(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】建設産業で使用する水硬性組成物中の粘土を不活性化する処理
(51)【国際特許分類】
B28C 7/00 20060101AFI20240116BHJP
C04B 24/26 20060101ALI20240116BHJP
C04B 24/12 20060101ALI20240116BHJP
C04B 28/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B28C7/00
C04B24/26 D
C04B24/12 Z
C04B24/26 F
C04B28/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539752
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2021087350
(87)【国際公開番号】W WO2022136574
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510338248
【氏名又は名称】エスエヌエフ・グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ブルシエ,トマ
(72)【発明者】
【氏名】メナジェ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ブロンデル,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ファヴロ,セドリック
(72)【発明者】
【氏名】キィフェル,ジョアン
【テーマコード(参考)】
4G056
4G112
【Fターム(参考)】
4G056AA02
4G056CB19
4G112MD01
4G112PA06
4G112PB20
4G112PB28
4G112PB31
(57)【要約】
本発明は、建設用に意図された水硬性組成物中の粘土を不活性化するためのプロセスに関するものである。プロセスは、水硬性組成物またはその構成要素の1つに少なくとも1つのアクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットと、任意に粘土不活性化剤のものとは異なる化学的性質のモノマーユニットからなる水溶性ポリマーの粘土不活性化剤を添加するステップを含む。その重量平均分子量がMw LとMw Hの間であることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設用に意図された水硬性組成物中の粘土を不活性化する方法であって、該方法が、水硬性組成物またはその構成要素の1つに少なくとも1つの粘土不活性化剤を添加するステップを含み、粘土不活性化剤が、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットと、任意に粘土不活性化剤のものとは異なる化学的性質のモノマーユニットからなる水溶性ポリマーであることを特徴とし、その重量平均分子量がMw LとMw Hの間であり、
Mw L=[AM]
*30+[VA]
*10+[VF]
*10+[MO]
*20、また
Mw H=[AM]
*500+[VA]
*3000+[VF]
*3000+[MO]
*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対するモノマー割合(mol%)であり、モノマーユニットは、アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットであり、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]の合計は100mol%に等しいことを特徴とする、方法。
【請求項2】
水溶性高分子が非イオン性であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水溶性高分子は以下のいずれか:
- アクリルアミドホモポリマー、
- ホモポリビニルアミン、
- ホモポリビニルホルムアミド、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる2つのモノマーユニットからなるコポリマー、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンのモノマーユニットからなるターポリマー、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる少なくとも2つのモノマーユニットと、少なくとも疎水性を有するモノマーユニットを含むターポリマー、
から選ばれることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
水溶性ポリマーが、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニット、および任意に疎水性のモノマーユニットのみを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
水溶性ポリマーが、アクリルアミドホモポリマー、ホモポリビニルアミンおよびホモポリビニルホルムアミドから選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
