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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】耐候性橋梁鋼およびその製錬方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 38/00 20060101AFI20240116BHJP
   C22C 38/58 20060101ALI20240116BHJP
   C21C 7/064 20060101ALI20240116BHJP
   C21C 7/06 20060101ALI20240116BHJP
   C21C 7/10 20060101ALI20240116BHJP
   B22D 11/00 20060101ALI20240116BHJP
   B22D 11/115 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C22C38/00 301B
C22C38/58
C21C7/064 Z
C21C7/06
C21C7/10 A
B22D11/00 A
B22D11/115 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539314
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2021095659
(87)【国際公開番号】W WO2022160526
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110136364.2
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519226115
【氏名又は名称】南京鋼鉄股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャイ▼ 冬雨
(72)【発明者】
【氏名】馮 国輝
(72)【発明者】
【氏名】丁 叶
(72)【発明者】
【氏名】張 儀杰
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊平
(72)【発明者】
【氏名】洪 君
(72)【発明者】
【氏名】郭 甲男
(72)【発明者】
【氏名】張 媛▲ユー▼
【テーマコード(参考)】
4E004
4K013
【Fターム(参考)】
4E004MB12
4E004NB02
4E004NC04
4K013AA07
4K013BA05
4K013BA08
4K013BA16
4K013CA02
4K013CA13
4K013CE01
4K013EA12
4K013EA18
4K013EA19
(57)【要約】
本発明は、耐候性橋梁鋼およびその製錬方法を開示し、鉄鋼生産の技術分野に関し、その化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.080%、Si:0.10%~0.40%、Mn:1.50%~1.80%、P≦0.015%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.050%、V:0.005%~0.050%、Ti:0.006%~0.020%、Cr:0.20%~0.80%、Ni:0.05%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.015%、Mg:0.0008%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である。上下複合吹替回転炉で製錬し、LF+RH精錬で処理し、マグネシウム処理で効果的に介在物を小さくし、組織粒度を微細化し、針状フェライトの形成率を高め、溶接性能を効果的に改善し、鋼板の耐食性能を向上させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.080%、Si:0.10%~0.40%、Mn:1.50%~1.80%、P≦0.015%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.050%、V:0.005%~0.050%、Ti:0.006%~0.020%、Cr:0.20%~0.80%、Ni:0.05%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.015%、Mg:0.0008%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする耐候性橋梁鋼。
【請求項2】
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.050%、Si:0.10%~0.20%、Mn:1.50%~1.70%、P≦0.013%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.040%、V:0.005%~0.030%、Ti:0.006%~0.018%、Cr:0.20%~0.50%、Ni:0.05%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.013%、Mg:0.0008%~0.0013%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする請求項1に記載の耐候性橋梁鋼。
【請求項3】
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.050%~0.070%、Si:0.20%~0.30%、Mn:1.60%~1.70%、P≦0.014%、S≦0.0010%、Nb:0.035%~0.045%、V:0.020%~0.040%、Ti:0.009%~0.020%、Cr:0.40%~0.60%、Ni:0.10%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.10%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.008%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする請求項1に記載の耐候性橋梁鋼。
