(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】空間光変調器上のレーザ走査による画像プロジェクタ
(51)【国際特許分類】
G03B 21/00 20060101AFI20240116BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20240116BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240116BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G03B21/00 E
G02B26/10 C
G03B21/14 A
H04N5/74 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532272
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 IL2021051510
(87)【国際公開番号】W WO2022130393
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ダンジガー,ヨチャイ
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ,ダニエル
【テーマコード(参考)】
2H045
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2H045AB13
2H045AB38
2H045BA12
2H045BA24
2H045DA11
2K203FA12
2K203FA23
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA22
2K203GA25
2K203GA40
2K203GA44
2K203GA45
2K203GA49
2K203GB33
2K203GB53
2K203HA66
2K203HA67
2K203HA79
2K203HB12
2K203KA42
2K203KA45
5C058BA35
5C058BB25
5C058EA05
5C058EA26
5C058EA27
(57)【要約】
画像プロジェクタは、空間光変調器(SLM)を照明するためのレーザ走査照明装置を用いて、SLMに隣接するか、又はSLMの共役平面内に、角ビームスプレッダ素子、通常はディフューザ又はマイクロレンズアレイ(MLA)が、SLM上のレーザ照明の走査の精度への影響を最小限に抑えながら、出口開口部の充填を強化する。また、走査された照明中のSLMの同期ローリングアップデートのための様々なスキーム、及びバイナリ切り替え可能なSLMを用いるシステムも開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、前記画像は入力デジタル画像の表現であり、前記画像プロジェクタは、
(a)空間光変調器(SLM)であって、SLM解像度を定義するピクセル素子の二次元アレイを提供し、前記ピクセル素子の各々は、前記ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、
(b)二次元走査パターンで、前記空間光変調器の前記二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に前記照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置と、
(c)前記空間光変調器及び前記走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、
(d)前記空間光変調器から照明を投影して、前記出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、
前記コントローラは、
(i)前記入力デジタル画像を処理して、少なくとも1つの次元における前記SLM解像度よりも小さい解像度を有する前記入力デジタル画像の縮小解像度バージョンに実質的に対応する第1の修正画像を生成し、
(ii)前記入力デジタル画像を処理して、前記入力デジタル画像における高い空間周波数変動に対応する、前記SLMのピクセル素子のためのピクセル変調データを含む第2の修正画像を生成し、
(iii)前記第2の修正画像の前記ピクセル変調データに従って、前記SLMを作動させ、かつ
(iv)前記第1の修正画像に従って前記SLMを照明するように、前記二次元アレイを走査しながら、前記照明ビームの前記強度を変調するように前記走査照明装置を駆動し、それによって、前記SLMが、前記デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を投影するように、前記照明の高い空間周波数変調を提供するように構成されている、画像プロジェクタ。
【請求項2】
前記二次元走査パターンは、前記SLMの行と整列された高速方向と、前記SLMの列と整列された低速方向とを有し、前記SLMは、前記照明ビームの前方の前記低速方向に沿って前進するピクセル行のローリングアップデートとして作動される、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項3】
前記コントローラは、前記照明ビームの後方に続くピクセル行のローリングアップデートとして、前記SLMの前記ピクセル素子に反転作動を適用するように更に構成されている、請求項2に記載の画像プロジェクタ。
【請求項4】
前記SLMは、各ピクセル素子が明状態と暗状態との間で切り替え可能である強誘電液晶ディスプレイである、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項5】
前記コントローラは、前記出力画像の対応するサブフィールド内に高解像度出力を生成するために必要とされる前記SLMのサブ領域を決定するために少なくとも1つの基準を適用するように構成されており、前記コントローラは、前記SLMの前記サブ領域を作動させる一方で、前記サブ領域の外側の複数のピクセル素子を作動させないままにするように構成されている、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項6】
前記ピクセル素子が、作動しないときに明状態をとり、前記コントローラが、前記SLMの前記サブ領域の内側及び外側の両方を走査しながら、前記照明ビームの前記強度を変調するために前記走査照明装置を駆動するように構成されている、請求項5に記載の画像プロジェクタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの基準は、高い空間周波数コンテンツを含む前記入力デジタル画像の領域を決定することを含む、請求項6に記載の画像プロジェクタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基準は、視聴者の眼の現在の注視方向に対応する前記出力画像のサブフィールドを決定することを含む、請求項6に記載の画像プロジェクタ。
【請求項9】
前記コントローラは、前記SLMの前記サブ領域のみを照明するように前記走査照明装置を駆動するように構成されている、請求項5に記載の画像プロジェクタ。
【請求項10】
前記SLMに隣接して配備された角ビームスプレッダを更に備える、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項11】
前記SLMに非集束近接で配備されたマイクロレンズアレイ(MLA)を更に備える、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項12】
前記MLAが、前記SLMのピクセル素子ごとに1つのレンズを含み、各レンズが、対応するピクセル素子と整列される、請求項11に記載の画像プロジェクタ。
【請求項13】
前記MLAが、前記SLMの表面に取り付けられている、請求項11に記載の画像プロジェクタ。
【請求項14】
前記MLAが、前記SLMを覆う透過性基板と一体化されている、請求項11に記載の画像プロジェクタ。
【請求項15】
前記MLAが、前記SLMに対して面する関係にあり、前記基板は、前記MLAから離れる方向に面する平面を提供する、請求項14に記載の画像プロジェクタ。
【請求項16】
前記MLAが、第1の屈折率を有する材料から形成され、透過性接着剤は、前記MLAと前記SLMとの間の空間を満たし、前記透過性接着剤は、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する、請求項15に記載の画像プロジェクタ。
【請求項17】
前記基板が、前記SLMにわたって延在する視野レンズの一部である、請求項15に記載の画像プロジェクタ。
【請求項18】
前記視野レンズは、前記SLMから離れる方向に面する平面を提示するダブレットレンズとして実装される、請求項17に記載の画像プロジェクタ。
【請求項19】
(a)前記SLMとコリメーティング装置との間の光路に配備された正の光パワーを有する中間光学装置であって、前記中間光学装置は、画像平面における前記SLMから照明を再集束する、中間光学装置と、
(b)前記画像平面に配備された角ビームスプレッダと、を更に備え、
前記投影光学系は、前記出口ストップに向けられた前記出力画像を生成するために、前記画像平面からの照明を投影するように配備される、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項20】
(a)照明画像平面に配備された角ビームスプレッダであって、前記走査照明装置は、前記照明画像平面で変調走査照明パターンを生成するように構成されている、角ビームスプレッダと、
(b)前記照明画像平面と前記SLMとの間の光路に配備された正の光パワーを有する中間光学装置であって、前記中間光学装置は、前記SMLにおける前記画像平面からの照明を再集束する、中間光学装置と、を更に備える、請求項1に記載の画像プロジェクタ。
【請求項21】
前記角ビームスプレッダがマイクロレンズアレイである、請求項19又は20に記載の画像プロジェクタ。
【請求項22】
出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、前記画像は入力デジタル画像の表現であり、前記画像プロジェクタは、
(a)行及び列に配置されたピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、前記ピクセル素子の各々は、前記ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、
(b)二次元走査パターンで、前記空間光変調器の前記二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に前記照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置であって、前記二次元走査パターンは、前記行と整列された高速方向と、前記列と整列された低速方向とを有する、走査照明装置と、
(c)前記空間光変調器及び前記走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、
(d)前記空間光変調器から照明を投影して、前記出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、
前記コントローラは、
(i)前記走査パターンの前記低速方向に沿って前進するピクセル行へのピクセルデータのローリングアップデートで前記SLMを作動させ、
