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特表2024-502745医療機器制御システム、コネクタ、医療機器コントローラ機器構造および医療機器構造
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  • 特表-医療機器制御システム、コネクタ、医療機器コントローラ機器構造および医療機器構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】医療機器制御システム、コネクタ、医療機器コントローラ機器構造および医療機器構造
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240116BHJP
   A61H 9/00 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61M39/10
A61H9/00
A61M39/10 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537299
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 SE2021051265
(87)【国際公開番号】W WO2022132016
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2051492-3
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518193685
【氏名又は名称】アルジョ アイピー ホールディング アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】Arjo IP Holding Aktiebolag
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン,マイケル デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヒバーダイン,ジョン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン,アラー
【テーマコード(参考)】
4C066
4C100
【Fターム(参考)】
4C066JJ04
4C066JJ05
4C066QQ78
4C066QQ84
4C100AC04
(57)【要約】
本発明は、医療機器(120)と、その動作を制御するように構成されたコントローラ機器(110)とを具える医療機器制御システム(100)に関し、この医療機器制御システム(100)はさらに、医療装置(120)とコントローラ装置(110)とを連結するための結合アセンブリ(300)を含む。結合アセンブリ(300)は、コネクタ(330)と接続部材(310)とを具え、コネクタ(330)は、コネクタ(330)と接続部材(310)を介して接続を形成するために、接続部材(310)に接続可能である。結合アセンブリ(300)は識別装置(390)を具え、この識別装置(390)は、コントローラ機器(110)または医療機器(120)に関する特性応答を生成するように適合される。医療機器制御システムは、感知構造(420)を具え、この感知構造(420)は、搬送波信号(C)と混合無線周波数波形(S)とを組み合わせることにより、混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発するように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器制御システム(100)において医療機器(120)とコントローラ機器(110)とを接続するための結合アセンブリ(300)用のコネクタ(330)であって、前記コントローラ機器(110)は前記医療機器(120)の動作を制御するように構成されており、前記コネクタ(330)は前記結合アセンブリの接続部材(310)に接続可能であり、前記コネクタ(330)は識別装置(390)を具え、前記識別装置は前記コントローラ機器(110)または前記医療機器(120)に関する特性応答を発生するように適合されており、前記特性応答は、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することによって混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発する医療機器制御システム(100)の感知構造(420)によって通電されることによって検出可能であり、前記特性応答は80kHz~300kHzであることを特徴とするコネクタ(330)。
【請求項2】
前記コネクタ(330)は、電気的接続、流体的接続、または光学的接続のいずれか1つまたは複数を形成するために、前記接続部材(310)に接続可能である、請求項1に記載のコネクタ(330)。
【請求項3】
さらに、前記接続部材(310)に接続可能なバレル(339)を有するコネクタ本体(331)を具え、前記識別装置(390)が前記バレル(339)内に配置されている、請求項1または2に記載のコネクタ(330)。
【請求項4】
前記識別装置(390)が、フェライト材料、真鍮材料、および強磁性材料のいずれかで作られている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項5】
前記識別装置(390)がほぼ円筒形である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項6】
前記識別装置(390)が、前記コネクタ(330)に沿って少なくとも2mmの長さを有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項7】
さらに、前記医療機器(120)または前記コントローラ機器(110)に関するデータを記憶するデータ記憶装置を具える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項8】
前記コネクタ(330)は、医療用流体圧制御システムのポンプとコントローラ機器とを接続する流体接続を形成するために、前記接続部材(310)に接続可能である、請求項2乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項9】
医療機器制御システム(100)のための医療機器構造であって、医療機器(120)と、前記医療機器(120)に接続された請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコネクタ(330)とを具える医療機器構造。
【請求項10】
前記識別装置(390)は、前記医療機器(120)に関する特性応答を生成するように適合されている、請求項9に記載の医療機器構造。
【請求項11】
結合アセンブリ(300)によって医療機器制御システム(100)の医療機器(120)に接続されるように構成された医療用コントローラ機器構造であって、当該医療用コントローラ機器構造は、前記医療機器(120)の動作を制御するためのコントローラ機器(110)を具え、前記結合アセンブリ(300)は、接続部材(310)に接続可能なコネクタ(330)を具え、
前記接続部材(310)は前記医療用コントローラ機器構造内に構成されており、前記医療用コントローラ機器構造がさらに、制御ユニット(480)と、当該制御ユニット(480)に作動的に接続された感知構造(420)とを具え、前記感知構造(420)が、前記医療機器(120)に関する特性応答を検出するために、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することにより、混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発するように構成されている、医療用コントローラ機器構造。
【請求項12】
前記特性応答は、前記感知構造(420)によって通電されたときに前記コネクタ(330)内に構成された識別装置(390)による影響を受ける、請求項11に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項13】
前記感知信号(S)は、周波数、振幅および/または位相に関して経時的に変化する、請求項11または12に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項14】
前記感知信号(S)は、80kHz~300kHzの搬送波周波数(fc)を有する、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項15】
前記混合信号(M)はパルス信号であり、前記感知信号(S)がパルス変調波形である、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項16】
前記混合信号(M)が一定の変動を有する、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項17】
前記混合信号(M)が、擬似ランダム変動のような非定常変動を有する、請求項11乃至15のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項18】
前記感知構造(420)がスペクトル拡散感知構造である、請求項17に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項19】
前記制御ユニット(480)は、複数のモードで前記感知構造(420)を制御するように構成され、各モードは、前記感知構造(420)が区別可能な感知信号(S)を発することに関連する、請求項11乃至18のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項20】
前記制御ユニット(480)は、前記医療機器(120)を識別するために、前記識別装置(390)によって生成された特性応答を、対応する医療機器のセットに関連付けられた記憶された特性応答のセットと比較するように構成されている、請求項11乃至19のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項21】
さらに、前記制御ユニット(480)に作動的に接続された指示装置(117)を具え、前記指示装置(117)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答に基づいて、ユーザに指示を提供するように構成されている、請求項11乃至20のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項22】
前記制御ユニット(480)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答に基づいて前記コントローラ機器(110)を制御するように構成されている、請求項11乃至21のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項23】
