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特表2024-502857充填されたシリンジを輸送するための輸送トレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】充填されたシリンジを輸送するための輸送トレイ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20240116BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
A61M5/00 518
A61M5/00 516
A61L2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542477
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022012150
(87)【国際公開番号】W WO2022155224
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/136,673
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティエンチー ハン
【テーマコード(参考)】
4C058
4C066
【Fターム(参考)】
4C058AA16
4C058BB06
4C058DD05
4C058KK02
4C058KK23
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066LL22
4C066NN04
(57)【要約】
充填された注射器を輸送するための輸送トレイであって、トレイは、後棚から離間した前棚を含み、前棚と後棚がほぼ同じ平面上にある、輸送トレイ。前棚は、少なくとも1組の対の可撓性フィンガを含み、対の可撓性フィンガは、注射器のバレルを収容し、その結果、注射器をトレイ上に保持するのに十分に離間される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填済みの注射器を輸送するための輸送トレイであって、
前棚が後棚から離間して配置され、ほぼ同じ平面上にある、前記前棚および前記後棚を含み、
前記前棚は、少なくとも1組の対の可撓性フィンガを含み、前記対の可撓性フィンガは、注射器のバレルを収容して前記注射器を当該トレイ上に保持するのに十分な間隔をあけて配置されている、輸送トレイ。
【請求項2】
前記対の可撓性フィンガの間に位置する溝をさらに備える、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項3】
前記対の可撓性フィンガの各可撓性フィンガは、後方に曲げられた縁部を含む、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項4】
前記トレイは、対の可撓性フィンガの複数組を含み、前記対の可撓性フィンガの複数組のうちの少なくとも1つは、対の可撓性フィンガの間に、前記対の可撓性フィンガの複数組のうちの別の組の前記対の可撓性フィンガの間の間隔よりも大きな空間を有する、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項5】
前記後棚に隣接し、前記後棚の上に延びる三面の隆起壁をさらに備える、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項6】
トレイカバーをさらに備え、前記トレイカバーは、前記三面の隆起壁上に解放可能に配置される、請求項5に記載の輸送トレイ。
【請求項7】
前記トレイカバーは、前記トレイカバーと前記三面の隆起壁との間の磁気インターフェースによって前記三面の隆起壁上に解放可能に配置される、請求項6に記載の輸送トレイ。
【請求項8】
前記前棚に隣接する第3の棚をさらに備え、前記第3の棚は、前記前棚よりも高さが低い、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項9】
少なくとも1つのカバーをさらに備え、前記カバーが前記第3の棚に支持される、請求項8に記載の輸送トレイ。
【請求項10】
前記対の可撓性フィンガの各組のための前記カバーのうちの1つをさらに備える、請求項9に記載の輸送トレイ。
【請求項11】
前記トレイと前記カバーとの間に、前記カバーを前記トレイに取り外し可能に固定する磁気インターフェースをさらに備える、請求項9に記載の輸送トレイ。
【請求項12】
前記カバーが前記第3の棚上に支持されるときに、対の可撓性フィンガの各組に隣接し、前記カバーの下に設けられた紫外線光源をさらに備える、請求項9に記載の輸送トレイ。
【請求項13】
前記紫外線光源は、前記カバーが前記第3の棚に支持されているときに、前記カバーの下の領域を殺菌するのに十分な電力を有する、請求項12に記載の輸送トレイ。
【請求項14】
前記前棚と前記第3の棚との間に配置されたヒンジピンをさらに備える、請求項8に記載の輸送トレイ。
【請求項15】
