(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(54)【発明の名称】キサントフィル誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 213/82 20060101AFI20240116BHJP
C07C 233/83 20060101ALI20240116BHJP
C07C 237/06 20060101ALI20240116BHJP
C07C 69/40 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20240116BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240116BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240116BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240116BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240116BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240116BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/166 20060101ALI20240116BHJP
C07D 213/81 20060101ALI20240116BHJP
C07D 213/80 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/223 20060101ALI20240116BHJP
C07D 311/70 20060101ALI20240116BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20240116BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240116BHJP
C07D 303/18 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C07D213/82
C07C233/83 CSP
C07C237/06
C07C69/40
A61K31/444
A61P1/16
A61P29/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P25/28
A61P25/00
A61K31/166
C07D213/81
C07D213/80
A61K31/223
C07D311/70
A61K31/353
C07D401/14
C07D303/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563913
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021064918
(87)【国際公開番号】W WO2022140580
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523244646
【氏名又は名称】アルマルソン、オーン
(71)【出願人】
【識別番号】523244657
【氏名又は名称】サンラメ、カルロス、エヌ.
(71)【出願人】
【識別番号】523244668
【氏名又は名称】ルーカス、ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】アルマルソン、オーン
(72)【発明者】
【氏名】サンラメ、カルロス、エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス、ジョン
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA01
4C055BA58
4C055BB02
4C055BB11
4C055CA01
4C055CA57
4C055CA58
4C055CB02
4C055CB04
4C055CB11
4C055CB15
4C055DA01
4C055DA58
4C055DB02
4C055DB11
4C063AA05
4C063BB09
4C063CC25
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA08
4C086BC17
4C086BC38
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZC33
4C086ZC35
4C086ZC41
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206GA06
4C206GA08
4H006AA01
4H006AB21
4H006AB22
4H006AB23
4H006AB24
4H006AB25
4H006AB26
4H006AB27
4H006AB28
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BR20
4H006BS10
4H006BT14
4H006BV22
4H006BV72
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 本発明は、キサントフィル誘導体及びキサントフィル誘導体を含む組成物並びにそれを作製及び使用する方法を提供する。組成物は、医薬組成物並びに食品、食品添加物、栄養補助食品、飼料及び飼料添加物を含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(XVI)~(XXX):
【化1】
【化2】
(式中、各置換基A1~A31が、独立して、R1又は-Hであり、ただし、前記式のそれぞれにおける少なくとも1つの置換基がR1であり;ここで、R1が、アシル;アミド、イミド;エステル;又は-NO
2から選択される)
のいずれか1つから選択されるいずれか1つの式の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは共結晶。
【請求項2】
R1が、それらが結合される酸素と一緒に、ニコチン尿酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、及びガラクツロン酸からなる群から選択される酸のエステルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、-C(O)CH(R3)NH
2、-C(O)CH(R3)NHC(O)CH(R4)NH
2、又は-C(O)CH(R3)NHC(O)CH(R4)NHC(O)CH(R5)NH
2から選択され;ここで、R3、R4、及びR5がそれぞれ、独立して、バリン、サルコシン、ロイシン、グルタミン、トリプトファン、チロシン、アラニン又は4(4-アミノフェニル)酪酸から選択されるアミノ酸側鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、アシル、-C(=O)H、-C(=O)R7、-C(=O)-(CHR8)
r-R7、-C(=O)-(CHR8)
r-R7、-C(=O)R7、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)
2、-P(=O)(OH)(OR7)、-P(=O)(OH)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-S(=O)R7、-S(=O)
2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7からなる群から選択され;ここで、
rが、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;ここで、各R7が、独立して、単環式又は多環式環系と縮合され得る、任意に置換される脂肪族基、アリール又はヘテロアリールであり;ここで、R8が、-H又は任意に置換されるアルカンジイル、アルケンジイル又はアルキンジイルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R7又はR8が、-C
1~6-ペルフルオロアルキル、1つ以上のメトキシ若しくはエトキシ基で置換される-C
1~6-アルキル、-C
1~6-アルキル、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C
1~6-アルキル、1つ以上の塩素原子で置換される-C
1~6-アルキル、-OC
1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-OC
1~6-アルキル、-SC
1~6-アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC
1~6-アルキル、-OC(=O)C
1~6-アルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-OCF
3、-OC
2F
5、-OC
3F
7、-OC
4F
9、-SCF
3、-SCF
3、-SCF
2H、-SCFH
2、-OH、-SH、-SO
3H、-NHC(=O)C
1~6-アルキル、-N(C
1~6-アルキル)C(=O)C
1~6-アルキル、-NO
2、-CHO、-C(=O)C
1~6-アルキル、-C(=O)-C
1~6-ペルフルオロアルキル、-C(=S)-NH-C
1~6-アルキル、-CF
2H、-CFH
2、-C(=O)N(R9)R10、-C(=O)NHN(R11)(R12)、-S(=O)C
1~6-アルキル、-S(=O)
2C
1~6-アルキル、-S(=O)
2-フェニル、-S(=O)-フェニル、-C
1~5-アルキレン-SC
1~6-アルキル、-C
1~5-アルキレン-S(=O)C
1~6-アルキル、-C
1~5-アルキレン-S(=O)
2C
1~6-アルキル、-N(R13)R14、-C
1~5-アルキレン-N(R13)R14、S(=O)NH
2、-S(=O)
2NHC
1~6-アルキル、-S(=O)
2NH-フェニル、-NHS(=O)
2C
1~6-アルキル、-OS(=O)C
1~6-アルキル-、-OS(=O)-フェニル、-CS(=O)-ベンジル、-OS(=C)
2C
1~6-アルキル、-OS(=O)
2-フェニル、-O-S(=O)
2-ベンジル、-N
+(C
1~6-アルキル)
3、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-C(=O)O-ベンジル、-C(=O)O-フェニル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基で任意に置換されるアリール又はヘテロアリールを含み;ここで、それぞれ、前記シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルが、-F、-Cl、-Br、-I、-OH、-CF
3、-CN、-NO
2、-C
1~6-アルキル、-OC
1~6-アルキル、-OCF
3、及び-SCF
3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され;
ここで、R9、R10、R13及びR14がそれぞれ、独立して、-H、-C
1~6-アルキルから選択され、又はR9及びR10が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる官能基を形成し、これは、1つ以上の同一又は異なるC
1~6アルキル基で少なくとも一置換され得;
ここで、R11及びR12が、互いに独立して、-H、-C
1~6-アルキル、-C(=O)OC
1~6-アルキル、C
3~8-シクロアルキル、-C
1~5-アルキレン-C
3~8-シクロアルキル、-C
1~6-アルキレン-OC
1~6-アルキル又は1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C
1~6-アルキルを表し、又はR11及びR12が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる群から選択される官能基を形成し、これは、-C
1~6-アルキル、-C(=O)C
1~6-アルキル、-C(=O)OC
1~6-アルキル、-C(=O)NHC
1~6-アルキル、-C(=S)NHC
1~6-アルキル、オキソ(=O)、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C
1~6-アルキル、-C
1~6-アルキレン-OC
1~6-アルキル、及び-C(=O)NH
2からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で少なくとも一置換され得る、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、-P(=O)(OH)2、P(=O)(OH)(OR7)、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)OR7、-(CHR8)m-OP(=O)(OR7)2、-(CHR8)m-OC(=O)NHR7、又は-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R8、-S(=O)2-R7、-C(=S)OR7及び-C(=S)R7からなる群から選択され;
ここで、
mが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、非置換又は少なくとも一置換C
1~16アルキル基、C
2~16アルケニル基又はC
2~16アルキニル基又は任意に置換される6員若しくは10員アリール基(これは、任意に置換される単環式又は多環式環系と任意に縮合されるか又は任意に置換されるC
1~5アルキレン基、C
2~5アルケニレン基又はC
2~5アルキニレン基を介して任意に結合される);又は任意に置換される5員~14員ヘテロアリール基(これは、任意に置換される単環式又は多環式環系と任意に縮合されるか又は任意に置換されるC
1~5アルキレン基、C
2~5アルケニレン基又はC
2~5アルキニレン基を介して任意に結合される)を表し;
ここで、R8が、-H又は任意に置換される脂肪族基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R1が、-C(=O)R7、-OC(=O)-(CHR8)
m-R7、-OC(=O)OR7、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)
2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHR7、-C(=O)-N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)R7、-(CHR8)
p-O-C(=O)-OR7、-(CHR8)
p-OP(=O)(OR7)
2、-(CHR8)
p-OC(=O)NHR7、-(CHR8)
p-OC(=O)N(R7)R7
、-S(=O)
2R7、-C(=S)OR7及び-C(=S)R7からなる群から選択され;
ここで、
mが、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
ここで、
pが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-O-C
1~6-アルキル、-OCF
3、-O-C
2F
5、-O-C
3F
7、-O-C
4F
9、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-C
1~6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-CF
3、-C
2F
5、-C
3F
7、-C
4F
9、-NH
2、-NH-C
1~6-アルキル、-N(C
1~6-アルキル)
2、-NH-フェニル、-NH-ベンジル、-N(C
1~6-アルキル)-フェニル、-N(C
1~6-アルキル)-ベンジル、-N
+(C
1~6-アルキル)
3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C
1~6-アルキル、-C(=O)-O-ベンジル、-C(=O)-O-フェニル、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-C
1~6-アルキル、-C(=O)-N(C
1~6-アルキル)
2、-C(=O)-NH-フェニル、-C(=O)-NH-ベンジル、-CN、-NO
2、-S(=O)-NH
2、-CHO、-C(=O)-C
1~6-アルキル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、-O-C(=O)-C
1~6-アルキル、-S(=O)-C
1~6-アルキル、-S(=O)
2-C
1~6-アルキル、-S(=O)-フェニル、-S(=O)
2-フェニル、-S(=O)-ベンジル、-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-C
1~6-アルキル-、-O-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-ベンジル、-O-S(=O)
2-C
1~6-アルキル-、-O-S(=O)
2-フェニル、-O-S(=O)
2-ベンジル、-NH-S(=O)-C
1~6-アルキル、-NH-C(=O)-O-C
1~6-アルキル及び-NH-C(=O)-C
1~6-アルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され、ここで、前記フェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C
1~6-アルキル、-C(=O)-H、-C(=O)-C
1~6-アルキル、-CF
3、-CN、-NO
2、-C
1~6-アルキル、-O-C
1~6-アルキル、-O-CF
3、-S-CF
3から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基又はフェニル、ナフチル、ピリジニル、フリル(フラニル)、チエニル(チオフェニル)、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インドリル及びイソインドリルから選択されるラジカルで任意に置換され、これは、-(CH
2)-、-(CH
2)-(CH
2)-、-(CH
2)-(CH
2)-(CH
2)-又は-CH=CH-基を介して任意に結合されるか又は-CF
3、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF
3、-SCF
3、-SCF
2H、-SCFH
2、-OH、-SH、-NO
2、-CHO、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5、-C(=O)-C(CH
3)
3、-CF
2H、-CFH
2、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C
3H
7、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H
7、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H
7、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-CH
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)-N(C
2H
5)
2、-CH
2-N(C
3H
7)
2、-CH
2-N(C
4H
9)
2、-CH
2-N(CH
3)(C
2H
5)又は-(CH
2)-モルホリニルから独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され;
ここで、R8が、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル又はn-ヘキシニルから選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-SH、F、Cl、Br、I、-O-C
1~6-アルキル、-OCF
3、-O-C
2F
5、-O-C
3F
7、-O-C
4F
9、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-C
1~6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-CF
3、-C
2F
5、-C
3F
7、-C
4F
9、-NH
2、-NH-C
1~6-アルキル、-N(C
1~6-アルキル)
2、-NH-フェニル、-NH-ベンジル、-N(C
1~6-アルキル)-フェニル、-N(C
1~6-アルキル)-ベンジル、-N
+(C
1~6-アルキル)
3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C
1~6-アルキル、-C(=O)-O-ベンジル、-C(=O)-O-フェニル、-C(=O)-NH
2、-O-C(=O)-C
1~6-アルキル、-C(=O)-NH-C
1~6-アルキル、-C(=O)-N(C
1~6-アルキル)
2、-C(=O)-NH-フェニル、-C(=O)-NH-ベンジル、-CN、-NO
2、-S(=O)-NH
2、-CHO、-C(=O)-C
1~6-アルキル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、-S(=O)-C
1~6-アルキル、-S(=O)
2-C
1~6-アルキル、-S(=O)-フェニル、-S(=O)
2-フェニル、-S(=O)-ベンジル、-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-C
1~6-アルキル-、-O-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-ベンジル、-O-S(=O)
2-C
1~6-アルキル-、-O-S(=O)
2-フェニル、-O-S(=O)
2-ベンジル、-NH-S(=O)-C
1~6-アルキル、-NH-C(=O)-O-C
1~6アルキル又は-NH-C(=O)-C
1~6-アルキルから独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され;ここで、前記フェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C
1~6-アルキル、-C(=O)-H、-C(=O)-C
1~6-アルキル、-CF
3、-CN、-NO
2、-C
1~6-アルキル、-O-C
1~6-アルキル、-O-CF
3又は-S-CF
3から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)
2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)OR7、-(CHR8)
m-OP(=O)(OR7)
2、-(CHR8)
m-OC(=O)NHR7、-(CHR8)
m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)
2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7から選択され、
ここで、
mが、1、2又は3であり、
ここで、R7が、それぞれ、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル又はn-ヘキシニルから選択されるラジカルであり;これらはそれぞれ、-OH、F、Cl、Br、I、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-N
+(CH
3)
3、-N
+(C
2H
5)
3、-N
+[C(CH
3)
3]
3、-CN、-NO
2、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H
7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H
7、-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H
7、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H
7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-NH-C(=O)-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5、-C(=O)-C(CH
3)
3、フェニル、ナフチル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インドリル又はイソインドリルから独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され;
ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し;これは、それぞれ、-OH、F、Cl、Br、I、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-N
+(CH
3)
3、-N
+(C
2H
5)
3、-N
+[C(CH
3)
3]
3、-CN、-NO
2、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H
7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H
7、-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H
7、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H
7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5及び-C(=O)-C(CH
3)
3から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)
2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OH)(OR16)、-P(=O)(OR16)(OR17)、-C(=O)NH
2、-C(=O)-NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)OR7、-(CHR8)
m-OP(=O)(OR8)
2、-(CHR8)
m-OC(=O)NHR7、-(CHR8)
m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7から選択され;
ここで、
mが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルから選択され;これは、-OH、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-N+(CH
3)
3、-N+(C
2H
5)
3、-N+[C(CH
3)
3]
3、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C3H7、-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H
7、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H
7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5又は-C(=O)-C(CH
3)
3から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され;
ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル又はn-ヘキシルから選択され;これは、-OH、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH3
3)2、-N(C
2H
5)
2、-N+(CH
3)
3、-N+(C
2H
5)
3、-N+[C(CH
3)
3]
3、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H
7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H
7、-S(=O)2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H
7、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H
7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5or-C(=O)-C(CH
3)
3から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され;
ここで、R16及びR17が、独立して、塩形成性カチオンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)
2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)
2、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)
m-OC(=O)R7-(CHR8)
m、-OC(=O)OR7、(CHR8)
m-OP(=O)(OR7)
2、-(CHR8)
m-OC(=O)-NHR7、-(CHR8)
m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)
2-R7、-C(=S)OR7、又は-C(=S)R7から選択され;
ここで、
mが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル又はn-ヘキシルから選択され;これは、-OH、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-N+(CH
3)
3、-N+(C
2H
5)
3、-N+[C(CH
3)
3]
3、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H7、-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H
7、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H
7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-NH-C(=O)-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5又は-C(=O)-C(CH
3)
3から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され;
ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルから選択され;これは、-OH、-O-CH
3、-O-C
2H
5、-O-CH
2-CH
2-CH
3、-O-CH(CH
3)
2、-O-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-O-C(CH
3)
3、-S-CH
3、-S-C
2H
5、-S-CH
2-CH
2-CH
3、-S-CH(CH
3)
2、-S-CH
2-CH
2-CH
2-CH
3、-S-C(CH
3)
3、-NH
2、-NH-CH
3、-NH-C
2H
5、-N(CH
3)
2、-N(C
2H
5)
2、-N+(CH
3)
3、-N+(C
2H
5)
3、-N+[C(CH
3)
3]
3、-S(=O)-CH
3、-S(=O)-C
2H
5、-S(=O)-C
3H7、-S(=O)-C(CH
3)
3、-S(=O)
2-CH
3、-S(=O)
2-C
2H
5、-S(=O)
2-C
3H
7、-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-O-S(=O)-CH
3、-O-S(=O)-C
2H
5、-O-S(=O)-C
3H7、-O-S(=O)-C(CH
3)
3、-O-S(=O)
2-CH
3、-O-S(=O)
2-C
2H
5、-O-S(=O)
2-C
3H7、-O-S(=O)
2-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-CH
3、-NH-C(=O)-C
2H
5、-NH-C(=O)-C(CH
3)
3、-NH-C(=O)-O-CH
3、-NH-C(=O)-O-C
2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-NH
2、-C(=O)-NH-CH
3、-C(=O)-NH-C
2H
5、-C(=O)-NH-C(CH
3)
3、-C(=O)-N(CH
3)
2、-C(=O)-N(C
2H
5)
2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH
3、-O-C(=O)-CH
3、-O-C(=O)-C
2H
5、-O-C(=O)-CH(CH
3)
2、-O-C(=O)-CH
2-CH
2-CH
3、-C(=O)-O-C
2H
5、-C(=O)-O-C(CH
3)
3、-C(=O)-CH
3、-C(=O)-C
2H
5又は-C(=O)C(CH
3)
3から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R1及びそれが結合される前記キサントフィル酸素が、一緒に、β-D-グルコピラノシル、3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル、又はβ-D-グルコピラノシル-(1-3)-β-D-グルコピラノシル-(1-3)-D-グルコピラノシルを形成し;それぞれ、1、2又は3つのβ-D-グルコピラノシル又は3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシルで任意に置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R1が、C
1~C
5アシル又は-OC(=O)(CHR8)
r-R7であり;ここで、-(CHR8)
r-が、直鎖状又は分枝鎖状アルキレンであり;ここで、
rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;ここで、R7がモルホリニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R1が、-C(=O)-C
1~C
8-アルキレン-N-モルホリニル、-C(=O)(CH2)
r-R7、又は-C(=O)-(CH2)
r-N-モルホリニルから選択され、ここで、
rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
R1が、アセチル、プロピオニル、3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル、テトラヒドロピラニル、-C(O)-(CH
2)
r-C(O)OH、-C(O)-(CH
2)
r-OR18、-C(O)-(CHR18)
r-C(O)OH、-C(O)-(CHR18)
r-OR19、-C(O)-(CR18R19)
r-OR20、-C(O)O-(CH
2)
r-OR18、-C(O)CH
2-(OCH
2CH
2)
r-OR18、-C(O)C(O)(OCH
2CH
2)
r-OR18、-C(O)-(CH
2)
r-N(R18)R19、-C(O)OCH
2N(R18)R19、-C(O)NH-(CH
2)
r-N(R18)R19、-C(O)-(CH
2)
r-N
+(R18)(R19)(R20)X
-、-C(O)O(CH
2)
r-N
+(R18)(R19)(R20)X
-、-C(O)NH-(CH
2)
r-N
+(R18)(R19)(R20)X
-、L-アミノ酸残基、D-アミノ酸残基、β-アミノ酸残基、γ-アミノ酸残基、-P(O)(OR21)(OR22)、又は--P(O)(NR18)(NR19)から選択され;
ここで、R18、R19、及びR20が、独立して、-OH、ホルミル、アセチル、ピバロイル、-NH
2、-NH(CH
3)、-NH(CH
2CH
3)、N(CH
3)
2、-NH[C(O)H]、-NH[C(O)CH
3]、又はC
3~C
5-アルキルから選択され;
ここで、R21及びR22が、独立して、-H、C
1~C
5-アルキル、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン又は薬学的に許容される塩基から選択され、
ここで、
rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;
ここで、X
-が、薬学的に許容される酸から誘導される対イオンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
R1が、-C(O)C(R23)(CH
2)
2R24であり;
ここで、R23が、-H又は直鎖状、分枝鎖状又は環状C
1~C
6低級アルキルであり;
ここで、R24が、5~7員複素環であり、ここで、前記員原子の少なくとも1つが、N又はNR25であり;
ここで、R25が、-(H)
2、-(H)
3
+、又はジアルキルC
1~C
6から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R1が、-C(O)(CH
2)
2N(CH
3)
2、-C(O)OCH
2N(CH
2CH
3)
2、-C(O)NHCH
2CH
3、-C(O)CH
2N(CH
3)
2、-C(O)(CH
2)
2O CH
2CH
3、-C(O)NH(CH
2)
4NH
2、-C(H)O、-C(O)CH
2OH、-C(O)、-C(O)(CH
2OCH
2)
3CH
2OCH
3、-C(O)OCH
3、-C(O)CH
3、-C(O)(CH
2O CH
2)
2CH
2OCH
3、-C(O)CH(OH)CH
2OH、-C(O)C(CH
3)(CH
2OH)CH
2OH、-C(O)(CH
2)
3C
6H
5NH
2、-C(O)CH(NH
2)[CH(CH
3)]
2CH
3、-P(O)(ONH
4)
2、-C(O)(CH
2)
3C
6H
5NHC(O)(CH
2)
2C(O)OH、-C(O)CH[NHC(O)(CH
2)
2C(O)OH]CH(CH
3)CH
