(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】耐熱衝撃性能を有する保温フェルト及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C03C 25/10 20180101AFI20240117BHJP
C03C 25/007 20180101ALI20240117BHJP
C03C 25/64 20060101ALI20240117BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20240117BHJP
B32B 17/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
C03C25/10
C03C25/007
C03C25/64
B32B9/00 A
B32B17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513261
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 CN2022070741
(87)【国際公開番号】W WO2023115656
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111579939.4
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522072138
【氏名又は名称】上海国玻新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI GUOBO NEW ENERGY TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.5, Lane 689, Zhangjing Road, Songjiang District, Shanghai 201601, China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】梁振華
(72)【発明者】
【氏名】孫永春
(72)【発明者】
【氏名】盧巍
(72)【発明者】
【氏名】郭聖
(72)【発明者】
【氏名】陸旗▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】厳驚涛
(72)【発明者】
【氏名】徐霊爽
【テーマコード(参考)】
4F100
4G060
【Fターム(参考)】
4F100AA04A
4F100AA04C
4F100AA19A
4F100AA19C
4F100AA20A
4F100AA20B
4F100AA20C
4F100AA25A
4F100AA25C
4F100AG00B
4F100AK18A
4F100AK18C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
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4F100CA23B
4F100CC00A
4F100CC00C
4F100DE01B
4F100DG11B
4F100EH46A
4F100EH46C
4F100EJ08A
4F100EJ08C
4F100EJ67A
4F100EJ67C
4F100EJ86A
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4F100JJ03A
4F100JJ03C
4F100JJ10
4F100JK10
4F100JK10A
4F100JK10C
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4G060BC03
4G060BD22
4G060CA12
4G060CA16
4G060CA21
4G060CA27
4G060CA30
4G060CB33
(57)【要約】
本願は、耐熱衝撃性能を有する保温フェルト及びその製造方法に関する。前記保温フェルトは、層状構造であり、充填材付きのガラス繊維層と耐熱衝撃性コーティング層とからなり、前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に塗布され、前記充填材は、中空ガラスビーズ又はエアロゲルSiO2であり、前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布した後、乾燥・硬化して得られるものであり、前記耐熱衝撃コーティング材の原料組成及び含有量は、重量パーセントで、10~50%のSiO2、5~60%のZnO、5~40%のAl2O3、5~15%のポリテトラフルオロエチレン、5~35%のシランカップリング剤、15~50%のリン酸塩である。本願で製造された保温フェルト、即ちガラス繊維層は、充填材の充填、耐熱衝撃性コーティング層の塗布を経た後、より優れた耐熱衝撃性能を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状構造であり、充填材付きのガラス繊維層と耐熱衝撃性コーティング層とからなり、前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に塗布され、
前記充填材は、中空ガラスビーズ又はエアロゲルSiO
2であり、
前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布した後、乾燥・硬化して得られるものであり、
前記耐熱衝撃コーティング材の原料組成及び含有量は、重量パーセントで、10~50%のSiO
2、5~60%のZnO、5~40%のAl
2O
3、5~15%のポリテトラフルオロエチレン、5~35%のシランカップリング剤、15~50%のリン酸塩である、
ことを特徴とする耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項2】
前記塗布厚さは0.02~1.5mmであり、前記乾燥・硬化は、温度を250~500℃に制御して1~5h硬化するのを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項3】
前記耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩は、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、正リン酸塩、メタリン酸塩のうちの1種または2種以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項4】
前記ガラス繊維層は、ガラス繊維から製造されるガラス繊維布又はガラス繊維フェルトであり、
前記ガラス繊維層の厚さは1.0~3.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が15~30本/cmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項5】
前記ガラス繊維は、直径が6~24μmの連続ガラス繊維であり、前記ガラス繊維は、Z-Tex Series:Z-Tex
TM、Z-Tex plus
TM、Z-Tex super
TM、Z-Tex ultra
TMから選択される1種または2種以上である、
ことを特徴とする請求項4に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項6】
前記中空ガラスビーズの原料組成及び含有量は、重量パーセントで、50~80%のSiO
2、10~70%のAl
2O
3、10~30%のZrO
2である、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項7】
前記中空ガラスビーズの粒径は≦100μmであり、前記中空ガラスビーズの使用量は、重量比で、中空ガラスビーズ:ガラス繊維布又はガラス繊維フェルトが1:(3~7)である、
