(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ベルトプラー及びベルト端部を引き合わせるための方法
(51)【国際特許分類】
B65G 17/38 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
B65G17/38 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539109
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021064804
(87)【国際公開番号】W WO2022159231
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴルペッティ,マシュー
(57)【要約】
モジュラーコンベヤベルトを引っ張るための方法及びその方法を実行するためのベルトプラー。ベルトプラーは、一方の端部に、モジュラーコンベヤベルトの一端にあるヒンジ要素と交互配置されるアイレットを有する。アイレット及びヒンジ要素を通るロッドがベルトをプラーに接続し、プラーを使用してベルトを引っ張ることができる。未接続のベルトの2つの端部は、各端部にベルトプラーを接続し、ベルトプラーをラチェットストラップ又は他の引っ張りツールと接合し、ストラップを引き締めて端部を引き合わせることによって、引き合わせることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトプラーであって、
第1の側部及び対向する第2の側部、
前記第1の側部と前記第2の側部との間を横方向に延在する第1の端部及び対向する第2の端部、
前記第1の端部に沿って横方向に離間して配置された複数の整列アイレット、を含むプラー本体、
長セグメントを短セグメントに対して非共線関係に維持する屈曲セグメントによって接続された前記長セグメント及び前記短セグメントを有するロッド、を備え
前記長セグメントは前記アイレットを通して延在可能である、ベルトプラー。
【請求項2】
前記プラー本体は、前記ロッドの前記短セグメントの一端を受容するために、前記第1の側部において前記第1の端部に沿ったノッチを含む、請求項1に記載のベルトプラー。
【請求項3】
前記プラー本体は、前記ロッドの前記短セグメントの一端を受容するために、前記第2の側部において前記第1の端部に沿った第2のノッチを含む、請求項2に記載のベルトプラー。
【請求項4】
前記プラー本体は、前記第2の端部を貫く孔を含む、請求項1に記載のベルトプラー。
【請求項5】
前記プラー本体は、前記第1の端部と前記第2の端部との間でかつ前記第1の側部と前記第2の側部との間に開口部を含んでハンドルを形成する、請求項1に記載のベルトプラー。
【請求項6】
前記アイレットは、モジュラーコンベヤベルトの連続するヒンジ要素間の間隙に篏合するようにサイズ決定された横幅を有する、請求項1に記載のベルトプラー。
【請求項7】
前記ロッドは、前記プラー本体から取り外し可能である、請求項1に記載のベルトプラー。
【請求項8】
ベルト引っ張りシステムであって、
第1の端部に沿って離間して配置された複数の整列アイレット、
対向する第2の端部にある取り付け点、
前記アイレットを貫いて延在可能なロッド、を各々が含む、一対のベルトプラー、
前記一対のベルトプラー間に前記取り付け点で取り付けられた引っ張りツール、を備える、ベルト引っ張りシステム。
【請求項9】
前記取り付け点は、前記ベルトプラーを貫く孔として前記第2の端部に形成されており、前記引っ張りツールは、前記孔に引っ掛かるフックを対向する端部に有する、請求項8に記載のベルト引っ張りシステム。
【請求項10】
各ベルトプラーの前記アイレットは、モジュラーコンベヤベルトの連続するヒンジ要素間の空間に篏合するようにサイズ決定された横幅を有する、請求項8に記載のベルト引っ張りシステム。
【請求項11】
各ベルトプラーの前記ロッドは、前記アイレットから取り外し可能である、請求項8に記載のベルト引っ張りシステム。
【請求項12】
前記引っ張りツールは、ラチェットストラップ又はカムアロングである、請求項8に記載のベルト引っ張りツール。
【請求項13】
モジュラーコンベヤベルトの開放端を引っ張るための方法であって、
(a)ベルトプラーの一端に沿ったアイレットをモジュラーコンベヤベルトの連続するヒンジ要素間の間隙に挿入すること、
(b)前記アイレットを、前記ヒンジ要素を貫くアパーチャと整列させること、
(c)プラーロッドを前記アイレット及び前記ヒンジ要素を貫く前記アパーチャを通して延在させること、
(d)前記ベルトプラーを前記モジュラーコンベヤベルトから遠ざかるように牽引して、前記モジュラーコンベヤベルトを引っ張ること、を含む、方法。
【請求項14】
前記アイレットは、前記モジュラーコンベヤベルトの開放端に沿った、連続するヒンジ要素間の間隙に挿入される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(a)の前に、前記ベルトの前記開放端の内側にあるヒンジ接合部からヒンジロッドを取り外すことと、
