IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの特許一覧

特表2024-502824Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ
<>
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図1
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図2
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図3A
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図3B
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図3C
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図3D
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図4A
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図4B
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図4C
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図4D
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図5
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図6
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図7
  • 特表-Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】Eスポーツストリーム用のデータ表示オーバレイ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20240116BHJP
   A63F 13/5252 20140101ALI20240116BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240116BHJP
   A63F 13/525 20140101ALI20240116BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/5252
A63F13/79
A63F13/525
A63F13/79 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540519
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021064726
(87)【国際公開番号】W WO2022146800
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/133,049
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】オラボード、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】サリア、マリオ、エム.、ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ベネデット、ウォーレン、エム.
(57)【要約】
【解決手段】プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択するための方法及びシステムが提供される。この方法は、ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することを含む。この方法は、観客プレイブックにアクセスすることを含み、観客プレイブックは、観客のプロファイルに関連付けて保存されている。観客プレイブックは、観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する観客の視聴履歴を識別する。この方法は、プレーヤプレイブックにアクセスすることを含み、プレーヤプレイブックは、プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されている。プレーヤプレイブックは、プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対するプレーヤのパフォーマンスを識別する。この方法は、プレーヤによってプレイされるビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることを含む。この方法は、ビデオゲームへのビューポートを複数のビューポートから選択することを含む。選択されたビューポートは、観客プレイブックと、プレーヤプレイブックと、ゲームプレイデータの変更とを処理することに基づいて動的に更新される。この方法は、観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることを含む。観客ビデオストリームは、観客がビデオゲームを視聴している間に、ビューポートの動的更新に基づいて自動的に変化する。このようにして、ビデオゲームへのビューポートが選択され、動的に更新されて、観客にカスタマイズされた視聴体験が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために前記ビデオゲームへのビューポートを選択する方法であって、
前記ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することと、
観客プレイブックにアクセスすることであって、前記観客プレイブックが前記観客のプロファイルに関連付けて保存されており、前記観客プレイブックが、前記観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する前記観客の視聴履歴を識別する、前記アクセスすることと、
プレーヤプレイブックにアクセスすることであって、前記プレーヤプレイブックが前記プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されており、前記プレーヤプレイブックが、前記プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対する前記プレーヤのパフォーマンスを識別する、前記アクセスすることと、
前記プレーヤによってプレイされる前記ビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることと、
前記ビデオゲームへのビューポートを前記複数のビューポートから選択することであって、前記選択されたビューポートが、前記観客プレイブックと、前記プレーヤプレイブックと、前記ゲームプレイデータの変更とを処理することに基づいて動的に更新される、前記選択することと、
前記観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることであって、前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記ビューポートの前記動的更新に基づいて前記観客ビデオストリームが自動的に変化する、前記ストリーミングすることと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記選択されたビューポートは、前記観客に好まれる前記プレーヤのゲームアクションを含むと予測される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択されたビューポートは、前記観客に好まれる前記ビデオゲームの前記シーンへの視野角を含むと予測される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プレーヤは、複数のプレーヤのうちの1プレーヤであり、前記複数のプレーヤの各々は、対応するプレーヤプレイブックを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プレーヤは、前記ビデオゲームのための前記ゲームプレイデータの少なくとも一部を生成する1プレーヤである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プレーヤは、複数のプレーヤのうちの1プレーヤであり、前記プレーヤは、前記プレーヤが他のプレーヤよりもアクティブであること、または前記プレーヤが前記観客によってフォローするために識別されること、または前記プレーヤが前記ビデオゲームのシーンまたはアクションシーケンスにおけるメインキャラクタであること、または前記プレーヤが前記観客と社会的関係を持つことに基づいて、前記プレーヤプレイブックにアクセスするために前記複数のプレーヤの中から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択されたビューポートは、前記観客からの1つ以上のフィードバック入力を処理することに基づいて、さらに動的に更新される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記選択されたビューポートは、前記観客プレイブックと、前記プレーヤプレイブックと、前記ゲームプレイデータとを機械学習モデルによって処理することに基づいており、前記機械学習モデルが、前記観客プレイブック、前記プレーヤプレイブック、及び前記ゲームプレイデータからの特徴量を識別して前記観客の属性を分類するように構成されており、前記観客の前記属性が前記ビューポートを選択するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記選択されたビューポートは、前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記観客に好まれる可能性のあるビューポートの種類に関する予測を取得するために、前記機械学習モデルへの呼び出しに基づいて動的に更新される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記観客ビデオストリームで提示するための前記プレーヤに関する動的データを生成することをさらに含み、
前記プレーヤに関する前記動的データが、前記観客の前記プロファイルに基づいてカスタマイズされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記動的データは、前記プレーヤによってプレイされる前記ビデオゲームに関連する統計、前記プレーヤのプレーヤゲームメトリック、前記プレーヤの経歴情報、前記ビデオゲームを視聴している他の観客に関する情報、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、を提供するデータを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の仮想カメラは、固定されているか、または前記ビデオゲーム内で発生する対応するゲームアクションに伴って動的に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記選択されたビューポートは、さらに、前記ビデオゲーム内で発生するゲームアクションに応じた前記観客の視線方向または前記観客の表情を処理することに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために前記ビデオゲームへのビューポートを選択する方法であって、
