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特表2024-502666永久磁石を備える非接触位置センサ、測定デバイス、非接触位置センサの適用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】永久磁石を備える非接触位置センサ、測定デバイス、非接触位置センサの適用方法
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
G01D5/12 H
G01D5/12 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542898
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 FR2022050028
(87)【国際公開番号】W WO2022152996
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】2100365
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523266903
【氏名又は名称】リシャール アルロ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リシャール アルロ
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA25
2F077AA41
2F077CC02
2F077JJ01
2F077JJ03
2F077JJ07
2F077JJ09
2F077JJ20
2F077JJ23
(57)【要約】
本発明は、磁場を生成する永久磁石と、少なくとも2方向における磁場を検出するための少なくとも1つの素子(又は磁気感応素子)と、を備える、非接触位置センサに関し、永久磁石は、移動方向において移動することが可能であり、かつ移動方向において連続的に可変の磁化を有し、磁化の変化は、異なる場成分に沿って、少なくとも2つの異なる準周期的寄与の組み合わせに対応する形状を有し、センサは、これらの場成分の値を組み合わせるため、及び位置の精密な値を判定するためのコンピュータを更に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触位置センサであって、磁場を生成する永久磁石(1)と、少なくとも2方向における前記磁場(又は磁気感応素子)の少なくとも1つの検出素子(3、11)と、を備え、前記永久磁石(1)が、移動方向において移動することが可能であり、かつ前記移動方向に沿って連続的に可変の磁化を有し、前記磁化の前記変化が、異なる場成分に従って、少なくとも2つの異なる準周期的寄与の組み合わせに対応する形状を有し、前記センサが、前記場成分の値を組み合わせるため、及び前記磁化が周期pn(n実数>0、一定又は偏倚運動において可変)のキャリア周波数で変化することを特徴とし、正確な位置の値を判定するためのコンピュータを更に備え、前記コンピュータの測定が、粗い位置を判定し、処理により位置の細かい測定が提供される信号を提供するために、下位周期pによって搬送される少なくとも1つの二次信号を判定する、非接触位置センサ。
【請求項2】
前記キャリア及び搬送信号が、互いにインデックス付けされて、実施される前記偏倚運動に比例する位相シフトを作成することを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項3】
前記キャリア及び搬送信号が、非周期的であることを特徴とする、請求項2に記載の位置センサ。
【請求項4】
前記磁化が、機械的な完全な回転又は偏倚運動中の所定の位置を検出するために少なくとも1つの磁気異常を有することを特徴とする、請求項2に記載の位置センサ。
【請求項5】
前記永久磁石が、少なくとも1つの多極永久磁石、又は多極磁石アセンブリからなることを特徴とする、請求項2に記載の位置センサ。
【請求項6】
前記永久磁石が、電動機、発電機、アクチュエータ、減速機、カプラのロータの全部又は一部であることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項7】
前記永久磁石が、電流ループのセットからなることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項8】
前記磁気感応素子が、少なくとも2つの磁場成分を測定する少なくとも1つのホールプローブ、又は磁気感応素子の準定点アセンブリからなることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項9】
前記磁気感応素子が、磁気抵抗プローブからなることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項10】
前記磁気感応素子が、渦電流プローブであることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項11】
前記磁気感応素子が、複数のプローブを備えることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサを備える測定デバイスであって、前記センサの計算された角度値及び/又は直線性を前記計算し、記憶する手段を備える、測定デバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサを備える測定デバイスであって、前記場の前記成分のうちの1つが故障した場合における、劣化動作モード(前記場成分の組み合わせ)を含む、測定デバイス。
【請求項14】
外部起源の測定外乱を補償することを可能にする動作モード(前記場成分の組み合わせ)を含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項15】
例えば、前記位置を計算する時間を節約するために、前記磁場成分のアナログ検出及びデジタル検出を組み合わせる、請求項12~14のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項16】
複雑なシステム上の追加の値を測定するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の位置センサの適用であって、力、トルク、加速度、制動、位相シフト、全体速度、移動方向、回転数、慣性、アンバランス、振動、騒音、高調波成分、温度、圧力、電流、電圧を含む、適用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶対角度位置又は絶対直線位置の精密な測定のための非接触磁気及び/又は電磁気位置センサの分野に関する。そのようなセンサは、全ストロークの0.1%程度、又は完全な回転で実行される検出に対して<0.5°程度の高精度で角度位置又は直線変位を検出することを可能にする。
【0002】
先行技術では、固定点に対して軸の周りを角度的に(又は直線的に)可動な、基準点の角度(又は直線)位置の磁気測定のためのデバイスが既知である。このような測定デバイスには通常、そこから、基準点に対する磁気感応素子の角度位置を計算によって推定するため、回転磁気素子(又は磁気抵抗(magneto-resistive、MR)素子)と、磁束又はこの磁束(又は場)の軸方向及び/又は半径方向の成分を測定する感磁(magneto-sensitive、MS)素子と、を備える。
【0003】
