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▶ ディトパターンズ エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】画像投影システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20240116BHJP
   A41H 43/02 20060101ALI20240116BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240116BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240116BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G03B21/00 D
A41H43/02
G03B21/14 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 X
H04N5/74 D
G09G5/00 530H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537903
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021058984
(87)【国際公開番号】W WO2022139974
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/129,336
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/318,708
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/032021
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522439799
【氏名又は名称】ディトパターンズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ローラー、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】イェ、デンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】カルナディ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アイゼン、スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】シュパーク、ジェームズ エドワード
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA73
2K203FA79
2K203FB07
2K203GB35
2K203GC39
2K203KA56
2K203KA83
2K203MA36
5C058BA27
5C058EA02
5C182AA04
5C182AA13
5C182BA14
5C182BA29
5C182BC25
5C182CB45
5C182CC26
5C182DA70
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】
プロジェクタを較正する方法であって、プロジェクタの投影フィールド内に物理的較正ガイドを配置する工程であって、前記物理較正ガイドは第1の光学的較正特徴を含むものである、前記配置する工程と、前記プロジェクタによって物理的較正ガイド上に較正画像を投影する工程であって、前記較正画像は第2の光学的較正特徴を含むものである、前記投影する工程と、コンピューティングデバイスが、前記第1および第2の光学的較正特徴を含む画像を取得する工程と、前記カメラ画像中の第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程と、前記カメラ画像の第2の光学的較正特徴に前記カメラ変換の逆変換を適用する工程であって、前記カメラ変換の逆変換の適用により逆の第2の光学的較正特徴を取得するものである、前記逆変換を適用する工程と、前記逆の第2の光学的較正特徴からプロジェクタ変換を決定する工程とを有し、前記カメラ変換を決定する工程、前記逆変換を適用する工程、および前記プロジェクタ変換を決定する工程は、前記コンピューティングデバイスに記憶された命令を実行することにより前記コンピューティングデバイスによって実行されるものである、方法。
【選択図】 図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影フィールドを有するプロジェクタを較正する方法であって、
前記投影フィールド内に物理的較正ガイドを配置する工程であって、前記物理的較正ガイドは第1の光学的較正特徴を含むものである、前記配置する工程と、
前記プロジェクタによって前記物理的較正ガイド上に較正画像を投影する工程であって、前記較正画像は第2の光学的較正特徴を含むものである、前記投影する工程と、
コンピューティングデバイスが、前記第1および第2の光学的較正特徴を含む画像を取得する工程と、
カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程と、
前記カメラ画像中の前記第2の光学的較正特徴に前記カメラ変換の逆変換を適用する工程であって、前記カメラ変換の逆変換の適用により逆の第2の光学的較正特徴を取得するものである、前記逆変換を適用する工程と、
前記逆の第2の光学的較正特徴からプロジェクタ変換を決定する工程と
を有し、
前記カメラ変換を決定する工程、前記逆変換を適用する工程、および前記プロジェクタ変換を決定する工程は、前記コンピューティングデバイスに記憶された命令を実行することにより前記コンピューティングデバイスによって実行されるものである、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記カメラ変換を決定する工程は、さらに、
前記第1および第2の光学的較正特徴を含む前記取得された画像のピクセルの行および列をサンプリングする工程と、前記サンプリングされたピクセルの行および列における光強度の変化を検出する工程と、
検出された光強度の変化を生の点として記憶する工程と、
生の点から線群を構築する工程と、線群の交点から特徴点を決定する工程と、
前記第1の光学的較正特徴に対応する特徴点のサブセットおよび前記物理的較正ガイドの基準に基づいて開始点を決定する工程と、
開始点および前記第1の光学的較正特徴に対応する特徴点に基づいてカメラ変換を反復的に決定する工程と
を有するものである、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、さらに、
2つの特徴点候補からなる線群を特定する工程と、
前工程で特定された前記特徴点候補を保護する工程と、
3つ以上の特徴点候補を有する線群を特定する工程と、
2つの保護された特徴点を有する構築された線上にある無関係な特徴点候補を破棄する工程と
を有するものである、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、さらに、全ての無関係な特徴点が破棄されるまで、請求項3に記載の工程を反復的に繰り返す工程を有するものである、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、カメラ変換を反復的に決定する工程が繰り返される、方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法において、前記第1の光学的較正特徴に対応する前記特徴点のサブセットは、前記物理的較正ガイドの外側の角を有するものである、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記プロジェクタには初期較正画像が記憶されているものであり、前記初期較正画像は、前記プロジェクタが前記物理的較正ガイドから正確に距離を置いているときに前記物理的較正ガイドの外周を照明するように寸法設定された四辺形を有するものであり、初期の前記四辺形は、さらに、前記物理的較正ガイドからの前記プロジェクタのオフセットを修正するように寸法設定されている、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、較正確認画像が、前記プロジェクタと動作可能に通信するコンピューティングデバイスに記憶されているものであり、前記方法は、さらに、
前記プロジェクタ変換を前記較正確認画像に適用する工程と、
前記変換された較正確認画像を前記プロジェクタに転送する工程と、
前記変換された較正確認画像を前記物理的較正ガイド上に投影する工程と
を有するものである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴は第1および第2の平行線対を有するものであり、前記第1の平行線対は前記第2の平行線対に直交しており、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴から前記カメラ変換を決定する工程は、さらに、
前記較正特徴の前記画像を取得するカメラ平面に投影された前記物理的較正ガイドから前記第1および第2の平行線対を特定する工程と、
前記カメラ平面においてどこで前記第1の平行線対が交差するかを決定する工程と、
前記カメラ平面においてどこで前記第2の平行線対が交差するかを決定する工程と
有するものである、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記第1および第2の平行線対は、前記物理的較正ガイドの外側部分を定義する長方形を定義するものである、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴は、さらに、第3および第4の平行線対を有するものであり、前記第3の平行線対は前記第4の平行線対に直交しており、前記第3および第4の平行線対は、前記第1および第2の平行線対のいずれかに対して非平行および非直交となるように回転されているものであり、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程は、さらに、
前記較正特徴により取得された画像中の前記カメラ平面に投影された前記物理的較正ガイドからの前記第1または第2の平行線対のいずれかが平行であるかを特定する工程と、検出された場合に、
前記カメラ平面に投影された前記第3の平行線対が前記カメラ平面においてどこで交差するかを決定する工程と、
前記カメラ平面に投影された前記第4の平行線対が前記カメラ平面においてどこで交差するかを決定する工程と
を有する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記第1および第2の平行線対は第1の長方形を定義するものであり、前記第3および第4の平行線対は第2の長方形を定義するものであり、前記第2の長方形は前記第1の長方形に対して45度回転されたものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2020年12月22日に出願された米国仮特許出願第63/129,336号、2021年5月12日に出願された米国特許出願第17/318,708号、および2021年5月12日に出願された国際出願第PCT/US2021/032021号の優先権および利益を主張するものであり、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
裁縫およびファッションデザインにおいて、パターンは、衣服または他のアイテムの諸パーツが裁断され組み立てられる前に布地上にトレースされるテンプレートである。従来のパターンは、通常、ティッシュペーパー、トレーシングペーパー、プリンター用紙などの紙でできている。通常、縫製者(すなわち、アイテムを縫製する創作者)は、紙に印刷されたパターン片を含む縫製パターンパケットを取得する。
【0003】
より大きなパターンは、アイテムの異なる部分(例えば、前部、袖、ポケットなど)に対応するパターン片に裁断することができる。印刷されたパターン片は、切り取られた後、布地にピン止めされるか重りにより固定され得る。次に、裁製者は、各型紙片の輪郭に沿って裁断し、対応する布片を作ることができる。
【0004】
通常、縫製されるアイテムの複数のサイズ(小、中、大など)が同じ紙に印刷され、縫製者は裁断する適切なサイズを選択する。全パターンのシートから適切なサイズが切り取られると、通常、パターン内の他のサイズを再利用することはできない。また、縫製者が後日同じパターンを使用してデザインを再作成したい場合は、すべての型紙を保存しておく必要がある。
【0005】
これらの問題のいくつかに対処するために、現在、デジタルパターンが利用可能である。通常、縫製者はデジタルパターンを購入し、そのパターンを紙に印刷する。例えば、縫製者は自宅でパターンレイアウトを数枚の8.5インチ×11インチのページに印刷し、その後、ページをテープで貼り合わせて目的のパターンを形成することができる。この時点で、縫製者はパターン片の切り取りに移り、さらに上述したように進めることができる。