サーバによって、前記ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することと、
前記サーバによって、観客プレイブックにアクセスすることであって、前記観客プレイブックが前記観客のプロファイルに関連付けて保存されており、前記観客プレイブックが、前記観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する前記観客の視聴履歴を識別する、前記アクセスすることと、
前記サーバによって、プレーヤプレイブックにアクセスすることであって、前記プレーヤプレイブックが前記プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されており、前記プレーヤプレイブックが、前記プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対する前記プレーヤのパフォーマンスを識別する、前記アクセスすることと、
前記サーバによって、前記プレーヤによってプレイされる前記ビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることと、
前記サーバによって、前記ビデオゲームへのビューポートを前記複数のビューポートから選択することであって、前記選択されたビューポートは、前記観客プレイブックと、前記プレーヤプレイブックと、前記ゲームプレイデータの変更とを機械学習モデルによって処理することに基づいて動的に更新され、前記機械学習モデルが、前記観客プレイブック、前記プレーヤプレイブック、及び前記ゲームプレイデータからの特徴量を識別して前記観客の属性を分類するように構成されており、前記観客の前記属性が前記ビューポートを選択するために使用される、前記選択することと、
前記サーバによって、前記観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることであって、前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記ビューポートの前記動的更新に基づいて前記観客ビデオストリームが自動的に変化する、前記ストリーミングすることと、
を含む、前記方法。
【請求項15】
前記選択されたビューポートは、前記観客に好まれる前記プレーヤのゲームアクションを含むと予測される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記選択されたビューポートは、前記観客に好まれる前記ビデオゲームの前記シーンへの視野角を含むと予測される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記選択されたビューポートは、前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記観客に好まれる可能性のあるビューポートの種類に関する予測を取得するために、前記機械学習モデルへの呼び出しに基づいて動的に更新される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記サーバによって、前記観客が前記ビデオゲームを視聴している間に、前記観客ビデオストリームで提示するための前記プレーヤに関する動的データを生成することをさらに含み、
前記プレーヤに関する前記動的データが、前記観客の前記プロファイルに基づいてカスタマイズされる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記動的データは、前記プレーヤによってプレイされる前記ビデオゲームに関連する統計、前記プレーヤのプレーヤゲームメトリック、前記プレーヤの経歴情報、前記ビデオゲームを視聴している他の観客に関する情報、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、を提供するデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記選択されたビューポートは、さらに、前記ビデオゲーム内で発生するゲームアクションに応じた前記観客の視線方向または前記観客の表情を処理することに基づく、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ビデオゲームへのビューポートの選択に関し、より詳細には、カスタマイズされた観客ビデオストリームを観客に提供するためにビデオゲームへのビューポートを選択するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ビデオゲーム業界は、長年にわたり多くの変化を遂げてきた。特に、エレクトロニクス(例えば、Eスポーツ)業界では、ライブイベントの数、視聴者数、及び収益の面で驚異的な成長を遂げている。この目的を達成するために、開発者は、Eスポーツイベントを視聴している間に観客に表示されるゲームアクションに、飽きる、不満を持つ、または興味がなくなるといった状態になる可能性のある観客の視聴体験を向上させることになる高度な操作性を開発する方法を模索している。
【0003】
Eスポーツ業界では、Eスポーツイベントを視聴している観客の視聴体験を向上させるようにする独自の方法を開発する傾向が高まっている残念ながら、Eスポーツイベントを観戦する多くの観客は、視聴しているビデオストリームに失望することがある。その理由は、そのビデオストリームに、観客らが視聴したいと思うコンテンツが含まれておらず、観客らが視聴することを好むビデオゲームシーンへの特定の視点(例えば、カメラアングル)が、含まれていないためである。例えば、観客がEスポーツイベントにアクセスして競技に参加しているプレーヤを観戦する場合、観客は競技に参加する特定のプレーヤのゲームプレイに興味を持つ可能性がある。残念ながら、一部の観客は、最も観戦したい特定のプレーヤをとらえるために、ゲームプレイの進行全体を通してビューポートを手動で選択し更新することを負担に感じる可能性がある。その結果、残念なことに、観客は、自身の視聴体験に不満を抱くようになり、ビデオゲーム競技またはゲームを観戦し続けようとは思わなくなることがある。その結果、多くの観客は、ライブまたは録画されたEスポーツイベントを観戦するプロセスが煩わしすぎると感じる可能性があり、観客は、将来的にさらなるイベントを視聴することへの興味を失い得る。
【0004】
このような状況において、本開示の実施態様が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様には、プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のためのビデオゲームへのビューポートの選択に関連する方法、システム、及びデバイスが含まれる。いくつかの実施形態では、ビデオゲームを視聴している各観客にカスタマイズされた観客ビデオストリームを提供する方法が開示されており、ビデオゲームへのビューポートは、観客のプロファイル、ビデオゲームをプレイしているプレーヤのプロファイル、ゲームプレイデータまたはその組み合わせに基づいて選択され、動的に更新される。例えば、Eスポーツイベントに参加しているプレーヤのゲームプレイを視聴している観客は、特定の視点からEスポーツイベントを視聴することに興味がある場合があり、またはEスポーツイベントに参加している特定のプレーヤのゲームプレイに注目したい場合がある。本明細書で開示される方法は、観客がEスポーツイベントへの所望のビューポート(利用可能な場合)を手動で選択することを要求する代わりに、観客が好むと予測されるビューポートを含むカスタマイズされた観客ビデオストリームが観客に提供されるように、ビデオゲームへのビューポートを動的に選択して更新する方法を概説する。このようにして、観客の視聴体験が向上し、将来的には観客が、さらなるビデオゲームイベントを観戦することになる可能性がある。
【0006】
したがって、観客は、カスタマイズされた観客ビデオストリームを視聴している間に、ビューポートを手動で選択する必要がなく、シームレスにビデオゲームイベントを観戦することができる。さらに、カスタマイズされた観客ビデオストリームは、観客が好むビデオゲーム内の主要なゲームアクションの全てをキャプチャすることができる。いくつかの実施形態では、ビデオゲームをプレイしているプレーヤに関して動的データが生成され、観客がビデオゲームを視聴している間に観客ビデオストリームで提示されてもよい。一実施形態では、動的データは、特定の観客向けにカスタマイズすることができ、観客にとって興味のあるデータを含むことができる。
【0007】
一実施形態では、プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択する方法が提供される。この方法は、ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することを含む。この方法は、観客プレイブックにアクセスすることを含み、観客プレイブックは、観客のプロファイルに関連付けて保存されている。観客プレイブックは、観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する観客の視聴履歴を識別する。この方法は、プレーヤプレイブックにアクセスすることを含み、プレーヤプレイブックは、プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されている。プレーヤプレイブックは、プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対するプレーヤのパフォーマンスを識別する。この方法は、プレーヤによってプレイされるビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることを含む。この方法は、ビデオゲームへのビューポートを複数のビューポートから選択することを含む。選択されたビューポートは、観客プレイブックと、プレーヤプレイブックと、ゲームプレイデータの変更とを処理することに基づいて動的に更新される。この方法は、観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることを含む。観客ビデオストリームは、観客がビデオゲームを視聴している間に、ビューポートの動的更新に基づいて自動的に変化する。このようにして、ビデオゲームへのビューポートが選択され、動的に更新されて、観客にカスタマイズされた視聴体験が提供される。
【0008】
別の実施形態では、プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択する方法が提供される。この方法は、サーバによって、ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することを含む。この方法は、サーバによって、観客プレイブックにアクセスすることを含む。観客プレイブックは、観客のプロファイルに関連付けて保存されている。観客プレイブックは、観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する観客の視聴履歴を識別する。この方法は、サーバによって、プレーヤプレイブックにアクセスすることを含む。プレーヤプレイブックは、プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されている。プレーヤプレイブックは、プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対するプレーヤのパフォーマンスを識別する。この方法は、サーバによって、プレーヤによってプレイされるビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることを含む。この方法は、サーバによって、ビデオゲームへのビューポートを複数のビューポートから選択することを含む。選択されたビューポートは、観客プレイブックと、プレーヤプレイブックと、ゲームプレイデータの変更とを機械学習モデルによって処理することに基づいて動的に更新される。機械学習モデルは、観客プレイブック、プレーヤプレイブック、及びゲームプレイデータからの特徴量を識別して観客の属性を分類するように構成されており、観客の属性がビューポートを選択するために使用される。この方法は、サーバによって、観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることを含む。観客ビデオストリームは、観客がビデオゲームを視聴している間に、ビューポートの動的更新に基づいて自動的に変化する。