「360°ホール効果センサ」タイプ又は「正弦波センサ-余弦センサ」センサの第1のセンサ解決策は、磁場の少なくとも2つの成分を測定する単一のプローブを使用するか、又は偏倚運動中に磁束の比例変化を生成する磁気回路を使用する。このような測定デバイスの正確さは限られており(典型的には≧1°機械角)、特定の用途(例えば、ロボット工学)には不十分であると見なされ得る。
【0004】
少なくとも2つのホール効果プローブを使用する同じタイプのセンサは、特に異なる場成分の構成によって、そのような測定デバイスの精度を改善することを可能にするが、依然として0.5°機械角に近いままであり、依然として特定の用途(例えば、工作機械)には不十分であると見なされ得る。
【0005】
一般的にレゾルバ(例えば、リラクタンスレゾルバ)と呼ばれる、コイル状ステータを有する強磁性タイプのセンサの別のファミリは、ステータ部分にわたって分布するトランスミッタ及びレシーバ磁気コイルのシステムを使用する。これらのレゾルバの正確さは非常に重要であるが、これらのセンサは、かさばり、高価であり、適用時に組み立てるのが複雑であると説明されている。それらは、産業(例えば工作機械)及び自動車部門(パワーステアリング、トランスミッション)において広く使用されているが、いくつかの高範囲用途に限定されたままである。
【0006】
センサの第3のファミリは、いくつかの磁気トラック(各々が所与の磁化プロファイル又は磁束を担持する)を展開し、概してそれらの間でインデックス付けされる。
【0007】
2つのトラック上の磁極対の数が異なり、角度(又は直線)位置を特定するために使用される磁気信号の位相シフトを生成する「ノニウス」又は「バーニア効果」タイプのセンサは、この第3のファミリの一部である。
【0008】
このファミリでは、組み合わされたデジタル信号を作成することができる多極「エンコーダ」タイプのセンサが、相対的又は絶対的な角度位置を判定できるようにすること、又はそうでなければ、「360°ホール効果センサ」及び「エンコーダ」タイプのデジタルセンサを組み合わせたセンサが、完全な1回転にわたる粗いアナログ測定値と多数のデジタル信号とを組み合わせることを可能にし、専用のアルゴリズムを介してこの測定値を局所的に精密化することが可能にし、正確な角度値の計算が可能になることもまた、既知である。
【0009】
これらのセンサ(又はエンコーダ)は、非常に精密(<0.5°)であり、レゾルバよりも小型であるが、少なくとも2つの磁気トラック(又はEMC)、及びトラック毎に少なくとも1つの磁気プローブ(又はEMS)を使用する必要がある。これらのセンサは、単一のEMCのみを備えるセンサよりも、組み立てるのが高価で複雑であると説明されている。それらの使用は、概して、衛星、工作機械、組み立てロボット、医療用ロボットに見られる高精度位置決め技術に限定される。
【背景技術】
【0010】
また、特許文献1もまた、既知であり、当該移動方向及び法線方向によって画定される表面内で磁石の移動方向に沿って直線的に変化する磁化の方向を有する少なくとも1つの磁石からなる可動素子、少なくとも4つの磁気感応素子、及び可動素子の絶対位置に応じて信号を配信する少なくとも1つの処理回路を備える角度又は直線磁気位置センサを説明しており、第1のセットの磁気感応素子は、第2のセットの磁気感応素子から空間的にオフセットされた同じ点に位置する一対の磁気感応素子で構成され)、磁石の移動方向において、同じ点に位置する一対の磁気感応素子で構成されている。第1及び第2のセットの磁気感応素子のうちの磁気感応素子は、磁場の接線成分を測定することが可能であり、第1及び第2のセットの磁気感応素子のうちの磁気感応素子は、磁場の法線成分を測定することが可能である。処理回路は少なくとも2つの代数の組み合わせを作り出すことが可能であり、各代数的組み合わせは、実質的に90°位相がずれた2つの正弦波信号を定義するため第1のセットの磁気感応素子の成分、及び磁気感応素子の第2のセットの成分を含む。
【0011】
特許文献2もまた、既知であり、絶対マルチターンセンサを作り出すために2つの360°非接触センサを実装する解決策を説明している。第1の非接触センサは、0~360°の回転部材の回転角を測定するために使用され、第2のセンサは、回転部材の完全な回転の数を判定するために使用される。比nの連続ギア減速のための機械システムは、2つのセンサの間に統合される。減速機の入力軸は、第1のセンサに接続され、第2のセンサのロータは、減速機の出力軸に接続されている。第1のセンサが完全に1回転する毎に、第2のセンサは1/n回転するだけである。第2のセンサは、限られた精度及び分解能で全絶対角度の測定値を得ることを可能にするが、第1のセンサは、第2のセンサの測定値を精密化することを可能にすることによってこの問題を解決し、360°にわたって非常に良好な精度及び解像度を得ることができる。加えて、第1のセンサが故障した場合、第2のセンサは、回転部材の回転における位置を(n倍に低減された分解能で)検出し、第1のセンサの不具合を検出することさえ可能にする。
【0012】
特許文献3は、互いに対して移動可能な少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つの磁気感応素子を使用する直線又は曲線の回転運動磁気センサの別の解決策を説明しており、磁石が、当該移動方向と法線方向とによって画定される表面にわたって、磁石の移動方向に沿って実質的に直線的に変化する磁化方向を有し、回転センサの場合は直径方向磁化を除くことを特徴としている。
【0013】
特許文献4は、軸(Z)を中心に回転移動可能な点(P)を有するディスク形状の別の解決策を説明する。第1のセンサは、ディスクと一体的な第1の磁気素子と協働して、原点(O)に対する点(P)のおおよその角度位置(θa)を測定する。第2の磁気素子は、ディスクの周囲に円周方向に配設される。第2のセンサは原点(O)に配設され、この第2のセンサの反対側に位置する第2の磁気素子について、原点(O)に対するこの第2の磁気素子の上流端の角度位置を測定する。手段は、近似角度位置(θa)の関数として、どの第2の素子が第2のセンサに対向して位置するかを判定する。手段は、第2の判定された素子及び第2のセンサによって測定された値の関数として、基準点(P)の精密な角度位置(θ)を計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】仏国特許第2923903号
【特許文献2】仏国特許第2919385号
【特許文献3】仏国特許第2898189号
【特許文献4】欧州特許第2711663号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
先行技術の欠点
最も単純な先行技術の磁気センサでは、高精度の位置決めを必要とする用途に首尾よく使用されるのに十分な角度精度(又は直線精度)を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によって提供される解決手段
本発明の目的は、角度位置又は直線位置の磁気測定のための簡単で安価なデバイスを提供することによって、この主要な欠点を改善することである。最も一般的に受け入れられていることによれば、本発明は、磁場を生成する永久磁石(又は磁気符号化素子)と、少なくとも2つの方向における磁場の少なくとも1つの検出素子(又は磁気感応素子)と、を備え、永久磁石が移動方向において移動することが可能であり、移動方向に沿って連続的に可変の磁化を有し、様々な場成分に従って磁化の当該変化が、少なくとも2つの(準)周期的な寄与の組み合わせに対応する形状を表し、センサが、これらの場成分の値を組み合わせるため、及び精密な位置値を判定するためのコンピュータを更に備えることを特徴とする、非接触位置センサに関する。