(ii)前記走査照明装置を駆動して、前記ピクセルデータのローリングアップデートの背後で前記低速方向に前進するピクセルの行を照明し、かつ
(iii)前記照明ビームの後方に続くピクセル行のローリングアップデートとして、前記SLMの前記ピクセル素子に反転作動を適用するように構成されている、画像プロジェクタ。
【請求項23】
出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、前記画像は入力デジタル画像の表現であり、前記画像プロジェクタは、
(a)ピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、前記ピクセル素子の各々は、前記ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、
(b)二次元走査パターンで、前記空間光変調器の前記二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に前記照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置と、
(c)前記空間光変調器及び前記走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、
(d)前記空間光変調器から照明を投影して、前記出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、
前記コントローラは、
(i)前記出力画像の対応するサブフィールド内に出力を生成するために必要とされる前記SLMのサブ領域を決定するために少なくとも1つの基準を適用することであって、前記コントローラは、前記SLMの前記サブ領域を作動させる一方で、前記サブ領域の外側の複数のピクセル素子を作動させないままにするように構成されている、適用することと、
(ii)前記デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を少なくとも前記対応するサブフィールドに投影するように、前記SLMの少なくとも前記サブ領域を照明するように前記走査照明装置を駆動することであって、前記ピクセル強度は、前記ピクセル素子の変調状態、及び前記ピクセル素子上に落下する前記走査照明装置からの照明強度によって決定される、駆動することと、を行うように構成されている、画像プロジェクタ。
【請求項24】
前記ピクセル素子が、作動しないときに明状態をとり、前記コントローラが、前記SLMの前記サブ領域の内側及び外側の両方を走査しながら、前記照明ビームの前記強度を変調するために前記走査照明装置を駆動するように構成されている、請求項23に記載の画像プロジェクタ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの基準は、高い空間周波数コンテンツを含む前記入力デジタル画像の領域を決定することを含む、請求項24に記載の画像プロジェクタ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの基準は、視聴者の眼の現在の注視方向に対応する前記出力画像のサブフィールドを決定することを含む、請求項24に記載の画像プロジェクタ。
【請求項27】
前記コントローラは、前記SLMの前記サブ領域のみを照明するように前記走査照明装置を駆動するように構成されている、請求項23に記載の画像プロジェクタ。
【請求項28】
レーザ光源からの走査された方向照明とともに使用するための画像生成アセンブリであって、
(a)ピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、前記ピクセル素子の各々は、前記ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、
(b)前記SLMに隣接して配備された角ビームスプレッダと、を備える画像生成アセンブリ。
【請求項29】
前記SLMは、反射空間光変調器である、請求項28に記載の画像プロジェクタ。
【請求項30】
前記角ビームスプレッダは、前記SLMに非集束近接で配備されたマイクロレンズアレイ(MLA)である、請求項28に記載の画像プロジェクタ。
【請求項31】
前記MLAが、前記SLMのピクセル素子ごとに1つのレンズを含み、各レンズが、対応するピクセル素子と整列される、請求項30に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項32】
前記MLAが、前記SLMの表面に取り付けられている、請求項30に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項33】
前記MLAが、前記SLMを覆う透過性基板と一体化されている、請求項30に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項34】
前記MLAが、前記SLMに対して面する関係にあり、前記基板は、前記MLAから離れる方向に面する平面を提供する、請求項30に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項35】
前記MLAが、第1の屈折率を有する材料から形成され、透過性接着剤は、前記MLAと前記SLMとの間の空間を満たし、前記透過性接着剤は、前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する、請求項34に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項36】
前記基板が、前記SLMにわたって延在する視野レンズの一部である、請求項34に記載の画像生成アセンブリ。
【請求項37】
前記視野レンズは、前記SLMから離れる方向に面する平面を提示するダブレットレンズとして実装される、請求項36に記載の画像生成アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像プロジェクタに関するものであり、特に、空間光変調器を照明するための様々な構成を有する画像プロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)、デジタル光処理(DLP)チップ又は液晶オンシリコン(LCOS)変調器などの空間光変調器(SLM)を照明し、ユーザが見るために画像を投影することによって画像を投影することが知られている。そのようなプロジェクタはニアアイディスプレイで使用されることが多く、投影された画像は典型的にコリメートされ、ライトガイドに導入され、ライトガイドに沿って、画像が、典型的には、部分的に反射面によって、又は回折素子によって、ユーザの眼に対してカップルアウトされるまで、内部反射によって伝播し、これは、画像が眼に向かって投影される有効な光学開口部の拡大に寄与し得る。
【0003】
先行公開のWO2019/111237(A1)は、LCOS変調器にわたって照明源を切り替え又は走査することによってSLMの照明が順次行われるプロジェクタを開示している。ここでは、前述の公開の
図9A及び12Bが
図1A及び1Bとして再現され、ここで、括弧内では、元の参照符号が参照される。レーザ(10)は、レンズ(12)によって集束された光を透過する。収束ビームは、走査ミラー(14)によって偏光ビームスプリッタ(PBS1)上に反射される。反射レンズ(R1)は、LCOS(20)に集束されるように、第2の偏光ビームスプリッタ(PBS2)を介してビームを更に集束させる。反射されたビームは、第3の偏光ビームスプリッタ(PBS3)によって、コリメート反射レンズ(22)に反射される。次に、コリメートされたビームは、導波路への入口開口部でもある開口部(24)を出る。前述の参照文献はまた、LCOSの活性化が、照明線の線形走査と同期することができることを開示している(
図1B)。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、画像プロジェクタである。
【0005】
本発明の実施形態の教示によれば、出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、画像は入力デジタル画像の表現であり、画像プロジェクタは、(a)空間光変調器(SLM)であって、SLM解像度を定義するピクセル素子の二次元アレイを提供し、ピクセル素子の各々は、ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、(b)二次元走査パターンで、空間光変調器の二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置と、(c)空間光変調器及び走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、(d)空間光変調器から照明を投影して、出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、コントローラは、(i)入力デジタル画像を処理して、少なくとも1つの次元におけるSLM解像度よりも小さい解像度を有する入力デジタル画像の縮小解像度バージョンに実質的に対応する第1の修正画像を生成し、(ii)入力デジタル画像を処理して、入力デジタル画像における高い空間周波数変動に対応する、SLMのピクセル素子のためのピクセル変調データを含む第2の修正画像を生成し、(iii)第2の修正画像のピクセル変調データに従ってSLMを作動させ、かつ(iv)第1の修正画像に従ってSLMを照明するように、二次元アレイを走査しながら、照明ビームの強度を変調するように走査照明装置を駆動し、それによって、SLMが、デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を投影するように、照明の高い空間周波数変調を提供するように構成されている、画像プロジェクタが提供される。
【0006】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、二次元走査パターンは、SLMの行と整列された高速方向と、SLMの列と整列された低速方向とを有し、SLMは、照明ビームの前方の低速方向に沿って前進するピクセル行のローリングアップデートとして作動される。
【0007】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、コントローラは、照明ビームの後方に続くピクセル行のローリングアップデートとして、SLMのピクセル素子に反転作動を適用するように更に構成されている。
【0008】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、SLMは、各ピクセル素子が明状態と暗状態との間で切り替え可能である強誘電液晶ディスプレイである。
【0009】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、コントローラは、出力画像の対応するサブフィールド内に高解像度出力を生成するために必要とされるSLMのサブ領域を決定するために少なくとも1つの基準を適用するように構成されており、コントローラは、SLMのサブ領域を作動させる一方で、サブ領域の外側の複数のピクセル素子を作動させないままにするように構成されている。
【0010】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、ピクセル素子が、作動しないときに明状態をとり、コントローラが、SLMのサブ領域の内側及び外側の両方を走査しながら、照明ビームの強度を変調するために走査照明装置を駆動するように構成されている。
