(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】上包を備えた、ヒンジ付き蓋を有する喫煙商品の箱
(51)【国際特許分類】
B65D 75/68 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
B65D75/68
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538751
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 IB2021061487
(87)【国際公開番号】W WO2022136996
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】102020000032222
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アラン アルメーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーノ ガンベリーニ
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA14
3E067AC03
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067BC06A
3E067EB02
3E067EB08
3E067EB10
3E067EB29
3E067FA04
3E067FC01
(57)【要約】
喫煙商品の箱(1)は、下壁(6)と、前壁(7)と、後壁(8)と、2つの側壁(9)とを有する外側容器(2)と、ヒンジに沿って外側容器(2)にヒンジ結合する蓋(4)であって、上壁(10)と、前壁(11)と、後壁(12)と、2つの側壁(13)とを有する蓋(4)と、外側容器(2)と蓋(4)の周りに包装される上包(14)であって、少なくとも1つのヒートシールによって安定化され、外側容器(2)と蓋(4)の周りに折り曲げられる、包装用シート(15)からなる上包(14)と、開裂バンド(16)であって、上包(14)に連結され、上包(14)を、開裂バンド(16)に連結されない下部(17)と、開裂バンド(16)に一体化された上部(18)とに分割するために引っ張るように設計された開裂バンド(16)と、を備える。蓋(4)は、底部において前壁(11)を画定する前縁(24)と、底部において側壁(13)を画定し、前縁(24)の端部をヒンジ(5)の端部に接続する2つの側縁(25)とを有する。開裂バンド(16)は、蓋(4)の上壁(10)と蓋(4)の前縁(24)との間に配置され、上包(14)の上部(18)は、蓋(4)及び蓋(4)を部分的に覆う上包(14)の下部(17)より小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙商品の箱(1)であって、
下壁(6)と、前壁(7)と、後壁(8)と、2つの側壁(9)とを有する外側容器(2)と、
ヒンジ(5)に沿って外側容器(2)にヒンジ連結された蓋(4)であって、上壁(10)と、前壁(11)と、後壁(12)と、2つの側壁(13)とを有する、蓋(4)と、
上包(14)であって、前記外側容器(2)と前記蓋(4)を囲んで包む、上包(14)と、
開裂バンド(16)であって、前記上包(14)に接続され、該上包(14)を、開裂バンド(16)に接続されていない下部(17)と、開裂バンド(16)と一体である上部(18)とに分割するために引っ張られるように設計された、開裂バンド(16)と、を備え、
前記蓋(4)は、底部において前記前壁(11)を画定する前縁(24)を有する、
喫煙商品の箱(1)において、
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記上壁(10)と前記蓋(4)の前記前縁(24)との間に配置され、前記上包(14)の前記上部(18)は前記蓋(4)より小さく、前記上包(14)の前記下部(17)は前記蓋(4)を部分的に覆う、喫煙商品の箱(1)。
【請求項2】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)を重ねるいかなる部分も有しないように、前記蓋(4)の前記前縁(24)よりも高く配置されている、請求項1に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項3】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)から0mm以外の距離(D)、好ましくは少なくとも2mmに等しい距離(D)に配置されている、請求項1又は2に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項4】