(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】洗浄液中の不純物を選択的に除去する装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20240116BHJP
B01D 15/00 20060101ALI20240116BHJP
D06M 11/74 20060101ALI20240116BHJP
D06M 11/79 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61L2/18
B01D15/00 K
D06M11/74
D06M11/79
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537996
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021058968
(87)【国際公開番号】W WO2022139973
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510003324
【氏名又は名称】ケアフュージョン・2200・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CAREFUSION 2200, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェラッキ, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】メン, ファンチン
【テーマコード(参考)】
4C058
4D017
4L031
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB07
4C058CC05
4C058EE26
4C058JJ08
4C058JJ23
4C058JJ28
4D017AA03
4D017BA04
4D017CA03
4D017CA05
4D017CB01
4D017DA01
4L031AA02
4L031AB21
4L031BA02
4L031BA20
4L031DA00
(57)【要約】
洗浄液を含む本体と、流体経路を介して前記本体と選択的に流体連通する塗布部材と、前記流体経路に沿って設けられた第1の選択的透過性要素とを含み、前記第1の選択的透過性要素は、前記洗浄液が前記流体経路に沿って移動するときに、前記洗浄液から1つ以上の選択された成分を除去するのに十分な、前記洗浄液の1つ以上の選択された成分と選択的に相互作用するように構成されている、洗浄装置であって、前記第1の選択的透過性要素と前記1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用は、少なくとも物理的相互作用を含む。本願に記載された洗浄装置を製造して使用する方法も開示されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を含む本体と、
流体経路を介して前記本体と選択的に流体連通する塗布部材と、
前記流体経路に沿って設けられた第1の選択的透過性要素とを含む洗浄装置であって、
前記第1の選択的透過性要素は、前記洗浄液が前記流体経路に沿って移動するときに、前記洗浄液から1つ以上の選択された成分を除去するのに十分な、前記洗浄液の1つ以上の選択された成分と選択的に相互作用するように構成され、そして
前記第1の選択的透過性要素と前記1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用は、少なくとも物理的相互作用を含む、洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄液は、有機溶液である、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄液は、グルコン酸クロルヘキシジンを含み、前記1つ以上の選択された成分は、4-クロロアニリンを含む、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第1の選択的透過性要素と前記1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用は、化学的相互作用をさらに含む、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記化学的相互作用は、π-π相互作用を含む、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記第1の選択的透過性要素は、第1の選択的透過性多孔質材料を含む、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、平均細孔径が約4Å~50nmである、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、1つ以上の有機官能基を含む、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、活性炭、ゼオライト又はそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、約6.5~7.5のpHを有する粉末活性炭を含む、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、約1500m
2/g~1850m
2/gの総表面積(B.E.T.)を有する粉末活性炭を含む、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項12】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、約4~6μmの粒径分布(D
5)を有する粉末活性炭を含む、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、約180kg/m
3~460kg/m
3のタンプ見掛け密度を有する粉末活性炭を含む、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項14】
前記第1の選択的透過性多孔質材料は、約90~800のモラセスナンバーEURを有する粉末活性炭を含む、請求項9に記載の洗浄装置。
【請求項15】
前記第1の選択的透過性要素は、少なくとも1つの表面にコーティングを有する綿撒糸であり、前記コーティングは、前記第1の選択的透過性多孔質材料を含む、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項16】
前記第1の選択的透過性要素は、第1の選択的透過性多孔質材料で含浸された綿撒糸である、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項17】
前記第1の選択的透過性要素は、第1の選択的透過性多孔質材料から形成された綿撒糸である、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項18】
前記第1の選択的透過性要素は、前記塗布部材の少なくとも1つの表面上のコーティングであり、前記コーティングは、前記第1の選択的透過性多孔質材料を含む、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項19】
前記塗布部材は前記第1の選択的透過性要素で含浸され、前記第1の選択的透過性要素は、前記第1の選択的透過性多孔質材料を含む、請求項6に記載の洗浄装置。
【請求項20】
表面を洗浄する方法であって、
洗浄液を含む本体と、
流体経路を介して前記本体と選択的に流体連通する塗布部材と、
