(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】流体の特性を決定する方法、制御システム、装置、及びロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B05B 12/00 20180101AFI20240116BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20240116BHJP
B05B 12/10 20060101ALI20240116BHJP
B05B 15/55 20180101ALI20240116BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B05B12/00 A
B25J19/00 G
B05B12/10
B05B15/55
B08B3/02 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535450
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2020086707
(87)【国際公開番号】W WO2022128092
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】トライダル、ヤーコブ
(72)【発明者】
【氏名】モッシゲ、モルテン
(72)【発明者】
【氏名】フィネスタッド、イングベ
【テーマコード(参考)】
3B201
3C707
4D073
4F035
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB52
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB83
3B201CC21
3B201CD22
3B201CD42
3B201CD43
3C707AS13
3C707AS23
3C707BS10
4D073AA01
4D073BB03
4D073CC03
4D073CC17
4F035AA03
4F035BA02
4F035BA05
4F035BA11
4F035BA22
4F035BB21
4F035BB23
4F035BC02
4F035BC06
(57)【要約】
物体(18)にコーティング媒体(16)を塗布するための装置(14a,14b)中の流体の特性を決定する方法であって、装置は、流体ライン(24)と、出口(20)と、第1のコーティング媒体源(28)と、第2のコーティング媒体源(30)と、洗浄媒体源(32)と、第1のコーティング媒体源、第2のコーティング媒体源、及び洗浄媒体源の各々を、独立して流体ラインを通して出口と連通させるように構成された弁機構(22)とを備え、方法は、流体ラインを通して流体を導くことと、流体は、第1のコーティング媒体、第2のコーティング媒体、及び/又は洗浄媒体を備え、流体ライン中の流体に超音波を送ることと、超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、エコー信号を電子応答データ(54)に変換することと、電子応答データに基づいて流体ライン中の流体の少なくとも1つのパラメータのパラメータ値を決定することとを備える、方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(18)にコーティング媒体(16)を塗布するための装置(14a,14b)中の流体の特性を決定する方法であって、前記装置(14a,14b)は、
-流体ライン(24)と、
-出口(20)と、
-第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源(28)と、
-第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源(30)と、
-洗浄媒体を含む洗浄媒体源(32)と、
-前記第1のコーティング媒体源(28)、前記第2のコーティング媒体源(30)、及び前記洗浄媒体源(32)の各々を、独立して前記流体ライン(24)を通して前記出口(20)と連通させるように構成された弁機構(22)と
を備え、前記方法は、
-前記流体ライン(24)を通して流体を導くことと、ここで、前記流体は、前記第1のコーティング媒体、前記第2のコーティング媒体、及び/又は前記洗浄媒体を含み、
-前記流体ライン(24)中の前記流体に超音波を送ることと、
-前記超音波によって前記流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、
-前記エコー信号を電子応答データ(54)に変換することと、
-前記電子応答データ(54)に基づいて前記流体ライン(24)中の前記流体の少なくとも1つのパラメータのパラメータ値を決定することと
