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特表2024-502846骨伝導振動子の固定アセンブリ及び装着装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】骨伝導振動子の固定アセンブリ及び装着装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
H04R1/00 318D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541584
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2022097965
(87)【国際公開番号】W WO2023016077
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202121891007.9
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110920437.7
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121881929.1
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】付 峻江
(72)【発明者】
【氏名】▲聶▼ ▲倩▼文
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AC16
5D017AC20
(57)【要約】
本明細書の実施例は、骨伝導振動子の固定アセンブリ及び装着装置を提供し、固定アセンブリは、帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、第1の位置及び第2の位置が弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、装着対象を取り囲むように弾性固定部を固定することにより、骨伝導振動子が弾性固定部と装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、を含み、弾性固定部が装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、固定部材は、弾性固定部の第1の位置と係合し、固定部材が第2の位置と係合する場合、弾性固定部は、装着対象に作用する圧力を骨伝導振動子に提供し、圧力が所定の圧力範囲内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨伝導振動子の固定アセンブリにおいて、
帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、
装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、
を含む前記固定アセンブリにおいて、
前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある、骨伝導振動子の固定アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と、前記弾性固定部の弾性係数との積は、前記所定の圧力範囲内にあり、前記所定の圧力範囲は0.2N~2Nである、請求項1に記載の固定アセンブリ。
【請求項3】
前記弾性固定部には、間隔をあけて分布する複数の係止孔がその長さ方向に沿って設置され、複数の前記係止孔のうちの少なくとも1つが固定係止孔であり、前記固定係止孔の位置は前記第2の位置であり、前記固定部材はピンバックル部材であり、前記ピンバックル部材はピンバックルを含み、前記ピンバックルを前記係止孔に嵌め込むことにより、前記弾性固定部は前記装着対象を取り囲む、請求項1又は2に記載の固定アセンブリ。
【請求項4】
複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、隣接する2つの前記係止孔の間に位置し、前記固定係止孔は、前記第1の位置から離れたm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔内に嵌め込まれる場合、前記圧力は、F×(x/x+m-1)であり、F×(x/x+m-1)は、前記所定の圧力範囲内にあり、xは、前記第1の位置から、前記第1の位置の前記弾性固定部に沿って前記固定部材から離れた側の1番目の係止孔までの距離であり、xは、隣接する2つの前記係止孔の間の距離であり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である、請求項3に記載の固定アセンブリ。
【請求項5】
複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、1つの前記係止孔の位置に位置し、前記固定係止孔は、前記弾性固定部の延在方向における、前記第1の位置の前記固定部材から離れた側のm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔に嵌め込まれる場合、前記圧力は、m×Fであり、m×Fは、前記所定の圧力範囲内にあり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である、請求項3に記載の固定アセンブリ。
【請求項6】
は、前記所定の圧力範囲の最大閾値以下である、請求項4又は5に記載の固定アセンブリ。
【請求項7】
前記弾性固定部は、第1のベルト及び第2のベルトを含み、前記第1のベルトは、前記装着対象の頭部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記第2のベルトは、前記装着対象の頸部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記固定部材は、前記弾性固定部に接続され、前記骨伝導振動子を前記装着対象の頭部に固定する、請求項1に記載の固定アセンブリ。
【請求項8】
前記第1のベルトと前記第2のベルトとが並設され、前記弾性固定部は、前記第1のベルトと前記第2のベルトとを接続する接続部をさらに含み、前記接続部は、前記第1のベルト又は第2のベルトの長さ方向に沿った中間領域に位置する、請求項7に記載の固定アセンブリ。
【請求項9】
前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する係止ピンが設置され、前記第1のベルトと前記第2のベルトとには、前記係止ピンを挿入するように、それぞれ長さ方向に沿って複数の第1の係止孔と複数の第2の係止孔が間隔をあけて設置される、請求項8に記載の固定アセンブリ。
【請求項10】
前記複数の第1の係止孔は、接続部を中心として前記第1のベルトに対称的に設置され、前記複数の第2の係止孔は、接続部を中心として前記第2のベルトに対称的に設置される、請求項9に記載の固定アセンブリ。
【請求項11】
前記係止ピンは、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置された第1の係止ピン及び第2の係止ピンを含み、前記第1の係止ピンは、前記第1の係止孔に挿入され、前記第2の係止ピンは、前記第2の係止孔に挿入される、請求項9又は10に記載の固定アセンブリ。
【請求項12】
前記固定アセンブリは、ピンバックル部材を含み、前記弾性固定部は、第3のベルトを含み、前記第1のベルトの一端及び前記第2のベルトの一端は共に前記第3のベルトに接続され、前記第1のベルトの他端及び前記第2のベルトの他端は共に前記ピンバックル部材に接続され、前記ピンバックル部材には、係止ピンがさらに設置され、前記第3のベルトには、前記係止ピンを挿入するように、長さ方向に沿って複数の係止孔が間隔をあけて設置される、請求項7に記載の固定アセンブリ。
【請求項13】
前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する第1のフック部材及び第2のフック部材が設置され、前記第1のフック部材及び第2のフック部材は、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置され、前記第1のフック部材の前記固定部材から離れた端部は、前記第2のフック部材に延在して前記第1のフック部材の自由端を形成し、前記第2のフック部材の前記固定部材から離れた端部は、前記第1のフック部材に延在して前記第2のフック部材の自由端を形成し、前記第1のフック部材の自由端と前記第2のフック部材の自由端との間には、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔距離より小さい開口が形成される、請求項12に記載の固定アセンブリ。
【請求項14】
前記弾性固定部は、固定接続部を含み、前記固定接続部は、前記第1のベルト及び前記第2のベルトの前記第3のベルトから離れた端部に接続され、固定係止孔を含み、前記ピンバックル部材の係止ピンは、前記固定係止孔及び前記複数の係止孔と係合する、請求項12又は13に記載の固定アセンブリ。
【請求項15】
前記第1のベルト及び前記第2のベルトは、円弧状に設置され、前記第1のベルトの弧長は、前記第2のベルトの弧長より大きい、請求項12に記載の固定アセンブリ。
【請求項16】
前記第1のベルト及び前記第2のベルトは、同心の円弧状に設置される、請求項15に記載の固定アセンブリ。
【請求項17】
前記骨伝導振動子は、前記装着対象にオーディオ信号を出力し、前記装着対象を検出して強度の異なるフィードバック信号を取得し、前記圧力は、前記所定の圧力範囲内にあり、前記フィードバック信号の強度は、所定の信号強度以上である、請求項1~16のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項18】
前記骨伝導振動子に設置され、前記骨伝導振動子と前記固定アセンブリを接続する接続部をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項19】
前記骨伝導振動子は、前記装着対象に直接的又は間接的に接触する接触面を含み、前記圧力は、前記接触面により前記装着対象に作用する、請求項1~16のいずれか一項に記載の固定アセンブリ。
【請求項20】
骨伝導振動子、及び前記骨伝導振動子を装着対象に固定する固定アセンブリを含む装着装置において、前記固定アセンブリは、
帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、
装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、を含み、
前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある、装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本願は、2021年8月11日に提出された出願番号202121891007.9の中国特許出願、2021年8月11日に提出された出願番号202110920437.7の中国特許出願、及び2021年8月11日に提出された出願番号202121881929.1の中国特許出願の優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本明細書は、骨伝導振動子の分野に関し、特に骨伝導振動子の固定アセンブリ及び装着装置に関する。
【背景技術】
【0003】
骨伝導振動子は、信号伝送部材によりオーディオ信号源に接続され、オーディオ信号を機械的振動に変換して装着対象に伝達することにより、オーディオ信号の装着対象への伝送を実現する。骨伝導振動子は、装着対象に振動を伝達する過程において、伝達過程における中断又はエラーの発生を回避するために、装着対象に常に接触する必要がある。骨伝導振動子と装着対象との接触圧力が大きすぎると、装着対象に不快感を与え、骨伝導振動子と装着対象との接触圧力が小さすぎると、信号伝送の効果が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、骨伝導振動子と装着対象との接触を保持し、装着圧力を正確に調整することができる、骨伝導振動子の固定アセンブリを提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の1つの実施例に係る骨伝導振動子の固定アセンブリは、帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、を含み、前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある。
【0006】
いくつかの実施例では、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離と前記弾性固定部の弾性係数との積は、前記所定の圧力範囲内にあり、前記所定の圧力範囲は0.2N~2Nである。
【0007】
いくつかの実施例では、前記弾性固定部には、間隔をあけて分布する複数の係止孔がその長さ方向に沿って設置され、複数の前記係止孔のうちの少なくとも1つが固定係止孔であり、前記固定係止孔の位置は前記第2の位置であり、前記固定部材はピンバックル部材であり、前記ピンバックル部材はピンバックルを含み、前記ピンバックルを前記係止孔に嵌め込むことにより、前記弾性固定部は前記装着対象を取り囲む。
【0008】
いくつかの実施例では、複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、隣接する2つの前記係止孔の間に位置し、前記固定係止孔は、前記第1の位置から離れたm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔内に嵌め込まれる場合、前記圧力は、F×(x/x+m-1)であり、F×(x/x+m-1)は、前記所定の圧力範囲内にあり、xは、前記第1の位置から、前記第1の位置の前記弾性固定部に沿って前記固定部材から離れた側の1番目の係止孔までの距離であり、xは、隣接する2つの前記係止孔の間の距離であり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である。