前記流体経路に沿って設けられた第1の選択的透過性要素とを含む洗浄装置を設けることと、
前記洗浄液が前記流体経路を介して前記本体から前記塗布部材に移動するように前記洗浄装置を作動させることと、
前記塗布部材を介して表面に前記洗浄液を塗布することとを含み、
前記第1の選択的透過性要素は、前記洗浄液が前記流体経路に沿って移動するときに、前記洗浄液から1つ以上の選択された成分を除去するのに十分な、前記洗浄液の1つ以上の選択された成分と選択的に相互作用するように構成され、そして
前記第1の選択的透過性要素と前記1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用は、少なくとも物理的相互作用を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年12月22日に出願された米国仮出願第63129361号の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、洗浄装置に含まれる洗浄液から1つ以上の選択された成分を同時にかつ/又は連続的に除去し、洗浄液を表面に塗布するように構成された洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0003】
医療現場では、消毒剤は、通常、医療処置のために患者の皮膚及び医療機器の表面などの表面を準備するために使用される。医療現場で使用される一般的な消毒剤の一つにグルコン酸クロルヘキシジンがあり、皮膚との結合に強い親和性を示し、高い抗菌活性を有し、残留効果が長く続く。しかしながら、グルコン酸クロルヘキシジンは、熱劣化があるため好ましくなく不要な不純物である4-クロロアニリン(PCA、CAS 106-47-8)に関連している。グルコン酸クロルヘキシジンに関連するその他の不純物としては、N-(4-クロロフェニル)-N’-[6-[[(シアノアミノ)イミノメチル]アミノ]ヘキシル]イミドジカルボンイミド酸ジアミド(CAS 152504-08-0)、[[6-[[[(4-クロロフェニル)カルバムイミドイル]カルバムイミドイル]アミノ]ヘキシル]カルバムイミドイル]尿素二塩酸塩(CAS 1308292-89-8)、N-(4-クロロフェニル)グアニジン、N-(4-クロロ-フェニル)-グアニジン(45964-97-4)、1-(4-クロロフェニル)尿素(140-38-5)、N-(4-クロロフェニル)-14-[(4-クロロフェニル)アミノ]-3,12,14-トリイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンアミド(CAS 1381962-77-1)、(1E)-2-[6-[[アミノ-[(E)-[アミノ(アニリノ)メチリデン]アミノ]メチリデン]アミノ]ヘキシル]-1-[アミノ-(4-クロロアニリノ)メチリデン]グアニジン(CAS 152504-12-6)、及びN-[6-[(アミノイミノメチル)アミノ]ヘキシル]-N’-(4-クロロフェニル)-イミドジカルボンイミド酸ジアミド(CAS 152504-10-4)が挙げられる。アレキシジン、オラネキシジン、オクテニジン、第四級アミン化合物などの医療現場で使用される他の消毒剤も同様に、好ましくない不純物に関連している。例えば、オクテニジン二塩酸塩に関連する不純物としては、1-クロロ-10(N-オクチル-4-アミノピリジニウム)-デカン-塩酸塩、N[1-[10-(4-アミノ-1(4H)-ピリジニル)-デシル]-4(1H)-ピリジニリデン]-オクタンアミン-二塩酸塩、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、1,10-ジクロルデカン、及びN-オクチル-4-ピリジンアミンを含む。
【0004】
現在の実践では、指定された不純物レベルは、一般的に製品ラベルの気象条件に関連する仕様によって管理されている。しかしながら、当該技術分野においては、消毒液、特に有機グルコン酸クロルヘキシジン含有製剤を装置作動時に単一パスでその場で精製できる装置に対する需要が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、洗浄液から1つ以上の選択された成分を同時に、及び/又は連続的に除去し、洗浄液を表面に塗布するように構成された洗浄装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、洗浄装置は、流体経路を介して塗布部材と選択的に流体連通する本体を含んでもよく、塗布部材は、洗浄液を表面に塗布するように構成される。流体経路は、洗浄液が通過するときに洗浄液から1つ以上の選択された成分を選択的に除去するように構成された少なくとも1つの選択的透過性要素を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の態様に係る例示的な洗浄装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、洗浄液から1つ以上の選択された成分を同時に、及び/又は連続的に除去し、かつ洗浄液を表面に塗布するように構成された洗浄装置に関する。特に、洗浄装置は、流体経路を介して塗布部材と選択的に流体連通する本体を含んでもよく、塗布部材は、洗浄液を表面に塗布するように構成される。流体経路は、洗浄液が通過するときに洗浄液から1つ以上の選択された成分を選択的に除去するように構成された少なくとも1つの選択的透過性要素を含んでもよい。
【0009】
本明細書で使用される用語「洗浄装置」は、本明細書に記載される表面を洗浄するように構成された任意の装置である。本明細書で使用される「洗浄する」とは、1つ以上の殺菌ステップ及び/又は1つ以上の消毒作用ステップなどの1つ以上の洗浄操作を実行することを意味する。
【0010】
いくつかの態様によれば、洗浄装置は、アプリケータであってもよい。本明細書で使用される用語「アプリケータ」とは、本体と塗布部材を少なくとも有する装置を指し、本体は、洗浄液を収容するように構成されると共に、流体経路を介して洗浄液を本体から塗布部材に選択的に送達するように塗布部材と選択的に流体連通する。塗布部材は、表面に洗浄液を塗布するように構成されたアプリケータの構成要素であってよく、例えばフォーム、フェルト又はアプリケータの外部の表面への洗浄液の塗布を可能にする任意の適切な材料などであり得る。塗布部材に有用な材料の非限定的な例としては、米国特許第7993066号に記載されているものが挙げられ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、塗布部材は、親水性ポリエステル-ポリウレタンフォームなどの連続気泡フォーム材料を含んでもよい。
【0011】
いくつかの態様によれば、本体は、ハンドル部、即ち使用者が洗浄装置を制御する洗浄装置の部分を含んでもよい。本体がハンドル部を含む場合、本明細書に記載される本体を代替的にハンドル部と呼ぶことができることを理解されたい。
【0012】
例えば、
図1は、本開示の態様に係るアプリケータ100の非限定的な一例を示し、アプリケータ100は、本体101及び塗布部材102を有する。いくつかの態様によれば、アプリケータ100の本体101は、1つ以上のアンプル及び/又は類似の容器103を収容してもよく、洗浄液は、表面に塗布される前にこの1つ以上のアンプル及び/又は類似の容器103に含まれてもよい。アプリケータ100は、アプリケータを作動させるように構成されたアクチュエータ104を任意に含んでもよく、アプリケータ100の作動は、本体101が本明細書に記載される流体経路を介して塗布部材102と流体連通するように設けられることに対応する。
【0013】
