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特表2024-502870単結晶炉用導流筒、単結晶炉及び導流筒の加工方法
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  • 特表-単結晶炉用導流筒、単結晶炉及び導流筒の加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】単結晶炉用導流筒、単結晶炉及び導流筒の加工方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/06 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
C30B29/06 502C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542566
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2022078641
(87)【国際公開番号】W WO2022199339
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110320307.X
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523194961
【氏名又は名称】ジョンフアン アドヴァンスド セミコンダクター マテリアルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】王双麗
(72)【発明者】
【氏名】陳俊宏
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077BA04
4G077CF10
4G077EG15
4G077EG24
4G077EG25
4G077HA12
4G077PE22
(57)【要約】
単結晶炉(100)用導流筒(1)、単結晶炉(100)、及び導流筒(1)の加工方法であって、導流筒(1)の内輪郭線は、鉛直方向に延在する第1直線分(11)と、一端が第1直線分(11)に連結し、他端が傾斜して上方に延在する第2直線分(13)と、線分群(14)とを含み、第2直線分(13)と鉛直方向とのなす角度α≧45°であり、線分群(14)は、順に連結され且つ傾斜角度が異なる複数の直線分を含み、結晶棒(5)から線分群(14)上に伝達された熱を水冷ジャケット(3)に向かって伝達するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶炉用導流筒であって、前記単結晶炉は、導流筒、炉体、水冷ジャケット、及び坩堝を含み、前記導流筒、水冷ジャケット、及び坩堝は、いずれも前記炉体内に設けられ、前記坩堝内に結晶棒が形成されており、前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記結晶棒に周設され、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置し、前記結晶棒の軸断面の位置する平面を参照面と定義し、前記導流筒は前記参照面で切断されて切断面を形成し、
前記切断面の前記結晶棒側に位置する内輪郭線は、
鉛直方向に延在する第1直線分であって、前記坩堝の液面に隣接する一端が、前記液面と離間している第1直線分と、
一端が前記第1直線分の前記坩堝から離反する一端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する第2直線分であって、鉛直方向とのなす角度はαであり、且つα≧45°を満たす第2直線分と、
順に連結され且つ傾斜角度が異なる複数の直線分を含み、一端が前記第2直線分の他端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する線分群であって、前記結晶棒から前記線分群に伝達された熱を前記水冷ジャケットに向かって伝達し、前記水冷ジャケットを利用して前記熱が逆に前記結晶棒に伝達することを阻止するように構成される線分群と、を含む単結晶炉用導流筒。
【請求項2】
前記結晶棒の径方向において、前記第2直線分の前記結晶棒から離反する一端は、前記水冷ジャケットの外縁と面一になるか、又は、前記水冷ジャケット外縁の外側に位置する、請求項1に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項3】
前記αは、50°≧α≧45°を満たす、請求項1に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項4】
前記直線分の両端をそれぞれA端及びB端と定義し、前記A端の前記結晶棒上への正投影をCと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、線分ABが∠EACの角二等分線に垂直で、且つ線分AEが線分BDと平行に設定されることを満たし、前記A端は、前記直線分の前記結晶棒に隣接する一端である、請求項2に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項5】
前記線分群に含まれる前記直線分の数はXであり、且つ30≧X≧10を満たす、請求項2に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項6】
前記結晶棒の軸方向において、前記第1直線分の前記液面に隣接する一端と前記液面との間隔はLであり、且つ50mm≧L≧20mmを満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項7】
前記炉体の径方向に内側から外側に向かって、前記導流筒の底面と前記液面との間隔が徐々に小さくなり、前記導流筒の底面と前記液面とのなす角度はβであり、且つ8°≧β≧1°を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項8】
前記液面は、前記坩堝の内周壁と第1アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の外周壁との連結箇所は、前記第1アーク面と平行に設定される第2アーク面を形成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項9】
前記液面は、前記結晶棒の外周壁と第3アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の内周壁との連結箇所は、前記第3アーク面と平行に設定される第4アーク面を形成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒。
【請求項10】
炉体と、
前記炉体内に設けられる坩堝であって、内部に結晶棒が形成されている収納スペースを有する坩堝と、
水冷ジャケットと、
請求項1~9のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒と、を含み、
前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記炉体内に設けられ、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置する、単結晶炉。
【請求項11】
前記水冷ジャケットは、
前記結晶棒に周設され、前記結晶棒の軸方向に延在する第1連結部と、
前記第1連結部の前記液面に隣接する一端に連結し、且つ前記結晶棒の径方向に延在する第2連結部と、を含む請求項10に記載の単結晶炉。
【請求項12】
前記第2連結部の前記液面に隣接する側の表面は、前記第1連結部に向かって凹む第1曲面に形成され、或いは、前記第2連結部の前記結晶棒に隣接する側の表面は、前記結晶棒から離反する方向に向かって凹む第2曲面に形成される、請求項11に記載の単結晶炉。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか1項に記載の単結晶炉用導流筒である導流筒の加工方法であって、
前記線分群は、順に連結され且つ傾斜角度が異なる直線分一から直線分Nの複数の直線分を含み、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、
前記第1直線分を加工するステップと、
前記第2直線分を加工するステップであって、前記第2直線分の始点は前記第1直線分の上端点であり、前記第2直線分の終点はA1点であり、前記A1点が前記水冷ジャケットのD点と前記結晶棒の径方向に面一になるステップと、
前記直線分一を加工するステップであって、前記直線分一の始点はA1であり、前記直線分一の終点はB1であり、前記A1点の前記結晶棒上への正投影はC1点であり、
前記A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第1参照線を作成することと、
EA1を前記D点の位置まで並進して前記第1参照線との交点B1を形成し、A1B1を前記直線分一とすることと、を含むステップと、
前記直線分二を加工するステップであって、前記直線分二の始点は、前記直線分一の前記B1点と重ね合わせるA2であり、前記直線分二の終点はB2であり、前記A2点の前記結晶棒上への正投影はC2点であり、
前記A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第2参照線を作成することと、
EA2をD点の位置まで並進して前記第2参照線との交点B2を形成し、A2B2を前記直線分二とすることと、を含むステップと、
前記直線分三を加工するステップであって、前記直線分三の始点は、前記直線分二の前記B2点と重ね合わせるA3であり、前記直線分三の終点はB3であり、前記A3点の前記結晶棒上への正投影はC3点であり、
前記A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第3参照線を作成することと、
EA3をD点の位置まで並進して前記第3参照線との交点B3を形成し、A3B3を前記直線分三とすることと、を含むステップと、
このように、
最後に、前記直線分Nを加工するステップであって、前記直線分Nの始点はAnであり、前記直線分Nの終点はBnであり、前記An点の前記結晶棒上への正投影はCn点であり、
前記An点を始点とし、∠EAnCnの角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第N参照線を作成することと、
EAnをD点の位置まで並進して前記第N参照線との交点Bnを形成し、AnBnを前記直線分Nとし、前記Nは、N>3を満たすこととを含むステップと、を含む導流筒の加工方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が202110320307.Xであり、出願日が2021年03月25日である中国特許出願に基づいて提出し、該中国特許出願についての優先権を主張し、該中国特許出願の全部内容は、参照することにより本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、単結晶炉の技術領域に関し、特に、単結晶炉用導流筒、単結晶炉及び導流筒の加工方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン結晶の成長時には、固液界面付近で結晶潜熱が発生するが、一般的に結晶の上方に結晶棒周りの導流筒を設け、ガスを導流筒内側に沿って結晶棒近傍の引き上げ領域に流し込むようにして、この領域をパージして結晶潜熱を除去する。単結晶シリコン棒の直径が大きくなるにつれて、結晶棒の中心部と外周部との温度差が大きくなり、結晶化速度を上げることが難しくなるだけでなく、結晶棒の内部に過度の熱応力が発生し、結晶棒の内部に穴や転位欠陥の欠陥が発生して、結晶棒の加工品質に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、結晶棒の加工品質を向上させることができる単結晶炉用導流筒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、さらに、上記単結晶炉用導流筒を含む単結晶炉を提供する。
【0006】
本願は、さらに、導流筒の加工方法を提供し、前記加工方法を利用して上記単結晶炉用導流筒を加工する。
【0007】