【0009】
いくつかの実施例では、複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、1つの前記係止孔の位置に位置し、前記固定係止孔は、前記弾性固定部の延在方向における、前記第1の位置の前記固定部材から離れた側のm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔に嵌め込まれる場合、前記圧力は、m×Fであり、m×Fは、前記所定の圧力範囲内にあり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である。
【0010】
いくつかの実施例では、Fは、前記所定の圧力範囲の最大閾値以下である。
【0011】
いくつかの実施例では、前記弾性固定部は、第1のベルト及び第2のベルトを含み、前記第1のベルトは、前記装着対象の頭部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記第2のベルトは、前記装着対象の頸部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記固定部材は、前記弾性固定部に接続され、前記骨伝導振動子を前記装着対象の頭部に固定する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1のベルトと前記第2のベルトが並設され、前記弾性固定部は、前記第1のベルトと前記第2のベルトを接続する接続部をさらに含み、前記接続部は、前記第1のベルト又は第2のベルトの長さ方向に沿った中間領域に位置する。
【0013】
いくつかの実施例では、前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する係止ピンが設置され、前記第1のベルトと前記第2のベルトには、前記係止ピンを挿入するように、それぞれ長さ方向に沿って複数の第1の係止孔と複数の第2の係止孔が間隔をあけて設置される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記複数の第1の係止孔は、接続部を中心として前記第1のベルトに対称的に設置され、前記複数の第2の係止孔は、接続部を中心として前記第2のベルトに対称的に設置される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記係止ピンは、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置された第1の係止ピン及び第2の係止ピンを含み、前記第1の係止ピンは、前記第1の係止孔に挿入され、前記第2の係止ピンは、前記第2の係止孔に挿入される。
【0016】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、ピンバックル部材を含み、前記弾性固定部は、第3のベルトを含み、前記第1のベルトの一端及び前記第2のベルトの一端は共に前記第3のベルトに接続され、前記第1のベルトの他端及び前記第2のベルトの他端は共に前記ピンバックル部材に接続され、前記ピンバックル部材には、係止ピンがさらに設置され、前記第3のベルトには、前記係止ピンを挿入するように、長さ方向に沿って複数の係止孔が間隔をあけて設置される。
【0017】
いくつかの実施例では、前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する第1のフック部材及び第2のフック部材が設置され、前記第1のフック部材及び第2のフック部材は、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置され、前記第1のフック部材の前記固定部材から離れた端部は、前記第2のフック部材に延在して前記第1のフック部材の自由端を形成し、前記第2のフック部材の前記固定座から離れた端部は、前記第1のフック部材に延在して前記第2のフック部材の自由端を形成し、前記第1のフック部材の自由端と前記第2のフック部材の自由端との間には、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔距離より小さい開口が形成される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記弾性固定部は、固定接続部を含み、前記固定接続部は、前記第1のベルト及び前記第2のベルトの前記第3のベルトから離れた端部に接続され、固定係止孔を含み、前記ピンバックル部材の係止ピンは、前記固定係止孔及び前記複数の係止孔と係合する。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第1のベルト及び前記第2のベルトは、円弧状に設置され、前記第1のベルトの弧長は、前記第2のベルトの弧長より大きい。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1のベルト及び前記第2のベルトは、同心の円弧状に設置される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記骨伝導振動子は、前記装着対象にオーディオ信号を出力し、前記装着対象を検出して強度の異なるフィードバック信号を取得し、前記圧力は、前記所定の圧力範囲内にあり、前記フィードバック信号の強度は、所定の信号強度以上である。
【0022】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、前記骨伝導振動子に設置され、前記骨伝導振動子と前記固定アセンブリを接続する接続部をさらに含む。
【0023】
いくつかの実施例では、前記骨伝導振動子は、前記装着対象に直接的又は間接的に接触する接触面を含み、前記圧力は、前記接触面により前記装着対象に作用する。
【0024】
本明細書の1つの実施例に係る装着装置は、骨伝導振動子、及び前記骨伝導振動子を装着対象に固定する固定アセンブリを含み、前記固定アセンブリは、帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、を含み、前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な骨伝導振動子の固定アセンブリのブロック図である。
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図3】本明細書の別のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図5A】本明細書の別のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図5B】本明細書のいくつかの実施例に係る環状バックル部材の係合概略図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図7図6に示す固定部材の概略構成図である。
図8図6に示す弾性固定部と固定部材が係合する概略構成図である。
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。
図10図9に示す固定部材の概略構成図である。
図11図9に示す弾性固定部の寸法の概略構成図である。
図12図9に示す固定座の概略構成図である。
図13図9に示す弾性固定部、固定座及び固定部材が係合する概略構成図である。
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る装着装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0027】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0028】
本願及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈を通して明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」等の用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0029】
本願の明細書及び特許請求の範囲において使用される「第1の」、「第2の」及び類似する用語は、いかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するものに過ぎない。同様に、「1個」又は「1つ」等の類似する用語は、数を制限するものではなく、少なくとも1つ存在することを示す。特に説明しない限り、「前部」、「後部」、「下部」及び/又は「上部」等の類似する用語は、1つの位置又は1つの空間方向に限定されるものではなく、説明を容易にするためのものに過ぎない。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0030】
本明細書の実施例では、骨伝導振動子の固定アセンブリが説明される。いくつかの実施例では、骨伝導振動子の固定アセンブリは、弾性固定部及び固定部材を含んでもよく、弾性固定部は、帯状構造を呈し、固定部材は、装着対象を取り囲むように弾性固定部を固定することにより、骨伝導振動子を弾性固定部と装着対象との間に設置し、弾性固定部は、骨伝導振動子を装着対象に押し付けて、骨伝導振動子と装着対象との接触を実現することにより、骨伝導振動子が装着対象に振動を伝達することにより装着対象にオーディオ信号(例えば、骨伝導音波)を出力することを保証する。いくつかの実施例では、固定部材は、弾性固定部の第1の端部に固定され、かつ弾性固定部の第2の端部に取り外し可能に固定され、固定部材の弾性固定部の第2の端部に取り外し可能に固定される位置が調整可能であるため、弾性固定部が装着対象を取り囲む長さが調整可能であり、それにより弾性固定部と装着対象との間の圧力が調整可能である。例えば、固定部材はピンバックルであり、弾性固定部の第2の端部には、間隔をあけて設置された複数の係止孔がその長さ方向に沿って設置され、固定部材と弾性固定部との取り外し可能な固定は、ピンバックルと係止孔との係合により実現される。また例えば、固定部材は、ループ面及びフック面を含む面ファスナーであり、固定部材と弾性固定部との取り外し可能な固定は、ループ面とフック面との接着により実現される。さらに例えば、固定部材は環状バックルであり、弾性固定部の第2の端部には、間隔をあけて設置された複数の係止溝がその長さ方向に沿って設置され、固定部材と弾性固定部との取り外し可能な固定は、環状バックルと係止溝との係合により実現される。
【0031】
いくつかの実施例では、弾性固定部は、第2の端部における第1の位置及び第2の位置を含んでもよく、第1の位置及び第2の位置は、弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する。固定部材が弾性固定部の第1の位置と係合する場合、弾性固定部は、装着対象を取り囲みかつ自然状態にある。固定部材が第2の位置と係合する場合、弾性固定部は、装着対象に作用する適切な圧力を骨伝導振動子に提供し、圧力が所定の圧力範囲内にあることにより、装着対象にとってオーディオ信号を受信する効果が高く装着快適さが高い。いくつかの実施例では、第1の位置と第2の位置との間の距離と弾性固定部の弾性係数との積は、所定の圧力範囲内にあり、固定部材と弾性固定部との係合位置は、弾性固定部により骨伝導振動子に提供された圧力が常に所定の圧力範囲内にあるように、第1の位置と第2の位置との間で調整することができる。
【0032】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、骨伝導振動子の試験に用いることができる。具体的には、骨伝導振動子の試験を行う場合、固定アセンブリにより骨伝導振動子を装着対象(例えば、人体、モルモット等)に固定し、骨伝導振動子は、装着対象にオーディオ信号を出力し、装着対象が骨伝導振動子から出力されたオーディオ信号に応答して発生したフィードバック信号を検出し、フィードバック信号により骨伝導振動子の信号伝送性能を判断することができる。いくつかの実施形態では、検出されたフィードバック信号の強度が所定の信号強度以上である場合、骨伝導振動子のオーディオ信号の伝送性能が高く、装着対象がオーディオ信号を受信した後、オーディオ信号に含まれた情報を効果的に取得することができると考えられる。いくつかの実施例では、装着対象と骨伝導振動子又は固定アセンブリとの間の圧力を検出し、フィードバック信号の強度が所定の信号強度以上である圧力の集合を所定の圧力範囲とすることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、さらに音響出力装置の装着に用いることができる。具体的には、音響出力装置は、骨伝導振動子を含んでもよく、装着対象の活動過程において、固定アセンブリは、音響出力装置と装着対象の頭部との相対的な固定及び/又は接触を常に保持できることにより、音響出力装置から出力されたオーディオ信号を装着対象に伝達して、人体の聴覚神経により感知される。いくつかの実施例では、固定アセンブリは、さらに他の機器(例えば、電子機器)の装着に用いることができる。例えば、固定アセンブリは、腕時計、オキシメーター、血圧計、歩数計等の機器の装着に用いることができる。