【0006】
しかしながら、従来のデジタルパターンを印刷したものは依然として紙を必要とするため、従来の紙パターンにおけるいくつかの問題が依然としてある。例えば、型紙(従来の紙またはデジタル)では、型紙がプリントを覆うため、特定の位置に布地のプリント(花柄など)を配置することが困難である。さらに、従来の紙やデジタルパターンを印刷したものは扱いにくく、破れやすく、また、保管が難しい。
【0007】
裁断マットがパターンの裁断経験を改善するために発明された。裁断マットとの組み合わせにおいて、裁製者はハサミの代わりに回転カッターを使用することがある。布地にピン止めまたは重し付けしたパターンの下に裁断マットがあると、裁製者はその上から直接作業し、パターンパラメータに沿ってロールカットすることができる。しかしながら、従来の裁断マットでは、この裁断プロセス中に布片が滑ったり動いたりする可能性があった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、本開示は、必要なすべての縫製パターンの線および表記、さらには指示さえも縫製される素材に直接正確に投影するように設計された投影システムを開示する。パターンは、布地、キャンバス、フェルト、革、紙、カーペットなど、様々な異なる種類の素材に投影可能である。投影されたパターンはデジタルで簡単に保存でき、完全に再利用可能で、また、布地や縫製中のその他の素材の視界を妨げない。
【0009】
第2に、本明細書に開示される投影システムは、裁断することを意図するのではなく、トレースしてから、塗装、エッチング、彫刻などを行うことを意図した表面上に投影されてもよい。また、プロジェクタは、パターンおよび画像全般を床、テーブル、天井、または壁に投影することができる。
【0010】
このような投影システムで使用するプロジェクタを較正する方法は、プロジェクタの投影フィールド内に物理的較正ガイドを配置する工程であって、前記物理的較正ガイドは第1の光学的較正特徴を含むものである、配置する工程と、前記プロジェクタによって前記物理的較正ガイド上に較正画像を投影する工程であって、前記較正画像は第2の光学的較正特徴を含むものである、前記投影する工程と、コンピューティングデバイスが、前記第1および第2の光学的較正特徴を含む画像を取得する工程と、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程と、前記カメラ画像中の前記第2の光学的較正特徴に前記カメラ変換の逆変換を適用する工程であって、前記カメラ変換の逆変換の適用により逆の第2の光学的較正特徴を取得するものである、前記逆変換を適用する工程と、前記逆の第2の光学的較正特徴からプロジェクタ変換を決定する工程とを有し、前記カメラ変換を決定する工程、前記逆変換を適用する工程、および前記プロジェクタ変換を決定する工程は、前記コンピューティングデバイスに記憶された命令を実行することにより前記コンピューティングデバイスによって実行される。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記カメラ変換を決定する工程は、さらに、前記第1および第2の光学的較正特徴を含む前記取得された画像のピクセルの行および列をサンプリングする工程と、前記サンプリングされたピクセルの行および列における光強度の変化を検出する工程と、検出された光強度の変化を生の点として記憶する工程と、生の点から線群を構築する工程と、線群の交点から特徴点を決定する工程と、前記第1の光学的較正特徴に対応する特徴点のサブセットおよび前記物理的較正ガイドの基準に基づいて開始点を決定する工程と、開始点および前記第1の光学的較正特徴に対応する特徴点に基づいてカメラ変換を反復的に決定する工程とを有するものである。前記カメラ変換を反復的に決定する工程は繰り返されてもよい。いくつかの実施形態において、前記特徴点のサブセットは、前記物理的較正ガイドの境界の外側の角を有するものである。
【0012】
いくつかの実施形態において、上記方法は、さらに、2つの特徴点候補からなる線群を特定する工程と、前工程で特定された特徴点候補を保護する工程と、3つ以上の特徴点候補を有する線群を特定する工程と、2つの保護された特徴点を有する線群上にある無関係な特徴点候補を破棄する工程とを有する。これらの工程は、無関係な特徴点がすべて破棄されるまで反復的に繰り返されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記プロジェクタには初期較正画像が記憶されているものであり、前記初期校正画像は、前記プロジェクタが前記物理的較正ガイドから正確な距離に置かれているときに前記物理的較正ガイドの外周を照明するように寸法設定された四辺形を有するものである。初期の前記四辺形は、さらに、前記物理的較正ガイドからの前記プロジェクタのオフセットを修正するように寸法設定されている。
【0014】
いくつかの実施形態において、較正確認画像が前記プロジェクタと動作可能に通信するコンピューティングデバイスに記憶されるものである。前記方法は、さらに、前記プロジェクタ変換を前記較正確認画像に適用する工程と、前記変換された較正確認画像を前記プロジェクタに転送する工程と、前記変換された較正確認画像を前記物理的較正ガイド上に投影する工程とを有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴は第1および第2の平行線対を有するものであり、前記第1の平行線対は前記第2の平行線対に直交しており、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴から前記カメラ変換を決定する工程は、さらに記較正特徴の前記画像を取得するカメラ平面に投影された前記物理的較正ガイドから前記第1および第2の平行線対を特定する工程と、前記カメラ平面においてどこで前記第1の平行線対が交差するかを決定する工程と、前記カメラ平面においてどこで前記第2の平行線対が交差するかを決定する工程とを有するものである。前記第1および第2の平行線対は、前記物理的較正ガイドの外側部分を定義する長方形を定義するものである。
【0016】
その他の例では、前記カメラ画像中の前記第1の光学的較正特徴は、さらに、第3および第4の平行線対を有するものであり、前記第3の平行線対は前記第4の平行線対に直交しており、前記第3および第4の平行線対は、前記第1および第2の平行線対のいずれかに対して非平行および非直交となるように回転されており、前記カメラ画像中の第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程は、前記較正特徴により取得された画像中のカメラ平面に投影された前記物理的較正ガイドからの前記第1または第2の平行線対のいずれかが平行であるかを特定する工程と、検出された場合に、前記カメラ平面に投影された前記第3の平行線対が前記カメラ平面においてどこで交差するかを決定する工程と、前記カメラ平面に投影された前記第4の平行線対が前記カメラ平面においてどこで交差するかを決定する工程とを有する。前記第1および第2の平行線対は第1の長方形を定義してもよく、前記第3および第4の平行線対は第2の長方形を定義してもよく、前記第2の長方形は前記第1の長方形に対して45度回転されたものであってもよい。
【0017】
本発明のこれらおよび他の利点は、添付の図面、実施例、および詳細な説明を考慮すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の態様の様々な例示的な実施形態を示す様々な例示的なシステム、方法などを示す。図に示す要素境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は境界の一例を表すことが理解されよう。当業者であれば、1つの要素が複数の要素として設計され得ること、または複数の要素が1つの要素として設計され得ることを理解されよう。他の要素の内部構成要素として示されている要素は外部構成要素として実装されてもよく、また、その逆に外部構成要素として示されている要素が他の内部構成要素として実装されてもよい。さらに、要素は一定の縮尺で描かれていない場合がある。
図1図1は、縫製パターンを布地に投影する例示的な投影システムの斜視図を示す。
図2図2は、図1の例示的なシステムのブロック図を示す。
図3図3は、図1の例示的なシステムにおけるコンピューティングデバイスの例示的なユーザインターフェースを示す。
図4図4は、動作中の図1の例示的な投影システムの斜視図を示す。
図5図5は、例示的な垂直ビームの斜視図を示す。
図6図6図9は、それぞれ、図5の例示的な垂直ビームの拡大斜視図、正面図、背面図、および側面図を示す。
図7図6図9は、それぞれ、図5の例示的な垂直ビームの拡大斜視図、正面図、背面図、および側面図を示す。
図8図6図9は、それぞれ、図5の例示的な垂直ビームの拡大斜視図、正面図、背面図、および側面図を示す。
図9図6図9は、それぞれ、図5の例示的な垂直ビームの拡大斜視図、正面図、背面図、および側面図を示す。
図10A-10B】図10Aおよび図10Bは、それぞれ、ロック解除位置およびロック位置にあるビームロック機構の拡大斜視図を示す。
図11図11は、図5の垂直ビームの拡大斜視図を示す。
図12A図12Aは、プロジェクタが回転された図5の垂直ビームの拡大斜視図を示す。
図12B-12C】図12Bは、プロジェクタが床および壁に投影する例示的なビームを示す。図12Cは、ビームから取り外され、テーブル上に置かれた状態で投影する例示的なプロジェクタを示す。
図13図13は、図5の垂直ビームに摺動自在に取り付けられた水準器を示す。
図14A-14F】図14A~14Fは、プロジェクタの設置についての代替実施形態を示す。
図15図15は、投影装置の較正の欠如の問題を示す図1のシステムを示す。
図16図16は、例示的な較正ルーチンの概略図を示す。
図17図17は、較正後の図1のシステムを示す。
図18図18図22は、投影システムをセットアップするための例示的な方法を示す。
図19図18図22は、投影システムをセットアップするための例示的な方法を示す。
図20図18図22は、投影システムをセットアップするための例示的な方法を示す。
図21図18図22は、投影システムをセットアップするための例示的な方法を示す。
図22図18図22は、投影システムをセットアップするための例示的な方法を示す。
図23図23は、一度に投影するには長すぎるパターン片の問題の例を示す。
図24図24は、例示的な継合せ方法を示す。
図25図25は、縫製パターンを布地に投影するための例示的な投影システムを示す。
図26A図26A図26Bは、例示的な裁断マット下敷きを示す。
図26B図26A図26Bは、例示的な裁断マット下敷きを示す。
図27A図27A図27Bは、他の例示的な裁断マット下敷きを示す。
図27B図27A図27Bは、他の例示的な裁断マット下敷きを示す。
図28A図28A図28Cは、更なる他の例示的な裁断マット下敷きを示す。
図28B図28A図28Cは、更なる他の例示的な裁断マット下敷きを示す。
図28C図28A図28Cは、更なる他の例示的な裁断マット下敷きを示す。
図29図29は、図27A図27Bの例示的な裁断マット下敷きと一緒に輸送するために分解され梱包された図1の例示的な投影システムを示す。
図30図30は、例示的なロック機構を示す。
図31図31は、分離された上部および下部ビーム部分を示す。
図32図32は、上部ビーム部分の電力経路の機構を示す。
図33図33は、下部ビーム部分の電力経路の機構を示す。
図34図34は、下部ビーム部分の接続部の追加の機構を示す。
図35図35は、プロジェクタ較正フローパスを示す。
図36A図36Aは、カメラ平面への較正パターンの投影を示す。
図36B図36Bは、図36Aの較正パターンの更なる詳細を示す。
図36C図36Cは、図36Bの較正パターンに含まれる特徴の検出特徴点の更なる詳細を示す。
図37図37は、プロジェクタ変換を生成するフローチャートである。
図38図38は、カメラ変換を決定するフローチャートである。
図39図39は、カメラ適合モデルを決定するためのアルゴリズムのブロック図である。
図40図40は、本発明の他の態様における投影システムの他の例の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、縫製パターンを布地に投影するための投影システム1の斜視図を示す。システム1は、縫製パターンを表すデータを受け取り、プロジェクタ3の垂直下方の水平面5(テーブル7の上面)上に配置された布地に縫製パターンを投影するプロジェクタ3を含む。投影システム1は概して、2017年12月24日に出願された米国特許出願第15/853,807号(現在は米国特許第10,750,810号)に記載されている概念に関連しており、当該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、米国特許出願第16/350,932号(現在は米国特許第11,003,903号)は、電子縫製パターンをフォーマットし、顧客が利用可能にすることに関するものであり、これも参照により組み込まれる。説明を簡単にするために、発明は縫製パターンの文脈で本明細書に開示されているが、本明細書に開示されている発明のすべてではないにしてもいくつかは、縫製パターン以外の文脈でも適用可能であり、したがって、これらの発明は縫製パターンに限定されるべきではない。