水溶性ポリマー中のアクリルアミド、および/またはビニルアミン、および/またはビニルホルムアミドモノマーユニットの割合が、ポリマーの全モノマーユニットに対して可能であれば少なくとも70mol%であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
水溶性ポリマーが疎水性のモノマーユニットからなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
水溶性ポリマーが、疎水性のモノマーユニットを0.001~20mol%含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
疎水性のモノマーが、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジメチルアクリルアミド、ブチルアクリルアミドであることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
水溶性ポリマーが、少なくとも80mol%のアクリルアミドモノマーユニットを含み、2.5
*Mw Lと0.8
*Mw Hの間の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
水溶性ポリマーが、ビニルアミドおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットを少なくとも80mol%含み、2
*Mw Lから5/6
*Mw Hの間の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
非イオン性水溶性高分子が線状であることを特徴とする、請求項2から11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
水溶性ポリマーが、微細骨材の重量に対して2~200ppmの不活性剤の投与量で、水硬性組成物またはその構成要素の1つに添加されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
微細骨材を含む建設用水硬性組成物であって、前記微細骨材が、粘土、少なくとも1種の超塑性化剤、および少なくとも1種の粘土不活性化剤を含み、前記粘土不活性化剤が、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニット、および任意に前記化学的性質とは異なる化学的性質のモノマーユニットであることを特徴とし、その重量平均分子量がMw LとMw間にあり、
Mw L=[AM]
*30+[VA]
*10+[VF]
*10+[MO]
*20、また
Mw H=[AM]
*500+[VA]
*3000+[VF]
*3000+[MO]
*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対するモノマー割合(mol%)であり、モノマーユニットは、アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットであり、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]の合計は100mol%に等しいことを特徴とする、建築用水硬性組成物。
【請求項15】
組成物はモルタルまたはコンクリートであることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設用水性組成物中の粘土を不活性化する処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設現場で使用されるセメント系水性組成物は、様々な品質の微細骨材、特に砂が含まれる。この希薄化のため、岩石粉砕に頼らざるを得ないこともある。一般に微細骨材は、かなりの量の粘土を含む。一部は膨潤性で、横滑りに広がることで外面・内面が非常に多くの水を吸収し微細骨材が水和され、骨材の品質が低下することがあり、水硬性組成物の特性が大きく変動する。未乾燥状態ではレオロジー特性に問題が生じ、硬化状態では構造物の脆化を招くなど、安全上の問題がある。
【0003】
水性組成物は、水/水性バインダーの比率によって特徴付けられる。完成したセメントの強度や耐久性は、この比率に左右される。水/水性バインダーの比率が低いほど、強度や耐久性が高まる。したがってこの比率を下げるために、超可塑剤が使われる。しかし、微細骨材に含まれる粘土が水や超可塑剤を捕捉するため、敷設時の性能低下や混和剤の過剰消費が発生する。微細骨材に含まれる粘土に起因するばらつきがあるため、超可塑剤の投与量のコントロールが難しくなる。
【0004】
これらの問題を回避するため粘土を不活性化する合成ポリマーが開発された。国際公開第98/58887号では、粘土の活性を変化させる薬剤の使用により、粘土によるEO/POタイプの超塑性剤の吸収を妨げ、セメントやコンクリートの性能を高めることが提案されている。特に、アルコキシル化された4級ポリアミンなどのカチオン性ポリマーを含む無機または有機カチオンの使用が提案される。
【0005】
国際公開第2006/032785号では、電荷密度が0.5meq/gを超えるカチオン性ポリマー、特にエピクロロヒドリンとジアルキルアミンの縮合により得られるカチオン性ポリマーの使用が提案されている。
【0006】
国際公開第2013/124003号では、カチオン性基で官能化されたポリアミンなどの他のカチオン性ポリマーの使用が提案されている。