本開示に従って使用され得る非限定的かつ例示的なアプリケータは、例えば、米国特許第5690958号、第6536975号、第7993066号、第8708983号、第8899859号、第9119946号、第9572967号、第9757551号、第9968764号、第10076648号、第10549078号及び第10813892号に見られ、これらの開示内容は、全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
非限定的な一例では、本開示に係る1つ以上の洗浄操作は、1つ以上の殺菌ステップを含み得る。本明細書で使用される用語「殺菌」は、無生物の表面上に存在する微生物の少なくとも一部を破壊、不活化するか、もしくはその濃度を大幅に低下させること、及び/又は無生物の表面上の微生物の増殖を低減もしくは防止することを意味する。例示的な無生物の表面としては、医療現場の作業面、医療機器の表面、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。追加的又は代替的に、本開示に係る1つ以上の洗浄操作は、1つ以上の消毒作用ステップを含み得る。本明細書で使用される「消毒作用」の発揮とは、ヒト又は動物の表面上に存在する微生物の少なくとも一部を破壊、不活化するか、もしくはその濃度を大幅に低下させること、及び/又はヒト又は動物の表面上の微生物の増殖を低減もしくは防止することを意味する。例示的なヒト及び動物の表面としては、皮膚、創面、毛包、粘膜、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
一例では、1つ以上の殺菌及び/又は消毒作用ステップは、表面上に存在する微生物の少なくとも一部を破壊、不活性化するか、もしくはその濃度を大幅に低下させる、及び/又は表面上の微生物の増殖を低減もしくは防止するのに十分に、殺生物剤及び/又はバイオスタットを含む洗浄液を表面に塗布するステップを含み得る。本明細書で使用される用語「殺生物剤」とは、本明細書に記載される微生物を不活化する化学薬剤を指す。本明細書で使用される用語「バイオスタット」とは、本明細書に記載される微生物の増殖を低減及び/又は防止する化学薬剤を指す。場合によっては、化学薬剤は、殺生物剤及びバイオスタットとして機能する可能性があることを理解されたい。
【0016】
本開示に係る例示的な殺生物剤及び/又はバイオスタットとしては、抗生物質、消毒剤及び殺菌剤が含まれる。本明細書で使用される「抗生物質」とは、細菌又は他の微生物を一般的に低濃度で選択的に阻害又は破壊する天然又は合成の有機物質である。本明細書で使用される「消毒剤」とは、生体組織内又は生体組織上の微生物の増殖を破壊又は阻害する殺生物剤及び/又はバイオスタットである。本明細書で使用される「殺菌剤」とは、無生物の表面内又は表面上の微生物の増殖を破壊又は阻害する殺生物剤及び/又はバイオスタットである。
【0017】
本開示に係る殺生物剤及び/又はバイオスタットの非限定的な例としては、アルコール、アルデヒド、アニリド、ビグアニド、ジアミジン、ハロゲン放出剤、銀化合物、過酸素、フェノール、ビスフェノール、ハロフェノール、第四級アンモニウム化合物、それらの組み合わせ、及びそれらの溶液が挙げられる。
【0018】
いくつかの態様によれば、洗浄液は、殺生物剤及び/又はバイオスタット及び溶媒を含む洗浄溶液であってもよい。例えば、洗浄液は、消毒剤及び溶媒を含む消毒液であり得る。いくつかの態様によれば、洗浄溶液は、水溶液である。本明細書で使用される用語「水溶液」とは、溶媒の少なくとも大部分に水を含む溶液を指すいくつかの態様によれば、洗浄溶液は、有機溶液である。本明細書で使用される用語「有機溶液」とは、溶媒の少なくとも大部分にアルコールなどの有機成分を含む溶液を指す。
【0019】
いくつかの態様によれば、消毒剤は、カチオン性界面活性剤又はカチオン性ビグアニド誘導体(即ち、ビグアニドから誘導された化合物)などのカチオン性分子(即ち、正電荷を有する分子)を含んでもよい。いくつかの態様によれば、消毒剤は、ビス-(ジヒドロピリジニル)-デカン誘導体(即ち、ビス-(ジヒドロピリジニル)-デカンから誘導された化合物)を含んでもよい。いくつかの態様によれば、消毒剤は、オクテニジン塩及び/又はクロルヘキシジン塩を含んでもよい。本開示に従って使用される消毒剤の非限定的な例としては、オクテニジン二塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の各殺生物剤及び/又はバイオスタットの濃度、代替的に洗浄溶液中の殺生物剤及び/又はバイオスタットの総濃度は、約0.0001%~約2.0%w/v、任意に約0.01%~約1%w/v、任意に約0.1%~約0.4%w/vであってもよい。いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の各殺生物剤及び/又はバイオスタットの濃度、代替的に洗浄溶液中の殺生物剤及び/又はバイオスタットの総濃度は、約0.0001%~約0.4%w/v、任意に約0.1%~約0.2%w/vであってもよい。いくつかの態様によれば、消毒液中の消毒剤の濃度は、約0.5%~約2.0%w/v、任意に約2.0%w/vであってもよい。
【0021】
いくつかの態様によれば、溶媒は、アルコール、有機硫黄化合物、ケトン又はそれらの組み合わせなどの有機溶媒を含んでもよい。アルコールの非限定的な例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール及び/又はイソプロパノールなどのプロパノール、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。ケトンの非限定的な一例としては、アセトンが挙げられる。有機硫黄化合物の非限定的な一例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられる。いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の有機溶媒の濃度は、約50%~約90%v/v、任意に約70%~約80%v/v、任意に約70%v/vであってもよい。いくつかの態様によれば、洗浄溶液中のアルコールの濃度は、約10%~約50%v/v、任意に約20%~約30%v/vであってもよい。
【0022】
いくつかの態様によれば、溶媒は、水を含んでもよい。いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の水の濃度は、約10%~約50%v/v、任意に約20%~約30%v/vであってもよい。いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の水の濃度は、約50%~約90%v/v、任意に約70%~約80%v/vであってもよい。
【0023】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液は、フィルム形成ポリマーをさらに含んでもよい。フィルム形成ポリマーの非限定的な例としては、アクリレートポリマー(例えば、アクリルアミドポリマー、オクチルアクリルアミドポリマー、メタクリレートポリマー)、カルボキシアクリレートポリマー、及びジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート側基を有するポリマーが挙げられる。フィルム形成ポリマーの濃度は、洗浄溶液中に存在する特定の溶媒、並びに殺生物剤及び/又はバイオスタットによって変化し得る。
【0024】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液中のフィルム形成ポリマーの濃度は、約0.1%~約5%w/v、任意に約0.2%~約3%w/v、任意に約0.5%~約2.0%w/v、任意に約0.75%~約2.5%w/vであってもよい。
【0025】