3、-C(O)[CH(OH)]
4、-C(O)CH
2N(CHO)CH
3、-C(O)([O(CH
2)
2]
4CH
3)、-C(O)C
4H
4NH、-C(O)C(O)([O(CH
2)
2]
4OCH3)、2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパナリル、-C(O)(CH
2)
2NH
2、-C(O)CH
2NHCO、-C(O)CH
2NH
2、2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパナリル、-C(O)CH
2NH CH
3、-C(O)(CH
2)
3N[CH(CH
3)CH
3)]
2、-C(O)CH
2NHC(O)、-C(O)CH(NH
2)CH(CH
3)CH
3、-C(O)OCH
2CH(OH)CH(OH)、-C(O)[CH(OH)]
3CH
2OH、-C(O)CH(OH)CH
2OH、-C(O)OCH
2CH(OH)CH
2OH、又は-C(O)CH(NH
2)CH
2CH
2CH(OH)NH
2から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
R1が、-C(O)CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-R26、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-R26、-C(O)CH(NH
2)CH
2CH
2C(O)NHCH
3、-C(O)CH(NH
2)CH
2CH
2C(O)NHCH
2CH
3、-C(O)CH(NH
2)CH
2C(O)NHCH
3、又は-C(O)CH(NH
2)CH
2C(O)NHCH
2CH
3から選択され;ここで、R26が、フェニル又はピリジニルのいずれかである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R26が、-2-ピリジニル、-3-ピリジニル、又は-4-ピリジニルから選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R1が、-C(O)CH2NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH
2NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH
2NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-フェニル、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH(CH
3)NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-フェニル、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH
2CH
2NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH(NH
2)CH
2CH
2C(O)NHCH
3、-C(O)CH(NH
2)CH
2CH
2C(O)NHCH
2CH
3、-C(O)CH(NH
2)CH
2C(O)NHCH
3、or-C(O)CH(NH
2)CH
2C(O)NHCH
2CH
3から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R1が、
【化3】
【化4】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
R1が、
【化5】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
R1が、
【化6】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
R1が、
【化7】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
R1が、
【化8】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
R1が、
【化9】
(式中、前記波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択されるラジカルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
R1が、
【化10】
のいずれか1つから選択されるラジカルであり、式中、前記波線が、ラジカルを表し、ここで:
R27が、結合(非存在)又は-O-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-から選択され、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R28が、-COC(O)-、-C(O)-、-CH
2C(O)-、-CH
2C(O)-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-又は-C(O)-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-であり、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R29が、結合(非存在)又は-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-から選択され、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R30が、ヒドロキシル、-OC(O)-2-ピリジニル-、-OC(O)-3-ピリジニル-、-OC(O)-4-ピリジニル-、又は-OC(O)Hから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が、
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
からなる群から選択される化学構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項28】
対象における非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項29】
対象における非アルコール性脂肪肝(NAFL)を治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項30】
対象における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項31】
前記NASHが、NASHステージF0、NASHステージF1、NASHステージF2、NASHステージF3及びNASHステージF4からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法が、前記対象における相対肝重量、血漿アラニンアミノトランスフェラーゼレベル、肝臓トリグリセリド含量又は肝臓コレステロールを低下させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
対象における小葉炎症の治療のための方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項34】
対象における門脈炎症の治療のための方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項35】
対象における肝細胞の風船様腫大の治療のための方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項36】
対象における低比重リポタンパク(LDL)酸化の治療のための方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項37】
対象における非アルコール性脂肪性肝炎由来肝細胞癌の治療のための方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項38】
対象における線維症の治療のための方法であって、有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項39】
前記線維症が、急性間質性肺炎、関節線維化、喘息における線維症(気道リモデリング)、アテローム性動脈硬化症、骨髄線維症、心筋線維化、腎線維症、胆嚢性肝硬変、NASHステージF1、NASHステージF2、NASHステージF3及びNASHステージ4、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性胆管炎(原発性胆汁性肝硬変)、アルコール性肝疾患、アルコール性脂肪肝(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性肝硬変、薬物性肝疾患、ヘモクロマトーシス、自己免疫性肝炎、慢性B型又はC型ウイルス性肝炎、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、特発性器質化肺炎、嚢胞性線維症、剥離性間質性肺炎、びまん性実質性肺疾患、デュピュイトラン拘縮、心内膜心筋線維症、移植片対宿主病(GVHD)の結果としての線維症、特発性肺線維症、特発性間質性線維症、間質性肺疾患、間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、多巣性線維硬化症、筋線維症、骨髄線維症、腎性全身性線維症、非特異的間質性肺炎、臓器移植線維症、膵臓線維症、ウィルソン病、ペイロニー病、腎線維症、呼吸細気管支炎、後腹膜線維症、手術後の瘢痕化、強皮症(斑状限局性強皮症、汎発型限局性強皮症及び線状強皮症)、全身性強皮症(限局性、びまん性及び皮膚硬化のない)、上皮下線維症、又は子宮線維症から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、前記対象における前記線維症を改善する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記線維症が、NAFLD、AFL、NASH、ASH、非アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、非アルコール性肝硬変、アルコール性肝硬変、B型肝炎、C型肝炎、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、又は胆管閉塞によって引き起こされる、請求項39に記載の方法。
【請求項38】
対象における活性化肝星細胞(aHSC)を不活性化HSC(iHSC)表現型に戻す方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項39】
対象における活性化肝星細胞(aHSC)を静止HSC(qHSC)表現型に戻す方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項40】
対象における静止HSC(qHSC)から活性化肝星細胞(aHSC)への活性化を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項41】
対象における不活性化肝星細胞(iHSC)から活性化肝星細胞(aHSC)への活性化を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項42】
対象におけるHSC中のTGFβ1シグナル伝達を阻害する方法であって、有効量の請求項27に記載の医薬組成物を、必要とする前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項43】
対象における肝星細胞中のHDAC9発現を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項44】
対象における肝星細胞中の細胞活性酸素種(ROS)蓄積を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項45】
対象における肝星細胞中の筋細胞エンハンサー因子2(MEF2)の発現を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項46】
対象における肝星細胞中の線維形成遺伝子の基底発現を阻害する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項47】
対象における心血管代謝障害/メタボリック・シンドロームを治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項48】
前記心血管代謝障害/メタボリック・シンドロームが、急性冠症候群、急性心筋梗塞、狭心症、大動脈弁及び僧帽弁疾患、不整脈/心房細動、動脈閉塞性疾患、アテローム性動脈硬化症、心筋症、頸動脈アテローム性動脈硬化症、脳アテローム性動脈硬化症、慢性腎疾患、血管中の血栓形成をもたらす凝固障害、冠動脈性心疾患、糖尿病性自律神経障害、糖尿病性腎症、脂質異常症、心内膜炎、高LDL値、高コレステロール血、HIV感染における高コレステロール血、高脂血、高リポタンパク血症、高リン血症、高血圧症、高トリグリセリド血症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、間欠性跛行、川崎病、低HDL値、心筋虚血、ω-3欠乏、起立性低血圧、末梢動脈疾患、リン脂質欠乏、肺塞栓症若しくは静脈塞栓症、心筋梗塞の二次予防、ショック、脳卒中、2型糖尿病又は心臓弁膜症から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
認知疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項50】
前記認知疾患又は障害が、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症/自閉症スペクトラム障害(ASD)、(失読症、加齢性記憶障害及び学習障害、記憶喪失、軽度認知障害、認知症を伴わない認知機能障害、アルツハイマー病予備群)、気分低下、加齢関連認知低下、又は集中力障害及び注意障害から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
神経変性/神経炎症性疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項52】
前記神経変性/神経炎症性疾患が、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、前頭側頭認知症、ハンチントン病、レビー小体型認知症、フリードライヒ運動失調症、多系統萎縮症及び筋萎縮性側索硬化症から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
炎症又は炎症性疾患若しくは障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項54】
前記炎症又は炎症性疾患若しくは障害が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、バレット症候群、強皮症、歯周炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病(CD)、湿疹、糸球体腎炎及びネフローゼ、関節炎、歯肉炎、全身性強皮症、角膜ジストロフィー、硬化性皮膚炎、炎症性肺疾患、例えば、喘息、オンコセルカ症、臓器移植拒絶反応、変形性関節症、多関節型関節炎、若年性関節リウマチ、若年性特発性関節炎、乾癬、再かん流傷害(虚血・再かん流傷害(IRI)又は再酸素化傷害)、関節リウマチ、交感性眼炎及び眼内炎、トラコーマ、潰瘍性大腸炎(UC)、ブドウ膜炎から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
対象における原発性硬化性胆管炎を治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項56】
前記原発性硬化性胆管炎(PSC)が、PSCステージ1、PSCステージ2、PSCステージ3及びPSCステージ4からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項57】
対象における原発性胆汁性胆管炎を治療する方法であって、治療有効量の請求項27に記載の医薬組成物を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項58】
前記原発性胆汁性胆管炎(PBC)が、PBCステージ1、PBCステージ2、PBCステージ3及びPBCステージ4からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、全体が参照により本明細書に援用される、2020年12月24日に出願された米国仮特許出願第63130435号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明の分野は、キサントフィルの誘導体(プロドラッグを含む)並びにそれを作製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カロテノイドは、主に、植物、酵母、及び微細藻類によって産生される天然色素の一群である。全てのカロテノイドは、共通の化学的特徴、例えば、ポリイソプレノイド構造、発色団を形成する長いポリエン鎖、及び中心の二重結合の周りの近似的対称性を共有する。酸素化された官能基を有さないカロテノイドは、「カロテン」と呼ばれ、それらの炭化水素の性質を反映する。酸素化されたカロテンは、「キサントフィル」として知られている。
【0004】
キサントフィルは、アスタキサンチン式(I~VII)、ゼアキサンチン式(VIII)、ルテイン式(IX)、クリプトキサンチン式(X)、アンテラキサンチン式(XI)、フコキサンチン式(XII)、ネオキサンチン式(XIII及びXIV)及びビオラキサンチン式(XV)を含む。
【0005】
アスタキサンチンは、例えば、淡水微細藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)及び担子菌酵母キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomyces dendrorhous)(アナモルフファフィア・ロドジーマ(Phaffia rhodozyma))において天然に産生される、赤橙色の非プロビタミンAカロテノイドであり、且つ強力な酸化防止剤である。藻類を摂取する動物、例えば、サケ、紅鱒、マダイ、フラミンゴ、及び甲殻類(すなわち、エビ、オキアミ、カニ、ロブスター、及びザリガニ)は、その後、様々な程度にアスタキサンチン色素沈着を反映する。アスタキサンチンの抗酸化機構は、一重項酸素消去、直接のラジカル除去、及び脂質の過酸化鎖の破壊を含む。
【0006】
したがって、アスタキサンチンは、3及び3'位に不斉中心を有し、式(I)に示されるような(3S,3'S)異性体;式(II)に示されるような(3S,3'R)異性体;又は式(III)に示されるような(3R,3'R)異性体として存在し得る。供給源に応じて、アスタキサンチンは、混合異性体として、メソ化合物IIを伴う若しくは伴わない(3R,3'R)及び(3S,3'S)のラセミ体として、又は鏡像異性的に純粋なアスタキサンチンとして合成又は単離され得る。ポリエン鎖中のC=C二重結合の周りの異性は、別個の化合物(Z(「cis」)及びE(「trans」)、又は幾何異性体として知られている)として単離され得る明確に異なる分子構造を生じる。all-E配置は、伸長された直鎖状分子(式(IV))である。ポリエン鎖中の任意のZの存在は、屈曲鎖分子(式(V~VI)を生じる。
【0007】
食事からの、キサントフィルを含むカロテノイドの吸収は、脂肪を必要とするプロセスである、腸上皮内への受動拡散によって起こり(van het Hof et al.J Nutr 2000 Mar;130(3):503-6;Ribaya-Mercado,Nutrition Reviews 2002 60(4):104-110)、膵臓ホスホリパーゼA2及びリゾホスファチジルコリンによって促進される(Sugawara et al.,J Nutr.2001 Nov;131(11):2921-7)。吸収の後、カロテノイドは、カイロミクロン中に組み込まれ、リンパ液及び血液を介して肝臓に輸送され、リポタンパク質とともに部分的に再分泌される。幾何E/Z異性化を含む構造差は、カロテノイドについての吸収、血漿輸送、及び代謝の個々のパターンを生じる(Clevidence and Bieri,Methods in Enzymology,1993,214:33-46)。
【0008】
アスタキサンチンは、様々な疾患に対する複数標的薬剤としてますます大きな関心を集めている、強力な酸化防止剤、抗炎症薬、抗アポトーシス薬、及び免疫調節剤である。例えば、心血管及び代謝の健康において、アスタキサンチンは、血糖値を低下させ、メタボリック・シンドロームの様々なパラメータを改善する(例えば、K.Uchiyama,Redox.Rep.2000,7(5):290-3;G.Hussein et al.,J.Pharm.Sci.2007,100(Suppl.1):176p;M.Ikeuchi et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.2007,71:893-9;Naito,Y.,K.Uchiyama,et al.Biofactors 2004,20(1):49-59を参照)。高血圧症モデルにおいて、アスタキサンチンは、血流及び血管緊張を増大した(例えば、H.Yanai et. al.(2008)Integrated Blood Pressure Control 1:1-3を参照)。アスタキサンチンは、低比重リポタンパクの酸化を阻害し、動脈硬化を防止するために提案されている(T.Iwamoto et al.,J.Atheroscler,Thromb.2000,7:216-222)。
【0009】
免疫の健康において、アスタキサンチンは、抗炎症性効果を有する免疫系調節剤であり、クローン病などの自己免疫疾患及び関節炎などの炎症性関節疾患の治療のために提案されている(例えば、H.Jyonouchi et al.J.Nutr.1995,125:1570-1573;J.Park,et al.Nutr.Metab.2010,7:18-27;Kurashige et al.Physiol.Chem.Phys.Med.1990,NMR22:27-38;K.Ohgami et al.Investigative Ophthalmology & Visual Sci.2003,44(6):2694-2701;及びY.Suzuki et al.Exp.Eye Res.2006,82(2):275-281;Y.Nir,G.Spiller.J Am Coll Nutr,2002,21;国際公開第2019/065674 A1号パンフレット;国際公開第2019/159868号パンフレットを参照)。
【0010】
眼の健康において、アスタキサンチンは、ドライアイ、眼精疲労、黄斑変性症、白内障、緑内障糖尿病性網膜症、高眼圧症並びに紫外線による水晶体及び網膜の眼虚血障害のために使用される(K.Sawaki et al.Journal of Clinical Therapeutics & Medicines,2002,18:73-88;国際公開第2015/114900号パンフレット;国際公開第2019/119672号パンフレット;国際公開第2019/138995号パンフレット;)。
【0011】
皮膚の健康において、アスタキサンチンは、掻痒、皮膚炎のため、及び皮膚の老化を遅らせ、しわ、加齢による染み及びそばかすの発生を減少させるのに使用される(Suganuma K et al.,Jichi Medical University Journal.2012,35:25-33;K.Tominaga K et al.,Acta Biochim Pol.2012;59(1):43-7;E.Yamashita,Carotenoid Science.2006;10:91-5;A.Satoh et al.Oyo Yakuri Pharmacometrics,2011,80(1/2):7-11;国際公開第2019/111896号パンフレット;国際公開第2019/111897号パンフレット)。
【0012】
さらに、アスタキサンチンは、肝臓癌、結腸癌、膀胱癌、口腔癌、白血病及び脳腫瘍を含む多くの癌において抗癌作用を示した(国際公開第2020/059745号パンフレット;Zhang L,Mar Drugs.2015;13(7):4310-4330;Kowshik J,et al.PLoS One.2014;9(10):e109114;Kavitha K,et al.Biochim Biophys Acta.2013;1830(10):4433-4444;Li J,Dai W,Xia Y,et al.Mar Drugs.2015;13(10):6064-6081)。
【0013】
アスタキサンチンに適応される他の疾患及び障害としては、ピロリ菌(Helicobacter pylori)などの細菌感染症が挙げられる(M.Bennedsen et al.,Immunol.Left.1999,70:185-189)。
【0014】
原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、特発性肺線維症(IPF)及び非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を含む、炎症性疾患、心血管代謝疾患、神経疾患及び線維性疾患の予防及び治療における、キサントフィル、特に、アスタキサンチンの使用が特に興味深い。非アルコール性脂肪肝疾患(「NAFLD」)は、過剰な脂肪が肝臓中に貯蔵される病態である(Chalasani,N.,et al.Hepatology 2012;55:2005-2023)。NAFLDは、NAFL、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、線維症、及び肝硬変を含む様々な慢性肝疾患を包含する(Younossi ZM,et al.Nat Rev Gastroenterol Hepatol.2018;15:11-20)。有病率は、46%もの高さであり得る(Cimini,FA.,et al.World J Gastroenterol 2017;23:3407-341)。インスリン抵抗性は、NAFLDの根底にある生理学の特徴であり、肝臓中の脂肪蓄積の原因であり得る(Neuschwander-Tetri,BA.,et al.Hepatology 2003;37:1202-1219)。NAFLDの2つのタイプは、単純性脂肪肝(非アルコール性脂肪肝、又は「NAFL」とも呼ばれる)及び非アルコール性脂肪性肝炎(「NASH」)である。NAFLは、肝臓中に過剰な脂肪があるが、炎症又は肝細胞損傷はほとんどないNAFLDの形態である。NASHは、過剰な脂肪に加えて、肝炎(肝臓の炎症)及び肝細胞損傷がある場合に生じる(Obes Facts.2016;9(2):65-90)。NASHを有する者は、肝硬変及び肝疾患による死亡のリスクが高い。
【0015】
キサントフィルは、抗酸化、脂質低下、抗炎症、抗線維化、及びインスリン感受性特性を発揮することによってNAFLDを予防及び治療するのに有効である。アスタキサンチン、特に、多くの面から、NASHを含むNAFLDの発症原因を治療するのに有効である。高脂肪食を与えられた肥満マウスにおけるアスタキサンチン補給の試験は、アスタキサンチンが、高脂肪食によって引き起こされる体重及び脂肪組織の増加を阻害したことを示した。さらに、アスタキサンチンはまた、肝重量及び肝臓トリグリセリド、血漿トリグリセリド及び総コレステロールレベルを減少させた(Ikeuchi M,et al.Biosci Biotechnol Biochem.2007;71(4):893-899)。
【0016】
炎症性因子の放出は、NAFLDの発症において重要である。アスタキサンチンは、M1マクロファージを著しく減少させ、M2マクロファージを増加させ、CD4+及びCD8+の肝臓動員を減少させ、NAFLDにおける炎症を阻害することが示された。アスタキサンチンは、Jun N末端キナーゼ(JNK)/p38分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ(MAPK)及びNF-κB経路の活性化を阻害することによって、脂質蓄積を減少させ、インスリンシグナル伝達を改善し、炎症誘発性シグナル伝達を阻害する際に、ビタミンEより有効であった(Ni Y,Nagashimada M,et al.Sci Rep.2015;5(1):17192)。同様に、アスタキサンチンは、マウスにおけるマクロファージ浸潤及びマクロファージマーカーの発現を減少させ、肝臓及び脂肪組織における炎症及び線維症を阻害し、肥満マウスにおけるミトコンドリア脂肪酸を酸化する骨格筋の能力を促進した(Kim B,et al.J Nutr Biochem.2017;43:27-35)。
【0017】
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)は、炎症の制御において重要な役割を果たす。活性化されたPPAR-αは、脂肪酸輸送、代謝、酸化を改善し、肝臓脂肪蓄積を阻害する。逆に、PPAR-γの活性化及び過剰発現は、肝臓中の脂肪酸貯蔵及び脂質蓄積を促進する(Zheng H,et al.Eur J Pharmacol.2011;659(2-3):244-251;Cao CY,et al.Tohoku J Exp Med.2012;227(4):253-262。8週間にわたって高脂肪食を与えられたマウスにおいて、アスタキサンチンは、高脂肪食によって誘発される肝臓脂質蓄積を減少させ、肝臓中のトリグリセリドレベルを低下させ、炎症性マクロファージ及びクッパー細胞の数を減少させた(Jia Y,et al.J Nutr Biochem.2016;28:9-18)。これらの変化は、アスタキサンチンによるPPARの制御に起因していた。アスタキサンチンは、PPAR-αを活性化し、肝臓中のPPAR-γの発現及びインターロイキン-6及び腫瘍壊死因子-αのレベルを阻害し、炎症を阻害し、肝臓中の脂肪合成を減少させる。
【0018】
さらに、アスタキサンチンは、AKT-mTOR経路を阻害することによって肝細胞の自食作用を引き起こし、肝臓中に貯蔵された脂肪滴を分解する(Jia Y,et al.J Nutr Biochem.2016;28:9-18)。アスタキサンチンはまた、脂肪酸シンターゼ及びアセチル補酵素Aカルボキシラーゼの発現を著しく阻害し、肝臓中のSOD、CAT、GPX活性及びグルタチオン(GSH)を増加させ、肝臓中の脂質過酸化反応を著しく低下させる(Xu J,et al.Nutrients.2017;9(3):271)。
【0019】
食餌性肥満(DIO)及び非アルコール性脂肪性肝炎マウスモデルを使用する試験において、アスタキサンチンは、肝臓及び脂肪組織における炎症及び線維症を著しく阻害し、肥満マウスにおけるミトコンドリア脂肪酸酸化のための骨格筋の能力を促進する(B.Kim,et al.J Nutr Biochem.2017 May;43:27-35)。米国特許出願公開第2016/0287534 A1号明細書は、NASHを含む線維症及び線維性疾患の好転のための抗線維化剤としてのアスタキサンチンの使用を開示している。US'534において、本発明者らは、アスタキサンチンが、活性化HSC(aHSC)を不活性化HSC(iHCS)に変化させることによって肝星細胞(HSC)の活性化を抑え得ることを示した。アスタキサンチンはまた、静止HSC(qHSC)からaHSCへの活性化を阻害する。
【0020】
遊離キサントフィル、例えば、アスタキサンチンの使用についての欠点は、それらが、低い安定性、水溶解度、吸収及び他の特性を有することである。溶解度及びバイオアベイラビリティなどの改善された特性を有するアスタキサンチンを生成しようとするこれまでの試みが、PCT公報国際公開第2006/039685号パンフレット、国際公開第2004/011423号パンフレット、国際公開第2016/037785号パンフレット、国際公開第2003/066583号パンフレット、国際公開第2011/095 571号パンフレット、国際公開第2006/102576号パンフレット、国際公開第2005/102356号パンフレット、国際公開第2006/099015号パンフレット、国際公開第2006/105214号パンフレット、国際公開第2006/119168号パンフレット、国際公開第2007/027834号パンフレット、国際公開第2007/067957号パンフレット、国際公開第2007/090095号パンフレット、国際公開第2007/147163号パンフレット、国際公開第2008/106606号パンフレット、国際公開第2008/118862号パンフレット、国際公開第2020/055913号パンフレット、国際公開第2019/236772号パンフレット、国際公開第2006/119125号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0026874号明細書、米国特許出願公開第2005/0009788号明細書、米国特許出願公開第2005/0143475号明細書、米国特許出願公開第2018/0110741号明細書、米国特許出願公開第2005/0228188号明細書、米国特許出願公開第2017/0081289号明細書、米国特許出願公開第2018/0055788号明細書及び米国特許第10125104号明細書に見出される。しかしながら、強化された薬物動態及び薬力学的プロファイルをもたらすさらなる改良が必要とされる。したがって、本発明は、限定はされないが、より高い安定性、増加した水溶解度、増加した透過性、改善された分布、標的器官、例えば、肝臓中の増加した濃度、ミトコンドリア中の増加した濃度、及び改善されたバイオアベイラビリティを含む改善された特性を有する新規なキサントフィル誘導体、特に、アスタキサンチン誘導体を提供する。
【化1】
【化2】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、改善された物理化学的特性を含む改善された特性を有する新規な形態のキサントフィル並びに化合物の調製のための方法に関する。
【0022】
一態様において、本発明は、式(XVI)~(XXX)のいずれか1つから選択される式を有する化合物(式中、A1~A31が、独立して、R1又は-Hであり、A1~A31から選択される任意の所与のキサントフィルの少なくとも1つの置換基がR1である);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体を提供する。
【0023】
したがって、別の態様は、本発明のキサントフィル誘導体の投与から利益を得られる疾患又は障害を有する対象を治療する方法であって、有効量の前記キサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
定義
本明細書において使用される際の「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「を特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、さらなる記載されていない要素又は方法工程を除外しない。例えば、「有効成分を含む」本発明の組成物は、特に規定されない限り、1つ又はいくつもの有効成分を含有する。
【0025】
「からなる(consists of)」又は「からなる(consisting of)」という語句は、クローズドエンドであり、記載される特徴のみを含む。ある節において使用される場合、「からなる(consists of)」又は「からなる(consisting of)」という語句は、該当する節に記載される要素のみを限定する。
【0026】
「から本質的になる(consists essentially of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、部分的にオープンであり、権利請求される発明の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を与えない特徴に限定される。例えば、これらの語句は、本発明の組成物の、基本的な及び新規な特性、例えば、活性又は安定性に実質的に影響を与えない記載されないレベルの不純物を含む。
【0027】
本明細書において使用される際、ある範囲が、2つの値の「間」として記載される場合、その範囲が末端値を含むことが理解される。
【0028】
本明細書において使用される際、「治療する」、「治療すること」又は「治療」という用語は、疾患又は病態の1つ以上の症状又は特徴を緩和、軽減又はなくすことを意味し、治療的、緩和、予防的であり得、又は疾患の進行を遅らせ得る。「治療有効量」という用語は、所望の生物学的又は薬理学的反応を引き起こす薬物の量、すなわち、前記疾患を治療するのに十分な量を意味することが意図される。
【0029】
「有効量」という用語は、所望の効果又は結果をもたらす有効成分の量を意味する。「治療有効量」という用語は、例えば、疾患若しくは障害の症状を予防、緩和、又は改善し;疾患若しくは障害の根底にあるプロセス又は進行を遅らせ、停止させ又は食い止め;細胞機能を部分的に又は完全に回復させ;或いは治療される対象の生存期間を延長するのに有効な、所望の生物学的又は薬理学的反応を引き起こす有効成分の量を意味する。
【0030】
「対象」という用語は、哺乳動物、非ヒト動物、特に、ヒトを含む動物を意味する。一実施形態において、対象は、ヒトである。別の実施形態において、対象は、ヒト男性であり、別の実施形態において、対象は、ヒト女性である。「対象」は、医療又は獣医学用途、例えば、疾患又は病態の治療のための、動物、例えば、ヒト対象を含むことができ、限定はされないが、例えば、本発明の組成物は、食品、食品添加物、飼料、飼料添加物及び食事/栄養補助食品として一般的な食事の健康及び栄養摂取において使用するのに好適であり得る。好適な動物対象は、非ヒト霊長類及び他の哺乳動物、例えば、ウシ亜科動物、例えば、畜牛、役牛;ヒツジ類、例えば、ヒツジ;ヤギ亜科動物、例えば、ヤギ;ブタ類、例えば、ブタ、イノシシ;ウマ科動物、例えば、ウマ;ネコ科動物、例えば、家猫;イヌ科動物、例えば、イヌ;ウサギ目動物、例えば、ウサギ、野ウサギ;げっ歯類、例えば、マウス、ラット;鳥類、特に、食用の家禽類、例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、カモ、ガチョウ;並びにコイ、サケ、サバヒー、マス、ダントウボウ、ライギョ、ナマズ、シーバス、イシビラメ、オヒョウ、タイ、キングフィッシュ、バラマンディ、ハタ及び小エビを含む魚介類も含む。さらに、「対象」は、病態若しくは疾患に罹患した又は罹患した疑いのある患者を含み得る。したがって、「対象」及び「患者」という用語は、本明細書において同義的に使用され得る。