【0007】
先行技術に記載される不活性粘土ポリマーはカチオン性であり、性能を最適化するため、高度なカチオン性を持つポリマーに研究が集中している。しかし、これらのカチオンポリマーは4級アンモニウムの機能を持ち、塩化物を多く含むため、多くの問題がある。
【0008】
塩化物は、セメント系基盤を損傷させ、その機械的強度に影響を与える。このような基盤への物理・化学的な損傷に加えて、工学構造物の損傷リスクは、金属補強材への腐食損傷により、める。
【0009】
鉄筋の脱灰は、塩化物イオンが、上部コンクリートを通過し、鉄筋の最初の層で臨界濃度に達することで始まる。現在、世界中でコンクリート配合の臨界濃度は標準化され、科学的な知識、観察、経験から、時にセメントの質量に対して塩化物0.2%以下となることがある。
【0010】
現象は非常に複雑で、建設物の耐久性や安全性に関わる重大な問題を引き起こす。このため、業界では、硬化コンクリートの塩化物含有量測定で、NF EN 14629 などを導入している。この規格は、主に鉄筋の塩化物による腐食の危険性を推定することを目的としている。
【0011】
このため、建設業界では、液圧組成物中の塩化物濃度を可能な限り低減するためのソリューションが求められている。
【0012】
国際公開第2018/054991号は、塩化物含有量が低減されたカチオン性高密度ポリマーを得るプロセスに関するものである。カチオン性ポリマーは、鉱物バインダーをベースとした組成物に使用することで、粘土を抑制することができる。しかしこのプロセス後も、塩化物の含有量が多く、規格要件を満たさない。このため、既存のソリューションは不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第98/58887号
【特許文献2】国際公開第2006/032785号
【特許文献3】国際公開第2013/124003号
【特許文献4】国際公開第2018/054991号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、建設用途を目的とした水硬性組成物の性能を向上させ、塩化物を混入させない、粘土不活性化剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、特定の化学的性質と特定の分子量を持つ水溶性ポリマーが、建設用水性組成物中の粘土の不活性化性能の改善をもたらし、また塩化物を含まないため、規格要件を満たすという観察に基づく。
【0016】
また、これらの水溶性高分子が疎水性を有するモノマーユニットを特定量含むことで、粘土の不活性化特性がさらに向上するという観察に基づくものである。
【0017】
本発明は、新しい技術革新に内在する環境目的を達成することを可能にする。この場合、ポリマーの性能向上により、ポリマーの消費量を減らすことができると期待できる。
【0018】
また先に示したように、本発明のポリマーは塩化物を含まず、より強固な建設資材が得られるだけでなく、通常、砂や微細骨材をフィルターベルト上で洗浄する水消費と汚染を大幅に削減することが可能となる。これにより、この資源をより効率的用途のために節約し、汚染された水による環境の汚染を避けることができる。
【0019】
また、塩化物を含まないため、時に砂漠化につながる水の塩害を抑えることができる。
【0020】
最後に、ポリマーに使用されるモノマーは、先行技術のポリマーに使用されるモノマーよりも炭素フットプリントが小さい。機能性ポリマー(ポリエチレンを除く)の最小値であるわずか3個の炭素で構成されており、石油と比較して短時間で生産される。
【0021】
そのため、このポリマーは、その組成と応用上の利点の両方において、環境とそのユーザーにとってより好都合なものとなっている。
【0022】
本発明は、建設用に意図された水硬性組成物中の粘土を不活性化するためのプロセスに関するものである。プロセスは、水硬性組成物またはその構成要素の1つに少なくとも1つのアクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットと、任意に粘土不活性化剤のものとは異なる化学的性質のモノマーユニットからなる水溶性ポリマー( )の粘土不活性化剤を添加するステップを含む。その重量平均分子量がMw LとMw Hの間であることを特徴とし、化学的性質は次の通り:
- Mw L=[AM]*30+[VA]*10+[VF]*10+[MO]*20、また
- Mw H=[AM]*500+[VA]*3000+[VF]*3000+[MO]*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対するモノマー割合(mol%)であり、モノマーユニットは、アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットである。アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットであり、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]の合計は100mol%に等しい。
【0023】
望ましい態様では、本発明のポリマーは、次から選択される:
-アクリルアミドのホモポリマー、
-ホモポリビニルアミン
-ホモポリビニルホルムアミド
-アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる2つのモノマーユニットからなるコポリマー、
-アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンのモノマーユニットからなるターポリマー、
-アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる少なくとも2つのモノマーユニットと、少なくとも疎水性を有するモノマーユニットを含むターポリマー。
【0024】
本発明によれば、粘土不活性剤は、少なくとも2つの水溶性ポリマーを含む組成物である。
【0025】
本発明による水溶性ポリマーは非イオン性ですなわち、アニオン性またはカチオン性の電荷を含んでいないことが望ましい。
【0026】
特に、本発明による水溶性ポリマーは、塩化物イオンを含有しないことが必須である。
【0027】
また本発明は、本発明に記載の微細骨材、少なくとも1種の超塑性化剤、および少なくとも1種の粘土不活性化剤を含む、建設を目的とする水硬性組成物に関するものである。
【0028】
本発明で用語「水溶性ポリマー」は、25℃で、水中で20g/Lの濃度で攪拌しながら溶解したときに水溶液ができるポリマーを意味する。
【0029】
「ポリアクリルアミド」の用語はアクリルアミドモノマーユニットからなるポリマーを意味し、「ポリビニルアミン」はビニルアミンモノマーユニットからなるポリマーを意味し、「ポリビニルホルムアミド」はビニルホルムアミドモノマーユニットからなるポリマーを意味する。、「ポリビニルホルムアミド」は、ビニルアミンモノマーユニットを含むポリマーを意味する。
【0030】
「超可塑剤」とは、水量を減らすポリマー、例えば高い流動性を長期にわたって維持し、水硬性組成物のスランプを高度に維持するポリマーを指す。化学的に、これらの超可塑剤は、エトキシやプロポキシなどのオキシアルキル化された側鎖を持つ、ポリカルボキシレートなどの炭素鎖ポリマーである。
【0031】
「非イオン性ポリマー」とは、ポリマー鎖にカチオン性またはアニオン性の電荷を持たないポリマーを指す。
【0032】
「水硬性組成物」は、水硬性に固まる組成物、特に建設業向けのモルタル、コンクリート、セメント系組成物を定義する。
【0033】
「その構成成分の一つ」とは、この表現が水硬性組成物に言及する場合、当業者に知られている水硬性組成物の従来の構成成分、例えば微細骨材(砂、石灰石など)、過可塑剤、及びセメント系バインダー、例えばモルタルやコンクリートなどの水硬性バインダーを意味し、また超可塑剤、および例えばモルタルまたはコンクリートのようなセメント系バインダーのような水硬性バインダーが挙げられる。
【0034】
「微細骨材」は砂や砂利など、粒径の異なる微細骨材を指す。微細骨材は、石灰質、珪質、珪酸質など、鉱物の性質を問わない。特に、例えば本発明の文脈で説明される砂のような微細骨材は、粘土を含む。
【0035】
「粘土」は、アルミニウムおよび/またはマグネシウムのケイ酸塩、特に、典型的には約7~約14オングストロームの間隔で配置された層状構造を有するフィロケイ酸塩を指す。しかし、この用語は、他の種類の粘土、特に非晶質粘土も含まれる。凝集体に多く含まれる粘土には、モンモリロナイト、イライト、カオリナイト、マスコバイトなどがある。
【0036】
本発明による水溶性ポリマーにおけるアクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットの割合は、ポリマーの全モノマーユニットに対して、最低70mol%とする。できれば少なくとも80mol%、可能であれば90mol%、また95mol%であることが望ましい。アクリルアミド、ビニルホルムアミドおよびビニルアミンモノマーユニットに加えて、本発明によるポリマーは、上記の化学的性質と異なる化学的性質のモノマーユニットを含んでいる場合がある。前述の「化学的性質」とは、アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンを意味する。これらの化学的性質の異なるモノマーユニットは、疎水性モノマーユニット、カチオン性モノマーユニット、アニオン性モノマーユニットまたは双性イオン性モノマーユニットであり、疎水性モノマーユニットが望ましい。
【0037】
本発明によるポリマーは、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットのみからなることが望ましく、任意で疎水性のモノマーユニットを含む。
【0038】
水溶性ポリマーは、できるだけアクリルアミドホモポリマー、ホモポリビニルアミンおよびホモポリビニルホルムアミドから選択され、またホモポリビニルアミンおよびホモポリビニルホルムアミドが望ましい。
【0039】
アクリルアミド/ビニルアミンコポリマーは、アクリルアミドとビニルアミンのモノマーユニットのみを含むことが望ましい。アクリルアミド/ビニルホルムアミドコポリマーは、アクリルアミドとビニルホルムアミドモノマーユニットのみを含むことが望ましい。ビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマーは、ビニルアミン/ビニルホルムアミドモノマーユニットのみを含む事が望ましい。アクリルアミド/ビニルアミン/ビニルホルムアミドターポリマーは、できるだけアクリルアミド、ビニルアミンおよびビニルホルムアミドモノマーユニットのみを含める。また、本発明によるポリマーは、できるだけ疎水性のモノマーユニットを含める。
