(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】加湿機システム及び加湿機システムを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
F24F 6/02 20060101AFI20240116BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20240116BHJP
F24F 6/12 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
F24F6/02
F24F6/00 A
F24F6/00 E
F24F6/12
F24F6/00 D
F24F6/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539375
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2021064761
(87)【国際公開番号】W WO2022140492
(87)【国際公開日】2022-06-30
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523238210
【氏名又は名称】ドクター ノゼ ベスト、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガウディ、スティーブン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ライネケ、リチャード シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンメル、ニコラス
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB00
3L055DA03
3L055DA11
(57)【要約】
本明細書においては、予め定められた領域内の予め定められた微小環境における小気候を調整するための加湿機デバイス及びシステムが開示される。システムは加湿機デバイスを含み、加湿機デバイスは、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源と、複数のセンサであって、個々のセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、構成要素を収容するための専用ハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクとを有する。システムは、異なる所定の位置に配置することができるセンサを使用することができ、また、位置データを使用した、また、湿度を制御し、且つ、小気候を調整するための様々なセンサからの検出されたデータを使用した予測分析などの技術を使用することができる。また、本明細書においては、開示される加湿機デバイス及びシステムを使用するための方法が同じく開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた空間の一部を含む予め定められたターゲット微小環境における小気候を制御するための加湿機デバイスであって、前記加湿機デバイスは、
湿度ユニットであって、
水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び
空気流を生成するように構成された空気流源
を備える湿度ユニットと、
複数のセンサであって、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサが絶対湿度データ又は温度データのうちの少なくとも1つを測定するように構成されている、複数のセンサと、
前記湿度ユニットの動作を制御するために前記湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、
前記湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、
前記ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクと
を備え、
前記加湿機デバイスは、湿気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、前記加湿空気は所定の部分における相対湿度を制御するように構成され、前記加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成されている、加湿機デバイス。
【請求項2】
予め定められた空間の予め定められたターゲット微小環境部分における小気候を制御するためのシステムであって、前記システムは、
加湿機デバイスを備え、前記加湿機デバイスは、
水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備えた湿度ユニットであって、
所定の部分における相対湿度を制御するために、前記蒸気源及び前記空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、前記加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成されている
湿度ユニットと、
複数のセンサであって、個々のセンサが絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成されている、複数のセンサと、
前記湿度ユニットの動作を制御するために前記湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、
前記湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、
前記ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクと
を備える、システム。
【請求項3】
前記予め定められた微小環境部分が、小気候を有する定められた微小環境である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記予め定められた部分が、前記予め定められた空間内に配置された小気候を有する定められた微小環境体積である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記蒸気源と前記タンクの間を流体連絡するポンプを更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプが、前記流体を前記タンクから前記蒸気源へ、また、前記蒸気源から前記タンクへ移動させるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記ポンプが所定の量の流体を前記蒸気源へ輸送するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポンプが、所望の水蒸気生成の量に対応する所定の量の流体を前記蒸気源へ輸送するように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ポンプが、過剰流体を前記蒸気源から前記タンクへ輸送して戻すように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記ポンプが、前記蒸気源がオフにされると、流体を前記蒸気源から前記タンクへ輸送して戻すように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記ポンプが、前記蒸気源が水蒸気を生成していない場合、停滞流体を前記蒸気源から除去して前記タンクへ戻すように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ポンプが蠕動ポンプである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記蒸気源の中の流体の体積を決定するように構成された流体レベル・センサを更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体レベル・センサが、所定の体積の水蒸気の生成を許容するのに有効な十分な体積の流体が前記蒸気源の中に存在しているかどうかを決定するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記流体レベル・センサ及び前記ポンプが、協働して流体を前記蒸気源と前記タンクの間で輸送する、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体レベル・センサ及び前記ポンプが、前記蒸気源がオフにされるか、又は水蒸気を生成していない場合、協働して流体を前記蒸気源から前記タンクへ輸送して戻す、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記流体レベル・センサ及び前記ポンプが、前記蒸気源がオフにされると、協働して流体を前記蒸気源から前記タンクへ輸送して戻す、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記流体レベル・センサが、前記ポンプが前記蒸気源を流体で溢れさせるのを防止するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記流体レベル・センサが、抵抗ラダー及びノイズ除去コンデンサによって接続された変換器の後方に複数のワイヤ・プローブを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記タンクの設置状態を決定するように構成されたタンク・スイッチを更に備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記タンク・スイッチが、前記タンクが機械の中に完全に挿入されると偏向するローラ・アームを有する押しボタン・スイッチを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも2つのセンサが異なる所定の位置に配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも2つのセンサが共有平面に沿った異なる所定の位置に配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
少なくとも2つのセンサが前記出力軸の後方の共有平面に沿った異なる所定の位置に配置されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記ハウジングから遠隔に配置された少なくとも1つの遠隔センサを更に備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
ブースト・レール電圧センサ、変換器正弦波振幅センサ又はファン電流センサ或いはそれらの組合せのうちの1つ又は複数から選択される少なくとも1つの追加センサを更に備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記蒸気源が前記タンクの中の流体と動作連絡している、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記蒸気源が前記タンクからの前記流体を霧状にするように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記蒸気源が、停滞した流体溜りを必要とすることなく水蒸気を生成するように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
水蒸気を生成するために使用される前記蒸気源及び流体源が離れた場所に存在する、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記蒸気源が、アクチュエータ又は変換器、或いはそれらの組合せを備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記蒸気源が、流体から微細なミストを生成するように構成された変換器を備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記蒸気源が、停滞した流体溜りがなくても微細なミストを生成するように構成された変換器を備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記蒸気源が、停滞した流体溜りの中に沈められることなく微細なミストを生成するように構成された変換器を備える、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記蒸気源がメッシュ変換器を備える、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記メッシュ変換器がメッシュ・ディスクを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記メッシュ変換器が圧電セラミック・メッシュ・ディスクを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記メッシュ・ディスクは、前記メッシュ・ディスクの両端間に電圧が印加されると、ある方向に一時的に変形することができる、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記メッシュ・ディスクが、前記タンクからの前記流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された孔を備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記メッシュ・ディスクが、前記タンクからの前記流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された約6umから約15umまでの孔を備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記孔が約1μmから約40μmまでである、請求項36に記載のシステム。
【請求項42】
前記孔が約6μmから約15μmまでである、請求項36に記載のシステム。
【請求項43】
前記孔が約8μmから約18μmまでである、請求項36に記載のシステム。
【請求項44】
前記孔が約18μmから約30μmまでである、請求項36に記載のシステム。
【請求項45】
前記圧電セラミック・メッシュ・ディスクが、前記流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を周期発振波入力から生成するように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項46】
前記圧電セラミック・メッシュ・ディスクが、前記流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を正弦波入力から生成するように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項47】
前記アクチュエータが、可変振幅、固定周波数、可変振幅、周波数又はデューティ・サイクル、等々の波形を使用する、請求項36に記載のシステム。
【請求項48】
前記メッシュ変換器が、前記タンクの中の前記流体と外部の空気の間に置かれるように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項49】
蒸気源配置が、カビの蓄積を防止することになる、前記タンクを除く機械の中のあらゆる場所における停滞水を除去するように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項50】
前記空気流源が、所定の流路に沿って、所定の速度で水蒸気を推進する、又は移動させるのに有効な空気流を生成することができる、請求項36に記載のシステム。
【請求項51】
前記流路が放物線の弧を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項52】
前記空気流源がDCファンである、請求項36に記載のシステム。
【請求項53】
前記小気候が湿度である、請求項36に記載のシステム。
【請求項54】
前記予め定められた微小環境部分が小児用寝台である、請求項36に記載のシステム。
【請求項55】
1つ又は複数のセンサに関連するデータに少なくとも基づいて前記予め定められた部分までの固定ターゲット距離が測定され、又は決定される、請求項36に記載のシステム。
【請求項56】
少なくとも2つのセンサに関連するデータに少なくとも基づいて前記予め定められた部分までの固定ターゲット距離が測定され、又は決定される、請求項36に記載のシステム。
【請求項57】
ターゲットの予め定められた部分の相対湿度レベルが人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される、請求項36に記載のシステム。
【請求項58】
前記センサが湿度データ及び温度データを測定するように構成されている、請求項36に記載のシステム。
【請求項59】
測定された湿度データ及び温度データを使用して相対湿度(RH)レベルが決定される、請求項36に記載のシステム。
【請求項60】
測定された湿度データ及び温度データは低域通過フィルタの使用を更に含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項61】
決定された相対湿度(RH)レベルは、前記複数のセンサからの測定された湿度データ及び温度データの平均を含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記複数のセンサが前記制御ユニットと動作連絡している、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記システムが、複数のポイントにおける複数の湿度データ及び温度データを検出するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記複数のセンサが第1のセンサ及び第2のセンサを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項65】
前記システムが2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項66】
前記システムが、第1のセンサ及び第2のセンサを使用して、2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項67】
前記湿度源の動作の制御が前記複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づく、請求項61に記載のシステム。
【請求項68】
前記制御ユニットが、前記湿度ユニットの動作を制御するために前記湿度ユニットと動作連絡している、請求項61に記載のシステム。
【請求項69】
前記制御ユニットが、前記蒸気源又は空気流源或いはそれらの組合せの動作を制御するために、前記蒸気源及び/又は空気流源と動作連絡している、請求項61に記載のシステム。
【請求項70】