【0011】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、少なくとも1つの基準は、高い空間周波数コンテンツを含む入力デジタル画像の領域を決定することを含む。
【0012】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、少なくとも1つの基準は、視聴者の眼の現在の注視方向に対応する出力画像のサブフィールドを決定することを含む。
【0013】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、コントローラは、SLMのサブ領域のみを照明するように走査照明装置を駆動するように構成されている。
【0014】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、SLMに隣接して配備された角ビームスプレッダが提供される。
【0015】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、SLMに非集束近接で配備されたマイクロレンズアレイ(MLA)が提供される。
【0016】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMのピクセル素子ごとに1つのレンズを含み、各レンズが、対応するピクセル素子と整列される。
【0017】
本発明の実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMの表面に取り付けられている。
【0018】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMを覆う透過性基板と一体化されている。
【0019】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMに対して面する関係にあり、基板は、MLAから離れる方向に面する平面を提供する。
【0020】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、第1の屈折率を有する材料から形成され、透過性接着剤は、MLAとSLMとの間の空間を満たし、透過性接着剤は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する。
【0021】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、基板は、SLMにわたって延在する視野レンズの一部である。
【0022】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、視野レンズは、SLMから離れる方向に面する平面を提示するダブレットレンズとして実装される。
【0023】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、(a)SLMとコリメーティング装置との間の光路に配備された正の光パワーを有する中間光学装置であって、中間光学装置は、画像平面におけるSLMから照明を再集束する、中間光学装置、及び(b)画像平面に配備された角ビームスプレッダ、も提供され、投影光学系は、出口ストップに向けられた出力画像を生成するために、画像平面からの照明を投影するように配備される。
【0024】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、(a)照明画像平面に配備された角ビームスプレッダであって、走査照明装置は、照明画像平面で変調走査照明パターンを生成するように構成されている、角ビームスプレッダ、及び(b)照明画像平面とSLMとの間の光路に配備された正の光パワーを有する中間光学装置であって、中間光学装置は、SMLにおける画像平面からの照明を再集束する、中間光学装置、も提供される。
【0025】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、角ビームスプレッダはマイクロレンズアレイである。
【0026】
本発明の一実施形態の教示によれば、出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、画像は入力デジタル画像の表現であり、画像プロジェクタは、(a)行及び列に配置されたピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、ピクセル素子の各々は、ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、(b)二次元走査パターンで、空間光変調器の二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置であって、二次元走査パターンは、行と整列された高速方向と、列と整列された低速方向とを有する、走査照明装置と、(c)空間光変調器及び走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、(d)空間光変調器から照明を投影して、出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、コントローラは、(i)走査パターンの低速方向に沿って前進するピクセル行へのピクセルデータのローリングアップデートでSLMを作動させることと、(ii)走査照明装置を駆動して、ピクセルデータのローリングアップデートの背後で低速方向に前進するピクセルの行を照明することと、(iii)照明ビームの後方に続くピクセル行のローリングアップデートとして、SLMのピクセル素子に反転作動を適用することと、を行うように構成されている、画像プロジェクタが更に提供される。
【0027】
本発明の一実施形態の教示によれば、出口ストップを介して画像を投影するための画像プロジェクタであって、画像は入力デジタル画像の表現であり、画像プロジェクタは、(a)ピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、ピクセル素子の各々は、ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、(b)二次元走査パターンで、空間光変調器の二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている走査照明装置と、(c)空間光変調器及び走査照明装置に電子的に接続されたコントローラと、(d)空間光変調器から照明を投影して、出口ストップに向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を備える投影光学系と、を備え、コントローラは、(i)出力画像の対応するサブフィールド内に出力を生成するために必要とされるSLMのサブ領域を決定するために少なくとも1つの基準を適用することであって、コントローラは、SLMのサブ領域を作動させる一方で、サブ領域の外側の複数のピクセル素子を作動されないままにするように構成されている、適用することと、(ii)デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を少なくとも対応するサブフィールドに投影するように、SLMの少なくともサブ領域を照明するように走査照明装置を駆動することであって、ピクセル強度は、ピクセル素子の変調状態、及びピクセル素子上に落下する走査照明装置からの照明強度によって決定される、駆動することと、を行うように構成されている、画像プロジェクタが更に提供される。
【0028】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、ピクセル素子は、作動しないときに明状態をとり、コントローラは、SLMのサブ領域の内側及び外側の両方を走査しながら、照明ビームの強度を変調するために走査照明装置を駆動するように構成されている。
【0029】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、少なくとも1つの基準は、高い空間周波数コンテンツを含む入力デジタル画像の領域を決定することを含む。
【0030】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、少なくとも1つの基準は、視聴者の眼の現在の注視方向に対応する出力画像のサブフィールドを決定することを含む。
【0031】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、コントローラは、SLMのサブ領域のみを照明するように走査照明装置を駆動するように構成されている。
【0032】
本発明の一実施形態の教示によれば、レーザ光源からの走査された方向照明とともに使用するための画像生成アセンブリであって、(a)ピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)であって、ピクセル素子の各々は、ピクセル素子によって透過又は反射された光の特性を変調するように制御可能である、空間光変調器(SLM)と、(b)SLMに隣接して配備された角ビームスプレッダと、を備える画像生成アセンブリが更に提供される。
【0033】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、SLMは、反射空間光変調器である。
【0034】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、角ビームスプレッダは、SLMに非集束近接で配備されたマイクロレンズアレイ(MLA)である。
【0035】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMのピクセル素子ごとに1つのレンズを含み、各レンズが、対応するピクセル素子と整列される。
【0036】
本発明の実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMの表面に取り付けられている。
【0037】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMを覆う透過性基板と一体化されている。
【0038】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、SLMに対して面する関係にあり、基板は、MLAから離れる方向に面する平面を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、MLAは、第1の屈折率を有する材料から形成され、透過性接着剤は、MLAとSLMとの間の空間を満たし、透過性接着剤は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する。
【0040】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、基板は、SLMにわたって延在する視野レンズの一部である。
【0041】
本発明の一実施形態の更なる特徴によれば、視野レンズは、SLMから離れる方向に面する平面を提示するダブレットレンズとして実装される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
発明を、添付の図面を参照して、実施例として本明細書に記載する。
【
図1A】
図1A及び1Bは、上記で参照され、それぞれ、先行公開のWO2019/111237(A1)の
図9A及び12Bに対応する。
【
図1B】
