(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】フレークの形態の廃棄物を再利用するための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 43/54 20060101AFI20240116BHJP
B29C 43/18 20060101ALI20240116BHJP
B29B 11/12 20060101ALI20240116BHJP
B29B 11/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B29C43/54
B29C43/18
B29B11/12
B29B11/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539759
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2022050273
(87)【国際公開番号】W WO2022148841
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523238944
【氏名又は名称】リプレイス
【氏名又は名称原語表記】REPLACE
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルマン, ローラン ロベール
(72)【発明者】
【氏名】ホーン, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エルマン, エティエンヌ
【テーマコード(参考)】
4F201
4F204
【Fターム(参考)】
4F201AA03
4F201AA04
4F201AA50
4F201AB16
4F201AB19
4F201AB25
4F201AR15
4F201BA03
4F201BC01
4F201BC13
4F201BC17
4F201BD02
4F201BM02
4F201BM07
4F201BP11
4F201BP16
4F201BP31
4F204AA03
4F204AD03
4F204AD05
4F204AD16
4F204AD35
4F204AR02
4F204FA01
4F204FB01
4F204FB11
4F204FN11
4F204FN15
(57)【要約】
本発明は、プラスチック系材料を含有するフレークの形態の廃棄物を再利用するための方法であって、フレークを用意するステップ;フレークを圧縮して、可塑化ツールにフレークを供給するステップ;フレークを、可塑化ツール中で溶融させ、混練するステップ;押出材料を高圧下で成形型に注入して、部品を形成するステップ;追加の気体を補給することなく、可塑化ツール内で再利用される材料の加熱及び加圧によって発生した分解気体を使用して、材料が成形型に注入される間、材料を潤滑し、材料が冷却される間の材料の収縮を補償するステップ;成形型を冷却するステップ;部品を成形型から抜き取るステップを含むことを特徴とする、方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック系材料を含有するフレークの形態の廃棄物を再利用するための方法であって、
前記フレークを用意するステップ、
前記フレークを圧縮して、可塑化ツールに供給するステップ、
前記フレークを、前記可塑化ツール中で溶融させ、混合するステップ、
押出材料を高圧下で成形型に注入して、パーツを形成するステップ、
追加の気体を補給することなく、前記可塑化ツール内の再利用材料を加熱及び加圧することによって発生した分解気体を使用して、材料が前記成形型に注入される間、前記材料を潤滑し、冷却中の材料の収縮を補償するステップ、
前記成形型を冷却するステップ、
前記パーツ(10)を前記成形型から取り出すステップ
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記フレークが、少なくとも2種の再利用材料供給源から得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の供給源が、60℃超の温度において、分解気体を発生させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の供給源が、プラスチック樹脂系材料を実質的に含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の供給源が、充填材、例えば、アルミニウムの繊維又は粒子、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物を含有することを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の供給源が、練り歯磨きチューブ、及び/若しくはシャンパンボトルキャップ、並びに/又は自動車のバンパー及び/若しくはダッシュボードを含むことを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
