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特表2024-502677電池、電力消費装置、電池の製造方法と装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】電池、電力消費装置、電池の製造方法と装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240115BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240115BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240115BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240115BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/342 101
H01M50/289 101
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543037
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2021134381
(87)【国際公開番号】W WO2023097440
(87)【国際公開日】2023-06-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】胡 浪超
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲海▼奇
(72)【発明者】
【氏名】徐 晨怡
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 孝智
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012AA03
5H012AA07
5H012BB02
5H012CC01
5H012DD01
5H012DD05
5H012GG01
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC17
5H040GG27
5H040JJ03
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本出願は、電池の安全性を補強することができる電池、電力消費装置、電池の製造方法と装置を提供する。電池は、電池セル(20)であって、その第一の壁(201)には、放圧機構(213)が設置される電池セル(20)と、消防媒体を収容し、放圧機構(213)が作動している時に消防媒体を排出するための消防ダクト(30)と、第一の壁(201)と消防ダクト(30)との間に設置される固定具(40)とを含み、ここで、消防ダクト(30)は、第一の規制部(310)を含み、固定具(40)は、第二の規制部(410)を含み、二つの規制部は、互いに嵌合して、第一の方向(x)と第二の方向(y)において消防ダクト(30)を規制するために用いられ、第一の方向(x)は、第一の壁(201)に垂直であり、第二の方向(y)は、第一の壁(201)に平行であり、且つ消防ダクト(30)の延在方向に垂直である。この方案によって、消防ダクトが比較的に安定的に電池に設置されて、電池の安全性能を補強することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
第一の壁(201)を含む電池セル(20)であって、前記第一の壁(201)には、前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構(213)が設置される電池セル(20)と、
消防媒体を収容し、前記放圧機構(213)が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクト(30)と、
前記第一の壁(201)と前記消防ダクト(30)との間に設置され、前記消防ダクト(30)を固定するための固定具(40)とを含み、
ここで、前記消防ダクト(30)は、第一の規制部(310)を含み、前記固定具(40)は、第二の規制部(410)を含み、前記第一の規制部(310)と前記第二の規制部(410)は、互いに嵌合して、第一の方向(x)と第二の方向(y)において前記消防ダクト(30)を規制し、前記第一の方向(x)は、前記第一の壁(201)に垂直であり、前記第二の方向(y)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に垂直である、ことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記第一の規制部(310)は、単一の係止爪構造であり、前記単一の係止爪構造は、接続部(311)と、第一の係止爪部(312)とを含み、前記接続部(311)は、前記消防ダクト(30)の管壁により前記第二の方向(y)に沿って延びて形成され、前記第一の係止爪部(312)は、前記接続部(311)に接続され、前記電池セル(20)に向かって延び、前記第一の係止爪部(312)は、前記第二の規制部(410)に係止される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項3】
前記第二の規制部(410)は、係止溝構造であり、前記係止溝構造は、前記第二の方向(y)に沿って並ぶ第一の係止溝壁(411)と第二の係止溝壁(412)とを含み、前記第一の係止溝壁(411)と前記第二の係止溝壁(412)は、前記第一の係止爪部(312)を挟持して、前記第一の方向(x)と前記第二の方向(y)において前記消防ダクト(30)を規制するために用いられる、ことを特徴とする請求項2に記載の電池(10)。
【請求項4】
前記第一の係止溝壁(411)及び/又は前記第二の係止溝壁(412)の、前記電池セル(20)から離れる端には、第一の突起(4101)が設置され、前記第一の係止爪部(312)の、前記電池セル(20)に近い端には、第二の突起(3121)が設置され、前記第一の突起(4101)と前記第二の突起(3121)は、互いに嵌合して、前記第一の方向(x)において前記消防ダクト(30)を規制する、ことを特徴とする請求項3に記載の電池(10)。
【請求項5】
前記第一の突起(4101)の、前記電池セル(20)から離れる端には、第一の傾斜面(4102)が設置され、前記第二の突起(3121)の、前記電池セル(20)に近い端には、第二の傾斜面(3122)が設置され、前記第一の傾斜面(4102)と前記第二の傾斜面(3122)は、互いに対応し、且つそれぞれ前記第一の壁(201)に垂直な平面に傾斜している、ことを特徴とする請求項4に記載の電池(10)。
【請求項6】
前記係止溝構造は、第三の方向(z)に沿って延び、前記第一の係止爪部(312)は、前記第三の方向(z)に沿って前記係止溝構造をスライドすることができ、ここで、前記第三の方向(z)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に平行である、ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項7】
前記第一の規制部(310)は、二重係止爪構造であり、前記二重係止爪構造は、接続部(311)と、前記第二の方向(y)に沿って並ぶ第一の係止爪部(312)と第二の係止爪部(313)とを含み、前記接続部(311)は、前記消防ダクト(30)の管壁により前記第二の方向(y)に沿って延びて形成され、前記第一の係止爪部(312)と前記第二の係止爪部(313)は、前記接続部(311)に接続され、前記電池セル(20)に向かって延び、
前記第一の係止爪部(312)と前記第二の係止爪部(313)は、前記第二の規制部(410)を挟持して、前記第一の方向(x)と前記第二の方向(y)において前記消防ダクト(30)を規制するために用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池(10)。
【請求項8】
前記第二の規制部(410)は、係止構造であり、前記係止構造は、前記第一の方向(x)に沿って並ぶ第一の係止部(413)と第二の係止部(414)とを含み、前記第一の係止部(413)は、前記固定具(40)により前記電池セル(20)から離れる方向に沿って延びて形成され、前記第二の係止部(414)は、前記第一の係止部(413)の、前記電池セル(20)から離れる端に設置され、前記第二の方向(y)において、前記第二の係止部(414)のサイズは、前記第一の係止部(413)のサイズ以上であり、前記第一の係止爪部(312)及び/又は前記第二の係止爪部(313)は、前記第二の係止部(414)に係止される、ことを特徴とする請求項7に記載の電池(10)。
【請求項9】
前記第一の係止爪部(312)及び/又は前記第二の係止爪部(313)の、前記電池セル(20)に近い端には、第三の突起(3101)が設置され、
前記第二の係止部(414)は、前記第二の方向(y)に沿って前記第一の係止部(413)に対して突出する第四の突起(4141)を含み、前記第四の突起(4141)と前記第三の突起(3101)は、互いに嵌合して、前記第一の方向(x)において前記消防ダクト(30)を規制する、ことを特徴とする請求項8に記載の電池(10)。
【請求項10】
前記第三の突起(3101)の、前記電池セル(20)に近い端には、第三の傾斜面(3102)が設置され、前記第四の突起(4141)の、前記電池セル(20)から離れる端には、第四の傾斜面(4142)が設置され、前記第三の傾斜面(3102)と前記第四の傾斜面(4142)は、互いに対応し、且つそれぞれ前記第一の壁(201)に垂直な平面に傾斜している、ことを特徴とする請求項9に記載の電池(10)。
【請求項11】
前記二重係止爪構造は、第三の方向(z)に沿って延び、前記第二の規制部(410)は、前記第三の方向(z)に沿って前記二重係止爪構造をスライドすることができ、ここで、前記第三の方向(z)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に平行である、ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項12】
前記第一の規制部(310)は、第三の方向(z)に沿って延び、前記第三の方向(z)において、前記第一の規制部(310)の延在長さは、前記消防ダクト(30)の延在長さと同じであり、ここで、前記第三の方向(z)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に平行である、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項13】
前記消防ダクト(30)は、少なくとも一対の前記第一の規制部(310)を含み、前記第二の方向(y)において、各一対の前記第一の規制部(310)は、それぞれ前記消防ダクト(30)の両側に位置し、
前記固定具(40)は、少なくとも一対の前記第二の規制部(410)を含み、各一対の前記第二の規制部(410)は、各一対の前記第一の規制部(310)に対応して設置される、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項14】
前記消防ダクト(30)は、前記第一の方向(x)に沿って対向して設置される第一の管壁(301)と第二の管壁(302)とを含み、前記第一の管壁(301)は、前記第二の管壁(302)に対して前記電池セル(20)からより離れており、ここで、前記第一の管壁(301)の厚さは、前記第二の管壁(302)の厚さよりも大きく、及び/又は、前記第一の管壁(301)には、補強材(50)が設置される、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の電池(10)。
【請求項15】
前記第二の方向(y)において、前記第一の管壁(301)のサイズは、前記第二の管壁(302)のサイズよりも大きい、ことを特徴とする請求項14に記載の電池(10)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の電池(10)を含み、前記電池(10)は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる、ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項17】
電池の製造方法であって、
第一の壁(201)を含む電池セル(20)を提供する(S301)ことであって、前記第一の壁(201)には、前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構(213)が設置されることと、
消防媒体を収容し、前記放圧機構(213)が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクト(30)を提供する(S302)ことと、
前記第一の壁(201)と前記消防ダクト(30)との間に設置される固定具(40)を提供する(S303)ことと、
前記消防ダクト(30)を前記固定具(40)に固定的に取り付ける(S304)こととを含み、
ここで、前記消防ダクト(30)は、第一の規制部(310)を含み、前記固定具(40)は、第二の規制部(410)を含み、前記第一の規制部(310)と前記第二の規制部(410)は、互いに嵌合して、第一の方向(x)と第二の方向(y)において前記消防ダクト(30)を規制し、前記第一の方向(x)は、前記第一の壁(201)に垂直であり、前記第二の方向(y)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に垂直である、ことを特徴とする電池の製造方法。
【請求項18】
電池の製造装置であって、
提供モジュール(401)であって、
第一の壁(201)を含む電池セル(20)を提供することであって、前記第一の壁(201)には、前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構(213)が設置されること、
消防媒体を収容し、前記放圧機構(213)が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクト(30)を提供すること、
前記第一の壁(201)と前記消防ダクト(30)との間に設置される固定具(40)を提供することに用いられる提供モジュール(401)と、
前記消防ダクト(30)を前記固定具(40)に固定的に取り付けるための取り付けモジュール(402)とを含み、
ここで、前記消防ダクト(30)は、第一の規制部(310)を含み、前記固定具(40)は、第二の規制部(410)を含み、前記第一の規制部(310)と前記第二の規制部(410)は、互いに嵌合して、第一の方向(x)と第二の方向(y)において前記消防ダクト(30)を規制し、前記第一の方向(x)は、前記第一の壁(201)に垂直であり、前記第二の方向(y)は、前記第一の壁(201)に平行であり、且つ前記消防ダクト(30)の延在方向に垂直である、ことを特徴とする電池の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、電池分野に関し、より具体的には、電池、電力消費装置、電池の製造方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと汚染物質の排出削減は、自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような場合に、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。また、電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能の向上以外、安全問題も、無視できない問題の一つである。電池の安全問題が保証できないと、この電池は、使用できない。そのため、どのように電池の安全性を補強するかは、電池技術における早急な解決が待たれる技術問題の一つである。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の安全性を補強できる電池、電力消費装置、電池の製造方法と装置を提供する。
【0005】