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)よりも前記蓋(4)の前記上壁(10)のより近くに配置されている、請求項1に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項5】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は、底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)と前記蓋(4)の前縁(24)との間に配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項6】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は、底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)にまたがって配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項7】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)と前記蓋(4)の前記上壁(10)との間に配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項8】
前記上包(14)の前記下部(17)は、前記上包(14)を裂くのを助ける少なくとも1つの弱体化線(26)を有し、前記下部(17)の上縁の近くで起点となり、前記下壁(6)に向かって延びている、請求項1~7の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項9】
前記弱体化線(26)は、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記前壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行である、請求項7に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項10】
前記上包(14)は、前記外側容器(2)及び前記蓋(4)の周囲に折り畳まれ、少なくとも1つのヒートシールによって安定化された包装用シート(15)からなり、前記弱体化線(26)は、前記包装用シート(15)を完全に貫通する少なくとも1つの貫通切断部からなる、請求項7又は8に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項11】
前記包装用シート(15)は2つの対向するフラップ(20,21)を有し、該2つの対向するフラップ(20,21)は重なり合って、縦方向シール(22)を形成するように互いにヒートシールされ、前記弱体化線(26)は前記縦方向シール(22)の領域に配置されている、請求項10に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項12】
前記弱体化線(26)は、前記包装用シート(15)の前記2つの対向するフラップ(20,21)のうちの1つのフラップのみに影響を及ぼす、請求項11に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項13】
前記縦方向シール(22)は、内側において、中間領域(27)を有し、該中間領域(27)は、前記2つの対向するフラップ(20、21)間のシールから解放され、内側において前記弱体化線(26)を含み、前記2つの対向するフラップ(20、21)が互いにシールされる接合部分によって完全に取り囲まれる、請求項11又は12に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項14】
前記中間領域(27)は、縦方向延長部、すなわち、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記前壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行な延長部を有し、該延長部は横方向延長部よりも大きい、請求項13に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項15】
前記中間領域(27)は、縦方向延長部、すなわち、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記前壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行な延長部を有し、該延長部は前記弱体化線(26)の縦方向延長部よりも大きい、請求項13又は14に記載の喫煙商品の箱(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年12月23日に出願されたイタリア国特許出願第102020000032222号明細書の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は上包を備えた喫煙商品の箱に関する。