前記蒸気源及び/又は空気流源の動作の制御が、前記複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づく、請求項61に記載のシステム。
【請求項71】
前記制御ユニットがマイクロコントローラを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項72】
前記制御ユニットが、アンチ-ワインドアップ考察による比例積分コントローラを備える、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記システムが、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、検出されたRH値とプログラムされた知識ベースとを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項74】
前記システムが、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、検出されたRH値と、1つ又は複数のセンサ同士の間の距離、1つ又は複数のセンサと固定ターゲットの間の距離、又は固定ターゲット距離のうちの少なくとも1つのプログラムされた知識とを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項75】
前記システムが、前記予め定められた空間の前記予め定められた部分におけるRHレベルを予測するために、2つの検出されたRH値と、固定ターゲット距離と共に前記第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識とを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項76】
ターゲット距離がBluetooth又はRFによって測定されたセンサ位置データを使用して決定される、請求項61に記載のシステム。
【請求項77】
前記システムが、前記湿度ユニットを制御するために、前記予め定められた空間の前記所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項78】
前記システムが、湿度出力のレートを制御するために、前記予め定められた空間の前記所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項79】
前記システムが、蒸気/湿気の量及び/又は前記湿度ユニットから出力される前記加湿空気の空気流量を制御するために、前記予め定められた空間の前記予め定められた部分における予測されたRHレベルを使用するように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項80】
前記相対湿度レベル及び/又はターゲット距離が、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される、請求項61に記載のシステム。
【請求項81】
前記システムが、水をより効果的に使用することができ、同じタンク容量に対してより長いランタイムをもたらすことができ、また、湿度レベルが高くなりすぎる、又は低くなりすぎる負の影響を回避することができ、部屋の中でカビが成長する傾向を回避することができ、また、呼吸不快を回避することができるように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項82】
前記ハウジングが、前記加湿空気の出力方向を制御するように構成された回転出力ヘッドを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項83】
前記加湿空気の出力方向が前記出力軸に対応する、請求項61に記載のシステム。
【請求項84】
前記出力ヘッドが、前記出力方向を制御するためにユーザが軸の周りに回転させるように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項85】
前記ハウジングが、前記所定の流路に沿って前記加湿空気を運ぶように構成された出力シャフトを備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項86】
前記出力シャフトが前記出力ヘッドに接続されている、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記出力シャフトが容易にアクセスするためのアクセス・ドアを備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項88】
前記出力シャフトが、洗浄のためにより容易に出力シャフトにアクセスすることができるよう、開くことができるアクセス・ドアを前面に備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項89】
前記タンクが取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能である、請求項61に記載のシステム。
【請求項90】
前記タンクが、小さい、到達が困難なクレバスを備えていない、請求項61に記載のシステム。
【請求項91】
前記タンクが、ユーザが水レベルを視覚的に検証することができるよう、透明な材料から構築されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項92】
前記デバイスが、ユーザが前記タンクを取り外すまで水が漏れないよう、前記タンクを所定の位置に固定するように構成されたタンク・インタフェース構成要素を備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項93】
前記システム又はデバイスが、前記タンク内の、前記流体と自由空気の境界に前記変換器を位置決めするように構成されている、請求項61に記載のシステム。
【請求項94】
前記予め定められたターゲット微小環境又は部分が、定められた体積を有する空間の一部である、請求項61に記載のシステム。
【請求項95】
前記予め定められたターゲット微小環境又は部分が前記空間の体積より小さい体積を有する、請求項61に記載のシステム。
【請求項96】
予め定められた領域の予め定められたターゲット微小環境又は部分が小児用寝台である、請求項61に記載のシステム。
【請求項97】
システム又はデバイスは、前記予め定められた空間の前記予め定められた部分内に小気候を作り出すのに有効である、請求項61に記載のシステム。
【請求項98】
システム又はデバイスは、保育室又は部屋の中に配置された小児用寝台内に小気候を作り出すのに有効である、請求項61に記載のシステム。
【請求項99】
予め定められた空間の一部を備える予め定められたターゲット微小環境内の湿度又は小気候を制御する方法であって、
a.請求項1から98までのいずれかの加湿機デバイス又はシステムからの出力を前記予め定められた空間内の前記予め定められたターゲット微小環境に向かって位置決めするステップと、
b.前記加湿機デバイス中の複数のセンサからの検出された湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づいてターゲット部分の相対湿度レベルを決定するステップと、
c.加湿空気を前記予め定められた流路に従って前記ターゲット微小環境の中に出力するために、前記蒸気源からの蒸気生成及び前記空気流源からの空気流生成を起動するステップと、
d.前記ターゲット微小環境の決定された相対湿度レベルに少なくとも基づいて、前記蒸気源からの蒸気生成の量及び/又は前記空気源からの空気流量を調整するステップと、
e.前記ターゲット微小環境における所定の湿度基準を満たすと、前記蒸気源からの蒸気生成及び/又は前記空気源からの空気流生成の起動を解除するステップと
を含む方法。
【請求項100】
前記ターゲット微小環境の相対湿度レベルが、2つの検出されたRH値と、前記予め定められたターゲット部分までの固定ターゲット距離と共に第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識とに少なくとも基づく、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記所定の湿度基準が約30%から約60%までの範囲の相対湿度レベルである、請求項99又は100に記載の方法。
【請求項102】
前記固定ターゲット距離が、前記システムによって、1つ又は複数のセンサに関連するデータに少なくとも基づいて測定され、又は決定される、請求項99から101までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記固定ターゲット距離がユーザによって前記デバイスに入力される、請求項99から102までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記ターゲット部分の相対湿度レベルが、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される、請求項99から103までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
蒸気生成体積、蒸気生成継続期間、空気流継続期間及び/又は空気流量が、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される、請求項99から104までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
蒸気生成及び空気流生成が、開示されている制御戦略を使用して前記制御ユニットによって制御される、請求項99から105までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2020年12月21日に出願した米国仮特許出願第63/128,480号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、保育室に配置される小児用寝台などの予め定められた領域における湿度を制御するためのデバイス、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
湿度は、様々な面で子供の健康に対して重大な影響を有し得る。例えば風邪の発生頻度がより高く、また、熱の使用のためにより乾燥した室内空気が存在する冬の数カ月の間、湿度はとりわけ重要である。そのため、低い湿度は呼吸器感染及び皮膚感染の増加と関連付けられ、一方、高い湿度はイエダニ及びカビの原因になり得る。更に、一歳未満の乳児は口で呼吸することができないため、理想的な湿度レベルを維持することは、乳児にとってはとりわけ重要である。乳児の呼吸を補助するために、多くの親は加湿機を購入している。しかしながら現在の加湿機には、それには限定されないが、小児用寝台などの部屋の予め定められた領域を調整し、その一方で、加湿機の使用に関連する停滞水又は溜まり水からのカビの成長を最小にする能力を始めとする、現時点では対処されていない重大な欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、個人が容易に設置し、展開し、且つ、保育室の小児用寝台などの部屋の特定の部分の湿度を調整することができる、予め定められた領域のための改良型加湿機デバイス及びシステムが依然として必要である。このような加湿機デバイス及びシステムは、取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能なタンクを備えていることが好ましく、また、加湿機内の停滞水又は蓄積水に関連するカビの成長を除去するか、又は実質的に除去する設計を備えていることが好ましいであろう。この必要性及び他の必要性は、本開示の様々な態様によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書において具体化され、また、広義に説明される本発明の目的によれば、本発明は、一態様では、保育室の小児用寝台などの予め定められた領域の特定の部分の湿度を調整する加湿機デバイス及びシステム並びに方法に関している。この簡単な概要は、以下の発明を実施するための形態で更に説明される単純化された形態で概念の選択を紹介するために提供されている。この簡単な概要には、特許請求される主題のキーとなる特徴又は本質的な特徴を識別することは意図されていない。また、この簡単な概要には、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図されていない。
【0006】
別の例示的態様では、本発明は加湿機デバイスに関しており、加湿機デバイスは、湿度ユニットであって、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備える湿度ユニットと、複数のセンサであって、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、絶対湿度データ又は温度データのうちの少なくとも1つを測定するように構成される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備え、加湿機デバイスは、湿気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、加湿空気は所定の部分における相対湿度を制御するように構成され、加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成される。
【0007】
別の態様では、本発明は、予め定められた空間の予め定められた微小環境部分における小気候を制御するためのシステムに関しており、システムは加湿機デバイスを備え、加湿機デバイスは、湿度ユニットであって、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備え、湿度ユニットは、所定の部分における相対湿度を制御するために、蒸気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成される、湿度ユニットと、複数のセンサであって、個々のセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備える。
【0008】
別の態様では、本発明は加湿機デバイスに関しており、加湿機デバイスは、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、空気流を生成するように構成された空気流源、複数のセンサを備えるセンサ・アレイと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、デバイス構成要素を収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備える。
【0009】
他の態様では、センサは、出力軸に対応する共有平面に沿った異なる所定の位置に配置することができる。更に他の態様では、加湿機デバイス及びシステムは、蒸気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成し、また、所定の部分における相対湿度を制御するように構成することができる。そのために、システム及びデバイスは、それらに限定されないが、人工知能(AI:artificial intelligence)、機械学習技術、予測モデル化及び/又は様々なアルゴリズムを含む様々な技術を利用して、所定のターゲット部分の小気候を制御し、且つ、調整することができる。
【0010】
他の態様では、本発明は、開示される加湿機装置、デバイス及びシステム、並びに開示される装置、デバイス及びシステムを備えるキットを構築し、且つ、使用するための方法に同じく関している。
【0011】
本発明の追加態様は、部分的には以下の説明の中で示され、また、部分的にはその説明から明らかであり、或いは本発明を実践することによって学習され得る。本発明の利点は、とりわけ添付の特許請求の範囲で指摘されている要素及び組合せによって実現され、獲得されることになる。上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも例示的で、且つ、説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。更に、特徴又は変形形態は、本明細書において示されている特徴又は変形形態に追加して提供され得る。例えば実施例は、詳細な説明の中で説明されている様々な特徴の組合せ及び副組合せを対象とすることができる。
【0012】
本開示に組み込まれ、本開示の一部を構成している添付の図面は本発明のいくつかの態様を示したものであり、説明と相俟って、本発明の原理を説明する働きをしている。図面は、本出願人が所有している様々な商標及び版権の表現を含むことができる。更に、図面は、第三者が所有している、単に例証目的で使用されている他の商標を含むことも可能である。本明細書において表現されている様々な商標及び版権に対するすべての権利は、それらのそれぞれの所有者に属している商標及び版権を除き、本出願人に付与され、本出願人の財産である。本出願人は、本明細書に含まれているその商標及び版権におけるあらゆる権利を保持し、保留しており、また、承認された特許の複製に関連してのみ、要素の複製に対する許可を付与し、それ以外の目的では付与しない。
【0013】
更に、図面は、本開示の特定の実施例を説明することができる文章又は添書きを含むことができる。この文章は例証のために含まれており、本開示において詳細に説明される特定の実施例を非限定的に説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムを示す図である。
【
図2】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムの湿度ユニットを示す図である。
【
図3】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムの蒸気源を示す図である。
【
図4】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムの空気流源を示す図である。
【
図5】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムの蒸気源を示す図である。
【
図6】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムのポンプを示す図である。
【
図7】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムを示す図である。
【
図8】本開示の実施例による加湿機デバイス及びシステムのアクセス・ドアを示す図である。
【
図9A】本開示の別の実施例による加湿機デバイス及びシステムにおける、湿度を調整するための線図である。
【
図9B】本開示の別の実施例による加湿機デバイス及びシステムにおける、湿度を調整するための線図である。
【
図10】本開示の実施例による、開示される加湿機システムを使用して湿度を調整するための方法のフローチャートである。
【
図11】本発明の別の例示的実施例による、開示されるデバイスの動作を可能にするための計算デバイスを含むシステムの線図である。
【
図12A】本開示の実施例を有する試験環境における加湿機デバイスを示す図である。