前記制御ユニット(480)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答が予め定義された閾値範囲外であることに応答して、前記コントローラ機器(110)によって前記医療機器(120)の動作を無効にするように構成されている、請求項22に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項24】
前記感知構造(420)は、少なくとも1つのセンサユニット(421)を具える、請求項11乃至23のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項25】
前記センサユニット(421)は、送信機(423)と受信機(424)とを具え、前記送信機(423)は前記受信機(424)へ感知信号(S)を送信して、前記送信機(423)と前記受信機(424)の間にセンサフィールドを形成するように構成されている、請求項24に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項26】
前記感知構造(420)は、前記送信機(423)と前記受信機(424)とを接続するように構成されたセンサコイル(425)を具える、請求項25に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項27】
前記センサコイル(425)は前記接続部材(310)に設けられている、請求項26に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項28】
前記センサユニット(421)は、前記接続部材(310)の外部に配置されている、請求項24乃至27のいずれか1項に記載の医療用コントローラ機器構造。
【請求項29】
請求項9または10に記載の医療機器構造と、請求項11乃至28のいずれか1項に記載の医療コントローラ機器構造とを具える、医療機器制御システム(100)。
【請求項30】
医療機器(120)と、前記医療機器(120)の動作を制御するように構成されたコントローラ機器(110)とを具える医療機器制御システム(100)であって、前記医療機器制御システム(100)がさらに、前記医療機器(120)と前記コントローラ機器(110)とを連結するための結合アセンブリ(300)を具え、
前記結合アセンブリ(300)はコネクタ(330)と連結部材(310)とを具え、前記コネクタ(330)は前記連結部材(310)に連結可能であり、
前記連結アセンブリ(300)は識別装置(390)を具え、前記識別装置(390)は、前記コントローラ機器(110)または前記医療機器(120)に関する特性応答を生成するように適合されており、
前記医療機器制御システム(100)はさらに、制御ユニット(480)と、前記制御ユニット(480)に作動的に接続された感知構造(420)とを具え、前記感知構造(420)は、前記医療機器(120)または前記コントローラ機器(110)に関する特性応答を検出するために、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することにより、混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発するように構成されている、医療機器制御システム(100)。
【請求項31】
前記感知信号(S)は、周波数、振幅および/または位相に関して時間的に変化する、請求項30に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項32】
前記感知信号(S)は、80kHz~300kHzの搬送波周波数(fc)を有する、請求項30または31に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項33】
前記混合信号(M)はパルス信号であり、前記感知信号(S)はパルス変調波形である、請求項30乃至32のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項34】
前記混合信号(M)は一定の変動を有する、請求項30乃至33のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項35】
前記混合信号(M)は、擬似ランダム変動のような非定常変動を有する、請求項30乃至34のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項36】
前記感知構造(420)がスペクトル拡散感知構造である、請求項30乃至35のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項37】
前記制御ユニット(480)は、複数のモードで前記感知構造(420)を制御するように構成され、各モードは、前記感知構造(420)が区別可能な感知信号(S)を発することに関連する、請求項30乃至36のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項38】
前記コントローラ(480)は、医療機器(120)またはコントローラ機器(110)を識別するために、前記識別装置(390)によって生成された特性応答を、対応する医療機器(120)またはコントローラ機器(110)のセットに関連付けられた記憶された特性応答のセットと比較するように構成されている、請求項30乃至37のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項39】
さらに、前記コントローラ(480)に作動的に接続された指示装置(117)を具え、前記指示装置(117)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答に基づいて、ユーザに指示を提供するように構成されている、請求項38に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項40】
前記コントローラ(480)は前記コントローラ機器(110)内に構成され、前記識別装置(390)によって生成された特性応答に基づいて前記コントローラ機器(110)を制御するように構成されている、請求項30乃至39のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項41】
前記コントローラ(480)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答が予め定義された閾値範囲外であることに応答して、前記コントローラ機器(110)によって前記医療機器(120)の動作を無効にするように構成されている、請求項40に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項42】
前記感知構造(420)は、少なくとも1つのセンサユニット(421)を具える、請求項28乃至41のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項43】
前記センサユニット(421)は、送信機(423)と受信機(424)とを具え、前記送信機(423)は前記受信機(424)へ感知信号(S)を送信して、前記送信機(423)と前記受信機(424)の間にセンサフィールドを形成するように構成されている、請求項42に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項44】
前記感知構造(420)は、前記送信機(423)と前記受信機(424)とを接続するように構成されたセンサコイル(425)を具える、請求項43に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項45】
前記センサコイル(425)は前記接続部材(310)に設けられている、請求項44に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項46】
前記センサユニット(421)は、前記接続部材(310)の外部に配置されている、請求項42から45のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器制御システム、医療機器制御システム用コネクタ、医療機器構造および医療コントローラ機器構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、結合アセンブリによってコントローラ機器に接続された医療機器を有する空気圧システムなどの医療機器制御システムに関する。
【0003】
現在の結合アセンブリは、多くの場合、「クイック・コネクト」または「スナップ・フィット」のタイプの2つの部品でなるコネクタ構成を利用している。これは、ポンプと膨張式ガーメントの間の接続を提供するための、純粋に機械的な係合を伴う。接続が空気圧接続の場合、1つまたは複数の別個の空気経路を含み得る。
【0004】
このスタイルでは様々なコネクタが利用可能だが、見た目が非常に似ている。そのため、ユーザ(または患者)は、一見すると互換性があるように見えるが一緒に利用できないアイテムを接続しようとすることがよくある。その結果、これらの機器を誤って相互接続しようとして、複雑化や危険性が生じる可能性がある。
【0005】
一般的に使用されているいくつかのコネクタは、物理的なサイズや形状が比較的小さいため、特に在宅医療環境などの非急性の現場で使用するように設計された製品などで、視覚の制限や熟練度の制限があるユーザが誤接続を防ぐためのマーキングや物理的特徴を施すことは容易ではない。また、色覚異常(色盲)があるように、色分けはすべてのユーザにとって十分な効果があるものではない。一般に製品マーキング技術の使用自体も、市場での理解や調整の不足により、無視されたり、不用意に使用されたり、誤用されたりする可能性があるため、フェイルセーフの運用を提供するものではない。そのため、製品の基本的な動作に監視・識別プロセスを統合することで、マーキングよりも効果的なソリューションが提供される。したがって、このような複雑化や危険のリスクを軽減するシステムが必要とされている。
【0006】
これは、例えば米国特許7,398,803および米国特許10,675,210に記載されているように、特定の識別部品を有する物品または物品のコネクタによって実行され得る。
【0007】
コネクタと識別部品をコネクタ/コイル内に配置すると、コネクタ内に存在する識別部品が、コイルのインダクタンス変化を通じてコイル特性を変更する。この変更は通電信号の関数であり、異なる刺激に対して異なる反応が得られる。コネクタから受信される応答信号の変化はポンプによって分析され、電子回路とソフトウェアベースの処理要素の両方を使用して送信され処理された信号と比較される。これにより、コントローラ機器は接続された医療機器を分類したり、最初の接続を検出したり、その継続的な存在を感知したり、医療機器の種類に基づいて安全かつ効果的な方法で接続された医療機器を操作したりするようにコントローラ機器を構成することができる。このアプローチは、この機能を持たない製品やシステムと比較して、ユーザに多くの利点をもたらす。