少なくとも1つのカバーをさらに備え、前記カバーは、前記ヒンジピン上に受け入れられ、前記対の可撓性フィンガのうちの1つと整列されたヒンジを有する、請求項14に記載の輸送トレイ。
【請求項16】
前記対の可撓性フィンガの各組のための前記カバーのうちの1つをさらに備える、請求項15に記載の輸送トレイ。
【請求項17】
前記トレイと前記カバーとの間に、前記カバーを前記トレイに取り外し可能に固定する磁気インターフェースをさらに備える、請求項15に記載の輸送トレイ。
【請求項18】
対の可撓性フィンガの各組に隣接する紫外線光源をさらに備える、請求項15に記載の輸送トレイ。
【請求項19】
前記紫外線光源は、前記ヒンジが前記ヒンジピンに受け入れられるときに、前記カバーの下の領域を殺菌するのに十分な電力を有する、請求項18に記載の輸送トレイ。
【請求項20】
前記トレイは、前記対の可撓性フィンガのそれぞれに関連付けられた凹部をさらに備え、前記カバーは、前記凹部を覆うことができる、請求項16に記載の輸送トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、薬剤を輸送するための装置および方法に関し、より具体的には、充填された薬剤の注射器を輸送するための輸送トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、必ずしも本開示に関連する発明の概念の先行技術ではない背景情報を提供する。
【0003】
病院環境では、看護師または医師がインスリンなどの薬剤を多用途バイアルを使用してベッドサイドで投与することが一般的であった。この実践は迅速であり、バイアルからの抜去から患者への投与までの間に注射器(syringe)からの薬剤の喪失の可能性を伴わなかった。近年、この慣行は変更されている。現在、より一般的な慣行は、病院の薬局が薬剤を調製し、それを注射器にロードすることであり、それは医師または看護師が薬局から入手しなければならない。次いで、充填された注射器は、投与前に薬局から患者に輸送される必要がある。多くの場合、これらの注射器は手で運ばれたり、患者のカルテにクリップされたりする。多くの場合、これは輸送プロセス中に薬剤のいくらかの損失をもたらす。注射器のプランジャは、輸送中に誤ってぶつかったり移動したりする可能性があり、薬剤が失われたり、空気がシリンジに導入されたりする可能性がある。緩い注射器はまた、輸送中に環境への曝露によって落下または汚染される可能性がある。さらに、しばしば効率を向上させるために、看護師または医師が一度に複数の患者のために複数の注射器を回収することになるため、注射器を混ぜ合わせ、誤った投与量または薬剤を患者に投与する可能性がある。
【0004】
したがって、注射器からの薬剤の損失なしに、注射器を混ぜる可能性なしに、および交差汚染の可能性なしに、1つまたは複数の充填された注射器を第1の位置から第2の位置に輸送するための安全で効果的な方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはすべての特徴、態様、および目的の包括的な開示として解釈されることを意図するものではない。
【0006】
本発明の1つまたは複数の態様は、充填された注射器を輸送するための輸送トレイを提供することによって達成され、トレイは、後棚から離間した前棚を含み、前棚と後棚はほぼ同じ平面上にある。前棚は、少なくとも1つの対になった可撓性フィンガのセットを含み、対になった可撓性フィンガは、注射器のバレルを収容し、その結果、注射器をトレイ上に保持するのに十分に離間される。
【0007】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、本明細書の詳細な説明から当業者にとってより明らかになるであろう。詳細な説明に付随する図面を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に記載される図面は、選択された態様の例示のみを目的とするものであり、すべての実施態様を示すものではなく、本開示を実際に示されるもののみに限定することを意図するものではない。これを念頭に置いて、本開示の例示的な態様の様々な特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて考慮すると、以下の書面による説明および添付の特許請求の範囲から、当業者に明らかになるであろう。
図1図1は、本発明の一実施形態による、複数の装填された注射器のための輸送トレイの上面斜視図である。
図2図2は、図1の輸送トレイに固定された注射器の拡大図である。
図3図3は、本発明による任意選択の輸送トレイカバーの上面斜視図である。
図4図4は、図3の任意選択のカバーが所定の位置にある図1の輸送トレイの上面斜視図である。
図5図5は、本発明による輸送トレイの別の実施形態の部分上面図である。
図6図6は、本発明による輸送トレイの別の実施形態の部分図である。
図7図7は、本発明による図6に示されるヒンジ付きカバーの詳細図である。
図8図8は、図6に示される実施形態の別の部分上面図である。
