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特表2024-502945天然由来のポリマーを含み極性媒体を増粘させるための性質を有する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】天然由来のポリマーを含み極性媒体を増粘させるための性質を有する組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/04 20060101AFI20240117BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240117BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240117BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240117BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240117BHJP
   C08K 5/10 20060101ALI20240117BHJP
   C08G 69/48 20060101ALI20240117BHJP
   B01F 23/41 20220101ALI20240117BHJP
   B01F 23/43 20220101ALI20240117BHJP
   B01F 101/21 20220101ALN20240117BHJP
【FI】
C08L77/04
A61K8/88
A61K8/06
A61Q19/00
A61Q1/00
C08L91/00
C08K5/10
C08G69/48
B01F23/41
B01F23/43
B01F101:21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537461
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021087339
(87)【国際公開番号】W WO2022148659
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】2100108
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ボドック,ミルナ
(72)【発明者】
【氏名】モンテイェット,ステファン
【テーマコード(参考)】
4C083
4G035
4J001
4J002
【Fターム(参考)】
4C083AD071
4C083AD072
4C083DD27
4C083DD32
4C083DD41
4C083EE01
4C083FF01
4G035AB38
4G035AB40
4G035AE01
4J001DA01
4J001EA36
4J001EE38B
4J001GE11
4J001JA20
4J001JB02
4J001JC06
4J002AE05X
4J002CH013
4J002CL02W
4J002EA016
4J002EH047
4J002EH077
4J002EH157
4J002FD313
4J002FD317
4J002GB00
4J002HA07
(57)【要約】
【解決手段】 その質量の100%に関して、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位及び少なくとも2つのグリシジル官能基を有する少なくとも1種の架橋剤(XLA)から誘導された単位からなる20%以上の質量含量のポリマー(P)を含む、自己可逆的油中水型エマルションの形態の組成物(CA)。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己反転性油中水型エマルションの形態の組成物(CA)であって、その重量の100%あたり、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位及び少なくとも2つのグリシジル官能基を有する少なくとも1種の架橋剤(XLA)から誘導された単位からなる20重量%以上の含量のポリマー(P)を含む自己反転性油中水型エマルションの形態の組成物(CA)。
【請求項2】
前記ポリマー(P)の重量による含量が20%以上で60%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物(CA)。
【請求項3】
前記架橋剤(XLA)が、
-式(I)のエチレングリコールジグリシジルエーテル
【化1】
-式(II)の化合物
【化2】
(式中、Rは、水素原子又はグリシジルラジカル
【化3】
を表し、nは、1以上で10以下の整数を表す)
-式(III)のプロパン-1,3-ジオールジグリシジルエーテル
【化4】
-式(IV)のプロパン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル
【化5】
-式(V)のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル
【化6】
-式(VI)のブタン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル
【化7】
-式(VII)のブタン-1,3-ジオールジグリシジルエーテル
【化8】
-式(VIII)のヘキサン-1,6-ジオールジグリシジルエーテル
【化9】
-式(IX)の化合物
【化10】
(式中、R1は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化11】
を表す);
-式(X)の化合物
【化12】
(式中、R1は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化13】
を表す);
-式(XI)の化合物
【化14】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はグリシジルラジカル
【化15】
を表す)
-式(XII)の化合物
【化16】
(式中、mは、2以上の整数を表す)
-式(XIII)の化合物
【化17】
(式中、R3は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化18】
を表し、x、y、z、o、p、及びqは、それぞれ独立に、2以上で10以下の整数を表す)
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物(CA)。
【請求項4】
前記ポリマー(P)が、酸形態又は部分的若しくは全体的に塩化された形態のガンマ-ポリグルタミン酸(PGGA)であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物(CA)。
【請求項5】
前記ポリマー(P)において、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位の100mol%あたり、前記架橋剤(XLA)が0.5mol%~20mol%に相当することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物(CA)。
【請求項6】
100mPa.s~10000mPa.sの粘度を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物(CA)。
【請求項7】
式(X’):
【化19】
(式中、R4は、6~22個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、官能化又は非官能化炭化水素ラジカルを表す)の化合物から誘導されたモノマー単位も含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物(CA)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載された組成物(CA)を調製するプロセスであって、
a)部分的又は全体的に塩化されたポリグルタミン酸(PGA)を含む水溶液であって、その重量の100%あたり、5重量%~70重量%の部分的又は全体的に塩化されたPGA及び少なくとも2つのグリシジル官能基を含む架橋剤(XLA)を含む水溶液を調製する工程;
b)工程a)で得られた前記水溶液のpHを、3~11のpHに調整する工程;
c)少なくとも1種の揮発性油、非揮発性である少なくとも1種の他の油(H)、及び少なくとも1種の油中水型乳化性界面活性剤(S1)を含む有機相を調製する工程;
d)工程c)で得られた前記有機相を、工程b)で得られた前記水溶液に撹拌しながら加えることにより、予備乳化する工程;
e)工程d)で得られたプレエマルションを、撹拌しながら均質化することにより乳化する工程;
f)工程e)で得られたエマルションに含まれる前記水及び揮発性油を蒸留する工程;
g)少なくとも1種の水中油型乳化性界面活性剤(S2)を加えて、前記組成物(CA)を得る工程
を含むプロセス。
【請求項9】
工程a)において、前記ガンマ-ポリグルタミン酸を構成する前記モノマー単位の全てが、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸アンモニウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウム又はこれらの形態の混合物から誘導されることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
工程a)において、前記架橋剤(XLA)が、ポリグルタミン酸(PGA)の重量に対して0.5重量%~10重量%の重量比率で存在することを特徴とする、請求項8又は9に記載のプロセス。
【請求項11】
工程c)において、前記少なくとも1種の油中水型乳化剤(S1)が、ソルビタンエステル、ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリヒドロキシステアレリン酸ポリグリコール、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル、及びポリヒドロキシステアリン酸アルコキシル化ポリグリセリルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
工程c)において、前記有機溶液が、それ自体の重量の100%あたり、10重量%~30重量%の、好ましくは15重量%~20重量%の少なくとも1種の油中水型乳化剤(S1)を含むことを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
工程c)において、前記油中水型乳化剤(S1)がポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリルであることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
工程g)において、前記少なくとも1種の水中油型乳化性界面活性剤(S2)が、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ポリエトキシル化ヘキシタンエステル、アルキルポリグリコシド、アルキルポリグリコシド及び脂肪族アルコールの組成物、ポリグリセロールエステル、並びにポリグリセロールエステル及びポリグリセロールの組成物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
工程d)が、前記水溶液と前記有機相の重量比が、90/10~10/90、好ましくは20/80~40/60であるように実施されることを特徴とする、請求項8~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
工程a)において、前記水相が、式(X’):
【化20】
(式中、R4は、6~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、官能化又は非官能化炭化水素基を表す)の少なくとも1種の化合物も含むことを特徴とする、請求項8~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
工程e)において、前記均質化が機械的せん断撹拌により実施されることを特徴とする、請求項8~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
外用化粧用使用のための組成物の増粘剤及び/又は乳化剤及び/又は安定剤としての、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物(CA)の使用。
【請求項19】
外用使用のための化粧用組成物(F)であって、その総重量の100%あたり、0.1重量%~10重量%の請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物(CA)を増粘剤として含むことを特徴とする、外用使用のための化粧用組成物(F)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己反転性油中水型エマルションの形態の組成物、そのような組成物を調製するプロセス、及び外用使用のための化粧用組成物を調製するためのこの組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーは、現在、外用使用のための化粧用製剤に広く使用されており、この種類の配合製剤において二番目に広く使用されている製品群である。化粧用組成物は、極性相、例えば水からなる相を含み、ほとんどの場合、これらの極性相の粘度を増加させ、また明確に定義されたレオロジー挙動を与えるために、レオロジー調整剤、例えばポリマーの使用を要する。
【0003】
極性相のレオロジーを調整するポリマーとしては、天然ポリマー、例えば糖に基づく多糖又は糖誘導体に基づく多糖、或いは直鎖又は分岐鎖、架橋又は非架橋、アニオン性又はカチオン性又は両親媒性高分子電解質タイプの合成ポリマーがある。合成ポリマーは、化粧用製剤向けの成分として主に市販されており、直鎖又は分岐鎖、架橋又は非架橋ポリマー骨格上の電荷(負及び/又は正)の存在により起こる静電反発の結果として極性相中に広がる性質を有する。これらのレオロジー調整剤は、極性相の粘度の増加とまたある程度の粘稠性の両方並びに/又は増粘させるべき化粧用、皮膚化粧用(dermocosmetic)、又は皮膚医薬用(dermopharmaceutical)製剤に与えられる安定化効果を与える。
【0004】
消費者のニーズを満たし、化粧用製剤の性質を改善するために、種々の最近の科学研究は、新規で革新的な、様々なポリマーシステムの開発を報告した。そのため、化粧品又は皮膚化粧産業に使用されるポリマーは、被膜形成剤、レオロジー調整剤、油中水型若しくは水中油型エマルション中の脂肪相の安定化若しくは固体粒子(顔料又は充填剤)の安定化を可能にする作用物質、又は特定の感覚特性(柔らかい感触(softness to the touch)、取扱い及び塗布の容易さ、新鮮味効果など)を与える作用物質として、又は配合物(formula)の外観(透明、半透明又は不透明)に直接的な影響も有する作用物質としての機能的役割を果たし得る。
【0005】
極性相の、より詳細には水相のレオロジーを調整するポリマーは、主に、(メタ)アクリルモノマー、すなわちアクリル酸又はメタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル誘導体、或いはアクリルアミド又はメタクリルアミドの誘導体のフリーラジカル重合から生じる高分子電解質である。
【0006】
現在使用されている合成ポリマーと同じぐらい有効な新規の生物系及び生分解性レオロジー調整剤を開発することは、依然として大きな課題及び化粧成分の供給業者にとって重要な問題を構成している。具体的には、主に水相を増粘させるために利用される溶液は、現在まで、石油化学由来の原料、特にアクリル酸及びその誘導体又はメタクリル酸及びその誘導体から生じる成分を含んできた。