ことを特徴とする請求項6に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項8】
前記シランカップリング剤は、KH-550、KH-570、KH602、KH792、Sj-42のうちの1種または2種以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルト。
【請求項9】
S1、ガラス繊維層の製造ステップと、
S2、充填材をガラス繊維層に注入して、充填材付きのガラス繊維層を得る充填材付きのガラス繊維層の製造ステップと、
S3、まずローラー塗り、圧延、ブレード塗りのうちのいずれか1つの方法を使用して、充填材付きのガラス繊維層の両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布し、塗布厚さを0.02~1.0mmに制御し、続いて温度を250~500℃に制御して1~5h硬化して、耐熱衝撃性能を有する保温フェルトを得る耐熱衝撃性コーティング層の製造ステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルトの製造方法。
【請求項10】
前記ガラス繊維層は、紡織方法で製造されるガラス繊維布であるか、又は、ニードリング、湿式法、乾式法のうちのいずれか1つの方法を使用して製造されるガラス繊維フェルトである、
ことを特徴とする請求項9に記載の耐熱衝撃性能を有する保温フェルトの製造方法。
【請求項11】
原料組成及び含有量が、重量パーセントで、10~50%のSiO
2、5~60%のZnO、5~40%のAl
2O
3、5~15%のPTFE、5~35%のシランカップリング剤、15~50%のリン酸塩である、
ことを特徴とする耐熱衝撃コーティング材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、保温材料技術の分野に関し、より具体的には、耐熱衝撃性能を有する保温フェルト及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(BEV)とは、車載電源を動力とし、モータで車輪を駆動して走行し、車両の動力制御及び駆動に関する先端技術が統合されて形成された、技術原理が先端なもので、新技術、新構造を有する自動車を言い、その環境に優しい特徴により、将来の自動車産業の発展トレンドであるとも見なされ、この種類の自動車の最も重要な部品は蓄電池であり、そのため、保温フェルトなどの材料で電池の外側を覆って、電池に対する保温防護又はリチウム電池セル間の断熱を行う。
【0003】
関連技術には、ガラス繊維フェルト複合材料である保温フェルトが開示され、当該ガラス繊維フェルト複合材料は、エアロゲルフェルト及びポリエチレン層を含み、ポリエチレン層は、2層のエアロゲルフェルトの間に設けられ、上記複合構造の保温フェルトは、優れた断熱性能を有し、電池を保温防護する目的を達成できる。しかし、上記複合構造の保温フェルトの耐熱衝撃性能が弱く、保温フェルトは、激しい温度変化を経験したか又は一定の初期温度範囲内で低温と高温とを交替に経験した後、そのエアロゲルフェルト及びポリエチレン層の構造が両方とも破壊されやすく、ひいては保温防護効果が大幅に低下するため、保温フェルトを定期的に検査するか、又は交換する必要があり、使用者に大きな不便をもたらした。
【0004】
まとめると、既存の保温フェルトは、非常によい保温防護機能を有するが、耐熱衝撃性能が劣れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本願は、耐熱衝撃性能を有する保温フェルト及びその製造方法を提供し、保温フェルトが保温防護性能を有するとともに、非常によい耐熱衝撃性能を有することを保障する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願は、耐熱衝撃性能を有する保温フェルトを提供し、次のような技術案を採用する。
【0007】
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、前記耐熱衝撃性能を有する保温フェルトは、層状構造であり、充填材付きのガラス繊維層と耐熱衝撃性コーティング層とからなり、前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に塗布され、
前記充填材は、中空ガラスビーズ又はエアロゲルSiO2であり、
前記耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の片側又は両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布した後、乾燥・硬化して得られるものであり、
前記耐熱衝撃コーティング材の原料組成及び含有量は、重量パーセントで、10~50%のSiO2、5~60%のZnO、5~40%のAl2O3、5~15%のポリテトラフルオロエチレン(以下ではPTFEと略称)、5~35%のシランカップリング剤、15~50%のリン酸塩である。
【0008】
上記技術案を採用することにより、ガラス繊維層をベース層とする保温フェルトは、ガラス繊維層の内部に充填された充填材及びガラス繊維の両側に塗着される耐熱衝撃性コーティング層により、保温防護ができる上に、保温フェルトに優れた耐熱衝撃性能が付与される。
【0009】
充填材の使用は、充填によってガラス繊維層の力学的性能を強化した以外に、材料自体の耐高温性によってガラス繊維層全体の耐高温性能を強化し、ひいては保温フェルトが激しい温度変化を経験する場合でも、変形が起こり難く、構造の安定性が高く、保温フェルトの耐高温性能及び断熱性能を保障した。
【0010】
耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層の外側からガラス繊維層を保護補強することにより、ガラス繊維層に対する温度の影響を低減するとともに、ガラス繊維層の内部構造が激しい温度変化によって破壊され難くなり、耐熱衝撃性コーティング層が塗設されていない保温フェルトに比べ、25℃のとき、熱伝導率が35~85%低下し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が77~210%延長し、これから、耐熱衝撃性コーティング層の塗設により、保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能が著しく向上することが分かる。
【0011】
好ましくは、前記塗布は、塗布厚さを0.02~1.5mmに制御し、前記乾燥・硬化は、温度を250~500℃に制御して1~5h硬化する。
【0012】
上記技術案を採用することにより、上記温度及び加熱時間で硬化した耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層との複合効果がよく、その理由は、耐熱衝撃性コーティング層が上記プロセス条件下でガラス繊維層に浸透することができ、ひいては硬化が完了した後、ガラス繊維層に対する温度の影響を効果的に低減できることであるかもしれないと推測され、
温度及び加熱時間が上記プロセス条件を超える場合、断熱効果が失われてしまい、その理由は、耐熱衝撃性コーティング層の大部分がガラス繊維層内に浸透することにより、ガラス繊維層の表面の耐熱衝撃性コーティング層がガラス繊維層に対する温度の影響を効果的に遮断できず、上記の温度条件で、ガラス繊維が僅かに軟化して、内部構造が変化することであるかもしれないと推測される。
【0013】
また、一般的に言えば、コーティング層の厚さが高いほど、その性能がよくなることに注意する必要があるが、実際の使用要件及び生産コストに基づくと、好ましい塗布厚さは0.02~1.5mmであり、適用において、より高い厚さを選択することもでき、本願を限定するものと見なされるべきではない。
【0014】
好ましくは、前記耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩は、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、正リン酸塩、メタリン酸塩のうちの1種または2種以上である。