様々な供給源からのフレークが、前記可塑化ツールの入り口に同時に供給されることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
様々な供給源からのフレークが、前記可塑化ツールに逐次的に供給されることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
様々な供給源からのフレークが、やはり前記可塑化ツールに逐次的に供給されることを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フレークの見掛け密度が、0.1~2であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
溶融材料が、0.1m
3/時~10m
3/時の流量で、成形型に注入されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
溶融材料が、50bar~2000barのオーダーの圧力で、成形型に注入されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記押出材料の部分的な脱気が行われる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記パーツ(10)の脱気が、前記成形型からの取り出し後に行われる、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の方法によって得られる、パーツ(10)。
【請求項16】
少なくとも1種の再利用材料供給源からの材料を含む、請求項15に記載のパーツ(10)。
【請求項17】
前記供給源が合成樹脂系材料を含む、請求項15又は16に記載のパーツ。
【請求項18】
使用される材料が、主としてポリエチレン系又はポリオレフィン系であり、他の材料、例えば、金属、インク、ワニス、のり、木材、ガラス繊維、又はバリア層を含む包装チューブと混合されている、請求項17に記載のパーツ。
【請求項19】
第2の供給源が、充填材、例えば、アルミニウムの繊維若しくは粒子、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物、練り歯磨きチューブ及び/若しくはシャンパンボトルキャップ、並びに/又は自動車のバンパー及び/若しくはダッシュボードを含む、請求項15~18のいずれか一項に記載のパーツ。
【請求項20】
柱、ポール、異形材、杭、又は板などの物体である、請求項15~19のいずれか一項に記載のパーツ(10)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001]本出願は、REPLACEの名義で2021年1月11日に出願された仏国の優先出願第2100208号の優先権を主張し、この優先出願の内容は、参照によって全体が本出願に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、廃棄物再利用の分野に関する。より正確には、本発明は、多成分プラスチック粉砕材料又は顆粒の形態である原材料を、事前の原材料の仕分けを必要することなく、中実又は中空3Dパーツに変換するための方法に関する。
【0003】
[先行技術]
[0003]仏国特許出願公開第2428518号は、合成熱可塑性材料、特に非仕分け合成熱可塑性廃棄物を、木材の実用特性及び使用特性を有する成形品に変換するための方法を開示している。仏国特許出願公開第2428518号の文書において、記載される発明の目的は、合成熱可塑性材料を成形品に変換するための方法であって、耐圧装置を必要とせず、反対に、耐圧性ではない、商業的に入手可能な装置とダイ又は成形型が使用される、方法を提供することである。
【0004】
[0004]仏国特許出願公開第2428518号において、合成熱可塑性材料、特に非仕分け合成熱可塑性廃棄物を、木材の実用特性及び加工特性を有する成形品に変換するための方法であって、合成材料が、スクリュー部材を含むバレルで混合操作を受け、流動化され、成形され、成形型中で冷却され、成形型から取り出される方法であり、合成材料が、スクリーン格子がなく、且つ押出ダイがない押出装置に供給され、温度上昇によって流動化した材料が得られるまで押出装置に保持され、この材料が、押出装置を出て、次いで、反対側の端部が開放されており、反対側の端部の1つが押出装置の出口に接続されている成形型に入る時点で、気体を含有することを特徴とする、方法が提案されている。
【0005】
