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特表2024-502959部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウの通信装置と通信方法
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  • 特表-部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウの通信装置と通信方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウの通信装置と通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20240117BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20240117BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240117BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20240117BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/25
H04W92/18
H04W72/231
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539915
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 SG2021050698
(87)【国際公開番号】W WO2022154750
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10202100540W
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(31)【優先権主張番号】10202103261R
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】シム ホン チェン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トラン スアン トゥオン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067EE71
5K067JJ13
(57)【要約】
本開示は、部分センシングを伴う新しい無線(NR:New Radio)サイドリンクユーザ機器(UE:User Equipment)のための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための通信装置および通信方法を提供する。通信装置は、動作時、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択する回路と、動作時、時間リソースの第1のサブセットの選択された一部分においてサイドリンク(SL)信号を送信する送信部と、を備える通信装置を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、前記第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、前記時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択する回路と、
動作時、前記時間リソースの第1のサブセットの前記選択された一部分においてサイドリンク(SL)信号を送信する送信部と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記回路は、基準タイムスロットに基づいて前記リソースセンシングおよび/または前記リソース選択をトリガするようにさらに設定され、前記第1の複数の時間リソースは前記基準タイムスロットより前であり、前記第2の複数の時間リソースは前記基準タイムスロットより後である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記回路は、部分センシングリソース選択のための時間フレームである第3の複数の時間リソースを決定するようにさらに設定され、前記時間リソースの第1のサブセットは、前記第3の複数の時間リソースと前記第1の複数の時間リソースとの交差部分である、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記回路は、前記第2の複数の時間リソースから部分センシングのためのセンシングウィンドウである時間リソースの第2のサブセットを決定するようにさらに設定される、
請求項1から3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記回路は、部分センシングリソースセンシングのための時間フレームである第4の複数の時間リソースを決定するようにさらに設定され、前記時間リソースの第2のサブセットは、前記第4の複数の時間リソースと前記第2の複数の時間リソースとの交差部分である、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記回路は、前記通信装置をシステムタイミングに同期させるようにさらに設定され、前記第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、前記システムタイミングに基づいて決定される、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第4の複数の時間リソースは、前記第3の複数の時間リソースと同一の時間フレームである、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、式、計算ルール、またはビットマップに基づいて決定され、前記式、計算ルール、またはビットマップは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって定義される、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットを含む、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項10】
前記時間リソースの第1のサブセットは、式、計算ルール、またはビットマップ通知を使用して前記第1の複数の時間リソースから決定されるか、または係数値を前記第1の複数の時間リソースに適用することによって決定され、第1の係数は0より大きくかつ1未満であり、前記式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、前記基準タイムスロットを基準に定義され、前記式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって設定される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項11】
前記時間リソースの第2のサブセットは、式、計算ルール、またはビットマップ通知を使用して前記第2の複数の時間リソースから決定されるか、または係数値を前記第1の複数の時間リソースに適用することによって決定され、第1の係数は0より大きくかつ1未満であり、前記式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、前記基準タイムスロットを基準に定義され、前記式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって設定される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項12】