【0031】
「賦形剤」という用語は、薬学的に有効な成分のための担体として使用される薬学的に許容される不活性物質を指し、付着防止剤(antiadherent)、バインダー、コーティング、崩壊剤、充填剤、希釈剤、香味料、増量剤(bulkant)、着色剤、滑剤、分散剤、湿潤剤、滑沢剤、保存料、吸着剤及び甘味料を含む。
【0032】
「単位用量」という用語は、単回用量で対象に投与されるキサントフィル誘導体の量を指す。
【0033】
本明細書において使用される際の「キサントフィル誘導体」という用語は、本明細書に開示される化学構造を除去、置換、付加、又は他の形で改変することによって共有結合的に修飾されたキサントフィルを指す。プロドラッグではない本発明のキサントフィル誘導体は、修飾された状態で生物学的活性を保持する。好ましいキサントフィル誘導体は、キサントフィルプロドラッグ、アスタキサンチン誘導体及びアスタキサンチンプロドラッグである。プロドラッグであるアスタキサンチン誘導体は、代謝されるまで不活性であるか又はプロドラッグ(非代謝)形態で少なくとも部分的な生物学的活性を保持するプロドラッグを含む。
【0034】
本明細書において使用される際の「キサントフィルプロドラッグ」という用語は、プロドラッグ部分、すなわち、プロドラッグ化学基で共有結合的に修飾されたキサントフィル、例えば、アスタキサンチンを指す。投与の後、プロドラッグは、インビボで化学的に又は酵素的に代謝されて、親キサントフィル化合物(例えば、親3R,3R' all-transアスタキサンチン)の形成をもたらす。本発明のキサントフィルプロドラッグは、一実施形態において、生物学的に活性であり得、又は、別の実施形態において、それらのプロドラッグ形態で生物学的に不活性であり得;ここで、生物学的活性は、親キサントフィルの生物学的活性である。いずれの場合も、プロドラッグは、インビボで代謝されて、親キサントフィルになる。
【0035】
本明細書において使用される際の「飼料」という用語は、非ヒト動物、特に、家畜の栄養摂取のための製品を指す。
【0036】
本明細書において使用される際の「飼料添加物」という用語は、その製造中に飼料に組み込まれ得る、例えば、粉末又は液体の形態の配合物を指す。
【0037】
本明細書において使用される際の「食品」という用語は、主に、脂肪、タンパク質及び炭水化物などの栄養素の摂取に役立つ、ヒトの栄養摂取のための製品を指す。
【0038】
本明細書において使用される際の「食品添加物」という用語は、その製造中に食品に組み込まれ得る、例えば、粉末又は液体の形態の配合物を指す。
【0039】
本明細書において使用される際の「栄養補助食品」という用語は、経口投与に好適であり、伝統食品に加えてヒトによって摂取される配合物を指し、一般的な食事又は一般的な健康状態の改善を達成するために活性物質を投与することを主な目的とする。
【0040】
本発明に係る「縮合」という用語は、環又は環系が別の環又は環系に結合されることを意味し、「環状(annulated)」又は「縮環(annelated)」という用語も、この種類の結合を表すために当業者によって使用される。
【0041】
組成物
一態様において、本発明は、XVI~XXXから選択されるいずれか1つの式の化合物(式中、A1~A31がそれぞれ、独立して、R1又は-Hであり、ただし、前記式XVI~XXXのそれぞれにおける少なくとも1つの置換基がR1である);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体を提供する。
【0042】
一実施形態において、前記化合物は、式(XVI)の化合物(式中、A1及びA2が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A1及びA2が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A1がR1であり、A2が-Hである。さらなる実施形態において、A2がR1であり、A1が-Hである。さらなる実施形態において、親アスタキサンチンの3及び3'位に関して、化合物は、(3S,3'S)、(3S,3'R)、(3R,3'S)及び(3R,3'R)、又はそれらの混合物、例えば1:2:1の3S,3'S:メソ(3R,3'Sと同一である3S,3'R):3R,3'Rからなる群から選択される異性体である。好ましい実施形態において、異性体は、(3S,3'S)である。さらなる実施形態において、ポリエン鎖中のC=C二重結合の周りの異性に関して、化合物は、all-trans、9-cis、13-cis及び15-cis(残りの位置にtrans C=C)からなる群から選択される。
【0043】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XVII)の化合物(式中、A3及びA4が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A3及びA4が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A3がR1であり、A4が-Hである。さらなる実施形態において、A4がR1であり、A3が-Hである。
【0044】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XVIII)の化合物(式中、A5及びA6が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A5及びA6が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A5がR1であり、A6が-Hである。さらなる実施形態において、A6がR1であり、A5が-Hである。
【0045】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XIX)の化合物(式中、A7及びA8が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A5及びA6が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A7がR1であり、A8が-Hである。さらなる実施形態において、A8がR1であり、A7が-Hである。
【0046】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XX)の化合物(式中、A9及びA10が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A9及びA10が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A9がR1であり、A10が-Hである。さらなる実施形態において、A9が-Hであり、A10がR1である。
【0047】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXI)の化合物(式中、A11及びA12が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A11及びA12が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A11がR1であり、A12が-Hである。さらなる実施形態において、A11が-Hであり、A12がR1である。
【0048】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXII)の化合物(式中、A13及びA14が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A13及びA14が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A13がR1であり、A14が-Hである。さらなる実施形態において、A13が-Hであり、A14がR1である。
【0049】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXIII)の化合物(式中、A15及びA16が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A15及びA16が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A15がR1であり、A16が-Hである。さらなる実施形態において、A15が-Hであり、A16がR1である。
【0050】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXIV)の化合物(式中、A17及びA18が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A17及びA18が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A17がR1であり、A18が-Hである。さらなる実施形態において、A17が-Hであり、A18がR1である。
【0051】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXV)の化合物(式中、A19がR1である);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。
【0052】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXVI)の化合物(式中、A20及びA21が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A20及びA21が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A20がR1であり、A21が-Hである。さらなる実施形態において、A20が-Hであり、A21がR1である。
【0053】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXVII)の化合物(式中、A22及びA23が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A22及びA23が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A22がR1であり、A23が-Hである。さらなる実施形態において、A22が-Hであり、A23がR1である。
【0054】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXVIII)の化合物(式中、A24、A26及びA26が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A24、A25及びA26が全て-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A24及びA25が、独立して、R1から選択され、A26が-Hである。さらなる実施形態において、A24及びA26が、独立して、R1から選択され、A25が-Hである。さらなる実施形態において、A25及びA26が、独立して、R1から選択され、A24が-Hである。
【0055】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXIX)の化合物(式中、A27、A28及びA29が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A27、A28及びA29が全て-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A27及びA28が、独立して、R1から選択され、A29が-Hである。さらなる実施形態において、A27及びA29が、独立して、R1から選択され、A28が-Hである。さらなる実施形態において、A28及びA29が、独立して、R1から選択され、A27が-Hである。
【0056】
別の実施形態において、前記化合物は、式(XXX)の化合物(式中、A30及びA31が、独立して、R1又は-Hから選択され、ここで、A30及びA31が両方とも-Hであるわけではない);並びにその塩、共結晶、幾何異性体及び立体異性体である。さらなる実施形態において、A30がR1であり、A31が-Hである。さらなる実施形態において、A30が-Hであり、A31がR1である。
【化3】
【化4】
【0057】
一実施形態において、R1が、アシル又はエステル;直鎖状又は分枝鎖状、置換又は非置換、飽和又は不飽和;アミド、イミド;エステル;又は-NO2から選択されるラジカルである。
【0058】
別の実施形態において、R1で-C(=O)R2であり、ここで、R2が、-H;-OH;飽和又は不飽和、非置換又は置換脂肪族基;直鎖状、置換又は非置換C1~C10-アルキル;分枝鎖状、置換又は非置換C3~C10アルキルから選択されるラジカルである。
【0059】
別の実施形態において、R1が、それが結合されるキサントフィル酸素と一緒に、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸(algenic)、β-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、又はガラクツロン酸から選択される酸のエステルである。
【0060】
別の実施形態において、R1が、-C(O)CH(R3)NH2、-C(O)CH(R3)NHC(O)CH(R4)NH2、又は-C(O)CH(R3)NHC(O)CH(R4)NHC(O)CH(R5)NH2であり;ここで、R3、R4、及びR5が、独立して、アミノ酸側鎖基である。一実施形態において、R3、R4、及びR5が、独立して、バリン、サルコシン、ロイシン、グルタミン、トリプトファン、チロシン、アラニン又は4-(4-アミノフェニル)酪酸のアミノ酸側鎖から選択される。
【0061】
別の実施形態において、R1が、-C(O)(CH2)1~10C(O)OH;又は-C(O)(CH2)0~10N(R6)R6から選択され、ここで、各R6が、独立して、-H、アルキルであるか、又は一緒に、飽和、不飽和、若しくは置換環を形成する。さらなる実施形態において、前記アルキルは、C1~C5-アルキル又はC1~C10-アルキルである。
【0062】
一実施形態において、R1が、アシル;-C(=O)H;-C(=O)R7;-C(=O)-(CHR8)r-R7、-C(=O)-(CHR8)r-R7、-C(=O)R7、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、-P(=O)(OH)(OR7)、-P(=O)(OH)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-S(=O)R7、-S(=O)2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7からなる群から選択され;ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;ここで、R7が、それぞれ、独立して、飽和又は不飽和、非置換又は置換脂肪族基;又は非置換又は置換アリール又はヘテロアリールであり、これは、非置換又は置換単環式又は多環式環系と縮合され得るか、及び/又は非置換又は置換アルカンジイルを介して結合され得;ここで、R8が、-H又は飽和又は不飽和、非置換又は置換アルカンジイル、アルケンジイル又はアルキンジイルである。
【0063】
残基R7又はR8の1つ以上が、アリール又はヘテロアリールを表すか又は含む場合、このようなアリール又はヘテロアリールは、-C1~6-ペルフルオロアルキル(perfluoralkyl)、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-C1~6-アルキル、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、1つ以上の塩素原子で置換される-C1~6-アルキル、-OC1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-OC1~6-アルキル、-SC1~6-アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC1~6-アルキル、-OC(=O)C1~6-アルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-OCF3、-OC2F5、-OC3F7、-OC4F9、-SCF3、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NHC(=O)C1~6-アルキル、-N(C1~6-アルキル)C(=O)C1~6-アルキル、-NO2、-CHO、-C(=O)C1~6-アルキル、-C(=O)-C1~6-ペルフルオロアルキル、-C(=S)-NH-C1~6-アルキル、-CF2H、-CFH2、-C(=O)N(R9)R10、-C(=O)NHN(R11)(R12)、-S(=O)C1~6-アルキル、-S(=O)2C1~6-アルキル、-S(=O)2-フェニル、-S(=O)-フェニル、-C1~5-アルキレン-SC1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)C1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)2C1~6-アルキル、-N(R13)R14、-C1~5-アルキレン-N(R13)R14、S(=O)NH2、-S(=O)2NHC1~6-アルキル、-S(=O)2NH-フェニル、-NHS(=O)2C1~6-アルキル、-OS(=O)C1~6-アルキル-、-OS(=O)-フェニル、-CS(=O)-ベンジル、-OS(=C)2C1~6-アルキル、-OS(=O)2-フェニル、-O-S(=O)2-ベンジル、-N+(C1~6-アルキル)3、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-C(=O)O-ベンジル、-C(=O)O-フェニル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基で任意に置換され得;ここで、それぞれ、環状部分シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルが、-F、-Cl、-Br、-I、-OH、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-OC1~6-アルキル、-OCF3、及び-SCF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得る。
【0064】
R9、R10、R13及びR14がそれぞれ、独立して、-H、-C1~6-アルキルから選択され、又はR9及びR10が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる官能基を形成し、これは、1つ以上の同一又は異なるC1~6アルキル基で少なくとも一置換され得る。
【0065】
R11及びR12が、互いに独立して、-H、-C1~6-アルキル、-C(=O)OC1~6-アルキル、C3~8-シクロアルキル、-C1~5-アルキレン-C3~8-シクロアルキル、-C1~6-アルキレン-OC1~6-アルキル又は1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキルを表し、又はR11及びR12が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる群から選択される官能基を形成し、これは、-C1~6-アルキル、-C(=O)C1~6-アルキル、-C(=O)OC1~6-アルキル、-C(=O)NHC1~6-アルキル、-C(=S)NHC1~6-アルキル、オキソ(=O)、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-C1~6-アルキレン-OC1~6-アルキル、及び-C(=O)NH2からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で少なくとも一置換され得る。
【0066】
アリール及びヘテロアリール基が、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-CH2Cl、-CHCl2、-C2H4Cl、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-CH2-OH、-O-CH2-O-CH3、-O-CH2-CH2-O-CH3、-O-CH2-O-C2H5、-C(OCH3)(C2H5)2、-C(OCH3)(CH3)2、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C3H7、-C(=O)-O-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-O-C(=O)-C(CH3)3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-SCF3、-SCF2H、-S CFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NO2、-CHO、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5、-C(=O)-C(CH3)3、-C(=O)-CF3、-C(=O)-C2F5、-C(=O)-C3F7、-C(=S)-NH-CH3、-C(=S)-NH-C2H5、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C3H7、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-NH-NH-CH3、-C(=O)-NH-NH-C2H5、-C(=O)-NH-NH2、-C(=O)-NH-N(CH3)2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-フェニル、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-CH2-N(CH3)2、-(CH2)-モルホリニル、-(CH2)-ピペリジニル、-(CH2)-ピペラジニル、-(CH2)-N(C2H5)2、-CH2-N(C3H7)2、-CH2-N(C4H9)2、-CH2-N(CH3)(C2H5)、-S(=O)-NH2、-S(=O)2-NH-CH3、-S(=O)2-NH-フェニル、-NH-S(=O)2-CH3、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得、前記チオフェニル基が、-F、-Cl、-Br、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から独立して選択される1、2又は3つの置換基で置換され得る。
【0067】
一実施形態において、アリール基が、置換フェニル又は置換ナフチル(1-及び2-ナフチル)である。
【0068】
別の実施形態において、ヘテロアリール基中の環員として存在するヘテロ原子は、特に定義されない限り、独立して、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択され得る。より好ましくは、ヘテロアリール基は、5員~14員であり、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含み得る。
【0069】
別の実施形態において、非置換又は少なくとも一置換されるヘテロアリール基は、ピリジニル、フリル(フラニル)、チエニル(チオフェニル)、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾリル、[1,2,3]-ベンゾチアジアゾリル、[2,1,3]-ベンゾオキサジアゾリル、[1,2,3]-ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、2H-クロメニル、ピラニル、インダゾリル、及びキナゾリニルである。
【0070】
別の実施形態において、単環式又は多環式環系と縮合されるアリール及びヘテロアリール基は、[1,3]-ベンゾジオキソリル、[1,4]-ベンゾジオキサニル、[1,2,3,4]-テトラヒドロナフチル、(2,3)-ジヒドロ-1H-シクロペンタ[b]インドリル、[1,2,3,4]-テトラヒドロキノリニル、[1,2,3,4]-テトラヒドロイソキノリニル、[1,2,3,4]-テトラヒドロキナゾリニル及び[3,4]-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニルである。
【0071】
他の実施形態において、1つ以上のR7又はR8が、環員として少なくとも1つのヘテロ原子を有する飽和又は不飽和、脂環式基であるか又はそれを含む場合、R7又はR8は、C3~18脂環式基、複素環基、好ましくは、4員~10員複素環、C3~16シクロアルキル、C4~16シクロアルケニル、C4~16ヘテロシクロアルキル、又はC5~16ヘテロシクロアルケニルから選択され;これは、特に定義されない限り、置換され得る。好ましくは、前記脂環式基、複素環基、C3~16シクロアルキル、C4~16シクロアルケニル、C4~16ヘテロシクロアルキル、又はC5~16ヘテロシクロアルケニルは、それぞれ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、-C1~6-ペルフルオロアルキル、-C1~6アルキル、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、1つ以上の塩素原子で置換される-C1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-O-C1~6-アルキル、-S-C1~6-アルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-OC(=O)C1~6-アルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NHC(=O)C1~6-アルキル、-N(C1~6-アルキル)-C(=O)C1~6-アルキル、-NO2、-CHO、-C(=O)C1~6-アルキル、-C(=O)C1~6-ペルフルオロアルキル、-C(=S)NHC1~6-アルキル、-CF2H、-CFH2、-C(=O)N(R9)R10、-C(=O)NHN(R11)R11、-S(=O)C1~6-アルキル、-S(=O)2C1~6-アルキル、-S(=O)2-フェニル、-C1~5-アルキレン-SC1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)C1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)2C1~6-アルキル、-N(R13)R14、-C1~5-アルキレン-N(R13)R14、S(=O)NH2、-S(=O)2NHC1~6-アルキル、-S(=O)2NH-フェニル、-NHS(=O)2C1~6-アルキル、-O-ベンジル、-O-フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で置換され得;ここで、環状部分シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルは、-F、-Cl、-Br、-I、-OH、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、-O-CF3及び-S-CF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に及び独立して置換され得;ここで、R9、R10、R13及びR14が、互いに独立して、-H又は-C1~6-アルキルを表し、又はR9及びR10が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる群から選択されるラジカルを形成し、これは、1つ以上の同一又は異なるC1~6アルキル基で少なくとも一置換され得、R11及びR12が、独立して、-H、-C1~6アルキル、-C(=O)OC1~6-アルキル、C3~8-シクロアルキル、-C1~5-アルキレン-C3~8-シクロアルキル、-C1~6-アルキレン-OC1~6-アルキル又は1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキルから選択され、又はR11及びR12が、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル、又はジアゼパニルから選択され得る基を形成し、これは、-C1~6-アルキル、-C(=O)C1~6-アルキル、-C(=O)OC1~6-アルキル、-C(=O)NHC1~6-アルキル、-C(=S)NHC1~6-アルキル、オキソ(=O)、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-(C1~6-アルキレン)-OC1~6-アルキル又は-C(=O)-NH2から独立して選択される1つ以上の置換基で少なくとも一置換され得る。
【0072】
他の実施形態において、前記脂環式基、複素環、C3~16シクロアルキル基、C4~16シクロアルケニル基、C4~16ヘテロシクロアルキル基、又はC5~16ヘテロシクロアルケニル基は、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-CH2Cl、-CHCl2、-C2H4Cl、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-CH2-OH、-O-CH2-O-CH3、-O-CH2-CH2-O-CH3、-O-CH2-O-C2H5、-C(OCH3)(C2H5)2、-C(OCH3)(CH3)2、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C3H7、-C(=O)-O-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-O-C(=O)-C(CH3)3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NO2、-CHO、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5、-C(=O)-C(CH3)3、-C(=O)-CF3、-C(=O)-C2F5、-C(=O)-C3F7、-C(=S)-NH-CH3、-C(=S)-NH-C2H5、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C3H7、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-NH-NH-CH3、-C(=O)-NH-NH-C2H5、-C(=O)-NH-NH2、-C(=O)-NH-N(CH3)2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-フェニル、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-CH2-N(CH3)2、-(CH2)-モルホリニル、-(CH2)-ピペリジニル、-(CH2)-ピペラジニル、-(CH2)-N(C2H5)2、-CH2-N(C3H7)2、-CH2-N(C4H9)2、-CH2-N(CH3)(C2H5)、-S(=O)-NH2、-S(=O)2-NH-CH3、-S(=O)2-NH-フェニル、-NH-S(=O)2-CH3、-O-ベンジル、-O-フェニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得、前記チオフェニル基は、F、Cl、Br、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から独立して選択される1、2又は3つの置換基で置換され得る。
【0073】
R1中の残基の1つ以上が、環員として1つ以上のヘテロ原子を含有する脂環式基、好ましくは、C3~16脂環式基を表すか又は含む場合、特に定義されない限り、これらのヘテロ原子のそれぞれが、独立して、窒素、酸素又は硫黄から選択される。より好ましくは、脂環式基は、環員としてN、O及びSからなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を任意に含有し得る。
【0074】
好適な飽和又は不飽和の、任意に、環員として少なくとも1つのヘテロ原子を含有する脂環式基は、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロトリデシル、シクロテトラデシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、アジリジニル、アゼチジニル、イミダゾリジニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゾカニル、(2,5)-ジヒドロフラニル、(2,5)-ジヒドロチオフェニル、(2,3)-ジヒドロフラニル、(2,3)-ジヒドロフラニル、(2,5)-ジヒドロ-1H-ピロリル、(2,3)-ジヒドロ-1H-ピロリル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピラニル、(3,4)-ジヒドロ-2H-ピラニル、(3,4)-ジヒドロ-2H-チオピラニル、(1,2,3,6)-テトラヒドロピリジニル、(1,2,3,4)-テトラヒドロピリジニル、(1,2,5,6)-テトラヒドロピリジニル、[1,3]-オキサジナニル、ヘキサヒドロピリジミニル、(5,6)-ジヒドロ-4H-ピリミジニル、オキサゾリジニル、(1,3)-ジオキサニル、(1,4)-ジオキサニル及び(1,3)-ジオキソラニルからなる群から選択され得る。
【0075】
非置換又は少なくとも一置換単環式又は多環式環系と縮合される、好適な飽和又は不飽和の、任意に、環員として少なくとも1つのヘテロ原子を含有する脂環式基は、好ましくは、インドリニル、イソインドリニル、デカヒドロナフチル、(1,2,3,4)-テトラヒドロキノリニル、(1,2,3,4)-テトラヒドロイソキノリニル、(1,2,3,4)-テトラヒドロナフチル、オクタヒドロ-シクロペンタ[c]ピロリル、(1,3,4,7,9a)-ヘキサヒドロ-2H-キノリジニル、(1,2,3,5,6,8a)-ヘキサヒドロ-インドリジニル、デカヒドロキノリニル、ドデカヒドロ-カルバゾリル、9H-カルバゾリル、デカヒドロイソキノリニル、(6,7)-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピリジニル、(2,3)-ジヒドロ-1H-ベンゾ[de]イソキノリニル及び(1,2,3,4)-テトラヒドロキノキサリニル(quinoxazlinyl)からなる群から選択され得る。
【0076】
別の実施形態において、脂環式基、C3~16シクロアルキル基、C4~16シクロアルケニル基、C4~16ヘテロシクロアルキル基又はC5~16ヘテロシクロアルケニル基は、1、2又は3つの非置換又は少なくとも一置換されたアルキレン基によって架橋され得る。
【0077】
少なくとも1つの非置換又は少なくとも一置換されたアルキレン基によって架橋され得る、好適な飽和又は不飽和の、任意に、環員として少なくとも1つのヘテロ原子を含有する脂環式基は、好ましくは、アダマンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ノルボルネニル及び8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチルからなる群から選択され得る。
【0078】
飽和又は不飽和、非置換又は少なくとも一置換された脂環式基と一緒に、共通の環原子を介してスピロ環状残基を形成する、好適な飽和又は不飽和の、任意に、環員として少なくとも1つのヘテロ原子を含有する脂環式基は、8-アザ-スピロ[4.5]デカニルである。
【0079】
本明細書において使用される際の単環式又は多環式環系は、飽和、不飽和又は芳香族であり得る、単環式又は多環式炭化水素環系、好ましくは、単環式又は二環式環系を含む。その異なる環のそれぞれが、異なる飽和度を示してもよく、すなわち、それらは、飽和、不飽和又は芳香族であり得る。任意に、単環式又は二環式環系の環のそれぞれが、環員として1つ以上、好ましくは、1、2又は3個のヘテロ原子を含有してもよく、これは、同一又は異なっていてもよく、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択され得る。単環式又は二環式環系の環は、好ましくは、5員、6員又は7員である。
【0080】
残基R7又はR8の1つ以上が、特に定義されない限り、置換され得る単環式又は多環式環系を含む場合、好ましくは、前記単環式又は多環式環系は、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、-C1~6-ペルフルオロアルキル、-C1~6-アルキル、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、1つ以上の塩素原子で置換される-C1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-OC1~6-アルキル、1つ以上のメトキシ及び/若しくはエトキシ基で置換される-OC1~6-アルキル、-SC1~6-アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)OC1~6-アルキル、-OC(=O)C1~6-アルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NHC(=O)-C1~6-アルキル、-N(C1~6-アルキル)-C(=O)-C1~6-アルキル、-NO2、-CHO、-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)C1~6-ペルフルオロアルキル、-C(=S)NH-C1~6-アルキル、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NN(R9)R11、-C(=O)-NHN(R11)R12、-S(=O)-C1~6-アルキル、-S(=O)2-C1~6-アルキル、-S(=O)2-フェニル、-(C1~5-アルキレン)-S-C1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)-C1~6-アルキル、-C1~5-アルキレン-S(=O)2-C1~6-アルキル、-N(R13)R14、-(C1~5-アルキレン)-N(R13)R14、-S(=O)-NH2、-S(=O)2-NH-C1~6-アルキル、-S(=O)2NH-フェニル、-NHS(=O)2-C1~6-アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得;ここで、それぞれ、環状部分シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、-OCF3及び-SCF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得、ここで、R9、R10、R13及びR14が、互いに独立して、-H又は-C1~6-アルキルを表し、又はR9及びR10が、それぞれ、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる群から選択されるラジカルを形成し、これは、1つ以上の同一又は異なるC1~6アルキル基で少なくとも一置換され得、R11及びR12が、互いに独立して、-H、-C1~6アルキル、-C(=O)O-C1~6-アルキル、C3~8-シクロアルキル、-C1~5-アルキレン-C3~8-シクロアルキル、-C1~6-アルキレン-O-C1~6-アルキル又は1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキルを表し、又はR11及びR12が、それぞれ、架橋窒素原子と一緒に、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、モルホリニル、アゼパニル及びジアゼパニルからなる群から選択されるラジカルを形成し、これは、-C1~6-アルキル、-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-NH-C1~6-アルキル、-C(=S)-NH-C1~6-アルキル、オキソ(=O)、1つ以上のヒドロキシ基で置換される-C1~6-アルキル、-(C1~6-アルキレン)-O-C1~6-アルキル及び-C(=O)-NH2からなる群から独立して選択される1つ以上の置換基で少なくとも一置換され得る。