本発明は紙巻きたばこ一式を含む硬質紙巻きたばこ箱の製造において有利な用途を見出し、その結果、一般性を損なうことなく、以下において明示的に説明する。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ付き蓋を有する紙巻きたばこ箱は、製造が容易であり、使用が容易であり、実用的であり、その中に含まれる喫煙商品を十分に保護するので、現在、市場で最も普及している紙巻きたばこ箱である。
【0003】
ヒンジ付き蓋を有する紙巻きたばこ箱は、金属紙のシートに包まれた紙巻きたばこ一式からなる軟質包装物と、軟質包装物を収容し、ヒンジ付き蓋を有する硬質外側容器と、を備える。
【0004】
ヒンジ式蓋を有する紙巻きたばこ箱は、一般に、外部環境からたばこを保護する(特に、たばこの正しい湿度を保つ)機能を有する密封された上包(又は空気に対して不透明性のもの)を備える。シールされた上包は外側容器を取り囲み、明なプラスチック材料(典型的にはセロファンまたはポリプロピレン)の包装用シートからなり、使用者によって把持され、引っ張られて、2つの上包に分割(切断)され、したがって、上包の単純かつ迅速な除去を少なくとも部分的に可能にする、開裂バンドを備える。
【0005】
上包は、(透明である)プラスチック材料で作られ、一方、紙巻きたばこ箱は紙で作られ、その結果、紙巻きたばこ箱が完成すると、プラスチック上包はそれらの廃棄を区別するために、紙巻きたばこ箱から分離されなければならない。いずれにしても、非常に多くの場合、使用者は紙巻きたばこ箱を最初に開封するときに、紙巻きたばこ箱の周りの上包の下部(開裂バンドに接続されていない)を残して、上包の上部(開裂バンドに直接接続されている)のみを除去する。結果として、紙巻きたばこ箱が完成すると、使用者は多くの場合、上包の下部を紙巻きたばこ箱の残りの部分から分離することを忘れ、両方を「用紙」容器に投入し、したがって、包装材料を誤ってリサイクルする。
【0006】
紙巻きたばこ箱を最初に開封する際の上包の完全な除去(したがって、上包の正しい処分)に対する追加の障害は、上包の上部分(開裂バンドに直接接続される)を除去することが非常に容易であるが、対照的に、上包の下部分(開裂バンドに接続されない)も除去することがより困難かつ複雑であるという事実によるものであり、特に、上包が熱収縮処理(上包に特に心地よい外観を与える)を使用して外側容器の周りに十分に延伸された場合である。
【0007】
上包の完全な除去を容易にするために、例えば、特許文献1に記載されているように、包装用シートに対して開裂バンドを傾斜させて、開裂バンドがたばこ箱の対角線に沿って配置されるようにすることが提案されており、いずれの場合にも、この解決策は開裂バンド適用ユニットに著しい変更を伴い、したがって、非常に高い装置コストを伴う。
【0008】
上包の完全な除去を可能にするために、例えば特許文献2に記載されているように、上包の下部に、上包の上部の除去(開裂バンドを引っ張ること)後に上包の下部の破断を誘発する弱体化切り欠きを生成することが提案され、いずれの場合も、これらの弱体化切り欠きは、上包を構成するプラスチック材料の完全性を損ない、外側と比較してシールを損ない、したがって、上包の外部物質の保護機能を少なくとも部分的に排除する。
【0009】
上包の完全な除去を可能にするために、例えば特許文献3に記載されているように、接着ラベルからなる裂傷要素を上包に適用することが提案され、いずれの場合も、この解決策は紙巻きたばこ箱(ラベル)に新しい材料を追加する必要性、及びラベルを包装機に適用する新しいアセンブリを追加する必要性の両方のために、特に高価である。
【0010】
上包の完全な除去を容易にするために、例えば、特許文献4に記載されているように、主開裂バンドから始めて上包まで横方向に延在する追加の二次開裂バンドを適用することが提案されている。いずれの場合にも、この解決策は開裂バンド適用ユニットに著しい変更を伴い、したがって、非常に高い装置コストを伴う。
【0011】
特許文献5および特許文献6は、開裂バンドを有する上包を備えた箱の他の例を記載しており、この上包は使用車によって把持および引っ張られて、2つの上包を分割(切断)し、したがって、上包の単純かつ迅速な除去を少なくとも部分的に可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0601583(A1)号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1839845(A1)号明細書
【特許文献3】国際公開第2014/132171(A1)号
【特許文献4】国際公開第2015/145304(A1)号
