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特表2024-502660材料シートのマットの自動切断のための機械用のモジュール式コーム要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】材料シートのマットの自動切断のための機械用のモジュール式コーム要素
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/04 20060101AFI20240115BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20240115BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20240115BHJP
   B26D 7/20 20060101ALI20240115BHJP
   B26D 7/08 20060101ALN20240115BHJP
【FI】
B26D1/04 Z
B26D7/06 B
B26D7/18 A
B26D7/20
B26D7/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542880
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 FR2022050063
(87)【国際公開番号】W WO2022153006
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】2100452
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507289553
【氏名又は名称】レクトラ
【氏名又は名称原語表記】LECTRA
(71)【出願人】
【識別番号】516282684
【氏名又は名称】アンバロール
(71)【出願人】
【識別番号】517386930
【氏名又は名称】エコール ナシオナル シュペリュール ダル エ メティエ
(71)【出願人】
【識別番号】514255523
【氏名又は名称】サントレ ナティオナル ド ラ ルシェルシェ シアンティフィク
(71)【出願人】
【識別番号】512082370
【氏名又は名称】コンセルバトワール ナシオナル デ アール エ メティエ(セエヌアエム)
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベン ゴルバル、ゲラン
(72)【発明者】
【氏名】シャビラン、ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】ラルマン、レジ
(72)【発明者】
【氏名】レニエ、ジル
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
3C021DA02
3C021DA06
3C021DA14
3C021FA01
3C021GA02
3C021GA05
3C027GG03
3C027GG04
3C027GG07
3C027GG09
(57)【要約】
本発明の対象は、材料シートのマットを自動的に切断するための機械(2)のためのモジュール式コーム要素(10)であり、切断機械は、マット(M)が載置する複数の剛毛(6)をそれぞれが有する複数の切断支持体(4)であって、コーム要素が支持体(12)を形成するプレートを備え、支持体から第1及び第2の列の歯が長手方向に延び、第1の列の歯(14)が第2の列の歯(16)と交互に並び、第1の列の歯の自由端部が、第2の列の歯の歯の自由端部よりも支持体の下流側縁部から遠い、複数の切断支持体(4)と、支持体の下流側縁部に取り付けられるとともにこれに対して傾斜されてシートのマットとコーム要素との間の接触面を制限する傾斜部(18)と、シートのマットの取り出し/取り込みを容易にするために傾斜部の下流側縁部においてその全幅にわたってある空気注入手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料シートのマット(M)を自動的に切断するための機械(2)のためのモジュール式コーム要素(10)であって、前記切断機械が、コンベヤ上に取り付けられた複数の切断支持体(4)を備え、前記切断支持体(4)の各々は、前記材料シートのマットが載置されるようになっている複数の剛毛(6)を備え、前記コーム要素が支持体(12)を形成するプレートを備え、前記支持体(12)から第1及び第2の列の歯が長手方向に延び、前記第1の列の前記歯(14)が前記第2の列の前記歯(16)と交互に並び、前記第1の列の前記歯の自由端部が、前記第2の列の歯の前記歯の自由端部よりも前記支持体の下流側縁部から遠い、モジュール式コーム要素(10)において、前記支持体の前記下流側縁部に取り付けられるとともにこれに対して傾斜されて前記シートのマットと前記コーム要素との間の接触面を制限する傾斜部(18)と、前記シートのマットの取り出し/取り込みを容易にするために前記傾斜部の下流側縁部においてその全幅にわたってある空気注入手段(20,24,26)とを更に備えることを特徴とするモジュール式コーム要素(10)。
【請求項2】
前記空気注入手段は、2つの隣り合う歯(14,16)間で前記傾斜部の前記下流側縁部に出現するとともに前記支持体の全幅にわたって延在する空気供給チャネル(22)に開口する空気注入オリフィス(20)の少なくとも1つの下流側列を備える、請求項1に記載の要素。
【請求項3】
前記空気注入手段は、2つの隣り合う歯間で前記傾斜部の下流側縁部に出現するとともに前記空気供給チャネル(22)に開口する空気注入オリフィス(24)の第2の下流側列を更に備える、請求項2に記載の要素。
【請求項4】
前記空気注入手段は、前記傾斜部の上流側縁部で開口するとともに前記空気供給チャネル(22)に開口する空気注入オリフィス(26)の上流側列を更に備える、請求項2又は3に記載の要素。
【請求項5】
前記空気供給チャネル(22)が周囲空気と連通している又は加圧空気回路と連通している、請求項2から4のいずれか一項に記載の要素。
【請求項6】
前記第1及び第2の列の歯から独立しているとともに前記第1及び第2の列の歯から長手方向に凹んだ前記支持体(12)の下方に取り付けられる第3の列の歯(28)を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の要素。
【請求項7】
前記第3の列の歯の歯(28)が前記下流側縁部とは反対側の前記支持体の上流側縁部から長手方向に延びる、請求項6に記載の要素。
【請求項8】
前記第3の列の歯の前記歯(28)の自由端部は、前記支持体の前記下流側縁部から長手方向に凹んでいる、請求項6又は7に記載の要素。
【請求項9】
前記第3の列の歯の前記歯(28)は、前記第1の列の歯の前記歯(14)及び前記第2の列の歯の前記歯(16)から横方向にずれている、請求項6から8のいずれか一項に記載の要素。
【請求項10】
前記第1の列の歯の前記歯(14)の前記自由端部が球根状の形状を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の要素。
【請求項11】
前記第1の歯の列の2つの隣り合う歯(14)を分離する横方向距離()は、前記切断支持体の偶数の隣り合う剛毛(6)の横方向嵩に実質的に相当し、前記第1及び第2の歯の列の2つの隣り合う歯(14,16)を分離する横方向距離(d’)は、前記第1の歯の列の2つの隣り合う歯を分離する前記横方向距離()の半分に実質的に相当する、請求項1から10のいずれか一項に記載の要素。
【請求項12】
材料シートのマット(M)を自動的に切断するための機械(2)であって、コンベヤ上に取り付けられた複数の切断支持体(4)を備え、前記切断支持体(4)の各々は、切断されるべき材料シートのマットが載置されるようになっている複数の剛毛(6)を備え、前記機械は、その端部の少なくとも一方に、請求項1から11のいずれか一項に記載の複数のコーム要素(10)から成るコームを更に備える、機械。
【請求項13】
前記端部が取り出し端部及び/又は取り込み端部である、請求項12に記載の機械。
【請求項14】
幾つかのコーム要素が他のコーム要素とは異なる特性を有する、請求項12及び13のいずれかに記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤによって駆動される吸引切断支持体に入り込む振動ブレードを使用して、材料、特に布地の材料シートのマットを自動的に切断するための機械の一般的な分野に関する。本発明は、より具体的には、そのような切断機械を装備する取り込み及び取り出しコームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、振動ブレード切断機械は、切断作業中に切断されるべきシートのマットを駆動するために使用される切断コンベヤを備える。この切断コンベヤは、切断動作中に切断されるべき材料シートを不動に保つために内部に高真空が確立されるボックス内に収容される。