【0034】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリのブロック図である。図1に示すように、骨伝導振動子の固定アセンブリ100は、弾性固定部110及び固定部材120を含んでもよい。弾性固定部110は、弾性材料で製造された、弾性を有する構造である。弾性固定部110は、その弾性により張力を有することにより、装着対象に作用する圧力を骨伝導振動子に提供し、弾性固定部110の張力は、骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力と近似的にみなすことができる。いくつかの実施例では、弾性固定部110の張力を決定することにより、骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力を決定することができる。弾性固定部110の張力(骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力)の計算式は以下のとおりである。
【0035】
F=k×x (1)
【0036】
ここで、Fは、骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力であり、kは、弾性固定部110の弾性係数であり、xは、弾性固定部110に生じる変形量である。
【0037】
弾性固定部110の弾性係数は、弾性固定部110の厚さ、長さ、幅、形状及び材料と関連付けられる。いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さ、長さ、幅、形状及び材料等のうちの任意の1種又は複数種を調整して弾性固定部110の弾性係数を調整することにより、骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の調整を実現することができる。
【0038】
いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さは、0.6mm~2mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さは、0.7mm~1.5mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さは、0.8mm~1.2mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さは、0.9mm~1.0mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施例では、弾性固定部110の厚さは、0.8mm、1.1mm又は1.2mm等である。好ましくは、弾性固定部110の厚さは、1.2mmであってもよい。なお、弾性固定部110の厚さは、他の厚さ(例えば、0.6mmより小さいか又は2mmより大きい)であってもよく、本願はそれを具体的に限定しない。
【0039】
いくつかの実施例では、弾性固定部110の弾性材料は、シリコーンゴム材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、シリコーンゴム材料は、10度シリコーンゴム50%高張力シリコーンゴム材料、20度シリコーンゴム50%高張力シリコーンゴム材料、30度シリコーンゴム50%高張力シリコーンゴム材料、10度シリコーンゴム70%高張力シリコーンゴム材料、20度シリコーンゴム70%高張力シリコーンゴム材料、30度シリコーンゴム70%高張力シリコーンゴム材料、10度シリコーンゴム1%高張力シリコーンゴム材料、20度シリコーンゴム1%高張力シリコーンゴム材料又は30度シリコーンゴム1%高張力シリコーンゴム材料等のうちのいずれか1種又は複数種である。なお、本願の他の実施例では、弾性固定部110は、ポリカーボネート、ポリアミド、ゴム等の他の材質であってもよく、ここで具体的に限定しない。
【0040】
異なる(例えば、厚さ及び/又は材料が異なる)弾性固定部110の弾性係数は、予め試験して取得することができ、その試験方法は以下のとおりである。弾性固定部110の材料、厚さ、幅と同じである弾性ベルトを取得し、張力計により弾性ベルトに所定の引張力値を印加して、弾性ベルトを変形させ、弾性ベルトの変形量を測定し、式(1)に基づいて弾性係数kを計算し、即ち、弾性係数kは、所定の張力値を弾性ベルトの変形量で割ったものに等しい。
【0041】
いくつかの実施例では、弾性固定部110は、帯状構造であってもよい。弾性固定部110には、その長さ方向に沿って第1の位置及び第2の位置が間隔をあけて分布し、弾性固定部110の第1の位置及び第2の位置は、固定部材120と係合することにより、弾性固定部を調整して装着対象に作用する圧力を骨伝導振動子に提供することができる。例えば、弾性固定部110は、装着対象の特定の部位(例えば、頭部)を取り囲み、固定部材120が弾性固定部110の第1の位置と係合する場合、弾性固定部110は、自然状態にある。また例えば、固定部材120が第2の位置と係合する場合、弾性固定部110は、装着対象に作用する所定の圧力範囲内の圧力を骨伝導振動子に提供する。自然状態は、固定アセンブリ100が装着対象の特定の部位を取り囲むことができ、骨伝導振動子により提供された、装着対象に作用する圧力が特定の圧力(例えば、0.2N)より小さい状態として理解することができる。いくつかの実施例では、弾性固定部110は、ベルトを含んでもよく、固定部材120の作用で、ベルトは、装着対象を取り囲むように固定することができる。ベルトに関するより多くの説明は、図2図3及び関連説明を参照することができる。いくつかの実施例では、弾性固定部110は、第1のベルト及び第2のベルトを含んでもよく、固定部材120の作用で、第1のベルト及び第2のベルトは、それぞれ装着対象の異なる部位を取り囲むように固定することができる。第1のベルト及び第2のベルトに関するより多くの説明は、図6及び関連説明を参照することができる。
【0042】
固定部材120は、装着対象を取り囲むように弾性固定部110を固定するように構成される。固定部材120と弾性固定部110との係合位置は、弾性固定部110により骨伝導振動子に提供された圧力が常に所定の圧力範囲内にあるように、弾性固定部110の第1の位置と第2の位置との間で調整することができる。いくつかの実施例では、所定の圧力範囲は、0.2N~2Nである。いくつかの実施例では、所定の圧力範囲は、0.5N~2Nであってもよい。好ましくは、所定の圧力範囲は、0.8N~2Nであってもよい。より好ましくは、所定の圧力範囲は、1.2N~1.8Nであってもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、固定部材120は、ピンバックルであってもよく、ピンバックルは、弾性固定部110における1つ以上の係止孔と係合して、固定部材120と弾性固定部110との取り外し可能な固定を実現する。第1の位置は、ある係止孔の位置又は弾性固定部110における他の位置(例えば、係止孔と係止孔との間の位置)であってもよく、第2の位置は、第1の位置から一定の距離離れるある係止孔であってもよい。ピンバックルと係合する係止孔の位置を調整して、弾性固定部110が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部110と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。ピンバックルと係止孔に関するより多くの説明は、図3及び関連説明を参照することができる。いくつかの実施例では、固定部材120は、面ファスナーであり、固定部材120は、ループ面構造を含んでもよく、ループ面構造の一側は、弾性固定部110の一端に接続され、弾性固定部110は、弾性固定部110の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する複数のフック面を含み、フック面は、弾性固定部110のループ面構造から離れた端部に位置し、ループ面構造のループ面側はそれぞれ、弾性固定部110に設置された、間隔をあけて分布する複数のフック面と互いに接着して、弾性固定部110の両端の取り外し可能な固定を実現することができる。第1の位置は、あるフック面の位置又は弾性固定部110における他の位置(例えば、フック面とフック面との間の位置)であってもよく、第2の位置は、第1の位置から一定の距離離れるあるフック面であってもよい。一端のループ面と接着する他端のフック面の位置を調整して、弾性固定部110が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部110と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。ループ面及びフック面に関するより多くの説明は、図4及び関連説明を参照することができる。いくつかの実施例では、固定部材120は、環状バックルであってもよく、環状バックルは、弾性固定部110における係止溝と係合して、固定部材120と弾性固定部110との取り外し可能な固定を実現する。第1の位置は、ある係止溝の位置又は弾性固定部110における他の位置(例えば、係止溝と係止溝との間の位置)であってもよく、第2の位置は、第1の位置から一定の距離離れるある係止溝であってもよい。環状バックルと係合する係止溝の位置を調整して、弾性固定部110が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部110と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。環状バックル及び係止溝に関するより多くの説明は、図5A図5B及び関連説明を参照することができる。
【0044】
骨伝導振動子は、弾性固定部110と装着対象との間に位置し、弾性固定部110の作用で一定の圧力で装着対象に接触する。いくつかの実施例では、骨伝導振動子は、装着対象に直接的又は間接的に接触する接触面を含んでもよく、圧力は、接触面により装着対象に作用する。骨伝導振動子から出力されたオーディオ信号は、同様に接触面を介して装着対象に伝達する。
【0045】
いくつかの実施例では、固定アセンブリ100は、骨伝導振動子と固定アセンブリ100を接続する接続部130をさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、接続部130は、弾性固定部110の装着対象に近い側に位置してもよく、接続部130は、骨伝導振動子が弾性固定部110と装着対象との間に位置するように、骨伝導振動子を接続することができる。いくつかの実施形態では、接続部130は、骨伝導振動子と固定アセンブリ100を接続するために、骨伝導振動子に設置されてもよい。いくつかの実施例では、接続部130は、骨伝導振動子の装着対象から離れた側に設置されてもよく、骨伝導振動子の装着対象に垂直な側面に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、接続部130は、固定座であってもよく、固定座は、骨伝導振動子又は弾性固定部110に設置される。例えば、固定座の一側は、弾性固定部110に接続され、固定座の他側は、骨伝導振動子の装着対象から離れた側面又は骨伝導振動子の装着対象に垂直な側面に接続される。いくつかの実施形態では、接続部130は、接着剤が固化した後の構造であってもよく、例えば、弾性固定部110及び/又は骨伝導振動子に接着剤を塗布し、接着剤は、固定部材120を骨伝導振動子の装着対象から離れた側に固定する。
【0046】
以下、図2及び図3に示すように、固定アセンブリを例示的に説明する。図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。図3は、本明細書の別のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。図2及び図3に示すように、いくつかの実施例では、固定アセンブリ200は、弾性固定部210及び固定部材220を含んでもよい。いくつかの実施例では、弾性固定部210は、帯状構造であってもよく、弾性固定部210には、間隔をあけて分布する複数の係止孔211がその長さ方向(図2に示すX方向)に沿って設置される。それに対応して、固定部材220は、ピンバックル部材であってもよく、固定部材220は、ピンバックル221を含んでもよく、ピンバックル221は、弾性固定部210の一端に固定され、固定部材220と弾性固定部210の他端は、ピンバックル221を係止孔211に嵌め込むことにより取り外し可能な固定を実現する。ピンバックル221を異なる位置の係止孔211に嵌め込むように調整して、弾性固定部210が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部210と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。具体的には、ピンバックル221が嵌め込まれた係止孔211は弾性固定部210の固定部材220から離れた端部に近づくほど、圧力は小さくなる。なお、本実施例の弾性固定部210の一端と弾性固定部210の他端は、帯状構造の対向する両端であってもよく、環状の弾性固定部210をある位置から切断した後の対向する両端であってもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、弾性固定部210は、弾性を有するゴムベルトである。いくつかの実施例では、弾性固定部210の固定部材220から離れた端部に設置された複数の係止孔211が等間隔に配列される。ピンバックル221と異なる位置の係止孔211との係合により、装着圧力の正確な調整を実現することができる。いくつかの実施例では、ピンバックル221は、ベース、キノコのカサ状構造及び接続柱を含んでもよく、キノコのカサ状構造は、接続柱を介してベースに接続される。いくつかの実施例では、キノコのカサ状構造は、半球であってもよく、半球の直径は、係止孔211の直径より大きく、弾性固定部210は弾性構造であり、外力でキノコのカサ状構造に係止孔211を通過させることができるため、ピンバックル221を係止孔211に挿入する場合、係止孔211は接続柱と係合し、キノコのカサ状構造及びベースは、制限作用を果たして、弾性固定部210がピンバックル221から離脱することを防止する。単なる一例として、係止孔211の直径は、3mmであってもよく、キノコのカサの直径は、4mmであってもよい。なお、実際の需要に応じて、ピンバックル221の形状及び大きさはいずれも変化することができ、例えば、半球の直径は、他の寸法であってもよく、或いは、ピンバックル221は、一端がフック状のフック等の構造であってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、弾性固定部210は、その長さ方向に沿って順に設置された第1の位置及び第2の位置を含んでもよい。第1の位置は、弾性固定部210が被験装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、固定部材220と弾性固定部210との接続位置であり、第2の位置は、弾性固定部210が被験装着対象を取り囲みかつ被験装着対象に作用する所定の圧力範囲内の圧力を骨伝導振動子に提供する場合、固定部材220と弾性固定部210との接続位置である。
