(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】クリップ装置、クリップデバイス及びクリップのロック解除方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/122 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
A61B17/122
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542808
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 CN2022071679
(87)【国際公開番号】W WO2022152187
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110043045.7
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110874523.9
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519263109
【氏名又は名称】杭州安杰思医学科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou AGS MedTech Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 6,No.597.Kangxin Road,Yuhang District,Hangzhou,Zhejiang,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 承
(72)【発明者】
【氏名】時 百明
(72)【発明者】
【氏名】▲いぇん▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】姚 鋒
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD16
4C160DD19
4C160MM32
4C160NN03
4C160NN04
4C160NN09
4C160NN11
(57)【要約】
クリップ装置(10)、クリップデバイス(1)及びクリップのロック解除方法であって、クリップ装置(10)は、クリップ(400)及び収納管(500)を含み、クリップ(400)は、クリップアームを含み、クリップアームは、第一クリップアーム(410)及び第二クリップアーム(420)を含み、第一クリップアーム(410)の遠位端及び第二クリップアーム(420)の遠位端は、結紮に使用され、収納管(500)は、チャンネルを含み、第一クリップアーム(410)の近位端及び第二クリップアーム(420)の近位端は、チャンネル内に収納可能であり、クリップ(400)は、ロック状態からロック解除状態に切り替え可能であり、クリップ(400)がロック状態にあるとき、第一クリップアーム(410)の遠位端及び第二クリップアーム(420)の遠位端が閉じたままであり、収納管(500)により、制限クリップ(400)が収納管(500)に対して遠位端へ運動することを制限され、クリップ(400)がロック状態からロック解除状態に切り替えられたとき、収納管(500)によるクリップ(400)の運動制限が解除され、第一クリップアーム(410)の遠位端及び第二クリップアーム(420)の遠位端は、再び開き可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップ装置であって、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、クリップアームを含み、前記クリップアームは、第一クリップアーム及び第二クリップアームを含み、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、結紮に使用され、
前記収納管は、チャンネルを含み、前記第一クリップアームの近位端及び前記第二クリップアームの近位端は、前記チャンネル内に収納可能であり、
前記クリップは、ロック状態からロック解除状態に切り替え可能であり、
前記クリップがロック状態にあるとき、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端が閉じたままであり、前記収納管により、前記クリップが前記収納管に対して遠位端へ運動することを制限され、前記クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられたとき、前記収納管による前記クリップの運動制限が解除され、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、再び開き可能となる、クリップ装置。
【請求項2】
前記クリップは、被ロック部を含み、前記被ロック部は、前記クリップアームに接続され、前記収納管は、外壁及びロック部を含み、前記ロック部は、前記外壁に対して遠位端への運動が制限され、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記収納管による前記クリップの運動制限が形成される、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項3】
前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除されると、前記収納管による前記クリップの前記運動制限が解除され、前記クリップは、前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられる、請求項2に記載のクリップ装置。
【請求項4】
前記ロック部が歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項3に記載のクリップ装置。
【請求項5】
前記ロック部は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端、弾性片第二端及び弾性片第三端を含み、前記弾性片第一端は、前記収納管の前記外壁に接続され、前記弾性片第二端は、前記弾性片第一端の近位端に設けられ、前記弾性片第三端は、前記弾性片第一端の遠位端に設けられ、前記弾性片第二端は、前記ロック部を構成する、請求項4に記載のクリップ装置。
【請求項6】
前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記弾性片第二端は、前記チャンネルの内部に伸入し、前記弾性片第三端は、前記外壁の外部に伸出し、前記クリップが前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられたとき、前記弾性片第二端は、前記外壁の外部に伸出し、前記弾性片第三端は、前記チャンネルの内部に伸入する、請求項5に記載のクリップ装置。
【請求項7】
前記被ロック部が歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項3に記載のクリップ装置。
【請求項8】
前記被ロック部は、接続ピンを含み、前記接続ピンは、前記クリップアームに接続され、前記接続ピンが力を受けて径方向に沿って圧縮されると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項7に記載のクリップ装置。
【請求項9】
前記接続ピンは、可動端と、前記可動端に接続されたばねとを含み、前記可動端が力を受けて径方向に沿って前記ばねを圧縮すると、前記接続ピンの径方向寸法が前記ロック部の間隔よりも小さくなる、請求項8に記載のクリップ装置。
【請求項10】
前記クリップアームは、前記クリップアームの近位端に設けられた凸起を含み、前記凸起は、前記被ロック部を構成し、前記凸起が力を受けて径方向に沿って変位すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項7に記載のクリップ装置。
【請求項11】
前記凸起は、前記第一クリップアームの近位端に設けれた第一凸起と、前記第二クリップアームの近位端に設けられた第二凸起とを含み、前記第一凸起と前記第二凸起とは、径方向に沿って互いに離間しており、前記収納管にロック溝が設けられ、前記ロック溝は、前記ロック部を構成し、前記第一凸起及び前記第二凸起が前記ロック溝に伸入すると、前記ロック部と前記被ロック部とが互いに協働し、前記第一凸起と前記第二凸起とが前記ロック溝から退出すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項10に記載のクリップ装置。
【請求項12】
前記クリップアームは、スライド溝を更に含み、前記収納管は、ピン軸を更に含み、前記スライド溝と前記ピン軸とは、摺動可能に接続される、請求項11に記載のクリップ装置。
【請求項13】
前記収納管には、前記被ロック部に突き合わせられるロック解除部が更に設けられており、前記被ロック部が前記ロック解除部による作用力を受けると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される、請求項11に記載のクリップ装置。
【請求項14】
前記ロック解除部は、前記外壁に設けられた弾性片を含み、前記弾性片と前記凸起とは、互いに突き合わせられ、前記弾性片が力を受けて前記凸起を径方向に沿って前記チャンネルの内側へ偏向させると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される、請求項13に記載のクリップ装置。
【請求項15】
前記外壁に開溝が設けられており、前記開溝は、前記収納管の軸方向に沿って延在し、前記弾性片は、弾性片固定端及び弾性片自由端を含み、前記弾性片固定端は、前記外壁に固接され、前記弾性片自由端は、前記開溝に沿って設けられ、前記弾性片自由端は、前記弾性片固定端に対して径方向に沿って偏向可能である、請求項14に記載のクリップ装置。
【請求項16】
前記弾性片自由端には、径方向に沿って前記チャンネルの内部へ屈曲して延在する突き合わせ部が設けられており、前記突き合わせ部は、前記ロック溝内で径方向に偏向するか、又は前記ロック溝外まで偏向することが可能である、請求項14に記載のクリップ装置。
【請求項17】
前記収納管は、第一収納管及び第二収納管を含み、前記第二収納管の遠位端は、前記第一収納管の近位端に嵌装され、前記ロック解除部は、前記第一収納管に設けられ、前記ロック溝は、前記第二収納管に設けられている、請求項13に記載のクリップ装置。
【請求項18】
前記ロック部は、前記収納管に設けられたピン軸を含み、前記ピン軸は、前記収納管の径方向に沿って前記収納管を貫通しており、前記クリップアームは、スライド溝を含み、前記スライド溝と前記ピン軸とは、摺動可能に接続され、前記被ロック部は、前記スライド溝の経路上に設けられた弾性ストッパを含む、請求項4又は7に記載のクリップ装置。
【請求項19】
前記弾性ストッパが力を受けて偏向すると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される、請求項18に記載のクリップ装置。
【請求項20】
前記ピン軸が力を受けて径方向に沿って圧縮されて前記収納管から離脱すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項18に記載のクリップ装置。
【請求項21】
前記クリップは、プルロッド及びリンク構造を含み、前記リンク構造は、前記クリップアームの近位端に接続され、前記プルロッドは、前記リンク構造の近位端に接続され、前記プルロッドが前記リンク構造を遠位端から近位端へ運動させると、前記リンク構造によって前記クリップアームが閉じられる、請求項3に記載のクリップ装置。
【請求項22】
前記被ロック部は、前記リンク構造の近位端に設けられている、請求項21に記載のクリップ装置。
【請求項23】
前記被ロック部と前記クリップアームとの接続関係が解除されると、前記収納管による前記クリップの前記運動制限が解除される、請求項2に記載のクリップ装置。
【請求項24】
前記クリップアームが力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記被ロック部と前記クリップアームとの接続関係が解除される、請求項23に記載のクリップ装置。
【請求項25】
前記クリップは、接続ピンを含み、前記第一クリップアームと前記第二クリップアームとが前記接続ピンによって接続されるか、又は前記第一クリップアームの近位端と前記第二クリップアームの近位端とによって収容空間が形成され、前記接続ピンは、径方向に前記収容空間を通るように延在し、前記接続ピンの一端が前記被ロック部を構成するか、又は前記接続ピンの両端がともに前記被ロック部を構成する、請求項24に記載のクリップ装置。
【請求項26】
前記クリップアームにおける前記接続ピンの近位端側に位置する部分は、第一接続部を構成し、前記クリップと前記被ロック部とは、前記第一接続部を介して接続関係を形成し、前記第一接続部が前記チャンネル内への径方向の押圧力を受けると、前記第一接続部が歪んだり、破断したり、変位したりして、前記クリップと前記被ロック部との接続関係が解除される、請求項25に記載のクリップ装置。
【請求項27】
前記外壁に対する前記ロック部の運動制限が解除されると、前記収納管による前記クリップの運動制限が解除される、請求項2に記載のクリップ装置。
【請求項28】
前記収納管は、第一収納管及び第二収納管を含み、前記第二収納管は、前記第一収納管の内部に設けられ、前記外壁は、前記第一収納管に設けられ、前記ロック部は、前記第二収納管に設けられ、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、前記クリップが前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられたとき、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に運動可能である、請求項27に記載のクリップ装置。
【請求項29】
前記第一収納管に掛着溝が設けられ、前記第二収納管に掛着部が設けられており、前記掛着溝と前記掛着部とが互いに掛着すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、前記掛着部が前記掛着溝から離脱すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に運動可能となる、請求項28に記載のクリップ装置。
【請求項30】
前記第二収納管は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端及び弾性片第二端を含み、前記弾性片第一端は、前記掛着部を構成し、前記弾性片第二端は、前記第二収納管のチャンネルの内部に伸入して、前記ロック部を構成する、請求項29に記載のクリップ装置。
【請求項31】
前記弾性片第一端が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記掛着部が前記掛着溝から離脱する、請求項30に記載のクリップ装置。
【請求項32】
クリップデバイスであって、請求項1~31の何れか一項に記載のクリップ装置と、前記クリップ装置に接続された送達装置とを含み、前記送達装置は、指定操作が実行される目標領域まで前記クリップ装置を送達可能に構成され、
前記送達装置は、操作部を含み、前記操作部は、前記指定操作を前記クリップ装置に実行させることが可能であり、前記送達装置は、前記クリップ装置に解放可能に接続されている、クリップデバイス。
【請求項33】
前記クリップ装置は、クリップを含み、前記クリップには、ロック状態及びロック解除状態が含まれ、前記クリップデバイスは、前記クリップを前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えるための取り外し装置を更に含む、請求項32に記載のクリップデバイス。
【請求項34】
クリップ装置におけるクリップのロック解除方法であって、前記クリップ装置は、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、被ロック部を含み、前記収納管は、ロック部を含み、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記クリップがロック状態とされ、前記クリップのクリップアームが閉じたままとされ、
ロック状態にある前記クリップに取り外し力を与えるように取り外し装置を操作することと、
前記取り外し力を前記被ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部の協働関係とを解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部との協働関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記クリップのクリップアームに作用させて前記クリップアームと前記被ロック部との接続関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記収納管に作用させて前記ロック部を前記収納管の外壁に対して遠位端へ移動させて、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにすることとを含み、
前記クリップがロック解除状態にあるとき、前記クリップアームの遠位端が開く、クリップのロック解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年1月13日に出願された中国出願第202110043045.7号の優先権、及び2021年7月30日に出願された中国出願第202110874523.9号の優先権を主張し、それらの内容の全ては、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、医療デバイスの分野に関し、特に、クリップ装置、クリップデバイス及びクリップのロック解除方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体の胃や腸は、様々な疾病、偶発的な損傷又は内視鏡治療後の損傷により出血することがよくあり、活動性出血に対しては、止血クリップを用いた機械的圧迫による止血で治療することが可能である。止血クリップの機械的圧迫による止血は、静脈瘤以外に起因した活動性出血に対する治療効果が確実であり、医師及び患者からも認められている。止血クリップは、消化管の粘膜損傷についても、ある程度閉鎖させ、その創傷治癒を促進することができる。しかしながら、クリップ装置は、一度ロックされると、そのロック関係が無傷で解除できず、暴力的な破壊による取り除き方法で挟み付け部を組織から強制的に分離させることしかできないため、組織への二次傷害又は再出血を引き起こしてしまう。
【発明の概要】
【0004】
そこで、クリップがロックされた後は、暴力的な破壊によって取り除くことしかできないという問題を解決可能なクリップ装置、クリップデバイス及びクリップのロック解除方法を提案する必要がある。
【0005】
本明細書の一局面では、クリップ装置であって、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、クリップアームを含み、前記クリップアームは、第一クリップアーム及び第二クリップアームを含み、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、結紮に使用され、前記収納管は、チャンネルを含み、前記第一クリップアームの近位端及び前記第二クリップアームの近位端は、前記チャンネル内に収納可能であり、前記クリップは、ロック状態からロック解除状態に切り替え可能であり、前記クリップがロック状態にあるとき、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端が閉じたままであり、前記収納管により、前記クリップが前記収納管に対して遠位端へ運動することを制限され、前記クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられたとき、前記収納管による前記クリップの運動制限が解除され、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、再び開き可能となる、クリップ装置が提供されている。
【0006】