図9図9は、図6に示される実施形態の別の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、本開示の理解を提供するために詳細が記載されている。
【0010】
実施形態は相互に排他的であることを意図しておらず、一実施形態の特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0011】
明確にするために、例示的な態様を本明細書で説明して、本開示の範囲を関連技術分野の当業者に伝える。本開示の様々な態様の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、および方法の例など、多数の具体的な詳細が記載されている。周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術などの特定の詳細は、当業者によってすでによく理解されているため、本明細書で説明する必要はなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具現化され得、どちらも本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないことは当業者には明らかであろう。
【0012】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がほかに明確に示さない限り、複数形をも含むことが意図される。用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載される方法のステップ、プロセス、および動作(operations)は、特にパフォーマンスの順序として識別されない限り、必ずしも説明または例示される特定の順序でのパフォーマンスを必要とするものと解釈されるべきではない。追加のまたは代替のステップが採用され得ることも理解されるべきである。
【0013】
要素または特徴が、別の要素または特徴に「載っている」、「係合される」、「接続される」、「結合される」、または「動作可能に接続される」、または「動作可能に通信(communication)される」と称されるとき、それは、他の要素または積み重ね(layers)に直接載っている、係合される、接続される、または結合される場合もあり、または介在する要素または特徴が存在し得る。対照的に、要素が「直接に」、「直接に係合している」、「直接に接続されている」、または「直接に結合されている」と呼ばれる場合、介在する要素または積み重ねは存在しない場合がある。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様の方法で解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣接」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたはそれ以上の任意およびすべての組み合わせを含む。
【0014】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、積み重ねおよび/またはセクションを説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、積み重ねおよび/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、積み重ね、または部分を別の領域、積み重ね、または部分と区別するためにのみ使用される。本明細書で使用される場合、「第1の」、「第2の」、および他の数値用語などの用語は、文脈によって明確かつ明示的に示されない限り、配列または順序を意味するものではない。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、積み重ね、または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、積み重ね、または部分と称することができる。
【0015】
本明細書の説明の目的のために、用語「上部」、「下部」、「右」、「左」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」、およびそれらの派生語は、図で配向された本発明に関するものとするが、本開示は、反対に明示的に指定されている場合を除き、様々な代替配向およびステップ順序を想定し得ることを理解されたい。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される特定のデバイスおよびプロセスは、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の概念の例示的な態様であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、特許請求の範囲が明示的に別段の定めをしない限り、限定するものと見なされるべきではない。「実質的に」、または「約」のような程度の用語は、当技術分野に熟練した者によって、所与の値の周囲およびそれを含む合理的な範囲、ならびに所与の値の外側の範囲、例えば、実施形態の製造、組立、および使用に関連する一般的な許容範囲を指すように理解される。構造または特性を指す場合の「実質的に」という用語は、その特性または構造内に大部分または完全に存在する特性を含む。
