を有するクロック信号として提供し得る。VOUTの変化率が増加することに応答して、FDDの周波数が増加し得、VOUTの変化率が減少することに応答して、FDDの周波数は、VOUTの変化率が小さすぎてFDD回路206によって検出できなくなるまで減少し得る。種々の例において、FDD回路206は、任意の適切なFDD回路アーキテクチャに従って実装され得、その範囲は、本明細書において限定されない。
【0035】
図3は例示の誤差増幅器208の概略図である。誤差増幅器208は、コントローラ110の構成要素として示されているが、種々の他の例において別の装置、回路、又はシステムの構成要素であり得る。少なくとも幾つかの例において、誤差増幅器208は、増幅器302、抵抗器304、スイッチ306、キャパシタ308、トランジスタ310、トランジスタ312、電流源313、スイッチ314、トランジスタ316、抵抗器317、トランジスタ318、抵抗器319、電流源320、トランジスタ321、トランジスタ322、トランジスタ324、トランジスタ326、トランジスタ328、電流源329、抵抗器330、キャパシタ332、抵抗器334、トランジスタ336、トランジスタ338、トランジスタ340、抵抗器342、電流源344、トランジスタ346、抵抗器348、比較器350、オフセット電圧源352、スイッチ354、及びパルス生成器356を含む。
【0036】
誤差増幅器208の例示のアーキテクチャにおいて、増幅器302は、Vrefを受信するように構成された第1の入力(例えば、正又は非反転入力)とVfbを受信するように構成された第2の入力(例えば、負又は反転入力)とを有する。増幅器302は、第1及び第2の出力を更に有する。少なくとも幾つかの例において、増幅器302は差動増幅器である。抵抗器304は、第1の端子において、増幅器302の第1の出力に結合され、第2の端子において、スイッチ306を介してキャパシタ308の頂部プレートに結合される。少なくとも幾つかの例において、スイッチ306は、SNOOZE_Zを受信し、SNOOZE_Zによって制御されるように構成された常時開スイッチである。他の例において、スイッチ306は、SNOOZEを受信し、SNOOZEによって制御されるように構成された常時閉スイッチであり得る。キャパシタ308の底部プレートは、接地358に結合されるように適合される。トランジスタ310は、キャパシタ308の頂部プレートに結合されたソースと、電圧源360に結合されるように適合されたドレインと、ゲートとを有する。トランジスタ312は、キャパシタ308の頂部プレートに結合されたゲートと、接地358に結合されるように適合されたソースと、トランジスタ310のゲートに結合されたドレインとを有する。電流源313は、電圧源360とトランジスタ310のゲートとの間に結合されるように適合される。スイッチ314は、増幅器302の第1の出力に結合された第1の端子と、第2の端子とを有する。少なくとも幾つかの例において、スイッチ314は、SNOOZE_Zを受信し、SNOOZE_Zによって制御されるように構成された常時開スイッチである。他の例において、スイッチ314は、SNOOZEを受信し、SNOOZEによって制御されるように構成された常時閉スイッチであり得る。トランジスタ316は、スイッチ314の第2の端子に結合されたゲートと、抵抗器317を介して接地358に結合されたソースと、ドレインとを有する。トランジスタ318は、スイッチ314の第2の端子に結合されたゲートと、抵抗器319を介して接地358に結合されたソースと、Veaが提供されるドレインとを有する。電流源320は、電圧源360とトランジスタ316のドレインとの間に結合されるように適合される。
【0037】