いくつかの実施例において、前記クリップは、被ロック部を含み、前記被ロック部は、前記クリップアームに接続され、前記収納管は、外壁及びロック部を含み、前記ロック部は、前記外壁に対して遠位端への運動が制限され、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記収納管による前記クリップの運動制限が形成される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除されると、前記収納管による前記クリップの前記運動制限が解除され、前記クリップは、前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記ロック部が歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記ロック部は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端、弾性片第二端及び弾性片第三端を含み、前記弾性片第一端は、前記収納管の前記外壁に接続され、前記弾性片第二端は、前記弾性片第一端の近位端に設けられ、前記弾性片第三端は、前記弾性片第一端の遠位端に設けられ、前記弾性片第二端は、前記ロック部を構成する。
【0010】
いくつかの実施例において、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記弾性片第二端は、前記チャンネルの内部に伸入し、前記弾性片第三端は、前記外壁の外部に伸出し、前記クリップが前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられたとき、前記弾性片第二端は、前記外壁の外部に伸出し、前記弾性片第三端は、前記チャンネルの内部に伸入する。
【0011】
いくつかの実施例において、前記被ロック部が歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記被ロック部は、接続ピンを含み、前記接続ピンは、前記クリップアームに接続され、前記接続ピンが力を受けて径方向に沿って圧縮されると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記接続ピンは、可動端と、前記可動端に接続されたばねとを含み、前記可動端が力を受けて径方向に沿って前記ばねを圧縮すると、前記接続ピンの径方向寸法が前記ロック部の間隔よりも小さくなる。
【0014】
いくつかの実施例において、前記クリップアームは、前記クリップアームの近位端に設けられた凸起を含み、前記凸起は、前記被ロック部を構成し、前記凸起が力を受けて径方向に沿って変位すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記凸起は、前記第一クリップアームの近位端に設けれた第一凸起と、前記第二クリップアームの近位端に設けられた第二凸起とを含み、前記第一凸起と前記第二凸起とは、径方向に沿って互いに離間しており、前記収納管にロック溝が設けられ、前記ロック溝は、前記ロック部を構成し、前記第一凸起及び前記第二凸起が前記ロック溝に伸入すると、前記ロック部と前記被ロック部とが互いに協働し、前記第一凸起と前記第二凸起とが前記ロック溝から退出すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0016】
いくつかの実施例において、前記クリップアームは、スライド溝を更に含み、前記収納管は、ピン軸を更に含み、前記スライド溝と前記ピン軸とは、摺動可能に接続される。
【0017】
いくつかの実施例において、前記収納管には、前記被ロック部に突き合わせられるロック解除部が更に設けられており、前記被ロック部が前記ロック解除部による作用力を受けると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される。
【0018】
いくつかの実施例において、前記ロック解除部は、前記外壁に設けられた弾性片を含み、前記弾性片と前記凸起とは、互いに突き合わせられ、前記弾性片が力を受けて前記凸起を径方向に沿って前記チャンネルの内側へ偏向させると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記外壁に開溝が設けられており、前記開溝は、前記収納管の軸方向に沿って延在し、前記弾性片は、弾性片固定端及び弾性片自由端を含み、前記弾性片固定端は、前記外壁に固接され、前記弾性片自由端は、前記開溝に沿って設けられ、前記弾性片自由端は、前記弾性片固定端に対して径方向に沿って偏向可能である。
【0020】
いくつかの実施例において、前記弾性片自由端には、径方向に沿って前記チャンネルの内部へ屈曲して延在する突き合わせ部が設けられており、前記突き合わせ部は、前記ロック溝内で径方向に偏向するか、又は前記ロック溝外まで偏向することが可能である。
【0021】
いくつかの実施例において、前記収納管は、第一収納管及び第二収納管を含み、前記第二収納管の遠位端は、前記第一収納管の近位端に嵌装され、前記ロック解除部は、前記第一収納管に設けられ、前記ロック溝は、前記第二収納管に設けられている。
【0022】
いくつかの実施例において、前記ロック部は、前記収納管に設けられたピン軸を含み、前記ピン軸は、前記収納管の径方向に沿って前記収納管を貫通しており、前記クリップアームは、スライド溝を含み、前記スライド溝と前記ピン軸とは、摺動可能に接続され、前記被ロック部は、前記スライド溝の経路上に設けられた弾性ストッパを含む。
【0023】
いくつかの実施例において、前記弾性ストッパが力を受けて偏向すると、前記被ロック部と前記ロック部との協働関係が解除される。
【0024】
いくつかの実施例において、前記ピン軸が力を受けて径方向に沿って圧縮されて前記収納管から離脱すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記クリップは、プルロッド及びリンク構造を含み、前記リンク構造は、前記クリップアームの近位端に接続され、前記プルロッドは、前記リンク構造の近位端に接続され、前記プルロッドが前記リンク構造を遠位端から近位端へ運動させると、前記リンク構造によって前記クリップアームが閉じられる。
【0026】
いくつかの実施例において、前記被ロック部は、前記リンク構造の近位端に設けられている。
【0027】
いくつかの実施例において、前記被ロック部と前記クリップアームとの接続関係が解除されると、前記収納管による前記クリップの前記運動制限が解除される。
【0028】
いくつかの実施例において、前記クリップアームが力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記被ロック部と前記クリップアームとの接続関係が解除される。
【0029】
いくつかの実施例において、前記クリップは、接続ピンを含み、前記第一クリップアームと前記第二クリップアームとが前記接続ピンによって接続されるか、又は前記第一クリップアームの近位端と前記第二クリップアームの近位端とによって収容空間が形成され、前記接続ピンは、径方向に前記収容空間を通るように延在し、前記接続ピンの一端が前記被ロック部を構成するか、又は前記接続ピンの両端がともに前記被ロック部を構成する。
【0030】
いくつかの実施例において、前記クリップアームにおける前記接続ピンの近位端側に位置する部分は、第一接続部を構成し、前記クリップと前記被ロック部とは、前記第一接続部を介して接続関係を形成し、前記第一接続部が前記チャンネル内への径方向の押圧力を受けると、前記第一接続部が歪んだり、破断したり、変位したりして、前記クリップと前記被ロック部との接続関係が解除される。
【0031】
いくつかの実施例において、前記外壁に対する前記ロック部の運動制限が解除されると、前記収納管による前記クリップの運動制限が解除される。
【0032】
いくつかの実施例において、前記収納管は、第一収納管及び第二収納管を含み、前記第二収納管は、前記第一収納管の内部に設けられ、前記外壁は、前記第一収納管に設けられ、前記ロック部は、前記第二収納管に設けられ、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、前記クリップが前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられたとき、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に運動可能である。
【0033】
いくつかの実施例において、前記第一収納管に掛着溝が設けられ、前記第二収納管に掛着部が設けられており、前記掛着溝と前記掛着部とが互いに掛着すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、前記掛着部が前記掛着溝から離脱すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に運動可能となる。
【0034】
いくつかの実施例において、前記第二収納管は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端及び弾性片第二端を含み、前記弾性片第一端は、前記掛着部を構成し、前記弾性片第二端は、前記第二収納管のチャンネルの内部に伸入して、前記ロック部を構成する。
【0035】
いくつかの実施例において、前記弾性片第一端が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記掛着部が前記掛着溝から離脱する。
【0036】
本明細書の別の局面では、クリップデバイスであって、請求項1~31の何れか一項に記載のクリップ装置と、前記クリップ装置に接続された送達装置とを含み、前記送達装置は、指定操作が実行される目標領域まで前記クリップ装置を送達可能に構成され、前記送達装置は、操作部を含み、前記操作部は、前記指定操作を前記クリップ装置に実行させることが可能であり、前記送達装置は、前記クリップ装置に解放可能に接続されている、クリップデバイスが提供されている。
【0037】
いくつかの実施例において、前記クリップ装置は、クリップを含み、前記クリップには、ロック状態及びロック解除状態が含まれ、前記クリップデバイスは、前記クリップを前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えるための取り外し装置を更に含む。
【0038】
本明細書の更に別の局面では、クリップ装置におけるクリップのロック解除方法であって、前記クリップ装置は、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、被ロック部を含み、前記収納管は、ロック部を含み、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記クリップがロック状態とされ、前記クリップのクリップアームが閉じたままとされ、前記方法は、ロック状態にある前記クリップに取り外し力を与えるように取り外し装置を操作することと、前記取り外し力を前記被ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部の協働関係とを解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、前記取り外し力を前記ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部との協働関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、前記取り外し力を前記クリップのクリップアームに作用させて前記クリップアームと前記被ロック部との接続関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、前記取り外し力を前記収納管に作用させて前記ロック部を前記収納管の外壁に対して遠位端へ移動させて、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにすることとを含み、前記クリップがロック解除状態にあるとき、前記クリップアームの遠位端が開く、クリップのロック解除方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本願は、例示的な実施例によって更に説明され、これらの例示的な実施例は、図面によって詳述される。これらの実施例は、制限的なものではなく、これらの実施例において、同じ符号は、同一の構造を示す。
【
図1】本願によるいくつかの実施例に示すクリップデバイスの全体模式図である。
【
図2】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の模式図である。
【
図3】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の断面図である。
【
図4】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の断面図である。
【
図5】本願によるいくつかの実施例に示すクリップの模式図である。
【
図7】本願によるいくつかの実施例に示すクリップの模式図である。
【
図9】本願によるいくつかの実施例に示す第一収納管の模式図である。
【
図10】本願によるいくつかの実施例に示す第二収納管の模式図である。
【
図11】本願によるいくつかの実施例に示すクリップの側面図である。
【
図12】本願によるいくつかの実施例に示すクリップがロック解除状態にある模式図である。
【
図13】本願によるいくつかの実施例に示すクリップがロック状態にある模式図である。
【
図14】本願によるいくつかの実施例に示すクリップがロック状態にある模式図である。
【
図15】本願によるいくつかの実施例に示すクリップがロック解除状態にある模式図である。
【
図16】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図一である。
【
図18】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図二である。
【
図20】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図三である。
【
図22】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図24】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【
図26】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の模式図である。
【
図27】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の断面図である。
【
図29】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図31】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【
図33】本願によるいくつかの実施例に示す第一クリップアームの模式図である。
【
図34】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の断面図である。
【
図35】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図36】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【
図37】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の模式図である。
【
図38】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の模式図である。
【
図39】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の断面図である。
【
図40】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の断面図である。
【
図41】本願によるいくつかの実施例に示すクリップの模式図である。
【
図42】本願によるいくつかの実施例に示すシースの模式図である。
【
図43】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図一である。
【
図45】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図二である。
【
図47】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図三である。
【
図49】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図51】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図53】本願によるいくつかの実施例に示す第一クリップアームの模式図である。
【
図54】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図56】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【
図58】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図60】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【
図62】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の模式図である。
【
図63】本願によるいくつかの実施例に示す収納管の断面図である。
【
図64】本願によるいくつかの実施例に示す第一収納管の模式図である。
【
図65】本願によるいくつかの実施例に示す第二収納管の模式図である。
【
図66】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図四である。
【
図68】本願によるいくつかの実施例に示すクリップ装置の動作手順の模式図五である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本願の実施例に係る技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかなことに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働を払うことなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似なシーンに適用することができる。言語環境から明らかではない限り又は別途に明記しない限り、図面において、同じ符号は、同じ構造又は操作を表す。
【0041】
理解されたいのは、本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なコンポーネント、素子、部材、部分又は組立体を区別するための手法である。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成できれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることが可能である。
【0042】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「一」、「1個」、「1つ」及び/又は「当該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「包含」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを示唆するだけであり、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列を構成するものではなく、方法又はデバイスは、他のステップ又は要素も含む可能性がある。
【0043】
本願において、フローチャートを用いて本願の実施例に係るシステムが実行する操作を説明するが、先行及び後続の操作は、必ずしも順序通りに精確に実行されるとは限らないことが理解されたい。むしろ、様々なステップを逆の順序で、又は同時に処理してもよい。また、他の操作をこれらの手順に追加してもよく、又はこれらの手順から1つ以上の操作を除去してもよい。
【0044】