第一の態様によれば、電池を提供し、この電池は、第一の壁を含む電池セルであって、この第一の壁には、電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構が設置される電池セルと、消防媒体を収容し、放圧機構が作動している時に消防媒体を排出するための消防ダクトと、第一の壁と消防ダクトとの間に設置され、消防ダクトを固定するための固定具とを含み、ここで、消防ダクトは、第一の規制部を含み、固定具は、第二の規制部を含み、第一の規制部と第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において消防ダクトを規制し、第一の方向は、第一の壁に垂直であり、第二の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に垂直である。
【0006】
本出願の実施例の技術案によって、電池に消防ダクトを設置することで、電池セルの放圧機構が作動している時に消防媒体を排出し、電池セルの排出物ないし電池セルの内部を降温し、電池の安全性能を向上させることができる。その上で、消防ダクトには、第一の規制部が設置され、且つ電池には、固定具がさらに設置され、この固定具には、第二の規制部が設置され、この第一の規制部と第二の規制部が、互いに嵌合し、消防ダクトを複数の方向に規制することで、消防ダクトが比較的に安定的に電池に設置され、比較的に確実な消防及び温度調節効果を果たして、電池の安全性能を補強することができる。
【0007】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の規制部は、単一の係止爪構造であり、単一の係止爪構造は、接続部と、第一の係止爪部とを含み、接続部は、消防ダクトの管壁により第二の方向に沿って延びて形成され、第一の係止爪部は、接続部に接続され、電池セルに向かって延び、第一の係止爪部は、第二の規制部に係止される。
【0008】
この実施の形態の技術案により、消防ダクト上の第一の規制部を単一の係止爪構造として設計し、固定具上の第二の規制部との係止を実現し、第一の規制部と第二の規制部との間の接続の安定性を保証すると同時に、単一の係止爪構造の消防ダクトにおける設置を比較的に容易に実現し、消防ダクトの生産効率を相対的に向上させることができる。
【0009】
いくつかの可能な実施の形態では、第二の規制部は、係止溝構造であり、係止溝構造は、第二の方向に沿って並ぶ第一の係止溝壁と第二の係止溝壁とを含み、第一の係止溝壁と第二の係止溝壁は、第一の係止爪部を挟持して、第一の方向と第二の方向において消防ダクトを規制するために用いられる。
【0010】
この実施の形態の技術案により、固定具上の第二の規制部を第一の係止爪部に嵌合する係止溝構造として設計し、この係止溝構造における第一の係止溝壁と第二の係止溝壁が、第一の係止爪部を挟持することで、第一の規制部と第二の規制部との間の係止強度を向上させることができ、それによって、第一の方向と第二の方向において消防ダクトに対する規制と固定効果を向上させ、消防ダクトの電池における取り付けの安定性を向上させることができる。
【0011】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の係止溝壁及び/又は第二の係止溝壁の、電池セルから離れる端には、第一の突起が設置され、第一の係止爪部の、電池セルに近い端には、第二の突起が設置され、第一の突起と第二の突起は、互いに嵌合して、第一の方向において消防ダクトを規制する。
【0012】
この実施の形態の技術案により、第一の係止溝壁及び/又は第二の係止溝壁と第一の係止爪部は、互いに係止した後に、第一の係止爪部上の第二の突起は、第一の係止溝壁及び/又は第二の係止溝壁上の第一の突起に対して電池セルに向かって設置され、この第一の突起は、第二の突起及びそれが位置する第一の係止爪部が電池セルから離れることを防止することによって、第二の規制部と第一の規制部の第一の方向における係止強度をさらに向上させて、消防ダクトの第一の方向における規制と固定効果を向上させることができる。
【0013】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の突起の、電池セルから離れる端には、第一の傾斜面が設置され、第二の突起の、電池セルに近い端には、第二の傾斜面が設置され、第一の傾斜面と第二の傾斜面は、互いに対応し、且つそれぞれ第一の壁に垂直な平面に傾斜している。
【0014】
この実施の形態の技術案により、第一の係止爪部に第一の突起が設置され、且つ第一の係止溝壁及び/又は第二の係止溝壁には、第一の突起と互いに嵌合する第二の突起が設置される上で、この第一の突起と第二の突起には、それぞれ互いに嵌合する傾斜面が設置されてもよく、第一の係止爪部と第一の係止溝壁及び第二の係止溝壁とが比較的に優れている係止効果を有することができることを保証すると同時に、第一の係止爪部の第一の係止溝壁と第二の係止溝壁との間の取り付け効率をさらに向上させることができる。そのため、この実施の形態の技術案により、消防ダクトの電池における取り付けの安定性を保証すると同時に、消防ダクトの電池における取り付け効率を向上させることができる。
【0015】
いくつかの可能な実施の形態では、係止溝構造は、第三の方向に沿って延び、第一の係止爪部は、第三の方向に沿って係止溝構造をスライドすることができ、ここで、第三の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に平行である。
【0016】
この実施の形態の技術案により、係止溝構造の第二の規制部が第三の方向に沿って延びるため、係止溝構造は、この第三の方向において一定の長さを有する。消防ダクトにおける第一の係止爪部は、第三の方向に沿ってこの係止溝構造をスライドすることができる。電池セルの運行中、その内部の化学反応により、電池セルは、膨張する。電池セルが第三の方向において膨張している場合、その第一の壁に位置する固定具の位置変化を引き起こし、ないしこの固定具上の第二の規制部の位置変化を引き起こす。消防ダクトにおける第一の係止爪部が第三の方向に沿って係止溝構造の第二の規制部をスライドすることができるため、電池セルの膨張が第二の規制部の位置の変化を引き起こしても、消防ダクトに対する影響が、比較的に小さく、又は影響がないため、電池セルが膨張しても、消防ダクトの電池における取り付けの安定性は、依然として比較的に高い。
【0017】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の規制部は、二重係止爪構造であり、二重係止爪構造は、接続部と、第二の方向に沿って並ぶ第一の係止爪部と第二の係止爪部とを含み、接続部は、消防ダクトの管壁により第二の方向に沿って延びて形成され、第一の係止爪部と第二の係止爪部は、接続部に接続され、電池セルに向かって延び、第一の係止爪部と第二の係止爪部は、第二の規制部を挟持して、第一の方向と第二の方向において消防ダクトを規制するために用いられる。
【0018】
この実施の形態の技術案により、消防ダクトに二重係止爪構造の第一の規制部を設置し、この二重係止爪構造は、固定具上の第二の規制部を挟持して、消防ダクトの電池における取り付けを実現するために用いられる。具体的には、二重係止爪構造が第二の規制部に挟持された後に、二重係止爪構造は、第二の方向における二つの反対する子方向においていずれも第二の規制部に対して良好な規制と固定効果を実現することで、消防ダクトが第二の方向において比較的に高い安定性を有することができる。また、二重係止爪構造が第二の規制部を挟持する場合、二重係止爪構造と第二の規制部との間は、第一の方向上の相互作用力を有して、消防ダクトが第一の方向にも一定の安定性を有することを保証することができる。
【0019】
いくつかの可能な実施の形態では、第二の規制部は、係止構造であり、係止構造は、第一の方向に沿って並ぶ第一の係止部と第二の係止部とを含み、第一の係止部は、固定具により電池セルから離れる方向に沿って延びて形成され、第二の係止部は、第一の係止部の、電池セルから離れる端に設置され、第二の方向において、第二の係止部のサイズは、第一の係止部のサイズ以上であり、第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部は、第二の係止部に係止される。
【0020】
この実施の形態の技術案により、第二の規制部を第一の係止部と第二の係止部とを含む係止構造として設計し、ここで、第二の係止部は、消防ダクトに向かって設置され、且つこの第二の係止部の第二の方向におけるサイズが第一の係止部の第二の方向におけるサイズ以上であるため、このサイズが比較的に大きい第二の係止部を利用することで、この第二の係止部の消防ダクトの二重係止爪構造における係止の実現を容易にし、且つこの第二の係止部の二重係止爪構造における係止強度を向上させることができる。
【0021】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部の、電池セルに近い端には、第三の突起が設置され、第二の係止部は、第二の方向に沿って第一の係止部に対して突出する第四の突起を含み、第四の突起と第三の突起は、互いに嵌合して、第一の方向において消防ダクトを規制する。
【0022】
この実施の形態の技術案により、第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部と第二の係止部が互いに係止された後に、第二の係止部上の第四の突起は、第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部上の第三の突起に対して電池セルから離れて設置され、この第四の突起は、第三の突起及びそれが位置する第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部が電池セルから離れることを防止することによって、第二の規制部と第一の規制部の第一の方向における係止強度をさらに向上させて、消防ダクトの第一の方向における規制と固定効果を向上させることができる。
【0023】
いくつかの可能な実施の形態では、第三の突起の、電池セルに近い端には、第三の傾斜面が設置され、第四の突起の、電池セルから離れる端には、第四の傾斜面が設置され、第三の傾斜面と第四の傾斜面は、互いに対応し、且つそれぞれ第一の壁に垂直な平面に傾斜している。
【0024】
この実施の形態の技術案により、第一の係止爪部及び/又は第二の係止爪部には、第三の突起が設置され、且つ第二の係止部には、第三の突起と互いに嵌合する第四の突起が設置される上で、この第三の突起と第四の突起には、それぞれ互いに嵌合する傾斜面が設置されてもよく、第二の係止部と第一の係止爪部及び第二の係止爪部とが比較的に優れている係止効果を有することができることを保証すると同時に、第二の係止部の、第一の係止爪部と第二の係止爪部との間の取り付け効率をさらに向上させることによって、消防ダクトの電池における取り付けの安定性を保証すると同時に、消防ダクトの電池における取り付け効率を向上させることができる。
【0025】
いくつかの可能な実施の形態では、二重係止爪構造は、第三の方向に沿って延び、第二の規制部は、第三の方向に沿って二重係止爪構造をスライドすることができ、ここで、第三の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に平行である。
【0026】
この実施の形態の技術案により、二重係止爪構造の第一の規制部が第三の方向に沿って延びるため、二重係止爪構造は、この第三の方向において一定の長さを有する。固定具における第二の規制部は、第三の方向に沿ってこの二重係止爪構造をスライドすることができる。電池セルの運行中、その内部の化学反応により、電池セルは、膨張する。電池セルが第三の方向において膨張している場合、その第一の壁に位置する固定具の位置変化を引き起こし、ないしこの固定具上の第二の規制部の位置変化を引き起こす。第二の規制部が、第三の方向に沿って二重係止爪構造をスライドすることができるため、電池セルの膨張が第二の規制部の位置の変化を引き起こしても、消防ダクトに対する影響が、比較的に小さく、又は影響がないため、電池セルが膨張しても、消防ダクトの電池における取り付けの安定性は、依然として比較的に高い。
【0027】
いくつかの可能な実施の形態では、第一の規制部は、第三の方向に沿って延び、第三の方向において、第一の規制部の延在長さは、消防ダクトの延在長さと同じであり、ここで、第三の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に平行である。
【0028】
この実施の形態の技術案により、消防ダクトがその第一の規制部によって位置が異なる複数の固定具に容易に取り付けられることができる。一例として、異なるタイプの電池セルにおいて、電池セルの第三の方向におけるサイズが変化する可能性があるため、異なるタイプの電池セル上の固定具の位置は、それに応じて変化する可能性もある。別の例として、複数の電池セルのうち、一部の電池セルの第一の壁のみに固定具を設置することができ、異なる応用需要に応じて、固定具の複数の電池セルにおける位置は、調整、変化する可能性もある。上記二つの例の場合に、本出願の実施例の技術案によって、依然としてこの消防ダクト上の第一の規制部を利用して固定具と嵌合して取り付けることができる。言い換えれば、消防ダクトの固定的な取り付けは、複数の電池セル上の固定具の位置の変化によって影響を受けることはない。この実施の形態の技術案により、消防ダクトの電池における取り付け効率を向上させることができるだけでなく、消防ダクトがより多くの応用シナリオに適用されることができ、消防ダクトの様々な異なるタイプの電池における普及と使用を有利にすることができる。
【0029】
いくつかの可能な実施の形態では、消防ダクトは、少なくとも一対の第一の規制部を含み、第二の方向において、各一対の第一の規制部は、それぞれ消防ダクトの両側に位置し、固定具は、少なくとも一対の第二の規制部を含み、各一対の第二の規制部は、各一対の第一の規制部に対応して設置される。
【0030】
この実施の形態の技術案により、消防ダクトの第二の方向における両側には、少なくとも一対の第一の規制部が設置され、この少なくとも一対の第一の規制部は、それに対応する少なくとも一対の第二の規制部と互いに嵌合することで、消防ダクトの第二の方向における比較的に確実且つ安定している規制と固定を実現し、それによって、消防ダクトの電池における取り付けの安定性を向上させる。
【0031】
いくつかの可能な実施の形態では、消防ダクトは、第一の方向に沿って対向して設置される第一の管壁と第二の管壁とを含み、第一の管壁は、第二の管壁に対して電池セルからより離れており、ここで、第一の管壁の厚さは、第二の管壁の厚さよりも大きく、及び/又は、第一の管壁には、補強材が設置される。
【0032】
この実施の形態の技術案により、消防ダクトにおいて、電池セルから離れる第一の管壁の厚さは、電池セルに近い第二の管壁の厚さよりも大きく、及び/又は、第一の管壁に補強材が設置されるため、電池セルから離れる第一の管壁は、比較的に高い強度を有することができ、外力による消防ダクトへの衝撃を比較的に大きい程度で受け、消防ダクトの電池における使用の信頼性を向上させることができる。
【0033】
いくつかの可能な実施の形態では、第二の方向において、第一の管壁のサイズは、第二の管壁のサイズよりも大きい。
【0034】
この実施の形態の技術案により、消防ダクトにおいて、第一の管壁と第二の管壁の第二の方向におけるサイズを設計することによって、第一の管壁の強度を第二の管壁よりも強くすることができ、即ち第一の管壁は、比較的に高い強度を有することができ、外力による消防ダクトへの衝撃を比較的に大きい程度で受け、消防ダクトの電池における使用の信頼性を向上させることができる。また、電池セル内部の排出物が放圧機構を介して第一の管壁に衝撃を与える場合、第二の管壁全体が第一の管壁に付着する可能性があり、第一の管壁と第二の管壁のサイズが同じである場合、この互いに付着する第二の管壁と第一の管壁は、流路を塞ぐことによって、消防ダクトにおける消防媒体が対応する放圧機構及び電池セル内部に流入することを妨げ、消防ダクトの消防効果に影響を与える。しかし、本実施の形態の技術案により、第一の管壁の第二の方向におけるサイズは、第二の管壁の第二の方向におけるサイズよりも大きく、第二の管壁が第一の管壁に付着しても、流路を完全に塞ぐことなく、消防媒体が対応する放圧機構及び電池セル内部に流入して、良好な消防作用を果たすことができる。
【0035】
第二の態様によれば、電力消費装置を提供し、この電力消費装置は、第一の態様又は第一の態様のいずれか一つの可能な実施の形態における電池を含み、この電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0036】
