(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】架橋ヘテロシクリル置換ピリミジン化合物、その調製方法及び医学的使用
(51)【国際特許分類】
C07D 451/02 20060101AFI20240115BHJP
A61K 31/46 20060101ALI20240115BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240115BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240115BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240115BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
C07D451/02
A61K31/46
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/06
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542763
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 CN2022071491
(87)【国際公開番号】W WO2022152140
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110048366.6
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508010385
【氏名又は名称】中国医▲薬▼研究▲開▼▲発▼中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】殷 惠▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】史 ▲記▼周
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 国▲標▼
(72)【発明者】
【氏名】董 流▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】邵 明召
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
架橋ヘテロシクリル置換ピリミジン化合物、その調製方法及び医学的使用。化合物又はそれを含む医薬組成物は、炎症、自己免疫疾患及びがん等のJAK1及びTYK2キナーゼ活性に関係する疾患を処置するためのJAK1及びTYK2キナーゼ阻害剤として使用されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
からなる群から選択される、化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
式1の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【化2】
化合物1iの塩酸塩を化合物1jと、アルカリ性条件及び触媒の存在下で反応させて、化合物1を取得する工程を含み、アルカリ性条件を提供する試薬が好ましくはDIEAであり、触媒が好ましくはHATUである、方法。
【請求項3】
式2の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【化3】
化合物1iの塩酸塩を化合物2と、アルカリ性条件及び触媒の存在下で反応させて、化合物2を取得する工程を含み、アルカリ性条件を提供する試薬が好ましくはDIEAであり、触媒が好ましくはHATUである、方法。
【請求項4】
式1-a及び/若しくは1-bの化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【化4】
化合物1を超臨界流体クロマトグラフィーによって分割して、化合物1-a及び/又は化合物1-bを取得する工程を含み、ここで、保持時間がより短いものが化合物1-aであり、保持時間がより長いものが化合物1-bである、方法。
【請求項5】
式2-a及び/若しくは2-bの化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【化5】
化合物2を超臨界流体クロマトグラフィーによって分割して、化合物2-a及び/又は化合物2-bを取得する工程を含み、ここで、保持時間がより短いものが化合物2-aであり、保持時間がより長いものが化合物2-bである、方法。
【請求項6】
超臨界流体クロマトグラフィーにおける移動相が、メタノール及び二酸化炭素、好ましくはアンモニアを含有するメタノール及び二酸化炭素である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
JAK1及びTYK2活性に関係する疾患の予防及び/又は処置用医薬の調製における、請求項1に記載の化合物若しくは薬学的に許容されるその塩、又は請求項7に記載の医薬組成物の使用。
【請求項9】
前記疾患が、炎症、自己免疫疾患及びがんからなる群から選択され、前記炎症が、好ましくは、関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎、乾癬及びアトピー性皮膚炎からなる群から選択され、前記自己免疫疾患が、好ましくは、多発性硬化症及びループスからなる群から選択され;前記がんが、好ましくは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝臓がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、膠芽細胞腫、肝細胞癌、乳様突起腎腫、頭頚部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞肺がんからなる群から選択される、請求項8に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術分野に属し、具体的には、架橋ヘテロシクリル置換ピリミジン化合物、それを調製するための方法、及びそれを含有する医薬組成物、並びに、ヤヌスキナーゼ1(JAK1)及びチロシンタンパク質キナーゼ2(TYK2)活性を調節するためのその使用並びにJAK1及びTYK2活性に関係する疾患を処置する及び/又は予防する際のその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内シグナリングのプロセスは、細胞が外部刺激に応答し、最終的に特異的な生物学的効果を誘引するための有効な手法である。サイトカインは、様々なシグナリング経路を経由して細胞内シグナリングを行うことができ、それにより、造血機能の調節及び免疫に関係する多くの重要な生物学的機能に関与している。タンパク質チロシンキナーゼのヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリー及び転写活性化因子(STAT)は、サイトカインシグナリングのプロセスにおいて重要な役割を果たす(J. Immunol. 2015、194、21)。
【0003】
ヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーは、細胞増殖及び免疫応答に関与する機能のサイトカイン依存性調節においてある特定の役割を果たす。現在、4つの公知の哺乳動物のJAKファミリーメンバー:JAK1(ヤヌスキナーゼ-1としても公知)、JAK2(ヤヌスキナーゼ-2としても公知)、JAK3(ヤヌスキナーゼ、白血球、JAKL1、L-JAK及びヤヌスキナーゼ-3としても公知)、Tyk2(タンパク質チロシンキナーゼ2としても公知)がある。JAK1、JAK2及びTyk2は、種々の組織及び細胞内に広く存在し、一方、JAK3は、骨髄及びリンパ系内のみに存在する(J. Med. Chem. 2014、57、5023)。
【0004】
Tyk2は、最初に発見されたJAKキナーゼである。これは、IL-12及び細菌性リポ多糖(LPS)の生物学的応答を調節する際に重要な役割を果たし、IL-6、IL-10及びIL-12によって媒介されるシグナリング経路にも関与する。Tyk2を標的とすることは、IL-12、IL-23又はI型IFNによって媒介される疾患を処置するための新たな戦略となることができる。前記疾患は、関節リウマチ、多発性硬化症、ループス、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎、サルコイドーシス、エリテマトーデス及びがんを含むがこれらに限定されない。