前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットは、優先度、輻輳レベル、および/またはCBR/CRに基づいて決定され、前記時間リソースの第1のサブセットおよび前記時間リソースの第2のサブセットのタイムスロットの最大数および/または最小数は、式、計算ルール、ビットマップ、または事前設定されたリストに基づいて決定される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項13】
前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットは、前記通信装置と他の通信装置との間で異なる、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項14】
前記第1の複数の時間リソースが、前記通信装置と他の通信装置との間で同一である場合であっても、前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットは、前記通信装置と前記他の通信装置との間で異なる、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項15】
第1のタイムスロットにおける前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットは、第2のタイムスロットにおける前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットとは異なる、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項16】
前記通信装置の前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記時間リソースの第2のサブセットは、前記通信装置および/または他の通信装置のUEID、基地局によって通知される値、優先度、輻輳レベル、CBR/CRおよびUEタイプのうちの少なくとも1つに基づいて、前記他の通信装置の前記時間リソースの第1のサブセットおよび/または前記他の通信装置の前記時間リソースの第2のサブセットとは異なる、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項17】
前記通信装置は、前記時間リソースの第2のサブセットにおいて、かつ、前記時間リソースの第1のサブセットにおける前記選択された一部分における前記SL信号の送信中にアクティブであり、前記第1の複数の時間リソースおよび前記第2の複数の時間リソースにおける他の時間リソースの場合は非アクティブである、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項18】
リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、前記第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、
前記時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択し、前記時間リソースの第1のサブセットの前記選択された一部分においてサイドリンク(SL)信号を送信する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための通信装置および通信方法に関し、より具体的には、部分センシングを伴う新しい無線(NR:New Radio)サイドリンクユーザ機器(UE:User Equipment)のための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドリンク(SL)通信は、車両が、V2X(Vehicle-to-everything)アプリケーションを介して公道および他の道路ユーザとやり取りすることを可能にし、したがって、自動運転車両を現実にする際の重要な要素と考えられている。他のSLアプリケーションとして、P2PまたはI2P(インフラストラクチャから歩行者へ、またはR2P路側機から歩行者への)通信が含まれる。
【0003】
さらに、5G NRに基づくSL通信(NR SL通信ともいい、相互に言い換え可能である)が、高度なV2Xサービスのための技術的解決策を特定するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)によって議論されている。SL通信により、車両(すなわち、V2Xアプリケーションをサポートする通信装置またはユーザ機器(UE)ともいい、相互に言い換え可能である)は、他の近くの車両、インフラストラクチャノード、および/または歩行者とSLを介して自身の状態情報を交換することができる。状態情報は、位置、速度、方位などの情報を含む。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 38.300 v16.3.0
【非特許文献2】3GPP TS 38.211 v16.3.0
【非特許文献3】TS 23.502
【非特許文献4】ITU-R M.2083
【非特許文献5】TR 38.913
【非特許文献6】TS 23.287 v16.4.0
【非特許文献7】RP-202846
【非特許文献8】ETSI TR 103 300-1
【非特許文献9】TS38.214
【非特許文献10】TS36.213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための通信装置および方法については議論されていない。
【0006】
したがって、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための実現可能な技術的解決策を提供する通信装置および方法が必要とされている。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示の背景技術と併せることで、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的かつ例示的な実施の形態、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための通信装置および通信方法を提供することに資する。
【0008】
本開示の第1の実施の形態によれば、動作時、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、前記第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、前記時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択する回路と、動作時、前記時間リソースの第1のサブセットの前記選択された一部分においてサイドリンク(SL)信号を送信する送信部と、を備える、通信装置が提供される。
【0009】
本開示の第2の実施の形態によれば、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、前記第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、前記時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択し、前記時間リソースの第1のサブセットの前記選択された一部分においてサイドリンク(SL)信号を送信する、通信方法が提供される。