【0040】
アクリルアミド、ビニルアミンおよび/またはビニルアミドモノマーユニットの割合は調整できる。
【0041】
本発明によるポリマーは、0.001~20mol%の疎水性のモノマーユニット、また0.1~15mol%、できるだけ0.1~10mol%を含めることが望ましい。疎水性特性を有するモノマーは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アリルアルキルを有する(メタ)アクリル酸のエステルからなる群から選ばれ、プロポキシル化され、エトキシル化されエトキシル化、またはエトキシル化およびプロポキシル化されたもの;(メタ)アクリルアミド誘導体アルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、プロポキシル化、エトキシル化、エトキシル化およびプロポキシル化、またはジアルキル鎖;アルキルアリールスルホン酸塩が望ましい。可能であれば ヒドロキシエチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジメチルアクリルアミド、ブチルアクリルアミドおよびテルブチルアクリルアミドから選ぶ。
【0042】
本発明によるポリマーに疎水性のモノマーが存在することで、より広い範囲の投与量で性能を向上させることが可能になり、粘土不活性化剤の処理現場での使用において、微細骨材の採石場であれ、水硬性組成物の製造現場であれ、より柔軟な対応が可能になる。専門業者は投与量を調整し最適な性能を得られる。
【0043】
アクリルアミドモノマーユニットからなるポリマーにホルムアルデヒドとジメチルアミンを反応させて得られるマンニッヒ製品も、本発明のポリマーである。通常、これらのポリマーは塩化物イオンを含まない。これらの生成物は、非塩素系アルキル化剤、可能であれば硫酸ジエチルを加えることによりプロトン化することができる。本発明によるマンニッヒ製品の分子量は、Mw LとMw Hの間である。
【0044】
本発明を通じて、ポリマーモノマーのモル%は100%に等しくなることが理解される。
【0045】
既に述べたように、本発明によるポリマーは、できるだけ一般に10と13の間である製品の使用pHにおいて、カチオン性またはアニオン性電荷を含まないものとする。可能であればカチオン性、アニオン性、または双性イオン性モノマーユニットを含まないこと。
【0046】
本発明によるポリマーの重量平均分子量は、ダルトンで表され、Mw LとMw Hの間であり、次のとおりである。
- Mw L=[AM]*30+[VA]*10+[VF]*10+[MO]*20、また
- Mw H=[AM]*500+[VA]*3000+[VF]*3000+[MO]*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対する、アクリルアミド、ビニルアミンおよびビニルホルムアミドモノマーユニットの、上記化学的性質と異なるモノマーの割合をmol%で示す。
【0047】
本発明によるポリマーの重量平均分子量は、[Mw L-Mw H]の範囲内にあり、Mw Lはこの範囲の下限値からなり、Mw Hはこの範囲の上限値からなる。
【0048】
ポリマーが、アクリルアミド、ビニルアミンまたはビニルホルムアミドモノマーユニットが、化学的性質の異なる複数種類のモノマーユニットからなる場合、モノマー割合[MO]は、これら化学的性質の異なるモノマーユニットの割合の和に等しい。
【0049】
ポリマーが、例えば、90mol%のアクリルアミドモノマーユニット、5mol%のブチルアクリレートモノマーユニット、および5mol%のジメチルアクリルアミドモノマーユニットからなるとき、[MOのジメチルアクリルアミドモノマーユニット、次に[MO]は10mol%に等しく、Mw Lは2900ダルトンに等しく、そしてMw Hは65000ダルトンに等しい。
【0050】
本発明による水溶性ポリマーが、少なくとも80mol%のアクリルアミドモノマーユニットからなる場合、その重量平均分子量は、可能であれば2.5*Mw Lと0.8*Mw H、さらに3.3*Mw Lと0.6*Mw Hの間であり、したがってこれらの望ましい範囲は、前述の[Mw L-Mw H]範囲よりも制限された重量平均分子量の範囲を構成する。本発明によるポリマーがアクリルアミドホモポリマーである場合、その重量平均分子量は、可能であれば7500~40000ダルトン、さらに10000~30000ダルトンである。
【0051】
本発明による水溶性ポリマーが、少なくとも80mol%のビニル網戸および/またはビニルフォームアミドのモノマーユニットからなる場合、その重量平均分子量は、可能であれば2*Mw Lと5/6*Mw H、さらに5*Mw Lと2/3*Mw Hの間であり、したがってこれらの望ましい範囲は、前述の[Mw L-Mw H]範囲よりも制限された重量平均分子量の範囲を構成する。本発明によるポリマーがホモポリビニルアミドまたはホモポリビニルホルムアミドである場合、その望ましい重量平均分子量は、可能であれば7500~40000ダルトン、さらに1万~3万ダルトンである。
【0052】
本発明によれば、ポリマーは、直鎖状、分岐状、星型、櫛型、樹枝状またはブロック構造を有する。ポリマーは、直鎖状または構造化され、直鎖状であることがのぞましい。構造化ポリマーとは、側鎖を持つ非線形のポリマーである。
【0053】