【0017】
「準周期的」という用語は、ある周期から別の周期へのわずかな変動を有するが、パターンの各々に対して一定の間隔を有するパターンを伴う、周期的組み合わせの一般化を指す。
【0018】
検出素子は、任意選択的に、磁束集中器内に配置され得る。
【0019】
当該磁化は、有利に、異なる周期p及びnp(実数n>0、変位にわたって一定又は可変)に従う少なくとも2つの周期的寄与の組み合わせに対応する形状に従う異なる場成分に従って変化し、第2のパターンは第1のパターンを搬送する信号であり、この二重パターンは、磁場の成分のうちの少なくとも2つの測定を介して実行される偏倚運動における位置の粗い測定と細かい測定とを組み合わせることを可能にする。
【0020】
有利に、キャリア及び搬送信号は、実施された偏倚運動に比例する位相シフトを作成するために互いにインデックス付けされる。
【0021】
特定の実施形態によれば、当該キャリア及び搬送信号は、非周期的である。
【0022】
好ましくは、磁化は、機械的な完全な回転又は偏倚運動内の所与の位置を検出するための少なくとも1つの磁気異常を有する。
【0023】
一変形形態によれば、当該磁化変化は、3つの周期的変化の組み合わせに対応する形状を有し、周期mp(実数m>0、変位にわたって一定又は可変)の第3のパターンは、例えば、機械的な完全な回転の数又は偏倚運動における1つ以上の所与の位置の検出を実行することを可能にする。
【0024】
一変形形態によれば、当該永久磁石(又は磁気保持素子)は、少なくとも1つの多極永久磁石又は多極磁石アセンブリからなる。
【0025】
一変形形態によれば、当該永久磁石は、電気モータ、発電機、アクチュエータ、減速機、カプラのロータの全部又は一部である。
【0026】
有利に、当該永久磁石は、1セットの電流ループからなる。
【0027】
一変形形態によれば、当該磁化変化は、多数の周期的又は準周期的変動の組み合わせに対応する形状を有し、偏倚運動内の位置の正確な検出を実施し、作り出された偏倚運動の数を知り、測定の精度及び外部外乱(例えば、寄生磁場)に対するその回復力を強化することを可能にする。
【0028】
有利に、当該磁気感応素子は、少なくとも2つの磁場成分方向を測定する少なくとも1つのホールプローブ、又は磁気感応素子の準点アセンブリからなる。
【0029】
一代替形態によれば、当該磁気感応素子は、磁気抵抗プローブによって構成される。
【0030】
別の代替形態によれば、当該磁気感応素子は、渦電流プローブである。
【0031】
別の代替形態によれば、当該磁気感応素子は、複数のプローブを備える。
【0032】
特定の実施形態によれば、センサは、センサの計算された角度値及び/又は直線性を計算及び記憶するための手段を更に備える。
【0033】
特定の実施形態によれば、本発明による測定デバイスは、例えば、計算時間を節約するために、磁場成分のアナログ検出とデジタル検出とを組み合わせる。
【0034】
任意選択的に、デバイスは、場の成分のうちの1つが故障した場合の劣化動作モード(場成分の組み合わせ)、又は外部起源の測定外乱を補償することを可能にする動作モード(場成分の組み合わせ)を有する。
【0035】
本発明はまた、センサの計算された角度値及び/又は直線性を計算及び記憶するための手段を備える測定デバイスに関する。
【0036】
本発明はまた、力、トルク、加速度、制動、位相シフト、全体速度、移動方向、回転数、慣性、不均衡、振動、ノイズ、高調波成分、温度、圧力、電流、電圧を含む複合システムへの前述の位置センサの適用又は追加の値の測定に関する。
【0037】
1つの非限定的な例示的実施形態の詳細な説明
本発明は、添付の図面によって示される非限定的な例示的な実施形態に関する以下の説明を読むことによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明による角度位置センサの概略図を示す。
図2】本発明による例示的な磁化プロファイルを示す。
図3】測定プローブによって測定された磁場成分の変化の曲線を示す。
図4】測定プローブによって測定された磁場成分の変化の曲線並びに包絡線信号の平均を示す。
図5】周期pの4分の1だけ位相シフトされたP個の増分を含む細かい信号成分の変化の曲線を示す。
図6】信号Brad及び信号Btanの変化の曲線及び偏倚運動における角度値(atan)の「粗い」判定のためのこれらの信号の例示的な組み合わせを示す。
図7】成分Bz及びBtanから導出されたP個の増分における信号の変化の曲線及び偏倚運動における角度値(atan)の「細かい」判定のためのこれらの信号の例示的な組み合わせを示す。
図8】本発明による磁化プロファイルの第2の例、及び赤色の線によって示される位置測定の説明を示す。
図9】N’=2、P’=32及びT’=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第3の例を示す。
図10】N’’=2、P’’=82及びT’’=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第4の例を示す。
図11】N=8、P=32及びT=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第5の例を示す。
図12】曲線変位に適合された検出原理を示す。
図13】直線変位に適合された検出原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明による例示的な角度センサの機械的構造
図1は、本発明による回転センサ構造を示す。ディスク形状の永久磁石(1)によって生成された磁束は、2つの直交軸に沿って磁気誘導の2つの成分を測定する、半径方向又は軸方向に位置する1つ又は2つの検出素子(2、3)によって、必要であれば、検出素子(2、3)、典型的にはホールプローブ、が配置されるエアギャップを画定する磁束コレクタを介して、その周囲で収集される。先行技術では、磁化はいくつかの場合には直径方向に可変であり、他の場合には半径方向及び/又は軸方向に可変である。
【0040】
各永久磁石は、磁化ベクトルによって方向が定義される磁化を有することが既知である。この磁化ベクトルは、磁石内部の磁場の方向を定義する。この方向は、磁石がその製造中に分極される方法に依存する。例えば、十分に均一な一方向磁場内に配置された「リング」形状の非分極磁石は、この磁場の方向に沿って配向された磁化方向を有する。磁場が磁石の回転軸に垂直な方向において配向されている場合(これは直径磁化と称される)、及びこの磁石がその軸を中心に回転して動く場合、磁石内部の空間の固定点で見られる磁化の方向は、したがって直線関数に従って連続的に可変である。本発明は、永久磁石の磁化方向が多(準)周期的に変化するセンサファミリに関する。これは、磁石が所定の距離(場成分のうちの1つに従う信号の周期)だけ移動したときに磁化方向が同じ値をとる場合である。
【0041】
本発明の一般原理
本発明によるセンサは、図2の非限定的な例に従って示されるように、単一の環状、ディスク状、管状又は環状の磁石に関して、及び単一の測定点で測定された、測定エアギャップと磁石との相対軌道の関数として、磁化の振幅(又は軸若しくは基準点に対する磁化の配向)の多周期的な変化をもたらす複雑な磁化プロファイルによって区別される。この例では、Bx=Brad(曲線10)、By=Btan(曲線11)、Bz(曲線12)であり、このプロファイルでは、様々な測定軸に沿った信号の増分の数N=2、P=216及びT=4である(Nはキャリア信号上で定義された増分の数であり、P及びTは搬送される信号上で定義された増分の数である)。