【0081】
他の実施形態において、前記単環式又は多環式環系は、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-CH2Cl、-CHCl2、-C2H4Cl、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-CH2-OH、-O-CH2-O-CH3、-O-CH2-CH2-O-CH3、-O-CH2-O-C2H5、-C(OCH3)(C2H5)2、-C(OCH3)(CH3)2、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C3H7、-C(=O)-O-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-O-C(=O)-C(CH3)3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-SO3H、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NO2、-CHO、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5、-C(=O)-C(CH3)3、-C(=O)-CF3、-C(=O)-C2F5、-C(=O)-C3F7、-C(=S)-NH-CH3、-C(=S)-NH-C2H5、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C3H7、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-NH-NH-CH3、-C(=O)-NH-NH-C2H5、-C(=O)-NH-NH2、-C(=O)-NH-N(CH3)2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-フェニル、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-CH2-N(CH3)2、-(CH2)-モルホリニル、-(CH2)-ピペリジニル、-(CH2)-ピペラジニル、-(CH2)-N(C2H5)2、-CH2-N(C3H7)2、-CH2-N(C4H9)2、-CH2-N(CH3)(C2H5)、-S(=O)-NH2、-S(=O)2-NH-CH3、-S(=O)2-NH-フェニル、-NH-S(=O)2-CH3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、フェニル、チオフェニル及びベンジルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得、前記チオフェニル基は、F、Cl、Br、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から独立して選択される1、2又は3つの置換基で置換され得る。
【0082】
R1の残基の1つ以上が、脂肪族基、C1~16アルキル基、C2~16アルケニル基又はC2~16アルキニル基を表すか又は含む場合、特に定義されない限り、-OH、-SH、F、Cl、Br、I、-O-C1~6-アルキル、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-C1~6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-NH2、-NH-C1~6-アルキル、-(C1~6-アルキル)2、-NH-フェニル、-NH-ベンジル、-N(C1~6-アルキル)-フェニル、-N(C1~6-アルキル)-ベンジル、-N+(C1~6-アルキル)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-O-ベンジル、-C(=O)-O-フェニル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-C1~6-アルキル、-C(=O)-N(C1~6-アルキル)2、-C(=O)-NH-フェニル、-C(=O)-NH-ベンジル、-CN、-NO2、-S(=O)-NH2、-CHO、-C(=O)-C1~6-アルキル、-O-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、-S(=O)-C1~6-アルキル、-S(=O)2-C1~6-アルキル、-S(=O)-フェニル、-S(=O)2-フェニル、-S(=O)-ベンジル、-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-ベンジル、-O-S(=O)2-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)2-フェニル、-O-S(=O)2-ベンジル、-NH-S(=O)-C1~6-アルキル、-NH-C(=O)-O-C1~6-アルキル及び-NH-C(=O)-C1~6-アルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;ここで、それぞれ、環状部分フェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-H、-C(=O)-C1~6-アルキル、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、-O-CF3及び-S-CF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得る。
【0083】
他の実施形態において、脂肪族基、C1~16アルキル基、C2~16アルケニル基及びC2~16アルキニル基は、-OH、F、Cl、Br、I、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-CN、-NO2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得る。
【0084】
好適なアルキル基、好ましくは、C1~16アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、2-(6-メチル)-ヘプチル、2-(5-メチル)-ヘプチル、2-(5-メチル)-ヘキシル、2-(4-メチル)-ヘキシル、2-(7-メチル)-オクチル、2-(6-メチル)-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル及びn-ヘキサデシルからなる群から選択される。
【0085】
好適な少なくとも一置換されたアルキル基は、-CF3、-CH2F、-CF2H、-CH2-O-CH3、-C2F5、-CH2-CH2-F、-CH2-CN、-CH2-OH、-CH2-CH2-CN、-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-OCH3、-CH2-CH2-CH2-CN、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-NH2、-CH2-N(CH3)2、-CH2N(C2H5)2、-CH2-CH-NH2、-CH2-CH2-N(CH3)2、-CH2-CH2-N(C2H5)2、-CH2-CH2-CH2-NH2、-CH2-CH2-CH2-N(CH3)2及び-CH2-CH2-CH2-N(C2H5)2からなる群から選択される。
【0086】
本発明に係るアルケニル基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。好適なアルケニル基、好ましくは、C2~16アルケニル基は、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、n-ヘプテニル、n-オクテニル、n-ノネニル、n-デセニル、n-ウンデセニル、n-ドデセニル、n-トリデセニル、n-テトラデセニル、n-ペンタデセニル及びn-ヘキサデセニルからなる群から選択される。
【0087】
アルキニル基は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。好適なアルキニル基、好ましくは、C2~16アルキニル基は、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル、n-ヘキシニル、n-オクチニル、n-ノニニル、n-デシニル、n-ウンデシニル、n-ドデシニル、n-トリデシニル、n-テトラデシニル、n-ペンタデシニル及びn-ヘキサデシニルからなる群から選択される。
【0088】
置換基のいずれかが、置換され得る、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基を表す場合、前記アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基は、特に定義されない場合、非置換又は1つ以上の置換基で置換され得、好ましくは、非置換又は1、2又は3つの置換基で置換され得る。前記置換基は、好ましくは、-O-C1~6-アルキル、-S-C1~6-アルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-CF3、-OCF3、-SCF3、-OH、-SH、-SO3H、-NH2、-NH(C1~6-アルキル)、-N(C1~6-アルキル)2及びフェニルからなる群から独立して選択され得る。より好ましくは、前記置換基は、-F、Cl、Br、I、-CN、-CF3、-OCF3、-SCF3、-OH、-SH、-SO3H、-NH2、-NH-CH3、-N(CH3)2、-O-CH3及び-O-C2H5からなる群から選択され得る。アルケニレン基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、アルキニレン基は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。
【0089】
好適なアルキレン基、好ましくは、C1~5-アルキレン基としては、-(CH2)-、-CH(CH3)-、-CH(フェニル)、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-及び-(CH2)6-が挙げられ、好適なアルケニレン基、好ましくは、C2~5-アルケニレン基としては、-CH=CH-、-CH2-CH=CH-及び-CH=CH-CH2-が挙げられ、好適なアルキニレン基、好ましくは、C2~5-アルキニレン基としては、-C≡C-、-CH2-C≡C-及び-C≡C-CH2-が挙げられる。
【0090】
他の実施形態において、R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、-P(=O)(OH)2、P(=O)(OH)(OR7)、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)OR7、-(CHR8)m-OP(=O)(OR7)2、-(CHR8)m-OC(=O)NHR7、又は-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R8、-S(=O)2-R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7を表し;ここで、mが、独立して、1、2又は3であり;ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、非置換又は少なくとも一置換C1~16アルキル基、C2~16アルケニル基又はC2~16アルキニル基;又は非置換又は少なくとも一置換6員若しくは10員アリール基(これは、非置換又は少なくとも一置換単環式又は多環式環系と縮合され得るか、及び/又は非置換又は少なくとも一置換C1~5アルキレン基、C2~5アルケニレン基又はC2~5アルキニレン基を介して結合され得る);又は非置換又は少なくとも一置換5員~14員ヘテロアリール基(これは、非置換又は少なくとも一置換単環式又は多環式環系と縮合され得るか、及び/又は非置換又は少なくとも一置換C1~5アルキレン基、C2~5アルケニレン基又はC2~5アルキニレン基を介して結合され得る)を表し;ここで、R8が、-H又は飽和又は不飽和、非置換又は少なくとも一置換された脂肪族基を表し;ここで、上記の環系の環が、それぞれ、互いに独立して、5員、6員又は7員のものであり、それぞれ、互いに独立して、任意に、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有してもよく;上記のヘテロアリール基が、それぞれ、任意に、環員として窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し;上記のヘテロシクロアルキル基及びヘテロシクロアルケニル基が、それぞれ、任意に、環員として窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する。
【0091】
他の実施形態において、R1が、-C(=O)R7、-OC(=O)-(CHR8)r-R7、-OC(=O)OR7、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)-N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)r-OC(=O)R7、-(CHR8)m-O-C(=O)-OR7、-(CHR8)m-OP(=O)(OR7)2、-(CHR8)m-OC(=O)NHR7、-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7を表し;ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;ここで、mが、1、2又は3であり;ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-SH、-F、-Cl、-Br、-I、-O-C1~6-アルキル、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-C1~6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-NH2、-NH-C1~6-アルキル、-N(C1~6-アルキル)2、-NH-フェニル、-NH-ベンジル、-N(C1~6-アルキル)-フェニル、-N(C1~6-アルキル)-ベンジル、-N+(C1~6-アルキル)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-O-ベンジル、-C(=O)-O-フェニル、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-C1~6-アルキル、-C(=O)-N(C1~6-アルキル)2、-C(=O)-NH-フェニル、-C(=O)-NH-ベンジル、-CN、-NO2、-S(=O)-NH2、-CHO、-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、-O-C(=O)-C1~6-アルキル、-S(=O)-C1~6-アルキル、-S(=O)2-C1~6-アルキル、-S(=O)-フェニル、-S(=O)2-フェニル、-S(=O)-ベンジル、-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-ベンジル、-O-S(=O)2-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)2-フェニル、-O-S(=O)2-ベンジル、-NH-S(=O)-C1~6-アルキル、-NH-C(=O)-O-C1~6-アルキル及び-NH-C(=O)-C1~6-アルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;ここで、それぞれ、環状部分フェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-H、-C(=O)-C1~6-アルキル、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、-O-CF3及び-S-CF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基又はフェニル、ナフチル、ピリジニル、フリル(フラニル)、チエニル(チオフェニル)、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インドリル及びイソインドリルからなる群から選択されるラジカルで任意に置換され得、これは、-(CH2)-、-(CH2)-(CH2)-、-(CH2)-(CH2)-(CH2)-又は-CH=CH-基を介して結合され得、及び/又は-CF3、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF3、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-NO2、-CHO、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5、-C(=O)-C(CH3)3、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C3H7、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-CH2-N(CH3)2、-(CH2)-N(C2H5)2、-CH2-N(C3H7)2、-CH2-N(C4H9)2、-CH2-N(CH3)(C2H5)及び-(CH2)-モルホリニルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得;ここで、R8が、-H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-SH、F、Cl、Br、I、-O-C1~6-アルキル、-OCF3、-O-C2F5、-O-C3F7、-O-C4F9、-O-フェニル、-O-ベンジル、-S-C1~6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-CF3、-C2F5、-C3F7、-C4F9、-NH2、-NH-C1~6-アルキル、-N(C1~6-アルキル)2、-NH-フェニル、-NH-ベンジル、-N(C1~6-アルキル)-フェニル、-N(C1~6-アルキル)-ベンジル、-N+(C1~6-アルキル)3、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-O-ベンジル、-C(=O)-O-フェニル、-C(=O)-NH2、-O-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)-NH-C1~6-アルキル、-C(=O)-N(C1~6-アルキル)2、-C(=O)-NH-フェニル、-C(=O)-NH-ベンジル、-CN、-NO2、-S(=O)-NH2、-CHO、-C(=O)-C1~6-アルキル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェニル、-S(=O)-C1~6-アルキル、-S(=O)2-C1~6-アルキル、-S(=O)-フェニル、-S(=O)2-フェニル、-S(=O)-ベンジル、-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)-フェニル、-O-S(=O)-ベンジル、-O-S(=O)2-C1~6-アルキル-、-O-S(=O)2-フェニル、-O-S(=O)2-ベンジル、-NH-S(=O)-C1~6-アルキル、-NH-C(=O)-O-C1~6アルキル及び-NH-C(=O)-C1~6-アルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;ここで、それぞれ、環状部分フェニル及びベンジルが、F、Cl、Br、I、-OH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1~6-アルキル、-C(=O)-H、-C(=O)-C1~6-アルキル、-CF3、-CN、-NO2、-C1~6-アルキル、-O-C1~6-アルキル、-O-CF3及び-S-CF3からなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得;任意に、その立体異性体、好ましくは、鏡像異性体若しくはジアステレオマー、ラセミ体のうちの1つの形態又は任意の混合比で、その立体異性体、好ましくは、鏡像異性体及び/若しくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物の形態で、又はその対応するN-オキシド、又はその生理学的に許容され
る塩、又はその対応する溶媒和物である。
【0092】
他の実施形態において、R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)OR7、-(CHR8)m-OP(=O)(OR7)2、-(CHR8)m-OC(=O)NHR7、-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R7,-S(=O)2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7から選択され;ここで、mが、1、2又は3であり;ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、F、Cl、Br、I、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-CN、-NO2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基;又はフェニル、ナフチル、ピリジニル、フリル(フラニル)、チエニル(チオフェニル)、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリダジニル、インドリル及びイソインドリルからなる群から選択されるラジカルで任意に置換され得、これは、-(CH2)-、-(CH2)-(CH2)-、-(CH2)-(CH2)-(CH2)-又は-CH=CH-基を介して結合され得、及び/又は-CF3、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、n-ヘキシル、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、F、Cl、Br、I、-CN、-OCF3、-SCF3、-SCF2H、-SCFH2、-OH、-SH、-NO2、-CHO、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5、-C(=O)-C(CH3)3、-CF2H、-CFH2、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C3H7、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-CH2-N(CH3)2、-(CH2)-N(C2H5)2、-CH2-N(C3H7)2、-CH2-N(C4H9)2、-CH2-N(CH3)(C2H5)及び-(CH2)-モルホリニルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5つの置換基で任意に置換され得;ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、n-オクチル、2-オクチル、3-オクチル、4-オクチル、ビニル、n-プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、n-ヘキセニル、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、n-ペンチニル及びn-ヘキシニルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、F、Cl、Br、I、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-CN、-NO2、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H
5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;任意に、その立体異性体、好ましくは、鏡像異性体若しくはジアステレオマー、ラセミ体のうちの1つの形態又は任意の混合比で、その立体異性体、好ましくは、鏡像異性体及び/若しくはジアステレオマーのうちの少なくとも2つの混合物の形態で、又はその対応するN-オキシド、又はその生理学的に許容される塩、又はその対応する溶媒和物である。
【0093】
他の実施形態において、R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)2、-P(=O)(OH)(OR16)、-P(=O)(OR16)(OR17)、-C(=O)NH2、-C(=O)-NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)OR7、-(CHR8)m-OP(=O)(OR8)2、-(CHR8)m-OC(=O)NHR7、-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)2R7、-C(=S)OR7又は-C(=S)R7から選択され;ここで、mが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-NH-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;
ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;
ここで、R16及びR17が、独立して、アルカリ金属(例えば、ナトリウム及びカリウム);アルカリ土類金属(例えば、カルシウム及びマグネシウム)を含む塩形成性カチオン;及び薬学的に許容される有機塩基(例えば、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、モノアミン、ジアミン及び天然アミンを含む四級化又はプロトン化アミン)のカチオンから選択される。一実施形態において、薬学的に許容される有機塩基は、コリン、ベタイン、カフェイン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン.N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、ピペラジン、グルコサミン、アルギニン、リジン又はヒスチジンから選択される。
【0094】
他の実施形態において、R1が、-C(=O)OR7、-C(=O)OH、-P(=O)(OR7)2、P(=O)(OR7)(OH)、-P(=O)(OH)2、-C(=O)NH2、-C(=O)NHR7、-C(=O)N(R7)R7、-C(=O)H、-C(=O)R7、-S(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)R7、-(CHR8)m-OC(=O)OR7、(CHR8)m-OP(=O)(OR7)2、-(CHR8)m-OC(=O)-NHR7、-(CHR8)m-OC(=O)N(R7)R7、-S(=O)2-R7、-C(=S)OR7、又は-C(=S)R7から選択され;ここで、mが、1、2又は3であり;
ここで、R7が、互いに独立して、それぞれ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)-C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得;
ここで、R8が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、neo-ペンチル及びn-ヘキシルからなる群から選択されるラジカルを表し、これは、-OH、-O-CH3、-O-C2H5、-O-CH2-CH2-CH3、-O-CH(CH3)2、-O-CH2-CH2-CH2-CH3、-O-C(CH3)3、-S-CH3、-S-C2H5、-S-CH2-CH2-CH3、-S-CH(CH3)2、-S-CH2-CH2-CH2-CH3、-S-C(CH3)3、-NH2、-NH-CH3、-NH-C2H5、-N(CH3)2、-N(C2H5)2、-N+(CH3)3、-N+(C2H5)3、-N+[C(CH3)3]3、-S(=O)-CH3、-S(=O)-C2H5、-S(=O)-C3H7、-S(=O)-C(CH3)3、-S(=O)2-CH3、-S(=O)2-C2H5、-S(=O)2-C3H7、-S(=O)2-C(CH3)3、-O-S(=O)-CH3、-O-S(=O)-C2H5、-O-S(=O)-C3H7、-O-S(=O)-C(CH3)3、-O-S(=O)2-CH3、-O-S(=O)2-C2H5、-O-S(=O)2-C3H7、-O-S(=O)2-C(CH3)3、-NH-C(=O)-CH3、-NH-C(=O)-C2H5、-NH-C(=O)-C(CH3)3、-NH-C(=O)-O-CH3、-NH-C(=O)-O-C2H5、-NH-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-NH2、-C(=O)-NH-CH3、-C(=O)-NH-C2H5、-C(=O)-NH-C(CH3)3、-C(=O)-N(CH3)2、-C(=O)-N(C2H5)2、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-CH3、-O-C(=O)-CH3、-O-C(=O)-C2H5、-O-C(=O)-CH(CH3)2、-O-C(=O)-CH2-CH2-CH3、-C(=O)-O-C2H5、-C(=O)-O-C(CH3)3、-C(=O)-CH3、-C(=O)-C2H5及び-C(=O)C(CH3)3からなる群から独立して選択される1、2、3、4、5、6、7、8又は9つの置換基で任意に置換され得る。
【0095】
一実施形態において、R1及びそれが結合されるキサントフィル酸素が、一緒に、β-D-グルコピラノシル、3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシル、又はβ-D-グルコピラノシル-(1-3)-β-D-グルコピラノシル-(1-3)-D-グルコピラノシルを形成し;それぞれ、1、2又は3つのβ-D-グルコピラノシル又は3-O-β-D-グルコピラノシル-β-D-グルコピラノシルで任意に置換される。
【0096】
一実施形態において、R1が、C1~C5アシル又は-OC(=O)(CHR8)r-R7から選択され、ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8である。一実施形態において、-(CHR8)r-が、直鎖状又は分枝鎖状アルキレンであり、ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8である。別の実施形態において、R7が、モルホリニル、例えば、-N-モルホリニル(morpholinly)である。一実施形態において、R1が、-C(=O)-C1~C8-アルキレン-N-モルホリニル、-C(=O)(CH2)r-R7、又は-C(=O)-(CH2)r-N-モルホリニルであり;ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8である。
【0097】
一実施形態において、R1が、アセチル、プロピオニル、3-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル、テトラヒドロピラニル、-C(O)-(CH2)r-C(O)OH、-C(O)-(CH2)r-OR18、-C(O)-(CHR18)r-C(O)OH、-C(O)-(CHR18)r-OR19、-C(O)-(CR18R19)r-OR20、-C(O)O-(CH2)r-OR18、-C(O)CH2-(OCH2CH2)r-OR18、-C(O)C(O)(OCH2CH2)r-OR18、-C(O)-(CH2)r-N(R18)R19、-C(O)OCH2N(R18)R19、-C(O)NH-(CH2)r-N(R18)R19、-C(O)-(CH2)r-N+(R18)(R19)(R20)X-、-C(O)O(CH2)r-N+(R18)(R19)(R20)X-、-C(O)NH-(CH2)r-N+(R18)(R19)(R20)X-、L-アミノ酸残基、D-アミノ酸残基、β-アミノ酸残基、γ-アミノ酸残基、-P(O)(OR21)(OR22)、又は--P(O)(NR18)(NR19)から選択され;ここで、R18、R19、及びR20がそれぞれ、独立して、-OH、ホルミル、アセチル、ピバロイル、-NH2、-NH(CH3)、-NH(CH2CH3)、N(CH3)2、-NH[C(O)H]、-NH[C(O)CH3]、及びC3~C5-アルキルからなる群から選択され;ここで、rが、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;ここで、X-が、薬学的に許容される酸から誘導される対イオンであり;ここで、R21及びR22がそれぞれ、独立して、-H、C1~C5-アルキル、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、及び薬学的に許容される塩基からなる群から選択される。
【0098】
一実施形態において、R1が、-C(O)C(R23)(CH2)2R24であり;ここで、R23が、-H又は直鎖状、分枝鎖状又は環状C1~C6低級アルキルであり;R24が、5~7員複素環(例えば、モルホリニル)であり、ここで、員原子の少なくとも1つが、N又はNR25であり、ここで、R25が、H2、H3
+、又はモノ若しくはジアルキルC1~C6、又はその塩である。
【0099】
一実施形態において、R1が、-C(O)(CH2)2N(CH3)2、-C(O)OCH2N(CH2CH3)2、-C(O)NHCH2CH3、-C(O)CH2N(CH3)2、-C(O)(CH2)2OCH2CH3、-C(O)NH(CH2)4NH2、-C(H)O、-C(O)CH2OH、-C(O)、-C(O)(CH2OCH2)3CH2OCH3、-C(O)OCH3、-C(O)CH3、-C(O)(CH2O CH2)2CH2OCH3、-C(O)CH(OH)CH2OH、-C(O)C(CH3)(CH2OH)CH2OH、-C(O)(CH2)3C6H5NH2、-C(O)CH(NH2)[CH(CH3)]2CH3、-P(O)(ONH4)2、-C(O)(CH2)3C6H5NHC(O)(CH2)2C(O)OH、-C(O)CH[NHC(O)(CH2)2C(O)OH]CH(CH3)CH3、-C(O)[CH(OH)]4、-C(O)CH2N(CHO)CH3、-C(O)([O(CH2)2]4CH3)、-C(O)C4H4NH、-C(O)C(O)([O(CH2)2]4OCH3)、2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパナリル(propanalyl)、-C(O)(CH2)2NH2、-C(O)CH2NHCO、-C(O)CH2NH2、2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)-プロパナリル、-C(O)CH2NH CH3、-C(O)(CH2)3N[CH(CH3)CH3)]2、-C(O)CH2NHC(O)、-C(O)CH(NH2)CH(CH3)CH3、-C(O)OCH2CH(OH)CH(OH)、-C(O)[CH(OH)]3CH2OH、-C(O)CH(OH)CH2OH、-C(O)OCH2CH(OH)CH2OH、又は-C(O)CH(NH2)CH2CH2CH(OH)NH2から選択される。
【0100】
一実施形態において、R1が、-C(O)CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-R26、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-R26、-C(O)CH2CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH2CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH2CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH2CH2NHC(O)-R26、-C(O)CH(NH2)CH2CH2C(O)NHCH3、-C(O)CH(NH2)CH2CH2C(O)NHCH2CH3、-C(O)CH(NH2)CH2C(O)NHCH3、又は-C(O)CH(NH2)CH2C(O)NHCH2CH3から選択され;ここで、R26が、フェニル又はピリジニルのいずれかである。さらなる実施形態において、R26が、2-ピリジニル、3-ピリジニル、又は4-ピリジニルから選択される。
【0101】