【0049】
いくつかの実施例では、複数の係止孔211のうちの少なくとも1つは、固定係止孔であってもよく、固定係止孔の位置は第2の位置であり、ピンバックル221を固定係止孔内に嵌め込むと、弾性固定部210が装着対象を取り囲み、固定部材220を第2の位置に固定することを実現することができる。第2の位置は、弾性固定部210における任意の位置であってもよく、該位置について、第2の位置と第1の位置との間の距離と弾性固定部210の弾性係数kとの積が骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最小閾値と骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最大閾値との間にあることを満たさればよい。したがって、第2の位置は、1つであっても複数であってもよい。固定係止孔が複数である場合、第2の位置も複数であり、各固定係止孔の位置は第2の位置であり、即ち、各固定係止孔から第1の位置までの距離と弾性固定部210の弾性係数との積は、いずれも張力の最小閾値と張力の最大閾値との間にある。
【0050】
いくつかの実施例では、複数の係止孔211のうちの隣接する2つの係止孔211の間の距離はxである。即ち、ピンバックル221が係止孔211から離脱して該係止孔211に隣接する他の係止孔211に嵌め込む場合、弾性固定部210の張力の増分F=k×xである。弾性固定部210の弾性係数kの大きさ及び隣接する2つの係止孔211の間の距離xを調整することにより、弾性固定部210の変形量がxに増加する時の張力の増分Fを調整することができる。ピンバックル221が嵌め込まれた係止孔211の位置を調整すると、弾性固定部210の変形量を調整することができ、弾性固定部210の変形量と弾性固定部210の弾性係数との積は、弾性固定部210の張力の大きさである。したがって、ピンバックル221が嵌め込まれた係止孔211の位置に基づいて、弾性固定部210の張力の大きさを容易に決定することができ、測定器等を使用しない状況で、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の大きさを決定し、骨伝導試験時の操作ステップを簡略化する。また、ピンバックル221が嵌め込まれた係止孔211の位置を調整することにより、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力を容易かつ正確に調整して、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲(即ち、最小圧力閾値と最大圧力閾値との間にある)内にあることを保証することができる。
【0051】
単なる例示的な説明として、複数の係止孔211は、第1の係止孔212、第2の係止孔213及び第3の係止孔214を含んでもよく、第3の係止孔214、第1の係止孔212及び第2の係止孔213は、隣接して設置され、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向に沿って順に配列される。弾性固定部210の固定部材220から離れた方向(図2に示すX方向)は、弾性固定部210の長さ方向に沿って、固定部材220が位置する端部から係止孔211が位置する端部までの方向を指す。隣接する係止孔211の間の距離はxであり、即ち、第3の係止孔214と第1の係止孔212との間の距離、及び、第2の係止孔213と第1の係止孔212との間の距離は、いずれもxである。弾性固定部210の変形量がx増加するごとに、弾性固定部210の張力がF増加する。
【0052】
図2に示すように、いくつかの実施例では、第1の位置は、任意の隣接する2つの係止孔211の間に位置してもよく、固定係止孔(即ち、第2の位置)は、第1の位置から離れたm番目の係止孔211であり、ピンバックル221が固定係止孔内に嵌め込まれる場合、圧力は、F×(x/x+m-1)であり、F×(x/x+m-1)は、所定の圧力範囲内にあり、xは、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、固定部材220から離れた側の1番目の係止孔と第1の位置との間の距離であり、xは、隣接する2つの係止孔211の間の距離であり、Fは、弾性固定部210の変形量が隣接する2つの係止孔211の間の距離である場合、弾性固定部210の張力である。
【0053】
具体的には、図2に示すように、第1の位置は、第3の係止孔214と第1の係止孔212との間に位置し、ピンバックル221が第1の係止孔212に嵌め込まれる場合、弾性固定部210の変形量x=xであり、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=k×x=F×(x/x)である。ピンバックル221が第2の係止孔213内に嵌め込まれる場合、弾性固定部210の変形量x=x+xであり、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=F×(x/x+1)であることが分かり、ピンバックル221が弾性固定部210の固定部材220から離れた方向に沿った、第1の位置の固定部材220から離れた側のn番目の係止孔211内に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=F×(x/x+n-1)である。ここで、nは、0より大きい自然数である。ピンバックル221を異なる係止孔211内に嵌め込む場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力をF=F×(x/x+n-1)という式に基づいて知ることができ、他の試験方式により骨伝導振動子の装着対象に対する圧力を試験する必要がないため、骨伝導振動子の試験の操作ステップを簡略化する。また、固定係止孔の位置を調整することにより、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力を容易かつ正確に調整し、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲内にあることを保証することができる。ここでの固定係止孔は、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側のm番目の係止孔211であり、ピンバックル221が固定係止孔内に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力はm×Fであり、m×Fが所定の圧力範囲内にあり、mも0より大きい自然数であり、mがnで示される自然数のうちのいくつかの特定の自然数である。なお、固定係止孔は、複数の係止孔211のうちのいくつかの特定の係止孔であってもよく、ピンバックル211が固定係止孔内に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲内にある。
【0054】
単なる一例として、骨伝導振動子の装着対象に対する所定の圧力範囲は0.6~1.2Nであり、即ち、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最小閾値が0.6Nであり、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最大閾値が1.2Nである。Fが0.6Nであり、即ち、弾性固定部210の変形量と隣接する係止孔211の間の距離が同じである場合、弾性固定部210の張力変化量は0.6Nである。ピンバックル21を図2に示す第2の係止孔213内に嵌め込む場合、弾性固定部210の張力は0.6×(x/x+1)であり、所定の圧力範囲0.6N~1.2N内にある。ここでのn=2について、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の2番目の係止孔211が固定係止孔であることを意味する。
【0055】
隣接する2つの係止孔211の間の距離xの値を調整し、及び/又は弾性固定部210の弾性係数kの値を調整することにより、F値を変化させることができると、固定係止孔の位置も対応して変化する。例えば、F値を0.3Nに調整する。この時、弾性固定部210の張力は0.3×(x/x+n-1)であり、nが3又は4である場合、弾性固定部210の張力は閾値範囲0.6N~1.2N内にある。いくつかの実施例では、mは、3又は4であってもよく、即ち、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の3番目の係止孔211及び4番目の係止孔211はいずれも固定係止孔である。ピンバックル221が3番目の係止孔211内に嵌め込まれるか4番目の係止孔211内に嵌め込まれるかに関係なく、弾性固定部210の張力が閾値範囲内にあることを保証して、さらに骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲内にあることを保証することができる。また、ピンバックル221が該3つの係止孔211に嵌め込まれる場合、この時の弾性固定部210の張力が0.6N~0.9Nであることを容易に知ることができ、ピンバックル221が該4番目の係止孔211に嵌め込まれる場合、この時の弾性固定部210の張力が0.9N~1.2Nであることを容易に知ることができる。
【0056】
いくつかの実施例では、第1の位置は、いずれか1つの係止孔211の位置に位置してもよく、固定係止孔は、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側のm番目の係止孔211であり、ピンバックル221が固定係止孔内に嵌め込まれた場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力はm×Fであり、m×Fが所定の圧力範囲内にある。
【0057】
具体的には、図3に示すように、弾性固定部210は、装着対象を取り囲み、弾性固定部210が自然状態にある場合、ピンバックル221は、第3の係止孔214の位置に対応し、即ち、該実施例では、弾性固定部210の第1の位置は、第3の係止孔214の位置である。ピンバックル221が第1の係止孔212に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=k×x=Fであることが分かり、第2の係止孔213内に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=k×2x=2Fであることが分かり、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側のn番目の係止孔211内に嵌め込まれる場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力F=nFである。ピンバックル221を異なる係止孔211内に嵌め込む場合、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力をF=nFという式に基づいて知ることができ、他の試験方式により骨伝導振動子の装着対象に対する圧力を試験する必要がないため、骨伝導振動子の試験の操作ステップを簡略化する。また、固定係止孔の位置を調整することにより、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力を容易かつ正確に調整し、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲内にあることを保証することができる。
【0058】
単なる一例として、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の閾値範囲は0.6N~1.2Nであり、即ち、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最小閾値は0.6Nであり、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力の最大閾値は1.2Nである。Fが0.6Nであり、即ち、弾性固定部210の変形量と隣接する係止孔211の間の距離が同じである場合、弾性固定部210の張力変化量は0.6Nである。図3に示す実施例では、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の1番目の係止孔211内又は2番目の係止孔211内にピンバックル221を嵌め込むように選択することができる。弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の1番目の係止孔211内にピンバックル221を嵌め込む場合、弾性固定部210の張力は0.6Nであり、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の2番目の係止孔211内にピンバックル221を嵌め込む場合、弾性固定部210の張力は1.2Nであり、それにより、弾性固定部210の張力が閾値範囲0.6N~1.2N内にあることを保証する。本実施形態では、mは、1又は2であってもよく、即ち、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の1番目の係止孔211及び2番目の係止孔211はいずれも本実施例における固定係止孔である。