【0020】
図2は、例示的なシステム1のブロック図を示す。システム1は、プロジェクタ3とコンピューティングデバイス9を含み得る。コンピューティングデバイス9は、ラップトップコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンに対応し得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス9は1若しくはそれ以上の命令またはロジックのセットを有するように構成され、当該1若しくはそれ以上の命令またはロジックのセットはコンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイス9に、本明細書におけるコンピューティングデバイス9に帰属する機能を実行させ、またはその他の方法で該機能を実行させる。
【0021】
コンピューティングデバイスはプロジェクタ3に動作可能に接続される。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、またはその他の無線技術、またはそれらの組み合わせなどの1若しくはそれ以上の無線データ接続を介してプロジェクタ3に動作可能に接続される。一例において、コンピューティングデバイス9は、Wi-Fiアクセスポイントに無線で接続される。コンピューティングデバイス9は、まず、ブルートゥース(登録商標)を用いてプロジェクタ3とペアリングされる。一例において、コンピューティングデバイスは使用者にWi-Fi認証情報の入力を求める。他の例では、コンピューティングデバイス9は、Wi-Fiアクセスポイントに接続するために用いる認証情報にアクセスする。次に、コンピューティングデバイス9は、ブルートゥース(登録商標)接続を介してWi-Fi接続認証情報をプロジェクタ3に転送する。プロジェクタがWi-Fi認証情報を取得すると、プロジェクタはWi-Fiアクセスポイントにログインし、コンピューティングデバイス9とプロジェクタ3はコンピュータネットワークを介して相互に通信する。これにより、プロジェクタ3自体にユーザインターフェースを設けてプロジェクタ3を無線通信用に構成する必要性が低減または排除される。
【0022】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスはプロジェクタを含んでもよい。このような実施形態では、操作者は、コンピュータデバイス9から所望の縫製パターンテンプレートを投影することができる。縫製パターンは、カメラシステムを通じて取得された、空間の変化や使用者の動きに応じて変化する拡張現実(AugmentedReality:AR)コンテンツを利用して生成可能である。
【0023】
図3は、コンピューティングデバイス9のディスプレイに表示される例示的なユーザインターフェースを示す。縫製される縫製パターンの画像は記憶装置11に記憶されていてもよく、当該記憶装置11は、コンピューティングデバイス9の記憶装置、またはコンピューティングデバイス9によるアクセス用のリモートの記憶装置(すなわち、クラウド)、あるいはそれらの組み合わせに対応するものであってよい。使用者は、コンピューティングデバイス9のユーザインターフェースを介して、例えば、水平面5へのプロジェクタの投影フィールドを表すプロジェクタ作業スペース13上に所望の片を移動させることによって、特定のパターン片12を選択することができる。有利には、同じパターン片から複数の片が必要な場合、パターン片の複数のコピーをプロジェクタ作業スペース13上に移動してもよい。また、パターン片を鏡像化することもできる。これにより、縫製者は同時に片を裁断することができ、また、物理的に折り畳まれた材料を裁断することなく、「折り目で裁断した」片を作成することができる。いくつかの実施形態において、「プロジェクタへ送信」14が含まれる。作業スペース内でのパターン片12の選択および配置の際、またオプションとしてボタン14の起動後、コンピューティングデバイス9は、作業スペース13上で選択されたパターンをプロジェクタ3に送信して図4に例示的に示すように水平面5上に投影することができる。
【0024】
以下で説明するように、システム1を用いて縫製パターンを布地に投影することができる。布地を覆う型紙がないため、縫製者は、布地に印刷または織り込まれた視覚的なパターンが完成品にどのように現われるかを確認することができる。縫製者は、作業スペース13内の投影されたパターン片の位置を調整して、例えば縫い目でパターンを位置合わせしたり、潜在的に望ましくないパターン特徴の位置を回避したりすることができる。その後、縫製者は、その投影された縫製パターンに従って、投影された画像を用い布地を裁断することができる。
【0025】
システム1の重要な課題は水平面5上方でのプロジェクタ3の位置決めである。たとえ縫製者がシステム1の周りを動き回りその構成要素に接触している間でも、プロジェクタは所定の位置にしっかりと保持される必要がある。図1に戻ると、システム1は垂直ビーム15を含み、垂直ビーム15は、プロジェクタ3が取り付けられて、水平面5したがって裁断される布地の上に当該プロジェクタ3を調整可能に位置決めする。
【0026】
図5は、例示的な垂直ビーム15の斜視図を示す。図6図9は、それぞれ、例示的な垂直ビーム15の拡大斜視図、正面図、背面図、側面図を示す。垂直ビーム15は、下端17aに床係合部分18を含む下部ビーム部分17を含む。また、垂直ビーム15は、上端19aに天井係合部分21を含む上部ビーム部分19を含む。いくつかの実施形態において、上部ビーム部分19が下部ビーム部分17に対して長手方向に移動し、またその逆に移動して垂直ビーム15が長手方向に伸長し、それにより、床係合部分によって床に対し圧力が加えられ且つ天井係合部分21によって天井に対し圧力が加えられ、垂直ビーム15が固定される。また、以下に詳述するように、垂直ビーム15は、垂直ビーム15を解放、伸長、およびロックするためのビームロック機構23を含むことができる。いくつかの実施形態において、図18および図19に示すように、垂直ビーム15、特に下部ビーム部分17は、垂直ビーム15が様々な異なる高さの天井に使用できるように、下部ビーム部分17から下方に伸縮する伸縮部分17bを含む。
【0027】
図10Aおよび図10Bは、それぞれ、ロック解除位置およびロック位置にあるビームロック機構23の拡大斜視図を示す。ビームロック機構23は、カム機構に動作可能に接続されたレバーを含んでもよい。図10Aのロック解除位置では、ビームロック機構23は垂直ビーム15のロックを解除する(すなわち、解放する)。例えば、伸縮部分17b(図19を参照)は下部ビーム部分17から下方に自由に伸縮することができる。レバー25を図10Aのロック解除位置から図10Bのロック位置に移行させると、ビームロック機構23は伸縮部分17bをロックし、下部ビーム部分17に対して上部ビーム部分19を長手方向に(例えば、約1/2インチ)移動させることによってビーム15をさらに長手方向に伸長し、最終的に上部ビーム部分19を下部ビーム部分17にロックする。この動作により、垂直ビーム15が床および天井に固定される。反対方向では、レバー25の操作により、ビームロック機構23が図10Bのロック位置から図10Aのロック解除位置に移行し、a)上部ビーム部分19が下部ビーム部分17から解放され、またb)伸縮部分17bが解放され、それにより、それが下部ビーム部分17に縮小して戻ることができるようになっている。この動作により、垂直ビーム15に沿った長手方向の張力が解放され、垂直ビーム15の固定が解除される。図29に示すように、下部ビーム部分17も上部ビーム部分19から分離可能であるため、分解されたビーム15は梱包および保管のために非常にコンパクトになる。したがって、垂直ビーム15は、容易に組み立てられ、設置可能、着脱可能、位置変更可能、および持ち運び可能である。
【0028】
ロック機構23の一例の詳細を図30に示す。レバー25(図31)は、カム62が取り付けられたカムシャフト60に接続されている。カムローラ64は、上部ビーム部分19のシャフト66に取り付けられ、カム62と係合する。ケーブル70は、カム62に少なくとも部分的に巻き付けられ、アイドラシャフト74に取り付けられたアイドラベアリング72まで下方に延びている。これにより、ケーブル70が下部ビーム部分17の側面に近づくように方向転換される。ケーブル70はバネ76まで下方に延びている。バネ76は、楔78に接続または連結されている。楔78は、伸縮部分17bと、下部ビーム部分17の下端17bに取り付けられたカラー80との間に配置されている。楔78は、カラー80に面したローラ79を有してもよい。ローラ79は、楔78をカラー80に対して自由に動くことを可能にするが、依然として伸縮部分17bと摩擦ロックする。
【0029】
ロック解除位置にあるとき、カムローラ64に係合または隣接するカム62部分は、平らであるか、または比較的一定の半径を有する。レバー25の初期動作中、カム62はケーブル70を巻き上げ、楔78を移動させてカラー80と伸縮部分17bとの間に接触させる。楔78のこの初期運動が起こっている間、カム62はカムローラ64を上方に押していない。これにより、上部ビーム19の天井係合部分21が天井に力を及ぼす前に伸縮部分をロックすることができる。レバーがロック位置に向かってさらに回転すると、ケーブル70はバネ76を引っ張りながらカム62に巻き取られ続ける。これにより、楔78が動き続ける必要がないが、更なる係止力が楔78に加えられる。カムローラ64に隣接または係合するカム62部分は半径が増大しており、カムローラ64を上方に付勢し、これにより上部ビーム部分19および天井係合部分も上方に付勢されて天井に係合する。
【0030】
図5図9に戻ると、垂直ビーム15には垂直トラック16が形成されていてもよく、また、垂直ビーム15は、垂直トラック16に摺動自在に取り付けられたキャリアまたはカート27を含んでもよい。プロジェクタ3は、カート27に搭載または取り付けられてもよい。このようにして、カート27は、垂直トラック16に沿って垂直に摺動して、水平面5の上の、したがって裁断される布地の上でプロジェクタ3の高さを調節することができる。図6に最も良く示すように、カート27は解放ボタン28を含むカートロック機構を含んでもよく、当該カートロック機構は、カートロック機構が垂直トラック16に沿ったカート27の垂直方向の摺動を阻止するロックモードと、カートロック機構が垂直トラック16に沿ったカート27の垂直方向の摺動を阻止しない摺動モードとの間で動作可能である。いくつかの実施形態において、カートは垂直ビームと摩擦嵌合し、その摩擦により垂直ビームに沿ったカートの垂直方向の摺動を阻止する。
【0031】
したがって、プロジェクタ3の高さを容易に調整することができる。
【0032】
プロジェクタ3は、電力を受け取るためのソケット32を含む。図40を参照すると、いくつかの実施形態において、ソケット32は、プロジェクタがカートに取り付けられている間、電源コード36からジャック34を受けるように構成されている。図示の例において、プロジェクタ3は当該プロジェクタの側面にジャック36を受けるためのソケット32を有する。いくつかの実施形態において、垂直ビーム15は、電源コード管理のための機構を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、垂直ビーム15に電力が供給される。図11に示す例において、垂直ビームは下端17aに近接した(例えば、床係合部分18の開口部に)、ケーブル31から電力を受け取るための電力ポート29を含む。他の実施形態では、電力ポート29は上端19aに近接して配置されてもよい。垂直ビーム15は電気ケーブルを内部に配置してもよく、当該電気ケーブルは、例えばプロジェクタ3に電力を供給するための電力経路の一部を形成する。電力経路は、垂直トラック16に沿ったカート27の垂直方向の摺動を可能にしながら、カート27またはプロジェクタ3に電力を伝送する(不図示の)電気コネクタを含んでもよい。
【0034】
垂直ビーム15またはカート27は、プロジェクタ3に加えて電動装置を受容していてもよい。例えば、垂直ビーム15は、ライト、スピーカー、レーザー水準器、ウェブカメラなどを受容し、それらに電力を供給することができる。垂直ビーム15内に構築された電力経路は、これらの電動装置に電力を供給または制御するのに用いることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、低電圧DC電力が電力ポート29に供給され、電力経路によって垂直ビーム15内に分配される。例えば、当技術分野で知られているように、家庭用系統電力を5~20ボルトに降圧し、外部電力コンバータによってDC電力に整流することができる。
【0036】