【0009】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0010】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、一層よく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施態様による、複数のプレーヤに対してゲームプレイを実行することと、複数のプレーヤのゲームプレイを視聴している複数の観客の各自に、カスタマイズされた観客ビデオストリームをストリーミングすることと、を行うように構成されたシステムの実施形態を例示する。
図2】本開示の実施態様による、ビデオゲームのゲーム環境内の複数のゲーム領域の実施形態を例示する。
図3】A~Dは、本開示の実施態様による、観客プレイブック、プレーヤプレイブック、及びゲームプレイデータの処理に基づいてシステムによって選択された対応するビューポートを備えた観客インタフェースの様々な実施形態を例示する。
図4】A~Dは、本開示の実施態様による、ビデオゲームをプレイしているプレーヤに関する動的データを例示する図に示される観客インタフェースの様々な実施形態を例示する。
図5】本開示の実施態様による、ビデオゲームをプレイしている複数のプレーヤに関連付けられたプレーヤゲームメトリック及び様々な情報を例示するプレーヤプロファイルテーブルの実施形態を例示する。
図6】本開示の実施態様による、プレーヤプレイブック、観客プレイブック、及びゲームプレイデータを入力として使用して、観客のビューポートを動的に選択して更新するために、ビューポート推奨モデルを使用する方法の実施形態を例示する。
図7】本開示の実施態様による、プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択する方法を例示する。
図8】本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイスの構成要素を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の以下の実施態様は、プレーヤまたはプレーヤのグループによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択するための方法、システム、及びデバイスを提供する。具体的には、ビデオゲームをプレイしている複数のプレーヤのゲームプレイを視聴している間に、ビデオゲームを視聴している各観客には、観客の各々によって好まれるビデオゲームのシーンへのビューポートを含むカスタマイズされた観客ビデオストリームが提供され得る。本明細書で使用するとき、ビューポートは、ゲームシーンを視聴するためにユーザに提示される仮想カメラアングルを含むことがある。場合によっては、仮想カメラアングルは、ユーザに対して実質的にリアルタイムで動的に生成される。他の場合には、ビューポートは、1つ以上の実行中の仮想カメラアングルの中から選択される。したがって、ビューポートは各観客の予測された視聴嗜好に基づいて選択されるので、観戦中にビューポートを動的に選択することで、各観客の視聴体験が向上しやすくなる。
【0013】
例として、バスケットボールゲームを含むEスポーツイベントを観戦している間に、各観客は、最も観たいと思う、特定の視点、視野角、イベント、ゲームアクション、プレーヤ、ゲーム内キャラクタなどの好みを有し得る。ビデオゲームは、ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供する複数の仮想カメラを含むことができるので、ビューポートは、観客プレイブック、プレーヤプレイブック、及びゲームプレイ全体を通じて発生する変更の処理に基づいて選択され、動的に更新される。したがって、ゲームプレイの進行の一部を通じて、観客には、観客の好みに基づいて選択されるビデオゲームのシーンへのビューポートを含む観客ビデオストリームが提供され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、ビデオゲームをプレイしているプレーヤに関する動的データ(例えば、プレーヤ情報、プレーヤの経歴、プレーヤの統計、プレーヤの特殊スキルなど)が生成され、観客ビデオストリームで提示され得る。一般に、本明細書に記載される方法は、観客が手動でビューポートを選択したり、ビデオゲームをプレイしている1人または複数のプレーヤに関する特定の情報を調べたりする必要なく、複数のプレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴するためのシームレスかつ効率的な方法を提供する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「ビューポート」という用語は、特定のビデオゲームへの様々なカメラビューを指すものとして広く理解されるべきである。一般に、一部のビデオゲームは、複数のプレーヤによって、ゲーム世界の異なる場所で、プレイされる。ゲーム世界では、得点を挙げる、目標を達成する、及び/またはゲーム環境及び/または他のユーザとインタラクトするために、ゲーム内でプレイしアクションを起こす1人以上のプレーヤによるアクションなど、様々なアクションが同時に発生する。これに関連して、ゲーム世界のゲームシーンは、アクションへの1つ以上のカメラビューを含むことができ、それらのカメラビューは、1つのゲームシーンまたは複数のゲームシーンへの様々な仮想カメラビューの投象を観客に提供できる。したがって、カメラビューは、ゲームシーンのうちの1つ以上のゲームシーンへのビューポートを提供する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語
【0017】
一例として、一実施形態では、プレーヤによってプレイされるビデオゲームを視聴している観客のために、ビデオゲームへのビューポートを選択することを可能にする方法が開示される。この方法は、ビデオゲーム内のシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラを識別することを含む。一実施形態では、この方法は、観客プレイブックにアクセスすることをさらに含むことがある。一例では、観客プレイブックは、観客のプロファイルに関連付けて保存されており、観客プレイブックは、観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する観客の視聴履歴を識別する。別の実施形態では、この方法は、プレーヤプレイブックにアクセスすることを含んでもよい。一例では、プレーヤプレイブックは、プレーヤのプロファイルに関連付けて保存されており、プレーヤプレイブックは、プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対するプレーヤのパフォーマンスを識別する。いくつかの実施形態では、この方法は、プレーヤによってプレイされるビデオゲームのゲームプレイデータにアクセスすることを含む。別の実施形態では、この方法は、ビデオゲームへのビューポートを複数のビューポートから選択することを含む。一例では、選択されたビューポートは、観客プレイブックと、プレーヤプレイブックと、ゲームプレイデータの変更とを処理することに基づいて動的に更新される。別の実施形態では、この方法は、観客に向けて観客ビデオストリームをストリーミングすることを含む。一例では、観客ビデオストリームは、観客がビデオゲームを視聴している間に、ビューポートの動的更新に基づいて自動的に変化する。ただし、本開示は、現在説明されている具体的詳細の一部または全部なしでも実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、周知のプロセス操作は、本開示を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。
【0018】
一実施形態によれば、オンラインマルチプレーヤビデオゲームなどのビデオゲームを視聴している観客のためにビデオゲームへのビューポートを選択するためのシステムが開示される。例えば、複数の観客を接続して、Eスポーツイベントなどのライブゲームイベントで競争する複数のプレーヤを視聴することがある。一実施形態では、システムはネットワークへの接続を含む。いくつかの実施形態では、複数の観客がネットワークを介して接続されて、ライブゲームイベントで互いに対戦するプレーヤを視聴することがある。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータセンタ及びゲームサーバが、ゲームを実行し、ビデオゲームをホストする際に複数の観客及びプレーヤへの接続を可能にすることがある。1つ以上のデータセンタの1つ以上のゲームサーバは、観客及びプレーヤによって操作される複数のデバイスからのデータの受信、処理、及び実行を行うように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、ビデオゲームを視聴している各観客のために、カスタマイズされた観客ビデオストリームが作成され得る。カスタマイズされた観客ビデオストリームには、観客ごとに選択され、各観客に関連付けられた観客プレイブック、プレーヤプレイブック、及びバスケットボールゲームで発生する変更の処理に基づく固有のビューポートが含まれる。選択されるビューポートは、バスケットボールゲームを視聴している観客ごとに様々であり得る。例えば、バスケットボールゲームを含むビデオゲームを観戦している観客が、バスケットボールゲームに出場している特定のプレーヤのファンであり、その特定のプレーヤのゲームアクションのみに興味を持っている場合がある。それに応じて、システムは、特定のプレーヤがバスケットボールゲームでしていること(例えば、シュート、パス、ブロック、ディフェンスプレイ、ベンチに座るなど)が何であれ、その特定のプレーヤのゲームアクションをキャプチャするビューポートを選択することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムは、観客がビデオゲームを視聴している間に、観客ビデオストリームで提示するためのプレーヤに関する動的データを生成するように構成される。一例では、プレーヤのゲームプレイ中に、システムは、プレーヤの経歴情報、プレーヤの統計、プレーヤの特殊なスキルなど、プレーヤに関連する様々な情報を含む動的データを生成することができる。いくつかの実施形態では、動的データは、ビデオゲームを視聴している観客のプロファイルと、ゲームプレイデータとに基づいて生成される。このようにして、各観客には、観客に好まれるカスタマイズされた動的データが提供される。
【0021】
上記の概要を念頭に置いて、以下では、例示的実施形態の理解を容易にするために、いくつかの例示的な図を提供する。
【0022】