【0059】
隣接する2つの係止孔211の間の距離xを調整し、及び/又は弾性固定部210の弾性係数kを調整することにより、F値を変化させると、固定係止孔の位置も対応して変化する。例えば、F値を0.3Nに調整する。この時、弾性固定部210の張力は0.3nであり、nが2、3又は4である場合、弾性固定部210の張力は閾値範囲0.6N~1.2N内にある。この場合、mは、2、3又は4に等しくてもよく、即ち、弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の2番目の係止孔211、3番目の係止孔211及び4番目の係止孔211はいずれも本実施例における固定係止孔である。ピンバックル221が弾性固定部210の固定部材220から離れた方向における、第1の位置の固定部材220から離れた側の2番目の係止孔211内に嵌め込まれるか、3番目の係止孔211内に嵌め込まれるか4番目の係止孔211内に嵌め込まれるかに関係なく、弾性固定部210の張力が閾値範囲内にあることを保証して、さらに骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が所定の圧力範囲内にあることを保証することができる。また、ピンバックル221が該2番目の係止孔211に嵌め込まれる場合、この時の弾性固定部210の張力が0.6Nであることを容易に知ることができ、ピンバックル221が該3番目の係止孔211に嵌め込まれる場合、この時の弾性固定部210の張力が0.9Nであることを容易に知ることができ、ピンバックル221が該4番目の係止孔211に嵌め込まれる場合、この時の弾性固定部210の張力が1.2Nであることを容易に知ることができる。
【0060】
なお、係止孔211の間の距離は、係止孔211の中心の間の距離であってもよい。係止孔211と第1の位置との間の距離は、弾性固定部210が装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、係止孔211の中心からピンバックル221の中心軸線までの距離であってもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力Fは、所定の圧力範囲内にあってもよい。いくつかの実施例では、所定の圧力範囲は、0.2N~2Nであってもよい。いくつかの実施例では、所定の圧力範囲は、0.3N~1.8Nであってもよい。好ましくは、所定の圧力範囲は、0.4N~1.6Nであってもよい。より好ましくは、所定の圧力範囲は、0.5N~1.5Nであってもよい。圧力Fの範囲は、様々な装着対象に応じて調整することができる。所定の圧力範囲の好ましい範囲は、0.6N~1.2Nであってもよく、即ち、所定の圧力範囲の最小閾値は0.6Nであり、所定の圧力範囲の最大閾値は1.2Nである。弾性固定部210と固定部材220とを係合して設置して、弾性固定部210が最小閾値と最大閾値との間の圧力Fを生成し、それにより、弾性固定部210が閾値範囲の圧力Fを生成することができることを保証する。同時に、弾性固定部210の弾性係数と、隣接して設置された2つの係止孔211の孔間隔Lを調整することにより、圧力Fの大きさ及び圧力Fの変化範囲を調整し、より正確な圧力Fを提供し、弾性固定部210の固定効果を向上させることができる。
【0062】
いくつかの実施例では、固定部材220を雄型バックル(図示せず)に置き換えてもよく、雄型バックルは、その本体構造に対して突出する柱状構造を有し、複数の係止孔211を複数の雌型バックル(図示せず)に対応して置き換えてもよく、雌型バックルの中部に雄型バックルの柱状体と係合する孔が設置される。具体的には、孔は凹溝形状であり、雄型バックルの柱状体は、雌型バックルの孔と係合して弾性固定部と固定部材との固定を実現する。間隔をあけて分布する複数の雌型バックルは、弾性固定部においてその長さ方向に沿って分布し、雄型バックルは、弾性固定部の一端に固定され、固定部材と弾性固定部の他端は、雄型バックルを雌型バックルに嵌め込むことにより取り外し可能な固定を実現する。雄型バックルを異なる位置の雌型バックルに嵌め込むように調整して、弾性固定部が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。雌型バックル及び雄型バックルの具体的な位置及び構造は、図2及び図3に示す固定アセンブリと類似し、対応して参照することができる。
【0063】
なお、固定部材は他の構造であってもよい。例えば、固定部材は巻回構造であってもよく、巻回された弾性固定部の長さを調整することにより、弾性固定部が装着対象を取り囲む時の張り具合を調整する。また例えば、固定部材は、係止歯を有するピンバックル部材であり、弾性固定部には、間隔をあけて設置された複数の係止溝を有し、ピンバックル部材を異なる係止溝内に固定するように調整することにより、弾性固定部が装着対象を取り囲む時の張り具合を調整する。以下、図4図5A及び図5Bに示すように、構造の異なる固定部材を説明する。
【0064】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。図4に示すように、固定アセンブリ400は、弾性固定部410及び固定部材420を含んでもよい。弾性固定部410は、図2に示す弾性固定部210と類似し、固定部材420は面ファスナーであり、面ファスナーは、ループ面421及びフック面422を含む。ループ面421は、弾性固定部410の一端に敷設して固定され、複数のフック面422は、弾性固定部410の他端においてその長さ方向(図4に示すX方向)に沿って間隔をあけて分布する。ループ面421とフック面422が互いに接着されて、固定部材420が装着対象を取り囲むように弾性固定部410を固定することを実現する。ループ面421を異なる位置のフック面422に接着するように調整して、弾性固定部410が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部410と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。弾性固定部410における第1の位置、第2の位置及びフック面422の具体的な分布状況の説明について、図2及び図3における係止孔211に関する説明を参照することができる。
【0065】
いくつかの実施例では、ループ面421及びフック面422の位置は、互いに交換することができる。具体的には、フック面422は、弾性固定部410の一端に敷設して固定され、複数のループ面421は、弾性固定部410の他端においてその長さ方向に沿って間隔をあけて分布する。
【0066】
図5Aは、本明細書の別のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図である。図5Aに示すように、固定アセンブリ500は、弾性固定部510及び固定部材520を含んでもよい。弾性固定部510は、図2に示す弾性固定部210と類似し、固定部材520は、環状バックル部材であり、環状バックル部材は、環状バックル521を含む。環状バックル521は、弾性固定部510の一端に固定され、弾性固定部510には、間隔をあけて分布する複数の係止溝522がその長さ方向(図5Aに示すX方向)に沿って設置される。環状バックル521は、係止溝522と係合して、固定部材520が装着対象を取り囲むように弾性固定部510を固定することを実現する。環状バックル521を異なる位置の係止溝522と係合するように調整して、弾性固定部510が装着対象を取り囲む張り具合を調整することにより、弾性固定部510と装着対象との間に位置する骨伝導振動子が装着対象に作用する圧力の大きさの調整を実現することができる。弾性固定部510における第1の位置及び第2の位置についての説明は、図2及び図3の関連説明を参照することができる。
【0067】
図5Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る環状バックル部材の係合概略図である。いくつかの実施例では、図5Bに示すように、環状バックル521は、環状構造であってもよく、環状バックル521の内壁には、係止溝522と係合するバンプ5211が設置される。環状バックル521の厚さと弾性固定部510の厚さとをマッチングして、弾性固定部510の係止溝522が設置された端部が環状バックル521を通過する場合、環状バックル521内のバンプ5211が係止溝522に嵌め込まれることにより、環状バックル521と係止溝522との係合を実現する。単なる例示的な説明として、弾性固定部510の環状バックル521に向かう方向に沿って弾性固定部510に付勢することにより、環状バックル521内のバンプ5211は、適切な位置の係止溝522に係合するまで、前の係止溝522から離脱して隣接する次の係止溝522に嵌め込む。弾性固定部510の環状バックル521から離れた方向に沿って弾性固定部510に付勢することにより、環状バックル521内のバンプ5211は、弾性固定部510の係止溝522が設置された端部が環状バックル521から離脱するまで、複数の係止溝522から順に離脱することができる。弾性固定部510の厚さは、弾性固定部510の係止溝522が設置された側面とその対向する側面との間の距離であり、環状バックル521の厚さは、環状バックル521のバンプ5211が設置された内壁の側面とその対向する側面との間の距離である。いくつかの実施例では、環状バックル521の厚さ方向において対向する2つの内壁の側面にいずれもバンプ5211が設置され、弾性固定部510の厚さ方向において対向する2つの側面にいずれも係止溝522が設置され、弾性固定部510の係止溝522が設置された端部が環状バックル521を通過する場合、環状バックル521内の対向する2つのバンプ5211は、それぞれ弾性固定部510における対向する2つの係止溝522に嵌め込まれて、環状バックル521と係止溝522とのより強固な係合を実現することができる。
【0068】
図2及び図3、さらに図6図8に示すように、図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る固定アセンブリの概略構成図であり、図7は、図6に示す固定部材の概略構成図であり、図8は、図6に示す弾性固定部と固定部材が係合する概略構成図である。
【0069】
図6に示すように、固定アセンブリ600は、弾性固定部を含んでもよく、弾性固定部は、第1のベルト611、第2のベルト612及び接続ベルト613を含んでもよく、第1のベルト611と第2のベルト612が並設され、接続ベルト613は、第1のベルト611と第2のベルト612を接続する。具体的には、第1のベルト611、第2のベルト612及び接続ベルト613は、組み合わせて弾性的に伸縮可能なH字形ベルトを形成する。第1のベルト611及び第2のベルト612が装着対象を弾性的に取り囲む場合、両側の伸び距離が同じであることにより、第1のベルト611及び第2のベルト612全体の変形が相対的に均一になる。
【0070】
いくつかの実施例では、接続ベルト613の数は、1つであっても複数であってもよい。例えば、接続ベルト613の数が1つである場合、接続ベルト613は、第1のベルト611及び第2のベルト612の長さ方向に沿った中間位置又は他の任意の位置に設置されてもよい。また例えば、接続ベルト613の数が2つである場合、いくつかの実施例では、2つの接続ベルト613はそれぞれ、第1のベルト611と第2のベルト612の両端に設置されてもよく、第1のベルト611と第2のベルト612の接続を実現できる他の任意の位置であってもよい。
【0071】
さらに図6に示すように、接続ベルト613は、第1のベルト611及び第2のベルト612の長さ方向に沿った中間位置に設置され、第1のベルト611には、その長さ方向に沿って複数の第4の係止孔6111が間隔をあけて設置される。具体的には、複数の第4の係止孔6111は、接続ベルト613を中心として第1のベルト611の両端に対称的に設置され、対称的に設置された2つの第4の係止孔6111は1組である。第2のベルト612には、その長さ方向に沿って複数の第5の係止孔6121が間隔をあけて設置される。具体的には、複数の第5の係止孔6121は、接続ベルト613を中心として第2のベルト612の両端に対称的に設置され、対称的に設置された2つの第5の係止孔6121は1組である。第1のベルト611と第2のベルト612との間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置された第4の係止孔6111及び第5の係止孔6121は1組であり、即ち、1組の係止孔は、1組の第4の係止孔6111及び1組の第5の係止孔6121を含み、第4の係止孔6111及び第5の係止孔6121は、第1のベルト611と第2のベルト612との間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置される。
【0072】
なお、複数の第4の係止孔6111は、接続ベルト613を中心として第1のベルト611の両端に対称的に設置されるものではなくてもよく、複数の第5の係止孔6121は同様に、接続ベルト613を中心として第2のベルト612の両端に対称的に設置されるものではなくてもよい。例えば、第1のベルト611及び第2のベルト612の一端には、1組の係止孔を有し、第1のベルト611及び第2のベルト612の他端には、複数組の係止孔を有する。
【0073】
図6及び図7に示すように、いくつかの実施例では、固定部材620は、ピンバックル部材であってもよく、ピンバックル部材は、ピンバックルベース623及びピンバックルを含んでもよく、ピンバックルの一端は、ピンバックルベース623に接続される。ピンバックルは、第1のベルト611及び第2のベルト612における各組の係止孔に適合される。例えば、複数の第4の係止孔6111及び複数の第5の係止孔6121にピンバックルを挿入することにより、弾性固定部の圧力Fの大きさを調整する。具体的には、ピンバックルが対応する2つの第4の係止孔6111及び第5の係止孔6121に嵌め込まれる場合、ピンバックルが図2及び図3に示す1つの係止孔211に嵌め込まれることに相当する。