第三の態様によれば、電池の製造方法を提供し、この製造方法は、第一の壁を含む電池セルを提供することであって、第一の壁には、電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構が設置されることと、消防媒体を収容し、放圧機構が作動している時に消防媒体を排出するための消防ダクトを提供することと、第一の壁と消防ダクトとの間に設置される固定具を提供することと、消防ダクトを固定具に固定的に取り付けることとを含み、ここで、消防ダクトは、第一の規制部を含み、固定具は、第二の規制部を含み、第一の規制部と第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において消防ダクトを規制し、第一の方向は、第一の壁に垂直であり、第二の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に垂直である。
【0037】
第四の態様によれば、電池の製造装置を提供し、この製造装置は、第一の壁を含む電池セルを提供することであって、第一の壁には、電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構が設置されること、消防媒体を収容し、放圧機構が作動している時に消防媒体を排出するための消防ダクトを提供すること、第一の壁と消防ダクトとの間に設置される固定具を提供することに用いられる提供モジュールと、消防ダクトを固定具に固定的に取り付けるための取り付けモジュールとを含み、ここで、消防ダクトは、第一の規制部を含み、固定具は、第二の規制部を含み、第一の規制部と第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において消防ダクトを規制し、第一の方向は、第一の壁に垂直であり、第二の方向は、第一の壁に平行であり、且つ消防ダクトの延在方向に垂直である。
【0038】
本出願の実施例の技術案によって、電池に消防ダクトを設置することで、電池セルの放圧機構が作動している時に消防媒体を排出し、電池セルの排出物ないし電池セルの内部を降温し、電池の安全性能を向上させることができる。その上で、消防ダクトには、第一の規制部が設置され、且つ電池には、固定具がさらに設置され、この固定具には、第二の規制部が設置され、この第一の規制部と第二の規制部が、互いに嵌合し、消防ダクトを複数の方向に規制することで、消防ダクトが比較的に安定的に電池に設置され、比較的に確実な消防及び温度調節効果を果たして、電池の安全性能を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の一実施例に開示された車両の構造概略図である。
図2】本出願の一実施例に開示された電池の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例に開示された電池セルの構造概略図である。
図4】本出願の一実施例に開示された電池の断面分解概略図である。
図5】本出願の一実施例に開示された電池の別の断面分解概略図である。
図6図5におけるA部分の局所拡大概略図である。
図7】本出願の一実施例に開示された電池の局所拡大分解概略図である。
図8】本出願の一実施例に開示された電池の局所拡大概略図である。
図9】本出願の一実施例に開示された電池の斜視分解概略図である。
図10】本出願の一実施例に開示された電池の別の断面分解概略図である。
図11図10におけるB部分の局所拡大概略図である。
図12】本出願の一実施例に開示された電池の別の局所拡大分解概略図である。
図13】本出願の一実施例に開示された電池の別の局所拡大概略図である。
図14】本出願の一実施例に開示された電池の別の斜視分解概略図である。
図15】本出願の一実施例に開示された電池の別の斜視分解概略図である。
図16】本出願の一実施例に開示された消防ダクトの構造概略図である。
図17】本出願の一実施例に開示された消防ダクトの別の構造概略図である。
図18】本出願の一実施例に開示された消防ダクトの別の構造概略図である。
図19】本出願の一実施例に開示された電池の製造方法のフローチャートである。
図20】本出願の一実施例に開示された電池の製造装置の概略ブロック図である。
【0040】
図面において、図面は、実際のスケールで描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本出願の実施の形態をさらに詳細に記述する。以下では、実施例の詳細な記述と図面は、例示的に本出願の原理を説明するためのものであるが、本出願の範囲を制限するためのものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限らない。
【0042】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に断りのない限り、「複数の」の意味は、二つ以上であり、用語である「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、本出願の記述の便宜上及び記述の簡略化のためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願に対する制限と理解されるべきではない。なお、用語である「第一」、「第二」、「第三」などは、記述の目的のみで用いられるものであり、相対的な重要性を指示又は暗示すると理解すべきではない。「垂直」は、厳密な垂直ではなく、誤差許容範囲内である。「平行」は、厳密な平行ではなく、誤差許容範囲内である。
【0043】
下記記述に出現された方位語は、いずれも図に示す方向であり、本出願の具体的な構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0044】
本出願における用語である「及び/又は」は、ただ関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、A、AとBとの組み合わせ、Bの3つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0045】
特に定義されない限り、本出願に使用されるすべての技術的と科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本出願では出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における用語である「第一」、「第二」などは、特定の順序又は主従関係を記述するためのものではなく、異なる対象を区別するためのものである。
【0046】
本出願に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的に、非明示的に理解する。
【0047】
本出願では、電池とは、電気エネルギーを提供するために一つ又は複数の電池セルを含む物理モジュールである。例えば、本出願に言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0048】
選択的に、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよく、本出願の実施例は、これにも限定しない。電池セルは、一般的にはパッケージングの方式で筒型電池セル、直方体四角形電池セルとパウチ電池セルという三つの種類に分けられ、本出願の実施例は、これにも限定しない。
【0049】
電池セルは、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、正極板と、負極板と、セパレータとにより構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することで作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗覆された集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗覆された集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。大電流を流しても溶断しないことを保証するために、正極タブの数が複数であり、且つ積層されており、負極タブの数が複数であり、且つ積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)又はポリエチレン(Polyethylene、PE)などであってもよい。なお、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例は、これに限らない。
【0050】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えばエネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0051】
電池にとって、主な安全上の危険は、充電と放電プロセスから来ており、電池の安全性能を向上させるために、電池セルに対して一般的には、放圧機構を設置する。放圧機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達する時に作動して内部圧力又は温度を逃す素子又は部材である。この所定閾値は、設計需要の違いに応じて調整されてもよい。前記所定閾値は、電池セルにおける正極極板と、負極極板と、電解液と、セパレータとのうちの一つ又は複数の材料に依存してもよい。放圧機構は、例えば、圧力又は温度に敏感な素子又は部材を採用することができ、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達すると、放圧機構は、作動することによって、内部圧力又は温度を逃すためのチャンネルを形成する。
【0052】
本出願に言及された「作動」とは、放圧機構が動作することによって、電池セルの内部圧力及び温度が逃されることを指す。放圧機構による動作は、放圧機構のうちの少なくとも一部が破裂したり、引き裂かれたり、又は熔化したりすることなどを含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構が作動した後に、電池セル内部の高温高圧物質は、排出物として放圧機構から外に排出される。この方式により、圧力又は温度が制御可能である場合に電池セルを放圧させることによって、潜在的でより深刻な事故の発生を回避することができる。
【0053】
本出願に言及された電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極極板、セパレータの破片、反応により発生した高温高圧気体、火炎などを含むが、それらに限らない。
【0054】
電池セル上の放圧機構は、電池の安全性に重要な影響を与えている。例えば、電池セルに短絡、過充電などの現象が発生すると、電池セル内部が熱暴走することによって圧力又は温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合に、放圧機構の作動によって内部圧力及び温度を外にリリースして、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0055】
電池セルに放圧機構を設置して電池の安全性を保障するほか、電池セルを収容するための筐体には、消防ダクトがさらに設置されてもよく、この消防ダクトには、消防媒体が収容されてもよく、この消防媒体は、消防液体、消防ガスであってもよく、消防固体であってもよい。選択的に、いくつかの実施の形態において、消防ダクトは、電池セルにおける放圧機構に対応して設置されてもよい。この放圧機構が作動している時に、電池セル内から逃した排出物は、消防ダクトの壁を破壊することで、消防媒体は、消防ダクトから流出し、消防媒体は、電池セルの高温排出物を降温し、排出物の危険性を低減することによって、電池セル及び電池全体の安全性能を向上させることができる。
【0056】
いくつかの関連技術では、ブラケットを利用して消防ダクトを電池セルにおける放圧機構の位置する壁に取り付ける。例えば、電池セルにおける放圧機構の位置する壁には、ブラケットが設置され、消防ダクトは、ブラケットに設置され、且つ放圧機構に対応して設置される。ブラケットには、簡単な規制構造、例えば凹溝などのみを有し、消防ダクトに対して比較的に限られた固定作用を果たす。そのため、この技術案において、消防ダクトの電池における取り付けの安定性は、悪い。電池の位置する電力消費装置(例えば、電動車両)などが運動状態にある場合、電池における消防ダクトに一定の影響を与え、消防ダクトの取り付けの安定性が悪い場合、消防ダクトは、震動ないし電池セルから脱落し、さらに消防ダクトの正常な使用に影響を与え、電池の安全上の懸念をもたらす。
【0057】
これに鑑み、本出願は、電池を提供し、この電池における消防ダクトには、第一の規制部が設置され、且つ電池には、固定具がさらに含まれ、この固定具における第二の規制部と消防ダクト上の第一の規制部は、互いに嵌合して、複数の方式で消防ダクトを規制、固定することを実現し、消防ダクトの電池における取り付けの安定性を向上させることによって、電池の安全性能を向上させることができる。
【0058】
本出願の実施例に記述された技術案は、電池を使用する様々な装置、例えば携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、バッテリ車、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶と宇宙航空機などに適用し、例えば宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含む。
【0059】
理解すべきこととして、本出願の実施例に記述された技術案は、以上に記述された装置に適用できるだけでなく、すべての電池を使用する装置に適用できるが、記述の簡潔のため、下記実施例は、電動車両を例にして説明する。
【0060】
例えば、図1に示すように、本出願の一つの実施例の車両1の構造概略図であり、車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ11、コントローラ12及び電池10が設置されてもよく、コントローラ12は、モータ11に給電するように電池10を制御するために用いられる。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾には電池10が設置されてもよい。電池10は、車両1の給電に用いられてもよく、例えば電池10は、車両1の操作電源として、車両1の回路システムに用いられてもよく、例えば車両1の起動、ナビゲーションと運行時の作動電力消費需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の操作電源だけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することができる。
【0061】
異なる使用電力需要を満たすために、電池は、複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続との混合である。電池は、電池パックと呼ばれてもよい。選択的に、複数の電池セルが直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールが直列接続又は並列接続又は直並列接続されて電池を構成することができる。つまり、複数の電池セルは、直接に電池を構成してもよく、電池モジュールを構成してから、電池モジュールにより電池を構成してもよい。
【0062】
例えば、図2に示すように、図2は、本出願の一つの実施例の電池10の構造概略図であり、電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は、筐体100(又はカバー体と呼ばれる)をさらに含んでもよく、筐体100内部は、中空構造であり、複数の電池セル20は、筐体100内に収容される。図2に示すように、筐体100は、二つの部分を含んでもよく、ここで、それぞれ第一の部分111と第二の部分112と呼ばれ、第一の部分111と第二の部分112は、係合している。第一の部分111と第二の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に応じて決定されてもよく、第一の部分111と第二の部分112は、いずれも一つの開口を有してもよい。例えば、第一の部分111と第二の部分112は、いずれも中空直方体であり、且つそれぞれ一つの面だけが開口面であってもよく、第一の部分111の開口と第二の部分112の開口は、対向して設置されるとともに、第一の部分111と第二の部分112は、互いに係合し、密閉チャンバーを有する筐体100を形成する。複数の電池セル20は、互いに並列接続され、又は直列接続され、又は直並列接続されて組み合わせられた後に、第一の部分111と第二の部分112が係合された後に形成された筐体100内に置かれる。