トランジスタ321は、トランジスタ316のドレインに結合されたゲートと、トランジスタ316のゲートに結合されたソースと、ドレインとを有する。トランジスタ322は、ドレインと、トランジスタ321のドレインに結合されたゲートと、電圧源360に結合されるように適合されたソースとを有する。トランジスタ324は、トランジスタ322のゲートに結合されたゲートと、電圧源360に結合されるように適合されたソースと、ドレインとを有する。トランジスタ326は、ドレインと、トランジスタ324のドレインに結合されたゲートと、接地358に結合されるように適合されたソースとを有する。トランジスタ328は、トランジスタ326のゲートに結合されたゲートと、接地358に結合されるように適合されたソースと、ドレインとを有する。電流源329は、電圧源360と、トランジスタ328のドレインとの間に結合されるように適合される。抵抗器330は、トランジスタ328のドレインとキャパシタ332の頂部プレートとの間に結合される。キャパシタ332の底部プレートは、接地358に結合されるように適合される。抵抗器334は、トランジスタ328のドレインとトランジスタ336のドレインとの間に結合される。トランジスタ336は、接地358に結合されるように適合されたソースと、ゲートとを更に有する。トランジスタ338は、トランジスタ328のドレインに結合されたソースと、電圧源360に結合されるように適合されたドレインと、ゲートとを有する。トランジスタ340は、トランジスタ328のドレインに結合されたゲートと、抵抗器342を介して接地358に結合されるように適合されたソースと、トランジスタ338のゲートに結合されるように適合されたドレインとを有する。電流源344は、電圧源360とトランジスタ340のドレインとの間に結合されるように適合される。トランジスタ346は、トランジスタ328のドレインに結合されたゲートと、抵抗器348を介して接地358に結合されるように適合されたソースと、誤差増幅器208の出力が提供されるドレインとを有する。比較器350は、Vrefを受信するように構成された第1の入力(例えば、正又は非反転入力)と、第2の入力(例えば、負又は反転入力)と、出力とを有する。オフセット電圧源352は、比較器350の第2の入力に結合され、電圧オフセットをVfbに提供する。スイッチ354は、電圧源360と、トランジスタ328のドレインとの間に結合されるように適合される。少なくとも幾つかの例において、スイッチ354は、比較器350の出力信号を受信し、比較器350の出力信号によって制御されるように構成される、常時開スイッチである。パルス生成器356は、SNOOZEを受信するように構成される入力と、トランジスタ336のゲートに結合された出力とを有する。
【0038】
誤差増幅器208の動作の一例において、増幅器302は、任意の適切な相互コンダクタンス増幅器であり得、Vref及びVfbを受信し、VrefとVfbの間の値における差を増幅して、出力信号COMP_PWMを提供する。抵抗器304及びキャパシタ308は、誤差増幅器208のPWMループ部分における安定性を維持するための補償を提供する。増幅器302は、トランジスタ318を駆動して、トランジスタ318のドレインにおいてVeaを提供する。トランジスタ316、抵抗器317、電流源320、及びトランジスタ321を含むクランプが、Vref又はVfbの値とは関係なく、COMP_PWMの値を最小又はクランプされた電圧に維持する、トランジスタ322、324、326、及び328は共にトランジスタ321のソースからの電流をトランジスタ328のドレインにミラーリングして、上述のクランプが係合されている間、COMP_PFMを提供する(例えば、そうでなければ、クランプが無い場合にCOMP_PWMが、クランプされた電圧よりも小さい値を有し得る)。抵抗器330及びキャパシタ332は、誤差増幅器208のPFMループ部分の安定性を維持するための補償を提供する。トランジスタ338、トランジスタ340、抵抗器342、及び電流源344を含むクランプが、Vref又はVfbの値に関係なく、COMP_PFMの値を最小又はクランプされた電圧に維持する。トランジスタ346は、COMP_PFMの値に基づいて駆動されて、トランジスタ346のドレインにおいて出力信号Vpfmを提供する。誤差増幅器208がスヌーズモードにない間、補償キャパシタであり得るキャパシタ308は、COMP_PWMに基づいて充電する。少なくとも幾つかの例において、誤差増幅器208がスヌーズモードに入ることに応答して、スイッチ306は開になり、その結果、スヌーズモードの間、電圧はキャパシタ308上で保持される。トランジスタ310、トランジスタ312、及び電流源313によって形成されるクランプが、キャパシタ308上で保持された電圧を、スヌーズモードにある間、最小又はクランプされた電圧に維持し得る。また、誤差増幅器208がスヌーズモードに入ることに応答して、スイッチ314は開になり、その結果、増幅器302の出力が、トランジスタ316、318のゲート及びトランジスタ321のソースから電気的に切り離される。