【0074】
図7及び図8に示すように、ピンバックルは、第1のバックルピン621及び第2のバックルピン622を含んでもよく、第1のバックルピン621及び第2のバックルピン622は、第1のベルト611と第2のベルト612との間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置され、第1のバックルピン621は、第4の係止孔6111に挿入され、第2のバックルピン622は、第5の係止孔6121に挿入される。
【0075】
いくつかの実施例では、第1のバックルピン621及び第2のバックルピン622は、キノコのカサ状構造6211及び接続柱6212を含んでもよく、キノコのカサ状構造6211は、接続柱6212を介してピンバックルベース623に接続される。いくつかの実施例では、キノコのカサ状構造6211は、半球であってもよく、半球の直径は、第4の係止孔6111及び第5の係止孔6121の直径より大きく、外力でキノコのカサ状構造に係止孔を通過させることができるため、第1のバックルピン621と第2のバックルピン622をそれぞれ第4の係止孔6111と第5の係止孔6121に挿入する場合、弾性固定部が固定部材620から離脱することを防止する。
【0076】
いくつかの実施例では、固定部材620は、骨伝導振動子に固定して設置されてもよい。いくつかの実施例では、接続部は、骨伝導振動子の装着対象から離れた側に固定部材620を固定する固定材料であってもよく、いくつかの実施例では、固定材料は、接着剤又はピンバックルと骨伝導振動子との固定接続を実現する他の材料であってもよい。
【0077】
図2及び図3、さらに図9図13に示すように、図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る固定部材の概略構成図であり、図10は、図9に示す固定アセンブリの概略構成図であり、図11は、図9に示す弾性固定部の寸法の概略構成図であり、図12は、図9に示す固定座の概略構成図であり、図13は、図9に示す弾性固定部、固定座及び固定部材が係合する概略構成図である。
【0078】
図9に示すように、いくつかの実施例では、弾性固定部910は、第1のベルト911、第2のベルト912、第3のベルト913及び固定部材920を含んでもよい。第1のベルト911の一端及び第2のベルト912の一端は共に第3のベルト913に接続され、第1のベルト911の他端及び第2のベルト912の他端は共に固定部材920に接続される。固定アセンブリ900が骨伝導振動子の試験に用いられる実施例では、モルモットを装着対象として例示的に説明することができ、第1のベルト911は、実験モルモットの頭部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲むことができ、第2のベルト912は、実験モルモットの頸部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲む。いくつかの実施例では、第1のベルト911は、実験モルモットの耳の前側で実験モルモットの頭部を弾性的に取り囲み、第2のベルト912は、実験モルモットの耳の後側で実験モルモットの頸部を弾性的に取り囲む。接続部(図示せず)は、骨伝導振動子の実験モルモットから離れた側に設置され、弾性固定部910に接続され、骨伝導振動子を実験モルモットの頭部に固定する。いくつかの実施例では、接続部及び弾性固定部910は、骨伝導振動子を実験モルモットの頭部の他の位置に固定することができる。具体的には、弾性固定部910及び接続部を使用して骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に固定する場合、まず、接続部が設置された骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に設置する必要があり、具体的には、骨伝導振動子から実験モルモットの左耳までの距離が骨伝導振動子から実験モルモットの右耳までの距離と等しいように、実験モルモットの頭頂部の真ん中に設置してもよい。次に、弾性固定部910の第1のベルト911は実験モルモットの耳の前側で弾性的に取り囲み、弾性固定部910の第2のベルト912は実験モルモットの耳の後側で弾性的に取り囲み、第1のベルト911及び第2のベルト912を設置することにより、骨伝導振動子を実験モルモットの耳の近傍に固定すると同時に、実験モルモットの耳を第1のベルト911と第2のベルト912との間に位置させ、実験モルモットの耳が固定アセンブリ900の装着に影響を与えることを防止することができる。
【0079】
いくつかの実施例では、第3のベルト913には、その長さ方向に沿って第6の係止孔914が間隔をあけて設置される。具体的には、第3のベルト913には、長さ方向に沿って複数組の第6の係止孔914が間隔をあけて設置され、各組の第6の係止孔914は、第3のベルト913の幅方向に沿って間隔をあけて設置された少なくとも2つの第6の係止孔914を含み、同じ組の第6の係止孔914の間に指示標識915が設置される。いくつかの実施例では、指示標識915は、止まり穴、文字、数字、色彩等のうちの1種又は複数種であってもよい。いくつかの実施例では、第6の係止孔914は、三角形、四角形、多角形、トラック型係止孔等であってもよく、複数の第6の係止孔914の形状について、全てが同じであってもよく部分的に同じであってもよい。
【0080】
図10に示すように、固定部材920は、ピンバックル部材であってもよく、いくつかの実施例では、固定部材920は、固定座923、第1のバックルピン921及び第2のバックルピン922を含んでもよく、第1のバックルピン921と第2のバックルピン922は、固定座923において間隔をあけて設置され、第1のバックルピン921及び第2のバックルピン922は、各組の第6の係止孔914に挿入されてもよく、第1のバックルピン921及び第2のバックルピン922は、異なる位置の第6の係止孔914と係合することにより、弾性固定部910の圧力Fの大きさを調整する。固定部材920のより多くの説明について、図7に示す固定部材620を参照することができる。
【0081】
バックルピン921は、第6の係止孔914に合わせて設置され、いくつかの実施例では、バックルピン921の数は2つであることにより、バックルピン921は、同じ組の2つの第6の係止孔914に対応して挿入される。具体的には、2列のバックルピン921の方式により、第1のベルト911及び第2のベルト912全体の変形を相対的に均一にすることができる。
【0082】
具体的には、バックルピン921が対応する2つの第6の係止孔914に嵌め込まれる場合、バックルピン921が図2及び図3に示す1つの係止孔211に嵌め込まれることに相当する。
【0083】
いくつかの実施例では、弾性固定部910は、第1のベルト911の他端と第2のベルト912の他端を接続する固定接続部916をさらに含む。固定接続部916に固定係止孔917が設置され、固定係止孔917にバックルピン921が挿入される。
【0084】
固定係止孔917は、第6の係止孔914及びバックルピン921に合わせて設置され、いくつかの実施例では、固定係止孔917の数は2つであり、2つのバックルピン921はそれぞれ、2つの固定係止孔917と2つの第6の係止孔914に挿入される。
【0085】
図9及び図11に示すように、いくつかの実施例では、第1のベルト911及び第2のベルト912は、円弧状に設置されてもよく、第1のベルト911の弧長は、L1であり、第2のベルト912の弧長は、L2であり、第1のベルト911の弧長L1は第2のベルト912の弧長L2より大きい。第3のベルト913の長さは、L3であり、固定接続部916の長さは、L4である。
【0086】
いくつかの実施例では、第1のベルト911の弧長L1は、115mm~125mmであってもよく、第2のベルト912の弧長L2は、105mm~115mmであってもよく、第1のベルト911の弧長L1と第2のベルト912の弧長L2との差は、6mm~10mmである。好ましくは、第1のベルト911の弧長L1は120mmであり、第2のベルト912の弧長L2は112mmである。
【0087】
第1のベルト911の幅はD1であり、第2のベルト912の幅はD2であり、弾性固定部910の幅はD3である。いくつかの実施例では、第1のベルト911、第2のベルト912及び弾性固定部910の幅は、その対応する構造の弾性に影響を与えることができる。例えば、第1のベルト911、第2のベルト912又は弾性固定部910の幅が小さすぎると、一方では、その構造が柔らかく、骨伝導振動子に十分なクランプ力を提供することができない。他方では、第1のベルト911、第2のベルト912又は弾性固定部910の幅が小さすぎると、その構造強度が低く、破断しやすいことをさらに引き起こす。また例えば、第1のベルト911、第2のベルト912又は弾性固定部910の幅が大きすぎると、その構造が硬く、骨伝導振動子に提供されたクランプ力が大きすぎて、装着体験に影響を与える。単なる一例として、いくつかの実施例では、第1のベルト911の幅D1は、第2のベルト912の幅D2に等しくてもよい。例えば、第1のベルト911の幅D1又は第2のベルト912の幅D2は3mmであってもよく、弾性固定部910の幅D3は16mmであってもよい。いくつかの実施例では、第1のベルト911の幅D1又は第2のベルト912の幅D2及び弾性固定部910の幅D3は、上記数値に限定されず、その材質及び装着対象に応じて適応的に調整することができる。
【0088】
固定アセンブリが骨伝導振動子の試験に用いられる実施例では、モルモットを装着対象とする場合、モルモットの頭部構造は、円錐状構造と近似的にみなすことができ、即ち、モルモットの耳の前方の頭周りと耳の後方の頭周りは、大きな差を有し、第1のベルト911及び第2のベルト912がいずれも直線型帯状構造であると、モルモットが固定アセンブリを装着する場合、第1のベルト911と第2のベルト912のうちの一方がモルモットの頭部にかかる圧力が大きすぎ、他方がモルモットの頭部にかかる圧力が小さすぎる。いくつかの実施例では、第1のベルト911及び第2のベルト912は、同心の円弧状に設置されてもよく、このように、第1のベルト911と第2のベルト912の長さが異なって、骨伝導振動子のモルモットでの試験に適用することができる。いくつかの実施例では、モルモットの耳の前方の頭周り及び耳の後方の頭周りに基づいて、第1のベルト911及び第2のベルト912の長さ、円弧の角度(中心角)を決定することができる。具体的には、第1のベルト911の弧長L1、第2のベルト912の弧長L2、第1のベルト911の幅D1、第2のベルト912の幅D2及び弾性固定部910の幅D3に基づいて、第1のベルト911の中心角を計算することができ、計算式は、以下のとおりである。
【0089】
【数1】
【0090】
【数2】
【0091】
式(2)及び式(3)から、以下の式を取得することができる。
【0092】
【数3】
【0093】
ここで、xは、第1のベルト911の中心角であり、rは、第1のベルト911の中心角に対応する半径である。同様に、上記式を利用して、第2のベルト912の中心角を計算することができる。
【0094】
いくつかの実施例では、第1のベルト911の中心角は、32度~36度であってもよく、第1のベルト911の中心角と第2のベルト912の中心角との差の絶対値は2度より小さい。いくつかの実施例では、第1のベルト911の中心角は、32度~35度であってもよい。いくつかの実施例では、第1のベルト911の中心角は、32度~34度であってもよい。好ましくは、第1のベルト911の中心角は、33度であってもよい。いくつかの実施例では、第1のベルト911の中心角と第2のベルト912の中心角との差の絶対値は1.5度より小さい。いくつかの実施例では、第1のベルト911の中心角と第2のベルト912の中心角との差の絶対値は1度より小さい。好ましくは、第1のベルト911の中心角と第2のベルト912の中心角との差の絶対値は0.5度より小さい。さらに、第3のベルト913の長さ方向に沿って隣接して設置された2つの第6の係止孔914の孔間隔はLであり、同じ組の第6の係止孔914の間の孔間隔はD4である。なお、装着対象は、上記モルモットに限定されず、装着対象又は試験対象は、さらに他の個体であってもよく、固定アセンブリが他の個体に装着される場合、第1のベルト911及び第2のベルト912の長さ又は対応する中心角は、いずれも適応的に調整することができる。例えば、第1のベルト911及び第2のベルト912は、直線型帯状構造であってもよく、両者はほぼ平行に設置される。
【0095】
図12に示すように、固定アセンブリ900は、骨伝導振動子の装着対象から離れた側に設置された固定座930をさらに含んでもよく、固定座930には、骨伝導振動子から離れて延在する第1のフック部材931及び第2のフック部材932がさらに設置される。いくつかの実施例では、固定座930は、前述の接続部130であってもよい。
【0096】
いくつかの実施例では、第1のフック部材931及び第2のフック部材932は、第1のベルト911と第2のベルト912との間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置される。第1のフック部材931の固定座930に固定して設置された端部は、第1のフック部材931の固定端9311であり、第1のフック部材931の固定座930から離れた端部は、第2のフック部材932に延在して第1のフック部材931の自由端9312を形成する。第2のフック部材932の固定座930に固定して設置された端部は、第2のフック部材932の固定端9321であり、第2のフック部材932の固定座930から離れた端部は、第1のフック部材931に延在して第2のフック部材932の自由端9322を形成する。第1のフック部材931の自由端9311と第2のフック部材932の自由端9322との間に開口933が形成される。