【0063】
選択的に、電池10は、他の構造をさらに含んでもよく、ここでこれ以上説明しない。例えば、この電池10は、複数の電池セル20間の電気的な接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的には、バスバー部材は、電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20間の電気的な接続を実現してもよい。さらに、バスバー部材は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定されてもよい。複数の電池セル20の電気エネルギーは、さらに、導電機構によって筐体を介して引き出されてもよい。選択的に、導電機構は、バスバー部材に属してもよい。
【0064】
異なる電力需要に応じて、電池セル20の数は、いずれかの値に設定されてもよい。複数の電池セル20は、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式によって接続されて比較的に大きい容量又はパワーを実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が比較的に多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20は、電池モジュールを構成することができる。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は、限定されず、需要に応じて設置されてもよい。
【0065】
図3は、本出願の一つの実施例の電池セル20の構造概略図を示した。
【0066】
図3に示すように、電池セル20は、一つ又は複数の電極アセンブリ22と、ケース211と、カバープレート212とを含む。ケース211の壁及びカバープレート212は、いずれも電池セル20の壁と呼ばれる。ケース211は、一つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせた後の形状に応じて決定され、例えば、ケース211は、中空の直方体又は正直方体又は円筒体であってもよく、且つケース211のそのうちの一つの面は、開口を有して、一つ又は複数の電極アセンブリ22がケース211内に容易に置かれることができる。例えば、ケース211が中空の直方体又は正直方体である場合、ケース211のそのうちの一つの平面は、開口面であり、即ちこの平面は、壁体を有せずにケース211の内外を連通させる。ケース211が中空の円筒体であってもよい場合、ケース211の端面は、開口面であり、即ちこの端面は、壁体を有せずにケース211の内外を連通させる。カバープレート212は、開口を覆い、且つケース211と接続されて、電極アセンブリ22が置かれる密閉されたキャビティを形成する。ケース211内には、電解質、例えば電解液が充填される。
【0067】
この電池セル20は、二つの電極端子214をさらに含んでもよく、二つの電極端子214は、カバープレート212に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、二つの電極端子214は、カバープレート212の平板面に固定され、二つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214は、それぞれ一つの接続部品23に対応して設置され、接続部品23は、集電部品23と呼ばれてもよく、カバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214を電気的に接続することを実現するために用いられる。
【0068】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第一のタブ221aと、第二のタブ222aとを有する。第一のタブ221aと第二のタブ222aの極性は、逆である。例えば、第一のタブ221aが正極タブである場合、第二のタブ222aは、負極タブである。一つ又は複数の電極アセンブリ22の第一のタブ221aは、一つの接続部品23によって一つの電極端子と接続され、一つ又は複数の電極アセンブリ22の第二のタブ222aは、別の接続部品23によって別の電極端子と接続される。例えば、正電極端子214aは、一つの接続部品23によって正極タブと接続され、負電極端子214bは、別の接続部品23によって負極タブと接続される。
【0069】
この電池セル20において、実際の使用需要に応じて、電極アセンブリ22は、一つ又は複数に設定されてもよく、図3に示すように、電池セル20内には、4つの独立した電極アセンブリ22が設置される。
【0070】
例として、電池セル20の一つの壁には、放圧機構213が設置されてもよい。放圧機構213は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力又は温度を逃すために用いられる。
【0071】
選択的に、本出願の別の実施例では、放圧機構213と電極端子214は、電池セル20の同一の壁に設置される。例えば、図3に示すように、電極端子214と放圧機構213は、いずれも電池セル20の頂壁、即ちカバープレート212に設置されてもよい。
【0072】
放圧機構213と電極端子214を電池セル20の同一の壁に設置し、例えば、電池セル20のカバープレート212に設置することで、放圧機構213と電極端子214の加工と取り付けを容易にし、電池10の生産効率の向上を有利にすることができる。
【0073】
選択的に、本出願の一つの実施例では、放圧機構213と電極端子214は、電池セル20の異なる壁に設置される。例えば、電池セル20の電極端子214は、電池セル20の頂壁、即ちカバープレート212に設置されてもよい。放圧機構213は、電池セル20における頂壁と異なる別の壁に設置され、例えば放圧機構213は、頂壁と対向する底壁に設置される。
【0074】
上記放圧機構213は、それが位置する壁の一部であってもよく、それが位置する壁とは別体式の構造であり、例えば、溶接の方式によってそれが位置する壁に固定してもよい。例えば、図3に示される実施例において、放圧機構213が底壁の一部である場合、放圧機構213は、底壁に切り欠きを設置する方式によって形成されてもよく、この切り欠きに対応する底壁厚さは、放圧機構213における切り欠き部以外の領域の厚さよりも小さい。切り欠き部は、放圧機構213の最も弱い位置である。電池セル20から発生したガスが多過ぎて、ケース211の内部圧力が上昇し、閾値に達したり、又は電池セル20の内部の反応による熱で電池セル20の内部の温度が上昇し、閾値に達したりすると、放圧機構213は、切り欠き部で破裂することによってケース211の内外を連通させ、ガス圧力及び温度が放圧機構213の破裂によって外にリリースし、それによって、電池セル20の爆発を回避することができる。
【0075】
また、放圧機構213は、様々な可能な放圧機構であってもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。例えば、放圧機構213は、感温放圧機構であってもよく、感温放圧機構は、放圧機構213が設けられる電池セル20の内部温度が閾値に達した時に溶解可能であるように構成され、及び/又は、放圧機構213は、感圧放圧機構であってもよく、感圧放圧機構は、放圧機構213が設けられる電池セル20の内部気圧が閾値に達した時に破裂することができるように構成される。
【0076】
図4は、本出願の一実施例による電池10の断面分解概略図を示した。
【0077】
図4に示すように、電池10は、第一の壁201を含む電池セル20であって、この第一の壁201には、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構213が設置される電池セル20と、消防媒体を収容し、放圧機構213が作動している時に消防媒体を排出するための消防ダクト30と、第一の壁201と消防ダクト30との間に設置され、消防ダクト30を固定するための固定具40とを含み、ここで、この消防ダクト30は、第一の規制部310を含み、固定具40は、第二の規制部410を含み、この第一の規制部310と第二の規制部410は、互いに嵌合して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制し、第一の方向xは、第一の壁201に垂直であり、この第二の方向yは、第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に垂直である。
【0078】
具体的には、本出願の実施例では、電池セル20における第一の壁201は、図3に示される実施例におけるカバープレート212であってもよく、又は、ケース211におけるいずれかの壁であってもよい。選択的に、この第一の壁201は、電池セル20における面積が最も大きい壁でなく、この電池セル20における面積が最も大きい壁は、他の電池セル20又は筐体100と互いに付設され、電池セル20の筐体における取り付けの安定性を向上させるために用いられてもよい。
【0079】
この第一の壁201に放圧機構213が設置され、上述したように、この放圧機構213は、第一の壁201の一部であってもよく、第一の壁201とは別体式の構造であってもよい。この放圧機構213は、感温放圧機構、感圧放圧機構又は他のタイプの放圧機構であってもよい。放圧機構213の関連技術案について、上記実施例の関連記述を参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0080】
例として、本出願の実施例では、放圧機構213と電極端子214は、いずれもこの第一の壁201に設置されてもよく、放圧機構213と電極端子214の加工と取り付けを容易にし、電池10の生産効率の向上を有利にすることができる。無論、他の代替実施例において、放圧機構213と電極端子214は、電池セル20における異なる壁にあってもよい。
【0081】
図4を参照し続けると、本出願の実施例では、消防ダクト30は、第一の壁201に対応して設置される。選択的に、消防ダクト30と第一の壁201上の放圧機構213は、対応して設置される。この消防ダクト30には、消防媒体が収容されており、放圧機構213が作動し、電池セル20内部からの高温排出物を逃す場合、消防ダクト30は、消防媒体を排出してこの高温排出物を降温し、この高温排出物が電池10に影響を与え、安全上の懸念をもたらすことを防止することができる。さらに、消防ダクト30と放圧機構213が対応して設置される場合、消防ダクト30を介して排出された消防媒体は、作動後の放圧機構213によって電池セル20の内部に流入し、電池セル20の内部を降温し、この電池セル20の高温が他の電池セル20に伝達されることにより他の電池セル20に影響を与えることを防止することができる。
【0082】
選択的に、消防ダクト30における消防媒体は、冷却媒体であってもよく、それは、比較的に低い温度を有し、放圧機構213が作動している時に、より良い降温効果を果たすことができるとともに、放圧機構213が作動していない時に、電池セル20を冷却する効果を果たし、電池セル20の温度が高過ぎて安全上の問題を引き起こしやすいことを防止することができる。選択的に、この消防媒体は、消防ガス、消防液体であってもよく、又は消防固体であってもよい。いくつかの実施の形態において、この消防媒体は、より良い降温効果を達成するために、循環して流れてもよい。例示であり、限定的ではないが、本出願の実施例において、消防媒体は、水、水とエチレングリコールの混合液又は空気などであってもよい。
【0083】
例示であり、限定的ではないが、図4に示すように、消防ダクト30の本体部は、断面が環状であるダクトであってもよい。本体部のほか、消防ダクト30は、第一の規制部310をさらに含んでもよく、それは、消防ダクト30の本体部に接続される。選択的に、この第一の規制部310は、消防ダクト30の本体部と一体成形構造であってもよく、又は、この第一の規制部310は、消防ダクト30の本体部とは別体式の構造であってもよく、例えば、この第一の規制部310は、溶接などの機械的な接続方式によって消防ダクト30の本体部に固定されてもよい。この第一の規制部310は、消防ダクト30と電池セル20の第一の壁201との間の固定具40を嵌合し、消防ダクト30の電池セル20の第一の壁201における固定を実現するために用いられる。
【0084】
具体的には、図4を参照し続けると、固定具40は、第二の規制部410を含み、上記消防ダクト30における第一の規制部310とこの第二の規制部410は、互いに嵌合して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制し、ここで、第一の方向xは、第一の壁201に垂直であり、この第二の方向yは、第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に垂直である。
【0085】
選択的に、いくつかの実施の形態では、固定具40は、第二の規制部410のみを含んでもよく、この第二の規制部410は、溶接などの機械的な接続方式によって電池セル20の第一の壁201に固定的に設置されてもよい。
【0086】
又は、別のいくつかの実施の形態では、固定具40は、第二の規制部410を含むほか、固定具40及びその第二の規制部410の第一の壁201における取り付けを容易にするために、他の構造材をさらに含んでもよい。例として、図4に示すように、第二の規制部410のほか、固定具40は、取り付け部を含んでもよく、第二の規制部410は、取り付け部に設置され、取り付け部を第一の壁201に取り付けることによって、第二の規制部410の第一の壁201における安定した設置を実現することができる。
【0087】
第一の規制部310と第二の規制部410の互いの嵌合接続について、例示であり、限定的ではなく、図4に示す実施の形態において、第二の方向yにおいて、第一の規制部310は、それぞれ消防ダクト30の両側に設置され、第一の方向xにおいて、第二の規制部410は、消防ダクト30に向かって突起し、且つ第一の規制部310と対応して設置される。第一の規制部310と第二の規制部410が互いに嵌合する場合、第一の規制部310と第二の規制部410は、第一の方向xと第二の方向yにおいて互いに当接し、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30に対する規制を実現することができる。
【0088】
選択的に、第一の規制部310と第二の規制部410は、図4に示す互いに嵌合する機械構造に設定されてもよいほか、係止係止溝、軸穴挿接、凹凸嵌合などの関連方式の機械構造に設定れてもよく、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30に対する規制を実現してもよい。本出願の実施例は、第一の規制部310と第二の規制部410の具体的な構造及び互いに嵌合する具体的な方式に対して限定せず、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制することを実現することができることを目的としていればよい。
【0089】
本出願の実施例の技術案によって、電池10に消防ダクト30を設置することで、電池セル20の放圧機構213が作動している時に消防媒体を排出し、電池セル20の排出物ないし電池セル20の内部を降温し、電池10の安全性能を向上させることができる。その上で、消防ダクト30には、第一の規制部310が設置され、且つ電池10には、固定具40がさらに設置され、この固定具40には、第二の規制部410が設置され、この第一の規制部310と第二の規制部410は、互いに嵌合し、消防ダクト30を複数の方向に規制することで、消防ダクト30は、電池10に比較的に安定して設置され、比較的に確実な消防及び温度調節効果を果たして、電池10の安全性能を補強することができる。
【0090】
図5は、本出願の一実施例による電池10の別の断面分解概略図を示しており、図6は、図5におけるA部分の局所拡大概略図を示した。
【0091】
図5図6を結びつけて、本出願の実施例では、消防ダクト30上の第一の規制部310は、単一の係止爪構造であり、この単一の係止爪構造は、接続部311と、第一の係止爪部312とを含み、この接続部311は、消防ダクト30の管壁により第二の方向yに沿って延びて形成され、第一の係止爪部312は、この接続部311に接続され、電池セル20に向かって延び、且つこの第一の係止爪部312は、第二の規制部410に係止される。
【0092】