【請求項4】
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.060%~0.080%、Si:0.30%~0.40%、Mn:1.60%~1.80%、P≦0.012%、S≦0.0010%、Nb:0.040%~0.050%、V:0.030%~0.050%、Ti:0.010%~0.020%、Cr:0.60%~0.80%、Ni:0.15%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.15%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.010%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする請求項1に記載の耐候性橋梁鋼。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に適用される耐候性橋梁鋼の製錬方法であって、
S1.鎔鉄をKR法で脱硫前処理し、シンダー・スクレイピング後、回転炉で吹錬するステップと、
S2.上下複合吹替法で吹錬し、ニッケル、銅、モリブデン合金をスクラップ鋼とともに回転炉に添加し、回転炉から鋼を排出し強脱酸モードにより脱酸し、回転路で精錬した後、アルミニウム含有量が0.030%~0.050%、硫黄含有量≦0.010%を満たすようにするステップと、
S3.溶鋼がLF炉に達した後、スチールレイドルを調整して底部からアルゴンガスを吹き込み、アルゴンガス流量を300NL/min~380NL/minとし、電源投入して昇温させ、石灰とアルミニウム線を使用してスラッグし、ホワイトスラグ後、サンプリングして分析し、試料に応じて石灰とアルミニウム線を継続的に添加して脱硫し、脱硫後、合金化処理し、合金化後、溶鋼酸素固定操作を行い、酸素含有量≦5ppm、酸素固定後、マグネシウムアルミニウム複合合金を使用して沈殿・脱酸を行い、溶鋼をRHに持ち上げて真空処理を行うステップと、
S4.溶鋼がRHに達した後、真空処理し、真空保持時間を8min~12minとし、真空処理後、連続鋳造に持ち上げてキャスティングするステップと、
S5.連続鋳造ではパージアッパーノズルを採用し、スムーズなキャスティングを確保し、電磁攪拌およびダイナミックソフトリダクションを採用し、ビレットスタックを48時間冷却した後、表面品質を検査して要件を満たすように処理するステップと、を含むことを特徴とする耐候性橋梁鋼の製錬方法。
【請求項6】
前記ステップS3において、マグネシウムアルミニウム合金のマグネシウム含有量は20%~30%である、ことを特徴とする請求項5に記載の耐候性橋梁鋼の製錬方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼生産の技術分野に関し、特に、耐候性橋梁鋼およびその製錬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マクロ経済化の進展に伴い、中国は鋼構造橋梁などの交通インフラの建設を精力的に推進し、橋梁構造物の製品量が急増している。北京-上海高速、海峡横断、河川横断橋は鋼構造を採用し、地下鉄、軽電鉄プロジェクト、都市の陸橋、高架橋、環境保護プロジェクト、都市の公共施設は個人の安全に関連しているため、橋梁構造用鋼は製品の品質に対する要求がますます厳しくなっており、橋梁用鋼の溶鋼純度および溶接性は、製品が重要な国家プロジェクトを満たすかどうかのカギである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、上記技術的問題を解決し、先行技術の欠点を克服するための耐候性橋梁鋼を提供し、その化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.080%、Si:0.10%~0.40%、Mn:1.50%~1.80%、P≦0.015%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.050%、V:0.005%~0.050%、Ti:0.006%~0.020%、Cr:0.20%~0.80%、Ni:0.05%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.015%、Mg:0.0008%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0004】
本発明のさらなる技術的解決策は以下の通りである。
【0005】
前記耐候性橋梁鋼は、その化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.050%、Si:0.10%~0.20%、Mn:1.50%~1.70%、P≦0.013%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.040%、V:0.005%~0.030%、Ti:0.006%~0.018%、Cr:0.20%~0.50%、Ni:0.05%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.013%、Mg:0.0008%~0.0013%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0006】
前記耐候性橋梁鋼は、その化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.050%~0.070%、Si:0.20%~0.30%、Mn:1.60%~1.70%、P≦0.014%、S≦0.0010%、Nb:0.035%~0.045%、V:0.020%~0.040%、Ti:0.009%~0.020%、Cr:0.40%~0.60%、Ni:0.10%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.10%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.008%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0007】