【0005】
JAK1は、複数のサイトカイン受容体ファミリーの生物学的応答機能を調節する際に重要な役割を果たす。JAK1遺伝子ノックアウトマウスは、出生後早期致死因子表現型を有し、神経系も損傷しており、幼若マウスにおいて先天性欠損をもたらす。研究は、JAK1遺伝子ノックアウトマウスが胸腺細胞及びB細胞分泌欠損を有するであろうこと、並びにJAK1遺伝子ノックアウト組織が、LIF、IL-6及びIL-10に対して有意に弱まった応答を有することを示した。臨床試験は、JAK1阻害剤が、関節リウマチ、潰瘍性結腸炎、クローン病、エリテマトーデス、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎等の炎症性及び自己免疫疾患を処置する際に良好な効能を示したことを示した。
【0006】
受容体とのサイトカイン結合時、受容体は、二量体を形成し、これが、受容体とカップリングしているJAKに接近して、チロシン残基のリン酸化によりJAKを活性化させる(active)。今度は、これが受容体自体のチロシン残基のリン酸化を触媒して、「ドッキング部位」を形成する。シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)は、標的遺伝子を調節し、DNAに結合することができる、細胞質タンパク質の群である。STATファミリーは、STAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5a、STAT5b及びSTAT6を含む。STATは、SH2ドメインを経由して「ドッキング部位」を認識し、JAKキナーゼによるそのC末端チロシン残基のリン酸化によって活性化される。活性化したSTAT因子は、核に移され、先天性及び後天性宿主免疫応答を調節する際に重要な役割を果たす。
【0007】
JAK/STATシグナリング経路の活性化は、アレルギー、喘息、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症等の多くの異常な免疫応答を含むがこれらに限定されない、種々の疾患の出現を促進する。これは、白血病(急性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病)及び固形腫瘍(子宮平滑筋肉腫、前立腺がん)等のがんにも関連する(Curr. Opin. Rheumatol. 2014、26、237)。
【0008】
JAK1及びTYK2が炎症性シグナリング経路において果たす重要な役割を考慮すると、両方のキナーゼを同時に阻害することができる薬物は、効能を更に強化し、より大きな利益を患者にもたらす可能性を有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Immunol. 2015、194、21
【非特許文献2】J. Med. Chem. 2014、57、5023
【非特許文献3】Curr. Opin. Rheumatol. 2014、26、237
【非特許文献4】J Med Chem、2018、61、8597~8612
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
徹底した研究を通して、本発明者らは、一連の架橋ヘテロシクリル置換ピリミジン化合物を設計及び合成し、これらをJAK1及びTYK2活性についてスクリーニングした。研究結果は、これらの化合物が、傑出したJAK1及びTYK2阻害活性を有し、JAK1及びTYK2活性に関係する疾患を処置するための医薬として開発されうることを示す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、
【0012】
【0013】
からなる群から選択される化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供することである。
【0014】
本発明は更に、式1の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【0015】
【0016】
化合物1iの塩酸塩を化合物1jと、アルカリ性条件及び触媒の存在下で反応させて、化合物1を取得する工程を含み、アルカリ性条件を提供する試薬が好ましくはDIEAであり、触媒が好ましくはHATUである、方法を提供する。
【0017】
本発明は、式2の化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【0018】
【0019】
化合物1iを化合物2と、アルカリ性条件及び触媒の存在下で反応させて、化合物2を取得する工程を含み、アルカリ性条件を提供する試薬が好ましくはDIEAであり、触媒が好ましくはHATUである、方法も提供する。
【0020】
本発明は、式1-a及び/若しくは1-bの化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【0021】
【0022】
化合物1を超臨界流体クロマトグラフィーによって分割して、化合物1-a及び/又は化合物1-bを取得する工程を含み、ここで、保持時間がより短いものが化合物1-aであり、保持時間がより長いものが化合物1-bである、方法も提供する。
【0023】
本発明は更に、式2-a及び/若しくは2-bの化合物又は薬学的に許容されるその塩を調製するための方法であって、
【0024】
【0025】
化合物2を超臨界流体クロマトグラフィーによって分割して、化合物2-a及び/又は化合物2-bを取得する工程を含み、ここで、保持時間がより短いものが化合物2-aであり、保持時間がより長いものが化合物2-bである、方法を提供する。
【0026】
本発明の超臨界流体クロマトグラフィーは、移動相として超臨界流体を用いるクロマトグラフィーである。超臨界流体は、気体でも液体でもなく、それらの物理的特性が気体と液体との間である物質を指す。
【0027】
本発明の超臨界流体クロマトグラフィーは、好ましくはメタノール及び二酸化炭素を移動相として使用し、より好ましくはアンモニアを含有するメタノール及び二酸化炭素を移動相として使用し、特にMeOH(0.2%NH3
.H2O)/CO2を移動相として使用し、より特定すればMeOH(0.2%NH3
.H2O)/CO2を40:60の体積比で移動相として使用する。
【0028】
本発明は更に、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0029】
本発明は更に、JAK1及びTYK2阻害剤の調製における、本発明に従う化合物又はそれを含む医薬組成物の使用に関する。
【0030】
本発明は更に、JAK1及びTYK2活性に関係する疾患の予防及び/又は処置用医薬の調製における、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物の使用に関し、ここで、疾患は、炎症、自己免疫疾患及びがんからなる群から選択され、炎症は、好ましくは、関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎、乾癬及びアトピー性皮膚炎からなる群から選択され、自己免疫疾患は、好ましくは、多発性硬化症及びループスからなる群から選択され;がんは、好ましくは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝臓がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、膠芽細胞腫、肝細胞癌、乳様突起腎腫、頭頚部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞肺がんからなる群から選択される。
【0031】
本発明は更に、薬物として使用するための、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物に関する。
【0032】
本発明は更に、JAK1及びTYK2阻害剤として使用するための、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物に関する。
【0033】