一実施形態において、R1が、-C(O)CH2NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH2NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH2NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-フェニル、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH(CH3)NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH2CH2NHC(O)-フェニル、-C(O)CH2CH2NHC(O)-2-ピリジニル、-C(O)CH2CH2NHC(O)-3-ピリジニル、-C(O)CH2CH2NHC(O)-4-ピリジニル、-C(O)CH(NH2)CH2CH2C(O)NHCH3、-C(O)CH(NH2)CH2CH2C(O)NHCH2CH3、-C(O)CH(NH2)CH2C(O)NHCH3、又は-C(O)CH(NH2)CH2C(O)NHCH2CH3から選択される。
【0102】
一実施形態において、R1が、
【化5】
【化6】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0103】
好ましい実施形態において、R1が、XXXI~XLIIから選択されるラジカルである。より好ましい実施形態において、R1が、XXXI~XXXVIIIから選択されるラジカルである。より好ましい実施形態において、R1が、XXXIである。
【0104】
一実施形態において、R1が、
【化7】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0105】
一実施形態において、R1が、
【化8】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0106】
一実施形態において、R1が、
【化9】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0107】
一実施形態において、R1が、
【化10】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0108】
一実施形態において、R1が、
【化11】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0109】
一実施形態において、R1が、
【化12】
のいずれか1つから選択され、式中、波線が、ラジカルを表し、ここで:
R27が、結合(非存在)又は-O-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-から選択され、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R28が、-COC(O)-、-C(O)-、-CH
2C(O)-、-CH
2C(O)-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-又は-C(O)-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-であり、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R29が、結合(非存在)又は-(C
1~C
15アルキレン)-C(O)-から選択され、ここで、前記アルキレンが、飽和又は不飽和、置換又は非置換であり;
R30が、ヒドロキシル、-OC(O)-2-ピリジニル-、-OC(O)-3-ピリジニル-、-OC(O)-4-ピリジニル-、又は-OC(O)Hから選択される。
【0110】
一実施形態において、R27、R28又はR29の前記C1~C15アルキレンは、独立して、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9 C10、C11、C12、C13、C14、又はC15アルキレンから選択される。一実施形態において、R27が、-O-(CH2)q-C(O)-であり;ここで、qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11 12、13、14又は15である。別の実施形態において、R28が、-C(O)-(CH2)q-C(O)-であり;ここで、qが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11 12、13、14又は15である。
【0111】
一実施形態において、R1が、
【化13】
から選択され、式中、波線が、ラジカルを表し、ここで:
R31が、-C(O)(CH
2)
pC(O)O-であり;
R32、R33及びR34がそれぞれ、独立して、-H又は-CH
3から選択され;ここで、
pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。
【0112】
一実施形態において、R1が、
【化14】
から選択され、式中、波線が、ラジカルを表し、ここで:
R36及びR38が、-OC(O)(CH
2)
pC(O)-であり、ここで、R36及びR38が、カルボキシル基を介して(CLXI)及び(CLXII)のそれらのそれぞれのアリール環に結合され、キサントフィルが、アシル基に結合され;
R35が、=O(オキソ)、-OH又は(CLXI)のアリール環の反対側の同じ-R36-キサントフィル置換基から選択され;
R37が、=O(オキソ)、-OH又は(CLXII)のアリール環の反対側の同じ-R38-キサントフィル置換基から選択され;ここで、
pが、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。
【0113】
一実施形態において、本発明のキサントフィル誘導体は、
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
からなる群から選択される、化合物又はその薬学的に許容される塩、共結晶、幾何異性体若しくは立体異性体である。
【0114】
好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CC~CCXI、CCXIII、CCXIV、CCXVII~CCXXIX、及びCCXXXII~CCXLIIIのいずれか1つから選択される化学構造を有する化合物である。より好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CC~CCXI、CCXIII、CCXIV、CCXVII~CCXXV、及びCCXXXII~CCXLIIIのいずれか1つから選択される化学構造を有する化合物である。より好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CC、CCIV、CCVIII、CCXVII、CCXX~CCXXII、CCXXXII、CCXXXVII、CCXXXVIII又はCCXLIIIのいずれか1つから選択される化学構造を有する化合物である。より好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CC、CCIV、CCVIII、CCXVII、CCXX、CCXXI、CCXXII、CCXXXVII、又はCCXXVIIIのいずれか1つから選択される化学構造を有する化合物である。より好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CCから選択される化学構造を有する化合物である。より具体的な実施形態において、キサントフィル誘導体は、CCXX、CCXLV又はCCXLVIから選択される化学構造を有する化合物である。より好ましい実施形態において、キサントフィル誘導体は、CCXXの化学構造を有する化合物である。
【0115】
一実施形態において、R1が、
【化23】
(式中、波線が、ラジカルを表す)のいずれか1つから選択される。
【0116】
好ましい実施形態において、R1が、CCXLVII~CCL、及びCCLIV~CCLIXのいずれか1つから選択される。より好ましい実施形態において、R1が、CCLIV~CCLIXのいずれか1つから選択される。より好ましい実施形態において、R1が、CCXLVIIである。
【0117】
一実施形態において、組成物は、医薬組成物である。別の実施形態において、組成物は、食品である。別の実施形態において、組成物は、食品添加物である。別の実施形態において、組成物は、栄養補助食品である。別の実施形態において、組成物は、飼料である。別の実施形態において、組成物は、飼料添加物である。
【0118】
本発明のキサントフィル誘導体は、親キサントフィル上に存在する少なくとも1つのヒドロキシル基に対する修飾を含む。一実施形態において、ヒドロキシル基は、プロドラッグ部分で置換される。
【0119】
一実施形態において、キサントフィル誘導体は、塩又は共結晶である。一実施形態において、塩は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、リジン、マグネシウム、ヒスチジン、リチウム、メグルミン(N-メチル-グルカミン)、カリウム、プロカイン、ナトリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トロメタミン(TRIS)、ストロンチウム又は亜鉛塩から選択される。
【0120】
別の実施形態において、塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、デカン酸塩、エデト酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘキサン酸、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩又はトシル酸塩から選択される。
【0121】
別の実施形態において、塩は、アミノ酸塩、例えば、リジン、オルニチン又はアルギニンである。
【0122】
一実施形態において、キサントフィル誘導体は、薬学的に許容される酸又は塩基の共結晶、アミノ酸、又はナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄若しくはアルミニウムの薬学的に許容される塩である。別の実施形態において、キサントフィル誘導体は、共結晶であり、ここで、共結晶形成剤は、アコニット酸、アジピン酸、酢酸α-トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル(パルミトイルL-アスコルビン酸)、安息香酸、ビオチン、カロテン(β-カロテン)、コール酸、重酒石酸コリン、塩化コリン、クエン酸、D-又はDL-パントテン酸カルシウム、D-又はDL-パントテン酸ナトリウム、D-パントテニルアルコール、デスオキシコール酸、グリココール酸、イノシトール、L-アスコルビン酸、L-リンゴ酸、L(+)-乳酸カルシウム、L(+)-乳酸、L(+)-酒石酸カリウム、L(+)-酒石酸ナトリウムカリウム、L(+)-酒石酸ナトリウム、L(+)-酒石酸、レシチン、リノール酸、グルコン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リンゴ酸、マンニトール、ナイアシン(ニコチン酸)、ナイアシンアミド(ニコチンアミド)、オレイン酸、グルコン酸カリウム、グリセロリン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノステアレート、ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、リボフラビン-5'-ホスフェート、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム(D-イソアスコルビン酸ナトリウム)、グルコン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビトール、ステアリン酸、クエン酸ステアリル、コハク酸、スルファミン酸、タウロコール酸、塩酸チアミン、一硝酸チアミン、トコフェロール、尿素、ビタミンb12(シアノコバラミン)、グルコン酸亜鉛、クエン酸第2鉄、アスコルビン酸第1鉄、クエン酸第1鉄、フマル酸第1鉄、グルコン酸第1鉄、乳酸第1鉄、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、L-グルタミン酸一アンモニウム、L-グルタミン酸一カリウム、L-グルタミン酸一ナトリウム、スクロース、ビタミンA、酢酸ビタミンA、パルミチン酸ビタミンA、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、D(-)-乳酸、乳酸及びカフェインからなる群から選択される。
【0123】
一実施形態において、組成物は、少なくとも2つの有効成分を含み、有効成分の少なくとも1つは、キサントフィル誘導体、例えば、プロドラッグである。キサントフィル誘導体に加えて、組成物は、例えば、1つ以上のさらなるキサントフィル誘導体、親キサントフィル又は他のさらなる非キサントフィル有効成分を含有し得る。ある実施形態において、組成物は、少なくとも2つの有効成分を含み、有効成分の少なくとも1つは、アスタキサンチン誘導体である。一実施形態において、組成物は、2つ以上のアスタキサンチン誘導体を含む。
【0124】
一実施形態において、キサントフィル誘導体、例えば、アスタキサンチン誘導体は、非アルコール性脂肪肝疾患又はNASHの治療用の薬剤と組み合わせて投与される。非アルコール性脂肪肝疾患を治療するのに使用される薬剤としては、ウルソデオキシコール酸(別名、Actigall、URSO、及びUrsodiol)、メトホルミン(Glucophage)、ロシグリタゾン(Avandia)、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、オベチコール酸及びエラフィブラノールが挙げられる。
【0125】
一実施形態において、さらなる有効成分は、栄養補助食品を含む。さらなる実施形態において、栄養補助食品は、5-メチルテトラヒドロ葉酸、アデメチオニン、アデニン、アデノシン一リン酸、アルファカルシドール、α-リノレン酸、ATP、βカロテン、ビオチン、カルシジオール、カルシトリオール、ヒマシ油、コレカルシフェロール、コリン、コンドロイチン硫酸、補酵素A、補酵素Q10、レスベラトロール、クレアチン、クルクミン、シアノコバラミン、シスチン、ジホモ-γ-リノレン酸、マオウ、エルゴカルシフェロール、ユーカリプトール、魚油、葉酸、イチョウ(ginkgo biloba)、ギンコライド-A、ギンコライド-B、ギンコライド-C、ギンコライド-J、ギンコライド-M、ニンジン(ginseng)、ジンセノサイドC、ジンセノサイドRb1、ジンセノサイドRg1、グルタミン酸、グルタチオン、グリシン、グリシンベタイン、ヒスチジン、ハイパフォリン、イコサペント、イコサペント酸エチル、エイコサペンタエノエート、エイコサテトラエノエート、ドコサヘキサエノエート、ドコサヘキサエン酸エチル、イヌリン、カバ、オキアミ油、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シトルリン、L-システイン、L-グルタミン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、リポ酸、ルテイン、メラトニン、メナジオン、メチオニン、N-アセチルグルコサミン、NAD+、NADH、ナイアシン、オクタコサノール、ω-3脂肪酸、ω-6脂肪酸、オルニチン、オキシトリプタン、オキソグルタル酸(oxogluric acid)、パントテン酸、ホスファチジルセリン、クレアチンリン酸、プラステロン、ピリドキーサル、ピリドキーサルリン酸、ピリドキシン、ピルビン酸、リボフラビン、セージ油、セリン、セロトニン、ゴマ油、シネカテキンス、スペルミン、セイヨウオトギリソウ、コハク酸、タウリン、テトラヒドロ葉酸、チアミン、トレチノイン、チラミン、ユビデカレノン、ユビキノール、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、又はビタミンKのうちのいずれか1つ以上から選択される。
【0126】
一実施形態において、本発明の組成物中の組み合わされた有効成分は、単独の各有効成分を含む同等の組成物の相加的活性と比較して、相乗活性を有する。
【0127】
本発明の組成物は、それぞれ、親キサントフィル、例えば、天然源から単離されるアスタキサンチン又はキサントフィル、例えば、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)から単離されるアスタキサンチンと比較して、以下から選択される少なくとも1つの改良を有するキサントフィル誘導体をさらに含む:
増加した安定性(例えば、水中、胃液若しくは腸液中、又は高温、例えば100℃における)、溶解度、溶解、経口バイオアベイラビリティ、Cmax、吸収、腸細胞内への透過性、腸細胞から血液(門脈)への移動、肝臓中への輸送、肝細胞、非実質肝細胞(クッパー細胞、類洞内皮細胞、伊東細胞及び/又は肝臓関連リンパ球)、類洞周囲脂肪摂取細胞、脂肪細胞、肝星細胞を含む肝細胞による取り込み、肝細胞クッパー細胞、類洞内皮細胞、伊東細胞又は肝臓関連リンパ球(優先的な質量分布)におけるキサントフィル誘導体の濃度、胆管の胆管細胞、細胞のミトコンドリアとの相互作用及び細胞のミトコンドリアの安定化、類洞周囲脂肪摂取細胞、肝星細胞又は脂肪細胞におけるキサントフィル誘導体の濃度;又は
Tmaxまでの減少した時間、低い被験者内変動(吸収に対する減少した食物影響を含む)、リンパ循環又は胃液及び腸液中の親キサントフィルへの転化(化学的に若しくは酵素的に);又は低い肝臓毒性ポテンシャル、肝機能の低下を伴う進行性肝疾患における肝臓代謝を控える優先的なクリアランス機構を含む、ヒト及び動物の疾患治療における向上した安全性。一実施形態において、溶解度の増加は、水溶解度、胃液溶解度又は腸液溶解度から選択される。
【0128】
一実施形態において、組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0129】
別の実施形態において、組成物は、医薬組成物である。
【0130】
一実施形態において、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0131】
他の実施形態において、本発明の医薬組成物は、経口、非経口、腸内、又は局所投与経路、好ましくは、経口投与によって、対象に送達される。一実施形態において、医薬組成物は、経口剤形である。様々な実施形態において、経口剤形は、固体、液体、又は半固体経口剤形である。
【0132】
非経口経路の例としては、限定はされないが、腹腔内(intra-abdominal)、羊膜内、動脈内、関節内、胆管内、気管支内、滑液嚢内、心臓内、軟骨内、仙骨内、陰茎海綿体内、腔内、脳内、嚢内、角膜内、歯冠内、冠動脈内、海綿体内、頭蓋内、皮内、椎間板内、管内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、歯肉内、回腸内、病巣内、管腔内、リンパ管内、髄内、髄膜内、筋肉内、眼内、卵巣内、心膜内、腹腔内(intrapericardial)、胸膜内、前立腺内、肺内、眼内、腎内、副鼻腔内(intrasinal)、髄腔内、滑液嚢内、腱内、精巣内、髄腔内、胸腔内、管内、鼓室内、子宮内、血管内、静脈内(ボーラス又は注入)、脳室内、嚢内及び皮下が挙げられる。
【0133】
投与の腸内経路としては、口(経口)、胃(胃内)、及び直腸(腸内)を介した消化管への投与が挙げられる。胃内投与は、典型的に、鼻腔を通るチューブ(NGチューブ)又は胃に直接つながる食道におけるチューブ(PEGチューブ)の使用を含む。直腸投与は、典型的に、肛門坐剤を必要とする。好ましい実施形態において、投与経路は、経口である。さらなる実施形態において、経口用量は、即時放出又は持続放出剤形として製剤化される。
【0134】
医薬組成物は、治療有効量の、本発明に係るキサントフィル誘導体の少なくとも1つ及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。賦形剤の選択は、特定の投与方法及び剤形の性質などの要因に依存するであろう。静脈内用途に使用される溶液又は懸濁液は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);緩衝液、例えば、アセテート、シトレート又はホスフェート、及び張度の調整のための薬剤、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロース。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの、酸又は塩基を用いて調整され得る。非経口製剤は、ガラス又はプラスチックで作製された、アンプル、使い捨て注射器又は複数回投与バイアルに封入され得る。
【0135】
本発明の医薬製剤は、任意の医薬品剤形であり得る。医薬製剤は、例えば、錠剤、カプセル、押出成形物、ナノ粒子材料、例えば、顆粒状の粒子材料若しくは粉末、再構成用の凍結乾燥材料、液体懸濁液、注射用懸濁液若しくは溶液、坐薬、又は局所若しくは経皮製剤又はパッチであり得る。医薬製剤は、一般に、約1重量%~約99重量%の本発明の少なくとも1つのキサントフィル誘導体及び99重量%~1重量%の好適な医薬品賦形剤を含有する。一実施形態において、剤形は、経口剤形である。別の実施形態において、剤形は、非経口剤形である。一実施形態において、剤形は、シロップ、点滴剤、溶液、懸濁液、錠剤、ボーラス剤、トローチ、チンキ剤、経口/口腔/舌下スプレー、舐剤、溶解ストリップ、又はカプセルから選択される経口剤形である。一実施形態において、カプセルは、硬ゼラチンカプセル、軟ゼラチンカプセル、デンプンカプセル又は腸溶性カプセルである。一実施形態において、単位用量は、硬ゼラチンカプセルである。さらなる実施形態において、単位用量は、軟ゼラチンカプセルである。
【0136】
別の実施形態において、本発明は、単位用量の本発明の医薬組成物を提供する。
【0137】
上記の治療方法において、治療は、1日当たり投与される1つ以上の単位用量によって行われる。医薬組成物の1日用量は、それぞれ、親キサントフィル、例えばアスタキサンチンとして計算される、好ましくは、約0.1~50mg/kg体重、0.1~10mg/kg体重、0.1~5mg/kg体重、0.1~2mg/kg体重、5~10mg/kg体重、10~20mg/kg体重、20~30mg/kg体重、30~40mg/kg体重、40~50mg/kg体重、50~60mg/kg体重又は10~1000mg、特に、10~200mg、10~100mg、5~50mg、50~100mg、100~150mg、150~200mg、200~300mg、300~400mg、400~500mg、500~750mg、750~1000mg、1000~1500mg、1500~2000mg、2000~2500mg、2500~3000mg、3000~3500mg、又は3500~4000mgである。用量は、記載される有益な効果を達成するために任意の好都合な投与スケジュールで投与され得る。例えば、用量は、1日に1、2又は3回服用され得る。
【0138】
一実施形態において、単位用量は、5~15mg、10~40mg(例えば、15~40mg、20~30mg、20~40mg、25~40mg、30~40mg、35~40mg、10~35mg、10~30mg、10~25mg、10~20mg、10~15mg)、30~60mg(例えば、35~60mg、40~60mg、45~60mg、50~60mg、55~60mg、30~55mg、30~50mg、30~45mg、30~40mg、30~35mg)、又は10~4000mg(10~100mg、10~200mg、5~50mg、50~100mg、100~150mg、150~200mg、200~300mg、300~400mg、400~500mg、500~750mg、750~1000mg、1000~1500mg、1500~2000mg、2000~2500mg、2500~3000mg、3000~3500mg、又は3500~4000mg)を含む。
【0139】
一実施形態において、本発明のキサントフィル誘導体組成物は、食品添加物又は飼料添加物である。典型的に、食品又は飼料添加物は、本発明に係るキサントフィル誘導体組成物及び食品又は飼料に好適な少なくとも1つの成分を含む。食品又は飼料に好適な成分は、本発明の趣旨での意味として、動物及び/又はヒトの栄養摂取のために承認されている物質であることが理解されるべきである。好適な成分は、特に、希釈剤である。希釈剤は、植物油及び有機溶媒だけでなく、食品又は飼料の製造のために承認されている、脂肪、脂肪酸、ワックス、脂肪アルコール及び脂肪アルコールの脂肪酸エステル、炭水化物、糖アルコール及び無機充填剤などの固体担体も含み得る。
【0140】
溶媒の例としては、C1~C6-アルカノール、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、3-メチル-1-ブタノール、1-ペンタノール及びそれらの混合物;脂肪族C1~C4-カルボン酸のC1~C4-アルキルエステル、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸又は酪酸のメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル又はイソブチルエステル、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、n-酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸エチル及びそれらの混合物;及び3~6個のC原子を有する脂肪族、特に、非環状、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン及びそれらの混合物;並びに上記の溶媒の様々な種類からの上記の溶媒の混合物が挙げられる。
【0141】
好適な炭水化物としては、単糖、二糖、オリゴ糖及び多糖が挙げられる。単糖及び二糖の例は、主に、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルトース、スクロース及びラクトースである。好適な多糖は、デンプン及びオリゴマーデンプン分解産物(デキストリン)及びセルロース粉末である。
【0142】
好適な糖アルコールとしては、ソルビタン及びグリセロールが挙げられる。
【0143】
好適な脂肪及び油は、合成、鉱物、植物又は動物由来のものであり得る。油の例は、植物油、例えば、大豆油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、アマニ油、ナタネ油、ベニバナ油、コムギ胚芽油、米油、ヤシ油、アーモンド油、杏仁油、パーム油、パーム核油、アボカド油、ホホバ油、ヘーゼルナッツ油、クルミ油、ピーナッツ油、ピスタチオ油、中鎖(=C8~C10)植物性脂肪酸のトリグリセリド(いわゆるMCT油)及びPUFA油(PUFA=多価不飽和脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びα-リノレン酸)、さらに、半合成トリグリセリド、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、ミグリオール(miglyol)タイプ、さらに、流動パラフィン、液体水素化ポリイソブテン、スクアラン、スクアレン、さらに、動物油及び脂肪、例えば、サバ油、スプラット油、マグロ油、ハリバ油、タラ油及びサケ油を含む魚油である。40℃で液体である植物油及び動物由来の油、特に、植物油、例えば、大豆油、ヒマワリ油、ベニバナ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アマニ油、ナタネ油、米油、ヤシ油、ピーナッツ油、パーム油、パーム核油、PUFA油、MCT油、さらに、魚油、及びこれらの油の混合物が好ましい。
【0144】
油と対照的に、脂肪は、通常、30℃超の融点を有する。脂肪の例としては、12~30個のC原子(飽和C12~C30-脂肪酸)、特に、14~28個のC原子(飽和C14~C28-脂肪酸)、特に、16~24個のC原子(飽和C16~C24-脂肪酸)を有する飽和脂肪酸、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、メリシン酸及びリグノセリン酸、並びにそれらの混合物;14~30個のC原子、特に、14~28個のC原子、特に、16~24個のC原子を有する飽和脂肪酸の脂肪酸エステル、例えば、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、メリシン酸及びリグノセリン酸及びそれらの混合物のエステル、特に、上記の脂肪酸及びそれらの混合物のモノ-、ジ-及びトリグリセリド(以後、脂肪酸グリセリドと呼ばれる)、特に、上記の飽和脂肪酸、特に、14~28個のC原子、特に、16~28個のC原子を有する飽和脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリド、並びに好ましくは、14~28個のC原子、特に、16~28個のC原子を有する上記の飽和脂肪酸の、C10~C30-脂肪アルコール、特に、C14~C28-脂肪アルコールとのエステルが挙げられる。飽和脂肪酸の上記のエステルは、エステル中の脂肪酸を基準にして、10重量%までの量のエステル化形態の1価又は多価不飽和脂肪酸も含み得る。特に、これらのエステル中の不飽和脂肪酸成分の含量は、エステル中の全脂肪酸成分を基準にして、5重量%未満になる。
【0145】
油及び脂肪は、通常の量のタンパク質、ホスフェート、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの起源特異的不純物を依然として含む、精製油又は粗製油/脂肪であり得る。
【0146】
好適な脂肪アルコールは、特に、8~30個のC原子を有する飽和脂肪族アルコール(以後、C8~C30-脂肪アルコールとも呼ばれる)、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セチルアルコール、ミリシルアルコール及びメリシルアルコールなどである。
【0147】
好適なワックスは、特に、植物又は動物由来の天然ワックス、例えば、蜜ろう、キャンデリラろう、セラックろう、シアバター及びカルナウバろう、炭水化物ワックス、例えば、パラフィンろう、セレシン、サゾールワックス、オゾケライト及びマイクロワックスである。
【0148】
食品に好適な不活性無機充填剤の例は、粉状形態の無機材料(無機充填剤)、例えば酸化物、例えば酸化アルミニウム、シリカ、二酸化チタン、ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、例えばケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ベントナイト、カオリン及び塩化ナトリウムである。
【0149】
食品及び飼料に好適な補助剤としては、さらに、親油性担体中でキサントフィル組成物を分散させるための親油性分散剤及び水などの親水性担体中で本発明に係るキサントフィル組成物を分散させるための保護コロイドを含む分散剤、さらに、酸化防止剤(酸化安定剤)、及び食品のために承認されている着色剤が挙げられる。
【0150】
酸化防止剤の例は、トコフェロール、例えばα-トコフェロール、パルミチン酸α-トコフェロール、酢酸α-トコフェロール、tert-ブチルヒドロキシトルエン、tert-ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、ピロガロール、アスコルビン酸、その塩及びエステル、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン酸アスコルビルエステル及びパルミチン酸アスコルビル及びエトキシキンである。必要に応じて、酸化防止剤は、典型的に、添加剤の総重量を基準にして0.01~10重量%の量で、本発明に係る添加剤中に存在する。
【0151】
保存料の例としては、安息香酸及びその塩、特に、そのナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、4-ヒドロキシ安息香酸(PHB)及びその塩、特に、そのナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、PHBアルキルエステルの塩、例えばPHBメチルエステルのナトリウム塩、PHBエチルエステルのナトリウム塩及びPHBプロピルエステルのナトリウム塩、ソルビン酸並びにその塩、特に、そのナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、プロピオン酸の塩、例えば、特に、そのナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、ホウ酸及び乳酸及びそれらの塩が挙げられる。必要に応じて、保存料は、典型的に、添加剤の総重量を基準にして0.001~2重量%の量で、添加剤中に存在する。
【0152】
典型的な親油性分散剤は、パルミチン酸アスコルビル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、例えばポリリシノレイン酸ポリグリセロール-3(PGPR90)、ソルビタン脂肪酸エステル、特に、ソルビタンC10~C28-脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンのモノ-及びジ-C10~C28-脂肪酸エステル、例えばソルビタンモノラウレート(SPAN20)、ソルビタンモノオレエート(SPAN80)及びソルビタンモノステアレート(SPAN60)、エトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、例えばPEG(20)ソルビトールモノオレエート、乳酸と飽和C10~C24-脂肪酸とのモノエステル、飽和C16~C28-脂肪酸の糖エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びレシチンなどのリン脂質である。必要に応じて、親油性分散剤は、典型的に、添加剤の総重量を基準にして0.01~10重量%の量で、添加剤中に存在する。
【0153】
保護コロイドは、水性組成物中で非水溶性固体を分散させるのに好適なポリマー物質であり、食品及び飼料のために承認されている好適な保護コロイドは、例えば、タンパク性保護コロイド及びリグノスルホン酸及びその塩、オリゴ糖及び修飾多糖を含む多糖、例えば、デキストリン、セルロース及びセルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそれらの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、ペクチン、部分加水分解ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン並びに上記の保護コロイドの混合物を含む。
【0154】
治療方法
一般的な健康状態、肝臓の健康、心血管の健康を促進するか又は炎症の健康を改善することに加えて、本発明の組成物は、様々な疾患及び病態を治療するのに使用され得る。したがって、別の態様は、本発明のキサントフィル誘導体の投与から利益を得られる疾患又は障害を有する対象を治療する方法であって、有効量の前記キサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。本発明のキサントフィル誘導体は、それが適応される疾患、例えば、NASHなどの線維症の治療及び/又は予防のために治療的に有用である。したがって、別の態様において、本発明はまた、本発明のキサントフィル誘導体又はその塩若しくは共結晶を用いて対象を治療する方法;キサントフィル誘導体又はその塩若しくは共結晶と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を用いて対象を治療する方法;及び本明細書に記載される疾患又は病態の治療のための薬剤としてのキサントフィル誘導体又はキサントフィル誘導体医薬組成物の使用に関する。
【0155】
NAFLDは、異なる予後を有する2つの病理学的に異なる病態:非アルコール性脂肪肝(NAFL)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含み;後者は、線維症、肝硬変及び肝細胞癌(HCC)を含む、様々な疾患重症度を包含する。NAFLDの管理のための診断及び指針は、"European Association for the Study of the Liver(EASL)et al:EASL-EASD-EASO clinical practice guidelines for the management of non-alcoholic fatty liver disease."J Hepatol.64(6):1388-402,2016に開示されている。
【0156】
NAFLDは、インスリン抵抗性(IR)に関連する過度の肝脂肪蓄積によって特徴付けられ、組織学的分析に従って肝細胞の>5%における脂肪症の存在によって、又はプロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)若しくは定量的脂肪/水選択的磁気共鳴イメージング(MRI)によって評価される>5.6%のプロトン密度脂肪率(肝臓中の脂肪物質の体積率の概算を提供する)によって定義される。NAFLDの診断は、両方の二次的原因及び男性で≧30g及び女性で≧20gの1日のアルコール消費量を除外することを必要とする。NASHの確定診断は、肝生検を必要とする。
【0157】
NAFLは、著しい炎症又は線維症を伴わない肝臓脂肪症である。肝生検は、NASHの診断に不可欠であり、試料採取の変動性による制限にかかわらず、NAFLをNASHと確実に区別する唯一の手順である。NAFLは、a)脂肪症単独、b)小葉又は門脈炎症を伴い、肝細胞の風船様腫大(細胞腫大及び拡大)を伴わない脂肪症、又はc)肝細胞の風船様腫大を伴うが、炎症を伴わない脂肪症を包含する。NASHの診断は、脂肪症、肝細胞の風船様腫大及び小葉炎症の同時の存在を必要とし;細胞周囲線維化が存在することが多い。NASHは、線維症の程度によって分類される:F0-線維症なし;F1-軽度の線維症;F2-かなりの線維症;F3-進行性又は架橋形成線維症;F4-重度の線維症(肝硬変)。
【0158】
一実施形態において、本発明は、対象における非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0159】
一実施形態において、本発明は、対象における非アルコール性脂肪肝(NAFL)を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0160】
一実施形態において、本発明は、対象における非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、前記NASHは、NASHステージF0、NASHステージF1、NASHステージF2、NASHステージF3及びNASHステージ4からなる群から選択される。
【0161】
ある実施形態において、本発明は、NASHの治療に使用するためのキサントフィル誘導体に関し、前記使用は、相対肝重量、血漿アラニンアミノトランスフェラーゼレベル、肝臓トリグリセリド含量及び/又は肝臓コレステロールを減少させる。相対肝重量は、総体重におけるパーセンテージとしての肝重量として定義される。
