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特表2024-502852ホイールアライメント測定システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】ホイールアライメント測定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20240116BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G01B11/26 H
G01M17/007 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541728
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 IB2022050189
(87)【国際公開番号】W WO2022149118
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,882
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520421444
【氏名又は名称】ビーピージー・セールス・アンド・テクノロジー・インヴェストメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BPG SALES AND TECHNOLOGY INVESTMENTS, LLC
【住所又は居所原語表記】975 Spaulding Ave., Suite C, Ada, Michigan 49301, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】デボア、デイヴィド・エム
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA02
2F065AA37
2F065AA53
2F065BB28
2F065CC13
2F065FF04
2F065FF09
2F065GG04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL13
2F065LL62
(57)【要約】
自動車(24)のホイール組立体(22)のアライメント特徴を決定するためのシステム(20、120)が光学ゲージ(26、126)を使用する。光学ゲージ(26、126)は、ホイール組立体(22)に貼付された下側(54)を有する取付ベース(46、146)を含むとともに既知の寸法を含むゲージ片(42、142)を含む。投光器(28)が、光を光学ゲージ(26、126)上に投射する。デジタル撮像装置(34)は、光学ゲージ(26、126)から反射された投光器(28)からの光を撮像するように構成される。コントローラ(36)が、光学ゲージ(26、126)から反射された撮像された光及びゲージ片(42、142)の既知の寸法に基づき光学ゲージ(26、126)からの距離を計算するように構成される。取付ベース(46、146)は、ホイール組立体に接着により貼付されたテープであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメント特徴を決定するためのシステムであって、前記システムが、
ホイール組立体に選択的に付けられるように構成された光学ゲージであって、前記光学ゲージが、前記ホイール組立体に貼付された下側を有する取付ベースを含むとともに、既知の寸法を含むゲージ片を含む光学ゲージと、
前記ホイール組立体に付けられたときの前記光学ゲージ上に方向付けられる光を投射するように構成された投光器と、
デジタル撮像装置と、
コントローラと
を含み、
前記デジタル撮像装置が、前記光学ゲージから反射された前記投光器からの光を撮像するように構成され、前記コントローラが、前記光学ゲージから反射された前記撮像された光及び前記ゲージ片の前記既知の寸法に基づき、前記光学ゲージからの距離を計算するように構成される、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムが反射器をさらに含み、
前記投光器が前記反射器に光を投射するように構成され、前記反射器が光を前記光学ゲージへ既知の角度で方向付けるように構成され、
前記コントローラが、前記既知の角度にさらに基づき、前記光学ゲージからの前記距離を計算するように構成される。
【請求項3】
前記反射器が調整可能な反射器を含み、前記反射器が前記光学ゲージへ光を方向付ける前記既知の角度が変更可能であるとともに既知である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記調整可能な反射器が微小電気機械システムを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラにより計算された前記光学ゲージからの前記距離が、前記光学ゲージから前記デジタル撮像装置までの距離を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記取付ベースの前記下側が前記ホイール組立体に接着により取り付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記取付ベースがテープを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ゲージ片の前記既知の寸法が前記ゲージ片の厚さを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ゲージ片の前記既知の寸法が前記ゲージ片の幅及び/又は長さを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ゲージ片が前記ゲージ片と前記取付ベースとの間に配置された基板をさらに含み、