そのロッドが取り外された前記ヒンジ接合部にある前記ベルトモジュールの端部を持ち上げて、その端部にあるそのヒンジ要素をアクセス可能にすることと、を含み、
次いで、ステップ(c)及び(d)を実行する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記2つの開放端間の空間にわたって、前記ベルトの対向する開放端に第2のベルトプラーを用いてステップ(a)~(c)を実行すること、
前記2つのベルトプラー間に引っ張りツールを取り付けること、
前記引っ張りツールを引き締めて、前記2つの対向する開放端を引き合わせること、
前記ヒンジ要素から前記プラーロッドを取り外すこと、
前記2つの開放端の前記ヒンジ要素を交互配置すること、
前記2つの開放端に沿った、前記交互配置されたヒンジ要素を通してヒンジロッドを挿入して、前記モジュラーコンベヤベルトを閉じること、を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明は、モジュラーコンベヤベルトの端部を引っ張るためのツール及びベルト端部を引き合わせる際に使用するための方法に関する。
【0002】
モジュラーコンベヤベルトは、一連のベルトモジュール列が、ヒンジロッドによって合わせて連結されて、連続する列間のヒンジ接合部においてヒンジロッドの周りで関節運動することができるコンベヤベルトになるように構成されている。新しいベルトが、その対向する端部が互いに接続されずに、受容される。長さのあるベルトが、駆動スプロケット及びアイドルスプロケットの周りのコンベヤに取り付けられ、下方の戻りではシュー又はローラーによって、及び上方の運搬路では摩耗ストリップによって支持されている。設置又はメンテナンスの間、ベルトの未接続の対向する端部がベルトを閉じるように引き合わされ、したがって、ヒンジロッドを、長さのあるベルトの対向する端部にある2つの列の間のヒンジ接合部に挿入することができる。いったんヒンジロッドが挿入されると、ベルトは、無限ベルトループを形成する。
【0003】
ベルトの対向する端部が接合される前、戻りのベルトの重量により、2つの端部が引き離される傾向にある。運搬路上でそれらの端部を手で引き合わせることは、特に、長く、幅広く、そして重いベルトでは困難である。各端部にあるベルトの厚さを貫く開口部に引っ掛けられ、ラチェットストラップによって接続されるベルトプラーが、通常、対向するベルト端部を引き合わせるために使用される。しかし、十分な空き領域を有するベルトでうまく機能するプラーは、ほとんど又はまったく空き領域を有さないベルトでは、必ずしもうまく機能しない。
【発明の概要】
【0004】
ベルトプラーの1つのバージョンは、プラー本体及びロッドを備える。プラー本体は、第1の側部及び対向する第2の側部と、第1の側部と第2の側部との間を横方向に延在する第1の端部及び対向する第2の端部と、を有する。整列アイレットが、第1の端部に沿って横方向に離間して配置されている。ロッドは、長セグメントを短セグメントに対して非共線関係に維持する屈曲セグメントによって接続された長セグメント及び短セグメントを有する。長セグメントは、アイレットを貫いて延在可能である。
【0005】
ベルト引っ張りシステムの1つのバージョンは、一対のベルトプラーと引っ張りツールとを備える。ベルトプラーの各々は、第1の端部に沿って離間して配置された整列アイレットと、対向する第2の端部にある取り付け点と、アイレットを貫いて延在することができるロッドと、を含む。引っ張りツールは、一対のベルトプラー間に取り付け点で取り付けられる。
【0006】
モジュラーコンベヤベルトの開放端を引っ張るための方法は、(a)ベルトプラーの一端に沿ったアイレットをモジュラーコンベヤベルトの連続するヒンジ要素間の間隙に挿入することと、(b)アイレットを、ヒンジ要素を貫くアパーチャと整列させることと、(c)プラーロッドを、アイレット及びヒンジ要素を貫くアパーチャを通して延在させることと、(d)ベルトプラーをモジュラーコンベヤベルトから遠ざかるように牽引してモジュラーコンベヤベルトを引っ張ることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、取り付けられたベルトプラーの1つのバージョンを有するコンベヤベルトのセクションの等角図である。
【
図2】
図2は、
図1のようなコンベヤベルトの未接続の端部に取り付けられ、ラチェットストラップによって接合された、
図1のような2つのベルトプラーの等角図である。
【
図3】
図3は、ベルトプラーが未接続のベルト端部の内側にあるベルトモジュールに接続されている、
図2のような等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、連続する列間のヒンジ接合部22においてヒンジロッド20によって接合されたベルトモジュール18の列16で構成されたモジュラーコンベヤベルト14の開放端12に接続されたベルトプラー10を示す。ヒンジロッド20は、連続する列16の交互配置されたヒンジ要素28、29の整列アパーチャ26によって形成された横方向通路24に受容される。ベルトプラー10は、第1の側部及び第2の対向する側部32、33と、第1及び第2の側部間を横方向に延在する第1の端部及び第2の端部34、35とを有するプラー本体30を備える。アイレット36(この例では3つ)が、第1の端部34の外側に延在し、それに沿って横方向に離間している。