【0007】
持続可能で責任のある経済及び開発への消費者の関心の高まりを考慮して、ポリマー製造における石油化学由来の原料を、再生可能由来の原料に替えることは、優先的な研究分野である。
【0008】
現在までの文献は、種々の天然ポリマー又は再生可能な原料由来のポリマーの使用を記載しており、そのモノマー単位は、糖のファミリー(グルコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、マンノース、リボース、グルクロン酸など)又はアミノ酸のファミリー(グルタミン酸、アスパラギン酸、リジンなど)に由来する。これらのポリマーは、それらが得られる元の植物に応じて、又はそれらの製造プロセスに従って、主に直鎖又は分岐鎖である。
【0009】
天然由来のポリマーの例はポリグルタミン酸(PGA)であり、現在、多くの研究試験の対象である。それは、主に直鎖ポリマーであり、グルタミン酸(GA)モノマー単位からなる。グルタミン酸は、α位のアミン官能基並びにα及びγ位の2つのカルボン酸官能基(又はpHによりカルボキシレート)を特徴とするアミノ酸である(化学式1参照)。
【0010】
[化学式1]
【化1】
グルタミン酸(GA)の化学構造。
合成若しくは天然ポリマー又は天然由来のポリマーにおいて分岐を増加させる方法の1つは架橋反応を実施することである。ポリマー鎖を架橋する目的は、複数のポリマー鎖を共に連結することであり、それが、極性相に、より詳細には水に加えられると、水に不溶性であるが水により膨潤可能である三次元ネットワークの形態をとり、水性ゲルをもたらす。
【0011】
架橋ポリマーは:
モノマーと架橋剤を重合反応の間に反応させることにより一工程で、又は
第1工程がポリマーを製造することからなり、第2工程がポリマーを架橋剤と反応させて架橋ポリマーを得ることからなる少なくとも2工程で
調製され得る。
【0012】
極性媒体、特に水性媒体中での改善された増粘性を有する天然由来のポリマーを得ることを可能にする、PGAを架橋させる種々の反応がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
PGA架橋反応に使用されることが知られている架橋剤のうち、ポリエポキシド誘導体は、環境に配慮した条件下で(中程度の温度、水性媒体中の反応、及び有害な溶媒がないこと)架橋プロセスを実施することが可能になるため最も広く記載されている。
【0014】
しかし、これらのプロセスの実施は、PGAを高レベルに希釈することを含み、そのため、その重量の100%あたり、10重量%以下の含量のポリマー(P)を含有する水性ゲルの形態の組成物をもたらすが、処方者がそれを実施するのは困難である。
【0015】
それから生じる問題は、その原料が再生可能であり、極性媒体、より詳細には水性媒体中での増粘性を有する天然由来であるポリマーを含む使い勝手がよい組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明により提供される解決法は、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位及び少なくとも2つのグリシジル官能基を有する少なくとも1種の架橋剤(XLA)から誘導された単位からなる、組成物の重量の100%あたり、20重量%以上の含量のポリマー(P)を含む自己反転性油中水型エマルションの形態の組成物(CA)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的のために、「油中水型エマルション」により意味されるものは、2種の非混和性液体であって、一方が小液滴の形態でもう一方に分散している2種の非混和性液体の不均一な混合物であって、熱力学的に不安定であり、少なくとも1種の乳化性界面活性剤を含む界面活性剤システムの存在により安定化されている不均一な混合物である。
【0018】
本発明の目的のために、「自己反転性油中水型エマルション」により意味されるものは、上記で定義された油中水型エマルションであって、前記エマルションが極性相、例えば水に加えられると、エマルションの方向が油中水型から水中油型に変化し、それにより、増粘させるべき極性相とポリマー(P)を接触させるような親水親油バランス(HLB)を、存在する乳化性界面活性剤がエマルションに与える油中水型エマルションである。
【0019】
本発明の主題である組成物(CA)中に存在するポリマー(P)において、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位は、
-グルタミン酸(GA)モノマー単位のアミン官能基が、第2のグルタミン酸(GA)モノマー単位のアルファ(α)位に存在するカルボン酸官能基に共有結合しており;次いで、生じたポリマーは、「α-ポリグルタミン酸」又はPAGA(化学式2参照)と称され、部分的又は全体的に塩化されている
[化学式2]
【化2】
α-ポリグルタミン酸又はPAGAの化学構造。
-又は、グルタミン酸(GA)モノマー単位のアミン官能基が、第2のグルタミン酸(GA)モノマー単位のガンマ(γ)位に存在する側鎖のカルボキシル官能基に共有結合しており;次いで、生じたポリマーは、「γ-ポリグルタミン酸」又はPGGA(化学式3参照)と称され、部分的又は全体的に塩化されている。
[化学式3]
【化3】
γ-ポリグルタミン酸又はPGGAの化学構造
のいずれかで共に連結されている。
【0020】
一般に、PGAは、当業者に公知であるペプチド合成方法に従って、特に、選択的保護、活性化、カップリング、及び脱保護の連続工程により化学的に調製できる。カップリングは、一般的に、グルタミン酸モノマー単位のアミン官能基の、別のグルタミン酸モノマー単位の活性化されたカルボン酸官能基での求核攻撃からなる。
【0021】
PGGAは、少なくとも1種の細菌株の使用を含む少なくとも1つの微生物発酵工程を含むプロセスによっても得ることができる。
【0022】
本発明の目的のために、先に定義されたポリマー(P)において、用語「塩化された」は、ポリマーの各グルタミン酸(GA)モノマー単位に存在する「ペンダント」カルボン酸官能基(PAGAの場合ガンマ位に、又はPGGAの場合アルファ位に)が、アニオン性又はカルボキシレート形態で存在することを示す。このカルボキシレート官能基の対イオンは、例えば、ナトリウム若しくはカリウムなどのアルカリ金属の塩又はアミン、リジン若しくはモノエタノールアミン(HO-CH2-CH2-NH2)などの窒素塩基の塩から誘導されたカチオンである。
【0023】
本発明の目的のために、「架橋剤(XLA)」により意味されるものは、少なくとも2つのポリマー鎖に共有結合的に連結することを可能にする構造を有する化学物質である。
【0024】
本発明の目的のために、「少なくとも2つのグリシジル官能基を有する架橋剤(XLA)」により意味されるものは、分子構造が、式(I’):
[化学式4]
【化4】
の少なくとも2つのグリシジル単位又は官能基を含む上記で定義された架橋剤(XLA)である。
【0025】
ポリマー(P)のポリマー鎖の架橋は、前記ポリマー(P)の構造に存在する末端遊離アミン官能基(-NH2)及び/又は1つ以上の「ペンダント」若しくは末端カルボキシル若しくはカルボキシレート官能基(-COOH又は-COO-)と、少なくとも2つのグリシジル官能基を有する架橋剤(XLA)の構造に存在する少なくとも1つのエポキシ基との間に起こる。
【0026】
特定の場合に応じて、本発明の組成物(CA)は、以下の特徴の1つ以上を示し得る:
-ポリマー(P)の重量による含量が20%以上で60%以下である;
-ポリマー(P)が、酸形態又は部分的若しくは全体的に塩化された形態のガンマ-ポリグルタミン酸(PGGA)である;
-ポリマー(P)中で、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位の100mol%あたり、架橋剤(XLA)が0.5mol%~20mol%に相当する;
-組成物(CA)が、100mPa.s~10000mPa.sの粘度を有する(Brookfield RVT粘度計、スピード5rpmで測定);
-組成物(CA)が、式(X’):
[化学式5]
【化5】
の化合物から誘導されたモノマー単位も含む(式中、R4は、6~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、官能化又は非官能化炭化水素ラジカルを表す)。
【0027】
特定の態様によると、R4は、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ウンデセニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ヒドロキシオクタデシル、オレイル、リノレイル、リノレニル、エイコシル、及びドデコシルラジカルからなる群から選択される炭化水素ラジカルを表す。
【0028】
別の特定の態様によると、前記ポリマー(P)において、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位の重量の100%あたり、式(X’)の化合物から誘導されたモノマー単位は1重量%~50重量%に相当する。
【0029】
さらに、架橋剤(XLA)は、
-式(I)のエチレングリコールジグリシジルエーテル
[化学式6]
【化6】
-式(II)の化合物
[化学式7]
【化7】
(式中、Rは、水素原子又はグリシジルラジカル
【化8】
を表し、nは、1以上10以下の整数を表す)からなる群から選択される。
【0030】
Rが水素原子を表し、nが1に等しい場合、式(II)の化合物は、より詳細には、式(IIa)の化合物、すなわちグリセロールジグリシジルエーテルである。
【0031】
[化学式8]
【化9】
Rが
【化10】
を表し、nが1に等しい場合、式(II)の化合物は、より詳細には、式(IIb)の化合物、すなわちグリセロールトリグリシジルエーテルである。
【0032】
[化学式9]
【化11】
Rが水素原子を表し、nが2に等しい場合、式(II)の化合物は、より詳細には、式(IIc)の化合物、すなわちジグリセロールジグリシジルエーテルである。
【0033】
[化学式10]
【化12】
Rが
【化13】
を表し、nが2に等しい場合、式(II)の化合物は、より詳細には、式(IId)の化合物、すなわちジグリセリルテトラグリシジルエーテルである。
【0034】
[化学式11]
【化14】
-式(III)のプロパン-1,3-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式12]
【化15】
-式(IV)のプロパン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式13]
【化16】
-式(V)のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式14]
【化17】
-式(VI)のブタン-1,2-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式15]
【化18】
-式(VII)のブタン-1,3-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式16]
【化19】
-式(VIII)のヘキサン-1,6-ジオールジグリシジルエーテル
[化学式17]
【化20】
-式(IX)の化合物
[化学式18]
【化21】
(式中、R1は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化22】
を表す)。
【0035】
R1が水素原子を表す場合、式(IX)の化合物は、より詳細には、式(IXa)の化合物、すなわちトリメチロールエタンジグリシジルエーテルである。
【0036】
[化学式19]
【化23】
R1がグリシジルラジカル
【化24】
を表す場合、式(IX)の化合物は、より詳細には、式(IXb)の化合物、すなわちトリメチロールエタントリグリシジルエーテルである。
【0037】
[化学式20]
【化25】
-式(X)の化合物
[化学式21]
【化26】
(式中、R1は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化27】
を表す)。
【0038】
R1が水素原子を表す場合、式(X)の化合物は、より詳細には、式(Xa)の化合物、すなわちトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルである。
【0039】
[化学式22]
【化28】
R1がグリシジルラジカル
【化29】
を表す場合、式(X)の化合物は、より詳細には、式(Xb)の化合物、すなわちトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。
【0040】
[化学式23]
【化30】
-式(XI)の化合物
[化学式24]
【化31】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はグリシジルラジカル
【化32】
を表す)。
【0041】
R1及びR2が、それぞれ水素原子を表す場合、式(XI)の化合物は、より詳細には、式(XIa)の化合物、すなわちペンタエリスリトールジグリシジルエーテルである。
【0042】
[化学式25]
【化33】
R1が水素原子を表し、R2がグリシジルラジカル
【化34】
を表す場合、式(XI)の化合物は、より詳細には、式(XIb)の化合物、すなわちペンタエリスリトールトリグリシジルエーテルである。
【0043】
[化学式26]
【化35】
R1及びR2が、それぞれグリシジルラジカル
【化36】
を表す場合、式(XI)の化合物は、より詳細には、式(XIc)の化合物、すなわちペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルである。
【0044】
[化学式27]
【化37】
-式(XII)の化合物
[化学式28]
【化38】
(式中、mは、2以上の整数を表す)
-式(XIII)の化合物
[化学式29]
【化39】
(式中、R3は、水素原子又はグリシジルラジカル
【化40】
を表し、x、y、z、o、p、及びqは、それぞれ独立に、2以上で10以下の整数を表す)。
【0045】
本発明は、先に定義された医薬組成物(CA)を調製するプロセスであって
a)部分的又は全体的に塩化されたポリグルタミン酸(PGA)を含む水溶液であって、水溶液の重量の100%あたり、5重量%~70重量%の部分的又は全体的に塩化されたPGA及び少なくとも2つのグリシジル官能基を含む架橋剤(XLA)を含む水溶液を調製する工程、
b)工程a)で得られた水溶液のpHを3~11のpHに調整する工程、
c)少なくとも1種の揮発性油、非揮発性である少なくとも1種の他の油(H)、及び少なくとも1種の油中水型乳化性界面活性剤(S1)を含む有機相を調製する工程、
d)工程c)で得られた有機相を工程b)で得られた水溶液に撹拌しながら加えることにより予備乳化する工程、
e)工程d)で得られたプレエマルションを、撹拌しながら均質化することにより乳化する工程、
f)工程e)で得られたエマルションに含まれる水及び揮発性油を蒸留する工程;
g)少なくとも1種の水中油型乳化性界面活性剤(S2)を加えて、組成物(CA)を得る工程
を含むプロセスも提供する。
【0046】
特定の場合に応じて、本発明のプロセスは、以下の特徴の1つ以上を含み得る:
-工程a)において、使用されるポリマー(P)はPGGAである、
-工程a)において、PGGAを構成するモノマー単位の全ては、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸アンモニウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウム又はこれらの形態の混合物から誘導される。