【特許文献5】英国特許出願公開第2386234(A1)号明細書
【特許文献6】米国特許第4947994(A)号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、上包を備えた、ヒンジ付き蓋を有する紙巻きたばこ箱を提供することであり、この紙巻きたばこ箱は包装材料のリサイクルを可能にすると同時に、製造が容易かつ経済的である。
【0014】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載されているように、上包が設けられたヒンジ式蓋を備えたたばこ箱が提供される。
特許請求の範囲は、本明細書の一体的部分を形成する本発明の一実施態様を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
ここで、本発明を、そのいくつかの非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【
図1-2】
図1及び
図2は、透明な上包が設けられたヒンジ式蓋を備えた硬質紙巻きたばこ箱の、それぞれ正面及び背面の2つの斜視図である。
【
図3-4】
図3及び
図4は、透明な上包の除去後であって、依然として閉じた構成にある、
図1及び
図2におけるたばこ箱の、それぞれ、前面及び背面の2つの斜視図である。
【
図5-6】
図5及び
図6は、
図1及び
図2におけるたばこ箱の透明上包の、それぞれ正面及び箱の2つの分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1及び
図2におけるたばこ箱の透明な上包を製造するために使用される包装用シートの平面図である。
【
図8】
図8は、
図7における包装用シートの変形例の平面図である。
【
図9-10】
図9及び
図10は、透明上包の上部の除去前及除去後の、それぞれ
図1及び
図2におけるたばこ箱の2つの側面図である。
【
図11】
図11は、透明上包が設けられた摺動開口部を有する硬質紙巻きたばこ箱の正面斜視図である。
【
図12】
図12は、
図11のたばこ箱の、透明上包の除去後の、開いた構成における、正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び
図2において、参照番号1は、全体として、ヒンジ式蓋を有する硬質紙巻きたばこ箱を示す。たばこ箱1は、硬質の厚紙又はカード及びカップ形状からなる外側容器2と、外側容器2内に収容された軟質包装物3(
図12に部分的に図示)とを備え、たばこ一式を囲む。
【0017】
なお、以下のたばこ箱1の説明において、「低い」、「高い」、「下側」及び「上側」等の用語を用いて、たばこ箱の部分の位置を示し、箱が、主延長方向、すなわち縦方向が垂直方向と一致するように配置されていると仮定すると、下壁と上壁はそれぞれ「低い位置」と「高い位置」に配置され、横方向は縦方向と直交する
【0018】
外側容器2は、開いた上端を有し、蓋4を備え、蓋はカップ形状であり、外側容器2に対して、開いた上端の開いた位置(図示せず)と閉じた位置(
図1及び2に図示)との間で回転するために、ヒンジ5(
図2に図示)に沿って外側容器2にヒンジ結合される。
【0019】
図3及び
図4によりよく示されるように、外側容器2は基本的に平行六面体の、垂直な主延伸方向に従って配向された長方形の形状を有し、カップ形状であり、開口上端と、開口上端とは反対側の下壁6と、互いに平行かつ対向する前壁7及び後壁8(ヒンジ5が配置される)と、互いに平行かつ対向する2つの側壁9とを有する。外側容器2の前壁7、後壁8、及び側壁9の間には4つの縦方向角部が画定され、一方、壁7、8、及び9と外側容器2の下壁6の間には4つの横方向角部が画定される。
【0020】
蓋4は、基本的に平行六面体、長方形の形状を有し、カップ状であり、開いた下端(蓋4が閉位置にあるときに外側容器2の開いた上端に面する)、上壁10(蓋4が閉位置にあるときに外側容器2の下壁6と平行かつ反対側にある)、前壁11(蓋4が閉位置にあるときに外側容器2の前壁7と平行かつ位置合わせされる)、後壁12(蓋4が閉位置にあるときに外側容器2の後壁8と平行かつ位置合わせされ、ヒンジ5に沿って外側容器2の後壁8にヒンジ連結される)、及び互いに平行かつ反対側にある2つの側壁13(蓋4が閉位置にあるときに外側容器2の側壁9と平行かつ位置合わせされ、特に同一平面上にあり、隣接する)を有する。蓋4の前壁11、後壁12、及び側壁13の間には4つの縦方向角部が画定され、一方、壁11、12、及び13と蓋4の下壁10の間には4つの横方向角部が画定される。蓋4の縦方向角部及び横断方向角部は蓋4が閉位置にあるとき、外側容器2の対応する縦方向角部及び横断方向角部と平行であり、かつそれと位置合わせされる。
【0021】
図1及び