また、図10Aおよび図10Bに最もよく示すように、垂直ビーム15は電源スイッチ/光インジケータ33を含んでもよく、当該電源スイッチ/光インジケータ33は、プロジェクタ3(または設置されたその他の電動装置)への電力の流れを遮断するように操作され、また、点灯時に電力がオンであることを示す。いくつかの実施形態において、スイッチ/光インジケータ33は下部ビーム部分17に取り付けられる。いくつかの実施形態において、電源ポート29は電気コードによりスイッチ/光インジケータ33に接続されており、その電気コードの少なくとも一部はコイル状に巻かれている。コイル状部分により、伸縮部分17bの伸長中に電気コードに負担をかけることなく、また収縮時に電気コードが絡まることなく、下部ビーム部分17に対する伸縮部分17bの移動が可能になる。
【0037】
図31図34は、下部ビーム部分17と上部ビーム部分19との間の電気接続を含む電力経路の一例の詳細を示す。上部ビーム部分19は長尺接触ブレード82を含む。下部ビーム部分17はブレード受け部84を含む。長尺接触ブレード82およびブレード受け部84は、レバー25がロック解除位置からロック位置まで回転されて戻るときに、カム機構によって引き起こされる上部ビーム部分19の移動全体を通じて長尺接触ブレード82がブレード受け部84と電気的に接触したままとなるように寸法設定されている。長尺接触ブレード82は、上部ビーム部分19のトラック16内の導電性レールに接続される。
【0038】
いくつかの実施形態において、上部ビーム部分19および下部ビーム部分17は垂直トラック16内に導電性レール68(図34)を含む。導電性レール68は、垂直トラック16の反対側にあってもよい。スイッチ/光インジケータ33は、導電性レール68に電子的に結合されている。このような実施形態において、カート27は、導電性レール68と電気的に接触してレールから電力を受け取りその電力をプロジェクタ3に伝送する接点を含む。この例において、プロジェクタ3で電力を受け取るジャックは、カート27に面しており、カート27の対応するプラグと係合する。プロジェクタ3がカート27上で回転する例において、ジャッキはプロジェクタの回転中心にバレルジャッキを有する。
【0039】
図12Aに示すように、プロジェクタ3は、カート27または垂直ビーム15に回転可能に取り付けられるが、これは、プロジェクタ3の光学レンズ35が下方の床方向に向けられる図6の垂直方向から投影軸が垂直ビーム15の長さに垂直になるように光学レンズ35が向けられる図12Aの水平方向へプロジェクタ3が90°回転可能になるように取り付けられる。このようにして、プロジェクタ3を用いて、壁またはその他の垂直表面、あるいは床と壁との間の角度にある任意の表面に投影することができる。図12Bは、床に投影するように回転された第1のプロジェクタ3aと、壁に投影するように回転された第2のプロジェクタ3bとを備えた例示的な垂直ビーム15を示す。
【0040】
プロジェクタ3は回転することにより垂直ビーム15に接続および垂直ビームから接続解除することができる。プロジェクタ3の光学レンズ35が下方の床に向けられている図6の垂直配向から、光学レンズ35が天井に向く反対の垂直配向へと180度になるようにプロジェクタ3を回転させることで、プロジェクタ3が垂直ビーム部15から切り離されてもよい。次に、例えばプロジェクタ3をテーブルの上に置き、垂直ビーム15とは独立して用いてもよい。図12Cは、垂直ビーム15から取り外され、テーブルに置かれたままで投影する例示的なプロジェクタ3cを示す。
【0041】
一実施形態(図示せず)において、プロジェクタ3は、プロジェクタ3の光学レンズ35が下方の床に向けられている図6の垂直配向から光学レンズ35が天井を向く反対の垂直配向へと180°回転自在であってもよい。このようにして、プロジェクタ3を用いて、天井または床、あるいは床と天井との間の角度にある任意の表面に投影することができる。
【0042】
図13に示すように、垂直ビーム15は、垂直トラック16に摺動自在に取り付けられ垂直に摺動する水準器37を含んでもよい。水準器37は、垂直ビーム15が鉛直である(すなわち、真に垂直である)かどうかを示すために用いることができる。
【0043】
図1に戻ると、上述のように、プロジェクタ3の高さは、垂直ビーム15の長さに沿って調整可能である。水平方向に、プロジェクタ3は作業面5に近接して配置されてもよい。プロジェクタ3は、オフセットレンズを有して、プロジェクタ3が表面5の真上ではなく、表面5の脇に位置できるようになっていてもよい。プロジェクタ3は縫製パターンの線を表面5に投影してもよい。一実施形態において、プロジェクタ3はこれらの線を白色光として投影する。
【0044】
上記の実施形態では、システム1は、プロジェクタ3が取り付けられた垂直ビーム15を含むものとして開示されている。しかしながら、これは表面5の上でプロジェクタ3を頭上設置する一例に過ぎない。図14A図14Fは、それぞれ、天井固定具、水平面上方の天井に連結された天井取付具、水平面に近接して配置されたフロアスタンド、水平面を備えたテーブルに挟持されたテーブルクランプ、水平面上に配置された卓上スタンド、および水平面に近接する壁に連結された壁取付部を含むプロジェクタ3の更なる可能な設置の実施形態を示す。
【0045】
さらに、上記実施形態において、垂直ビーム15は、列をなしたセクションを有し、カム機構に連結されたレバーを含むものとして開示されている。ただし、これは可能な垂直ビーム構成の一例に過ぎない。他の可能な構成としては、一列ではなく横に並んだ、3つ以上のビームセクション、伸縮セクション、バネ荷重張力などが挙げられる。また、上記の実施形態では、ビーム15は、床と天井との間に固定可能なものとして開示されている。
【0046】
システム1の潜在的な問題は、布地に投影されたパターンの位置合わせのずれ、スケーリング、および位置決めである。図15はこれらの問題を示す。図示の実施形態において、システム1は、水平面5上に配置された物理的較正ガイド39を含む。較正ガイドは、図15図17および図36に示すように、線または他のグラフィック特徴を備えた裁断マットを有してもよい。いくつかの実施形態において、1若しくはそれ以上の初期較正パターン41がプロジェクタ内の不揮発性メモリに記憶され、プロジェクタは当該初期較正パターン41をコンピューティングデバイス9に接続される前の電源投入時に表示することができる。他の実施形態では、コンピューティングデバイス9は、較正パターン41をプロジェクタ3に転送する。プロジェクタ3は、システム1が適切に較正されていれば、較正ガイド39の少なくとも特定の態様と一致する較正パターン41を投影する。しかしながら、図15では、プロジェクタ3からの歪みおよび/または較正ガイド39に対するプロジェクタ3の配置に基づいて、投影された較正パターン41が較正ガイド39に対して大きく、また歪んでいる(skew)ことに注目されたい。
【0047】
図16は、カメラを用いて、較正ガイド39上に投影された較正パターン41の画像を取得することができる較正ルーチンを示す。一実施形態において、使用されるカメラはコンピューティングデバイス9のカメラである。他の実施形態では、カメラはプロジェクタ3の一部である。他の実施形態では、カメラは、垂直トラック16に取り付けられたウェブカメラまたはその他の専用カメラである。縫製者は、プロジェクタ3を水平面5上方の適切な高さまで持ち上げることとなる。適切な高さは、パターンの投影が所望のスケールになるように、または少なくとも較正プロセスによって修正されて十分近くなるように選択される。
【0048】
プロジェクタ3を適切な高さに設定する例示的な方法は、図18図20を参照することでより良く理解されよう。図18に示すように、使用者はまず垂直ビーム15(上部ビーム部分19を下部ビーム部分17にロックするビームロック機構23)を、パターンが投影される表面5から少し離れた(テーブル7から離れた)位置に配置することができる。図18の例において、伸縮位置17bはバネで付勢されている。下部伸縮部17bは、垂直ビームが床と天井との間の距離よりわずかに長くなるように配置されている。適切な長さを決定するために、使用者は、床係合部分18を壁から短い距離(例えば、6インチ~10インチ)に配置し、当該壁が天井に接する天井に達するまで垂直ビーム15を伸長し、その後、伸縮部分のロック手段を締める。次に、使用者はビームの伸縮部分およびバネを圧縮し、ビームを位置決めし、そして、ビームを解放して、ビームが垂直に伸長して天井と床に係合するようにする。この例では、バネで付勢された伸縮部分が付勢機能を発揮するため、上部ビーム部分19と下部ビーム部分17は互いに固定された関係のままである。
【0049】
他の例では、図19に示すように、その後、使用者はレバー25を操作してビーム15のロックを解除することができる。ロックを解除すると、伸縮部分17bは、解放され、下部ビーム部分17から略下方へ伸縮することができるようになっている。また、それは、垂直ビーム15をほぼ天井の高さまで伸長するように、上部ビーム部分19を下部ビーム部分17からロック解除する。次に、使用者は、床係合部分18が床に係合し、天井係合部分21が天井に係合するように、レバー25の操作によって垂直ビーム15をさらに伸長してもよい。
【0050】
図20に示すように、使用者はまず水平器37を用いて垂直ビーム15が鉛直であることを確認し、次にレバー25をロック位置に操作して垂直ビーム15を床および天井に固定してもよい。
【0051】
図21に示すように、使用者はスイッチ33を操作してプロジェクタ3に電力を供給することができる。コンピューティングデバイス9とプロジェクタ3との間のデータ接続は上述のように行われる。コンピューティングデバイス9は、較正パターン41の画像をプロジェクタ3に転送し、プロジェクタ3に較正パターン41の画像を投影させる。図22に示すように、使用者は、リリースボタン28を押してカート27を解放し、プロジェクタ3を表面5の上に持ち上げて、較正パターン41が表面5上にある較正ガイド39とできるだけ近くに位置合わせされるようにする。次に、使用者はボタン28を放して、プロジェクタ3とともにカート27を所定の位置にロックすることができる。
【0052】
一例において、較正パターン41は2つのパターンを含む。第1の投影された較正パターンは、プロジェクタを適切な高さに設定するのを支援する位置決めパターンを有する。位置決めパターンは、例えば、単純な長方形を有してもよい。使用者は、投影された長方形が物理的較正ガイド39の周縁部またはその近傍の長方形に近づくまで、プロジェクタを上下に摺動させてもよい。いくつかの実施形態において、使用者は、位置決めパターンの長方形が物理的較正ガイド39の長方形のサイズをわずかに超えるまでプロジェクタの高さを調整するようにコンピューティングデバイス9により指示される。有利には、これにより、較正後に適用される修正がプロジェクタの投影フィールドを超えないことが確実になる。
【0053】
いくつかの実施形態において、較正ガイド39、39aは裁断マットを含む。図36Bを参照すると、裁断マットは、色付き/灰色の外観と白い境界線を有する長方形である。初期較正パターンは、プロジェクタが裁断マットから適切な距離に配置されたときに、裁断マットの白い境界線内に収まる寸法の輪郭の長方形を有する。これは、使用者が裁断マットに対してプロジェクタを適切に配置するのに役立つ視覚的なガイドを提供する。
【0054】
初期較正パターンは、プロジェクタに記憶され、裁断マットに対する垂直ビームのオフセットについて修正が適用されることなく投影される。したがって、投影された画像にはある程度のキーストーン効果が出ることとなる。真の長方形が投影される場合、キーストーン効果により、プロジェクタがビームから最も遠いマットの端から適切な距離にあるように見えるとき、ビームに最も近いマットの端は、物理的に近いため、近すぎるように見える。逆に、最も近い端が基準として用いられる場合も同じことが当てはまる。したがって、いくつかの実施形態において、初期較正パターンは真の長方形ではなく、ビームから最も遠い端に対しビームに最も近い端が狭い四角形とする。この方法で、キーストーン効果は、記憶された画像に変換を適用することなく考慮することができ、裁断マットに対するプロジェクタの初期配置が容易になる。
【0055】
この時点で、使用者は、較正ルーチンの次の工程の準備ができていることをコンピューティングデバイス9に示してもよい。次に、コンピューティングデバイス9は、較正を支援する追加の特徴を有する較正パターン41の第2の画像をプロジェクタに転送する。前記追加の特徴には、例えば、較正ガイド39a(図36図36A)内の物理的特徴39b、39cなどに対応する投影された特徴が含まれる。
【0056】
いくつかの実施形態において、較正ガイド39上に投影された較正パターン41の写真が撮影される。写真は、コンピューティングデバイス9のカメラで直接撮影してもよいし、または、カメラにアクセスできるコンピューティングデバイス9のアプリケーションまたはロジックを用いてプロジェクタ3のカメラで撮影してもよい。いくつかの実施形態において、使用者が較正パターン41および較正ガイド39を適切にフレーミングするのを支援するために、カメラ/コンピューティングデバイス9のディスプレイ上に視覚的ガイダンスが表示される。
【0057】