【0003】
このタイプの機械において、切断コンベヤは、振動ブレードのための貫通切断支持体としても機能する。切断動作中に、ブレードが、切断されるべき材料を完全に通り抜けることができるだけでなく、支持表面を超えて下方に及びそのような表面をもたらす材料層中に延びることもできるように、切断支持体をブレードによって貫通可能にすることが実際に知られている。
【0004】
この目的のために、切断支持体は、一般に、コンベヤのベルトによって駆動されるブロックのアセンブリから成り、各ブロックは、幾つかの平行な列を成してソールに取り付けられた複数の剛毛を備える。吸込空気の通過を可能にするべく横断チャネルがソールを貫通して形成される。したがって、これらのブロックは、切断ブレードを貫通させることができる一方で、切断されるべき材料のシートのマットを支持できるようにする。
【0005】
また、振動ブレード切断機械は、コンベヤの各端部に位置される取り込み及び取り出しコームも備える。取り込みコームは、切断機械のコンベヤの上流側端部にある上流側拡散テーブルからの切断されるべき材料シートのマットの移送を支援する機能を有する。同様に、取り出しコームは、切断機械のコンベヤの下流側端部から下流側に位置される取り出しコンベヤへの切断されたマットの移送を支援する機能を有する。
【0006】
したがって、取り出しコームは、マットが真空下に保たれる領域(すなわち、吸引切断支持体上)と、真空を伴わない領域(すなわち、取り出しコンベヤ上)との間の移行部を構成する。また、これらの取り出しコームは、マットと接触していない切断支持体の剛毛の表面を最小限に抑えながらマットを維持する際の連続性を確保しなければならない。
【0007】
取り出しコームは、一般に、切断されたマットを切断表面から取り出しベヤに向かって案内する傾斜部を形成するように切断支持体の剛毛を貫通する幾つかの傾斜した平行な突起を備える。これらの突起は、互いに平行に配置され、コンベヤの下流側端部の切断表面の全幅に及ぶ。例えば、米国特許出願公開第2020/0156280号明細書を参照することができ、これは、切断支持体の剛毛を貫通する異なる長さの2列の突起を有する取り出しコームの典型的な実施形態について記載している。
【0008】
従来技術から知られている取り出しコームは、特定の欠点を有する。特に、マット切断動作中、切断支持体の剛毛は、それらの分布を不均一にする変形を受ける可能性がある。しかしながら、従来技術から知られている取り出しコームは、コームを通過する支持剛毛を再配置できるようにしない。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の主な目的は、前述の欠点を有さないコームを提案することである。
【0010】
この目的は、材料シートのマットを自動的に切断するための機械のためのモジュール式コーム要素であって、切断機械が、複数の切断支持体を備え、切断支持体の各々は、コンベヤ上に取り付けられて切断されるべき材料シートのマットが載置されるようになっている複数の剛毛を備え、コーム要素が支持体を形成するプレートを備え、支持体から第1及び第2の列の歯が長手方向に延び、第1の列の歯が第2の列の歯と交互に並び、第1の列の歯の自由端部が、第2の列の歯の歯の自由端部よりも支持体の下流側縁部から遠い、モジュール式コーム要素によって達成され、本発明によれば、このモジュール式コーム要素は、支持体の下流側縁部に取り付けられるとともにこれに対して傾斜されてシートのマットとコームとの間の接触面を制限する傾斜部と、シートのマットの取り出し/取り込みを容易にするために傾斜部の下流側縁部においてその全幅にわたってある空気注入手段とを更に備える。
【0011】
本発明に係るコームは、特に、支持体の下流側縁部に取り付けられて支持体に対して傾斜される傾斜部を設けるという点で注目に値する。この傾斜部及びこれに関連する空気注入手段は、吸引を受けるマットの部分とそうでないマットの部分との間の移行を容易にするために(取り出される又は取り込まれるべき)シートのマットとコームとの間の接触面を制限できるようにする。材料シートのマットの取り出し(又は取り込み)が非常に容易になる。