【0039】
少なくとも幾つかの例において、パルス生成器356は、SNOOZEを受信し、SNOOZEの立ち下がりエッジに応答してプログラムされた幅を有する電圧パルス(SNOOZE_EXIT_PULSE)を提供するように構成される。少なくとも幾つかの例において、プログラムされた幅は、約3マイクロ秒である。パルス持続時間に対するSNOOZE_EXIT_PULSEのアサートに応答し、且つSNOOZE_EXIT_PULSEがアサートされている間、トランジスタ336は導通状態になり得、トランジスタ340のゲートをプルダウンし、その結果、トランジスタ340のゲートにおいて提供される信号COMP_PFMは、接地358において提供される電圧にほぼ等しい。少なくとも幾つかの例において、トランジスタ340のゲートがプルダウンされることに応答して、誤差増幅器208は、コントローラ110に、電力コンバータ108をPFM制御に従って制御させる。少なくとも幾つかの例において、トランジスタ336がトランジスタ340のゲートをプルダウンすることによって、単一の不連続導通モード(DCM)パルスがゲート制御信号として電力コンバータ108に提供され得る。幾つかの例において、VOUT_COMP_LOWの値が、SNOOZE_EXIT_PULSEのアサートの後に、誤差増幅器208がPWMモード又はPFMモードで動作を開始するか否かを判定し得る。例えば、Vrefの値が、Vfbにオフセット電圧源352によって提供されたオフセットを加えた値よりも小さいと比較器350が判定することに応答して、比較器350は、アサートされた値を有するVOUT_COMP_LOWを提供する。少なくとも幾つかの例において、オフセットはVrefの約1パーセントである(例えば、その結果、Vfbが減少してVrefの99パーセントより小さい場合、VOUT_COMP_LOWがアサートされる)。VOUT_COMP_LOWがアサートされた値を有することに応答して、スイッチ354は閉になり得、トランジスタ340のゲートをプルアップし、その結果、トランジスタ340のゲートにおいて提供される信号COMP_PFMは、電圧源360において提供される電圧にほぼ等しく、誤差増幅器208は、PWM制御に基づいてVeaを提供する(例えば、PFMモード制御がスキップされる高電流モードに入る)。例えば、Vrefの値が、Vfbにオフセット電圧源352によって提供されたオフセットを加えた値よりも小さくない場合等の他の例において、DCMパルスは、コントローラ110の出力及び/又はSNOOZEを受信し得、電力コンバータ108のパワートランジスタを駆動する際に用いるためのゲート制御信号を提供し得る、上述の論理回路等の他の回路によって提供され得る。例えば、幾つかの実装において、誤差増幅器208又はコントローラ110の出力に関係なく、論理回路がSNOOZEにおける立ち下がりエッジ遷移を検出することに応答して、論理回路はDCMパルスを提供し得る。
【0040】
図4は、例示のFDD回路206の概略図である。コントローラ110の構成要素として示されているが、種々の他の例において、FDD回路206は、別の装置、回路、又はシステムの構成要素であり得る。また、特定のアーキテクチャを有して示されているが、種々の例において、FDD回路206は、本明細書で説明される機能を実施するために適した任意のアーキテクチャを有し得る。少なくとも幾つかの例において、FDD回路206は、電流源402、トランジスタ404、トランジスタ406、トランジスタ408、キャパシタ410、スイッチ412、キャパシタ414、トランジスタ416、トランジスタ418、抵抗器420、キャパシタ422、スイッチ424、論理回路426、及び遅延回路428を含む。
【0041】