一般にこのポリマーは、特定の重合プロセスの開発を必要としない。業者によく知られた任意の重合技術を使用して得ることができる。これは溶液重合、ゲル重合、沈殿重合、乳化重合(水性または逆性)、懸濁重合、反応性押出重合、水中重合、ミセル重合などである。
【0054】
重合は一般にフリーラジカル重合であり、溶液重合が望ましい。フリーラジカル重合には、UV、アゾ、レドックス、熱開始剤を用いたフリーラジカル重合と、コントロールラジカル重合(CRP)またはマトリックス重合技術がある。
【0055】
本発明のポリマーを製造するための特に有利な技術は、RAFT(Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer) 重合であり、これにより、低分散で高機能な制御された構造(ブロックポリマー、星型、櫛型など)のポリマーを合成できる。
【0056】
ポリビニルアミンは、以下のようにして得られる:
- アクリルアミド、メタクリルアミド、N、Nジメチルアクリルアミド、t-ブチルアクリルアミド、オクチルアクリルアミド、及び/又はからなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン性モノマーを含む(共)ポリマーのホフマン分解反応(ただし、これに限定しない)、
- 式(I)の少なくとも1つのモノマーの(共)重合反応:
【化1】
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル鎖であり、
その後、-CO-R1基の一部または全部を、例えば加水分解によって除去し、アミン機能を形成する。
【0057】
式(I)のモノマーの例としては、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルプロピアナミド、N-ビニル-N-メチルプロピアナミド、N-ビニルブチラミドなどが挙げられる。モノマーは、N-ビニルホルムアミドであることが望ましい。
【0058】
これらの式(I)のモノマーは、単独で使用することも、広義の他のモノマー、例えばアクリルアミドや疎水性のモノマーと共重合することもできるが、後者が加水分解に対して敏感でないことが条件である。
【0059】
ポリビニルアミンは、できればポリビニルホルムアミドの加水分解反応(塩基性が望ましい)により得る。ポリビニルホルムアミド類は、専門業者に公知の方法で得られる。
【0060】
重量平均分子量の測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)が使用される。重量平均分子量は、例えば、Dawn HELOS、OPtilab T-Rex多角度光散乱検出器と2本のカラムを直列に備えたAgilent 1260 Infinityシステムで測定する:Shodex SB 807-HQ et Shodex 805-HQ。生理食塩水の移動相で1000ppmに希釈し、1.2μmでろ過する。ポリビニルアミンの直接測定は複雑であり、その分子量は、望ましいポリアクリルアミドまたはポリ(N-ビニルホルムアミド)前駆体について、同じ装置システムを使用し、ポリビニルアミンへの変換が定量的である、すなわち反応が完全であると仮定した。
【0061】
高分子粘土不活性化剤は、異なる形態で使用するでき、可能であれば水溶液の形態で、不活性化剤1~50重量%を含むことが望ましい。高分子粘土不活性化剤は、水硬性組成物またはその成分の1つに注ぎ込むか、噴霧することによって添加する。
【0062】
水硬性組成物は、セメント系バインダーを含むことが望ましい。モルタルまたはコンクリートであることが望ましい。組成物の乾燥ベースを基準として、20~90重量%の微細骨材および0.01~1重量%の超可塑剤を含むことが望ましい。水硬性組成物の他の成分は、その組成物の製造に通常見られるものである。液状組成物の調製方法は、専門業者の知識に従って実施される。
【0063】
本発明による不活性化剤を、水硬性組成物に添加する場合、組成物の調製中の任意の段階で添加できる。これは使い勝手がよく、混合の問題も発生しない。
【0064】
本発明による不活性化剤を、その構成成分の1つに添加する場合、この添加は、この構成成分の水硬性組成物への添加の前に行う。例えば、不活性化剤は、水硬性組成物の調製を目的とした微細骨材に添加できる。
【0065】
この場合、組成物の良好な分散を確保し、均質に処理された材料を得るために、可能であれば、処理中または処理後に混合することによって、微細骨材を不活性剤と接触させる。粘土の含有量が0.1~2重量%の微細骨材が一般的に処理される。微細骨材は、可能であれば処理時に乾燥している(含水率10重量%以下)ことが望ましい。微細骨材は、できれば採石場で処理する。
【0066】
原則として、不活性化剤を微細骨材に接触させれば、微細骨材に含まれる粘土を確実に不活性化することができる。一般的には数秒から数分の接触で十分である。
【0067】
不活性化剤は、微細骨材または水硬性組成物中に存在する粘土の完全な不活性化を確実にするために、適量を使用することが望ましい。
【0068】
目安としては、微細骨材の重量に対して2~200ppmの不活性化剤の投与で、微細骨材の処理で概ね十分である。 専門業者は投与量を調整し最適な性能を得られる。
【0069】
前述のように、不活性化剤の添加により、粘土の抑制効果が向上し、規格要求と市場の期待に応える塩化物フリー溶液が作られる。長期的には、金属の腐食やセメント系マトリックスへの攻撃を抑え、構造物の耐久性を向上させる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下の実施例は、本発明の目的の説明のみであり、何ら限定されるものではない。