【0010】
なお、一般的な実施の形態または具体的な実施の形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実施できることに留意されたい。
【0011】
開示されている実施の形態のさらなる恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施の形態および特徴によって、個別にうることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数をうる目的で、実施の形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の実施の形態は、一例にすぎないが、以下の説明からまた図面と関連付けて、より良く理解され、当業者に容易に明らかになるであろう。
図1】例示的な3GPP NR-RANアーキテクチャを示す図
図2】NG-RANと5GCとの間の機能的分割を示す概略図
図3】無線リソース制御(RRC:radio resource control)接続のセットアップ/再設定手順のシーケンス図
図4】enhanced Mobile BroadBand(eMBB)、massive Machine Type Communications(mMTC)、およびUltra Reliable and Low Latency Communications(URLLC)の利用シナリオを示す概略図
図5】非ローミングシナリオにおけるV2X通信のための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図
図6】様々な実施の形態による、NRフルセンシング動作のためのセンシングウィンドウおよび選択ウィンドウの図
図7】様々な実施の形態による、LTEフルセンシング動作のためのセンシングウィンドウおよび選択ウィンドウの図
図8】一例による、部分センシングのための選択ウィンドウ内のスロットの図
図9】他の例による、部分センシングのための選択ウィンドウ内のスロットを示す他の図
図10】様々な実施の形態による、システムタイミングを基準にして、部分センシングのための選択ウィンドウのためのスロットがどのように決定されるかを示す図
図11】一例による、部分センシングのためのセンシングウィンドウ内のスロットの図
図12】他の例による、部分センシングのためのセンシングウィンドウ内のスロットを示す他の図
図13】様々な実施の形態による、システムタイミングを基準にして、部分センシングのためのセンシングウィンドウのためのスロットがどのように決定されるかを示す図
図14】様々な実施の形態による通信方法を示すフロー図
図15】様々な実施の形態に係る通信装置の例の概略図
【0013】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明確に説明されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。例えば、本実施の形態をより理解できるようにするために、図、ブロック図、またはフローチャート中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に関して誇張されうる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいくつかの実施の形態を、一例として、図面を参照して説明する。図面中の同様の参照番号および文字は、同様の要素または等価の要素を指す。
【0015】
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代携帯電話技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格(rel.15)の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。最新バージョン(rel.16)が2020年6月にリリースされた。これにより、IMT-2020による最初の完全な3GPP 5Gシステムのための提案が完了し、サイドリンク通信のより高度な機能が実現される。
【0016】
特に、システムアーキテクチャは、全体としては、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation - Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに接続されている。また、gNBは、Next Generation(NG)インタフェースによってNGC(Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを行う特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(User Plane Function)(例えば、UPFを行う特定のコアエンティティ)に接続されている。NG-RANアーキテクチャを図1に示す(例えば、非特許文献1の第4節参照)。
【0017】
NRのユーザプレーンのプロトコルスタック(例えば、非特許文献1の第4.4.1節参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol(非特許文献1の第6.4節参照))サブレイヤ、RLC(Radio Link Control(非特許文献1の第6.3節参照))サブレイヤ、およびMAC(Medium Access Control(非特許文献1の第6.2節参照))サブレイヤを含む。また、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)のサブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)がPDCPの上に導入されている(例えば、非特許文献1の第6.5節参照)。また、制御プレーンのプロトコルスタックがNRのために定義されている(例えば、非特許文献1の第4.4.2節参照)。レイヤ2の機能の概要が非特許文献1の第6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ、非特許文献1の第6.4節、第6.3節、および第6.2節に列挙されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献1の第7節に列挙されている。さらに、サイドリンク通信が、非特許文献1で導入されている。サイドリンクは、サイドリンクリソース割当モード、物理レイヤ信号/物理レイヤチャネル、および物理レイヤ手順を使用するUE間の直接通信をサポートする(たとえば、非特許文献1の第5.7節参照)。
【0018】
例えば、Medium-Access-Controlレイヤは、論理チャネルの多重化と、様々なニューメロロジーを扱うことを含むスケジューリングおよびスケジューリング関連の諸機能と、を扱う。
【0019】