例示的なアクリレートポリマーとしては、Akzo Nobel Coatings Incによって製造されたDERMACRYL(登録商標)AQF(メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸共重合物)及びDERMACRYL(登録商標)79P(アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体)と、Evonik Industriesによって製造されたEUDRAGIT(登録商標)EPO(ポリ(ブチルメタシレート-コ-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-コ-メチルメタクリレート)とが挙げられるが、これらに限定されない。DERMACRYL(登録商標)79Pは、疎水性の高分子量カルボキシル化アクリル共重合体である。EUDRAGIT(登録商標)EPOは、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びメチルメタクリレートに基づくカチオン性共重合体である。
【0026】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液は、さらに着色剤を含んでもよい。いくつかの非限定的な例では、着色剤は、アニオン性色素などのアニオン性着色剤を含み得る。アニオン性色素は、食品、医薬品、及び/又は化粧品における使用が食品医薬品局によって承認された色素(即ち、「D&C」又は「FD&C」色素)などの、医療用に適した任意の色素であり得る。例示的なアニオン性色素としては、FD&C Blue No.1(ブリリアントブルーFCF)、FD&C Blue No.2(インジゴカルミン)、FD&C Green No.3(ファストグリーンFCF)、FD&C Red No.3(エリスロシン)、FD&C Red No.40(アルラレッドAC)、FD&C Yellow No.5(タートラジン)、FD&C Yellow No.6(サンセットイエローFCF)、D&C Yellow No.8(フルオレセイン)、D&C Orange No.4、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の色を実現するように組み合わせることができる。例えば、オレンジ色の色合いは、FD&C Red No.40とD&C Yellow No.8の両方を含み得る。
【0027】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液中の着色剤の濃度は、約0.01%~約0.15%w/v、任意に約0.03%~約0.12%w/v、任意に約0.05%~約0.09%w/vであってもよい。
【0028】
いくつかの態様によれば、洗浄溶液は、1つ以上の可塑剤を含んでもよい。可塑剤は、クエン酸トリエチル又はセバシン酸ジブチルなどの、有機酸のエステルであり得る。消毒液中の可塑剤の濃度は、約0.05%~約2%w/v、任意に約0.75%~約1.5%、任意に約0.1%~約1%w/vであり得る。
【0029】
いくつかの態様によれば、消毒液は、ChloraPrep(登録商標)アプリケータに使用される溶液であってもよく、該溶液は、約70%v/vのイソプロピルアルコールと約30%v/vの水を含む溶媒中の約2%w/vのグルコン酸クロルヘキシジンを含む。
【0030】
本開示に係る洗浄装置は、本明細書に記載される流体経路に沿って設けられる少なくとも1つの選択的透過性要素を含む。本明細書に記載される「流体経路」とは、洗浄装置に含まれる洗浄液の供給源(例えば、本明細書に記載される1つ以上のアンプル及び/又は類似の容器)から始まり、塗布部材の表面接触部で終わる経路を指すことを理解されたい。例えば、
図1は、本体101内に配置された選択的透過性要素105の一例を示しており、これによって、作動時に(例えば、アクチュエータ104が脆弱なアンプル103を破壊することにより)アンプル103から放出された洗浄液が流体経路に沿って塗布部材102へ移動する際に選択的透過性要素105を通過する。このようにして、アプリケータ100は、作動時に、少なくとも選択的透過性要素105を介して洗浄液から1つ以上の選択された成分(例えば、1つ以上の不純物)を連続的に除去し、塗布部材102を介して洗浄液を表面に塗布するように構成される。
【0031】
図1に示される例では、選択的透過性要素105は、アンプル103から塗布部材102への洗浄液の流れを少なくとも部分的に制御する及び/又は方向付けるように構成された綿撒糸などの流体計量装置を含み得る。しかしながら、選択的透過性要素105は、必ずしもそのように限定されるわけではない。
【0032】
本開示は、
図1に示される例に特に限定されるものではないことを理解されたい。特に、
図1に関連して説明された選択的透過性要素は、例えば、アンプル103と塗布部材102の表面接触部106との間の流体経路に沿った任意の点に設けられてもよい。非限定的な一例では、選択的透過性要素は、塗布部材102の構成要素として設けられてもよい。このようにして、アプリケータは、作動時に、塗布部材に含まれる選択的透過性要素を介して洗浄液から1つ以上の選択された成分(例えば、1つ以上の不純物)を同時に除去し、塗布部材を介して洗浄液を表面に塗布するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、洗浄装置は、本明細書に記載される第2、第3、第4又はそれ以上の選択的透過性要素をさらに含んでもよく、各選択的透過性要素は、洗浄装置に含まれる少なくとも1つの他の選択的透過性要素と同じであるか又は異なる。
【0033】
本開示に係る少なくとも1つの選択的透過性要素は、そこを通過する洗浄液から1つ以上の選択された成分を選択的に除去するように構成される。いくつかの態様によれば、1つ以上の選択された成分は、1つ以上の不純物を含み得る。本明細書で使用される用語「不純物」とは、組成物中の望ましくない物質を指す。1つ以上の不純物は、初期の組成物中に存在する可能性があり、及び/又は組成物の一定の貯蔵寿命が経過した後に形成される可能性があることを理解されたい。例えば、1つ以上の不純物は、殺生物剤及び/又はバイオスタットなどの組成物の1つ以上の成分の分解を介して形成され得る。分解の原因には、酸化、ラセミ化、加水分解反応、縮合反応、組成成分の相互作用、可視光、紫外線、湿気、熱(滅菌プロセスからの熱を含む)などの環境刺激、及びpHの変化が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書に記載される不純物の例としては、本明細書に記載される洗浄溶液に関連して当技術分野で理解されている不純物が挙げられるが、これらに限定されない。洗浄溶液がグルコン酸クロルヘキシジンを含む非限定的な一例では、不純物としては、4-クロロアニリン(PCA)、N-(4-クロロフェニル)-N'-[6-[[(シアノアミノ)イミノメチル]アミノ]ヘキシル]イミドジカルボンイミド酸ジアミド、
[[6-[[[(4-クロロフェニル)カルバムイミドイル]カルバムイミドイル]アミノ]ヘキシル]カルバムイミドイル]尿素二塩酸塩、N-(4-クロロフェニル)グアニジン、N-(4-クロロ-フェニル)-グアニジン(45964-97-4)、1-(4-クロロフェニル)尿素、N-(4-クロロフェニル)-14-[(4-クロロフェニル)アミノ]-3,12,14-トリイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンアミド、(1E)-2-[6-[[アミノ-[(E)-[アミノ(アニリノ)メチリデン]アミノ]メチリデン]アミノ]ヘキシル]-1-[アミノ-(4-クロロアニリノ)メチリデン]グアニジン、N-[6-[(アミノイミノメチル)アミノ]ヘキシル]-N'-(4-クロロフェニル)-イミドジカルボンイミド酸ジアミド、及びそれらの組み合わせが挙げられる。消毒液がオクテニジン二塩酸塩を含む他の非限定的な例では、不純物としては、1-クロロ-10(N-オクチル-4-アミノピリジニウム)-デカン-塩酸塩、N[1-[10-(4-アミノ-1(4H)-ピリジニル)-デシル]-4(1H)-ピリジニリデン]-オクタンアミン-二塩酸塩、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド、1,10-ジクロルデカン、N-オクチル-4-ピリジンアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