【0012】
また、本発明に係るコームは、切断コンベヤと取り出しコンベヤ(取り出しコーム用)との間、及び拡散テーブルと切断コンベヤ(取り込みコーム用)との間の連続性を確保するために、同じプレート上に組み立てられる複数の独立したモジュール要素から成るという点でも注目に値する。コームは、高応力の部品であり、モジュール式にすることで、損傷した可能性のある要素のみを変更することができる。
【0013】
本発明に係るコームは、2列の歯を備えるという点で更に注目に値する。第1の列の歯は、もはや材料シートのマットに対して垂直ではないポイントまで変形した機械の切断支持体の剛毛を真っ直ぐにできるようにする。第2の列の歯に関して、それらは、それらの間の自由空間を制限するために切断支持体の剛毛のヘッドを締め付けることができるようにする。
【0014】
空気注入手段は、2つの隣り合う歯間で傾斜部の下流側縁部に出現するとともに支持体の全幅にわたって延在する空気供給チャネルに開口する空気注入オリフィスの少なくとも1つの下流側列を備えることができる。
【0015】
この場合、空気注入手段は、2つの隣り合う歯間で傾斜部の下流側縁部に出現するとともに空気供給チャネルに開口する空気注入オリフィスの第2の下流側列を更に備えることができる。
【0016】
同様に、空気注入手段は、傾斜部の上流側縁部で出現するとともに空気供給チャネルに開口する空気注入オリフィスの上流側列を更に備えることができる。
【0017】
空気供給チャネルは、周囲空気と連通する又は加圧空気回路と連通することができる。
【0018】
好ましくは、コーム要素は、第1及び第2の列の歯から独立しているとともに第1及び第2の列の歯から長手方向に凹んだ支持体の下方に取り付けられる第3の列の歯を更に備える。この第3の列の歯は、2つの他の列の歯を通るそれらの通過中に潜在的に変形した切断支持体の剛毛の再配置を確保する。
【0019】
この場合、第3の歯の列の歯が下流側縁部とは反対側の支持体の上流側縁部から長手方向に延びることができる。同様に、第3の歯の列の歯の自由端部は、支持体の下流側縁部から長手方向に凹むことができる。
【0020】
この場合も、第3の歯の列の歯は、第1の歯の列の歯及び第2の歯の列の歯から横方向にずれていることが好ましい。
【0021】
好ましくは、第1の歯の列の歯の自由端部は球根状の形状を有する。この球根状の形状は、切断支持体のそれぞれのヘッドがコーム要素を通じて完全に係合される前に切断支持体の剛毛のシャフトの案内を確保する。
【0022】
この場合も好ましくは、第1の歯の列の2つの隣り合う歯を分離する横方向距離は、切断支持体の偶数の隣り合う剛毛の横方向嵩に実質的に相当し、第1及び第2の歯の列の2つの隣り合う歯を分離する横方向距離は、第1の歯の列の2つの隣り合う歯を分離する横方向距離の半分に実質的に対応する。これらの距離は、それらの間の剛毛のヘッドの締め付けを確保する。
【0023】
また、本発明は、材料シートのマットを自動的に切断するための機械にも関連し、該機械は、コンベヤ上に取り付けられて切断されるべき材料シートのマットが載置されるようになっている複数の剛毛をそれぞれが備える複数の切断支持体を備え、機械は、その端部の少なくとも一方に、先に規定した複数のコーム要素から成るコームを更に備える。
【0024】
端部は、取り出し端部及び/又は取り込み端部(この場合、コームは、それぞれ取り出しコーム及び/又は取り出しコームである)となり得る。
【0025】
一部のコーム要素は、他のコーム要素とは異なる特性を有してもよい。「特性」とは、特に、2つの列の歯の数、それらの長さ、それらの形状、それらの位置などを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る取り出しコームを備えた切断機械の取り出し端部を示す部分側面図である。
図2図1の取り出しコーム要素の斜視図である。
図3】本発明の実施形態の一変形例に係るコーム要素の斜視図である。
図4図3のコーム要素の上面図である。
図5図3のコーム要素の底面図である。
図6図3のコーム要素の側面図である。
図7図3のコーム要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