[0005]仏国特許出願公開第2428518号による方法は、任意の公知の商業的に入手可能なスクリュー押出装置の使用によって実施でき、スクリュー押出装置は、断熱タイプであっても通常タイプであってもよいが、圧力発生要素(通常、100~450kg/cm2の圧力が生じる)が、言い換えれば、スクリーンパック又は交換器と押出ダイとが、除去されていなければならない。このように、スクリュータイプ押出機は、本質的にスクリューコンベアであり、肉挽き機とほぼ同様である。仏国特許出願公開第2428518号による方法では分離フェーズにおいて行われる成形操作は、開放成形型において実行されなければならない。成形される材料は圧力なしで導入されるので、例えば、丸形又は四角形の柱又は桁を作製するために、円形又は四角形の断面を有する単純な標準品質のチューブを使用することができる。成形型の充填圧力は、同発明による方法では、成形される流動材料において利用可能な、成形用気体によって供給される。成形用気体は、押出機に供給することを意図して類別された合成材料に、押出機で確立される温度が、その閾値温度を上回る膨張剤を提供することによって得られる。好適な膨張剤は、例えば、150~270℃の閾値温度を有する顆粒状固体膨張剤、例えば、アゾジカルボンアミド(200℃)、ジフェニルスルホン3,3’-ジ-スルホニルヒドラジド(150℃)、β-β-オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)(210℃)である。膨張剤の割合は、試験によって決定されえ、割合はとりわけ、最終生成物の形状及び熱可塑性材料の特性に依存する。好適な割合は、熱可塑性材料と膨張剤との混合物の重量に対して計算して、0.4~1.2%の範囲内である。
【0006】
[0006]仏国特許出願公開第2428518号の公報では、気体、例えば窒素又は空気が、成形用気体として使用される場合、この気体は、合成熱可塑性材料が流動化した後に、押出機に供給される。
【0007】
[0007]仏国特許出願公開第2428518号による方法は、多くの利点を有し、特にそれは決定的ではない。通常の商業的に入手可能なスクリュー押出機のための既存の制御手段を使用することによって、処理全体を容易に制御することができる。断熱押出機は小さな寸法を有するので、必要となる費用がより少ないため、断熱タイプが好ましい。スクリュー押出機にスクリーンパックが使用されないため、実用上、装置の閉塞というリスクがなく、処理する合成熱可塑性樹脂材料が、事前に洗浄又は精製される必要はない。仏国特許出願公開第2428518号による方法はまた、異なる合成熱可塑性樹脂材料の非仕分け混合物を満足に処理できるというほどに、出発材料の組成に関して特に重要ではない。仏国特許出願公開第2428518号の発明による方法が行われる装置において、圧力が確立されないため、装置は、例えばスクリューの外形に関して、一切の特別な要件を満たす必要がない。成形型もまた、耐圧性に関して、一切の特別な要件を満たす必要がなく、標準的な商業品質の成形型を使用することができる。
【0008】
[発明の開示]
[0008]本発明の目的の1つは、公知の方法を改善することである。
【0009】
[0009]より詳細には、本発明の目的は、廃棄物から発生した材料を再利用するための方法を提案することである。
【0010】
[0010]本発明の範囲内では、及び本発明の実施形態によれば、多成分プラスチック顆粒又は粉砕材料(本記載の他の箇所では、一般に「フレーク」と称される)を、例えば、1cm2~1600cm2、好ましくは4cm2~200cm2の断面積、及び0.3m~10m、好ましくは0.5m~6mの長さの中実又は中空3Dパーツに変換することができる、方法及び生産ユニットが開発されている。これらの値は、当然のことながら、示唆的なものであり、限定するものではない。
【0011】
[0011]使用される、これらの粉砕材料又は顆粒中に存在する材料は、主としてプラスチック系材料であり、他の材料:例えば、本出願に記載される、アルミニウム又は他の金属、インク、ワニス、のり、木材、ガラス繊維又は他のタイプの繊維と混合されている。プラスチック部分は、およそ、30体積%~100体積%、好ましくは40体積%~90体積%のオーダーである。
【0012】
[0012]本発明の範囲内では、押出材料の注入は、高圧で、例えば、50bar~2000bar、好ましくは100bar~1500barのオーダーで行われる。この高圧によって、下で説明するように、材料の潤滑によって促進される成形型内の長い流動距離が可能となる。
【0013】
[0013]方法の技術革新は、0.05m3/時~2m3/時、好ましくは0.1m3/時~1m3/時の流量、及び従来の押出及びプラスチック注入プロセスの生産コストよりも低い生産コストで、この連続的な変換を行うことを可能にする。
【0014】
[0014]本発明による方法によって生産される生成物は、フレークを形成するための単純な粉砕後に、同方法を通じて再利用可能であるため、それ自体、再利用可能と考えられる。
【0015】
[0015]本発明は、以下の実施形態の記載及び特許請求の範囲を活用して、より良好に理解されるであろう。前記特許請求の範囲において、本発明の実施形態は独立請求項によって定義され、従属請求項は特定の実施形態を定義する。
【0016】