FDD回路206の例示のアーキテクチャにおいて、電流源402は、電力コンバータ108の出力とトランジスタ404のドレインとの間に結合されるように適合される。トランジスタ404は、トランジスタ404のドレインに結合されたゲートと、接地358に結合されるように適合されたソースとを有する。トランジスタ406は、トランジスタ404のゲートに結合されたゲートと、接地358に結合されるように適合されたソースと、ドレインとを有する。トランジスタ408は、ドレインと、トランジスタ406のドレインに結合されたゲートと、電力コンバータ108の出力に結合されるように適合されたソースとを有する。キャパシタ410は、電力コンバータ108の出力と、トランジスタ408のゲートとの間に結合されるように適合される。スイッチ412は、トランジスタ408のゲートとトランジスタ416のゲートとの間に結合される。キャパシタ414は、トランジスタ416のゲートと接地358との間に結合されるように適合される。トランジスタ416は、電力コンバータ108の出力に結合されるように適合されたソースと、ドレインとを有する。トランジスタ418は、トランジスタ416のドレインに結合されたドレインと、トランジスタ404のゲートに結合されたゲートと、抵抗器420を介して接地358に結合されるように適合されたソースとを有する。キャパシタ422は、電力コンバータ108の出力とトランジスタ418のソースとの間に結合されるように適合される。スイッチ424は、トランジスタ418のソースと接地358との間に結合されるように適合される。論理回路426は、トランジスタ418のドレインに結合された入力と、出力とを有する。遅延回路428は、論理回路426の出力に結合された入力と、出力とを有する。少なくとも幾つかの例において、遅延回路428の出力はスイッチ412及びスイッチ424に結合され、その結果、遅延回路428の出力信号が、スイッチ412及びスイッチ424に提供され、スイッチ412及びスイッチ424を制御するように構成される。
【0042】
FDD回路206の動作の一例において、VOUTが、キャパシタ410及び414によってトランジスタ416に容量結合され、キャパシタ422によってトランジスタ418に容量結合される。FDD回路206のデフォルト出力が、少なくとも幾つかの例において、論理低又はデアサートされた信号である。VOUTの値が減少すると、トランジスタ416よりも多い電流がトランジスタ418を介して流れる。例えば、トランジスタ416のゲートは、キャパシタ414によって接地358に保持される。トランジスタ416のソースにおいて受け取られるVOUTの値が減少すると、トランジスタ416を介する電流が減少する。トランジスタ418のソースは、キャパシタ422を介して、VOUTに保持される。従って、VOUTの値が減少すると、トランジスタ418のソースにおいて提供される電圧も減少し、トランジスタ418のゲート・ソース電圧(Vgs)は増加する。トランジスタ418のVgsが増加することに応答して、トランジスタ418を介する電流も増加し、論理回路426の入力において提供される電圧の値が、ほぼVOUTから、接地358において提供される信号の値にほぼ等しい値に向かって、減少し始める。論理回路426の入力において提供される電流でもあるトランジスタ418を介する電流が、論理回路426の閾値に到達することに応答して、論理回路426はトリップする。少なくとも幾つかの例において、論理回路426は論理反転を実装する。従って、論理回路426は、トランジスタ418を介してシンクされる電流に基づいてトリップすることに応答して、論理高信号を提供し得る。少なくとも幾つかの例において、論理回路426の出力信号はFDDである。従って、少なくとも幾つかの例において、論理回路426の出力はクロック結合器222の入力に結合される。遅延回路428は、遅延回路428の入力においてFDDを受信し、プログラムされた時間量の後、遅延回路428の出力においてリセット信号(RST)を提供する、任意の適切な遅延回路であり得る。少なくとも幾つかの例において、RSTは、FDDと実質的に同じ値を有し、スイッチ412及びスイッチ424を閉にするように制御して、FDD回路206をリセットするように構成される。このように、FDDは、VOUTの変化率がFDD回路206の感度の範囲内である間、VOUTの変化率に比例する周波数を有するPWM信号として提供される。少なくとも幾つかの例において、FDD回路206は、VOUTの変化率がマイクロ秒(μs)毎に約100マイクロボルト(μV)よりも大きい場合、VOUTの変化率に比例する周波数を有するFDDを提供するのに適し得る。他の例において、FDD回路206は、VOUTの変化率が約100μV/μsよりもいくらか小さい場合、VOUTの変化率に比例する周波数を有するFDDを提供するように改変され得る。
【0043】