前記ゲージ片の前記既知の寸法が前記基板の表面から前記ゲージ片の上面までの前記ゲージ片の厚さを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記デジタル撮像装置から前記反射器までの距離が既知であり、前記コントローラが、前記デジタル撮像装置から前記反射器までの前記距離にさらに基づき、前記光学ゲージからの前記距離を計算するように構成される、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ゲージ片が上面を含み、前記上面がコンピュータ可読コードを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記デジタル撮像装置は、前記コントローラが前記光学ゲージからの前記距離を決定することを可能にするために、前記コンピュータ可読コードを撮像するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメント特徴を決定するためのシステムであって、前記システムが、
ホイール組立体に選択的に付けられるように構成された複数の光学ゲージであって、前記光学ゲージが各々、前記ホイール組立体に貼付された下側を有する取付ベースを含むとともに既知の寸法を含むゲージ片を含む、複数の光学ゲージと、
前記ホイール組立体に付けられたときの前記光学ゲージ上に方向付けられる光を投射するように構成された少なくとも1つの投光器と、
少なくとも1つのデジタル撮像装置と、
コントローラと
を含み、
前記少なくとも1つのデジタル撮像装置が、前記光学ゲージから反射された前記少なくとも1つの投光器からの光を撮像するように構成され、前記コントローラが、前記光学ゲージから反射された前記撮像された光及び前記ゲージ片の前記既知の寸法に基づき前記光学ゲージからの距離を計算するように構成され、前記コントローラが、前記光学ゲージの各々からの前記距離に基づき平面を決定するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムが少なくとも1つの反射器をさらに含み、前記少なくとも1つの投光器が前記少なくとも1つの反射器に光を投射するように構成され、前記少なくとも1つの反射器が、光を前記光学ゲージへ既知の角度で方向付けるように構成され、前記コントローラが、前記既知の角度にさらに基づき、前記光学ゲージからの前記距離を計算するように構成される。
【請求項16】
前記少なくとも1つの反射器が調整可能な反射器を含み、
前記反射器が前記光学ゲージへ光を方向付ける前記既知の角度が変更可能であるとともに既知である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記調整可能な反射器が微小電気機械システムを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラにより計算された前記光学ゲージからの前記距離が、前記光学ゲージから前記少なくとも1つのデジタル撮像装置までの距離を含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記取付ベースの前記下側が前記ホイール組立体に接着により取り付けられる、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記取付ベースがテープを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記ゲージ片の前記既知の寸法が前記ゲージ片の厚さを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記ゲージ片の前記既知の寸法が前記ゲージ片の幅及び/又は長さを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記ゲージ片が前記ゲージ片と前記取付ベースとの間に配置された基板をさらに含み、前記ゲージ片の前記既知の寸法が、前記基板の表面から前記ゲージ片の上面までの前記ゲージ片の厚さを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記デジタル撮像装置から前記反射器までの距離が既知であり、