を備える、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記パラメータ値に基づいて前記弁機構(22)を制御することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記パラメータ値は、リアルタイムで決定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの前記パラメータは、固形物含有量、気泡含有量、粘度、化学組成、及び/又は音速を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記流体ライン(24)を通して前記洗浄媒体を導くことを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのパラメータ値が前記パラメータに関連付けられた閾値に達すると、前記洗浄媒体を前記導くことを停止することを更に備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコーティング媒体の第1の特質値、前記第2のコーティング媒体の第2の特質値、及び/又は前記洗浄媒体の第3の特質値を提供することを更に備え、前記閾値は、前記第1の特質値、前記第2の特質値、及び/又は前記第3の特質値に基づいて決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
物体(18)にコーティング媒体(16)を塗布するための装置(14a,14b)中の流体の特性を決定するための制御システム(48)であって、前記装置(14a,14b)は、
-流体ライン(24)と、
-出口(20)と、
-第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源(28)と、
-第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源(30)と、
-洗浄媒体を含む洗浄媒体源(32)と、
-前記第1のコーティング媒体源(28)、前記第2のコーティング媒体源(30)、及び前記洗浄媒体源(32)の各々を、独立して前記流体ライン(24)を通して前記出口(20)と連通させるように構成された弁機構(22)と
を備え、前記制御システム(48)は、少なくとも1つのデータ処理デバイス(50)と、コンピュータプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリ(52)とを備え、前記コンピュータプログラムは、プログラムコードを備え、前記プログラムコードは、少なくとも1つの前記データ処理デバイス(50)によって実行されると、少なくとも1つの前記データ処理デバイス(50)に、
-流体が前記流体ライン(24)を通して導かれるように命令するステップと、ここで、前記流体は、前記第1のコーティング媒体、前記第2のコーティング媒体、及び/又は前記洗浄媒体を含み、
-前記流体ライン(24)中の前記流体に超音波を送るように超音波デバイス(26)に命令するステップと、
-前記超音波デバイス(26)から電子応答データ(54)を受信するステップと、ここで、前記電子応答データ(54)は、前記超音波によって前記流体中に誘起されたエコー信号から変換され、
-前記電子応答データ(54)に基づいて前記流体ライン(24)中の前記流体の少なくとも1つのパラメータのパラメータ値を決定するステップと
を実行させる、制御システム(48)。
【請求項9】
物体(18)にコーティング媒体(16)を塗布するための装置(14a,14b)であって、前記装置(14a,14b)は、
-流体ライン(24)と、
-出口(20)と、
-第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源(28)と、
-第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源(30)と、
-洗浄媒体を含む洗浄媒体源(32)と、
-弁機構(22)と、
-請求項8に記載の制御システム(48)と
を備える、装置(14a,14b)。
【請求項10】
-前記流体ライン(24)中の前記流体に超音波を送ることと、
-前記超音波によって前記流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、
-前記エコー信号を電子応答データ(54)に変換することと
を行うように構成された超音波デバイス(26)を更に備える、請求項9に記載の装置(14a,14b)。
【請求項11】
前記超音波デバイス(26)は、
-第1の方向(62)に向かって前記流体ライン(24)中の前記流体に超音波を送るように構成された第1の超音波送信機(56)と、
-前記第1の超音波送信機(56)から遠ざけられ、前記第1の方向(62)とは実質的に反対の第2の方向(64)に向かって前記流体ライン(24)中の前記流体に超音波を送るように構成された第2の超音波送信機(58)と、
-前記第2の超音波送信機(58)からの前記超音波によって前記流体中に誘起されたエコー信号を感知するように構成された第1の超音波受信機(56)と、
-前記第1の超音波受信機(56)から遠ざけられ、前記第1の超音波送信機(56)からの前記超音波によって前記流体中に誘起されたエコー信号を感知するように構成された第2の超音波受信機(58)と
を備える、請求項10に記載の装置(14a,14b)。
【請求項12】
前記装置(14a,14b)は、前記第1の超音波送信機(56)及び前記第1の超音波受信機(56)を備える第1の超音波トランスデューサと、前記第2の超音波送信機(58)及び前記第2の超音波受信機(58)を備える第2の超音波トランスデューサとを備える、請求項11に記載の装置(14a,14b)。