本明細書の実施例は、クリップ装置、クリップ装置を操作するためのクリップデバイス、及び、クリップ装置を操作してロック解除操作を実行するロック解除方法に関する。いくつかの実施例において、エンドエフェクタは、クリップ装置及び送達装置を含んでもよく、送達装置は、クリップ装置を医療操作対象における医療操作を実行すべき位置に送達するために使用可能であり、クリップ装置は、医療対象に対して医療操作を実行するために使用可能である。いくつかの実施例において、クリップ装置によって実行される医療操作には、外科的止血、創傷治癒、組織固定等が含まれてもよく、クリップ装置は、クリップアームを閉じることでこれらの医療操作を実現することが可能である。いくつかの実施例において、クリップ装置によって実行される医療操作を維持するために、クリップ装置には、ロック状態が含まれてもよく、クリップ装置がロック状態にあるとき、クリップ装置のクリップアームは、閉じた状態のままとされることが可能である。いくつかの実施例において、クリップ装置は、ロック状態のままとされることで医療操作対象に留められる(例えば、組織に挟持される)ことが可能である。いくつかの実施例において、クリップ装置は、クリップ及び収納管を含んでもよく、クリップは、収納管内に収納されて閉じたままとされることが可能である。収納管にロック部が設けられ、クリップに被ロック部が設けられており、ロック部と被ロック部との協働関係により、収納管は、収納管の外壁に対するクリップの運動を制限することで、クリップを閉じたままにすることが可能である。
【0045】
いくつかの実施例において、医療操作を解除する必要がある場合、クリップ装置は、ロック状態からロック解除状態に切り替え可能である。こうして、クリップ装置が再び開いて、医療操作対象に損傷を与えることなく医療操作対象から離れる。いくつかの実施例において、クリップ装置におけるロック部と被ロック部との協働関係の解除、被ロック部とクリップアームとの接続関係の解除、又は、外壁に対するロック部の運動制限の解除等により、収納管によるクリップの運動制限が解除されることで、クリップのロック、ロック解除手順を実現できる。
【0046】
図1は、本願によるいくつかの実施例に示すクリップデバイスの全体模式図である。
図1に示すように、クリップデバイス1は、クリップ装置10(クリップ400及び収納管500を含む)と、クリップ装置10に解放可能に接続された送達装置20(操作部100及び送達部130を含む)とを含んでもよい。解放可能な接続とは、クリップ装置10と送達装置20との接続関係を取り外し及び解除可能な接続方式である。
【0047】
送達装置20は、指定操作が実行される目標領域まで前記クリップ装置10を送達可能に構成される。いくつかの実施例において、目標領域は、目標対象における指定操作を実行する必要のある領域(例えば、病巣)であってもよい。いくつかの実施例において、指定操作は、外科手術中に実行される医療操作、例えば、止血、結紮等であってもよい。いくつかの実施例において、目標対象は、医療操作を受ける対象であってもよい。いくつかの実施例において、目標対象は、生体対象又は非生体対象を含んでもよく、そのうち、生体対象は、人間(例えば、患者)、動物又は植物等を含んでもよく、非生体対象は、実験モデル(例えば、臓器モデル等)を含んでもよい。いくつかの実施例において、送達装置20は、クリップ装置10を操作して目標領域で指定操作を実行するためにも使用可能である。いくつかの実施例において、送達装置20は、操作部100及び送達部130を含んでもよい。いくつかの実施例において、送達部130は、目標対象内の目標領域までクリップ装置10を送達するために使用可能である。いくつかの実施例において、操作部100は、指定操作をクリップ装置10に実行させることが可能である。いくつかの実施例において、目標対象における指定操作を実行する必要のある領域は、人間又は動物の病巣領域であってもよい。いくつかの実施例において、送達装置20の操作部100は、操作ハンドル110及び摺動部120を含んでもよく、具体的に、操作者(例えば、医師)は、ハンドル110及び摺動部120を操作して、クリップ装置10による止血、結紮等の操作を行うことが可能である。いくつかの実施例において、送達装置20の送達部130は、シース200及びマンドレル210を含んでもよい。いくつかの実施例において、シース200は、他の部材(例えば、マンドレル210)のための内部チャンネルを提供する管状構造であってもよい。いくつかの実施例において、マンドレル210は、シースの内部チャンネル内に設けられ、クリップ装置10を運動させるための長軸状構造であってもよい。いくつかの実施例において、送達装置20は、シース200及びマンドレル210を介してクリップ装置10に接続されてもよい。送達装置20とクリップ装置10との接続関係のより多くの内容については、本明細書の
図3の記載を参照できる。
【0048】
クリップ装置10は、クリップ400及び収納管500を含んでもよく、クリップ400の近位端は、収納管500のチャンネル内に収納され、クリップの遠位端は、指定操作(例えば、止血、結紮)を実行するために使用される。本明細書の実施例に係る「近位端」、「遠位端」は、方位を示すことが可能であり、クリップデバイス1の長さ方向(例えば、送達装置20の延在方向)に沿った方位、又はクリップデバイス1が人体に進入する方向に沿った方位を指し、操作者に近接していて目標対象から離間している側の所在する方位が「近位端」であり、目標対象に近接していて操作者から離間している側の所在する方位が「遠位端」であり、「近位端」及び「遠位端」は、端部のみを示すものとして理解されるべきではない。
【0049】
図2に示すように、いくつかの実施例において、クリップは、クリップアームを含んでもよく、クリップアームは、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420を含み、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端は、結紮に使用される。収納管500は、管状構造を含んでもよく、管状構造は、外壁と、外壁によって囲まれてなったチャンネルとを含んでもよく、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端は、収納管500のチャンネル内に収納可能である。いくつかの実施例において、クリップが収納管に対して近位端へ運動すると、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420との遠位端が互いに近接し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が収納管500のチャンネル内に徐々に収納され、クリップが閉じる。いくつかの実施例において、クリップが収納管に対して遠位端へ運動すると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が収納管500から退出し、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420との遠位端が互いに離間し、クリップが開く。クリップ装置10の構造のより多くの詳細については、本明細書の他の箇所の記載を参照できる。
【0050】
いくつかの実施例において、
図3~
図8に示すように、送達装置20とクリップ装置10との接続を実現するために、クリップ400は、嵌着孔432を含んでもよく、マンドレル210は、クリップ400との接続が完了されるように、嵌着孔432内に嵌装されてもよい。具体的に、マンドレル210は、大径部212及び小径部213を含んでもよく、且つマンドレル210の大径部212の直径が嵌着孔432の内径よりも大きく、小径部213の直径が嵌着孔432の内径よりも小さい。いくつかの実施例において、小径部213は、マンドレル210の遠位端に固接され、大径部212は、小径部213に固接される。いくつかの実施例において、マンドレル210の遠位端は、接続先端211に固接され、接続先端211の遠位端は、小径部213に固接され、小径部213の遠位端は、大径部212に固接される。いくつかの実施例において、マンドレル210の大径部212と小径部213とが一体成形されてもよく、又は、マンドレル210の大径部212が接着、締付、溶接等の手段によって小径部213に固接されてもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、シース200の遠位端には、位置規制凹部202が含まれてもよく、収納管500の近位端には、位置規制凸部520が更に設けられており、位置規制凸部520は、シース200の遠位端における位置規制凹部202と協働して、シース200と収納管500との接続及び解放を完了するためのものである。
図3に示すように、いくつかの実施例において、マンドレル210の遠位端には、接続先端211が含まれてもよく、マンドレル210の遠位端が収納管500に伸入するとき、位置規制凸部520が弾性を有するため、位置規制凸部520は、接続先端211による位置規制凹部202への押圧力の作用を受けることが可能であり、その結果、位置規制凸部520が接続先端211によって押圧されて位置規制凹部202に伸入する。ここで、接続先端211の外径は、位置規制凸部520の内径よりも大きく、位置規制凸部520の内径は、第二収納管502の内径であってもよい。マンドレル210の遠位端が収納管から退出すると、位置規制凸部520は、接続先端211によって押圧されなくなり、位置規制凸部520は、回復するように弾性変形し、更に位置規制凹部202から退出する。いくつかの実施例において、マンドレル210の遠位端には、接続先端211が含まれなくてもよく、マンドレル210の外径は、位置規制凸部520の内径よりも大きくてもよく、マンドレル210は、位置規制凸部520に伸入した後、位置規制凸部520を直接押圧して、位置規制凸部520を位置規制凹部202に伸入させることが可能である。
【0052】
いくつかの実施例において、送達装置20がクリップ装置10に接続された後、マンドレル210は、クリップ400を収納管500に対して運動させることが可能である。いくつかの実施例において、マンドレル210が近位端へ運動すると、マンドレル210は、クリップ400を収納管500に対して近位端へ運動させて、クリップ400が閉じる。いくつかの実施例において、クリップ400が閉じた後、更にクリップ400をロックして、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することを制限して、クリップ400を閉じたままにし、クリップ400をロック状態にすることが可能である。即ち、ロック状態は、クリップ400が閉じて、収納管500の外壁に対するクリップ400の運動が制限される状態であってもよい。いくつかの実施例において、クリップ400がロック状態にあるときに所在する位置を第一位置として定義してもよい。いくつかの実施例において、クリップ400は、被ロック部を含んでもよく、収納管500は、ロック部を含んでもよい。いくつかの実施例において、ロック部が収納管の外壁に対して遠位端へ運動することを制限される。いくつかの実施例において、ロック部が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することを制限されるように、ロック部は、収納管500の外壁に接続(例えば、固接又は取り外し可能に接続)されてもよい。ロック部と被ロック部との協働関係により、収納管500によるクリップ400の運動制限を形成して、クリップ400のロックを実現することが可能である。いくつかの実施例において、収納管500によるクリップ400の運動制限とは、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動する傾向を収納管500が制限できることを指す。いくつかの実施例において、クリップ400をロック状態にすることで、クリップ400は、人体組織を継続的に挟持して止血、結紮の役割を果たすことが可能である。
【0053】
いくつかの実施例において、クリップ400のロック状態は解除可能であり、ロック状態が解除された後、クリップ400は、収納管500の外壁に対して遠位端へ運動可能となり、クリップ400は、再び開き可能となり、このとき、クリップ400は、ロック状態からロック解除状態に切り替えられる。即ち、ロック解除状態は、収納管500の外壁に対するクリップ400の運動制限が解除されて、クリップ400が開き可能となる状態であってもよい。いくつかの実施例において、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられるときに所在する位置を第二位置として定義してもよい。いくつかの実施例において、収納管500の外壁に対するクリップ400の運動制限は、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動できない制限であってもよい。いくつかの実施例において、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられた後、クリップ400は、挟持された人体組織を放してクリップ装置10と人体組織との離脱を実現することが可能である。
【0054】
いくつかの実施例において、クリップデバイス1は、クリップ400をロック状態からロック解除状態に切り替えるための取り外し装置700を更に含んでもよい。いくつかの実施例において、取り外し装置700は、取り外し機能を提供可能なクランプ、生検鉗子、スネア、エネルギーデバイス、又は特別な取り外し装置等であってもよく、取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介してクリップ装置10に近接可能であり、力をクリップ装置10の関連部材(被ロック部、ロック部、クリップと被ロック部とが接続される第一接続部、又は、収納管500とロック部とが接続される第二接続部を含むが、これらに限定されない)に作用させることで、関連部材が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりして、最終的に、ロック解除操作が完了する。いくつかの実施例において、取り外し装置700が力を目標部材に作用させる力の作用方式は、径方向内向きに圧力を加えること、径方向内向きに目標部材に接触してから軸方向に力を加えること、又は、軸方向に力を加えることを含んでもよい。取り外し装置700によるクリップ装置10のロック解除操作のより多くの内容については、本明細書の他の箇所の記載を参照できる。
【0055】
いくつかの実施例において、
図4、
図5に示すように、第一クリップアーム410の近位端には、第二クリップアーム420へ屈曲する第一屈曲部411が設けられ、第一屈曲部411に第一孔412が設けられており、第二クリップアーム420の近位端には、第一クリップアーム410へ屈曲する第二屈曲部421が設けられ、第二屈曲部421に第二孔422が設けられている。いくつかの実施例において、第一屈曲部411と第一クリップアーム410との間の屈曲角度は85°~95°であり、第二屈曲部421と第二クリップアーム420との間の屈曲角度は85°~95°である。いくつかの実施例において、第一屈曲部411及び第二屈曲部421の屈曲角度の合計は180°である。いくつかの実施例において、第一孔412と第二孔422とは、少なくとも一部が重なって連通し、第一孔412と第二孔422とが重なって連通する部分は、嵌着孔432を構成する。ここで、「少なくとも一部」が重なることは、部分的に重なって連通することと、完全に重なって連通することとを含み、部分的に重なって連通することとは、第一孔412と第二孔422とが僅かにずらし、完全に重なるようにならないことを指し、完全に重なって連通することとは、第一孔412が完全に第二孔422の範囲内に重なるか、又は第二孔422が完全に第一孔412の範囲内に重なることを指す。そのうち、重なるとは、2つの孔が互いに連通すると理解することができる。第一孔412と第二孔422とが連通した後、第一孔412と第二孔422との連通部分は、嵌着孔432を構成する。いくつかの実施例において、嵌着孔432は、他の方式で構成されて係着空間を有する穴であってもよい。
【0056】
いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420は弾性を有し、力を受けていないとき、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに離間しており、クリップ400は、広げ(又は開き)状態にある。いくつかの実施例において、クリップが収納管に対して近位端へ運動すると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が収納管500のチャンネル内に徐々に収納され、収納管500のチャンネルの位置規制作用により、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420との遠位端が互いに近接して、クリップが閉じる。いくつかの実施例において、クリップが収納管に対して遠位端へ運動すると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が収納管500から退出し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420は、収納管500による位置規制作用を受けなくなり、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が弾性力の作用下で互いに離間して、クリップが開く。
【0057】
いくつかの実施例において、
図4及び
図5を参照して、クリップ400は、接続ピン601を更に含んでもよく、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とは、接続ピン601を介してピン止めされる。いくつかの実施例において、接続ピン601の一端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、接続ピン601の両端は、ともに被ロック部602を構成する。
【0058】
いくつかの実施例において、
図4及び
図5を参照して、接続ピン601の軸線方向は、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とが互いに離間する方向(即ち、クリップアームの開き方向)と平行に設定されてもよい。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420には、ピン止め孔が開設されており、接続ピン601は、ピン止め孔を通って第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420にピン止めされる。いくつかの実施例において、接続ピン601における第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420を通って収納管500に向かう両端は、被ロック部を構成する。いくつかの実施例において、クリップ400は、弾性リング402を更に含み、弾性リング402が接続ピン601外に嵌装され、弾性リング402は、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420との間に位置し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が閉じると、弾性リング402が第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420によって圧縮されて、弾性リング402が弾性力を提供し、弾性リング402の弾性力の方向は、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とを、弾性リング402が突き当てられる位置で互いに離間させる方向である。好ましくは、弾性リング402はコイルばねであり、コイルばねは、そのコイルを介して接続ピン601外に嵌装される。
【0059】
いくつかの実施例において、
図7及び
図8を参照して、接続ピン601の軸線方向は、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とが互いに離間する方向(即ち、クリップアームの開き方向)と垂直に設定されてもよい。
図7及び
図8に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、接続ピン601を含み、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の近位端によって収容空間が形成され、接続ピン601は、径方向に収容空間を通るように延在し、接続ピン601は、ピン固定部603を介して第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420にそれぞれ接続される。いくつかの実施例において、接続ピン601の一端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、接続ピン601の両端は、ともに被ロック部602を構成する。