前記コントローラが、前記デジタル撮像装置から前記反射器までの前記距離にさらに基づき、前記光学ゲージからの前記距離を計算するように構成される、請求項15~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記ゲージ片が各々上面を含み、前記上面がコンピュータ可読コードを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記デジタル撮像装置が、前記コントローラが前記光学ゲージからの前記距離を決定することを可能にするために、前記コンピュータ可読コードを撮像するように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載のシステムを使用してホイール組立体のアライメント特徴を決定する方法であって、前記方法が、
1つ又は複数の光学ゲージをホイール組立体に貼付することと、
投光器からの光を反射器へ投射することと、
前記投光器からの光を前記反射器で前記光学ゲージへ方向付けることと、
前記光学ゲージから反射された光をデジタル撮像装置で撮像することと、
前記光学ゲージから反射された前記撮像された光及び前記ゲージ片の前記既知の寸法に基づき、前記光学ゲージからの距離をコントローラで計算することと
を含む、方法。
【請求項28】
自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメント特徴を決定するためのシステムであって、前記システムが、
ホイール組立体のホイールに選択的に付けられるように構成された取付シートであって、前記取付シートが、前記取付シートに配置された複数の光学ゲージを含み、前記光学ゲージが各々既知の寸法を含むゲージ片を含む取付シートと、
前記取付シートが前記ホイール組立体の前記ホイールに付けられるときの前記光学ゲージの1つ又は複数上に方向付けられた光を投射するように構成された投光器と、
デジタル撮像装置と、
コントローラと
を含み、
前記デジタル撮像装置が、前記光学ゲージから反射された前記投光器からの光を撮像するように構成され、前記コントローラが、前記光学ゲージから反射された前記撮像された光及び前記ゲージ片の前記既知の寸法に基づき前記光学ゲージからの距離を計算するように構成される、システム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムが反射器をさらに含み、前記投光器が前記反射器に光を投射するように構成され、前記反射器が光を前記光学ゲージへ既知の角度で方向付けるように構成され、前記コントローラが、前記既知の角度にさらに基づき、前記光学ゲージからの前記距離を計算するように構成される。
【請求項30】
前記反射器が調整可能な反射器を含み、前記反射器が前記光学ゲージへ光を方向付ける前記既知の角度が変更可能であるとともに既知である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記調整可能な反射器が微小電気機械システムを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラにより計算された前記光学ゲージからの前記距離が、前記光学ゲージから前記デジタル撮像装置までの距離を含む、請求項28~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記取付シートが下側を含み、
前記取付シートの前記下側が前記ホイール組立体の前記ホイールに接着により取り付けられる、請求項28~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記取付シートがコンピュータ可読コードを含む、請求項28~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記取付シートをホイール組立体の前記ホイールに施すように構成されたアプリケータ機械をさらに含む、請求項28~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
請求項28~35のいずれか一項に記載のシステムを使用してホイール組立体のアライメント特徴を決定する方法であって、前記方法が、
複数の光学ゲージを有する取付シートをホイール組立体へ貼付することと、
投光器からの光を反射器へ投射することと、
前記投光器からの光を前記反射器で前記光学ゲージへ方向付けることと、
前記光学ゲージから反射された光をデジタル撮像装置で撮像することと、
前記光学ゲージから反射された前記撮像された光及び前記ゲージ片の前記既知の寸法に基づき、前記光学ゲージからの距離をコントローラで計算することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年1月11日に出願された米国仮特許出願第63/135,882号明細書の優先権を主張する。この仮特許出願はその全体が参照により本明細書において組み込まれる。
【0002】
本発明は、ホイールアライメント測定システム及び方法、特に、既知の寸法の光学ゲージがホイール組立体に貼付されるとともにカメラにより撮像されるシステム及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