本願実施例に係る単結晶炉用導流筒によれば、導流筒、炉体、水冷ジャケット、及び坩堝を含み、前記導流筒、水冷ジャケット、及び坩堝は、いずれも前記炉体内に設けられ、前記坩堝内に結晶棒が形成されており、前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記結晶棒に周設され、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置し、前記結晶棒の軸断面の位置する平面を参照面と定義し、前記導流筒は前記参照面で切断されて切断面を形成し、前記切断面の前記結晶棒側に位置する内輪郭線は、鉛直方向に延在する第1直線分であって、前記坩堝の液面に隣接する一端が、前記液面と離間している第1直線分と、一端が前記第1直線分の前記坩堝から離反する一端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する第2直線分であって、鉛直方向とのなす角度はαであり、且つα≧45°を満たす第2直線分と、順に連結され且つ傾斜角度が異なる複数の直線分を含み、一端が前記第2直線分の他端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する線分群であって、前記結晶棒から前記線分群に伝達された熱を前記水冷ジャケットに向かって伝達し、前記水冷ジャケットを利用して前記熱が逆に前記結晶棒に伝達することを阻止するように構成される線分群と、を含む。
【0008】
本願実施例に係る単結晶炉用導流筒によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、前記結晶棒の径方向において、前記第2直線分の前記結晶棒から離反する一端は、前記水冷ジャケットの外縁と面一になるか、又は、前記水冷ジャケット外縁の外側に位置する。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記αは、50°≧α≧45°を満たす。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記直線分の両端をそれぞれA端及びB端と定義し、前記A端の前記結晶棒上への正投影をCと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、線分ABが∠EACの角二等分線に垂直で、且つ線分AEが線分BDと平行に設定されることを満たし、前記A端は前記直線分の前記結晶棒に隣接する一端である。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記線分群に含まれる前記直線分の数はXであり、且つ30≧X≧10を満たす。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記結晶棒の軸方向において、前記第1直線分の前記液面に隣接する一端と前記液面との間隔はLであり、且つ50mm≧L≧20mmを満たす。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記炉体の径方向に内側から外側に向かって、前記導流筒の底面と前記液面との間隔が徐々に小さくなり、前記導流筒の底面と前記液面とのなす角度はβであり、且つ8°≧β≧1°を満たす。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記液面は、前記坩堝の内周壁と第1アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の外周壁との連結箇所は、前記第1アーク面と平行に設定される第2アーク面を形成する。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記液面は、前記結晶棒の外周壁と第3アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の内周壁との連結箇所は、前記第3アーク面と平行に設定される第4アーク面を形成する。
【0017】
本願実施例の単結晶炉によれば、炉体と、前記炉体内に設けられる坩堝であって、内部に結晶棒が形成されている収納スペースを有する坩堝と、水冷ジャケットと、上記単結晶炉用導流筒とを含み、前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記炉体内に設けられ、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置する。
【0018】
本願実施例の単結晶炉によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記水冷ジャケットは、前記結晶棒に周設され、前記結晶棒の軸方向に延在する第1連結部と、前記第1連結部の前記液面に隣接する一端に連結し、且つ前記結晶棒の径方向に延在する第2連結部と、を含む。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記第2連結部の前記液面に隣接する側の表面は、前記第1連結部に向かって凹む第1曲面に形成される。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記第2連結部の前記結晶棒に隣接する側の表面は、前記結晶棒から離反する方向に向かって凹む第2曲面に形成される。
【0022】
本願実施例に係る導流筒の加工方法によれば、前記導流筒は上記単結晶炉用導流筒であり、前記線分群は、複数の順に連結され且つ傾斜角度が異なる直線分一から直線分Nを含み、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、前記第1直線分を加工するステップと、前記第2直線分を加工するステップであって、前記第2直線分の始点は前記第1直線分の上端点であり、前記第2直線分の終点はA1点であり、前記A1点が前記水冷ジャケットのD点と前記結晶棒の径方向に面一になるステップと、
前記直線分一を加工するステップであって、前記直線分一の始点はA1であり、前記直線分一の終点はB1であり、前記A1点の前記結晶棒上への正投影はC1点であり、前記A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第1参照線を作成することと、EA1を前記D点の位置まで並進して前記第1参照線との交点B1を形成し、A1B1を前記直線分一とすることと、を含むステップと、
前記直線分二を加工するステップであって、前記直線分二の始点は、前記直線分一の前記B1点と重ね合わせるA2であり、前記直線分二の終点はB2であり、前記A2点の前記結晶棒上への正投影はC2点であり、前記A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第2参照線を作成することと、EA2をD点の位置まで並進して前記第2参照線との交点B2を形成し、A2B2を前記直線分二とすることと、を含むステップと、
前記直線分三を加工するステップであって、前記直線分三の始点は、前記直線分二の前記B2点と重ね合わせるA3であり、前記直線分三の終点はB3であり、前記A3点の前記結晶棒上への正投影はC3点であり、前記A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第3参照線を作成することと、EA3をD点の位置まで並進して前記第3参照線との交点B3を形成し、A3B3を前記直線分三とすることと、を含むステップと、
このように、最後に、前記直線分Nを加工するステップであって、前記直線分Nの始点はAnであり、前記直線分Nの終点はBnであり、前記An点の前記結晶棒上への正投影はCn点であり、前記An点を始点とし、∠EAnCnの角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第N参照線を作成することと、EAnをD点の位置まで並進して前記第N参照線との交点Bnを形成し、AnBnを前記直線分Nとすることとを含むステップと、を含む。ここで、前記NはN>3を満たす。
【0023】
本願実施例に係る導流筒の加工方法によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0024】
本願のさらなる態様及び利点は、以下の説明において部分的に与えられ、一部は、以下の説明から明らかになるか、又は本願の実践から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願実施例に係る単結晶炉の構造概略図である。
図2】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
図3図2中のMにおける拡大図である。
図4】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
図5】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
【符号の説明】
【0026】
単結晶炉100、
導流筒1、第1直線分11、第2直線分13、
線分群14、直線分一141、直線分二142、直線分三143、直線分四144、直線分五145、
第2アーク面15、第4アーク面16、
炉体2、水冷ジャケット3、第1連結部31、第2連結部32、
第1曲面321、第2曲面322、第3曲面323、
坩堝4、第1アーク面41、第3アーク面42、
結晶棒5。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、当該実施例の例示を添付図面に示し、始めから終わりまで同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、あるいは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下に図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本願を説明するために用いられることを意図しており、本願を限定するものとして解釈されてはならない。
【0028】
以下の開示は、本願の異なる構成を実施するための多数の異なる実施例又は例を提供するものである。以下、本願の開示を簡略化するために、特定例示の部材及び設定について説明する。もちろん、これらは例示に過ぎず、本願を限定するものではない。なお、本願は、異なる例において、数字及び/又はアルファベットへの参照を繰り返すことができる。このような繰り返しは、単純化及び明確化のためであり、それ自体が、議論される様々な実施例及び/又は設定間の関係を示すものではない。なお、本願は、様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用可能性及び/又は他の材料使用を認識することができる。
【0029】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る単結晶炉100用の導流筒1について説明し、単結晶炉100は、導流筒1、炉体2、水冷ジャケット3及び坩堝4を含み、導流筒1、水冷ジャケット3、及び坩堝4は、いずれも炉体2内に設けられ、坩堝4内に結晶棒5が形成されており、導流筒1及び水冷ジャケット3は、いずれも結晶棒5に周設され、且つ水冷ジャケット3は導流筒1の上側に位置する。
【0030】
例えば、本願の一例では、坩堝4は、収納スペースを有し、加熱溶融用のシリコン原料を収納スペース内に配置し、炉体2内には坩堝4を加熱するヒーターが設けられ、ヒーターの加熱で、収納スペース内のシリコン原料を溶融してシリコン液にすることができる。炉体2内には、さらに、導流筒1及びアルゴンガス管が設けられ、アルゴンガス管は炉体2頂部を通過して炉体2内に入り込んで、導流筒1と結晶棒5で形成されたアルゴンガス通路を経過し、結晶棒の成長を促進する。炉体2内には、さらに、水冷ジャケット3が設けられる。水冷ジャケット3は、結晶棒5に周設され、且つ導流筒1の上側に位置し、結晶棒5から外に放射された熱を吸収して外に伝達するように構成され、それにより、結晶棒5の放熱効率を向上させる。
【0031】
図1及び図2に示すように、結晶棒5の軸断面の位置する平面を参照面と定義し、導流筒1は参照面で切断されて切断面を形成し、切断面の結晶棒5側に位置する内輪郭線は、第1直線分11、第2直線分13、及び線分群14を含む。
【0032】
具体的には、図1に示すように、第1直線分11は鉛直方向に延在し、且つ第1直線分11の坩堝4の液面に隣接する一端は、液面と離間されている。これにより、第1直線分11の底端とシリコン液の液面との間に、アルゴン用の気流通路を形成することができ、第1直線分11は一定の距離を有する直線分であるため、液面に近い領域が安定した温度勾配を維持することができ、結晶棒の成長に有利である。なお、第1直線分11の長さは、結晶棒5の成長直径に関するショルダーリングの高さと同じかそれ以上であるべきである。例えば、本願のいくつかの実施例では、8inchの結晶棒が成長される場合、そのショルダーリングの長さは約90mmとなるが、第1直線分11の長さは90mm以上であるべきであり、12inchの結晶棒が成長される場合、そのショルダーリングの長さは約160mmとなるが、第1直線分11の長さは160mm以上であるべきである。