【0008】
しかしながら、先行技術(米国特許6884255、米国特許7398803、米国特許10675210に詳述されているような)に記載されているシステムは、成分ごとに固定の周波数を有する感知信号を使用し、信号は周期的で周波数が変化しないため、感知信号は周波数、種類、振幅に関して顕在化しないか一定である。刺激のレベルが固定であるため、反応も固定されたものになる。このように、コネクタ内に存在する識別部品は、この目的に使用される無線回路に一定の影響を与える。その直接的な結果として、感知システムの電磁両立性(EMC)性能は、一定の放射プロファイルを有し、外部干渉の影響に対する感受性の程度も一定であることから、本質的に一定であると考えることができる。
【0009】
通信や機器操作の多くの分野では、安全で一貫した操作を保証するため、また同じ操作環境で使用される他の機器との干渉を避けるため、低ノイズの操作方法を提供するために、堅牢で信頼性の高い通信が必要とされる。無線放射を制限し、機器の相互運用性を確保するために、様々な規格や測定が実施されているが、製品自体が非常に堅牢な方法で動作し、運用環境に容易に適応できることが有利である。
【0010】
例えば、病院の手術室では、電気外科用発電機のように、意図的に無線周波数(RF)エネルギーのレベルをその意図された機能の基礎として利用したり、遠隔通信やデバイス追跡のような他の補助的な機能のためにRFを利用したりする多くの機器がある。
【0011】
広く利用されるつつある分野として、手術器具、機械、吸収ガーゼ、その他患者の近くにある物品をRFIDタグを付けて追跡することで、手術中に不用意に患者の体内に残さないようにすることがある。
【0012】
これらの機器には、圧迫システムなどの他の機器と同じ115~135kHzのRFロケーションタグが取り付けられる。これらのタグ付き機器は、必要なRFIDタグ付き機器がすべて取り除かれていることを確認するために、外科手術の段階で患者の上を通過させる手動スキャン棒によって検出することができる。さらなる用途として、RFID検出コイルを組み込んだ感知マットの上に患者を横たわらせ、患者の身体の近くにあるタグ付き物品の存在を即座に検出できるようにする。これは、同じ周波数を使用する他の機器と動作環境を共有する。
【0013】
手術室以外では、無線自動識別装置(RFID)が、薬剤や機器の識別装置からIDブレスレット用の患者用ブレスレットまで、幅広い機器に広く使用されている。このように、医療施設や患者のケア環境そのものにおいて、RFIDの利用が増加していることは容易に理解される。
【0014】
本出願人による圧縮ガーメントの識別に関する最初の研究(米国特許6,884,255など)が発表されて以来、医療界では、一般的に使用される様々な器具の数がかつてないほど増加している。機器の資産追跡にRFIDを使用することは日常的に行われており、トレーサビリティ、識別、製品の安全性の面で多くの利点をもたらしている。その結果、インテリジェントで自動的な相互運用を目的とする将来の医療システムの運用は、医療界の広範なEMC環境に対する耐性をさらに高める必要がある。これは、ワイヤレスRFを使用して相互接続する医療機器の相互通信や相互運用が増加しているため、特に顕著である。
【0015】
本発明は、この先行技術のアプローチを修正し、動作をより堅牢にし、外部ノイズ源のような制御不能な要因の変動に対する感度を最小にするものである。
【発明の概要】
【0016】
一態様によれば、医療機器制御システムにおいて、医療機器とコントローラ機器を接続するための結合アセンブリ用コネクタが提供される。前記コントローラ機器は、前記医療機器の動作を制御するように構成され、前記コネクタは、前記結合アセンブリの接続部材に接続可能であり、前記コネクタおよび接続部材を介して接続を形成する。
【0017】
前記コネクタは識別装置を具え、当該識別装置は、前記コントローラ機器または医療機器に関連する特性応答を生成するように適合されている。前記特性応答は、搬送波信号と混合信号とを混合することにより混合無線周波数波形の態様で感知信号を発する医療機器制御システムの感知構造により通電されることによって検出可能であり、前記特性応答は80kHz~300kHzである。
【0018】
一態様によれば、医療機器制御システムが提供される。医療機器制御システムは、医療機器と、当該医療機器の動作を制御するように構成されたコントローラ機器を具える。医療機器制御システムはさらに、医療機器とコントローラ機器を接続するための結合アセンブリを具える。
【0019】
前記結合アセンブリは、コネクタと接続部材とを具え、前記コネクタは、前記コネクタと前記接続部材を介して接続を形成するために、前記接続部材に接続可能である。
【0020】
前記結合アセンブリは識別装置を具え、前記識別装置は、前記コントローラ機器または前記医療機器に関連する特性応答を生成するように適合されている。
【0021】
前記医療機器制御システムは、制御ユニットと、前記制御ユニットに作動的に接続された感知構造とをさらに具える。感知構造は、医療機器またはコントローラ機器に関連する特性応答を感知するために、搬送波信号と混合信号を組み合わせることにより、混合無線周波数波形の形で感知信号を発するように構成される。
【0022】
本発明のさらなる目的および特徴が本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下に、本発明を図面を参照しながら説明する。
図1図1は、本発明の一実施形態による医療機器制御システムを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による医療機器制御システムおよび各種識別装置を示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による医療機器制御システムの概略システム図である。
図4図4は、本発明の実施形態による感知構造の概略図である。
図5図5は、本発明の実施形態による感知構造の概略図である。
図6図6a-bは、本発明の実施形態による感知構造の信号のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明によるコネクタ330、医療機器構造および/または医療コントローラ機器構造が実装され得る医療機器制御システム100を示す。
【0025】
医療機器制御システム100は、医療機器120を具える。医療機器制御システム100は、医療機器120の動作を制御するためのコントローラ機器110をさらに具える。コントローラ機器110は、医療機器120の動作を制御するように構成され得る。
【0026】
医療機器制御システム100は、医療機器120とコントローラ機器120を接続するための結合アセンブリ300をさらに具える。結合アセンブリ300は、コネクタ330と接続部材310とを具える。
【0027】
コネクタ330は、コネクタ330と接続部材310を介した接続を形成するために、接続部材310に接続可能である。
【0028】
コネクタ330は、様々な電気接続、流体接続、光接続、またはそれらの組み合わせを形成するために、接続部材310に接続可能であり得る。一実施形態では、コネクタ330は、複数の電気的、流体的または光学的接続を形成するために、接続部材310に接続可能である。
【0029】
医療機器120は、膨張/収縮可能な物品、測定機器、使い捨て医療機器のいずれかであり得る。
【0030】
図1に示す実施形態では、医療機器120は膨張/収縮可能な物品120であり、コントローラ機器110はポンプである。したがって、結合アセンブリ300は、膨張可能な物品120とコントローラ機器110との間に流体接続を形成する。
【0031】
したがって、医療機器制御システム100は、本発明によるコネクタが実装され得る流体圧制御システムであり得る。流体圧制御システム100は、空気圧制御システムのような気体圧力制御システムであってもよいし、膨張/収縮可能な物品の用途に適した任意のタイプの流体に基づくものであってもよい。
【0032】
医療機器制御システム100は、医療機器120とコントローラ機器110とを具える。コントローラ機器110は、医療機器120の動作を制御するように構成されている。
【0033】
コントローラ機器110は、制御ユニット(図1には図示せず)を具え得る。一実施形態では、制御ユニットは、ポンプを制御するためにコントローラ機器110のポンプに作動的に接続される。
【0034】
一実施形態では、ポンプは空気圧ポンプであり得る。ポンプは、膨張/収縮可能な物品との間の流体の流れを制御するように配置され得る。したがって、ポンプは、膨張/収縮可能な物品を膨張させたり収縮させたりするように構成され得る。
【0035】
医療機器制御システム100は、医療機器120とコントローラ機器110を接続するための結合アセンブリ300を具える。結合アセンブリ300は、コネクタ330と接続部材310とを具える。
【0036】
コネクタ330は、コネクタ本体331を具える。コネクタ本体331は、コネクタ330と接続部材310を介して接続を形成するために、接続部材310に接続可能である。一実施形態では、コネクタ330と接続部材310は、コネクタ330を通る流体通路を形成するように接続可能である。
【0037】
コネクタ330と接続部材310との接続は、コネクタ本体331またはコネクタ本体331の一部が接続部材310に挿入されることによって形成され得る。したがって、コネクタ本体331は、接続部材310と係合するための遠位部332を有し得る。
【0038】
コネクタ本体331は、接続軸CAに沿って接続部材310内を移動可能である。接続軸CAはコネクタ330から遠位方向に延び、遠位部分332は接続軸CAに沿って接続部材310の内部で移動可能である。好ましくは、遠位部分332と接続部材310は、コネクタ本体331が結合位置にあるときに密封係合するように適合されている。
【0039】
コネクタ本体331は、非挿入位置から非結合位置へと移動可能であり得る。非結合位置では、コネクタ本体331は少なくとも接続部材310に近接する。一実施形態では、コネクタ本体331は、少なくとも非結合位置で接続部材310と接触していてもよい。本明細書における非結合位置とは、コネクタ本体331が接続部材310内にあるが、結合アセンブリが接続部材310とコネクタ330を介した接続を提供していない位置をいう。これに対して、本明細書において結合位置とは、コネクタ本体331が接続部材310内にあり、接続部材310とコネクタ330を介した接続が達成される位置をいう。
【0040】
一実施形態では、コネクタ本体331が結合位置にあるとき、遠位部分332のほぼ全長が接続部材310に挿入されてもよい。
【0041】
さらに図1を参照すると、医療機器制御システム100は医療機器接続部112を具える。医療機器120は、この医療機器接続部112によってコネクタ330に接続され得る。
【0042】
したがって、医療機器制御システム100は、医療機器120、医療機器接続部112、およびコネクタ330を具え得る。医療機器120は、医療機器接続部112によってコネクタ330に接続される。