【0042】
磁化レベルは、実質的に同じ点に位置する1つ以上の磁気感応素子によって、例えば、Triaxisタイプ(商標名)のホールプローブによって単一点で測定され、高精度(完全な回転で実行される検出に対して<0.5°)で角度(又は直線)位置の計算を可能にし、これはあまりかさばらず、組み立てが容易である。
【0043】
磁化プロファイルは、p個の測定増分を含む周期pの(搬送)パターン、及びN個の増分を有する周期pn(実数n>0、一定又は可変)の(キャリア)パターンの一例に従って存在する。この二重パターンは、粗い検出(粗い出力)及び絶対位置のより細かい検出(細かい出力)を組み合わせることを可能にする。測定増分は、例えば、磁極の測定によって構成される。したがって、逆極性の2つの極は、周期の所与の周期を構成することが可能である。
【0044】
図2は、上述した2つのパターンを示し、2つのタイプの位置計算を可能にする:
-回転上の位置の読み取りを可能にする「粗い」出力、この出力信号は、測定間隔(例えば、1機械的回転)にわたって分布する所定の数のN個の増分測定で構成され、この精密な場合では、成分[Brad、Btan]又は[Bz、Btan]は、これらの成分の比率の逆正接の計算を通じて角度値の計算に使用することができる。
-「粗い」信号によって搬送される「細かい」出力、これにより、角度位置の測定を局所的に精密化することが可能になり、この出力信号は、測定間隔にわたる所定数のP個の測定増分を含み、この精密なケースでは、成分[Bz、Btan]は角度値の計算に使用することができる。
-また、非典型的な流れ(13)を引き起こす1つ(以上)の磁気異常は、「回転数を数える」指標として機能し、第1の偏倚運動を超えて実行された回転数又はイベントの数を数えることを可能にする。この出力信号は、測定間隔にわたる所定の数のT個の測定増分を含む。
【0045】
図2に示される例では、提案された磁化プロファイルについて、N=2、P=216、及びT=4が注目される。
【0046】
各信号を処理することによって、かつこれらの信号を組み合わせることによって、角度位置の絶対指示値が、センサの1回以上の機械的回転で実行される検出のために得られる。
【0047】
他の磁化パターン、及び又は場値の他の収集点に対して、場成分Brad(20)、Btan(21)、及びB(22)の他の組み合わせが、この絶対角度位置を計算するために有利であり得る。
【0048】
位置を計算する原理は、より単純な場プロファイル、例えばN=2、P=8、及びT=0(図3)を有する例の説明を通してより容易に理解されるであろう。
【0049】
成分Bz(22)は、N個の増分を有する搬送する成分(23)(包絡線信号の平均-図4の曲線(24)Poly(Bz)を参照)と、包絡線信号の平均から信号Bz(22)を減算することによって得られるP個の増分を有する搬送信号(図4には図示せず)とに容易に分解することができ、曲線(20)は信号Brad(20)の変化に対応し、曲線(21)は信号Btanの変化に対応し、曲線(22)は信号Bの変化に対応する。
【0050】
同様に、Btan成分(21)は、成分B(22)について計算された等価信号に対して4分の1周期npだけ位相シフトされたn個の増分位相における包絡線を提供する。それはまた、4分の1周期pだけ位相シフトされたp個の増分を含む細かい信号を提供する(図5)。
【0051】
Bz包絡線の平均(env(Bz)と表示される及びBtanの平均(env(Btan)と表示されるは、例えば、角度Theta(N)(Nは増分の数を指す)を計算することによって、「粗い」出力信号を計算するために組み合わされ得る:
Theta(N)=Atan(env(Bz)/(env(Btan)Gain))
【0052】
同様に、信号Bradは、角度Theta(N)(Nは増分の数を指す)を判定するように、信号env(Btan)と直接組み合わされ得る。
Theta(N)=Atan(Brad/(env(Btan)Gain))図6においてatanで表示される)。
【0053】
「gain」パラメータの値は、強度の比を1に近い値にし、理想的な信号(図6においてBFL、best fit line(最良適合線)と表示される)に対して計算された信号の歪みを制限するように計算される。
【0054】
信号の歪み及びインデックス付け偏差を考慮すると、この信号の直線性は、出力信号上の著しい非直線性とともに、回転における角度位置を判定するのに完全に十分である。
【0055】
この角度位置測定を精密化するために、同様に、図7に示すように、信号を、成分Bz及びBtanから生じるP個の増分と組み合わせることが可能である。
【0056】
N=4の場合、精密な直線信号は、全機械的偏倚運動の1/4(例えば、360°の1回転)で定義される。
【0057】
2つの出力信号を組み合わせることによって、以下を識別することができる:
〇「粗い」出力:測定された増分Pの角度セクタ
〇「細かい」出力を有する:増分Pのこのセクタにおいて、精密な角度値。
【0058】
図8に示される例(点線によって示される値での測定)では、「粗い」出力は130°程度の測定値を示し(したがって、測定点はBzに従って第1の増分N及び第3の増分Pに位置する)、「細かい」出力は、増分P=3で=320度電気角を示し、それは、増分P3で320/P=40度機械角、「細かい」出力で得られるNLの精度に対して、それは、45°(第1の増分P)+45°(第2の増分P)+40°(第3の増分Pで読み取り)=合計130°であり、通常、増分Pにわたる+/-3度電気角は、本明細書では、+/-3°/P=+/-0.375°機械角である。
〇したがって、読み取られた値は、絶対的に130°+/-0.375°になる。
【0059】
回転計数インデックス(T=1又はT=2、図示せず)を追加すると、(例えば)Bzで検出されたフローピークの数が特定の基準しきい値を超えていることを簡単に検出することで、カウンタを増分することができる。したがって、最後の回転における角度値及び作り出された完全な回転の数が判定可能である。
【0060】
当業者は、増分Pの数が重要であるので、センサの角度精度がますます重要であることを直ちに理解するであろう。
【0061】
増分Nにわたる処理から得られる同じ位置精度に対して、比率センサの精度を増加させたい:
〇+/-0.09°機械角に到達するためにP’/P=4(図9
〇+/-0.036°機械角に到達するためにP’’/P=10.25(図10)。
【0062】
このセンサの実践的な実装のために、制限なく、以下を考慮することができる:
〇移動する磁石に対して固定されたプローブ、
〇固定された磁石に対して移動可能なプローブ、
〇又は2つの先行項目の混合物
【0063】
本発明による例示的な直線又は曲線変位センサの機械的構造
図12及び図13は、それぞれ曲線又は直線の変位センサの代替的な実施形態を示す。磁石(1)は、少なくとも2つの異なる準周期的寄与の組み合わせに対応する場成分によって配向が変化する磁化を有する、平坦又は湾曲した形状(円筒形ハブの一部に巻かれている)を有する。少なくとも2つの方向における磁場の検出素子(11)(又は磁気感応素子)は、直線変位の値を計算することを可能にする。
【0064】
本発明の検出原理は、直線又は曲線変位の測定に容易に転用される。この目的のために、原理を適切に理解するためには、リング又は磁化されたディスク(1)を心の中で開いて巻き戻す(図12)ことで十分である:磁化プロファイルは、得られた磁気トラックの直線運動に従って連続的に変化する(図13)。
【0065】