【0033】
図2及び図3に示すように、第2直線分13は、一端が第1直線分11の坩堝4から離反する一端に連結し、他端が結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在し、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度はα(図3に示されるα)であり、且つα≧45°を満たす。第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0034】
具体的には、本願のいくつかの実施例では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、45°、48°、50°、55°、60°などであってもよい。第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、具体的には単結晶炉100の型番ンやサイズによって選択して設定されることができる。
【0035】
例えば、本願の一例では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は45°であり、結晶棒5上の熱は、結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、熱が第2直線分13に形成された入射角は45°であり、反射角が入射角に等しい原理により、反射角も同じく45°であり、第2直線分13が上方に傾斜して設定されているため、反射された熱が垂直に上向きに伝達され、即ち反射された熱が結晶棒5外壁面と平行な方向に沿って伝達され、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。
【0036】
また、例えば、本願の別の例示では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は60°であり、結晶棒5上の熱は、結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、熱が第2直線分13に形成された入射角は60°であり、反射角が入射角に等しい原理により、反射角も同じく60°であり、第2直線分13が上方に傾斜して設定されているため、反射された熱が上方に傾斜し且つ結晶棒5から離反する方向に伝達され、即ち反射された熱が結晶棒5から離反する方向に沿って上方に傾斜して伝達され、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。
【0037】
図2及び図3に示すように、線分群14は、順に連結され且つ傾斜角度の異なる複数の直線分を含み、その一端が第2直線分13の他端に連結し、他端が結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在する。理解されるように、線分群14は、順に連結される複数の直線分を含み、各直線分は、いずれも結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在する。例えば、線分群14は、5本の直線分を含み、第1本の直線分が第2直線分13に連結し、第2本の直線分が第1本の直線分に連結し、第3本の直線分が第2本の直線分に連結し、第4本の直線分が第3本の直線分に連結し、第5本の直線分が第4本の直線分に連結する。
【0038】
図1図3に示すように、線分群14は、結晶棒5から線分群14に伝達された熱を水冷ジャケット3に向かって伝達するように構成され、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。理解されるように、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達し、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止することができる。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。なお、第2直線分13及び線分群14を設定することにより、結晶棒5の冷却を加速することができるため、製造過程において結晶棒5の放熱段階にある時間を短縮することができ、結晶棒5の生産効率を速めることができる。
【0039】
本願実施例の単結晶炉100用の導流筒1によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0040】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3の外縁と面一になり、又は水冷ジャケット3外縁の外側に位置する。換言すれば、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端(即ち第2直線分13の上端)は、水冷ジャケット3の外縁と面一になってもよく、或いは、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3外縁の外側に位置する。これにより、第2直線分13で反射された熱は、水冷ジャケット3の外縁に反射されることができ、又は水冷ジャケット3の外側に反射されることができる。例えば、本願の1つの具体的な例示では、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3の外縁と面一になっている。
【0041】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、αは50°≧α≧45°を満たす。理解されるように、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度を45°~50°の間に設定することにより、熱が結晶棒5に戻ることを確保する前提で、第2直線分13の上端の半径を小さくすることができ、それによって、導流筒1のサイズを縮小することができ、導流筒1が占有する空間を小さくすることができる。例えば、本願のいくつかの例示では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、45°、46°、47°、48°、49°又は50°であってもよい。
【0042】
本願のいくつかの実施例では、直線分の両端をそれぞれA端及びB端と定義し、A端の結晶棒5への正投影をCと定義し、水冷ジャケット3の径方向の外縁をDと定義し、水冷ジャケット3の径方向の内縁をEと定義すると、線分ABと∠EACの角二等分線に垂直で、且つ線分AEが線分BDと平行に設定する。ここで、A端は、直線分の結晶棒5に隣接する一端である。
【0043】
理解されるように、線分群14中の各直線分は、いずれも上記の状況を満たし、上記の設定によって、結晶棒5から直線分に入射する熱は、直線分の反射を経て、水冷ジャケット3内縁のEに反射することができ、これにより、水冷ジャケット3を利用して熱に対する阻止を実現し、熱が結晶棒5に戻ることを有効に回避することができる。
【0044】
例えば、結晶棒5のC点における熱について、この部分の熱が直線分のA端に伝達されることができ、A端で反射された後に水冷ジャケット3のE点に伝達されることができ、即ち、CAはこの部分の熱の入射経路と考えられるため、入射表面ABの法線が∠EACの角二等分線である。よって、線分で反射された伝達経路はAEであり、反射された熱が水冷ジャケット3の内縁に伝達されるため、熱が結晶棒5に戻ることを有効に回避することができる。各直線分には同一の特徴があるため、各直線分で反射された熱は、水冷ジャケット3の内縁のEに伝達される。
【0045】
具体的には、本願の1つの具体的な例示では、第2直線分13、及び線分群14の直線分一141、直線分二142、直線分三143、直線分四144、……、直線分Nの加工過程は以下の通りである。
【0046】
第1ステップ:第2直線分13を加工し、第2直線分13の始点は第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になる。ここで、第2直線分13が傾斜角度45°の方向に沿って斜め外側に延在する。
【0047】
第2ステップ:直線分一141を加工し、直線分一141の始点はA1であり、終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点である。具体的には、まず∠EA1C1の角二等分線を見つけ、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA1をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とする。
【0048】
第3ステップ:直線分二142を加工し、直線分二142の始点は、直線分一141中のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点である。具体的には、まず∠EA2C2の角二等分線を見つけ、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA2をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とする。
【0049】
第4ステップ:直線分三143を加工し、直線分三143の始点は、直線分二142中のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点である。具体的には、まず∠EA3C3の角二等分線を見つけ、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA3をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B3を形成し、A3B3を直線分三143とする。
【0050】
第5ステップ:直線分四144を加工し、直線分四144の始点は、直線分三143中のB3点と重ね合わせるA4であり、直線分四144の終点はB4であり、A4点の結晶棒5上への正投影はC4点である。具体的には、まず∠EA4C4の角二等分線を見つけ、A4点を始点とし、∠EA4C4の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA4をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B4を形成し、A4B4を直線分四144とする。
【0051】
第6ステップ:直線分五145を加工し、直線分五145の始点は、直線分四144中のB4点と重ね合わせるA5であり、直線分五145の終点はB5であり、A5点の結晶棒5上への正投影はC5点である。具体的には、まず∠EA5C5の角二等分線を見つけ、A5点を始点とし、∠EA5C5の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA5をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B5を形成し、A5B5を直線分五145とする。
【0052】
第7ステップ:直線分六を加工し、直線分六の始点は、直線分五145中のB5点と重ね合わせるA6であり、直線分六の終点はB6であり、A6点の結晶棒5上への正投影はC6点である。具体的には、まず∠EA6C6の角二等分線を見つけ、A6点を始点とし、∠EA6C6の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA6をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B6を形成し、A6B6を直線分六とする。
【0053】
このように、線分群14が24本の直線分を含むと仮定すると、直線分二十四の加工ステップは、以下の通りである。
【0054】
直線分二十四の始点は、直線分二十三中のB23点と重ね合わせるA24であり、直線分二十四の終点はB24であり、A24点の結晶棒5上への正投影はC24点である。具体的には、まず∠EA24C24の角二等分線を見つけ、A24点を始点とし、∠EA24C24の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA24をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B24を形成し、A24B24を直線分二十四とする。