図1A及び1Bは、上記で参照され、それぞれ、先行公開のWO2019/111237(A1)の
図9A及び12Bに対応する。
【
図2A】本発明の一実施形態の教示に従って構築され、動作可能である画像プロジェクタの概略図であり、空間光変調器(SLM)の前の共役焦点面に角ビームスプレッダを用いる。
【
図2B】本発明の更なる実施形態の教示に従って構築され、動作可能である画像プロジェクタの概略図であり、SLMの後の共役焦点面に角ビームスプレッダを用いる。
【
図3】本発明の更なる実施形態の教示に従って構築され、動作可能である画像プロジェクタの概略図であり、SLMに隣接する角ビームスプレッダを用いる。
【
図4A】偏光ビームスプリッタプリズムを用いた
図3の構成のコンパクトな実施態様の概略側面図である。
【
図4B】SLM以降の光学系を通る複数の光線経路を示す、
図4Aと類似した部分図である。
【
図5A】反射SLMの表面から反射された入射光の光線経路上にマイクロレンズアレイ(MLA)として実装された角ビームスプレッダの効果を表す拡大概略側面図である。
【
図5B】入射照明及び反射照明の全体的な角度エンベロープを示す
図5Aに類似した図である。
【
図6A】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6B】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6C】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6D】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6E】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6F】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図6G】
図6A~6Gは、反射SLMと隣接したMLAの代替実施態様の概略図であり、MLAは、それぞれ、隣接した基板の外側上に、隣接した基板の内側上にあり、ピクセル素子ごとに1つのマイクロレンズを有するSLMの表面に直接適用され、各マイクロレンズが2つ以上のピクセル素子と重複するSLMの表面に直接適用され、屈折率不整合接着剤でSLMに接合され、視野レンズと一体化され、負の光パワーで実装される。
【
図7】SLMの実施態様のより詳細を例示する、
図6Cと類似した概略図である。
【
図8】
図7に類似するが、透過性SLMを用いた用途を例示する概略図である。
【
図9A】本発明の実施態様による、SLMピクセル状態のローリングアップデートの進行に続く二次元照明走査パターンを示す概略図である。
【
図9B】作動からの時間の関数としてのLCDピクセルコントラストを例示する概略グラフである。
【
図9C】
図9Aの実施態様のための線形走査方向における照明走査ミラーの角度変位を示す概略グラフである。
【
図10A】
図10A及び10Bは、本発明の双方向走査実施態様による、SLMピクセル状態のローリングアップデートの進行の2つの段階に続く二次元照明走査パターンを示す概略図である。
【
図10B】
図10A及び10Bは、本発明の双方向走査実施態様による、SLMピクセル状態のローリングアップデートの進行の2つの段階に続く二次元照明走査パターンを示す概略図である。
【
図10C】
図10A及び10Bの実施態様のための線形走査方向における照明走査ミラーの角度変位を例示する概略グラフである。
【
図11A】
図11A~11Cは、第1の方向での照明走査中に複数ピクセルの更新が実行され、更新なしで逆走査が実行される変形実施態様についての、それぞれ
図10A~10Cと類似した図である。
【
図11B】
図11A~11Cは、第1の方向での照明走査中に複数ピクセルの更新が実行され、更新なしで逆走査が実行される変形実施態様についての、それぞれ
図10A~10Cと類似した図である。
【
図11C】
図11A~11Cは、第1の方向での照明走査中に複数ピクセルの更新が実行され、更新なしで逆走査が実行される変形実施態様についての、それぞれ
図10A~10Cと類似した図である。
【
図12A】
図12A~12Dは、
図11A及び11Bと同様の図であり、2つの別々の半分で更新されたSLMの4つの連続した動作段階を示す。
【
図12B】
図12A~12Dは、
図11A及び11Bと同様の図であり、2つの別々の半分で更新されたSLMの4つの連続した動作段階を示す。
【
図12C】
図12A~12Dは、
図11A及び11Bと同様の図であり、2つの別々の半分で更新されたSLMの4つの連続した動作段階を示す。
【
図12D】
図12A~12Dは、
図11A及び11Bと同様の図であり、2つの別々の半分で更新されたSLMの4つの連続した動作段階を示す。
【
図13A】本発明の態様による、データロード、作動、ピクセルのコントラスト応答、照明、及び逆作動の所与のピクセル素子の時間関係を例示する概略グラフである。
【
図13B】
図13Aのシーケンスを達成するためのSLMにわたるピクセル素子のローリングアップデート、走査照明、及びリセットの概略図である。
【
図14A】走査照明装置によって達成可能な、ピクセルの列に沿って出力された所望のピクセル画像及び対応する照明パターンの概略図である。
【
図14B】所望のピクセル画像出力を達成するための本発明の一態様によるピクセル活性化パターンの概略図であり、SLMは、特定の領域において選択的に作動され、他の領域において非作動にされる(又はゼロ信号で作動される)。
【
図14C】
図14Aの照明パターンを
図14Bのピクセル作動パターンと組み合わせることによって生成される、対応画像出力の例である。
【
図15A】並列関係で各RGB色の2つのビームを有する複数のビームレーザ走査アレイの概略図である。
【
図15B】所与の色の2つのレーザ間のバランスを変更することによって達成され得る光学強度の全体的な分布を例示する。
【
図15C】上記効果を使用して、照明走査パターンにおける線形走査への改善された近似を提供することができる方法を例示する。
【
図16】本発明の更なる態様による出力画像を生成するための走査された照明装置及びSLM作動を駆動するための2つの並列画像処理プロセスの寄与を例示する流れ図である。
【
図17A】
図17A及び17Bは、それぞれ、レーザスキャナだけで達成することができ、バイナリモードでのSLMの動作によって強化されることができるピクセルの行に沿った距離での画像出力強度の変化を例示する。
【
図17B】
図17A及び17Bは、それぞれ、レーザスキャナだけで達成することができ、バイナリモードでのSLMの動作によって強化されることができるピクセルの行に沿った距離での画像出力強度の変化を例示する。
【
図17C】
図17C及び17Dは、それぞれ
図17A及び17Bと類似した図であり、走査された照明パターンを広げる効果を示す。
【
図17D】
図17C及び17Dは、それぞれ
図17A及び17Bと類似した図であり、走査された照明パターンを広げる効果を示す。
【
図18】上記プロセスを例示し、入力デジタル画像、対応するレーザ照明画像、及びレーザ照明画像がSLMによって変調されたときの出力を示す。
【
図19A】SLMマトリックスを横切って走査する異なる色の空間的変化を示す概略グラフである(マトリックスは、走査ごとに異なるプロファイルに設定される)。
【
図19B】
図9Aと類似した概略図であり、ローリング作動を伴う二次元走査の適用を例示し、ここで、ピクセル値が対応する色について適切なバイナリ画像で同期的に更新される一方、レーザは、異なる色を有する別々の線を同時に走査する。
【
図19C】
図19C及び19Dは、
図18のものと類似したカラー画像のレーザ照明の例を示し、それぞれ、バイナリSLMピクセルマトリックスによる変調がある場合、及びない場合が示されている。
【
図19D】
図19C及び19Dは、
図18のものと類似したカラー画像のレーザ照明の例を示し、それぞれ、バイナリSLMピクセルマトリックスによる変調がある場合、及びない場合が示されている。
【
図20A】
図20A及び20Bは、バイナリ切り替え可能なピクセルアレイを使用してピクセル解像度の見かけ上のグレースケールの画像変化を達成するための異なるSLMピクセル作動パターンを有する連続走査の使用を示し、
図20Aは、3つの連続走査のピクセルパターンを例示し、
図20Bは、全体的な知覚画像強度を示す。
【
図20B】
図20A及び20Bは、バイナリ切り替え可能なピクセルアレイを使用してピクセル解像度の見かけ上のグレースケールの画像変化を達成するための異なるSLMピクセル作動パターンを有する連続走査の使用を示し、
図20Aは、3つの連続走査のピクセルパターンを例示し、
図20Bは、全体的な知覚画像強度を示す。
【
図20C】
図20C及び20Dは、それぞれ、
図20A及び20Bと類似した図であり、連続する2回の走査のみで
図20Bと類似した結果を達成するために、異なるピクセル作動パターン及び異なる照明強度の組み合わせが使用される。
【
図20D】
図20C及び20Dは、それぞれ、
図20A及び20Bと類似した図であり、連続する2回の走査のみで
図20Bと類似した結果を達成するために、異なるピクセル作動パターン及び異なる照明強度の組み合わせが使用される。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、画像プロジェクタ、並びにその構成要素及び動作モードである。
【0044】
本発明による画像プロジェクタの原理及び動作は、図面及び添付の説明を参照することによってより良く理解することができる。
【0045】
前置きとして、本発明は、空間光変調器(SLM)の走査照明を提供するために1つ以上のレーザが使用される画像プロジェクタの様々な態様に関する。本明細書に記載される主題は、本発明のいくつかの態様に細分化することができ、これらの態様の各々は、それ自体では単体の状態であるが、最も好ましくは、組み合わせると効果的に使用される。
【0046】
本発明の第1の態様は、SLMに隣接するか、又はSLMと共役平面内にある、通常はディフューザ又はマイクロレンズアレイ(MLA)である様々な角ビームスプレッダ素子、及び画像プロジェクタデバイスの対応する構造的特徴を用いることによって、画像プロジェクタの出口開口部にわたる画像均一性の強化に関する。
【0047】
本発明の更なる態様は、高品質の投影画像を生成するために相乗効果でSLM及び走査レーザ照明を用いる新規アプローチを有する画像プロジェクタに関し、場合によっては、ピクセル当たり2つの輝度レベルのみを有するバイナリ切り替え可能SLMとともに使用するのに適している。
【0048】
本発明の更なる態様は、SLM及び走査された照明系の同期動作のための様々な改善された技術に関する。本発明のこれら及び他の態様は、以下の説明からより明確になるであろう。
【0049】
本発明の様々な態様は、投影画像をコリメートする投影光学系を備えた画像プロジェクタの文脈で提示される。そのような実施態様は、ライトガイド光学素子(LOE、代替的に導波路と称される)にコリメートされた画像を導入する画像プロジェクタに特に好適であり、仮想現実及び拡張現実ディスプレイシステムで一般的であるように、全内部反射によってユーザの前に画像を伝達するための2つの主要な平行な外面を有し、ユーザの眼に向かってカップルアウトされている。本発明の好ましい実施形態であるこのようなシステムは、典型的には、画像照明をユーザの眼に向かって漸進的にカップルアウトするために、波導主表面又は回折光学素子に対する斜角での部分反射内面の装置を用いる。そのような装置は、当技術分野でよく知られており、多数の供給源から市販されているため、ここでは更に詳細に説明しない。しかしながら、本発明は、導波路ベースのディスプレイに限定されず、非導波路ベースの仮想現実ディスプレイを含むがこれらに限定されない様々な用途のために、例えば、有限焦点距離を有する投影光学系などの投影光学系の代替設計、及び画面への後方投影又は前方投影のいずれかのために、画像を表面に投影するためのプロジェクタによって実装され得ることに留意されたい。