図1は、複数のプレーヤ104に対してゲームプレイを実行することと、複数のプレーヤ104のゲームプレイを視聴している複数の観客102の各自に、カスタマイズされた観客ビデオストリームをストリーミングすることと、を行うように構成されたシステムの実施形態を例示する。一実施形態では、図1は、観客102a~102n、プレーヤ104a~104n、データセンタ114、ゲームサーバ116、及びネットワーク108を例示する。図1のシステムは、クラウドゲームシステムと呼ばれることがあり、複数のデータセンタ114、ゲームサーバ116が連携して、分散型かつシームレスな方法で観客102及びプレーヤ104に幅広いアクセスを提供することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、プレーヤ104は、プレーヤ104らが、チームメイトであるか、または互いに競争する敵対チームの所属であるマルチプレーヤオンラインゲームをプレイすることがある。プレーヤ104は、ネットワーク108を介してデータセンタ114及びゲームサーバ116にゲームコマンドを送信するように構成され得る。一実施形態では、プレーヤ104は、符号化されたビデオストリームを受信し、データセンタ114及びゲームサーバ116によって受信されるビデオストリームを復号するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビデオストリームは、ディスプレイ上で、及び/またはモニタまたはテレビなどの別個のデバイス上で、プレーヤ104に提示され得る。いくつかの実施形態では、プレーヤ104のデバイスは、画面及びインターネット接続を有する任意の接続されたデバイスであってよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、観客102は、ネットワーク108を介してデータセンタ114及びゲームサーバ116に結合され得、それらと通信し得る。観客102は、データセンタ114及びゲームサーバ116から、エンコードされたビデオストリームを受信し、受信したビデオストリームをデコードするように構成されている。例えば、エンコードされたビデオストリームは、クラウドゲームシステムによって提供され、プレーヤ及び観客のデバイスは、ゲームとインタラクトするための入力を提供する。一実施形態では、観客102の各々は、プレーヤ104によって実行されているマルチプレーヤオンラインゲームからのビデオストリームなどのカスタマイズされた観客ビデオストリームを受信することがある。いくつかの実施形態では、観客102の各々のカスタマイズされた観客ビデオストリームは、観客102の対応するプレイブックと、プレーヤのプレイブックと、ゲームプレイデータの変更とに基づいて選択され、動的に更新される、ビデオゲームのシーンへのビューポートを含み得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、プレイブックは、プレーヤまたは観客の好みを定義するモデルである。好みは、プレーヤまたは観客からの入力として直接生成してもよく、あるいはプレーヤまたは観客の反応、プレイ、アクションの起こし方、オプションの選択、タスクの完了法、過去のアクション、過去の選択、過去の通信、ソーシャルインタラクション、起こされなかったアクション、選択されなかった好み、課題への応答、獲得したトロフィ、得点、達成したレベル、作成されたコメントなどに基づいて自動的に生成してもよい。プレイブックを定義する要素は多次元であり得、プレーヤまたは観客のアクションまたは非アクションに基づいて、時間の経過とともに変化し得る。いくつかの実施形態におけるプレイブックは、人工知能を使用して学習されたモデルによってそれ自体で定義される。
【0026】
いくつかの実施形態では、ビデオストリームは、観客のディスプレイ上で、あるいはモニタ、またはテレビもしくはヘッドマウントディスプレイ、またはポータブルデバイスなどの別個のデバイス上で、観客102に提示され得る。いくつかの実施形態では、観客102は、ネットワーク108を介してデータセンタ114及びゲームサーバ116にフィードバックを送信するように構成され得る。
【0027】
他の実施形態では、観客102の物理的環境にカメラを配置し、ゲームプレイのビデオストリームを見ている間に、観客の反応と動きをとらえるように構成することがある。いくつかの実施形態では、カメラは、観客の視線の追跡を可能にする視線追跡を含んでもよい。カメラは、観客の目の画像をキャプチャすることができ、その画像を分析して、観客の視線方向、及び観客の目の瞳孔に伴う拡張を判定する。いくつかの実施形態では、観客の視線方向及び瞳孔の拡張を用いて、観客が視聴している特定のゲームシーンに観客が関心を持っているのかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、カメラは、ゲームプレイ中の観客の顔の表情を追跡してキャプチャするように構成されてもよく、この表情は、観客の顔の表情に伴う感情を判定するために分析される。
【0028】
一例では、図1に示される実施形態によれば、観客102が接続されてディスプレイ106上でプレーヤ104のゲームプレイを視聴しているように示されている。ディスプレイ106上に示すように、プレーヤ104のゲームプレイは、バスケットボールゲームで対戦しているプレーヤ104のゲームシーンを例示する。ゲームシーンに示すように、プレーヤ104a~104nを表すプレーヤキャラクタ104a'~104n'が、バスケットボールコート上に示され、バスケットボールゲームで互いに対戦する。ゲームプレイの進行中、プレーヤ104a~104nは、対応するプレーヤキャラクタ104a'~104n'の様々なアクション及び動きを操作することができ、観客102は、ビデオゲーム全体を通して行われる様々なゲームアクションを視聴することができる。
【0029】
ディスプレイ106上に示されるゲーム環境にさらに例示されるように、いくつかの実施形態では、ビデオゲームは、ゲーム環境中に分散され、ゲームプレイを記録するように構成される複数の仮想カメラ110a~110nを含み得る。仮想カメラ110a~110nのそれぞれは、その周辺内で発生するゲームアクティビティを記録しキャプチャするように構成された関連するカメラ視点(POV)112を有し得る。したがって、複数の仮想カメラ110a~110nは、ビデオゲームのゲームシーンへの1つ以上の固有のビューポートをキャプチャして提供することができる。一実施形態では、仮想カメラ110a~110nは固定されていてもよく、またはビデオゲーム内の対応するゲームシーンに伴って動的に移動することがある。結果として、複数の仮想カメラ110a~110nがゲーム環境内で移動できるため、仮想カメラに関連付けられたビューポートは、ビデオゲームのシーンへの様々な視野角を含むことができる。例えば、図1のディスプレイ106に示されるように、仮想カメラ110a~110nは、その対応するカメラPOV112a~112nがバーズアイビュー、サイドビュー、上段ビュー、下段ビュー、エンドビュー、またはズームインビューなどのバスケットボールコートの様々な視点角度をキャプチャできるように調整され得る。このようにして、バスケットボールゲームにおける様々なゲームアクション、例えば、スラムダンク、フリースロー、ファウル、プレーヤキャラクタ間の戦い、プレーヤキャラクタの表情、群衆の反応などをキャプチャして観客に提供することができる。
【0030】
図2は、ビデオゲームのゲーム環境内の複数のゲーム領域202a~202dの実施形態を例示する。図2に示すように、ビデオゲームのゲームシーンは、所与の時間に同時に発生する複数のゲームアクションを含むことがある。例えば、図2のゲームシーンは、3on3バスケットボールゲームのゲームプレイを示す。図示するように、プレーヤキャラクタ104a'、104b'、及び104c'は同じチームに属し、対戦相手のプレーヤキャラクタ104d'、104e'、及び104n'と競争している。プレーヤキャラクタ104a'は、相手のプレーヤキャラクタ104n'にガードされながら、バスケットボールをドリブルし、バスケットボールコートの一端に向かって移動している様子が示される。プレーヤキャラクタ104b'は、相手プレーヤキャラクタ104d'にガードされながら、バスケットボールコートの一端に向かって歩いている様子が示される。プレーヤキャラクタ104c'は、対戦相手のプレーヤキャラクタ104e'がプレーヤキャラクタ104c'をガードしている間に、プレーヤ104a'からパスを受け取るために所望の位置に入り込もうと試みている様子が示される。
【0031】
上記のように、仮想カメラ110a~110nは、ゲーム環境内のどこにでも配置することができ、ビデオゲームのゲーム環境で発生するゲームアクションの様々な投象をキャプチャするように構成され得る。ゲームプレイの進行全体を通じて、仮想カメラ110a~110nは、観客に好まれる視野角を観客に提供するために動的に調整され得る。例えば、一実施形態では、仮想カメラ110の位置は、カメラPOV112が、バスケットボールをプレーヤキャラクタ104'がダンクシュートするというバーズアイビューを含むように調整されることがある。したがって、仮想カメラ110のそれぞれは、動的に移動するように構成することができ、その対応するPOV112は、ゲームシーンの固有の投象をキャプチャし、ビデオゲームに固有のビューポートを提供することができる。
【0032】
図3A図3Dは、観客プレイブック、プレーヤプレイブック、及びゲームプレイデータの処理に基づいてシステムによって選択された対応するビューポートを備えた観客インタフェース302の様々な実施形態を例示する。上記のように、ビューポートは、ビデオゲームのゲーム環境における仮想カメラ110及びそれに対応するカメラPOV112に対応し、ビデオゲームのゲームシーンへのビューを提供する。一実施形態では、図3Aに示すように、この図は、ビデオゲームを視聴している特定の観客102に対して選択される対応するビューポート(例えば、V8)を有する観客インタフェース302aを例示する。図示するように、ビューポート(例えば、V8)は、プレーヤキャラクタ104a'がスラムダンクを実行しようとし、その一方では、敵プレーヤキャラクタ104n'がこのスラムダンクの試みをかわそうとするゲームシーンを含むゲーム環境内のゲーム領域202bに対応する。
【0033】
一実施形態では、観客インタフェース302に含めるためのビューポートの選択は、観客102のプレイブック、プレーヤ104のプレイブック、及びプレーヤ104によってプレイされたビデオゲームのゲームプレイデータの処理に基づく。一実施形態では、各観客102は、対応するプレイブックを有することができる。観客102のプレイブックには、視聴の好み、お気に入りのプレーヤ、性別、年齢、ゲーム経験、ゲームプレイ履歴、視聴履歴、ゲームスキルレベル、興味、無関心など、観客102に関連する様々な属性及び情報が含まれ得る。いくつかの実施形態では、観客102のプレイブックは、上述の特徴量に加えて、プレイブックのモデルを定義するために人工知能を使用して処理された他の特徴量を含むことがある。いくつかの実施形態では、各プレーヤ104は、対応するプレイブックを有することができる。プレーヤ104に関連付けられたプレイブックには、ゲームプレイの傾向、特殊なゲームスキル、ゲームスキルレベル、プレーヤの経験、得意なゲーム技、経歴情報、プレーヤのゲームプレイに関連する統計、好み、興味、無関心など、プレーヤ104に関連する様々な属性及び情報が含まれ得る。観客102のプレイブックと同様に、プレーヤ104のプレイブックは、上述の特徴量に加えて、プレイブックのモデルを定義するために人工知能を使用して処理された他の特徴量を含むことがある。さらに、ゲームプレイデータは、ゲームプレイ中に複数のプレーヤ104によって生成され、ゲームプレイ中に複数のプレーヤ104の各々によって行われたアクション、入力、及び動きの全てを識別する状態データなどのゲームプレイメタデータを含むことができる。他の実施形態では、ゲームプレイデータは、ビデオゲームのシーン、ビデオゲームの進行状況、得点、仮想カメラの位置及び総数、利用可能なビューポート、ビデオゲームのシーンに関するコンテキストデータなど、プレーヤ104によってプレイされるビデオゲームに関連する様々な情報を含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、観客インタフェース302に含めるためのビューポートの選択は、ビューポート推奨モデルを介した、観客102のプレイブック、プレーヤ104のプレイブック、及びゲームプレイデータの処理に基づく。ビューポート推奨モデルは、観客102のプレイブック、プレーヤ104のプレイブック、及びゲームプレイデータから特徴量を識別し、1つ以上の分類器を使用して特徴量を分類するように構成される。次いで、分類された特徴量は、観客102の興味と一致し得る、または観客102に好まれ得るビューポートを予測して選択するために、ビューポート推奨モデルによって使用される。例えば、観客102のプレイブックは、この観客102がバスケットボールビデオゲームで守備的なプレイを観戦するのを楽しんでいる25歳の女性であることを明らかにすることができる。さらに、プレーヤ104のプレイブックは、ビデオゲームをプレイしているプレーヤ104のうち、どのプレーヤ104に、強力な守備力(例えば、プレーヤをガードする、ボールを盗む、シュートをブロックするなど)を持つための強い属性があるかを示し得る。それに応じて、システムは、プレーヤ104のゲームプレイデータ及びプレイブックに基づいて、プレーヤキャラクタ104'が実行するであろうゲームアクションの種類を予測し、守備プレイに関連するゲームアクションを含む観客102用のビューポートを選択することができる。したがって、機械学習を実装するビューポート推奨モデルを使用することにより、ビューポートは、観客がどのようなゲームアクションを好むかの、時間の経過とともに改善するように構成され得る予測に基づいて選択される。