追加的又は代替的に、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分は、本明細書に記載される1つ以上の不純物及び1つ以上の樹脂粒子から形成された1つ以上の不純物複合体を含んでもよい。非限定的な一例では、1つ以上の樹脂粒子は、本明細書に記載される選択的透過性ミクロ多孔質材料の粒子を含んでもよい。例えば、1つ以上の不純物複合体は、活性炭粒子と物理的及び/又は化学的に相互作用したPCAから形成された複合体を含んでもよい。
【0036】
いくつかの態様によれば、洗浄液からの1つ以上の選択された成分の選択的除去は、洗浄液の他の成分が選択的透過性要素を通過できるようにしながら、選択的透過性要素内の1つ以上の選択された成分を結合、捕捉及び/又はその他の方法で固定化するのに十分な選択的透過性要素と1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用を含む。
【0037】
いくつかの態様によれば、選択的透過性要素と1つ以上の選択された成分との間の選択的相互作用は、物理的相互作用、化学的相互作用又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、選択的透過性要素は、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分と化学的に相互作用するように構成され得る。化学的相互作用は、共有結合、酸塩基反応、非共有結合相互作用(例えば、水素結合、静電気、π効果、ファンデルワールス力、疎水効果)、及びそれらの組み合わせを含む、当技術分野で知られている任意の化学的相互作用を含み得る。
【0038】
追加的又は代替的に、選択的透過性要素は、選択的透過性要素の1つ以上の細孔内の1つ以上の選択された成分分子を捕捉することにより、1つ以上の選択された成分と物理的に相互作用するように構成され得る。
【0039】
いくつかの態様によれば、選択的透過性要素は、洗浄液に含まれる少なくとも1つの選択された成分との少なくとも1つの物理的及び/又は化学的相互作用、任意に少なくとも2つの異なる物理的及び/又は化学的相互作用、任意に少なくとも3つの異なる物理的及び/又は化学的相互作用、任意に少なくとも4つの異なる物理的及び/又は化学的相互作用を提供するように構成されてもよい。非限定的な一例では、選択的透過性要素は、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分分子を捕捉するのに十分な平均サイズを有する複数の細孔を有する多孔質成分を含み得る。追加的又は代替的に、選択的透過性要素は、π-π相互作用を介して1つ以上の選択された成分分子と相互作用するように構成され得る。
【0040】
いくつかの態様によれば、選択的透過性要素は、洗浄装置の機能を損なうことなく、洗浄液から1つ以上の成分の少なくとも一部を選択的に除去するように構成されてもよい。損なわれる影響効果の例としては、流体経路に沿った洗浄液の流量の許容できない変化、排出時間(即ち、作動後に1つ以上のアンプル及び/又は類似の容器から洗浄液を部分的又は完全に排出するのに必要な時間)の許容できない変化、及び/又は湿潤時間(即ち、作動後に塗布部材が洗浄液によって濡れるのに必要な時間)の許容できない変化が挙げられるが、これらに限定されない。追加的又は代替的に、選択的透過性要素は、本明細書に記載される消毒液の成分のいずれかなどの、洗浄液の1つ以上の選択されていない成分の滴定量を損なわないように構成され得る。
【0041】
いくつかの態様によれば、選択的透過性要素は、選択的透過性多孔質材料を含む樹脂及び/又はフィルムなどの選択的透過性多孔質材料を含んでもよい。いくつかの態様によれば、選択的透過性多孔質材料は、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分分子を捕捉するように構成された平均細孔径を有する複数の細孔を含む。いくつかの非限定的な例では、選択的透過性多孔質材料は、選択的透過性ミクロ多孔質材料、選択的透過性メソ多孔質材料及び/又は選択的透過性マクロ多孔質材料を含み得る。本明細書で使用される用語「ミクロ多孔質材料」とは、少なくとも一部が約2nm以下の平均細孔径(代替的に、本明細書では平均細孔直径とも呼ばれる)を有する複数の細孔を有する材料を指す。本明細書で使用される用語「メソ多孔質材料」とは、少なくとも一部が約2~50nmの平均細孔径を有する複数の細孔を有する材料を指す。本明細書で使用される用語「マクロ多孔質材料」とは、少なくとも一部が少なくとも約50nmの平均細孔径を有する複数の細孔を有する材料を指す。ミクロ多孔質材料は、目標とする不純物を吸収して捕捉する内部表面積へ一般的な寄与を提供するために選択され得るが、追加的又は代替的に、異なる平均細孔径を有する材料(例えば、メソ多孔質材料及び/又はマクロ多孔質材料)が運動経路を提供するために選択され得る。本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料の非限定的な例としては、ゼオライト、活性炭、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の選択された成分がPCAを含む非限定的な一例では、活性炭及び/又はゼオライトは、約1~10Å、任意に約3~7Å、任意に約5Åの平均細孔径を有し得る。
【0042】
追加的に、活性炭及び/又はゼオライトは、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分と化学的に相互作用するように構成され得る。例えば、活性炭及び/又はゼオライトは、本明細書に記載される1つ以上の選択された成分分子と選択的に相互作用する1つ以上の官能基で官能化され得る。本明細書に記載される官能基の例としては、有機官能基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される用語「活性炭」とは、小さく低体積の細孔を有するように処理された炭素を指す。特に、活性炭は、低体積の細孔が高い含有量で存在することを特徴とする、高度の微細孔を有する特別に処理された炭素である。異なる処理に応じて、選択された活性炭候補は、pH3~7、モラセスナンバーEUR90~800を示す可能性がある。追加的又は代替的に、総表面積は、1500m2/g~1850m2/gの範囲にあり、及び/又はタンプ見掛け密度は、180kg/m3~460kg/m3であり得る。粒径分布について、D5の場合、4μm~6μmの範囲であり、D50の場合、16~23μmの範囲であり、D90の場合、44μm~69μmの範囲である。
【0044】
いくつかの態様によれば、本開示に係る活性炭は、粉末活性炭を含む。活性炭は、本明細書に記載される1つ以上の特性に基づいて分類することができることを理解されたい。これらの1つ以上の特性は、pH、塩化物含有量、モラセスナンバーEUR、メチレンブルー吸着、表面積(B.E.T.)、タンプ見掛け密度、粒径分布(D5、D50及び/又はD90)、及び/又は灰分含有量を含むが、これらに限定されない。
【0045】