【0071】
[実施例]
1/ 粘土不活性化ポリマー
実施例に記載されたポリマーは、塩化物を含まない。以下に、ポリマーを得るプロセスについて説明する。
【0072】
アクリルアミドホモポリマーは、脱イオン水中での溶液重合プロセスにより得られる。転写剤の量は、表1に記載のモル質量になるよう調整する。
【0073】
ホモポリビニルアミンは、ポリ(N-ビニルホルムアミド)を、水溶液中で重合工程を経て、アルカリ加水分解することにより得られる。加水分解は定量的である。
【0074】
アクリルアミド/ビニルアミンコポリマーは、次亜臭素酸ナトリウムの存在下でポリアクリルアミドをホフマン分解し、その後、過剰な酸でポリイソシアネートをキャストすることで得られる。
【0075】
アクリルアミドとN-ビニルホルムアミドの共重合体は、アクリルアミドとN-ビニルホルムアミドを脱イオン水中で溶液重合法により共重合することにより得られる。
【0076】
アクリルアミド、ビニルアミン、N-ビニルホルムアミドのターポリマーは、前述のようにアクリルアミドとN-ビニルホルムアミドのコポリマーをホフマン分解することによって得られる。
【0077】
以下の表1は、合成されたポリマーの組成をまとめたものである。
【0078】
【0079】
ACM:アクリルアミド
VA:ビニルアミン
EPI/DMA:エピクロリドリンとジメチルアクリルアミドの重縮合により得られるカチオン性ポリマー
DMA:ジメチルアクリルアミド
VF:ビニルホルムアミド
BA:ブチルアクリレート
Mw:重量平均分子量
例3のポリマーは、26重量%の塩化物を含む。
【0080】
2/ 応用のテスト
ポルトラン ルクラシック セメント(Lafarge,CEM II-32.5 R、 Cimenterie Le Teil)、標準砂(Societe Nouvelle du Littoral)、粘土(bara-kade 200,Bentonite Performance Minerals LLC)をミキサボールに加え、低速で15秒間混合して均質化する。超塑性剤(Floset SH5)と粘土不活性剤の水溶液を調製し、低速で攪拌しながら30秒かけてセメント混合物に添加する。その後、さらに5分ほど生地を混ぜる。水/セメント比は0.45である。超塑性剤質量はセメント重量に対して0.5%である。砂/セメント比は3に等しい。不活性物質の量は試験製品に依存し、砂に対する乾燥製品の比率で表される。
【0081】
次に、このペーストをプレキシグラスプレート上の倒立コーン(エイブラムスコーン)に流し込む。このコーンを持ち上げると、生地が広がる。ウェーハの直径(D)を測定する。
【0082】
次の式を適用し、粘土を含まないケーキの直径(Dmax=320mm)と、不活性剤を含まないケーキの直径(Dmin=250mm)を比較する:
拡散率=(D-Dmin)/(Dmax-Dmin)×100
【0083】
値が100%に近いほど、粘土の抑制効果が高いことを示す。
【0084】
以前に合成した不活性粘土ポリマーをテストした。各実施例において、性能が最適となるポイントを決定した。これらの結果は、以下の表2に示すとおりである。
【0085】
【0086】
本発明の不活性粘土ポリマーは、対照群の例よりも優れた性能を得られた。不活性剤を使用しない場合の回収率は少なくとも50%以上であった。他のポリマーでは50%未満であった。さらに、本発明のポリマーは、より効果が高く、投与量を大幅に削減できる。ポリビニルアミンは、20ppm以下の用量で60%以上の拡散が確認され、優れた結果が得られた。また、ポリビニルホルムアミドは、スプレッド回収率100%という優れた性能を持つ。最後に、塩化物(26重量%)を含む対照群の例3のカチオン性ポリマーは、これらを含まない本発明によるポリマーより性能が低いことに注目する。
【0087】
3/ 疎水性モノマーを含むコポリマーに関するテスト
例4のポリマーを、例10および12のポリマーと比較した。第2回目と同様のアプリケーションテストを実施する。ポリマーの添加量は様々で、性能は表3に示す通りとなった。
【0088】
【0089】
疎水性モノマーを含む本発明の不活性粘土ポリマー(Ex10および12)は、より広い投与範囲にわたって良好な性能を提供、微細骨材の採石場であれ、水硬性組成物の製造現場であれ、処理現場での使用においてより柔軟な対応を可能にする。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設用に意図された水硬性組成物中の粘土を不活性化する方法であって、該方法が、水硬性組成物またはその構成要素の1つに少なくとも1つの粘土不活性化剤を添加するステップを含み、粘土不活性化剤が、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットと、任意に粘土不活性化剤のものとは異なる化学的性質のモノマーユニットからなる水溶性ポリマーであることを特徴とし、その重量平均分子量がMw LとMw Hの間であり、
Mw L=[AM]
*30+[VA]
*10+[VF]
*10+[MO]
*20、また
Mw H=[AM]
*500+[VA]
*3000+[VF]
*3000+[MO]