【0055】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、線分群14に含まれる直線分の数はXであり、且つ30≧X≧10を満たす。理解されるように、直線分の数は、導流筒1のサイズ、導流筒1と水冷ジャケット3との相対的な位置、及び導流筒1と結晶棒5との相対的な位置に関するものとして、直線分の数を10~30の間に設定することにより、多くの場合における数の要求を満たすことができ、ユーザーのニーズをよりよく満たすことができる。例えば、本願の一例では、線分群14に含まれる直線分の数は、10本、12本、14本、16本、18本、20本、22本、24本、26本、28本、又は30本である。
【0056】
本願のいくつかの実施例では、図1及び図4に示すように、結晶棒5の軸方向において、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔はL(図4に示されるL)であり、且つ50mm≧L≧20mmを満たす。理解されるように、種結晶がショルダーリングする際に断線しやすいという問題は、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔を20~50mmの間に設定することにより、この部分の位置の温度勾配が変化しないこと、また気流もそれほど変化しないことを確保することができるため、断線の問題を回避することができる。
【0057】
例えば、本願の一例では、結晶棒5の加工過程は以下の通りである。高純度の多結晶シリコン原料を単結晶炉100の坩堝4内に入れ、低真空流動不活性ガスの保護下で加熱溶融し、特定の成長方向を有する1つの単結晶シリコン(種結晶ともいう)を種結晶把持装置に入れ、種結晶をシリコン溶液に接触させ、溶融シリコン溶液の温度を融点温度に近づけるように調整した後、種結晶が上から下に溶融シリコン溶液に入れ込んで回転するように駆動し、その後に徐々に種結晶を引き上げると、種結晶は錐体部分の成長に入り、錐体の直径が目標直径に近づくと、単結晶シリコンの直径がそれ以上大きくならないように種結晶の引き上げ速度を高め、結晶の中部成長段階に入り、単結晶シリコンの成長が終わりに近づくと、種結晶の引き上げ速度を再び高め、単結晶シリコンが溶融シリコンから徐々に離脱して下錐体を形成して成長を終了する。
【0058】
具体的には、本願のいくつかの例示では、結晶棒5の軸方向において、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔は、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、又は50mmである。
【0059】
本願のいくつかの実施例では、図1及び図4に示すように、炉体2の径方向に内側から外側に向かって、導流筒1の底面と液面との間隔が徐々に小さくなり、且つ導流筒1の底面と液面とのなす角度はβ(図4に示されるβ)であり、且つ8°≧β≧1°を満たす。理解されるように、シリコン液の自由液面の温度は、坩堝4壁との間隔が小さくなるにつれて、自由液面の温度が徐々に増加し、温度差が増加するにつれて、マランゴーニ(Marangoni)も増強し、坩堝4内壁から固液界面への酸素の輸送を加速し、結晶棒5の生産品質に影響を与える。本願では、炉体2の径方向に内側から外側に向かって、導流筒1の底面と液面との間隔を徐々に小さくなることにより、アルゴンガスが導流筒1の底面と液面との間の通路を流れる時に、アルゴンガスの流速を徐々に強め、それにより、坩堝4壁に近い箇所の温度を下げ、熱対流と酸素輸送を弱める。
【0060】
本願のいくつかの実施例では、図4に示すように、液面は、坩堝4の内周壁と第1アーク面41を形成し、導流筒1の底壁と導流筒1の外周壁との連結箇所は、第1アーク面41と平行に設定される第2アーク面15を形成する。理解されるように、導流筒1の底壁と導流筒1の外周壁との連結箇所に第1アーク面41と平行な第2アーク面15を設定することにより、アルゴンガスの流れの抵抗を低減することができ、それにより、アルゴンガスの流速を向上させ、熱対流と酸素輸送を弱めることができる。
【0061】
本願のいくつかの実施例では、図1に示すように、液面は、結晶棒5の外周壁と第3アーク面42を形成し、導流筒1の底壁と導流筒1の内周壁との連結箇所は、第3アーク面42と平行に設定される第4アーク面16を形成する。理解されるように、導流筒1の底壁と導流筒1の内周壁との連結箇所に第3アーク面42と平行な第4アーク面16を設定することにより、アルゴンガスの流れの抵抗を低減することができ、それにより、アルゴンガスの流速を向上させ、より多くの酸素を奪うことができる。
【0062】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る単結晶炉100について説明する。
【0063】
図1に示すように、本願実施例による単結晶炉100は、炉体2、坩堝4、水冷ジャケット3及び導流筒1を含み、坩堝4は炉体2内に設けられ、坩堝4は収納スペースを有し、収納スペース内に結晶棒5が形成されており、導流筒1及び水冷ジャケット3は、いずれも炉体2内に設けられ、且つ水冷ジャケット3は導流筒1の上側に位置する。
【0064】
本願実施例に係る単結晶炉100によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0065】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、水冷ジャケット3は、第1連結部31及び第2連結部32を含み、第1連結部31は、結晶棒5に周設されるとともに、結晶棒5の軸方向に延在し、第2連結部32は、第1連結部31の液面に隣接する一端に連結するとともに、結晶棒5の径方向に延在する。理解されるように、水冷ジャケット3の結晶棒5側に位置する横截面は、逆T字型に形成し、上記設計により、水冷ジャケット3下縁部の幅を大きくすることができ、水冷ジャケット3の下縁部により多くの熱を遮断することができる。
【0066】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、第2連結部32の液面に隣接する側の表面は、第1連結部31に向かって凹む第1曲面321に形成される。理解されるように、第2連結部32の底面を第1連結部31に向かって凹む曲面に設定され、曲面は平面より面積が大きいという利点があることにより、より多くの反射熱を遮断・吸収することができ、結晶棒5の放熱効率をさらに向上させることができる。
【0067】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、第2連結部32の結晶棒5に隣接する側の表面は、結晶棒5から離反する方向に向かって凹む第2曲面322に形成される。理解されるように、第2連結部32の結晶棒5に隣接する側の表面を結晶棒5から離反する方向に向かって凹む曲面に設定され、曲面は平面より面積が大きいという利点があることにより、結晶棒5から第2曲面322に放射する熱をより多くすることができ、水冷ジャケット3を利用して吸收される熱をより多くすることができ、結晶棒5の放熱効率をさらに向上させることができる。具体的には、本願の別の例示では、第2連結部32の結晶棒5から離反する側の表面は、結晶棒5に向かって凹む第3曲面323に形成される。もちろん、本願はこれに限らず、第2連結部32の結晶棒5から離反する側の表面は平面であってもよい。
【0068】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る導流筒1の加工方法について説明する。
【0069】
本願実施例に係る導流筒1の加工方法によれば、導流筒1は上記単結晶炉100用の導流筒1である。ここで、線分群14は、順に連結され且つ傾斜角度が異なる直線分一141から直線分Nの複数の直線分を含み、水冷ジャケット3の径方向の外縁をDと定義し、水冷ジャケット3の径方向の内縁をEと定義すると、導流筒1の加工方法は、第1直線分11を加工するステップと、第2直線分13を加工するステップであって、第2直線分13の始点は第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になるステップと、
直線分一141を加工するステップであって、直線分一141の始点はA1であり、直線分一141の終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点であり、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第1参照線を作成することと、EA1をD点の位置まで並進して第1参照線との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とすることと、を含むステップと、
直線分二142を加工するステップであって、直線分二142の始点は、直線分一141のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点であり、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第2参照線を作成することと、EA2をD点の位置まで並進して第2参照線との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とすることと、を含むステップと、
直線分三143を加工するステップであって、直線分三143の始点は、直線分二142のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点であり、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第3参照線を作成することと、EA3をD点の位置まで並進して第3参照線との交点B3を形成し、A3B3を直線分三とすることと、を含むステップと、
このように、最後に、直線分Nを加工するステップであって、直線分Nの始点はAnであり、直線分Nの終点はBnであり、An点の結晶棒上への正投影はCn点であり、An点を始点とし、∠EAnCnの角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第N参照線を作成することと、EAnをD点の位置まで並進して第N参照線との交点Bnを形成し、AnBnを直線分Nとすることとを含むステップと、を含む。ここで、Nは、N>3を満たす。
【0070】
例えば、本願の1つの具体的な実施例において、導流筒1の加工方法は、下記のステップを含む。
【0071】
第1ステップ:第1直線分11を加工し、第1直線分11は鉛直方向に延在し、且つ第1直線分11の坩堝4の液面に隣接する一端は、液面と離間している。
【0072】
第2ステップ:第2直線分13を加工し、第2直線分13の始点は、第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になる。ここで、第2直線分13が傾斜角度45°の方向に沿って斜め外側に延在する。
【0073】
第3ステップ:直線分一141を加工し、直線分一141の始点はA1であり、終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点である。具体的には、まず∠EA1C1の角二等分線を見つけ、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA1をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とする。
【0074】
第4ステップ:直線分二142を加工し、直線分二142の始点は、直線分一141中のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点である。具体的には、まず∠EA2C2の角二等分線を見つけ、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA2をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とする。
【0075】
第5ステップ:直線分三143を加工し、直線分三143の始点は、直線分二142中のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点である。具体的には、まず∠EA3C3の角二等分線を見つけ、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA3をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B3を形成し、A3B3を直線分三143とする。