【0016】
図面をより詳細に参照すると、図1は、本発明の一実施形態による、複数の装填された注射器のための輸送トレイの上面斜視図である。輸送トレイは、単一の注射器50がトレイ10に装填された状態で概して10で示される。注射器50は、当業者に知られているように、フィンガサポート56およびプランジャ58を含む。トレイ10は、前面側壁12と、対向する後面側壁14と、対向する一対の端壁16とを含む。トレイ10は、概して長方形の形状を有するように示されているが、当業者によって理解されるように、他の形状を利用してもよい。トレイ10は、前棚18および後棚20をさらに含み、好ましくは、前棚18および後棚20は、実質的に同じ高さであり、実質的に同じ平面上にある。前棚18と後棚20との間の距離は、注射器50がトレイ10に装填されるときに、注射器50の後部が後棚20上で支持されるようにサイズ設定される。前棚18と後棚20との間に位置するのは、4つの内壁24によって画定される中央穴22である。
【0017】
中央穴22は、長方形の形状を有するように示されているが、当業者に知られているように、他の形状を使用することができる。中央の開放空間22は、前面側壁12と内壁24のうちの1つとの間でトレイ10を把持することによって、ユーザがトレイ10を複数の方法で保持することを可能にする。三面隆起壁26は、2つの端壁16および後面側壁14の上部に配置される。隆起壁26は、後棚20に隣接し、後棚20の上に延在する。隆起壁26は、一対の端面28を含む。前棚18は、対の可撓性フィンガ30の複数のセットと、対の可撓性フィンガ30の各々の間に配置された溝32とを含み、対をなす可撓性フィンガ30のセットは、互いに離間されている。加えて、対の可撓性フィンガ30の各セットの間に位置するのは、開放空間34である。前棚18は、各トレイ10を識別するための識別マークとして機能する任意の指標36をさらに含む。指標36は、任意の文字を使用して、1つのトレイ10を別のトレイから識別する方法を提供することができる。開放空間34は、薬剤が正しい患者に与えられ、注射器50の内容物を識別することを確実にするために、隣接する1組の対の可撓性フィンガ30に配置された注射器50の内容物を識別するためのラベルを配置することができる場所として機能する。
【0018】
図2は、輸送トレイ10内の一対の可撓性フィンガ30の間に固定された注射器50の拡大図である。可撓性フィンガ30は、それらの間に注射器50のバレルを収容するのに十分な距離離間されている。図示されるように、各可撓性フィンガ30は、前棚18上に形成され、それぞれは背面が曲げられてまたは後ろに曲げられた縁部38を有する。後に曲げられた縁部38を用いると、可撓性フィンガ30の間に注射器50を挿入することが容易になる。図示されるように、注射器50は、注射器ハブ52および針カバー54を含む。注射器50は、好ましくは、対の可撓性フィンガ30に固定されたときに、注射器ハブ52が前面側壁12に対して配置されるように、トレイ10内に配置される。好ましい実施形態では、対の可撓性フィンガ30および溝32を含むトレイ10全体は、単一の部品として形成される。
【0019】
トレイ10は、任意のサイズの注射器50を収容するように設計された可撓性フィンガ30および溝32で作製することができる。インスリン注射器の場合、典型的なサイズは、0.3ミリリットル、0.5ミリリットル、および1ミリリットルの注射器である。好ましくは、ペアリングされた可撓性フィンガ30は、これらの3つのサイズのうちのいずれか1つをすべて同じサイズの可撓性フィンガ30で収容するのに十分な量の屈曲を有する。より大きな注射器を収容することが望ましい場合、本発明の範囲から逸脱することなく、任意のサイズの注射器を収容するために、可撓性フィンガ30および溝32をより大きく形成し、さらに離間させることができる。加えて、トレイ10は、同じトレイ10が様々なサイズの注射器50を収容することができるように、異なるサイズの対の可撓性フィンガ30および溝32を有するように設計され得る。トレイ10は、一対の可撓性フィンガ30に位置する注射器50のフィンガサポート56およびプランジャ58が後棚20上で支持されるように寸法決定される。後棚20は、プランジャ58が完全に引き出されて注射器50を薬剤で完全に満たすときでさえ、フィンガサポート56およびプランジャ58を収容するのに十分な深さである。隆起壁26は、それらが後棚20上に配置されているときにフィンガサポート56およびプランジャ58の高さよりも高くなるのに十分な高さで後棚20の上に延びる。したがって、対の可撓性フィンガ30のセットに位置する充填された注射器50は完全に保護され、プランジャ58は、トレイ10内の注射器50の輸送中に破壊(disrupted)されることはない。中央穴22のサイズは、当業者に知られているように、本発明の範囲から逸脱することなく、より長い長さを有する注射器50を収容するためにより大きくすることができ、隆起壁26はより高くすることができる。