【0162】
ある実施形態において、前記対象は、過体重若しくは肥満であるか、又は高血糖、2型糖尿病、耐糖能異常若しくは1型糖尿病に罹患している。
【0163】
BMI(ボディー・マス・インデックス)は、身長及び体重に基づく体脂肪の尺度である。計算のための式は、BMI=(キログラム単位の体重)/(メートル単位の身長)2である。ある実施形態において、本発明は、NASHの治療に使用するための化合物に関し、前記化合物は、それを必要とする対象に治療有効量で投与され、前記対象は、少なくとも25kg/m2のBMIを有する。ある実施形態において、前記対象は、少なくとも30kg/m2のBMIを有する。ある実施形態において、前記対象は、30~50kg/m2のBMIを有する。
【0164】
一実施形態において、本発明は、対象における小葉炎症の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0165】
一実施形態において、本発明は、対象における門脈炎症の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0166】
一実施形態において、本発明は、対象における肝細胞の風船様腫大の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0167】
一実施形態において、本発明は、対象における低比重リポタンパク(LDL)酸化の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0168】
一実施形態において、本発明は、対象における非アルコール性脂肪性肝炎由来肝細胞癌の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0169】
一実施形態において、本発明は、対象におけるアルコール性肝炎及び酸化的ストレス又はアルコール性肝疾患(ALD)から選択されるアルコール性肝障害の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。ALDにおける組織学的診断は、アルコール性脂肪肝(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性肝硬変又はHCCを含む。一実施形態において、本発明は、対象におけるアルコール性脂肪肝(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性肝硬変又はHCCから選択されるアルコール性肝疾患の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、本発明は、対象におけるアルコール性炎症及びマクロファージにおける酸化的ストレスを治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0170】
線維症は、臓器機能に対する有害な影響を有する細胞外基質タンパク質の過剰産生及び堆積によって特徴付けられる。一実施形態において、本発明は、対象における線維症を治療する方法であって、有効量の本発明のキサントフィル誘導体を対象に投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態において、対象は、ヒトである。一実施形態において、線維症は、急性間質性肺炎、関節線維化、喘息における線維症(気道リモデリング)、アテローム性動脈硬化症、骨髄線維症、心筋線維化、腎線維症、胆嚢性肝硬変、NASHステージF1、NASHステージF2、NASHステージF3及びNASHステージ4、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性胆管炎(原発性胆汁性肝硬変)、胆管癌、アルコール性肝疾患、アルコール性脂肪肝(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性肝硬変、薬物性肝疾患、ヘモクロマトーシス、自己免疫性肝炎、慢性B型又はC型ウイルス性肝炎、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、特発性器質化肺炎、嚢胞性線維症、剥離性間質性肺炎、びまん性実質性肺疾患、デュピュイトラン拘縮、心内膜心筋線維症、移植片対宿主病(GVHD)の結果としての線維症、特発性肺線維症、特発性間質性線維症、間質性肺疾患、間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、多巣性線維硬化症、筋線維症、骨髄線維症、腎性全身性線維症、非特異的間質性肺炎、臓器移植線維症、膵臓線維症、ウィルソン病、ペイロニー病、腎線維症、呼吸細気管支炎、後腹膜線維症、手術後の瘢痕化、強皮症(斑状限局性強皮症、汎発型限局性強皮症及び線状強皮症)、全身性強皮症(限局性、びまん性及び皮膚硬化のない)、上皮下線維症、又は子宮線維症から選択される。一実施形態において、キサントフィル誘導体は、線維成長のレベルを、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%又は少なくとも2%減少させる。一実施形態において、本発明は、対象における線維症、例えば、肝線維症を改善するための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。ある実施形態において、線維症は、NAFLD、AFL、NASH、ASH、非アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、アルコール性脂肪性肝炎関連線維症、非アルコール性肝硬変(例えば、原発性胆汁性肝硬変)、アルコール性肝硬変、B型肝炎、C型肝炎、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、又は胆管閉塞から選択される線維症関連肝疾患である。
【0171】
一実施形態において、本発明は、対象における活性化肝星細胞(aHSC)を不活性化HSC(iHSC)表現型に戻す方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0172】
一実施形態において、本発明は、対象における活性化肝星細胞(aHSC)を静止HSC(qHSC)表現型に戻す方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0173】
一実施形態において、本発明は、対象における静止HSC(qHSC)から活性化肝星細胞(aHSC)への活性化を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0174】
一実施形態において、本発明は、対象における不活性HSC(iHSC)から活性化肝星細胞(aHSC)への活性化を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0175】
一実施形態において、本発明は、対象におけるHSC中のTGFβ1シグナル伝達を阻害する方法であって、有効量のキサントフィル誘導体を、必要とする前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0176】
一実施形態において、本発明は、対象におけるHSC中のHDAC9発現を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0177】
一実施形態において、本発明は、対象における細胞活性酸素種(ROS)蓄積を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0178】
一実施形態において、本発明は、対象におけるHSC中の細胞活性酸素種(ROS)蓄積を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0179】
一実施形態において、本発明は、対象におけるHSC中の筋細胞エンハンサー因子2(MEF2)の発現を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0180】
一実施形態において、本発明は、対象におけるHSC中の線維形成遺伝子の基底発現を阻害する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。
【0181】
原発性胆汁性肝硬変とも呼ばれる原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、胆汁鬱滞と呼ばれる病態である、胆汁及び他の毒素を肝臓に蓄積させる、肝臓の小胆管の遅い進行性破壊に起因する肝臓の自己免疫疾患である。肝組織へのさらなる遅い損傷は、瘢痕化、線維症、及び最終的に肝硬変をもたらし得る。PBCは、主に、肝臓自体における小胆管に影響を与え、肝臓の大胆管における変化を伴わない。現在、PBCの診断は、異常な血清肝機能検査(少なくとも6か月間にわたる肝臓由来のアルカリホスファターゼ(AP)の上昇)及び血清中のAMA(≧1:40)の存在の組合せに対して信頼性を有して行われる。診断は、胆管破壊病変(florid bile duct lesion)の特徴的な組織学的特徴を開示することによって確認される。正常なAPを有するAMA陽性個体は、追跡期間中にPBCを発生する高いリスクを有する。肝生検が、PBC特異的抗体の非存在下でのPBCの診断に必要とされる。
【0182】
PBCの4つのステージがある:
ステージ1(門脈ステージ):大きさが正常な三管;門脈炎症、わずかな胆管損傷。肉芽腫(様々な炎症細胞で満たされた結節)が、このステージで検出されることが多い。
ステージ2(門脈周囲ステージ):拡大された三管;門脈周囲線維症及び/又は炎症。典型的に、小胆管の増殖の知見を特徴とする。
ステージ3(隔壁ステージ):活動性及び/又は受動性線維性隔壁。
ステージ4(胆汁性肝硬変):結節が存在;ガーランド又はジグソー模様。
(Scheuer P.J.Proc Roy Soc Med 1967;60:1257-1260;Ludwig J.,et al.Virchows Arch A Pathol Anat Histol 1978;379:103-112を参照)。
【0183】
一実施形態において、本発明は、対象における原発性胆汁性胆管炎の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、原発性胆汁性胆管炎は、ステージ1、ステージ2、ステージ3又はステージ4原発性胆汁性胆管炎から選択される。
【0184】
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、胆管の硬化(硬化症)及び狭窄をもたらす、胆管における炎症(胆管炎)のために起こる。PSCの主な特徴は、肝臓内及び肝臓外部の中型から大型の胆管を主に侵す瘢痕組織(線維症)の発生である。PSCの1つの主な病期分類システムが、考案されている。Ludwig et al.(上記)は、PSCの4つのステージを記載した:
ステージ1(胆管炎又は門脈肝炎):胆管の上皮細胞の変性を有するリンパ球による胆管の浸潤。これらの知見は、門脈三管の外部に存在しない。
ステージ2(門脈周囲線維症又は門脈周囲肝炎):より広範な線維症との関与、門脈周囲肝細胞のピースミール壊死を伴う門脈周囲実質における炎症浸潤がある。門脈三管が拡大しているが、胆管の相対的非存在(胆管減少)がある。
ステージ3(隔壁線維症、架橋性壊死又は両方):胆管の重度の変性及び胆管減少とともに門脈間の線維性架橋がある。
ステージ4(胆汁性肝硬変):明らかな肝硬変を伴う末期の肝疾患。
【0185】
一実施形態において、本発明は、対象における原発性硬化性胆管炎の治療のための方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、原発性胆汁性胆管炎は、ステージ1、ステージ2、ステージ3又はステージ4原発性硬化性胆管炎から選択される。
【0186】
一実施形態において、本発明は、心血管代謝障害/メタボリック・シンドロームを治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、心血管代謝障害/メタボリック・シンドロームは、急性冠症候群、急性心筋梗塞、狭心症、大動脈弁及び僧帽弁疾患、不整脈/心房細動、動脈閉塞性疾患、アテローム性動脈硬化症、心筋症、頸動脈アテローム性動脈硬化症、脳アテローム性動脈硬化症、慢性腎疾患、血管中の血栓形成をもたらす凝固障害、冠動脈性心疾患、糖尿病性自律神経障害、糖尿病性腎症、脂質異常症、心内膜炎、高LDL値、高コレステロール血、HIV感染における高コレステロール血、高脂血、高リポタンパク血症、高リン血症、高血圧症、高トリグリセリド血症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、間欠性跛行、川崎病、低HDL値、心筋虚血、ω-3欠乏、起立性低血圧、末梢動脈疾患、リン脂質欠乏、肺塞栓症若しくは静脈塞栓症、心筋梗塞の二次予防、ショック、脳卒中、2型糖尿病又は心臓弁膜症から選択される。
【0187】
一実施形態において、本発明は、認知疾患又は障害を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、認知疾患又は障害は、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症/自閉症スペクトラム障害(ASD)、(失読症、加齢性記憶障害及び学習障害、記憶喪失、軽度認知障害、認知症を伴わない認知機能障害、アルツハイマー病予備群)、気分低下、加齢関連認知低下、又は集中力障害及び注意障害から選択される。
【0188】
一実施形態において、本発明は、神経変性/神経炎症性疾患を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、神経変性/神経炎症性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、前頭側頭認知症(ピック病)、ハンチントン病、レビー小体型認知症、フリードライヒ運動失調症、多系統萎縮症及び筋萎縮性側索硬化症から選択される。
【0189】
一実施形態において、本発明は、炎症又は炎症性疾患若しくは障害を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、炎症又は炎症性疾患若しくは障害は、臓器移植拒絶反応;再かん流傷害(虚血・再かん流傷害(IRI)又は再酸素化傷害);関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、多関節型又は少関節型若年性関節リウマチを含む、関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎(UC)、バレット症候群、及びクローン病(CD)などの炎症性腸疾患(IBD);喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの炎症性肺疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎及び眼内炎を含む、眼の炎症性疾患;歯肉炎及び歯周炎を含む、歯肉の慢性炎症性疾患;尿毒症合併症、糸球体腎炎及びネフローゼを含む、腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬又は湿疹を含む、皮膚の炎症性疾患から選択される。炎症性疾患はまた、グラム陽性菌若しくはグラム陰性菌ショック、出血性若しくはアナフィラキシーショック、又は炎症性サイトカインに応答する癌の化学療法によって誘導されるショック、例えば、炎症性サイトカインに関連するショックによって例示される、身体の全身性炎症であり得る。このようなショックは、例えば、癌の治療として投与される化学療法剤によって誘導され得る。
【0190】
一実施形態において、本発明は、癌を治療する方法であって、治療有効量の本発明のキサントフィル誘導体を前記対象に投与する工程を含む方法を提供する。さらなる実施形態において、癌は、子宮頸癌、膀胱癌、乳癌、肺癌、星細胞腫、乏突起膠腫、膠芽細胞腫、退形成性星細胞腫、及び退形成性乏突起膠腫から選択される。
【0191】
別の態様は、本発明の組成物を作製する方法を提供する。
【0192】
一実施形態において、本発明は、本発明の組成物を作製する方法であって、
1つ以上の有効成分を提供する工程であって、少なくとも1つの有効成分が、少なくとも1つのキサントフィル誘導体、及び少なくとも1つの賦形剤である、工程;及び
少なくとも1つのキサントフィル誘導体、及び前記少なくとも1つの賦形剤を含む前記少なくとも1つの有効成分を組み合わせて、混合物を形成する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、混合物は、等方性又は均一混合物である。
【0193】
本発明はさらに、親キサントフィルと比較して、安定性、溶解度、溶解、経口バイオアベイラビリティ、Cmax、吸収、作用の発現からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを増加させるため;又はTmax又は被験者内変動までの時間を減少させるための方法であって;
1つ以上の有効成分を提供する工程であって、少なくとも1つの有効成分が、キサントフィル誘導体、及び少なくとも1つの賦形剤である、工程;及び
前記1つ以上の有効成分及び前記少なくとも1つの賦形剤を組み合わせて、混合物を形成する工程を含む方法を提供する。一実施形態において、混合物は、等方性又は均一混合物である。
【0194】
本発明の出発キサントフィル化合物は、市販品として得られるか、従来の化学合成方法によって化学的に合成され得るか(例えば、欧州特許出願公開第3065568 A1号明細書、欧州特許第1197483号明細書、欧州特許第1285912号明細書、米国特許出願公開第2018/0055788 A1号明細書)、又は微生物、動物、植物などから抽出及び精製され得る。微生物、動物又は植物由来の産物は、好適な微生物、動物又は植物、例えば、淡水性微細藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)又は担子菌酵母キサントフィロミセス・デンドロロウス(Xanthophyllomyces dendrorhous)(アナモルフファフィア・ロドジーマ(Phaffia rhodozyma))から得ることができる。例えば、国際公開第2018/056160号パンフレット、国際公開第2018/043147 A1号パンフレットを参照されたい。
【0195】
本発明のキサントフィル誘導体は、常法に従って、例えば、キサントフィル上のアルコールとの、誘導体又はプロドラッグ部分のカルボン酸の縮合反応によって、薬学的に許容されるエステル又はアミドにされ得る。
【実施例】
【0196】
化合物合成
本発明のキサントフィル誘導体、例えば、アスタキサンチン誘導体は、原則として、エステル化のためのそれ自体公知の合成方法に従って、基R1の性質に従って、製造され得る(例えば、全体が参照により援用される、米国特許出願公開第20080008798号明細書、米国特許出願公開第20170081289号明細書及び米国特許第7446107号明細書を参照)。例えば、キサントフィル、例えば、アスタキサンチンは、それ自体で又はその酸塩化物RCOCl又は酸無水物(RCO)2Oとして、関連する酸RCOOHと反応される。キサントフィル誘導体、例えば、式XVI~XXXのアスタキサンチン誘導体を生成するためのこれらの方法は、本発明のさらなる態様を表す。
【0197】
酸塩化物又は酸無水物によるエステル化の場合、反応は、一般に、不活性溶媒中で及び有機塩基の存在下で行われる。使用される溶媒は、それが本反応に対して不活性である限り、特に限定されないが、それは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン及び石油エーテルなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン及び四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジ-イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ-エタン及びジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;アセトンなどのケトン;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;又はスルホランであり得、それは、好ましくは、ハロゲン化炭化水素、エーテル又はアミド、最も好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はジメチルホルムアミドである。溶媒は、単独で又は組合せとして使用され得る。
【0198】
使用される塩基は、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属水素炭酸塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;又はトリエチル-アミン、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、l,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及びl,8-ジアザビシクロ[5,4.0]-7-ウンデセン(DBU)などの有機アミンであり、それは、好ましくは、有機アミン、最も好ましくは、トリエチルアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。塩基は、単独で又は組合せとして使用され得る。
【0199】
アスタキサンチン:酸塩化物又は酸無水物:塩基のモル比は、好都合には、1:2~6:2~10の範囲である。不活性雰囲気下で、好ましくは、不活性ガスとして窒素又はアルゴンを用いてエステル化を行うことが有利であることが分かっている。
【0200】
酸自体が、アスタキサンチンをエステル化するのに使用される場合、条件は、一般に、溶媒/分散媒及び反応温度に関して、酸塩化物又は無水物によるエステル化に用いられるものと同様である。しかしながら、活性なエステル化剤は、一般に、組み合わせて又は塩基なしで用いられる。使用される活性なエステル化剤は、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール及びN-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドなどのN-ヒドロキシ化合物;ジピリジルジスルフィドなどのジスルフィド化合物;N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジ-メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及びビス-(トリメチルシリル)カルボジイミド;1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールなどのカルボジイミド;4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)、ジフェニルリン酸アジド、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム又はトリフェニルホスフィンであり得、それは、好ましくは、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)、ジフェニルリン酸アジド又は1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾール、最も好ましくは、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)又は1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールである。
【0201】
アスタキサンチン:カルボン酸活性エステル化剤のモル比は、好都合には、1:2~6:2~7の範囲である。
【0202】
これらの全ての場合、生成物、すなわち、式Iのアスタキサンチン誘導体は、それ自体公知の方法によって、例えば、溶媒を加えて、反応、及び回収された粗生成物の結晶化の後、混合物からの粗生成物の分離を誘導することによって、単離及び精製され得る。カラムクロマトグラフィーはさらに、精製に用いられ得る。
【0203】
式XVI~XXXのアスタキサンチン誘導体を生成するための上記の方法において出発材料として使用される、関連する酸RCOOH、酸塩化物RCOCl及び酸無水物、(RCO)2Oは、公知の化合物のいずれかであり、又は関連する公知の出発材料を生成するための方法と類似の方法によって容易に生成され得る。
【0204】
実施例1.CCXX、(all-E)-3S,3'S-アスタキサンチン-ジ-N-ニコチノイルグリシネート、((1S)-3,5,5-トリメチル-2-オキソ-4-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-3,7,12,16-テトラメチル-18-[(4S)-2,6,6-トリメチル-3-オキソ-4-({2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]アセチル}オキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエン-1-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-イル2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]アセテート)の合成
【化24】
粗製の遊離アスタキサンチンが、主に(all-Ε)-3S,3'S異性体としての遊離、モノエステル化及びジエステル化形態の約10w/wの総アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)藻類バイオマスから抽出されたアスタキサンチンオレオレジンの脱エステル化によって得られた。1Lの一つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、4℃で、26gのオレオレジン及び740mLのメタノール/ジクロロメタン89:11v/vを充填した。BHT 50mg/mLの0.4mLのメタノール溶液を加えた。水酸化カリウム1Mの16.6mLのメタノール溶液を、4℃でゆっくりと加えた。反応を、移動相として(80/20v/v)ヘキサン/メタノールを用いたシリカゲルTLC及びHPLCによって監視した。81時間後、アスタキサンチンジエステルの大部分が、遊離アスタキサンチンに転化した。次に、酢酸10mmol/mLの8.5mLのメタノール溶液を、混合物がpH5に達するまで加えた。反応溶液を、その体積の半分になるまでロータリーエバポレータ(35℃、250mbarの真空)中で濃縮した。485mLの蒸留されたヘキサン及び10mLの水を、ヘキサン/メタノール比60/40v/vに達するまで加え、それを、-20℃で20時間貯蔵した。沈殿した固体をろ過し、1Lのジクロロメタン/水(50/50v/v)で抽出した。分離の後、ジクロロメタン相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。溶媒を、ロータリーエバポレータを用いて蒸発させた。2.51gの油状の濃い赤色の固体が得られた。この最終的な脱エステル化粗生成物中の、主に(all-Ε)-3S,3'S異性体としての遊離アスタキサンチンの含量は、1H NMRデータから推測される1.28g(55%w/w)であった。
【0205】
約200mg(0.34mmol)の遊離(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン(390mgの最終的な脱エステル化粗生成物)、462mg(2.56mmol)ニコチン尿酸及び7mLのジクロロメタンを、窒素雰囲気下で50mLの一つ口丸底フラスコに加えた。濃い赤色の溶液を撹拌し、氷浴中で冷却した。10分後、1217mg(6.35mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び844mg(6.91mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離アスタキサンチンが消費されるまで、混合物を24時間撹拌した。反応を、シリカゲルTLC(移動相(29/48/20/3、v/v/v/v)ヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン/酢酸)によって監視した。反応溶液を、0.25Mのクエン酸溶液(4×15mL)及び水(3×30mL)で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。次に、溶媒を、回転蒸発によって減圧下で除去した。残渣を、蒸留されたヘキサン(2×2mL)で洗浄し、次に、5mLのメタノール/ヘキサン80/20v/vに溶解させた。ヘキサンを、ヘキサン/メタノール比60/40V/Vに達するまで加え、メタノール層を、ヘキサン(4×3mL)で抽出した。メタノール相を、回転蒸発によって減圧下で濃縮し、残渣を、分取HPLCによって精製した。クロマトグラフィー条件は、移動相アセトニトリル/水95/5、流量15mL/分、カラムC18 Shimpack 250×20mm、10mmであった。120.4mg(0.128mmol)のBPH-555が得られた(37%の収率)。
1H NMR(CDCl3、200MHz):δ 1.26(s,6H)、1.36(s,6H)、1.99(s,12H)、1.90(s,6H)、2.08(m,2H)、2.17(m,2H)、4.31(dd,2H、J=4.8;18.2Hz)、4.51(dd,2H、J=5.7;18.2Hz)、5.61(dd,2H、J=7、1Hz)、6.14(m,2H)、6.29(m,2H)、6.31(m,2H)、6.41(m,2H)、6.46(m,2H)、7.39(m,2H、J=4.6;7、1Hz)、8.18(dd,2H、J=7.4Hz)、8.72(d,2H、J=4.5Hz)、9.09(bs,2H).
13C NMR(CDCl3、50MHz):δ 12.5、12.8、14.1、26.3、30.4、37.2、41.8、42.3、72.4、122.9、123.4、124.5、128.0、129.5、130.7、133.9、134.4、135.2、135.4、136.7、139.8、142.5、148.2、152.4、161.3、165.7、169.4、193.5.
FT-IR(cm-1):3381、3035、2957、2924、2858、1753、1669、1589、1545、1464、1378、1196、970、709.
LRMS(ESI)m/z(相対強度):959.55(M++K)(9%)、943.50(M++Na)(60%)、921.60(M++H)(31%)。正確な計算質量:920.47。
【0206】
実施例2.CCXXI、(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン-ジ-N-ニコチノイル-β-アラニネート((1S)-3,5,5-トリメチル-2-オキソ-4-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-3,7,12,16-テトラメチル-18-[(4S)-2,6,6-トリメチル-3-オキソ-4-({3-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]プロパノイル}オキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエン-1-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-イル3-[(ピリジン-3イル)ホルムアミド]プロパノエート)の合成
【化25】
アスタキサンチンのエステル化に使用される前駆体3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸を、以下の手順に従って、ピリジン-3-カルボニルアジドをアミノ酸(β-アラニン)と反応させることによって調製した:100mLの一つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、1.707g(13.87mmol)のニコチン酸及び45mLの乾燥ジクロロメタンを充填した。溶液を撹拌し、3.357g(17.51mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを加えながら氷浴中で冷却した。氷浴中でさらに15分後、2.627g(40.41mmol)のアジ化ナトリウムを加えた。氷浴を除去し、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応を、移動相として(70:20/5/5、v/v/v/v)ベンゼン/エタノール/アセトン/酢酸を用いたシリカゲルTLCによって監視した。反応溶液を、塩水(1×30mL)で洗浄し、底部の有機層を除去した。残っている水性層を、ジクロロメタン(2mL)で抽出した。ジクロロメタン画分を組み合わせて、水(4×30mL)で洗浄し、底部の有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過した。溶媒を、30℃で回転蒸発によって、減圧下で除去した。2546mgの粗生成物が得られ、粗生成物中のピリジン-3-カルボニルアジドの含量は、約80%w/wであった
1H NMR(CDCl
3、200MHz):δ 7.44(dd,1H、J=4.7、7.9Hz)、8.30(ddd,1H、J=1.9、2.0、8.0Hz)、8.84(dd,1H、J=1.6、4.8Hz)、9.17(d,1H、J=1.9Hz).50mLの一つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下及び室温で、炭酸塩緩衝液0.5M pH10中のβ-アラニン(1.213g、13.5mmol)の5mLの溶液を充填した。2.0g(13.5mmol)のピリジン-3-カルボニルアジド(2.4gの粗生成物)を、1mLのジクロロメタンに溶解させ、溶液を、少ない分量で2分ごとにアミノ酸溶液に加えた。pHを、各添加後に試験紙で測定し、必要に応じて、炭酸塩緩衝液0.5Mで、pH8に調整した。反応を、移動相(70/20/5/5、v/v/v/v)ベンゼン/エタノール/アセトン/酢酸を用いたシリカゲルTLCによって監視した。40分後、1.9mLの10Mの塩酸溶液を、pH4に達するまで加え、それを4℃に冷却した(冷却速度:1℃/分)。生成物が結晶化し、固体をろ過によって単離した。結晶を、塩酸水溶液pH4(3×5mL)で洗浄し、乾燥させた。1.127g(5.8mmol)の3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸が得られた(43%の収率)。
1H NMR(D
2O、200MHz):δ 2.60(t,2H)、3.58(t,2H)、7.61(m,1H)、8.22(m,1H)、8.64(m,1H)、8.80(s,1H).
【0207】
粗製の遊離アスタキサンチンが、遊離、モノエステル化及びジエステル化形態の約10w/wの総アスタキサンチンを含有する精製された藻類抽出物(ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis))の脱エステル化によって得られた。最終的な脱エステル化粗生成物中の遊離アスタキサンチンの含量は、55%w/wである。
【0208】
198.9mg(0.33mmol)の遊離((all-Ε))-3S,3'S-アスタキサンチン(365.6mgの最終的な脱エステル化粗生成物)、458mg(2.35mmol)3-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸及び8mLのジクロロメタンを、窒素雰囲気下で50mLの一つ口丸底フラスコに加えた。溶液を撹拌し、氷浴中で冷却した。15分後、1253mg(6.53mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び809mg(6.6mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離アスタキサンチンが消費されるまで、混合物を24時間撹拌した。反応を、移動相ヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン/酢酸(29/48/20/3、v/v/v/v)を用いたシリカゲルTLCによって監視した。反応溶液を、0.25Mのクエン酸溶液(4×15mL)及び水(3×30mL)で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を、回転蒸発によって減圧下で除去した。残渣を、蒸留されたヘキサン(2×2mL)で洗浄し、次に、メタノール/ヘキサンの30/9v/v混合物に溶解させた。ヘキサンを、ヘキサン/メタノール比60/40v/vに達するまで加えた。メタノール層を、ヘキサン(4×3mL)で抽出した。メタノール相を、減圧下で回転蒸発によって濃縮し、それを、分取HPLCによって精製した。クロマトグラフィー条件は、移動相アセトニトリル/水95/5、流量15mL/分、カラムC18 Shimpack 250×20mm、10mmであった。131.4mg(0.138mmol)の化合物CCXXIが得られた(42.0%の収率)。
1H NMR(CDCl3、200MHz):δ 1.25(s,6H)、1.38(s,6H)、1.93(s,6H)、2.00(s,6H)、2.01(s,6H)、2.09(m,4H)、2.73(t,4H、J=5.8Hz)、3.80(m,2H)、3.98(m,2H)、5.66(dd,2H、J=6.9 ;12.6Hz)、6.17(m,2H)、6.30(m,2H)、6.30(m,2H)、6.43(m,2H)、6.46(m,2H)、6.66(m,2H)、6.68(m,2H)、7.37(ddd,2H、J=0.5;4.8 ;7.9Hz)、8.08(t,2H、J=5.8Hz)、8.29(dt,2H、J=7.9;1.9Hz)、8.71(dd,2H、J=4.8;1.9Hz)、9.17(d,2H、J=1.9Hz).
13C NMR(CDCl3、50MHz):δ 12.5、12.7、14.0、26.2、30.4、35.0、35.9、37.2、42.3、53.4、71.4、122.7、123.1、124.5、127.9、129.9、130.7、133.9、134.3、135.1、135.5、136.6、139.9、142.7、148.7、151.9、162.1、165.5、171.3、194.9.
FT-IR(cm-1):3334、3035、2964、2926、2868、1742、1670、1591、1541、1472、1367、1306、1244 1180、970、709.