【0097】
具体的には、開口933は、第1のフック部材931の自由端9312と第2のフック部材932の自由端9322との間の最短距離であってもよく、第1のフック部材931の固定端9311と第2のフック部材932の固定端9321との間の間隔距離は、第1のフック部材931の固定端9311の第2のフック部材932の固定端9321に最も近い点と、第2のフック部材932の固定端9321の第1のフック部材931の固定端9311に最も近い点との間の距離であり、第1のベルト911と第2のベルト912との間隔距離は、弾性固定部910の幅D3である。
【0098】
いくつかの実施例では、第1のベルト911及び第2のベルト912が開口933を介して第1のフック部材931と第2のフック部材932との間に設置される場合、弾性固定部910が固定座930から離脱しにくいように、開口933は、第1のベルト911と第2のベルト912との間隔距離より小さくてもよい。
【0099】
いくつかの実施例では、第1のフック部材931の固定端9311と第2のフック部材932の固定端9321との間の間隔距離は、第1のベルト911と第2のベルト912との間隔距離より大きい。
【0100】
いくつかの実施例では、第1のフック部材931及び第2のフック部材932は、ボスにより固定座930に固定されてもよく、第1のフック部材931が設置されたボスと第2のフック部材932が設置されたボスとの対向する両側の間の距離は、第1のベルト911と第2のベルト912との間隔距離以上であっても、以下であってもよい。
【0101】
図13に示すように、弾性固定部910が固定座930と係合して設置される場合、第1のベルト911及び第2のベルト912は、第1のフック部材931の自由端、第2のフック部材932の自由端及び固定座930により形成された収容空間内に設置され、第1のフック部材931及び第2のフック部材932は、第1のベルト911及び第2のベルト912の位置を制限する。
【0102】
固定アセンブリが骨伝導振動子の試験に用いられる実施例では、モルモットを装着対象として、骨伝導振動子を弾性固定部(例えば、図2又は図3に示す弾性固定部210、図4に示す弾性固定部410、図5Aに示す弾性固定部510、図6及び図9に示す弾性固定部)によりモルモットの頭部に押し付け、骨伝導振動子がモルモットにオーディオ信号を伝送し、モルモットが骨伝導振動子から伝送された振動信号に応答して発生した脳波信号を検出することができ、該脳部信号は、装着対象からフィードバックされたフィードバック信号である。脳波信号と所定の信号強度とを比較することにより、骨伝導振動子の信号伝送性能を判断する。脳波信号は、装着対象がオーディオ信号を受信した後、装着対象の脳部を検出することにより得られた試験信号であり、脳波信号の強度は、該試験信号の振幅であり、所定の信号強度は、所定の振幅である。試験信号の振幅が所定の振幅値以上である場合、装着対象がオーディオ信号を受信した後、オーディオ信号に含まれた情報を効果的に取得することができると考えられる。
【0103】
具体的には、圧力Fが最小閾値より小さい場合、この時の脳波信号の強度は所定の信号強度より小さく、圧力Fが最小閾値に等しい場合、この時の脳波信号の強度は所定の信号強度に等しく、圧力Fが最小閾値と最大閾値との間にある場合、この時の脳波信号の強度は所定の信号強度より大きく、圧力Fが最大閾値に等しい場合、この時の脳波信号の強度は所定の信号強度に等しく、圧力Fが最大閾値より大きい場合、この時の脳波信号の強度は所定の信号強度より小さい。
【0104】
骨伝導振動子が装着対象に押し付けられた圧力は、装着対象のフィードバック信号の大きさに影響を与えるため、骨伝導振動子が装着対象に押し付けられた圧力が最小閾値と最大閾値との間にある場合、検出された脳波信号の強度は所定の信号強度以上である。弾性固定部の一端に固定された固定部材を弾性固定部における第2の位置に固定することにより、弾性固定部の張力が閾値範囲(最小閾値と最大閾値との間)内にあることを確保して、骨伝導振動子の装着対象に対する圧力が小さすぎるか又は大きすぎてフィードバック信号の強度が高くないという問題を回避することができる。
【0105】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、骨伝導イヤホン(例えば、ヘッドバンド型骨伝導イヤホン)に用いることができる。例えば、固定部材により、弾性固定部は人体の頭部を取り囲み、骨伝導イヤホンの音響出力ユニットは、弾性固定部の作用で常に人体の耳介の近傍(例えば、耳介の前側、後側、上側又は下側等)に押し付けられ、骨伝導イヤホンの音響出力ユニットから出力されたオーディオ信号は、人体骨格、筋肉組織又は血液等を介して人体に伝達されて、人体の聴覚神経により感知される。いくつかの実施例では、人体の装着感に応じて、固定部材と弾性固定部との接続位置を調整することにより、弾性固定部の張り具合を調整し、装着体験をより快適にすることができる。固定アセンブリにより、骨伝導イヤホンは、異なるユーザに適応することができ、装着快適さを向上させると同時に、弾性固定部の張り具合を調整することにより、骨伝導イヤホンの異なる人体に対する圧力を所定の圧力範囲内にして、骨伝導イヤホンの人体に対する圧力が小さすぎて、人体が受信したオーディオ信号がよくなく、或いは、骨伝導イヤホンの人体に対する圧力が大きすぎて、骨伝導イヤホンの装着の不快感をもたらすことを回避する。なお、異なるユーザが骨伝導イヤホンを装着する張力の閾値範囲及び所定の範囲は、異なってもよく、実際の需要に応じて決定することができる。
【0106】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、さらに腕時計又は歩数計の装着に適用することができる。例えば、固定部材は、人体の手首を取り囲むように弾性固定部を固定する。いくつかの実施例では、人体の装着感に応じて、固定部材と弾性固定部との接続位置を調整することにより、弾性固定部の張り具合を調整して、腕時計又は歩数計の装着感をより適切にすることができ、固定アセンブリにより、腕時計又は歩数計は、異なる人体に適応することができる。いくつかの実施例では、固定アセンブリは、さらにオキシメーター又は血圧計の装着に用いることができる。固定部材は、人体の手首又は上腕を取り囲むように弾性固定部を固定することにより、人体の活動過程において、オキシメーター又は血圧計は、弾性固定部の作用下で常に人体の皮膚に押し付けられて、人体の皮下の血中酸素量又は血圧を取得することができる。いくつかの実施例では、人体の装着感に応じて、固定部材と弾性固定部との接続位置を適切に調整することにより、弾性固定部の張り具合を調整し、装着体験をより快適にすることができる。
【0107】
本明細書は、固定アセンブリ及び骨伝導振動子を含んでもよい、装着装置をさらに提供する。いくつかの実施例では、固定アセンブリは、帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、第1の位置及び第2の位置が弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、装着対象を取り囲むように弾性固定部を固定することにより、骨伝導振動子が弾性固定部と装着対象との間に位置する固定部材と、を含む。弾性固定部が装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、固定部材は、弾性固定部の第1の位置と係合し、固定部材が第2の位置と係合する場合、弾性固定部は、装着対象に作用する圧力を骨伝導振動子に提供し、圧力が所定の圧力範囲内にある。なお、装着装置の固定アセンブリは、固定アセンブリ200、固定アセンブリ400、固定アセンブリ500、固定アセンブリ600又は固定アセンブリ900と類似してもよく、ここでは説明を省略する。次に、図14の固定アセンブリを参照して装着装置を説明する。
【0108】
図14は、本明細書のいくつかの実施例に係る装着装置の概略構成図である。図14に示すように、装着装置1400は、固定アセンブリ及び骨伝導振動子1440を含んでもよく、固定アセンブリは、骨伝導振動子1440を装着対象1450に固定する。該固定アセンブリは、上記実施例に開示された固定アセンブリ600又は固定アセンブリ900であり、説明を省略する。実験モルモットは、装着対象1450であり、装着装置1400は、固定アセンブリにより骨伝導振動子1440を実験モルモットの頭部に固定して、実験モルモットによる骨伝導振動子の試験を実現する。
【0109】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、弾性固定部1410及び接続部を含む。弾性固定部1410は、第1のベルト1411及び第2のベルト1412を含む。第1のベルト1411は、実験モルモットの頭部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、第2のベルト1412は、実験モルモットの頸部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲む。いくつかの実施例では、第1のベルト1411は、実験モルモットの耳の前側で実験モルモットの頭部を弾性的に取り囲み、第2のベルト1412は、実験モルモットの耳の後側で実験モルモットの頸部を弾性的に取り囲む。接続部(図示せず)は、骨伝導振動子の実験モルモットから離れた側に設置され、弾性固定部1410に接続され、骨伝導振動子を実験モルモットの頭部に固定する。いくつかの実施例では、接続部及び弾性固定部1410は、骨伝導振動子を実験モルモットの頭部の他の位置に固定することができる。
【0110】
具体的には、弾性固定部1410及び接続部を使用して骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に固定する場合、まず、接続部が設置された骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に設置する必要があり、具体的には、骨伝導振動子から実験モルモットの左耳までの距離が骨伝導振動子から実験モルモットの右耳までの距離と等しいように、実験モルモットの頭頂部の真ん中に設置してもよい。次に、弾性固定部1410の第1のベルト1411が実験モルモットの耳の前側で弾性的に取り囲み、弾性固定部1410の第2のベルト1412が実験モルモットの耳の後側で弾性的に取り囲み、接続部に合わせて設置し、さらに骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に固定する。
【0111】
いくつかの実施例では、弾性固定部1410は、接続ベルト(図6の接続ベルト613を参照)をさらに含んでもよく、接続ベルトは、実験モルモットの下顎側で第1のベルト1411と第2のベルト1412を接続することにより、第1のベルト1411及び第2のベルト1412が実験モルモットの左耳及び右耳に沿って伸びて実験モルモットの頭部及び頸部を弾性的に取り囲む場合、両側の伸び距離が同じであることにより、第1のベルト1411及び第2のベルト1412全体の変形が相対的に均一になる。
【0112】
いくつかの実施例では、固定アセンブリは、固定部材をさらに含んでもよい。固定部材は、骨伝導振動子の実験モルモットの頭部から離れた側に設置される。いくつかの実施例では、固定部材には、骨伝導振動子から離れて延在するピンバックルがさらに設置され、第1のベルト1411には、その長さ方向に沿って複数の第1の係止孔が間隔をあけて設置される。第2のベルト1412には、その長さ方向に沿って複数の第2の係止孔が間隔をあけて設置される。複数の第1の係止孔及び複数の第2の係止孔にピンバックルを挿入できることにより、第1のベルト1411及び第2のベルト1412のクランプ力を調整する。いくつかの実施例では、ピンバックルは、第1のベルト1411及び第2のベルト1412の間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置された第1のバックルピン及び第2のバックルピンを含み、第1のバックルピンが第1の係止孔に挿入され、第2のバックルピンが第2の係止孔に挿入される。
【0113】
具体的には、弾性固定部1410を固定部材と係合して設置するステップは、以下のステップ1~5を含む。ステップ1では、骨伝導振動子から左耳までの距離が骨伝導振動子から右耳までの距離と等しいように、固定部材を実験モルモットの頭頂部の真ん中に設置する。ステップ2では、接続ベルトを実験モルモットの下顎に密着して設置する。ステップ3では、第1のバックルピンが第1のベルト1411におけるいずれかの第1の係止孔に挿入されるまで、任意の一側の第1のベルト1411を実験モルモットの耳の前側に沿って弾性的に伸ばす。ステップ4では、第1のバックルピンが上記第3のステップにおける第1の係止孔と同じ組の別の第1の係止孔に挿入されるまで、他側の第1のベルト1411を実験モルモットの耳の前側に沿って弾性的に伸ばす。ステップ5では、第3のステップ及び第4のステップを繰り返して、第2のバックルピンを第3のステップにおける第1の係止孔と同じ組の第2の係止孔に挿入し、さらに骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に固定する。
【0114】