【0020】
図3は、本発明による、一般に100で示される任意選択の輸送トレイカバーの上面斜視図である。トレイカバー100は、平面102と、平面102の下に延びる一対のタブ104とを含む。一実施形態によれば、タブ104は、好ましくは、平面102に対して約90度に配置される。カバー100は、図4に示されるように、タブ104が端面28に対して配置された状態で隆起した壁26の上部に適合するように寸法決定される。図4のトレイカバー100は、不透明として示され、それを通して見ることができないことを意味する。しかしながら、上述したように、トレイカバー100はまた、透明であることができる。好ましくは、タブ104または端面28の一方は、磁気パッド106を含み、他方は、金属パッドを含み、密接に接触させると、カバー100がこの磁気インターフェースによって取り外し可能な方法でトレイ10に磁気的に固定される。カバー100を取り外し可能な方法でトレイ10に固定する他の方法は、当業者に知られているように、端面28上のスナップタブまたはタブ104を収容するために端面28に隣接するトレイ10内のスロットの使用を含むことができる。好ましくは、カバー100は、注射器50がそれを通して見えるように、透明な材料で形成される。カバー100はまた、不透明であるか、または1つ以上の単色であるようにすることができる。カバー100は、所定の位置にあるとき、トレイ10の輸送中に注射器50が妨害されないことをさらに保証する。
【0021】
図5において、輸送トレイの別の実施形態は、概して210で示される。このトレイ210と図1~4に示されるものとの間の共通の特徴は、同じ参照番号でラベル付けされる。このトレイ210の追加の特徴は、前棚18に隣接して配置された第3の棚220を含む。第3の棚220は、少なくとも1つのカバー222を収容し、好ましくは、前棚18よりも高さが低い。病院の薬局では、使用者は、注射器50から針カバー54を取り外して薬剤で満たさなければならない。次に、無菌性を確保するために、針カバー54を交換する。しかし、このプロセスは意図しない針刺しにつながる可能性があります。この可能性を回避するために、本発明の実施形態は、カバー222、好ましくは対の可撓性フィンガ30の各セットのための1つのカバー222の使用を含む。使用中、薬局は、注射器50に薬剤を充填し、それをトレイ210に配置し、次に、針カバー54を交換することなく、カバー222を針に被せる。薬局は、必要な注射器50のすべてを充填し、カバー222を使用して各注射器の裸の針を覆う。針カバー54は図5に示されているが、注射器50では交換する必要はない。
【0022】
一実施形態によれば、輸送中にカバー222を所定の位置に固定するために、好ましくは、カバー222とトレイ210との間、好ましくは前棚18上に磁気インターフェース324がある。あるいは、磁気インターフェースは、カバー222と第3の棚220との間に配置することができる。この磁気インターフェース324は、前棚18またはカバー222の一方が磁気であり、他方が金属部分を含むことを意味し、互いに近接しているときに磁気接続を確保する。同様に、第3の棚220上の磁気インターフェース324は、カバー222または第3の棚220のうちの1つが磁気であり、他方が金属部分を含むことを含み、互いに近接しているときに磁気接続を確保する。トレイ210の追加の特徴は、カバー222によって覆われた領域に位置する紫外線(UV)光源224を含むことである。このUV光源224は、露出した針およびカバー222の下の領域全体の無菌性を確保するのに十分な電力を有する。光源224は、カバー222によって覆われるすべてのものの無菌性を確保するために、トレイ210上のスイッチまたは他の手段によって、30秒などの期間、作動されるであろう。
【0023】
図6は、概して310で示される本発明による輸送トレイの別の実施形態の部分図である。このトレイ310と図1~4に示されるものとの間の共通の特徴は、同じ参照番号でラベル付けされる。輸送トレイ310は、ランプ(ramp)322によって前棚18に結合された第3の棚320を含む。第3の棚320は、前棚18よりも高さが低い。ヒンジピン324は、ランプ322が第3の棚320と出会うトレイ310の長さに沿っている。連続した長さとして示されているが、ヒンジピン324は、当業者に知られているように、本発明の範囲から逸脱することなくセグメント化することができる。
【0024】
ヒンジピン324上に受け入れられるヒンジ328を有するヒンジ付きカバー326が示される。ヒンジ付きカバー326は、トレイ310に装填された注射器50の露出した針の上に適合し、したがって、好ましくは、トレイ310上に対の可撓性フィンガ30の数だけヒンジ付きカバー326がある。一実施形態によれば、ランプ322は、図示されるように、対の可撓性フィンガ30のそれぞれと一直線に配置された複数の凹部330を含む。ヒンジ付きカバー326は、ヒンジピン324から凹部330を含む前棚18までの領域をカバーする。この構成はまた、薬局が注射器50を充填した後、針カバー54を交換する必要なく、注射器50をトレイ310に装填することができることを保証し、したがって、偶発的な針刺しの可能性を回避する。