LRMS(ESI)m/z(相対強度):988.35(M++H+K)(48%)、972.30(M++H+Na)(31%)、950.50(M++2H)(21%)。正確な計算質量:948.50。
【0209】
実施例3.CCXXV(CCXXII、CCXXIII及びCCXXIVの混合物)、(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン-ジ-N-ニコチノイル-アラニネート((1S)-3,5,5-トリメチル-2-オキソ-4-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-3,7,12,16-テトラメチル-18-[(4S)-2,6,6-トリメチル-3-オキソ-4-({2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]プロパノイル}オキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエン-1-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-イル2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]プロパノエート)の合成
【化26】
アスタキサンチンのエステル化に使用される前駆体(2S)-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸を、以下の手順に従って、ピリジン-3-カルボニルアジドをL-アラニンと反応させることによって調製した:25mLの一つ口丸底フラスコに、室温で、窒素雰囲気下で、炭酸塩緩衝液0.83M中のL-アラニン(0.891g、10.0mmol)の3.5mLの溶液を充填した。1.5g(10.1mmol)のピリジン-3-カルボニルアジド(約80%w/wのアジドを含有する2.12gの粗生成物)を、2mLのジクロロメタンに溶解させ、それを、少ない分量で2分ごとにL-アラニン溶液に加えた。pHを、試験紙を用いて測定し、必要に応じて、炭酸塩緩衝液で、pH8に調整した。反応を、移動相ベンゼン/エタノール/アセトン/酢酸(70/20/5/5、v/v/v/v)を用いたシリカゲルTLCによって監視した。40分後、反応溶液を、ジクロロメタン(3×4mL)で抽出した。有機層を廃棄した。1mLの10Mの塩酸溶液を、pH4に達するまで水性層にゆっくりと加え、それを4℃に冷却した(冷却速度:1℃/分)。生成物が結晶化し、固体をろ過によって単離した。結晶を、塩酸水溶液pH4で洗浄し(3×0.4mL)、乾燥させた。1.050g(5.4mmol)の(2S)-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸が得られた(54%の収率)。
【0210】
0.201g(0.337mmol)の遊離(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン(0.391gの最終的な脱エステル化粗生成物)、0.515g(2.65mmol)(2S)-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)プロパン酸及び5mLのジクロロメタンを、窒素雰囲気下で50mLの一つ口丸底フラスコに充填した。溶液を撹拌し、氷浴中で冷却した。1.274g(6.65mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを加えた。18分後、0.898g(7.35mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離アスタキサンチンが消費されるまで、混合物を24時間撹拌した。反応を、移動相ヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン/酢酸(29/48/20/3、v/v/v/v)を用いたシリカゲルTLCによって監視した。反応溶液を、0.25Mのクエン酸溶液(4×15mL)及び水(3×20mL)で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去する。残渣を、蒸留されたヘキサン(2×2mL)で洗浄し、次に、メタノール/ヘキサンv/vの30/9混合物に溶解させた。ヘキサン及び水を、60/39/1v/v/vの溶媒比組成物のヘキサン/メタノール/水に達するまで加えた。メタノール層を、ヘキサン(4×3mL)で抽出し、回転蒸発によって減圧下で濃縮した。HPLC分析(アセトニトリル/水95/5、1mL/分、Agilent Eclipse XDB-C18 4.6mm×12.5mm、5μμ)の粗生成物は、480nmで以下の保持時間及び相対面積%を有するジエステル生成物に対応する3つのピークを示した:10.9m、25.8%;12.6m、49.0%及び14.6分、25.2%(面積比1:2:1)。ピークは、アシル化剤のラセミ化によって形成されることが予想される3つのジアステレオマーに対応する。ジアステレオマーを、分取HPLCによって分離した。クロマトグラフィー条件は、移動相アセトニトリル/水95:5、流量15mL/分、カラムC18 Shimpack 250×20mm、10mmであった。3つの単離されたジアステレオマーの総質量は、0.255g(0.269mmol)、80%の収率であった。最も豊富なジアステレオマーを、NMR、FTIR及びMSによって特性評価した。
1H NMR(CDCl3、200MHz):δ 1.24(s,6H)、1.38(s,6H)、1.62(d,3H、J=5.8Hz)、1.69(d,3H、J=5.8Hz)、1.91(s,6H)、1.99(s,6H)、2.00(s,6H)、2.06(m,4H)、2.40(m,2H)、4.92(m,2H)、5.59(m,2H)、6.16(m,2H)、6.30(m,4H)、6.42(m,2H)、6.43(m,2H)、6.67(m,2H)、6.68(m,2H)、7.40(dd,2H、J=0.8、4.8、7.8Hz)、8.15(dt,2H、J=0.8、4.2、12.2Hz)、8.70(dd,2H、J=1.5、4.8Hz)、9,05(d,2H、J=1.8Hz).
13C NMR(CDCl3、50MHz):δ 12.48、12.72、13.99、18.22、18.42、26.21、30.36、30.40、37.10、42.24、48.64、48.74、71.94、72.25、122.82、122.89、123.36、124.51、127.94、128.00、129.62、129.77、130.63、133.80、134.36 134.4、135.09、135.15、135.25、135.34、136.62、139.74、142.42、142.51、148.17、148.20、152.17、152.23、161.13、161.37、164.89、164.95、165.07、165.13、172.05、172.51、193.43、193.61
FT-IR(cm-1):3339、3038、2966、2934、2870、1747、1674、1593、1541、1472、1367、1306、1244、1180、968、709.
LRMS(ESI)m/z(相対強度):972.50(M++H+Na)(68%)、950.50(M++2H)(32%)。正確な計算質量:948.50。
【0211】
実施例4.CCXXIX(CCXXVI、CCXXVII及びCCXXVIIIの混合物)、(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン-ジ-N-ニコチノイル-バリネート、(1S)-3,5,5-トリメチル-2-オキソ-4-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-3,7,12,16-テトラメチル-18-[(4S)-2,6,6-トリメチル-4-{[(2S)-3-メチル-2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]ブタノイル]オキシ}-3-オキソシクロヘキサ-1-エン-1-イル]オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエン-1-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-イル(2S)-3-メチル-2-[(ピリジン-3-イル)ホルムアミド]ブタノエートの合成
【化27】
アスタキサンチンのエステル化に使用される前駆体(2S)-3-メチル-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)ブタン酸を、以下の手順に従って、ピリジン-3-カルボニルアジドをL-バリンと反応させることによって調製した:50mLの一つ口丸底フラスコに、室温で、窒素雰囲気下で、炭酸塩緩衝液0.5M pH10中のL-バリン(119mg、0.566mmol)の3.5mLの溶液を充填した。144mg(0.97mmol)のピリジン-3-カルボニルアジド(約80%w/wのアジドを含有する180mgの粗生成物)を、2mLのジクロロメタンに溶解させ、それを、少量ずつ2分ごとにL-バリン溶液に加えた。pHを、試験紙を用いて測定し、必要に応じて、炭酸塩緩衝液で、pH8に調整した。反応を、移動相ベンゼン/エタノール/アセトン/酢酸(70/20/5/5、v/v/v/v)を用いたシリカゲルTLCによって監視した。40分後、1.8mLの10Mの塩酸溶液を、pH4に達するまで水性層にゆっくりと加え、それを4℃に冷却した(冷却速度:1℃/分)。生成物が結晶化し、固体をろ過によって単離した。結晶を、塩酸水溶液pH4で洗浄し(3×5mL)、乾燥させた。62mg(0.28mmol)の(2S)-3-メチル-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)ブタン酸が得られた(49%の収率)。
【0212】
22.42mg(0.037mmol)の遊離(all-Ε)-3S,3'S-アスタキサンチン(43.70mgの最終的な脱エステル化粗生成物)、62mg(0.279mmol)(2S)-3-メチル-2-(ピリジン-3-イルホルムアミド)ブタン酸及び1.5mLのジクロロメタンを、窒素雰囲気下で10mLの一つ口丸底フラスコに充填した。溶液を撹拌し、氷浴中で冷却した。10分後、162mg(0.845mmol)の1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド及び96mg(0.786mmol)の4-ジメチルアミノピリジンを加えた。反応物を室温に到達させ、遊離アスタキサンチンが消費されるまで、混合物を24時間撹拌した。反応を、移動相(29/48/20/3、v/v/v/v)ヘキサン/酢酸エチル/ジクロロメタン/酢酸を用いたシリカゲルTLCによって監視した。反応溶液を、0.25Mのクエン酸溶液(1×10mL)及び水(3×10mL)で抽出した。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、蒸留されたヘキサン(3×0.5mL)で洗浄し、次に、1mLのメタノールに溶解させた。ヘキサン及び水を、59/39/2v/v/vの溶媒比組成物のヘキサン/メタノール/水に達するまで加えた。メタノール層を、ヘキサン(2×2.5mL)で抽出し、回転蒸発によって減圧下で濃縮した。
【0213】
HPLC分析(アセトニトリル/水95/5、1mL/分、Agilent Eclipse XDB-C18 4.6mm×12.5mm、5μm)の粗生成物は、480nmで以下の保持時間及び相対面積%を有するジエステル生成物に対応する3つのピークを示した:12.6m、25.7%;15.0m、49.1%及び17.6分、25.2%(面積比1:2:1)。ピークは、アシル化剤のラセミ化によって形成されることが予想される3つのジアステレオマーに対応する。ジアステレオマーを、分取HPLCによって分離した。クロマトグラフィー条件は、移動相アセトニトリル/水95:5、流量15mL/分、カラムC18 Shimpack 250×20mm、10mmであった。3つの単離されたジアステレオマーの総質量は、12.1mg(0.012mmol)、32%の収率であった。最も豊富なジアステレオマーを、NMR、FTIR及びMSによって特性評価した。
1H NMR(CDCl3、200MHz):δ 1.09(d,6H、J=6.9Hz)、1.15(d,3H、J=5.8Hz)、1.17(d,3H、J=5.8Hz)、1.23(s,3H)、1.25(s,6H)、1.36(s,3H)、1.37(s,3H)、1.82(s,6H)、1.94(s,6H)、1.99(s,6H)、2.07(m,4H)、2.45(m,2H)、4.87(dd,1H、J=4.6、8.6Hz)、4.95(dd,1H、J=4.6、8.6Hz)、5.55(m,2H)、6.14-6.8(m,14H)、7.42(ddd,2H、J=0.5、4.8、8Hz)、8.16(dm,2H、J=8Hz)、8.75(dd,1H、J=4.8;1.9Hz)、8.76(dd,1H、J=4.8;1.9Hz)、9,05(d,1H、J=1.9Hz)、9,07(d,1H、J=1.9Hz).
13C NMR(CDCl3、50MHz):δ 26.30、26.35、29.68、30.43、31.53、31.57、37.17、37.18、42.50、42.56、57.55、57.75、71.95、72.24、122.93、122.99、123.47、123.49、124.57、128.19、128.23、129.97、130.05、130.69、133.85、134.44、134.47、135.09、135.15、135.03、135.14、135.27、135.31、136.69、136.71、139.78、139.81、142.44、148.07、148.18、152.43、152.48、161.03、161.06、165.40、165.58、170.82、171.35、193.21、193.40.
FT-IR(cm-1):3332、3034、2964、2930、2872、1744、1669、1591、1553、1535、1468、1452、1371、1310、1242、1195、1159、1092、1028、968、918、829、732、708.
LRMS(ESI)m/z(相対強度):1044.5(M++H+K)(29%)、1028.55(M++H+Na)(41%)、1006.55(M++2H)(32%)。正確な計算質量:1004.57。
【0214】
実施例5.プロドラッグから親化合物への転化
予め凍結された再懸濁されたCaco-2細胞内でのアスタキサンチンの形成。
ヒトカルボキシルエステラーゼ1(hCE-1)及びカルボキシルエステラーゼ2(hCE-2)は、プロドラッグの薬剤代謝及び活性化の両方に関与するセリンエステラーゼである。Caco-2(ヒト結腸腺癌)細胞株中のヒトカルボキシルエステラーゼの発現パターンは、はるかに高いレベルのhCE-1及びより低いレベルのhCE-2を発現するヒト肝臓に類似している(Drug Metab.Pharmacokinet.21(3):173-185(2006))。したがって、Caco-2細胞ホモジネートを、本発明のプロドラッグから親化合物への転化を実証するために、肝臓代謝のインビトロモデルとして使用した。
【0215】
したがって、化合物CCXX、CCXXI、CCXXII及びCCXXVIからのアスタキサンチンの形成を、-80℃で凍結され、試験前に解凍されたCaco-2細胞で試験した。凍結保存剤を用いない凍結/解凍プロセスは、トリパンブルーを用いた色素排除方法を用いて死細胞の陽性染色によって確認されるように、膜の完全性を損なった。死細胞は、損なわれた膜を通過する化合物に選択的でなく、細胞内容物及びカルボキシルエステラーゼを含む代謝酵素にアクセスするために、輸送及び透過障壁を取り除く。
【0216】
Caco-2(結腸直腸腺癌)細胞株を、Cordoba Cell Bank(CCB,CIQUIBIC,Cordoba,Argentina)、# ATCC Passage:18.# CCB Passage:4から入手した。培養条件:低グルコースDMEM(1g/L)+ペニシリン-ストレプトマイシン+20%のウシ胎仔血清(SFB)。細胞を、細胞培養皿上で5%のCO2を含む37℃の培養器において培養した。それらがコンフルエンスに達したら、細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄され、トリプシン処理後に剥離した。トリプシン処理のために、1mLのトリプシンを加え、37℃の培養器中で数分間インキュベートし、補充された培養培地で中和し、細胞を、15mLのチューブ(Falcon)に回収した。チューブを、1000rpmで5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞を、補充された培地中で再懸濁させた。生存(生)細胞の量を決定するために、トリパンブルー色素による1/2希釈を行い、自動細胞計数器において計数した(90%超の生細胞が測定された)。最後に、チューブを、再度遠心分離し、細胞を、非補充DMEM中で、500万個/mLの濃度で再懸濁させ、-80℃の冷凍車に入れた。凍結及び解凍後の非生存細胞の量を決定するために、トリパンブルー色素による1/2希釈を行い、それらを、自動細胞計数器において計数し、死細胞は95%超であった。非生存(「漏出」)細胞ホモジネートのプールを、その後、対象とする化合物とのインキュベーションに使用した。
【0217】
500万個/mLの非生存Caco-2細胞を含有する1mLの凍結アリコートを解凍し、37℃で温めた。DMSO(2.5mM)中の化合物のストック溶液の0.010mLのアリコートを、細胞に加え、37℃でインキュベートした。選択された時点で、0.2mLのアリコートを除去し、内部標準としての酢酸レチニル(0.011mM)を含有する0.5mLのメタノールと混合した。メタノール混合物を激しくボルテックスし、1mLのクロロホルムを加えて、未反応化合物、アスタキサンチン及び関連化合物並びに内部標準を抽出した。激しくボルテックスした後、混合物を、4℃で10分間にわたって8000rpmで遠心分離した。クロロホルム相を除去し、窒素流れ下で乾燥させた。1mLの試料溶媒(1%のギ酸を含むTHF/アセトニトリル)を残渣に加え、激しく混合し、HPLCバイアル中でPVDF 0.22umフィルタに通してろ過した。ろ液を、5℃でオートサンプラ中に貯蔵し、HPLCに注入して、内部標準、未反応化合物、遊離アスタキサンチン及びその関連化合物の量を測定した。HPLC装置は、40℃でShimpack GIST C18 100×2.1mm、2umカラムを備えたUHPLC Nexera XR(Shimadzu)/PDA SPD-M3OA(Shimadzu)であった。プロドラッグに応じて2つのHPLC方法、グラジエント法及びイソクラティック法を使用した。グラジエント法:流量0.2mL/m、移動相A(MPA):ギ酸0.1%を含む水、移動相B(MPB):ギ酸0.1%を含むアセトニトリル、勾配:時間0m 60/40、2.5m 10/90、10.4m 10/90。UV(PDA)検出器380及び325nm(酢酸レチニルの場合)。イソクラティック法:溶媒組成物が一定、MPA/MPB 20/80である以外は同じ条件。
【0218】
trans-アスタキサンチンへの転化が、CCXX、CCXXI及びCCXXIIについて観察された。化合物CCXXは、CCXXI及びCCXXIIより予想外に高い、trans-アスタキサンチンへの転化効率を示した。化合物CCXXVIは、アスタキサンチンモノエステルへのごく少ない転化率で同じ期間にわたって安定していた。
【0219】
実験モデル
NAFLD/NASH:マウスSTAMモデルは、ヒトNASH/HCCと同じ疾患進行を再現するモデルである(例えば、国際公開第2011/013247号パンフレット;Takakura et al.Anticancer Res,2014;34(9):4849-55を参照)。このモデルにおいて、2日齢の雄C57BL/6マウスに、単回用量のストレプトゾトシンを与えて、インスリン分泌能力を低下させる。4週齢の時点でマウスは高脂肪食を開始する。このモデルは、脂肪肝、NASH、線維症、及びその後、肝臓癌(HCC)へと進行する後期2型糖尿病のバックグラウンドを有する。疾患は、比較的短い期間で進行し、肝臓癌が、20週齢の時点で100%の動物において発生される。STAM(商標)モデルは、以下を含むヒトNASHの病理学的特徴の多くを再現することができる:
1.ヒトNASHの特徴的な病理学的特徴である、細胞の風船様腫大変性。
2.線維症が進行するにつれて脂肪滴が減少する、バーンアウトNASH。
3.中心静脈の周りで起こる線維症の進行。
4.ALTの軽度の上昇(肝障害マーカー)。
5.CK-18などのNASHマーカーの増加。
6.グルタミンシンターゼ、グリピカン-3及びAFPなどのヒトHCCマーカーの増加。
【0220】
生後2日目に200pgのストレプトゾトシン(STZ,Sigma,MO,USA)の単回皮下注射によって、及び4週齢(28日±2)後、不断で与えられる高脂肪食の連続給餌によって、雄C57BL76マウスにおいてNASHを誘導した。
【0221】
NASHの誘導の後、マウスを、治療の開始の前日に、体重に基づいて6週齢(42日±2)のそれぞれ8匹のマウスの個々の試験群にランダムに分ける。ランダム化の1日後、マウスに、6週齢プラス1日(43日±2、治療1日目)から9週齢まで(以後、「治療期間」として知られる)1日1回、経口治療薬を投与する。1つの試験群のマウスに、ビヒクルのみを与え、ビヒクル対照群とし、第2の試験群を陽性対照とし、テルミサルタンを与え、残りの試験群に、様々なキサントフィル誘導体又は様々な用量の本発明のキサントフィル誘導体を与える。
【0222】
個体の体重を、治療期間中に毎日測定する。マウスの生存、臨床兆候及び挙動も毎日監視する。全てのマウスを、9週齢の時点で殺処分する。血液試料を、全てのマウスから収集し、各マウスから肝臓を分析のために除去する。各血液試料からの血漿を、肝機能及び疾患進行の指標としてのアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)について分析する。全ての殺処分されたマウスからの肝臓を、グラム単位で秤量する。除去された肝臓を、ホルマリン中で固定し、パラフィンで包埋し、次に、断面を調製する。肝臓断面を、肝臓脂肪症、小葉炎症及び肝細胞の風船様腫大の組織学的評価のための標準的な技術を用いて、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色に供する。各肝臓断面における脂肪性肝炎重症度のレベルが、脂肪症の評価のために50倍の倍率で並びに炎症の評価及び風船様腫大の評価のためにそれぞれ200倍の倍率で、H&E染色された肝臓断面の3つのランダムに選択された視野において、0~5のNAFLD活動性スコアによって示される。NAFLD活動性スコアは、以下の非加重の合計である:1)肝臓脂肪症スコア(0~3);2)小葉炎症スコア(0~2);3)肝細胞の風船様腫大スコア(0~2)。試験群と陽性対照群との間の比較を、両側不均一分散(2標本不等分散)スチューデントT検定を用いて行う。<0.05のP値は、複数の群のボンフェローニの事後統計的修正解析(post-hoc statistical correction analysis)(ボンフェローニの多重比較検定)に従って、統計的に有意であると見なされる。
【0223】
非アルコール性脂肪性肝炎の別の動物モデルとして、雄C57Bl/6Jマウスを使用する。マウスに、コレステロール含有カカオ脂食を不断で与えて、非アルコール性脂肪性肝炎を誘導する。
【0224】
アルコール性脂肪性肝炎モデルでは、通常のマウス飼料を高脂肪の栄養学的に完全な不断の液体食で置き換えたLieber deCarli(LdC)食にアルコールを加える。マウスに、典型的に、順応のために3日のLdC食を与え、その後、アルコールを、3日ブロックでそれぞれ、2.1%、4.2%、及び6.4%v/vの増加する濃度で加える。
【0225】
食餌性肥満(DIO)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のマウスモデル:本発明のキサントフィル誘導体は、肝臓及び脂肪組織における炎症及び線維症を阻害し得る。肥満関連代謝異常、炎症及び線維症は、食餌性肥満(DIO)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)マウスモデルにおいて発生され得る(J Nutr Biochem.2017;43:27-35,B.Kim et al.)。肥満個体は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を発生する高いリスクを有する。脂肪細胞が肥大したとき、マクロファージが、脂肪組織中に浸潤し、腫瘍壊死因子α(TNFα)及びインターロイキン(IL)-6などの炎症性サイトカインを産生する。サイトカインは、脂肪細胞からの遊離脂肪酸の放出を刺激して、肝臓中への遊離脂肪酸の高い流入をもたらし、肝臓脂肪症の発生を引き起こす。脂肪症は、炎症及び線維症によって特徴付けられる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと進行し得る。肝線維症は、肝細胞癌の主原因である肝硬変へと進行し得る瘢痕化プロセスである。組織マクロファージは、古典的に活性化された、炎症性M1及び別の形で活性化された、抗炎症薬M2タイプに分類され得る。CD11cは、TNFα、IL-6及び単球走化性タンパク質-1(MCP-1)などの炎症性サイトカインを産生するM1マクロファージの周知のマーカーである。M2マクロファージは、低脂肪組織中の主要な常在マクロファージであり、CD206、アルギナーゼ-1(Arg-1)、マクロファージガラクトース型カルシウム型レクチン1/CD301a及びIL-10の高い発現によって特徴付けられる。本発明のキサントフィル誘導体は、DIO及びNASHのマウスモデルにおいて実証されるように、肥満関連炎症及び線維症を予防することができる。例えば、本発明のキサントフィル誘導体は、LUM、COL6A1及びCOL6A3などの線維形成遺伝子の発現を低下させることができる。また、本発明のキサントフィル誘導体は、TGFβ1、LUM、TNC、COL1A1、COL6A1及びCOL6A3を含む線維形成遺伝子の発現を低下させることができる。
【0226】
肥満関連代謝異常、炎症及び線維症は、J Nutr Biochem.2017,43:27-35,B.Kim et al.に開示されるように、食餌性肥満(DIO)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)マウスモデルにおいて発生され得る。簡潔に述べると、雄C57BL/6Jマウスに、低脂肪(6%の脂肪、w/w)、高脂肪/高スクロース対照(HF/HS;35%の脂肪、35%のスクロース、w/w)、又は本発明のキサントフィル誘導体を含有するHF/HS(XHF/HS)を30週間にわたって与える。NASHを誘導するために、別の組のマウスに、2%のコレステロールを含有するHF/HS食(HF/HS/HC)、本発明のキサントフィル誘導体を含むHF/HS/HC(XHF/HS/HC)を18週間にわたって与える。体重及び食物消費を毎週記録し、血液試料を、外側尾静脈から毎月収集した。給餌期間の最後に、マウスを空腹にさせ、麻酔をかける。血液を、EDTAを含むチューブに採取し、血漿採取のために遠心分離する。肝臓、精巣上体脂肪組織(eAT)、後腹膜脂肪組織(rAT)、腓腹筋及び脾臓を収集し、液体窒素中で急速に冷凍し、又は10%のホルマリン中で固定する。血漿及び組織試料を、使用まで-80℃で貯蔵する。HF/HS食又はHF/HS/HC食を与えられたマウスは、DIO又はNASHマウスと呼ばれる。血漿総コレステロール、トリグリセリド及びグルコースを比較する。DIOマウスのeATにおけるマクロファージ浸潤及び線維症を、qRT-PCR分析及びeATの表現型によって、マクロファージマーカー(F4/80、CD68、CD11c、MCP-1、CD206、Arg-1、IL-10、カスパーゼ(Casp)-3及びCasp-9 mRNA)の発現を測定することによって評価する。線維症(コラーゲンタイプI、α1(COL1A1)、コラーゲンタイプVI、α1(COL6A1)及びCOL6A3)に関与する遺伝子の発現を、eATにおいて測定する。線維症のための架橋エラスチン及びコラーゲンに関連する酵素であるリシルオキシダーゼ様2(LOXL2)、及び低酸素症誘導性因子1-α(HIF1α)の発現を、測定し、比較する。両方のモデルにおけるマクロファージ(F4/80及びCD68 CD11c及びMCP-1及びCD206)並びに線維症(VIM)、COL1A1、COL6A1、COL6A3、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP2)及びHIF1αのマーカーの肝臓mRNAレベルを、測定し、比較する。組織学的分析を用いて、肝臓中の微小空胞脂肪滴の存在を決定する。肝臓中のコラーゲン蓄積を、ゴモリのトリクローム染色を用いて調べる。