自動車産業において、適切な自動車品質には、製造中且つその後の自動車の耐用年数中にホイールアライメント設定を測定及び調整することが求められる。ホイール、及び特に操向可能なホイール、例えば自動車の前輪の適切な位置付け及びアライメントには、トー、キャンバー角、及びキャスタ角の設定が求められる。トーは、自動車の長手方向軸とホイール/タイヤの中心を通る平面との間の角度であるとともに、操向のみならず自動車の真っ直ぐな走行に影響を及ぼす。キャンバー角は、垂直平面における路面に向かってのホイール軸の傾きであり、ホイールの頂部が自動車の中心に向かって傾斜している場合に負となる。キャスタ角は、自動車の中心線の方向に平行な操向軸の傾きである。自動車の後部に向かっての傾きは正のキャスタ角をもたらす。自動車が適切に走行し操縦されるように、車両の組立及び/又は修理中、ホイール、特に操向可能なホイールのキャンバー及びキャスタ角のみならずトーを測定、調整又は監査、及び設定することが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、自動車のホイール組立体のホイールアライメント特徴を決定する効率的で費用対効果の高い方法を提供する。
【0005】
本発明の態様によると、自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメント特徴を決定するためのシステムは、ホイール組立体に選択的に付けられるように構成された光学ゲージを含み、光学ゲージはホイール組立体に貼付された下側を有する取付ベースを含むとともに、既知の寸法を有するゲージ片を含む。システムは、ホイール組立体に付けられたときの光学ゲージ上に方向付けられる光を投射するように構成された投光器と、デジタル撮像装置と、コントローラとをさらに含む。デジタル撮像装置は、光学ゲージから反射された投光器からの光を撮像するように構成される。コントローラは、光学ゲージから反射された撮像された光及びゲージ片の既知の寸法に基づき、光学ゲージからの距離を計算するように構成される。
【0006】
システムは反射器をさらに含む。投光器は、反射器に光を投射するように構成される。反射器は光を光学ゲージへ既知の角度で方向付けるように構成される。コントローラは、既知の角度にさらに基づき光学ゲージからの距離を計算するように構成される。特定の実施形態において、反射器は調整可能な反射器、例えば微小電気機械システム(「MEMS」)を含む。反射器が光を光学ゲージで方向付ける既知の角度は変更可能であるとともに既知である。本発明のさらなる態様によると、コントローラにより計算された光学ゲージからの距離は、光学ゲージからデジタル撮像装置までの距離を含む。なおさらに、コントローラは、デジタル撮像装置から反射器までの既知の距離にさらに基づき、光学ゲージからの距離を計算するように構成される。
【0007】
光学ゲージの実施形態において、取付ベースの下側はホイール組立体に接着により取り付けられてもよい。取付ベースはテープを含み得る。光学ゲージのゲージ片の既知の寸法はゲージ片の厚さを含むとともに、ゲージ片の幅及び/又は長さをさらに含み得る。なおさらに、光学ゲージはゲージ片と取付ベースとの間に配置された基板をさらに含み得る。ゲージ片の既知の寸法は、基板の表面からゲージ片の上面までのゲージ片の厚さを含む。ゲージ片の表面、例えば上面又は別の表面は、コンピュータ可読コードをさらに含み得る。デジタル撮像装置は、コントローラが光学ゲージからの距離を決定することを可能にするために、コンピュータ可読コードを撮像するように構成され得る。
【0008】
例えば既知の向きで位置する1つ又は複数のデジタル撮像装置までの複数の距離を決定するために、ホイール組立体の周りに配置された複数の光学ゲージが使用されてもよい。平面が距離に基づき画定されてもよい。平面はホイール組立体のアライメントを表す。
【0009】
そのようなシステムを使用してホイール組立体のアライメント特徴を決定する方法は、1つ又は複数の光学ゲージをホイール組立体に貼付することと、投光器からの光を反射器へ投射することと、投光器からの光を反射器で光学ゲージへ方向付けることと、光学ゲージから反射された光をデジタル撮像装置で撮像することとを含む。方法は、光学ゲージから反射された撮像された光及びゲージ片の既知の寸法及び反射器の既知の角度に基づき光学ゲージからの距離をコントローラで計算することをさらに含む。
【0010】
本発明によるさらなる実施形態によると、自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメント特徴を決定するためのシステムが、ホイール組立体のホイールに選択的に付けられるように構成された取付シートを含む。取付シートは、そこに配置された複数の光学ゲージを含む。複数の光学ゲージは各々既知の寸法を含むゲージ片を含む。システムは、取付シートがホイール組立体のホイールに付けられると光学ゲージの1つ又は複数上に方向付けられた光を投射するように構成された投光器と、デジタル撮像装置と、コントローラとをさらに含む。デジタル撮像装置は、光学ゲージから反射された投光器からの光を撮像するように構成される。コントローラは、光学ゲージから反射された撮像された光及びゲージ片の既知の寸法に基づき光学ゲージからの距離を計算するように構成される。さらなる態様において、システムは反射器に光を投射するように構成された投光器を備えた反射器を含む。反射器は光を光学ゲージへ既知の角度で方向付けるように構成される。コントローラは、既知の角度にさらに基づき光学ゲージからの距離を計算するように構成される。