非限定的な一例では、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約3.0~8.0、任意に約3.0~7.0、任意に約3.0~5.0、任意に約6.0~8.0、任意に約6.5~7.5、任意に約7.0のpHを有する活性炭を含み得る。
【0046】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、1500~1700、任意に約1550~1650、任意に約1600のヨウ素価を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、1200~1500、任意に約1300~1450、任意に約1300、任意に約1400のヨウ素価を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、600~1100、任意に約700~1000、任意に約800~900、任意に約850のヨウ素価を有する活性炭を含み得る。
【0047】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約500~1000、任意に約500~700、任意に約700~900、任意に約800、任意に約600のモラセスナンバーEURを有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約1~800、任意に約90~800、任意に約100~400、任意に約200~300、任意に約280、任意に約250のモラセスナンバーEURを有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約50~150、任意に約60~140、任意に約70~130、任意に約80~120、任意に約90、任意に約115のモラセスナンバーEURを有する活性炭を含み得る。
【0048】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約30~50g/100g、任意に約30~40g/100g、任意に約30~40g/100g、任意に約38g/100g、任意に約34g/100gのメチルブルー吸収を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約30~50g/100g、任意に約40~50g/100g、任意に約40~45g/100g、任意に約42g/100gのメチルブルー吸収を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約10~30g/100g、任意に約15~25g/100g、任意に約15~20g/100g、任意に約18g/100gのメチルブルー吸収を有する活性炭を含み得る。
【0049】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約1~10μm、任意に約1~5μm、任意に約2~5μm、任意に約3~5μm、任意に約4μmの粒径分布(D5)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約5μm~10μm、任意に約5~9μm、任意に約5~8μm、任意に約5~7μm、任意に約4~7μm、任意に約6μmの粒径分布(D5)を有する活性炭を含み得る。
【0050】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約10~30μm、任意に約15~25μm、任意に約16μm、任意に約20μm、任意に約23μmの粒径分布(D50)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約16~23μmの粒径分布(D50)を有する活性炭を含み得る。
【0051】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約40~80μm、任意に約50~70μm、任意に約55~75μm、任意に約60μmの粒径分布(D90)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約40~120μm、任意に約50~110μm、任意に約50~100μm、任意に約60~100μm、任意に約70~90μmの粒径分布(D90)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約44μm、任意に約60μm、任意に約69μm、任意に約80μmの粒径分布(D90)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約44~69μmの粒径分布(D90)を有する活性炭を含み得る。
【0052】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約1~6質量%、任意に約1~5質量%、任意に約1~4質量%、任意に約1~3質量%、任意に約3質量%、任意に約2質量%の灰分含有量を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約1~9質量%、任意に約2~8質量%、任意に約3~7質量%、任意に約4~6質量%、任意に約5質量%の灰分含有量を有する活性炭を含み得る。
【0053】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約1400~2000m2/g、任意に約1500~1850m2/g、任意に約1400~1800m2/g、任意に約1400~1600m2/g、任意に約1600~1800m2/g、任意に約1500m2/g、任意に約1650m2/g、任意に約1700m2/g、任意に約1850m2/gの総表面積(B.E.T.)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約400~1400m2/g、任意に約500~1300m2/g、任意に約600~1200m2/g、任意に約700~1100m2/g、任意に約800~1000m2/g、任意に約900m2/gの総表面積(B.E.T.)を有する活性炭を含み得る。
【0054】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約400~500kg/m3、任意に約400~470kg/m3、任意に約400~420kg/m3、任意に約450~470kg/m3、任意に約410kg/m3、又は任意に約460kg/m3のタンプ見掛け密度を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約100~600kg/m3、任意に約100~500kg/m3、任意に約180~460kg/m3、任意に約300~400kg/m3、任意に約350kg/m3のタンプ見掛け密度を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約50~300kg/m3、任意に約100~300kg/m3、任意に約100~200kg/m3、任意に約200~300kg/m3、任意に約180kg/m3、任意に約260kg/m3のタンプ見掛け密度を有する活性炭を含み得る。
【0055】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約0.01~2質量%、任意に約0.01~1質量%、任意に約0.01~0.1質量%、任意に約0.05質量%の塩化物含有量(酸抽出)を有する活性炭を含み得る。
【0056】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約0.5~2.5mL、任意に約1~2mL、任意に約1.6mLの吸収能(色素)を有する活性炭を含み得る。追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、約0.01~4mL、任意に約1~3mL、任意に約2mLの吸収能(色素)を有する活性炭を含み得る。