【0009】
ベルトプラー10は、コンベヤベルト14の開放端12に接続されている。プラーのアイレット36は、横方向に連続するヒンジ要素28間の間隙38に嵌合する。アイレット36は、間隙38に篏合するようにサイズ決定された横幅を有する。そして、アイレット36は、横方向では、ヒンジ要素28の横方向ピッチの整数倍に配置されている。いったんベルトプラーのアイレット36が間隙38内に固定されると、ロッド40が、アイレット及びヒンジ要素29の整列アパーチャ26によって形成された横方向通路を通して挿入される。次いで、ベルトプラーをモジュラーコンベヤベルトセクションから遠ざかる方向に牽引することによって、コンベヤベルト14をベルトプラー10によって引っ張ることができる。
【0010】
この実施例に示されたベルトプラー10は、第1の端部34と第2の端部35との間でかつ第1の側部32と第2の側部33との間にプラー本体30の開口部42を有してハンドルを形成し、それは、手で引っ張るのに便利である。第2の端部35を貫く孔44は、ラチェットストラップ又は他の引っ張りツールを取り付けることができる取り付け点を提供する。この例示的なバージョンに示されたロッド40は、屈曲セグメント48によって接続された長セグメント46及び短セグメント47を有する。長セグメント46は、ベルトプラー10をコンベヤベルト14にそのヒンジ要素29を通して接続するために使用される。この実施例に示されたように、短セグメント47は、長セグメント46に対して90°の角度で配置されているが、他の角度を使用することができる。したがって、長セグメント46と短セグメント47とは、共線形ではない。第1の側部32においてプラー本体30の第1の端部34に沿って形成されたノッチ50は、挿入されたロッドを安定させるためにロッド40の短セグメント47の端部を受容する。第2のノッチ51もまた、対向する第2の側部33において第1の端部34に沿って形成されて、ロッド40が他方の方向から通路に挿入されることを可能にすることができる。しかし、短セグメントのないロッドを、ベルトプラー10に使用することができることは明らかなはずである。例えば、一方の端部にヘッドを有するロッドを使用することができる。その場合、ノッチ50、51は不要となろう。ベルトプラー10は、ベルトのヒンジ要素29に受容されるロッドを使用するので、ほとんど又はまったく空き領域を有さないベルトにも、十分な空き領域を有するベルトにも、有用である。
【0011】
図2は、モジュラーコンベヤベルト14の2つの対向する開放端52、53が、ラチェットストラップ54などの引っ張りツールによって接続された2つのベルトプラー10、10’を含むベルト引っ張りシステムによってどのように引き合わされるかを示す。ラチェットストラップ54は、中央ラチェット機構58に一端で取り付けられた固定長のウェビング56を含む。第2の長さのウェビング57の自由端が、ラチェット機構58を通して延在している。ハンドル60は、第2の長さのウェビング57を、ラチェット機構58を通して前進させて、ヒンジロッドによって接合することができるように2つのベルトセクション52、53を引き合わせ、次いで、プラーロッド40が引き抜かれる。ウェビング56、57の外側端部にあるフック62が、プラー10、10’の孔44に引っ掛けられる。ラチェットの有無にかかわらず、2つのプラー10、10’の間に接続されたカムアロング、ウィンチ、及び他のケーブル又はロープシステムなどの他の引っ張りツールを使用することができる。
【0012】
図3は、2つのベルトセクション52、53の開放端66、67の内側にあるベルトモジュール64、65のヒンジ要素28、29に接続されたプラー10、10’を示す。ヒンジロッドがモジュール64、65から引き抜かれた後、ベルト14の開放端66、67に近いほうの端部が持ち上げられ、次いで、ベルトプラー10、10’に接続される。プラーアイレット36が、持ち上げられたモジュール64、65のヒンジ要素間の間隙に挿入される。アイレット36は、ヒンジ要素を貫くアパーチャと整列される。次いで、プラーロッド40が、整列アパーチャ及びアイレットによって形成された横方向通路を通して延在される。ラチェットストラップ54が、2つのプラー10、10’間に引っ掛けられ、引き締められると、ベルト14の2つの開放端66、67を互いに向かって牽引し、したがって、それらを接合することができる。いったん開放端にある交互配置されたヒンジ要素のアパーチャが横方向に整列されると、ヒンジロッドが通路に挿入されて、2つの端部66、67を合わせて連結する。次いで、プラーロッド40はベルトモジュール64、65から取り外され、ヒンジロッドが再挿入されて、無限ベルトループを形成する。
【国際調査報告】