【0011】
実施形態の特定の態様により、取付シートは、ホイール組立体のホイールに接着により取り付けられた下側を含む。取付シートはコンピュータ可読コードをさらに含み得る。なおさらに、アプリケータ機械が、取付シートをホイール組立体のホイールに施すために使用されてもよい。
【0012】
そのようなシステムを使用してホイール組立体のアライメント特徴を決定する方法は、したがって、複数の光学ゲージを有する取付シートをホイール組立体へ貼付することと、投光器からの光を反射器へ投射することと、投光器からの光を反射器で光学ゲージへ方向付けることと、光学ゲージから反射された光をデジタル撮像装置で撮像することと、前記光学ゲージから反射された撮像された光及びゲージ片の既知の寸法に基づき光学ゲージからの距離をコントローラで計算することとを含む。
【0013】
本発明は、したがって、自動車に取り付けられたホイール組立体のアライメントを決定するための費用効果的で費用対効果の高いシステム及び方法を提供する。この発明のこれらの及び他の目的、利点、目的及び特徴は、図面とあわせて以下の明細書を再検討すると明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】自動車のホイール組立体のアライメントを決定するための本発明によるシステムの斜視図である。
図2】タイヤ及びホイール組立体のトー角の図である。
図3】タイヤ及びホイール組立体のキャンバー角の図である。
図4】光学ゲージが貼付された図1の自動車のタイヤ及びホイール組立体を正面図である。
図5】タイヤ及びホイール組立体から取り外された図1及び4の光学ゲージの平面図である。
図6図5の光学ゲージの側面図である。
図7】ホイール組立体に対して図示されたシステムの平面図である。
図8】本発明の別の態様による自動車のホイール組立体のアライメントを決定するためのシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明がここで貼付の図を参照して説明される。以下の説明において番号を付された要素は図における同様の番号を付された要素に対応する。ホイールアライメント測定システム20が、図1の例示された実施形態に示されるとおり、自動車24のホイール組立体22のアライメントを測定及び/又は決定するために使用される。システム20は、ホイール組立体22に貼付された複数の光学ゲージ26と、投射された光30をホイール組立体22上に方向付けるために光30(図7)を調整可能な反射器32に投射する投光器28と、投射された光30からの光学ゲージ26で反射された光35を撮像するカメラ又はデジタル撮像装置34とを含む。図示の実施形態において、以下でより詳細に検討されるとおり、光学ゲージ26は、正確に知られている寸法を有し、反射器32は、例えばタイヤ及びホイール組立体22の光学ゲージ26の走査を可能にするために微小電気機械システム(「MEMS」)反射器又は鏡として構成される。光学ゲージ26の既知の寸法、並びに反射器32に対する投光器28及びカメラ34の既知の向き、並びに反射器32の既知の角度方向に基づき、光学ゲージ26に基づくタイヤ及びホイール組立体22からカメラ34までの距離は正確に決定され得る。タイヤ及びホイール組立体22の複数の光学ゲージ26までの距離を決定することにより、ホイール組立体22したがってホイール組立体22のアライメントの3次元方向を表わす平面が決定され得る。さらに、図示の実施形態において、光学ゲージ26は、自動車24のタイヤ及びホイール組立体22の各々に取り外し可能に接着により貼付され、それによりシステム20は、ホイール組立体22のアライメントを決定するための正確で、効率的で費用効果的なシステムを提供する。
【0016】
システム20は、図1における1つのみのホイール組立体22との関連において示されているが、システム20は、光学ゲージ26が貼付された自動車24のホイール組立体22の各々と共に使用されてもよいこと、並びに別個の投光器28、偏向器32及びカメラ34が各ホイール組立体22と共に使用されてもよいこと、並びに/又は、自動車24のホイール組立体22の1つ又は全てで複数の投光器28、偏向器32及び/又はカメラ34が使用されてもよいことが理解される。なおさらに、投光器28、偏向器32及びカメラ34は、フレーム又は固定具33により既知の向きに一緒に保持され得る。図1からさらに理解されるとおり、システム20は、図2及び3に示されるとおり、例えばアライメント特徴、例えばトー角38及びキャンバー角40、並びにホイール組立体22の中心を含むホイール組立体22のアライメント特徴を決定するために、1つ又は複数のカメラ34からのデータの処理のための1つ又は複数のコンピュータ又はコントローラ36を追加的に含み得る。なおさらに、所与の軸について自動車22の両側で各ホイール組立体22のための平面を決定することは、自動車の中心線又は対称軸を決定することを追加的に含み得る。例えば、自動車24の両側にあるホイール組立体22のために別個の投光器28、偏向器32及びカメラ34を用いることにより、自動車の中心線又は対称軸が決定されることがさらに可能となり得る。
【0017】