【0015】
上記技術案を採用することにより、上記成分のリン酸塩は、酸性正リン酸塩又は縮合リン酸塩を主な化合物とし、かつゲル化性能を有する耐火材料であり、加熱後、リン酸成分が、アルカリ金属又は両性酸化物及びそれらの水酸化物と反応して結合することができ、凝結硬化役割を果たし、それにより、耐熱衝撃性コーティング層に優れた耐熱衝撃性能が付与され、
複数のリン酸塩を配合して使用する際に、それらで形成された三次元架橋構造は互いに交差して接続され、その接着力が著しく向上するとともに、効果的に凝結硬化役割を果たすことができるので、耐熱衝撃性コーティング層の耐熱衝撃性能を保障した。
【0016】
好ましくは、前記ガラス繊維層は、ガラス繊維から製造されるガラス繊維布又はガラス繊維フェルトであり、前記ガラス繊維層の厚さは1.0~3.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度は15~30本/cmである。
【0017】
上記技術案を採用することにより、上記ガラス繊維布及びガラス繊維フェルトは、ガラス繊維層とされる場合、いずれも優れた使用効果を有し、厚さが厚いほど、その保温性能がよりよくなり、織密度が疎すぎると、ガラスビーズの結合部位が少なく、織密度が密すぎると、ガラスビーズの注入に影響を与え、ひいては保温フェルトの保温及び耐熱性能が低下してしまい、ここで、ガラス繊維フェルトは、ガラス繊維布に比べ、繊維間の隙間の分布がより無秩序化しているため、保温性能に有利で、より軽いが、引張強度が低下する。
【0018】
好ましくは、前記ガラス繊維は、直径が6~24μmの連続ガラス繊維であり、前記ガラス繊維は、Z-Tex Series:Z-TexTM、Z-Tex plusTM、Z-Tex superTM、Z-Tex ultraTMから選択される1種または2種以上である。
【0019】
上記技術案を採用することにより、上記モデルのガラス繊を紡織して形成されたガラス繊維層は、ガラスビーズが充填された後、その構造が緻密で強固になるとともに、熱などによる変形が起こりにくく、かつ、より多くの結合部位を耐熱衝撃性コーティング層に提供することができ、耐熱衝撃性コーティング層の結合がより強固で緻密になり、そのうち、Z-Tex ultraを使用する際に性能が最も優れ、当該ガラス繊維は、引張強度が高く、耐える温度が高く、熱衝撃に対してより耐性がある。
【0020】
好ましくは、前記中空ガラスビーズの原料組成及び含有量は、重量パーセントで、50~80%のSiO2、10~70%のAl2O3、10~30%のZrO2である。
【0021】
上記技術案を採用することにより、上記充填材は、いずれもガラス繊維層との優れた充填結合に加え、それ自体の耐高温性能により、ガラス繊維層に優れた耐高温性能及び断熱性能が付与されることもできる。
【0022】
好ましくは、前記中空ガラスビーズの粒径は≦100μmであり、前記中空ガラスビーズの使用量は、重量比で、中空ガラスビーズ:ガラス繊維布又はガラス繊維フェルトが1:(3~7)である。
【0023】
上記技術案を採用することにより、上記比重の中空ガラスビーズにより、中空ガラスビーズでガラス繊維層を充填した緻密度及び強度をさらに保障できる以外に、コーティング層の均一性及び結合強度に影響を与えにくく、それにより、ガラス繊維層の耐高温性能及び断熱性能を保障する。
【0024】
好ましくは、前記シランカップリング剤はKH-550、KH-570、KH602、KH792、Sj-42のうちの1種または2種以上である。
【0025】
上記技術案を採用することにより、上記成分のシランカップリング剤により、耐熱衝撃性コーティング層とガラス繊維層との接続強度を効果的に向上させることができ、ひいては耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層の両側に強固に結合されて、ガラス繊維層に対する保護・断熱役割を果たすことができ、そして、複数組を配合する場合、三次元空間構造の交差接続が形成でき、構造がより強く、接着性がよりよい。
【0026】
第2態様では、本願は、耐熱衝撃性能を有する保温フェルトの製造方法を提供し、次のような技術案を採用する。
【0027】
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトの製造方法であって、
S1、ガラス繊維層の調整ステップと、
1)ガラス繊維層がガラス繊維布である場合、紡織方法でガラス繊維布を製造し、
2)ガラス繊維層がガラス繊維フェルトである場合、ニードリング、湿式法、乾式法のうちのいずれか1つの方法を使用してガラス繊維フェルトを製造し、
S2、充填材をガラス繊維層に注入して、充填材付きのガラス繊維層を得る充填材付きのガラス繊維層の製造ステップと、
S3、まずローラー塗り、圧延、ブレード塗りのうちのいずれか1つの方法を使用して、充填材付きのガラス繊維層の両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布し、塗布厚さを0.02~1.0mmに制御し、続いて温度を250~500℃に制御して1~5h硬化して、耐熱衝撃性能を有する保温フェルトを得る耐熱衝撃性コーティング層の製造ステップと、を含む。
【0028】
上記技術案を採用することにより、上記プロセスで製造された保温フェルトは、性能が安定して均一であり、いずれも優れた保温断熱性能を有し、下流の適用要件を満たすとともに、プロセス全体で製造しやすく、大規模工業生産に適する。
【0029】
第3態様では、本願は、耐熱衝撃コーティング材を提供し、次のような技術案を採用する。
【0030】
耐熱衝撃コーティング材であって、原料組成及び含有量は、重量パーセントで、10~50%のSiO2、5~60%のZnO、5~40%のAl2O3、5~15%のPTFE、5~35%のシランカップリング剤、15~50%のリン酸塩である。
【0031】
上記技術案を採用することにより、上記成分の耐熱衝撃コーティング材は、ガラス繊維層の外側に乾燥・硬化されて、ガラス繊維層を保護する耐熱衝撃性コーティング層を形成することにより、保温フェルトに耐熱衝撃性能が付与されるとともに、ガラス繊維層に対する温度の影響を低減し、ひいては激しい温度変化によってガラス繊維層の内部構造が破壊されることが起こりにくくなる。
【発明の効果】
【0032】
まとめると、本願は、次のような有益な効果を有する。
【0033】
1.本願は、充填材の充填、耐熱衝撃性コーティング層に合わせる塗設により、保温フェルトに優れた力学的性能及び耐熱性能が付与され、保温フェルトは激しい温度変化又は高い温度を経験した後、内部構造の変形による破損が起こりにくい。
【0034】
2.本願の製造方法は簡易で、工業化大規模生産に適用できるとともに、製造された製品の保温性能及び力学的性能が両方とも優れ、下流適用の実際の要件を満たすことができる。
【0035】
3.本願の耐熱衝撃コーティング材は、耐熱衝撃性能が優れ、ガラス繊維層の表面に乾燥・硬化された後、保温性能及び耐熱衝撃性能を効果的に保障することができる。
【0036】
4.本願の最終的に得られる保温フェルトは、新エネルギー自動車の蓄電池の保温防護、国防航空材料の保温防護、医療衛生用品の保存及び建築保温材料などの保温材料の分野に適用でき、いずれでも優れた保温断熱性能を発揮できる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、実施例を参照しながら本願についてさらいに詳細に説明する。
【0038】
本願の各実施例に使用される原料は、以下で特別に説明しない限り、いずれも市販されているものであり、
SiO
2、ZnO及びAl
2O
3は、粒径が2~10μmで、いずれも国薬集団化学試剤有限公司(Sinopharm Chemical Reagent Co.)から購入され、
PTFEは、重合度が60~200*10
4で、国薬集団化学試剤有限公司(Sinopharm Chemical Reagent Co.)から購入され、
中空ガラスビーズは、粒径が≦100μmで、ミネソタ鉱業及び機械製造会社から購入され、
Z-Tex Series:Z-Tex