【
図12B】本開示の実施例を有する試験環境における加湿機デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、本発明についての以下の詳細な説明、及びその説明の中に含まれている実例を参照することによってより容易に理解され得る。
【0016】
本物品、システム、デバイス及び/又は方法を開示し、説明する前に、特に明記されていない限り、それらは特定の製造方法に限定されず、或いは特に明記されていない限り、特定の材料に限定されず、したがって当然、変更することができることを理解されたい。また、本明細書において使用されている専門用語は、単に特定の態様を説明するためのものにすぎず、限定することは意図されていないことを同じく理解されたい。本発明の実践又は本発明の試験には、本明細書において説明されている方法及び材料と同様であるか、或いはそれらと等価の任意の方法及び材料を使用することができるが、以下、例示的方法及び材料について説明する。
【0017】
更に、明確に言及されていない限り、本明細書において示されている方法は、すべて、特定の順序でそのステップを実施しなければならないものとして解釈されることは一切意図されていないことを理解されたい。したがってそのステップが従うべき順序を方法請求項が実際に記載していないか、或いはさもなければステップが特定の順序に限定されることが請求項又は説明に明確に言及されていない場合、いかなる点においても順序が暗示されることは意図されていない。これは、ステップ又は操作の流れの配置に関する論理の問題、文法的構成又は句読法から誘導される平易な意味、及び明細書において説明されている態様の数又はタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能非発現根拠についても同様である。
【0018】
本明細書において言及されているすべての刊行物は、記載されているその刊行物に関連して方法及び/又は材料を開示し、説明するために、参照により本明細書に組み込まれている。
【0019】
A.定義
また、本明細書において使用されている専門用語は、単に特定の態様を説明するためのものにすぎず、限定することは意図されていないことを同じく理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲に使用されているように、「備える」という用語は、「~からなる」態様及び「本質的に~からなる」態様を含むことができる。特に定義されていない限り、本明細書において使用されているすべての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属している当業者に広く理解されている意味と同じ意味を有している。以下の本明細書及び特許請求の範囲では、本明細書において定義されることになる多くの用語が参照されることになる。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されているように、単数形の表現及び先行名詞を表す表現には、そうではないことを文脈が明確に示していない限り、複数形の内容を含む。したがって例えば「1つの脚」の内容は2つ以上の脚を含む。
【0021】
範囲は、本明細書においては、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値までとして表現することができる。このような範囲が表現されると、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」を使用することによって近似値として値が表現される場合、特定の値が別の態様を形成することは理解されよう。更に、範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、また、他の端点には無関係のいずれにおいても重要であることは理解されよう。また、本明細書において開示される多くの値が存在すること、及び個々の値は、同じく本明細書においては、その値自体に加えて、その特定の値の「約」として開示されることが同じく理解される。例えば値「10」が開示される場合、「約10」が同じく開示される。また、2つの特定のユニットの間の個々のユニットが同じく開示されることが同じく理解される。例えば10及び15が開示されると、11、12、13及び14が同じく開示される。
【0022】
本明細書において使用されているように、「約」及び「における又は約」という用語は、当該量又は当該値は、近似的に、或いは概ね同様に何らかの他の値を指定した値であり得ることを意味している。それは、一般に、本明細書において使用されているように、特に指示されていない限り、或いは特に暗示されていない限り、±10%の変化量で指示された公暗示称値であることが理解される。この用語には、同様の値は、請求項に記載されている等価の結果又は効果を促進することを伝えることが意図されている。即ち、量、サイズ、公式化、パラメータ並びに他の量及び特性は厳密ではなく、また、厳密である必要はなく、必要に応じて、尤度、変換係数、丸め込み、測定誤差、等々、及び当業者に知られている他の要因を反映する近似値であっても、及び/又はもっと大きくても、或いはもっと小さくてもよいことが理解される。一般に、量、サイズ、公式化、パラメータ又は他の量或いは特性は、そうであることが明確に言及されていても、或いは明確に言及されていなくても、「約」又は「近似」である。量を表す値の前に「約」が使用されている場合、パラメータは、明確に言及されていない限り、量を表すその特定の値自体を同じく含むことが理解される。
【0023】
「第1の」、「第2の」、「第1の部分」、「第2の部分」、等々という用語は、本明細書において使用される場合、何らかの順序、量又は重要性を表しているのではなく、明確に言及されていない限り、ある要素を別の要素から区別するために使用されている。
【0024】
本明細書において使用されているように、「任意選択の」又は「任意選択で」という用語は、引き続いて説明されている事象又は状況が生じ得る、或いは生じ得ないことを意味し、また、説明は、前記事象又は状況が生じる実例、及び前記事象又は状況が生じない実例を含むことを意味している。例えば「任意選択で表面に貼り付けられる」という語句は、表面に貼り付けることができても、或いは貼り付けることができなくてもよいことを意味している。
【0025】
本発明の開示されるデバイス及びシステムを製造するために使用される材料、構成要素、部品及び/又は要素、並びに本明細書において開示される方法に使用される材料自体が開示される。本明細書においてはこれら及び他の材料が開示され、また、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、グループ、等々が開示される場合、これらの材料の個々の様々な個別及び集合的組合せ及び順列の特定の参照は明確には開示され得ないが、本明細書においてはそれぞれとりわけ企図され、且つ、説明されることが理解される。例えば特定の材料が開示され、且つ、考察され、また、材料に加えることができる多くの修正が考察される場合、材料の個々の及びあらゆる組合せ及び順列がとりわけ企図されており、また、そうではないことが明確に示されていない限りは可能である修正がとりわけ企図されている。したがって材料A、B及びCのクラスが開示され、並びに材料D、E及びFのクラス及び組合せ材料A-Dの実例が開示されると、それぞれ個別に記載されていない場合であっても、それぞれ個別及び集合的に、組合せA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E及びC-Fが考慮され、開示されることを意味することが企図されている。同様に、これらの任意のサブセット又は組合せが同じく開示される。したがって例えばA-E、B-F及びC-Eのサブグループが考慮され、開示されることになる。それには限定されないが、本発明の物品及びデバイスを構築し、且つ、使用する方法のステップを含む、本出願のすべての態様にこの概念を適用する。したがって実施することができる様々な追加ステップが存在する場合、これらの追加ステップの各々は、本発明の方法の任意の特定の態様、又は本発明の方法の態様の組合せを使用して実施することができることが理解される。
【0026】
本明細書において開示されるデバイス及びシステムは特定の機能を有することが理解される。本明細書においては、開示される機能を実施するための特定の構造要求事項が開示され、また、開示される構造に関連付けられ、また、これらの構造が典型的には同じ結果を達成することになる同じ機能を実施することができる様々な構造が存在することが理解される。
【0027】
B.システム概要
上で簡単に説明したように、本開示は、様々な態様では、予め定められた領域に湿度を提供し、及び/又は予め定められた領域における湿度を制御するためのデバイス及びシステムを提供する。この概要は、以下で更に説明される単純化された形態で概念の選択を紹介するために提供されている。この概要には、特許請求される主題のキーとなる特徴又は本質的な特徴を識別することは意図されていない。また、この概要には、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図されていない。
【0028】
一態様では、開示される加湿機デバイス及びシステムは、部屋に設置して展開可能な湿度を提供し、それにより小児用寝台内などの部屋の予め定められた微小環境部分に小気候を創出し、且つ、調整することができる重宝なシステムを提供することができる。加湿機デバイス及びシステムは、所望の湿度レベルを維持するために、一人のユーザによって容易に設置し、展開することができる。他の態様では、本発明は、加湿機デバイスから一定の距離を隔てた予め定められた領域における空気を最適相対湿度(RH:relative humidity)レベルに維持することができる。例えばいくつかの実施例では、本発明は、乳児の保育室に使用して、小児用寝台微小環境を快適な、又は規定された湿度レベルに維持することができる。本発明は、それらに限定されないが、人工知能(AI)、機械学習技術、制御戦略、予測モデル化及び/又は様々なアルゴリズムを含む様々な技術を使用して小気候を制御する。いくつかの態様では、本発明は、閉ループ制御と、エンド・ユーザにおける湿度レベルを予測し、且つ、制御するための様々な技術とを組み合わせることができる。他の態様では、本発明は、ガス拡散力学、ターゲットまでの距離の知識、及びセンサによる部屋の周囲湿度の測定並びにフィルタリングと、エンド・ユーザにおける湿度レベルを予測し、且つ、制御するためのアンチ-ワインドアップ考察による比例積分コントローラとを組み合わせることができる。
【0029】
様々な態様では、本発明は、取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能なタンクからの水を霧状にし、且つ、その霧をファンなどの空気源を使用して、所定の流路に沿ってターゲット領域の方向に向かって空中を推進させることができる。いくつかの態様では、例えば回転出力ヘッドを介してユーザが出力方向を選択することができる。他の態様では、制御ユニットによって出力方向を決定することができ、例えば回転出力ヘッドを介して出力方向を自動的に調整することによって出力方向を決定することができる。更に他の態様では、デバイスは相対湿度(RH)レベルを検出することができ、さもなければ2つ以上のセンサのセンサ位置に対応する1つ又は複数のポイントで検出された湿度データ又は温度データを使用して相対湿度(RH)レベルを決定することができる。例えばデバイスは、固定ターゲット距離と共に、2つのセンサ測値の低域通過フィルタリングされた平均を部屋の周囲相対湿度の値として使用し、蒸気源の出力部における固定湿度密度を使用した定常状態モデル化を使用して、ターゲット領域におけるRHレベルを予測し、且つ、湿度出力のレートを比例的に調整することができる。
【0030】
他の様々な態様では、本発明は、部屋の特定のポイントにおける湿度を制御する能力が不足している多くの既存の加湿機の様々な欠点に対処する。そのために、多くの既存の加湿機は機械上の一点における湿度を検出し、部屋全体がターゲット湿度になるまで水蒸気を出力し、水及びエネルギーを浪費し、或いは調整可能であるのは出力レートのみであり、この調整は部屋の過小湿度又は過大湿度のいずれかをもたらし得る。更に、多くの既存の加湿機は洗浄が困難であり、また、動作中に生成される停滞水又は溜まり水のためにカビが蓄積し易い。本明細書において開示されるように、本発明の様々な実施例は、皿洗い機による洗浄が可能な取外し可能水タンクを有すること、水が溜まり、或いは蓄積し得るデバイス中の到達不可能な微小クレバスを除去し、或いは実質的に除去すること、及び湿度ユニット中のあらゆる液体を水蒸気として放出するか、或いは貯蔵するために液体をタンクの中に輸送して戻す制御戦略を実現すること、のうちの1つ又は複数によってこれらの欠点に対処することができる。他の態様では、デバイス中に停滞水が存在するのはタンクの中だけであり、これは、ユーザが皿洗い機の中に置くことができないデバイス構成要素中におけるカビの成長を防止することができる。更に、本発明の様々な実施例は、容易に洗浄することができるよう、湿度ユニット、蒸気源、及び/又は変換器、アクチュエータなどの内部部分、及び/又はハウジング中の出力構成要素にアクセスするためにユーザが使用することができるドア又はアクセス可能開口を含むことができる。
【0031】
様々な他の態様では、本開示は、少なくとも1つの湿度ユニットを備える湿度デバイスを備える加湿機システムを提供する。湿度ユニットは、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備えることができる。湿度ユニットは、例えば蒸気源及び空気流源を調整することによって部屋の所定の部分における相対湿度を制御するための加湿空気を生成するように構成することができる。生成される加湿空気は、出力軸に沿ってターゲット・ポイントに向かう所定の流路を移動するように構成することができる。他の態様では、湿度デバイスは複数のセンサを備えることができる。少なくとも1つのセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成することができる。更に他の態様では、個々のセンサは異なる所定の位置に配置される。更に他の態様では、湿度デバイスは、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットを備えることができる。更に他の態様では、湿度デバイスは、加湿機ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットなどのデバイス構成要素を収容するためのハウジングを含むことができる。更に他の態様では、湿度デバイスは、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクを備えることができる。タンクは、霧、湿気又は水蒸気、等々を生成するための水などの流体を収容するように構成することができる。
【0032】
一態様では、本開示は加湿機デバイスを提供し、加湿機デバイスは、湿度ユニットであって、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、空気流を生成するように構成された空気流源を備える湿度ユニットと、複数のセンサであって、個々のセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成され、個々のセンサは、共有平面に沿った異なる所定の位置に配置される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、デバイス構成要素を収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備える。他の態様では、加湿機デバイスは、蒸気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成することができ、また、所定の部分における相対湿度を制御するように構成することができる。
【0033】
他の態様では、湿度デバイスは、蒸気源とタンクの間を流体連絡している少なくとも1つのポンプを更に備えることができる。ポンプは、タンクから蒸気源へ、また、蒸気源からタンクへ流体を移動させるように構成することができる。ポンプは、所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように構成することができる。更に他の態様では、ポンプは、所望の水蒸気生成の量に対応する所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように構成することができる。更に他の態様では、ポンプは、過剰流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成することができる。更に他の態様では、ポンプは、蒸気源がオフにされると、流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成することができる。ポンプは、蒸気源が水蒸気を生成していない場合、停滞流体を蒸気源から除去してタンクへ戻すように構成することができる。いくつかの態様では、ポンプは蠕動ポンプである。
【0034】
他の態様では、湿度デバイスは、蒸気源の中の流体の体積を決定するように構成された少なくとも1つの流体レベル・センサ(本明細書においては水レベル・センサとよぶことも可能である)を更に備えることができる。流体レベル・センサは、所定の体積の水蒸気の生成を許容するのに有効な十分な体積の流体が蒸気源の中に存在しているかどうかを決定するように構成することができる。更に他の態様では、流体レベル・センサ及びポンプは、協働して蒸気源とタンクの間で流体を輸送することができる。更に他の態様では、流体レベル・センサ及びポンプは、蒸気源がオフにされるか、又は水蒸気を生成していない場合、協働して流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すことができる。更に他の態様では、流体レベル・センサ及びポンプは、蒸気源がオフにされると、協働して流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すことができる。いくつかの態様では、流体レベル・センサは、ポンプが蒸気源を流体で溢れさせるのを防止するように構成することができる。他の態様では、流体レベル・センサは、抵抗ラダー及びノイズ除去コンデンサによって接続された変換器の後方に複数のワイヤ・プローブを備えることができる。
【0035】
他の態様では、湿度デバイスは、タンクの設置状態を決定するように構成されたタンク・スイッチを更に備えることができる。タンク・スイッチは、タンクが機械の中に完全に挿入されると偏向するローラ・アームを有する押しボタン・スイッチを備えることができる。
【0036】
他の態様では、本発明の様々な実施例は、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源又はユニットを備えることができる。更に他の態様では、蒸気源は、水又は他の必要な流体を収容することができるタンク中の流体と流体連絡することができる。更に他の態様では、蒸気源はタンクからの流体を霧状にするように構成することができる。蒸気源は、停滞した流体溜りを必要とすることなく水蒸気を生成するように構成することができる。