例えば、物理レイヤ(PHY)は、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、および適切な物理的時間-周波数リソースへの信号のマッピングの役割を担う。また、物理レイヤは、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを扱う。物理レイヤは、MACレイヤにトランスポートチャネルの形でサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、物理チャネルは、上りリンクではPRACH(Physical Random Access Channel)、上りリンクではPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、下りリンクではPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、およびPBCH(Physical Broadcast Channel)である。さらに、物理サイドリンクチャネルは、物理サイドリンク制御チャネル(Physical Sidelink Control Channel(PSCCH))、物理サイドリンク共有チャネル(Physical Sidelink Shared Channel(PSSCH))、物理サイドリンクフィードバックチャネル(Physical Sidelink Feedback Channel(PSFCH))、物理サイドリンク報知チャネル(Physical Sidelink Broadcast Channel(PSBCH))を含む。
【0020】
NRのユースケース/配備シナリオには、データレート、レイテンシ、およびカバレッジの点で多様な要件を有するenhanced mobile broadband(eMBB)、ultra-reliable low-latency communications(URLLC)、massive machine type communication(mMTC)が含まれ得る。例えば、eMBBは、IMT-Advancedが提供するデータレートの3倍程度のピークデータレート(下りリンクにおいて20Gbpsおよび上りリンクにおいて10Gbps)および実効(user-experienced)データレートをサポートすることが期待されている。一方、URLLCの場合、より厳しい要件が超低レイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシについてULおよびDLのそれぞれで0.5ms)および高信頼性(1ms内において1-10-5)について課されている。最後に、mMTCでは、好ましくは高い接続密度(都市環境において装置1,000,000台/km)、悪環境における広いカバレッジ、および低価格の装置のための極めて寿命の長い電池(15年)が求められうる。
【0021】
そのため、1つのユースケースに適したOFDMのニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長、スケジューリング区間毎のシンボル数)が他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低レイテンシのサービスでは、好ましくは、mMTCのサービスよりもシンボル長が短いこと(したがって、サブキャリア間隔が大きいこと)および/またはスケジューリング区間(TTIともいう)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい配備シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。サブキャリア間隔は、同様のCPオーバーヘッドが維持されるように状況に応じて最適化されるべきである。NRがサポートするサブキャリア間隔の値は、1つ以上であってよい。したがって、現在、15kHz、30kHz、60kHz…のサブキャリア間隔が考えられている。シンボル長Tおよびサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tによって直接関係づけられている。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」を、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから設定される最小のリソース単位を意味するように使用することができる。
【0022】
新無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジーおよび各キャリアについて、サブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが上りリンクおよび下りリンクのそれぞれに定義される。リソースグリッドの各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域の周波数インデックスおよび時間領域のシンボル位置に基づいて特定される(非特許文献2参照)。
【0023】
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0024】
Access and Mobility Management Function(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- Access Stratum(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送信の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- Session Management Function(SMF)の選択。
【0025】
さらに、User Plane Function(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- intra-RATモビリティ/inter-RATモビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの施行(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート強制(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0026】
最後に、Session Management Function(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのUser Plane Function(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー施行およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0027】
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(非特許文献1参照)。移行ステップは以下の通りである。
1.UEは、RRC_IDLE状態から新しい接続をセットアップすることを要求する。
2/2a.gNBがRRCセットアップ手順を完了する。
(注記:gNBが要求を拒否するシナリオを以下において説明する。)
3.RRCSetupCompleteにおいてピギーバック方式で送られたUEからの第1のNASメッセージが、AMFに送信される。)
4/4a/5/5a.追加的なNASメッセージが、UEとAMFとの間で交換されうる。非特許文献3の参考文献[22](3GPP TS 23.122:「アイドルモードにおける移動局に関連する非アクセス層(NAS)機能」)を参照されたい。
6.AMFは、UEコンテキストデータ(PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、およびUEセキュリティ能力等を含む)を準備し、gNBに送信する。
7/7a.gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブにする。