[0016]本発明の実施形態によれば、種々の製品の粉砕廃棄物が、原材料として使用される。典型的には、使用される材料は、主としてポリオレフィン系材料であり、他の材料:例えば、アルミニウムなどの金属、インク、ワニス、のり、木材、ガラス繊維又は他のタイプの繊維と混合されている。例えば、この廃棄物は、バリア層を含む包装用チューブで構成される。これらのチューブは、粉砕され、この原材料を形成し、事前に仕分けすることなく使用される。
【0017】
[0017]本発明の範囲内では、押出材料の注入は、高圧で、例えば、上に記載した通り50bar~2000barで行われる。この高圧によって、成形型中での長い流動距離が可能となり、流動は、この高圧によって生じる材料の潤滑によって促進される。
【0018】
[0018]本発明の別の態様によれば、方法は、押出材料を脱気することなく行われるか、そうでなければ、材料を部分的に脱気することによって行われるが、その目的は、材料によって発生した気体を使用することである。実際に、先行技術では、成形型中での冷却中の材料の収縮を補償するために、気体を成形型に加えるのが通常であり、そうでなければ、特定の発泡剤を押出材料に加えるのが通常である。本発明の範囲内では、驚くべきことに、この気体又は発泡剤の添加を省略できること、及び反対に、押出のために加熱されている間にそれ自体で気体を発生する、廃棄物中のある特定の材料の存在から利益を得ることができ、これらの気体を使用して、収縮を回避できることが見出されている。例えば、気体は、フレークを形成するために使用される材料の中に、又は材料上に存在するインク、及び/若しくはワニス、及び/若しくはのり、並びに/又は他の製品によって発生しうる。
【0019】
[0019]本発明の別の態様では、方法によって生産されるパーツの剛性を上昇させるために、材料に繊維を加えることもできる。この添加は、下に記載するように、様々な時点で(例えば、押出の開始時又は終了時に)実行することができ、繊維は、例えば、ガラス繊維、植物繊維(麻等)、綿繊維等である。
【0020】
[0020]一部の実施形態では、本発明は、プラスチック系材料を含有するフレークの形態の廃棄物を再利用するための方法であって、
フレークを用意するステップ、
フレークを圧縮して、可塑化ツールに供給するステップ、
前記フレークを、可塑化ツール中で溶融させ、混合するステップ、
押出材料を高圧下で成形型に注入して、パーツを形成するステップ、
追加の気体を補給することなく、可塑化ツール内の再利用材料を加熱及び加圧することによって発生した分解気体を使用して、材料が成形型に注入される間、材料を潤滑し、冷却中の材料の収縮を補償するステップ、
成形型を冷却するステップ、
パーツを成形型から取り出すステップ
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0021】
[0021]一部の実施形態では、フレークは、少なくとも2種の再利用材料供給源から得られ得る。
【0022】
[0022]一部の実施形態では、第1の供給源は、分解気体を発生させ、好ましくは60℃超の温度で発生させる。
【0023】
[0023]一部の実施形態では、第1の供給源は、好ましくは、プラスチック樹脂系材料を含む。
【0024】
[0024]一部の実施形態では、第2の供給源は、好ましくは、充填材、例えば、アルミニウムの繊維又は粒子、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物を含有する。他の同等の材料も可能である。
【0025】
[0025]一部の実施形態では、第2の供給源は、練り歯磨きチューブ、及び/若しくはシャンパンボトルキャップ、並びに/又は自動車のバンパー及び/若しくはダッシュボードを含む。
【0026】
[0026]一部の実施形態では、様々な供給源からのフレークは、好ましくは、可塑化ツールの入り口に同時に供給される。
【0027】
[0027]一部の実施形態では、様々な供給源からのフレークは、好ましくは、可塑化ツールに逐次的に供給される。
【0028】
[0028]一部の実施形態では、様々な供給源からのフレークは、同様に、好ましくは、可塑化ツールに逐次的に供給される。
【0029】
[0029]一部の実施形態では、フレークの見掛け密度は、好ましくは0.1~2である。
【0030】
[0030]一部の実施形態では、溶融材料は、好ましくは0.1m3/時~10m3/時の流量で、成形型に注入される。
【0031】
[0031]一部の実施形態では、溶融材料は、好ましくは50bar~2000barのオーダーの圧力で、成形型に注入される。
【0032】
[0032]一部の実施形態では、押出材料の部分的な脱気が行われる。
【0033】
[0033]一部の実施形態では、パーツの脱気が、成形型からの取り出し後に行われる。
【0034】
[0034]一部の実施形態では、本発明は、本出願において定義される方法によって得られるパーツに関する。
【0035】
[0035]一部の実施形態では、得られるパーツは、少なくとも1種の再利用材料供給源からの材料を含む。
【0036】