位置の検出及び計算のモードは、変わらないままである。直線変位の値は、この変位を実行された磁場の角度変化にインデックス付けすることによって得られる:例えば、20mmの経路上で実行された磁場の360°回転は、我々のキャリア信号を構成する。
【0066】
より精密な周期パターン(例えば、合計20mmにわたって繰り返される5mm経路にわたる場の360°回転)の重ね合わせは、我々の搬送された信号が、先で説明されるように、この直線変位のより精密な検出を得ることを可能にするとみなされる。これらの360°+/-3°電気角の精度を一般的に考慮すると、直線変位において+/-0.041mmの精度が得られる。
【0067】
最後に、1つ以上の点磁気異常(我々の第2の搬送信号を構成する)を追加することにより、直線変位上の1つ以上の特定の位置を検出することが可能になる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触位置センサであって、磁場を生成する永久磁石(1)と、少なくとも2方向における前記磁場又は磁気感応素子の少なくとも1つの検出素子(3、11)と、を備え、前記永久磁石(1)が、移動方向において移動することが可能であり、かつ前記移動方向に沿って連続的に可変の磁化を有し、前記磁化の変化が、異なる場成分に従って、少なくとも2つの異なる準周期的寄与の組み合わせに対応する形状を有し、前記非接触位置センサが、前記場成分の値を組み合わせるため、及び前記磁化が周期p*n(n実数>0、一定又は偏倚運動において可変)のキャリア周波数で変化することを特徴とし、正確な位置の値を判定するためのコンピュータを更に備え、前記コンピュータの測定が、粗い位置を判定し、処理により位置の細かい測定が提供される信号を提供するために、下位周期pによって搬送される少なくとも1つの二次信号を判定する、非接触位置センサ。
【請求項2】
ャリア及び搬送信号が、互いにインデックス付けされて、実施される前記偏倚運動に比例する位相シフトを作成することを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項3】
前記キャリア及び搬送信号が、非周期的であることを特徴とする、請求項2に記載の非接触位置センサ。
【請求項4】
前記磁化が、機械的な完全な回転又は偏倚運動中の所定の位置を検出するために少なくとも1つの磁気異常を有することを特徴とする、請求項2に記載の非接触位置センサ。
【請求項5】
前記永久磁石が、少なくとも1つの多極永久磁石、又は多極磁石アセンブリからなることを特徴とする、請求項2に記載の非接触位置センサ。
【請求項6】
前記永久磁石が、電動機、発電機、アクチュエータ、減速機、カプラのロータの全部又は一部であることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項7】
前記永久磁石が、電流ループのセットからなることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項8】
前記磁気感応素子が、少なくとも2つの磁場成分を測定する少なくとも1つのホールプローブ、又は前記磁気感応素子の準定点アセンブリからなることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項9】
前記磁気感応素子が、磁気抵抗プローブからなることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項10】
前記磁気感応素子が、渦電流プローブであることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項11】
前記磁気感応素子が、複数のプローブを備えることを特徴とする、請求項1に記載の非接触位置センサ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の非接触位置センサを備える測定デバイスであって、前記非接触位置センサの計算された角度値及び/又は直線性を前記計算し、記憶する手段を備える、測定デバイス。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の非接触位置センサを備える測定デバイスであって、前記場成分のうちの1つが故障した場合における、劣化動作モード(前記場成分の組み合わせ)を含む、測定デバイス。
【請求項14】
外部起源の測定外乱を補償することを可能にする動作モード(前記場成分の組み合わせ)を含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項15】
例えば、前記位置を計算する時間を節約するために、前記磁場成分のアナログ検出及びデジタル検出を組み合わせる、請求項12~14のいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項16】
複雑なシステム上の追加の値を測定するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の非接触位置センサ適用する方法であって、力、トルク、加速度、制動、位相シフト、全体速度、移動方向、回転数、慣性、アンバランス、振動、騒音、高調波成分、温度、圧力、電流、電圧を含む、非接触位置センサの適用方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶対角度位置又は絶対直線位置の精密な測定のための非接触磁気及び/又は電磁気位置センサの分野に関する。そのようなセンサは、全ストロークの0.1%程度、又は完全な回転で実行される検出に対して<0.5°程度の高精度で角度位置又は直線変位を検出することを可能にする。
【0002】
先行技術では、固定点に対して軸の周りを角度的に(又は直線的に)可動な、基準点の角度(又は直線)位置の磁気測定のためのデバイスが既知である。このような測定デバイスには通常、そこから、基準点に対する磁気感応素子の角度位置を計算によって推定するため、回転磁気素子(又は磁気抵抗(magneto-resistive、MR)素子)と、磁束又はこの磁束(又は場)の軸方向及び/又は半径方向の成分を測定する感磁(magneto-sensitive、MS)素子と、を備える。
【0003】
「360°ホール効果センサ」タイプ又は「正弦波センサ-余弦センサ」センサの第1のセンサ解決策は、磁場の少なくとも2つの成分を測定する単一のプローブを使用するか、又は偏倚運動中に磁束の比例変化を生成する磁気回路を使用する。このような測定デバイスの正確さは限られており(典型的には≧1°機械角)、特定の用途(例えば、ロボット工学)には不十分であると見なされ得る。
【0004】
少なくとも2つのホール効果プローブを使用する同じタイプのセンサは、特に異なる場成分の構成によって、そのような測定デバイスの精度を改善することを可能にするが、依然として0.5°機械角に近いままであり、依然として特定の用途(例えば、工作機械)には不十分であると見なされ得る。
【0005】
一般的にレゾルバ(例えば、リラクタンスレゾルバ)と呼ばれる、コイル状ステータを有する強磁性タイプのセンサの別のファミリは、ステータ部分にわたって分布するトランスミッタ及びレシーバ磁気コイルのシステムを使用する。これらのレゾルバの正確さは非常に重要であるが、これらのセンサは、かさばり、高価であり、適用時に組み立てるのが複雑であると説明されている。それらは、産業(例えば工作機械)及び自動車部門(パワーステアリング、トランスミッション)において広く使用されているが、いくつかの高範囲用途に限定されたままである。
【0006】