8/8a.gNBは、SRB2およびDRBをセットアップするための再設定を実行する。
9。gNBは、セットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0028】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線性能(UE Radio Capability)、UEセキュリティ性能(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、Signaling Radio Bearer 2(SRB2)およびData Radio Bearer(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0029】
図4は、5G NRのためのユースケースのいくつかを示す。3rd generation partnership project new radio(3GPP NR)では、多種多様なサービスおよびアプリケーションをサポートすることがIMT-2020によって構想されていた3つのユースケースが検討されている。大容量・高速通信(eMBB:enhanced mobile-broadband)のための第一段階の仕様の策定が終了している。現在および将来の作業には、eMBBのサポートを拡充していくことに加えて、高信頼・超低遅延通信(URLLC:ultra-reliable and low-latency communications)および多数同時接続マシンタイプ通信(mMTC:massive machine-type communications)のための規格化が含まれる。図4は、2020年以降のIMTの想定される使用シナリオのいくつかの例を示す(例えば、非特許文献4の図2参照)。
【0030】
URLLCのユースケースには、スループット、レイテンシ(遅延)、および可用性のような性能についての厳格な要件があり、URLLCのユースケースは、工業生産プロセスまたは製造プロセスのワイヤレス制御、遠隔医療手術、スマートグリッドにおける送配電の自動化、交通安全等の今後のこれらのアプリケーションを実現するために必要なものの1つとして構想されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献5によって設定された要件を満たす技術を特定することによってサポートされる。リリース15におけるNR URLLCでは、重要な要件として、目標とするユーザプレーンのレイテンシがUL(上りリンク)で0.5ms、DL(下りリンク)で0.5msであることが含まれている。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーンのレイテンシが1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0031】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQI表、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰返し等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0032】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なニューメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定されたグラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰返し、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCS表が含まれる。
【0033】
mMTC(massive machine type communication)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0034】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムが信頼性を無線の観点およびネットワークの観点から向上させることができる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰返し、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシティがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0035】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(10-6レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0036】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰返し、PDCCHの監視の増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの強化、および再送信/繰り返しの強化が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含むTransmission Time Interval(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを備える)。
【0037】
5GのQoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0038】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば図3を参照して上に示したように少なくとも1つのData Radio Bearers(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0039】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャ(non-roaming reference architecture)を示す(非特許文献6の第4.2.1.1節参照)。Application Function(AF)(例えば、図4に例示した、5Gのサービスをホストする外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供、例えば、トラフィックのルーティングにアプリケーションの影響を与えること、Network Exposure Function(NEF)にアクセスすること、またはポリシー制御(例えば、QoS制御)のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(Policy Control Function(PCF)参照)をサポートするために3GPPコアネットワークとやり取りする。オペレーターによる配備に基づいて、オペレーターによって信頼されていると考えられるApplication Functionは、関連するNetwork Functionと直接やり取りすることができる。Network Functionに直接アクセスすることがオペレーターから許可されていないApplication Functionは、NEFを介することにより外部に対する解放フレームワークを使用して関連するNetwork Functionとやり取りする。
【0040】