【請求項13】
前記超音波デバイス(26)は、前記流体ライン(24)の外側に配置される、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置(14a,14b)。
【請求項14】
前記超音波デバイス(26)は、前記流体ライン(24)の一部を構成する管(60)を備える、請求項10~13のいずれか一項に記載の装置(14a,14b)。
【請求項15】
請求項8に記載の制御システム(48)又は請求項9~14のいずれか一項に記載の装置(14a,14b)と、産業用ロボット(12)とを備える、ロボットシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、コーティング装置中の流体の特性の決定に関する。特に、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法と、装置中の流体の特性を決定するための制御システムと、物体にコーティング媒体を塗布するための装置と、産業用ロボットを備えるロボットシステムとが提供される。
【背景技術】
【0002】
塗装ロボットは、20~30個の異なる色の塗料を備え得る。そのような塗装ロボットでは、流体ラインを通して第2の色の塗料を導くより前に、第1の色の塗料からの残留物から流体ラインを洗浄するために、流体ラインを通して溶媒が導かれ得る。第2の色の塗料が第1の色の塗料によって汚染されないように流体ラインが十分に清浄になることを確実にすると同時に、可能な限り少ない量の溶媒を消費することが課題である。
【0003】
いくつかの先行技術の塗装装置では、流体ラインを洗浄するために必要とされる溶媒の体積は、最悪の場合の洗浄シナリオに基づいて実験室実験で決定される。そのような最悪の場合の洗浄シナリオは、例えば、色を黒色から白色に変更するときであり得る。最悪の場合の洗浄シナリオを取り扱うために必要とされる溶媒の体積が、次いで、全ての洗浄シナリオに対して稼働中に使用される。これは、流体ラインが清浄になることを確実にするが、「より容易な」色を有する塗料を洗浄するために過剰量の溶媒がしばしば使用される。加えて、流体ラインを洗浄するための時間が不必要に長くなる。
【0004】
米国特許出願公開第2009/134241号公報は、物体を塗装するためのスプレーヘッドと、塗料を塗料容器から供給ラインを介してスプレーヘッドに搬送し、戻りラインを介して塗料容器に戻すためのポンプとを有する塗装機を開示しており、供給ライン及び戻りラインは、塗装機をフラッシュ洗浄するための溶媒を有する溶媒容器に接続される。供給ライン及び戻りラインは、塗料及び溶媒残留物を廃棄するための廃棄容器に接続され、それらのそれぞれの容器側端部において、供給ライン及び戻りラインを塗料容器、溶媒容器、又は廃棄容器に切り替えるための第1及び第2の制御可能な多方弁に接続される。塗装機は、塗料の廃棄、溶媒の充填、塗装機の洗い流し、溶媒の廃棄、塗料の再充填、及び塗料の更なる搬送という連続動作の実行が自動化されるように多方弁を制御するための制御デバイスを有する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の1つの目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する効果的な方法を提供することである。
【0006】
本開示の更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を正確に決定する方法を提供することである。
【0007】
本開示のまた更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法であって、洗浄媒体の低減された消費及び異なるコーティング媒体間のより高速な切り替えを可能にする方法を提供することである。
【0008】
本開示のまた更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法であって、後に塗布される第2のコーティング媒体が、前に塗布された第1のコーティング媒体によって汚染されることを効果的に回避する方法を提供することである。
【0009】
本開示のまた更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置における流体の特性を決定する方法であって、物体にコーティング媒体を塗布するための既存の装置において実施することができる方法を提供することである。
【0010】
本開示のまた更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法であって、前述の目的のうちのいくつか又は全てを組み合わせて解決する方法を提供することである。
【0011】
本開示の更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定するための制御システムであって、その装置が前述の目的のうちの1つ、いくつか、又は全てを解決する、制御システムを提供することである。
【0012】