【0057】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、以下の表1に提供される仕様を有する粉末活性炭を含み得る。
【0058】
【0059】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、以下の表2に提供される仕様を有する活性炭を含み得る。
【0060】
【0061】
追加的又は代替的に、本開示に係る選択的透過性ミクロ多孔質材料は、以下の表3に提供される仕様を有する活性炭を含み得る。
【0062】
【0063】
本開示に従って使用するのに適した例示的な活性炭材料としては、キャボット社のNORIT(登録商標)A SUPRA、NORIT B(登録商標)、及びNORIT(登録商標)KB-EVが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
追加的又は代替的に、本明細書に記載される選択的透過性多孔質材料は、本明細書に記載される1つ以上の不純物複合体と物理的及び/又は化学的に相互作用するように構成され得る。例えば、1つ以上の不純物複合体が活性炭粒子と物理的及び/又は化学的に相互作用したPCAから形成される場合、選択的透過性多孔質材料は、1つの不純物複合体を捕捉するように構成された平均細孔径を有する複数の細孔を含み得る。追加的又は代替的に、選択的透過性多孔質材料は、本明細書に記載される1つ以上の不純物複合体と選択的に相互作用する1つ以上の官能基で官能化され得る。例えば、有機弱酸官能基によって炭素表面を官能化すると、生理学的pHで定量的にプロトン化された(したがって、弱酸の相互作用/捕捉には利用できない)混合物中の他のアミン不純物と比較して、PCA中のアニリン窒素原子のpKa値が比較的低いため、PCAの捕捉に対して表面を敏感にすることが予想される。
【0065】
図1に示される非限定的な例では、選択的透過性要素105は、本明細書に記載される綿撒糸を含んでもよく、この綿撒糸は、選択的透過性ミクロ多孔質材料などの、本明細書に記載される選択的透過性多孔質材料を含む。追加的又は代替的に、選択的透過性要素105は、少なくとも1つの表面上にコーティングとして提供されるか又はそのマトリックスに埋め込まれた1つ以上の選択的透過性多孔質材料を有する綿撒糸を含み得る。例えば、選択的透過性要素105は、疎水性又は親水性のフォーム又はフェルト材料などの、液体が流れることを可能にする任意の多孔質材料から形成された綿撒糸を含み得る。この例では、多孔質材料は、本明細書に記載される1つ以上の選択的透過性多孔質材料で少なくとも部分的にコーティング又は埋め込まれてもよい。本開示に係る綿撒糸に有用な疎水性又は親水性のフォーム又はフェルト材料の例としては、米国特許第7993066号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。一例では、選択的透過性要素105は、本明細書に記載される選択的透過性多孔質材料によって少なくとも1つの外面がコーティング又は埋め込まれた、親水性エステルポリウレタンフォームなどのポリウレタンフォーム又はフェルトを含み得る。
【0066】
追加的又は代替的に、選択的透過性要素105は、本明細書に記載される1つ以上の選択的透過性多孔質材料で含浸された、本明細書に記載される任意の多孔質材料を含み得る。いくつかの非限定的な例では、多孔質材料は、混合、編み込み、注入、浸漬、噴霧又はそれらの組み合わせによって、1つ以上の選択的透過性多孔質材料で含浸され得る。
【0067】
本明細書に記載されるように、本開示は、
図1に示される例に特に限定されるものではないことを理解されたい。特に、本明細書に記載される選択的透過性要素は、例えば、
図1中のアンプル103と塗布部材102の表面接触部106との間の流体経路に沿った任意の点に設けられてもよい。
【0068】
例えば、本明細書に記載される綿撒糸に加えて又はその代わりに、アプリケータ100は、本明細書に記載される選択的透過性多孔質材料を含む塗布部材を含み得る。このようにして、塗布部材102は、本明細書に記載される塗布部材と選択的透過性要素の両方として機能することができる。追加的又は代替的に、塗布部材102は、塗布部材の少なくとも1つの表面(表面接触部106を含むが、これに限定されない)上にコーティングとして設けられた1つ以上の選択的透過性多孔質材料などの、上部に1つ以上の選択的透過性要素を有する本明細書に記載されるフォーム及び/又はフェルトを含み得る。追加的又は代替的に、塗布部材102は、内部に1つ以上の選択的透過性要素を有する本明細書に記載されるフォーム及び/又はフェルトを含み得る。この例では、フォーム及び/又はフェルトは、本明細書に記載される1つ以上の選択的透過性多孔質材料で含浸され得る。
【0069】
本明細書に記載されるように、本開示に係る洗浄装置は、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の選択的透過性要素を含んでもよく、各選択的透過性要素は、洗浄装置に含まれる別の選択的透過性要素と同じであるか又は異なる。例えば、本明細書に記載される各選択的透過性要素は、独立して、本明細書に記載される選択的透過性多孔質材料から形成され得る。追加的又は代替的に、各選択的透過性要素は、少なくとも1つの表面にコーティングとして設けられた1つ以上の選択的透過性多孔質材料を有する本明細書に記載される多孔質材料を、独立して含み得る。追加的又は代替的に、各選択的透過性要素は、本明細書に記載される1つ以上の選択的透過性多孔質材料で含浸された、本明細書に記載される多孔質材料を独立して含み得る。
【0070】
本明細書に記載されるように、本開示に係る少なくとも1つの選択的透過性要素は、そこを通過する洗浄液から1つ以上の選択された成分を選択的に除去するように構成される。洗浄液からの1つ以上の選択された成分の選択的除去は、重力補助層流を介した1回以上の通過を含むが、これに限定されない、少なくとも1つの選択的透過性要素を通過する洗浄液の1回以上の通過を介して達成することができる。
【0071】
いくつかの態様によれば、少なくとも1つの選択的透過性要素は、許容できる純度を有する洗浄液を提供するのに十分な量の1つ以上の選択された成分を選択的に除去するように構成され得る。本明細書で使用される「許容できる純度」とは、規制要件を満たすのに十分な純度を指し得る。例えば、許容できる純粋な洗浄液とは、特定された限界以下の不純物濃度を有する本明細書に記載される洗浄液を指し得る。非限定的な一例では、少なくとも1つの選択的透過性要素は、洗浄液が約150ppm以下、任意に約100ppm以下、任意に約50ppm以下のPCA濃度を有するように、洗浄液からPCAの量を選択的に除去するように構成され得る。追加的又は代替的に、少なくとも1つの選択的透過性要素は、1つ以上の選択された成分のそれぞれが約1%w/v以下、任意に約0.5%w/v以下、任意に約0.1%w/v以下、任意に約0.05%w/v以下の濃度で洗浄液中に存在するように、洗浄液から1つ以上の選択された成分の量を選択的に除去するように構成され得る。
【0072】
いくつかの態様によれば、本明細書に記載される少なくとも1つの選択的透過性要素は、貯蔵寿命が延長された洗浄液を提供するように構成され得る。少なくとも、本明細書に記載される洗浄液から1つ以上の不純物を除去することによって、貯蔵寿命を延長することができる。貯蔵寿命の延長とは、本明細書に記載される選択的透過性要素を有しない同様の洗浄装置に含まれる同じ洗浄液の貯蔵寿命より長い、本明細書に記載される洗浄装置に含まれる洗浄液の貯蔵寿命を指す場合があることを理解されたい。
【0073】