画像中の較正ガイド39内の特徴に対する画像中の較正パターン41の特徴間の位置、スケール、および歪みの差に基づいて、コンピューティングデバイス9に記憶された較正ロジック/モバイルアプリケーションおよび/またはコンピュータデバイス9のプロセッサが、較正パターン41を較正ガイド39と位置合わせするために、較正パターン41のスケール、歪み、キーストーン効果、位置、およびその他の歪みの必要な調整値(したがって、プロジェクタ3からの投影についての必要な調整値)を計算する。一例において、較正パターン41および較正ガイド39はそれぞれ、各角を一意に特定するための、角に一意の基準42を含む。
【0058】
較正データフロー90の一例を図35に示す。較正プロセス93は、1若しくはそれ以上の投影/較正ガイド画像91を受け取る。これらの画像は、上述の手段/方法のいずれかによってカメラで取得することができる。また、較正プロセス93は、物理的較正ガイド39および投影された較正パターン41にそれぞれ対応する基準較正ガイドパターン92aおよび基準較正パターン92bを受け取る。較正プロセスは、変換構造94を生成し、例えばメモリに記憶する。縫製パターンなどのパターンの投影中、変換プロセス95は、変換構造94および投影される布地パターン画像96にアクセスする。変換プロセス95は、変換構造94を布地パターン画像96に適用して、変換された布地パターン画像97を生成するものであり、生成された布地パターン画像97はプロジェクタ3に提供される。次に、プロジェクタ3は、変換された布地パターン画像97を、裁断またはマークする布地またはその他の材料上に投影する。較正プロセス93、変換構造94、および変換プロセス95は、較正および変換ライブラリ98を有してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、較正プロセス93は、射影幾何学を用いた配向、位置、およびスケール変換を含め、カメラの視点の変換を決定することを含む。例えば、較正プロセス93は、カメラ画像中の較正ガイド39を認識し、較正ガイド39および基準較正ガイド92aの1若しくはそれ以上の画像に基づいてカメラ変換を導出することができる。いくつかの実施形態において、変換構造内のプロジェクタ変換には、配向、位置、およびスケール変換も含まれる。例えば、カメラ変換が分かると、カメラ変換の逆を較正パターン41の1若しくはそれ以上の投影画像に適用し、プロジェクタ変換を決定することができる。
【0060】
図36A図39を参照すると、カメラ変換およびプロジェクタ変換を導出する例が示されている。較正ガイド39は、大きな外側の長方形39aと、当該外側の長方形39a内に追加の特徴を有するより小さな光学パターン39b、39cを有して提供される。較正ガイド39は、プロジェクタ3の下方且つプロジェクタ3の投影フィールド内に配置される。較正ガイドは、x軸とy軸によって定義されるガイド平面を定義し、較正ガイド39上の各特徴点は、ガイド平面中のx、y座標に関連付けられている。これらの既知のx、y座標は、較正ガイド39のデジタル画像を含み得る基準較正ガイド92aにおいて表される。
【0061】
追加の特徴を有する較正ガイド39を図36Bに示す。この図では、較正ガイド39は、白い長方形39dと入れ子式に対照的な暗い長方形39eおよび/または三角形39fとを有するものなど、対照的な外観を有する入れ子式の多角形を有する。
【0062】
工程110において、較正ガイド39および投影された較正パターン41のカメラ画像が取得される。初期的に、カメラ画像が処理されて、プロジェクタの投影フィールドが決定される。これは「明るい空間」、すなわちプロジェクタによって照らされる領域ある。明るい空間の外側にあるカメラ画像の領域は、較正の実行時に更なる処理から除外されてもよい。
【0063】
カメラの光学系および画像センサは、軸u,vを持つカメラ平面を定義する。カメラ画像中のピクセルはカメラ平面のu,v座標に関連付けられている。ただし、カメラ平面は通常、画像取得中、ガイド平面と平行ではないため、外側の長方形をカメラ光学系に投影すると、長方形に歪みが生じ、それはカメラ画像において長方形ではない四角形になる。また、カメラ平面の座標軸は通常、ガイド平面に対して回転される。射影幾何学における既知の技術を用いて、取得された特徴点のu、v座標および基準較正ガイド92a内の対応する特徴点の既知のx、y座標に基づき、較正パターン41に対するカメラ画像の倍率および配向を決定することができる。これがカメラ変換である。
【0064】
このような射影幾何学を用いる一例において、較正ガイド39の端近くの長方形標的の外側の線、または較正ガイド39の端自体は、互いに平行であることが分かっている。例えば、裁断マットの上端は裁断マットの下端と平行であり、側端は互いに平行で上端と下端に直交している。しかしながら、上述のように、較正ガイド39の中心から外れて撮影すると、カメラの画像センサの平面上に投影される長方形標的または端の平行線は互いに平行ではなくなり、長方形標的が非長方形の四角形として現われる。初期アルゴリズムは、x、y空間において物理的に平行であるがu,v空間において非平行な線として投影される線がu,v空間においてどこで交差するかを見つけ、それから較正ガイド39に対するカメラの配置を決定することができる。
【0065】
ただし、物理的に平行な線がカメラの画像センサ平面に平行線として投影されるようにカメラが配向されることもありうる。このようなイベントでは、カメラセンサに投影された線の交点は無限大になり、アルゴリズムは失敗する。そのとき、使用者はコンピューティングデバイスの位置を変更して別の画像を取得する必要がある。このようなアルゴリズムの失敗および労力の重複を回避するために、いくつかの実施形態において、追加の2組の平行線が較正ガイド39に含まれる。その追加の平行線の対は互いに直交し、長方形標的に対して非平行および非直角となるように回転されてなる。例えば、第1の長方形標的を45度回転させた第2の長方形標的が含まれてもよい。1つの長方形標的からの1つの平行線のセット(上端/下端、側端)で解が得られない場合、第2の長方形標的の前記回転されてなる平行線が用いられ、それらの線の投影に対し交点が決定される。
【0066】
明るい空間でカメラの全てのピクセルを処理することは、処理要件の結果、また、カメラの位置がずれて特定の特徴点を誤って省略する可能性があることから、有利でない。図36Cおよび図38を参照すると、一実施形態において、2段階のスケールされるアプローチ120が用いられる。工程122において、カメラ画像のすべての行および列のピクセルよりも実質的に少ないサンプリングが行われる。サンプリング工程は画像センサの解像度に依存してもよい。いくつかの例において、4032x3024ピクセルの画像の場合、ピクセルを20行ごとおよび20列ごとにサンプリングしてもよい。例えば15行/列ごと、または30行/列ごとなど、異なるサンプリング間隔を、画像の解像度および検出される光学的特徴に応じて用いることができる。これにより、精度を犠牲にすることなく、処理要件が大幅に軽減される。工程124において、サンプリングされた各行/列が処理されて、較正ガイド39のより大きな光学的特徴の線の存在または端の存在が決定される。線または端の存在を示すピクセルは、生の点として保存される。生の点は、図36Cでは「x」で示されている。線の特徴は、画像強度の急激な変化を検出することによって特定することができる。その他の幾何学的特徴の端は、光強度の勾配の変化を検出することによって特定することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、初期較正中、工程126において、較正ガイド39の少なくとも外側の長方形の線分が生の点から構築される。線分の構築は、較正パターン内の直線が、カメラセンサ面に投影された場合でも、典型的にはカメラ画像中で直線として表示されるという事実による(カメラの光学系により歪みが検出される可能性がある)。生の点は、線分構築のために、(1)近接性と(2)線形性の2つの基準を用いてグループ化される。これらの基準は、線群を形成し、更なる生の点を当該線群に追加するために、定量的かつ共同で用いられる。線形性基準では、進展する各線群について線形係数を利用する。これらの係数は、新しい生の点が上記群に追加されると動的に更新されてもよい。近接性基準は、群の任意の要素までの最短距離に基づいて、当該群に含める候補の生の点を検証する。線形性基準と同様に、近接性基準は、新たな生の点が群に追加されると動的に更新されてもよい。
【0068】
導出された線が互いに交差する場所から外側の長方形の角が定義され、当該外側長方形の角は工程128において特徴点として保存される。特徴点は、図36Cにおいて黒丸で示されている。線または端を決定するために多数の生の点が用いられるため、線または端の交点によって特徴点が高精度で特定される。いくつかの実施形態において、このように構築された線分の使用により、実際の特徴点が画像から誤って省略された場合でも、特徴点の決定が可能になる。例えば、特徴の2本の線の十分な部分が検出された場合、線の実際の交点がカメラ画像から切り取られていたとしても、2本の線の交点を決定することができる。
【0069】
次に、カメラ画像中で特定された特徴点が、基準較正ガイド92a内の特徴点と照合される。一例において、カメラ画像中の較正ガイド39の外側長方形39aの4つの角に対応する4つの特徴点を用いて、工程130でカメラの位置、配向、および較正ガイド39からの距離を決定するための初期開始点が決定される。前記4つの角を用いて、カメラ平面に対するガイド平面の座標系の初期配向を決定することができる。例えば、較正ガイド39の外側長方形39aは2組の互いに直交する平行線を有する。上記で説明したように、その物理的な平行線は、カメラ平面に投影されると、平行でなくなる。カメラ平面内で線が交差するところの位置を用いて、前記初期開始点を導出することができる。
【0070】
また、このプロセスは、較正ガイド39のカメラ画像上の追加の印刷されたグラフィックまたはその他の光学的特徴の特徴点を決定し、それらを同様の方法で基準較正ガイド92aに一致させる。いくつかの例において、追加の光学的特徴は、線書き多角形、中実多角形、および/または入れ子状中実多角形を含む。工程132において、カメラ画像と参照画像両方の追加の特徴点が最初の開始点とともに反復プロセスに入力され、その解が収束するまで解が反復的に取得される。一例において、この順方向カメラ変換は、MPfitと呼ばれる反復的な非線形最小二乗フィッティングアルゴリズムに組み込まれる。MPfitは、勾配降下法とガウスーニュートン法の組み合わせとして構築されたレーベンバーグ・マルカート・アルゴリズムを用いる。いくつかの実施形態において、精度を向上させるためにMPFitが複数回実行される。
【0071】
カメラモデル適合プロセスのブロック図を図39に示す。この図では、基準較正ガイド92aからの特徴点が順方向カメラ変換モデルによってマッピングされ、カメラ画像によって測定された較正ガイド39の物理的特徴点と比較される。初期パラメータ140を用いて、進化するカメラパラメータ142が初期化される。物理的特徴点144およびカメラパラメータ142が順方向カメラ変換146に入力される。マッピングされた物理的特徴点148が順方向カメラ変換モデルの現在の反復に従って生成される。マッピングされた物理的特徴点148とカメラで測定された物理的特徴点150が比較され、モデルが収束したかどうかが判定152される。収束していない場合、結果はカメラパラメータ142に再び入力される。モデルが収束した場合、プロセスは終了154する。
【0072】
上記実施形態は多角形に関して説明されているが、他のグラフィック特徴を用いてもよい。例えば、同技術を適用して円(線、または中実)の円周を検出することができる。次いで、再構築された円周から円の中心を特定することができる。
【0073】
この時点まで、本プロセスは物理的較正ガイド39の印刷された/グラフィックの光学的特徴のみに関係してきた。カメラ画像には、投影された較正パターン41からの投影された光学的特徴も含まれる。生の点および特徴点は、例えば特徴39b、39c、39d、39e、39fに対して決定される。物理的グラフィック/光学的特徴および投影された光学的特徴は、各特徴が参照番号92a、92bから知られているため、互いに区別することができる。さらに、一例において、プロジェクタは、較正パターン41の投影された特徴の外側の長方形が物理的較正ガイド39の物理的特徴の外側になるように配置される。これにより、外側の長方形39aの4つの角を明確に決定することができる。
【0074】
上記で述べたように、特徴点は、生の点の線群が交差する場所によって決定される。しかしながら、特徴点がない場合でも線群が交差する場合がある。例えば、図36Cでは、破線で示すように、特徴39eの下境界を定義する線群が特徴39dの垂直境界を定義する線群と交差することが分かる。このような無関係な特徴点を誤って検出することは、有効な特徴点の検出できないことよりも好ましい。ただし、較正プロセスでは無関係な特徴点を実際の特徴点と照合することができないため、無関係な誤った特徴点は検出され除外されるべきである。
【0075】