【0076】
第6ステップ:直線分四144を加工し、直線分四144の始点は、直線分三143中のB3点と重ね合わせるA4であり、直線分四144の終点はB4であり、A4点の結晶棒5上への正投影はC4点である。具体的には、まず∠EA4C4の角二等分線を見つけ、A4点を始点とし、∠EA4C4の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA4をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B4を形成し、A4B4を直線分四144とする。
【0077】
第7ステップ:直線分五145を加工し、直線分五145の始点は、直線分四144中のB4点と重ね合わせるA5であり、直線分五145の終点はB5であり、A5点の結晶棒5上への正投影はC5点である。具体的には、まず∠EA5C5の角二等分線を見つけ、A5点を始点とし、∠EA5C5の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA5をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B5を形成し、A5B5を直線分五145とする。
【0078】
第8ステップ:直線分六を加工し、直線分六の始点は、直線分五145中のB5点と重ね合わせるA6であり、直線分六の終点はB6であり、A6点の結晶棒5上への正投影はC6点である。具体的には、まず∠EA6C6の角二等分線を見つけ、A6点を始点とし、∠EA6C6の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA6をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B6を形成し、A6B6を直線分六とする。
【0079】
このように、線分群14が24本の直線分を含むと仮定すると、直線分二十四の加工ステップは、以下の通りである。
【0080】
直線分二十四の始点は、直線分二十三中のB23点と重ね合わせるA24であり、直線分二十四の終点はB24であり、A24点の結晶棒5上への正投影はC24点である。具体的には、まず∠EA24C24の角二等分線を見つけ、A24点を始点とし、∠EA24C24の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA24をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B24を形成し、A24B24を直線分二十四とする。
【0081】
本願実施例に係る導流筒1の加工方法によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱と入射熱とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0082】
本明細書において、特に明示的な規定及び限定がない限り、「実装」、「繋がる」、「連結」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定連結であってもよいし、取り外し可能な連結であってもよいし、又は一体化であってもよく、直接連結であってもよいし、中間媒体を介して間接的に連結されていてもよいし、2つの素子の内部の連通であるか、又は、2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解され得る。
【0083】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの用語を参照する説明は、該実施例又は例示を結合して説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特徴が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例示を対象とする必要はない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例示において適切な方法で結合することができる。なお、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書に記載された異なる実施例又は例示、ならびに異なる実施例又は例示の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0084】
本願の実施例を図示し説明したが、当業者は、本願の原理及び趣旨を逸脱することなく、これらの実施例を様々な変更、修正、置換、及び変形することができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が202110320307.Xであり、出願日が2021年03月25日である中国特許出願に基づいて提出し、該中国特許出願についての優先権を主張し、該中国特許出願の全部内容は、参照することにより本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、単結晶炉の技術領域に関し、特に、単結晶炉用導流筒、単結晶炉及び導流筒の加工方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコン結晶の成長時には、固液界面付近で結晶潜熱が発生するが、一般的に結晶の上方に結晶棒周りの導流筒を設け、ガスを導流筒内側に沿って結晶棒近傍の引き上げ領域に流し込むようにして、この領域をパージして結晶潜熱を除去する。単結晶シリコン棒の直径が大きくなるにつれて、結晶棒の中心部と外周部との温度差が大きくなり、結晶化速度を上げることが難しくなるだけでなく、結晶棒の内部に過度の熱応力が発生し、結晶棒の内部に穴や転位欠陥の欠陥が発生して、結晶棒の加工品質に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、結晶棒の加工品質を向上させることができる単結晶炉用導流筒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、さらに、上記単結晶炉用導流筒を含む単結晶炉を提供する。
【0006】
本願は、さらに、導流筒の加工方法を提供し、前記加工方法を利用して上記単結晶炉用導流筒を加工する。
【0007】
本願実施例に係る単結晶炉用導流筒によれば、導流筒、炉体、水冷ジャケット、及び坩堝を含み、前記導流筒、水冷ジャケット、及び坩堝は、いずれも前記炉体内に設けられ、前記坩堝内に結晶棒が形成されており、前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記結晶棒に周設され、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置し、前記結晶棒の軸断面の位置する平面を参照面と定義し、前記導流筒は前記参照面で切断されて切断面を形成し、前記切断面の前記結晶棒側に位置する内輪郭線は、鉛直方向に延在する第1直線分であって、前記坩堝の液面に隣接する一端が、前記液面と離間している第1直線分と、一端が前記第1直線分の前記坩堝から離反する一端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する第2直線分であって、鉛直方向とのなす角度はαであり、且つα≧45°を満たす第2直線分と、順に連結され且つ傾斜角度が異なる複数の直線分を含み、一端が前記第2直線分の他端に連結し、他端が前記結晶棒から離反する方向に傾斜して上方に延在する線分群であって、前記結晶棒から前記線分群に伝達された熱を前記水冷ジャケットに向かって伝達し、前記水冷ジャケットを利用して前記熱が逆に前記結晶棒に伝達することを阻止するように構成される線分群と、を含む。
【0008】
本願実施例に係る単結晶炉用導流筒によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、前記結晶棒の径方向において、前記第2直線分の前記結晶棒から離反する一端は、前記水冷ジャケットの外縁と面一になるか、又は、前記水冷ジャケット外縁の外側に位置する。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記αは、50°≧α≧45°を満たす。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記直線分の両端をそれぞれA端及びB端と定義し、前記A端の前記結晶棒上への正投影をCと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、線分ABが∠EACの角二等分線に垂直で、且つ線分AEが線分BDと平行に設定されることを満たし、前記A端は前記直線分の前記結晶棒に隣接する一端である。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記線分群に含まれる前記直線分の数はXであり、且つ30≧X≧10を満たす。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記結晶棒の軸方向において、前記第1直線分の前記液面に隣接する一端と前記液面との間隔はLであり、且つ50mm≧L≧20mmを満たす。
【0014】
本願のいくつかの実施例では、前記炉体の径方向に内側から外側に向かって、前記導流筒の底面と前記液面との間隔が徐々に小さくなり、前記導流筒の底面と前記液面とのなす角度はβであり、且つ8°≧β≧1°を満たす。
【0015】
本願のいくつかの実施例では、前記液面は、前記坩堝の内周壁と第1アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の外周壁との連結箇所は、前記第1アーク面と平行に設定される第2アーク面を形成する。
【0016】
本願のいくつかの実施例では、前記液面は、前記結晶棒の外周壁と第3アーク面を形成し、前記導流筒の底壁と前記導流筒の内周壁との連結箇所は、前記第3アーク面と平行に設定される第4アーク面を形成する。
【0017】
本願実施例の単結晶炉によれば、炉体と、前記炉体内に設けられる坩堝であって、内部に結晶棒が形成されている収納スペースを有する坩堝と、水冷ジャケットと、上記単結晶炉用導流筒とを含み、前記導流筒及び水冷ジャケットは、いずれも前記炉体内に設けられ、且つ前記水冷ジャケットは前記導流筒の上側に位置する。
【0018】
本願実施例の単結晶炉によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0019】
本願のいくつかの実施例では、前記水冷ジャケットは、前記結晶棒に周設され、前記結晶棒の軸方向に延在する第1連結部と、前記第1連結部の前記液面に隣接する一端に連結し、且つ前記結晶棒の径方向に延在する第2連結部と、を含む。
【0020】
本願のいくつかの実施例では、前記第2連結部の前記液面に隣接する側の表面は、前記第1連結部に向かって凹む第1曲面に形成される。
【0021】
本願のいくつかの実施例では、前記第2連結部の前記結晶棒に隣接する側の表面は、前記結晶棒から離反する方向に向かって凹む第2曲面に形成される。
【0022】
本願実施例に係る導流筒の加工方法によれば、前記導流筒は上記単結晶炉用導流筒であり、前記線分群は、複数の順に連結され且つ傾斜角度が異なる直線分一から直線分Nを含み、前記水冷ジャケットの径方向の外縁をDと定義し、前記水冷ジャケットの径方向の内縁をEと定義すると、前記第1直線分を加工するステップと、前記第2直線分を加工するステップであって、前記第2直線分の始点は前記第1直線分の上端点であり、前記第2直線分の終点はA1点であり、前記A1点が前記水冷ジャケットのD点と前記結晶棒の径方向に面一になるステップと、
前記直線分一を加工するステップであって、前記直線分一の始点はA1であり、前記直線分一の終点はB1であり、前記A1点の前記結晶棒上への正投影はC1点であり、前記A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第1参照線を作成することと、EA1を前記D点の位置まで並進して前記第1参照線との交点B1を形成し、A1B1を前記直線分一とすることと、を含むステップと、