本開示のまた更なる目的は、物体にコーティング媒体を塗布するための装置であって、前述の目的のうちの1つ、いくつか、又は全てを解決する装置を提供することである。
【0013】
本開示のまた更なる目的は、前述の目的のうちの1つ、いくつか、又は全てを解決するロボットシステムを提供することである。
【0014】
一態様によると、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法であって、装置は、流体ラインと、出口と、第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源と、第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源と、洗浄媒体を含む洗浄媒体源と、第1のコーティング媒体源、第2のコーティング媒体源、及び洗浄媒体源の各々を、独立して流体ラインを通して出口と連通させるように構成された弁機構とを備え、本方法は、流体ラインを通して流体を導くことと、流体は、第1のコーティング媒体、第2のコーティング媒体、及び/又は洗浄媒体を備え、流体ライン中の流体に超音波を送ることと、超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、エコー信号を電子応答データに変換することと、電子応答データに基づいて流体ライン中の流体の少なくとも1つのパラメータのパラメータ値を決定することとを備える、方法が提供される。
【0015】
流体と相互作用した超音波に基づいて決定された少なくとも1つのパラメータ値によって、流体ライン中の流体の広範囲の特性を正確且つ効果的に提供することができる。各パラメータは、流体の特性を表し得る。例えば、音速の形態のパラメータは、流体の化学組成を表す。
【0016】
本開示全体を通して、流体の特性は、流体の清浄度、即ちコーティング媒体の不在に関連する特性であり得る。本方法は、それによって、洗浄媒体での洗浄が必要な時間だけ実行されることを可能にする。このことから、本方法は、各タイプのコーティング媒体を洗浄するときに、時間及び洗浄媒体の最適化された使用を可能にする。その結果として、洗浄媒体の量を低減することができ、物体への第1のコーティング媒体の塗布と、その後の物体への第2のコーティング媒体の塗布との間のダウンタイムを低減することができる。
【0017】
本方法はまた、例えば、既存の装置に本明細書に開示するような超音波デバイス及び制御システムを追加することによって、物体にコーティング媒体を塗布するための既存の装置において実施することができる。例えば、流体ラインは、流体を超音波にさらすために透過性である必要はない。本方法は、このことから、先行技術のコーティング装置への効果的な後付けを可能にする。
【0018】
コーティング媒体は、塗料であり得る。このことから、第1のコーティング媒体は、第1のタイプ又は色の塗料であり得、第2のコーティング媒体は、第2のタイプ又は色の塗料であり得る。代替として又は加えて、コーティング媒体は、ワニスであり得る。
【0019】
洗浄媒体は、溶媒であり得る。代替として又は加えて、装置は、各々が固有の洗浄媒体を含む複数の洗浄媒体源を備え得る。
【0020】
弁機構は、第1のコーティング媒体源、第2の媒体源、及び洗浄媒体源の各々に関連付けられた弁を備え得る。各弁は、例えば2/2弁であり得る。本方法は、本明細書に説明するような任意のタイプの装置を用い得る。
【0021】
本方法は、少なくとも1つのパラメータ値に基づいて弁機構を制御することを更に備え得る。このようにして、本方法は、弁機構の閉ループ制御を提供する。
【0022】
少なくとも1つのパラメータ値は、リアルタイムで決定され得る。このようにして、流体ラインの内側の流体の1つ以上の特性を、連続的に監視することができる。これは、少なくとも1つのパラメータに基づいて装置の動的制御を可能にする。
【0023】
例えば、最悪の場合の洗浄シナリオに基づいて所定の洗浄シーケンスを実行する代わりに、流体ラインの清浄度を、洗浄動作中にリアルタイムで監視することができる。流体ラインにおいて必要とされる清浄度が得られると、洗浄動作を直ちに停止することができ、貴重な時間及び溶媒の両方を節約することができる。
【0024】
リアルタイムでの少なくとも1つのパラメータ値の決定は、電子応答データを繰り返し処理し、0.01秒未満以内など、0.1秒未満以内に少なくとも1つのパラメータ値を決定することを備え得る。
【0025】
少なくとも1つのパラメータは、固形物含有量、気泡含有量、粘度、化学組成、及び/又は音速を備え得る。流体の音速は、例えば、流体の化学組成に密接に関連している。固形物の一例は、金属フレークなどの粒子である。
【0026】
超音波によって、本方法は、広範囲の異なるパラメータの決定を提供する。これは、流体ライン中の流体の特性のより正確な識別を可能にする。
【0027】
更に、いくつかの溶媒及び塗料は、同じ光透過性を有し得るか、又は全く透過性でない場合がある。しかしながら、そのような溶媒及びそのような塗料を通る音速を分析することによって、それらの異なる化学組成を明らかにすることができ、流体ラインの内側の流体の成分のより正確な知識を提供することができる。
【0028】