【0043】
医療機器制御システム100は、コントローラ機器接続部114を含み得る。コントローラ機器110は、このコントローラ機器接続部114によって接続部材310に接続され得る。
【0044】
医療機器制御システムが流体圧制御システムである実施形態では、コネクタ330は、機器流体接続(すなわち、医療機器接続部112)によって医療機器120に流体接続され得る。物品の流体接続は、チューブまたはホースであり得る。これに対応して、接続部材310は、コントローラ機器流体接続(すなわち、コントローラ機器接続114)によってコントローラ機器に流体接続され得る。コントローラ機器の流体接続部114は、チューブまたはホースであり得る。
【0045】
医療機器またはコントローラ機器の識別を可能にするために、医療機器制御システム100は、識別装置390をさらに含み得る。識別装置390は、コントローラ機器110または医療機器120に関する特性応答を生成するように適合されている。
【0046】
さらに、医療機器制御システム100は、制御ユニット480と感知構造420(図3で紹介)とを具え得る。感知構造420は制御ユニット480に機能的に接続されている。
【0047】
このように、結合アセンブリ300は、識別装置390を具え得る。図3を参照してさらに説明されるように、感知構造420は、医療機器120またはコントローラ機器110に関する特性応答を検出するための混合無線周波数波形を発するように構成され得る。
【0048】
さらにコントローラは、識別装置390によって生成された特性応答を、対応する医療機器またはコントローラ機器のセットに関連付けて記憶された特性応答のセットと比較して、医療機器120またはコントローラ機器110を識別するように構成され得る。
【0049】
一実施形態では、感知構造420は、医療機器120またはコントローラ機器110に関連する少なくとも1つの特性応答を検出するために、少なくとも1つの混合無線周波数波形、すなわち感知信号を発するように構成され得る。混合無線周波数波形は、少なくとも1つの搬送波周波数を含むか、送信ミキサ427によって順次選択される複数の搬送波周波数を含み得る。
【0050】
さらにコントローラは、識別装置390によって生成された少なくとも1つの特性応答を、対応する医療機器またはコントローラ機器のセットに関連付けて記憶された特性応答のセットと比較して、医療機器120またはコントローラ機器110を識別するように構成され得る。
【0051】
一実施形態では、制御ユニット480はコントローラ機器110内に含まれる。制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答に基づいて、コントローラ機器110を制御するように構成され得る。
【0052】
一実施形態では、制御ユニット480は、コントローラ機器110とは別体であってもよい。したがって、制御ユニット480は、感知構造420およびコントローラ機器110に作動的に接続された外部制御ユニットであり得る。さらなる実施形態では、制御ユニット480は感知構造420内に含まれる。
【0053】
制御ユニット480は、特性応答を記憶されている特性応答のセットと比較するように構成され得る。記憶された特性応答のセットは、医療機器とコントローラ機器の互換性を識別および確認するために、対応するコントローラ機器110または医療機器120のセットに関連付けられている。
【0054】
記憶された特性応答のセットは、制御ユニット480のメモリに記憶され得る。
【0055】
医療機器制御システム100は、指示装置117を含み得る。指示装置はコントローラ機器480に機能的に接続され得る。一実施形態では、指示装置117は、識別装置390によって生成された特性応答に基づいて、ユーザに指示を提供するように構成されている。
【0056】
図1を参照すると、指示装置117は、コントローラ機器110に設けられ得る。一実施形態では、指示装置117は、LEDやLCDディスプレイなどの表示装置であり得る。一実施形態では、指示装置117は、スピーカ、光、触覚指示装置のいずれかであり得る。触覚指示装置は、選択的に振動してユーザに指示を与えるように構成され得る。このような触覚指示装置は、例えば接続部材310やコネクタ330に設けられてもよい。触覚指示装置は、制御ユニットに作動的に接続された選択的に振動する要素であってもよい。
【0057】
一実施形態では、コネクタ330が識別装置390を具える。識別装置390は、コントローラ機器110または医療機器120に関する特性応答を生成するように適合されている。この特性応答は、混合無線周波数波形を発する医療機器制御システム100の感知構造420により励起(energize)されることによって検出可能である。識別装置390は、80kHz~300kHzの範囲で特性応答を生成するように適合され得る。関連する設計は通常、RFIDの周波数帯域である115~125kHz付近に集中しており、つまり意図的に調整されているため、これは有益である。様々な機器が広く使用される多くのISM帯域に合わせるため、この周波数範囲には許容誤差が加えられている。さらに、フーリエ効果を考慮すると最大許容値の幅が広がり、これも公称最大周波数の2倍以上である300kHzまで拡張することの利点の1つである。さらに450kHzを超えると、電気外科用発電機やジアテルミーなどの機器のために確保された領域など、ノイズの多い領域が発生する。このように、外部ノイズの影響を受けにくい互換性機能が達成され、より堅牢な動作が可能である。
【0058】
特性応答は、印加波形と識別装置の組み合わせであり得る。その結果、印加波形の変化(modification)を通じて、取り付けられた医療機器120の所与の識別装置ごとに多数の個別の特性応答を生成することができる。
【0059】
前述のように、コネクタ330は、電気的、流体的または光学的接続のいずれか1つまたは複数を形成するために、接続部材310に接続可能であり得る。
【0060】
コネクタ330は、膨張式ガーメントポンプの形態の医療機器と、医療用流体圧制御システムの形態の医療機器制御システムのポンプの形態のコントローラ機器とを接続する流体接続を形成するために、接続部材310に接続可能であり得る。
【0061】
第1の特性応答は、コネクタ位置が、遠位部分331が結合位置に配置されておらず、代わりに非結合位置に配置されている場合に生成され、関連付けられる。
【0062】
第2の特性応答は、コネクタ位置が、遠位部分331が結合位置にあるときに生成され、関連付けられる。
【0063】
実施形態によれば、結合アセンブリ300は、機械式ラッチ370をさらに具え得る。機械式ラッチ370は、遠位部分331を結合位置に固定するように構成される。したがって、結合位置は遠位部分のラッチ位置であり得る。
【0064】
機械式ラッチ370は、コネクタ本体321が結合位置にあるとき、すなわち接続部材310と係合状態にあるときに、ユーザが係合させてコネクタ本体331を固定するように適合された手動操作式の機械式ラッチであり得る。
【0065】
あるいは、機械式ラッチ370は、コネクタ本体331が結合位置にあるとき、コネクタ本体331を固定するために弾力的に係合するように適合される。
【0066】
好ましくは、機械式ラッチ370は、接続部材310またはコネクタ330に設けられたロック部材と、接続部材310またはコネクタ330の他方に設けられた保持部材とを具える。コネクタ本体331が結合位置にあるとき、保持部材は保持部材を係合し、これによって機械式ラッチ370が接続部材310に対して固定されるように構成される。
【0067】
機械式ラッチは従来技術において周知であり、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0068】
図2は、医療機器制御システム100と組み合わせる様々なタイプの識別装置390A、390B、390Cを示す。
【0069】
一実施形態では、感知構造420が接続部材310および/またはコントローラ機器110に設けられ、識別装置390がコネクタ330に設けられてもよい。
【0070】
したがって、感知構造420は、医療機器120に関する特性応答を検出するように構成され得る。
【0071】
一実施形態によれば、識別装置390はコネクタ330の遠位部331に設けられ得る。好ましくは識別装置390は、接続軸CAに沿って2mm以上の長さを有し得る。流体圧力制御システムの異なるタイプの構成要素を区別できるようにするため、識別装置390のサイズ、材料特性、および形状は変更されてもよい。
【0072】
一実施形態では、識別装置390は、フェライト材料、真鍮材料、および強磁性材料のいずれか1つで作られる。
【0073】
一実施形態では、識別装置390は実質的に円筒形である。
【0074】
一実施形態では、識別装置390は、コネクタ330に沿って少なくとも2mmの長さを有する。
【0075】
有利なことに、識別装置390によって生じる特性応答は、混合無線周波数波形の変動に応じて変化する。一実施形態では、識別装置390によって生成される特性応答は、個々の周波数成分と混合無線周波数波形の変動に応じて変化する。
【0076】
図2に示すように、識別装置390は概ね円筒形または環形であり得る。有利には、識別装置390の外形寸法(すなわち、接続軸に直交する最大幅または高さ)は5~10mm、好ましくは6~8mmである。識別装置390は、好ましくは6mm未満、より好ましくは4mm以上の内寸(すなわち内径)を有し得る。識別装置390は、接続軸に沿って1~10mm、より好ましくは2~9mmの長さを有し得る。
【0077】
一実施形態では、コネクタ330がデータ記憶装置を具え得る。
【0078】
データ記憶装置は、医療機器120またはコントローラ機器110に関するデータを保持することができる。このように、データ記憶装置は識別装置とは独立して動作し、医療機器またはコントローラ機器の表示を可能にし得る。一実施形態では、識別装置自体が上記のデータ記憶装置であってもよい。
【0079】
一実施形態では、識別装置390は、別個のデータ記憶装置と動作させてもよいし、それ自体がデータ記憶装置の形態であってもよい。例えば、データ記憶装置は、パッシブRFIDタグのような、読取および/または書込可能なデジタルメモリを具えるアクティブまたはパッシブタグであり得る。デジタルメモリから読取可能なデータが、例えば識別装置390の検出を高速化するために使用できるように、データ記憶装置は識別装置390とは別に構成されてもよい。代替的または追加的に、識別装置390とデータ記憶装置の組み合わせにより、例えば、データ記憶装置に保存された情報を解読するために使用されるキーを取得するために識別装置390が読み取られる2段階検証プロセスなどの追加機能またはセキュリティが可能となる。有利なことに、同じ読み取りおよび感知技術および方法を使用して、識別装置またはデータ記憶装置のいずれかと通信することができる。データ記憶装置は、例えば接続された装置の使用状況データを記録するなど、識別以外の様々な目的にも使用することができる。
【0080】