本出願の実施例の技術案によって、消防ダクト30上の第一の規制部310を単一の係止爪構造に設計し、固定具40上の第二の規制部410との係止を実現し、第一の規制部310と第二の規制部410との間の接続の安定性を保証すると同時に、単一の係止爪構造の消防ダクト30における設置を比較的に容易に実現し、消防ダクト30の生産効率を相対的に向上させることができる。
【0093】
選択的に、図6に示すように、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側には、第一の規制部310がそれぞれ設置され、即ち消防ダクト30の第二の方向yにおける両側には、単一の係止爪構造がそれぞれ設置され、消防ダクト30の両側の単一の係止爪構造を利用し、第二の規制部410に係止され、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性をさらに向上させることができる。
【0094】
選択的に、この単一の係止爪構造の第一の規制部310において、接続部311は、消防ダクト30の、電池セル20から離れる端に接続されてもよい。例として、図6に示すように、消防ダクト30の断面は、トラック形であってもよく、消防ダクト30の、電池セル20から離れる管壁は、第二の方向yに平行な平板状構造であり、この部分の管壁は、消防ダクトの第一の管壁と呼ばれてもよく、接続部311は、この第一の管壁の第二の方向yにおける延在部であってもよい。この実施の形態によって、消防ダクト30の第一の方向xにおける厚さ空間を利用し、接続部311と互いに接続され、且つ電池セル20に向かって延びる第一の係止爪部312を設置することができ、それに対応して、第一の係止爪部312と互いに係止される第二の規制部410は、この消防ダクト30の第一の方向xにおける厚さ空間に設置されることによって、消防ダクト30の電池セル20における取り付け空間を節約し、電池10の体積全体の低減を有利にすることによって、電池10のエネルギー密度を向上させることができる。
【0095】
例示であり、限定的ではないが、図6に示すように、第一の係止爪部312は、第一の突起を含んでもよく、それに対応して、第二の規制部410は、第二の突起を含んでもよく、この第一の突起と第二の突起は、互いに嵌合して第一の係止爪部312と第二の規制部410との互いの係止を実現することができる。
【0096】
又は、他の実施例では、第一の係止爪部312と第二の規制部410は、他の方式によって互いに係止されてもよい。図7は、本出願の別の実施例による電池10の局所拡大分解概略図を示した。
【0097】
図7に示すように、本出願の実施例では、第二の規制部410は、係止溝構造であり、この係止溝構造は、第二の方向yに沿って並ぶ第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412とを含み、この第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412は、第一の係止爪部312を挟持して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制するために用いられる。
【0098】
具体的には、本出願の実施例では、第二の規制部410は、第一の係止爪部312に嵌合される係止溝構造であり、この係止溝構造における第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412が第一の係止爪部312を挟持することで、第一の規制部310と第二の規制部410との間の係止強度を向上させることができ、それによって、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30に対する規制と固定効果を向上させ、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性を向上させることができる。
【0099】
選択的に、第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412が第一の係止爪部312に対して良好な挟持効果を果たすために、第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412の第二の方向yにおける距離は、第一の係止爪部312の第二の方向yにおけるサイズに適合し、例えば、第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412の第二の方向yにおける距離は、第一の係止爪部312の第二の方向yにおけるサイズと等しく、又は近似している。また、第一の係止溝壁411、第二の係止溝壁412及び第一の係止爪部312の第一の方向xにおけるサイズは、同じであってもよく、近似してもよい。
【0100】
選択的に、本出願の実施例のいくつかの実施の形態では、第一の係止溝壁411、第二の係止溝壁412及び第一の係止爪部312は、いずれも板状構造であってもよい。第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412で形成された係止溝構造が、第一の係止爪部312を強固に挟持することができる場合、係止溝構造の第二の規制部410は、第二の方向yにおいて第一の係止爪部312を比較的に確実且つ安定している規制と固定作用を直接果たすことができるだけでなく、摩擦力によって第一の方向xにおいて第一の係止爪部312に対してある程度の規制と固定作用を果たすことができる。
【0101】
又は、本出願の実施例の別のいくつかの実施の形態では、第二の規制部410と第一の係止爪部312の第一の方向xにおける係止強度をさらに向上させて、消防ダクト30の第一の方向xにおける規制と固定効果を向上させるために、係止溝構造の第二の規制部410において、第一の係止溝壁411及び/又は第二の係止溝壁412の、電池セル20から離れる端には、第一の突起4101が設置され、第一の係止爪部312の、電池セル20に近い端には、第二の突起3121が設置され、この第一の突起4101と第二の突起3121は、互いに嵌合して、第一の方向xにおいて消防ダクト30を規制する。
【0102】
例示であり、限定的ではないが、図7に示すように、第二の係止溝壁412には、第一の突起4101が設置され、この第一の突起4101と第一の係止爪部312上の第二の突起3121は、それぞれ第二の方向yにおける反対している二つの子方向に向かって突出し、且つ第一の係止爪部312が第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間に取り付けられた後に、第一の突起4101と第二の突起3121が第一の方向xにおいて対向して設置されることで、この第一の突起4101と第二の突起3121が互いに嵌合して係止することができる。また、第一の突起4101は、第二の係止溝壁412の、電池セル20から離れる端に設置され、且つ第二の突起3121は、第一の係止爪部312の、電池セル20に近い端に設置され、第二の係止溝壁412と第一の係止爪部312が互いに係止された後に、第二の突起3121は、第一の突起4101に対して電池セル20に向かって設置され、この第一の突起4101は、第二の突起3121及びそれが位置する第一の係止爪部312が電池セル20から離れることを防止することができる。
【0103】
理解できるように、第一の係止溝壁411に第一の突起4101が設置される場合、この第一の係止溝壁411上の第一の突起4101と第一の係止爪部312上の第二の突起3121は、それぞれ第二の方向yにおける反対している二つの子方向に向かって突出してもよい。この第一の突起4101と第二の突起3121において、突出方向が図7に示す突出方向と逆であるほか、他の関連技術案は、上記の関連記述を参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0104】
また、説明すべきこととして、本出願の実施例では、第一の係止爪部312が第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間に取り付けられた後に、第一の突起4101と第二の突起3121の相対位置の設計について、第二の突起3121は、第一の突起4101に対して電池セル20に向かって設置されればよい。そのため、第一の突起4101は、第一の係止溝壁411及び/又は第二の係止溝壁412の、電池セル20から離れる端に設置されてもよいほか、第一の係止溝壁411及び/又は第二の係止溝壁412の他の位置に設置されてもよい。第二の突起3121は、第一の係止爪部312の、電池セル20に近い端に設置されてもよいほか、第一の係止爪部312の他の位置に設置されてもよい。本出願の実施例は、第一の突起4101と第二の突起3121の具体的な位置に対して限定しない。
【0105】
選択的に、図7に示される実施の形態では、第一の突起4101と第二の突起3121は、いずれもブロック状突起であり、無論、他の実施の形態において、この第一の突起4101と第二の突起3121は、他の形状の突起であってもよく、本出願の実施例は、この第一の突起4101と第二の突起3121の形状に対しても具体的に限定しない。
【0106】
本出願の別の実施例では、第一の係止爪部312上の第一の突起3121の、電池セル20から離れる端には、第一の傾斜面3122が設置されてもよく、第一の係止溝壁411及び/又は第二の係止溝壁412上の第二の突起4101の、電池セル20に近い端には、第二の傾斜面4102が設置され、この第一の傾斜面3122と第二の傾斜面4102は、互いに対応し、且つそれぞれ第一の壁201に垂直な平面に傾斜している。
【0107】
図7に示される実施例に基づき、図8は、本出願の一実施例による電池10の局所拡大概略図を示しており、ここで、図8における(a)図は、局所拡大分解概略図であり、図8における(b)図は、局所拡大組み立て概略図である。
【0108】
図8に示すように、第二の係止溝壁412上の第二の突起4101の、電池セル20に近い端には、第二の傾斜面4102が設置され、第一の係止爪部312上の第一の突起3121の、電池セル20から離れる端には、第一の傾斜面3122が設置される。第一の係止爪部312が第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412に取り付けられるプロセスで、第一の傾斜面3122と第二の傾斜面4102は、対向して設置され、且つスライド可能に互いに付設されることができ、第一の係止爪部312は、その第一の傾斜面3122によって第二の係止溝壁412の第二の傾斜面4102にスライドして接触することによって、第一の係止爪部312が第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間に取り付けられることを容易にする。
【0109】
選択的に、第一の傾斜面4102と第二の傾斜面3122は、第一の係止爪部312の第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間のスライド取り付けを最適化するように、互いに平行であってもよい。
【0110】
本出願の実施例の技術案によって、第一の係止爪部312に第一の突起3121が設置され、且つ第一の係止溝壁411及び/又は第二の係止溝壁412には、第一の突起3121と互いに嵌合する第二の突起4101が設置される上で、この第一の突起3121と第二の突起4101には、それぞれ互いに嵌合する傾斜面が設置されてもよく、第一の係止爪部312と第一の係止溝壁411及び第二の係止溝壁412とが比較的に優れている係止効果を有することができることを保証すると同時に、第一の係止爪部312の第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間の取り付け効率をさらに向上させることによって、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性を保証すると同時に、消防ダクト30の電池10における取り付け効率を向上させることができる。
【0111】
図8に示される実施例に基づき、図9は、本出願の一実施例による電池10の斜視分解概略図を示した。
【0112】
図9に示すように、本出願の実施例では、第二の規制部410は、係止溝構造であり、この係止溝構造は、第三の方向zに沿って延び、第一の規制部310における第一の係止爪部312は、第三の方向zに沿ってこの係止溝構造をスライドすることができ、ここで、第三の方向zは、電池セル20の第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に平行である。
【0113】
具体的には、係止溝構造の第二の規制部410において、第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412は、第三の方向zに沿って延び、第三の方向zにおいて一定の長さを有することができ、それによって消防ダクト30における第一の係止爪部312は、第三の方向zに沿ってこの第一の係止溝壁411と第二の係止溝壁412との間をスライドすることができる。
【0114】
電池セル20の運行中、その内部の化学反応により、電池セル20内部のガスが膨張することで、電池セル20もそれに応じて膨張している。電池セル20が第三の方向zにおいて膨張している場合、その第一の壁201に位置する固定具40の位置変化を引き起こし、ないしこの固定具40上の第二の規制部410の位置変化を引き起こす。消防ダクト30における第一の係止爪部312が第三の方向zに沿ってこの係止溝構造の第二の規制部410をスライドすることができるため、電池セル20の膨張が第二の規制部410の位置変化を引き起こしても、消防ダクト30への影響が比較的に小さく、又は影響がないため、電池セル20が膨張しても、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性は、依然として比較的に高い。
【0115】
選択的に、図9に示すように、電池セル20上の固定具40には、複数の第二の規制部410が含まれてもよい。具体的には、第二の方向yにおいて、固定具40の、消防ダクト30の両側に対応する位置には、第二の規制部410がそれぞれ設置され、また、第三の方向zにおいて、固定具40の、消防ダクト30の同一の側に対応する位置には、複数の第二の規制部410が設置されて、消防ダクト30に対する規制と固定作用をさらに補強してもよい。選択的に、第三の方向zにおいて、二つの第二の規制部410は、それぞれ電池セル20の放圧機構213の両側に設置されてもよく、固定具40は、放圧機構213が電池セル20内部の圧力の逃がしを行うように、この二つの第二の規制部410間に開口を残している。
【0116】
理解できるように、図9は、本出願の実施例における第二の規制部410の固定具40における数と位置の設置を模式的に示すものであり、限定的なものではない。この固定具40には、放圧機構213に対応する開口があり、消防ダクト30がこの放圧機構213及びこの開口に対応して設置されるため、本出願の実施例において、第二の規制部410は、固定具40におけるこの開口以外の、消防ダクト30の第一の規制部310に嵌合されることができる任意の位置に設置されることができ、本出願の実施例は、固定具40上の第二の規制部410の数及び位置に対して具体的に限定しない。
【0117】
また、図9に示される実施の形態では、固定具40の両端には、それぞれ環状取り付け部が設置されてもよく、この環状取り付け部が電池セル20における電極端子214と互いに嵌合することによって、固定具40の電池セル20における固定取り付けを実現することができる。無論、この図9に示す実施の形態のほか、他の機械固定方案によって固定具40の電池セル20における固定取り付けを実現してもよく、本出願の実施例は、固定具40の電池セル20における取り付け方式に対しても具体的に限定しない。
【0118】
図9を参照し続けると、選択的に、本出願の実施例では、電池セル20において、最大面積を有する壁は、第三の方向zに向かって設置され、この場合、複数の電池セル20は、この第三の方向zに沿って互いに付設されて並んでもよく、複数の電池セル20間の安定性を向上させることができる。それと同時に、消防ダクト30は、第三の方向z、即ち複数の電池セル20の並び方向に沿って延び、複数の電池セル20に対して消防と温度調節の作用を同時に果たすことができる。
【0119】
また、図9に示される実施例では、係止溝構造の第二の規制部410が第三の方向zに沿って延びるほか、選択的に、消防ダクト30における第一の規制部310は、第三の方向zに沿って延びてもよい。
【0120】