【0050】
本発明の様々な態様は、液晶ディスプレイ(LCD)などの透過SLM、及びデジタル光処理(DLP)チップ又は液晶オンシリコン(LCOS)変調器などの反射SLMを含む、広範囲の異なる種類の空間光変調器(SLM)を用いるデバイスにも適用可能である。変調が偏光の変化を通して行われるLCD及びLCOS実施態様において、光学装置は、画像から拒絶される照明から画像照明を選択するために必要な様々な偏光子及び/又は他の要素を暗黙的に含む。これらの構成要素は、そのような画像生成装置の標準的な特徴であり、明示的に説明されていない場合でも存在すると理解される。構成は、単一チップ実装として本明細書に示され、これは、モノクロディスプレイであってもよく、又は3つの異なる色による照明を使用してカラー出力画像を生成してもよい(特定の実施態様で以下に論じられるように、順次又は並行して行われてもよい)。しかしながら、当業者には明らかなように、3チップのアーキテクチャに基づくカラーディスプレイもまた、本発明の様々な態様を使用して実装され得ることに留意されたい。
【0051】
ここで、本発明の第1の態様に目を向けると、SLMを照明するためのレーザ照明の走査されたビームを使用することは、多くの利点(以下に記載されるものなど)を提供するが、出口開口部の均一充填を達成することに対する課題を提示する。具体的には、走査されたレーザ照明は典型的には高度に指向性であり、一方、SLMの特性は、典型的には透過SLMに対して非分散性であり、主に反射SLMに対して鏡面反射である。結果として、SLMの各領域は、典型的には、比較的狭い範囲の入射角を有するビームによって照明され、投影光学系に向かって伝播する変調されたビームは、したがって、典型的には、対応する比較的狭い範囲の角度をカバーし、潜在的には、出口開口部の部分的な充填のみをもたらす。一方、レーザ照明が光源又は走査光学系内で広範囲に広がる場合、これは、SLM上の照明パターンを正確に制御する能力を損なう。
【0052】
この問題に対処するために、本発明は、SLMに隣接するか、又は共役平面内に、通常はディフューザ又はマイクロレンズアレイ(MLA)の角ビームスプレッダ素子を実装するための様々な解決策を提供し、それによって、SLM上のレーザ照明の走査の精度への影響を最小限に抑えながら、出口開口部の効果的な充填を達成する。
【0053】
ここで、
図2Aを参照すると、本発明の一実施形態に従って構築され動作する、出口ストップ(出口瞳)24を介して画像を投影するための画像プロジェクタが示されており、画像は入力デジタル画像を表す。概して、画像プロジェクタは、ピクセル素子の二次元アレイを提供する空間光変調器(SLM)20を含み、ピクセル素子の各々は、ピクセル素子によって透過又は反射される光の特性を変調するように制御可能である。概略図を簡略化するために、SLM20は、ここでは、透過性SLMジオメトリで示されるが、光学的に同等のシステムが、反射性SLMを用いてもよい。
【0054】
走査照明装置は、二次元走査パターンで、空間光変調器の二次元アレイを横切って照明ビームを走査し、それと同時に照明ビームの強度を同期的に変調するように配備されている。構造的には、走査照明装置は、好ましくは、1つ以上のレーザ10、最も好ましくは、異なる色の少なくとも3つのレーザのセットを含み、いくつかの好ましい場合には、当技術分野で知られているように、3つの色の各々のための2つのレーザを含む6つのレーザのアレイ、ビームシェイピング光学系12、及び走査機構14を含み、これは典型的には、2つの直交軸を中心に回転させるために駆動される2つの高速走査ミラー、又は全てが好適なアクチュエータ及びドライバ回路を備えた単一の2軸ミラーを含む。走査照明装置の主要なサブ構成要素は、ここでは概略的にのみ示されるが、構造的詳細は、当業者には明らかであろう。
【0055】
コントローラ15は、SLM20及び走査照明装置(レーザ10及び走査機構14)と電子的に接続されている。コントローラ15は、典型的には、入力デジタル画像(例えば、ビデオ画像のシーケンス)を受信し、SLM及び走査照明装置を同期的に作動させて、入力デジタル画像の所望の視覚的表現である投影画像を生成するための、本明細書に記載されている様々な機能を実行するのに十分な、1つ以上のプロセッサ、データストレージコンポーネント、及び入出力コンポーネントを含む。コントローラ15は、いくつかの異なるサブコントローラに細分化され得、これらは、一緒に収容され得るか、又は別々に配置され得、場合によっては、コントローラ15の処理の少なくともいくつかは、ネットワーク化された通信を介してデバイスに供給されるビデオ信号の前処理などによって、デバイスから遠隔で実行され得る。コントローラ15のそのような実施態様は全て、当業者には明らかであろう。コントローラ構成要素の詳細は、本発明の提示の簡潔性のためにここでは省略されるが、以下に提示されるその機能性の説明から、当業者には明らかになるであろう。コントローラ15は、提示の簡潔性のために、以下の図面の大部分から省略されるが、各実施形態に存在すると理解されるべきである。
【0056】
投影光学系22も提供され、空間光変調器から照明を投影して出口ストップ24に向けられた出力画像を生成するように構成されている少なくとも1つの光学素子を提供する。光学素子は、単一の屈折レンズとしてここで概略的に示されているが、反射光学部品、追加又は複合の屈折部品、又はそれらの任意の組み合わせを使用して同等に実装することができる。ここで概略的に示される実施態様では、投影光学系は、拡張現実ディスプレイのための導波路への入力に適した、対応する角度方向を有するコリメートされた光ビームによって、画像の各ピクセルが伝達されるコリメートされた画像を出力するコリメート光学系である。上記のように、例えば、所与の距離で焦点が合うようになる収束投影画像を有する他の実施態様もまた、本発明の範囲内にある。
【0057】
ここまで説明したシステム特徴は、ほとんどの場合、以下に記載される本発明の全ての実施形態にとって汎用的であり、別段の定めがない限り、全ての実施形態に適用されると解釈されるべきである。
【0058】
ここに示される特に好ましい非限定的な実施形態では、画像プロジェクタは、走査されたレーザ照明が集束された照明画像平面に配備された角ビームスプレッダ16を更に含む。したがって、走査照明装置は、角ビームスプレッダ16上に落下する、この照明画像平面で変調された走査照明パターンを生成する。この照明像面からの光は、照明画像平面とSLM20との間の光路に正の光パワーが配備された中間光学装置18によって再集束され、照明画像平面からの光がSLM20に再集束される。角ビームスプレッダは、ディフューザであり得るが、最も好ましくは、マイクロレンズアレイ(MLA)である。
【0059】
MLA又はディフューザの機能性は、
図2Aの破線矢印と実線矢印との違いによって示される。破線矢印は、MLAなしのレーザビーム伝播を説明し、出口開口部24での照明は、比較的狭いビームであり、導波路への、及び導波路からの不均一な画像投影を引き起こす。実線矢印は、MLAからの発散の増加を示し、これにより、出口開口部24のより広くかつ完全な照明がもたらされ、それによって、開口部全体にわたってより均一な画像出力が提供される。
【0060】
角ビームスプレッダは、ディフューザ又はマイクロレンズなどの最小の横方向変位で光ビームを分散させる任意の光学素子であり得る。好ましくは、光分散は、最小限の光が開口部24の外側で失われるように、所定の角度範囲に角度的に制限される。
【0061】
この構成では、全ての走査角度にわたって画質、光効率、及び画像の均一性を最適化するために、以下の条件の一方又は両方を満たすことが好ましい。場合によっては、これらの条件を満たすのを助けるために、追加の光学素子が導入され得る。
【0062】
1.MLA又は他の角ビームスプレッダ16が配置されている平面は、SLM20の平面上に撮像されるべきである。これは、走査照明装置によって生成される照明走査パターンが、MLAによって達成されるビーム拡散によって実質的に歪められないことを確実にする。
【0063】
2.走査機構14は、好ましくは、出口開口部24上に撮像された平面に配置され、それによって、走査装置からの光源照明が出口開口部に到達するように効率的に方向付けられることを確実にする。
【0064】
これらの2つの条件が、共役焦点面を識別する対応する二重端矢印によって
図2Aで概略的に表される。
【0065】
代替の実施形態では、
図2Aの光学装置は、角ビームスプレッダ16及びSLM20の位置を入れ替えることによって修正することができる。この場合、走査照明装置は、比較的狭い照明ビームでSLM20を直接照明し、SLMからの変調光は、画像平面で中間光学装置18によって再集束され、ここで、角ビームスプレッダ16が配備される。投影光学系22は、(すなわち、角ビームスプレッダ16上に落ちる)画像平面からの照明を投影して、出口ストップ24に向かう出力画像を生成するように配備される。
【0066】
この代替の実施形態の実装形態は、
図2Bに示されており、反射SLM20を使用する実施態様も示されており、反射光学系は中間光学装置18のために使用され、屈折光学系は投影光学系22のために使用される。
【0067】
レーザ10からの光は、レンズ12によってコリメートされ、高速走査ミラー14によって画像生成器20上へ走査される。20から反射された変調光は、ビームをMLA16上へ再集束する集束反射レンズ18上へ方向付けられる。次いで、画像内の各点についての角拡散ビームは、投影光学系22によって集束され、出口開口部24へ方向付けられる。走査装置からSLM20へ、及び反射レンズ18からMLA16への光経路は、偏光ビームスプリッタ(PBS)21内で反射を用い、SLM20からの変調画像照明は、PBS21を通過する。(ここで、及び本文書全体を通して、PBS構成が説明される場合は、当技術分野の標準的な慣行のように、PBSで説明された反射又は透過のシーケンスを提供するために、波長板が提供されることが理解されるであろう。これらの要素は暗黙的であり、本明細書では説明しない。)この構成は、LCOS光学系のための特にコンパクトな構成を提供する。
【0068】
投影光学系のための反射中間光学系に続く、屈折光学系の使用は、2種類の光学系が、重複する傾向がある反対の像面湾曲を生成する傾向があり、したがって、像面全体にわたってより良好な焦点像を与えるため、特に有利であると考えられる。任意選択的に、MLA16は、中間画像平面における像面湾曲に一致するように有利に湾曲され得る。単一のレンズとしてここで概略的に示される屈折光学系は、好ましくは、当該技術分野で知られているように、色収差及び/又は他の収差を低減するように構成されたダブレット又は他の多素子レンズ系として実装される。
【0069】
この実施形態では、画像生成器、この場合、LCOS20は、
図1Aの実施形態よりも発散が少ないビームによって照明され、それによって、その画像変調をより効率的にする。更に、この構成では、PBS21は小さく、射出瞳24から離れて配置され、それによって系をより人間工学的にする。