図2に示されるものによれば、たばこ箱1は外側容器2を囲む上包14を備え、蓋4(蓋4は外側容器2の一体部分である)は、外側容器2及び蓋4の周りに折り畳まれた透明プラスチック材料(典型的にはセロファン又はポリプロピレン)の包装用シート15(
図7に示される)からなり、それは、上包14を2つの部分17及び18に分割(切断)するために、したがって、上包14の簡単かつ迅速な除去を可能にするために、ユーザによって把持され、引っ張られる開裂バンド16を備える。特に、
図5及び
図6に示すように、開裂バンド16は、上包14を下部17(開裂バンド16から完全に切り離されている、すなわち開裂バンド16との接続点を有していない)と、上部18(開裂バンド16に接続されている、すなわち開裂バンド16と一体である)とに分割(切断)する。
【0022】
把持部を可能にするために、開裂バンド16は、包装用シート15がプラスチック製包装物材料の連続バンドによって分離されるとき(
図7及び8に明確に示されるように)、上包14によって完全に分離され、持ち上げられ、包装用シート15によって成形された適切な切断部を通して形成される、開始端19を有する。
【0023】
包装用シート15は外側容器2及び蓋4の周りに折り畳まれ、したがって、ヒートシールを使用して、すなわち、包装用シート15のヒートシール重なり部分を介して接合することによって安定化される。
図5及び
図6に示されるものによれば、包装用シート15は互いに重なり合ってヒートシールされて、上包14を安定化させるのに寄与する縦方向シール22を形成する2つの対向するフラップ20及び21(
図7に別々に示される)を有し、加えて、上包14は上包14の対向する端部に配置され、縦方向シール22に対して垂直に延在し、上包14を安定化させるのに寄与する2つの追加の横方向シール23(
図5及び
図6に示される)を備える。
【0024】
図1~
図4に示されるものによれば、蓋4は底部において前壁11を画定する前縁24と、底部において側壁13を画定し、前縁24の一端をヒンジ5の一端に接続する2つの側縁25とを有する。蓋4の前縁24(蓋4が閉じられているとき)は外側容器2の前縁に載置され、同様に、蓋4の側縁25(蓋4が閉じられているとき)は、外側容器2の対応する縁部に載置される。
【0025】
図1及び
図2に示すように、開裂バンド16は、蓋4の上壁10と蓋4の前縁24との間に配置され、このようにして、上包14の上部18は蓋4よりも小さく、上包14の下部17もまた、蓋4の一部を覆って延びる(すなわち、蓋4を部分的に覆う)。このようにして、上包14の上部18のみが除去されると、開裂バンド16を引っ張ることによって、蓋4が上包14の下部17によってブロックされるので、蓋4を開くことは依然として不可能であり、その結果、たばこ箱1を最初に開口するとき、利用者は上包14の上部18だけでなく、上包14の下部17も除去することを余儀なくされ、したがって、それらは、上包14の部分17及び18(すなわち、すべての上包14)の両方を一緒に正しくリサイクルするために押される。
【0026】
図1及び
図2に示される好ましい実施形態によれば、開裂バンド16は蓋4の前縁24と重なり合ういかなる部分も有さないように、蓋4の前縁24よりも高く配置される。特に、開裂バンド16は蓋4の前縁24からゼロ以外の距離Dに配置され、好ましくは距離Dが少なくとも2mmに等しく、一般に4mmより大きい(一般に4mm~8mmの範囲)。
【0027】
可能な実施形態によれば、開裂バンド16は、蓋4の前縁24よりも蓋4の上壁10の近くに配置される。
【0028】
図1及び
図2に示される可能な実施形態によれば、開裂バンド16は、ヒンジ5を跨ぐように配置される。図示されていない代替の実施形態によれば、開裂バンド16はヒンジ5と蓋4の前縁24との間に配置され、図示されていない追加の実施形態によれば、開裂バンド16は、蓋4の上壁10と蓋4の前縁24との間に配置される。
【0029】
図5-6及び9-10に示されるものによれば、上包14の下部17は少なくとも1つの弱体化線26を有し、それは、それを引き裂くのを助け、下部17の上縁付近に生じ、下壁6に向かって延在し、可能な実施形態によれば、弱体化線26は下部17の上縁(すなわち、開裂バンド16の隣)で正確に始まることができ、弱体化線26は下部17の上縁を越えて始まることができ(すなわち、開裂バンド16の小片も含む)、すなわち、弱体化線26は下部17の上縁からわずかな距離(すなわち、開裂バンド16からわずかな距離)で始まることができる。
【0030】
好ましいがまだ制限されていない実施形態によれば、弱体化線26は外側容器2の縦方向角部(前壁7と後壁8と2つの側壁9との間に画定される)に平行であり、あるいは、弱体化線26が外側容器2の縦方向角部に対してわずかに傾斜することができ、ジグザグの進行を有することもできる。
【0031】