いくつかの実施の形態では、第三の方向zにおいて、第一の規制部310の延在長さは、消防ダクト30の延在長さと同じである。この実施の形態の技術案により、消防ダクト30がその第一の規制部310によって位置が異なる複数の固定具40に容易に取り付けられることができる。一例として、異なるタイプの電池セル20において、電池セル20の第三の方向zにおけるサイズが変化する可能性があるため、異なるタイプの電池セル20上の固定具40の位置は、それに応じて変化する可能性もある。別の例として、複数の電池セル20のうち、一部の電池セル20の第一の壁210のみに固定具40を設置することができ、異なる応用需要に応じて、固定具40の複数の電池セル20における位置は、調整、変化する可能性もある。上記二つの例の場合に、本出願の実施例の技術案によって、依然としてこの消防ダクト30上の第一の規制部310を利用して固定具40と嵌合して取り付けることができる。言い換えれば、消防ダクト30の固定的な取り付けは、複数の電池セル20上の固定具40の位置の変化によって影響を受けることはない。この実施の形態の技術案により、消防ダクト30の電池10における取り付け効率を向上させることができるだけでなく、消防ダクト30がより多くの応用シナリオに適用されることができ、消防ダクト30の様々な異なるタイプの電池10における普及と使用を有利にすることができる。
【0121】
しかし、別のいくつかの実施の形態では、第三の方向zにおいて、第一の規制部310の延在長さは、消防ダクト30の延在長さよりも小さくてもよい。具体的には、第三の方向zにおいて、この第一の規制部310の延在長さは、第二の規制部410の延在長さにマッチングし対応する。この実施の形態の技術案により、第一の規制部310と第二の規制部410によって消防ダクト30の電池10における取り付けを実現し、消防ダクト30全体の製造コストを低減することもできる。
【0122】
以上、図5から図9を結びつけながら本出願のいくつかの実施例による電池10の技術案を説明しており、上記出願の実施例の技術案において、消防ダクト30における第一の規制部310は、単一の係止爪構造である。以下、図10から図14を結びつけて、本出願の別のいくつかの実施例による電池10の技術案を説明し、下記出願の実施例の技術案において、消防ダクト30における第一の規制部310は、二重係止爪構造である。
【0123】
図10は、本出願の一実施例による電池10の別の断面分解概略図を示しており、図11は、図10におけるB部分の局所拡大概略図を示した。
【0124】
図10図11を結びつけて、本出願の実施例では、消防ダクト30上の第一の規制部310は、二重係止爪構造であり、この二重係止爪構造は、接続部311と、第二の方向yに沿って並ぶ第一の係止爪部312と第二の係止爪部313とを含み、接続部311は、消防ダクト30の管壁により第二の方向yに沿って延びて形成され、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313は、接続部311に接続され、電池セル20に向かって延び、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313は、第二の規制部410を挟持して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制するために用いられる。
【0125】
選択的に、図11に示すように、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側には、第一の規制部310がそれぞれ設置され、即ち消防ダクト30の第二の方向yにおける両側には、それぞれ二重係止爪構造が設置され、消防ダクト30の両側の二重係止爪構造を利用して第二の規制部410を挟持し、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性をさらに向上させることができる。
【0126】
本出願の実施例の技術案によって、消防ダクト30には、二重係止爪構造の第一の規制部310が設置され、この二重係止爪構造は、固定具40上の第二の規制部410を挟持して、消防ダクト30の電池10における取り付けを実現するために用いられる。具体的には、二重係止爪構造が第二の規制部410を挟持した後に、二重係止爪構造は、第二の方向yにおける二つの反対する子方向において、いずれも第二の規制部410に対して良好な規制と固定効果を実現することで、消防ダクト30は、第二の方向yにおいて比較的に高い安定性を有することができる。また、二重係止爪構造が第二の規制部410を挟持する場合、二重係止爪構造と第二の規制部410との間には、第一の方向x上の相互作用力を有して、消防ダクト30が第一の方向xにおいても一定の安定性を有することを保証することができる。
【0127】
選択的に、この二重係止爪構造の第一の規制部310において、接続部311は、消防ダクト30の、電池セル20から離れる端に接続されてもよい。例として、図11に示すように、消防ダクト30の断面は、トラック形であってもよく、消防ダクト30の、電池セル20から離れる管壁は、第二の方向yに平行な平板状構造であり、この部分の管壁は、消防ダクトの第一の管壁と呼ばれてもよく、接続部311は、この第一の管壁の第二の方向yにおける延在部であってもよい。この実施の形態によって、消防ダクト30の第一の方向xにおける厚さ空間を利用し、接続部311と互いに接続され、且つ電池セル20に向かって延びる第一の係止爪部312と第二の係止爪部313を設置することができ、それに対応して、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間に挟持される第二の規制部410は、この消防ダクト30の第一の方向xにおける厚さ空間に設置されることによって、消防ダクト30の電池セル20における取り付け空間を節約し、電池10の体積全体の低減を有利にすることによって、電池10のエネルギー密度を向上させることができる。
【0128】
選択的に、図11に示される実施の形態では、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313は、板状構造であってもよく、それに対応して、第二の規制部410は、板状構造であってもよい。第二の方向yにおいて、この第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間の距離は、第二の規制部410のサイズに近似してもよく、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313が第二の規制部410に対する確実な挟持を実現し、消防ダクト30の電池10における取り付けの信頼性を向上させる。また、第一の係止爪部312、第二の係止爪部313及び第二の規制部410の第一の方向xにおけるサイズは、同じであってもよく、近似してもよく、第一の方向xにおいて、この実施の形態によって、三者の第一の方向xにおけるサイズを十分に利用し、第二の規制部410の、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間の摩擦力を増やすことによって、さらに消防ダクト30の電池10における取り付けの信頼性を向上させることができる。
【0129】
図11に示される実施例に基づき、図12は、本出願の一実施例による電池10の別の局所拡大分解概略図を示した。
【0130】
図12に示すように、本出願の実施例では、第二の規制部410は、係止構造であり、この係止構造は、第一の方向xに沿って並ぶ第一の係止部413と第二の係止部414とを含み、この第一の係止部413は、固定具40により電池セル20から離れる方向に沿って延びて形成され、第二の係止部414は、第一の係止部413の、電池セル20から離れる端に設置され、第二の方向yにおいて、第二の係止部414のサイズは、第一の係止部413のサイズ以上であり、また、消防ダクト30の二重係止爪構造の第一の規制部310において、第一の係止爪部312及び/又は第二の係止爪部313は、この第二の係止部414に係止される。
【0131】
具体的には、本出願の実施例では、固定具40において、第二の規制部410は、第一の係止部413と第二の係止部414とを含む係止構造であり、第一の係止部413に対して、第二の係止部414は、消防ダクト30に向かって設置され、且つこの第二の係止部414の第二の方向yにおけるサイズは、第一の係止部413の第二の方向yにおけるサイズ以上である。そのため、このサイズが比較的に大きい第二の係止部414を利用し、この第二の係止部414の消防ダクト30の二重係止爪構造における係止の実現を容易にすることができ、且つこの第二の係止部414の二重係止爪構造における係止強度を向上させることができる。
【0132】
例示であり、限定的ではないが、いくつかの実施の形態では、消防ダクト30の二重係止爪構造の第一の規制部310において、第一の係止爪部311及び/又は第二の係止爪部312の、電池セル20に近い端には、第三の突起3101が設置され、第二の係止部414は、第二の方向yに沿って第一の係止部413に対して突出している第四の突起4141を含み、この第四の突起4141と第三の突起3101は、互いに嵌合して、第一の方向xにおいて消防ダクト30を規制する。この実施の形態の技術案により、第二の係止部414と二重係止爪構造の第一の方向xにおける係止強度を向上させることができる。
【0133】
例えば、図12に示される実施の形態では、第一の係止爪部311と第二の係止爪部312の、電池セル20に近い端には、いずれも第三の突起3101が設置され、且つこの二つの第三の突起3101は、第二の方向yに沿って並び、且つ対向して設置される。この二つの第三の突起3101に対応し、第二の規制部410の、電池セル20から離れる端において、第二の係止部414には、二つの第四の突起4141が設置され、この二つの第四の突起4141は、それぞれ第二の係止部414の第二の方向yにおける両側に位置する。
【0134】
図12に示す実施の形態によって、第二の係止部414が第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間に取り付けられた後に、各第三の突起3101とそれに対応する第四の突起4141は、第一の方向xにおいて対向して設置されることで、この第三の突起3101と第四の突起4141が互いに嵌合して係止することができる。また、第三の突起3101は、第一の規制部310の、電池セル20に近い端に設置され、且つ第四の突起4141は、第二の規制部410の、電池セル20から離れる端に設置され、第一の規制部310と第二の規制部410が互いに係止された後に、第四の突起4141は、第三の突起3101に対して電池セル20に向かって設置され、この第四の突起4141は、第三の突起3101及びそれが位置する二重係止爪構造が電池セル20から離れることを防止することができる。
【0135】
理解できるように、図12に示される実施の形態のほか、第三の突起3101は、第一の係止爪部312と、第二の係止爪部313とのうちの一つのみに設置されてもよく、それに対応して、第二の係止部414は、その第二の方向y上の一側のみに第四の突起4101を設置してもよく、この実施の形態によって、二重係止爪構造と第二の係止部414の第一の方向xにおける互いの係止を実現することもできる。
【0136】
また、説明すべきこととして、本出願の実施例では、第二の係止部414が第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間に取り付けられた後に、第三の突起3101と第四の突起4141の相対位置の設計について、第四の突起4141が第三の突起3101に対して電池セル20に向かって設置されればよい。そのため、第四の突起4141は、第二の規制部410の、電池セル20から離れる端に設置されてもよいほか、第二の規制部410の他の位置に設置されてもよい。第三の突起3101は、第一の係止爪部312及び/又は第二の係止爪部313の、電池セル20に近い端に設置されてもよいほか、第一の係止爪部312及び/又は第二の係止爪部313の他の位置に設置されてもよい。本出願の実施例は、第三の突起3101と第四の突起4141の具体的な位置に対して限定しない。
【0137】
選択的に、図12に示される実施の形態では、第三の突起3101と第四の突起4141は、いずれもブロック状突起であり、無論、他の実施の形態において、この第三の突起3101と第四の突起4141は、他の形状の突起であってもよく、本出願の実施例は、この第三の突起3101と第四の突起4141の形状に対しても具体的に限定しない。
【0138】
本出願の別の実施例では、第三の突起3101の、電池セル20に近い端には、第三の傾斜面3102が設置され、第四の突起4141の、電池セル20から離れる端には、第四の傾斜面4142が設置され、この第三の傾斜面3102と第四の傾斜面4142は、互いに対応し、且つそれぞれ電池セル20の第一の壁201に垂直な平面に傾斜している。
【0139】
図12に示される実施例に基づき、図13には、本出願の一実施例による電池10の別の局所拡大概略図が示されており、ここで、図13における(a)図は、局所拡大分解概略図であり、図13における(b)図は、局所拡大組み立て概略図である。
【0140】
図13に示すように、第二の係止部414上の第四の突起4141の、電池セル20に近い端には、第四の傾斜面4142が設置され、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313上の第三の突起3101の、電池セル20から離れる端には、第三の傾斜面3102が設置される。第二の係止部414が第一の係止爪部312と第二の係止爪部313に取り付けられるプロセスで、第三の傾斜面3102と第四の傾斜面4142は、対向して設置され、且つスライド可能に互いに付設されることができ、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313は、その第三の傾斜面3102によって第二の係止部414の第四の傾斜面4142にスライドして接触することによって、第二の係止部414が第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間に取り付けられることを容易にする。
【0141】
選択的に、第三の傾斜面3102と第四の傾斜面4142は、第二の係止部414の第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間のスライド取り付けを最適化するように、互いに平行であってもよい。
【0142】
本出願の実施例の技術案によって、第一の係止爪部312及び/又は第二の係止爪部313に第三の突起3101が設置され、且つ第二の係止部414には、第三の突起3101と互いに嵌合する第四の突起4141が設置される上で、この第三の突起3101と第四の突起4141には、それぞれ互いに嵌合する傾斜面が設置されてもよく、第二の係止部414と第一の係止爪部312及び第二の係止爪部313とが比較的に優れている係止効果を有することができることを保証すると同時に、第二の係止部414の第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間の取り付け効率をさらに向上させることによって、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性を保証すると同時に、消防ダクト30の電池10における取り付け効率を向上させることができる。
【0143】
図13に示される実施例に基づき、図14は、本出願の一実施例による電池10の別の斜視分解概略図を示した。
【0144】
図14に示すように、本出願の実施例では、第一の規制部310は、二重係止爪構造であり、この二重係止爪構造は、第三の方向zに沿って延び、固定具40における第二の規制部410は、第三の方向zに沿ってこの二重係止爪構造をスライドすることができ、ここで、第三の方向zは、電池セル20の第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に平行である。
【0145】
具体的には、二重係止爪構造の第一の規制部310において、第一の係止爪部312と第二の係止爪部313は、第三の方向zに沿って延び、第三の方向zにおいて一定の長さを有することができ、それによって固定具40における第二の規制部410が第三の方向zに沿ってこの第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間をスライドすることができることを容易にする。
【0146】