図1Aの光学構成の実施態様でも部分反射型及び部分屈折型であるハイブリッド光学系が使用され得、ここで投影光学系の屈折型光学装置の前で、反射型MLA16がLCOS20の代わりになり、LCOS20が透過SLMとして実装されるか、又は反射型SLMの使用を可能にするために更なるPBSプリズム(図示せず)を用いるかのいずれかで、MLA16のために示される位置に配置されることに留意されたい。
【0070】
ここで
図3を参照すると、
図2A及び2Bのオプションのよりコンパクトな代替案として、SLM平面に共役する平面内に角ビームスプレッダを配置する代わりに、代替実施形態は、SLM自体に隣接して配備された角ビームスプレッダを用いる。この概念の例は、
図3に概略的に示されており、
図4A及び4Bに反射光学系及びPBSプリズムを用いた例示的な実施態様において示されている。
【0071】
図3を参照すると、これは、SLM20に隣接して配置されたMLA16などの角ビームスプレッダを示す。MLA16は、透過性SLM20の前、後、又は両側に配置され得る。反射SLMの場合、隣接するMLAは、反射の前後に2回光を屈折させる。この構成では、光学装置が、中間光学系18及び関連するアライメント及び機械的構造を必要とせずに実質的に簡略化されていることが明らかである。
【0072】
前述のように、走査ミラー14の平面の出口開口部24への撮像を達成することが好ましい。これは、視野レンズ30A及び/又は30Bの助けを借りて、任意選択的に容易にすることができる。
【0073】
図4Aは、反射SLM、LCOS20を用いた
図3の構成の光学的実施態様を示す。レーザ10からの光は、湾曲した反射板12R(レンズ12と等価)によって反射され、集束される。レンズ34は、スキャナ14の出口開口部24への撮像を向上させるために任意選択的に追加され得る。光路は、非常にコンパクトで効率的な方法でPBS21によって定義される。288及び286を含むダブレットレンズは、
図3の視野レンズ30A及び30Bによって示される機能を果たすが、光がLCOS20によって反射される前と後に、光がそれらを2回通過する。MLA16は、LCOS20に隣接して配置され、また、LCOS20によって反射される前と後に、光に2回作用する。
【0074】
図4Bは、走査ミラー14の異なる位置によって生成されるように、LCOS全体にわたって様々な位置で反射されたLCOSからの分散光ビームのみを示す。LCOS上の各位置は、発散ビームのセットを生成し、その発散ビームのセットはMLA16によって広げられ、投影光学系22によってコリメートされ、各画像点についての平行ビームのセットをもたらし、その結果、各画像点についてのビームは、出口開口部24を充填し、全てがこの開口部に向かって収束し、出口開口部24平面上へのスキャナ14平面の良好な撮像を示す。
【0075】
ここに示される特に好ましい実施態様では、投影光学系22は、LCOS20上に平坦なフィールド(焦点面)を生成するように構成された反射部品291と、屈折及び反射光パワーを組み合わせた1つ以上の反射部品293とを含むダブレット反射レンズとして実装される。
【0076】
上述したように、上記の構成のいずれかの角ビームスプレッダは、ディフューザとして実装され得る。ディフューザが使用される場合、それは、最も好ましくは、入射光を所定の角度分布に拡散するように設計された構造化ディフューザであり、画像投影に寄与せず、ノイズを生成する可能性のあるより高い角度に散乱される光の著しい浪費を回避する。任意選択的に、例えば、矩形などの非円形分布が選択され得る。異なる形態の角度分布を有する様々な構造化ディフューザは、RPC Photonics(米国ニューヨーク州)から入手可能なENGINEERED DIFFUSERS(商標)の範囲などの様々な供給元から市販されている。
【0077】
多くの場合、マイクロレンズアレイは、SLMと組み合わせて使用する場合、特定の利点を提供すると考えられている。
図5A~8は、SLMに隣接するMLAの組み合わせに関する様々な態様及びオプションを示す。
【0078】
図5Aは、マイクロレンズ264のマトリックスを、アクティブ反射ピクセル素子262を有するLCOS260と組み合わせた例を示す。マイクロレンズ264は、有利には、アクティブなピクセルに可能な限り近接して配置される。マイクロレンズは、凸状又は凹状であり得る。マイクロレンズ264とピクセル262との間の距離は、マイクロレンズの焦点距離と実質的に異なるべきであり(好ましくは、焦点距離よりも小さい)、本明細書では、ピクセル素子への「非集束近接」と称される。これは、反射ビームが、入射ビームよりも広い発散を有することを確実にする。様々な光線経路は、266及び268として示される。したがって、入射ビーム270の発散は、反射ビーム272の発散よりも小さい。
図5Bでは、照明の入射ビーム274が概略的に示されるが、反射された広いビーム276はより広い発散を有する。
【0079】
良好な画像解像度を維持するために、マイクロレンズ264とアクティブピクセル262との間の距離は、投影光学系22の焦点深度内にあるべきである。
図6Aは、(
図5Aと同様に)ピクセルマトリックス上に配備された基板の外側のマイクロレンズを示し、
図6Bは、好ましい代替を示し、マイクロレンズがピクセル素子に面した基板の表面上にあり、したがってピクセル素子により近い。この構成はまた、平面外向きの基板表面を提供するという利点を有し、アセンブリと、PBSプリズムなどの他の光学素子との並置を容易にする。
【0080】
図6Cは、SLMチップ表面上でのマイクロレンズの直接的な実装を示し、それにより、ごくわずかな画像劣化を達成する。特定の場合では、SLMチップは、
図6Dに示されるように、所与の用途のために必要とされるより高い解像度を有し得、その場合、マイクロレンズアレイは、マトリックスピクセルよりも大きいマイクロレンズで実装され得る。一方、最大解像度は、好ましくは、SLMのピクセル素子ごとに1つのレンズを有するMLAを用いることによって達成され、各レンズは、対応するピクセル素子と整列される。
【0081】
屈折率変化によるMLAの実装もまた、ビーム拡大を達成することができる。GRIN(グレーデッドインデックス)レンズアレイは、様々な製造業者から入手可能であり、LCOS基板への窓として取り付けられ得る。
図6Eは、マイクロレンズ264を有する基板280が、マイクロレンズ264の屈折率とは異なる屈折率を有する接着剤媒体284によってLCOS260の表面に取り付けられる別の代替案を示す。この例は、SLMと関連してMLAを固定し、平面外向きの表面を提供する、アセンブリの構造的完全性及び簡略性を提供する。
【0082】
図6Fは、基板がSLMにわたって延在する視野レンズの一部である、
図6Eの変形を示す。ここに示された実施例では、視野レンズは、部品286及び288を有するダブレットレンズであり、それによって
図4Aの上方で示すように、光パワーを導入する。最も好ましくは、レンズの最外側部分は、光学系におけるアセンブリを簡略化するために、平面外向きの表面を提供する。
【0083】
図6Gは、各マイクロレンズが負の光パワーを有する等価の分散MLAを示す。この構成は、好ましくは、SLMのアクティブなピクセル素子がそれらの間のギャップを最小限に抑え、それによって光の損失を最小限に抑える場合に使用される。
【0084】
逆に、各マイクロレンズに対して正のパワーを有するMLAを使用することは、ピクセル間のクロストークを低減するためのSLM設計の修正を容易にし得る。
図7は、LCOS SLM構造のより詳細な図を示し、304はシリコンベース平面であり、306はピクセル電極であり、307及び308はアライメント層である。層308はまた、上部電極を含む。液晶は309である。外側窓310は、MLA312を支持する(MLA312は、屈折率、回折率、グレーデッドインデックス又は他の要素に基づいて、及び
図6A~6C、6E又は6Fに示される構造のいずれかに従って実装され得る)。この構成では、マイクロレンズ312の存在のために、各ピクセル素子のより小さい領域が照明される。これにより、電極306が、クロスフィールド相互作用(「フリンジ場効果」とも称される)を防止するために、離間して配置可能になる。この電極間隔は、合焦されていないMLA312の実装に起因して可能である。
【0085】
「フリンジ場効果」の抑制は、優れたコントラストを有するが、そうでなければ高い「フリンジ場効果」を受けるであろう「垂直アライメントモード」(VA)SLM構造の実装を容易にする。大きな電極間隔は、VA構成を使用して最小限の「フリンジ場効果」で高コントラストを可能にする。
【0086】
図8は、透過効率を達成するために、透過性LCDの両側に同じ非合焦MLAの等価の実施態様を示す。いくつかの実施態様では、透過性LCDの片側のみにMLAを実装することが十分な場合もある。
【0087】
ここで、本発明の更なる態様に目を向けると、これは、SLMの同期動作のための様々な改善された技術及び二次元走査照明系に関する。走査照明装置14は、典型的には、例えば、約10kHzで振動する高速走査軸(「共振軸」とも称される)、及び典型的には数百Hzで振動するより遅い直交軸(「線形軸」とも称される)を有する。
図9Aの概略説明は、SLM20の平面の一例を示す。例として、1000×1000ピクセルを有し、100Hzのフレームレートで動作させるSLM20の画像生成マトリックスを考慮し、各カラーフレームは、赤、緑、青(RGB)の照明によって順次照明される3つの色分離フレームで構成され、100Hzで更新されるカラー画像の視覚認知を形成する。この実施例では、マトリックス(例えば、LCOS)変調フレームレートは、300Hzであるべきである。このレートは線形ミラー振動レートによって制御され、共振ミラーは線形走査よりもはるかに高速な横方向走査を生成する。
【0088】
共振ミラーが10KHzで振動すると仮定すると、光学スポット120幅(
図9Aでは垂直)は、
300Hz×1000[ライン/フレーム]/10KHz=30[ライン/光学スポット]であるべきである。
【0089】
光学走査トレース121は、フレームごとに走査を有する(1つの方向を走査として定義する)。
1000[ライン/フレーム]/30[ライン/スポット]=33[横方向走査/フレーム]
【0090】
レーザパワーは、必要なパターンを照明するように変調される。変調の速度は、スポットサイズの長さを決定する(
図9Aでは水平)。
図9Aでは、高速変調を想定しており、比率30:1の楕円形のスポット120となり、共振軸走査方向に1ピクセル変調が達成される。
【0091】
この2Dレーザ走査速度は、LCOS上に画像をロードすることと、その後にのみ、LCOS上で変調されたレーザを走査することとを含む最も単純なシーケンスに適用可能である。
【0092】
より好ましくは、画像は、ローリングパターンでLCOS上にロードされ、その行へのデータは、照明走査と同期して、順番に、行ごとにロードされる。
図9Aは、ちょうどロードされた行122を破線として示し、行のロードの進行状況が太い矢印として表される。行ロードは、間隔124で走査進行の前に進む。この間隔は、ピクセルデータが受信されるとすぐに液晶を切り替えることを想定して、液晶分子の応答時間に対応してそれ自体を再配向するように選択される。
図9Bは、作動後の時間の関数として液晶ピクセルによって達成されるコントラストを示す。結晶分子が最適な向きに回転するのに必要な時間は、ピクセル活性化後すぐに照明することを不可能にする。したがって、間隔124は、分子再配向に十分な時差125に対応するように選択される。ピクセル駆動122(それが下方に進むにつれて)と照明走査パターン121(それも下方に進むにつれて)との間に広いギャップ124を作ることによって、液晶分子は、それ自体を再配向するためにより長い時間125を有する。