【0037】
様々な態様では、蒸気源はアクチュエータ及び/又は変換器を備えることができる。変換器は、流体から微細なミストを生成するように構成することができる。蒸気源は、停滞した流体溜りがなくても微細なミストを生成するように構成された変換器を備えることができる。そのために、蒸気源及び流体源は、例えば水蒸気を生成するために変換器を水溜りの中に置きっぱなしにする必要がないよう、離れた場所に配置することができる。いくつかの態様では、蒸気源は、停滞した流体溜りの中に沈められることなく微細なミストを生成するように構成された変換器からなる。
【0038】
蒸気源はメッシュ変換器を備えることができる。メッシュ変換器は、例えば圧電セラミック・メッシュ・ディスク、等々などを備えることができる。変換器又は圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、圧電セラミック・メッシュ・ディスクの両端間に電圧が印加されると、ある方向に一時的に変形することができる。いくつかの態様では、圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、タンクからの流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された微小孔を備えることができる。微小孔は約1μmから約40μmであってもよく、例えば約1μmから約20μm又は約6μmから約15μmであってもよく、それらの間の任意のサブレンジを含む。圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を正弦波入力から生成するように構成することができる。他の態様では、アクチュエータは様々な出力制御機構を利用することができる。更に他の態様では、アクチュエータは、多くの異なる回路トポロジーによって生成することができる可変振幅、固定周波数正弦波、可変周波数及び/又は可変デューティ・サイクル信号を使用することができる。停滞した水溜りの下方に一定の距離で置かれる従来のキャビテーション変換器の代わりに、本発明の様々な実施例は、タンクの中の流体と外部の空気の間に置かれるように構成されたメッシュ変換器を使用することができる。上記の蒸気源配置は、場合によってはタンクを除く機械の中のあらゆる場所における停滞水を除去するのに有効であり、これは、タンクの外側の領域におけるカビの蓄積を防止することになる。他の態様では、様々な実施例は、蒸気源によって生成された水蒸気をハウジングから運ぶ、又はハウジングから推進するための空気流源又はユニットを備えることができる。更に他の態様では、空気流源は、所定の流路に沿って、所定の速度で水蒸気を推進する、又は移動させることができる。更に他の態様では、空気流源はファン、等々を備えることができ、例えばDCファンを備えることができる。
【0039】
他の態様では、デバイス及びシステムは複数のセンサを備えることができる。更に他の態様では、デバイス及びシステムは、複数のセンサを備えたセンサ・アレイを含むことができる。更に他の態様では、個々のセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成することができる。いくつかの態様では、2つ以上のセンサを例えば共有平面に沿った異なる所定の位置に配置することができる。他の態様では、2つ以上のセンサを出力軸に対応する共有平面に沿った異なる所定の位置に配置することができる。他の態様では、センサは、他のセンサから最短距離で配置することができる。更に他の態様では、1つ又は複数のセンサを蒸気源の出力場所の後方に配置又は位置決めすることができる。更に他の態様では、1つ又は複数のセンサを蒸気源の出力場所の後方の上方に配置又は位置決めすることができる。更に他の態様では、複数のセンサは、蒸気源の出力場所の後方の上方に配置又は位置決めされた2つのセンサからなる。
【0040】
他の態様では、デバイス及びシステムは、領域(例えば部屋)のターゲット部分(例えば小児用寝台)内及び/又はターゲット部分外に配置された1つ又は複数の遠隔センサなどの、出力軸に沿って配置されない追加センサを含むことができる。他の態様では、センサは湿度データ及び温度データの両方を測定するように構成することができる。測定された湿度データ及び温度データを使用して相対湿度(RH)レベルを決定することができる。センサは制御ユニットと動作連絡することができる。他の態様では、システムは、出力軸に沿った複数のポイントにおける複数の相対湿度レベルを検出するように構成することができる。様々な態様では、システムは、複数のセンサを使用して、領域中の、及び/又は出力軸に沿った複数の異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成される。いくつかの実施例では、複数のセンサは第1のセンサ及び第2のセンサを備えることができる。他の実施例では、複数のセンサは、第1のセンサ及び第2のセンサ、及び遠隔の第3又は第4のセンサを備えることができる。他の態様では、システムは、第1のセンサ及び第2のセンサを使用して、出力軸に沿った2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成することができる。更に他の態様では、システムは、遠隔の第3及び/又は第4のセンサを使用して、領域のターゲット部分内及び/又はターゲット部分外の2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成することができる。更に他の態様では、加湿機デバイスの動作を制御しているシステム及びデバイスは、複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づくことができる。湿度データ及び温度データなどの測定されたデータは、低域通過フィルタの使用を更に含むことができる。例えば決定された相対湿度(RH)レベルは、複数のセンサからの測定された湿度データ及び温度データの平均を含むことができる。
【0041】
更に他の態様では、複数のセンサは、ブースト・レール電圧センサ、変換器正弦波振幅センサ又はファン電流センサ或いはそれらの組合せのうちの1つ又は複数から選択される少なくとも1つの追加センサを備えることができる。ブースト・レール電圧センサは、DC/DCブースト変換器の出力における実際の電圧を監視するように構成することができる。いくつかの実施例では、ブースト変換器は開ループ方式で動作する。ブースト変換器IC上の基準ピンの分圧器の底部脚の抵抗は、デジタル加減抵抗器を介して制御することができる。この抵抗を変化させることにより、ブースト変換器がその抵抗の変化に比例してその出力を変化させることが期待され得る。このブーストされた電圧のより緊密な制御を達成するために、いくつかの実施例は、ブースト・レール部分に電圧センサを組み込み、フィードバック制御の形態を実現することができる。そのために、変換器によって放出される水飛沫の量は、変換器の端子の両端間に印加されるAC波形の振幅に比例するため、これは、蒸気出力に関するより多くの情報を許容することになるとされている。他の態様では、変換器正弦波振幅センサは、共振回路の下流側の波形に関する情報を得るために変換器と並列に構成することができる。変換器のフィードバック制御を実現するために使用することができる、放出されるミストの量に関するより良好な知識を可能にすることができるとされている。更に他の態様では、加湿空気の流路の空気流を確立する役割を担っている空気流源(即ちDCファン)をより緊密に制御するためにファン電流センサを組み込むことができる。
【0042】
他の態様では、デバイスは、加湿機デバイス又はユニットの動作を制御するために加湿機デバイス又はユニットと動作連絡している制御ユニットを更に備える。制御ユニットは、蒸気源及び/又は空気流源の動作を制御するために蒸気源及び/又は空気流源と動作連絡することができる。蒸気源及び/又は空気流源の動作の制御は、複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づくことができる。
【0043】
更に他の態様では、制御ユニットは、加湿機デバイス又はユニットを動作させるための少なくとも1つの制御戦略を備えるか、さもなければ使用することができる。制御戦略は、部屋の周囲相対湿度の値として、複数のセンサの出力データ、例えば2つのセンサ測値の低域通過フィルタリングされた平均、及び蒸気源の出力部における固定湿度密度を使用した定常状態におけるモデルを含むことができる。そのために、驚くべきことには、湿度デバイスの制御ユニットは、ターゲット・ポイント(即ち部屋の小児用寝台)までの距離の知識を使用して、ガス拡散の力学及び蒸気出力の経路を指示する空気源速度(即ちファン速度)を使用してターゲット・ポイントの周囲湿度を制御することができることが分かった。他の態様では、制御戦略における空気源出力の出力速度及び/又は水蒸気出力の流路は、放物線の弧としてモデル化することができる。更に他の態様では、制御戦略における空気源速度(即ちファン速度)を計算し、又は決定して、適切なターゲット場所へのミストの送達を保証することができる。
【0044】
更に他の態様では、制御ユニットは、マイクロコントローラ、DC/DC可変ブースト回路、及び/又はアクチュエータを駆動するための発振器回路を備える。制御ユニットは、ユーザと通信するための、及び/又はユーザによるデバイスとの対話を許容するためのユーザ・インタフェースを更に備えることができる。ユーザ・インタフェースは、エンド・ユーザと通信することができ、及び/又はデバイスの1つ又は複数の機能を制御することができる、LCDスクリーン及び/又はスイッチ、ボタン又はダイヤル、等々などの任意のI/Oデバイスを備えることができる。
【0045】
様々な態様では、システム及びデバイスは、異なる演算機能の実施と関連して、それらに限定されないが、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化/分析及び/又は様々なアルゴリズムを含む様々な技術を使用することができる。例えばシステム及びデバイスは、様々なアルゴリズム、予測分析、AI及び機械学習技術を使用してセンサのために部屋を探索し、センサのための場所、及び/又は機械及び/又はハウジング中の統合センサなどの他のセンサに対する距離を決定することができる。本開示の実施例と依然として無矛盾で、システム及びデバイスは、それらが小気候(即ち温度、湿度、等々)を追跡し、及び/又は監視する際にデータを受け取ることができ、その一方で室内の微小環境の1つ又は複数の小気候を制御又は調整することができる。他の態様では、システムは、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、検出されたRH値と、固定ターゲットの所定部分距離と共に2つ以上のセンサ同士の間の距離のプログラムされた知識(例えばユーザが入力した)又は計算された知識(例えばデバイスによって決定された)とを使用するように構成することができる。例えばシステムは、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、2つの検出されたRH値と、固定ターゲット距離(測定され、予測され、或いはユーザによって提供される)と共に、ハウジングの中に位置決めされた第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識とを使用するように構成することができる。システムは、湿度ユニットを制御し、例えば出力される湿度のレートを制御するために、予め定められた空間の所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成することができる。更に他の態様では、システムは、湿度/湿気及び/又は湿度ユニットから出力される加湿空気の空気流量を制御するために、予め定められた空間の所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成することができる。いくつかの実施例では、実時間で検出され、且つ、計算されたデータと、履歴データ及び/又は遠隔センサ及び/又は着用可能センサから検索された生物測定データとを組み合わせることができる。次にこの組合せを使用して、微小環境内の小気候特性及びパターンを識別することができる。このような特性及びパターンは、履歴データに対して予測分析及び/又は機械学習を実施することによって識別することができる。他の実施例では、システムは、小気候状態を決定し、また、微小環境に対して必要な調整を決定することができる予測モデルを構築することができる。
【0046】
そのために、システムは、水をより効果的に使用することができ、同じタンク容量に対してより長いランタイムをもたらすことができ、また、湿度レベルが高くなりすぎる、又は低くなりすぎる負の影響を回避することができ、部屋の中でカビが成長する傾向を回避することができ、また、呼吸不快を回避することができるように構成することができる。
【0047】
他の態様では、本発明は、蒸気源、空気流源、複数のセンサ及び/又は制御ユニットなどの様々な構成要素を収容するためのハウジングを備えることができる。いくつかの実施例では、ハウジングは、加湿空気の出力方向を制御するように構成された回転出力ヘッドを備えることができる。加湿空気の出力方向は出力軸に対応し得る。出力ヘッドは、出力方向を制御するためにユーザが軸の周りに回転させるように構成することができる。いくつかの態様では、出力ヘッドは、出力軸と同じ平面に配置されるように構成されたセンサを有することができる。更に他の態様では、ハウジングは、所定の流路に沿って加湿空気を運ぶように構成された出力シャフトを備えることができる。出力シャフトは出力ヘッドに接続することができ、また、容易にアクセスするためのアクセス・ドアを更に含むことができる。例えばいくつかの態様では、出力シャフトは、洗浄のためにより容易に出力シャフトにアクセスすることができるよう、開くことができるアクセス・ドアを前面に備えることができる。
【0048】
他の態様では、デバイスは、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するための少なくとも1つのタンクを更に備えることができる。タンクはハウジングと取外し可能に結合するように構成することができる。更に他の態様では、タンクは、取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能であってもよい。更に他の態様では、タンクは、小さい、到達が困難なクレバスを備えていない。いくつかの態様では、タンクは、ユーザが水レベルを視覚的に検証することができるよう、透明な材料から構築することができる。更に、システムは、ユーザがタンクを取り外すまで水が漏れないよう、タンクを所定の位置に固定するように構成されたタンク・インタフェース構成要素を使用することができる。そのために、システムは、タンク内の、流体と自由空気の境界に変換器を位置決めするように構成することができる。異なる変換器が使用され、また、タンクの中の水(水中に沈められる場合とは対照的に、水と自由空気の境界の)に対するその異なる場所要求事項のため、システムは水又はカビが蓄積する可能性がより小さい。
【0049】
様々な態様では、例えばサイズ及び寸法などのデバイス構成要素特性及び構成は、意図された領域、個々のユーザの特性及び他の要因を調整して、最適湿度調整を達成するように構成することができる。他の態様では、デバイス及び構成要素のタンク・サイズ及び出力接続などの特徴は、小気候特性を設定し、及び/又は制御するように構成することができ、或いはこれらの特徴を利用して小気候特性を設定し、及び/又は制御することができる。他の態様では、本明細書において説明される蒸気源及び/又は空気流源は、デバイス・ハウジング又はデバイス構造の中又は上に永久的に取り付けることができるが、これは要求事項ではない。更に他の態様では、1つ又は複数の蒸気源及び/又はデバイス要素は、例えば1つ又は複数の要素の交換及び/又は置換を可能にするために、分離可能にハウジングに接続することができる。このような構成により、ユーザは、例えば個人的嗜好に対して個別化する目的で所望の湿度レベル及び部屋特性を選択することができ、それにより所望の処置用途、主体の身体的特性、主体の症状に合わせることができ、或いは欠陥のある、又は損傷したデバイス構成要素、等々を修理又は置換することができる。
【0050】
他の態様では、開示される加湿機デバイス及びシステムは、電圧調整器、電力スイッチ、電力管理モジュール、アンテナ(例えばBluetooth LEアンテナ)、トランシーバ(例えばBluetooth LEトランシーバ)、電動機コントローラ、インタフェース・モジュール、制御モジュール、電圧センサ、電流センサ、パルス幅変調(PWM:pulse-width modulation)モジュール、電力入力、磁気スイッチ、電動機制御モジュール(例えばアクチュエータ制御モジュール)及び電動機ドライブのうちの1つ又は複数の構成要素を更に備えることができる。更に他の態様では、多くの内部構成要素をデバイス及び/又はハウジングの内部部分内に取り付けることができる。例えばいくつかの実施例では、デバイスは、処理ユニット、電池バック、電圧調整器、電力スイッチ、電池管理モジュール(例えば燃料ゲージ)、アンテナ(例えばBluetooth LEアンテナ)、トランシーバ(例えばBluetooth LEトランシーバ)を収容するコントローラを更に備えた内部構成要素構成を有することができる。更に他の態様では、デバイスは消毒モジュール又は殺菌モジュールを更に備えることができる。モジュールは、電気-光学(EO:electro-optical)放射をハウジング、タンク及び/又は蒸気源の内部に放出するように構成することができる。EO放射又は「消毒EO放射」は、表面を消毒することができる任意の適切な波長及び/又はタイプのEO放射を意味しており、このような放射は、それらに限定されないが、280nmと100nmの間の波長を含むタイプ-C紫外線放射(UV-C)、タイプB紫外線放射(例えばUV-B)、中間紫外線放射(MUV:middle ultraviolet radiation)、遠紫外線放射(FUV:far ultraviolet radiation)、イオン化EO放射、非イオン化EO放射、波長及び/又はEO放射タイプの組合せ、等々を含むことができる。
【0051】
他の態様では、開示されるデバイスは、空気湿度を取り扱うように選択的に動作させることができる1つ又は複数の蒸気源及び/又は空気流源を備えることができる。更に他の態様では、GUIは、動作時に蒸気源及び/又は空気流源がどこの予め定められた領域まで送達しようとしているか(及び/又は湿度及び/又は温度の他の特性)を示すためのその領域の図形画像、及びデバイス中のセンサから受け取った遠隔測定データのうちの少なくとも1つを提供することができる。
【0052】