一実施形態では、識別装置390は、コントローラ機器110または医療機器120に関する周波数依存インピーダンスを有するインピーダンス要素であり得る。
【0081】
本発明の範囲内にある識別装置390のさらなる代替実施形態が多数存在し、それは位置感知および物体検出の分野の当業者であれば自明である。
【0082】
識別装置は、遠位部分331が接続部材310に挿入されている間、すなわち感知構造の動作範囲内にあるときに、少なくとも1つの特性応答を生じるように構成され得る。前記特性応答は、感知構造420によって検出可能であり得る。
【0083】
一実施形態では、識別装置は、遠位部分331が接続部材310に挿入されている間、すなわち感知構造の動作範囲内にあるときに、少なくとも1つの特性応答を生じるように構成され得る。
【0084】
感知構造420の動作範囲は、結合位置から連結軸CAに沿って10mm~50mnの距離である。
【0085】
さらに図2を参照すると、コネクタ330は、バレル339を有するコネクタ本体331を具え得る。前記バレル339は、接続を形成するために接続部材310に接続可能であり得る。
【0086】
識別装置390は、バレル339の内部に配置することができる。その場合、識別装置390は改ざんや摩耗、損傷の影響を受けにくくなる。
【0087】
図3は、医療機器制御システム100と、遠位部331の接続部材330への挿入の概略図を示す。
【0088】
図3に示す実施形態では、識別装置390はコネクタ、より具体的には遠位部331に設けられる。感知装置320は、少なくとも1つのセンサユニット421を具える。
【0089】
一実施形態では、センサユニット421は接続部材310に設けられてもよい。一実施形態では、センサユニット421は接続部材310の外部に配置されてもよい。
【0090】
したがって、センサユニット421は、接続部材上など、コントローラの遠位側に設けてもよいし、コントローラ機器110の本体(筐体)など、より近位側に設けてもよい。
【0091】
好ましくは、センサユニット421は接続部材310の外部に配置され、これによってセンサユニット421をコントローラ機器110に取り付けることができる。これにより、システムの電子回路を1枚のプリント基板にまとめることができ、コストと複雑さの両面から有利になる。さらに、接続部材に高価な電子部品を使用しないため、交換が簡単で安価となる。
【0092】
以下にさらに詳しく説明するように、感知構造は全体として、コントローラ機器と接続部材の両方に配置されてもよい。
【0093】
センシングの基礎として非接触を使用することは、接点上の破片/材料の蓄積に関連する問題、露出した電気接点に関する規制上の懸念、接点のアライメントに対する物理的損傷など、物理的接点手段を使用する潜在的な代替実施形態に関する多くの問題を回避できるため、特に有利である。
【0094】
図3を参照すると、センサユニット421は送信機423と受信機424を具え得る。送信機423は感知信号を生成するように構成される。感知信号は受信機424で受信される。位置信号は、前記受信機424が受信した信号の特性に基づく。受信機424で受信された信号は、感知構造によって得られた測定値とみなすことができる。
【0095】
このように、センサユニット421は、送信機423と受信機424とを具え、前記送信機423は、前記送信機423と受信機424との間にセンサフィールドを形成するために、混合無線周波数波形を受信機424に放射するように構成されている。
【0096】
図3を参照すると、感知構造は誘導ベースの感知構造であり得る。したがって、感知構造420は誘導センサであり得る。好ましくは、感知構造420は無線ベースの感知構造420であってもよく、好ましくは、主に周波数帯域80kHz~300kHzで動作する無線システムであり得る。
【0097】
さらに図3を参照すると、感知構造420はさらにセンサコイル425を含み得る。センサコイルは、送信機423と受信機424を結合するように構成され得る。
【0098】
センサコイル425は、送信機423および受信機424に作動的に接続され得る。一実施形態では、センサコイル425は接続軸CAと同軸になるように構成され得る。
【0099】
前記センサコイル425は、接続軸CAに沿って延びる電磁場を生成するように構成することができ、これによって識別装置390が前記電磁場内で検出可能となる。識別装置390は、前記電磁場内における識別装置の位置および/または移動を示す感知信号と比較して、受信信号に変化を生じさせる。
【0100】
したがって、センサコイル425の構成は、電磁場が前記接続軸CAに沿って延びるように選択され得る。
【0101】
好ましくは、センサコイル425は接続部材310に設けられる。一実施形態では、センサコイル425は接続部材310の内部に設けられ得る。
【0102】
センサコイル425を接続部材310に設けることで、コイルの点検や交換が容易になる。
【0103】
代替の実施形態では、センサコイル425はコントローラ機器接続部114に設けてもよい。
【0104】
識別装置390は、フェライト材料、鋼および真鍮材料からなる群から選択される材料で作られることが好ましい。識別装置390は、コネクタ300の遠位部に取り付けられてもよい。例えば、識別装置は、トロイダル形式のフェライトリングであってもよい。特定グレードの鋼や真鍮などの他の素材でも、同様の効果が得られる。
【0105】
識別装置390の材料(例えばフェライト)はセンサコイル425に対して可変透磁率コアを形成する。これにより、コイルのインダクタンスが変更される。このインダクタンスの変化は、コントローラ480の電気回路によって、印加された波形信号によるセンサコイル電流の位相変化として、またセンサコイル425に流れる電流の振幅変化として検出することができる。図3に示す実施形態によれば、センサコイル425は、ポンプに関する接続部材に設けられてもよい。
【0106】
一実施形態では、単一のコイルを使用して送信機と受信機の間で感知信号を伝達することができる。したがって、送信機423と受信機424は、センサコイル425と電気的に接続され得る。この電気的接続は、好ましい実施形態では、送信機423と受信機424がセンサコイル425を介して導電接続されるように構成される。一実施形態では、センサコイル425は接続部材に取り付けられ得る。一実施形態では、ポンプのケーシングに取り付けられてもよい。
【0107】
本発明の範囲内の他の実施形態には、送信信号と受信信号が分離された、独立した接続/巻線を持つ分割コイルの使用が含まれる。このように、感知構造420は受信コイルと送信コイルを含むことができ、これにより受信信号は感知信号、すなわち送信コイルから送信される信号から分離される。
【0108】
また、送信コイルと受信コイルを別々に構成し、2つのコイルを常に異なる目的で使用することも可能である。
【0109】
一実施形態では、センサコイル425は、当該センサコイル425の中心軸に流体流が通れるように構成される。センサコイル425の中心軸は、接続軸CAと実質的に一致していてもよい。
【0110】
一実施形態では、センサコイル425は「ブルックスコイル」の形態であってもよく、すなわち、コイル巻線における製造効率を高め、コイルに使用されるワイヤによってもたらされるインダクタンスを最大化するために、十分に確立された「ブルックスコイル」の相対寸法にしたがって寸法設定される。
【0111】
この寸法要件は、センサコイル425が接続軸CAの方向に5mmの長さを持つように拡張される。これにより、コネクタ挿入プロセスにおいて、結果として生じる電磁場の大部分が識別装置によって利用されることが保証される。
【0112】
前述のコイル寸法設定は、導入される識別装置の材料に対する最大のコイル感度を確保しながら、使用時の動作を最適化し、結合を改善し、物理的なサイズを小さくするのに役立つ。
【0113】
この最適な寸法設定は、センサコイル425の内径(コネクタの遠位部の経路、したがって流体流の経路を形成し得る)とコイルの長さの比が少なくとも2、好ましくはセンサコイル425の外径と識別装置の長さの比が少なくとも5であることを保証することを含む。
【0114】
一実施形態では、コイル内またはコイルに識別装置390が存在しない場合、センサコイル425は400~500μH、好ましくは446μHのインダクタンスを有する。
【0115】
図4を参照して、一実施形態による感知構造420を説明する。前述したように、感知構造420の送信機423は、感知信号Sを生成して送信するように構成されている。感知信号Sは送信機423によって生成され、混合信号Mで変調された搬送波周波数fの混合無線周波数波形である。送信機は、搬送波周波数fの搬送波信号Cと混合信号Mとを混合することによって感知信号Sを生成するように構成された送信ミキサ427を具える。送信機423は、搬送波信号Cを生成するように構成された周波数発生器422をさらに具える。混合信号Mは、この実施形態ではセンサユニット421に含まれるがセンサユニット421の遠位に配置されてもよい制御ユニット480内の変調器モジュールによって生成される。混合信号Mは、本開示の教示を理解すれば当業者には理解されるように、任意の適切な回路またはソフトウェアによって生成することができる。混合信号は、変調周波数fで変調された信号であり得る。変調周波数fは任意に選択できるが、変調周波数fが高いと、通常、センサユニット421の受信機424の速度や感度に制約が生じる。同様に、変調周波数fが低いと、受信機で混合信号Mを処理しやすくなるが、コントローラ機器110や医療機器120が何を検知したかを検出する時間が長くなる。これらのトレードオフは当業者によく理解されており、本開示を理解した後であれば、当業者が本明細書で教示されるように本発明を実施することを妨げることはない。
【0116】
送信ミキサ427の出力はセンサコイル425の入力ポートに作動的に接続されており、センサコイル425の入力ポートに感知信号Sが供給されるようになっている。センサコイル425の出力ポートは受信機424に作動的に接続され、受信機424内の受信ミキサ428に入力される。ミキサ427、428からセンサコイル425への接続は、フィルタ、インピーダンス整合素子、増幅回路など、追加の回路や部品を含んでもよいことに留意されたい。
【0117】
感知信号Sがセンサコイル425の入力ポートからセンサコイル425の出力ポートに伝えられると、感知信号Sはセンサコイル425の影響を受け、センサコイル425の出力においてセンサ応答信号S’となる。受信ミキサ428は、センサ応答信号S’を搬送波信号Cと混合し、混合応答信号M’を提供する。混合応答信号M’は、制御ユニット480の検出器モジュールに、通常はアナログ-デジタル(A/D)変換器を介して供給される。制御ユニット480は、コントローラ機器110または医療機器120の特性応答を識別するために、混合応答信号M’を分析し、これについては以降に詳述される。
【0118】
受信機424は実質的にソフトウェアで実装することができ、センサコイル425の出力はA/D変換器または同等の回路に作動的に接続される。このA/D変換器からのデジタル出力は、混合応答信号M’を生成するために、当技術分野で公知の方法にしたがって信号処理され得る。