【0227】
3D微小組織技術に基づくヒトインビトロNASHモデル:Insphero 3D-INSIGHT(商標)ヒトインビトロNASHモデルを、初代ヒト肝細胞、肝星細胞、クッパー細胞(KC)及び肝臓内皮細胞(LEC)を組み込むように操作する(例えば、米国特許出願公開第2019/0316093号明細書、Messner et al.;Poster P06-032,Eurotox 2019,Simon Stroebel et al.を参照)。このモデルは、疾患開始及び進行において重大な役割を果たす全ての肝細胞型を含む。糖尿病培地における遊離脂肪酸及びリポ多糖(LPS)による処理後、これらの微小組織は、NASHの主な生理学的局面を示す。脂肪毒性NASH刺激は、TNF-α、IL-6、IL-8、MCP-1、MIP-1α、及びIP-10などの炎症性マーカーの微小組織分泌として肝細胞内の脂質蓄積を増加させた。さらに、脂肪毒性ストレス刺激は、コラーゲンタイプI及びIIIなどのプロ線維化マーカーの発現、並びにプロコラーゲンタイプIの放出を増加させた。このヒト3D NASHモデルは、脂肪症、炎症、及び線維症を含む全範囲のNAFLD疾患の主な生物学的局面を再現する。ハイスループットスクリーニング手法と適合して、このモデルは、NASH薬の有効性を評価するための強力な手段である。
【0228】
高いレベルの糖を含有する培地中での遊離脂肪酸(FFA)及びLPSによる10日間の処理のためのプロトコルが、インビトロでのNASH発症を再現し、NASHの特徴的なマーカー(脂質負荷、炎症性マーカーの活性化、及び線維症の開始を分析するために開発される。組織内の脂質負荷を実証するために、微小組織を、4%のPAFで固定し、ナイルレッドで染色する。共焦点顕微鏡法を、脂質染色された微小組織を視覚化するために行う。微小組織内のトリグリセリドレベルを測定するために、Glycerol-Triglyceride-Glo(商標)キット(Promega、まだ市販されていない)を使用する。炎症性サイトカイン/ケモカインの放出を、Human Magnetic Luminex Assay(R&D systems)を用いて測定する。以下の対照及び処置を、示されるように、NASH刺激と一緒に微小組織に適用して、NAFLD及びNASH疾患進行に対するそれらの影響を調べる:
A)対照:正常なグルコースレベルを有する培地(NASH誘導なし)
B)ビヒクル:NASH誘導を伴うビヒクル処置(NASH誘導培地+FFA+LPSパルス)
C)陽性対照:NASH誘導を伴うエラフィブラノール処置
D)試験:NASH誘導を伴う様々なキサントフィル誘導体又は様々な用量の本発明のキサントフィル誘導体処置。
【0229】
分泌されたサイトカイン及びケモカイン(IL-6、IL-8、TNF-α、IP-10、MIP-1α及びMCP-1)のLuminex分析は、NASH刺激が、5日の処理後に、対照(NASH誘導なし)と比較して、NASH処理試料中の炎症性マーカーの分泌を増加させることを示すことが予想される。さらに、本発明のキサントフィル誘導体による処置は、NASH誘導された微小組織における炎症性マーカー分泌を減少させるはずである。抗線維化薬処置によって、線維症の進行が、7日の処置後に、コラーゲンIの免疫組織化学的染色によって実証されるように減少される。別の手法において、本発明のキサントフィル誘導体は、線維化促進遺伝子α-SMA(Acta2)、コラーゲン3A1及びコラーゲン4A1の用量依存的な下方制御を示すことが予想される。
【0230】
肝星細胞の活性化中のミトコンドリア呼吸
肝障害の際、静止肝星細胞(qHSC)は、筋線維芽細胞様活性化HSC(aHSC)に分化形質転換し、これは、肝線維症の発生の際の細胞外基質タンパク質の蓄積に主に関与する。したがって、aHSCは、それらの高いエネルギー需要を満たすために、qHSCからの様々なエネルギー代謝を示し得る(J Nutr Biochem.2019,71:82-89,M.Bae et al.)。qHSC及びaHSCのエネルギー代謝を特性評価するために、マウス初代HSCを、様々なキサントフィル誘導体又は様々な用量の本発明のキサントフィル誘導体の存在下又は非存在下で、自然活性化のために7日間にわたって非被覆プラスチック皿において培養する。7日間にわたって様々なキサントフィル誘導体又は様々な用量の本発明のキサントフィル誘導体で処置された又は処置なしのqHSC(単離の1日後)及びaHSCを用いて、Seahorse XFe24 Extracellular Flux分析装置を用いてミトコンドリア呼吸に関連するパラメータを決定する。aHSCは、有意に高い基底呼吸、最大呼吸、ATP産生、予備呼吸能、及びqHSCのものより少ないプロトンを有する。しかしながら、本発明のキサントフィル誘導体は、HSC活性化の際に発生する変化の大部分を防止するはずであり、初代マウスaHSCにおける減少した稜接合部幅、内腔幅、及び面積を有するミトコンドリア稜構造を改善し得る。さらに、本発明のキサントフィル誘導体を与えられたマウスから単離されたqHSCは、対照qHSCより低いミトコンドリア呼吸及び解糖を有するはずである。
【0231】
細胞ROS蓄積HSC:細胞ROSレベルが、米国特許出願公開第2016/0287534A1号明細書;Lee et al.J.Nutr.Biochem.2013,vol.25,iss.4,pp.404-411において既に記載されるように、LX-2細胞内で測定され得る。簡潔に述べると、LX-2細胞を、黒色の24ウェルプレート(Wallac Oy,Turku,Finland)に入れる。細胞が、約90%のコンフルエンシーに達したとき、それらを、24時間にわたって5、10又は25μMのキサントフィル誘導体とともにプレインキュベートし、続いて、さらに24時間にわたって2ng/mLのTGFβ1又は10μMのtert-ブチル過酸化水素(tBHP,Sigma,St.Louis,Mo.)で刺激する。次に、細胞を、30分間にわたって5μMのジクロロフルオレセイン(Sigma,St.Louis,Mo.)とともにインキュベートし、蛍光を、485nmの励起波長及び530nmの発光波長で読み取る。データが、細胞タンパク質のμg当たりの蛍光強度として表される。
【0232】
HSCにおけるHDAC9及び筋細胞エンハンサー因子2(MEF2)の発現(例えば、米国特許出願公開第2016/0287534A1号明細書、Ji-Young Leeを参照):簡潔に述べると、HDACは、ヒストン中のリジン残基からアセチル基を除去する酵素の種類である。HDAC、特に、クラスII HDAC、すなわち、HDAC4、5、6、7、9、及び10は、HSCの活性化において重大な役割を果たすことが示唆されている。古典的なHDACのmRNA発現の改変を、HSC活性化の際に調べる。ヒストンをアセチル化する、p300及び一般的な対照非抑制性5を含むヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)の発現を測定する。HDAC9発現を誘導することが知られている転写因子であるMEF2の発現も測定する。
【0233】
肺線維症:6~8週齢の雌C57B1/6J(WT)マウスを使用する。動物に、気管切開の前に腹腔内に麻酔をかける。生理食塩水中で希釈された3.5U/kgのブレオマイシン(BLM)、又は生理食塩水のみ(対照群)を含有する単回の注射を、気管内に投与する。ブレオマイシンの14日後、動物を安楽死させて、気管支肺胞洗浄を行い、生化学的及び組織学的分析のために肺試料を収集する。肺コラーゲンの総含量を、製造業者の説明書に従って、マッソントリクローム染色によって測定する。処置群では、マウスに、本発明のキサントフィル組成物を経口投与する。
【0234】
原発性胆汁性肝硬変及び原発性硬化性胆管炎
CCl4線維症モデル:線維症は、腹腔内注射によって投与されるCCl4の隔週の投与によって、BALB/c雄マウスにおいて誘導され得る。CCl4は、油中1:1で配合され、1mL/kgでIP注入される。2~4週間の線維症誘導の後、キサントフィル誘導体は、CCl4投与を連続しながら、2~6週間の処置のために強制経口投与によって毎日投与され得る。試験の終了時に、肝臓は、ホルマリンで固定され、線維症の組織病理学的評価のためにシリウスレッド染色で染色され得る。総コラーゲン含量は、コラーゲンの酸加水分解によるヒドロキシプロリン残基の比色定量によって測定され得る。血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、臨床化学分析装置によって測定され得る。
【0235】
肝内胆汁鬱滞モデル:げっ歯類における17a-エチニルエストラジオール(EE2)処理によって誘導される実験肝内胆汁鬱滞は、エストロゲン誘導性胆汁鬱滞に関与する機構を調べるために広く使用されているインビボモデルである。肝内胆汁鬱滞は、5日間にわたって毎日の10mg/kgの17a-エチニルエストラジオール(E2)の皮下注射によって、成体雄マウスにおいて誘導され得る。キサントフィル誘導体の試験は、胆汁鬱滞のE2誘導中に化合物の投与によって行われ得る。胆汁鬱滞作用が、肝臓/体重比を評価し、血清総胆汁酸を測定することによって定量され得、アルカリホスファターゼレベルが、Diagnostic Chemicals Ltd.製の試薬及び対照及びCobas Mira plus CC分析装置(Roche Diagnostics)を用いて測定され得る。組織学及び有糸分裂測定のために、各マウスからの肝臓試料が、10%の中性緩衝ホルマリン中で固定され得る。スライドが、標準的なプロトコルを用いてヘマトキシリン及びエオシンで染色され、構造変化について顕微鏡的に調べられる。肝細胞増殖が、Ki67について免疫組織化学的染色によって評価される。
【0236】
ラットANITモデル:本明細書に記載される化合物は、様々な用量で胆汁鬱滞の慢性治療モデルにおいて評価される。このモデルを用いて、胆汁酸吸収不良、胆汁逆流胃炎、膠原線維性大腸炎、リンパ球性大腸炎、便流変更性大腸炎、分類不能大腸炎、アラジール症候群、胆管閉鎖、胆管減少性肝臓移植拒絶反応、骨髄又は幹細胞移植に関連する移植片対宿主病、嚢胞性線維症肝疾患、及び非経口栄養関連の肝疾患などの胆汁鬱滞性肝疾患の治療のための本明細書に記載されるキサントフィル誘導体の使用の適合性を評価する。
【0237】
ラットを、様々な用量の本明細書に記載されるキサントフィル誘導体による処置の前に、3日間にわたって食物中のα-ナフチルイソチオシアネート(ANIT)(0.1%w/w)で処理する。非胆汁鬱滞対照群に、ANITなしの標準的な食餌を与え、非胆汁鬱滞対照動物(「対照」)とする。14日の経口投与の後、ラット血清を、分析物のレベルについて分析する。LLQ、定量下限。平均±SEM;n=5。
【0238】
上昇したレベルの循環アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、ビリルビン及び胆汁酸などの、肝胆汁性傷害指標のレベルを、ラット血清において測定する。ANIT曝露は、重度の胆汁鬱滞及び肝細胞損傷を誘導する。これらの指標の多くを改善するキサントフィル誘導体は、上記の疾患又は病態の治療に有用である。
【0239】
肝臓中の胆汁酸の蓄積の減少、胆管中の胆汁酸排出の促進及び胆汁酸合成の阻害は、キサントフィル誘導体の薬理作用と一致する。血清コンジュゲートビリルビン(肝機能の直接の指標)の改善は、改善した胆汁排出を伴う胆汁鬱滞からの回復を示唆する。
【0240】
炎症性腸疾患(IBD)
マウス慢性DSS大腸炎モデル:慢性デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性マウスが、炎症性腸疾患(IBD)に対するキサントフィル誘導体の治療可能性を試験するのに使用され得る。慢性大腸炎は、飲料水中のDSSをマウスに供給することによって誘導され得る。例えば、5日間にわたる飲料水中2%のDSS及び5日間にわたる通常の飲料水、次に、この供給サイクルが、合計3つのサイクルで、より高い濃度のDSS、それぞれ2.5%及び3%でさらに2回繰り返され得る。大腸炎は、およそ、DSS供給の第1のサイクルの後に発生し、これは、体重の減少、便の硬さ及び直腸出血によって監視され得る。キサントフィル誘導体は、開始の2%のDSS水供給と同時にマウスに投与することによって試験され得る。或いは、キサントフィル誘導体の試験は、2%のDSS水及び通常の水の第1の供給サイクルの後に行われ得る。キサントフィル誘導体をマウスに投与する期間の間、治療効果は、体重、便の硬さ及び直腸出血に関する観察によって監視され得る。安楽死の後、疾患の発生及びキサントフィル誘導体の効果は、結腸の重量及び長さ、炎症についてのH&E染色による結腸組織学及び粘膜の構造変化、並びに疾患に関連する遺伝子のタンパク質及びRNA発現を測定することによって、さらに定量され得る。
【0241】
養子T細胞移動大腸炎マウスモデル:養子T細胞移動大腸炎モデルは、ヒト炎症性腸疾患(IBD)のための関連するマウスモデルとして認められている。このモデルにおいて大腸炎を誘導するために、CD4 T-リンパ球集団を、ドナーマウスの脾臓から単離し、続いて、CD4+CD45RB高T細胞の亜集団を、フローサイトメトリーを用いた細胞選別によって精製する。精製されたCD4+CD45RB高T細胞を、レシピエントSCIDマウスの腹膜腔に注入する。大腸炎は、T細胞移動の約3~6週間後に発生し、これは、体重の減少(体重の減少は可変であり得るが)、一貫性のない排便又は血性下痢によって監視され得る。キサントフィル誘導体の試験は、精製されたCD4+CD45RB高T細胞をレシピエントSCIDマウスに注入するのと同時に開始され得る。或いは、大腸炎がモデルにおいて既に発生しているとき、キサントフィル誘導体は、T細胞移動の2又は3週間後に投与され得る。キサントフィル誘導体をマウスに投与する期間の間、治療効果は、体重、便の硬さ及び直腸出血に関する観察によって監視され得る。安楽死の後、疾患の発生及びキサントフィル誘導体の効果は、結腸の重量及び長さ、炎症及についてのH&E染色による結腸及び回腸組織学及び粘膜の構造変化、並びに疾患に関連する遺伝子のタンパク質及びRNA発現を測定することによって、さらに定量され得る。
【0242】
Mdr1a-/-マウスモデル:Mdr1a-/-マウスモデルは、ヒトIBDの新たな治療法を試験する際に使用されている自然発生大腸炎モデルである。このモデルにおけるMdr1a遺伝子の減少は、腸のバリア機能の低下につながり、これは、腸内細菌の増加した浸潤及びその後の大腸炎をもたらす。適切な飼育条件下で、Mdr1a-/-マウスは、約8~13週齢で大腸炎を発生し得る。疾患進行の間、直腸脱、便の硬さ及び直腸出血に関する臨床観察スコアを合計する疾患活動性指数(DAI)が、疾患を監視するのに使用され得る。キサントフィル誘導体の試験は、一般に1.0未満のDAIスコアを有する、疾患の初期段階に開始され得る。或いは、キサントフィル誘導体の投与は、典型的に、2.0超のDAIスコアを有する、大腸炎が発生したときに開始され得る。キサントフィル誘導体の治療効果は、DAIを測定することによって監視され得、試験は、一般に約5.0のDAIスコアを有する、所望の疾患重症度が達成されたときに終了され得る。安楽死の後、疾患の発生及びキサントフィル誘導体の効果は、結腸の重量及び長さ、炎症についてのH&E染色による結腸組織学及び粘膜の構造変化、並びに疾患に関連する遺伝子のタンパク質及びRNA発現を測定することによって、さらに定量され得る。
【0243】
DPPHラジカル捕捉及び脂質過酸化反応に対するキサントフィル誘導体の抗酸化活性
DPPHラジカル捕捉活性:実験が、Yamaguchi,T.,et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.1998;62:1201-1204において既に記載される方法に従って行われる。簡潔に述べると、THF中のキサントフィル誘導体のアリコート(10μMの最終濃度)を、エタノール/100mMのトリ-HCl緩衝液(pH7.5)(3:1、v/v)中のDPPH(1mMの最終濃度)に加える。混合物を、暗所で、室温で40分間静置させる。DPPHによる517nmにおける吸光度を、1ml/分の流量でメタノール/水(70:30、v/v)の移動相を用いるTSKゲル-オクチル-80Tsカラム(4.6×150mm、東ソー(Tosoh)、東京、日本)を用いて、HPLCによって測定する。キサントフィル誘導体なしで、同じ量のTHFをブランクとして加える。
【0244】
ミクロソーム脂質過酸化:新鮮なミクロソームを、Palozza,S.et al.Radic.Biol.Med.1992;13:127-136によって既に記載される方法によって調製する。簡潔に述べると、新鮮なミクロソームを、5%のEDTA及び5%のBHTを含有する5つの体積の氷冷リン酸緩衝液(pH7.4)による組織均質化によって、ウィスターラット(6週、180~200g)から得る。ミクロソーム小胞を、10分間にわたって19,000rpmで核分画の除去によって単離し、ミトコンドリア分画を、10分間にわたって28,000rpmで除去する。ミクロソーム分画を、60分間にわたって61,000rpmで沈降させ、0.15MのKClで1回洗浄し、30分間にわたって61,000rpmで再度収集する。膜を、0.1Mのトリス-HCl緩衝液(pH7.4)中で再度均質化し、-80℃で貯蔵する。ミクロソームタンパク質を、BCAアッセイキット(Pierce)によって決定する。THF中のキサントフィル誘導体(10nmol/mgのタンパク質の最終濃度)を、ミクロソームに加え、脂質過酸化反応を、50mMのAAPHの添加によって開始する。キサントフィル誘導体なしで、同じ量のTHFを、対照として加える。反応混合物を、37℃で、空気中で振とうする。脂質過酸化生成物を、532nmにおける測定によってマロンジアルデヒド(MDA)形成として決定する。
【0245】
ウサギ赤血球膜ゴースト系:ウサギ赤血球膜ゴーストを、Osawa,T.et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.1995;59:1609-1612の既に報告される方法に従って調製する。市販のウサギ血液(100ml)を、150mlの等張性緩衝液(10mMのリン酸緩衝液/152mMのNaCl)で希釈する。遠心分離(3500rpm、10分)の後、血液を、10mlの等張性緩衝液で3回洗浄し、10mMのリン酸緩衝液、pH7.4に溶解させる。赤血球膜ゴーストを、遠心分離(11,000rpm、40分)によってペレット化し、沈殿物を希釈して、懸濁液を得る。THF中のキサントフィル誘導体(10nmol/mgのタンパク質の最終濃度)を、赤血球膜ゴーストに加え、過酸化を、tert-ブチルヒドロペルオキシドによって誘導する。キサントフィル誘導体なしで、同じ量のTHFを、対照に加える。20分間にわたる37℃でのインキュベーションの後、1mlの2.0MのTCA/1.7MのHCl及び2mlの0.67%のTBA溶液を加えて、反応を停止させる。TBA反応物質(TBARS)の量を、532nmで決定する。
【0246】
脂肪酸過酸化反応:適切な量のキサントフィル誘導体(10μM)を、1mMのDHA又はリノール酸メチル溶液に加える。過酸化を、AMVN(1mM)を加えることによって開始させる。THF中の反応溶液を、連続して振とうしながら、37℃で、暗所で、空気下でインキュベートする。規則的な間隔で、試料(50μL)のアリコートを吸引し、直ぐに-80℃で貯蔵する。脂質ヒドロペルオキシドレベルを、234nmで監視されるHPLCによって決定する。予備実験として、主要なDHA過酸化生成物画分を、234nmで監視されるHPLCによって単離し、脂質ヒドロペルオキシドアッセイキット(Cayman)を用いて各単離画分のヒドロペルオキシド活性を測定することによって同定する。
【0247】
DHAヒドロペルオキシド調製:DHAヒドロペルオキシド(DHA-OOH)を、大豆リポキシゲナーゼとDHAとの反応によって調製する。83.6mgのDHAの試料(純度70%、NOF Co.、日本)及び8mgのリポキシゲナーゼ(100mg、SigmaタイプI-B)を、220mLの200mMのホウ酸塩緩衝液(pH9.0)に加える。室温で、O2で満たした皿において撹拌することによって、反応を15分間行う。pH<4.0になるまでHClの添加によって反応を停止させ、形成された過酸化物を、等量のクロロホルム/メタノール(1:1)で2回抽出する。収集されたクロロホルム層を蒸発させる。得られた過酸化物を、信頼できる13-HPODEによって調製された標準曲線と比較して、脂質ヒドロペルオキシドキット(Cayman)によって定量する。
【0248】
リノール酸ヒドロペルオキシド調製。リノール酸メチルヒドロペルオキシド(MLOOH)を、大豆リポキシゲナーゼとリノール酸メチル(ML)との反応によって調製する。200mgのMLの試料及びデオキシコール酸ナトリウム(1.62g)を、240mLの200mMのホウ酸塩緩衝液(pH9.0)に溶解させる。リポキシゲナーゼ(100mg、SigmaタイプI-B)を、溶液に加え、室温で3時間インキュベートする。形成された過酸化物を、等量のクロロホルム/メタノール(1:1)で2回抽出する。収集されたクロロホルム層を蒸発させる。得られた過酸化物を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって精製し、n-ヘキサン/エーテル(6:4)で展開する。過酸化物を、CHCl3で抽出し、次に、溶媒を蒸発させる。MLOOHの量を、リノール酸ヒドロペルオキシドの値を用いて、モル係数、ε(234nm)=25000M-1 cm-1から計算する。
【0249】
酸化的ストレス及びROS生成に対するキサントフィル誘導体の効果
SH-SY5Y細胞内で生成されるROSの細胞培養及び蛍光アッセイ:SH-SY5Y細胞、ヒトドーパミン作動性神経芽細胞腫細胞株を、37℃でCO2培養器中に5%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養する。SH-SY5Y細胞中のROSの生成を、Ouyang及びShen(Neurochem.2006;97:234-244)によって記載されるように、特定の期間内に蓄積された酸化カルボキシ-H2DCFDAとして測定する。簡潔に述べると、細胞(それらが約80%のコンフルエンスに達したとき)を、6ウェルプレートに播種し、無血清DMEMで2回洗浄し、その後、100nMのキサントフィル誘導体の存在下で、血清を含まないDMEM中で4時間インキュベートする。血清を含まないDMEMで洗浄した後、細胞に、30分間にわたってカルボキシ-H2DCFDAを負荷した後、45分間にわたって50μMの6-OHDAに曝露する。その後、6-OHDAで処理し、細胞を、PBS(+)及びPBS(-)でそれぞれ1回洗浄し、次に、バイアル中に収集する。上清中のジクロロフルオレセイン(DCF)の蛍光を、EPICS Eliteフローサイトメーター(Beckman Coulter,Inc.,USA)によって測定する。データを、ボンフェローニ/ダン多重比較手順を用いて分析する。
【0250】
細胞酸化的ストレスの測定は、HaCaT細胞である:HaCaT細胞を、ウェル当たり2×104個の細胞の密度で及び各ウェル中に100μLの培地を含む96ウェルプレート(光学的底部を備えたNunc(商標)ブラック、Thermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,Mass.)に播種し、処置の前に一晩増殖させる。キサントフィル誘導体及び他の試験化合物のストック溶液を調製し、96ウェル貯蔵プレートにおけるDMEM培地中で最終的な処置濃度の2倍に希釈する。HaCaT細胞を、試験化合物の100μLの希釈された溶液(2倍)を、100μlの培地を予め含有する各ウェルに加えることによって、トリプリケートで処置する。細胞を、3時間にわたって試験化合物の存在下でインキュベートする。3時間のインキュベーションの最後に、細胞を、Ca++及びMg++(Life Technologies)を含む200μLのDPBSで1回洗浄し、次に、100μLのDMEM培地を供給し、各ウェルは、250μMでH2O2(ROS(活性酸素種)誘導剤として、Sigma)を含有する。30分間のインキュベーションの後、細胞を、Ca++及びMg++を含む200μLのDPBSで1回洗浄し、CellROXディープレッド試薬(2.5mMのストック溶液、Life Technologies)を、5μMの最終濃度になるまで培地に加える。37℃、5%のCO2で1時間のインキュベーションの後、細胞を、DPBSで3回洗浄し、蛍光シグナルを、Biotek Synergy H4マイクロプレートリーダー(BioTek,Winooski,Vt.)においてEx.640nm及びEm.665nmで読み取る。非処置の細胞を対照とする(1に対して正規化された)。全ての処置された試料を、非処置の対照に対して正規化する。0.005%におけるヒドロキシチロソール、及び他の酸化防止剤を陽性対照とする。
【0251】
虚血・再かん流傷害
虚血・再かん流傷害のインビボマウスモデルは、心筋に対する虚血・再かん流の長期の影響に関連するデータを提供し、本発明のミトコンドリア標的化プロドラッグの保護効果を実証する。このようなモデルの使用は、当該技術分野において周知であり(例えば、Shishido,et al.Circulation 2003;108:2905-2910を参照)、45分間にわたって冠動脈左前下行枝(LAD)を閉塞し、その後、24時間の再かん流によって、虚血・再かん流を実施する。測定されるエンドポイントは、心臓組織からのミトコンドリアの単離、及びミトコンドリア機能パラメータの測定に加えて、梗塞面積を含む。ミトコンドリア標的化キサントフィル誘導体を、0.2mg/kgの初期用量(これは、確立されたマウス毒物学モデル(例えば、Diehl,et al.J.Appl.Toxicol.2001;21:15-23を参照)に基づいて14μMの血漿濃度に相当する)で、LAD閉塞プロトコルの1時間前のボーラス静脈内(IV)注射によって投与する。
【0252】
結晶化及び多形
本発明の化合物は、1種類以上の結晶形態又は非結晶形態を有し得る。異なる結晶形態を生成するための方法として、それらは、医薬の有効成分中の結晶多形を得るための方法によって生成され得る。結晶形態を生成するための方法の例は、本発明の化合物を溶媒に溶解させ、貧溶媒を加えることによって化合物を沈殿させるための方法;溶媒を蒸留して取り除くことによって化合物を沈殿させるための方法;温度を低下させることによって化合物を沈殿させるための方法などを含み、これらの方法が組み合わされてもよい。本発明の化合物の結晶は、所望の種晶を加えることによって、選択的に及び容易に沈殿され得る。非結晶形態は、医薬の有効成分中の非結晶形態を得るための方法によって生成され得る。非結晶形態を生成するための方法の例は、上述される結晶形態を生成するまでの時点で沈殿速度を促進するための方法、溶解するまでの時点でポリマーなどの結晶化阻害剤を加えるための方法、融点降下剤を加え、それによって物理的状態を制御することによって、2軸押出機を用いて溶融させるための方法を含む。
【0253】
塩及び共結晶形成
本発明の化合物の塩及び共結晶としては、限定はされないが、遊離塩基を、リンゴ酸、塩酸、硫酸、フマル酸、リン酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸、ベンゼンスルホン酸などを含むがこれらに限定されない有機又は無機酸などの適切な酸で処理することによって調製される薬学的に許容される塩が挙げられる。例えば、塩又は共結晶を形成するための方法は、両方の反応剤(例えば、キサントフィル誘導体遊離塩基及びそれぞれの酸)が十分に可溶性である溶媒系中で行われ得る。一方法において、結晶化又は沈殿を達成するために、得られる塩及び共結晶がわずかしか溶けない又は全く溶けない溶媒又は溶媒混合物が使用される。或いは、所望の塩及び共結晶が非常に溶けやすい溶媒が使用され得、次に、貧溶媒(又は得られる塩が難溶性である溶媒)が、溶液に加えられる。塩形成又は結晶化の他の変形は、塩及び共結晶溶液を濃縮すること(例えば、必要に応じて減圧下で、加熱することによって、又は例えば、室温で、溶媒をゆっくりと蒸発させることによって)、又は種晶の添加により播種すること、又は水和物形成に必要な水分活性を設定することを含む。
【0254】
本明細書に引用される刊行物、PCT及び特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が、参照により援用されることが個別に及び具体的に示され、全体が本明細書に記載されているのと同じ程度に、参照により本明細書に援用される。
【国際調査報告】