本発明は更に、JAK1及びTYK2活性に関係する疾患の予防及び/又は処置において使用するための、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物に関し、ここで、疾患は、炎症、自己免疫疾患及びがんからなる群から選択され、炎症は、好ましくは、関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎、乾癬及びアトピー性皮膚炎からなる群から選択され、自己免疫疾患は、好ましくは、多発性硬化症及びループスからなる群から選択され;がんは、好ましくは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝臓がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、膠芽細胞腫、肝細胞癌、乳様突起腎腫、頭頚部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞肺がんからなる群から選択される。
【0034】
本発明は更に、JAK1及びTYK2を阻害するための方法であって、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物を、JAK1及びTYK2と接触させる工程を含む、方法に関する。
【0035】
本発明は更に、JAK1及びTYK2活性に関係する疾患を予防する及び/又は処置するための方法であって、治療有効量の、本発明に従う化合物、又は薬学的に許容されるその塩、或いはそれを含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、方法に関し、ここで、疾患は、炎症、自己免疫疾患及びがんからなる群から選択され、炎症は、好ましくは、関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患、ブドウ膜炎、乾癬及びアトピー性皮膚炎からなる群から選択され、自己免疫疾患は、好ましくは、多発性硬化症及びループスからなる群から選択され;がんは、好ましくは、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肺がん、胃がん、直腸がん、膵臓がん、脳腫瘍、皮膚がん、口腔がん、前立腺がん、骨がん、腎臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肝臓がん、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、黒色腫、固形腫瘍、神経膠腫、膠芽細胞腫、肝細胞癌、乳様突起腎腫、頭頚部腫瘍、白血病、リンパ腫、骨髄腫及び非小細胞肺がんからなる群から選択される。
【0036】
本発明の分野における従来の方法に従って、本発明の化合物は、酸との薬学的に許容される酸付加塩で形成されうる。酸は、無機酸及び有機酸、特に好ましくは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸等を含む。
【0037】
本発明の分野における従来の方法に従って、本発明の化合物は、塩基との薬学的に許容される塩基性付加塩で形成されうる。塩基は、無機塩基及び有機塩基を含む。許容される有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等を含み、許容される無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等を含む。
【0038】
活性成分を含む医薬組成物は、経口投与に好適な形態、例えば、錠剤、トローチ剤、キャンディー剤、水性若しくは油性懸濁剤、分散性の粉末若しくは顆粒剤、エマルション剤、硬若しくは軟カプセル剤、シロップ剤又はエリキシル剤であってよい。経口組成物は、医薬組成物を調製するための当技術分野において公知である任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、心地よく且つ口当たりのよい医薬調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ又は複数の成分も含みうる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混和して含有する。これらの賦形剤は、不活性賦形剤、例を挙げると、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン又はアラビアガム;及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよいし、薬物の味をマスクするため又は消化管における活性成分の崩壊及び吸収を遅延させるために、公知の技術によってコーティングされていてもよく、それにより、長期間にわたる持続放出を提供する。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性矯味物質又はエチルセルロース若しくは酢酸酪酸セルロース等の時間延長物質が使用されうる。
【0039】
経口製剤は、活性成分が、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン等の不活性固体希釈剤と混合されている、硬ゼラチンカプセル剤、或いは、活性成分が、ポリエチレングリコール等の水溶性担体又はピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油等の油溶媒と混合されている、軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。
【0040】
水性懸濁剤は、活性成分を、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤と混和して含む。そのような賦形剤は、懸濁化剤、例を挙げると、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及びアラビアガム;自然発生のリン脂質であってよい分散若しくは湿潤剤、例を挙げると、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との凝縮生成物、例を挙げると、ステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの凝縮生成物、例を挙げると、ヘプタデシルエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの凝縮生成物、例を挙げると、ポリエチレンオキシドソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの凝縮生成物、例を挙げると、ポリエチレンオキシドソルビタンモノオレエートである。水性懸濁剤は、エチルパラベン又はn-プロピルパラベン等の1つ又は複数の保存剤、1つ又は複数の着色剤、1つ又は複数の香味剤、及びスクロース、サッカリン又はアスパルテーム等の1つ又は複数の甘味剤も含みうる。
【0041】
油懸濁剤は、活性成分を、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナツ油等の植物油、又は流動パラフィン等の鉱油に懸濁することによって製剤化されうる。油懸濁剤は、ミツロウ、硬パラフィン又はセチルアルコール等の増粘剤を含みうる。口当たりのよい調製物を提供するために、前述の甘味剤及び香味剤が添加されてよい。組成物は、ブチル化ヒドロキシアニソール又はアルファ-トコフェロール等の酸化防止剤を添加することによって保つことができる。
【0042】
水性懸濁剤の調製に好適な分散性の粉末又は顆粒剤は、水を添加することによって、活性成分を、分散剤若しくは湿潤剤、懸濁化剤又は1つ若しくは複数の保存剤と混和して提供することができる。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、上述した通りである。甘味剤、香味剤及び着色剤等の追加の賦形剤を添加することもできる。組成物は、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加することによって保つことができる。