【0060】
いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420は、弾性を有しなくてもよく、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420は、ガイド構造を設けることで開閉を実現してもよい。いくつかの実施例において、ガイド構造は、スライド溝又はリンク構造を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0061】
いくつかの実施例において、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端には、スライド溝が設けられており、収納管500は、ピン軸を含み、ピン軸は、収納管500に固接される。いくつかの実施例において、ピン軸は、スライド溝内に設けられ、スライド溝は、ピン軸に対して摺動可能である。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410の近位端のスライド溝は、第一スライド溝であってもよく、第二クリップアーム420の近位端のスライド溝は、第二スライド溝であってもよい。いくつかの実施例において、第一スライド溝及び第二スライド溝の延在方向は、収納管の軸線方向と非平行であってもよい。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420のスライド溝は、収納管500の軸線に対して対称に設けられている。いくつかの実施例において、ピン軸は、収納管500の直径方向に沿って設けられてもよく、ピン軸は、第一スライド溝及び第二スライド溝を通っている。いくつかの実施例において、クリップ400が収納管500の外壁に対して収納管400の軸線方向に沿って運動すると、第一スライド溝及び第二スライド溝がピン軸に対して摺動して、クリップアームの開閉を実現可能である。スライド溝とピン軸との協働によるクリップアームの開閉の実現のより多くの内容については、本明細書の他の箇所の記載を参照できる。
【0062】
いくつかの実施例において、
図11~
図15を参照して、クリップ400は、リンク構造605を含む。いくつかの実施例において、リンク構造605は、四節リンク構造を含んでもよく、四節リンク構造は、遠位端に位置する第一遠位端ロッド及び第二遠位端ロッドと、近位端に位置する第一近位端ロッド及び第二近位端ロッドとを含む。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とがヒンジ結合され、第一クリップアーム410のヒンジ結合点の近位端に位置する部分は、第一遠位端ロッドを構成し、第二クリップアーム420のヒンジ結合点の近位端に位置する部分は、第二遠位端ロッドを構成する。いくつかの実施例において、第一近位端ロッドの遠位端は、第一クリップアームにヒンジ結合され、第二近位端ロッドの遠位端は、第二クリップアームにヒンジ結合され、第一近位端ロッドの近位端は、第二近位端ロッドの近位端にヒンジ結合される。いくつかの実施例において、リンク構造の各ヒンジ結合点は、何れも接続ピンを介して接続されてもよい。いくつかの実施例において、クリップ400は、プルロッドを更に含んでもよく、プルロッドの遠位端は、リンク構造605における近位端に位置するヒンジ結合点に接続される。いくつかの実施例において、プルロッドの近位端は、マンドレル210に接続されてもよい。いくつかの実施例において、プルロッドがリンク構造605を遠位端から近位端へ運動させると、リンク構造605によってクリップアームが閉じられる。
【0063】
図11~15に示すように、第一クリップアーム410の近位端と第二クリップアーム420の近位端とは、リンク構造605を介して接続され、プルロッド606がリンク構造605を遠位端から近位端へ運動させると、第一近位端ロッドと第二近位端ロッドとの間の夾角が小さくなることで、第一クリップアームと第二クリップアームとの間の夾角が小さくなって、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が閉じられる。
図12に示すように、クリップは、開き状態にあり、このとき、プルロッド606は、近位端へ運動していない。
図13に示すように、プルロッド606は、遠位端から近位端へ運動しており、このとき、クリップは、閉じ状態にある。
【0064】
いくつかの実施例において、クリップ400は、プルロッドを含まなくてもよく、第一近位端ロッドの近位端と第二近位端ロッドの近位端のヒンジ結合点の付近には、マンドレル210と接続するための嵌着孔が更に設けられており、当該嵌着孔は、当該ヒンジ結合点の接続ピンに開設された穴であってもよい。いくつかの実施例において、マンドレル210がリンク構造605を遠位端から近位端へ運動させることができるように、マンドレル210は、嵌着孔を介してリンク構造605の近位端に直接接続されてもよい。いくつかの実施例において、マンドレル210がリンク構造605を遠位端から近位端へ運動させると、第一近位端ロッドと第二近位端ロッドとの間の夾角が小さくなることで、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420との間の夾角が小さくなって、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が徐々に閉じられる。
【0065】
いくつかの実施例において、
図9及び
図10を参照して、収納管500は、第一収納管501及び第二収納管502を含んでもよく、第二収納管502は、少なくとも一部が第一収納管501のチャンネル内に嵌装され、第一収納管501の外壁は、収納管500の外壁を構成する。いくつかの実施例において、第二収納管502及び第一収納管501は、2つの管材構造を個別に製作してから互いに組み立てられたものであってもよいし、1つの管材構造から第二収納管502及び第一収納管501がそれぞれ加工されてもよい。いくつかの実施例において、第一収納管501の材料は、ステンレス鋼、チタン、タンタル、白金、パラジウム等を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、第二収納管502の材料は、ステンレス鋼、チタン、タンタル、白金、パラジウム等を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、第一収納管501の材料は、第二収納管502の材料と同じであってもよい。いくつかの実施例において、第一収納管501の材料は、第二収納管502の材料と異なってもよい。例えば、第一収納管501は、高強度のチタン金属材料を使用可能であるのに対して、第二収納管502は、高靭性のステンレス鋼材料を使用可能である。
【0066】
図9に示すように、いくつかの実施例において、収納管500の遠位端に阻止部513が設けられており、阻止部513が収納管500のチャンネル内に伸入し、阻止部513が接続ピン601の遠位端に位置し、阻止部513の妨げにより、クリップ400が収納管500の遠位端から脱出することを回避できる。
【0067】
図10に示すように、いくつかの実施例において、収納管500に対するクリップ400の移動を容易にするために、収納管500には、軸方向に沿ってレール溝503が設けられている。いくつかの実施例において、レール溝503は、第二収納管502に開設されてもよく、例えば、第二収納管502の側壁にレール溝503がレーザーカットされていてもよい。いくつかの実施例において、接続ピン601は、レール溝503内で摺動可能であり、被ロック部602は、レール溝503内に伸入可能であり、レール溝503は、被ロック部602を案内して、ロック部511と互いに協働するロック位置まで運動させることが可能である。
【0068】
いくつかの実施例において、収納管500に対するクリップ400の運動を制限して、クリップ400をロック可能にするために、クリップ400は、被ロック部を含んでもよく、収納管500は、ロック部を含んでもよい。ロック部は、被ロック部と協働して、クリップ400が収納管500に対して遠位端へ運動することを制限するための収納管500上のコンポーネントであってもよい。いくつかの実施例において、ロック部は、収納管500上の弾性片、凹溝、ピン軸等の構造又はコンポーネントであってもよい。被ロック部は、弾性片、凹溝、ピン軸等の構造又はコンポーネントと協働するクリップ400上の構造又はコンポーネントであってもよい。いくつかの実施例において、被ロック部は、凸起、接続ピン、弾性阻止片等の構造又はコンポーネントであってもよい。
【0069】
いくつかの実施例において、被ロック部とロック部とは、1対1で対応する協働関係とされてもよく、例えば、被ロック部は、クリップ400に設けられた凸起であるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられた弾性片であり、例えば、被ロック部は、クリップ400に設けられた凸起であるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられた凹溝であり、例えば、被ロック部は、クリップ400に設けられた接続ピンであるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられた弾性片であり、例えば、被ロック部は、クリップ400に設けられた接続ピンであるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられた凹溝であり、例えば、被ロック部は、クリップ400上のスライド溝内に設けられた弾性ストッパであるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられたピン軸であり、例えば、被ロック部は、リンク構造605の近位端に設けられた接続ピンであるのに対して、ロック部は、収納管500に設けられた弾性片であり、例えば、被ロック部は、リンク構造605の近位端に設けられた凸起であるのに対して、ロック部は、リンク構造605の近位端に設けられた弾性片である。上記被ロック部又は(及び)ロック部が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、被ロック部とロック部との協働関係が解除される。
【0070】
いくつかの実施例において、ロック部が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することを制限されるため、被ロック部とロック部とが協働すると、クリップが収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することも制限され、即ち、収納管500によるクリップ400の運動制限が形成されて、クリップ400がロック状態とされる。
【0071】
いくつかの実施例において、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することについての制限を解除されると、クリップ400は、収納管500に対して遠位端へ運動可能となり、クリップアームは、再び開き可能となり、即ち、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられ、クリップ400が第一位置から第二位置に切り替えられるともいう。
【0072】
いくつかの実施例において、ロック部と被ロック部との協働関係が解除されると、収納管500によるクリップ400の運動制限が解除され、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられる。いくつかの実施例において、被ロック部又は(及び)ロック部が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、被ロック部とロック部との協働関係が解除される。
【0073】
いくつかの実施例において、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除されると、前記収納管500によるクリップ400の運動制限が解除され、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられる。いくつかの実施例において、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除されると、クリップ400が第一位置(第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端は閉じたまま)から第二位置(第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端は再び開く)に移行する。被ロック部とクリップアームとの接続方式は、様々な接続方式及び解除方式に適合しており、例えば、被ロック部は、クリップアームに設けられた凸起であり、被ロック部とクリップアームとの接続方式は一体成形であり、凸起が破断すると、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除され、例えば、被ロック部は、クリップ400に設けられた接続ピンであり、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とは、接続ピン601を介して接続され、第一クリップアーム410及び(又は)第二クリップアーム420が接続ピン601とが互いに当接する第一接続部に歪みが発生すると、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除され、例えば、ロック部は、クリップアームに設けられた接続ピン601であり、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の近位端によって収容空間が形成され、接続ピン601は、径方向に前記収容空間を通るように延在し、接続ピン601と第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420とが互いに係合する第一接続部に変位が発生すると、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除され、例えば、被ロック部は、クリップアームにおけるスライド溝内に設けられたストッパであり、ストッパは、クリップアームにおけるスライド溝に固接され、ストッパが破断すると、被ロック部とクリップアームとの接続関係が解除される。
【0074】
いくつかの実施例において、外壁に対するロック部の運動制限が解除されると、収納管500によるクリップ400の運動制限が解除され、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられる。いくつかの実施例において、ロック部と収納管500の他の位置との接続関係が解除されると、外壁に対するロック部の運動制限が解除され、クリップが第一位置(第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端は閉じたまま)から第二位置(第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端は再び開く)に移行し、ロック部と収納管との接続方式は、様々な接続方式及び解除方式に適合しており、例えば、ロック部は弾性片であり、弾性片が設けられた第二収納管502と第一収納管501とは、掛着部及び掛着溝を介して接続され、例えば掛着部と掛着溝との間の掛着関係が解除されると、ロック部と収納管500との接続関係が解除され、例えば、ロック部は、収納管500上のピン軸であり、ピン軸に径方向の収縮が発生して、ピン軸と収納管500との接続関係が解除されると、ロック部と収納管との接続関係が解除される。
【0075】
図16~
図25を参照して、クリップ装置10の動作手順を説明する。クリップ装置10の動作手順は、以下のステップを含むが、これに限定されず、その中の一部のステップの順序は、実際の状況に応じて調整可能であり、一部のステップが繰り返されることもあり得る。ここで、「クリップがロック状態にある」及び「クリップがロック解除状態にある」とは、説明の便宜上のものに過ぎず、クリップの初期状態が“ロック状態”であることを示すわけではないし、クリップの最終状態が“ロック解除状態”であることを示すわけでもなく、ロック解除方法がクリップを「ロック状態」から「ロック解除状態」に移行させることを示すためにのみ使用され、クリップがロック状態にあるときは、第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端が閉じたままであることを満たし、クリップがロック解除状態にあるときは、第一クリップアームの遠位端及び第二クリップアームの遠位端が再び開くことを満たす。
【0076】
いくつかの実施例において、ロック部が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される。いくつかの実施例において、ロック部が受ける力は、取り外し装置700によって加えられてもよい。
図16~
図25に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック解除状態にあり、ロック部511は、径方向外向きに歪んだり、破断したり、変位したりする。
【0077】
図16及び
図17に示すように、いくつかの実施例において、クリップ装置10は、位置規制凸部520を含んでもよく、送達装置20は、位置規制凹部202を含んでもよく、位置規制凸部520は、位置規制凹部202と協働して、クリップ装置10の運動を制限するためのコンポーネントであってもよい。いくつかの実施例において、クリップ400が開き状態にあり、クリップ装置10の位置規制凸部520と送達装置20の位置規制凹部202とが互いに協働してアウタ接続が実現され、クリップ装置10の嵌着孔432と接続先端211の大径部212とが互いに協働してインナ接続が実現される。近位端から遠位端へのマンドレル210の運動により、クリップ400が近位端から遠位端へ運動されることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間して、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420が組織300に近接する。
【0078】
いくつかの実施例において、ロック部511は、弾性片510を含み、弾性片510は、収納管500の外壁に設けられてもよい。いくつかの実施例において、弾性片510は、弾性片第一端510A、弾性片第二端510B及び弾性片第三端510Cを含み、弾性片第一端510Aは、第一収納管501に固接され、弾性片第二端510Bは、弾性片第一端510Aの近位端に設けられ、弾性片第三端510Cは、弾性片第一端510Aの遠位端に設けられ、弾性片第二端510Bは、ロック部を構成する。いくつかの実施例において、弾性片510の数としては、2つが含まれてもよく、2つの弾性片510は、収納管500の外壁の円周に沿って対称に設けられてもよい。
【0079】
いくつかの実施例において、被ロック部602は、接続ピン601を含んでもよい。いくつかの実施例において、
図4~
図7を参照して、クリップ400は、第一クリップアーム410、第二クリップアーム420及び接続ピン601を含み、第一クリップアームと第二クリップアームとは、接続ピン601を介して接続され、接続ピン601の両端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、
図11~
図15を参照して、クリップ400は、第一クリップアーム410、第二クリップアーム420及びリンク構造605を含み、リンク構造605の近位端のヒンジ結合点及び/又は遠位端のヒンジ結合点は、接続ピンを含む。いくつかの実施例において、リンク構造605の近位端に設けられたヒンジ結合点(即ち、第一近位端ロッドの近位端と第二近位端ロッドの近位端とのヒンジ結合点)の接続ピンは、被ロック部602を構成してもよい。いくつかの実施例において、リンク構造605の遠位端に設けられたヒンジ結合点(即ち、第一クリップアームと第二クリップアームとのヒンジ結合点)の接続ピンは、被ロック部602を構成してもよい。いくつかの実施例において、クリップ400は、リンク構造605に接続されたプルロッドを更に含み、プルロッドとリンク構造605の近位端とは、接続ピンを介して接続されてもよく、当該接続ピンは、被ロック部602を構成してもよい。
【0080】
図18及び