様々な態様では、開示されるシステムの構成要素及び構成要素は分離可能に付着することができる。他の態様では、構成要素は接続手段によって接続することができる。更に他の態様では、接続手段は、フィッティング、インサート、接着剤、ろう付け、はんだ付け、溶接、スポット溶接、ナット付きねじ、リベット、ねじ切り、摩擦ばめ、スナップばめ、ツイスト-ロック又はインターロック機構、或いはそれらの組合せを備えることができる。更に他の態様では、接続は、スナップ、摩擦フィッティング、スナップ・リング、O-リング、圧力フィッティング、クリップ、クラスプ、等々を使用して達成することができる。スナップ・リング又はO-リングは、スナップ・リング又はO-リングを収納するための溝内に保持することができる。他の態様では、システムは、構成要素を一体に結合し、且つ、保持するための係合手段を備えることができる。他の態様では、係合手段は、ねじ止め機構、クリック-ロック機構又は摩擦機構、等々であってもよい。更に他の態様では、システム構成要素は、他の構成要素に一体で、或いは機械的に付着することができる。更に他の態様では、開示される構成要素は、接続手段を使用して接続し、付着し、或いは取り付けることができ、接続手段は、フィッティング、インサート、接着剤、ろう付け、はんだ付け、溶接、スポット溶接、ナット付きねじ、リベット、フィッティング、インサート、ねじ切り、摩擦ばめ又はスナップばめ、或いはそれらの組合せを備える。他の態様では、システムは、タンク及び/又は他の構成要素を所望の状態で、或いは所望の位置で解放可能に固着するように構成された1つ又は複数のロック機構又は固着機構を備えることができる。
【0053】
C.システム構成
本発明の様々な態様によれば、本開示の加湿機、デバイス及びシステムは複数の構成を備えることができる。様々な実施例では、本発明は、以下の構成要素及び特徴のうちの1つ又は複数を備えることができる。
湿度ユニット:蒸気源及び空気源
水蒸気を可変速度で空中に放出するためのアクチュエータ、電圧が両端間に印加されると、ある方向に一時的に変形することができる変換器ディスク、微小水飛沫を作り出すための中心部の微小(6~15um)孔、可変レートで空気流を作り出すように構成された空気DCファン中に水飛沫を推進させるのに有効な、正弦波入力、方形波入力又は鋸歯波入力、等々などの周期発振波又は信号からの発振、変換器が自身で生成することができるであろう速度より速い速度で機械から水蒸気を推進させるように構成される。
センサ:温度及び絶対湿度を検出してRHを計算し、遠隔位置及び/又は機械上の固定位置における湿度を決定する、制御ユニットと通信し、例えば有線又は無線シリアル又はパラレル通信プロトコルを介してマイクロコントローラと通信するように構成された2つ以上の相対湿度センサ。
ハウジング:アクチュエータ、センサ、電子工学を保持し、タンクと一体になるためのインタフェースを有し、タンク・インタフェースは、ユーザがタンクを取り外すまで水が漏れないよう、タンクを所定の位置に固定する、構成要素。ハウジングは、洗浄のためにより容易に出力シャフトにアクセスすることができるよう、開くことができるアクセス・ドアを前面に有することができる。タンクとハウジングの間の相手側インタフェースにより、メッシュ変換器を使用することができる。
タンク:小さい、到達が困難なクレバスを有していない、取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能である。ユーザが水レベルを視覚的に検証することができるよう、透明な材料から構築することができ、タンクを挿入すると、スロットによってタンクを拘束することができ、タンクが自由に並進することができるのは一方向のみであり、いかなる軸の周りにも回転することはできない。
制御ユニット及び電子工学:マイクロコントローラ、DC/DC可変ブースト回路、及びアクチュエータを駆動する発振器回路を含むことができ、アクチュエータのための駆動波形を生成し、センサ・データをコンパイルし、また、出力レートを計算し、マイクロコントローラは電子通信プロトコルを介してセンサ入力を取得して、水蒸気の適切な出力レートを計算することができ、アクチュエータは、変換器の端子の両端間に印加される一定の周波数の正弦波の振幅を変えることによって制御することができ、信号の振幅はDC/DCブースト変換器上の出力電圧の関数であってもよく、ブースト変換器の出力はデジタル・ポテンシオメータによって制御することができ、デジタル・ポテンシオメータはマイクロコントローラとインタフェースすることができ、マイクロコントローラは、LCDスクリーン及びユーザ入力デバイス(ボタン及びダイヤル)と同じくインタフェースすることができる。ユーザ・インタフェース:LCDスクリーン及びエンド・ユーザと通信することが意図されている任意のI/Oデバイス(即ちボタン、ダイヤル、等々)を含むことができる。
【0054】
様々な他の態様では、
図1~
図12Bは、開示される加湿機デバイス及びシステムのための動作環境、機構及び構成要素の実施例の非限定的な実例を示している。特定の機能性を有する動作環境、機構及び構成要素が開示されているが、機能性は機構及び/又は構成要素の間で共有することができ、いくつかの機能は機構及び/又は構成要素の間で分割され、他の機能は機構及び/又は構成要素によって重複されることを理解されたい。更に、機構及び/又は構成要素の名称は、機構及び/又は構成要素の機能性に対する限定として解釈してはならない。更に、方法又は請求項の文言における個々の段階は、他の段階の文脈なしに独立して考慮され得る。個々の段階は、本明細書の他の部分で定義された文言を含むことができる。1つの機構及び/又は構成要素に対して開示される個々の段階は、別の機構及び/又は構成要素の動作段階と混合することができる。個々の段階はそれ自体を特許請求することができ、及び/又は他の機構及び/又は構成要素の他の段階と交換することができる。
【0055】
本発明によれば、
図1~
図8は、予め定められたターゲット微小環境における湿度を調整するための加湿機デバイス100の実施例を示しており、予め定められたターゲット微小環境は、部屋の中に配置された小児用寝台などの予め定められた領域の一部を含む。加湿機デバイス100は、ミスト、水蒸気又は湿気源を生成するように構成された蒸気源104、及び空気流を生成するように構成された空気流源106を含む湿度ユニット102を備えている。蒸気源は、ごく小さい水飛沫を生成する変換器、水飛沫を移動させるための空気流を生成するファンを使用して構成されている。加湿機デバイスは2つのセンサ108を含み、個々のセンサは絶対湿度データ又は温度データを測定するように構成されている。LCD及び/又は手動ボタンを含むことができる制御ユニット110は、湿度ユニットの動作を制御し、及び/又はデバイス動作条件及び状態情報を提供するために湿度ユニットと動作連絡している。
【0056】
デバイス構成要素は、水湿気又は水蒸気及び加湿空気を生成するために使用される流体を保持する取外し可能タンク114と分離可能に結合するように構成された専用ハウジング112内に収容されている。他の態様では、タンク・スイッチを設けて、タンクに関する設置状態情報を提供することができ、例えばデバイスを動作させること、及び流体を輸送することと関連して提供し、或いは使用することができる。いくつかの実施例では、タンク・スイッチは、タンクがハウジングの中に完全に挿入されると偏向するローラ・アームを有する押しボタン・スイッチを備えることができる。
【0057】
他の態様では、加湿機デバイス100は、蒸気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、加湿空気は所定のターゲット微小環境における相対湿度を制御するように構成される。更に考察されるように、加湿空気は、ユーザがターゲット場所に向かって導くことができる、出力軸118に沿った所定の流路116を移動するように構成される。
【0058】
図2に示されているように、加湿機デバイス100は、絶対湿度及び温度の両方を検出するように構成された2つの相対湿度(RH)センサ108を含む。センサ108は加湿機デバイス100上の2つのポイントで相対湿度を観察し、それを使用して、加湿機デバイス100からの情報のみで、機械上ではないポイントにおける湿度が計算され、且つ、制御される。本明細書において説明されているように、既存の加湿機が抱えている1つの問題は、保育室の小児用寝台などの部屋の予め定められた部分を調整するそれらの不能性である。これらの製品は、どちらかと言えば機械上の一点における湿度を検出し、部屋全体がターゲット湿度になるまで水蒸気を出力し、水及びエネルギーを浪費している。そのために、これらの既存の製品は、特定のターゲット領域における最適小気候を作り出していない。それとは対照的に、本発明の構成及び本発明の要素の組合せによれば、ターゲット領域内に小気候を作り出すことができる。そのために、加湿機デバイス100は、通常、検出されたRH値と2つのセンサ間の距離のプログラムされた知識とを使用して、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測し、また、加湿機デバイスを制御するための予め定められた空間の所定の部分における予測されたRHレベルを使用して、例えば蒸気/湿気の量及び/又は加湿機ユニットから出力される加湿空気の空気流量を制御する。部屋全体の湿度の勾配を効果的に測定するには加湿機デバイス100のサイズが小さすぎることが分かった。この欠点が調査され、センサが互いに近づきすぎていたこと、センサからのデータが雑音だらけであったこと、及び一様な湿度分布の仮定(これは、正味空気流が部屋に存在した場合のシナリオに対して不正確であったことが分かった)の3つの主要な要因によるものとされた。いくつかの実施例によれば、加湿機デバイス100は、2つのセンサの平均を周囲相対湿度の測値として利用している。驚くべきことには、センサを平均し、且つ、信号を低域通過フィルタリングすることにより、ターゲット場所の周囲相対湿度に対する極めて正確な近似値を決定するために使用することができる検出データを提供するために、センサを蒸気源及び空気源の後方に置くことができることが分かった。
【0059】
他の態様では、加湿機デバイス100は、通常、蒸気源104内に収容されているアクチュエータによって霧状にされた水飛沫を使用して加湿空気を生成し、これらの水飛沫は、空気流源106のファンによって生成される空気流によって運ばれる。一次アクチュエータはメッシュ変換器であり、詳細には、タンク114から輸送される流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された微小(6~15um)孔を有する圧電セラミック・メッシュ・ディスクである。より詳細には、圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を発振波入力から生成する。変換器は、多くの異なる回路トポロジーによって生成することができる可変振幅、固定周波数正弦波を使用している。
【0060】
最も一般的なタイプのアクチュエータは、停滞した水溜りの下で振動して、水溜りの表面から微小粒子を放出するキャビテーション変換器とよばれている。
図3及び
図5に示されているように、また、停滞した水溜りの下方に一定の距離で置かれる従来のキャビテーション変換器とは対照的に、この実施例に使用されているメッシュ変換器は、タンクの中の流体と外部の空気の間に置かれている。しかしながら変換器の中に微小孔のアレイを有することにより、メッシュ変換器は、その上方に停滞した水溜りを有することなく同じ効果を達成することができ、それによりデバイスのアクセス及び洗浄性を許容することができる。更に、このような蒸気生成構造は機械の中の停滞水を排除することができ、それによりタンクの外側のカビの蓄積を防止することができる。タンクからの水は変換器の一方の側に給送することができ、もう一方の側は自由空気へ開放することができ、変換器の周囲の周りには防水シールが施されている。
図3に示されているように、空気流源106は、湿度を届けるためのターゲット場所のポイント(即ち部屋の乳児の小児用寝台)への空気流流路を確立するように構成されたDCファンの形態の第2のアクチュエータを備えている。本出願人は、変換器自体ができることは、水蒸気を短い距離で放出することにすぎないことを発見し、これは、二次アクチュエータを追加して、意図した送達ポイントへ水飛沫を運ぶことによって解決される。
【0061】
図6に示されているように、加湿機デバイス100は、蒸気源104とタンク114の間を流体連絡しているポンプ122を更に備えている。メッシュ変換器が動作し、変換器の後方の水の表面張力が破壊されると、メッシュ中の孔を通って水が漏れることになることが分かっている。しかしながら変換器の後方の水のヘッド高さが十分に低い場合、漏れは防止されることになる。この機能性を達成するために、ポンプ122は水をタンクから変換器へ移動させる。ポンプ122は、流体をタンクから蒸気源へ、また、蒸気源からタンクへ移動させるように構成することができる。ポンプ122は、ターゲット場所における湿度レベルに到達するのに必要な蒸気生成の量に対応し得る所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように構成することができる。洗浄性を維持するために(即ちタンクを除くデバイスの中に停滞水がない)、加湿機デバイスは、蒸気源中のあらゆる水を変換器に放出してミストとして放出するか、或いはタンクへポンプで戻すかのいずれかである制御戦略を含む。他の実施例では、ポンプは、所望の水蒸気生成の量に対応する所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように、及び/又は過剰流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成することができる。即ちポンプは、蒸気源がオフにされるか、或いは蒸気源が水蒸気を生成していない場合、流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成することができる。
【0062】
図5に示されているように、蒸気源は、ポンプが水をタンクから変換器へ輸送している場合などに、十分な量の水が溢れることなく変換器レベルに存在していることを決定するように構成された流体レベル・センサ120を更に備えている。流体レベル・センサ120は、抵抗ラダー及びノイズ除去コンデンサによって接続された変換器の後方に一連のワイヤ・プローブを含む。変換器ワイヤの頂部の電圧はマイクロコントローラのGPIOピンに印加され、3V信号のパルスを発生する。ラダーの中央はマイクロコントローラのアナログ入力に付着されている。水がワイヤ・プローブを接続すると、アナログ入力部で観察される電圧が降下して、水が適切なレベルであることを信号発信することになる。
【0063】
既存の加湿機が抱えている別の問題は、既存の加湿機のハウジング及びタンクの設計によるカビの蓄積であり、部分的に到達を困難にしている。本明細書において説明されているように、本発明の様々な実施例は容易に分解し、且つ、組み立てることができ、ユーザは、水又は水蒸気が存在し得るハウジングの内側のすべての領域又は実質的にすべての領域にアクセスすることができ、洗浄及び保全を効率的に実施することができる。更に、すべての部品又は実質的にすべての部品は皿洗い機による洗浄が可能である。様々な実施例では、本発明による専用ハウジングは、通常、すべてのデバイス構成要素をまとめて収容することができ、開いて内部を容易に洗浄することができ、また、構成要素同士の間で水が漏れず、また、タンクからの水がタンクが空になるまで変換器に供給される方法で取外し可能タンクと相互作用することができる。
図7に示されているように、加湿機デバイス100は、空気流路116に沿って加湿空気を運ぶように配置された回転可能出力ヘッド124を更に備えることができる。
【0064】
図7に示されているように、この実施例における専用ハウジング114は、加湿空気流路116の出力方向を制御することができる回転出力ヘッド118を有することができ、加湿空気流路116は、出力軸118の周りにユーザが回転させて出力方向を制御することができる。いくつかの実施例では、出力ヘッドは、延長配管、及びターゲット領域を覆うための構成要素を含むことができる。例えばデバイスは、小児用寝台の三次元体積内に閉じた微小環境を作り出すために、小児用寝台の開いた頂部とぴったりと覆うカバーリングを含むことができる。
【0065】
図8に示されているように、この実施例における専用ハウジング114は、開いて、洗浄のために内部湿度ユニット領域により容易にアクセスすることができるアクセス・ドア126を含むことができる。様々な態様では、取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能なタンクは、小さい、到達が困難なクレバスを備えておらず、また、好ましくは、ユーザが水レベルを視覚的に検証することができるよう、透明な材料から構築されている。他の態様では、タンクとハウジングの間の専用の相手側インタフェースにより、タンクの中の水に対する変換器の場所、即ち、水中に沈められる場合とは対照的に、流体と自由空気の境界のタンク内における変換器の場所のため、メッシュ変換器及び蒸気生成構造を使用することができる。
【0066】
本明細書において説明されているように、加湿機デバイス100は、蒸気源及び空気流源の動作を制御するために加湿機ユニット102と動作連絡しているマイクロコントローラを有する制御ユニット110を備えている。蒸気源及び/又は空気流源の動作の制御は、センサ108からの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づくことができる。制御ユニットは、加湿機ユニットを動作させるための制御戦略を使用することができる。制御戦略は、部屋の周囲相対湿度の値として、センサ108の出力データ、例えば2つのセンサ測値の低域通過フィルタリングされた平均、及び蒸気源の出力部における固定湿度密度を使用した定常状態におけるモデルを含むことができる。そのために、驚くべきことには、湿度デバイスの制御ユニットは、ターゲット・ポイント(即ち部屋の小児用寝台)までの距離の知識を使用して、ガス拡散の力学及び蒸気出力の経路を指示する空気源速度(即ちファン速度)を使用してターゲット・ポイントの周囲湿度を制御することができることが分かった。他の態様では、制御戦略における空気源出力の出力速度及び/又は水蒸気出力の流路は、放物線の弧としてモデル化することができる。更に他の態様では、制御戦略における空気源速度(即ちファン速度)を計算し、又は決定して、適切なターゲット場所へのミストの送達を保証することができる。そのために、制御ユニット110は、アンチ-ワインドアップ考察による比例積分コントローラを含む。
図9Aは、完全なコントローラ、及び変換器の要求された出力を決定する調整器のブロック図であり、また、
図9Bは相対湿度調整器のブロック図である。
【0067】
プラント:ターゲット場所、及びデバイス100によってミストが部屋に放出される際に、その部屋で生じることの力学モデルを記述する。
r:基準コマンド-部屋の所望の周囲相対湿度であり、これはデバイス100からターゲット・ポイントまでの距離によって指示される(この計算は基準セレクターの中で実施される)。
y’:プラント出力-機械部分の実際の相対湿度。
y:測定されたプラント出力-機械から測定された、低域通過フィルタリングの後の相対湿度。
u:アクチュエータ入力-部屋にミストが放出されている。
w:システムに対する外乱-拡散力学の第1次の近似では考慮されない何か(例えばベントから流入する空気、誰かがデバイスの前を歩いている)。
v:センサ雑音-センサ非理想性からの不正確性。
σ:誤差積分器-これは時間に伴う累積誤差であり、積分項を追加することにより、ゼロ定常状態誤差を保証することができる。
e:基準コマンドとプラント出力の間の誤差。
u’:アクチュエータ要求-ミストの要求された量。