【0035】
別の実施形態では、図3Bは、ビデオゲームを視聴している特定の観客102に対して選択される対応するビューポート(例えば、V10)を有する観客インタフェース302bを例示する。図示するように、ビューポート(例えばV10)は、敵プレーヤキャラクタ104d'がプレーヤキャラクタ104b'をガードする間に、プレーヤキャラクタ104b'がレイアップショットをしようとして空中にジャンプするゲームシーンを含むゲーム環境内のゲーム領域202dに対応する。上記のように、観客インタフェース302bに含めるためのビューポートの選択は、ビューポート推奨モデルを介した、観客102のプレイブック、プレーヤ104のプレイブック、及びゲームプレイデータの処理に基づく。選択されたビューポートは、ゲームプレイの進行全体を通じて動的に更新することができ、選択されたビューポートは、発生する可能性が高く、観客102によって好まれるであろうプレーヤ104のゲームアクションを含むと予測される。
【0036】
別の実施形態では、図3Cは、ビデオゲームを視聴している特定の観客102に対して選択される対応するビューポート(例えば、V7)を有する観客インタフェース302cを例示する。図示するように、ビューポート(例えば、V7)は、プレーヤキャラクタ104c'がバスケットボールをダンクするために空中にジャンプするゲームシーンを含むゲーム環境内のゲーム領域202cに対応する。上記のように、観客インタフェース302cに含めるためのビューポートの選択は、ビューポート推奨モデルを介した、観客102のプレイブック、プレーヤ104のプレイブック、及びゲームプレイデータの処理に基づく。この例では、観客102はプレーヤ104cによるスラムダンクの試みを伴うゲームアクションを好むため、ビューポート(例えば、V7)が観客インタフェース302cに含まれるように選択された。
【0037】
別の実施形態では、図3Dは、ビデオゲームを視聴している特定の観客102に対して選択される対応するビューポート(例えば、V4)を有する観客インタフェース302dを例示する。図示のように、ビューポート(例えば、V4)は、プレーヤキャラクタ104b'と相手プレーヤキャラクタ104d'とがバスケットボールゲームで互いに対戦するゲームシーンを含むゲーム環境内のゲーム領域202aに対応する。この例では、観客102はプレーヤキャラクタ104d'の守備動作を伴うゲーム動作を好むため、ビューポート(例えば、V4)が観客インタフェース302dに含まれるように選択された。したがって、ゲームプレイの進行全体を通して、システムは、ビデオゲームにおいて対戦相手のプレーヤキャラクタ104d'がプレーヤキャラクタに対して守備動作を行うと予測されるゲームアクションを含むようにビューポートを動的に更新することができる。
【0038】
図4A図4Dは、ビデオゲームをプレイしているプレーヤ104に関する動的データ402を例示する、図3A図3Dに示される観客インタフェース302a~302dの様々な実施形態を例示する。一実施形態では、動的データ402は、観客102ごとにカスタマイズされ、観客ビデオストリームで提示されて観客302インタフェース上に表示される。いくつかの実施形態では、動的データ402は、ビデオゲームをプレイしているプレーヤ104に関する情報を含み、プレーヤ104に関する情報は、観客102のプロファイル及び観客102の好みに基づいてカスタマイズされる。例えば、ビデオゲームを視聴している各観客102は、ビデオゲームで対戦している1人以上のプレーヤ104のゲームプレイに対して様々な好みや興味を持っている可能性がある。観客102が、ビデオゲームをプレイしているプレーヤ104の私生活について知ることに興味を持つことがある。他の観客は、ビデオゲームをプレイしているプレーヤ104の栄誉や業績についてさらに知りたいという興味を持つことがある。
【0039】
他の実施形態では、動的データ402は、ビデオゲームを視聴している1人以上の観客102に関する情報を含むことがある。例えば、ビデオゲームを視聴している観客102が、多くのファン層を持つ有名人の観客である場合がある。ビデオゲームを視聴している観客の1人以上が、有名人の観客が視聴しているゲームシーンや、有名人の観客のために生成された動的データにも興味がある場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、システムは、ビデオゲームを視聴している他の観客用に生成された動的データ及びビューポートに基づいて、動的データ402または観客用のビューポートを生成することがある。
【0040】
一例では、観客のプロファイルが、ゲームプレイを視聴しているその観客がプレーヤデータ及び分析に強い関心を持っていることを示し得る。したがって、その観客に対して動的データ402が生成されるとき、その動的データ402は、ゲーム統計、シーズン統計、予測統計などのプレーヤに関する情報を含んでもよい。別の例では、ビデオゲームを視聴している観客のプロファイルが、その観客がビデオゲームをプレイしている特定のプレーヤの私生活に興味を持っていることを示し得る。したがって、その観客に対して動的データ402が生成されるとき、その動的データ402は、プレーヤが育った場所、経験年数、プレーヤが楽しみのためにしていること、交際状況など、プレーヤに関する個人情報を含んでもよい。
【0041】
動的データ402の例を例示するために、図4Aを参照すると、図は、プレーヤキャラクタ104a'がプレーヤキャラクタ104n'を跳び越えてスラムダンクを実行しようとするのを示す対応するビューポート(例えば、V8)を備えた観客インタフェース302aを例示する。図示のように、動的データ402aが生成され、観客インタフェース302aを視聴している特定の観客102向けの観客ビデオストリームで提示される。動的データ402aには、プレーヤの名前、ポジション、チーム、出身地、経験、及び好きな趣味など、プレーヤキャラクタ104a'を操作しているプレーヤに関する様々な情報が含まれる。上記のように、動的データ402aに含まれる情報は、観客インタフェース302aを視聴している観客のプロファイルに基づいて生成され、観客の興味及び好みと一致すると予測される。図4Aにさらに例示するように、動的データ402nが生成され、これには、プレーヤキャラクタ104n'を操作しているプレーヤに関する情報が含まれる。図示するように、動的データ402nは、プレーヤによって獲得された様々な賞に関する情報を含む。
【0042】
別の実施形態では、図4Bに示すように、この図は、プレーヤキャラクタ104b'がレイアップショットをしようとして空中にジャンプするのを示す対応するビューポート(例えば、V10)を備えた観客インタフェース302bを例示する。図示のように、動的データ402bが生成され、観客インタフェース302bを視聴している特定の観客102向けの観客ビデオストリームで提示される。動的データ402bは、プレーヤのゲーム概要、例えば、ポイント、リバウンド、アシスト、ターンオーバーなど、プレーヤキャラクタ104b'を操作しているプレーヤに関する様々な情報を含む。いくつかの実施形態では、過去の勝利の事例、対戦プレーヤのタイプに関する履歴、実行する可能性のあるプレータイプなどを含む、プレーヤに関する背景情報が提供されてもよい。動的データ402bに含まれる情報は、観客インタフェース302bを視聴している観客のプロファイルに基づいて生成され、観客の興味及び好みと一致すると予測される。
【0043】
別の実施形態では、図4Cに示すように、この図は、プレーヤキャラクタ104c'がバスケットボールをダンクシュートしようとするのを示す対応するビューポート(例えば、V7)を備えた観客インタフェース302cを例示する。図示のように、動的データ402cが生成され、観客インタフェース302cを視聴している特定の観客102向けの観客ビデオストリームで提示される。動的データ402cは、プレーヤのキャリアハイライト、例えば、得意技、フィールドゴール成功率、スリーポイント成功率、フリースロー成功率など、プレーヤキャラクタ104c'を操作しているプレーヤに関する様々な情報を含む。上記のように、動的データ402cに含まれる情報は、観客インタフェース302cを視聴している観客のプロファイルに基づいて生成され、観客の興味及び好みと一致すると予測される。
【0044】
別の実施形態では、図4Dに示すように、この図は、プレーヤキャラクタ104d'がプレーヤキャラクタ104b'をガードするのを示している対応するビューポート(例えば、V4)を備えた観客インタフェース302dを示す。図示のように、動的データ402dが生成され、観客インタフェース302dを視聴している特定の観客102向けの観客ビデオストリームで提示される。動的データ402dは、プレーヤのシーズン統計、例えば、1ゲーム当たりのリバウンド数、1ゲーム当たりのスティール数、1ゲーム当たりのブロック数など、プレーヤキャラクタ104d'を操作しているプレーヤに関する様々な情報を含む。上記のように、動的データ402dに含まれる情報は、観客インタフェース302dを視聴している観客のプロファイルに基づいて生成され、観客の興味及び好みと一致すると予測される。
【0045】
図5は、ビデオゲームをプレイしている複数のプレーヤに関連するプレーヤゲームメトリック及び様々な情報を例示するプレーヤプロファイルテーブル502の実施形態を例示する。図示のように、プレーヤプロファイルテーブル502は、各プレーヤに関連付けられたプレーヤ識別504及び様々な情報を含む。一実施形態では、プレーヤプロファイルテーブル502は、プレーヤ情報506、プレーヤ経歴508、プレーヤの得意技510、及び様々なプレーヤシーズン統計512などの情報を含むことができる。一実施形態では、プレーヤシーズン統計512は、ランキング、出場ゲーム数(GP)、1ゲーム当たりの出場分数(MPG)、フィールドゴール成功率(FGP)、フリースロー成功率(FTP)、1ゲーム当たりのリバウンド数(REB)、1ゲーム当たりのアシスト数(AST)、1ゲーム当たりのスティール数(STL)、1ゲーム当たりのブロック数(BLK)、1ゲーム当たりのターンオーバー数(TO)、及び1ゲーム当たりの得点(PTG)などの様々な統計カテゴリを含むことができる。