図19に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、閉じ状態にあり、クリップ装置10の位置規制凸部520と送達装置20の位置規制凹部202とが互いに協働してアウタ接続が実現され、クリップ装置10の嵌着孔432と接続先端211の大径部212とが互いに協働してインナ接続が実現される。クリップ400が開き状態から閉じ状態に移行する操作としては、遠位端から近位端へのマンドレル210の運動により、クリップ400が遠位端から近位端へ運動されることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに近接して、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が組織300を挟持する。接続ピン601が収納管500のチャンネル内で遠位端から近位端へ運動し、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)がまだ弾性片第二端510B(ロック部511)の近位端に位置しておらず、即ち、被ロック部602とロック部511とがまだ互いに協働しておらず、つまり、クリップ400は、閉じただけでロックされていない状態にある。このとき、もし第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端によって挟持された組織300の挟持位置が不適切であれば、マンドレル210を近位端から遠位端へ押動することで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とを互いに離間させ、即ち、クリップ400を閉じ状態から再開き状態に移行させてもよい。
【0081】
いくつかの実施例において、第一収納管501は、弾性片510を含み、弾性片510は、弾性片第一端510A、弾性片第二端510B及び弾性片第三端510Cを含み、弾性片第一端510Aは、第一収納管501の外壁に固接され、弾性片第二端510Bは、弾性片第一端510Aの近位端に設けられ、弾性片第三端510Cは、弾性片第一端510Aの遠位端に設けられ、弾性片第二端510Bは、ロック部を構成する。いくつかの実施例において、クリップ400がロック状態にあるとき、弾性片第二端510Bは、チャンネルの内部に伸入し、弾性片第三端510Cは、外壁の外部に伸出し、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられたとき、弾性片第二端510Bは、外壁の外部に伸出し、弾性片第三端510Cは、チャンネルの内部に伸入する。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とは、接続ピン601を介して接続され、接続ピン601の両端は、被ロック部602を構成する。
図20~
図21に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック状態にあり、クリップ装置10と送達装置20との接続が解除される。いくつかの実施例において、クリップ装置10と送達装置20との接続が解除されることは、クリップ装置10の位置規制凸部520と送達装置20の位置規制凹部202とのアウタ接続が解除されることを含んでもよい。いくつかの実施例において、クリップ装置10と送達装置20との接続が解除されることは、クリップ装置10の嵌着孔432と接続先端211の大径部212とのインナ接続が解除されることを更に含んでもよい。クリップ400がロック状態にあるとき、クリップ400が組織300に固定され、送達装置20は、内視鏡鉗子チャンネルを介して退出する。クリップ400が閉じ状態からロック状態に移行する操作としては、遠位端から近位端へのマンドレル210の運動により、クリップ400が遠位端から近位端へ運動され、接続ピン601が収納管500のチャンネル内で遠位端から近位端へ運動されて、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)が弾性片第二端510B(ロック部511)を越えて弾性片第二端510B(ロック部511)の近位端に位置し、弾性片第二端510B(ロック部511)が前記収納管500のチャンネルの内部に伸入し、弾性片第三端510Cが収納管500のチャンネルの外部に伸出し、弾性片第二端510B(ロック部511)の径方向間隔が被ロック部602の径方向間隔よりも小さくなるため、接続ピン601が弾性片第二端510B(ロック部511)による阻止作用を受けることで、近位端から遠位端へのクリップ400の軸方向の運動が阻まれ、即ち、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままとされ、つまり、クリップ400がロック状態にある。つまり、クリップ400がロック状態にあるとき、弾性片第二端がチャンネルの内部に伸入し、弾性片第三端が外壁の外部に伸出し、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)と弾性片第二端510B(ロック部511)とが互いに協働し、収納管500によるクリップ400の運動制限が形成され、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままである。
【0082】
図22~
図23に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、取り外し待ち状態にある。取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介して進入する。取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、既にロック状態にあるクリップ400のロック解除部512に近接するように広げられる。
【0083】
いくつかの実施例において、クリップ400がロック状態とされた後、ロック部511と被ロック部602との協働関係を解除することで、クリップ400をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0084】
いくつかの実施例において、ロック部511が歪んだり、破断したり、変位したりすると、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除される。
【0085】
図24~
図25に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、再開き状態にあり、即ち、クリップ400は、ロック解除状態にある。クリップがロック状態からロック解除状態に移行する操作としては、第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702により径方向内向きに力が弾性片第三端510C(ロック解除部512)に加えられて、弾性片第三端510Cが、収納管500のチャンネルの外部に伸出する状態から、収納管500のチャンネルの内部に伸入する状態に移行することで、弾性片第二端510Bが径方向外向きに変位し、即ち、弾性片第二端510Bは、収納管500のチャンネルの内部に伸入する状態から、収納管500のチャンネルの外部に伸出する状態に移行する。つまり、弾性片第三端510Cが収納管の内部への径方向の力の作用を受けて、弾性片第三端510Cが収納管500のチャンネルの内部に伸入し、弾性片第二端510B(ロック部511)が収納管500のチャンネル外壁の外部に伸出し、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)の間隔が弾性片第二端510B(ロック部511)の間隔よりも小さくなり、弾性片第二端510B(ロック部511)と接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)との協働関係が解除され、収納管500によるクリップ400の運動制限が解除される。いくつかの実施例において、被ロック部602は、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の近位端に設けられた凸起であり、被ロック部602の間隔は、凸起の間隔である。クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間し、即ち、クリップ400が閉じ状態から再開き状態に移行する。
【0086】
いくつかの実施例において、クリップ400の被ロック部602が歪んだり、破断したり、変位したりすると、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除される。
【0087】
いくつかの実施例において、被ロック部602は、接続ピン601を含み、接続ピン601は、クリップアームに接続され、接続ピンが力を受けて収納管の径方向に沿って圧縮されると、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除される。
図26~
図27に示すように、いくつかの実施例において、ロック部511は、弾性片510を含んでもよい。いくつかの実施例において、弾性片510は、弾性片第一端510A及び弾性片第二端510Bを含み、弾性片第一端510Aは、収納管500に固接され、弾性片第二端510Bは、収納管500のチャンネルの内部に伸入する。いくつかの実施例において、
図23~
図25を参照して、弾性片は、弾性片第一端510A、弾性片第二端510B及び弾性片第三端510Cを含んでもよく、弾性片第一端510Aは、第一収納管501に固接され、弾性片第二端510Bは、弾性片第一端510Aの近位端に設けられ、弾性片第三端510Cは、弾性片第一端510Aの遠位端に設けられる。いくつかの実施例において、弾性片第二端510Bは、ロック部511を構成する。いくつかの実施例において、弾性片510の数としては、2つ含まれてもよく、2つの弾性片510は、収納管500の外壁の円周に沿って対称に設けられてもよい。いくつかの実施例において、収納管500は、弾性片510を含まなくてもよく、その代わりに、収納管500の外壁には、遠位端に向かう凹溝が設けられており、凹溝は、ロック部を構成する。いくつかの実施例において、凹溝の数としては、2つ含まれてもよく、2つの凹溝は、収納管500の外壁の円周に沿って対称に設けられてもよい。
【0088】
いくつかの実施例において、クリップ400は、接続ピン601を含み、接続ピン601は、自身の軸線方向に沿って歪むことで、自身の軸線方向に沿った長さを変えることが可能である。いくつかの実施例において、接続ピン601の一端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、接続ピン601の両端は、ともに被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、接続ピン601は、接続ピン601の両端に設けられた可動端と、可動端に接続されたばね604とを含み、可動端は、力を受けて接続ピン601の軸線方向(又は収納管500の径方向)に沿ってばね604を圧縮することで、収納管500の径方向に沿った接続ピン601の寸法をロック部511の間隔(例えば、2つの弾性片第二端510B間の間隔、又は、2つの凹溝間の間隔)よりも小さくすることが可能である。
図28に示すように、接続ピン601は、ばね604を含み、ばね604は、径方向内向きに押圧力を受けると、径方向内向きに収縮して、ばね604の可動端(被ロック部602)の径方向間隔が小さくなり、ばね604の可動端(被ロック部602)の径方向間隔がロック部511(例えば、弾性片第二端510B)の間隔よりも小さくなると、クリップ400は、ロック状態からロック解除状態に移行する。
【0089】
いくつかの実施例において、
図29~
図32に示すように、クリップ400は、ロック状態(クリップ400は、ロック状態で且つ取り外し待ち状態にある)から、ロック解除状態(クリップ400は、再開き状態にある)に移行する。
【0090】
図29~
図30に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック状態にあり、クリップ装置10の位置規制凸部520と送達装置20の位置規制凹部202とのアウタ接続が解除され、クリップ装置10の嵌着孔432と接続先端211の大径部212とのインナ接続が解除され、クリップ400が組織300に固定され、送達装置20は、内視鏡鉗子チャンネルを介して退出する。クリップ400が閉じ状態からロック状態に移行する操作としては、遠位端から近位端へのマンドレル210の運動により、クリップ400が遠位端から近位端へ運動され、接続ピン601が収納管500のチャンネル内で遠位端から近位端へ運動されて、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)が弾性片第二端510B(ロック部511)を越えて弾性片第二端510B(ロック部511)の近位端に位置し、弾性片第二端510B(ロック部511)が前記収納管500のチャンネルの内部に伸入し、弾性片第二端510B(ロック部511)の径方向間隔Hが被ロック部602の径方向間隔D1よりも小さくなるため、接続ピン601が弾性片第二端510B(ロック部511)による阻止作用を受けることで、近位端から遠位端へのクリップ400の軸方向の運動が阻まれ、即ち、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままとされ、つまり、クリップ400がロック状態にある。即ち、クリップ400がロック状態とされ、接続ピン601の両端(即ち、被ロック部602)と弾性片第二端510B(ロック部511)とが互いに協働し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままである。いくつかの実施例において、遠位端から近位端へのマンドレル210の運動により、クリップ400が遠位端から近位端へ運動されると、接続ピン601は、収納管500のチャンネル内で被圧縮状態とされることが可能であり、このとき、収納管の径方向に沿った接続ピン601の長さは、接続ピン601が圧縮されていないときの収納管の径方向に沿ったその初期長さよりも小さい。いくつかの実施例において、接続ピン602が近位端へ運動してロック部511(例えば、弾性片第二端510B、又は収納管の外壁上の凹溝)を越えると、収納管による接続ピンの圧縮が解除され、接続ピン601は、初期長さに回復する。いくつかの実施例において、接続ピン601の初期長さは、ロック部511の径方向間隔Hよりも大きく、ロック部511は、近位端から遠位端へのクリップ400軸方向の運動が制限されるように、接続ピン602を阻止する役割を果たすことができる。
【0091】
クリップを取り外す必要があるとき、取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介して進入する。取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、既にロック状態にあるクリップ400のロック解除部512に近接するように広げられる。
【0092】
図31~
図32に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、再開き状態にあり、即ち、クリップは、ロック解除状態にある。第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702によりロック解除部512を介して径方向内向きに力が被ロック部602(例えば接続ピン601の可動端)に加えられて、被ロック部602と互いに当接するばね604が、径方向内向きの押圧力を受けると、径方向内向きに収縮し、即ち、被ロック部602の径方向間隔が小さくなり、被ロック部602の径方向間隔D2がロック部511の間隔Hよりも小さくなると、クリップ400がロック状態からロック解除状態に移行する。いくつかの実施例において、ロック部511は、前記収納管に設けられたロック溝である。クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間し、即ち、クリップ400が閉じ状態から再開き状態に移行する。
【0093】
いくつかの実施例において、クリップアームは、クリップアームの近位端に設けられた凸起を含み、凸起は、ロック溝と協働して、ロック状態を実現するためのコンポーネントであってもよく、凸起は、被ロック部を構成してもよく、凸起が力を受けて収納管の径方向に沿って変位すると、ロック部と被ロック部との協働関係が解除される。
【0094】
いくつかの実施例において、凸起は、第一クリップアーム410の近位端に設けられた第一凸起と、第二クリップアーム420の近位端に設けられた第二凸起とを含み、第一凸起と第二凸起とは、径方向に沿って互いに離間しており、収納管500にロック溝が設けられ、ロック溝は、ロック部511を構成し、第一凸起及び第二凸起がロック溝に伸入すると、ロック部511と被ロック部602とが互いに協働し、第一凸起及び第二凸起がロック溝から退出すると、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除される。いくつかの実施例において、クリップ400は、スライド溝を更に含み、スライド溝は、クリップアームの近位端に設けられ、収納管500は、ピン軸を更に含み、スライド溝とピン軸とは、摺動可能に接続される。
【0095】
図33~
図36に示すように、いくつかの実施例において、クリップアームの近位端には、スライド溝440が設けられており、収納管500は、ピン軸550を含み、ピン軸550は、収納管500に固接される。いくつかの実施例において、ピン軸550は、スライド溝440を通るように設けられ、スライド溝440の延在方向は、収納管の軸線方向と非平行である。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410のスライド溝(例えば第一スライド溝)と第二クリップアーム420のスライド溝(例えば第二スライド溝)とは、収納管の軸線に対して対称に設けられ、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が遠位端から近位端への軸方向の引っ張り力を受けると、スライド溝440は、ピン軸550に対して遠位端から近位端へと運動し、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが徐々に近接する。
【0096】
図35~
図36に示すように、いくつかの実施例において、収納管500にロック溝560が設けられており、ロック溝560は、ロック部511を構成する。いくつかの実施例において、ロック溝560は、収納管500の外壁に開設された凹溝、切欠き又はスリット構造であってもよい。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420には、第一凸起461及び第二凸起462が設けられており、第一凸起461及び第二凸起462は、被ロック部602を構成する。
図42に示すように、ロック溝560(ロック部511)と第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とが互いに協働することで、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することを収納管500により制限されて、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままとされ、つまり、クリップ400がロック状態にある。
図43に示すように、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)が径方向内向きの押圧力の作用を受けて、ロック溝560(ロック部511)と第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部)との相互協働関係が解除され、収納管500によるクリップの運動制限が解除され、クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに離間可能となり、即ち、クリップ400は、閉じ状態から再開き状態に移行する。
【0097】
いくつかの実施例において、
図37~