TM、Z-Tex plus
TM、Z-Tex super
TM、Z-Tex ultra
TMは、いずれも上海国玻自動車科技有限公司(Shanghai Guobo Automotive Science and Technology Co., Ltd.)から購入され、その性能は次のようである。
【0039】
性能検出試験
実施例及び比較例で製造された保温フェルトを選択して検出オブジェクトとし、各組の保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、検出ステップは以下のとおりである。
【0040】
1)保温性能テスト
検出対象組の保温フェルトを5枚の50mm*50mm*2.5mmのサンプルに加工し、熱伝導率計(モデルHot Disk TPS 2500S、スウェーデンHot Disk会社から購入)を使用してテストし、
検出ステップ:まず5枚のサンプルを取って、それらを重ね、サンプルホルダーに入れ、クランプし、続いて、機器の操作画面で「確認」及び「検出開示」をクリックすると、テストを開始でき、検出結果として平均値をとる。
【0041】
2)耐熱衝撃性能テスト
検出対象組の保温フェルトを5枚の50mm*50mm*2.5mmのサンプルに加工し、空気圧のある火炎スプレーガンを使用して耐熱衝撃性能のテストを行い、火炎の温度を1000℃に、空気圧を5Barに調整し、サンプルの耐熱衝撃性コーティング層が塗設されている側に対してテストを行い、サンプルが失効した時間、即ちサンプルに穴が開いた時間を記録し、平均値をとる。
【0042】
実施例
実施例1
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、充填材付きのガラス繊維層と、充填材付きのガラス繊維層の両側に塗布されている耐熱衝撃性コーティング層とからなり、
充填材は、粒径が50μmの中空ガラスビーズであり、重量パーセントで、原料組成及び含有量が80%のSiO2、10%のAl2O3、10%のZrO2であり、
耐熱衝撃性コーティング層は、充填材付きのガラス繊維層の両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布した後、乾燥・硬化して得られるものであり、
耐熱衝撃コーティング材の原料組成及び含有量は、重量パーセントで、25%のSiO2、30%のZnO、5%のAl2O3、5%のPTFE、15%のシランカップリング剤、20%のリン酸塩であり、
ここで、シランカップリング剤はKH-550で、リン酸塩はリン酸二水素塩である。
【0043】
上記耐熱衝撃性能を有する保温フェルトの製造方法は、具体的には、ステップS1~S3を含む。
【0044】
S1、ガラス繊維層の調整
ガラス繊維層は紡織方法で製造されたガラス繊維布であり、ガラス繊維布は、ガラス繊維が最初の撚り、バッチ整経、引き通し、織機での紡織を経て製造され得るものであり、
ここで使用されるガラス繊維はZ-TexTMであり、長さが25mmで、直径が10μmであり、得られたガラス繊維布の厚さは2.0mmで、経糸又は緯糸の織密度は15本/cmである。
【0045】
S2、充填材付きのガラス繊維層の製造
まずガラス繊維層をパイプ付きの密閉円形型内に置き、空気圧を10Barに制御し、均等に設置された8組のパイプを介して1:5の重量比で充填材をガラス繊維層の隙間に充填して、充填材付きのガラス繊維層、即ち充填材付きのガラス繊維層を得る。
【0046】
S3、耐熱衝撃性コーティング層の製造
ローラー塗り、圧延、ブレード塗りのうちのいずれか1つの方法で充填材付きのガラス繊維層の両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布し、本実施例では、ローラー塗りを例とし、具体的なステップは、次のとおりである。
耐熱衝撃コーティング材の各原料を均一に混合して、耐熱衝撃コーティング材を取得し、ローラー塗り機器のスラリーディスクに置き、次に機器を起動し、充填材付きのガラス繊維層の両側面に、0.3mmという同じ塗布厚さで塗布し、塗布が完了した後、温度を250℃に制御して1h硬化して、耐熱衝撃性能を有する保温フェルトを取得し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の実際の厚さは0.15mmである。
【0047】
実施例2~8
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、実施例1との異なる点は、耐熱衝撃コーティング材の各成分及び相応重量が異なることであり、100kg当たりの各成分及び相応重量は表1に示すとおりであり、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0048】
【0049】
比較例1
保温フェルトであって、充填材付きのガラス繊維層の両側に塗布されている耐熱衝撃性コーティング層を含まない以外に、他は実施例1と同じである。
【0050】
比較例2
保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のZnOの代わりに等量のB2O3を使用する以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0051】
比較例3
保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のAl2O3の代わりに等量のB2O3を使用する以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0052】
比較例4
保温フェルトであって、耐熱衝撃性コーティング層を製造する耐熱衝撃コーティング材が、5%のSiO2、10%のZnO、10%のAl2O3、20%のPTFE、45%のシランカップリング剤及び10%のリン酸塩からなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0053】
比較例5
保温フェルトであって、耐熱衝撃性コーティング層を製造する耐熱衝撃コーティング材が、5%のSiO2、20%のAl2O3、20%のPTFE、45%のシランカップリング剤及び10%のリン酸塩からなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0054】
上記実施例1~8、比較例1~5で得られた保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を検出し、測定結果を下表に示す。
【0055】
【0056】
表から、実施例1~8で得られた耐熱衝撃性能を有する保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.03~0.13W/(K・m)だけで、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は53~93minに達することが分かり、これは、本願の耐熱衝撃性能を有する保温フェルトは、内外両層の耐熱衝撃層が存在するため、保温フェルトの保温性能を保障するとともに、保温フェルトの耐熱衝撃性能を効果的に向上させることができることを示し、その理由を分析したところ、上記特定成分の充填材付きのガラス繊維層の両側に耐熱衝撃コーティング材を塗布して、構造が緻密で、強度が高い内外両層の耐熱衝撃層を形成し、ひいてはガラス繊維層を効果的に防護補強することができ、内部のガラス繊維層の構造が温度の影響を受けにくいということに起因する可能性がある。
【0057】
特に、実施例4で製造された耐熱衝撃性能を有する保温フェルトは、保温性能及び耐熱衝撃性能が優れ、25℃での熱伝導率は僅か0.03W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は、93minに達する。
【0058】
さらに、上記の表から、比較例1は実施例1と比べ、比較例1の保温フェルトに耐熱衝撃性コーティング層が含まれていないため、25℃での熱伝導率が0.20W/(K・m)に達して、実施例1に比べて566%増加し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は僅か30minだけで、実施例1に比べて68%短縮したことが分かる。