本方法は、流体ラインを通して洗浄媒体を導くことを備え得る。この場合、本方法は、少なくとも1つのパラメータ値がパラメータに関連付けられた閾値に達すると、洗浄媒体を導くことを停止することを更に備え得る。閾値は、例えば、流体ラインの必要とされる清浄度を表す値であり得る。
【0029】
本方法は、第1のコーティング媒体の第1の特質値、第2のコーティング媒体の第2の特質値、及び/又は洗浄媒体の第3の特質値を提供することを更に備え得る。この場合、閾値は、第1の特質値、第2の特質値、及び/又は第3の特質値に基づいて決定され得る。閾値が流体ラインの必要とされる清浄度を表す値である例では、必要とされる清浄度は、このことから、第1の特質値、第2の特質値、及び/又は第3の特質値に依存して制御することができる。
【0030】
更なる態様によると、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定するための制御システムであって、装置が、流体ラインと、出口と、第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源と、第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源と、洗浄媒体を含む洗浄媒体源と、第1のコーティング媒体源、第2のコーティング媒体源、及び洗浄媒体源の各々を、独立して流体ラインを通して出口と連通させるように構成された弁機構とを備える、制御システムが提供される。制御システムは、少なくとも1つのデータ処理デバイスと、コンピュータプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリとを備え、コンピュータプログラムは、プログラムコードを備え、プログラムコードは、少なくとも1つのデータ処理デバイスによって実行されると、少なくとも1つのデータ処理デバイスに、流体が流体ラインを通して導かれるように命令するステップと、流体は、第1のコーティング媒体、第2のコーティング媒体、及び/又は洗浄媒体を備え、流体ライン中の流体に超音波を送るように超音波デバイスに命令するステップと、超音波デバイスから電子応答データを受信するステップと、電子応答データは、超音波によって流体中に誘起されたエコー信号から変換され、電子応答データに基づいて流体ライン中の流体の少なくとも1つのパラメータを決定するステップとを実行させる。
【0031】
流体が流体ラインを通して導かれるように命令するステップは、例えば、弁機構に対応する命令信号を送ることを備え得る。コンピュータプログラムは、少なくとも1つのデータ処理デバイスによって実行されると、少なくとも1つのデータ処理デバイスに、本明細書に説明するような様々なステップを実行させるか、又はその実行を命令させる、プログラムコードを更に備え得る。
【0032】
更なる態様によると、物体にコーティング媒体を塗布するための装置であって、流体ラインと、出口と、第1のコーティング媒体を含む第1のコーティング媒体源と、第2のコーティング媒体を含む第2のコーティング媒体源と、洗浄媒体を含む洗浄媒体源と、弁機構と、本開示による制御システムとを備える装置が提供される。装置は、本明細書に開示するような任意のタイプであり得る。出口は、例えば、噴霧器又は他のタイプのスプレーノズルであり得る。
【0033】
装置は、弁機構と出口との間の流体ライン上に配置された流量計測デバイスを更に備え得る。流量計測デバイスの例は、流量制御弁及びポンプである。流体が流体ラインを通して導かれるように命令するステップは、この場合、任意選択で、流量計測デバイスに対応する命令信号を送ることを備え得る。
【0034】
装置は、流体ライン中の流体に超音波を送ることと、超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、エコー信号を電子応答データに変換することとを行うように構成された超音波デバイスを更に備え得る。超音波デバイスは、弁機構と出口との間に位置付けられ得る。
【0035】
超音波デバイスは、第1の方向に向かって流体ライン中の流体に超音波を送るように構成された第1の超音波送信機と、第1の超音波送信機から遠ざけられ、第1の方向とは実質的に反対の又は反対の第2の方向に向かって流体ライン中の流体に超音波を送るように構成された第2の超音波送信機と、第2の超音波送信機からの超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知するように構成された第1の超音波受信機と、第1の超音波受信機から遠ざけられ、第1の超音波送信機からの超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知するように構成された第2の超音波受信機とを備え得る。第1の方向は、超音波デバイスを通る流体ライン中の流れ方向と実質的に平行であり得るか、又は平行であり得る。
【0036】
装置は、第1の超音波送信機及び第1の超音波受信機を備える第1の超音波トランスデューサと、第2の超音波送信機及び第2の超音波受信機を備える第2の超音波トランスデューサとを備え得る。
【0037】