-工程a)において、架橋剤(XLA)は、ポリグルタミン酸(PGA)の重量に対して0.5重量%~10重量%の重量比率で存在する。
-工程c)において、少なくとも1種の油中水型乳化剤(S1)は、ソルビタンエステル、ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリコール、ポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル、及びポリヒドロキシステアリン酸アルコキシル化ポリグリセリルからなる群から選択される。
-工程c)において、有機溶液は、それ自体の重量の100%あたり、10重量%~30重量%の、好ましくは15重量%~20重量%の少なくとも1種の油中水型乳化剤(S1)を含む。
-工程c)において、油中水型乳化剤(S1)はポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリルである。
-工程c)において、有機溶液は、ポリイソブテニルコハク酸若しくはその無水物とアミノジエタノールの間の縮合の生成物である1000~3000の分子量を有するポリエステル、又は最後に2500~3500の分子量を有するブロックコポリマーなどの少なくとも1種のポリマー性界面活性剤を含む。工程e)で製造されるエマルションの安定化のために、この化合物は、脂肪相に、5重量%~30重量%、好ましくは15%~20%の含量で導入される。
-工程g)において、少なくとも1種の水中油型乳化性界面活性剤(S2)は、ポリエトキシル化脂肪族アルコール、ポリエトキシル化ヘキシタンエステル、アルキルポリグリコシド、アルキルポリグリコシド及び脂肪族アルコールの組成物、ポリグリセロールエステル、並びにポリグリセロールエステル及びポリグリセロールの組成物からなる群から選択される。
-工程d)は、水溶液と有機相の重量比が、90/10~10/90、好ましくは20/80~40/60であるように実施される;
-工程a)において、水溶液は、式(X’):
[化学式30]
【化41】
の少なくとも1種の化合物も含む(式中、R4は、6~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、官能化又は非官能化炭化水素ラジカルを表す)。
【0047】
特定の態様によると、R4は、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ウンデセニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ヒドロキシオクタデシル、オレイル、リノレイル、リノレニル、エイコシル、及びドコシルラジカルからなる群から選択される炭化水素ラジカルを表す。
-極性溶液中の式(X’)の化合物の含量は、前記水溶液の重量の100%あたり、0.05重量%~35重量%であり、ポリマー(P)、架橋剤(XLA)、水、及び式(X’)の化合物の重量比率の和が100%に等しいことが理解される。
-工程e)において、均質化は、機械的せん断撹拌により実施される;
-工程f)において、蒸留は、減圧下で、加熱と共に実施される。これにより、ポリグルタミン酸の架橋及びエマルションの濃縮がもたらされる;
-工程c)及びf)において、揮発性油は、8~11個の炭素原子を含む軽質イソパラフィンである。このイソパラフィンは、名称Isopar(商標)G、Isopar(商標)L、Isopar(商標)H、及びIsopar(商標)Jで販売されているものから選択され得る。
【0048】
濃縮された逆エマルションプロセスの選択により、出発PGGA、その可能性のある共構成要素、及び架橋剤がエマルションの水相に溶解することを可能にする。エマルションの製造は互いに分離された液滴を作ることを可能にし、架橋工程の間の水相の粘度の増加による反応媒体の凝固なくPGAの架橋を可能にする。蒸留により軽質の脂肪相を濃縮する工程は、20%超の活性物質含量を有する液体形態の生成物を与える。
【0049】
本発明は、
-外用化粧用途のための組成物の増粘剤及び/又は乳化剤及び/又は安定剤としての本発明の前記組成物(CA)の使用;並びに
-外用使用のための化粧用組成物(F)であって、その総重量の100%あたり、増粘剤として、0.1重量%~10重量%の本発明の前記組成物(CA)を含むことを特徴とする外用使用のための化粧用組成物(F)
も提供する。
【0050】
特定の態様によると、本発明の主題である組成物(CA)において、ポリマー(P)の重量による含量は、20%以上で60%以下;より詳細には20%以上で40%以下である。
【0051】
PGGAは、水に溶解している状態で異なるコンフォメーション形態で存在し得る。これらの形態は、分子間及び分子内水素結合に依存し、そのため、pH、ポリマー濃度、溶液のイオン強度に、また温度にも依存する。そのため、PGGA鎖は、α-ヘリックス、β-シート、凝集体の形態をとり得て、或いは、無秩序でランダムな状態であり得る。
【0052】
特定の態様によると、本発明の主題である組成物(CA)において、ポリマー(P)は、それが溶液中で0.1%以下の重量による含量で存在し、前記溶液が7以下のpHを有する場合、ヘリカルコンフォメーションである。
【0053】
特定の態様によると、本発明の主題である組成物(CA)において、ポリマー(P)は、それが溶液中で0.1%以下の重量による含量で存在し、前記溶液が7超のpHを有する場合、シートコンフォメーションである。
【0054】
本発明の主題である組成物(CA)の特定の態様によると、ポリマー(P)において、部分的又は全体的に塩化されたグルタミン酸(GA)から誘導されたモノマー単位の100mol%あたり、架橋剤(XLA)は、1mol%~20mol%、さらにより詳細には1mol%~18mol%に相当する。
【0055】
別の特定の態様によると、組成物(CA)は、1000mPa.s~10000mPa.s(Brookfield RVT粘度計、スピード5rpmで測定)、より詳細には1000mPa.s~5000mPa.sの粘度を有する。
【0056】
別の特定の態様によると、架橋剤(XLA)は式(I)のエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
【0057】
別の特定の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程a)において、部分的又は全体的に塩化されたポリグルタミン酸(PGA)は、カリウム、ナトリウム又はアンモニウム塩の形態、より詳細にはナトリウム塩の形態である。
【0058】
別の特定の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程a)において、水溶液は、その重量の100%あたり、5重量%~60重量%、より詳細には10重量%~50重量%の部分的又は全体的に塩化されたポリグルタミン酸(PGA)を含む。
【0059】
別の特定の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程a)において、架橋剤(XLA)は、先に定義された式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、及び(XIII)の化合物からなる群の少なくとも1つから選択される。
【0060】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程c)において、「揮発性油」により意味されるものは、25℃の温度及び大気圧で液体であり、40~100℃の引火点を有する脂肪性物質である。
【0061】
より特定の態様によると、本発明の目的には、「揮発性油」により意味されるものは、イソドデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン又はイソエイコサン、又は以下に言及されそのINCI名により特定されるものなどのいくつかの混合物:C7~8イソパラフィン、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C9~12イソパラフィン、C9~13イソパラフィン、C9~14イソパラフィン、C9~16イソパラフィン、C10~11イソパラフィン、C10~12イソパラフィン、C10~13イソパラフィン、C11~12イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、及びC11~14イソパラフィンなどの7~40個の炭素原子を含む分岐鎖のアルカンからなる群の1つである。
【0062】
さらにより特定の態様によると、本発明の目的には、「揮発性油」により意味されるものは、イソドデカン、イソヘキサデカン、C7~8イソパラフィン、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、及びC11~14イソパラフィンからなる群の少なくとも1つである。
【0063】
本発明の別のさらにより特定の態様によると、揮発性油は、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、及びC11~14イソパラフィンからなる群から選択される。
【0064】
本発明の別のさらにより特定の態様によると、「揮発性油」は、商標名Isopar(商標)G、Isopar(商標)L、Isopar(商標)H及びIsopar(商標)Jで販売されているイソパラフィンからなる群から選択される。
【0065】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程c)において、「油(O)」により意味されるものは、大気圧で25℃の温度で液体である脂肪性物質であり、特に
-11~19個の炭素原子を含む直鎖アルカン;
-イソドデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン若しくはイソエイコサン、又は以下に言及されそれらのINCI名により特定されるものなどのいくつかの混合物:C12~14イソパラフィン、C12~20イソパラフィン、C13~14イソパラフィン、及びC13~16イソパラフィンなどの11~40個の炭素原子を含む分岐鎖アルカン;
-1つ以上の直鎖又は分岐鎖アルキルラジカルにより任意選択で置換されているシクロアルカン;
-以下の名称:Marcol(商標)52、Marcol(商標)82、Drakeol(商標)6VR、Eolane(商標)130、及びEolane(商標)150で販売されているものなどの白色鉱油;
-ヘミスクアラン(又は2,6,10-トリメチルドデカン;CAS番号:3891-98-3)、スクアラン(又は2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン)、水添ポリイソブテン又は水添ポリデセン;
-直鎖アルカン、分岐鎖アルカン、及びシクロアルカンである、15~19個の炭素原子を含むアルカンの混合物、より詳細には、その重量の100%あたり:
・90%以上で100%以下の重量比率の分岐鎖アルカン、
・0%以上で9%以下の重量比率の直鎖アルカン、
・0%以上で1%以下の重量比率のシクロアルカン
を含む混合物(M1)であって、
前記混合物(M1)が、その重量の100%あたり:
・95%以上で100%以下の重量比率の、15~19個の炭素原子を含む分岐鎖アルカン、直鎖アルカン、及びシクロアルカン並びに
・0%以上で5%以下の重量比率の、14未満の炭素原子を含む分岐鎖アルカン、直鎖アルカン、及びシクロアルカン並びに21以上の炭素原子を含む直鎖アルカン及びシクロアルカン
を含むことを特徴とする混合物(M1)である。
【0066】
本発明の目的のために、上記で定義された混合物(M1)に存在し、15~19個の炭素原子を含む「直鎖アルカン」により意味されるものは、より詳細には、n-ペンタデカン、n-ヘキサデカン、n-ヘプタデカン、n-オクタデカン、及びn-ノナデカンからなる群から選択されるものである。
【0067】
本発明の目的のために、上記で定義された混合物(M1)に存在し、15~19個の炭素原子を含む「分岐鎖アルカン」により意味されるものは、より詳細には、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、及びイソノナデカンからなる群から選択されるものである。
【0068】
混合物(M1)は、より詳細には、商標名Emogreen(商標)L15で販売されている混合物、或いは商標名Emogreen(商標)L19で販売されている混合物である。
-式(XIV)の脂肪族アルコールエーテル:
Z1-O-Z2 (XIV)、
(式中、Z1及びZ2は、同一でも異なっていてもよく、5~18個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキルラジカルを表し、例えばジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、1,3-ジメチルブチルテトラデシルエーテル、1,3-ジメチルブチルヘキサデシルエーテル、ビス(1,3-ジメチルブチル)エーテル又はジヘキシルエーテルである)。
-式(XV)の脂肪酸とアルコールのモノエステル:
R’1-(C=O)-O-R’2 (XV)、
(式中、R’1-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖アシルラジカルを表し、R’2は、R’1とは独立に、1~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖を表し、例えばラウリル酸メチル、ラウリル酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸2-ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ヤシ油脂肪酸メチル、ヤシ油脂肪酸エチル、ヤシ油脂肪酸プロピル、ヤシ油脂肪酸イソプロピル、ヤシ油脂肪酸ブチル、ヤシ油脂肪酸2-ブチル、ヤシ油脂肪酸ヘキシル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸2-ブチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸2-ブチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸2-ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸オクチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸プロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸2-ブチル、イソステアリン酸ヘキシル、又はイソステアリン酸イソステアリルである);
-式(XVI)及び(XVII)の脂肪酸とグリセロールのジエステル:
R’3-(C=O)-O-CH2-CH(OH)-CH2-O-(C=O)-R’4 (XVI)
R’5-(C=O)-O-CH2-CH[O-(C=O)-R’6]-CH2-OH (XVII)、
(式中、R’3-(C=O)及びR’4-(C=O)、R’5-(C=O)、R’6-(C=O)は、同一でも異なっていてもよく、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖アシル基を表す)。
-式(XVIII)の脂肪酸とグリセロールのトリエステル:
R’7-(C=O)-O-CH2-CH[O-(C=O)-R’’8]-CH2-O-(C=O)-R’’9 (XVIII)、
(式中、R’7-(C=O)、R’8-(C=O)及びR’9-(C=O)は、同一でも異なっていてもよく、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖アシル基を表す)。
【0069】
本発明の別の特定の態様によると、前記油(H)は、下記から選択される:
-ウンデカン、トリデカン、イソドデカン又はイソヘキサデカン;
-先に定義された混合物(M1)及び以下の名称で販売されている混合物などのアルカン及びイソアルカン及びシクロアルカンの混合物
-Emogreen(商標)L15、Emogreen(商標)L19、Emosmart(商標)L15、Emosmart(商標)L19、Emosmart(商標)V21、Isopar(商標)M;
-名称Marcol(商標)52、Marcol(商標)82で販売されている白色鉱油
-Drakeol(商標)6VR、Eolane(商標)130又はEolane(商標)150;
-ヘミスクアラン、スクアラン、水添ポリイソブテン又は水添ポリデセン;
-ジオクチルエーテル又はジデシルエーテル;
-ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタノイル/デカノイルトリグリセリド、ヘキサデカノイル/オクタデカノイルトリグリセリド、及びナタネ油、ヒマワリ油、亜麻仁油又はパーム油から誘導されたトリグリセリド。
【0070】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程c)において、「油中水型乳化性界面活性剤(S1)」により意味されるものは、油中水型エマルション、すなわち水相が油性有機相中に分散され安定化されているエマルションの形成を誘導するのに充分に低いHLB(親水親油バランス)値を有する乳化性界面活性剤である。
【0071】
油中水型乳化性界面活性剤の例としては、1つ以上のヒドロキシル基により任意選択で置換されている、12~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸のアンヒドロヘキシトールエステル、より詳細には、アンヒドロソルビトール及びアンヒドロマンニトールから選択されるアンヒドロヘキシトールと、1つ以上のヒドロキシル基により任意選択で置換されている12~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸とのエステルがある。
【0072】
本発明の主題であるプロセスの工程c)において、油中水型乳化システム(S1)は、より詳細には、下記からなる群から選択される
-ラウリン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)20で販売されている製品、
-パルミチン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)40で販売されている製品、
-ステアリン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)60で販売されている製品、
-オレイン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)80で販売されている製品、
-セスキオレイン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)83で販売されている製品、
-トリオレイン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)85で販売されている製品、
-イソラウリン酸ソルビタン、
-イソステアリン酸ソルビタン、例えば名称Montane(商標)70で販売されている製品、
-ラウリン酸マンニタン、オレイン酸マンニタン、又はこれらのエステルの混合物;Hypermer(商標)2296など、1000~3000g/molの分子量を有し、ポリイソブテニルコハク酸若しくはその無水物の間の縮合から生じるポリエステル、又は商標名Simaline(商標)IE 501 Aで販売されている混合物。
【0073】
油中水型乳化性界面活性剤(S1)の例としては、式(XIX):
[化学式31]
【化42】
の化合物により表されるポリグリセロールエステルがある(式中、Zは、式R2-C(=O)-のアシルラジカル(式中、R2は、11~35個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素ラジカルを表す)、より詳細には、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイル、ドコサノイル、オレイル、リノレイル、リノレノイル又はイソステアリルラジカルから選択されるラジカルを表し、Z’は、上記で定義された式R2-C(=O)-のアシルラジカル(ここで、Z’は、Zと同一又は異なっている)又は水素原子を表し、yは、2以上で20以下の整数を表す)。
【0074】
より特定の態様によると、式(XIX)の化合物は、オレイン酸デカグリセリル、イソステアリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、及びモノミリスチン酸デカグリセリルからなる群から選択される。
【0075】
油中水型乳化性界面活性剤(S1)の例としては、式(XX):
[化学式32]
【化43】
の化合物により表されるアルコキシル化ポリグリセロールエステルがある(式中、Z1は、式R’2-C(=O)-のアシルラジカル(式中、R’2は、11~35個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素ラジカルを表す)、より詳細には、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイル、ドコサノイル、オレイル、リノレイル、リノレノイル又はイソステアリルラジカルから選択されるラジカルを表し、Z1’は、上記で定義された式R’2-C(=O)-のアシルラジカル(ここで、Z1’は、Z1と同一又は異なっている)又は水素原子を表し、R3は、水素原子、メチルラジカル、又はエチルラジカルを表し、y1は、2以上で20以下の整数を表し、v1、v2、v3は同一又は異なり、0以上で50以下の整数を表し、和[(y1.v1)+(y1.v2)+v3)]は、1以上で及び50以下の整数である)。
【0076】
油中水型乳化性界面活性剤(S1)の例としては、式(XXI):
[化学式33]
【化44】
のポリヒドロキシステアレリン酸ポリグリコールがある(y2が2以上で50以下の整数を表し、Z4が、水素原子、メチルラジカル又はエチルラジカルを表し、Z3が式(XXII)のラジカルを表す式(XXI):
[化学式34]
【化45】
y’2が、0以上で10以下、より詳細には1以上で10以下の整数を表し、Z’3が、上記で定義された式(XXII)のラジカル(ここで、Z3’は、Z3と同一又は異なっている)又は水素原子を表す(XXII))。
【0077】
乳化(S1)システムを調製するのに使用され得る式(XXI)の油中水型乳化性界面活性剤の例としては、名称Simaline(商標)WOで販売されているジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、或いは、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30を含み、名称Simaline(商標)IE 201 A及びSimaline(商標)IE 201 Bで販売されている混合物、或いはトリポリヒドロキシステアリン酸トリメチロールプロパン-30を含み、名称Simaline(商標)IE 301 Bで販売されている混合物がある。
【0078】
油中水型乳化性界面活性剤(S1)の例としては、式(XXIII):
[化学式35]
【化46】
により表されるポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリルがある(式中、Z3は、上記で定義された式(XXIII)のラジカルを表し、Z’3は、上記で定義された式(XXII)のラジカル(ここで、Z3’は、Z3と同一又は異なっている)又は水素原子を表し、y3は、2以上で20以下の整数を表す)。
【0079】
油中水型乳化性界面活性剤(S1)の例としては、式(XXIV):
[化学式36]
【化47】
により表されるポリヒドロキシステアリン酸アルコキシル化ポリグリセリル化合物がある(式中、Z4は、上記で定義された式(XXII)のラジカルを表し、Z’4は、上記で定義された式(XXII)のラジカル(ここで、Z4’は、Z4と同一又は異なっている)又は水素原子を表し、y4は、2以上で20以下の整数を表し、v’1、v’2、v’3は同一でも異なっていてもよく、0以上で50以下の整数を表し、和[(y4.v’1)+(y4.v’2)+v’3)]は1以上で50以下の整数である)。
【0080】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程g)において、「水中油型乳化性界面活性剤(S2)」により意味されるものは、水中油型エマルション、すなわち油性の有機相が水相に分散され安定化されるエマルションの形成を誘導するのに充分高いHLB値を有する乳化性界面活性剤である。
【0081】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程g)において、水中油型界面活性剤(S2)は、式(XXV):
R’’-O-(CH2-CH2-O)n’-OH(XXV)、
の化合物により示される「ポリエトキシル化脂肪族アルコール」であり得る(式中、R’’は、ヒドロキシル基を有し得て、6~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和炭化水素ラジカルを表し、n’は、4以上で100以下の整数を表す)。
【0082】
より特定の態様によると、式(XXV)において、R’’は、10~22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す。
【0083】
さらにより特定の態様によると、式(XXV)の化合物は、6モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖デシルアルコール、8モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖デシルアルコール、6モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖ラウリルアルコール、7モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖ラウリルアルコール、8モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖ラウリルアルコール、6モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖トリデシルアルコール、8モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖トリデシルアルコール、又は9モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖トリデシルアルコールである。
【0084】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程g)において、水中油型界面活性剤(S2)は、ポリエトキシル化ヘキシタンエステル、特に脂肪族炭化水素鎖が12~22個の炭素原子を含み、エチレンオキシド単位の数が5~40であるポリエトキシル化ソルビタンエステル、例えば、商品名Montanox(商標)80で販売されている20モルのエチレンオキシドによりエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン、又は商品名Montanox(商標)20で販売されている20モルのエチレンオキシドによりエトキシル化されたラウリン酸ソルビタンであり得る。
【0085】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程g)において、水中油型界面活性剤(S2)は、式(XXVI):
R’’1-O-(G)x-H (XXVI)
により表されるアルキルポリグリコシド組成物(C1)であり得る(式中、x、すなわち平均重合度は1.05~5の十進数を表し、Gは還元糖残基を表し、R’’1は、1つ以上のヒドロキシル基により任意選択で置換されており、12~36個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素ラジカルを表し、前記組成物(C1)は、式(XXVI1)、(XXVI2)、(XXVI3)、(XXVI4)、及び(XXVI5):
R’’1-O-(G)1-H (XXVI1)
R’’1-O-(G)2-H (XXVI2)
R’’1-O-(G)3-H (XXVI3)
R’’1-O-(G)4-H (XXVI4)
R’’1-O-(G)5-H (XXVI5)
により表される化合物の混合物であって
-和a1+a2+a3+a4+a5が1に等しく
-和a1+2a2+3a3+4a4+5a5がxに等しい
ようなそれぞれのモル比a1、a2、a3、a4、及びa5の混合物からなる)。
【0086】
「12~36個の炭素原子を含み、1つ以上のヒドロキシル基により任意選択で置換されている飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基」により意味されるものは、上記で定義された式(XXVI)中のラジカルR’’1のためには、より詳細には、n-ドデシルラジカル、n-テトラデシルラジカル、n-ヘキサデシルラジカル、n-オクタデシルラジカル、n-エイコシルラジカル、n-ドコシルラジカル又は12-ヒドロキシオクタデシルラジカルである。
【0087】
上記で定義された式(XXVI)の定義において「還元糖」により意味されるものは、参考刊行物:“Biochemistry”,Daniel Voet/Judith G. Voet,page 250,John Wiley & Sons,1990に定義される通り、その構造中にアノマー炭素とアセタール基の酸素の間のグリコシド結合を有さない糖誘導体である。オリゴマー構造(G)xは、これが、光学異性、幾何異性、又は位置異性のいずれによるものであろうと、あらゆる異性体形態で存在し得る;それは、異性体の混合物も表し得る。
【0088】
上記で定義された式(XXVI)において、基R1-O-は、糖残基のアノマー炭素によりGに連結しており、アセタール官能基を形成する。
【0089】
特定の態様によると、上記で定義された式(XXVI)の定義中のGは、グルコース、デキストロース、スクロース、フルクトース、イドース、グロース、ガラクトース、マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、ラクトース、セロビオース、マンノース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、アロース、アルトロース、デキストラン、及びタロース(tallose)から選択される還元糖残基を表し;より詳細には、Gは、グルコース、キシロース、及びアラビノース残基から選択される還元糖残基を表す。
【0090】
さらにより特定の態様によると、式(XXVI)の定義中のx、すなわち平均重合度は、1.05以上で2.5以下、より詳細には1.05以上で2.0以下、さらにより詳細には1.25以上で2.0以下の十進数を表す。
【0091】
別の態様によると、本発明の主題であるプロセスの工程g)において、水中油型界面活性剤(S2)は、それらの重量の100%あたり、
-10重量%~50重量%、より詳細には15重量%~40重量、さらにより詳細には20重量%~30重量%の、先に定義された式(XXVI)により表される少なくとも1種の組成物(C1)、
-90重量%~50重量%、より詳細には85重量%~60重量%、さらにより詳細には80重量%~70重量%の式(XXVII):