*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対するモノマー割合(mol%)であり、モノマーユニットは、アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットであり、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]の合計は100mol%に等しいことを特徴とする、方法。
【請求項2】
水溶性高分子が非イオン性であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水溶性高分子は以下のいずれか:
- アクリルアミドホモポリマー、
- ホモポリビニルアミン、
- ホモポリビニルホルムアミド、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる2つのモノマーユニットからなるコポリマー、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンのモノマーユニットからなるターポリマー、
- アクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアミンから選ばれる少なくとも2つのモノマーユニットと、少なくとも疎水性を有するモノマーユニットを含むターポリマー、
から選ばれることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
水溶性ポリマーが、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニット、および任意に疎水性のモノマーユニットのみを含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項5】
水溶性ポリマーが、アクリルアミドホモポリマー、ホモポリビニルアミンおよびホモポリビニルホルムアミドから選択されることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項6】
水溶性ポリマー中のアクリルアミド、および/またはビニルアミン、および/またはビニルホルムアミドモノマーユニットの割合が、ポリマーの全モノマーユニットに対して可能であれば少なくとも70mol%であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項7】
水溶性ポリマーが疎水性のモノマーユニットからなることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項8】
水溶性ポリマーが、疎水性のモノマーユニットを0.001~20mol%含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項9】
疎水性のモノマーが、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジメチルアクリルアミド、ブチルアクリルアミドであることを特徴とする、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
水溶性ポリマーが、少なくとも80mol%のアクリルアミドモノマーユニットを含み、2.5
*Mw Lと0.8
*Mw Hの間の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項11】
水溶性ポリマーが、ビニルアミドおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニットを少なくとも80mol%含み、2
*Mw Lから5/6
*Mw Hの間の重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項12】
非イオン性水溶性高分子が線状であることを特徴とする、請求項
2に記載の方法。
【請求項13】
水溶性ポリマーが、微細骨材の重量に対して2~200ppmの不活性剤の投与量で、水硬性組成物またはその構成要素の1つに添加されることを特徴とする、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項14】
微細骨材を含む建設用水硬性組成物であって、前記微細骨材が、粘土、少なくとも1種の超塑性化剤、および少なくとも1種の粘土不活性化剤を含み、前記粘土不活性化剤が、アクリルアミドおよび/またはビニルアミンおよび/またはビニルホルムアミドモノマーユニット、および任意に前記化学的性質とは異なる化学的性質のモノマーユニットであることを特徴とし、その重量平均分子量がMw LとMw間にあり、
Mw L=[AM]
*30+[VA]
*10+[VF]
*10+[MO]
*20、また
Mw H=[AM]
*500+[VA]
*3000+[VF]
*3000+[MO]
*2000、
ここで、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]はそれぞれ、ポリマーのモノマーユニットの総数に対するモノマー割合(mol%)であり、モノマーユニットは、アクリルアミド、ビニルアミン、ビニルホルムアミドおよび上記の化学的性質とは異なる化学的性質のユニットであり、[AM]、[VA]、[VF]および[MO]の合計は100mol%に等しいことを特徴とする、建築用水硬性組成物。
【請求項15】
組成物はモルタルまたはコンクリートであることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【国際調査報告】