前記直線分二を加工するステップであって、前記直線分二の始点は、前記直線分一の前記B1点と重ね合わせるA2であり、前記直線分二の終点はB2であり、前記A2点の前記結晶棒上への正投影はC2点であり、前記A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第2参照線を作成することと、EA2をD点の位置まで並進して前記第2参照線との交点B2を形成し、A2B2を前記直線分二とすることと、を含むステップと、
前記直線分三を加工するステップであって、前記直線分三の始点は、前記直線分二の前記B2点と重ね合わせるA3であり、前記直線分三の終点はB3であり、前記A3点の前記結晶棒上への正投影はC3点であり、前記A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第3参照線を作成することと、EA3をD点の位置まで並進して前記第3参照線との交点B3を形成し、A3B3を前記直線分三とすることと、を含むステップと、
このように、最後に、前記直線分Nを加工するステップであって、前記直線分Nの始点はAnであり、前記直線分Nの終点はBnであり、前記An点の前記結晶棒上への正投影はCn点であり、前記An点を始点とし、∠EAnCnの角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第N参照線を作成することと、EAnをD点の位置まで並進して前記第N参照線との交点Bnを形成し、AnBnを前記直線分Nとすることとを含むステップと、を含む。ここで、前記NはN>3を満たす。
【0023】
本願実施例に係る導流筒の加工方法によれば、第2直線分を設定することにより、結晶棒上の熱が結晶棒の径方向に沿って第2直線分に入射する時、第2直線分と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒の外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒の外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒に戻ることを回避することができる。なお、線分群を設定することにより、結晶棒から線分群に伝達された熱は、線分群で反射された後に水冷ジャケットに伝達することができ、水冷ジャケットを利用して熱が逆に結晶棒に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒の冷却を加速することができ、結晶棒内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒の生産品質を向上させることができる。
【0024】
本願のさらなる態様及び利点は、以下の説明において部分的に与えられ、一部は、以下の説明から明らかになるか、又は本願の実践から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願実施例に係る単結晶炉の構造概略図である。
図2】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
図3図2中のMにおける拡大図である。
図4】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
図5】本願実施例に係る単結晶炉の部分構造概略図である。
【符号の説明】
【0026】
単結晶炉100、
導流筒1、第1直線分11、第2直線分13、
線分群14、直線分一141、直線分二142、直線分三143、直線分四144、直線分五145、
第2アーク面15、第4アーク面16、
炉体2、水冷ジャケット3、第1連結部31、第2連結部32、
第1曲面321、第2曲面322、第3曲面323、
坩堝4、第1アーク面41、第3アーク面42、
結晶棒5。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、当該実施例の例示を添付図面に示し、始めから終わりまで同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、あるいは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下に図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本願を説明するために用いられることを意図しており、本願を限定するものとして解釈されてはならない。
【0028】
以下の開示は、本願の異なる構成を実施するための多数の異なる実施例又は例を提供するものである。以下、本願の開示を簡略化するために、特定例示の部材及び設定について説明する。もちろん、これらは例示に過ぎず、本願を限定するものではない。なお、本願は、異なる例において、数字及び/又はアルファベットへの参照を繰り返すことができる。このような繰り返しは、単純化及び明確化のためであり、それ自体が、議論される様々な実施例及び/又は設定間の関係を示すものではない。なお、本願は、様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用可能性及び/又は他の材料使用を認識することができる。
【0029】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る単結晶炉100用の導流筒1について説明し、単結晶炉100は、導流筒1、炉体2、水冷ジャケット3及び坩堝4を含み、導流筒1、水冷ジャケット3、及び坩堝4は、いずれも炉体2内に設けられ、坩堝4内に結晶棒5が形成されており、導流筒1及び水冷ジャケット3は、いずれも結晶棒5に周設され、且つ水冷ジャケット3は導流筒1の上側に位置する。
【0030】
例えば、本願の一例では、坩堝4は、収納スペースを有し、加熱溶融用のシリコン原料を収納スペース内に配置し、炉体2内には坩堝4を加熱するヒーターが設けられ、ヒーターの加熱で、収納スペース内のシリコン原料を溶融してシリコン液にすることができる。炉体2内には、さらに、導流筒1及びアルゴンガス管が設けられ、アルゴンガス管は炉体2頂部を通過して炉体2内に入り込んで、導流筒1と結晶棒5で形成されたアルゴンガス通路を経過し、結晶棒の成長を促進する。炉体2内には、さらに、水冷ジャケット3が設けられる。水冷ジャケット3は、結晶棒5に周設され、且つ導流筒1の上側に位置し、結晶棒5から外に放射された熱を吸収して外に伝達するように構成され、それにより、結晶棒5の放熱効率を向上させる。
【0031】
図1及び図2に示すように、結晶棒5の軸断面の位置する平面を参照面と定義し、導流筒1は参照面で切断されて切断面を形成し、切断面の結晶棒5側に位置する内輪郭線は、第1直線分11、第2直線分13、及び線分群14を含む。
【0032】
具体的には、図1に示すように、第1直線分11は鉛直方向に延在し、且つ第1直線分11の坩堝4の液面に隣接する一端は、液面と離間されている。これにより、第1直線分11の底端とシリコン液の液面との間に、アルゴン用の気流通路を形成することができ、第1直線分11は一定の距離を有する直線分であるため、液面に近い領域が安定した温度勾配を維持することができ、結晶棒の成長に有利である。なお、第1直線分11の長さは、結晶棒5の成長直径に関するショルダーリングの高さと同じかそれ以上であるべきである。例えば、本願のいくつかの実施例では、8inchの結晶棒が成長される場合、そのショルダーリングの高さは約90mmとなるが、第1直線分11の長さは90mm以上であるべきであり、12inchの結晶棒が成長される場合、そのショルダーリングの高さは約160mmとなるが、第1直線分11の長さは160mm以上であるべきである。
【0033】
図2及び図3に示すように、第2直線分13は、一端が第1直線分11の坩堝4から離反する一端に連結し、他端が結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在し、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度はα(図3に示されるα)であり、且つα≧45°を満たす。第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0034】
具体的には、本願のいくつかの実施例では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、45°、48°、50°、55°、60°などであってもよい。第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、具体的には単結晶炉100の型番ンやサイズによって選択して設定されることができる。
【0035】
例えば、本願の一例では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は45°であり、結晶棒5上の熱は、結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、熱が第2直線分13に形成された入射角は45°であり、反射角が入射角に等しい原理により、反射角も同じく45°であり、第2直線分13が上方に傾斜して設定されているため、反射された熱が垂直に上向きに伝達され、即ち反射された熱が結晶棒5外壁面と平行な方向に沿って伝達され、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。
【0036】
また、例えば、本願の別の例示では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は60°であり、結晶棒5上の熱は、結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、熱が第2直線分13に形成された入射角は60°であり、反射角が入射角に等しい原理により、反射角も同じく60°であり、第2直線分13が上方に傾斜して設定されているため、反射された熱が上方に傾斜し且つ結晶棒5から離反する方向に伝達され、即ち反射された熱が結晶棒5から離反する方向に沿って上方に傾斜して伝達され、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。
【0037】
図2及び図3に示すように、線分群14は、順に連結され且つ傾斜角度の異なる複数の直線分を含み、その一端が第2直線分13の他端に連結し、他端が結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在する。理解されるように、線分群14は、順に連結される複数の直線分を含み、各直線分は、いずれも結晶棒5から離反する方向に傾斜して上方に延在する。例えば、線分群14は、5本の直線分を含み、第1本の直線分が第2直線分13に連結し、第2本の直線分が第1本の直線分に連結し、第3本の直線分が第2本の直線分に連結し、第4本の直線分が第3本の直線分に連結し、第5本の直線分が第4本の直線分に連結する。
【0038】
図1図3に示すように、線分群14は、結晶棒5から線分群14に伝達された熱を水冷ジャケット3に向かって伝達するように構成され、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。理解されるように、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達し、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止することができる。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。なお、第2直線分13及び線分群14を設定することにより、結晶棒5の冷却を加速することができるため、製造過程において結晶棒5の放熱段階にある時間を短縮することができ、結晶棒5の生産効率を速めることができる。
【0039】
本願実施例の単結晶炉100用の導流筒1によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0040】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3の外縁と面一になり、又は水冷ジャケット3外縁の外側に位置する。換言すれば、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端(即ち第2直線分13の上端)は、水冷ジャケット3の外縁と面一になってもよく、或いは、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3外縁の外側に位置する。これにより、第2直線分13で反射された熱は、水冷ジャケット3の外縁に反射されることができ、又は水冷ジャケット3の外側に反射されることができる。例えば、本願の1つの具体的な例示では、結晶棒5の径方向において、第2直線分13の結晶棒5から離反する一端は、水冷ジャケット3の外縁と面一になっている。