[0036]一部の実施形態では、供給源は合成樹脂系材料を含む。
【0037】
[0037]一部の実施形態では、使用される材料は、例えば、主としてポリエチレン系又はポリオレフィン系であり、他の材料、例えば、金属、インク、ワニス、のり、木材、ガラス繊維、又はバリア層を含む包装チューブと混合されている。
【0038】
[0038]一部の実施形態では、第2の供給源は、充填材、例えば、アルミニウムの繊維若しくは粒子、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物、練り歯磨きチューブ及び/若しくはシャンパンボトルキャップ、並びに/又は自動車のバンパー及び/若しくはダッシュボードを含む。
【0039】
[0039]一部の実施形態では、得られるパーツは、例えば物体、例えば、柱、ポール、異形材、杭、板又は別の同等の物体である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図2A】
図2Aは、本発明による方法によって得られる物体の例を示す図であり、
図2B~2Eは、前記物体の長手方向軸に垂直な断面の例を示す図である。
【
図2B】
図2Aは、本発明による方法によって得られる物体の例を示す図であり、
図2B~2Eは、前記物体の長手方向軸に垂直な断面の例を示す図である。
【
図2C】
図2Aは、本発明による方法によって得られる物体の例を示す図であり、
図2B~2Eは、前記物体の長手方向軸に垂直な断面の例を示す図である。
【
図2D】
図2Aは、本発明による方法によって得られる物体の例を示す図であり、
図2B~2Eは、前記物体の長手方向軸に垂直な断面の例を示す図である。
【
図2E】
図2Aは、本発明による方法によって得られる物体の例を示す図であり、
図2B~2Eは、前記物体の長手方向軸に垂直な断面の例を示す図である。
【0041】
[発明の詳細な説明]
[0042]本発明の範囲内では、浄化されている場合も、されていない場合もある、0.1~2、好ましくは0.2~1.5のバルク見掛け密度を有するフレークの形態に粉砕されている、プラスチック材料で作製された物体からの廃棄物が、直接使用される。低い見掛け密度に起因して、これらの再利用材料のフレークを、従来の押出又は熱可塑性樹脂注入方法で、直接使用するのは困難である。そのため、本発明によって開発された方法は、好ましくは、見掛け密度を上昇させるために、可塑化方法に供給する際に、再利用材料のフレークを圧縮又は圧入する第1のフェーズを含む。
【0042】
[0043]本発明の範囲内では、様々な供給源からのプラスチック物体からの廃棄物が、有利に使用される。様々な供給源からの、制御された割合におけるプラスチック廃棄物を混合することは、本出願に記載されるように、多くの利点を有する。
【0043】
[0044]本発明の第1の利点は、生産に応じた混合物の割合の迅速な調整を行うことができること、及び方法によって得られる生成物が所望の特性を有することである。例えば、本発明では、使用する原材料に影響を及ぼすことによって、物体の剛性率、応力割れへの耐性、密度、衝撃への耐性、硬度又はさらには耐熱性を調整することが可能になる。この目的のために、様々な再利用廃棄物の供給源が有利に働く。方法では、第1の供給源は、プラスチック樹脂系材料を実質的に含む。有利に使用される廃棄物の第1の供給源は、実質的にポリエチレンで構成され、例えば、プラスチック-アルミニウム、又は互いに混合しない異なるタイプのプラスチック(例えば、PE-PET、PP-PETミックス)で作製された多層包装で構成される。当然のことながら、他の同等の材料の第1の供給源も可能である。本発明の実施形態において有利に使用される第2の供給源は、金属及び/又は繊維質粒子、例えばアルミニウム粒子及び/又はガラス繊維を含有する。本発明によれば、第2の供給源は、充填材、例えば、アルミニウムの繊維若しくは粒子、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物、又は他の同等の充填材を含有する。アルミニウム粒子を含有する廃棄物の第2の供給源の非限定例は、多層プラスチック-アルミニウム構造を有する練り歯磨きチューブである。第2の供給源の別の非限定例は、シャンパンボトルキャップである。注入に使用されたパージ材料、又はさらには自動車産業からの廃棄物、例えば、バンパー及びダッシュボードなどは、繊維質廃棄物の供給源として使用することができる。
【0044】
[0045]複数の供給源からのプラスチック廃棄物の使用から生じる本発明の第2の利点は、予想外の効果であり、再利用物体を製造するための方法自体についてだけでなく、生産される物体の審美的品質についても、ともに非常に興味深い。実際に、ある特定の廃棄物、又は廃棄物及びフレーク中に、若しくは廃棄物及びフレーク上に存在する成分は、再利用物体を製造するための方法において、気体を発生させる傾向を有することが観測された。プラスチック材料加工産業において、加熱の効果のもとで、意図しない分解機構から生じるこれらの気体は、通常、物体を製造する前に樹脂から分離される。この分離ステップは、特に、「配合」方法と称される、例えば充填材を加えることによって、又はポリマーを混合することによって、熱可塑性樹脂を調合することができる方法において実施される。これらの配合方法において、脱気は、分解から生じる気体を抜き取るために、混合中又は混合後に行われる。