超音波デバイスは、流体ラインの外側に配置され得る。例えば、第1の超音波送信機、第1の超音波受信機、第2の超音波送信機、及び第2の超音波受信機は、流体ラインの外側に配置され得る。このようにして、超音波デバイスは、流体ラインを通る流体の流れを妨害しない。これは、次に、少なくとも1つのパラメータ値のより正確な決定を可能にする。
【0038】
超音波デバイスは、流体ラインの一部を構成する管を備え得る。管は、直線状及び/又は剛性であり得る。
【0039】
更なる態様によると、本開示による制御システム又は本開示による装置と、産業用ロボットとを備えるロボットシステムが提供される。ロボットシステムは、本明細書に説明するような任意のタイプであり得る。
【0040】
産業用ロボットは、例えば、3つ以上の軸で移動するように独立してプログラム可能なマニピュレータを備え得る。装置は、マニピュレータ中に部分的に又は全体的に配置され得る。一例によると、超音波デバイス及び流体ラインの少なくとも一部は、マニピュレータ中に配置される。
【0041】
本開示の更なる詳細、利点、及び態様は、図面と併せて読まれる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】産業用ロボットと、物体にコーティング媒体を塗布するための装置とを備えるロボットシステムを概略的に表す。
【
図3a】本装置の超音波デバイスの斜視図を概略的に表す。
【
図3b】超音波デバイスの側断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、物体にコーティング媒体を塗布するための装置中の流体の特性を決定する方法、装置中の流体の特性を決定するための制御システム、物体にコーティング媒体を塗布するための装置、及び産業用ロボットを備えるロボットシステムを説明する。同一又は同様の参照番号は、同一又は同様の構造的特徴を示すために使用される。
【0044】
図1は、ロボットシステム10を概略的に表す。ロボットシステム10は、産業用ロボット12と、装置14aとを備える。産業用ロボット12は、6軸又は7軸などの少なくとも3軸で移動可能なマニピュレータを備える。装置14aは、
図1に示すように、物体18に塗料16を塗布するように構成される。塗料16は、本明細書に説明するコーティング媒体の一例である。物体18は、例えば車両の車体部分であり得る。
【0045】
図1は、装置14aが噴霧器20を備えることを示す。噴霧器20は、本明細書に説明するような出口の一例である。噴霧器20は、ここでは、マニピュレータの遠位端に位置付けられる。
【0046】
図2は、装置14aを概略的に表す。噴霧器20に加えて、装置14aは、弁機構22と、流体ライン24と、超音波デバイス26とを更に備える。流体ライン24は、弁機構22から噴霧器20に流体を導くように配置される。超音波デバイス26は、流体ライン24上に位置付けられる。装置14aは、マニピュレータ中に全体的に又は部分的に配置され得る。
【0047】
この例の装置14aは、第1の色の塗料を含む第1の塗料源28と、第2の色の塗料を含む第2の塗料源30と、溶媒を含む溶媒源32と、圧縮空気を供給するための圧縮器34とを更に備える。第1の塗料源28、第2の塗料源30、及び溶媒源32は、このことから、それぞれ本開示による第1のコーティング媒体源、第2のコーティング媒体源、及び洗浄媒体源の例である。2つの塗料源28及び30のみを例示しているが、装置14aは、20~30個の異なる塗料源など、少なくとも10個の異なる塗料源を備え得る。
【0048】
装置14aは、流量制御弁36を更に備える。流量制御弁36は、本開示による流量計測デバイスの一例である。流量制御弁36によって、流体ライン24を通る流量を制御及び監視することができる。この例では、流量制御弁36は、超音波デバイス26の下流に、即ち、超音波デバイス26と噴霧器20との間に位置付けられる。流量制御弁36は、弁機構22の一部を形成し得る。
【0049】
この例の弁機構22は、第1の塗料源28に関連付けられた第1の塗料弁38と、第2の塗料源30に関連付けられた第2の塗料弁40と、溶媒源32に関連付けられた溶媒弁42と、圧縮器34に関連付けられた圧縮器弁44とを備える。第1の塗料弁38、第2の塗料弁40、溶媒弁42、及び圧縮器弁44の各々は、ここでは2/2弁として例証している。弁機構22は、ここでは色変換器として機能する。
【0050】
この例の弁機構22は、合流点46を更に備える。流体ライン24は、合流点46から噴霧器20まで延在する。
【0051】
第1の塗料源28は、第1の塗料弁38を備える固有のラインを介して合流点46に接続される。第1の塗料弁38及び流量制御弁36が開いているとき、第1の塗料は、弁機構22から、流体ライン24を通り、流量制御弁36を通り、噴霧器20を通って流れる。
【0052】
第2の塗料源30は、第2の塗料弁40を備える固有のラインを介して合流点46に接続される。第2の塗料弁40及び流量制御弁36が開いているとき、第2の塗料は、弁機構22から、流体ライン24を通り、流量制御弁36を通り、噴霧器20を通って流れる。
【0053】
溶媒源32は、溶媒弁42を備える固有のラインを介して合流点46に接続される。溶媒弁42及び流量制御弁36が開いているとき、溶媒は、弁機構22から、流体ライン24を通り、流量制御弁36を通り、噴霧器20を通って流れる。