【0093】
ローリングロードプロセスが一方向のみで実行できると仮定すると、線形スキャナは、
図9Cに示される鋸歯形状で動作する。走査の線形セクションは、フレームのレーザ照明に使用され、一方、これらの掃引の間に、スキャナは、照明なしでバックトレースを実行して、次のフレームのためのマトリックスの始まりを照明し始める。
【0094】
このローリングシャッターアプローチは、異なるデータロードパターンを有する広範囲のSLM画像生成器を用いて実装され得る。更なる実施例として、
図10A及び10Bは、ピクセルローリングロードが双方向に行われる代替案を示す。したがって、線形走査はまた、最初に下向きの掃引(
図10A)で、次に上向きの掃引(
図10B)で双方向に実行され、
図10Cのプロットに示されるように走査動作の全体で、レーザ照明は、両方向に走査しながら作動する。両方向のローリングロードは、異なるシーケンス(例えば、ラインの反対側からの異なる回路)で全てのラインをロードすることによって、又は異なる回路(インターライン)によって全ての2番目のラインを活性化することによって達成することができる。
【0095】
図11A~11Cは、SLMへのピクセルデータのローリングロード122aが、照明走査パターン120の前に、前述と同様に、照明走査が122bで通過した後に追加的に行われる、更なる変形例を示す。したがって、線形走査パターンがSLMを横切って上方に戻って走査すると(
図11B)、ピクセル素子は、適切な画像とともに既にロードされている。この後方走査中、照明走査がそれらのピクセルに到達するまでの画像データでピクセルを作動させてからの経過時間は、行ごとに異なる。これに対処するために、
図11Cに示されるように、液晶分子が適切な配向で再配列するためにより多くの時間を提供するために、順方向走査と逆方向走査との間に何らかの遅延を導入する必要があり得る。
【0096】
後方走査のコントラストの変動を低減するために、順方向ローリングロードは、即座に、すなわち、データがロードされるとすぐに各行の作動を伴う(ただし、ロード後に照明が各行に到達する前に一定のマージン124を維持する)、一方、後方走査の場合、グローバルトリガが、マトリックスがロードされた順序とは無関係に、マトリックスの全てを同時に作動させる。これにより、マトリックス全体の時間変動が減少する。
【0097】
図12は、分割されたLCOSマトリックスを示し、半分ごとのローリングロードが反対方向にある。2つのセクションが、点線で区切られている。
図12Aでは、走査が下向きに実行され、122a1は、ローリングロードの下向きの瞬時の活性化であり、すなわち、各行は、ロード後に作動される。結果として、これらのピクセルのコントラストは、一定の時差125を有して均一である。この走査の背後のローリングロード122b1は、上部セクションの走査後の瞬時の活性化、又はグローバルであり得る。
図12Bは、本明細書に示されるように、122b2によって以前にロードされ、活性化された下部セクションを通る連続照明走査を示す。
【0098】
図12Cにおいて、上向き走査は、
図12A(122a2、122b2と表記)と同じローリングロードで実行される。
図12Dは、
図12Bと等価の光学走査を再び示しており、ここでは、画像が122b1によって既にロードされており、時間間隔は、このセクションで安定した均一なコントラストを可能にするのに十分な長さであった。
【0099】
レーザ走査(122b1及び122b2)の後方のセクションの活性化は、瞬時(行ごと)であってもよく、又はグローバルな活性化をトリガしてもよい。
【0100】
ここで、本発明の特定の好ましい実施態様の特に好ましい特徴に目を向けると、電気容量を蓄積しないために(一定の電界が液晶材料の特性に悪影響を及ぼす可能性があるため)、各ピクセルに印加される電圧は、照明サイクルの間で反転されることが好ましい。この反転作動をローリングシャッター作動スキームと組み合わせることにより、他の方法では可能であるより速い切り替え及び速いフレームレートを達成することが可能である。
【0101】
そのような実施態様では、ディスプレイコントローラ15(
図2Aに示され、説明全体に暗黙的に示されている)は、好ましくは、
(i)走査パターンの低速方向に沿って前進するピクセル行へのピクセルデータのローリングアップデートでSLMを作動させることと、
(ii)走査照明装置を駆動して、ピクセルデータのローリングアップデートの背後で低速方向に前進するピクセルの行を照明することと、
(iii)照明ビームの後方に続くピクセル行のローリングアップデートとして、SLMのピクセル素子に反転作動を適用することと、を行うように構成されていることが好ましい。
【0102】
図13A~13Cは、本発明の本態様による好適な動作シーケンスを概略的に示す。
図13Aは、所与のピクセルにわたる時間シーケンスを示す。最初に(期間146)、ピクセル容量が、必要なピクセル画像に従って充電される。次いで、作動電圧148Aがピクセル上で作動され、コントラスト応答プロファイル150Aに従って液晶に応答させる(SLM設計によれば、分極回転によってそのピクセルの状態を透過(明るくする)又はブロック(暗くする)することができる)。この期間中、ピクセルは照明され(照明強度152)、その後(又はその間)ピクセル上の電圧は停止し、LCDは減衰を開始する(150B)。この時点148Bで負の電圧が印加され(148Aと148Bとの間のギャップの有無にかかわらず)、液晶はゼロコントラスト応答に減衰する。
【0103】
図13Bは、LCOSのマトリックス118を横切る空間的進行と同じプロセスを示しており、サブコントローラ152は、活性化されたライン及びこのラインに印加された電圧を制御し、一方、サブコントローラ154は、選択された行の情報を駆動する(ピクセルの容量を充電する)。ここで、線156Aは、ピクセル容量に現在データがロードされている行を示している(
図13Aのピクセルサイクルの時間146を示す)。領域158Aは、現在、順電圧が与えられる領域を表し(ピクセルサイクル期間148A)、領域160は、照明走査120が特定の領域を照明した後に活性化される逆電圧を表す(ピクセルサイクル期間148B)。ロード156B及び次のフレーム158Bの活性化は、160の直後に開始することができ、液晶に次のフレームに対して応答するためのより多くの時間を与える。この構成は、(
図11Aの例のような)走査されたフレームごとのマルチロードを含む作動スキームに適している。
【0104】
類似しているがより低速のプロセスが、
図13Cで説明されている。ここで、161は走査照明120が通過する前のLCOSの長時間活性化を表し、157は逆電圧160後のロードである。この構成は、(
図10Aのように)フレーム当たりの単一走査に適している。
【0105】
画像平面上の照明が制御可能であり、選択的に適用され得るという事実は、より少ないピクセルを活性化することによって、LCOS電力消費が削減される追加の動作モードを促進する。例えば、混合モードツイストネマチック(MTN)構成で動作するLCOSは、ピクセルに電圧が印加されていないときに通常開いている(明るい)。ピクセルをブロックする(暗くする)にはパワーが必要である。これは、通常、(例えば、拡張現実アプリケーションで一般的であるように)比較的少数の明るいピクセル及び画像の大部分が暗い画像をレンダリングし、エネルギー消費が非常に大きい。
【0106】
図14Aは、画像平面内の暗ピクセルの行内の単一の明ピクセル230に対応する、画像のピクセルの行に沿った所望の画像強度プロファイルを示す。所望の強度プロファイル上に重畳されるのは、画像平面(プロファイル232)でLCOSを横切って走査するために使用されるレーザ照明スポット(静止)の強度プロファイルである。所望の画像強度プロファイルを生成する従来のアプローチは、この行の全てのピクセルを作動させて、それらをブロック(暗)ピクセルに変え、それによって大量のエネルギーを消費することであろう。
【0107】
本発明の一態様による代替的手法として、
図14Bは、MTNベースのLCOSの一行のピクセルの好ましい作動形態を示す。適切な位置234のピクセルは開放されるように設定され、必要なピクセルに隣接し、レーザ照明スポットプロファイル236のフットプリント内で暗くする必要がある領域内のピクセルは、可能な限り光を遮断するように設定される。これらの活性化された暗ピクセル236は、システム電力を消費する。領域238内の所望の明ピクセルから離れて配置されたピクセルは活性化されないため、エネルギーを消費することなく「明るい」ままである。しかしながら、走査照明系がピクセル領域238内にある間、コントローラはレーザ照明を作動させないため、ピクセル領域238に対応する出力画像の領域は暗いままである。したがって、暗領域は暗いままであるが、同時に、これらのLCOSピクセルが活性化されないため、電力を消費しない。任意選択的に4、部分的な電力節約のために、領域240内のピクセルは、その領域内の光量が低いため、部分的にのみ遮断されることができ、部分的なピクセル遮断でも、その領域内の出力照明強度を観測可能なレベル未満にする。
【0108】
高コントラストを得るためには、画像の暗部分の光を実質的に減衰させなければならない。高コントラストのLCOSピクセルを生成するには、比較的長い応答時間を残す必要があり、性能が低下する。しかしながら、照明は選択的に活性化されるため、最終的な画像コントラスト(照明されていない暗部分を考慮する)が高いため、LCOSのコントラストが低いことは許容可能である。したがって、LCOSにおける液晶配向は、有利には、最大コントラストではなく最大速度となるように設定することができる(当該技術分野で知られている慣行)。これは、何らかの残留透過率を有するセクション236をもたらすことができ、
図14Cに示されるように、照明の後、ピクセル230の各側面に残余マージン242を有する出力照度プロファイルを与える。
【0109】
暗領域を有する部分画像を表示するための上記の動作モードは、SLMが部分的にのみ作動される動作モードの一例である。本発明は、以下で更に説明するように、SLMの作動がピクセルアレイの1つ以上のサブ領域にわたってのみである、いくつかの他の有用な動作モードを提供する。
【0110】
より高速の振動に重畳されたより低速の直線運動によって生成されるミラー14の走査パターンは、典型的には、LCOS(画像平面)218を横切って、非直線であり、ピクセル行に非平行である走査経路を作成する。様々な理由から、例えば、時間ギャップ125(画像間隔124)が走査されたラインにわたってより一定のままであり、その結果、ラインに沿った液晶のより均一な応答プロファイル(
図9B又は
図13Aの150)が得られるように、走査軌道のこの非線性及び/又は角ピッチを少なくとも部分的に補償することが好ましい場合がある。
図15A~15Cは、照明された走査を線形化するこの効果を軽減するための1つのアプローチを示す。
【0111】
図15Aは、6つのレーザで、2つの赤色(R1及びR2)、2つの緑色(G1及びG2)、及び2つの赤色(R1及びR2)のスポットパターンを示す。
図15Bは、スポットがより大きなスポット(ここでは細長く示されている)にデフォーカスされている(264)緑色レーザ(明確にするために緑色のみ示されている)を実装することを示す。プロット266は、レーザG1プロファイルのみを示し、268は、G1及びG2の両方がアクティブであるスポットを示し、270は、G2のみがアクティブであることを示す。レーザ(存在する場合、G1及びG2以上のレーザ)の間の切り替えが、照明パターンの重心をシフトさせることが明らかである。