【0059】
これから、内外両層の耐熱衝撃層が欠けっている状況で密閉と強度サポートを提供すると、保温フェルトは依然として一定の保温性能及び耐熱衝撃性能を有するが、保温及び耐熱衝撃の効果は、両方とも本願の耐熱衝撃性能を有する保温フェルトより劣ることが分かる。
【0060】
さらに、上記の表から、比較例2~3は実施例1に比べ、得られた保温フェルトは、25℃での熱伝導率が0.16~0.21W/(K・m)に達し、実施例1に比べて357~500%増加し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は僅か32~35minだけで、実施例1に比べて62~66%短縮したことが分かる。さらに、上記の表から、比較例4~5は実施例1に比べ、25℃での熱伝導率が0.18~0.25W/(K・m)に達し、実施例1に比べて414~614%増加し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は僅か30~33minだけで、実施例1に比べて65~68%短縮した。
【0061】
これは、特定の成分及び含有量の耐熱衝撃コーティング材が充填材付きのガラス繊維層の両側に塗布されている場合のみ、構造が緻密で、強度の高い内外両層の耐熱衝撃層を形成でき、成分の違い又は含有量の違いは、いずれも耐熱衝撃層の緻密構造及び衝撃強度に影響を与え、ひいては保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能が著しく低下することになることを示す。
【0062】
まとめると、充填材付きのガラス繊維層を充填材付きのガラス繊維層の保温フェルトとし、ガラス繊維層の内部に充填された充填材のガラスビーズ及び内外両側に塗布された耐熱衝撃性コーティング層により、保温防護に加え、優れた耐熱衝撃性能を保温フェルトに付与し、ここで、充填材のガラスビーズは、自分の耐高温性能及び強度によってガラス繊維層自体の性能を改善することができ、内外両側の耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層を保護補強して、激しい温度変化によるガラス繊維層の内部構造の破損を低減する。
【0063】
実施例9
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、耐熱衝撃性コーティング層が充填材付きのガラス繊維層の片側のみに塗布されること以外、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0064】
上記実施例9で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0065】
【0066】
上記の表から、実施例9で得られた保温フェルトは、依然として優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.038W/(K・m)だけで、実施例1に比べて0.003W/(K・m)しか低下せず、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は75minに達し、実施例1の時間に比べて10minしか短縮していないことが分かり、これは、片側の耐熱衝撃性コーティング層でも保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を効果的に向上させることができ、その塗布状況は、主に、実際の適用環境、即ち保護対象の電池の位置によって決定され、実際の使用要件及び生産コストに基づいて調整することができ、本願を限定するものと見なされるべきではない。
【0067】
実施例10
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なる以外に、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは0.1mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、250℃で1h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは0.05mmである。
【0068】
実施例11
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なる以外に、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは1.0mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、250℃で1h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは0.5mmである。
【0069】
実施例12
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なる以外に、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは2.0mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、250℃で1h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは1.0mmである。
【0070】
実施例13
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、実施例1との異なる点は、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なることであり、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは0.3mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、250℃で5h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは0.15mmである。
【0071】
実施例14
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なる以外に、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは0.3mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、500℃で5h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは0.15mmである。
【0072】
実施例15
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、S3の耐熱衝撃性コーティング層の塗布プロセスが異なる以外に、その他はいずれも実施例1と同じであり、具体的には、
耐熱衝撃性コーティング層の塗布厚さは0.3mmであり、耐熱衝撃コーティング材をガラス繊維層の両側に塗布した後、600℃で6h硬化し、測定により、耐熱衝撃性コーティング層の乾燥・硬化後の最後の実際の厚さは0.15mmである。
【0073】
上記実施例10~15で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0074】
【0075】
上記の表から、実施例10~14で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.028~0.060W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は50~95minに達することが分かり、これは、上記塗布厚さ、温度及び加熱時間で硬化した耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層との複合効果がよいことを示し、その理由を分析したところ、耐熱衝撃コーティング材は、上記プロセス条件で、一部がガラス繊維層に浸透することができ、ひいては硬化が完了した後、ガラス繊維層に対する温度の影響を効果的に低減することができる。