R’’’1-OH (XXVII)
の少なくとも1種の脂肪族アルコール
-(式中、R’’’1は、R’’1と同一なことも異なることもあり得て、1つ以上のヒドロキシル基により任意選択で置換されており、12~36個の炭素原子、好ましくは12~22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族炭化水素基を表す)
を含む組成物(C2)であり得る。
【0092】
水中油型乳化性界面活性剤(S2)の例としては、式(XXVIII):
R12-(C=O)-[O-CH2-CH(OH)-CH2]p12-OH (XXVIII)
のポリグリセロールエステルがある(p12が、1以上で15以下の整数を表し、基R1-(C=O)-が、6~22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖脂肪族ラジカルを表す式(XVIII))。
【0093】
水中油型乳化性界面活性剤(S2)の例としては、それらの重量の100%あたり、
-10重量%~60重量%の式(XXIX)の少なくとも1種の化合物:
HO-[CH2-CH(OH)-CH2-O]n12-H (XXIX)
(n12が1以上で15以下の整数を表す式(I));及び
-40重量%~90重量%の先に定義された式(XXVIII)の少なくとも1種の化合物
を含む組成物(C13)がある。
【0094】
特定の態様によると、組成物(CA)の前記使用は、本発明の主題であり、極性相、例えば水性、アルコール性、若しくは水性-アルコール相又はグリセロールなどのポリオールを含む極性相の増粘からなる。
【0095】
別の特定の態様によると、前記使用は、水中油型又は油中水型エマルションの安定化からなり、種々の条件下での保存の間に、より詳細には25℃で少なくとも1か月に等しい時間、より詳細には4℃で少なくとも1か月に等しい時間、より詳細には45℃で少なくとも1か月に等しい期間、前記エマルションに均質な外観を与える。
【0096】
別の特定の態様によると、前記使用は、外用化粧用又は皮膚化粧用組成物中の固体粒子の安定化からなる。懸濁されるべきこれらの固体粒子は、種々の規則的又は不規則な形を有し得て、パール、ビーズ、棒、フレーク、ストリップ又は多面体の形態であり得る。これらの固体粒子は、1マイクロメートル~5ミリメートル、より詳細には10マイクロメートル~1ミリメートルの見かけの平均直径を特徴とする。
【0097】
化粧用、皮膚医薬用、又は医薬用外用組成物中の、先に定義された油中水型エマルション(CA)により懸濁及び安定化できる固体粒子としては、マイカ、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、タルク、シリカ、カオリン、粘土、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、無機着色顔料、ナイロン-6などのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル又はメタクリルポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、結晶性又は微結晶性ワックス、多孔質球、硫化セレン、ジンクピリチオン、デンプン、アルギネート、植物繊維、ヘチマ粒子、及びスポンジ粒子がある。
【0098】
別の態様によると、本発明の主題である外用使用のための化粧用組成物(F)は、増粘剤として、その総重量の100%あたり、0.1重量%~8重量%、より詳細には0.5重量%~8重量%、さらにより詳細には0.5重量%~5重量%の本発明の前記組成物(CA)を含む。
【0099】
前記組成物(F)の定義に使用される表現「外用」は、これが、化粧用又は皮膚化粧用調製物の場合直接塗布であろうと、又は例えば、布若しくはペーパーワイプの形態若しくは皮膚若しくは粘膜と接触されることが意図されるサニタリー製品の形態のボディーケア製品の場合間接塗布であろうと、皮膚、髪、頭皮又は粘膜への塗布により使用されることを意味する。
【0100】
前記組成物(F)は、一般的に、それらが、油中水型、水中油型、水中油中水型、又は油中水中油型のいずれであろうと、水性又は水性-アルコール又は水性-グリコール溶液の形態、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、又はナノエマルションの形態である。
【0101】
先に定義された前記組成物(F)は、ボトル、ポンプボトルタイプの装置、エアゾール装置中の加圧形態、格子など透かし細工の壁を備えた装置、又はボールアプリケーターを備えた装置(ロールオン)に包装され得る。
【0102】
一般に、前記組成物(F)は、増粘及び/又はゲル化界面活性剤、安定剤、被膜形成化合物、ハイドロトロープ剤(hydrotropic agents)、可塑剤、乳化剤及び共乳化剤、乳白剤、真珠光沢化剤(pearlizing agents)、過脂剤、金属封鎖剤、キレート剤、酸化防止剤、香料、保存剤、調整剤、体毛及び皮膚を白くするための美白剤、皮膚又は髪に治療作用を与えることが意図される有効成分、日焼け止め剤、鉱物充填剤又は顔料、及び視覚効果を与えるか、又は有効成分のカプセル化向けの粒子、角質除去粒子又はテクスチャリング剤など、典型的には外用使用のための製剤、特に化粧用又は皮膚化粧用製剤の分野で利用される賦形剤及び/又は有効成分も含む。
【0103】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤の例としては、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性である発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤がある。
【0104】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るアニオン性発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルサルコシン酸塩、アシルイセチオン酸塩、N-アシルタウレートの塩、アシルラクチレートの塩、アミノ酸のN-アシル誘導体の塩、ペプチドのN-アシル誘導体の塩、タンパク質のN-アシル誘導体の塩又は脂肪酸のN-アシル誘導体の塩がある。
【0105】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る両性発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、アンホポリアセテート(amphopolyacetates)、及びアンホプロピオネート(amphopropionates)がある。
【0106】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るカチオン性発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤としては、特に四級アンモニウム誘導体がある。
【0107】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る非イオン性発泡性及び/又は洗浄用界面活性剤としては、より詳細には、8~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和脂肪族ラジカルを含むアルキルポリグリコシド、例えば、オクチルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ウンデシレニルポリグルコシド、ドデシルポリグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド又はドデカン-1,12-ジイルポリグルコシド;エトキシル化水添ヒマシ油誘導体、例えば、INCI名「PEG-40水添ヒマシ油」で販売されている製品;ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート70、ポリソルベート80若しくはポリソルベート85、コカミド又はN-アルキルアミンがある。
【0108】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る増粘及び/又はゲル化界面活性剤の例としては、任意選択で、アルコキシル化アルキルポリグリコシド脂肪酸エステル、例えばエトキシル化メチルポリグルコシドエステル、例えば、それぞれ名称Glutamate(商標)LT及びGlutamate(商標)DOE120で販売されているPEG 120メチルグルコーストリオレエート及びPEG 120メチルグルコースジオレエート;アルコキシル化脂肪酸エステル、例えば、名称Crothix(商標)DS53で販売されているPEG 150ペンタエリスリチルテトラステアレート、名称Antil(商標)141で販売されているPEG 55プロピレングリコールオレエート;脂肪鎖ポリアルキレングリコールカルバメート、例えば、名称Elfacos(商標)T211で販売されているPPG-14ラウレスイソホリル(isophoryl)ジカルバメート及び名称Elfacos(商標)GT2125で販売されているPPG-14パルメス(palmeth)-60ヘキシルジカルバメートがある。
【0109】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、AMPSと、炭素鎖が4~30個の炭素原子、より詳細には10~30個の炭素原子を含むアルキルアクリレートのコポリマー及び遊離、部分的に塩化された又は全体的に塩化された酸官能基を有する少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の中性モノマーと、少なくとも1種の式(XXX)のモノマー:
CH2=C(R’3)-C(=O)-[CH2-CH2-O]n’-R’4 (XXX)
の直鎖、分岐鎖、又は架橋ターポリマーがある(式中、R’3は、水素原子又はメチルラジカルを表し、R’4は、8~30個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルを表し、n’は、1以上で50以下の数を表す)。
【0110】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、単糖のみからなる多糖、例えば、グルカン又はグルコースホモポリマー、グルコマンノグルカン(glucomannoglucans)、キシログリカン、主なD-マンノース鎖中のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が0~1、より詳細には1~0.25であるガラクトマンナン、例えば、カシアガム(DS=1/5)、ローカストビーンガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)又はフェヌグリークガム(DS=1)から生じたガラクトマンナンがある。
【0111】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、単糖誘導体からなる多糖、例えば、硫酸化ガラクタン及びより詳細にはカラギーナン及び寒天、ウロナン(uronans)及びより詳細にはアルギン、アルギネート及びペクチン、単糖とウロン酸のヘテロポリマー、より詳細にはキサンタンガム、ゲランガム、アラビアゴム滲出液、カラヤゴム滲出液、及びグリコサミノグリカンがある。
【0112】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、セルロース、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、シリケート、デンプン、親水性デンプン誘導体、及びポリウレタンがある。
【0113】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る安定剤の例としては、モノクリスタリンワックス、より詳細にはオゾケライト、塩化ナトリウム又は塩化マグネシウムなどの鉱物塩、及びポリシロキサンポリアルキルポリエーテルコポリマーなどのシリコーンポリマーがある。
【0114】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る溶媒の例としては、水、有機溶媒、例えばグリセロール、ジグリセロール、グリセロールオリゴマー、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、水溶性アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール又はブタノール、及び水と前記有機溶媒の混合物がある。
【0115】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る湧水又は鉱泉水の例としては、少なくとも300mg/lの鉱物含量を有する湧水又は鉱泉水、特にAvene water、Vittel water、Vichy basin water、Uriage water、La Roche Posay water、La Bourboule water、Enghien-les-bains water、Saint-Gervais-les-bains water、Neris-les-bains water、Allevard-les-bains water、Digne water、Maizieres water、Neyrac-les-bains water、Lons le Saunier water、Rochefort water、Saint Christau water、Fumades water、及びTercis-les-bains waterがある。
【0116】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るハイドロトロープ剤の例としては、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ヘキシルポリグルコシド、2-エチルヘキシルポリグルコシド、及びn-ヘプチルポリグルコシドがある。
【0117】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る乳化性界面活性剤の例としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤がある。
【0118】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る非イオン性乳化性界面活性剤の例としては、ソルビトールの脂肪酸エステル、例えば、名称Montane(商標)40、Montane(商標)60、Montane(商標)70、Montane(商標)80、及びMontane(商標)85で販売されている製品;ステアリン酸グリセリル及び5mol~150molのエチレンオキシドによりエトキシル化されたステアリン酸を含む組成物、例えば、名称Simulsol(商標)165で販売されている135molのエチレンオキシドによりエトキシル化されたステアリン酸及びステアリン酸グリセリルを含む組成物;マンニタンエステル、エトキシル化マンニタンエステル;スクロースエステル;メチルグルコシドエステル;14~36個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和脂肪族ラジカルを含むアルキルポリグリコシド、例えば、テトラデシルポリグルコシド、ヘキシルデシルポリグルコシド、オクタデシルポリグルコシド、ヘキシルデシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシド、エイコシルポリグルコシド、ドコシルポリグルコシド、2-オクチルドデシルポリキシロシド、12-ヒドロキシステアリルポリグルコシド、14~36個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和脂肪族アルコール及び先に記載されたアルキルポリグリコシドの組成物、例えば名称Montanov(商標)68、Montanov(商標)14、Montanov(商標)82、Montanov(商標)202、Montanov(商標)S、Montanov(商標)WO18、Montanov(商標)L、Fluidanov(商標)20X、及びEasynov(商標)で販売されている組成物がある。