【0046】
図5のプレーヤプロファイルテーブル502の例示を提供するために、一例では、システムは、バスケットボールゲームにおいて、プレーヤ2が、シューティングガードをプレーし、バスケットボールコートのコーナー領域から3ポイントシュートを74%の確率で試みることを判定することがある。プレーヤ2のプロファイル情報とビデオゲームのゲームプレイデータとを使用して、システムは、プレーヤ2がバスケットボールコートのコーナー領域に沿ってボールを保持しているときに、プレーヤ2が3ポイントシュートを試みる可能性が高いことを判定し得る。したがって、プレーヤ2による3ポイントシュートの試みをキャプチャすると予測されるビューポートが、3ポイントシュートの試みを含むゲームアクションを好む可能性のある観客102のために選択されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、観客102の観客ビデオストリームで提示するために、プレーヤプロファイルテーブル502を使用して、プレーヤ104に関する動的データ402を生成することがある。例えば、観客102は、プレーヤのゲームプレイに関連する統計ではなく、プレーヤの私生活に興味を持っている可能性がある。したがって、システムは、表のプレーヤシーズン統計512セクションではなく、表のプレーヤ情報506及びプレーヤ経歴508セクションからの情報を含む観客102用の動的データ402を生成することになる。
【0048】
図6は、プレーヤプレイブック602、観客プレイブック604、及びゲームプレイデータ606を入力として使用して、観客102のビューポートを動的に選択して更新するために、ビューポート推奨モデル620を使用する方法の実施形態を例示する。上記のように、選択されたビューポートは、ビデオゲームを視聴している観客102ごとに固有であり、観客102の観客ビデオストリームに含まれて、ビデオゲームのカスタマイズされた視聴体験を観客102に提供することができる。
【0049】
図6に示すように、一実施形態では、システムは、プレーヤプレイブック602、観客プレイブック604、及びゲームプレイデータ606内の様々な特徴量を識別するように構成された特徴量抽出動作(例えば、608、610、612)を含み得る。特徴量抽出動作が入力に関連する特徴量を識別した後、分類器動作(例えば、614、616、618)は、1つ以上の分類器を使用して特徴量を分類するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システムは、分類器動作から分類された特徴量を受け取るように構成されたビューポート推奨モデル620を含む。分類された特徴量を使用して、ビューポート推奨モデル620が、観客102に対してビューポートを推奨し選択するように使用され得る。いくつかの実施形態では、動作622により、ビューポート推奨モデル620が使用されて、特定の観客102に対してどのビューポートを選択するかが判定され得る。他の実施形態では、動作622により、ビューポート推奨モデル620が使用されて、観客102のための動的データを生成するために使用される情報の種類が判定され得る。ビューポート及び動的データが観客102に対して選択され、生成された後、観客フィードバック624動作が、観客プレイブック604に組み込むことができる観客のフィードバックをキャプチャするように構成されてもよい。
【0050】
一実施形態では、システムは、プレーヤプレイブック602を処理することがある。上記のように、プレーヤプレイブック602は、ゲームプレイ傾向、特殊なゲームスキル、ゲームスキルレベル、プレーヤ経験、得意なゲーム技、経歴情報、プレーヤのゲームプレイに関連する統計、好み、興味、無関心など、プレーヤ104に関連する様々な属性及び情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、プレーヤプレイブック抽出608動作は、プレーヤプレイブック602を処理して、プレーヤのプロファイルに関連する特徴量を識別して抽出するように構成される。プレーヤプレイブック抽出608動作がプレーヤプレイブック602からの特徴量を処理して識別した後に、プレーヤプレイブック分類器614動作は、1つ以上の分類器を使用して特徴量を分類するように構成される。一実施形態では、特徴量は、ビューポート推奨モデル620によってさらに絞り込むための分類アルゴリズムを使用してラベル付けされる。
【0051】
別の実施形態では、システムは、観客プレイブック604を処理することがある。上記のように、観客プレイブック604は、ビューポートの好み、視野角の好み、お気に入りのプレーヤ、性別、年齢、ゲーム経験、ゲームプレイ履歴、視聴履歴、ゲームスキルレベル、興味、無関心など、観客102に関連する様々な属性及び情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、観客プレイブック抽出610動作は、観客プレイブック604を処理して、観客のプロファイルに関連する特徴量を識別して抽出するように構成される。プレイブック抽出610動作が観客プレイブック604からの特徴量を処理して識別した後に、プレイブック抽出610動作は、1つ以上の分類器を使用して特徴量を分類するように構成される。一実施形態では、特徴量は、ビューポート推奨モデル620によってさらに絞り込むための分類アルゴリズムを使用してラベル付けされる。
【0052】
別の実施形態では、システムは、ゲームプレイデータ606を処理することがある。上記のように、ゲームプレイデータ606は、ビデオゲームのシーン、ビデオゲームの進行状況、得点、仮想カメラの位置、仮想カメラの総数、利用可能なビューポート、ビデオゲームのシーンに関するコンテキストデータ、メタデータなど、プレーヤ104によってプレイされているビデオゲームに関連する様々な情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲームプレイデータ抽出612動作は、ゲームプレイデータ606を処理して、プレーヤのゲームプレイに関連する特徴量を識別して抽出するように構成される。ゲームプレイデータ抽出612がゲームプレイデータ606からの特徴量を処理して識別した後に、ゲームプレイデータ抽出分類器618動作は、1つ以上の分類器を使用して特徴量を分類するように構成される。いくつかの実施形態では、特徴量は、ビューポート推奨モデル620によってさらに絞り込むための分類アルゴリズムを使用してラベル付けされる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ビューポート推奨モデル620は、分類された特徴量(例えば、プレーヤプレイブックの分類された特徴量、観客プレイブックの分類された特徴量、ゲームプレイデータの分類された特徴量)を入力として受信するように構成される。別の実施形態では、直接入力ではない、または入力/フィードバックの欠如である他の入力もまた、ビューポート推奨モデル620への入力として取得されてもよい。ビューポート推奨モデル620は、機械学習モデルを使用して、観客102のためのビデオゲームのシーンへのビューポート及び動的データを予測することができる。例えば、ビデオゲームを視聴している観客102に関連付けられた観客プレイブック604は、観客が、ビデオゲームイベントに参加している群衆の反応を観て楽しんでいることを示す。ビデオゲームをプレイしているプレーヤに関連付けられたプレーヤプレイブック602及びゲームプレイデータを使用して、ビューポート推奨モデル620は、プレーヤ104が群衆から大きな反応をもたらすであろう特定のゲーム技、例えば、スラムダンク、ゲームウィニングショット、ブロックショットなどを、いつ行うかを予測することができる。それに応じて、ビューポート推奨モデル620は、ゲーム技に反応している個人から最良の反応(例えば、顔の反応、最も大きな歓声、ハイタッチなど)を含むビューポートを予測することがある。
【0054】
いくつかの実施形態では、動作622により、ビューポート推奨モデル620が使用されて、ビデオゲームを視聴している特定の観客102に対して、どのビューポートを選択するかが判定され得る。他の実施形態では、動作622により、ビューポート推奨モデル620が使用されて、特定の観客102に対して生成する動的データの種類が判定され得る。ビューポート及び動的データが判定されると、ビューポート及び動的データは、観客のための観客ビデオストリームに含められ得る。いくつかの実施形態では、観客がビデオゲームを視聴している間、ビューポート及び動的データは、プレーヤプレイブック、観客プレイブック、及びゲームプレイデータの連続処理に基づいてシステムによって動的に更新され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、観客フィードバック624動作は、選択されたビューポート及び動的データに対する観客の反応を評価するように構成することができる。いくつかの実施形態では、観客のフィードバックは、観客によって明示的または黙示的に行われ得る。例えば、観客が、観客に提供されるビューポートを見ない、またはそこに意識を集中させない場合、観客がそのコンテンツに興味がないことが暗示され得る。別の例では、観客が、ビューポート内の特定のコンテンツを手動でズームインするかまたはクリックする場合、観客がそのコンテンツに興味を持っていることが暗示され得る。したがって、これらの推論が、観客フィードバック624動作によって取り込まれ、観客プレイブック604に組み込まれてもよい。
【0056】
図7は、プレーヤ104によってプレイされるビデオゲームを視聴している観客102のために、ビデオゲームへのビューポートを選択する方法を例示する。一実施形態では、図7に記載された方法は、観客102の好みに基づいて選択されるビューポートを含むカスタマイズされた視聴体験を観客102に提供する。一実施形態では、この方法は、ビデオゲームのシーンへの複数のビューポートを提供するための複数の仮想カメラ110を識別するように構成された動作702を含む。例えば、ビデオゲームは、ゲーム環境中に分散され、プレーヤ104のゲームプレイを記録するように構成される複数の仮想カメラ110を含んでもよい。各仮想カメラ110は、ビデオゲームへのビューポートを提供する対応するカメラPOV112を有し得る。いくつかの実施形態では、仮想カメラ110は、特定のゲーム領域にズームインし、ゲームシーンへの特定の視野角をキャプチャするために動的に移動し、ゲーム環境のバーズアイビューを提供するために浮かぶことができる。
【0057】
次に、図7に示す方法は動作704に進み、そこで動作は、観客プレイブック604にアクセスするように構成される。観客プレイブック604は、観客のプロファイルに関連付けて保存されており、観客によって視聴されたビデオゲームの種類に対する観客の視聴履歴を識別する。いくつかの実施形態では、観客プレイブック604は、ビューポートの好み、視野角の好み、お気に入りのプレーヤ、性別、年齢、ゲーム経験、ゲームプレイ履歴、視聴履歴、ゲームスキルレベル、興味、無関心などの情報を含む。いくつかの実施形態では、観客プレイブック604は、観客102のプロファイルに関連付けて保存され、観客102と同様のユーザの大域特徴量を使用して最初にトレーニングされ得るモデルを含むことがある。時間の経過とともに、モデルは、観客102の入力及びアクション、例えば、選択及び視聴に基づいて、観客が視聴を希望する可能性のあるものをより正確に予測するために使用できる、観客の好みや嫌いなものに合わせてより具体的にトレーニングされるようになる。
【0058】