無関係な特徴点を除外することは、次のように行ってもよい。第1に、2つの特徴点候補を有する線群を特定する。各線群は正確に2つの特徴点(各端に1つ)を有すべきため、それらの特徴点は有効とみなされ、保護される。図36Cの例では、39dの上部と下部の線群に2つの特徴点があり、これらの特徴点は有効とみなされ保護される。第2に、2つの保護された特徴点を有する任意の線群において、それら2つの保護された特徴点間にある任意の追加の特徴点が無関係であると見なされる。図36Cの例では、特徴39dの側部には3つの潜在的な特徴点がある。ただし、上部と下部の特徴点はすでに有効であると判断されており、保護されている。したがって、保護された特徴点間にある正方形の特徴点候補は無関係であると判断され、更なる較正アルゴリズムから破棄される。前記正方形の特徴点候補が不適格であるため、残った2つの特徴点候補が有効とみなされ保護される。また、2つの保護された特徴点を有する任意の線群において、その他の特徴点は無関係とみなされ拒否される。このプロセスは、有効な特徴点のみが残るまで繰り返し適用される。
【0076】
図37に戻ると、いくつかの実施形態において、プロジェクタ変換を決定するために、プロセスは上記のように画像中の投影された特徴の特徴点を決定する。いくつかの実施形態において、明るい領域の角を定義する特徴点は、この工程で破棄される。較正ガイド39およびプロジェクタの潜在的な初期位置ずれにより、明るい領域の角がマットから別の表面に突き出たり、マットの暗い部分に突き出したりする可能性がある。較正は、プロジェクタの明るい領域内のポリゴン特徴からの特徴点を用いて続行してもよい。
【0077】
工程114において、カメラ変換の逆変換が決定される。工程116において、投影された画像特徴点に逆カメラ変換を適用することにより、カメラが較正ガイド39の投影画像の平面から外れ当該平面の中心からずれていることによって生じる歪みが除去される。
【0078】
いくつかの実施形態では、逆カメラ変換が適用された後の投影された較正パターン41の特徴点の位置を使用して、再び射影幾何学を使用して、工程118でこれらの変換された特徴点の位置を基準92bの既知の特徴点と比較することによって、プロジェクタ変換が計算される。いくつかの例において、水平ガイドに対するプロジェクタ3の位置決めが非常によく知られているため、初期開始点は計算ではなく仮定することができる。
【0079】
プロジェクタ変換が分かれば、プロジェクタに画像を送信する前に、逆プロジェクタ変換を構築し、それを投影する画像(パターン)に適用することができる。ただし、より効率的な方法は、プロジェクタ座標系でプロジェクタ変換を「引く」として実装することである。この例では、ソフトウェアプロセスはプロジェクタのすべての「出力」ピクセルをループし、変換されるパターンに対応する「入力」ピクセルを取得することとなる。このため、プロジェクタ変換は順方向プロジェクタ変換を用いて実装される。
【0080】
いくつかの実施形態において、複数のカメラ画像が取得され、プロジェクタモデルをより確実に適合させるために複数の解が取得される。一例では、取得された各カメラ画像に対してカメラ変換が決定され、各画像のそれぞれの逆カメラ変換を用いて各画像に対してプロジェクタ特徴点が決定される。次に、逆プロジェクタ特徴点が結合され、その逆プロジェクタ特徴点の結合されたセットからプロジェクタ変換が決定される。
【0081】
いくつかの実施形態において、変換ライブラリが上記のように生成されるが、プロジェクタによって投影される作業スペースは、較正されたスケールに限定されない。例えば、較正用の水平面としてテーブルが用いられる場合、そのテーブルは取り外されてもよく、プロジェクタは作業スペースを床に投影することとなる。システムで投影のスケールのみを調整し、同じプロジェクタ変換を再較正せずに用いることができる。
【0082】
一実施形態において、較正ロジックは、基準42の位置(例えば、撮影された較正ガイド39上の基準と、撮影された較正パターン41の対応する基準との間の位置の差)を用いて、撮影された較正ガイド39を基準とした撮影された較正パターン41間における位置、スケールキーストーン効果、およびの歪みの差を理解し、それに基づいて自動較正を実行することができる。基準は、図16および図17の印42、または意図したパターンと比較したときの投影されたパターンの位置、スケール、または歪みについての較正の欠如を反映する任意のその他の検出可能なパターンをいうことがある。
【0083】
さらに、コンピューティングデバイス9またはプロジェクタ3は、加速度計および/またはジャイロスコープを備え、較正のために撮影するときの傾き/角度を考慮してもよい。適切な較正を達成するには、上述の較正プロセスを1若しくはそれ以上繰り返す必要がある場合がある。
【0084】
図17は、較正後のシステム1を示す。プロジェクタ変換が較正パターン41に適用されプロジェクタ3に送信され、プロジェクタ3が変換された較正パターン41を投影する。次に、使用者は、投影された較正画像が較正ガイド39と一致していることを確認することができる。いくつかの実施形態において、較正結果の視覚的評価を改善するために、較正パターン41とは異なる較正確認画像が投影される。任意選択的に、使用者は、視覚的な確認で満足のいく結果が得られない場合、プロセスを繰り返してもよい。
【0085】
較正後、システム1は、印付けまたは裁断する布地にパターンを投影するのに使用可能な状態となる。使用者は、表面5上に布地を置き、その布地に投影されるパターン片を選択することができる。
【0086】
システム1の別の潜在的な問題は、パターン片が大きすぎて(例えば、長すぎて)表面5上に一度に完全に投影できない場合にどうするかということである。図23に問題を示す。パンツの脚4が長すぎて水平面5を表す作業スペース13である投影フレーム内に収まらないことに注意されたい。縫製者は、パンツの脚4のパターンを一度に投影することができない。代わりに、縫製者は継合せを行う必要がある。
【0087】
継合せは、パターン片をいくつかのセクションまたは部分に分割するプロセスである。基準43は、プロジェクタ作業スペース13を超えて延在する任意のパターン片の輪郭内にアルゴリズム的に配置され、パターン片の輪郭とともに投影される。縫製者は、ステッカー、チョークなどを用いて布地上の基準43の位置に印をつける。プロジェクタ作業スペース13内の第1のパターン部分がトレースまたは裁断され、基準に印が付けられると、プロジェクタ作業スペース13を進めることができる。
【0088】
図24は、次のプロジェクタ作業スペースを示す。次の投影フレームは、残りのパターン部分を裁断またはトレースするために、基準43の布地上の印を再配置する必要がある場所を示す。縫製者は、印付けされた基準位置が新しく投影された基準位置に対応するように布地をスライドさせることができる。次に、縫製者はパターン片に印付けをしたり、裁断したりする。その結果、正確で歪みのない完全なパターン片が出来上がる。
【0089】
したがって、いくつかの実施形態において、継合せ方法は、(a)縫製パターンの第1の部分と、(b)第1の部分の輪郭に近接する第1の基準のセット43とを同時に布地に投影することを含む。第1の基準のセット43は、縫製パターンに対して固定位置に配置される。この方法はさらに、布地上の第1の基準のセット43の位置に印付けするように使用者に指示するか、または実際に印付けすることを含んでもよい。この方法は、その後、(c)ある方向に沿って平行移動された縫製パターンに対応する縫製パターンの第2の部分と、(d)同方向に沿って平行移動された第1の基準のセット43を同時に布地に投影することをさらに含んでもよい。最後に、この方法は、布地上の第1の基準のセット43の印付けされた位置を、その方向に沿って平行移動された第1の基準のセット43に一致させるために、布地をその方向に沿ってスライドさせるか実際にスライドさせるように使用者に指示することを含んでもよい。
【0090】
パターン片が大きすぎる(例えば、長すぎる)という問題に対処するための代替実施形態は、プロジェクタ3を水平方向に移動させることを含み得る。図25は、縫製パターンを布地に投影するための例示的な投影システム1Aを示す。システム1Aは、上述のシステム1と同様である。しかしながら、システム1Aでは、プロジェクタ取り付け機構は、水平ビーム15Aと、水平ビーム15Aに摺動自在に取り付けられ、水平ビーム15Aに沿って水平に摺動してプロジェクタ3を表面5上方で水平に平行移動させるように構成されたカート27Aとを含む。図示の実施形態において、カート27Aは、プロジェクタ3を表面5の上に持ち上げるための垂直アームと、プロジェクタ3を表面5の真上に配置するための水平アームとを含む。他の実施形態では、カート27Aは、垂直アーム(例えば、水平ビーム15Aを使用可能)または水平アーム(例えば、オフセットレンズを使用可能)のいずれも含まない。
【0091】
この実施形態では、図23図24の実施形態のように布地が水平に移動する代わりに、プロジェクタ3が水平に移動する。プロジェクタ3は、まず、カート27Aが第1の水平位置でプロジェクタを運搬するときに縫製パターンの第1の部分を布地に投影し、次に、カート27Aが第2の水平位置でプロジェクタを運搬するときに縫製パターンの第2の部分を投影する。縫製者は、パターン片全体が印付けされるか裁断されるまで、水平ビーム15Aに沿ってプロジェクタ3を動かし続けることができる。
【0092】
システム1に伴う別の潜在的な問題は、従来の裁断マットに関するものであり、それは印付けや裁断プロセス中に布片が滑ったり動いたりすることがよくあるということである。図26Aは、それ自体が磁石であるか、または磁石に引き付けられ、作業面5上に配置され得る磁性材料(例えば、鉄金属、ポリマー基材中に分散された鉄粉など)でできている裁断マット下敷き45を示す。次いで、裁断マット(例えば、較正ガイド39など)を下敷き45の上に配置することができる。裁断マット下敷き45の上に配置された布地は、(裁断マットを使用してまたは使用せずに)磁石を用いることによって所定の位置に保持され得る。次に、布地または材料の上に磁石を配置して当該布地または材料を所定の位置に保持し、裁断またはトレース中にその材料が動かないようにすることができる。十分に強力な磁石を用いると、印付けしたり裁断したりするときに布地が滑ったり動いたりしない。また、図26Aの例では、プラスチック製のガイドマット(例えば、較正ガイド39)が下敷き45の上、布地の下に配置されるように提供されてもよい。十分に強力な磁石を用いると、下敷き45が磁化されたときに磁石が布地およびマットを所定の位置に保持可能なため、布地を裁断マット/較正ガイド39の上に押さえ付けることができる。
【0093】
しかしながら、裁断マット下敷き45は、単一片の磁性材料から作られているわけではない。代わりに、下地45は複数の磁性材料片47から作られている。1若しくはそれ以上の保持器具49が1つの裁断マット下敷き45として複数の磁性材料片47を共に保持する。また、これらの保持器具49は、樹脂ベースの裁断マット/較正ガイド39がスライドしたり移動したりしないように、その配置のための隆起部を提供してもよい。
【0094】
図26Aおよび図26Bの実施形態では、磁性材料片47は、保形断面51(図26Bを参照)を形成するよう曲がった先端部を有し、保持器具49は、保形断面51に対応する開口53が形成された細長のフレーム縁片および角片に対応し、当該保持器具49の各々が裁断マット下敷き45の縁に沿って複数の磁性材料片47と係合するようになっている。
【0095】
図27Aおよび図27Bは、裁断マット下敷き45の他の実施形態を示す。図27Aおよび図27Bの実施形態では、保持器具49は、2つの支持体層、すなわち、第1の支持体層49Aおよび第2の支持体層49Bに対応する。複数の磁性材料片47Aの第1の部分は、磁性材料片47A間に間隙55Aを有するように第1の支持体層49Aに(例えば、接着剤またはその他の方法で)取り付けられ、第1のアセンブリを形成する。複数の磁性材料片47Bの第2の部分は、磁性材料片間に間隙55Bを有するように第2の支持体層49Bに接着して取り付けられ、第2のアセンブリを形成する。第1のアセンブリと第2のアセンブリは、第2のアセンブリの間隙55B内に配置された第1のアセンブリの磁性体片47Aと、第1アセンブリの隙間55A内に配置された第2のアセンブリの磁性材料片47Bとで接合され得る。
【0096】
図28A図28Cは、裁断マット下敷き45の他の実施形態を示す。図28A図28Cの実施形態では、保持器具49は、複数の磁性材料片47が近接して取り付けられて裁断マット下敷き45を形成する可撓性支持体層49に対応する。磁性材料片47は接着剤により支持体層49に固定されている。例えば、片47は、強力なビニールの層49に固定されていてもよい。また、この実施形態は、支持体層49の剥離を防止するために、片47間に機械的接続層57を含んでもよい。
【0097】
図29は、例示的な裁断マット下敷き45と共に輸送するために分解され梱包されたビーム15を示す。
【0098】
様々な実施形態は以下を含むが、これらに限定されない。
【0099】
縫製パターンを布地に投影するためのものを含むがこれに限定されない投影システムは、プロジェクタと、垂直ビームと、カートとを有する。プロジェクタは、縫製パターンを表すデータを受け取り、プロジェクタの垂直下方に配置された布地に縫製パターンを投影するように構成されている。垂直ビームは、(a)下端に床係合部分を含む下部ビーム部分と、(b)上端に天井係合部分を含む上部ビーム部分であって、下部ビーム部分に対して垂直に移動可能である、前記上部ビーム部分と、(c)床係合部分および天井係合部分がそれぞれ床および天井に係合して投影システムを固定するように、下部ビーム部分に対して上部ビーム部分をロックするように構成されたビームロック機構とを含む。カートは、プロジェクタに動作可能に取り付けられ且つ垂直ビームに摺動可能に取り付けられ、垂直に摺動して布地の上のプロジェクタの高さを調整するように構成されている。