好ましい実施形態によれば、弱体化線26は包装用シート15を完全に貫通する少なくとも1つの貫通切断部からなり、すなわち、弱体化線26は単一の連続的な貫通切断部からなってもよく、又は、等しく離間された(すなわち、一方から他方へ一定の距離をおいて配置された)一連の貫通切断部(列)からなってもよい。
【0032】
好ましい実施形態によれば、弱体化線26は(包装用シート5の2つの対向するフラップ20及び21の接合からなる)縦方向シール22の近くに配置され、その結果、弱体化線26は2つのフラップ20及び21が一緒にシールされる接合部分によって完全に囲まれ、このようにして、弱体化線26は内側の上包14を外部環境と連通させず、したがって、いずれの場合も、外部環境から完全にシールされたままである上包14のシールを確実にする。
【0033】
好ましい実施形態によれば、縦方向シール22は内側に、2つのフラップ20、21の間にいかなるシールもない中間領域27を有し、内側に、弱体化線26を含み、2つのフラップ20、21が共にシールされる接合部分によって完全に囲まれる。中間領域27の機能はとりわけ、弱体化線26の上にシールを形成して、シールが弱体化線26を「閉じる」(すなわち、少なくとも部分的に、弱体化線26にまたがる包装材料の連続性を回復する)ことを防止し、その機能性を排除することを回避することである。中間領域27の付加的な(二次的である)機能は上包14の下部17の破損を容易にするために、上包14の下部17の局所的な弱体化を増大させることである。
【0034】
1つの可能な実施形態によれば、中間領域27は横方向の延伸方向よりも大きい、すなわち、外側容器2の縦方向の角部(前壁7と後壁8と2つの側壁9との間に画定される)に平行な縦方向の延伸方向を有し、すなわち、中間領域27は、「幅」である「長さ」である。
【0035】
1つの可能な実施形態によれば、中間領域27は弱体化線26の縦方向延長部よりも大きい、すなわち、(前壁7と後壁8と2つの側壁9との間で画定される)外側容器2の縦方向角部に平行な縦方向延長部を有し、すなわち、中間領域27は上包14の下部17の局所的な弱体化を増加させるために、弱体化線よりも大きい。
【0036】
一般に、弱体化線26は包装用シート15の2つのフラップ20及び21の一方のみを含む、すなわち、弱体化線26は包装用シート15の内側のフラップ20上にのみ形成される(
図8に示されるように)、すなわち、包装用シート15の外側のフラップ21にのみ形成される(
図7に示されるように)。また、包装用シート15のフラップ20のみが、それらの間で分離して平行ないくつかの弱体化線26を有し、すなわち、包装用シート15のフラップ21のみが、互いに分離して平行ないくつかの弱体化線を有することも可能である。通常、包装用シート15のフラップ20及び21の両方に2つの異なる弱体化線26を形成することは、回避され、包装用シート15のフラップ20及び21の両方に2つの異なる弱体化線26の任意の可能な重なり(構造公差の影響による偶発的な重なりのみでさえ)が、上包14の内側を外部環境と連通させることから回避する。
【0037】
図示されていない可能な実施形態によれば、弱体化線26も、上包14の上部18の近くに形成され、上包14の下部17の近くに形成された弱体化線26と同じ構造を有する。明らかに、上包14の上部18にも形成された弱体化線26は開裂バンド16を弱体化し、したがって、開裂バンド16が引っ張られるときにそれに望ましくない破損を引き起こすことを回避するために、開裂バンド16の上に配置されなければならない(すなわち、限界的でない限り、開裂バンド16に影響を与えてはならない)。
【0038】
図11及び12に示す代替実施形態によれば、たばこ箱1は摺動開口部を有し、(
図1~4に示す実施形態のように)もはや上に配置されていないが側部に配置された開放端を有する外側容器2を備え、さらに、たばこ箱1は、包装物3を収容する内側容器28を備え、内側容器28が外側容器2に完全に配置される閉鎖位置(
図11に示す)と、内側容器28が外側容器2から部分的に抽出される開放位置(
図12に示す)との間でスライドするように外側容器2内でスライドできるように収容される。
【0039】
図11及び
図12に示すたばこ箱1の例では、いずれの場合も、たばこにアクセスできるように上包14を完全に排除する必要があること、すなわち、開裂バンド16の位置に関係なく、上包14の下部17と上包14の上部18の両方を排除してたばこにアクセスできるようにする必要があることは明らかである。
【0040】
図11、
図13、及び
図14に示される実施形態では開裂バンド16が上包14の2つの部分17及び18が(ほぼ)同じサイズを有するように(ほぼ)途中に配置され、他の実施形態によれば、開裂バンド16は
図11、
図13、及び
図14に示されるものと比較して、より高く(上包14の下部17が上包14の上部18よりも大きくなるように)、又はさらに低く(上包14の下部17が上包14の上部18よりも小さくなるように)配置され得る。
【0041】
明らかに、
図11、