【0043】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、オリーブ油若しくはピーナッツ油等の植物油、又は流動パラフィン等の鉱油、又はそれらの混合物であってよい。好適な乳化剤は、自然発生のリン脂質、例を挙げると、大豆レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル、例を挙げると、ソルビタンモノオレエート、並びに部分エステル及びエチレンオキシドの凝縮生成物、例を挙げると、ポリエチレンオキシドソルビトールモノオレエートであってよい。エマルションは、甘味剤、香味剤、保存剤及び酸化防止剤も含みうる。許容される甘味剤は、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースを加えて調製された、シロップ剤及びエリキシル剤である。そのような調製物は、粘滑剤、保存剤、着色剤及び酸化防止剤も含みうる。
【0044】
本発明の医薬組成物は、滅菌注射用水溶液の形態であってもよい。使用されうる許容されるビヒクル又は溶媒は、水、リンゲル液又は等張塩化ナトリウム溶液である。滅菌注射用調製物は、活性成分が油相に溶解されている滅菌注射用水中油型マイクロエマルションであってよい。例えば、活性成分を、大豆油及びレシチンの混合物に溶解し、次いでこれを、水及びグリセロールの混合物に添加して、マイクロエマルションを形成する。注射溶液又はマイクロエマルションは、局部ボーラス注射によって患者の血流中に導入されてよい。代替として、溶液及びマイクロエマルションは、好ましくは、本発明の化合物の一定の循環濃度を維持する様式で投与される。この一定の濃度を維持するために、連続静脈内送達デバイスが使用されうる。
【0045】
本発明の医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与のための滅菌注射用水性又は油懸濁剤の形態であってよい。そのような懸濁剤は、上述した通りの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用い、公知の技術に従って製剤化されうる。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中で調製された滅菌注射用溶液又は懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール中で調製された溶液であってもよい。加えて、滅菌固定油が溶媒又は懸濁媒として便利に使用されうる。この目的のために、合成モノ-又はジグリセリドを含む任意のブレンド(blended)固定油が使用されうる。加えて、注射剤を調製するために、脂肪酸、例えばオレイン酸を使用してもよい。
【0046】
本発明の化合物は、経直腸投与のための坐剤の形態で投与されうる。これらの医薬組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸内では液体であり、それにより、直腸内で融解して薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製されうる。そのような物質は、ココアバター、グリセリンゼラチン、水素化植物油、並びに種々の分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物を含む。
【0047】
薬物の投薬量は、下記の要因:具体的な化合物の活性、患者の年齢、体重、健康状態、挙動及び食習慣、投与時間、投与ルート、排泄率、薬物の組合せ等を含むがこれらに限定されない様々な要因によって決まることが、当業者には周知である。その上、処置モード、化合物の日用量又は薬学的に許容される塩の種類等の最適処置は、従来の治療レジメンに従って検証されうる。
【0048】
本発明は、薬学的に許容される担体又は賦形剤と混和した、化合物、又は薬学的に許容されるその塩、水和物若しくは溶媒和物を活性成分として加えて調製された組成物を含むことができ、これは、臨床的に許容される製剤に製剤化されうる。
【0049】
本発明の誘導体は、有害効果、例えばアレルギー反応等を発揮しない限り、他の活性成分と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物を唯一の活性成分として使用することができ、又はJAK1及びTYK2活性に関係する疾患の処置のための他の活性成分と組み合わせて使用することもできる。組合せ療法は、各活性成分を、同時に、別個に又は順次に投与することによって達成される。
【0050】
本開示において、「医薬組成物」は、本明細書において記述されている化合物の1つ若しくは複数、又は生理学的に/薬学的に許容されるその塩若しくはプロドラッグ、及び他の化学成分、並びに、生理学的/薬学的に許容される担体及び賦形剤等の他の成分を含有する混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物学的活性を示すように、活性成分の吸収を促す、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0051】
本開示において、「薬学的に許容される塩」は、哺乳動物において使用するために安全且つ有効であり、所望の生物学的活性を保有する、本発明の化合物の塩を指す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明の化合物のラットAIA薬力学的スコア付け結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
下記の実施例を参照して本発明について更に記述するが、実施例は、本発明の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。
【0054】
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/又は質量分析(MS)によって同定される。NMRシフトは、10-6(ppm)で記される。NMRは、Bruker社dps300核磁気分光計によって決定される。決定のための溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)であり、内部標準は、テトラメチルシラン(TMS)である。
【0055】
MSは、1100シリーズLC/MSDトラップ(ESI)質量分析(製造業者:Agilent社)によって決定される。
【0056】
実施例において指定されない限り、1c3000高速液体クロマトグラフ及び1c6000高速液体クロマトグラフ(製造業者:ChuangXin TongHeng社)が分取液体クロマトグラフに使用される。クロマトグラフカラムは、ダイソーゲルC18 10μm 60A(20mm×250mm)である。移動相:アセトニトリル、水(0.05%ギ酸)。
【0057】
HPLCは、株式会社島津製作所LC-20AD高圧液体クロマトグラフ(Agilent社TC-C18 250×4.6mm 5μmカラム)及び株式会社島津製作所LC-2010AHT高圧液体クロマトグラフ(Phenomenex社C18 250×4.6mm 5μmカラム)によって決定される。
【0058】
Qingdao Haiyang Chemical社GF254シリカゲルプレートを薄層クロマトグラフィー(TLC)に使用し、仕様は、分析では0.15mmから0.2mm、並びに生成物の分離及び精製では0.4mmから0.5mmである。
【0059】
Qingdao Haiyang社100から200メッシュ及び200から300メッシュシリカゲルが、カラムクロマトグラフィーのための担体として概して使用される。
【0060】
本発明の公知の出発材料は、当技術分野において公知の方法によって若しくはそれに従って合成されうるか、又はWHall社、Beijing Ouhe社、Sigma社、J&K Scientific社、Yishiming社、Shanghai Shuya社、Innochem社、Nanjing Pharmablock社、Energy Chemical社及び他の企業から購入されうる。
【0061】
実施例において指定されない限り、すべての反応は、アルゴン雰囲気又は窒素雰囲気下で行われうる。
【0062】
アルゴン雰囲気又は窒素雰囲気は、反応フラスコが、約1Lの体積を持つアルゴン又は窒素バルーンと接続されていることを意味する。
【0063】
CEM社Discover SPマイクロ波反応器をマイクロ波反応に使用する。
【0064】
実施例において指定されない限り、溶液は、水溶液を指す。
【0065】
実施例において指定されない限り、反応温度は室温であり、これは、20℃から30℃である。
【0066】