【0100】
上述の投影システムにおいて、プロジェクタはカートまたは垂直ビームに回転可能に取り付けられ、投影軸が垂直ビームの長さに平行である垂直配向から投影軸が垂直ビームの長さに垂直となる水平配向へと回転自在になっている、投影システム。
【0101】
上述の投影システムにおいて、カートまたは垂直ビームはカートロック機構を含むものであり、このカートロック機構は、当該カートロック機構が垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動を阻止するロックモードと、当該カートロック機構が垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動に阻止しない摺動モードとの間で動作可能である。
【0102】
上述の投影システムにおいて、垂直ビームは、上端または下端からカートに電力を伝送する電力経路を含むものであり、電力経路は、垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動を可能にしながら、プロジェクタに電力を伝送する電気コネクタを含む。
【0103】
上述の投影システムにおいて、垂直ビームは、上端または下端からカートに電力を伝送する電力経路を含むものであり、電力経路は、垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動を可能にしながら、プロジェクタに電力を伝送する電気コネクタを含むものであり、垂直ビームは電源スイッチと光インジケータとを含むものであり、電源スイッチはプロジェクタへの電力の流れを遮断するように構成されているものであり、光インジケータはプロジェクタへの電力の流れを示すように構成されている。
【0104】
上述の投影システムにおいて、プロジェクタはカートまたは垂直ビームに回転可能に取り付けられているものであり、カートまたは垂直ビームに対してプロジェクタを或る回転角度まで回転させると、プロジェクタがカートまたは垂直ビームから切り離されるものである。
【0105】
上述の投影システムにおいて、投影システムは、さらに、垂直ビームに摺動自在に取り付けられ、垂直ビームに沿って垂直に摺動するように構成された水準器を有するものであり、水準器は、垂直ビームが垂直若しくは鉛直であるかを示すように構成されている。
【0106】
上述の投影システムにおいて、ビームロック機構はカム機構に動作可能に接続されたレバーを含むものであり、当該カム機構は、ロック位置への移行時に、上部ビーム部分を下部ビーム部分に対して機械的に移動させ、またはその逆に機械的に移動させ、上部ビーム部分を下部ビーム部分にロックし、ロック解除位置に移行する際に、上部ビーム部分を下部ビーム部分から解放するものである。
【0107】
上述の投影システムにおいて、このシステムは画像の水平および垂直投影を可能にするように構成されている。
【0108】
縫製パターンを布地またはその他の表面に投影する方法は、投影システムの垂直ビームを縫製パターンが投影される表面の端から離して配置する工程であって、垂直ビームは、(a)下部に床係合部分を含む下部ビーム部分と、(b)上端に天井係合部分を含む上部ビーム部分であって、下部ビーム部に対して垂直方向に移動可能である、前記上部ビーム部分と、(c)レバーを含むビームロック機構であって、前記レバーは、ロック位置への移行時に、上部ビーム部分を下部ビーム部分に対して垂直に移動させ、またはその逆に下部ビーム部分を上部ビーム部分に移動させて、上部ビーム部分を下部ビーム部分にロックし、且つ、ロック解除位置への移行時に、上部ビーム部分を下部ビーム部分からを解放するものである、前記ビームロック機構とを有するものである、前記配置する工程と、ロック機構をロック解除位置に操作する工程と、床係合部分が床に係合し且つ天井係合部分が天井に係合するように垂直ビームを伸長する工程と、レバーをロック位置に操作する工程と、投影システムのプロジェクタに電力を印加する工程であって、プロジェクタは、垂直ビームに摺動自在に取り付けられ且つ布地の上のプロジェクタの高さを調整するために垂直に摺動するように構成されたカートに動作可能に取り付けられている、前記印加する工程と、カートロック機構をロック解除位置に操作して、カートの垂直ビームに沿った垂直摺動を可能にする工程と、布地の上のプロジェクタの高さを調整する工程と、カートのロック機構をロック位置に操作して、垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動を阻止する工程とを有する。
【0109】
上述の方法において、さらに、レバーをロック位置へと操作する前に、垂直ビームに摺動自在に接続された水準器を用いて垂直ビームが鉛直であることを確認する工程を有するものである。
【0110】
上述の方法において、布地の上のプロジェクタの高さを調整する工程は、布地が置かれることとなる表面上に較正ガイドを配置する工程と、プロジェクタによって表示される較正フレームが較正ガイドと位置合わせされるように、垂直ビームに沿ってカートを上昇または下降させる工程とを含むものである。
【0111】
上述の方法において、さらに、投影軸が垂直ビームの長さに平行である垂直配向から、投影軸が垂直ビームの長さに垂直である水平配向へとプロジェクタを回転させる工程を有するものである。
【0112】
縫製パターンを布地に投影することを含むがこれに限定されない、パターンを表面上に投影するための投影システムであって、プロジェクタと、プロジェクタ取り付け機構と、較正ガイドと、カメラと、コントローラとを有する、投影システム。プロジェクタは、縫製パターンを表すデータを受け取り、プロジェクタの垂直下方に配置された布地に縫製パターンを投影するように構成されている。プロジェクタ取り付け機構は、プロジェクタに動作可能に連結され、布地が置かれる水平面より垂直上方の位置でプロジェクタを保持するように構成されているものであり、プロジェクタ取り付け機構は、天井固定具、水平面上方の天井に連結された天井取付具、水平面に近接して配置されたフロアスタンド、水平面に近接して配置された突っ張り棒、水平面を含むテーブルに挟持されたテーブルクランプ、水平面に配置された卓上スタンド、または水平面に近接する壁に連結された壁取付具の少なくとも1つへ取り付けるように構成されている。較正ガイドは水平面上に配置され、プロジェクタは較正パターンを較正ガイド上に投影するように構成されている。カメラはプロジェクタ内またはプロジェクタに近接して配置され、較正ガイド上に投影された較正パターンの画像を受け取るように構成されている。コントローラは、プロジェクタおよびカメラに動作可能に接続され、画像に基づいて較正パターンの位置、スケール、または歪み(skew)のうちの少なくとも1つを段階的に調整して、較正ガイドに対する較正パターンの最良の合致を取得し、それによって較正を行うように構成されている。
【0113】
垂直ビームと、カートと、電力経路とを有する、垂直ビームシステム。垂直ビームは、(a)下端に床係合部分を含む下部ビーム部分と、(b)上端に天井係合部分を含む上部ビーム部分であって、下部ビーム部分に対して垂直方向に移動可能である、前記上部ビーム部分と、(c)床係合部分および天井係合部分がそれぞれ床および天井に係合して投影システムを固定するように、上部ビーム部分を下部ビーム部分に対してロックするビームロック機構とを含む。カートは、垂直ビームに摺動自在に取り付けられ且つ電動装置を受け入れるように構成されているものであり、当該カートは、垂直に摺動して床上の電動装置の高さを調整するように構成されている。電力経路は、上端または下端からカートに電力を伝送するものであり、電力経路は、垂直ビームに沿ったカートの垂直方向の摺動を可能にしながら、電力を電動装置に伝送する電気コネクタを含むものである。
【0114】
上述の垂直ビームシステムにおいて、電動装置が、ライト、レーザーレベル、およびスピーカーからなる群から選択されるものである。
【0115】
上述の垂直ビームシステムにおいて、電動装置は、カートまたは垂直ビームに回転可能に取り付けられ、それにより、垂直配向から水平配向へ回転自在になっている。
【0116】
上述の垂直ビームシステムにおいて、カートまたは垂直ビームはカートロック機構を含むものであり、カートロック機構は、当該カートロック機構が垂直ビームに沿ったカートの垂直摺動を阻止するロックモードと、当該カートロック機構が垂直ビームに沿ったカートの垂直方向の摺動を阻止しないに摺動モードとの間で動作可能である。
【0117】
上述の垂直ビームシステムにおいて、垂直ビームは電源スイッチおよび光インジケータを含むものであり、電源スイッチは電動装置への電力の流れを遮断するように構成され、光インジケータは電動装置への電力の流れを示すように構成されている。
【0118】
上述の垂直ビームシステムにおいて、さらに、垂直ビームに摺動自在に取り付けられ、垂直ビームに沿って垂直に摺動するように構成された水準器を有するものであり、水準器は、垂直ビームが垂直若しくは鉛直であるかを示すように構成されている。
【0119】
上述の垂直ビームシステムにおいて、ビームロック機構は、ロック位置への移行時に、(a)垂直ビームを長手方向に伸長し、(b)上部ビーム部分を下部ビーム部分にロックし、ロック解除位置への移行時に、上部ビーム部分を下部ビーム部分から解放するように動作可能なレバーを含むものである。
【0120】
裁断マットの下に配置される裁断マット下敷きであって、複数の磁性材料片と、1若しくはそれ以上の保持器具であって、複数の磁性材料片を1つの裁断マット下敷きとして共に保持するように構成され、それにより、裁断マットおよび布地を裁断マット下敷きに挟む磁石によって裁断マットおよび布地を裁断マット下敷きの上に保持することができる、前記保持器具とを有する、裁断マット下敷き。
【0121】
上述の裁断マット下敷きにおいて、保持器具は第1の支持体層と第2の支持体層との2つの支持体層に対応するものであり、複数の磁性材料片の第1の部分は磁性材料片間に間隙を有するように第1の支持体層に接着して取り付けられて第1のアセンブリを形成するものであり、複数の磁性材料片の第2の部分は、磁性材料片間に間隙を有するように第2の支持体層に接着して取り付けられて第2のアセンブリを形成するものであり、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリは、第2のアセンブリの間隙内に配置された第1のアセンブリの磁性材料片および第1のアセンブリの間隙内に配置された第2のアセンブリの磁性材料片と接合可能である。
【0122】
上述の裁断マット下敷きにおいて、複数の磁性材料片は、保形断面を形成するように曲がった先端部を有し、保持器具は、保形断面に対応する開口が形成された細長のフレーム縁片に対応し、当該保持器具の各々が裁断マット下敷きの縁に沿って複数の磁性材料片と係合するようになっている。
【0123】
上述の裁断マット下敷きにおいて、裁断マット下敷きは、保形断面に対応する開口が形成された角片を有し、角片が保持器具と共に裁断マット下敷きの周囲にフレームを形成するようになっている。
【0124】
上述の裁断マット下敷きにおいて、1若しくはそれ以上の保持器具は、複数の磁性材料片が近接して取り付けられて裁断マット下敷きを形成する可撓性支持体層に対応するものである。
【0125】
縫製パターンを布地に投影する方法であって、(a)縫製パターンの第1の部分と、(b)第1の部分の輪郭に近接する第1の基準のセットとを布地上に同時に投影する工程であって、第1の基準のセットは縫製パターンに対して固定された位置に配置されるものである、前記同時に投影する工程と、布地上の第1の基準のセットの位置に印付けするように使用者に指示するか、印付けする工程と、その後、(c)ある方向に沿った縫製パターンの平行移動に対応する縫製パターンの第2の部分と、(d)前記方向に沿って平行移動された第1の基準のセットとを同時に布地に投影する工程と、布地上の第1の基準のセットの印付けされた位置を前記方向に沿って平行移動された第1の基準のセットと一致させるように布地を前記方向に沿ってスライドさせるよう、使用者に指示するか、スライドさせる工程とを有する。
【0126】
上述の方法において、前記位置の印付けはステッカーまたはチョークの少なくとも1つに対応するものである。
【0127】
上述の方法において、さらに、第2の部分を投影する前に、前記布地上の縫製パターンの第1の部分を裁断またはトレースするように使用者に指示するか、裁断またはトレースする工程と、布地をスライドさせるよう使用者に指示するか、スライドさせる工程の後、布地上の縫製パターンの第2の部分を裁断またはトレースするよう使用者に指示するか、裁断またはトレースする工程とを有するものである。
【0128】