図42を参照して、クリップ400は、第一クリップアーム410、第二クリップアーム420及び接続ピン601を含み、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端には、それぞれ、弾性を有する第一凸起461及び第二凸起462が設けられており、第一凸起461及び第二凸起462は、被ロック部602を構成し、接続ピン601は、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端を貫通する接続孔504を通っており、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端は、収納管500のチャンネル内に収納可能である。いくつかの実施例において、クリップ400が収納管500の外壁に対して近位端へ運動すると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420は、収納管の外壁による押圧作用を受けて、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに近接可能となり、クリップ400が閉じる。いくつかの実施例において、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動すると、収納管の外壁による第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420への押圧作用が徐々に無くなり、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間し、クリップ400は、再び開き可能となる。
【0098】
いくつかの実施例において、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端は、送達装置20内に設けられた接続片214に解放可能に接続され、接続片214によれば、互いに離間する傾向のある第一クリップアーム410の近位端と第二クリップアーム420の近位端とは、接続片214による押圧で互いに近づく。いくつかの実施例において、
図42~
図44に示すように、送達装置20は、シース200と、シース200のチャンネル内に設けられたマンドレル210とを含み、マンドレル210の遠位端には、接続片214が固設されている。いくつかの実施例において、接続片214の数は、2つである。いくつかの実施例において、2つの接続片214が接続ピン601に解放可能に接続され、2つの接続片214がそれぞれ第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462を径方向内向きに圧着することで、第一凸起461と第二凸起462とは、互いに近づいた状態のままとされ、接続片214が十分な引っ張り力を受けると、接続片214が変形又は破断して接続ピン601から分離され、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462が、弾性回復作用により、径方向外向きに反発する。いくつかの実施例において、シース200の遠位端には、エンドカバー201が更に固設され、エンドカバー201に位置規制凹部202が設けられており、収納管500の近位端は、位置規制凹部202に収納されることで、シース200と収納管500とが取り外し可能に接続される。
【0099】
いくつかの実施例において、収納管500の近位端の管壁には、ロック溝560が設けられており、ロック溝560は、ロック部511を構成し、クリップ400が接続片214に接続されると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462は、
図44及び
図46に示すように、接続片214により、互いに近づいた状態に保たれ、クリップ400と接続片214とが互いに解放されると、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462が径方向外向きに拡張してロック溝560内に掛着され、
図48に示すように、クリップがロック状態とされる。
【0100】
いくつかの実施例において、収納管500は、一体成形されたものであり、
図46に示すように、収納管500に仕上げ加工によってロック溝560が直接開設されることで、部品の組み立てが低減されるとともに、性能が安定される。
【0101】
いくつかの実施例において、収納管500は、
図44に示すように、第一収納管501及び第二収納管502を含み、第二収納管502の遠位端は、第一収納管501の近位端のチャンネル内に嵌装され、第二収納管502の管壁に設けられた開孔と、第一収納管501に設けられた開孔との両方がロック溝560として組付けられ、実際の製品におけるロック溝560の引っ掛かり寸法が小さく(一般に0.5mm未満)、もし軸方向寸法が10mm未満で直径が1mm未満となる収納管500に複数の機能構造(例えば弾性片、ロック溝)を同時に設けると、単一の収納管500の歩留まりが低くなり、コストが高くなるため、弾性片510を第一収納管501の管壁に設け、更に第一収納管501及び第二収納管502にそれぞれ開孔を開設してから組み付けてロック溝560を形成することで、単一の部品の加工難易度が低減されてコストが削減される。
【0102】
いくつかの実施例において、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部)が径方向内向きの押圧力の作用を受けて、ロック溝560(ロック部)と第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部)との相互協働関係が解除され、収納管によるクリップの運動制限が解除され、クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに離間可能となり、即ち、クリップ400は、閉じ状態から再開き状態に移行する。
【0103】
いくつかの実施例において、収納管500には、被ロック部602に突き合わせられるロック解除部512が更に設けられており、被ロック部602がロック解除部512による作用力を受けると、被ロック部602とロック部511との協働関係が解除される。ロック解除部512は、ロック部511又は被ロック部602に外力を加えることで、被ロック部602とロック部511との協働関係を解除可能なコンポーネントであってもよい。
【0104】
いくつかの実施例において、ロック解除部512は、収納管500の外壁に設けられた弾性片510を含み、弾性片510と第一凸起461及び第二凸起462とは、互いに突き合わせられ、弾性片510が力を受けて第一凸起461及び第二凸起462を径方向に沿ってチャンネルの内側へ偏向させると、被ロック部602とロック部511との協働関係が解除される。いくつかの実施例において、収納管500の外壁には、収納管500のチャンネルの軸方向の延在方向に沿って少なくとも2つの開溝570が開設されており、収納管500の管壁の部分は、弾性片510を構成し、収納管500に固接又は一体的に接続された弾性片の部分は、弾性片固定端571であり、収納管500のチャンネルに沿って弾性片固定端571に対して径方向に偏向可能な弾性片の部分は、弾性片自由端572であり、弾性片固定端571から弾性片自由端572の間の弾性片の領域は、ロック解除部512を構成し、即ち、ロック解除部512は、収納管500の管壁に設けられている。いくつかの実施例において、
図48に示すように、弾性片自由端572には、収納管500のチャンネルに沿って径方向内向きに屈曲して延在する突き合わせ部573が設けられており、突き合わせ部573は、ロック溝560内で径方向に偏向するか、又は前記ロック溝560外まで偏向することが可能である。突き合わせ部573は、クリップアームの凸起(第一凸起461及び第二凸起462)に当接するためのコンポーネントであってもよく、弾性片自由端572が受けたチャンネル方向への径方向に沿った力をクリップアームの凸起に伝達可能である。いくつかの実施例において、収納管500は、第一収納管501及び第二収納管502を含み、第二収納管502の遠位端は、第一収納管501の近位端のチャンネル内に嵌装され、ロック解除部512は、第一収納管501に設けられ、ロック溝560は、第二収納管502に設けられている。
【0105】
いくつかの実施例において、
図43~
図44に示すようには、クリップ400は、開き状態にあり、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに離間しており、クリップ400は、接続片214に接続され、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462は、接続片214により、径方向内向きに互いに近づいた状態に保たれ、収納管500に設けられた弾性片510は、力を受けていない状態にあり、弾性片自由端572における収納管500のチャンネルに沿って径方向内向きに屈曲して延在する突き合わせ部573の一部又は全体は、収納管500のロック溝560(ロック部511)内に伸入し、突き合わせ部573は、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)と互いに突き合わせられていない。
【0106】
いくつかの実施例において、
図45~
図46に示すように、クリップは、閉じ状態で且つ非ロック状態にあり、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに近接しており、且つ組織300が第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端との間に収納され、クリップ400は、依然として接続片214に接続されており、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462は、接続片214により、径方向内向きに互いに近づいた状態に保たれ、このとき、挟持角度又は位置を調整する必要があれば、マンドレル210を遠位端から近位端へ押し送ることで、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420を再び開くようにすることが可能であり、収納管500に設けられた弾性片510は、力を受けていない状態にあり、弾性片自由端572における収納管500のチャンネルに沿って径方向内向きに屈曲して延在する突き合わせ部573の一部又は全体は、収納管500のロック溝560(ロック部511)内に伸入し、突き合わせ部573は、凸起(被ロック部602)と互いに突き合わせられていない。
【0107】
いくつかの実施例において、
図47~
図48に示すように、クリップ400は、ロック状態にあり、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、組織300を挟持するとともに互いに閉じられ、接続片214が継続的に遠位端から近位端への引っ張り力を受けることで接続片214が変形又は破壊されて、接続片214とクリップ400とが分離され(送達装置20とクリップ装置10とが解放され)、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)が径方向外向きに反発して収納管500のロック溝560(ロック部511)内に進入し、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とロック溝560(ロック部511)とが互いに協働し、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)と突き合わせ部573とが互いに突き合わせられ、突き合わせ部573が径方向外向きに偏向し、ロック解除部512が収納管500に対して軸方向に径方向外向きに偏向し、ロック解除部512がロック溝560(ロック部511)外に位置する。
【0108】
いくつかの実施例において、
図49~
図50に示すように、クリップ400が閉じ状態で且つロック状態とされた後、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420を再び開くようにする必要があり、即ち、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とロック溝560(ロック部511)の協働関係を解除する(取り外す)必要がある。取り外し装置700は、クリップ装置10に取り外し力を加えることが可能であり、取り外し装置700は、生検鉗子、スネア、エネルギーデバイス、又は特別な取り外し器材等であってもよく、取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介してクリップ装置10に近接して取り外し力を被ロック部602に加えることが可能である。本明細書のいくつかの実施例において、ロック解除部512(弾性片510)の軸方向距離は2mm~10mmであり、取り外し装置700の取り外し力を収納管500の管壁に位置するロック解除部512(弾性片510)に作用させればよいため、取り外し装置700の取り外し力の作用面積が増大され、それに、クリップ400がロック状態にあるときにロック解除部512が収納管500に対して軸方向に径方向外向きに偏向し、即ち、ロック解除部512の一部が収納管500の表面から突出するため、取り外し装置700(特に、スネア)がロック解除部512(弾性片510)を引っ掛けて径方向外向きに取り外し力を加えることにより適している。従って、本発明によれば、取り外しの難易度が低減され、取り外しの成功率が向上される。
【0109】
いくつかの実施例において、
図51~
図52に示すように、クリップ400は、ロック解除状態にあり、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とロック溝560(ロック部511)との協働関係が解除される。取り外し装置700(例えばスネア)は、収納管500の管壁におけるロック解除部512(弾性片510)を引っ掛け、径方向内向きに取り外し力を加えると、ロック解除部512(弾性片510)が径方向内向きに偏向し、ロック解除部512(弾性片510)の突き合わせ部573がロック溝560(ロック部511)内に進入し、即ち、ロック解除部512(弾性片510)が径方向内向きにロック溝560(ロック部511)内まで偏向し、突き合わせ部573と互いに突き合わせられる第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)が径方向内向きの力を受けることで、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)が径方向内向きに偏向し、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)がロック溝560(ロック部511)から脱出し、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とロック溝560(ロック部511)との協働関係が解除され、クリップアーム自身の弾性作用により、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が再び開くと、病巣に留置されたクリップ装置10が組織300から分離される。
【0110】
いくつかの実施例において、ロック部は、収納管に設けられたピン軸を含み、ピン軸は、収納管の外壁に相対的に固定され、クリップアームは、スライド溝を含み、ピン軸は、スライド溝の内部を通ってスライド溝に摺動可能に接続され、被ロック部は、スライド溝の経路上に設けられた弾性ストッパを含む。
【0111】
図53~
図57に示すように、いくつかの実施例において、クリップアームの近位端には、スライド溝440が設けられており、収納管500は、ピン軸550及び接続孔504を含み、ピン軸550は、接続孔504を通って収納管500の径方向に沿って収納管500を貫通しており、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が遠位端から近位端への軸方向の引っ張り力を受けると、スライド溝440がピン軸550周りに遠位端から近位端に運動し、スライド溝440内でのピン軸550の位置は、スライド溝440の近位端からスライド溝440の遠位端に移動し、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが徐々に近接する。いくつかの実施例において、スライド溝440に弾性ストッパ450が設けられており、弾性ストッパ450は、ピン軸550の移動経路上で阻止作用を与えるコンポーネントであってもよい。
【0112】
いくつかの実施例において、ピン軸550は、ロック部を構成し、弾性ストッパ450は、被ロック部を構成する。いくつかの実施例において、クリップ400は、開き状態にあり、クリップアームが引っ張り力の作用下で弾性ストッパ450をピン軸550へ運動させ、弾性ストッパ450がピン軸550の所在する位置まで運動すると、引っ張り力の作用下でピン軸550を越えてピン軸550の近位端に位置する。いくつかの実施例において、弾性ストッパ450がピン軸550を越えると、ピン軸550により、ピン軸550の近位端からピン軸550の遠位端への弾性ストッパ450の運動が阻まれることで、ピン軸550と弾性ストッパ450とが協働関係を形成し、クリップ400がロック状態とされ、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままとなる。
【0113】
いくつかの実施例において、弾性ストッパ450が力を受けて偏向すると、被ロック部602とロック部511との協働関係が解除される。
【0114】
いくつかの実施例において、
図56、
図57を参照して、クリップ400は、ロック解除状態にあり、取り外し装置700と弾性ストッパ450(被ロック部)とが結合されて軸方向に弾性ストッパ450を引っ張ることで、弾性ストッパ450(被ロック部602)が軸方向に変位又は偏向して、ピン軸550(ロック部511)と弾性ストッパ450(被ロック部602)との間の協働関係が解除され、その結果、クリップアームがピン軸550に対して遠位端へ運動可能となり、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間し、即ち、クリップ400がロック状態からロック解除状態に移行する。
【0115】
いくつかの実施例において、ピン軸550が力を受けて径方向に沿って圧縮されて収納管500から離脱すると、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除される。
【0116】
図56~
図57に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック解除状態にあり、収納管500に設けられたピン軸550内にばねが設けられており、径方向内向きの押圧力の作用を受けて径方向に収縮すると、ピン軸550が接続孔504から脱落し、即ち、ピン軸550が収納管500から離脱し、ピン軸550が弾性ストッパ450の運動を妨げなくなることで、ピン軸550(ロック部511)と収納管500との接続関係が解除され、クリップ400がロック解除状態とされ、その結果、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とは、互いに離間可能となり、即ち、クリップ400は、再び開き可能となる。
【0117】
いくつかの実施例において、被ロック部602とクリップアームとの接続関係が解除されると、収納管500によるクリップ400の運動制限が解除される。
【0118】
いくつかの実施例において、
図58~
図61に示すように、クリップ400は、ロック状態(クリップ400は、ロック状態で且つ取り外し待ち状態にある)から、ロック解除状態(クリップ400は、再開き状態にある)に移行する。いくつかの実施例において、クリップ400は、第一クリップアーム410、第二クリップアーム420及び接続ピン601を含む。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とは、接続ピン601を介して接続され、接続ピン601の一端又は両端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の近位端によって収容空間が形成され、接続ピン601は、径方向に収容空間を通るように延在し、接続ピン601は、ピン固定部603を介して第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420に接続され、接続ピン601の一端又は両端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、収納管は、弾性片を含み、弾性片は、弾性片第一端及び弾性片第二端を含み、弾性片第一端510Aは、収納管500に固接され、弾性片第二端510Bは、収納管500のチャンネルの内部に伸入し、弾性片第二端510Bは、ロック部511を構成する。
【0119】
図58及び
図59に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック状態で且つ取り外し待ち状態にあり、クリップ400は、ロック状態にあり、ロック部511と被ロック部602とが互いに協働してロックされ、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままである。取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介して進入する。取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、既にロック状態にあるクリップ400のロック解除部512に近接するように広げられる。