電池セル20の運行中、その内部の化学反応により、電池セル20内部のガスが膨張することで、電池セル20もそれに応じて膨張している。電池セル20が第三の方向zにおいて膨張している場合、その第一の壁201に位置する固定具40の位置変化を引き起こし、ないしこの固定具40上の第二の規制部410の位置変化を引き起こす。第二の規制部410が、第三の方向zに沿って第一の規制部310の第一の係止爪部312と第二の係止爪部313との間をスライドすることができるため、電池セル20の膨張が第二の規制部410の位置変化を引き起こしても、消防ダクト30への影響が比較的に小さく、又は影響がないため、電池セル20が膨張しても、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性は、依然として比較的に高い。
【0147】
選択的に、図14に示すように、本出願の実施例では、二重係止爪構造の第一の規制部310が第三の方向zに沿って延びるほか、選択的に、固定具40における第二の規制部410は、第三の方向zに沿って延びることによって、第二の規制部410と二重係止爪構造との間の取り付けの信頼性を向上させてもよい。
【0148】
また、本出願の実施例における固定具40に対して、その第二の規制部410の構造が図9に示す技術案と異なるほか、この固定具40の他の関連技術案、上記の図9に示される実施例の関連記述を参照すればよく、ここでこれ以上具体的に説明しない。
【0149】
選択的に、例示であり、限定的ではないが、図14に示される実施の形態では、第三の方向zにおいて、二重係止爪構造の第一の規制部310の延在長さは、消防ダクト30の延在長さと同じである。しかし、別のいくつかの実施の形態において、第三の方向zにおいて、二重係止爪構造の第一の規制部310の延在長さは、消防ダクト30の延在長さよりも小さくてもよい。具体的には、第三の方向zにおいて、この第一の規制部310の延在長さは、第二の規制部410の延在長さにマッチングし対応する。
【0150】
上記の図9に示される実施の形態の関連記述を参照し、第一の規制部310の第三の方向zにおける延在長さが消防ダクト30の第三の方向zにおける延在長さと同じである場合、消防ダクト30がその第一の規制部310によって位置が異なる複数の固定具40に容易に取り付けられることができ、それによって消防ダクト30の電池10における取り付け効率を向上させ、消防ダクト30がより多くの応用シナリオに適用されることができ、消防ダクト30の様々な異なるタイプの電池10における普及と使用を有利にすることができる。第一の規制部310の第三の方向zにおける延在長さが、消防ダクト30の第三の方向zにおける延在長さよりも小さい場合、消防ダクト30全体の製造コストを低減することができる。
【0151】
上記図4から図14に示される実施例の技術案を総合し、本出願では、消防ダクト30は、少なくとも一対の第一の規制部310を含んでもよく、第二の方向yにおいて、各一対の第一の規制部310は、それぞれ消防ダクト30の両側に位置し、固定具40は、少なくとも一対の第二の規制部410を含んでもよく、各一対の第二の規制部410と各一対の第一の規制部310は、対応して設置される。
【0152】
選択的に、消防ダクト30は、一対の第一の規制部310を含んでもよく、第二の方向yにおいて、この一対の第一の規制部310は、それぞれ消防ダクト30の両側に位置し、且つこの一対の第一の規制部310の第三の方向zにおける延在長さは、消防ダクト30の延在長さ以下である。この実施の形態において、固定具40は、少なくとも一対の第二の規制部410を含み、この少なくとも一対の第二の規制部410のうち、各一対の第二の規制部410は、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側に対応して位置し、且つこの各一対の第二の規制部410は、いずれもこの一対の第一の規制部310に対応して設置される。
【0153】
選択的に、消防ダクト30は、複数対の第一の規制部310を含んでもよく、第二の方向yにおいて、この複数対の第一の規制部310のうちの各一対の第一の規制部310は、それぞれ消防ダクト30の両側に位置し、この各一対の第一の規制部310の第三の方向zにおける延在長さは、消防ダクト30の延在長さよりも小さい。この実施の形態において、固定具40は、複数対の第二の規制部410を含み、この複数対の第二の規制部410のうち、各一対の第二の規制部410は、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側に対応して位置し、第三の方向zにおいて、この複数対の第二の規制部410は、複数対の第一の規制部310と一対一で対応して設置されてもよい。
【0154】
本出願の実施例の技術案によって、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側には、少なくとも一対の第一の規制部310が設置され、この少なくとも一対の第一の規制部310は、それに対応する少なくとも一対の第二の規制部410と互いに嵌合することによって、消防ダクト30に対して第二の方向yにおいて比較的に確実且つ安定している規制と固定を実現し、それによって、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性を向上させる。
【0155】
上記出願の実施例の技術案のほか、別のいくつかの実施の形態では、第一の規制部310は、消防ダクト30の第二の方向yにおける両側に設置されず、消防ダクト30の電池セル20に向かう側に設置され、即ち消防ダクト30の第一の方向xにおける一側に設置されてもよい。又は、第一の規制部310は、消防ダクト30の第三の方向zにおける両側に設置されてもよい。本出願の実施例は、第一の規制部310の消防ダクト30における具体的な位置と数に対して具体的に限定せず、第一の規制部310と固定具40上の第二の規制部410が互いに嵌合して、消防ダクト30の電池10における安定した取り付けを実現できればよいことを目的とする。
【0156】
また、本出願では、第一の規制部310は、上記の出願の実施例に記載の単一の係止爪構造又は二重係止爪構造であってもよいほか、第一の規制部310は、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性をさらに補強するように、三係止爪構造又はより多くの数の係止爪構造であってもよい。この場合、多係止爪構造の各係止爪について、上記の実施例の関連技術案を参照すればよく、且つ多係止爪構造に対応する第二の規制部410は、上記の実施例の関連技術案を参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0157】
図15は、本出願の一実施例による電池10の別の斜視分解概略図を示した。
【0158】
図15に示すように、電池10は、複数の第三の方向zに沿って互いに付設され、並ぶ電池セル20を含み、消防ダクト30は、この第三の方向zに沿って延び、これらの複数の電池セル20における放圧機構213と対応して設置される。
【0159】
選択的に、図15に示すように、第三の方向zに沿って並ぶ一列の電池セル20のうち、一部の電池セル20と消防ダクト30との間のみには、固定具40が設置される。この消防ダクト30には、第一の規制部310が設置され、且つ固定具40には、第二の規制部410が設置され、この第一の規制部310と第二の規制部410の関連技術案は、上記の図4から図14のいずれか一つの実施例における技術案を参照すればよい。
【0160】
この実施の形態の技術案により、消防ダクト30の電池10における固定の安定性を保証すると同時に、電池10において固定具40の数を減らすことができ、それによって電池10の製造コストを低減することができる。
【0161】
選択的に、図15に示される実施の形態では、固定具40が設置される電池セル20間には、固定具40が設置されていない少なくとも一つの電池セルが介在する。この実施の形態において、固定具40のサイズは、比較的に大きく設定されてもよく、例えば、第三の方向zにおいて、この固定具40は、その位置する電池セル20の第一の壁201に設置されてもよいほか、その位置する電池セル20に隣接する電池セル20の第一の壁201に設置されてもよい。そのため、この実施の形態の技術案により、比較的に大きいサイズの固定具40を利用して固定具40の電池セル20における比較的に安定且つ確実な固定を実現することができる一方、この比較的に大きいサイズの固定具40には、比較的に大きいサイズの第二の規制部410が設置されて、第二の規制部410と消防ダクト30上の第一の規制部310との間の取り付けの信頼性を向上させることによって、消防ダクト30の電池10における取り付けの安定性を向上させることができる。
【0162】
理解できるように、図15に示す電池10において、電池10は、複数の電池セル20を収容するための筐体100をさらに含んでもよく、例えば、図15に示す筐体100は、第二の方向yに沿って並ぶ二列の電池セル20を収容するために用いられてもよく、一列の電池セル20のうちの複数の電池セル20は、第三の方向zに沿って並ぶ。例として、図15において二列の電池セル20における一列のみが示されている。
【0163】
さらに理解できるように、上記の図4から図8、及び図10から図13における断面概略図は、図15においてC-C’方向に沿う断面概略図であってもよく、上記の図9図14に示す斜視概略図は、図15における局所斜視図であってもよい。言い換えれば、上記の図4から図14のいずれか一つの出願の実施例の技術案は、いずれも図15に示す出願の実施例に応用されてもよい。
【0164】
上記の出願の実施例では、消防ダクト30の管壁は、厚さが均一な管壁であってもよく、この実施の形態において、消防ダクト30の製造方式は、比較的に容易であり、且つ製造プロセスは、相対的に成熟している。
【0165】
選択的に、消防ダクト30の強度をさらに増やし、消防ダクト30の耐衝撃能力を向上させて、消防ダクト30の電池10における消防と温度調節機能を保障するために、消防ダクト30の少なくとも一部の管壁の厚さは、より厚く設計されてもよい。
【0166】
いくつかの可能な実施の形態では、消防ダクト30は、第一の方向xに沿って対向して設置される第一の管壁301と第二の管壁302とを含み、第一の管壁301は、第二の管壁302に対して電池セル20から離れており、ここで、第一の管壁301の厚さは、第二の管壁302の厚さよりも大きく、及び/又は、第一の管壁301には、補強材50が設置される。
【0167】
図16は、本出願の一実施例による消防ダクト30の構造概略図を示しており、ここで、図16における(a)図は、消防ダクト30の斜視構造概略図であり、図16における(b)図は、(a)図に示す消防ダクト30の断面概略図である。
【0168】
例示であり、限定的ではないが、図16において、消防ダクト30の断面は、略トラック形であり、ここで、第一の方向xに沿って対向して設置される第一の管壁301と第二の管壁302は、平板状構造であってもよく、この第一の管壁301の第一の方向xにおける厚さは、第二の管壁302の第一の方向xにおける厚さよりも大きい。
【0169】
説明すべきこととして、他の実施の形態において、消防ダクト30は、他の形状のダクト、例えば円形ダクト、四角形ダクト又は多角形ダクトなどであってもよく、この実施の形態において、消防ダクト30の管壁は同様に、第一の方向xに沿って対向して設置される第一の管壁301と第二の管壁302とを含んでもよく、この第一の管壁301と第二の管壁302は、平板状構造、曲面板状構造であってもよく、又は他の形状構造であってもよく、本出願の実施例は、この消防ダクト30、第一の管壁301と第二の管壁302の具体的な形状構造に対して限定しない。
【0170】
本出願の実施例の技術案によって、消防ダクト30において、電池セル20から離れる第一の管壁301の厚さが、電池セル20に近い第二の管壁302の厚さよりも大きいため、電池セル20から離れる第一の管壁301の厚さは、比較的に大きく、且つそれは、比較的に高い強度を有し、外力による消防ダクト30への衝撃を比較的に大きい程度で受け、消防ダクト30の電池10における信頼性を向上させることができる。それと同時に、電池セル20内の排出物が放圧機構213を介して排出される場合、排出物が、厚さが比較的に小さい第二の管壁302をより容易に突き破ることで、消防ダクト30における消防媒体が排出され、それによって、消防作用を果たすことができる一方で、排出物が第二の管壁302によって第一の管壁301に到着すると、比較的に大きい厚さ及び比較的に高い強度を有する第一の管壁301は、この排出物の衝撃を受けることができ、この第一の管壁301が排出物に突き破られにくいため、消防ダクト30における消防媒体が第一の管壁301における切り欠きから排出することを回避し、消防媒体の無駄な浪費を回避することによって、消防ダクト30の消防効果を向上させることができる。
【0171】
選択的に、図16に示される実施の形態では、第一の管壁301は、電池セル20の方向から離れる突起を含み、この突起の設置によって、第一の管壁301の厚さが第二の管壁302の厚さよりも大きいことを実現することができる。この実施の形態において、第一の管壁301の厚さ設計は、消防ダクト30における消防媒体を収容するためのダクト容量に影響しない。無論、他の実施の形態において、消防ダクト30が占有する必要のある取り付け空間を節約するために、この第一の管壁301は、消防ダクト30の内部に向かって適切に突起してもよい。また、図16に示される実施の形態において、第一の管壁301の断面は、略台形であり、他の実施の形態において、この第一の管壁301の断面は、四角形又は他の形状であってもよく、本出願の実施例は、この第一の管壁301の断面の具体的な形状に対して具体的に限定しない。
【0172】
図17は、本出願の一実施例による消防ダクト30の別の構造概略図を示しており、ここで、図17における(a)図は、消防ダクト30の斜視構造概略図であり、図17における(b)図は、(a)図に示す消防ダクト30の断面概略図である。
【0173】
図17に示すように、本出願の実施例による消防ダクト30において、第一の管壁301には、補強材50が設置される。選択的に、第一の管壁301の、電池セル20の方向から離れる側には、補強材50が設置され、この補強材50の設置は、消防ダクト30内のダクト容量に影響しない。
【0174】
選択的に、この補強材50は、条状構造であってもよい。いくつかの関連技術では、この条状構造の補強材50は、補強リブと呼ばれてもよい。第一の管壁301に補強材50を設置することによって、同様に、第一の管壁301の強度を向上させて、第一の管壁301の耐衝撃能力を向上させ、消防ダクト30の電池10における使用の信頼性を向上させることができる。
【0175】
例示であり、限定的ではないが、図17に示される実施の形態では、補強材50は、第二の方向yに沿って延びる少なくとも一つの第一の補強材を含み、この少なくとも一つの第一の補強材は、第三の方向zに沿って並び、及び/又は、補強材50は、第三の方向zに沿って延びる少なくとも一つの第二の補強材を含み、この少なくとも一つの第二の補強材が第二の方向yに沿って並ぶ。
【0176】
選択的に、いくつかの実施の形態では、この第一の補強材の第二の方向yにおけるサイズは、第一の管壁301の第二の方向yにおけるサイズと近似してもよく、又は同じであってもよい。選択的に、別のいくつかの実施の形態において、図17に示すように、この第一の補強材は、第一の規制部材310における接続部311をさらに覆ってもよく、即ち第一の補強材の第二の方向yにおけるサイズは、第一の管壁301と接続部311の第二の方向yにおける合計サイズと近似してもよく、又は同じであってもよい。この少なくとも一つの第一の補強材の設置によって、第一の管壁301の第二の方向yにおける強度を向上させることができる。
【0177】
同様に、第二の補強材の第三の方向zにおけるサイズは、第一の管壁301の第三の方向zにおけるサイズと近似してもよく、又は同じであってもよい。この少なくとも一つの第二の補強材の設置は、第一の管壁301の第三の方向zにおける強度を向上させることができる。
【0178】
理解できるように、第一の管壁301の強度を比較的に大きい程度で向上させるために、別のいくつかの実施の形態において、第一の管壁301は、比較的に大きい厚さを有すると同時に補強材50がさらに設置されてもよい。即ち図16図17に示される実施例の方案を統合し、比較的に高い強度を有する消防ダクト30を得ることができる。
【0179】