【0041】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、αは50°≧α≧45°を満たす。理解されるように、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度を45°~50°の間に設定することにより、熱が結晶棒5に戻ることを確保する前提で、第2直線分13の上端の半径を小さくすることができ、それによって、導流筒1のサイズを縮小することができ、導流筒1が占有する空間を小さくすることができる。例えば、本願のいくつかの例示では、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度は、45°、46°、47°、48°、49°又は50°であってもよい。
【0042】
本願のいくつかの実施例では、直線分の両端をそれぞれA端及びB端と定義し、A端の結晶棒5への正投影をCと定義し、水冷ジャケット3の径方向の外縁をDと定義し、水冷ジャケット3の径方向の内縁をEと定義すると、線分ABと∠EACの角二等分線に垂直で、且つ線分AEが線分BDと平行に設定する。ここで、A端は、直線分の結晶棒5に隣接する一端である。
【0043】
理解されるように、線分群14中の各直線分は、いずれも上記の状況を満たし、上記の設定によって、結晶棒5から直線分に入射する熱は、直線分の反射を経て、水冷ジャケット3内縁のEに反射することができ、これにより、水冷ジャケット3を利用して熱に対する阻止を実現し、熱が結晶棒5に戻ることを有効に回避することができる。
【0044】
例えば、結晶棒5のC点における熱について、この部分の熱が直線分のA端に伝達されることができ、A端で反射された後に水冷ジャケット3のE点に伝達されることができ、即ち、CAはこの部分の熱の入射経路と考えられるため、入射表面ABの法線が∠EACの角二等分線である。よって、線分で反射された伝達経路はAEであり、反射された熱が水冷ジャケット3の内縁に伝達されるため、熱が結晶棒5に戻ることを有効に回避することができる。各直線分には同一の特徴があるため、各直線分で反射された熱は、水冷ジャケット3の内縁のEに伝達される。
【0045】
具体的には、本願の1つの具体的な例示では、第2直線分13、及び線分群14の直線分一141、直線分二142、直線分三143、直線分四144、……、直線分Nの加工過程は以下の通りである。
【0046】
第1ステップ:第2直線分13を加工し、第2直線分13の始点は第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になる。ここで、第2直線分13が傾斜角度45°の方向に沿って斜め外側に延在する。
【0047】
第2ステップ:直線分一141を加工し、直線分一141の始点はA1であり、終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点である。具体的には、まず∠EA1C1の角二等分線を見つけ、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA1をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とする。
【0048】
第3ステップ:直線分二142を加工し、直線分二142の始点は、直線分一141中のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点である。具体的には、まず∠EA2C2の角二等分線を見つけ、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA2をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とする。
【0049】
第4ステップ:直線分三143を加工し、直線分三143の始点は、直線分二142中のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点である。具体的には、まず∠EA3C3の角二等分線を見つけ、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA3をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B3を形成し、A3B3を直線分三143とする。
【0050】
第5ステップ:直線分四144を加工し、直線分四144の始点は、直線分三143中のB3点と重ね合わせるA4であり、直線分四144の終点はB4であり、A4点の結晶棒5上への正投影はC4点である。具体的には、まず∠EA4C4の角二等分線を見つけ、A4点を始点とし、∠EA4C4の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA4をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B4を形成し、A4B4を直線分四144とする。
【0051】
第6ステップ:直線分五145を加工し、直線分五145の始点は、直線分四144中のB4点と重ね合わせるA5であり、直線分五145の終点はB5であり、A5点の結晶棒5上への正投影はC5点である。具体的には、まず∠EA5C5の角二等分線を見つけ、A5点を始点とし、∠EA5C5の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA5をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B5を形成し、A5B5を直線分五145とする。
【0052】
第7ステップ:直線分六を加工し、直線分六の始点は、直線分五145中のB5点と重ね合わせるA6であり、直線分六の終点はB6であり、A6点の結晶棒5上への正投影はC6点である。具体的には、まず∠EA6C6の角二等分線を見つけ、A6点を始点とし、∠EA6C6の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA6をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B6を形成し、A6B6を直線分六とする。
【0053】
このように、線分群14が24本の直線分を含むと仮定すると、直線分二十四の加工ステップは、以下の通りである。
【0054】
直線分二十四の始点は、直線分二十三中のB23点と重ね合わせるA24であり、直線分二十四の終点はB24であり、A24点の結晶棒5上への正投影はC24点である。具体的には、まず∠EA24C24の角二等分線を見つけ、A24点を始点とし、∠EA24C24の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA24をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B24を形成し、A24B24を直線分二十四とする。
【0055】
本願のいくつかの実施例では、図1図3に示すように、線分群14に含まれる直線分の数はXであり、且つ30≧X≧10を満たす。理解されるように、直線分の数は、導流筒1のサイズ、導流筒1と水冷ジャケット3との相対的な位置、及び導流筒1と結晶棒5との相対的な位置に関するものとして、直線分の数を10~30の間に設定することにより、多くの場合における数の要求を満たすことができ、ユーザーのニーズをよりよく満たすことができる。例えば、本願の一例では、線分群14に含まれる直線分の数は、10本、12本、14本、16本、18本、20本、22本、24本、26本、28本、又は30本である。
【0056】
本願のいくつかの実施例では、図1及び図4に示すように、結晶棒5の軸方向において、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔はL(図4に示されるL)であり、且つ50mm≧L≧20mmを満たす。理解されるように、種結晶がショルダーリングする際に断線しやすいという問題は、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔を20~50mmの間に設定することにより、この部分の位置の温度勾配が変化しないこと、また気流もそれほど変化しないことを確保することができるため、断線の問題を回避することができる。
【0057】
例えば、本願の一例では、結晶棒5の加工過程は以下の通りである。高純度の多結晶シリコン原料を単結晶炉100の坩堝4内に入れ、低真空流動不活性ガスの保護下で加熱溶融し、特定の成長方向を有する1つの単結晶シリコン(種結晶ともいう)を種結晶把持装置に入れ、種結晶をシリコン溶液に接触させ、溶融シリコン溶液の温度を融点温度に近づけるように調整した後、種結晶が上から下に溶融シリコン溶液に入れ込んで回転するように駆動し、その後に徐々に種結晶を引き上げると、種結晶は錐体部分の成長に入り、錐体の直径が目標直径に近づくと、単結晶シリコンの直径がそれ以上大きくならないように種結晶の引き上げ速度を高め、結晶の中部成長段階に入り、単結晶シリコンの成長が終わりに近づくと、種結晶の引き上げ速度を再び高め、単結晶シリコンが溶融シリコンから徐々に離脱して下錐体を形成して成長を終了する。
【0058】
具体的には、本願のいくつかの例示では、結晶棒5の軸方向において、第1直線分11の液面に隣接する一端と液面との間隔は、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、又は50mmである。
【0059】
本願のいくつかの実施例では、図1及び図4に示すように、炉体2の径方向に内側から外側に向かって、導流筒1の底面と液面との間隔が徐々に小さくなり、且つ導流筒1の底面と液面とのなす角度はβ(図4に示されるβ)であり、且つ8°≧β≧1°を満たす。理解されるように、シリコン液の自由液面の温度は、坩堝4壁との間隔が小さくなるにつれて、自由液面の温度が徐々に増加し、温度差が増加するにつれて、マランゴーニ(Marangoni)も増強し、坩堝4内壁から固液界面への酸素の輸送を加速し、結晶棒5の生産品質に影響を与える。本願では、炉体2の径方向に内側から外側に向かって、導流筒1の底面と液面との間隔を徐々に小さくなることにより、アルゴンガスが導流筒1の底面と液面との間の通路を流れる時に、アルゴンガスの流速を徐々に強め、それにより、坩堝4壁に近い箇所の温度を下げ、熱対流と酸素輸送を弱める。
【0060】
本願のいくつかの実施例では、図4に示すように、液面は、坩堝4の内周壁と第1アーク面41を形成し、導流筒1の底壁と導流筒1の外周壁との連結箇所は、第1アーク面41と平行に設定される第2アーク面15を形成する。理解されるように、導流筒1の底壁と導流筒1の外周壁との連結箇所に第1アーク面41と平行な第2アーク面15を設定することにより、アルゴンガスの流れの抵抗を低減することができ、それにより、アルゴンガスの流速を向上させ、熱対流と酸素輸送を弱めることができる。
【0061】
本願のいくつかの実施例では、図1に示すように、液面は、結晶棒5の外周壁と第3アーク面42を形成し、導流筒1の底壁と導流筒1の内周壁との連結箇所は、第3アーク面42と平行に設定される第4アーク面16を形成する。理解されるように、導流筒1の底壁と導流筒1の内周壁との連結箇所に第3アーク面42と平行な第4アーク面16を設定することにより、アルゴンガスの流れの抵抗を低減することができ、それにより、アルゴンガスの流速を向上させ、より多くの酸素を奪うことができる。
【0062】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る単結晶炉100について説明する。
【0063】
図1に示すように、本願実施例による単結晶炉100は、炉体2、坩堝4、水冷ジャケット3及び導流筒1を含み、坩堝4は炉体2内に設けられ、坩堝4は収納スペースを有し、収納スペース内に結晶棒5が形成されており、導流筒1及び水冷ジャケット3は、いずれも炉体2内に設けられ、且つ水冷ジャケット3は導流筒1の上側に位置する。
【0064】
本願実施例に係る単結晶炉100によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0065】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、水冷ジャケット3は、第1連結部31及び第2連結部32を含み、第1連結部31は、結晶棒5に周設されるとともに、結晶棒5の軸方向に延在し、第2連結部32は、第1連結部31の液面に隣接する一端に連結するとともに、結晶棒5の径方向に延在する。理解されるように、水冷ジャケット3の結晶棒5側に位置する横截面は、逆T字型に形成し、上記設計により、水冷ジャケット3下縁部の幅を大きくすることができ、水冷ジャケット3の下縁部により多くの熱を遮断することができる。