【0120】
いくつかの実施例において、クリップアームが力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、被ロック部602とクリップアームとの接続関係が解除される。
【0121】
いくつかの実施例において、第一クリップアーム410における接続ピン601に近接した端には、第二クリップアーム420へ屈曲する第一屈曲部411が設けられており、第一屈曲部411における接続ピン601と体外に当接する端は、第一結合部411Aであり、第二クリップアーム420における接続ピン601に近接した端には、第一クリップアーム410へ屈曲する第二屈曲部421が設けられており、第二屈曲部421における接続ピン601と互いに当接する端は、第二結合部421Aである。いくつかの実施例において、第一結合部411A及び第二結合部421Aは、第一接続部を構成し、クリップ400と被ロック部602とは、第一接続部を介して接続関係を形成する。いくつかの実施例において、第一結合部411A又は第二結合部421Aは、第一接続部を構成し、クリップ400と被ロック部602とは、第一接続部を介して接続関係を形成する。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上における接続孔504を構成する構造であってもよい。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上におけるピン固定部603を構成する構造であってもよい。
【0122】
いくつかの実施例において、第一接続部がチャンネル内への径方向の押圧力を受けると、第一接続部が歪んだり、破断したり、変位したりして、クリップと被ロック部との接続関係が解除される。第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702によりロック解除部512を介して径方向内向きに力が第一接続部(第一結合部411A及び/又は第二結合部421A)に加えられて、第一結合部411A及び/又は第二結合部421Aが径方向内向きの押圧力を受けるときに変形して、クリップ400の近位端と被ロック部602との接続関係が解除され、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が接続ピン601に対して近位端から遠位端へ運動して、クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間し、即ち、クリップ400がロック状態からロック解除状態に移行し、クリップ400は、再び開き可能となる。いくつかの実施例において、接続関係の解除には、破断又は変位も含まれる。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上における接続孔504を構成する構造であってもよく、第一接続部が力を受けて破断すると、接続孔504が破壊されて、クリップ400の近位端と接続ピン601(即ち、被ロック部602)との接続関係が解除される。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上におけるピン固定部603を構成する構造であってもよく、第一接続部が力を受けて変位したり、破断したり、歪んだりすると、ピン固定部603が接続ピンを固定できなくなり、クリップ400の近位端と被ロック部602との接続関係が解除される。
【0123】
いくつかの実施例において、外壁に対するロック部511の運動制限が解除されると、収納管500によるクリップ400の運動制限が解除される。
【0124】
いくつかの実施例において、
図62~
図65を参照して、収納管500は、第一収納管501及び第二収納管502を含み、第二収納管502は、第一収納管501の内部に設けられ、外壁は、第一収納管501に設けられ、ロック部511は、第二収納管502に設けられ、クリップ400がロック状態にあるとき、第一収納管501と第二収納管502とが相対的に固定され、クリップ400がロック状態からロック解除状態に切り替えられたとき、第一収納管501と第二収納管502とが相対的に運動可能となることで、外壁に対するロック部511の運動制限が解除される。
【0125】
いくつかの実施例において、
図62~
図65に示すように、第一収納管501に掛着溝530が設けられ、第二収納管502に掛着部540が設けられている。いくつかの実施例において、掛着溝530及び掛着部540は、第二接続部を構成し、収納管500とロック部511とは、第二接続部を介して接続関係を形成する。いくつかの実施例において、掛着溝530と掛着部540とが互いに掛着すると、第一収納管501と第二収納管502とが相対的に固定され、掛着部540が掛着溝530から離脱すると、第一収納管501と第二収納管502とが相対的に運動可能となる。
【0126】
いくつかの実施例において、第二収納管502は、弾性片510を含み、弾性片510は、遠位端に設けられた弾性片第一端510Aと、近位端に設けられた弾性片第二端510Bとを含み、弾性片第一端510Aと第二掛着溝532とが協働して掛着部540を構成し、弾性片第二端510Bは、第二収納管502のチャンネルの内部に伸入して、ロック部511を構成する。
【0127】
いくつかの実施例において、掛着溝530は、第一掛着溝531及び第二掛着溝532を含み、掛着部540は、第一掛着部541及び第二掛着部542を含む。いくつかの実施例において、第一掛着部541及び第二掛着部542は、それぞれ、第一掛着溝531及び第二掛着溝532と互いに係合接続する弾性片第一端510A及び弾性片第二端510Bである。
【0128】
いくつかの実施例において、弾性片第一端510Aが力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、掛着部540が掛着溝530から離脱する。
【0129】
図66~
図67に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック状態にあり、第二収納管502の第一掛着部541は、第一収納管501の第一掛着溝531に掛着され、第二収納管502の第二掛着部542は、第一収納管501の第二掛着溝532に掛着され、第一収納管501と第二収納管502とが接続され、且つ被ロック部602とロック部511とが互いに協働し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままである。いくつかの実施例において、被ロック部602は、接続ピン(例えば、第一クリップアーム410と第二クリップアーム420とを接続する接続ピン601、又は、リンク構造605のヒンジ結合点に設けられた接続ピン)であってもよい。いくつかの実施例において、被ロック部602は、クリップアームの近位端に設けられた凸起であってもよい。取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介して進入する。取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、既にロック状態にあるクリップ400の第二接続部に近接するように広げられる。
【0130】
図68~
図69に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック解除状態にあり、第一掛着部541及び第二掛着部542が径方向内向きの押圧力を受けると、掛着部を構成する弾性片が変形する。いくつかの実施例において、第一掛着部541が径方向内向きの押圧力を受けると、第一掛着部541と第一収納管501の第一掛着溝531との係合接続関係が解除されることで、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除される。いくつかの実施例において、第一掛着部541及び第二掛着部542がそれぞれ径方向内向きの押圧力を受けると、第一掛着部541及び第二掛着部542と、第一収納管501の第一掛着溝531及び第一収納管501の第二掛着溝532との係合接続関係がそれぞれ解除されることで、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除される。いくつかの実施例において、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除されると、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が収納管500に対して近位端から遠位端へ運動可能となり、クリップ400がロック解除状態とされることで、第一クリップアーム410の遠位端と第二クリップアーム420の遠位端とが互いに離間可能となり、即ち、クリップ400は、再び開き可能となる。いくつかの実施例において、接続関係の解除には、破断又は変位も含まれる。
【0131】
本明細書では、クリップのロック解除方法が更に提供されており、当該ロック解除方法は、本明細書の任意の実施例におけるクリップ装置10に適用可能である。いくつかの実施例において、クリップのロック解除方法は、ロック状態にあるクリップに取り外し力を与えることと、取り外し力を被ロック部に作用させてロック部と被ロック部との協働関係を解除して、クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、取り外し力をロック部に作用させてロック部と被ロック部との協働関係を解除して、クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、取り外し力をクリップのクリップアームに作用させてクリップアームと被ロック部との接続関係を解除して、クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、取り外し力を収納管に作用させてロック部を収納管の外壁に対して遠位端へ移動させて、クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにすることとを含み、クリップがロック解除状態にあるとき、クリップアームの遠位端が開く。
【0132】
いくつかの実施例において、クリップが閉じ状態で且つロック状態(クリップは、第一位置にある)とされた後、取り外し装置によってクリップのロックを解除して、クリップ装置のクリップアーム(例えば第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420)を再び開くようにすることが可能である。いくつかの実施例において、取り外し装置700は、内視鏡鉗子チャンネルを介してクリップ装置まで移動して、クリップ装置に取り外し力を加えることが可能である。いくつかの実施例において、取り外し装置700は、生検鉗子、スネア、エネルギーデバイス、又は他の特別な取り外し装置等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0133】
いくつかの実施例において、取り外し装置700は、被ロック部に取り外し力を加えて、被ロック部を歪んだり、破断したり、変位したりさせることで、ロック部と被ロック部との協働関係を解除して、クリップをロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0134】
いくつかの実施例において、被ロック部は、クリップ400に設けられた接続ピン601であってもよい。いくつかの実施例において、
図28を参照して、クリップ400は、接続ピン601を含み、接続ピン601は、自身の軸線方向に沿って歪むことで、自身の軸線方向に沿った長さを変えることが可能であり、接続ピン601の一端又は両端は、被ロック部602を構成する。いくつかの実施例において、ロック部511は、収納管500に設けられた弾性片、凹溝、又はロック溝560を含んでもよい。接続ピン601の両端とロック部511とが協働することで、クリップ400がロック状態とされる。いくつかの実施例において、接続ピン601は、接続ピン601の両端に設けられた可動端と、可動端に接続されたばね604とを含み、可動端は、力を受けて接続ピン601の軸線方向(又は収納管500の径方向)に沿ってばね604を圧縮することで、収納管500の径方向に沿った接続ピン601の寸法をロック部511の間隔(例えば、2つの弾性片第二端510B間の間隔、又は、2つの凹溝間の間隔)よりも小さくすることが可能である。接続ピン601の構造のより多くの詳細については、本明細書の他の箇所の説明を参照できる。
【0135】
いくつかの実施例において、被ロック部は、クリップ400に設けられた凸起であってもよい。いくつかの実施例において、
図35~
図36に示すように、収納管500にロック溝560が設けられており、ロック溝560は、ロック部511を構成する。いくつかの実施例において、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420には、第一凸起461及び第二凸起462が設けられており、第一凸起461及び第二凸起462は、被ロック部602を構成する。
図42に示すように、ロック溝560(ロック部511)と第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)とが互いに協働することで、クリップ400が収納管500の外壁に対して遠位端へ運動することを収納管500により制限され、クリップ400がロック状態とされる。凸起の構造のより多くの詳細については、本明細書の他の箇所の説明を参照できる。
【0136】
いくつかの実施例において、被ロック部602は、弾性ストッパ450を含んでもよく、ロック部511は、収納管500に設けられたピン軸550を含んでもよい。弾性ストッパ450とピン軸550とが協働することで、クリップ400がロック状態とされる。
【0137】
いくつかの実施例において、取り外し装置は、被ロック部に取り外し力を直接加えて、被ロック部を歪んだり、破断したり、変位したりさせることで、被ロック部とロック部との協働関係を解除して、クリップをロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。取り外し装置は、内視鏡鉗子チャンネルを介してクリップ装置に近接して取り外し力を被ロック部602に加えることが可能である。
【0138】
いくつかの実施例において、
図31~
図32に示すように、取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702により径方向内向きに力が被ロック部602(例えば接続ピン601の可動端)に加えられて、被ロック部602と互いに当接するばね604が、径方向内向きの押圧力を受けると、径方向内向きに収縮し、即ち、被ロック部602の径方向間隔が小さくなり、被ロック部602の径方向間隔D2がロック部511の間隔Hよりも小さくなると、被ロック部602がロック部511から離脱し、クリップ400がロック状態かロック解除状態に移行する。
【0139】
いくつかの実施例において、取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702により、それぞれ第一凸起461及び第二凸起462に収納管500の径方向内向きの取り外し力が加えられて、第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部602)が径方向内向きの取り外し力の押圧作用を受けて偏向し、ロック溝560から離脱すると、ロック溝560(ロック部511)と第一凸起461及び第二凸起462(被ロック部)との相互協働関係が解除され、収納管500によるクリップの運動制限が解除され、クリップ400がロック解除状態とされる。
【0140】
いくつかの実施例において、取り外し装置700は、弾性ストッパ450と結合して、弾性ストッパ450を収納管500の軸方向に沿って運動させる取り外し力を弾性ストッパ450に加えることで、弾性ストッパ450とピン軸550との間の協働関係を解除し、収納管500によるクリップの運動制限を解除して、クリップ400をロック解除状態にすることが可能である。
【0141】
いくつかの実施例において、クリップ装置は、ロック解除部512を更に含み、取り外し装置は、ロック解除部512を介して被ロック部に取り外し力を加えることが可能である。いくつかの実施例において、ロック解除部512は、収納管500に設けられてもよい。いくつかの実施例において、収納管500は、第一収納管501及び第二収納管502を含んでもよく、ロック解除部512は、第一収納管501に設けられてもよい。
【0142】
いくつかの実施例において、
図49及び
図50を参照して、取り外し装置700(例えばスネア)は、収納管500の管壁におけるロック解除部512(例えば、弾性片510)を引っ掛け、径方向内向きに取り外し力を加えることが可能であり、すると、ロック解除部512(弾性片510)が径方向内向きに偏向し、ロック解除部512(弾性片510)の突き合わせ部573がロック溝560(ロック部511)内に進入し、即ち、ロック解除部512(弾性片510)が径方向内向きにロック溝560(ロック部511)内まで偏向し、突き合わせ部573と互いに突き合わせられる被ロック部602が径方向内向きの力を受けることで、被ロック部602が径方向内向きに偏向するか、又は径方向内向きに圧縮されて、被ロック部602がロック溝560(ロック部511)から脱出し、被ロック部602とロック溝560(ロック部511)との協働関係が解除され、クリップアーム自身の弾性作用により、第一クリップアーム410の遠位端及び第二クリップアーム420の遠位端が再び開くと、病巣に留置されたクリップ装置が組織300から分離される。いくつかの実施例において、収納管500にロック解除部512が設けられていなければ、ロック溝560の軸方向距離は、一般に0.5mmであり、ロックを解除するには、取り外し装置700をロック溝560内に伸入させて被ロック部602に作用させる必要があり、操作が困難である。いくつかの実施例において、収納管500にロック解除部512が含まれる場合、ロック解除部512(弾性片510)の軸方向距離は2mm~10mmとなり、取り外し装置700の取り外し力を収納管500の管壁に位置するロック解除部512(弾性片510)に作用させればよいため、取り外し装置700の取り外し力の作用面積が増大され、それに、クリップが第一位置にあるときにロック解除部512が収納管500に対して軸方向に径方向外向きに偏向し、即ち、ロック解除部512の一部が収納管500表面から突出するため、取り外し装置700(特に、スネア)がロック解除部512(弾性片510)を引っ掛けて径方向外向きに取り外し力を加えることにより適しており、その結果、取り外しの難易度が低減され、取り外しの成功率が向上される。
【0143】
いくつかの実施例において、取り外し装置700は、ロック部に取り外し力を加えて、ロック部を歪んだり、破断したり、変位したりさせることで、ロック部と被ロック部との協働関係を解除して、クリップをロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0144】
いくつかの実施例において、
図22~
図23を参照して、ロック部は、収納管500に設けられた弾性片510を含んでもよく、弾性片510は、弾性片第一端510A、弾性片第二端510B及び弾性片第三端510Cを含んでもよく、弾性片510の近位端に位置する弾性片第二端510Bは、ロック部511を構成する。
【0145】
いくつかの実施例において、取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、既にロック状態にあるクリップ400に近接するように広げられて、ロック解除部512(即ち、弾性片510の遠位端に位置する弾性片第三端510C)に取り外し力を加える。取り外し力の作用下で、第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702により径方向内向きに力が弾性片第三端510C(ロック解除部512)に加えられて、弾性片第三端510Cが、収納管500のチャンネルの外部に伸出する状態から、収納管500のチャンネルの内部に伸入する状態に移行することで、弾性片第二端510Bが径方向外向きに変位し、即ち、弾性片第二端510Bが収納管500のチャンネルの内部に伸入する状態から、収納管500のチャンネルの外部に伸出する状態に移行し、その結果、ロック部511と被ロック部602との協働関係が解除され、クリップ400がロック解除状態とされる。