【0054】
圧縮器34は、圧縮器弁44を備える固有のラインを介して合流点46に接続される。圧縮器弁44及び流量制御弁36が開いているとき、空気は、弁機構22から、流体ライン24を通り、流量制御弁36を通り、噴霧器20を通って流れる。
【0055】
弁機構22は、このことから、第1の塗料源28、第2の塗料源30、溶媒源32、及び圧縮器34の各々を、独立して流体ライン24を通して噴霧器20と流体連通させるように構成される。弁機構22及び超音波デバイス26は、例えば、産業用ロボット12の第3のアームに設けられ得る。
【0056】
装置14aは、制御システム48を更に備える。制御システム48は、データ処理デバイス50と、コンピュータプログラムを記憶したメモリ52とを備える。コンピュータプログラムは、データ処理デバイス50によって実行されると、データ処理デバイス50に、本明細書に説明するような様々なステップを実行させ、及び/又はその実行を命令させるプログラムコードを備える。制御システム48は、弁機構22と信号通信している。この例では、制御システム48は、第1の塗料弁38、第2の塗料弁40、溶媒弁42、及び圧縮器弁44の各々と信号通信しており、それらの各々の開閉を命令する。
【0057】
制御システム48はまた、流量制御弁36と信号通信しており、流体ライン24を通る流量を制御する。流量制御弁36に命令された開度は、流体ライン24を通る流量の尺度として使用することができる。
【0058】
超音波デバイス26は、流体ライン24中の流体に超音波を送ることと、超音波によって流体中に誘起されたエコー信号を感知することと、エコー信号を電子応答データ54に変換することとを行うように構成される。この例の超音波デバイス26は、第1の超音波トランスデューサ56と、ここでは第1の超音波トランスデューサ56の下流に配置された第2の超音波トランスデューサ58とを備える。制御システム48は、超音波デバイス26を制御することと、第1の超音波トランスデューサ56及び第2の超音波トランスデューサ58の各々から電子応答データ54を受信することとを行うように構成される。
【0059】
図3aは、超音波デバイス26の斜視図を概略的に表し、
図3bは、超音波デバイス26の側断面図を概略的に表す。
図3a及び3bをまとめて参照すると、超音波デバイス26は、管60を備える。管60は、ここでは直線状及び剛性である。管60は、例えば、プラスチック又は金属で作られ得る。この実装形態では、管60は、流体ライン24の一部を構成する。上流ホースは、合流点46と管60との間に接続され得、下流ホースは、管60と噴霧器20との間に接続され得る。
【0060】
第1の超音波トランスデューサ56及び第2の超音波トランスデューサ58の各々は、流体ライン24を取り囲み、完全に流体ライン24の外側に配置される。流体ライン24を通って流れる流体は、それによって、妨害されない。直管60と、流体ライン24の外側の超音波デバイス26の配置とは、このことから、流体のための遮られていない流路を提供する。
【0061】
第1の超音波トランスデューサ56は、第1の超音波送信機及び第1の超音波受信機(図示せず)を備える。第2の超音波トランスデューサ58は、第2の超音波送信機及び第2の超音波受信機(図示せず)を備える。第1の超音波送信機は、第1の方向62に超音波を送るように構成される。第1の方向62への超音波によって流体中に誘起されたエコー信号は、第2の超音波受信機によって感知される。第2の超音波送信機は、第1の方向62とは反対の第2の方向64に超音波を送るように構成される。第2の方向64への超音波によって流体中に誘起されたエコー信号は、第1の超音波受信機によって感知される。各超音波トランスデューサ56及び58は、例えば、それらの間の超音波の飛行時間を決定するように構成され得る。飛行時間は、電子応答データ54として制御システム48に通信され得る。
【0062】
図2、3a、及び3bをまとめて参照して、流体ライン24を通過する流体の特性を決定する方法を説明する。第1の塗料源28から物体18への第1の塗料の塗布が終了し、第2の塗料源30から物体18への第2の塗料の塗布が開始されるとき、第1の塗料が第2の塗料を汚染することを回避するために洗浄手順が実行される。洗浄手順は、流体ライン24を通して溶媒源32からの溶媒と圧縮器34からの空気とを交互に導いて、そこから第1の塗料を除去することを備え得る。
【0063】
各塗料の特性は、著しく異なり得る。そのような特性の例は、固形物含有量、気泡含有量、粘度、化学組成、及び/又は音速である。これらの特性のうちのいくつか又は全ては、塗料の洗浄性に影響を及ぼし得、それは、次に、流体ライン24を洗浄するのに必要とされる時間及び溶媒の体積に影響を及ぼす。
【0064】
洗浄手順中、超音波デバイス26は、流体ライン24中の流体を超音波パルスに連続的にさらし、対応する電子応答データ54を提供する。制御システム48は、超音波デバイス26からの電子応答データ54に基づいて、流体の1つ以上のパラメータ値をリアルタイムで決定する。この例では、流体ライン24中及び超音波トランスデューサ56と58との間の流体を通る音速が、流体のパラメータとして使用される。
【0065】