【0119】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るアニオン性界面活性剤の例としては、クエン酸ステアリン酸グリセリル、硫酸セテアリル、ステアリン酸ナトリウム又はトリエタノールアンモニウムステアレートなどの石鹸、及び塩化されたアミノ酸のN-アシル誘導体、例えばステアロイルグルタメートがある。
【0120】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るカチオン性乳化性界面活性剤の例としては、アミンオキシド、クオタニウム-82、及び特許出願国際公開第96/00719号パンフレットに記載される界面活性剤並びに主に脂肪鎖が少なくとも16個の炭素原子を含むものがある。
【0121】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る乳白剤及び/又は真珠光沢化剤の例としては、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、及び12~22個の炭素原子を含む脂肪族アルコールがある。
【0122】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得るテクスチャリング剤の例としては、N-アシルアミノ酸誘導体、例えば名称Aminohope(商標)LLで販売されているラウロイルリシン、名称Dryflo(商標)で販売されているオクテニルコハク酸デンプン、名称Montanov(商標)14で販売されているミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト、及びマイカがある。
【0123】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る防臭剤の例としては、アルカリ金属ケイ酸塩、亜鉛塩、例えば、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛又は乳酸亜鉛;四級アンモニウム塩、例えば、セチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩;グリセロール誘導体、例えば、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル及びカプリン酸ポリグリセリル;デカン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール;サリチル酸;炭酸水素ナトリウム;シクロデキストリン;金属ゼオライト;Triclosan(商標);アルミニウムブロモヒドレート、アルミニウムクロロヒドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウムナトリウム、アルミニウムクロロヒドレートとグリコールの錯体、例えば、アルミニウムクロロヒドレートとプロピレングリコールの錯体、アルミニウムジクロロヒドレートとプロピレングリコールの錯体、アルミニウムセスキクロロヒドレートとプロピレングリコールの錯体、アルミニウムクロロヒドレートとポリエチレングリコールの錯体、アルミニウムジクロロヒドレートとポリエチレングリコールの錯体、又はアルミニウムセスキクロロヒドレートとポリエチレングリコールの錯体がある。
【0124】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る油の例としては、鉱油、例えば、流動パラフィン、液体ワセリン、イソパラフィン又は白色鉱油;動物由来の油、例えば、スクアレン又はスクアラン;植物油、例えば、フィトスクアラン(phytosqualane)、スイートアーモンド油、ココナツ核油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、ナタネ油、落花生油、ヒマワリ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、パンプキンシード油、月見草油、アワ油、大麦油、ライ麦油、紅花油、キャンドルナッツ油、パッションフラワー油、ヘーゼルナット油、パーム油、シアバター、杏仁油、カロフィラム油、シシンブリウム油、アボカド油、カレンジュラ油、花又は野菜又はエトキシル化植物油から誘導された油;合成の油、例えば、脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ラノリン脂肪酸(lanolic acid)から誘導されたエステル、例えば、ラノリン脂肪酸イソプロピル又はラノリン脂肪酸イソセチル、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、例えば、グリセロールトリヘプタノエート、安息香酸アルキル、水添油、ポリ(α-オレフィン)、ポリオレフィン、例えば、ポリ(イソブタン)、合成のイソアルカン、例えば、イソヘキサデカン又はイソドデカン、又は全フッ素置換された油;シリコーンオイル、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンにより変性されたシリコーン、脂肪酸により変性されたシリコーン、アルコールにより変性されたシリコーン、アルコール及び脂肪酸により変性されたシリコーン、ポリエーテル基により変性されたシリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素化基により変性されたシリコーン、環状シリコーン、及びアルキル基により変性されたシリコーンがある。本特許出願において、「油」が、水に不溶性であり25℃の温度で外観が液体である化合物及び/又は化合物の混合物を意味すると理解される。
【0125】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る蝋の例としては、蜜蝋、カルナバ蝋、カンデリラ蝋、オーリクリー蝋、木蝋、コルク繊維蝋(cork fiber wax)、サトウキビ蝋、パラフィン蝋、亜炭蝋、マイクロクリスタリン蝋、ラノリン蝋;オゾケライト;ポリエチレン蝋;シリコーン蝋、植物蝋、室温で固体である脂肪族アルコール及び脂肪酸並びに室温で固体であるグリセリドがある。本特許出願において、「蝋」が、水に不溶性であり45℃以上の温度で外観が液体である化合物及び/又は化合物の混合物を意味すると理解される。
【0126】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る有効成分の例としては、ビタミン類及びその誘導体、特にそのエステル、例えばレチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えばパルミチン酸レチニル)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(アスコルビルグルコシドなど)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(酢酸トコフェリルなど)、ビタミンB3又はB10(ナイアシンアミド及びその誘導体);皮膚に対して美白又は脱色作用を有する化合物、例えば、名称Sepiwhite(商標)MSHで販売されているω-ウンデシレノイルフェニルアラニン、Sepicalm(商標)VG、ω-ウンデシレノイルフェニルアラニンのグリセロールモノエステル及び/又はグリセロールジエステル、ω-ウンデシレノイルジペプチド、アルブチン、コウジ酸、ヒドロキノン;沈静化作用を有する化合物、特にSepicalm(商標)S、アラントイン及びビサボロール;抗炎症剤;保湿作用を有する化合物、例えば、尿素、ヒドロキシウレア、グリセロール、ポリグリセロール、グリセロールグルコシド、ジグリセロールグルコシド、ポリグリセリルグルコシド、キシリチルグルコシド;ポリフェノールに富む植物抽出物、例えば、ブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物又はオリーブ抽出物;痩身又は脂肪分解作用を有する化合物、例えば、カフェイン又はその誘導体、Adiposlim(商標)、Adipoless(商標)、フコキサンチン;N-アシル化されたタンパク質;N-アシル化されたペプチド、例えば、Matrixyl(商標);N-アシル化アミノ酸;N-アシル化されたタンパク質の部分加水分解物;アミノ酸;ペプチド;タンパク質の全加水分解物;大豆抽出物、例えばRaffermine(商標);コムギ抽出物、例えばTensine(商標)又はGliadine(商標);植物抽出物、例えば、タンニンに富む植物抽出物、イソフラボンに富む植物抽出物又はテルペンに富む植物抽出物;淡水藻又は海水藻の抽出物;海洋植物抽出物;サンゴなど一般的な海洋抽出物;エッセンシャルワックス;細菌抽出物;セラミド;リン脂質;抗微生物作用又は浄化作用を有する化合物、例えば、Lipacide(商標)C8G、Lipacide(商標)UG、Sepicontrol(商標)A5、Octopirox(商標)又はSensiva(商標)SC50;賦活性又は刺激性を有する化合物、例えば、Physiogenyl(商標)、パンテノール及びその誘導体、例えば、Sepicap(商標)MP;抗加齢有効成分、例えば、Sepilift(商標)DPHP、Lipacide(商標)PVB、Sepivinol(商標)、Sepivital(商標)、Manoliva(商標)、Phyto-Age(商標)、Timecode(商標);Survicode(商標);抗光老化有効成分;表皮真皮境界部の完全性を保護する有効成分;コラーゲン、エラスチン又はグリコサミノグリカンなど細胞外マトリックスの成分の合成を増加させる有効成分;サイトカインなど化学的な細胞コミュニケーションに対する好都合な作用を有する有効成分、又はインテグリンなど物理的な細胞コミュニケーションに対する好都合な作用を有する有効成分;皮膚に「温かさ」の感覚をもたらす有効成分、例えば、皮膚の微小循環の活性化剤(ニコチン酸誘導体など)又は皮膚に「冷たさ」の感覚をもたらす製品(メントール及び誘導体など);皮膚の微小循環を増加させる有効成分、例えば循環改善薬(venotonics);排出性(draining)有効成分;充血緩和作用を有する有効成分、例えば、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba)、ツタ、ウマクリ、タケ、ラスカス(Ruscus)、ナギイカダ、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、ヒバマタ、ローズマリー又はヤナギの抽出物;皮膚を日焼け又は褐色化する作用物質、例えば、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリトルロース、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、アロキサン又はニンヒドリン、植物抽出物、例えば、欧州特許出願第0971683号明細書に記載のものなどのプテロカルプス・サンタリヌス(Pteropcarpus santalinus)、プテロカルプス・オスン(Pterocarpus osun)、プテロカルプス・ソヤウキシイ(Pterocarpus soyauxii)、プテロカルプス・エリナセウス(Pterocarpus erinaceus)、プテロカルプス・インディカス(Pterocarpus indicus)又はバフィア・ニティダ(Baphia nitida)などのプテロカルプス(Pterocarpus)属及びバフィア(Baphia)属の紅木(red woods)の抽出物;ヒト皮膚の日焼け及び/若しくは褐色化の促進及び/若しくは加速におけるその作用で、並びに/又はヒト皮膚を着色するその作用で知られている作用物質、例えばカロテノイド(及びより詳細にはβ-カロテン及びγ-カロテン)、商標名Carrot Oil(INCI名:ダウカス・カロタ(Daucus carrota)、ヘリアンサス・アンナス(Helianthus annuus)ヒマワリ油)でProvitalにより販売されている、カロテノイド、ビタミンE、及びビタミンKを含む製品;紫外線への曝露との組合せでヒト皮膚の日焼けの加速に対するその効果で知られているチロシン及び/又はその誘導体、例えば、チロシン及びリボフラビン(ビタミンB)を含む商標名SunTan Accelerator(商標)でProvitalにより販売されている製品、商標名Zymo Tan ComplexでZymo Lineにより販売されているチロシンとチロシナーゼの複合体、アセチルチロシンを含む商標名MelanoBronze(商標)(INCI名:アセチルチロシン、セイヨウニンジンボク抽出物(バイテックス・アグヌス・カストゥス(Vitex agnus-castus)))でMibelleにより販売されている製品、商標名Unipertan VEG-24/242/2002(INCI名:ブチレングリコール、アセチルチロシン、加水分解野菜タンパク、及びアデノシン三リン酸)でUnipexにより販売されている製品、マローシードの抽出物(又はヘチマ油)を含む商標名Try-Excell(商標)(INCI名:オレオイルチロシン、ルファ・キリンドリカ(Luffa Cylindrica)種子油、及びオレイン酸)でSedermaにより販売されている製品、商標名Actibronze(商標)(INCI名:加水分解コムギタンパク、アセチルチロシン、及びグルコン酸銅)でAlban Mullerにより販売されている製品、商標名Tyrostan(商標)(INCI名:カプロイルチロシンカリウム)でSynergaにより販売されている製品、商標名Tyrosinol(INCI名:イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸グリセリル、カプロイルチロシン)でSynergaにより販売されている製品、商標名InstaBronze(商標)(INCI名:ジヒドロキシアセトン、アセチルチロシン、及びグルコン酸銅)でAlban Mullerにより販売されている製品、商標名Tyrosilane(INCI名:メチルシラノール及びアセチルチロシン)でExymolにより販売されている製品;メラニン形成の活性化におけるその効果で知られているペプチド、例えば商標名Bronzing SF Peptideパウダー(INCI名:デキストラン及びオクタペプチド-5)でInfinitec Activosにより販売されている製品、そのアルファ-MSHアゴニスト作用のために知られているアセチルヘキサペプチド-1を含む商標名Melitane(INCI名:グリセリン、水、デキストラン、及びアセチルヘキサペプチド-1)で販売されている製品、商品名Melatimes Solutions(商標)(INCI名:ブチレングリコール、パルミトイルトリペプチド-40)でLipotecにより販売されている製品、糖及び糖誘導体、例えば商標名Tanositol(商標)(INCI名:イノシトール)でProvitalにより販売されている製品、海洋由来のオリゴ糖(マグネシウム及びマンガンイオンとキレート化されたグルロン酸及びマンヌロン酸)を含む商標名Thalitan(商標)(又はPhycosaccharide(商標)AG)でCODIF Internationalにより販売されている製品(INCI名:水、加水分解アルギン(ラミナリア・ディギタータ(Laminaria digitata))、硫酸マグネシウム、及び硫酸マンガン)、商標名Melactiva(商標)(INCI名:マルトデキストリン、ムクナ・プルリエンス(Mucuna Pruriens)種子抽出物)でAlban Mullerにより販売されている製品、フラボノイドに富む化合物、例えば、商標名Biotanning(INCI名:加水分解されたシトラス・オーランティアム・ダルシス(Citrus Aurantium Dulcis)果実抽出物)でSilabにより販売され、(ヘスペリジンタイプの)レモンフラボノイドに富むことが知られている製品;髪及び/又は体毛の治療向けの作用物質、例えば、メラノサイトの老化及び/又はアポトーシスの原因である細胞毒性剤から前記メラノサイトを保護することが意図されている毛包の前記メラノサイトを保護するための作用物質、例えば、番号EP1515688A2号で公開された欧州特許出願に記載のものから選択されるドーパクロムタウトメラーゼの活性のミメティクス、SODを模倣する合成物質、例えばマンガン錯体、酸化防止化合物、例えばシクロデキストリン誘導体、アスコルビン酸、リジンピロリドンカルボキシレート又はアルギニンピロリドンカルボキシレートから誘導されたケイ素化合物、ケイ皮酸とビタミンCのモノ-及びジエステルの組合せ、より一般的には、番号EP1515688A2号で公開された欧州特許出願に言及されているものがある。