センサの第3のファミリは、いくつかの磁気トラック(各々が所与の磁化プロファイル又は磁束を担持する)を展開し、概してそれらの間でインデックス付けされる。
【0007】
2つのトラック上の磁極対の数が異なり、角度(又は直線)位置を特定するために使用される磁気信号の位相シフトを生成する「ノニウス」又は「バーニア効果」タイプのセンサは、この第3のファミリの一部である。
【0008】
このファミリでは、組み合わされたデジタル信号を作成することができる多極「エンコーダ」タイプのセンサが、相対的又は絶対的な角度位置を判定できるようにすること、又はそうでなければ、「360°ホール効果センサ」及び「エンコーダ」タイプのデジタルセンサを組み合わせたセンサが、完全な1回転にわたる粗いアナログ測定値と多数のデジタル信号とを組み合わせることを可能にし、専用のアルゴリズムを介してこの測定値を局所的に精密化することが可能にし、正確な角度値の計算が可能になることもまた、既知である。
【0009】
これらのセンサ(又はエンコーダ)は、非常に精密(<0.5°)であり、レゾルバよりも小型であるが、少なくとも2つの磁気トラック(又はEMC)、及びトラック毎に少なくとも1つの磁気プローブ(又はEMS)を使用する必要がある。これらのセンサは、単一のEMCのみを備えるセンサよりも、組み立てるのが高価で複雑であると説明されている。それらの使用は、概して、衛星、工作機械、組み立てロボット、医療用ロボットに見られる高精度位置決め技術に限定される。
【背景技術】
【0010】
特許文献1は、永久磁石と、所定の移動距離にわたって前記磁石に対して相対的に移動する少なくとも1つのプローブと、プローブ出力信号間の補正係数Gの比のアークタンジェントの関数として計算された位置情報を供給する計算部(これらの信号は擬似正弦波であり、直交信号である)とを含む絶対位置測定システムをパラメータ化する処理を記載している。この処理は、プローブからの出力信号の擬似正弦波の性質に起因する測定システムの誤差を最小にする係数Gの値を選択することからなる最適化操作を含む。
【0011】
また、特許文献2もまた、既知であり、当該移動方向及び法線方向によって画定される表面内で磁石の移動方向に沿って直線的に変化する磁化の方向を有する少なくとも1つの磁石からなる可動素子、少なくとも4つの磁気感応素子、及び可動素子の絶対位置に応じて信号を配信する少なくとも1つの処理回路を備える角度又は直線磁気位置センサを説明しており、第1のセットの磁気感応素子は、第2のセットの磁気感応素子から空間的にオフセットされた同じ点に位置する一対の磁気感応素子で構成され)、磁石の移動方向において、同じ点に位置する一対の磁気感応素子で構成されている。第1及び第2のセットの磁気感応素子のうちの磁気感応素子は、磁場の接線成分を測定することが可能であり、第1及び第2のセットの磁気感応素子のうちの磁気感応素子は、磁場の法線成分を測定することが可能である。処理回路は少なくとも2つの代数の組み合わせを作り出すことが可能であり、各代数的組み合わせは、実質的に90°位相がずれた2つの正弦波信号を定義するため第1のセットの磁気感応素子の成分、及び磁気感応素子の第2のセットの成分を含む。
【0012】
特許文献3もまた、既知であり、絶対マルチターンセンサを作り出すために2つの360°非接触センサを実装する解決策を説明している。第1の非接触センサは、0~360°の回転部材の回転角を測定するために使用され、第2のセンサは、回転部材の完全な回転の数を判定するために使用される。比nの連続ギア減速のための機械システムは、2つのセンサの間に統合される。減速機の入力軸は、第1のセンサに接続され、第2のセンサのロータは、減速機の出力軸に接続されている。第1のセンサが完全に1回転する毎に、第2のセンサは1/n回転するだけである。第2のセンサは、限られた精度及び分解能で全絶対角度の測定値を得ることを可能にするが、第1のセンサは、第2のセンサの測定値を精密化することを可能にすることによってこの問題を解決し、360°にわたって非常に良好な精度及び解像度を得ることができる。加えて、第1のセンサが故障した場合、第2のセンサは、回転部材の回転における位置を(n倍に低減された分解能で)検出し、第1のセンサの不具合を検出することさえ可能にする。
【0013】
特許文献4は、互いに対して移動可能な少なくとも1つの永久磁石及び少なくとも1つの磁気感応素子を使用する直線又は曲線の回転運動磁気センサの別の解決策を説明しており、磁石が、当該移動方向と法線方向とによって画定される表面にわたって、磁石の移動方向に沿って実質的に直線的に変化する磁化方向を有し、回転センサの場合は直径方向磁化を除くことを特徴としている。
【0014】
特許文献5は、軸(Z)を中心に回転移動可能な点(P)を有するディスク形状の別の解決策を説明する。第1のセンサは、ディスクと一体的な第1の磁気素子と協働して、原点(O)に対する点(P)のおおよその角度位置(θa)を測定する。第2の磁気素子は、ディスクの周囲に円周方向に配設される。第2のセンサは原点(O)に配設され、この第2のセンサの反対側に位置する第2の磁気素子について、原点(O)に対するこの第2の磁気素子の上流端の角度位置を測定する。手段は、近似角度位置(θa)の関数として、どの第2の素子が第2のセンサに対向して位置するかを判定する。手段は、第2の判定された素子及び第2のセンサによって測定された値の関数として、基準点(P)の精密な角度位置(θ)を計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許FR2965347
【特許文献2】仏国特許第2923903号
【特許文献3】仏国特許第2919385号
【特許文献4】仏国特許第2898189号
【特許文献5】欧州特許第2711663号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
先行技術の欠点
最も単純な先行技術の磁気センサでは、高精度の位置決めを必要とする用途に首尾よく使用されるのに十分な角度精度(又は直線精度)を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によって提供される解決手段
本発明の目的は、角度位置又は直線位置の磁気測定のための簡単で安価なデバイスを提供することによって、この主要な欠点を改善することである。最も一般的に受け入れられていることによれば、本発明は、磁場を生成する永久磁石(又は磁気符号化素子)と、少なくとも2つの方向における磁場の少なくとも1つの検出素子(又は磁気感応素子)と、を備え、永久磁石が移動方向において移動することが可能であり、移動方向に沿って連続的に可変の磁化を有し、様々な場成分に従って磁化の当該変化が、少なくとも2つの(準)周期的な寄与の組み合わせに対応する形状を表し、センサが、これらの場成分の値を組み合わせるため、及び精密な位置値を判定するためのコンピュータを更に備えることを特徴とする、非接触位置センサに関する。
【0018】
「準周期的」という用語は、ある周期から別の周期へのわずかな変動を有するが、パターンの各々に対して一定の間隔を有するパターンを伴う、周期的組み合わせの一般化を指す。
【0019】
検出素子は、任意選択的に、磁束集中器内に配置され得る。
【0020】
当該磁化は、有利に、異なる周期p及びn*p(実数n>0、変位にわたって一定又は可変)に従う少なくとも2つの周期的寄与の組み合わせに対応する形状に従う異なる場成分に従って変化し、第2のパターンは第1のパターンを搬送する信号であり、この二重パターンは、磁場の成分のうちの少なくとも2つの測定を介して実行される偏倚運動における位置の粗い測定と細かい測定とを組み合わせることを可能にする。