図13、及び
図14に示される実施形態では、上包14が上包14の上部18を除去した後に、上包14の下部17の除去も容易にするために、弱体化線26(上述のように製造される、すなわち、縦方向シール22の中間領域27に配置される)を備える。
【0042】
1つの可能な実施形態によれば、上包14の下部17の迅速な除去をどのように進めるかを説明する(示す)表示(記号及び/又はテキスト)を、上包14上(すなわち、包装用シート15上)に印刷することができる。
【0043】
本明細書に記載の実施形態は、本発明の保護範囲から逸脱することなく、それらの間で組み合わせることができる。
【0044】
上述のたばこ箱1は、多数の利点を有する。第1に、蓋4を開けることができるようにするためには、上包14の上部18だけでなく、上包14の下部17も取り外す必要があるため(実際には、上包14の下部17だけでは蓋4を開けることができない)、紙巻きたばこ1は、包装材料の正しいリサイクルを促す、従って、使用者は、紙巻きたばこ1を使い終わるまでに、外側容器2の周りに上包14の下部17を残すことなく、プラスチック製の上包14全体を取り外し、直ちに適切な容器に廃棄することを余儀なくされる。更に、上述のたばこ箱1において、上包14の下部17の除去は弱体化線26の存在のおかげで簡単かつ迅速であり、これは、単に、弱体化線26において指で上包14を引っ張ることによって、上包14の下部17を容易に破断することを可能にする(上包14が熱収縮によって延伸されたときを含む)。この目的のために、包装用シート15の縦方向シール22内の弱体化線26の特定の位置決めのおかげで、弱体化線26の存在は、上包14のシールに影響を及ぼさず、いずれの場合も上包14は外部環境から完全にシールされたままであることを観察することが重要である。
【0045】
最後に、上述のたばこ箱1は同様の既知のたばこ箱と比較して、製造するのが非常に簡単である。それは、包装用シート15に対して開裂バンド16の位置を変えること、切削ユニット(すでに存在する)に、弱体化線26を作るための追加のブレードを挿入すること、及び縦方向シール22内に中間領域27を作り出すために溶接機の形状をわずかに変更することだけで十分だからである。
【0046】
添付の図面に示す実施形態は紙巻きたばこ箱の製造を指すが、本発明は有意な変化なしに、喫煙商品の任意の他のタイプの箱(例えば、紙巻きたばこ箱、リキッドベープ式の電子たばこ箱、たばこ燃焼なしの新世代紙巻きたばこ箱)の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 たばこ箱
2 外側容器
3 包装物
4 蓋
5 ヒンジ
6 下壁
7 前壁
8 後壁
9 側壁
10 上壁
11 前壁
12 後壁
13 側壁
14 上包
15 包装用シート
16 開裂バンド
17 下部
18 上部
19 開始端
20 内側のフラップ
21 外側のフラップ
22 縦方向シール
23 横方向シール
24 前縁
25 側縁
26 弱体化線
27 中間領域
28 内側容器
D 距離
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙商品の箱(1)であって、
下壁(6)と、前壁(7)と、後壁(8)と、2つの側壁(9)とを有する外側容器(2)と、
ヒンジ(5)に沿って外側容器(2)にヒンジ連結された蓋(4)であって、上壁(10)と、前壁(11)と、後壁(12)と、2つの側壁(13)とを有する、蓋(4)と、
上包(14)であって、前記外側容器(2)と前記蓋(4)を囲んで包む、上包(14)と、
開裂バンド(16)であって、前記上包(14)に接続され、該上包(14)を、開裂バンド(16)に接続されていない下部(17)と、開裂バンド(16)と一体である上部(18)とに分割するために引っ張られるように設計された、開裂バンド(16)と、を備え、
前記蓋(4)は、底部において前記前壁(11)を画定する前縁(24)を有する、
喫煙商品の箱(1)において、
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記上壁(10)と前記蓋(4)の前記前縁(24)との間に配置され、前記上包(14)の前記上部(18)は前記蓋(4)より小さく、前記上包(14)の前記下部(17)は前記蓋(4)を部分的に覆う、喫煙商品の箱(1)。
【請求項2】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)を重ねるいかなる部分も有しないように、前記蓋(4)の前記前縁(24)よりも高く配置されている、請求項1に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項3】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)から0mm以外の距離(D)、好ましくは少なくとも2mmに等しい距離(D)に配置されている、請求項1又は2に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項4】