【0119】
感知信号Sは時間の関数s(t)として記述できる信号であり、この感知信号Sにセンサコイル425のコイル伝達関数h(t)を適用すると、以下の式にしたがってセンサ応答信号S’が生成される。
(式1) s’(t)=s(t)*h(t)
【0120】
コイル伝達関数h(t)は識別装置390の存在により影響を受け、識別装置390との近接度と識別装置390の種類に応じて、異なるコイル伝達関数h(t)、h(t)・・・h(t)がセンサコイル425によって提供される。その結果、複数のセンサ応答信号S’を利用することで、様々なコネクタ要素の挿入と結合の動的および静的な動きの局面のなかで、識別装置390の位置とその種類の両方を容易に確認できることは明らかである。感知信号Sが混合信号Mのない直接搬送波信号Cである場合、異なるコイル伝達関数h(t)、h(t)...h(t)を互いに区別する能力は、検出器モジュールの処理速度やノイズなどの制約によって制限される。システム工学の用語では、得られる構成は線形時不変システムを形成し、ここでシステム応答は、センサコイル425に加えられる刺激信号、識別コンポーネントのタイプ、すなわち識別装置390、およびセンサコイル425に対する識別位置の3つの独立要因に依存する。制御ユニット480の動作は、複数回印加される異なる感知信号S、すなわち刺激信号の使用を通じて、識別装置390の種類と位置要素を識別できるように構成される。
【0121】
検出器モジュールは、電流コイルの伝達関数h(t)を特定するために、構成に応じて混合応答信号M’またはセンサ応答信号S’を直接分析する。検出器モジュールは、様々な方法でこの分析を実行するように構成することができる。好ましい実施形態では、混合応答信号M’は印加された混合信号Mと比較され、それらがどのように異なるかが確認され、その差はコイル伝達関数h(t)に関連付けられる。検出器モジュールからの出力は、感知構造420によって感知されたコントローラ機器110または医療機器120(もしあれば)の特定を可能にする信号またはメッセージである。典型的には、この特定は、どのコントローラ機器110または医療機器120が感知されたかを判定するために、センサコイル425の特性応答、すなわち電流コイル伝達関数h(t)を、異なるコントローラ機器110および/または医療機器120に関連付けられた1つまたは複数の予め定義された特性応答と比較する制御ユニット480によって提供される。
【0122】
いくつかの実施形態では、変調モジュールは、事前に定義された混合信号Mを生成するように構成される。このような実施形態では、混合信号Mが既知であるため、検出器モジュールが電流コイル伝達関数h(t)を検出することは容易である。
【0123】
いくつかの実施形態では、変調モジュールは、ランダムまたは擬似ランダム混合信号Mを生成するように構成される。このような実施形態では、混合信号Mは典型的に、検出器モジュールが搬送波信号Cがどの混合信号Mで変調されているかを知ることができるように、任意で遅延要素Zを介して検出器モジュールに提供される。いくつかの実施形態では、擬似ランダム混合信号Mは、一般的にx+x+1と定義されるPRBS7ビットパターンなどの127ビットの擬似ランダムビットパターンシーケンス(PBRBS)を使用して生成される。
【0124】
混合信号Mによって搬送波信号Cを変調することには、既に述べたように多くの利点がある。混合により、少なくとも感知信号Sのパワーの帯域幅が増加し、その結果、感知信号Sのパワーが分散される。これにより、感知構造420が他の機器を妨害する可能性が低減され、また医療機器120およびその構成要素、例えばEMCおよびEMIに課される様々な要件の一部を満たし、それらがより効果的に満たされるようにする。検出の感度は、混合される感知信号Sに関して向上する。動作感度が向上するため、感知信号Sの送信電力を減少させることが可能となり、したがって、様々な干渉がさらに低減し、また感知構造420の消費電力を節約する機会を提供する。動作中の感度の向上によるさらなる利点によって、識別装置390の種類の測定分解能を向上させることができる。
【0125】
図5に移ると、感知構造420のスペクトル拡散機能を説明するための、感知構造420の好ましい一実施形態が示されている。感知構造420は図4の感知構造420と類似しており、同じ感知構造420である可能性が非常に高い。図4を参照して説明した感知構造420は、混合応答信号M’を検出するために受信機424を利用する。図5の感知構造420は、搬送波信号Cを検出するように構成されている。搬送波信号Cが搬送波周波数fで一定の搬送波信号Cであると仮定すると、送信ミキサ427の混合特性は、搬送波信号Cを利用して複数の異なる周波数を有する感知信号Sを生成する。これらの周波数はそれぞれ、センサコイル425と識別装置390によって異なる影響を受ける。センサ応答信号S’を混合信号M、または遅延混合信号Mと混合することにより、搬送波応答信号S’が制御ユニット48に供給され得る。
【0126】
図5の感知構造420のさらなる実施形態では、検出器モジュールは、センサコイル425からの1つまたは複数の混合応答信号M’と、それらが任意の識別装置390によってどのように影響を受けたかを特定するために、自己相関関数を利用するように構成される。図6aを参照すると、混合信号Mの一例と、混合信号Mよりも数ビットだけ遅延させた3つの遅延混合信号MZ1-3が示されている。混合応答信号M’と混合信号M、さらに遅延バージョンの混合信号MZ1-3を比較することで、さらなるセンシングの可能性と改善が可能になる。これは、印加される信号、電気部品の時間応答、自己相関関数の関係によるものである。遅延バージョンの混合信号MZ1-3の自己相関により、対応する遅延混合信号応答信号M’Z1-3が生成される。これらが図6bに示されており、当業者には理解されるように、それらは印加される混合信号Mに応じて異なる。その結果、自己相関によって1つの感知応答信号S’から2つ以上の混合応答信号M’を生成することができ、これにより感知構造420の感度が大幅に向上する。その結果、利用可能な感知方法が増えることで、動作の信号対雑音比が向上し、ダイナミックレンジが広がるため、より高感度な動作が可能になるとともに、より低いコイル電流での動作が可能になり、その結果RF電力レベルが低下する。これにより、出力の全体的なRF放射電力を有利に低減することができ、例えば使用される技術により、動作電力を少なくとも-3dB削減、つまり50%の削減が示されている。この利点は、コネクタの接続、監視、使用の様々な局面で検出される混合応答信号M’の動作にも該当する。
【0127】
これは最初の挿入から、コネクタとガーメントコネクタにある識別部品との部分的および完全な係合、そして取り外しプロセスにおける逆の状況までをカバーする。
【0128】
これらの利点により、従来技術に記載されている技術と比較して、一意に感知できる個別のデバイスの数を増やすことができる。これらの技術を用いて、動作環境におけるシステムのノイズ耐性を高めることにより、識別コンポーネントの測定感度を高めるだけでなく、他のソースからの干渉がある場合の堅牢性を高めることができる。搬送波応答信号S’は、混合信号Mに応じて、周波数領域に変換された場合、センサコイル425の周波数応答、またはセンサコイル425および識別装置390(センサコイル425に近接している場合)の周波数応答を表すものとして説明され得る。この応答は、医療機器制御システム100が、複数の異なる識別装置390から存在する特定のタイプの識別装置390を識別する手段として特徴付けることができる。周波数応答の精度と詳細は、感知信号Sが広がる周波数の数に依存する。理想的には、感知信号Sは、ホワイトノイズの形で関連する帯域幅内に分散され、すなわち、単一の搬送波周波数の場合よりも関連する帯域幅全体に均一に分散される。関連する帯域幅とは、本明細書では、受信機424の帯域幅に等しいかそれに近い帯域幅を意味する。これは、変調積が関連する帯域幅に均等に広がるように、搬送波周波数fcよりも低い変調周波数fで、混合信号Mを前述のようにPRBS刺激として供給することでシミュレートすることができる。
【0129】
感知信号Sを関連する帯域幅に分散させることで、受信機424が関連する帯域幅内の信号電力を測定するだけで、1つの識別装置390を多数の識別装置から正確に区別することが可能になる。異なる識別装置390は異なる周波数応答を持つため、センサコイル425内で有効な減衰または増幅の総量は異なる。その結果、どのコントローラ機器110または医療機器120が感知されたかを判定するには、単純な信号電力検出で十分であり得る。
【0130】
換言すれば、例えばセンサコイル425へのPRBS変調パルスの形で複雑なインパルス(感知信号S)をセンサコイル425に印加することにより、複雑なインパルス応答(センサ応答信号S’)が生じ、これを測定して、識別および装置分類の目的で使用することができる。変調信号Mは、送信された搬送波波形である感知信号Sの特性を変化させるために使用され、また受信信号であるセンサ応答信号S’をデコードするためにも使用される。感知システムを繰り返し作動させることにより、コイルに対する識別装置の位置を判定することができる。したがって、本発明は、医療機器制御システムおよび通信の分野を、電子通信の分野で確立された様々なアプローチと、一般にスペクトラム拡散技術として知られる信号処理の側面と組み合わせるものである。変調は、PRBSが搬送波周波数fより高い周波数で動作するように適用することができ、あるいは本明細書に記載されているように、搬送波周波数fより低い周波数で適用してもよく、両方の技術が本発明の範囲内である。本開示を読めば、他の多くの代替的な変調アプローチが使用可能であり、本発明の範囲に含まれることは当業者にとって明らかである。この変調目的に使用すると異なるスペクトル特性をもたらす、異なる繰り返しや長さ、特性を有する多くの符号化波形や混合波形がこの用途に利用可能であり、これらは本発明の範囲内である。特に、最大長の属性を持つ連続符号シーケンス(例えば、疑似ランダムバイナリシーケンス)は、必要な有益なスペクトル平坦特性を提供するため、本発明の範囲に含まれる。本発明の範囲に含まれる波形符号化の他の具体例としては、バーカーシーケンス、ゴールド符号、カサミシーケンス、相補シーケンス、ゴレイ符号などがある。これらは、他の同様のデバイスとの干渉を低減するために使用できる信号の相互相関の程度が異なるだけでなく、有益な平坦または相補的なスペクトル特性も提供するので、本発明の範囲に含まれる。このようなシーケンスを使用することで、制御ユニット480は他の機器からのノイズを非同期方式で容易に検出し、周囲のノイズレベルが低い別のタイミングまたは周波数に自身の動作を自動的に変更することができる。その結果、感知構造420はその動作を、設置された動作環境におけるEMC状況に自動的に適応させることができる。さらなる実施形態では、制御システム110へのユーザ制御により、(多数の異なる動作モードから)モードを手動で選択することができ、これによって、印加される信号を、様々なケア設定で一般的に見られるような異なるノイズ環境に適合するように変更することができる。
【0131】