振動ブレード切断機械では、切断動作中に切断コンベヤによって、切断されるべき材料シートのマットが駆動される。切断コンベヤの上部は切断支持体として機能し、下部は、一般に、切断動作中に切断されるべき材料を動かないように保つために内部に高真空が確立されるボックス内に収容される。
【0028】
図1は、そのような切断機械2の下流側端部(取り出し端部と呼ばれる)を部分的に表わす。この図に表わされるように、切断支持体4は、切断コンベヤ(図示せず)を駆動するためのベルト上に取り付けられる複数のブロックのアセンブリから成る。
【0029】
既知の態様で、切断支持体の各ブロックは、平行な列を成して整列される複数の剛毛6を含む。各剛毛6は、ソール8に取り付けられた足部6aと、足部の反対側にあって切断されるべき材料シートのマットMの支持体として機能するようになっているヘッド8bとを有する。
【0030】
2020年3月27日に出願された仏国特許出願公開第2003043号明細書に記載されるように、切断支持体のブロックは、複数のモジュール要素のアセンブリによって形成することができ、各モジュール要素は、同じ固有の剛毛列に配置された剛毛を備える。
【0031】
更に、(切断コンベヤの前進方向Tに関して)切断面の下流側端部の位置において、切断機械は、一般に切断面に対して持ち上げられてその全幅にわたって延在する取り出しコームを備える。
【0032】
取り出しコームの主な機能は、取り出されるべきマットMを切断コンベヤの下流側端部から取り出しコンベヤ(図示せず)まで移送するのを支援することである。
【0033】
本発明によれば、取り出しコームは、モジュール式であり、すなわち、コームを形成するために端から端まで配置される複数のモジュール式コーム要素10から構成される。
【0034】
更に本発明によれば、図2図5に示されるように、各コーム要素10は支持体を形成する略水平なプレート12を備え、支持体から第1の列の歯14及び第2の列の歯16が長手方向に延在し、第1の列の歯は第2の列の歯と交互に並ぶ。
【0035】
更に、第1の列の歯14の自由端部は、第2の歯の列の歯16の自由端部よりも支持体の下流側縁部から遠い。言い換えると、第1の列の歯14は、第2の列の歯16に対して突出する。
【0036】
これらの2つの歯の列の歯14,16は、コーム要素の実質的に水平な支持体12に対して下方に傾斜されるそれぞれの上側隆起部14a,16aを伴う略三角形の形状を有する。
【0037】
好ましくは、第2の列の歯16の上側隆起部16aの傾斜は、第1の列の歯14の上側隆起部14aの傾斜よりも大きい。
【0038】
また好ましくは、第1の歯の列の歯14の自由端部は、特に図3及び図4に見られるように、球根状、すなわち丸みを帯びた膨出形状を有する。
【0039】
この特定の球根形状は、切断支持体のヘッド6bが取り出しコームを通じて完全に係合される前に、切断支持体の剛毛6のシャフトの案内を確保する。剛毛のシャフトがヘッドの断面よりも小さい断面を有する場合、歯14の球根状の自由端部は、剛毛のシャフトと干渉しないようにヘッド全体の下方に位置される。
【0040】
更に本発明によれば、傾斜部18が各コーム要素10の支持体12の下流側縁部に取り付けられる。
【0041】
より具体的には、この傾斜部18は、歯14、16の上流連続部に延在し、略水平である支持体12に対して下方に傾斜される。したがって、図6に示されるように、傾斜部18は、0°から45°の間に含まれて第1の列の歯14のそれぞれの上側隆起部14aによって形成される傾斜角に実質的に等しい支持体12に対する傾斜角αを有する。
【0042】
このように配置された傾斜部18により、取り出されるべきマットMとコーム要素10との間の接触面を制限することができる。
【0043】
本発明に係る各コーム要素10は、マットMの取り出しを容易にするために、傾斜部18の下流側縁部にその全幅にわたって空気注入手段を更に備える。
【0044】
特に図2から図4及び図7に示されるように、これらの空気注入手段は、2つの隣り合う歯14、16間の傾斜部18の下流側縁部に出現するとともに支持体の全幅にわたって延在する空気供給チャネル22に開口する空気注入オリフィス20の少なくとも1つの下流側列を備える。
【0045】
好ましくは、空気注入手段は、2つの隣り合う歯14、16間の傾斜部18の下流側縁部にも出現するとともに同じ空気供給チャネル22に開口する空気注入オリフィス24の第2の下流側列を更に備える。