前記耐候性橋梁鋼は、その化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.060%~0.080%、Si:0.30%~0.40%、Mn:1.60%~1.80%、P≦0.012%、S≦0.0010%、Nb:0.040%~0.050%、V:0.030%~0.050%、Ti:0.010%~0.020%、Cr:0.60%~0.80%、Ni:0.15%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.15%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.010%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、耐候性橋梁鋼の製錬方法を提供することであり、
S1.鎔鉄をKR法で脱硫前処理し、シンダー・スクレイピング後、回転炉で吹錬するステップと、
S2.上下複合吹替法で吹錬し、ニッケル、銅、モリブデン合金をスクラップ鋼とともに回転炉に添加し、回転炉から鋼を排出し強脱酸モードにより脱酸し、回転路で精錬した後、アルミニウム含有量が0.030%~0.050%、硫黄含有量≦0.010%を満たすようにするステップと、
S3.溶鋼がLF炉に達した後、スチールレイドルを調整して底部からアルゴンガスを吹き込み、アルゴンガス流量を300NL/min~380NL/minとし、電源投入して昇温させ、石灰とアルミニウム線を使用してスラッグし、ホワイトスラグ後、サンプリングして分析し、試料に応じて石灰とアルミニウム線を継続的に添加して脱硫し、脱硫後、合金化処理し、合金化後、溶鋼酸素固定操作を行い、酸素含有量≦5ppm、酸素固定後、マグネシウムアルミニウム複合合金を使用して沈殿・脱酸を行い、溶鋼をRHに持ち上げて真空処理を行うステップと、
S4.溶鋼がRHに達した後、真空処理し、真空保持時間を8min~12minとし、真空処理後、連続鋳造に持ち上げてキャスティングするステップと、
S5.連続鋳造ではパージアッパーノズルを採用し、スムーズなキャスティングを確保し、電磁攪拌およびダイナミックソフトリダクションを採用し、ビレットスタックを48時間冷却した後、表面品質を検査して要件を満たすように処理するステップと、を含む。
【0009】
前記耐候性橋梁鋼の製錬方法は、ステップS3において、マグネシウムアルミニウム合金のマグネシウム含有量は20%~30%である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0011】
(1)本発明は上下複合吹替回転炉で製錬し、LF+RH精錬で処理し、マグネシウム処理で効果的に介在物を小さくし、橋梁鋼溶鋼の清浄度問題を解決し、マグネシウム元素が溶鋼製錬温度下で蒸気圧が高く融点・沸点が低いという強い化学活性を活用し、マグネシウム処理後、微細拡散のマグネシウム系介在物を生成し、製品の粒径が11級以上に達し、主な組織として針状フェライトを形成し、鋼板の靭性インデックスを改善し、製品の溶接性能を向上させることができる。
【0012】
(2)本発明では、マグネシウムで処理した溶鋼を採用し、鋼中の全酸素含有量が効果的に低減される。
【0013】
(3)本発明では、マグネシウムで処理した溶鋼を採用し、鋼中の硫化マグネシウム長尺介在物を除去し、硫化マグネシウム球状介在物を生成し、溶鋼品質を改善することができる。
【0014】
(4)本発明では、マグネシウムで処理した溶鋼を採用し、微細拡散のナノレベルのMgO・Alスピネルを生成し、微細な介在物が圧延時の組織変換の核となり、針状フェライトを多数形成し、製品の靭性および溶接性能を効果的に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例1]
本実施例が提供する耐候性橋梁鋼は、その化学組成および質量%は以下のとおりである。
C:0.033%、Si:0.33%、Mn:1.73%、P:0.011%、S:0.0010%、Nb:0.0350%、V:0.035%、Ti:0.013%、Cr:0.77%、Ni:0.15%、Mo:0.03%、Cu:0.15%、B:0.0003%、Al:0.013%、Mg:0.0011%、N:0.0036%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0016】
その製錬方法は、
S1.鎔鉄をKR法で脱硫前処理し、シンダー・スクレイピング後、回転炉で吹錬するステップと、
S2.上下複合吹替法で吹錬し、ニッケル、銅、モリブデン合金をスクラップ鋼とともに回転炉に添加し、回転炉から鋼を排出し強脱酸モードにより脱酸し、回転路で精錬した後、アルミニウム含有量が0.042%、硫黄含有量≦0.006%を満たすようにするステップと、
S3.溶鋼がLF炉に達した後、スチールレイドルを調整して底部からアルゴンガスを吹き込み、アルゴンガス流量を360NL/minとし、電源投入して昇温させ、石灰とアルミニウム線を使用してスラッグし、ホワイトスラグ後、サンプリングして分析し、試料に応じて石灰とアルミニウム線を継続的に添加して脱硫し、脱硫後、合金化処理し、合金化後、溶鋼酸素固定操作を行い、酸素含有量を3ppmとし、酸素固定後、マグネシウムアルミニウム複合合金を使用して沈殿・脱酸を行い、マグネシウムアルミニウム合金のマグネシウム含有量は26%であり、溶鋼をRHに持ち上げて真空処理を行うステップと、
S4.溶鋼がRHに達した後、真空処理し、真空保持時間を11minとし、真空処理後、連続鋳造に持ち上げてキャスティングするステップと、
S5.連続鋳造ではパージアッパーノズルを採用し、スムーズなキャスティングを確保し、電磁攪拌およびダイナミックソフトリダクションを採用し、ビレットスタックを48時間冷却した後、表面品質を検査して要件を満たすように処理するステップと、を含む。
【0017】
[実施例2]
本実施例が提供する耐候性橋梁鋼は、実施例1と異なり、その化学組成および質量%は以下のとおりである。