すでに示唆したように、説明した感知構造420は、様々な方法で構成することができる。本明細書ですべての可能な構成を提示することは不合理であり、当業者であれば、本開示を読んだ後、本発明の範囲内で考えられる任意の方法で感知システム420を構成できることを理解するであろう。例えば、制御部480は、センサ応答信号S’の乱れを検出するように受信部424を構成してもよい。乱れが検出された場合、制御ユニットは、例えば搬送波信号Cの搬送波周波数fを変更し、感知信号Sの電力を増加させ、混合信号Mを変更するなど、感知構造420を構成することができる。このような実施形態および本明細書で提示された詳細の同様の組込みは、発明概念の一部とみなされる。
【0132】
一実施形態では、送信機423は、搬送波信号Cを第1の期間だけ変調せずに送信し、この第1の期間の後に、搬送波信号Cに第2の期間だけ混合信号Mを適用するように構成される。第1の期間は第2の期間の50%未満、好ましくは第2の期間の20%未満である。これは、受信機424が第1の期間中にセンサ応答信号S’を検出し、その後第2の期間にさらに高度な検出技術に切り替えることができるため有益である。
【0133】
感知構造420の発明的概念から、感知信号Sは、感知信号Sの周波数、振幅、変調方法、符号および/または位相に関して時間的に変化し得ることは明らかである。これは、混合信号M、さらには搬送波信号Cが、搬送波信号Sと混合信号Mとの混合によって、周波数、振幅および/または位相が一定でない感知信号Sを生成するように、例えば変調信号として構成されることによって達成され得る。これは、搬送波信号Cや変調信号Mは、周波数、振幅、変調方式、符号、位相が経時的に変化することを意味する。
【0134】
一実施形態では、受信機424は、センサ応答信号S’の変化が検出されるまで、取得センシングの第1のモードで動作し、その時点で受信機は、混合応答信号M’が分析される第2の検出センシングに切り替わる。これは、取得センシングモードにおけるセンサ応答信号S’の広帯域パワーセンシングとして実施することができ、センサ応答信号S’において信号パワーレベルの変化が検出されると、混合応答信号M’とセンサ応答信号S’がさらに分析される。取得センシングモードは、パワー変化が検出されたときに受信ミキサ428をイネーブルまたはウェイクアップするように配置された簡単な電力検出回路などによって実装され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、混合信号Mは、搬送波信号Cのオンオフキーイング(OOK)を効果的に実施するパルス混合信号Mである。混合信号Mは、搬送波信号Cを直接ゲートするために使用される任意の適切な、好ましくはデジタル信号であるので、これらは好ましい実施形態である。その結果、検出、すなわち受信機423も簡素化され、センサ応答信号S’は直接A/D変換されるか、送信信号と比較した受信信号の単純なタイミング分析を使用することができる。
【0136】
受信機423のA/D変換器のサンプリング速度は、A/D自体が混合効果を持つように選択され得る。ナイキスト(Nyquist)のサンプリング定理などで知られているように、サンプリング速度がサンプリング信号の最高周波数の2倍未満であると、サンプリング信号が正確に表現されない。換言すると、搬送波信号Cが混合信号Mの変調速度よりも著しく速い場合、変調速度の2倍の速度でセンサ応答信号S’をサンプリングすることにより、センサ応答信号S’から混合信号を取得することができる。
【0137】
一実施形態では、感知信号Sは80kHz~300kHzの搬送波周波数fを有する。他の実施形態では、感知信号Sは、ISM(industrial, scientific and medical)周波数帯内に位置する搬送波周波数fを有する。
【0138】
一実施形態では、感知信号Sは、一定の変化を有する混合信号Mを含む。このような混合信号は、例えば無線通信で一般的に見られるプリアンブルに匹敵する交互ビットパターンなどの繰り返しビットパターンである。
【0139】
これは、検出、すなわち受信機423を単純化するので有益である。
【0140】
一実施形態では、定義された、事前定義された、または構成可能な独自のビットパターンが混合信号Mに用いられ、定義された変調応答信号M’または搬送波応答信号C’、すなわち一般に定義されたスペクトル応答を生成することによって、製造業者または製品タイプの識別をさらに可能にする。したがって、識別装置390の特徴的な応答は、独自のビットパターンを使用して印加された刺激に部分的に基づく。図6bを参照して前述したように、印加される感知信号Sのビットの各シーケンスは、異なるスペクトル応答、すなわち様々な周波数で異なる振幅をもたらす。検出回路は、特にこれらを探すように構成することができる。これは、例えば、より広い検出範囲を提供するための学習モード(後のセクションで詳述)、放射ノイズの低減、または外部ノイズに対する耐性を高めるので有益である。独自のビットパターンは、前述したビットパターン(PRBS7ビットパターンなど)とは構造が大きく異なり得る。独自のビットパターンにより、例えば、異なる製造業者が異なるシーケンスを選択して、n個の製造業者またはその特定の製品シリーズに関連する特定の変調応答信号M’または搬送波応答信号C’を実現することが可能になる。独自のビットパターンは、識別装置390が別個のデータ記憶装置で動作する前述の実施形態と有利に組み合わされる。独自のビットパターンは、別個のデータ記憶装置とは別に、または別個のデータ記憶装置とともに動作するように提供され得る。
【0141】
一実施形態では、感知信号Sは、擬似ランダム変動のような非定常変動を持つ混合信号Mを含む。ランダムな混合信号Mは、定常変動の混合信号Mに比べて、近隣の機器を妨害する危険性が少なく、より平坦なパワースペクトルを生成する。
【0142】
一実施形態では、感知構造420は、好ましくは図5を参照して詳述するように、スペクトル拡散感知構造である。
【0143】
一実施形態では、制御ユニット480は、複数のモードにしたがって感知構造420を制御するように構成され、各モードは、識別可能な混合無線周波数波を放射する感知構造420に関連付けられる。すなわち、感知信号Sは、搬送波信号C、混合信号M、それぞれの周波数f、f、またはそれらの任意の組み合わせに関して構成可能であり得る。特に、一実施形態では、搬送波周波数fはスイープまたはスイッチング方式で変更される。搬送波周波数fの切り替えは、所定のまたは設定可能な周波数セットにしたがって実行され、減少、増加、または一見ランダムな順序で順次行われ得る。各搬送波周波数fは、変調信号Mの周期の数に対して、または変調信号の周期の一部に対して適用され得る。最初のケースでは、得られる混合応答信号M’は図6bのものと同等となり、各遅延が異なる搬送波周波数fに対応する。代替的または追加的に、混合は複数の生成および印加される搬送波周波数fcを用いて並列に行われてもよく、その結果、感知信号Sは前の実施形態と比較してさらに多くの周波数成分を持つ。
【0144】
一実施形態では、制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答、すなわちセンサ応答信号S’、変調応答信号M’および/または搬送波応答信号C’を、医療機器120を識別するために医療機器の対応するセットに関連付けられた記憶された特性応答のセットと比較するように構成される。すなわち、任意の刺激信号に対するセンサコイル425の動作において識別装置390が達成する効果は、それぞれが医療機器のモデルまたはタイプに関連付けられた既知の応答のセットと比較される。
【0145】
一実施形態では、制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答に基づいて、コントローラ機器110を制御するように構成される。すなわち、どの医療機器120が感知されたかに応じて、制御ユニット480は、例えば、感知された医療機器120の好ましい空気圧または最大許容空気圧をコントローラ機器に知らせるために、特定のコマンドまたはデータをコントローラ機器に送信することができる。
【0146】
一実施形態では、制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答が予め定義された閾値の範囲外である場合に、コントローラ機器110によって医療機器120の動作を無効にするように構成される。すなわち、誤動作している、禁止されている、または旧式の医療機器120は、その識別装置によって識別され、制御ユニット480によって医療機器120の使用が効果的に禁止され得る。
【0147】
一実施形態では、センサユニット421は、送信機423と受信機424とを具える。送信機423は、当該送信機423と前記受信機424との間にセンサフィールドを形成するために、混合無線周波数波形である感知信号Sを受信機424に放射するように構成される。通常、センサフィールドは、受信機424と送信機423を作動的に接続するセンサコイル425によって形成される。
【0148】
以下に説明するように、本発明の範囲内において、医療用コントローラ機器構造および医療機器構造を提供することができる。
【0149】
一態様によれば、医療機器制御システム100のための医療機器構造が提供される。医療機器構造は、医療機器120と、当該医療機器120に接続された前述の実施形態のいずれか1つに係るコネクタ330とを具え得る。
【0150】
一実施形態では、識別装置390は、医療機器120に関する特性応答を生成するように適合され得る。
【0151】
一実施形態では、識別装置390は、医療機器120に関する1以上の特性応答を生成するように適合され得る。
【0152】
さらなる実施形態では、識別装置390は、感知コイル425に加えられる異なる刺激に対して異なる特性応答を提供し得る。
【0153】
一態様によれば、医療用コントローラ機器構造が提供される。医療用コントローラ機器構造は、結合アセンブリ300によって医療機器制御システム100内の医療機器120に接続されるように構成されている。医療用コントローラ機器構造は、医療機器120の動作を制御するためのコントローラ機器110を具える。結合アセンブリ300が、接続部材310に接続可能なコネクタ330を具え、当該コネクタ330と接続部材310を介して接続を形成する。
【0154】
接続部材310は医療用コントローラ機器構造内に含まれ、医療用コントローラ機器構造はさらに、制御ユニット480と、当該制御ユニット480に作動的に接続された感知構造420とを具える。
【0155】
感知構造420は、医療機器120に関連する特性応答を検出するために、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することによって混合無線周波数波形の形態で感知信号(S)を発するように構成されており、前記特性応答は、前記感知構造420によって励起されると、コネクタ330に含まれる識別装置390によって影響を受ける。
【0156】
一実施形態では、感知構造420は、経時変化する波形を発するように構成されている。
【0157】