方法は動作706に進み、そこで動作は、プレーヤプレイブック602にアクセスするように構成される。プレーヤプレイブック602は、プレーヤ104のプロファイルに関連付けて保存されており、プレーヤによってプレイされたビデオゲームの種類に対するプレーヤのパフォーマンスを識別する。一実施形態では、ビデオゲームをプレイしている複数のプレーヤ104が存在する可能性があるので、動作706は、特定のプレーヤが他のプレーヤよりもアクティブであることに基づいて、またはそのプレーヤが観客102によってフォローするために識別されることに基づいて、またはそのプレーヤがゲームのシーンもしくはアクションシーケンスにおけるメインキャラクタであることに基づいて、またはそのプレーヤが観客102と社会的関係を持つことに基づいて、そのプレーヤのプレイブックにアクセスするように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態では、プレーヤプレイブック602は、ゲームプレイ傾向、特殊なゲームスキル、ゲームスキルレベル、プレーヤ経験、得意なゲーム技、経歴情報、プレーヤのゲームプレイに関連する統計、好み、興味、無関心などの情報を含む。他の実施形態では、プレーヤプレイブック602は、例えば、プレーヤNは2019年にEスポーツイベントで初優勝した、プレーヤNは、彼女が16歳のときにプロとしてビデオゲームをプレイし始めた、プレーヤNはゲームでの最多アシストの記録を保持しているなど、1プレーヤまたは複数プレーヤに関連するコメンテータタイプのトリビア情報を含むことがある。いくつかの実施形態では、プレーヤプレイブック602は、プレーヤ104のプロファイルに関連付けて保存され、プレーヤ104と同様のユーザの大域特徴量を使用して最初にトレーニングされ得るモデルを含むことがある。時間の経過とともに、モデルは、プレーヤ104の入力及びアクションに基づいて、プレーヤ104がどのようなゲームアクションを実行し得るかをより正確に予測するために使用できる、プレーヤのゲームプレイ傾向及びアクションに合わせてより具体的にトレーニングされるようになる。
【0060】
次に、図7に示す方法は動作708に進み、そこで動作は、プレーヤによってプレイされるビデオゲームのゲームプレイデータ606にアクセスするように構成される。上記のように、ゲームプレイデータ606は、ビデオゲームのゲームシーン、ビデオゲームの進行状況、得点、仮想カメラの位置、仮想カメラの総数、ビデオゲームのシーンに関するコンテキストデータ、メタデータ、プレーヤによって実行されるゲームアクションなどに関連付けられた情報であってもよい。
【0061】
方法は動作710に進み、そこで動作は、ビデオゲームへのビューポートを複数のビューポートから選択するように構成される。いくつかの実施形態では、ビューポートは、観客プレイブック604と、プレーヤプレイブック602と、ゲームプレイデータ606の変更とを処理することに基づいて選択され、動的に更新される。上記のように、選択されたビューポートは、観客102に好まれるプレーヤ104のゲームアクションを含むと予測される。いくつかの実施形態では、選択されたビューポートは、観客102に好まれるビデオゲームのシーンへの視野角を含むと予測される。例えば、観客プレイブック604に基づいて、システムは、プレーヤがスラムダンクを実行するのを、観客が、サイドビューではなくバーズアイビューから観戦するのを楽しんでいると判定することができる。したがって、ビデオゲームのプレーヤがスラムダンクを実行するとき、ビューポートは、観客にバーズアイビューからの角度を提供することになる。他の実施形態では、動作710は、観客102がビデオゲームを視聴している間に、観客ビデオストリームで提示するためのプレーヤ104に関する動的データを生成するように構成される。一実施形態では、プレーヤ104に関する動的データは、観客プレイブック604に基づいてカスタマイズされる。
【0062】
次に、図7に示す方法は動作710に進み、そこで動作は、観客102に向けて観客ビデオストリームをストリーミングするように構成される。観客ビデオストリームには、選択されたビューポートと生成された動的データとが含まれる場合がある。ビューポート及び動的データは観客の好みに基づいて選択され、生成されるので、観客ビデオストリームは、各観客102に合わせてカスタマイズされ、観客がシームレスかつ効率的にビデオゲームを観戦することを可能にする。
【0063】
図8は、本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用できる例示的なデバイス800のコンポーネントを示す。このブロック図は、本開示の実施形態を実施するのに好適なパーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、または他のデジタルデバイスを組み込むことができる、またはこれらであり得る、デバイス800を示す。デバイス800は、ソフトウェアアプリケーション及び任意選択でオペレーティングシステムを実行するための中央処理装置(CPU)802を含む。CPU802は、1つ以上の同種または異種の処理コアで構成されてもよい。例えば、CPU802は、1つ以上の処理コアを有する1つ以上の汎用マイクロプロセッサである。さらなる実施形態は、クエリの解釈、文脈的に関連するリソースの識別、及び文脈的に関連するリソースのビデオゲーム内での即時実施及びレンダリングなど、高並列及び計算集約的なアプリケーションに特に適合したマイクロプロセッサアーキテクチャを有する1つ以上のCPUを使用して、実施することができる。デバイス800は、ゲームセグメント(例えば、ゲームコンソール)をプレイするプレーヤにローカライズされたもの、またはプレーヤからリモートであるもの(例えば、バックエンドサーバプロセッサ)、またはクライアントへのゲームプレイのリモートストリーミングのためにゲームクラウドシステムで仮想化を使用する多くのサーバの1つであってもよい。
【0064】
メモリ804は、CPU802が使用するアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ806は、アプリケーション及びデータのための不揮発性ストレージ及びその他のコンピュータ可読媒体を提供し、固定ディスクドライブ、リムーバブルディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD-ROM、DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)、HD-DVD、またはその他の光学ストレージデバイス、ならびに信号伝送及びストレージメディアを含んでもよい。ユーザ入力デバイス808は、1人以上のユーザからのユーザ入力をデバイス800へ通信し、ユーザ入力デバイス808の例には、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スチルレコーダ/カメラもしくはビデオレコーダ/カメラ、ジェスチャを認識する追跡デバイス、及び/またはマイクロフォンが挙げられ得る。ネットワークインタフェース814は、デバイス800が電子通信ネットワークを介して他のコンピュータシステムと通信することを可能にし、ローカルエリアネットワーク、及びインターネットなどのワイドエリアネットワークにわたる有線または無線通信を含んでもよい。オーディオプロセッサ812は、CPU802、メモリ804、及び/またはストレージ806によって提供される命令及び/またはデータから、アナログまたはデジタルのオーディオ出力を生成するように適合されている。CPU802、メモリ804、データストレージ806、ユーザ入力デバイス808、ネットワークインタフェース810、及びオーディオプロセッサ812を含むデバイス800の構成要素は、1つ以上のデータバス822を介して接続されている。
【0065】
グラフィックスサブシステム820が、データバス822及びデバイス800の構成要素とさらに接続されている。グラフィックスサブシステム820は、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)816とグラフィックスメモリ818とを含む。グラフィックスメモリ818は、出力画像の各画素の画素データを格納するために使用される表示メモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックスメモリ818は、GPU808と同じデバイスに統合されてもよく、GPU816と別個のデバイスとして接続されてもよく、及び/またはメモリ804内に組み込まれてもよい。画素データは、CPU802から直接グラフィックスメモリ818に提供することができる。あるいは、CPU802は、所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令をGPU816に提供し、そこからGPU816が1つ以上の出力画像の画素データを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ804及び/またはグラフィックスメモリ818に格納することができる。実施形態では、GPU816は、シーンのジオメトリ、ライティング、シェーディング、テクスチャリング、モーション、及び/またはカメラパラメータを定義する命令及びデータから、出力画像用の画素データを生成するための3Dレンダリング機能を含む。GPU816は、シェーダプログラムを実行することができる1つ以上のプログラマブル実行ユニットをさらに含むことができる。
【0066】
グラフィックスサブシステム814は、グラフィックスメモリ818から画像の画素データを定期的に出力して、ディスプレイデバイス810に表示させる。ディスプレイデバイス810は、CRT、LCD、プラズマ、及びOLEDディスプレイを含む、デバイス800からの信号に応答して視覚情報を表示することができる任意のデバイスであり得る。デバイス800は、例えば、アナログ信号またはデジタル信号をディスプレイデバイス810に提供することができる。
【0067】
現在の実施形態のゲームへのアクセス提供など、広範囲な地域にわたり配信されるアクセスサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用することに留意されたい。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで多くの場合仮想化されたリソースがインターネットを介したサービスとして提供されるコンピューティング様式である。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」の技術的インフラストラクチャのエキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)などの異なるサービスに分類することができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ビデオゲームなどの共通のアプリケーションを、ウェブブラウザからアクセスするオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータは、クラウド内のサーバに記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるインターネットの描かれ方に基づいたインターネットの隠喩として使用され、複雑なインフラストラクチャを隠し持つことの抽象的概念である。
【0068】