【0146】
いくつかの実施例において、被ロック部602は、弾性ストッパ450を含んでもよく、ロック部511は、収納管500に設けられたピン軸550を含んでもよい。弾性ストッパ450とピン軸550とが協働することで、クリップ400がロック状態とされる。いくつかの実施例において、ピン軸550は、接続孔504を介して収納管500に接続される。いくつかの実施例において、ピン軸550は、収納管500の径方向に沿って圧縮可能である。
【0147】
いくつかの実施例において、
図56~
図57に示すように、収納管に設けられたピン軸550内にばねが設けられており、取り外し装置は、ピン軸550の両端に取り外し力を加えることが可能であり、ピン軸550が径方向内向きの押圧力の作用を受けて径方向に収縮すると、ピン軸550が接続孔504から脱落し、即ち、ピン軸550が収納管500から離脱して、ピン軸550(ロック部)と収納管500との接続関係が解除され、ピン軸550が弾性ストッパ450の運動を妨げなくなり、クリップ400がロック解除状態とされる。
【0148】
いくつかの実施例において、取り外し装置700は、クリップアームに取り外し力を加えて、クリップアームを歪んだり、破断したり、変位したりさせることで、クリップアームと被ロック部との接続関係を解除して、クリップをロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0149】
いくつかの実施例において、クリップ400と被ロック部602とは、第一接続部(例えば第一結合部411A及び/又は第二結合部421A)を介して接続関係を形成する。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上における接続孔504を構成する構造であってもよい。いくつかの実施例において、第一接続部は、クリップアーム上におけるピン固定部603を構成する構造であってもよい。第一接続部のより多くの詳細については、本明細書の他の箇所の記載を参照できる。
【0150】
いくつかの実施例において、第一接続部がチャンネル内への径方向の押圧力を受けると、第一接続部が歪んだり、破断したり、変位したりして、クリップと被ロック部との接続関係が解除される。取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702によりロック解除部512を介して径方向内向きに力が第一接続部(第一結合部411A及び/又は第二結合部421A)に加えられて、第一結合部411A及び/又は第二結合部421Aが径方向内向きの押圧力を受けるときに変形して、クリップ400の近位端と被ロック部602との接続関係が解除され、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が接続ピン601に対して近位端から遠位端へ運動して、クリップ400がロック解除状態とされる。
【0151】
いくつかの実施例において、取り外し装置700は、収納管に取り外し力を加えることで、ロック部を収納管の外壁に対して遠位端へ移動させ、クリップをロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0152】
いくつかの実施例において、収納管500は、第一収納管501と、第一収納管501の内部に設けられた第二収納管502とを含み、ロック部511は、第二収納管502に設けられている。いくつかの実施例において、
図66~
図67に示すように、いくつかの実施例において、クリップ400は、ロック状態にあり、第二収納管502の第一掛着部541は、第一収納管501の第一掛着溝531に掛着され、第二収納管502の第二掛着部542は、第一収納管501の第二掛着溝532に掛着され、第一収納管501と第二収納管502とが接続され、且つ被ロック部602とロック部511とが互いに協働し、第一クリップアーム410及び第二クリップアーム420の遠位端が閉じたままとなる。
【0153】
いくつかの実施例において、
図68~
図69に示すように、取り外し装置700の第一取り外しアーム701及び第二取り外しアーム702は、第一掛着部541及び第二掛着部542に取り外し力を加えることが可能であり、第一掛着部541及び第二掛着部542が径方向内向きの押圧力(即ち、取り外し力)を受けると、掛着部を構成する弾性片が変形する。いくつかの実施例において、第一掛着部541が径方向内向きの押圧力を受けると、第一掛着部541と第一収納管501の第一掛着溝531との係合接続関係が解除されることで、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除される。いくつかの実施例において、第一掛着部541及び第二掛着部542がそれぞれ径方向内向きの押圧力を受けると、第一掛着部541及び第二掛着部542と第一収納管501の第一掛着溝531及び第一収納管501の第二掛着溝532との係合接続関係がそれぞれ解除されることで、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除される。いくつかの実施例において、収納管500の外壁に対するロック部511の運動制限が解除されると、第一クリップアーム410の近位端及び第二クリップアーム420の近位端が収納管500に対して近位端から遠位端へ運動可能となり、クリップ400がロック解除状態とされる。
【0154】
いくつかの実施例において、クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられると、クリップのクリップアームの遠位端は、開き可能となる。
【0155】
本願のいくつかの実施例に係るクリップ装置、送達装置及びクリップのロック解除方法によれば、クリップが閉じられるとともにロックされた後にクリップをロック解除して取り除くことができ、クリップによって挟持された組織への損傷が回避され、取り外し装置によって異なる構造の被ロック部に取り外し力を加えることにより、取り外しの難易度を低減し、取り外しの成功率を向上させることができ、また、弾性片と収納管とが固接可能であり、クリップの構造が簡素化され、その生産が容易となる。
【0156】
以上、基本概念を説明してきたが、明らかなことに、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本願を限定するものではない。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことが可能である。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図され、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内に含まれるものとする。
【0157】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2回以上の言及は、必ずしも全てが同一実施例を指すとは限らないことを強調するとともに、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適宜に組み合わせられてもよい。
【0158】
なお、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願のフロー及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明したが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されず、反対に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にある全ての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることが理解されよう。例えば、上述したシステムコンポーネントは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイル装置に、説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0159】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本開示を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられる場合があることが理解されるであろう。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求される主題は、前述の単一の開示された実施例の全ての特徴より少ない場合がある。
【0160】
いくつかの実施例において成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものとして理解されよう。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字が説明する値の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも特定の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例におけるその範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0161】
本願において参照された全ての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などのような他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の特許請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0162】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するためのものであることが理解されよう。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定的ではなく例示的なものであり、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するものとして見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0163】
1 クリップデバイス、10 クリップ装置、20 送達装置、100 操作部、110 操作ハンドル、120 摺動部、130 送達部、200 シース、201 エンドカバー、202 位置規制凹部、210 マンドレル、211 接続先端、212 大径部、213 小径部、214 接続片、300 組織、400 クリップ、402 弾性リング、410 第一クリップアーム、411 第一屈曲部、411A 第一結合部、412 第一孔、420 第二クリップアーム、421 第二屈曲部、421A 第二結合部、422 第二孔、432 嵌着孔、440 スライド溝、450 弾性ストッパ、461 第一凸起、462 第二凸起、500 収納管、501 第一収納管、502 第二収納管、503 レール溝、504 接続孔、505 定位凸、510 弾性片、510A 弾性片第一端、510B 弾性片第二端、510C 弾性片第三端、511 ロック部、512 ロック解除部、513 阻止部、520 位置規制凸部、530 掛着溝、531 第一掛着溝、532 第二掛着溝、540 掛着部、541 第一掛着部、542 第二掛着部、550 ピン軸、560 ロック溝、570 開溝、571 弾性片固定端、572 弾性片自由端、573 突き合わせ部、601 接続ピン、602 被ロック部、603 ピン固定部、604 ばね、606 プルロッド、605 リンク構造、700 取り外し装置、701 第一取り外しアーム、702 第二取り外しアーム
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップ装置であって、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、クリップアームを含み、前記クリップアームは、第一クリップアーム及び第二クリップアームを含み、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、結紮に使用され、
前記収納管は、
外壁と、前記外壁により囲まれるチャンネルを含み、前記第一クリップアームの近位端及び前記第二クリップアームの近位端は、前記チャンネル内に収納可能であり、
前記クリップは、被ロック部を更に含み、前記被ロック部は、前記クリップアームに接続され、前記収納管は、ロック部を更に含み、前記ロック部は、前記外壁に対して遠位端への運動が制限され、
前記クリップがロック状態にあるとき、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端が閉じたままであり、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記収納管により、前記クリップが前記収納管に対して遠位端へ運動することを制限され、
取り外し力が予め設定手段で前記クリップ装置に作用するとき、前記収納管による前記クリップの運動制限が解除され、
前記クリップがロック状態からロック解除状態に切り替えられ、前記第一クリップアームの遠位端及び前記第二クリップアームの遠位端は、再び開き可能となり、
前記
予め設定手段は、
前記取り外し力を前記被ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部の協働関係とを解除し、又は、
前記取り外し力を前記クリップのクリップアームに作用させて前記クリップアームと前記被ロック部との接続関係を解除し、又は、
前記取り外し力を前記収納管に作用させて、前記外壁に対する前記ロック部の運動制限が解除されるクリップ装置。
【請求項2】
前記取り外し力を前記被ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部の協働関係とを解除することは、前記取り外し力の作用により、前記ロック部が歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される
ことを含む、請求項
1に記載のクリップ装置。
【請求項3】
前記ロック部は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端、弾性片第二端及び弾性片第三端を含み、前記弾性片第一端は、前記収納管の前記外壁に接続され、前記弾性片第二端は、前記弾性片第一端の近位端に設けられ、前記弾性片第三端は、前記弾性片第一端の遠位端に設けられ、前記弾性片第二端は、前記ロック部を構成する、請求項
2に記載のクリップ装置。
【請求項4】
前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記弾性片第二端は、前記チャンネルの内部に伸入し、前記弾性片第三端は、前記外壁の外部に伸出し、前記クリップが前記ロック状態から前記ロック解除状態に切り替えられたとき、前記弾性片第二端は、前記外壁の外部に伸出し、前記弾性片第三端は、前記チャンネルの内部に伸入する、請求項
3に記載のクリップ装置。
【請求項5】
前記ロック部は、前記収納管に設けられたピン軸を含み、前記ピン軸は、前記収納管の径方向に沿って前記収納管を貫通しており、前記クリップアームは、スライド溝を含み、前記スライド溝と前記ピン軸とは、摺動可能に接続され、前記被ロック部は、前記スライド溝の経路上に設けられた弾性ストッパを含む、請求項
2に記載のクリップ装置。
【請求項6】
前記ピン軸が力を受けて径方向に沿って圧縮されて前記収納管から離脱すると、前記ロック部と前記被ロック部との協働関係が解除される、請求項
5に記載のクリップ装置。
【請求項7】
前記取り外し力を前記クリップのクリップアームに作用させて前記クリップアームと前記被ロック部との接続関係を解除することは、前記取り外し力の作用により、前記クリップアームが
歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記被ロック部と前記クリップアームとの接続関係が解除される
ことを含む、請求項
1に記載のクリップ装置。
【請求項8】
前記クリップは、接続ピンを含み、前記第一クリップアームと前記第二クリップアームとが前記接続ピンによって接続されるか、又は前記第一クリップアームの近位端と前記第二クリップアームの近位端とによって収容空間が形成され、前記接続ピンは、径方向に前記収容空間を通るように延在し、前記接続ピンの一端が前記被ロック部を構成するか、又は前記接続ピンの両端がともに前記被ロック部を構成する、請求項
7に記載のクリップ装置。
【請求項9】
前記クリップアームにおける前記接続ピンの近位端側に位置する部分は、第一接続部を構成し、前記クリップと前記被ロック部とは、前記第一接続部を介して接続関係を形成し、前記第一接続部が前記チャンネル内への径方向の押圧力を受けると、前記第一接続部が歪んだり、破断したり、変位したりして、前記クリップと前記被ロック部との接続関係が解除される、請求項
8に記載のクリップ装置。
【請求項10】
前記収納管は、第一収納管及び第二収納管を含み、前記第二収納管は、前記第一収納管の内部に設けられ、前記外壁は、前記第一収納管に設けられ、前記ロック部は、前記第二収納管に設けられ、前記クリップが前記ロック状態にあるとき、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、
前記取り外し力を前記収納管に作用させて、前記外壁に対する前記ロック部の運動制限が解除されることは、前記第二収納管は前記取り外し力の作用により、前記第一収納管と前記第二収納管と
を相対的に運動可能
にさせ、前記外壁に対する前記ロック部の運動制限が解除される
ことを含む、請求項
1に記載のクリップ装置。
【請求項11】
前記第一収納管に掛着溝が設けられ、前記第二収納管に掛着部が設けられており、前記掛着溝と前記掛着部とが互いに掛着すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に固定され、前記掛着部が前記掛着溝から離脱すると、前記第一収納管と前記第二収納管とが相対的に運動可能となる、請求項
10に記載のクリップ装置。
【請求項12】
前記第二収納管は、弾性片を含み、前記弾性片は、弾性片第一端及び弾性片第二端を含み、前記弾性片第一端は、前記掛着部を構成し、前記弾性片第二端は、前記第二収納管のチャンネルの内部に伸入して、前記ロック部を構成する、請求項
11に記載のクリップ装置。
【請求項13】
前記弾性片第一端が力を受けて歪んだり、破断したり、変位したりすると、前記掛着部が前記掛着溝から離脱する、請求項
12に記載のクリップ装置。
【請求項14】
クリップデバイスであって、請求項1~
13の何れか一項に記載のクリップ装置と、前記クリップ装置に接続された送達装置とを含み、前記送達装置は、指定操作が実行される目標領域まで前記クリップ装置を送達可能に構成され、
前記送達装置は、操作部を含み、前記操作部は、前記指定操作を前記クリップ装置に実行させることが可能であり、前記送達装置は、前記クリップ装置に解放可能に接続されている、クリップデバイス。
【請求項15】
クリップ装置におけるクリップのロック解除方法であって、前記クリップ装置は、クリップ及び収納管を含み、前記クリップは、被ロック部を含み、前記収納管は、ロック部を含み、前記ロック部と前記被ロック部とが協働することで、前記クリップがロック状態とされ、前記クリップのクリップアームが閉じたままとされ、
ロック状態にある前記クリップに取り外し力を与えるように取り外し装置を操作することと、
前記取り外し力を前記被ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部の協働関係とを解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記ロック部に作用させて前記ロック部と前記被ロック部との協働関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記クリップのクリップアームに作用させて前記クリップアームと前記被ロック部との接続関係を解除して、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにするか、又は、
前記取り外し力を前記収納管に作用させて前記ロック部を前記収納管の外壁に対して遠位端へ移動させて、前記クリップが前記ロック状態からロック解除状態に切り替えられるようにすることとを含み、
前記クリップがロック解除状態にあるとき、前記クリップアームの遠位端が開く、クリップのロック解除方法。
【国際調査報告】