本願を通して使用される用語「貯蔵寿命」とは、製品(例えば、洗浄液)を、その形状、適合性及び機能に必要な仕様に維持しつつ、貯蔵できる時間の長さを指す。貯蔵寿命は、製品が医療用途に適さないことを示す可能性のある製品の特定の特性を測定することによって決定される場合がある。例えば、長期保存条件で保存された後の製品中の不純物濃度を測定することによって、貯蔵寿命を決定することができる。本明細書で使用される用語「長期保存条件」とは、72時間を超えて許容できる程度に製品を保存するのに十分な環境条件を指す。いくつかの態様によれば、長期保存条件とは、約25℃の温度と約60%の相対湿度を指し得る。追加的又は代替的に、貯蔵寿命は、37℃で65%の相対湿度で保存された後の製品中の不純物濃度を測定することによって決定することができる。追加的又は代替的に、貯蔵寿命は、約40℃以下の温度範囲内で、約15℃~30℃で保存された後の製品中の不純物濃度を測定することによって決定することができる。
【0074】
洗浄液の延長された貯蔵寿命は、1週間、好ましくは2週間、好ましくは3週間、好ましくは1ヶ月、好ましくは2ヶ月、より好ましくは3ヶ月、より好ましくは4ヶ月、より好ましくは5ヶ月、より好ましくは6ヶ月、より好ましくは7ヶ月、より好ましくは8ヶ月、より好ましくは9ヶ月、より好ましくは10ヶ月、より好ましくは11ヶ月、より好ましくは12ヶ月、好ましくは13ヶ月、より好ましくは14ヶ月、より好ましくは15ヶ月、より好ましくは16ヶ月、より好ましくは17ヶ月、より好ましくは18ヶ月、より好ましくは19ヶ月、より好ましくは20ヶ月、より好ましくは21ヶ月、より好ましくは22ヶ月、より好ましくは23ヶ月、より好ましくは24ヶ月、より好ましくは25ヶ月、より好ましくは26ヶ月、より好ましくは27ヶ月、より好ましくは28ヶ月、より好ましくは29ヶ月、より好ましくは30ヶ月、より好ましくは31ヶ月、より好ましくは32ヶ月、より好ましくは33ヶ月、より好ましくは34ヶ月、より好ましくは35ヶ月、最も好ましくは36ヶ月である。いくつかの態様によれば、延長した貯蔵寿命は、製品の提示に基づいて変化し得る。
【0075】
また、本開示は、本明細書における洗浄装置を製造する方法に関する。この方法は、流体経路を介して塗布部材と選択的に流体連通する本体を設けることを含んでもよく、塗布部材は、洗浄液を表面に塗布するように構成される。この方法は、通過する洗浄液から1つ以上の選択された成分を選択的に除去するのに十分な少なくとも1つの選択的透過性要素を流体経路に沿って設けることをさらに含んでもよい。
【0076】
また、本開示は、本明細書に記載される洗浄装置を使用する方法に関する。この方法は、洗浄液を含む本体を有する本明細書に記載される洗浄装置を設けることを含んでもよく、本体は、流体経路を介して塗布部材と選択的に流体連通し、塗布部材は、洗浄液を表面に塗布するように構成される。流体流路は、本明細書に記載される少なくとも1つの選択的透過性要素を含んでもよい。この方法は、1つ以上の不純物複合体を形成するために、洗浄液を本明細書に記載される樹脂粒子と任意に接触させることを含んでもよい。この方法は、塗布部材を介して表面に洗浄液を塗布する前に、洗浄液が流体経路に沿って移動し、少なくとも1つの選択的透過性要素を通過するように、洗浄装置を作動させることを含む。
【0077】
本明細書で記載される態様は、上記に概説した例示的な態様と併せて説明されているが、既知であるか又は現在予測不可能であるか又は現在予測不可能の可能性があるかにかかわらず、様々な代替物、変形物、変更物、改良物及び/又は実質的な等価物が、当業者には明らかになるであろう。したがって、上記のような例示的な態様は限定的なものではなく、例示的なものであることが意図されている。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、本開示は、あらゆる既知の又は今後開発される代替物、変形物、変更物、改良物及び/又は実質的な等価物を包含することを意図する。
【0078】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する完全な範囲を与えるものであり、単数形の要素の言及は、特に明記しない限り、「1つ及び1つのみ」を意味するものではなく、「1つ以上」を意味することを意図する。当業者にとって既知であるか又は後に既知となる本開示全体を通じて記載される様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているいかなる内容も、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供することを意図したものではない。特許請求の範囲の要素は、その要素が「のための手段」という語句を用いて明示的に言及されない限り、手段プラス機能として解釈されるべきではない。
【0079】
単語「例」は、本明細書では、「例、実例又は例示として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例」として記載される任意の態様は、必ずしも他の態様より好ましいもの又は有利なものと解釈されるべきではない。特に記載のない限り、用語「いくつか」とは、1つ以上を指す。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、C、又はそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、A、B、及び/又はCの任意の組み合わせを含み得、かつAの倍数、Bの倍数、Cの倍数を含み得る。具体的には、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、C、又はそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、又はAとBとCであり得、これらの組み合わせのいずれかがA、B、又はCのうちの1つ以上を含み得る。本明細書に開示されているいかなる内容も、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供することを意図したものではない。
【0080】
単語「約」は、本明細書では、規定値の±5%以内、任意に±4%以内、任意に±3%以内、任意に±2%以内、任意に±1%以内、任意に±0.5%以内、任意に±0.1%以内、任意に±0.01%以内を意味するために使用される。
【実施例1】
【0081】
グルコン酸クロルヘキシジンのアルコール溶液中での樹脂粒子とPCAとの間の選択的相互作用
【0082】
まず、2%(w/v)のグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)を約70%(v/v)のイソプロピルアルコール及び30%(v/v)の水に溶解して溶液を調製した。この溶液に4-クロロアニリン(PCA)を100ppmのPCAのレベルまで添加した。この溶液の10mLアリコートに、100mgの独自の固体活性炭試験材料を添加した。具体的には、各アリコートを試料1、試料2、試料3又は試料4のいずれかで処理した。試料1~4の特性を以下の表4に示す。
【0083】
【0084】
各混合物を30分間振盪した。次に、各試料を遠心分離し、得られた活性炭を除去し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)装置への直接注入に必要なスキームに従って上清を希釈した。1アリコートは、対照として活性炭で処理されなかった。
【0085】
次に、各試料をHPLCで分析し、CHGとPCAの濃度変化を測定した。結果を以下の表5に示す。
【0086】
【0087】
表5から分かるように、驚くべきことに、各試料は、CHGの低下よりもはるかに大きいPCAの低下を示した。したがって、活性炭は、CHGよりもPCAと選択的に相互作用し、有機環境においてCHGを含む溶液からPCAを選択的に除去できることが判明した。
【国際調査報告】