【0076】
特に、温度が500℃を超え、加熱時間が5hを超えると、断熱効果が著しく低下し、実施例15を参照すると、25℃での熱伝導率は0.11W/(K・m)に達し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が僅か38minだけであり、その理由は、耐熱衝撃性コーティング層の大部分がガラス繊維層内に浸透してしまうことにより、ガラス繊維層の表面の耐熱衝撃性コーティング層がガラス繊維層に対する温度の影響を効果的に遮断できず、かつ、上記の温度条件で、ガラス繊維が僅かに軟化して、内部構造が変化することであるかもしれないと推測される。
【0077】
さらに、上記の表から、実施例12で製造された保温フェルトは、保温性能及び耐熱衝撃性能が優れ、25℃での熱伝導率は僅か0.028W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は95minに達し、実施例12が最適実施例であることが分かり、当該プロセス条件で塗布した耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層への外部温度の影響を効果的に低下させることができ、それにより、保温フェルト性能の著しい向上を実現した。
【0078】
まとめると、上記温度及び加熱時間で硬化した耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層との複合効果がよく、かつ、ガラス繊維層の外側からガラス繊維層を保護補強することにより、ガラス繊維層に対する温度の影響を低減するとともに、ガラス繊維層の内部構造が激しい温度変化によって破壊され難くなり、ひいては保温フェルトに優れた保温性能及び耐熱衝撃性能が付与された。
【0079】
実施例16
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩が、重量比1:1のリン酸二水素塩とリン酸水素塩組とからなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0080】
実施例17
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩が重量比1:1のリン酸二水素塩と正リン酸塩とからなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0081】
実施例18
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩が重量比1:1:1のリン酸二水素塩と、リン酸水素塩と、正リン酸塩とからなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0082】
実施例19
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、耐熱衝撃コーティング材中のリン酸塩が重量比1:1:1:1のリン酸二水素塩と、リン酸水素塩と、正リン酸塩と、メタリン酸塩とからなる以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0083】
上記実施例16~19で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0084】
【0085】
上記の表から、実施例16~19で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.031-0.035W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間85~91minに達することが分かり、これは、上記成分のリン酸塩は、いずれもコーティング層の強度及び緻密度を保障でき、それにより耐熱衝撃性コーティング層に優れた耐熱衝撃性能が付与されることを示す。
【0086】
さらに、上記の表から、実施例19で製造された保温フェルトは、保温性能及び耐熱衝撃性能が優れ、25℃での熱伝導率は僅か0.031W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が91minに達し、実施例19は最適実施例であることが分かり、これから、耐熱衝撃性コーティング層のリン酸塩が重量比1:1:1:1のリン酸二水素塩と、リン酸水素塩と、正リン酸塩と、メタリン酸塩とからなる場合、耐熱衝撃性コーティング層の性能が最も優れていることが分かる。
【0087】
まとめると、異なる種類のリン酸塩を配合した後、異なるリン酸塩分子間の配合協働にある程度有利であり、配合で形成された三次元架橋構造により、その接着力が著しく向上できる以外に、その凝結硬化役割を促進することもでき、それにより、コーティング層の強度及び緻密度を保障し、耐熱衝撃性コーティング層に優れた耐熱衝撃性能が付与された。
【0088】
実施例20
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、得られたガラス繊維布の厚さが1.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が15本/cmである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0089】
実施例21
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、得られたガラス繊維布の厚さが3.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が15本/cmである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0090】
実施例22
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、得られたガラス繊維布の厚さが2.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が25本/cmである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0091】
実施例23
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、得られたガラス繊維布の厚さが2.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が30本/cmである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0092】
実施例24
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維層がニードリング方法、即ち、ガラス繊維を単本の繊維フィラメントに切断し、繊維フィラメントを凝集して、ガラス繊維網を得た後、ニードリング機を使用して、ガラス繊維網を上下に穿刺して、繊維を互いに絡み合わせて補強すると、ガラス繊維フェルトが得られる方法で製造されたガラス繊維フェルトであり、得られたガラス繊維布の厚さが2.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が15本/cmである以外に、その他はいずれも実施例1と同じである。
【0093】
上記実施例20~24で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0094】
【0095】