u:実際のアクチュエータ入力-変換器は0%と100%の間しか出力することができないため、飽和している(例えば要求が200%パワー又は-10%パワーであった場合、実際の入力はそれぞれ100%及び0%に飽和することになる)。
awf:アンチ-ワインドアップ・フラグ-これは、アクチュエータが飽和した場合に、増加から誤差積分器を停止する。
【0068】
D.システム動作並びに使用及び構築のための方法
本明細書においては、開示されている加湿機デバイス及びシステムを使用する方法が同じく開示される。例えば別の例示的態様では、本開示は、開示されているデバイス及びシステムを使用して予め定められた空間の一部を加湿する方法を提供する。他の態様では、予め定められた空間は、保育室、小児用寝台、等々であってもよい。一態様では、開示される方法は、前記請求項のいずれかの湿度デバイス又はシステムからの出力を予め定められたターゲット部分の中に位置決めするステップ、複数のセンサからの検出された湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づいてターゲット部分の相対湿度レベルを決定するステップ、加湿空気をターゲット部分の中に出力するために、空気流源からの空気流生成を使用して蒸気源からの蒸気生成を起動するステップ、ターゲット部分の相対湿度レベルに少なくとも基づいて、蒸気源からの蒸気量及び/又は空気流からの空気流量を調整するステップ、及びターゲット部分における所定の湿度基準を満たすと、蒸気源からの蒸気生成及び/又は空気流源からの空気流生成の起動を解除するステップのうちの1つ又は複数を含むことができる。ターゲット部分の相対湿度レベルは、2つ以上の検出されたRH値と、予め定められたターゲット部分までの固定ターゲット距離と共に第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識又はシステム決定知識とに少なくとも基づいて決定することができる。このような知識は、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用してシステムによって決定することができる。いくつかの実施例では、システムは、外部境界内に配置され、或いは外部境界に位置決めされた遠隔センサなどの、ターゲット微小環境の中及び周りに配置された遠隔センサを利用することができる。そのために、システムは、無線フィードバック、等々からなどの位置データを使用して、センサ、加湿ユニット及びターゲット微小環境の間の距離などの様々な距離を測定し、及び/又は決定することができる。他の態様では、遠隔センサを使用してターゲット微小環境の境界を画定し、例えばターゲット出力を調整することができる。
【0069】
図11は、開示されている加湿機デバイス及びシステムを動作させるための本開示の実施例と無矛盾の方法1000に含まれている一般的な段階を示すフローチャートである。方法1000は、少なくとも部分的に、
図1~
図14に関連してより詳細に説明した加湿機システム100又は200を使用して実現することができる。更に、方法1000は、少なくとも部分的に、
図11に関連して以下でより詳細に説明されるコントローラ1100(例えばオン-ボード計算デバイス)を使用して実現することができる。コントローラ1100は、デバイス及びデバイス構成要素を動作させるため、並びにそれらに限定されないが、湿度及び/又は空気流制御及びパラメータ、熱制御及びパラメータ、及び通信を含む他の操作タスクを実施するためのコントローラを備えることができる。したがってコントローラ1100は、例えば、それらに限定されないが、蒸気源(例えばアクチュエータ)、空気流源(例えばファン)、起動スイッチ、様々なセンサ、通信モジュール、電力源、電力調整器、トランシーバ及びアンテナを使用して動作構成することができ、また、それらと通信することができる。
図11を参照して詳細に説明されるように、コントローラ1100は、本明細書において説明されている遠隔操作を可能にする遠隔通信モジュールを備えることができる。他の実施例では、コントローラ1100は、構成されると、完全自動式であってもよい。
【0070】
段階は、
図1~
図10の加湿機デバイス及びシステムを参照して開示されているが、他の開示されている実施例又は構成要素も、それらに限定されないが、他の機構、機械構成要素、環境特性(例えば温度、湿度)、ユーザ状態、等々を含む方法1000の操作を可能にすることができることを理解されたい。更に、フローチャートによって示されている段階は特定の順序で開示されているが、この順序は単に例証の目的で開示されているにすぎないことを理解されたい。段階は、組み合わせ、分離し、順序を変えることができ、また、様々な中間段階を存在させることができる。したがってフローチャート内に示されている様々な段階は、様々な実施例では、示されている配置とは異なる配置で実施することができることを理解されたい。更に、本明細書において開示されている、示されている方法及びシステムの基本的な範囲を変更することなく、或いは基本的な範囲を妨げることなく、様々な段階を追加し、又はフローチャートから除去することができる。
【0071】
方法1000は、開始ブロック1005で開始して段階1010へ進行することができ、そこで加湿機システムが部屋に設置され、また、出力ヘッドが予め定められたターゲット部分の中、例えば小児用寝台の中などに位置決めされる。方法1000は、出力が部屋のターゲット部分の中に位置決めされる段階1010から、複数のセンサからの検出された湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づいてターゲット部分の相対湿度レベルを決定することができる段階1020へ進行することができる。方法1000は、ターゲット部分の相対湿度レベルが決定された段階1020から段階1030へ進行することができ、そこで空気流源からの空気流生成を使用して蒸気源からの蒸気生成が開始され、加湿空気をターゲット部分の中に出力することができる。
【0072】
方法1000は、加湿空気出力を開始した段階1030から段階1040へ進行することができ、そこでシステムによって、ターゲット部分の相対湿度レベルの少なくとも実時間決定又は連続決定に基づいて、蒸気源からの蒸気量及び/又は空気流からの空気流量を調整することができる。方法1000は、蒸気量及び/又は空気流量が調整されている段階1040から段階1050へ進行することができ、そこで、約30%から約60%の範囲のターゲット相対湿度レベルなどのターゲット部分における所定の湿度基準を満たすと、蒸気源からの蒸気生成及び/又は空気流源からの空気流生成の起動を解除することができる。段階1050の後、方法1000は段階1060で終了するか、又はステップ1020に戻って現在のRHレベルを決定することができる。ステップ1020から1050は、ターゲット相対湿度に到達するか、又は所望の範囲内になるまで繰り返すことができる。例えばステップ1020の間に決定されたターゲット相対湿度レベルが所望の範囲外であると、方法はもう一度ステップ1030を開始することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、本発明によれば、デバイスの加湿機デバイス及び/又は加湿要素をユーザがデバイスから遠隔で起動することができる。他の態様では、ユーザは、デバイスの動作を起動し、動作を停止し、及び/又は調整可能な実施例では、湿度レベル及び/又は空気流速度を調整するためにデバイスに触れる必要はない。更に他の態様では、ユーザは、デバイスの蒸気源及び/又は空気流源と動作連絡している無線デバイス又はモバイル・デバイスなどの無線制御ユニットを使用することにより、蒸気源及び/又は空気流源(及び/又はさもなければそれらの制御動作)を起動し、又は起動解除することができる。無線デバイスは、モバイル電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、等々などの、本発明と共に使用するための目的以外の追加目的のために使用することができるデバイスであってもよい。いくつかの実施例では、本発明は、もっぱら本発明と共に使用するための専用無線デバイスを提供することができる。他の実施例では、専用無線デバイスは、その使用法が本発明のこの特定の実施例に限定されていない場合、他の使用法を含むことができる。他の実施例では、デバイスの蒸気源及び/又は空気流源を制御するために使用される制御ユニットは、このような使用のために特別に作り出されたアプリケーション又はアプリケーション・ソフトウェア(「app」)を含むことができる。ユーザは、独立ディベロッパー及びapp記憶装置などのappを供給するソースからappをダウンロードすることができ、及び/又はさもなければこれらのソースからappを獲得することができる。本発明の実施例と共に使用されるappは、Bluetooth、Wi-Fi、等々の技術を使用することなどによって無線で通信する。
【0074】
他の態様では、コントローラ1100(例えばオン-ボード計算デバイス)は、開始から瞬時に、又は開始から一定の設定量の時間が経過した後に、蒸気源及び/又は空気流源を自動的に起動することができる。他の実施例では、オン-ボード・センサ(例えば、それには限定されないが、デバイス中に展開されたセンサを含む)からの読み値が特定の値になると起動が生じ得る。例えば蒸気源及び/又は空気流源の起動は、特定の環境要因及び/又は例えば、湿度、温度、呼吸レート、心拍数、血圧、等々などのユーザの状態に依存していてもよい。コントローラ1100は、特定の事前設定条件を満たされると、様々なデバイス構成要素の起動をトリガするように構成することができる。このような条件は起動に先立って定義することができる。
【0075】
開示されている方法の様々な態様及び段階では、デバイスは、アンテナ又は無線通信構成要素を介してユーザと動作連絡することができる。ユーザは、様々なデバイス構成要素及びセンサから様々な読み値を受け取ることができる。いくつかの実施例では、ユーザは、使用中、蒸気源及び/又は空気流源の動作を制御することができる。例えばユーザは、それらに限定されないが、蒸気源、空気流源、LCDスクリーン、起動スイッチ又はダイヤル、通信モジュール、電力源、電力調整器、様々なセンサ、トランシーバ及びアンテナを含むデバイス構成要素を制御することができる。
【0076】
他の実施例では、コントローラ1100は、動作制御命令及び/又はデータを使用して予め構成された統合コントローラであってもよい。他の態様では、開示されているデバイスは、それらには限定されないが、統合コントローラ及び/又はオン-ボード計算モジュールを備えることができる。計算モジュールは、例えば、それらに限定されないが、蒸気源、空気流源、起動スイッチ、通信モジュール、電力源、電力調整器、様々な遠隔測定センサ、トランシーバ及びアンテナを使用して動作構成することができ、また、それらと通信することができる。更に、計算モジュールは、本明細書における説明と無矛盾の別の計算デバイスと動作連絡することができ、また、それらに限定されないが、無線デバイス、スマート・フォン、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ、タブレット又はモバイル遠隔通信デバイスを備えることができる。このような遠隔デバイスを使用して、統合計算モジュールを制御し、及び/又は構成することができる(例えば起動条件、湿度操作パラメータ及び設定、等々)。更に、デバイスは、例えばクラウド計算サービスなどの集中型サーバと動作連絡することができる。操作は、部分的にコントローラ1100によって実施されるように説明されているが、いくつかの実施例では、コントローラ1100と動作連絡している異なるネットワーク化要素によって異なる操作を実施することができることを理解されたい。
【0077】
本開示の実施例は、メモリ記憶装置及び処理ユニットを有するシステムを備えることができる。処理ユニットはメモリ記憶装置に結合することができ、処理ユニットは方法1000の段階を実施するように構成される。
図11は、コントローラ1100を含むシステムのブロック図である。本開示の実施例と無矛盾で、上記メモリ記憶装置及び処理ユニットは、コントローラ1100などの計算デバイスの中で実現することができる。ハードウェア、ソフトウェア又はファームウェアの任意の適切な組合せを使用して、メモリ記憶装置及び処理ユニットを実現することができる。例えばメモリ記憶装置及び処理ユニットは、コントローラ1100、又は蒸気源、空気流源、センサ及びデバイス構成要素1118のうちのいずれか、或いはコントローラ1100と組み合わせた任意の他の制御ユニット及び無線デバイス1122を使用して実現することができる。他のデバイス構成要素1118は、例えば、それらに限定されないが、制御機構、蒸気源、空気流源、センサ、スイッチ、通信モジュール、電力源、電力調整器、様々なトランシーバ及びアンテナを備えることができる。上記システム、デバイス及びプロセッサは実例であり、他のシステム、デバイス及びプロセッサは、本開示の実施例と無矛盾で、上記メモリ記憶装置及び処理ユニットを備えることができる。
【0078】
図11を参照すると、本開示の実施例と無矛盾のシステムは、コントローラ1100などの計算デバイスを含むことができる。基本構成ではコントローラ1100は、少なくとも1つの処理ユニット1102及びシステム・メモリ1104を含むことができる。システム・メモリ1104は、計算デバイスの構成及びタイプに応じて、それらに限定されないが、揮発性(例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory))、不揮発性(例えばリード-オンリ・メモリ(ROM:read-only memory))、フラッシュ・メモリ又は任意の組合せを備えることができる。システム・メモリ1104は、オペレーティング・システム1105、1つ又は複数のプログラミング・モジュール1106を含むことができ、また、プログラム・データ1107を含むことができる。オペレーティング・システム1105は、例えば、コントローラ1100の動作を制御するために適したものであってもよい。一実施例では、プログラミング・モジュール1106はコントローラ・アプリケーション(「app」)1120を含むことができる。更に、本開示の実施例は、グラフィックス・ライブラリ、他のオペレーティング・システム又は任意の他のアプリケーション・プログラムと相俟って実践することができ、また、何らかの特定のアプリケーション又はシステムに限定されない。この基本構成は、
図11に、ダッシュ線1108内の構成要素によって示されている。他の態様では、appは、情報、並びに本発明の実施例を操作するためのユーザのインタフェースをユーザに提供することができる。appは1つ又は複数のグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI:graphic user interface)を含むことができる。とりわけappのGUIは、複数の蒸気源及び/又は空気流源が存在している場合に、起動する蒸気源及び/又は空気流源をユーザがピックし、また、デバイスの蒸気源及び/又は空気流源の1つ又は複数の動作パラメータ又は特性(振幅、周波数、空気流速度及び/又は温度など)を選択する(利用可能である場合)ことができるGUIであってもよい。ユーザは、appのGUIからの実施例の起動を解除する必要なく、このような選択を調整することができる。ユーザは、同じくappを使用してデバイス構成要素をターン・オン及びターン・オフすることができる。GUIは、アクチュエータの強度(振幅)又は周波数(速度)などのアクチュエータによって生成されている水蒸気に関連する、或いはデバイスによって出力されている空気の湿度又は速度に関連する追加又は他の情報を含むことができる。この追加又は他の情報は、appのGUIを見ることによってユーザによって容易に理解されるよう、カラー・コード化することができ、及び/又はさもなければ他の方法で提示され得る。また、appは、デバイス構成要素から受け取った、センサからの環境及び遠隔測定データなどの情報をユーザに提示することも可能である。いくつかの実施例では、GUIは、デバイス・ハウジングの中に統合されたLCDスクリーン上に提示することができる。
【0079】
コントローラ1100は追加特徴又は機能を有することができる。例えばコントローラ1100は、例えば磁気ディスク、光ディスク又はテープなどの追加データ記憶デバイス(取外し可能及び/又は非取外し可能)を同じく含むことができる。このような追加記憶装置は、
図11に、取外し可能記憶装置1109及び非取外し可能記憶装置1110によって示されている。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実現された揮発性及び不揮発性、取外し可能及び非取外し可能媒体を含むことができる。システム・メモリ1104、取外し可能記憶装置1109及び非取外し可能記憶装置1110は、すべてコンピュータ記憶媒体実例である(即ちメモリ記憶装置)。コンピュータ記憶媒体は、それらに限定されないが、RAM、ROM、電気的消去可能リード-オンリ・メモリ(EEPROM:electrically erasable read-only memory)、フラッシュ・メモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル汎用ディスク(DVD:digital versatile disk)又は他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイス、又は情報を記憶するために使用することができ、また、コントローラ1100がアクセスすることができる任意の他の媒体を含むことができる。任意のこのようなコンピュータ記憶媒体はデバイス1100の一部であってもよい。コントローラ1100は、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス(例えば統合LCDスクリーン)、等々などの入力デバイス1112と共に動作することも可能である。入力デバイス1112を使用して、例えば手動でコントローラ1100にアクセスしてプログラムすることができる。ディスプレイ、スピーカ、プリンタ、等々などの出力デバイス1114を含めることも可能である。上で言及したデバイスは実例であり、他のデバイスを使用することも可能である。
【0080】
コントローラ1100は、他の制御ユニットとの通信をデバイス1100に許容することができる通信接続1116を同じく収容することができ、また、分散計算環境における暗号化ネットワークなどを介して、無線デバイス1122並びに振動源、熱要素及び他の構成要素1118(例えばトランシーバ、センサ、熱要素)を同じく収容することができる。通信接続1116は通信媒体の一実例である。通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、又は搬送波又は他の輸送機構などの変調データ信号中の他のデータによって具体化することができ、また、任意の情報運搬媒体を含むことができる。「変調データ信号」という用語は、1つ又は複数の特性セットを有しているか、或いは情報を信号中に符号化する方法で変更された信号を記述することができる。非限定的な実例として、通信媒体は、配線ネットワーク又は直接配線接続などの配線式媒体、及び音響、Bluetooth、無線周波数(RF:radio frequency)、赤外線及び他の無線媒体などの無線媒体を含むことができる。本明細書において使用されているコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含むことができる。上で言及したように、オペレーティング・システム1105を含む多くのプログラム・モジュール及びデータ・ファイルをシステム・メモリ1104に記憶することができる。処理ユニット1102上で実行している間、プログラミング・モジュール1106(例えばコントローラ・アプリケーション1120)は、例えば上で説明した方法1000の複数の段階のうちの1つ又は複数、又は方法1000の複数の段階の一部を含むプロセスを実施することができる。app1120は、デバイス構成要素1118を動作させ、例えば通信接続モジュール1116から命令を受け取るように構成することができる。上で言及したプロセスは実例であり、処理ユニット1102は他のプロセスを実施することができる。