【0045】
[0046]対照的に、本発明による方法では、方法に寄与する有益な効果のために、分解からのこれらの気体を、又はこれらの気体の少なくとも一部を保持することが試みられる。第1の有益な効果は、これらの分解生成物は、可塑化及び注入ツールにおいて高圧に供されている場合、液体状態であるため、成形型に注入される生成物の粘度が低減することである。これらの圧力は、典型的には、100bar~1000barである。これらの分解生成物は、圧力が数bar、例えばおよそ5barよりも高い場合、液体状態のままである。その結果、液体状態における低い粘度によって、ポリマー鎖を潤滑することができ、材料の粘度を有意に低減できるため、これらの分解生成物を変換生成物中に保持することに、大きな関心が持たれている。この効果は二重の利益を有する、すなわち、一方では、前記再利用物体の製造のために消費されるエネルギーを低減し、他方では、断面積が低減した長い長さの物体(例えば、ポール、柱、異形材等)を製造する可能性を提供する。
【0046】
[0047]分解生成物の第2の有益な効果は、圧力が十分に低下すると、液体から気体へ状態が変化することに結びついている。その結果、膨張剤を加えることを提案する先行技術の公報とは反対に、本発明は、注入された物体が冷える際に、気体へ変わる分解生成物を有利に使用し、気体によって発生した膨張力が、次に、成形された材料の冷却時の収縮を補償するために使用される。これによって、高い視覚的品質と高い寸法精度とを有する成形物体が得られ、サイクル時間が大きく低減し、単純化される。
【0047】
[0048]本発明による方法では、方法は、好ましくは、再利用物体のフレークを圧入するという初期ステップを含み、圧入するステップは、フレークを可塑化及び混合ツールに供給する際に、固体状態のフレークにおける見掛け密度を上昇させるという効果を有する。
【0048】
[0049]方法において、少なくとも1種の供給源から得られるフレークが使用されるか、又は製造される物体の使用特性に応じて、注入される材料の特性を調整するために、少なくとも2種の異なる供給源から得られるフレークが制御された量で混合される。所望の特徴を有する物体を形成するために、単一の供給源で十分であることもあり、そうでなければ、異なる材料の供給源を使用することが必要であることもある。
【0049】
[0050]2種以上の供給源が使用される場合、第1の方法は、異なる供給源からのフレークを、可塑化ツールの入り口に同時に供給することにある。
【0050】
[0051]第2の方法は、各供給源のフレークを、可塑化ツールに逐次的に供給することにある。この第2の方法によって、可塑化ツールの最適な位置で、各製品を計量供給することができる。例えば、繊維の劣化を限定するために、繊維を含む再利用製品は、既に溶融状態にある第1の再利用製品に組み込むことが有利でありうる。
【0051】
[0052]第3の方法は、供給源の数が3以上である場合の第1及び第2の方法の混合にある。したがって、例えば、製品1と2と(供給源1と2と)を、可塑化ツールの入り口に同時に供給することができ、製品3(供給源3)を可塑化ツールにさらに下流で供給することができる。当然のことながら、これは非限定例であり、別の実施形態では、単一の供給源をツールの入り口に供給し、2種の他の供給源をさらに下流で供給することもできる。そのため、本発明の範囲内で、複数の組合せも可能である。
【0052】
[0053]本発明による方法では、注入の準備ができた均一な溶融材料を最終的に得るために、可塑化ツールによって、少なくとも1種の供給源から得られる再利用製品を組み込むこと、混合すること及び溶融させることができる。本発明による方法中、分解生成物は、溶融後、可塑化操作中の混合物中に、5barよりも高く保たれた装置内の圧力によって、液体状態で保持される。
【0053】
[0054]本発明による方法では、溶融材料に対する圧力は、注入前の可塑化ユニットからの材料の移送中、少なくとも5barである。
【0054】
[0055]本発明による方法では、溶融材料は、0.1m3/時~10m3/時、有利には0.5m3/時~5m3/時の流量で、成形型に注入される。注入時の大きな流量に起因して、充填時間は短く、成形型の充填中の材料における圧力は、5barよりも高いままである。この理由のため、分解生成物は、液体状態のままであり、潤滑する役割を果たし、型穴を充填するために必要な圧力を低減することができる。この現象を通じて、本発明によって、低減した断面積を有する、長い流動長の物体を成形できる。
【0055】