前記開裂バンド(16)は、前記蓋(4)の前記前縁(24)よりも前記蓋(4)の前記上壁(10)のより近くに配置されている、請求項1に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項5】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は、底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)と前記蓋(4)の前縁(24)との間に配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項6】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は、底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)にまたがって配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項7】
前記蓋(4)は2つの側縁(25)を有し、各側縁(25)は底部の前記側壁(13)を区画し、前記前縁(24)の端部を前記ヒンジ(5)の端部に接続し、
前記開裂バンド(16)は、前記ヒンジ(5)と前記蓋(4)の前記上壁(10)との間に配置されている、請求項1~4の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項8】
前記上包(14)の前記下部(17)は、前記上包(14)を裂くのを助ける少なくとも1つの弱体化線(26)を有し、前記下部(17)の上縁の近くで起点となり、前記下壁(6)に向かって延びている、請求項1~7の何れか一項に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項9】
前記弱体化線(26)は、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記
側壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行である、請求項
8に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項10】
前記上包(14)は、前記外側容器(2)及び前記蓋(4)の周囲に折り畳まれ、少なくとも1つのヒートシールによって安定化された包装用シート(15)からなり、前記弱体化線(26)は、前記包装用シート(15)を完全に貫通する少なくとも1つの貫通切断部からなる、請求項
8に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項11】
前記包装用シート(15)は2つの対向するフラップ(20,21)を有し、該2つの対向するフラップ(20,21)は重なり合って、縦方向シール(22)を形成するように互いにヒートシールされ、前記弱体化線(26)は前記縦方向シール(22)の領域に配置されている、請求項10に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項12】
前記弱体化線(26)は、前記包装用シート(15)の前記2つの対向するフラップ(20,21)のうちの1つのフラップのみに影響を及ぼす、請求項11に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項13】
前記縦方向シール(22)は、内側において、中間領域(27)を有し、該中間領域(27)は、前記2つの対向するフラップ(20、21)間のシールから解放され、内側において前記弱体化線(26)を含み、前記2つの対向するフラップ(20、21)が互いにシールされる接合部分によって完全に取り囲まれる、請求項11又は12に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項14】
前記中間領域(27)は、縦方向延長部、すなわち、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記
側壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行な延長部を有し、該延長部は横方向延長部よりも大きい、請求項13に記載の喫煙商品の箱(1)。
【請求項15】
前記中間領域(27)は、縦方向延長部、すなわち、前記前壁(7)と前記後壁(8)と2つの前記
側壁(9)との間に画定された前記外側容器(2)の縦方向角部に平行な延長部を有し、該延長部は前記弱体化線(26)の縦方向延長部よりも大きい、請求項13又は14に記載の喫煙商品の箱(1)。
【国際調査報告】