実施例における反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターする。反応に使用される展開剤の系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:n-ヘキサン及び酢酸エチル系、C:石油エーテル及び酢酸エチル系、D:アセトンである。溶媒の体積比は、化合物の極性に従って調整される。
【0067】
化合物を精製するために使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離液系及び薄層クロマトグラフィーの展開溶媒系は、A:ジクロロメタン及びメタノール系、B:石油エーテル、酢酸エチル及びジクロロメタン系、C:石油エーテル及び酢酸エチル系を含む。溶媒の体積比は、化合物の極性に従って調整される。少量のトリエチルアミン、酢酸又は他の塩基性若しくは酸性試薬を、調整のために添加することもできる。
【実施例】
【0068】
(実施例1)
((1S,2R)-2-フルオロシクロプロピル)(3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノン(1)の調製
【0069】
【0070】
工程1:tert-ブチル3-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-カルボキシレート(1b)の合成
カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS、10.7mL、10.7mmol)を、無水テトラヒドロフラン(30mL)中のtert-ブチル3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシレート(2.00g、8.88mmol)の混合溶液に、窒素雰囲気下、-78℃で添加し、混合物を-78℃で0.5時間にわたって撹拌した。無水テトラヒドロフラン(20mL)中のN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(3.82g、10.7mmol)の溶液を滴下添加し、添加の完了後、混合物を-78℃で2時間にわたって撹拌した。反応物を、塩化アンモニウムの飽和水溶液(20mL)を添加することによってクエンチした。混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を水酸化カリウムの溶液(1mol/L)及び飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル、10/1から2/1)によって精製して、3.10gの表題化合物を淡黄色油として得た。収率:97.8%。
【0071】
工程2:tert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-カルボキシレート(1d)の合成
Pd(dppf)Cl2ジクロロメタン錯体(423mg、0.518mmol)を、ジオキサン(50mL)中の、化合物1b(3.70g、10.4mmol)、酢酸カリウム(3.05g、31.1mmol)及び二ホウ酸ピナコール(1c)(2.90g、11.4mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、室温で添加し、混合物を80℃で終夜撹拌した。溶媒を回転蒸発によって除去した。混合物を水(40mL)に添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=10/1から2/1)によって精製して、1.20gの表題化合物を黄色油状物として得た。収率:34.6%。
【0072】
工程3:tert-ブチル3-(2-クロロピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-カルボキシレート(1f)の合成
Pd(dppf)Cl2(262mg、0.358mmol)を、ジオキサン(40mL)及び水(10mL)中の、化合物1d(1.20g、3.58mmol)、炭酸カリウム(1.24g、8.95mmol)及び2,4-ジクロロピリミジン(1e)(534mg、3.58mmol)の混合溶液に、窒素雰囲気下、室温で添加し、混合物を80℃で終夜撹拌した。溶媒を回転蒸発によって除去した。混合物を水(40mL)に添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=10/1から1/1)によって精製して、830mgの表題化合物を黄色油状物として得た。収率:72.1%。
【0073】
工程4:tert-ブチル3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-カルボキシレート(1h)の合成
p-トルエンスルホン酸(TsOH、37.3mg、0.217mmol)を、ジオキサン(10mL)中の化合物1f(700mg、2.17mmol)及び1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン(1g)(211mg、2.17mmol)の溶液に室温で添加し、混合物を90℃で終夜撹拌した。溶媒を回転蒸発によって除去した。混合物を水(40mL)に添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=10/1から1/1)によって精製して、600mgの表題化合物を褐色油状物として得た。収率:72.4%。
【0074】
工程5:4-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-3-イル)-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-2-アミン塩酸塩(1i)の合成
HCl/1,4-ジオキサン(6mL、4M)を、ジクロロメタン(6mL)中の化合物1h(200mg、0.524mmol)の溶液に室温で添加した。混合物を30分間にわたって撹拌し、低温で濃縮して、157mgの粗表題化合物を白色固体として得た。
【0075】
工程6:((1S,2R)-2-フルオロシクロプロピル)(3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノン(1)の合成
2-(7-オキシドベンゾトリアゾール)-N,N,N',N'-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート(HATU、224mg、0.590mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中の(1S,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(1j)(51mg、0.492mmol)の溶液に室温で添加し、混合物を室温で30分間にわたって撹拌した。化合物1i(132mg、0.414mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、190mg、1.48mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を水(50mL)に添加し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取液体クロマトグラフィー(カラム:30mm×250mm;パッキング:C18、10μm;方法:2~22分、アセトニトリル10~40%;波長:254nm;流速:45mL/分;移動相:アセトニトリル、水)によって精製して、95.0mgの表題化合物を黄色固体として得た。収率:59.4%。
LC-MS: m/z 369 [M+H]+;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.34 (s, 1H), 8.34-8.32 (m ,1H), 7.81 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.28-7.11(m, 1H), 6.84-6.78 (m, 1H), 5.94-4.61 (m, 3H), 3.45 (s, 3H), 2.92-2.83 (m, 1H), 2.63-2.49 (m, 2H), 2.39-2.25 (m, 1H) , 2.18-2.04 (m, 1H), 2.01-1.83 (m, 1H), 1.75-1.63 (m, 1H), 1.37-1.19 (m, 1H), 1.11-1.07 (m, 1H).