一実施形態では、感知信号(S)は80kHz~300kHzの範囲の搬送波周波数(f)を有する。
【0158】
一実施形態では、混合信号(M)はパルス信号であり、感知信号(S)はパルス変調波形である。
【0159】
一実施形態では、混合信号(M)は定常変動を有する。一実施形態では、混合信号(M)は、擬似ランダム変動のような非定常変動を有する。
【0160】
一実施形態では、感知構造420はスペクトル拡散感知構造である。
【0161】
一実施形態では、制御ユニット480は、複数のモードにしたがって感知構造420を制御するように構成され、各モードは、識別可能な感知信号(S)を放射する感知構造420に関連付けられる。
【0162】
一実施形態では、制御ユニット480は、医療機器120を識別するために、識別装置390によって生成された1つまたは1以上の特性応答を、医療機器の対応するセットに関連付けられて記憶された特性応答のセットと比較するように構成されている。
【0163】
一実施形態では、制御ユニット480は第1の学習モードで動作するように構成され、ここでは感知構造420によって検出された識別装置390によって生成された特性応答を取得し、感知構造420によって検出された前記特性応答に基づいて、記憶されている特性応答の以前のセットを更新するように構成される。このように、制御ユニット480は、新たに検出された特性応答が認識された医療機器120および/または医療コントローラ機器110のグループに追加される学習モードで動作することによって、さらなる医療機器120または医療コントローラ機器110を識別することができる。
【0164】
一実施形態では、制御ユニット480は、第2の学習モードで動作するように構成され、ここでは外部ソースから少なくとも1つの予め定義された特性応答が取得され、記憶された特性応答のセットの一部でなかった前記少なくとも1つの予め定義された特性応答が、記憶された特性応答のセットの一部を形成するように構成される。例えば、その結果、接続された医療機器120が動作可能にサポートされ、制御システム100で使用できるようになる。
【0165】
一実施形態では、制御ユニット480は学習解除モードで動作するように構成され、ここでは記憶された特性応答の以前のセットの少なくとも1つが削除され、医療機器120または医療コントローラ機器110に関連する前記少なくとも1つの特性応答がもはや記憶された特性応答のセットの一部を形成しないように構成される。例えば、その結果、接続された医療機器120はもはや動作的にサポートされなくなり、この制御システムで使用できなくなる。
【0166】
上記の学習モードおよび学習解除モードは、医療機器制御システム100の制御パネルから、医療機器制御システム100に直接または遠隔に接続された装置を介して、および/またはBluetoothやWiFiなどの通信コマンドを介して、任意の適切な方法で開始することができる。
【0167】
一実施形態では、医療用コントローラ機器構造は、制御ユニット480に作動的に接続された指示装置117をさらに具える。指示装置117は、識別装置390によって生成された特性応答に基づいて、ユーザに指示を提供するように構成され得る。
【0168】
一実施形態では、制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答に基づいて、コントローラ機器110を制御するように構成される。
【0169】
制御ユニット480は、識別装置390によって生成された特性応答が予め定義された閾値範囲外である場合に、コントローラ機器110によって医療機器120の動作を無効にするように構成され得る。
【0170】
一実施形態では、感知構造420は少なくとも1つのセンサユニット421を具える。
【0171】
一実施形態では、センサユニット421は送信機423と受信機424とを具え、前記送信機423は、前記送信機423と受信機424との間にセンサフィールドを形成するために、感知信号(S)を受信機424に放射するように構成されている。
一実施形態では、感知構造420は、送信機423と受信機424を結合するように構成されたセンサコイル425を具える。
【0172】
一実施形態では、センサコイル425は接続部材310に設けられる。
【0173】
一実施形態では、センサユニット421は接続部材310の外部に配置される。
【0174】
一態様によれば、前述の実施形態による医療機器構造と、前述の実施形態による医療コントローラ機器配置とを具える医療機器制御システム100が提供される。
【0175】
以上、本発明をその実施形態について詳細に説明した。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内において、他の実施形態も同様に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器制御システム(100)において医療機器(120)とコントローラ機器(110)とを接続するための結合アセンブリ(300)用のコネクタ(330)であって、前記コントローラ機器(110)は前記医療機器(120)の動作を制御するように構成されており、前記コネクタ(330)は前記結合アセンブリの接続部材(310)に接続可能であり、
前記コネクタ(330)は識別装置(390)を具え、前記識別装置は前記コントローラ機器(110)または前記医療機器(120)に関する特性応答を発生するように適合されており、前記特性応答は、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することによって混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発する医療機器制御システム(100)の感知構造(420)によって通電されることによって検出可能であり、前記特性応答は80kHz~300kHzであることを特徴とするコネクタ(330)。
【請求項2】
前記コネクタ(330)は、電気的接続、流体的接続、または光学的接続のいずれか1つまたは複数を形成するために、前記接続部材(310)に接続可能である、請求項1に記載のコネクタ(330)。
【請求項3】
さらに、前記接続部材(310)に接続可能なバレル(339)を有するコネクタ本体(331)を具え、前記識別装置(390)が前記バレル(339)内に配置されている、請求項1または2に記載のコネクタ(330)。
【請求項4】
前記識別装置(390)が、フェライト材料、真鍮材料、および強磁性材料のいずれかで作られている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項5】
前記識別装置(390)が、前記コネクタ(330)に沿って少なくとも2mmの長さを有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項6】
さらに、前記医療機器(120)または前記コントローラ機器(110)に関するデータを記憶するデータ記憶装置を具える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ(330)。
【請求項7】
前記コネクタ(330)は、前記接続部材(310)に接続可能であり、医療用流体圧制御システムのポンプとコントローラ機器とを接続するための流体接続を形成する、請求項2から6の1つに記載のコネクタ(330)。
【請求項8】
医療機器(120)と、前記医療機器(120)の動作を制御するように構成されたコントローラ機器(110)とを具える医療機器制御システム(100)であって、前記医療機器制御システム(100)がさらに、前記医療機器(120)と前記コントローラ機器(110)とを連結するための結合アセンブリ(300)を具え、
前記結合アセンブリ(300)はコネクタ(330)と連結部材(310)とを具え、前記コネクタ(330)は前記連結部材(310)に連結可能であり、
前記連結アセンブリ(300)は識別装置(390)を具え、前記識別装置(390)は、前記コントローラ機器(110)または前記医療機器(120)に関する特性応答を生成するように適合されており、
前記医療機器制御システム(100)はさらに、制御ユニット(480)と、前記制御ユニット(480)に作動的に接続された感知構造(420)とを具え、前記感知構造(420)は、前記医療機器(120)または前記コントローラ機器(110)に関する特性応答を検出するために、搬送波信号(C)と混合信号(M)とを混合することにより、混合無線周波数波形の形態の感知信号(S)を発するように構成されている、医療機器制御システム(100)。
【請求項9】
前記感知信号(S)は、80kHz~300kHzの搬送波周波数(fc)を有する、請求項8に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項10】
前記混合信号(M)はパルス信号であり、前記感知信号(S)はパルス変調波形である、請求項8または9に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項11】
前記混合信号(M)は一定の変動を有する、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項12】
前記混合信号(M)は、擬似ランダム変動のような非定常変動を有する、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項13】
前記感知構造(420)がスペクトル拡散感知構造である、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項14】
前記制御ユニット(480)は、複数のモードで前記感知構造(420)を制御するように構成され、各モードは、前記感知構造(420)が区別可能な感知信号(S)を発することに関連する、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項15】
前記コントローラ(480)は、医療機器(120)またはコントローラ機器(110)を識別するために、前記識別装置(390)によって生成された特性応答を、対応する医療機器(120)またはコントローラ機器(110)のセットに関連付けられた記憶された特性応答のセットと比較するように構成されている、請求項8乃至14のいずれか1項に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項16】
さらに、前記コントローラ(480)に作動的に接続された指示装置(117)を具え、前記指示装置(117)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答に基づいて、ユーザに指示を提供するように構成されている、請求項15に記載の医療機器制御システム(100)。
【請求項17】
前記コントローラ(480)は、前記識別装置(390)によって生成された特性応答が予め定義された閾値範囲外であることに応答して、前記コントローラ機器(110)によって前記医療機器(120)の動作を無効にするように構成されている、請求項8に記載の医療機器制御システム(100)。
【国際調査報告】