図5Aは、例示の信号波形の図形505である。少なくとも幾つかの例において、図形505は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形505は、上述のように、軽負荷条件(例えば、約15mA未満)の重負荷サブセット下におけるSMPS102に対するVOUT、FDD、及びCLKを示す。電力コンバータ108のインダクタのインダクタンスが約10マイクロヘンリー(μH)であると仮定すると、VOUTの値は、約100μV/μsよりも大きい率で、減少し得る。図形505によって示されるように、重負荷条件下でVOUTの値が減少すると、FDDは、VOUTの変化率に比例する周波数を有する繰り返しパルスにおいてアサートされる。
【0044】
図5Bは、例示の信号波形の図形510である。少なくとも幾つかの例において、図形510は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形510は、上述のように、軽負荷条件(例えば、約15mA未満)の中負荷サブセット下におけるSMPS102に対するVOUT、FDD、及びCLKを示す。電力コンバータ108のインダクタのインダクタンスが約10μHであると仮定すると、VOUTの値は、約10μV/μsよりも大きいが100μV/usよりも小さい率で減少し得る。図形510によって示されるように、中負荷条件下でVOUTの値が減少すると、VOUTの変化率はFDDをトリガするには不十分であり、FDDは論理低又はデアサートされた値を有し、それを維持する。Vfbの値をVrefの値と比較するようにコントローラ110に指示するためのクロック信号をコントローラ110に提供するために、コントローラ110は、発振器からCLKを受信する。少なくとも幾つかの例において、CLKは約50μsの周期を有する。種々の例において、CLKの周期は、VrefからVfbへの変動の検出において適切な量の精度を提供する任意の値にプログラムされ得る。
【0045】
図5Cは、例示の信号波形の図形515である。少なくとも幾つかの例において、図形515は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形515は、上述のような、軽負荷条件(例えば、約15mA未満)の軽負荷サブセット下におけるSMPS102に対するVOUT、FDD、及びCLKを示す。電力コンバータ108のインダクタのインダクタンスが約10μHであると仮定すると、VOUTの値は、約10μV/μsよりも小さい率で減少し得る。図形515によって示されるように、軽負荷条件下でVOUTの値が減少すると、VOUTの変化率は、FDDをトリガするには不十分であり、FDDは論理低又はデアサートされた値を有し、それを維持する。Vfbの値をVrefの値と比較するようにコントローラ110に指示するためのクロック信号をコントローラ110に提供するために、コントローラ110は、発振器からCLKを受信する。少なくとも幾つかの例において、CLKは、約50μsの周期を有する。しかしながら、VOUTが、CLKのプログラムされた数のサイクル(例えば、約32、又はSMPS102の応用例に対する適切な任意の他の数等)に対する調整内に留まっている場合、CLKの周期は増加され得る。例えば、CLKの周期は、約50μsから約200μsに増加され得る。種々の例において、CLKの周期は、VrefからVfbへの変動の検出において適切な量の精度を提供する任意の値にプログラムされ得る。少なくとも幾つかの例において、CLKを提供する構成要素が、VOUTが調整内に留まるサイクル数を追跡し得、その追跡に基づいて判定される周波数においてCLKを提供する。
【0046】
図6は、例示の信号波形の図形600である。少なくとも幾つかの例において、図形600は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形600は、VOUT、SNOOZE_CLK、SNOOZE_CLKの周波数(図形600においてSNOOZE_CLK FREQとして示される)、比較器224の出力(図形600においてSNOOZE_COMPとして示される)、及び、電力コンバータ108のインダクタの電流(図形600においてIとして示される)を示す。VOUT、SNOOZE_CLK、及びSNOOZE_COMPは、各々、ボルト(V)の単位で電圧を表す縦軸を有して示される。SNOOZE_CLK FREQは、キロヘルツ(kHz)の単位で周波数を表す縦軸を有して示される。Iは、mAの単位で電流を表す縦軸を有して示される。示される各信号は、ミリ秒(ms)の単位の横軸を有する。