上記の表から、実施例20~24で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.027-0.043W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が73~92minに達することが分かり、これは、上記厚さ及び織密度のガラス繊維層は、いずれも優れた使用効果を有し、かつ、織密度が一定である場合、厚さが高いほど、その保温性能が良くなることを示す。
【0096】
上記の表から、さらに、実施例21で製造された保温フェルトは、保温性能及び耐熱衝撃性能が優れ、25℃での熱伝導率は僅か0.029W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が92minに達することが分かり、これから、実施例21は最適実施例であり、ガラス繊維布の厚さが3.0mmであり、経糸又は緯糸の織密度が15本/cmである場合、保温フェルトの保温断熱性能が最も優れていることが分かる。
【0097】
上記の表から、ガラス繊維層がガラス繊維フェルトである場合、その保温性能がある程度向上し、耐熱衝撃性能が小幅に低下することが分かり、実施例24を参照すると、25℃での熱伝導率は僅か0.027W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が83minに達し、これから、実施例24は最適実施例であり、ガラス繊維層がガラス繊維フェルトである場合、保温フェルトの保温性能が優れることが分かり、その理由を分析したところ、ガラス繊維フェルトは、ガラス繊維布に比べ、繊維間の隙間の分布がより無秩序化しているため、保温性能のさらなる向上に有利であるが、構造がより軽量で疎し、その引張強度及び耐熱衝撃性能が小幅に低下するということに起因する可能性がある。
【0098】
まとめると、上記ガラス繊維布及びガラス繊維フェルトは、ガラス繊維層とされる場合、いずれも優れた使用効果を有し、厚さが厚いほど、その保温性能がよくなり、織密度が疎すぎると、ガラスビーズの結合部位が少なく、織密度が密実すぎると、ガラスビーズの注入に影響を与え、ひいては保温フェルトの保温及び耐熱性能が低下してしまう。
【0099】
実施例25
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維がZ-Tex plusTMである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0100】
実施例26
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維がZ-Tex superTMである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0101】
実施例27
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維がZ-Tex ultraTMである以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0102】
実施例28
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維として、Z-Tex plusTMとZ-Tex ultraTMとを重量比1:1で配合して使用する以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0103】
実施例29
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、ガラス繊維が市販のガラス繊維であり、長さが25mmで、直径が10μmであり、商標がCR21-2400であり、ブ湖白雲玻繊有限公司(Wuhu Baiyun Glass Fiber Co.、Ltd)から購入された以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0104】
上記実施例25~29で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0105】
【0106】
上記の表から、実施例25~28で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.029~0.035W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が85~93minに達することが分かり、これは、上記ガラス繊維はいずれも優れた適用効果を有し、それで製造されたガラス繊維層は、いずれも保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を効果的に保障できることを示し、
ここで、実施例25~28のガラス繊維の耐熱、保温性能が順番に増加し、これから、Z-Tex ultraTMが好ましいガラス繊維であることが分かり、複数組のガラス繊維を配合するとき、隙間の数と無秩序性を増加するのに有利であり、それにより、同じ織密度で、ガラスビーズの結合部位がより多くなり、ガラスビーズの充填に有利であるため、保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を保障した。
【0107】
上記の表から、実施例29は実施例1と比べ、25℃での熱伝導率が0.13W/(K・m)に達し、実施例1に比べて271%増加し、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は僅か67minだけで、実施例1に比べて21%短縮したことが分かり、これから、本願に使用されるガラス繊維は、いずれも最終製品の性能を効果的に保障できることが分かる。
【0108】
まとめると、ガラス繊維の選択は、製品の最終性能に密接に関係し、上記モデルのガラス繊を紡織して形成されたガラス繊維層は、ガラスビーズが充填された後、その構造が緻密で強固になるとともに、熱などによる変形が起こりにくく、かつ、より多くの結合部位を耐熱衝撃性コーティング層に提供することができ、それにより耐熱衝撃性コーティング層の結合がより強固で緻密になる。
【0109】
実施例30
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの原料組成及び含有量は、重量パーセントで、60%のSiO2、10%のAl2O3、30%のZrO2である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0110】
実施例31
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの原料組成及び含有量は、重量パーセントで、60%のSiO2、30%のAl2O3、10%のZrO2である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0111】
実施例32
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの原料組成及び含有量は、重量パーセントで、40%のSiO2、50%のAl2O3、10%のZrO2である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0112】
実施例33
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、充填材は、粒径が0.5mmのエアロゲルSiO2である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0113】
上記実施例30~33で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0114】
【0115】
上記の表から、実施例30~33で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.029~0.035W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は85~89minに達することが分かり、これは、上記組成の中空ガラスビーズは、ガラス繊維層への充填効果が優れているとともに、それ自体の耐高温性能により、ガラス繊維層に優れた耐高温性能及び断熱性能が付与されることを示す。