図15Cは、走査パターンを線形化するためのこの特性の実施態様を示す。272及び274は、G1及びG2のデフォーカススポットを表す。パターン走査276は、ミラー14の2軸運動によって生成された非線形走査パターンを表す。線278は、マトリックス118のローリングロードライン256に平行となる所望の線形水平照明ラインを表す。照明の線形化は、G1とG2との間で照明を切り替えることによって近似される。走査ライン276の開始時には、下部レーザ274が照明しており(完全楕円として示される)、走査の終了時には、上部レーザ272が活性化されて、レーザ間の線形遷移が近似補正ライン278を生成する。同様のレーザ活性化(ただし、反対のパターン)が、使用される場合は反対の走査280で活性化される。
【0112】
他の走査パターンが可能であり、同じ活性化が有利には赤色及び青色レーザに適用される。上記の全てでは、マトリックスがカラーフィルタ処理されたピクセルで構成されている場合、各ピクセルは対応する色にのみ作用するため、全てのレーザは、色ごとのフレームを必要とせずに同時に活性化することができる。
【0113】
物理的特性はLCOSと同じであるため、上記の全てを透過LCDに適用できる。
【0114】
本発明の更なる態様は、高品質の投影画像を生成するために相乗効果でSLM及び走査レーザ照明を用いる新規アプローチを有する画像プロジェクタに関し、場合によっては、ピクセル当たり2つの輝度レベルのみを有するバイナリ切り替え可能SLMとともに使用するのに適している。
【0115】
具体的には、本発明の特定の特に好ましい実施態様によれば、コントローラ15(
図2Aに示され、説明を通して暗黙的)は、
(i)入力デジタル画像を処理して、少なくとも1つの次元におけるSLM解像度よりも小さい解像度を有する入力デジタル画像の縮小解像度バージョンに実質的に対応する第1の修正画像を生成し、
(ii)入力デジタル画像を処理して、入力デジタル画像における高い空間周波数変動に対応する、SLMのピクセル素子のためのピクセル変調データを含む第2の修正画像を生成し、
(iii)第2の修正画像のピクセル変調データに従ってSLMを作動させ、かつ
(iv)第1の修正画像に従ってSLMを照明するように、二次元アレイを走査しながら、照明ビームの強度を変調するように走査照明装置を駆動し、それによって、SLMが、デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を投影するように、照明の高い空間周波数変調を提供するように構成されている。
【0116】
換言すれば、走査照明装置の変調された強度は、所望のデジタル画像の低解像度レンダリングを生成するために使用され、一方、SLMのより高い解像度は、画像を「鮮明化」するために使用される。このアプローチは、広範囲の種類のSLMに適用可能であるが、各ピクセル素子が明状態と暗状態との間で切り替え可能なバイナリ作動SLMの場合、特に強誘電性液晶ディスプレイの場合に、特に魅力的である。
【0117】
LCOS上走査レーザのシステムのための画像処理の可能な実装の概略図を
図16に示し、コントローラ15によって実装される。「ノミナル画像」(入力デジタル画像)は、レーザとLCOSとの両方の画像処理に投入される。この画像は、システムの各々に従って異なる方法で処理され、2つの処理された画像が、それらの適切なドライバに投入される。レーザが発する光はレーザドライバによって変調され、走査ミラーは画像フィールドを走査する。スキャナからの光は、LCOSのセクションを照明し、画像を更に変調して高解像度画像を生成し、高解像度画像は、光コンバイナ(導波路)に投入されるか、そうでなければ観察者が見るために投影される。
【0118】
拡張現実のニアアイディスプレイのほとんどの用途では、文字、数字、マーキングなどのデータを表示するために高解像度が必要である。このタイプのデータは、主に、ピクセルが最小限のグレーレベル変調でオン又はオフになっているバイナリ画像として視聴者に提示される。
【0119】
本発明の一実施形態によれば、実質的な簡略化は、ピクセルが「開」又は「閉」のいずれかであるバイナリモードでピクセルを活性化するようにLCOSを設定することによって達成される。例えば、強誘電液晶は、そのような用途のために使用することができる。「閉じられた」位置は、システムのコントラスト要件に応じて部分的に閉であり得る。ここで、簡単にするために、「閉じられた」とは、透過性を示さないピクセルを指すと解釈される。
【0120】
図17Aは、レーザ照明スポットがピクセルサイズよりも大きく(前述したように)、したがって丸みを帯びて(実線)、ピクセルのエッジも表す鋭いエッジ(破線)を生成できない例を示す。バイナリLCOSを実装することにより、この照明は、
図17Bに示されるように、所望のものに近似する。ここで、ノミナル画像に強度がない場所では、LCOSのピクセルをオフにする。
図17Cは、より大きなレーザスポットサイズの例を示し、
図17Dは、この中で、LCOSがより鮮明な強度プロファイルを生成することを示す。
【0121】
この動作モードの例を
図18に示す。「デジタル画像」とは、システムに投入された画像である。主に黒いピクセル、いくつかのグレーといくつかの白で構成されている。文字の幅は1又は2ピクセルである。「レーザ照明画像」は、幅が3ピクセルのガウスプロファイルレーザビームによって生成される。文字は分離できず、判読できない。バイナリLCOSを活性化後は、文字が認識可能で分離可能である。グレースケールはほとんど見られない。
【0122】
同じバイナリ変調を、色の連続レーザ走査照明に実装することができる。
図19Aのプロファイルは、各走査の対応する色分離フレームに従ってマトリックスが適切に設定された後に順次適用されるマトリックスの行に沿った異なるカラー照明プロファイルを表す。
【0123】
図19Bは、このアプローチが、
図9Aと概念的に類似した各色の同期アップデートを有する二次元走査照明パターンのために実装され得ることを示す。この場合、最も好ましくは、同時にかつ独立して動作することができる離間されたRGBレーザを備えたマルチレーザ光源を使用して、3つの走査がSLMにわたって同時に前進するにつれて、ピクセルのローリングリセット及びピクセル値の次の色の必要なバイナリピクセル値へのローリングアップデートを伴って、SLMを横切って並列同時ラスタ走査を実行することが可能である。3つの色全てを同時に走査することによって、線形走査速度を遅くし、それによって所与の全体フレームレートに対するレーザ照明系の有効解像度を増加させることが可能である。
【0124】
図19Cは、
図18と同じパラメータを有するレーザ照明の例を示し、
図19Dは、この照明がバイナリマトリックスによって変調された後の画像を示す。
【0125】
更なるグレースケール解像度のために、
図20A~20Dに示されるように、同じ色の連続走査を実施することができる。
図20Aでは、同じパワーを有する3つの別々の連続照明は、観察者によって
図20Bの強度プロファイルとして認識されるようにバイナリ変調される。
図20Cは、同じプロファイルを生成するが、2つの走査によってのみ異なるパワーのシーケンシャル照明を示す。
【0126】
様々な動作モードは、SLM全体を常に作動させることを必要としないことに留意されたい。SLMの選択的及び部分的な作動は、省エネルギー(及び結果として、バッテリ駆動用途のためのバッテリ寿命の延長)の利点を提供し得、画像処理負荷を軽減し得、及び/又はより速いフレームレートを促進し得る。
【0127】
したがって、本発明の特定の特に好ましい実施態様によれば、コントローラ15(
図2Aに示され、説明を通して暗黙的)は、
(i)出力画像の対応するサブフィールド内に出力を生成するために必要とされるSLMのサブ領域を決定するために少なくとも1つの基準を適用することであって、コントローラは、SLMのサブ領域を作動させる一方で、サブ領域の外側の複数のピクセル素子を作動されないままにするように構成されている、適用することと、
(ii)デジタル画像に対応するピクセル強度を有する出力画像を少なくとも対応するサブフィールドに投影するように、SLMの少なくともサブ領域を照明するように走査照明装置を駆動することであって、ピクセル強度は、ピクセル素子の変調状態、及びピクセル素子上に落下する走査照明装置からの照明強度によって決定される、駆動することと、を行うように構成されている。
【0128】
そのような用途の一例は、
図14A~14Cを参照して上述したように、画像平面のサブ領域のみに画像を選択的に表示する場合である。その場合、「基準」は、必要な画像がサブ領域内で非ゼロ(又は可視)値のみを有し、走査された照明装置が、必要なサブ領域の外で照明を提供しないように作動されることである。
【0129】
他の用途は、作動領域外に照明を提供する。このことは、ピクセル素子が作動しないときに明るい状態を想定する場合に、特に重要である。この場合、コントローラ15は、SLMのサブ領域の内外を走査しながら、照明ビームの強度を変調するように走査照明装置を駆動するように構成されている。その結果、SLMが作動する画像のサブ領域は、SLM変調によって提供される、拡張された解像度、クリーンエッジ、又は他の高い空間周波数特徴の利点を有し、一方、画像の残りの領域は、画像を形成するための走査照明系の固有の解像度によって制限される。したがって、結果は、「混合解像度」画像と考えられ得る。
【0130】
SLMが1000×1000ピクセルを有し、走査された照明装置が10kHzの共振走査周波数で動作する上記用途例に続いて、フレームレートが33Hzに低減される場合、各色分離フレームのカバレッジは、ピクセルマトリックスの10行をカバーするレーザスポットを使用して達成することができる。変調周波数が対応して調整される場合、レーザ走査投影のネイティブ解像度は、SLMアレイの10×10ピクセルの領域に等しくなる。したがって、SLMが作動されない領域は、レーザスキャナ解像度で投影されるが、SLMが作動されるサブ領域は、上述のように、SLM変調によって強化される。
【0131】
画像のどのサブ領域内でSLMが作動されるべきであるかを決定するための基礎として、いくつかの異なる基準が使用され得る。第1の例では、少なくとも1つの基準は、高い空間周波数コンテンツを含む入力デジタル画像の領域を決定することを含む。例えば、画像が、テキストコンテンツを有するサブ領域、及びより徐々に変化する特徴を有する他の領域を含む場合、走査レーザプロジェクタのネイティブ解像度は、非テキストコンテンツには十分であり得るが、SLMは、テキストコンテンツを判読可能にするために、テキストを含む領域内で選択的に作動され得る。
【0132】
更なる例では、少なくとも1つの基準は、(図示しないアイトラッキングシステムによって決定されるような)視聴者の眼の現在の注視方向に対応する出力画像のサブフィールドを決定することを含み得る。このアプローチは、人間の眼の周辺視覚が中央(中窩)領域よりもはるかに低い解像度を有し、そのため、眼は、縮小が現在の注視方向の外の画像解像度であることを感じないという事実に依存する。したがって、システムは、ネイティブ走査レーザプロジェクタ解像度で周辺フィールドを表示しながら、現在の注視方向の周りの領域内でSLMを選択的に作動させて、「完全解像度」の投影画像を提供することができる。
【0133】
上記の説明は、実施例として機能することのみを意図しており、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲内で、他の多くの実施形態が可能であることが理解されるであろう。
【国際調査報告】