【0047】
図形600によって示されるように、電力コンバータ108は、電力コンバータ108の負荷電流が10マイクロアンペア(μA)にほぼ等しい軽負荷条件下で動作している。軽負荷条件下において、SNOOZE_CLKは、CLKに従って制御される。図形600によって更に示されるように、SNOOZE_COMPがCLKの周期のプログラムされた数(例えば、32等)に対してアサートされないことに応答して、CLKの周波数が約20kHzから約3.3kHzに減少する。種々の例において、上述のように他の周波数が用いられ得る。図形600によって更に示されるように、CLK、及び従ってSNOOZE_CLKが、約20kHzの周波数を有する間、SMPS102の静止電流(IQ)が400ナノアンペア(nA)にほぼ等しく成り得る。しかしながら、CLKの周波数、及び従ってSNOOZE_CLKを減少させた後、SMPS102のIQは、約100nA未満に低減され得る。図形600によって更に示されるように、SNOOZE_COMPのアサートに応答して、SMPS102はスヌーズモードから出て電力コンバータ108を介して電流パルスを提供する。少なくとも幾つかの例において、Vfbの値が、上述のように、スケーリングされたVrefよりも大きくなることに応答して、SNOOZE_COMPがアサートされる。SNOOZE_COMPのアサートに続いて、CLKは、SNOOZE_COMPのアサート無しに、プログラムされた数のCLKのサイクルが再び経過するまで元々プログラムされた周波数に戻り、その後、CLKの周波数が再び減少され得、IQを減少させる。
【0048】
図7は、例示の信号波形の図形700である。少なくとも幾つかの例において、図形700は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形700は、VOUT、CLK、FDD、ZCD、SNOOZE_CLK、比較器224の出力(図形700においてSNOOZE_COMPとして示される)、負荷106によって提供される電流(図形700においてI_outとして示される)、及び、電力コンバータ108のインダクタの電流(図形700においてIとして示される)を示す。VOUT、CLK、FDD、SNOOZE_CLK、及びSNOOZE_COMPは各々、Vの単位で電圧を表す縦軸を有して示される。I_out及びIは、電流を表す縦軸を有して示され、I_outはmAの単位であり、Iはアンペア(A)の単位である。示された各信号は、msの単位の横軸を有する。
【0049】
図形700によって示されるように、CLK、FDD、又はZCDのいずれかの立ち上がりエッジの各々に対して、対応するパルスがSNOOZE_CLKにおいて現れる。I_outの値が急に増加すると、VOUTの値が減少して、SNOOZE_COMPがアサートされる。SNOOZE_COMPのアサートに応答して、SMPS102はスヌーズモードを出て、Iの値は増加し、増加したI_outにサービスを提供する。図形700によって更に示されるように、少なくとも幾つかの例において、増加したI_outから生じるVOUTにおける変化率によって、FDD回路206がFDDをアサートし、SNOOZE_CLKの追加のクロックパルスを送信する。
【0050】
図8は、例示の信号波形の図形800である。少なくとも幾つかの例において、図形800は、本明細書において種々の図に関連して説明されるように、SMPS102において提供され得る信号を示す。図形800は、VOUT、VOUT_COMP_LOW、PWM Error、PFM Error、負荷106によって提供される電流(図形800においてI_outとして示される)、及び、電力コンバータ108のインダクタの電流(図形800においてIとして示される)を示す。VOUT、VOUT_COMP_LOW、PWM Error、及びPFM Errorは、各々、Vの単位で電圧を表す縦軸を有して示される。I_out及びIは、I_outはmAの単位で、IはAの単位で、電流を表す縦軸を有して示される。示された各信号は、msの単位の横軸を有する。
【0051】