【0076】
(実施例1-a及び1-b)
((1S,2R)-2-フルオロシクロプロピル)((1S,5R)-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノン及び((1S,2R)-2-フルオロシクロプロピル)((1R,5S)-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノンの調製
【0077】
【0078】
化合物1-a及び1-bは、化合物1から超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって分割した。
【0079】
SFC分割条件:カラムモデル:AD-H 4.6mm×250mm、5μm、移動相:MeOH(0.2% NH3.H2O)/CO2=40:60、流速:40g/分、カラム温度:40℃。
化合物1-a:
保持時間:14.97分。
LC-MS: m/z 369[M+H]+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 9.32 (s, 1H), 8.31 (d, J = 5.20 ,1H), 7.79 (d, J = 5.60 ,1H), 7.47 (s, 1H), 7.17-7.14(m, 1H), 6.80-6.77 (m, 1H), 5.00-4.61 (m, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.90-2.80(m, 1H),2.62-2.47 (m, 2H), 2.36-2.30 (m, 1H) , 2.22-2.05(m, 1H) , 2.00-1.86(m, 1H) , 1.76-1.62(m, 1H) , 1.35-1.17(m, 1H) , 1.07-1.04(m, 1H).
化合物1-b:
保持時間:17.98分。
LC-MS: m/z 369[M+H]+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): 9.36 (s, 1H), 8.35-8.33 (m ,1H), 7.82 (s,1H), 7.51 (s, 1H), 7.30-7.05(m, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 4.90-4.63 (m, 3H), 3.09 (s, 3H), 2.95-2.85(m, 1H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.40-2.20 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 1H) , 2.00-1.86 (m, 1H) , 1.76-1.62 (m, 1H) , 1.42-1.33 (m, 1H) , 1.19-1.07 (m, 1H).
【0080】
(実施例2)
((1R,2S)-2-フルオロシクロプロピル)(3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノン(2)の調製
【0081】
【0082】
(1S,2R)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(1j)を(1R,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(2a)で置きかえたことを除き、実施例1におけるものと同じ調製方法を使用して、表題化合物2を得た。
【0083】
分取液体クロマトグラフィー方法:カラム:30mm×250mm;パッキング:C18、10μm;方法:2~22分、アセトニトリル10~50%;波長:254nm;流速:45mL/分;移動相:アセトニトリル、水。
LC-MS: m/z 365 [M+H]+.
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.34 (s, 1H), 8.34-8.30 (m, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.18-7.12 (m, 1H), 6.84-6.80 (m, 1H), 4.98-4.64 (m, 3H), 3.80 (s, 3H), 2.93-2.87 (m, 1H), 2.68-2.50 (m, 2H), 2.35-2.24 (m, 1H), 2.08-2.05 (m, 1H), 1.92-1.84 (m, 1H), 1.80-1.61 (m, 1H), 1.41-1.34 (m, 1H), 1.18-1.05 (m, 1H).
【0084】
(実施例2-a及び2-b)
((1R,2S)-2-フルオロシクロプロピル)((1S,5R)-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノン及び((1R,2S)-2-フルオロシクロプロピル)((1R,5S)-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-8-イル)メタノンの調製
【0085】
【0086】
化合物2-a及び2-bは、化合物2から超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって分割した。
【0087】
SFC分割条件:カラムモデル:AD-H 4.6mm×250mm、5μm、移動相:MeOH(0.2%NH3.H2O)/CO2=40:60、流速:40g/分、カラム温度:40℃。
化合物2-a:
保持時間:12.53分。
LC-MS: m/z 369 [M+H]+.
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ9.35 (s, 1H), 8.35-8.32 (m, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.19-7.15 (m, 1H), 6.85-6.81 (m, 1H), 4.90-4.63 (m, 3H), 3.81 (s, 3H), 2.91-2.89 (m, 1H), 2.67-2.51 (m, 2H), 2.47-2.29 (m, 1H), 2.09-2.04 (m, 1H), 1.91-1.81 (m, 1H), 1.74-1.58 (m, 1H), 1.45-1.31 (m, 1H), 1.14-1.08 (m, 1H).