[0056]本発明による方法では、成形型は低温で充填される。注入後、再利用材料は、成形型の型穴で冷却されると凝固するが、これは体積の低減をもたらし、その結果、材料内部の圧力が低下する。この圧力低下によって、分解生成物は、液体状態から気体状態へ移ることができ、物体の冷却及び凝固中の「コア発泡」圧力を発生させることができる。この発泡圧力によって、物体の中央部に、物体のコアにかけて分散した空隙が生じ、周辺部は、このような空隙を欠いている。本発明によれば、物体の中央部の密度は、周辺部の密度よりも遥かに低く、方法によって得られる物体の質量及び使用特性の観点で、多くの利点を有する。本発明の別の利点は、表面状態に起因する、良好な視覚的品質の再利用パーツ、且つ「コア発泡」効果を通じた収縮の補償に起因する、高い寸法精度の再利用パーツが得られることである。
【0056】
[0057]本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、細長い中実又は中空物体10、例えば、ツル植物用ポール、道路標識のためのポール、異形材又は他の同様の物体を製造するために使用される。側面図及び長手方向軸に垂直な断面図における例が、
図2A~2Eに図示されており、
図2A~2Eはこれらパーツ10の異形材を示す。当然のことながら、これらは説明のための例であり、他の形状及び異形材が、本発明の範囲内で可能である。
【0057】
[0058]本発明による方法の利点は、生産される物体が、バリを有せず、直接使用可能であるという事実に結びついている。
【0058】
[0059]一般に、本発明によれば、プラスチック樹脂系材料を含有し、他の材料、例えば、金属、繊維、インク、接着剤、ワニス、鉱物充填材、油、包装製品廃棄物及び洗浄廃棄物と混合された、フレークの形態の廃棄物を再利用するための方法は、
フレークを用意するステップ、
フレークを圧縮するステップ、
前記フレークを、押出機(混合及び可塑化ツールとして)で溶融させ、混合するステップ、
押出材料を高圧下で成形型に注入して、パーツを形成するステップ、
追加の気体を補給することなく、可塑化ツール内の再利用材料を加熱及び加圧することによって発生した分解気体を使用して、材料が成形型に導入される間、材料を潤滑し、冷却中の材料の収縮を補償するステップ、
成形型を冷却するステップ、
パーツ10を成形型から取り出すステップ
を含む。
【0059】
[0060]一部の実施形態によれば、本発明による方法は、少なくとも以下のステップを含む:
少なくとも2種の再利用材料供給源、すなわち、60℃超の温度、好ましくは80℃超の温度において、分解生成物を発生させる第1の供給源と、アルミニウム繊維又は粒子などの充填材を含有する第2の供給源とを使用するステップ。
廃棄物を、0.1~2の見掛け密度のフレークに変換する、すなわち、所望の特性(例えば、剛性、応力割れ、密度、衝撃への耐性、硬度、耐熱性、外観)を有する再利用製品を得るため、それぞれの供給源からのフレークを、制御された割合で供給するステップ。
見掛け密度を上昇させるため、フレークを固体状態において圧入するステップ。
押出機を使用して、再利用材料を可塑化及び混合し、材料が溶融している場合、5barよりも高い押出機内の圧力に起因して、分解物からの生成物が保持されるステップ、
溶融材料を成形型に、0.1m3/時~10m3/時、有利には0.5m3/時~5m3/時の流量で注入するステップ。任意選択の、注入後の相を圧縮するステップ。
成形パーツ(molded part)10を成形型中で冷却し、成形型内の圧力が低下し、分解生成物が(液体から気体へ)状態変化し、分解気体によって発生した圧力によって、冷却された材料の収縮を補償することができるステップ。
収縮又は外観上の欠陥を呈しない成形パーツ10を、型から取り出すステップ。
【0060】
[0061]本発明の一部の実施形態によれば、任意選択の物体の脱気フェーズが行われるが、成形パーツ又は成形物体の製造後に実行される。この脱気フェーズは、物体の寿命中の気体の放出及び臭気を限定するという効果及び利点を有する。物体の脱気フェーズは、例えば、成形物体を囲いの中に保管することによって行われ、囲いの温度は、40℃~100℃、好ましくは60℃~80℃であり、期間は8時間~72時間、好ましくは12時間~48時間である。
【実施例】
【0061】
[0062]下の表1~6は、それぞれ13種の試験及び8種の試験による、本発明による方法において使用される粉砕材料の組成の例を示す。表1~3はそれぞれ、組成の詳細、体積による組成及び試験1~13aについての結果を表す。表4~6はそれぞれ、組成の詳細、体積による組成及び試験A~Hについての結果を表す。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
[0069]記載される実施形態は、説明のための例として与えられ、限定するものとして考えられるべきではない。他の実施形態では、例として記載したものと同等の手段を使用しうる。実施形態はまた、状況に応じて、互いに組み合わせられえ、ある実施形態において使用される手段を、別の実施形態において使用することができる。
【国際調査報告】