【0066】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、第2連結部32の液面に隣接する側の表面は、第1連結部31に向かって凹む第1曲面321に形成される。理解されるように、第2連結部32の底面を第1連結部31に向かって凹む曲面に設定され、曲面は平面より面積が大きいという利点があることにより、より多くの反射熱を遮断・吸収することができ、結晶棒5の放熱効率をさらに向上させることができる。
【0067】
本願のいくつかの実施例では、図5に示すように、第2連結部32の結晶棒5に隣接する側の表面は、結晶棒5から離反する方向に向かって凹む第2曲面322に形成される。理解されるように、第2連結部32の結晶棒5に隣接する側の表面を結晶棒5から離反する方向に向かって凹む曲面に設定され、曲面は平面より面積が大きいという利点があることにより、結晶棒5から第2曲面322に放射する熱をより多くすることができ、水冷ジャケット3を利用して吸收される熱をより多くすることができ、結晶棒5の放熱効率をさらに向上させることができる。具体的には、本願の別の例示では、第2連結部32の結晶棒5から離反する側の表面は、結晶棒5に向かって凹む第3曲面323に形成される。もちろん、本願はこれに限らず、第2連結部32の結晶棒5から離反する側の表面は平面であってもよい。
【0068】
以下、図面を参照しながら本願実施例に係る導流筒1の加工方法について説明する。
【0069】
本願実施例に係る導流筒1の加工方法によれば、導流筒1は上記単結晶炉100用の導流筒1である。ここで、線分群14は、順に連結され且つ傾斜角度が異なる直線分一141から直線分Nの複数の直線分を含み、水冷ジャケット3の径方向の外縁をDと定義し、水冷ジャケット3の径方向の内縁をEと定義すると、導流筒1の加工方法は、第1直線分11を加工するステップと、第2直線分13を加工するステップであって、第2直線分13の始点は第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になるステップと、
直線分一141を加工するステップであって、直線分一141の始点はA1であり、直線分一141の終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点であり、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第1参照線を作成することと、EA1をD点の位置まで並進して第1参照線との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とすることと、を含むステップと、
直線分二142を加工するステップであって、直線分二142の始点は、直線分一141のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点であり、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第2参照線を作成することと、EA2をD点の位置まで並進して第2参照線との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とすることと、を含むステップと、
直線分三143を加工するステップであって、直線分三143の始点は、直線分二142のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点であり、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第3参照線を作成することと、EA3をD点の位置まで並進して第3参照線との交点B3を形成し、A3B3を直線分三とすることと、を含むステップと、
このように、最後に、直線分Nを加工するステップであって、直線分Nの始点はAnであり、直線分Nの終点はBnであり、An点の結晶棒上への正投影はCn点であり、An点を始点とし、∠EAnCnの角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの第N参照線を作成することと、EAnをD点の位置まで並進して第N参照線との交点Bnを形成し、AnBnを直線分Nとすることとを含むステップと、を含む。ここで、Nは、N>3を満たす。
【0070】
例えば、本願の1つの具体的な実施例において、導流筒1の加工方法は、下記のステップを含む。
【0071】
第1ステップ:第1直線分11を加工し、第1直線分11は鉛直方向に延在し、且つ第1直線分11の坩堝4の液面に隣接する一端は、液面と離間している。
【0072】
第2ステップ:第2直線分13を加工し、第2直線分13の始点は、第1直線分11の上端点であり、第2直線分13の終点はA1点であり、A1点は水冷ジャケット3のD点と結晶棒5の径方向に面一になる。ここで、第2直線分13が傾斜角度45°の方向に沿って斜め外側に延在する。
【0073】
第3ステップ:直線分一141を加工し、直線分一141の始点はA1であり、終点はB1であり、A1点の結晶棒5上への正投影はC1点である。具体的には、まず∠EA1C1の角二等分線を見つけ、A1点を始点とし、∠EA1C1の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA1をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B1を形成し、A1B1を直線分一141とする。
【0074】
第4ステップ:直線分二142を加工し、直線分二142の始点は、直線分一141中のB1点と重ね合わせるA2であり、直線分二142の終点はB2であり、A2点の結晶棒5上への正投影はC2点である。具体的には、まず∠EA2C2の角二等分線を見つけ、A2点を始点とし、∠EA2C2の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA2をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B2を形成し、A2B2を直線分二142とする。
【0075】
第5ステップ:直線分三143を加工し、直線分三143の始点は、直線分二142中のB2点と重ね合わせるA3であり、直線分三143の終点はB3であり、A3点の結晶棒5上への正投影はC3点である。具体的には、まず∠EA3C3の角二等分線を見つけ、A3点を始点とし、∠EA3C3の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA3をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B3を形成し、A3B3を直線分三143とする。
【0076】
第6ステップ:直線分四144を加工し、直線分四144の始点は、直線分三143中のB3点と重ね合わせるA4であり、直線分四144の終点はB4であり、A4点の結晶棒5上への正投影はC4点である。具体的には、まず∠EA4C4の角二等分線を見つけ、A4点を始点とし、∠EA4C4の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA4をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B4を形成し、A4B4を直線分四144とする。
【0077】
第7ステップ:直線分五145を加工し、直線分五145の始点は、直線分四144中のB4点と重ね合わせるA5であり、直線分五145の終点はB5であり、A5点の結晶棒5上への正投影はC5点である。具体的には、まず∠EA5C5の角二等分線を見つけ、A5点を始点とし、∠EA5C5の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA5をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B5を形成し、A5B5を直線分五145とする。
【0078】
第8ステップ:直線分六を加工し、直線分六の始点は、直線分五145中のB5点と重ね合わせるA6であり、直線分六の終点はB6であり、A6点の結晶棒5上への正投影はC6点である。具体的には、まず∠EA6C6の角二等分線を見つけ、A6点を始点とし、∠EA6C6の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA6をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B6を形成し、A6B6を直線分六とする。
【0079】
このように、線分群14が24本の直線分を含むと仮定すると、直線分二十四の加工ステップは、以下の通りである。
【0080】
直線分二十四の始点は、直線分二十三中のB23点と重ね合わせるA24であり、直線分二十四の終点はB24であり、A24点の結晶棒5上への正投影はC24点である。具体的には、まず∠EA24C24の角二等分線を見つけ、A24点を始点とし、∠EA24C24の角二等分線に垂直で且つ斜め上向きの壁面を作成し、また、EA24をD点の位置まで並進して上記壁面との交点B24を形成し、A24B24を直線分二十四とする。
【0081】
本願実施例に係る導流筒1の加工方法によれば、第2直線分13を設定することにより、結晶棒5上の熱が結晶棒5の径方向に沿って第2直線分13に入射する時、第2直線分13と鉛直方向とのなす角度が45°以上であるため、この部分の熱が第2直線分13への入射角も45°以上であり、反射角が入射角に等しい原理により、第2直線分13で反射された熱の反射方向と熱の入射方向とのなす角度は90°以上である。したがって、この部分の熱は、反射された後に結晶棒5外壁面と平行な方向に伝達されたり、結晶棒5外壁面から離反する方向に伝達されたりすることができ、この部分の熱が反射されて結晶棒5に戻ることを回避することができる。なお、線分群14を設定することにより、結晶棒5から線分群14に伝達された熱は、線分群14で反射された後に水冷ジャケット3に伝達することができ、水冷ジャケット3を利用して熱が逆に結晶棒5に伝達されることを阻止する。よって、結晶棒5の冷却を加速することができ、結晶棒5内の熱応力を低下させることに有利となり、結晶棒5内部に穴や転位欠陥が発生することを避けることができ、結晶棒5の生産品質を向上させることができる。
【0082】
本明細書において、特に明示的な規定及び限定がない限り、「実装」、「繋がる」、「連結」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定連結であってもよいし、取り外し可能な連結であってもよいし、又は一体化であってもよく、直接連結であってもよいし、中間媒体を介して間接的に連結されていてもよいし、2つの素子の内部の連通であるか、又は、2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとっては、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解され得る。
【0083】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの用語を参照する説明は、該実施例又は例示を結合して説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特徴が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例示を対象とする必要はない。さらに、説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例示において適切な方法で結合することができる。なお、当業者は、互いに矛盾することなく、本明細書に記載された異なる実施例又は例示、ならびに異なる実施例又は例示の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0084】
本願の実施例を図示し説明したが、当業者は、本願の原理及び趣旨を逸脱することなく、これらの実施例を様々な変更、修正、置換、及び変形することができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【国際調査報告】