【0116】
上記の表から、充填材がエアロゲルSiO2である場合、依然として優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有するが、中空ガラスビーズを使用する場合と比べ、両方とも異なる程度で低下し、実施例32を参照すると、25℃での熱伝導率は僅か0.039W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が80minに達することが分かり、これから、中空ガラスビーズが優れた充填材であることが分かり、その原因を分析したところ、上記成分のガラスビーズは、構造がより緻密で、硬度がより高く、熱伝導率がより低く、ひいてはガラス繊維層体系と結合した後、その保温性能及び耐熱衝撃性能を効率よく発揮できるということに起因する可能性があり、エアロゲルSiO2を使用すると、優れた保温性能を得ることができるが、エアロゲル充填材自体の構造特性に制限され、保温フェルトの耐熱衝撃性能及び力学的性能に不利である。
【0117】
実施例34
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの粒径が50μmであり、1:3の重量比で注入される以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0118】
実施例35
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの粒径が50μmであり、1:7の重量比で注入される以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0119】
実施例36
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの粒径が10μmであり、1:5の重量比で注入される以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0120】
実施例37
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、中空ガラスビーズの粒径が100μmであり、1:5の重量比で注入される以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0121】
上記実施例34~37で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0122】
【0123】
上記の表から、実施例34~37で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.029-0.041W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が83~89minに達することが分かり、これは、上記充填比例及び粒径のガラスビーズは、いずれも、保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を効果的に向上させることができ、粒径が一定の場合、充填比例が多いほど、保温性能がよくなるが、実際の使用要件及び生産コストに基づいて、1:(3~7)が好ましいことを示し、他の実施例では、より高い比例を選択してもよく、本願を限定するものと見なされるべきではない。
【0124】
上記の表から、実施例1、実施例36~37を参照し、ガラスビーズの粒径が変化すると、その保温性能及び耐熱衝撃性能も対応して変化し、25℃での熱伝導率は僅か0.029~0.041W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間は83~89minに達することが分かり、これから、他の条件が同じである場合、中空ガラスビーズの粒径が小さいほど、その性能がよくなることが分かり、その理由を分析したところ、粒径が小さい場合、その充填緻密度及び強度が両方とも高いということに起因する可能性がある。
【0125】
まとめると、上記粒径及び比重の中空ガラスビーズは、中空ガラスビーズとガラス繊維層の充填緻密度及び強度をさらに保障できる以外に、コーティング層の均一性及び結合強度に影響を与えにくく、それにより、ガラス繊維層の耐高温性能及び断熱性能を保障する。
【0126】
実施例38
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤がKH-570である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0127】
実施例39
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤がKH-602である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0128】
実施例40
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤がKH-792である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0129】
実施例41
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤がSj-42である以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0130】
実施例42
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤が重量比1:1のKH-602とKH-792とからなる以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0131】
実施例43
耐熱衝撃性能を有する保温フェルトであって、カップリング剤が重量比1:1のKH-550とKH-570とからなる以外に、他の条件はいずれも実施例1と同じである。
【0132】
上記実施例38-43で得られた保温フェルトの性能を検出し、保温性能及び耐熱衝撃性能をそれぞれテストし、測定結果として平均値を取って記録し、下記の表のとおりである。
【0133】
【0134】
上記の表から、実施例38~43で得られた保温フェルトは、いずれも優れた保温性能及び耐熱衝撃性能を有し、25℃での熱伝導率は僅か0.032~0.036W/(K・m)であり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が84~87minに達することが分かり、これは、上記成分のカップリング剤は、いずれも保温フェルトの保温性能及び耐熱衝撃性能を効果的に向上させることができ、複数成分のカップリング剤を同時に配合して使用する場合、その性能の向上がより著しいことを示す。
【0135】
上記の表から、実施例43で製造される保温フェルトは、保温性能及び耐熱衝撃性能が両方とも優れ、25℃での熱伝導率は僅か0.032W/(K・m)だけであり、1000℃、5Bar空気圧での破損までの時間が87minに達することが分かり、これから、実施例43が好ましい実施例であることが分かり、カップリング剤が重量比1:1のKH-550とKH-570とからなる場合、保温フェルトの保温断熱性能が最も優れている。
【0136】
まとめると、上記成分のシランカップリング剤は、耐熱衝撃性コーティング層とガラス繊維層との接続強度を効果的に向上させることができ、ひいては耐熱衝撃性コーティング層は、ガラス繊維層の両側に強固に結合されて、ガラス繊維層に対する保護・断熱役割を果たすことができ、そして、複数組を配合する場合、三次元空間構造の交差接続を形成でき、構造がより強く、接着性がよりよい。
【0137】
本具体的な実施例は、本願に対する解釈にすぎず、本願を限定するものではなく、当業者は、本明細書を読んだ後、必要に応じて、本実施例に創造的な貢献のない変更を加えることができるが、本願の特許請求の範囲内にある限り、いずれも特許法に保護される。
【国際調査報告】