【0046】
第2の列のこれらの空気注入オリフィスが特に見える図4及び図7において、これらのオリフィス24はそれぞれ、これらのオリフィスの下方に配置されることによって、第1の下流側列のオリフィス20と位置合わせされるのが分かる。
【0047】
また、好ましくは、空気注入手段は、傾斜部18の上流側縁部に出現するとともに空気供給チャネル22に開口する空気注入オリフィス26の上流側列を更に備える。
【0048】
より具体的に図3及び図4に示されるように、上流側列のこれらのオリフィス26は、下流側列のオリフィス20、24が位置される場所とは反対側の傾斜部18の長手方向端部に位置される。
【0049】
更に、上流側列のオリフィス26は実質的に垂直方向に沿って出現し、一方、下流側列のオリフィス20、24は実質的に水平方向に沿って出現する。
【0050】
全ての空気注入オリフィス20、24、26に共通の空気供給チャネル22には周囲の空気を供給することができ、又は空気供給チャネル22は加圧空気回路(図示せず)と連通することができる。
【0051】
空気注入オリフィス20、24、26の全ては、切断コンベヤ内の吸引に起因して真空に晒される取り出されるべきマットの部分を制限するために、(チャネル22の供給に応じて)傾斜部18の領域を大気圧又は僅かな過圧にすることを可能にする。切断コンベヤから取り出しコンベヤへのマットMの移送が非常に容易になる。
【0052】
本発明の有利な一構成によれば、コーム要素10は、第1及び第2の列の歯14、16から独立しているとともに第1及び第2の列の歯から長手方向に凹んだ支持体12の下方に取り付けられる第3の列の歯28を更に備える。
【0053】
図6に示されるように、この第3の歯の列の歯28は、下流側縁部とは反対側の支持体12の上流側縁部から長手方向に延在する。
【0054】
更に、第3の歯の列の歯28の自由端部は、この支持体12の下流側縁部から長手方向に凹んでいてもよい。
【0055】
更に、図5に示されるように、第3の歯の列の歯28は、第1の歯の列の歯14及び第2の歯の列の歯16から横方向にずれていることが好ましい。
【0056】
言い換えると、第3の列の歯28は、第1の列及び第2の列に属する2つの隣り合う歯14,16間に横方向で挿入される。
【0057】
この第3の歯の列の歯28は、他の2列の歯14、16を通るそれらの通過中に潜在的に変形した切断支持体4の剛毛6の再配置を確保する機能を有する。
【0058】
他の有利な構成によれば、2つの隣り合う歯14を第1の列の歯(図2及び図5を参照)から分離する横方向距離は、切断支持体4の偶数の隣り合う剛毛6の横方向嵩に実質的相当する。
【0059】
図2の典型的な実施形態において、2つの隣り合う歯14間のこの横方向距離は、切断支持体4の4つの剛毛6の横方向嵩に対応する。
【0060】
同様に、第1及び第2の歯の列の2つの隣り合う歯14、16を分離する横方向距離d’図2及び図5参照)は、第1の列の歯から2つの隣り合う歯14を分離する横方向距離d’の半分に実質的に相当する。
【0061】
したがって、依然として図2の典型的な実施形態では、この横方向距離d’は、切断支持体の2つの剛毛6の横方向嵩に対応する。
【0062】
前述したように、取り出しコームは、モジュール式であり、すなわち、端から端まで配置される前述のような複数のモジュール式コーム要素から構成される。
【0063】
このモジュール性は、特に、取り出しコームの幾つかのコーム要素が、下方にある切断支持体の特定の特徴に応じて他のコーム要素とは異なる特性を有することができるという利点を有する。
【0064】
コーム要素の「特性」とは、2つ又は3つの歯の列の歯の数、歯の長さ、歯の形状、2つの歯の間の横方向間隔などを意味する。
【0065】
更に、取り出しコームについて直前に説明したものと同様に、切断機械は、切断面の反対側の長手方向端部の位置において、切断面に対して一般に持ち上げられて拡散テーブルから切断面への材料シートのマットの取り込みを補助することを可能にする取り込みコーム(図示せず)を備える。
【0066】
本発明は、この取り込みコームにも適用され、取り込みコームは、好適にはモジュール式であり、各コーム要素は、取り出しコームに関して説明したものと同じ特性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】