特質値は、装置14a中の各色について決定され得る。特質値はまた、溶媒について決定され得る。この例では、音速がパラメータとして使用されるので、音速は、ここでは、特質値としても使用される。即ち、純粋な第1の塗料を通る第1の音速、純粋な第2の塗料を通る第2の音速、及び純粋な溶媒を通る第3の音速は、例えば、実験、計算、及び/又は供給者データに基づいて、事前に決定され得る。
【0066】
洗浄手順に必要とされる清浄度に関連する閾値が、次いで、特質値のうちの1つ以上に基づいて決定され得る。1つ又はいくつかのそのような閾値は、制御システム48において事前定義され得る。必要とされる清浄度は、前の色及び次の色の特質に依存する。例えば、第1の色が黒色であり、第2の色が白色である場合、黒色による汚染を回避するために、白色を塗布する前に、流体ライン24の高い清浄度が必要とされる。この場合、閾値は、純粋な溶媒を通る音速の近くに設定され得る。このことから、流体ライン24を洗浄するより前に、黒色を含む流体ライン24を通る音速は、黒色を通る音速に実質的に対応する。溶媒が流体ライン24中に導入されるにつれて、音速測定値は、徐々に変化して閾値により近づく。流体ライン24が溶媒によって完全に洗浄されると、流体ライン24中に黒色は存在しない。溶媒のみを含む流体ライン24を通る音速は、従って、溶媒を通る音速に実質的に対応する。それによって、清浄度要件が満たされる。
【0067】
更なる例として、第1の色が薄緑色であり、第2の色が僅かにより濃緑色である場合、物体18の仕上げに目に見える影響を及ぼすことなく、後続のより濃緑色の塗布を開始する前に、いくらかの薄緑色が流体ライン24中に残り得る。この場合、閾値は、例えば、濃緑色の音速と溶媒の音速との間の平均に設定され得る。このようにして、最適化された洗浄性能を、超音波デバイス26によって各色に対して提供することができる。
【0068】
流体ライン24中の清浄度の現在のレベルを示す情報を含む電子応答データ54は、制御システム48に連続的にフィードバックされ、制御システム48は、必要とされる清浄度が達成されるとすぐに洗浄手順を停止する。このことから、パラメータ値が閾値に達したと決定した後、制御システム48は、溶媒弁42に閉じるように、及び第2の塗料弁40に開くように命令する。ロボットシステム10のユーザは、従って、溶媒の消費に関連するコスト及び時間の両方を節約する。
【0069】
洗浄手順中、流体は、廃棄容器に排出され得る。代替として、流体は、装置14a内で再循環され得る。
【0070】
清浄度基準が満たされ、洗浄プロセスが停止されると、第2の塗料を物体18に塗布することができる。超音波デバイス26はまた、しかしながら、例えば、塗布された塗料中の気泡の発生を検出するために、洗浄動作中以外のときに流体を監視し得る。気泡の発生は、異なる発端、例えば、最近混合された塗料において発生する漏れ又は化学プロセスを有する可能性がある。塗料流中に気泡が現れると、塗装品質が低下し得る。
【0071】
図4は、更なる例による装置14bを概略的に表す。装置14bは、装置14bが流量制御弁36の代わりにギアポンプ66を備える点で装置14aと異なる。ギアポンプ66は、弁機構22と超音波デバイス26との間の流体ライン24上に設けられている。ギアポンプ66は、本開示による流量計測デバイスの更なる例である。ギアポンプ66によって、流体ライン24中の流体を噴霧器20に向かって推進することができる。
【0072】
本開示は、例証的な実施形態を参照して説明してきたが、本発明は、上記で説明したものに限定されないことが認識されるであろう。例えば、部品の寸法は必要に応じて変更され得ることが認識されるであろう。それ故に、本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定され得ることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
米国特許出願公開第2009/134241号公報は、物体を塗装するためのスプレーヘッドと、塗料を塗料容器から供給ラインを介してスプレーヘッドに搬送し、戻りラインを介して塗料容器に戻すためのポンプとを有する塗装機を開示しており、供給ライン及び戻りラインは、塗装機をフラッシュ洗浄するための溶媒を有する溶媒容器に接続される。供給ライン及び戻りラインは、塗料及び溶媒残留物を廃棄するための廃棄容器に接続され、それらのそれぞれの容器側端部において、供給ライン及び戻りラインを塗料容器、溶媒容器、又は廃棄容器に切り替えるための第1及び第2の制御可能な多方弁に接続される。塗装機は、塗料の廃棄、溶媒の充填、塗装機の洗い流し、溶媒の廃棄、塗料の再充填、及び塗料の更なる搬送という連続動作の実行が自動化されるように多方弁を制御するための制御デバイスを有する。
特開平09-285748号公報には、塗装用ロボットの色替装置が開示されている。色替装置は、塗料ホース、塗装ガン、塗料供給ホース、シンナー供給ホース、色替バルブユニット、超音波送信器、超音波受信器を備える。塗装ガンから液体が噴射される際に、塗装ガンから噴射された廃液の濃度が、超音波送信器から超音波を送信した時刻と、超音波受信器で超音波を受信した時刻との時間差に基づいて、検出される。超音波送信器と超音波受信器とを備える濃度検出手段は、塗装ガンに設けることができる。
【国際調査報告】