【0021】
有利に、キャリア及び搬送信号は、実施された偏倚運動に比例する位相シフトを作成するために互いにインデックス付けされる。
【0022】
特定の実施形態によれば、当該キャリア及び搬送信号は、非周期的である。
【0023】
好ましくは、磁化は、機械的な完全な回転又は偏倚運動内の所与の位置を検出するための少なくとも1つの磁気異常を有する。
【0024】
一変形形態によれば、当該磁化変化は、3つの周期的変化の組み合わせに対応する形状を有し、周期m*p(実数m>0、変位にわたって一定又は可変)の第3のパターンは、例えば、機械的な完全な回転の数又は偏倚運動における1つ以上の所与の位置の検出を実行することを可能にする。
【0025】
一変形形態によれば、当該永久磁石(又は磁気保持素子)は、少なくとも1つの多極永久磁石又は多極磁石アセンブリからなる。
【0026】
一変形形態によれば、当該永久磁石は、電気モータ、発電機、アクチュエータ、減速機、カプラのロータの全部又は一部である。
【0027】
有利に、当該永久磁石は、1セットの電流ループからなる。
【0028】
一変形形態によれば、当該磁化変化は、多数の周期的又は準周期的変動の組み合わせに対応する形状を有し、偏倚運動内の位置の正確な検出を実施し、作り出された偏倚運動の数を知り、測定の精度及び外部外乱(例えば、寄生磁場)に対するその回復力を強化することを可能にする。
【0029】
有利に、当該磁気感応素子は、少なくとも2つの磁場成分方向を測定する少なくとも1つのホールプローブ、又は磁気感応素子の準点アセンブリからなる。
【0030】
一代替形態によれば、当該磁気感応素子は、磁気抵抗プローブによって構成される。
【0031】
別の代替形態によれば、当該磁気感応素子は、渦電流プローブである。
【0032】
別の代替形態によれば、当該磁気感応素子は、複数のプローブを備える。
【0033】
特定の実施形態によれば、センサは、センサの計算された角度値及び/又は直線性を計算及び記憶するための手段を更に備える。
【0034】
特定の実施形態によれば、本発明による測定デバイスは、例えば、計算時間を節約するために、磁場成分のアナログ検出とデジタル検出とを組み合わせる。
【0035】
任意選択的に、デバイスは、場の成分のうちの1つが故障した場合の劣化動作モード(場成分の組み合わせ)、又は外部起源の測定外乱を補償することを可能にする動作モード(場成分の組み合わせ)を有する。
【0036】
本発明はまた、センサの計算された角度値及び/又は直線性を計算及び記憶するための手段を備える測定デバイスに関する。
【0037】
本発明はまた、力、トルク、加速度、制動、位相シフト、全体速度、移動方向、回転数、慣性、不均衡、振動、ノイズ、高調波成分、温度、圧力、電流、電圧を含む複合システムへの前述の位置センサの適用又は追加の値の測定に関する。
【0038】
1つの非限定的な例示的実施形態の詳細な説明
本発明は、添付の図面によって示される非限定的な例示的な実施形態に関する以下の説明を読むことによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による角度位置センサの概略図を示す。
図2】本発明による例示的な磁化プロファイルを示す。
図3】測定プローブによって測定された磁場成分の変化の曲線を示す。
図4】測定プローブによって測定された磁場成分の変化の曲線並びに包絡線信号の平均を示す。
図5】周期pの4分の1だけ位相シフトされたP個の増分を含む細かい信号成分の変化の曲線を示す。
図6】信号Brad及び信号Btanの変化の曲線及び偏倚運動における角度値(atan)の「粗い」判定のためのこれらの信号の例示的な組み合わせを示す。
図7】成分Bz及びBtanから導出されたP個の増分における信号の変化の曲線及び偏倚運動における角度値(atan)の「細かい」判定のためのこれらの信号の例示的な組み合わせを示す。
図8】本発明による磁化プロファイルの第2の例、及び赤色の線によって示される位置測定の説明を示す。
図9】N’=2、P’=32及びT’=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第3の例を示す。
図10】N’’=2、P’’=82及びT’’=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第4の例を示す。
図11】N=8、P=32及びT=0であるように調整された本発明による磁化プロファイルの第5の例を示す。
図12】曲線変位に適合された検出原理を示す。
図13】直線変位に適合された検出原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明による例示的な角度センサの機械的構造
図1は、本発明による回転センサ構造を示す。ディスク形状の永久磁石(1)によって生成された磁束は、2つの直交軸に沿って磁気誘導の2つの成分を測定する、半径方向又は軸方向に位置する1つ又は2つの検出素子(2、3)によって、必要であれば、検出素子(2、3)、典型的にはホールプローブ、が配置されるエアギャップを画定する磁束コレクタを介して、その周囲で収集される。先行技術では、磁化はいくつかの場合には直径方向に可変であり、他の場合には半径方向及び/又は軸方向に可変である。
【0041】
各永久磁石は、磁化ベクトルによって方向が定義される磁化を有することが既知である。この磁化ベクトルは、磁石内部の磁場の方向を定義する。この方向は、磁石がその製造中に分極される方法に依存する。例えば、十分に均一な一方向磁場内に配置された「リング」形状の非分極磁石は、この磁場の方向に沿って配向された磁化方向を有する。磁場が磁石の回転軸に垂直な方向において配向されている場合(これは直径磁化と称される)、及びこの磁石がその軸を中心に回転して動く場合、磁石内部の空間の固定点で見られる磁化の方向は、したがって直線関数に従って連続的に可変である。本発明は、永久磁石の磁化方向が多(準)周期的に変化するセンサファミリに関する。これは、磁石が所定の距離(場成分のうちの1つに従う信号の周期)だけ移動したときに磁化方向が同じ値をとる場合である。
【0042】
本発明の一般原理
本発明によるセンサは、図2の非限定的な例に従って示されるように、単一の環状、ディスク状、管状又は環状の磁石に関して、及び単一の測定点で測定された、測定エアギャップと磁石との相対軌道の関数として、磁化の振幅(又は軸若しくは基準点に対する磁化の配向)の多周期的な変化をもたらす複雑な磁化プロファイルによって区別される。この例では、Bx=Brad(曲線10)、By=Btan(曲線11)、Bz(曲線12)であり、このプロファイルでは、様々な測定軸に沿った信号の増分の数N=2、P=216及びT=4である(Nはキャリア信号上で定義された増分の数であり、P及びTは搬送される信号上で定義された増分の数である)。
【0043】
磁化レベルは、実質的に同じ点に位置する1つ以上の磁気感応素子によって、例えば、Triaxisタイプ(商標名)のホールプローブによって単一点で測定され、高精度(完全な回転で実行される検出に対して<0.5°)で角度(又は直線)位置の計算を可能にし、これはあまりかさばらず、組み立てが容易である。
【0044】
磁化プロファイルは、p個の測定増分を含む周期pの(搬送)パターン、及びN個の増分を有する周期p*n(実数n>0、一定又は可変)の(キャリア)パターンの一例に従って存在する。この二重パターンは、粗い検出(粗い出力)及び絶対位置のより細かい検出(細かい出力)を組み合わせることを可能にする。測定増分は、例えば、磁極の測定によって構成される。したがって、逆極性の2つの極は、周期の所与の周期を構成することが可能である。