図形800において示されるように、I_outにおける急激な増加等によりVOUTの値が急速に減少することに応答して、VOUT_COMP_LOWがアサートされる。VOUT_COMP_LOWのアサートに応答して、SMPS102はスヌーズモードを出て、Iの値は増加して、増加したI_outにサービスを提供する。例えば、VOUT_COMP_LOWのアサートに応答して、PFM Errorがアサートされる。PFM Errorのアサートに応答して、TOFFは、ゼロの値を有し得、コントローラ110は、動作のPWMモードに従って電力コンバータ108を制御し得る。そのような制御は、ILの値を急速に増加させ得、増加したI_outにサービスを提供し、それによりVOUTを調整内に維持する。
【0052】
本明細書において、用語「結合する」は、本明細書の説明と一貫する機能的関係を可能にする接続、通信、又は信号経路を網羅し得る。例えば、デバイスAが、或るアクションを実施するようデバイスBを制御するための信号を提供する場合、(a)第1の例では、デバイスAがデバイスBに直接結合され、(b)第2の例では、デバイスAは、デバイスBに中間の構成要素Cを介して間接的に結合され、ただし、その際、介在構成要素Cは、デバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更せず、そのため、デバイスAによって提供された制御信号を介してデバイスBがデバイスAによって制御される。
【0053】
或るタスク又は機能を実施するように「構成された」デバイスは、製造時に製造者によって、その機能を実施するように構成され(例えば、プログラム及び/又は配線され)得、及び/或いは、その機能及び/又は他の付加的な又は代替的な機能を実施するように、製造後にユーザにより構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介してもよく、又はハードウェア構成要素、及びデバイスの相互接続の構成及び/又はレイアウトを介してもよく、又はそれらの組み合わせを介してもよい。
【0054】
或る構成要素を含むと説明される回路又はデバイスが、代わりに、それらの構成要素に結合されるように構成されて、説明された回路要素又はデバイスを形成してもよい。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタ等)、一つ又は複数の受動要素(抵抗器、キャパシタ、及び/又はインダクタ等)、及び/又は、一つ又は複数の源(電圧及び/又は電流電力源等)を含むとして説明される構造が、代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内に半導体要素のみを含んでもよく、受動要素及び/又は源の少なくとも幾つかに結合されるように構成されてもよく、それによって、製造時又は製造時以降の時点のいずれかで、例えば、エンドユーザ及び/又は第三者によって、説明された構造を形成し得る。
【0055】
或る構成要素は、本明細書において、特定のプロセス技術のものであるとして説明されているが、これらの構成要素は、他のプロセス技術の構成要素と交換可能であり得る。本明細書において説明される回路は、構成要素交換の前に可能であった機能性に少なくとも部分的に類似する機能性を提供するために、交換された構成要素を含むように再構成可能である。抵抗器として図示されている構成要素は一般に、特に明記しない限り、図示された抵抗器によって表されるインピーダンスの量を提供するために直列及び/又は並列に結合された任意の1つ又は複数の要素を表す。例えば、本明細書において単一の構成要素として図示され説明される抵抗器又はキャパシタが、それぞれ、単一の抵抗器又はキャパシタと同じ2つのノードの間で直列又は並列に結合された複数の抵抗器又はキャパシタであってもよい。
【0056】
本明細書において、用語「接地電圧電位」の使用は、シャーシ接地、アース接地、浮動接地、仮想接地、デジタル接地、共通接地、及び/又は、本明細書の教示に適用可能な又は適した接地接続の任意の他の形態を含む。特に明記されない限り、値の前の「約」、「およそ」又は「実質的に」は、記載されている値の+/-10パーセントを意味する。
【0057】
特許請求の範囲内で、説明した実施例における改変が可能であり、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
【国際調査報告】