化合物2-b:
保持時間:15.46分。
LC-MS: m/z 369 [M+H]+.
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 9.35 (s, 1H), 8.35-8.33 (m, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.19-7.15 (m, 1H), 6.83-6.81 (m, 1H), 5.03-4.65 (m, 3H), 3.80 (s, 3H), 2.91-2.89 (m, 1H), 2.67-2.51 (m, 2H), 2.48-2.28 (m, 1H), 2.10-2.01 (m, 1H), 1.98-1.86 (m, 1H), 1.84-1.65 (m, 1H), 1.38-1.33 (m, 1H), 1.20-1.06 (m, 1H).
【0088】
生物学的評価
試験例1:JAK1キナーゼに対する本発明の化合物のインビトロ阻害活性の決定
実験材料:JAK1キナーゼ(Invitrogen社、PV4744)、ATP(Promega社、V915B)、ADP-Gloキナーゼアッセイ(Promega社、V9101)、IRS1(Signalchem社、140-58-1000)。
【0089】
試料調製:本発明の化合物及び対照生成物をそれぞれDMSO溶媒に溶解して、10mMの母液中に配合した。化合物の最終反応最大濃度は、10μM、3倍希釈、10の濃度勾配、及び各濃度勾配について二連ウェルであった。
【0090】
実験プロセス:0.1μLの試験する化合物を、エコーを介して384ウェル反応プレート(PE社、6007290)に移し、1000rpm/分で1分間にわたって遠心分離した。5μLのJAK1キナーゼ(4nMの最終濃度)を384ウェル反応プレートに移し、次いでこれを、1000rpm/分で1分間にわたって遠心分離し、25℃で15分間にわたってインキュベートした。5μLの基質混合物(1mM ATP、IRS1 0.05mg/ml、キナーゼ緩衝溶液)を384ウェル反応プレートに移し、次いでこれを、1000rpm/分で1分間にわたって遠心分離し、25℃で60分間にわたってインキュベートした。10μLのADP-Gloを384ウェル反応プレートに移し、次いでこれを、1000rpm/分で1分間にわたって遠心分離し、25℃で40分間にわたってインキュベートした。20μLの試験溶液を384ウェル反応プレートに移し、次いでこれを、1000rpm/分で1分間にわたって遠心分離し、25℃で40分間にわたってインキュベートした。エンビジョン多機能プレートリーダーを使用することにより、RLU(相対発光単位)シグナルを読み取った。シグナル強度を使用して、キナーゼ活性の程度を特徴付けた。
【0091】
化合物のIC50(半数阻害濃度)は、下記の非線形当てはめ方程式:
Y=底部+(頂部-底部)/(1+10^((対数IC50-X)×傾斜));
X:化合物の濃度の対数値;
Y:放出比;
底部:最小値、頂部:最大値、傾斜:傾き
を使用することによって取得した。
【0092】
JAK1キナーゼに対する本発明の化合物の阻害活性は、以下のTable 1(表1)に示される通りである。0~100nMのIC50値はAとして示され、100~300nMのIC50値はBとして示され、300~1000nMのIC50値はCとして示され、1000nMよりも大きいIC50値はDとして示される。NTは、未試験を意味する。
【0093】
【0094】
上記の実験結果から、本発明の化合物は、良好なインビトロ抗JAK1キナーゼ活性を有することが分かる。
【0095】
試験例2:ヒト全血のSTAT3シグナリング経路に対する本発明の化合物の阻害効果
実験材料:CD3(BD社、555335)、pSTAT3抗体(BD社、612569)、IFN-2α(Biolegend社、592702)。
【0096】
試料調製:本発明の化合物及び対照をそれぞれDMSO溶媒に溶解して、10mMの母液中に配合した。化合物の最終反応最大濃度は、10μM、3倍希釈、10の濃度勾配、及び各濃度勾配について二連ウェルであった。
【0097】
実験プロセス:20μLの本発明の化合物を、180μLの抗凝固剤ヘパリンナトリウムを含有するフローサイトメーター管(BD社、352052)に添加した。20μLのPBSを対照管に添加した。試料を37℃で30分間にわたってインキュベートした。2μLの刺激因子を添加し、次いで、37℃で20分間にわたってインキュベートした。1mLの赤血球溶解物を添加し、試料を5から10回繰り返し反転させるか又はボルテックスし、次いで、37℃で10分間にわたってインキュベートした。試料を600gで6から8分間にわたって遠心分離した。上清を廃棄した。沈殿物が懸濁されるまで混合物をボルテックスした。細胞を3mLのPBSで洗浄し、600gで6から8分間にわたって遠心分離した。上清を廃棄した。沈殿物が懸濁されるまで混合物をボルテックスした。1mLの膜破壊溶液を添加し、系を静かに混合し、氷上で30分間にわたってインキュベートし、600gで6から8分間にわたって遠心分離した。上清を廃棄した。沈殿物が懸濁されるまで混合物をボルテックスした。細胞を洗浄した。3mLのPBSを添加した。系を600gで6から8分間にわたって遠心分離した。上清を廃棄した。沈殿物が懸濁されるまで混合物をボルテックスした。プロセスを2回繰り返した。100μLのPBSを各染色管に添加した。IFN-2αを刺激のために添加し、CD3及びpSTAT3抗体(20μL)を添加した。系をよく混合し、光から保護し、室温で60分間にわたってインキュベートした。細胞を洗浄した。3mLのPBSを添加した。系を600gで6から8分間にわたって遠心分離した。上清を廃棄した。沈殿物が懸濁されるまで混合物をボルテックスした。沈殿物をフローサイトメトリー分析のために暗所で150μLに懸濁した。化合物のIC50(半数阻害濃度)は、下記の非線形当てはめ方程式:
Y=底部+(頂部-底部)/(1+10^((対数IC50-X)×傾斜));
X:化合物の濃度の対数値;
Y:放出比;
底部:最小値、頂部:最大値、傾斜:傾き
を使用することによって取得した。
【0098】
IFN-2α刺激TYK2/JAK1媒介性経路に対する本発明の化合物の阻害効果は、以下のTable 2(表2)に示される。0~100nMのIC50値はAとして示され、100~300nMのIC50値はBとして示され、300~1000nMのIC50値はCとして示され、1000nMよりも大きいIC50値はDとして示される。NTは、未試験を意味する。
【0099】
【0100】
Table 2(表2)から分かるように、本発明の化合物は、ヒト全血のTYK2/JAK1媒介性シグナリング経路に対して非常に良好な阻害効果を有する。
【0101】
試験例3:ラットにおける薬物動態研究
試料調製:実施例1-a及び1-bの化合物を、20%シクロデキストリンとともに0.2mg/mL及び0.5mg/mLの溶液中に配合した。
【0102】
実験方法:雄SDラット(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.社)を使用し、静脈内用量は1mg/kg(静脈内に、i.v)であった。投与前並びに投与後0、5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間及び8時間で、血液を眼角静脈叢から収集した。経口用量は5mg/kg(経口、p.o)であった。投与前並びに投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間及び8時間で、血液を眼角静脈叢から収集した。血液をヘパリンナトリウムで抗凝固剤処置し、3500rpmで10分間にわたって4℃にて遠心分離した。血漿を取得し、試験まで-20℃で保管した。
【0103】
室温で融解した50μLの血漿試料を正確に測定し、1.5mLのEP管に入れ、続いて、400μLのベラパミル内部標準ワーキング溶液(中国医薬品検定研究院(China National Institute for Drug Control))を添加した。EP管を1分間にわたって激しくボルテックスし、16000rpmで10分間にわたって遠心分離した。上清を収集し、0.22μmの有機膜(AS081320-T、Agela Technologies社)で濾過し、注射バイアルに添加した。血漿濃度は、LC/MS(Waters社UPLC Iクラス/TQ-Sマイクロ)によって取得した。ラットにおける化合物1-a及び1-bの主要な薬物動態パラメーターは、DAS3.3.0ソフトウェアによって取得した。以下のTable 3(表3)を参照されたい。
【0104】
Table 3(表3)は、ラットにおける化合物1-a及び1-bの薬物動態パラメーターを示し、ここで、500μg/L×時より小さいAUCはCとして示され、500~1000μg/L×時の間のAUCはBとして示され、1000μg/L×時より大きいAUCはAとして示され;300μg/Lより小さいCmaxはCとして示され、300~500μg/Lの間のCmaxはBとして示され、500μg/Lより大きいCmaxはAとして示され;1時間より小さいT1/2はBとして示され、1時間より大きいT1/2はAとして示され;30%より小さいFはCとして示され、30~50%の間のFはBとして示され、50%より大きいFはAとして示される。
【0105】
【0106】
Table 3(表3)から、本発明の化合物1-a及び1-bが、良好な薬物動態特性を有し、経口投与に好適であることが分かる。
【0107】
試験例4:ラットにおける本発明の化合物のAIA薬力学的研究
実験材料:完全フロイントアジュバント(Chondrex社、7027);陽性対照化合物PF-06700841、これは、
【0108】
【0109】
の構造を有し、J Med Chem、2018、61、8597~8612に従って調製される。
【0110】
実験プロセス:本発明の化合物のインビボ効能を調査した。8週齢の雌ルイスラット(Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.社)の尾の付け根の単一部位に、0.1mLの完全フロイントアジュバントを皮下注射し、モデリングから13日後に群分けした。8つの群に分けた:正常群、モデル群、PF-06700841低用量群、PF-06700841高用量群、化合物1-a低用量群、化合物1-a高用量群、化合物1-b低用量群及び化合物1-b高用量群(試験する化合物を、20%シクロデキストリン溶液とともに0.1mg/mL及び0.3mg/mLの溶液中に配合した)。20%シクロデキストリンをモデル群に投与し、1mg/kgの試験化合物を低用量群に投与し、3mg/kgの試験化合物を高用量群に投与した。投与後2日ごとにスコアを評価した。スコア付け基準:0点:発赤及び腫脹なし;1点:足首関節及び手首関節の軽度の発赤及び腫脹;2点:足首関節及び手首関節の中等度の発赤及び腫脹;3点:指先を含む手足の重度の発赤及び腫脹;4点:多関節を含む四肢の最大の炎症。スコア付け結果をグラフプリズム9.0ソフトウェアによって分析した。
【0111】
図1は、本発明の化合物のラットAIA薬力学的スコア付け結果を示すグラフである。AIAモデルにおけるインビボ効能実験の結果から、低用量群及び高用量群において、本発明の化合物1-a及び1-bの効能は、参照基準PF-06700841のものよりも有意に良好であることが分かる。同時に、異性体1-aの効能は、異性体1-bのものよりも有意に良好である。
【国際調査報告】