図5~7から理解されるとおり、光学ゲージ26は、図示の実施形態において、ゲージ片42と、基板44と、ホイール組立体22に取り外し可能に接着する又はくっつくようにマスチックの下側を有する接着テープ46として構成された取付ベース又はストリップとを含む。ゲージ片42は、その高さ又は厚さについて正確に知られている寸法を有するように構築される。高さ又は厚さは図6及び7において参照文字「A」により示されているとともに、その幅W及び/又は長さLについて正確に知られている寸法を含み得る。ゲージ片42は、ゲージ片42の頂面50に印刷又は貼付されたコード48、例えばコンピュータ可読コード、例えばバーコードを追加的に含む。以下でより詳細に検討されるとおり、システム20は、ゲージ片42の正確に知られている寸法に基づきホイール組立体22からカメラ34までの距離を決定することができる。基板44は、ゲージ片42を支持するとともにゲージ片42の頂面50から基板44の表面52までの高さAを確立する表面を提供する。テープ46は、同様に、光学ゲージ26をホイール組立体22に固定するために使用される接着性又はマスチックの下側54を有する。図5及び6の図示の実施形態は縮尺通りでない場合があることが認められるべきである。すなわち、例えば、ゲージ片42は、それ自体テープ状の部材である薄い構成要素、又はさらには異なるプロファイルを有する代替的部材として構築されてもよい。同様に、基板44はより薄くてもよい。
【0018】
図1及び4から理解されるとおり、光学ゲージ26はホイール組立体22の周りの様々な位置に貼付され、ホイール組立体22はホイール56及びタイヤ58の両方を含む。図示の実施形態において、3つの光学ゲージ26がタイヤ58の部分の周りに貼付された状態で示されている。3つ以上の光学ゲージ26が平面を画定するように使用されてもよい。光学ゲージ26の配置は、好ましくはホイール組立体22の共通の側面又は特徴部でなされる。例えば、図4及び7から理解されるとおり、光学ゲージ26は、全てタイヤ58の隆起領域に配置されるように位置付けられる。しかしながら代替的に、光学ゲージ26は、ホイール56及び/又はタイヤ58の異なる位置に、例えばリム特徴部などに配置されてもよい。
【0019】
システム20の動作がここで図7を参照してより詳細に検討される。そこに示されるとおり、図示の実施形態においてレーザープロジェクタとして構築されている投光器28は、光30を反射器32に投射する。反射器32はMEMS鏡又は反射器として構成される。角度は調整可能に制御可能であるとともに正確に知られている。反射器32は、それにより、光をホイール組立体22上へ、特に光学ゲージ26上へ方向付けることができる。一実施形態において、反射器32は、光学ゲージ26にわたってラスタパターンで反射の角度を調整するように動作させられ、例えばそれにより光学ゲージ26を走査する。光学ゲージ26からの反射された光35は次いでカメラ34により撮影される。カメラ34は、図示の実施形態においては撮像センサ、例えばデジタルCMOSフォトセンサアレイなどとして構成される。光学ゲージ26の走査は、光学ゲージ26の、特にゲージ片42の3次元モデルを形成するために使用されてもよい。
【0020】
光学ゲージ26の及び特にゲージ片42の既知の寸法、並びに反射器32に対する投光器28及びカメラ34の既知の向き、並びに反射器32の既知の角度方向に基づき、光学ゲージ26に基づくタイヤ及びホイール組立体22からカメラ34までの距離は正確に決定され得る。特に、先述のとおり、光学ゲージ26のゲージ片42の寸法Aは極めて正確に知られており、カメラ34から反射器32までの図7の距離Bも同様に、温度変化についても含めて極めて正確に知られている。述べられたとおり、角度Cは走査を可能にするように調整可能であり、角度は極めて正確に知られている。距離Dは次いで、ゲージ片42の頂面50からのDを決定するためにカメラ34により撮影されたAのリアルタイム観察に基づき求められる。特に、距離Dは、光学ゲージ26の既知の寸法に加えて、光源28、カメラ34、反射器32及びホイール組立体22の光学ゲージ26の三角関数の関係に基づき求められる。距離Dはしたがって、光学ゲージ26から、例えばゲージ片42の頂面50からカメラ34までの距離であり、したがってホイール組立体22までの距離を表す。
【0021】
例えばホイール組立体22に位置する各光学ゲージについてホイール組立体22及びしたがってホイール組立体22のアライメントの3次元の向きを表す平面を決定するために、カメラ34により撮影されたリアルタイム観察は、距離Dの決定のためにコンピュータ36に提供され得ることがさらに認められるべきである。さらに、コンピュータ36は、自動車24のホイール組立体22の各々で他のカメラ34により撮影されたリアルタイム観察を受信し得る。各ホイール組立体22について、単一の光源28、反射器32及びカメラ34があっても、各ホイール組立体22にこれらの構成要素の1つ又は複数が複数あってもよいことが認められるべきである。
【0022】