C:0.058%、Si:0.16%、Mn:1.66%、P:0.012%、S:0.0008%、Nb:0.033%、V:0.03%、Ti:0.012%、Cr:0.29%、Ni:0.03%、Mo:0.03%、Cu:0.11%、B:0.0002%、Al:0.010%、Mg:0.0013%、N:0.0041%、残りはFeおよび不可避の不純物である。
【0018】
実施例1と実施例2で得られた鋼板の介在物状況は以下の表に示される。
【0019】
【表1】
【0020】
要約すると、本発明は製品設計を基に、製品設計に基づいて独自の製錬生産プロセスを設計し、従来の介在物形態を変え、マグネシウム脱酸を中心とした新しい製造方法である。大きく有害な介在物を変形させ、10μm以下の微細拡散介在物を得、試験の結果、このような微細拡散介在物は組織変換の過程で良好な核生成点となり、製品は針状フェライトを形成しやすく、製品の粒径が11級以上に達し、製品の靭性を高め、製品の溶接性能を大幅に改善し、橋梁鋼の使用性能を確保することを判明した。
【0021】
上記の実施例に加えて、本発明は他の形態で実施され得る。等価置換または等価変形で形成された技術的解決策は、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0022】
(付記)
(付記1)
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.080%、Si:0.10%~0.40%、Mn:1.50%~1.80%、P≦0.015%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.050%、V:0.005%~0.050%、Ti:0.006%~0.020%、Cr:0.20%~0.80%、Ni:0.05%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.015%、Mg:0.0008%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする耐候性橋梁鋼。
【0023】
(付記2)
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.030%~0.050%、Si:0.10%~0.20%、Mn:1.50%~1.70%、P≦0.013%、S≦0.0010%、Nb:0.030%~0.040%、V:0.005%~0.030%、Ti:0.006%~0.018%、Cr:0.20%~0.50%、Ni:0.05%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.05%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.005%~0.013%、Mg:0.0008%~0.0013%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする付記1に記載の耐候性橋梁鋼。
【0024】
(付記3)
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.050%~0.070%、Si:0.20%~0.30%、Mn:1.60%~1.70%、P≦0.014%、S≦0.0010%、Nb:0.035%~0.045%、V:0.020%~0.040%、Ti:0.009%~0.020%、Cr:0.40%~0.60%、Ni:0.10%~0.15%、Mo≦0.05%、Cu:0.10%~0.15%、B≦0.0005%、Al:0.008%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする付記1に記載の耐候性橋梁鋼。
【0025】
(付記4)
化学組成および質量%は以下のとおりであり、C:0.060%~0.080%、Si:0.30%~0.40%、Mn:1.60%~1.80%、P≦0.012%、S≦0.0010%、Nb:0.040%~0.050%、V:0.030%~0.050%、Ti:0.010%~0.020%、Cr:0.60%~0.80%、Ni:0.15%~0.20%、Mo≦0.05%、Cu:0.15%~0.20%、B≦0.0005%、Al:0.010%~0.015%、Mg:0.0010%~0.0015%、N≦0.0050%、残りはFeおよび不可避的不純物である、ことを特徴とする付記1に記載の耐候性橋梁鋼。
【0026】
(付記5)
付記1~4のいずれか1つに適用される耐候性橋梁鋼の製錬方法であって、
S1.鎔鉄をKR法で脱硫前処理し、シンダー・スクレイピング後、回転炉で吹錬するステップと、
S2.上下複合吹替法で吹錬し、ニッケル、銅、モリブデン合金をスクラップ鋼とともに回転炉に添加し、回転炉から鋼を排出し強脱酸モードにより脱酸し、回転路で精錬した後、アルミニウム含有量が0.030%~0.050%、硫黄含有量≦0.010%を満たすようにするステップと、
S3.溶鋼がLF炉に達した後、スチールレイドルを調整して底部からアルゴンガスを吹き込み、アルゴンガス流量を300NL/min~380NL/minとし、電源投入して昇温させ、石灰とアルミニウム線を使用してスラッグし、ホワイトスラグ後、サンプリングして分析し、試料に応じて石灰とアルミニウム線を継続的に添加して脱硫し、脱硫後、合金化処理し、合金化後、溶鋼酸素固定操作を行い、酸素含有量≦5ppm、酸素固定後、マグネシウムアルミニウム複合合金を使用して沈殿・脱酸を行い、溶鋼をRHに持ち上げて真空処理を行うステップと、
S4.溶鋼がRHに達した後、真空処理し、真空保持時間を8min~12minとし、真空処理後、連続鋳造に持ち上げてキャスティングするステップと、
S5.連続鋳造ではパージアッパーノズルを採用し、スムーズなキャスティングを確保し、電磁攪拌およびダイナミックソフトリダクションを採用し、ビレットスタックを48時間冷却した後、表面品質を検査して要件を満たすように処理するステップと、を含むことを特徴とする耐候性橋梁鋼の製錬方法。
【0027】
(付記6)
前記ステップS3において、マグネシウムアルミニウム合金のマグネシウム含有量は20%~30%である、ことを特徴とする付記5に記載の耐候性橋梁鋼の製錬方法。

【国際調査報告】