【0045】
図2は、上述した2つのパターンを示し、2つのタイプの位置計算を可能にする:
-回転上の位置の読み取りを可能にする「粗い」出力、この出力信号は、測定間隔(例えば、1機械的回転)にわたって分布する所定の数のN個の増分測定で構成され、この精密な場合では、成分[Brad、Btan]又は[Bz、Btan]は、これらの成分の比率の逆正接の計算を通じて角度値の計算に使用することができる。
-「粗い」信号によって搬送される「細かい」出力、これにより、角度位置の測定を局所的に精密化することが可能になり、この出力信号は、測定間隔にわたる所定数のP個の測定増分を含み、この精密なケースでは、成分[Bz、Btan]は角度値の計算に使用することができる。
-また、非典型的な流れ(13)を引き起こす1つ(以上)の磁気異常は、「回転数を数える」指標として機能し、第1の偏倚運動を超えて実行された回転数又はイベントの数を数えることを可能にする。この出力信号は、測定間隔にわたる所定の数のT個の測定増分を含む。
【0046】
図2に示される例では、提案された磁化プロファイルについて、N=2、P=216、及びT=4が注目される。
【0047】
各信号を処理することによって、かつこれらの信号を組み合わせることによって、角度位置の絶対指示値が、センサの1回以上の機械的回転で実行される検出のために得られる。
【0048】
他の磁化パターン、及び又は場値の他の収集点に対して、場成分場成分Brad tan 及びB z 他の組み合わせが、この絶対角度位置を計算するために有利であり得る。
【0049】
位置を計算する原理は、より単純な場プロファイル、例えばN=2、P=8、及びT=0(図3)を有する例の説明を通してより容易に理解されるであろう。
【0050】
成分Bzは、N個の増分を有する搬送する成分(23)(包絡線信号の平均-図4の曲線(24)Poly(Bz)を参照)と、包絡線信号の平均から信号Bzを減算することによって得られるP個の増分を有する搬送信号(図4には図示せず)とに容易に分解することができ、曲線(20)は信号Brad 変化に対応し、曲線(21)は信号Btanの変化に対応し、曲線(22)は信号Bzの変化に対応する。
【0051】
同様に、Btan成分は、成分B z ついて計算された等価信号に対して4分の1周期n*pだけ位相シフトされたn個の増分位相における包絡線を提供する。それはまた、4分の1周期pだけ位相シフトされたp個の増分を含む細かい信号を提供する(図5)。
【0052】
Bz包絡線の平均(env(Bz)と表示される及びBtanの平均(env(Btan)と表示されるは、例えば、角度Theta(N)(Nは増分の数を指す)を計算することによって、「粗い」出力信号を計算するために組み合わされ得る:
Theta(N)=Atan(env(Bz)/(env(Btan)*Gain))
【0053】
同様に、信号Bradは、角度Theta(N)(Nは増分の数を指す)を判定するように、信号env(Btan)と直接組み合わされ得る。
Theta(N)=Atan(Brad/(env(Btan)*Gain))図6においてatanで表示される)。
【0054】
「gain」パラメータの値は、強度の比を1に近い値にし、理想的な信号(図6においてBFL、best fit line(最良適合線)と表示される)に対して計算された信号の歪みを制限するように計算される。
【0055】
信号の歪み及びインデックス付け偏差を考慮すると、この信号の直線性は、出力信号上の著しい非直線性とともに、回転における角度位置を判定するのに完全に十分である。
【0056】
この角度位置測定を精密化するために、同様に、図7に示すように、信号を、成分Bz及びBtanから生じるP個の増分と組み合わせることが可能である。
【0057】
N=4の場合、精密な直線信号は、全機械的偏倚運動の1/4(例えば、360°の1回転)で定義される。
【0058】
2つの出力信号を組み合わせることによって、以下を識別することができる:
〇「粗い」出力:測定された増分Pの角度セクタ
〇「細かい」出力を有する:増分Pのこのセクタにおいて、精密な角度値。
【0059】
図8に示される例(点線によって示される値での測定)では、「粗い」出力は130°程度の測定値を示し(したがって、測定点はBzに従って第1の増分N及び第3の増分Pに位置する)、「細かい」出力は、増分P=3で=320度電気角を示し、それは、増分P3で320/P=40度機械角、「細かい」出力で得られるNLの精度に対して、それは、45°(第1の増分P)+45°(第2の増分P)+40°(第3の増分Pで読み取り)=合計130°であり、通常、増分Pにわたる+/-3度電気角は、本明細書では、+/-3°/P=+/-0.375°機械角である。
〇したがって、読み取られた値は、絶対的に130°+/-0.375°になる。
【0060】
回転計数インデックス(T=1又はT=2、図示せず)を追加すると、(例えば)Bzで検出されたフローピークの数が特定の基準しきい値を超えていることを簡単に検出することで、カウンタを増分することができる。したがって、最後の回転における角度値及び作り出された完全な回転の数が判定可能である。
【0061】
当業者は、増分Pの数が重要であるので、センサの角度精度がますます重要であることを直ちに理解するであろう。
【0062】
増分Nにわたる処理から得られる同じ位置精度に対して、比率センサの精度を増加させたい:
〇+/-0.09°機械角に到達するためにP’/P=4(図9
〇+/-0.036°機械角に到達するためにP’’/P=10.25(図10)。
【0063】
このセンサの実践的な実装のために、制限なく、以下を考慮することができる:
〇移動する磁石に対して固定されたプローブ、
〇固定された磁石に対して移動可能なプローブ、
〇又は2つの先行項目の混合物
【0064】
本発明による例示的な直線又は曲線変位センサの機械的構造
図12及び図13は、それぞれ曲線又は直線の変位センサの代替的な実施形態を示す。
永久磁石(1)は、少なくとも2つの異なる準周期的寄与の組み合わせに対応する場成分によって配向が変化する磁化を有する、平坦又は湾曲した形状(円筒形ハブの一部に巻かれている)を有する。少なくとも2つの方向における磁場の検出素子(11)(又は磁気感応素子)は、直線変位の値を計算することを可能にする。
【0065】
本発明の検出原理は、直線又は曲線変位の測定に容易に転用される。この目的のために、原理を適切に理解するためには、リング又は磁化されたディスク(1)を心の中で開いて巻き戻す(図12)ことで十分である:磁化プロファイルは、得られた磁気トラックの直線運動に従って連続的に変化する(図13)。
【0066】
位置の検出及び計算のモードは、変わらないままである。直線変位の値は、この変位を実行された磁場の角度変化にインデックス付けすることによって得られる:例えば、20mmの経路上で実行された磁場の360°回転は、我々のキャリア信号を構成する。
【0067】
より精密な周期パターン(例えば、合計20mmにわたって繰り返される5mm経路にわたる場の360°回転)の重ね合わせは、我々の搬送された信号が、先で説明されるように、この直線変位のより精密な検出を得ることを可能にするとみなされる。これらの360°+/-3°電気角の精度を一般的に考慮すると、直線変位において+/-0.041mmの精度が得られる。
【0068】
最後に、1つ以上の点磁気異常(我々の第2の搬送信号を構成する)を追加することにより、直線変位上の1つ以上の特定の位置を検出することが可能になる。
【国際調査報告】