縫製パターンを布地に投影するための投影システムであって、プロジェクタと、プロジェクタ取り付けシステムとを有する、投影システム。プロジェクタは、縫製パターンを表すデータを受け取り、プロジェクタの垂直下方に配置された布地に縫製パターンを投影するように構成されている。プロジェクタ取り付け機構は、プロジェクタに動作可能に連結され、布地が置かれる水平面より垂直上方の位置でプロジェクタを保持するように構成されている。プロジェクタ取り付け機構は、水平トラックと、プロジェクタに動作可能に取り付けられ且つ水平トラックに摺動自在に取り付けられ、水平トラックに沿って水平に摺動してプロジェクタを布地の上で水平に平行移動させるように構成されたカートとを含む。プロジェクタは、カートがプロジェクタを第1の水平位置で運搬するときに、縫製パターンの第1の部分を布地に投影し、且つ、カートがプロジェクタを第1の水平位置とは異なる第2の水平位置で運搬するときに、縫製パターンの第1の部分とは異なる第2の部分を布地に投影するように構成されている。
【0129】
上述の投影システムにおいて、前記プロジェクタ取り付け機構は、天井固定具、水平面上方の天井に連結された天井取付具、水平面に近接して配置されたフロアスタンド、水平面に近接して配置された突っ張り棒、水平面を含むテーブルに挟持されたテーブルクランプ、水平面に配置された卓上スタンド、または水平面に近接する壁に連結された壁取付具の少なくとも1つへ取り付けるように構成されている。
【0130】
縫製パターンを布地に投影する方法であって、プロジェクタが布地の上の第1の水平位置にあるときに、縫製パターンの第1の部分を布地に投影する工程と、プロジェクタ並進機構を制御して、プロジェクタを第1の水平位置から第1の水平位置とは異なる第2の水平位置に移動させる工程と、プロジェクタが第1の水平位置とは異なる第2の水平位置にあるときに、縫製パターンの第1の部分とは異なる第2の部分を布地に投影する工程とを有する、方法。
【0131】
投影フィールドを有するプロジェクタを較正する方法であって、投影フィールド内に第1の光学的較正特徴を含む物理的較正ガイドを配置する工程と、プロジェクタによって物理的較正ガイド上に第2の光学的較正特徴を含む較正画像を投影する工程と、第1および第2の光学的較正特徴を含む画像を取得する工程と、カメラ画像中の第1の光学的較正特徴からカメラ変換を決定する工程と、カメラ変換の逆変換をカメラ画像中の第2の光学的較正特徴に適用して、逆の第2の光学的較正特徴を取得する工程と、逆の第2の光学的較正特徴からプロジェクタ変換を決定する工程とを有する、方法。
【0132】
上述のプロジェクタを較正する方法において、カメラ変換を決定する工程は、さらに、第1および第2の光学的較正特徴を含む取得された画像のピクセルの行および列をサンプリングする工程と、サンプリングされたピクセルの行および列における光強度の変化を検出する工程と、検出された光強度の変化を生の点として記憶する工程と、生の点から線を構築する工程と、構築された線の交点から特徴点を決定する工程と、第1の光学的較正特徴に対応する特徴点のサブセットおよび物理的較正ガイドの基準に基づいて開始点を決定する工程と、開始点および第1の光学的較正特徴に対応する特徴点に基づいてカメラ変換を反復的に決定する工程とを有するものである。
【0133】
上述のプロジェクタを較正する方法において、較正画像はプロジェクタと動作可能に通信するコンピューティングデバイスに記憶されているものであり、プロジェクタによって較正画像を投影する工程は、さらに、コンピューティングデバイスが較正画像をプロジェクタへ転送する工程を有するものである。
【0134】
上述のプロジェクタを較正する方法において、コンピューティングデバイスはカメラを含むものであり、第1および第2の光学的較正特徴を含む画像を取得する工程は、コンピューティングデバイスを用いて画像を取得する工程を有するものである。
【0135】
較正された画像を或る表面に投影する方法であって、プロジェクタ変換を決定する工程と、投影される画像にプロジェクタ変換を適用する工程と、画像を投影する工程とを有し、プロジェクタ変換は、前述のプロジェクタを較正する方法のいずれかによって決定されるものである、方法。
【0136】
縫製パターンを或る表面に投影するための投影システムであって、垂直ビームと、プロジェクタと、カートと、較正ガイドと、コンピューティングデバイスとを有する、投影システム。垂直ビームは、(a)下端に床係合部分と、(b)上端に天井係合部分であって、使用時に床係合部分に対して垂直方向に移動可能である、前記天井係合部分とを含むものであり、床係合部分および天井係合部分は、投影システムを前記表面に近接して固定するように、それぞれ床および天井に係合するものである。プロジェクタは、縫製パターンを表すデータを受け取り、縫製パターンを投影するように構成されている。カートは、プロジェクタに動作可能に取り付けられ、垂直ビームに摺動自在に取り付けられ、カートを垂直に摺動させることにより、前記表面の上のプロジェクタの高さが調整される。較正ガイドは視覚的較正機能を有する。コンピューティングデバイスはプロジェクタと動作可能に通信する。コンピューティングデバイスは、少なくとも1つの較正パターンと少なくとも1つの縫製パターンとを含む複数のパターンを記憶しているものであり、コンピューティングデバイスは、さらに、選択されたパターンを投影のためにプロジェクタに通信するように構成されている。
【0137】
上記投影システムにおいて、コンピューティングデバイスおよびプロジェクタは、コンピュータネットワーク上のWi-Fiアクセスポイントに接続するように構成され、コンピューティングデバイスは、さらに、Wi-Fiアクセスポイントおよびコンピュータネットワークを介してパターンをプロジェクタに送信するように構成されている。
【0138】
上記投影システムにおいて、較正ガイドは、前記表面から所望の距離にプロジェクタを位置決めするのを支援するための視覚的特徴を有する裁断マットを有するものである。
【0139】
上記投影システムにおいて、較正ガイドは、投影システムの較正に使用するための視覚的特徴を有する裁断マットを有するものである。
【0140】
上記投影システムにおいて、プロジェクタは初期較正パターンを記憶しているものであり、プロジェクタは、前記表面から所望の距離にプロジェクタを位置決めするのを支援するために、初期較正パターンを較正ガイド上に投影するように構成されている。
【0141】
上記投影システムにおいて、コンピューティングデバイスは、変換ライブラリを格納しているものであり、コンピューティングデバイスは、変換されてなる選択されたパターンを投影のためにプロジェクタに通信するに先立ち、変換ライブラリからのプロジェクタ変換を選択されたパターンに適用するものである。
【0142】
上記投影システムにおいて、コンピューティングデバイスは、物理的較正ガイドからの第1の光学的特徴と投影された較正パターンからの第2の光学的特徴とを含むカメラ画像から、プロジェクタ変換を生成するように構成されている。
【0143】
例示的なシステム、方法などは、実施例を説明することによって例示され、また、その実施例はかなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定したり、何らかの形で限定したりする意図はない。当然ながら、本明細書に記載されるシステム、方法等を説明する目的で構成要素または方法の考えられる全ての組み合わせを説明することは不可能である。更なる利点および変更が当業者には容易に理解されよう。したがって、本発明は、図示または説明した特定の詳細および例示的な実施例に限定されるものではない。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲に含まれる変更、修正、および変形を包含することを意図している。さらに、前述の説明は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって決定されるべきである。
【0144】
定義
以下は、本明細書で用いられる選択された用語の定義を含む。定義には、用語の範囲内にあり、実施に用い得る構成要素の様々な例または形式が含まれる。これらの例は、限定することを意図したものではない。諸用語について単数形と複数形の両方が定義内に含まれる場合がある。
【0145】
本明細書で使用される「データ格納部」または「データベース」とは、データを記憶できる物理的または論理的なエンティティをいう。データ格納部は、例えば、データベース、テーブル、ファイル、リスト、キュー、ヒープ、メモリ、レジスタなどである。データ格納部は、1つの論理エンティティまたは物理エンティティに存在してもよく、または、2つ以上の論理エンティティまたは物理エンティティ間に分散していてもよい。「データ格納部」は、ローカル記憶装置またはリモート(クラウド記憶装置など)をいうことがある。
【0146】
本明細書で使用される「ロジック」には、機能もしくは動作を実行するための、または別のロジック、方法、もしくはシステムから機能もしくは動作を引き起こすためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれぞれの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、所望の用途またはニーズに基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)のような個別ロジック、プログラムされたロジックデバイス、命令を含むメモリデバイスなどを含んでもよい。ロジックは、1若しくはそれ以上のゲート、ゲートの組み合わせ、またはその他の回路構成要素を含んでもよい。また、ロジックはソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。複数の論理ロジックが記述されている場合、複数の論理ロジックを1つの物理ロジックに組み込み可能であってもよい。同様に、単一の論理ロジックが記述されている場合、その単一の論理ロジックを複数の物理ロジック間で分散可能であってもよい。
【0147】
本明細書で使用される「信号」には、1若しくはそれ以上の電気または光信号、アナログまたはデジタル信号、データ、1若しくはそれ以上のコンピュータ命令またはプロセッサ命令、メッセージ、ビットまたはビットストリーム、あるいは受信、送信、または検出されるその他の手段が含まれるが、これらに限定られない。
【0148】
信号の文脈において、「動作可能な接続」、またはエンティティが「動作可能に接続される」の接続とは、信号、物理的通信、または論理的通信が送受信され得るものをいう。典型的には、動作可能な接続には、物理インターフェイス、電気インターフェイス、またはデータインターフェイスが含まれるが、動作可能な接続には、動作可能な制御を可能にするのに十分なこれらの接続またはその他の種類の接続の異なる組み合わせが含まれてよいことに留意されたい。例えば、2つのエンティティは、信号を相互に直接に、あるいはプロセッサ、オペレーティングシステム、ロジック、ソフトウェア、またはその他のエンティティなどの1若しくはそれ以上の中間エンティティを通じて通信できることによって動作可能に接続することができる。論理的または物理的な通信チャネルを使用して動作可能な接続を作成することができる。
【0149】
「in」または「into」という用語が明細書または特許請求の範囲で使用される限り、これは付加的に「on」または「onto」を意味することを意図している。さらに、明細書または特許請求の範囲において「接続」という用語が使用されている場合、それは「に直接接続される」だけでなく、別の構成要素を介して接続されるなどの「間接的に接続される」ことも意味することが意図されている。「動作可能な接続」、またはエンティティが「動作可能に接続される」接続は、動作可能に接続されたエンティティまたは動作可能な接続がその意図された目的を実行する接続である。動作可能な接続は、直接接続であってもよく、あるいは中間エンティティが、協働する、接続の一部である、または動作可能に接続されたエンティティ間にある間接接続であってもよい。
【0150】
詳細な説明または特許請求の範囲において、「含む(includes)」または「含む(including)」という用語が使用される場合、その用語は特許請求項範囲で移行用語として使用される際に解釈されるように、「有する」という用語と同様の用法で包括的であることが意図される。さらに、詳細な説明または特許請求の範囲において「または」(例えば、AまたはB)という用語が使用される限り、それは「AまたはB、または両方」を意味することが意図される。出願人が「AまたはBのみで両方ではない」ことを示す意図がある場合、「AまたはBのみで両方ではない」という用語が使用される。したがって、本明細書における「または」という用語の使用は包括的なものであり、排他的な使用ではない。ブライアンA.ガーナーよる「A Dictionary of Modern Legal Usage 624」(3D.Ed.1995)を参照されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10A-10B】
図11
図12A
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図14A-14F】
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【国際調査報告】