ゲームサーバは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームプレーヤのための持続的情報プラットフォームの動作を実行するために使用され得る。インターネット上でプレイされる大抵のビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、プレーヤからデータを収集し、収集したデータを他のプレーヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。他の実施形態では、ビデオゲームは、分散型ゲームエンジンによって実行されてよい。これらの実施形態では、分散型ゲームエンジンは、複数の処理エンティティ(PE)上で実行されてよく、その結果、各PEは、ビデオゲームが実行される所与のゲームエンジンの機能セグメントを実行する。各処理エンティティは、ゲームエンジンからは単なる計算ノードと見なされる。ゲームエンジンは通常、機能的に多様な一連の操作を行って、ユーザが体験する追加のサービスと共にビデオゲームアプリケーションを実行する。例えば、ゲームエンジンは、ゲームロジックを実装し、ゲーム計算、物理的過程、ジオメトリ変換、レンダリング、照明、シェーディング、オーディオ、及び追加のゲーム内またはゲーム関連サービスを実行する。追加のサービスには、例えば、メッセージング、ソーシャルユーティリティ、オーディオ通信、ゲームプレイ再生機能、ヘルプ機能などが含まれてよい。ゲームエンジンは、特定のサーバのハイパーバイザによって仮想化されたオペレーティングシステム上で実行されてよいが、他の実施形態では、ゲームエンジン自体が複数の処理エンティティに分散され、各エンティティはデータセンタの異なるサーバユニットに常駐してよい。
【0069】
この実施形態によると、実行のために各処理エンティティは、各ゲームエンジンセグメントのニーズに応じて、サーバユニット、仮想マシン、またはコンテナであってよい。例えば、ゲームエンジンセグメントがカメラの変換を担当する場合、比較的単純な数学演算(例えば、行列変換)を多数行うことになるので、その特定のゲームエンジンセグメントは、グラフィックプロセシングユニット(GPU)に関連付けられた仮想マシンと共にプロビジョニングされてよい。より少ないがより複雑な操作を必要とする他のゲームエンジンセグメントは、1つ以上のより高出力の中央処理装置(CPU)に関連付けられた処理エンティティと共にプロビジョニングされてよい。
【0070】
ゲームエンジンを分散することにより、ゲームエンジンは、物理サーバユニットの能力に拘束されない弾力性のある計算特性を備える。代わりに、ゲームエンジンは、必要に応じて、ビデオゲームの要求を満たすためにより多いまたは少ない計算ノードと共にプロビジョニングされる。ビデオゲーム及びビデオゲームプレーヤの観点からは、複数の計算ノードに分散されているゲームエンジンは、ゲームエンジンマネージャまたはスーパーバイザがワークロードを分散し、結果をシームレスに統合して、エンドユーザにビデオゲーム出力構成要素を提供するので、単一の処理エンティティで実行される非分散ゲームエンジンと区別できない。
【0071】
ユーザは、少なくともCPU、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイスにより、遠隔サービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、PDAなどであってよい。一実施形態では、ゲームサーバ上で実行されるネットワークは、クライアントが使用するデバイスの種類を認識し、採用される通信方法を調整する。別の事例では、クライアントデバイスは、htmlなどの標準的な通信方法を使用して、インターネットを介してゲームサーバ上のアプリケーションにアクセスする。
【0072】
所与のビデオゲームまたはゲームアプリケーションは、特定のプラットフォーム及び特定の関連コントローラデバイス用に開発され得ることを、理解されたい。しかしながら、本明細書に提示されるようなゲームクラウドシステムを介してこのようなゲームを利用可能にするときに、ユーザは、異なるコントローラデバイスによってビデオゲームにアクセスすることができる。例えば、ゲームは、ゲームコンソール及びその関連したコントローラのために開発されている可能性があるが、ユーザは、キーボード及びマウスを利用するパーソナルコンピュータからゲームのクラウドベースのバージョンにアクセスすることができる。このようなシナリオにおいて、入力パラメータ構成は、ユーザの利用可能なコントローラデバイス(この事例において、キーボード及びマウス)により生成されることが可能である入力から、ビデオゲームの実行のために許容可能である入力へのマッピングを定義することが可能である。
【0073】
別の実施例では、ユーザは、タブレットコンピューティングデバイス、タッチスクリーンスマートフォン、または他のタッチスクリーン駆動デバイスを介して、クラウドゲームシステムにアクセスし得る。この場合、クライアントデバイス及びコントローラデバイスは、同じデバイス内に一緒に統合され、検出されたタッチスクリーン入力/ジェスチャにより入力が提供される。このようなデバイスについて、入力パラメータ構成は、ビデオゲームについてのゲーム入力に対応する特定のタッチスクリーン入力を定義することができる。例えば、ボタン、指向性パッド、または他のタイプの入力素子は、ビデオゲームの実行中に表示され、またはオーバレイされ、ユーザがゲーム入力を生成するためにタッチすることが可能であるタッチスクリーン上の位置を示すことができる。特定の向きにおけるスワイプなどのジェスチャ、または特定のタッチモーションもゲーム入力として検出されることができる。一実施形態では、タッチスクリーン上での制御操作にユーザを慣れさせるために、例えばビデオゲームのゲームプレイを始める前に、タッチスクリーンを介してゲームプレイに入力する方法を示すチュートリアルが、ユーザに提供され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイスは、コントローラデバイスについての接続ポイントとして機能する。すなわち、コントローラデバイスは、無線接続または有線接続を介してクライアントデバイスと通信し、コントローラデバイスからクライアントデバイスへ入力を送信する。次に、クライアントデバイスは、これらの入力を処理して、その後入力データを、ネットワーク(例えばルータなどのローカルネットワークデバイスを介してアクセスされるネットワーク)を介して、クラウドゲームサーバへ送信し得る。しかしながら、他の実施形態において、コントローラ自体は、ネットワークを介してクラウドゲームサーバへ直接に入力を通信する能力を有し、これらのような入力を最初にクライアントデバイスを通して通信する必要がなく、ネットワーク化されたデバイスであることが可能である。例えば、コントローラは、ローカルネットワークデバイス(前述のルータなど)に接続して、クラウドゲームサーバとデータを送受信し得る。したがって、クライアントデバイスは、クラウドベースのビデオゲームからビデオ出力を受信し、それをローカルディスプレイにレンダリングすることを必要とされたままであることができながら、入力レイテンシは、コントローラがクラウドゲームサーバへネットワーク経由で直接に入力を送信することを可能にし、クライアントデバイスをバイパスすることにより減少することが可能である。
【0075】
1つの実施形態において、ネットワーク化されたコントローラ及びクライアントデバイスは、特定のタイプの入力をコントローラからクラウドゲームサーバへ直接に、また他のタイプの入力をクライアントデバイスを介して送信するように構成されることが可能である。例えば、コントローラ自体は別として、任意の追加のハードウェアまたは処理に依存しない検出による入力は、クライアントデバイスを迂回して、ネットワークを介して直接コントローラからクラウドゲームサーバへ送信することができる。これらのような入力は、ボタン入力、ジョイスティック入力、埋め込み型動き検出入力(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)などを含むことができる。しかしながら、追加のハードウェアを利用する、またはクライアントデバイスによる処理を必要とする入力は、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ送信されることが可能である。これらは、クラウドゲームサーバへ送信する前に、クライアントデバイスにより処理されることができるゲーム環境から捕捉されたビデオまたは音声を含むことができる。加えて、コントローラの動き検出ハードウェアからの入力は、捕捉されたビデオと併せてクライアントデバイスにより処理され、コントローラの位置及び動きを検出することができ、その後、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ通信される。様々な実施形態によるコントローラデバイスはまた、クライアントデバイスから、または直接クラウドゲームサーバから、データ(例えばフィードバックデータ)を受信し得ることを理解されたい。
【0076】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施態様に組み合わされてもよい、または組み立てられ得ることを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせることでより多くの実施態様を規定することが可能な様々な実施態様に制限を加えるものではない。ある例では、ある実施態様は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0077】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル民生用エレクトロニクス、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む種々のコンピュータシステム構成によって実施してもよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0078】
方法の操作は特定の順序で記載したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、操作間に他のハウスキーピング操作が実行されてもよく、または操作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に操作を分散することで、処理に関連する様々な間隔で処理操作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0079】
1つ以上の実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータ記憶装置とすることができる。データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データ記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散方式で格納され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体が含まれ得る。
【0080】
一実施形態では、ビデオゲームは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、またはサーバ上でローカルに実行される。場合によっては、ビデオゲームはデータセンタの1つ以上のサーバによって実行される。ビデオゲームが実行されるとき、ビデオゲームのいくつかのインスタンスは、ビデオゲームのシミュレーションであり得る。例えば、ビデオゲームは、ビデオゲームのシミュレーションを生成する環境またはサーバによって実行され得る。シミュレーションは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームのインスタンスである。他の実施形態では、シミュレーションはエミュレータによって生成されてもよい。いずれの場合でも、ビデオゲームがシミュレーションとして表現されている場合、そのシミュレーションは、ユーザ入力によってインタラクティブにストリーミング、実行、及び/または制御できるインタラクティブコンテンツをレンダリングするために実行することができる。
【0081】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の中で変更されてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】