【0127】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る抗酸化剤の例としては、EDTA及びその塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、酢酸トコフェロールなどのトコフェロール誘導体、並びにAkzo NobelによりINCI名グルタミン酸ジ酢酸4ナトリウムで販売されているDissolvine(商標)GL 47Sなどの酸化防止化合物の混合物がある。
【0128】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る日焼け止め剤の例としては、改正Cosmetics Directive 76/768/EEC Annex VIIに列記されているものがある。
【0129】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る有機日焼け止め剤としては、安息香酸誘導体のファミリー、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)、特にPABAのモノグリセロールエステル、N,N25-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル又はN,N-ジメチルPABAのブチルエステル;N-アセチルアントラニル酸ホモメンチルなどのアントラニル酸誘導体のファミリー;サリチル酸誘導体のファミリー、例えば、サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル又はサリチル酸p-イソプロピルフェニル;ケイ皮酸誘導体のファミリー、例えば、ケイ皮酸エチルヘキシル、4-イソプロピルケイ皮酸エチル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸プロピル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、p-メトキシケイ皮酸オクチル(p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル)、p-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、p-メトキシケイ皮酸シクロヘキシル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸エチル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシル又はモノ(2-エチルヘキサノイル)グリセリルジ(パラメトキシシンナメート);ベンゾフェノン誘導体のファミリー、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル4’-フェニルベンゾフェノン-2,5-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-(n-オクチルオキシ)ベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート;ウロカニン酸、ウロカン酸エチル;スルホン酸誘導体のファミリー、例えば、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩;トリアジン誘導体のファミリー、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、安息香酸の4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステル、2-フェニル-5-メチルベンゾオキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(t-オクチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザラジン(dibenzalazine);ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’’-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;ジフェニルアクリレート誘導体のファミリー、例えば、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート若しくはエチル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート;又はポリシロキサンのファミリー、例えば、ベンジリデンシロキサンマロネートがある。
【0130】
先に定義された前記組成物(F)中の油中水型エマルション(CA)と組み合わせられ得る鉱物系日焼け止め剤、別名「ミネラルサンブロック」としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄色、赤色、又は黒色酸化鉄、及び酸化クロムがある。これらのミネラルサンブロックは、微粒子化されていてもいなくてもよく、表面処理に付されていてもいなくてもよく、任意選択で水性又は油性予備分散液の形態であり得る。
【実施例
【0131】
以下の実施例は、本発明を限定せずに本発明を説明する。
【0132】
実施例1:脂肪相としてのC15~19アルカン及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=5.5~6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):ナトリウムPGGAゲルの製造:
〇110グラムの脱塩水を、凝集防止タービン(deflocculating turbine)を備えたRayneri(商標)撹拌機により与えられる機械的撹拌をしながら配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている30グラムのPGGAナトリウムを、渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で5M HCl溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.45グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのC15~19アルカン(名称Emogreen(商標)L19でSEPPICにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
【0133】
マグネティックスターラー及びマグネティックスターラーバーを使用して混合することにより有機相を均質化する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により与えられる機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RTミキサーによるローターステーターシステムにより与えられるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程h)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの濃縮されたエマルションを量り取り、2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を加える。
【0134】
混合物を撹拌して組成物(E1)を得る。
【0135】
実施例2:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=5.5~6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの製造:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)メカニカルスターラーにより与えられる撹拌をしながらビーカー中に配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAナトリウムを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):工程a)で調製した水相への、0.50グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程c):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
【0136】
マグネティックスターラー及びマグネティックスターラーバーを使用して混合することにより有機相を均質化する。
-工程d):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により与えられる機械的撹拌をしながらの、工程b)で調製した水相への、工程c)で調製した有機相の添加。
-工程e):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RTローターステーターシステムによるせん断乳化。
-工程f):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程g):工程f)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:工程f)で得られた8グラムの濃縮されたエマルションを量り取り、2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を加える。
【0137】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E2)を得る。
【0138】
実施例3:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル/C15~19アルカンの混合物及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=5.5~6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの製造:
〇100グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)メカニカルスターラーにより与えられる撹拌をしながらビーカー中に配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている30グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で、5M HCl溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.75グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇10グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇10グラムのC15~19アルカン(名称Emogreen(商標)L19でSEPPICにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar(商標)HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
【0139】
得られた混合物を、マグネティックスターラー及びマグネティックスターラーバーにより撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmでのSilverson(商標)L4RT撹拌機によるローターステーター装置によるせん断撹拌による乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの、水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程g)で得られた濃縮されたエマルションを量り取り、2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を加える。
【0140】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E3)を得る。
【0141】
実施例4:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び有機相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=5.5~6.0)(脂肪相中の架橋剤)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの製造:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらビーカー中に配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇0.50グラムのブタン1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys GE 21でEmeraldにより販売)を量り取る。
〇先に量り取った成分の混合物を、マグネティックスターラーバーを使用する磁気撹拌により撹拌する。
-工程d):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)メカニカルスターラーを使用する機械的撹拌をしながらの、工程b)で調製した水相への、工程c)で調製した有機相の添加。
-工程e):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RTローターステーターシステムを備えた撹拌機によるせん断乳化。
-工程f):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程g):工程f)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取り、それを工程f)で得られた混合物に加える。
【0142】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E4)を得る。
【0143】