【0081】
通常、プログラム・モジュールは、本開示の実施例と無矛盾で、特定のタスクを実施することができ、或いは特定の抽象データ・タイプを実現することができる、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造及び他のタイプの命令を含むことができる。更に、本開示の実施例は、ハンド-ヘルド・デバイス、多重プロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベース又はプログラマブル消費者電子工学、ミニコンピュータ、本体コンピュータ、等々を含む他のコンピュータ・システム構成を使用して実践することができる。また、本開示の実施例は、分散計算環境で実践することも可能であり、タスクは、通信ネットワークを介してリンクされている遠隔処理デバイスによって実施される。分散計算環境では、プログラム・モジュールは、局所メモリ記憶デバイス及び遠隔メモリ記憶デバイスの両方に配置することができる。
【0082】
更に、本開示の実施例は、離散電子素子、論理ゲートを収容しているパッケージ化又は集積された電子チップ、マイクロプロセッサを利用している回路を備えた電気回路の中で実践することができ、或いは電子素子又はマイクロプロセッサを収容している単一のチップ上で実践することができる。また、本開示の実施例は、例えばAND、OR及びNOTなどの論理演算を実施することができる他の技術、例えばそれらに限定されないが、機械技術、光技術、流体技術及び量子技術を含む技術を使用して実践することも可能である。更に、本開示の実施例は、汎用コンピュータ内で、或いは任意の他の回路又はシステムの中で実践することも可能である。
【0083】
本開示の実施例は、例えば、コンピュータ・プロセス(方法)、計算システムとして、或いはコンピュータ・プログラム製品又はコンピュータ可読媒体などの製造物品として実現することができる。コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ・システムが読み出すことができ、コンピュータ・プロセスを実行するための命令のコンピュータ・プログラムを符号化するコンピュータ記憶媒体であってもよい。また、コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ・システムが読み出すことができ、コンピュータ・プロセスを実行するための命令のコンピュータ・プログラムを符号化する搬送波上の伝搬信号であってもよい。したがって本開示は、ハードウェアの中及び/又はソフトウェアの中で具体化することができる(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ-コード、等々を含む)。言い換えると、本開示の実施例は、命令実行システムが使用するために、或いは命令実行システムと関連して使用するために媒体の中に具体化されたコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読プログラム・コードを有するコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ・プログラム製品の形態を取ることができる。コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスが使用するために、或いはそれらと関連して使用するためにプログラムを含み、記憶し、通信し、伝搬し、或いは輸送することができる任意の媒体であってもよい。
【0084】
コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体は、例えば、それらに限定されないが、電子、磁気、光、電磁、赤外線又は半導体のシステム、装置、デバイス又は伝搬媒体であってもよい。より特定的なコンピュータ可読媒体実例(非排他的リスト)では、コンピュータ可読媒体は、一本又は複数本のワイヤを有する電気接続、携帯型コンピュータ・ディスケット、ランダム-アクセス・メモリ(RAM)、リード-オンリ・メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル・リード-オンリ・メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory又はフラッシュ・メモリ)、光ファイバ及び携帯型コンパクト・ディスク・リード-オンリ・メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)を含むことができる。プログラムは、例えば紙又は他の媒体の光走査を介して電子的に捕獲することができ、次に必要に応じて適切な方法でコンパイルし、翻訳し、さもなければ処理することができ、次にコンピュータ・メモリに記憶することができるため、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体は、更には、プログラムがその上に印刷される紙又は別の適切な媒体であってもよいことに留意されたい。
【0085】
また、本明細書においては、開示されているモジュール式加湿機デバイス及びシステムを備えたキットが開示される。例えば例示的態様では、本開示は、開示されている加湿機デバイス又はシステムを備えた、小児用寝台のための加湿機キットを提供する。
【0086】
E.実例
以下の実例は、本明細書において特許請求される物品、デバイス及び/又は方法が構築され、且つ、評価される方法についての完全な開示及び説明を当業者に提供するために示されており、本発明の単なる例示にすぎないことが意図されており、また、本発明者らが本発明者らの発明と見なしている範囲を限定することは意図されていない。数(例えば量、温度、等々)に関する精度を保証するための努力がなされているが、ある程度の誤差及び逸脱を考慮しなければならない。
【0087】
実例は、本明細書においては、本発明を例証するために提供されており、決して本発明を限定するものとして解釈してはならない。複数の実例は、本明細書においては、本発明を例証するために提供されており、決して本発明を限定するものとして解釈してはならない。
【0088】
1.定められた試験微小環境におけるターゲット微小環境の湿度のデバイス制御
この実例では、定められた環境領域又は微小環境におけるターゲット微小環境の湿度を制御する有効性を評価するために、本発明による湿度デバイスが評価された。
【0089】
研究の一般的な研究方法は以下の通りであった。
【0090】
図12A~
図12Bに示されているように、試験微小環境1200が作り出され、ターゲット微小環境1202を表す小児用寝台と共に湿度デバイス100が試験微小環境内に置かれた。湿度デバイス100が動作され、試験微小環境における湿度のセンサからのデータのみを使用して、ターゲット場所ポイント(2)における湿度が湿度デバイスによって効果的に制御され得ることを立証するために評価された。動作中、ターゲット場所ポイント(2)における湿度レベル及びターゲット場所のすぐ外側の様々なポイント(1、3~6)の湿度レベルが測定され、厳密なターゲット場所を制御する湿度デバイスの能力が評価され、また、湿度デバイスの予測された相対湿度の精度が評価された。
【0091】
湿度機械とターゲット場所の間の距離が湿度デバイスの制御ユニットに入力され、また、水蒸気出力軸がターゲット場所に向けられた。次に湿度デバイスが動作され、ターゲット場所ポイント(2)及び様々なポイント(1、3~6)における湿度レベルが測定され、デバイス・ハウジング上の2つのセンサからのセンサ・データを使用して湿度デバイスによって決定された相対湿度レベルに対して比較された。データは、ターゲット場所のすぐ外側の様々なポイント(1、3~6)における同じ湿度レベル変化を用いて、或いは用いることなく、湿度デバイスの制御戦略及び水蒸気の放物線の弧出力流路がターゲット場所ポイント(2)の湿度レベルを所望の湿度レベルに正確に制御するのに有効であることを示している。また、データは、湿度デバイスは、水蒸気出力場所の後方に配置された湿度デバイスのセンサから利用された、検出された環境データのみを使用してターゲット場所ポイント(2)における相対湿度レベルを正確に計算することができることを同じく示している。他の実施例では、ターゲット場所微小環境の湿度を自動的に、且つ、連続的に制御するために、ターゲット場所における所望の湿度レベル(又は範囲)を制御ユニットに入力することができる。
【0092】
本発明は少なくとも以下の態様を含む。態様1:予め定められた空間の一部を含む予め定められたターゲット微小環境における小気候を制御するための加湿機デバイスであって、加湿機デバイスは、湿度ユニットであって、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備える湿度ユニットと、複数のセンサであって、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、絶対湿度データ又は温度データのうちの少なくとも1つを測定するように構成される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備え、加湿機デバイスは、湿気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、加湿空気は所定の部分における相対湿度を制御するように構成され、加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成される。
【0093】
態様2:予め定められた空間の予め定められたターゲット微小環境部分における小気候を制御するためのシステムであって、システムは加湿機デバイスを備え、加湿機デバイスは、湿度ユニットであって、水蒸気又は湿気を生成するように構成された蒸気源、及び空気流を生成するように構成された空気流源を備え、湿度ユニットは、所定の部分における相対湿度を制御するために、蒸気源及び空気流源を使用して加湿空気を生成するように構成され、加湿空気は出力軸に沿った所定の流路を移動するように構成される、湿度ユニットと、複数のセンサであって、個々のセンサは絶対湿度データ及び/又は温度データを測定するように構成される、複数のセンサと、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している制御ユニットと、湿度ユニット、複数のセンサ及び制御ユニットを収容するためのハウジングと、ハウジングと取外し可能に結合するように構成されたタンクであって、湿気又は水蒸気を生成するための流体を収容するように構成されたタンクとを備える。
【0094】
態様3:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められた微小環境部分は小気候を有する定められた微小環境である。態様4:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められた部分は、予め定められた空間内に配置された小気候を有する定められた微小環境体積である。態様5:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源とタンクの間を流体連絡するポンプを更に備える。態様6:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは、流体をタンクから蒸気源へ、また、蒸気源からタンクへ移動させるように構成される。態様7:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように構成される。態様8:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは、所望の水蒸気生成の量に対応する所定の量の流体を蒸気源へ輸送するように構成される。態様9:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは、過剰流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成される。態様10:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは、蒸気源がオフにされると、流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻すように構成される。態様11:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは、蒸気源が水蒸気を生成していない場合、停滞流体を蒸気源から除去してタンクへ戻すように構成される。態様12:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ポンプは蠕動ポンプである。態様13:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源の中の流体の体積を決定するように構成された流体レベル・センサを更に備える。態様14:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサは、所定の体積の水蒸気の生成を許容するのに有効な十分な体積の流体が蒸気源の中に存在しているかどうかを決定するように構成される。態様15:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサ及びポンプは、協働して流体を蒸気源とタンクの間で輸送する。態様16:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサ及びポンプは、蒸気源がオフにされるか、又は水蒸気を生成していない場合、協働して流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻す。態様17:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサ及びポンプは、蒸気源がオフにされると、協働して流体を蒸気源からタンクへ輸送して戻す。態様18:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサは、ポンプが蒸気源を流体で溢れさせるのを防止するように構成される。態様19:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流体レベル・センサは、抵抗ラダー及びノイズ除去コンデンサによって接続された変換器の後方に複数のワイヤ・プローブを備える。
【0095】
態様20:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、タンクの設置状態を決定するように構成されたタンク・スイッチを更に備える。態様21:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、タンク・スイッチは、タンクが機械の中に完全に挿入されると偏向するローラ・アームを有する押しボタン・スイッチを備える。態様22:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、少なくとも2つのセンサが異なる所定の位置に配置される。態様23:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、少なくとも2つのセンサが共有平面に沿った異なる所定の位置に配置される。態様24:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、少なくとも2つのセンサが出力軸の後方の共有平面に沿った異なる所定の位置に配置される。態様25:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ハウジングから遠隔に配置された少なくとも1つの遠隔センサを更に備える。態様26:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ブースト・レール電圧センサ、変換器正弦波振幅センサ又はファン電流センサ或いはそれらの組合せのうちの1つ又は複数から選択される少なくとも1つの追加センサを更に備える。態様27:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源はタンクの中の流体と動作連絡している。態様28:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源はタンクからの流体を霧状にするように構成される。態様29:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源は、停滞した流体溜りを必要とすることなく水蒸気を生成するように構成される。態様30:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、水蒸気を生成するために使用される蒸気源及び流体源は離れた場所に存在する。態様31:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源は、アクチュエータ又は変換器、或いはそれらの組合せを備える。態様32:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源は、流体から微細なミストを生成するように構成された変換器を備える。態様33:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源は、停滞した流体溜りがなくても微細なミストを生成するように構成された変換器を備える。態様34:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源は、停滞した流体溜りの中に沈められることなく微細なミストを生成するように構成された変換器を備える。態様35:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源はメッシュ変換器を備える。態様36:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ変換器はメッシュ・ディスクを備える。態様37:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ変換器は圧電セラミック・メッシュ・ディスクを備える。態様38:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ・ディスクは、メッシュ・ディスクの両端間に電圧が印加されると、ある方向に一時的に変形することができる。態様39:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ・ディスクは、タンクからの流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された孔を備える。態様40:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ・ディスクは、タンクからの流体を使用して微小飛沫を作り出すように構成された約6umから約15umまでの孔を備える。態様41:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、孔は約1μmから約40μmまでである。態様42:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、孔は約6μmから約15μmまでである。態様43:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、孔は約8μmから約18μmまでである。態様44:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、孔は約18μmから約30μmまでである。態様45:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を周期発振波入力から生成するように構成される。態様46:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、圧電セラミック・メッシュ・ディスクは、流体の飛沫を空中に推進させるのに有効な発振を正弦波入力から生成するように構成される。態様47:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、アクチュエータは、可変振幅、固定周波数、可変振幅、周波数又はデューティ・サイクル、等々の波形を使用する。態様48:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、メッシュ変換器は、タンクの中の流体と外部の空気の間に置かれるように構成される。態様49:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源配置は、カビの蓄積を防止することになる、タンクを除く機械の中のあらゆる場所における停滞水を除去するように構成される。