本発明のさらなる態様において、先述のコンピュータ可読コード48は、アライメントを決定するためのプロセス及び方法に関連する様々な側面のために使用され得る。例えば、コード48は、例えばカメラ34により及びコンピュータ36により、例えば反射された光35を介して読み取られてもよい。コード48は距離Dが求められる前に第1に読み取られなくてはならない。コード48は、システム20に関連した使用のために提供された、例えばシステム20の製造者により提供された本物の光学ゲージ26であることの確認を提供し得る。コード48は、したがって、コンピュータ36内のソフトウェアを解除する又は有効にするためのツール又はコード、例えばDを求める及び/又はホイール組立体22のアライメントを決定するために使用される三角関数に基づくソフトウェアコードとして機能し得る。さらに、各光学ゲージ26は、光学ゲージ26の単回の使用を有効にするように構成されたそれ自体の固有のコードを有し得る。このような方法で、例えば、4つのホイール組立体22を有するとともにホイール組立体22毎に3つの光学ゲージ26を用いる自動車22は、自動車22のホイール組立体22の各々のアライメントを決定する際に使用するために12個の個々の光学ゲージ26を使用することになる。単回の使用は、例えば、自動車修理店でのアライメント設定プロセス中のアライメントの決定を含み得る。例えば別の自動車のための後続のアライメント決定には新たな光学ゲージ26の使用が求められ得る。
【0023】
ここで図8を参照すると、自動車24のホイール組立体22のアライメントを測定及び/又は決定するためのシステム120の別の実施形態が開示される。システム120は、同様の参照符号で特定される同様の特徴を備えたシステム20と類似しているが、システム120の参照符号には「100」が加えられている。類似性を原因として、システム120の特徴及び機能の全てが本明細書において検討されるわけではない。
【0024】
システム120は、ホイール組立体22のホイール56の外面に及び外面にわたって施された取付ベース又はシート146で支持された複数の光学ゲージ126を含む。図示の実施形態において、取付ベース146は、ホイール56に貼付され得るより大きいマスチックテープシートとして構成される。システム20と同様のやり方で、投光器28は、光30を調整可能な反射器32に投射し、投射された光30を光学ゲージ126に方向付け、カメラ又はデジタル撮像装置34が、投射された光30からの光学ゲージ26で反射された光35を撮像する(図1を参照)。接着性取付シート146は、それにより、ホイール組立体22のホイール56の損傷を防ぐための保護層として機能する。このことは、自動車24は望ましくは修理及び/又は補修管理作業中に損傷から保護されるべき高価なホイール56が設けられることの多い場合があるという点で有利である。接着性取付シート146はまた、光学ゲージ126をホイール組立体22のアライメント向きを決定する際に使用するための制御された向きに置くように機能する。
【0025】
図示の実施形態において、光学ゲージ126は正確に知られている寸法を有する。反射器32は、例えばタイヤ及びホイール組立体22のホイール56での光学ゲージ126の走査を可能にするために、微小電気機械システム(「MEMS」)反射器又は鏡として構成される。光学ゲージ126は基板144とゲージ片142とを含む。光学ゲージ26と同様に、ゲージ片142の既知の寸法、並びに反射器32に対する投光器28及びカメラ34の既知の向き、並びに反射器32の既知の角度方向に基づき、光学ゲージ126に基づくタイヤ及びホイール組立体22、特にホイール56からカメラ34までの距離が正確に決定され得る。図示の実施形態において、3つの光学ゲージ126は、取付シート146上にある複数の光学ゲージ126までの距離を決定することにより、ひいてはホイール組立体22のアライメントに対応するホイール56及びしたがってホイール組立体22の3次元方向を表す平面が決定され得るように取付シート146に配置される。接着性取付シート146が自動車24のタイヤ及びホイール組立体22の各ホイール56に施され得ること、並びに4つ以上の光学ゲージ126が所与の取付シート146に配置され得ることが認められるべきである。なおさらに、取付シート146は、カメラ34により撮像され及び/又はコントローラ36により読み取られて、アライメント決定ソフトウェアの使用を有効にする、例えばアライメント決定ソフトウェアの単回の使用を可能にするコンピュータ可読コード148を含んでもよい。新たな光学ゲージを支持する新たな取付シート146が各ホイール組立体22のために使用されなければならない。
【0026】
特定の実施形態において、機械又は組立体160が取付シート146をホイール組立体22のホイール56に施すために提供される。このような実施形態において、機械160は取付シート146を各ホイール56に施すように構成される。取付シート146は個々の取付シート146であっても複数の取付シート146のロールであってもよい。取付シート146は、底面全体にわたって又は、取付シート146の底面の外側外周部分など一部のみにわたってマスチック又は接着剤を含み得る。
【0027】
具体的に説明された実施形態の変更及び修正は、均等論を含む特許法の原理に従って解釈されるとおり、貼付のクレームの範囲によってのみ限定されることが意図された本発明の原理から逸脱すること無しに、実施され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】