実施例5:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び有機相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=4)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらビーカー中に配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で5M HCl溶液を使用する、反応媒体のpHの4への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.50グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇成分のそれぞれをビーカーに加え、混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたメカニカルスターラーにより撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RTによるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの油中水型界面活性剤の添加:8グラムの工程g)で得られた濃縮されたエマルションを量り取り、2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を加える。
【0144】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E5)を得る。
【0145】
実施例6:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=10)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用して機械的撹拌をしながら配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの10への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.50グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇種々の成分を混合し、混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーを使用して撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RT撹拌機によるせん断乳化
-工程g):減圧下で(ロータリーエバポレーター+フラスコによるか、又は真空反応器中で)軽質油及び水の蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程g)で得られた濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取る。
【0146】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E6)を得る。
【0147】
実施例7:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋され、C12~C14グリシジルエーテルにより親油化されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=6.5)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により機械的撹拌をしながら、ビーカー中に配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.5グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):工程c)で調製した水相への、2.0グラムのC12~C14グリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 08でEmeraldから販売)の添加。
-工程e):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇成分の混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーにより撹拌する。
-工程f):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機による機械的撹拌をしながらの、工程d)で調製した水相への、工程e)で調製した有機相の添加。
-工程g):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RT撹拌機によるせん断乳化。
-工程h):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程i):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程h)で得られた濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取る。
【0148】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E7)を得る。
【0149】
実施例8:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のトリメチロールエタントリグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇120グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により機械的撹拌をしながら配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている20グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6.0への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.5グラムのトリメチロールエタントリグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 31でEmeraldから販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇全ての成分の混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーにより撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RT撹拌機によるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程f)で得られた濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取る。
【0150】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E8)を得る。
【0151】
実施例9:パルミチン酸オクチル中の本発明の架橋PGA(Na)濃縮逆ラテックスの調製
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)メカニカルスターラーによる、PGGAナトリウムゲルの製造:
〇110グラムの脱塩水を、撹拌しながらビーカー中に配置し、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)メカニカルスターラーにより撹拌する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている30グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で5M HCl溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.72グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのイソステアリン酸ソルビタン(名称Montane(商標)70でSEPPICにより販売)を量り取る。
〇3グラムの、商標名Simaline(商標)IE 200でSEPPICにより販売されているトール油ジエタノールアミドからなる混合物を量り取る。
〇2グラムの、商標名Hypermer(商標)6212でCrodaにより販売されているポリマー性界面活性剤を量り取る。
〇50グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇全ての成分の混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーを使用して撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RTメカニカルスターラーによるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの濃縮されたエマルション及び1グラムのポリソルベート80(名称Montanox(商標)80でSEPPICにより販売)を量り取る。
【0152】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E9)を得る。
【0153】
実施例10:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)により架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇130グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により機械的撹拌をしながら配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている10グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.25グラムのエチレングリコールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)EGDGEでEmeraldによる販売)の添加
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇上記全成分からなる混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーにより撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson(商標)L4RT撹拌機によるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程f)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程g)で得られた濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取る。
【0154】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E10)を得る。
【0155】
実施例11:脂肪相としてのパルミチン酸エチルヘキシル及び水相中のブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテルにより架橋されたPGGAナトリウムで構成された本発明の濃縮された油中水型エマルションの調製(pH=6.0)
合成プロセスは以下の工程を含む:
-工程a):PGGAナトリウムゲルの調製:
〇100グラムの脱塩水を、凝集防止タービンを備えたRayneri(商標)撹拌機により機械的撹拌をしながら配置する。
〇商標名「Cosmetic Grade Sodium PolyGammaGlutamate」でLubonにより販売されている40グラムのPGGAを渦流にゆっくりと加える。
-工程b):20℃の温度で4M NaOH溶液を使用する、反応媒体のpHの5.5~6への調整。
-工程c):工程b)で調製した水相への、0.80グラムのブタン-1,4-ジオールジグリシジルエーテル(名称Erisys(商標)GE 21でEmeraldにより販売)の添加。
-工程d):100グラムビーカー中での有機相の調製:
〇5グラムのオレイン酸ソルビタン(名称Montane(商標)80 VGでSEPPICにより販売)を量り取る。
〇5グラムのジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2(名称Dehymuls(商標)PGPHでBASFにより販売)を量り取る。
〇20グラムのパルミチン酸エチルヘキシル(名称DUB POでStearinerie Duboisにより販売)を量り取る。
〇30グラムのC11~12イソパラフィン(名称Isopar HでExxonMobil Chemicalにより販売)を量り取る。
〇秤量された全成分からなる混合物を、マグネティックスターラーバーを備えたマグネティックスターラーにより撹拌する。
-工程e):予備乳化:凝集防止タービンを備えたRayneri撹拌機を使用する機械的撹拌をしながらの、工程c)で調製した水相への、工程d)で調製した有機相の添加。
-工程f):2分間7500rpmのスピードでのSilverson L4RT撹拌機によるせん断乳化。
-工程g):反応器中で、減圧下での軽質油及び水の真空蒸留。
-工程h):工程g)で得られた濃縮されたエマルションへの水中油型界面活性剤の添加:8グラムの工程g)で得られた濃縮されたエマルション及び2グラムのラウリン酸ポリグリセリル-6を量り取る。撹拌(Stirring)
【0156】
混合物を、室温で、中程度のスピードの機械的撹拌により均質化して、組成物(E11)を得る。
【0157】
本発明の組成物(E1)~(E11)の評価。本発明の組成物(E1)~(E11)を以下に記載の通り評価する:
-192グラムの水を、400ml寸胴(high-sided)ビーカーに量り取る。
-凝集防止タービンを備えたRayneri撹拌機を使用する機械的撹拌をしながら8グラムの組成物(E1)~(E11)を加える。
-均質ゲルが得られるまで撹拌する。
-適切なスピンドルを選択して、Brookfield RVT粘度計を5rpmのスピードで使用して、均質ゲルの動的粘度を測定する。
-0.1重量%の塩化ナトリウムを、先に得られたゲルに加えて、凝集防止タービンを備えたRayneriメカニカルスターラーにより撹拌する。
-次いで、適切なスピンドルを選択して、Brookfield RVT粘度計を5rpmのスピードで使用して、この新規ゲルの動的粘度を測定する。
【0158】
結果を以下の表1に並べる。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
本発明の組成物(E1)~(E11)は、非架橋ガンマ-ポリグルタミン酸ナトリウムから得られた水性ゲル(「対照試験」)と比べて、増粘された水性ゲルを得ることを可能にする。
【0162】
そのため、2重量%のポリマーパーセンテージ含量で、組成物(E1)及び(E3)により得られた水性ゲルは、それぞれ76000mPa.s及び91600mPa.sの粘度を有するが、非架橋ガンマ-ポリグルタミン酸ナトリウムにより得られた水性ゲル(「対照試験」)は176mPa.sの粘度を特徴とする。
【0163】
同様に、2重量%未満のポリマーパーセンテージ含量で、組成物(E2)、(E4)、(E8)、(E9)、及び(E10)により得られた水性ゲルは、それぞれ124000mPa.s、117200mPa.s、9540mPa.s、91800mPa.s及び78000mPa.sの粘度を有するが、2重量%の非架橋ガンマ-ポリグルタミン酸ナトリウムにより得られた水性ゲル(「対照試験」)は176mPa.sの粘度を特徴とする。
【国際調査報告】