【0096】
態様50:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、空気流源は、所定の流路に沿って、所定の速度で水蒸気を推進する、又は移動させるのに有効な空気流を生成することができる。態様51:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、流路は放物線の弧を含む。態様52:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、空気流源はDCファンである。態様53:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、小気候は湿度である。態様54:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められた微小環境部分は小児用寝台である。態様55:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、1つ又は複数のセンサに関連するデータに少なくとも基づいて予め定められた部分までの固定ターゲット距離が測定され、又は決定される。態様56:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、少なくとも2つのセンサに関連するデータに少なくとも基づいて予め定められた部分までの固定ターゲット距離が測定され、又は決定される。態様57:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ターゲットの予め定められた部分の相対湿度レベルが人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される。態様58:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、センサは湿度データ及び温度データを測定するように構成される。態様59:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、測定された湿度データ及び温度データを使用して相対湿度(RH)レベルが決定される。態様60:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、測定された湿度データ及び温度データは低域通過フィルタの使用を更に含む。態様61:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、決定された相対湿度(RH)レベルは、複数のセンサからの測定された湿度データ及び温度データの平均を含む。態様62:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、複数のセンサは制御ユニットと動作連絡している。態様63:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、複数のポイントにおける複数の湿度データ及び温度データを検出するように構成される。態様64:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、複数のセンサは第1のセンサ及び第2のセンサを備える。態様65:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成される。態様66:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、第1のセンサ及び第2のセンサを使用して、2つの異なるポイントにおける相対湿度レベルを検出するように構成される。態様67:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、湿度源の動作の制御は、複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づく。態様68:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、制御ユニットは、湿度ユニットの動作を制御するために湿度ユニットと動作連絡している。態様69:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、制御ユニットは、蒸気源又は空気流源或いはそれらの組合せの動作を制御するために、蒸気源及び/又は空気流源と動作連絡している。態様70:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、蒸気源及び/又は空気流源の動作の制御は、複数のセンサからの絶対湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づく。態様71:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、制御ユニットはマイクロコントローラを備える。態様72:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、制御ユニットは、アンチ-ワインドアップ考察による比例積分コントローラを備える。態様73:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、制御ユニットが構成される。態様74:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、検出されたRH値とプログラムされた知識ベースとを使用するように構成される。態様75:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、予め定められた空間の所定の部分におけるRHレベルを予測するために、検出されたRH値と、1つ又は複数のセンサ同士の間の距離、1つ又は複数のセンサと固定ターゲットの間の距離、又は固定ターゲット距離のうちの少なくとも1つのプログラムされた知識とを使用するように構成される。態様76:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、予め定められた空間の予め定められた部分におけるRHレベルを予測するために、2つの検出されたRH値と、固定ターゲット距離と共に第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識とを使用するように構成される。態様77:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ターゲット距離は、Bluetooth又はRFによって測定されたセンサ位置データを使用して決定される。態様78:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、湿度ユニットを制御するために、予め定められた空間の所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成される。態様79:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、湿度出力のレートを制御するために、予め定められた空間の所定の部分における予測されたRHレベルを使用するように構成される。態様80:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、蒸気/湿気の量及び/又は湿度ユニットから出力される加湿空気の空気流量を制御するために、予め定められた空間の予め定められた部分における予測されたRHレベルを使用するように構成される。態様81:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、相対湿度レベル及び/又はターゲット距離は、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される。態様82:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システムは、水をより効果的に使用することができ、同じタンク容量に対してより長いランタイムをもたらすことができ、また、湿度レベルが高くなりすぎる、又は低くなりすぎる負の影響を回避することができ、部屋の中でカビが成長する傾向を回避することができ、また、呼吸不快を回避することができるように構成される。態様83:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ハウジングは、加湿空気の出力方向を制御するように構成された回転出力ヘッドを備える。態様84:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、加湿空気の出力方向は出力軸に対応する。態様85:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、出力ヘッドは、出力方向を制御するためにユーザが軸の周りに回転させるように構成される。態様86:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、ハウジングは、所定の流路に沿って加湿空気を運ぶように構成された出力シャフトを備える。態様87:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、出力シャフトは出力ヘッドに接続される。態様88:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、出力シャフトは容易にアクセスするためのアクセス・ドアを備える。態様89:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、出力シャフトは、洗浄のためにより容易に出力シャフトにアクセスすることができるよう、開くことができるアクセス・ドアを前面に備える。態様90:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、タンクは取外し可能で、皿洗い機による洗浄が可能である。態様91:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、タンクは、小さい、到達が困難なクレバスを備えていない。態様92:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、タンクは、ユーザが水レベルを視覚的に検証することができるよう、透明な材料から構築される。態様93:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、デバイスは、ユーザがタンクを取り外すまで水が漏れないよう、タンクを所定の位置に固定するように構成されたタンク・インタフェース構成要素を備える。態様94:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システム又はデバイスは、タンク内の、流体と自由空気の境界に変換器を位置決めするように構成される。態様95:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められたターゲット微小環境又は部分は、定められた体積を有する空間の部分である。態様96:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められたターゲット微小環境又は部分は空間の体積より小さい体積を有する。態様97:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、予め定められた領域の予め定められたターゲット微小環境又は部分は小児用寝台である。態様98:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システム又はデバイスは、予め定められた空間の予め定められた部分内に小気候を作り出すのに有効である。態様99:いずれかの前記態様のシステム又はデバイスであって、システム又はデバイスは、保育室又は部屋の中に配置された小児用寝台内に小気候を作り出すのに有効である。
【0097】
態様100:予め定められた空間の一部を備える予め定められたターゲット微小環境内の湿度又は小気候を制御する方法であって、方法は、a)いずれかの前記態様の加湿機デバイス又はシステムからの出力を予め定められた空間内の予め定められたターゲット微小環境に向かって位置決めするステップと、b)加湿機デバイス中の複数のセンサからの検出された湿度データ及び/又は温度データに少なくとも基づいてターゲット部分の相対湿度レベルを決定するステップと、c)加湿空気を予め定められた流路に従ってターゲット微小環境の中に出力するために、蒸気源からの蒸気生成及び空気流源からの空気流生成を起動するステップと、d)ターゲット微小環境の決定された相対湿度レベルに少なくとも基づいて、蒸気源からの蒸気生成の量及び/又は空気源からの空気流量を調整するステップと、e)ターゲット微小環境における所定の湿度基準を満たすと、蒸気源からの蒸気生成及び/又は空気源からの空気流生成の起動を解除するステップとを含む。態様101:いずれかの前記態様の方法であって、ターゲット微小環境の相対湿度レベルは、2つの検出されたRH値と、予め定められたターゲット部分までの固定ターゲット距離と共に、第1のセンサと第2のセンサの間の距離のプログラムされた知識とに少なくとも基づく。態様102:いずれかの前記態様の方法であって、所定の湿度基準は、約30%から約60%までの範囲の相対湿度レベルである。態様103:いずれかの前記態様の方法であって、固定ターゲット距離は、システムによって、1つ又は複数のセンサに関連するデータに少なくとも基づいて、測定され、又は決定される。態様104:いずれかの前記態様の方法であって、固定ターゲット距離はユーザによってデバイスに入力される。態様105:いずれかの前記態様の方法であって、ターゲット部分の相対湿度レベルは、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される。態様106:いずれかの前記態様の方法であって、蒸気生成体積、蒸気生成継続期間、空気流継続期間及び/又は空気流量は、人工知能(AI)、機械学習技術、予測モデル化及び/又はアルゴリズムを使用して決定される。態様107:いずれかの前記態様の方法であって、蒸気生成及び空気流生成は、開示されている制御戦略を使用して制御ユニットによって制御される。
【0098】
本発明の態様は、システム法令クラスなどの特定の法令クラスで説明し、且つ、特許請求することができるが、これは単に便宜上のためにすぎず、本発明の個々の態様は、特に明確に言及されていない限り、任意の法令クラスで説明し、且つ、特許請求することができ、本明細書において説明されている任意の方法又は態様には、そのステップを特定の順序で実施しなければならないものとして解釈されることは全く意図されていないことは当業者には理解されよう。したがって方法請求項が、これらのステップは特定の順序に限定されていることを特許請求の範囲又は説明の中で明確に言及していない場合、いかなる点においても順序が暗示されることは明らかに一切意図されていない。これは、ステップ又は操作の流れの配置に関する論理の問題、文法的構成又は句読法から誘導される平易な意味、又は明細書において説明されている態様の数又はタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能非発現根拠についても同様である。
【0099】
本出願全体を通して様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示は、本出願が関連している最新技術をより完全に説明するために、参照によりそれらのすべてが本出願に組み込まれている。また、開示されている参考文献は、その参考文献が利用している文で考察されている材料がそれらに含まれるよう、参照により、個別に、また、明確に本出願に組み込まれている。本明細書においては、先行する発明を理由としてこのような刊行物の日時より前であることの権利が本発明に与えられないことを承認するものとして解釈されるものは何もない。更に、本明細書において提供されている刊行物の日付は、独自の確認を必要とし得る実際の発行の日付とは異なり得る。
本発明の特許請求可能な範囲は特許請求の範囲によって定義されており、当業者に思い浮かぶ他の実例を含むことができる。このような他の実例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言とは異ならない構造要素を有している場合、或いはそれらが特許請求の範囲の文字通りの文言とは非現実的に相違している等価構造要素を含んでいる場合、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【国際調査報告】