図18は、本出願の一実施例による消防ダクト30の別の構造概略図を示しており、ここで、図18における(a)図は、消防ダクト30の斜視構造概略図であり、図18における(b)図は、(a)図に示す消防ダクト30の断面概略図である。
【0180】
図18に示すように、本出願の実施例では、第二の方向yにおいて、第一の管壁301のサイズは、第二の管壁302のサイズよりも大きい。
【0181】
例示であり、限定的ではないが、図18に示される実施例では、消防ダクト30の断面は、逆台形であってもよく、第一の管壁301の第二の方向yにおけるサイズは、第二の管壁302の第二の方向yにおけるサイズよりも大きくてもよい。
【0182】
図18に示される実施例の技術案によって、消防ダクト30において、第一の管壁301と第二の管壁302の第二の方向yにおけるサイズを設計することによって、第一の管壁301の強度を第二の管壁302よりも強くすることができ、即ち第一の管壁301は、比較的に高い強度を有し、外力による消防ダクト30への衝撃を比較的に高い程度で受け、消防ダクト30の電池10における使用の信頼性を向上させることができる。また、電池セル20内部の排出物が放圧機構213を介して第二の管壁302に衝撃を与える場合、第二の管壁302全体が第一の管壁301に付着する可能性があり、第一の管壁301と第二の管壁302のサイズが同じである場合、この互いに付着する第二の管壁302と第一の管壁301は、流路を塞ぐことによって、消防ダクト30における消防媒体が、対応する放圧機構213及び電池セル20内部に流入することを妨げ、消防ダクト30の消防効果に影響を与える。しかし、本出願の実施例の技術案によって、第一の管壁301の第二の方向yにおけるサイズは、第二の管壁302の第二の方向yにおけるサイズよりも大きく、第二の管壁302が第一の管壁301に付着しても、流路を完全に塞ぐことなく、消防媒体が、対応する放圧機構213及び電池セル20内部に流入して、良好な消防作用を果たすことができる。
【0183】
選択的に、図18に示される実施例では、消防ダクト30の第一の管壁301は、上記図16及び/又は図17の技術案を同時に採用すればよく、即ち第一の管壁301の厚さは、第二の管壁302の厚さよりも大きく、及び/又は、第一の管壁301には、補強材50が設置されて、第一の管壁301の強度をさらに向上させる。
【0184】
説明すべきこととして、上記の図16から図18において、消防ダクト30における第一の規制部310は、図8に示す第一の規制部310を例示しており、この図16から図18における第一の規制部310は、上記の図4から図15におけるいずれか一つの実施例における第一の規制部310であってもよい。言い換えれば、図16から図18に示される実施例において、第一の管壁301、第二の管壁302及び補強材50の関連技術案は、上記の図4から図15におけるいずれか一つの実施例に応用されてもよい。
【0185】
本出願の一つの実施例は、電力消費装置をさらに提供し、この電力消費装置は、前記実施例における電池10を含んでもよく、電池10は、この電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる。
【0186】
選択的に、電力消費装置は、車両1、船舶又は宇宙航空機であってもよい。
【0187】
以上、本出願の実施例の電池10と電力消費装置を記述しており、以下は、本出願の実施例の電池の製造方法と装置を記述し、ここで、詳細に記述されていない部分は、前記各実施例を参照すればよい。
【0188】
図19は、本出願の一つの実施例の電池の製造方法300のフローチャートを示した。図19に示すように、この方法300は、以下のようなステップを含んでもよい。
【0189】
S301:電池セル20を提供し、この電池セル20は、第一の壁201を含み、この第一の壁201には、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構213が設置される。
【0190】
S302:消防ダクト30を提供し、この消防ダクト30は、消防媒体を収容するために用いられ、この消防ダクト30は、放圧機構213が作動している時に消防媒体を排出するために用いられる。
【0191】
S303:第一の壁201と消防ダクト30との間に設置される固定具40を提供する。
【0192】
S304:この消防ダクト30を固定具40に固定的に取り付ける。
【0193】
ここで、この消防ダクト30は、第一の規制部310を含み、固定具40は、第二の規制部410を含み、この第一の規制部310と第二の規制部410は、互いに嵌合して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制し、第一の方向xは、第一の壁201に垂直であり、この第二の方向yは、第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に垂直である。
【0194】
図20は、本出願の一つの実施例の電池の製造装置400の概略ブロック図を示した。図20に示すように、電池の製造装置400は、提供モジュール401と、取り付けモジュール402とを含んでもよい。
【0195】
提供モジュール401は、電池セル20を提供するために用いられ、この電池セル20は、第一の壁201を含み、この第一の壁201には、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して内部圧力を逃すための放圧機構213が設置される。
【0196】
この提供モジュール401は、さらに、消防ダクト30を提供するために用いられ、この消防ダクト30は、消防媒体を収容するために用いられ、この消防ダクト30は、放圧機構213が作動している時に消防媒体を排出するために用いられる。
【0197】
この提供モジュール401はさらに、第一の壁201と消防ダクト30との間に設置される固定具40を提供するために用いられる。
【0198】
取り付けモジュール402は、この消防ダクト30を固定具40に固定的に取り付けるために用いられる。
【0199】
ここで、この消防ダクト30は、第一の規制部310を含み、固定具40は、第二の規制部410を含み、この第一の規制部310と第二の規制部410は、互いに嵌合して、第一の方向xと第二の方向yにおいて消防ダクト30を規制し、第一の方向xは、第一の壁201に垂直であり、この第二の方向yは、第一の壁201に平行であり、且つ消防ダクト30の延在方向に垂直である。
【0200】
好ましい実施例を参照して本出願を記述したが、本出願の範囲を逸脱することなく、それを様々な改良を加え、且つ等価物によってそのうちの部材を置き換えることができる。特に、構造衝突がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれもいずれかの方式で組み合わせられてもよい。本出願は、明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に含まれるすべての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11
図12
図13(a)】
図13(b)】
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図18(a)】
図18(b)】
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第一の壁を含む電池セルであって、前記第一の壁には、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構が設置される電池セルと、
消防媒体を収容し、前記放圧機構が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクトと、
前記第一の壁と前記消防ダクトとの間に設置され、前記消防ダクトを固定するための固定具とを含み、
ここで、前記消防ダクトは、第一の規制部を含み、前記固定具は、第二の規制部を含み、前記第一の規制部と前記第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において前記消防ダクトを規制し、前記第一の方向は、前記第一の壁に垂直であり、前記第二の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に垂直である、電池。
【請求項2】
前記第一の規制部は、単一の係止爪構造であり、前記単一の係止爪構造は、接続部と、第一の係止爪部とを含み、前記接続部は、前記消防ダクトの管壁により前記第二の方向に沿って延びて形成され、前記第一の係止爪部は、前記接続部に接続され、前記電池セルに向かって延び、前記第一の係止爪部は、前記第二の規制部に係止される、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第二の規制部は、係止溝構造であり、前記係止溝構造は、前記第二の方向に沿って並ぶ第一の係止溝壁と第二の係止溝壁とを含み、前記第一の係止溝壁と前記第二の係止溝壁は、前記第一の係止爪部を挟持して、前記第一の方向と前記第二の方向において前記消防ダクトを規制するために用いられる、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記第一の係止溝壁及び/又は前記第二の係止溝壁の、前記電池セルから離れる端には、第一の突起が設置され、前記第一の係止爪部の、前記電池セルに近い端には、第二の突起が設置され、前記第一の突起と前記第二の突起は、互いに嵌合して、前記第一の方向において前記消防ダクトを規制する、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記第一の突起の、前記電池セルから離れる端には、第一の傾斜面が設置され、前記第二の突起の、前記電池セルに近い端には、第二の傾斜面が設置され、前記第一の傾斜面と前記第二の傾斜面は、互いに対応し、且つそれぞれ前記第一の壁に垂直な平面に傾斜している、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記係止溝構造は、第三の方向に沿って延び、前記第一の係止爪部は、前記第三の方向に沿って前記係止溝構造をスライドすることができ、ここで、前記第三の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に平行である、請求項3から5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記第一の規制部は、二重係止爪構造であり、前記二重係止爪構造は、接続部と、前記第二の方向に沿って並ぶ第一の係止爪部と第二の係止爪部とを含み、前記接続部は、前記消防ダクトの管壁により前記第二の方向に沿って延びて形成され、前記第一の係止爪部と前記第二の係止爪部は、前記接続部に接続され、前記電池セルに向かって延び、
前記第一の係止爪部と前記第二の係止爪部は、前記第二の規制部を挟持して、前記第一の方向と前記第二の方向において前記消防ダクトを規制するために用いられる、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記第二の規制部は、係止構造であり、前記係止構造は、前記第一の方向に沿って並ぶ第一の係止部と第二の係止部とを含み、前記第一の係止部は、前記固定具により前記電池セルから離れる方向に沿って延びて形成され、前記第二の係止部は、前記第一の係止部の、前記電池セルから離れる端に設置され、前記第二の方向において、前記第二の係止部のサイズは、前記第一の係止部のサイズ以上であり、前記第一の係止爪部及び/又は前記第二の係止爪部は、前記第二の係止部に係止される、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記第一の係止爪部及び/又は前記第二の係止爪部の、前記電池セルに近い端には、第三の突起が設置され、
前記第二の係止部は、前記第二の方向に沿って前記第一の係止部に対して突出する第四の突起を含み、前記第四の突起と前記第三の突起は、互いに嵌合して、前記第一の方向において前記消防ダクトを規制する、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記第三の突起の、前記電池セルに近い端には、第三の傾斜面が設置され、前記第四の突起の、前記電池セルから離れる端には、第四の傾斜面が設置され、前記第三の傾斜面と前記第四の傾斜面は、互いに対応し、且つそれぞれ前記第一の壁に垂直な平面に傾斜している、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記二重係止爪構造は、第三の方向に沿って延び、前記第二の規制部は、前記第三の方向に沿って前記二重係止爪構造をスライドすることができ、ここで、前記第三の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に平行である、請求項7から10のいずれか1項に記載の電池。
【請求項12】
前記第一の規制部は、第三の方向に沿って延び、前記第三の方向において、前記第一の規制部の延在長さは、前記消防ダクトの延在長さと同じであり、ここで、前記第三の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に平行である、請求項1から11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
前記消防ダクトは、少なくとも一対の前記第一の規制部を含み、前記第二の方向において、各一対の前記第一の規制部は、それぞれ前記消防ダクトの両側に位置し、
前記固定具は、少なくとも一対の前記第二の規制部を含み、各一対の前記第二の規制部は、各一対の前記第一の規制部に対応して設置される、請求項1から12のいずれか1項に記載の電池。
【請求項14】
前記消防ダクトは、前記第一の方向に沿って対向して設置される第一の管壁と第二の管壁とを含み、前記第一の管壁は、前記第二の管壁に対して前記電池セルからより離れており、ここで、前記第一の管壁の厚さは、前記第二の管壁の厚さよりも大きく、及び/又は、前記第一の管壁には、補強材が設置される、請求項1から13のいずれか1項に記載の電池。
【請求項15】
前記第二の方向において、前記第一の管壁のサイズは、前記第二の管壁のサイズよりも大きい、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の電池を含み、前記電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するために用いられる、電力消費装置。
【請求項17】
電池の製造方法であって、
第一の壁を含む電池セルを提供することであって、前記第一の壁には、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構が設置されることと、
消防媒体を収容し、前記放圧機構が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクトを提供することと、
前記第一の壁と前記消防ダクトとの間に設置される固定具を提供することと、
前記消防ダクトを前記固定具に固定的に取り付けることとを含み、
ここで、前記消防ダクトは、第一の規制部を含み、前記固定具は、第二の規制部を含み、前記第一の規制部と前記第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において前記消防ダクトを規制し、前記第一の方向は、前記第一の壁に垂直であり、前記第二の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に垂直である、電池の製造方法。
【請求項18】
電池の製造装置であって、
提供モジュールであって、
第一の壁を含む電池セルを提供することであって、前記第一の壁には、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記内部圧力を逃すための放圧機構が設置されること、
消防媒体を収容し、前記放圧機構が作動している時に前記消防媒体を排出するための消防ダクトを提供すること、
前記第一の壁と前記消防ダクトとの間に設置される固定具を提供することに用いられる提供モジュールと、
前記消防ダクトを前記固定具に固定的に取り付けるための取り付けモジュールとを含み、
ここで、前記消防ダクトは、第一の規制部を含み、前記固定具は、第二の規制部を含み、前記第一の規制部と前記第二の規制部は、互いに嵌合して、第一の方向と第二の方向において前記消防ダクトを規制し、前記第一の方向は、前記第一の壁に垂直であり、前記第二の方向は、前記第一の壁に平行であり、且つ前記消防ダクトの延在方向に垂直である、電池の製造装置。
【国際調査報告】