【0025】
図7は、図6に示されるようなヒンジ付きカバー326の詳細図である。ヒンジ付きカバー326は、ランプ322の傾斜に一致するように傾斜した側壁332と、注射器50のバレルの形状に対応するための切り欠き334とを含む。詳細は図5に示されていないが、同じ切り欠き334が図5に示されるカバー222に見出される。ヒンジ付きカバー326は、ヒンジピン324で回転し、必要に応じてそれを開閉することを可能にする。図8に示されるように、各凹部330はまた、ヒンジ付きカバー326が所定の位置にあるときに、その領域およびヒンジ付きカバー326によって囲まれたすべてのものの無菌性を確保するための紫外線光源340を含む。トレイ210に関して上述したように、このUV光源340は、露出した針およびヒンジ付きカバー326の下の領域全体の無菌性を確保するのに十分な電力を有する。光源340は、カバー326によって覆われるすべてのものの無菌性を確保するために、トレイ310上のスイッチまたは他の手段によって、30秒などの期間、作動される。図9に示されるように、ヒンジ付きカバー326と前棚18との間には、トレイ310の輸送中にヒンジ付きカバー326が閉じたままであることを保証するための磁気インターフェース342も存在する。磁気インターフェース342は、前棚18またはヒンジ付きカバー326の一方が磁性体であり、他方が金属部分とすることで、互いに近接しているときに磁気接続を確保することができる。
【0026】
本開示の一態様は、充填された注射器を安全に輸送するための輸送トレイを提供することである。トレイは、前面側壁と、対向する後面側壁と、対向する一対の端壁とを含む。トレイは、好ましくは、同じ平面上に前棚および後棚を有する概して長方形の形状を有する。前棚と後棚との間に位置するのは、4つの内壁によって画定される中央穴である。中央穴は、好ましくは長方形の形状を有するが、当業者に知られているように、他の形状を使用することができる。三面隆起壁は、2つの端壁および後面側壁の上部に配置される。隆起壁は、後棚の上に延びている。隆起壁は、一対の端面を含む。前棚は、対の可撓性フィンガの複数のセットと、対の可撓性フィンガの各々の間に配置された溝とを含み、対をなす可撓性フィンガのセットは、互いに離間されている。加えて、対の可撓性フィンガの各セットの間に位置するのは、開放空間である。前棚は、各トレイを識別するための識別マークとして機能する任意の指標をさらに含む。指標は、任意の文字を使用して、1つのトレイを別のトレイから識別する方法を提供することができる。開放空間は、薬剤が正しい患者に与えられ、注射器の内容物を識別することを確実にするために、隣接する1組の対の可撓性フィンガに配置された注射器の内容物を識別するためのラベルを配置することができる場所として機能する。
【0027】
本開示の別の態様では、トレイは、前棚に隣接して配置された第3の棚をさらに含む。第3の棚は、注射器がトレイ内に配置されているときに注射器の針を覆うカバーを収容する。輸送中にカバーを所定の位置に固定するために、好ましくは、カバーと前棚の間に磁気インターフェースがある。あるいは、磁気インターフェースは、カバーと第3の棚との間に配置することができる。このトレイの追加の特徴は、カバーによって覆われた領域に位置する紫外線(UV)光源を含むことである。このUV光源は、露出した針およびカバーの下の領域全体の無菌性を確保するのに十分な電力を有する。
【0028】
本開示の別の態様では、輸送トレイは、ランプによって前棚に接合された第3の棚を含む。ヒンジピンは、ランプが第3の棚と接するトレイの長さに沿って伸びて、当業者に知られているように、ヒンジピンをセグメント化することができる。ヒンジピンに受け入れられるヒンジを有するヒンジ付きカバーも含まれる。ヒンジ付きカバーは、トレイに装填されたシリンジの露出した針の上に収まる。オプションのUV光源は、カバーで覆われた領域の下に配置することもでき、露出した針とカバーの下の領域全体の無菌性を確保するために使用することもできる。
【0029】
本発明のほんの少数の実施形態が示されおよび説明されてきたが、本発明は、説明された実施形態に限定されない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に他の変更を加えることもできることを理解されたい。加えて、本明細書に開示される実施形態、特徴および/または要素のうちの任意のものは、組み合わされる実施形態、特徴および/または要素が互いに矛盾しない限り、具体的に開示されない様々な付加的な組み合わせを形成するように互いに組み合わされてもよい。そのような変更および組み合わせの全ては、添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されるような本発明の範囲内であると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】