いくつかの実施例では、弾性固定部1410は、第3のベルト(図9の第3のベルト913を参照)をさらに含む。第1のベルト1411の一端及び第2のベルト1412の一端は共に第3のベルトに接続され、第1のベルト1411の他端及び第2のベルト1412の他端は共に固定部材に接続される。いくつかの実施例では、弾性固定部は、第1のベルト1411の他端と第2のベルト1412の他端を接続する固定接続部(図10の固定接続部916を参照)をさらに含む。固定接続部に固定係止孔が設置され、固定係止孔にピンバックルが挿入される。いくつかの実施例では、固定アセンブリは、骨伝導振動子から離れて延在する第1のフック部材及び第2のフック部材がさらに設置された固定座(図9の固定座930を参照)をさらに含んでもよい。第1のフック部材及び第2のフック部材は、第1のベルト1411と第2のベルト1412との間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置される。第1のフック部材の固定座に固定して設置された端部は、第1のフック部材の固定端であり、第1のフック部材の固定座から離れた端部は、第2のフック部材に延在して第1のフック部材の自由端を形成し、第2のフック部材の固定座に固定して設置された端部は、第2のフック部材の固定端であり、第2のフック部材の固定座から離れた端部は、第1のフック部材に延在して第2のフック部材の自由端を形成し、第1のフック部材の自由端と第2のフック部材の自由端との間に開口が形成される。
【0115】
具体的には、固定座は、骨伝導振動子の実験モルモットの頭部から離れた側に設置され、固定部材は、実験モルモットの下顎側に設置され、第1のベルト1411と第2のベルト1412は、それぞれ実験モルモットの耳の前側と耳の後側で取り囲んで設置され、第3のベルト及び固定接続部は、固定部材により実験モルモットの下顎側に固定して設置される。
【0116】
弾性固定部を固定部材と係合して設置するステップは、以下のステップ1~3を含む。ステップ1では、骨伝導振動子から左耳までの距離が骨伝導振動子から右耳までの距離と等しいように、固定部材を実験モルモットの頭頂部の真ん中に設置する。ステップ2では、第1のベルト1411及び第2のベルト1412の中間部を、第1のフック部材の自由端、第2のフック部材の自由端及び固定座で形成された収容空間内に設置し、第1のベルト1411と第2のベルト1412は、それぞれ実験モルモットの耳の前側と耳の後側で取り囲んで設置される。ステップ3では、第3のベルト及び固定接続部を実験モルモットの下顎側に伸ばし、固定部材におけるピンバックルを1組の係止孔及び固定係止孔に挿入し、さらに骨伝導振動子を実験モルモットの頭頂部に固定する。本実施例では、ピンバックルを係止孔及び固定係止孔に挿入する順序を制限せず、係止孔に挿入してから固定係止孔に挿入してもよく、固定係止孔に挿入してから係止孔に挿入してもよい。
【0117】
なお、骨伝導振動子の固定アセンブリに対する以上の説明は、例示的な説明に過ぎず、挙げた実施例の範囲内に本明細書を制限することができない。
【0118】
なお、実施例によって達成可能な有益な効果が異なるが、異なる実施例では、達成可能な有益な効果は、以上のいずれかの1つ又は複数の組み合わせであってもよく、他の任意の達成可能な有益な効果であってもよい。
【0119】
以上は基本概念を説明したが、当業者にとって、上記詳細な開示は、例として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0120】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」、「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2回以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0121】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明したが、そのような詳細は、説明のためのものに過ぎず、添付の請求項は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェア機器により実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、従来のサーバ又はモバイル機器に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0122】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願の開示を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴よりも少ない場合がある。
【0123】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例では修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、数字が説明する値の±220%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び各請求項において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0124】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書等の他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0125】
最後に、本願における実施例は、本願の実施例の原理を説明するためのものに過ぎないことを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するようにみなされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0126】
100 固定アセンブリ
110 弾性固定部
120 固定部材
130 接続部
200 固定アセンブリ
210 弾性固定部
220 固定部材
210 弾性固定部
221 ピンバックル
211 係止孔
212 第1の係止孔
213 第2の係止孔
214 第3の係止孔
400 固定アセンブリ
410 弾性固定部
420 固定部材
500 固定アセンブリ
510 弾性固定部
520 固定部材
600 固定アセンブリ
611 第1のベルト
612 第2のベルト
613 接続ベルト
620 固定部材
910 弾性固定部
911 第1のベルト
912 第2のベルト
913 第3のベルト
920 固定部材
900 固定アセンブリ
917 固定係止孔
931 第1のフック部材
932 第2のフック部材
930 固定座
923 固定座
9312 自由端
9322 自由端
933 開口
1400 装着装置
1440 骨伝導振動子
1450 装着対象
1410 弾性固定部
1411 第1のベルト
1412 第2のベルト
916 固定接続部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨伝導振動子の固定アセンブリにおいて、
帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、
装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、
を含む前記固定アセンブリにおいて、
前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある、骨伝導振動子の固定アセンブリ。
【請求項2】
前記弾性固定部には、間隔をあけて分布する複数の係止孔がその長さ方向に沿って設置され、複数の前記係止孔のうちの少なくとも1つが固定係止孔であり、前記固定係止孔の位置は前記第2の位置であり、前記固定部材はピンバックル部材であり、前記ピンバックル部材はピンバックルを含み、前記ピンバックルを前記係止孔に嵌め込むことにより、前記弾性固定部は前記装着対象を取り囲む、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項3】
複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、隣接する2つの前記係止孔の間に位置し、前記固定係止孔は、前記第1の位置から離れたm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔内に嵌め込まれる場合、前記圧力は、F×(x/x+m-1)であり、F×(x/x+m-1)は、前記所定の圧力範囲内にあり、xは、前記第1の位置から、前記第1の位置の前記弾性固定部に沿って前記固定部材から離れた側の1番目の係止孔までの距離であり、xは、隣接する2つの前記係止孔の間の距離であり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項4】
複数の前記係止孔は、前記弾性固定部の長さ方向に沿って等間隔に配列され、前記第1の位置は、1つの前記係止孔の位置に位置し、前記固定係止孔は、前記弾性固定部の延在方向における、前記第1の位置の前記固定部材から離れた側のm番目の係止孔であり、前記ピンバックルが前記固定係止孔に嵌め込まれる場合、前記圧力は、m×Fであり、m×Fは、前記所定の圧力範囲内にあり、Fは、前記弾性固定部の変形量が隣接する2つの前記係止孔の間の距離である場合、前記弾性固定部の張力である、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項5】
は、前記所定の圧力範囲の最大閾値以下である、請求項又はに記載の固定アセンブリ。
【請求項6】
前記弾性固定部は、第1のベルト及び第2のベルトを含み、前記第1のベルトは、前記装着対象の頭部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記第2のベルトは、前記装着対象の頸部を少なくとも部分的に弾性的に取り囲み、前記固定部材は、前記弾性固定部に接続され、前記骨伝導振動子を前記装着対象の頭部に固定する、請求項1に記載の固定アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のベルトと前記第2のベルトとが並設され、前記弾性固定部は、前記第1のベルトと前記第2のベルトとを接続する接続部をさらに含み、前記接続部は、前記第1のベルト又は第2のベルトの長さ方向に沿った中間領域に位置する、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項8】
前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する係止ピンが設置され、前記第1のベルトと前記第2のベルトとには、前記係止ピンを挿入するように、それぞれ長さ方向に沿って複数の第1の係止孔と複数の第2の係止孔が間隔をあけて設置される、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項9】
前記複数の第1の係止孔は、接続部を中心として前記第1のベルトに対称的に設置され、前記複数の第2の係止孔は、接続部を中心として前記第2のベルトに対称的に設置される、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項10】
前記係止ピンは、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置された第1の係止ピン及び第2の係止ピンを含み、前記第1の係止ピンは、前記第1の係止孔に挿入され、前記第2の係止ピンは、前記第2の係止孔に挿入される、請求項又はに記載の固定アセンブリ。
【請求項11】
前記固定アセンブリは、ピンバックル部材を含み、前記弾性固定部は、第3のベルトを含み、前記第1のベルトの一端及び前記第2のベルトの一端は共に前記第3のベルトに接続され、前記第1のベルトの他端及び前記第2のベルトの他端は共に前記ピンバックル部材に接続され、前記ピンバックル部材には、係止ピンがさらに設置され、前記第3のベルトには、前記係止ピンを挿入するように、長さ方向に沿って複数の係止孔が間隔をあけて設置される、請求項に記載の固定アセンブリ。
【請求項12】
前記固定部材は、前記骨伝導振動子の前記装着対象の頭部から離れた側に設置され、前記固定部材には、前記骨伝導振動子から離れて延在する第1のフック部材及び第2のフック部材が設置され、前記第1のフック部材及び第2のフック部材は、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔方向に沿って互いに間隔をあけて設置され、前記第1のフック部材の前記固定部材から離れた端部は、前記第2のフック部材に延在して前記第1のフック部材の自由端を形成し、前記第2のフック部材の前記固定部材から離れた端部は、前記第1のフック部材に延在して前記第2のフック部材の自由端を形成し、前記第1のフック部材の自由端と前記第2のフック部材の自由端との間には、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間隔距離より小さい開口が形成される、請求項11に記載の固定アセンブリ。
【請求項13】
前記弾性固定部は、固定接続部を含み、前記固定接続部は、前記第1のベルト及び前記第2のベルトの前記第3のベルトから離れた端部に接続され、固定係止孔を含み、前記ピンバックル部材の係止ピンは、前記固定係止孔及び前記複数の係止孔と係合する、請求項11又は12に記載の固定アセンブリ。
【請求項14】
前記第1のベルト及び前記第2のベルトは、円弧状に設置され、前記第1のベルトの弧長は、前記第2のベルトの弧長より大きい、請求項11に記載の固定アセンブリ。
【請求項15】
骨伝導振動子、及び前記骨伝導振動子を装着対象に固定する固定アセンブリを含む装着装置において、前記固定アセンブリは、
帯状構造を呈し、第1の位置及び第2の位置を含む弾性固定部であって、前記第1の位置及び前記第2の位置が前記弾性固定部の長さ方向に沿って間隔をあけて分布する弾性固定部と、
装着対象を取り囲むように前記弾性固定部を固定することにより、前記骨伝導振動子が前記弾性固定部と前記装着対象との間に位置するように構成された固定部材と、を含み、
前記弾性固定部が前記装着対象を取り囲みかつ自然状態にある場合、前記固定部材は、前記弾性固定部の前記第1の位置と係合し、前記固定部材が前記第2の位置と係合する場合、前記弾性固定部は、前記装着対象に作用する圧力を前記骨伝導振動子に提供し、前記圧力が所定の圧力範囲内にある、装着装置。
【国際調査報告】