図5は、V2X通信用の5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、5GCにおけるUnified Data Management(UDM),Policy Control Function(PCF),Network Exposure Function(NEF),Application Function(AF),Unified Data Repository(UDR),Access and Mobility Management Function(AMF),Session Management Function(SMF),およびUser Plane Function(UPF)、ならびにV2X Application Server(V2AS)およびData Network(DN;例えば、オペレーターによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0041】
本開示では、アプリケーションサーバ(たとえば、図5のV2Xアプリケーションサーバ)が、非特許文献6の第5.4節に定義されるように、V2X通信のためのQoS要件を処理するために提供されうる。
【0042】
UEの省電力については、rel.17のV2X WID(非特許文献7)で論じられている。省電力化により、バッテリに制約があるUEが高い電力効率でサイドリンク動作を実行することができる。Rel-16のNRサイドリンクでは、例えば、十分なバッテリ容量を有する車両に設置されたUEのみに焦点を当てて、UEがサイドリンクを動作させる「常時オン(always-on)」の想定に基づいて設計される。V2Xユースケースにおける脆弱な道路ユーザ(VRU:Vulnerable Road User)と、UEにおける電力消費が最小化される必要がある公共安全および商用ユースケースにおけるUEと、のためにRel-17における省電力化のための解決策が必要とされている。
【0043】
非特許文献8によれば、以下のタイプの道路ユーザが脆弱な道路ユーザとみなされている。
- 歩行者(小児、高齢者、ジョギング中の人を含む)。
- 緊急時対応者、安全作業者、道路作業者。
- 馬や犬、関連する野生動物(以下の注記を参照)などの動物。
- 車いす利用者、ベビーカー。
- 電気エンジンを搭載している可能性があるスケーター、スケートボーダー、セグウェイ。
- 25km/hに速度制限された自転車および電動アシスト自転車(e-バイク)(電動アシスト自転車、クラスL1e-A[i.8])。
- 25km/h以上の高速e-バイク(クラスL1e-B[i.8])。
- 電動二輪車(PTW:Powered Two Wheeler)、モペッド(スクーター)(クラスL1e[i.8])。
- PTW、オートバイ(クラスL3e[i.8]);
- 45km/hに制限されたPTW、三輪車(クラスL2e、L4e、L5e[i.8]);
- 45km/hに制限されたPTW、四輪車(クラスL5e およびL6e[i.8])。
- 注記:関連する野生動物は、他の道路ユーザ(VRU、車両)に安全性のリスクを与える動物のみである。
【0044】
規則(EU)168/2013[i.8]の附属書1の分類を考慮してもよい。
【0045】
また、RAN1#103-e会合において、rel.17においては省電力リソース割当方式として部分センシングをサポートすることが合意されたが、未だ定義されていない。NRおよびLTEのためのフルセンシング(full sensing)手順は、3GPPによって定義されており、いずれのフルセンシングも連続スロットのセンシングウィンドウおよび選択ウィンドウを特徴としている。例えば、図6は、センシングウィンドウ602および選択ウィンドウ604を有するNRフルセンシング動作の略図600であり、図7は、センシングウィンドウ702および選択ウィンドウ704を有するLTEフルセンシング動作の略図700である。
【0046】
図6では、非特許文献9の第8.1.4節を参照して、UEは、時間間隔[n+T,n+T](すなわち、選択ウィンドウ604)内における対応するリソースプールに含まれる連続するLsubCH個のサブチャネルの任意のセットが、1つの単一スロットリソース候補に対応すると想定する。ここで、Tの選択は、0≦T≦Tproc,1 SLの条件下でUEの実装次第であり、Tproc,1 SLは、非特許文献9の表8.1.4-2において、スロット単位で定義されており、μSLは、SL帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)のサブキャリア間隔(SCS:Subcarrier Spacing)設定であり、T2minが残りのパケット遅延バジェット(スロット単位)よりも短い場合、Tは、T2min≦T≦残りのパケットバジェット(スロット単位)となることを前提としてUEの実装次第であり、上記範囲外の場合、Tは残りのパケット遅延バジェット(スロット単位)に設定される。
【0047】
図7では、UEは、時間間隔[n+T,n+T](すなわち、選択ウィンドウ704)内における(非特許文献10の14.1.5に記載される)対応するPSSCHリソースプールに含まれる連続するLsubCH個サブチャネルの任意のセットが、1つの単一サブフレームリソース候補に対応すると想定する。TおよびTの選択は、T2min(prioTX)がprioTXに対して上位レイヤによって提供される場合はT≦4かつT2min(prioTX)≦T≦100であり、提供が無い場合は20≦T≦100の条件下でUEの実装次第である。UEのTの選択は、遅延要件を満たすものとする。
【0048】
図6および図7の両方において、SLグラントが受信される時間t=nにおいて、UEは、自身の選択ウィンドウ(将来のタイミング)における自身のリソース選択のために、自身のセンシングウィンドウ(過去のタイミング)においてPSCCHのセンシングを行う。
【0049】
定義済みのLTE部分センシング手順の場合、選択ウィンドウは、UEの実装に依存する離散サブフレームのサブセットからなる。選択ウィンドウ内の各サブフレームについて、センシングサブフレームは、(LTEでの報知が多くの場合は周期的であるので)空中衝突の機会を低減するために報知の周期性に一致する周期的サブフレームのセットである。全ての対応するセンシングサブフレームは、部分センシングのためのセンシングウィンドウからなる。
【0050】
しかし、3GPPではまだ定義されていないため、選択ウィンドウがNR部分センシングのためにどのように決定されるかが不明である。LTE部分センシングでは、選択ウィンドウのためのサブフレームは、UEの実装に依存し、UE間の協調はない。LTEにおけるSLトラフィックは、多くの場合は周期的であるが、NRには、より非周期的なSLトラフィックが存在する。したがって、センシングウィンドウ/選択ウィンドウは、両方の場合で異なるように設計される。定義されるべきNR部分センシング方式は、LTEのように常にアクティブなのではなく、センシングおよび選択を実行するときにのみアクティブでありうる電力が限られたハンドセットUEに適用される可能性が最も高い。
【0051】
したがって、部分センシング動作を実行するNR UEの場合、選択ウィンドウのスロットは、LTEの場合のようにUEの実装次第ではなく、パターンとして事前定義されうる。このようなパターンを定義するためのルールには様々なアプローチがあってよい。このようなパターンを、対応するセンシングウィンドウにも適用してよい。有利なことに、選択ウィンドウ/センシングウィンドウのためのパターンを利用することによって、リソース利用が、周期的トラフィックと非周期的トラフィックの両方に対してより効率的になる。また、潜在的なUE間の空中送信衝突は、大部分回避/緩和される。
【0052】
図8を参照する一実施の形態では、t=nにおける部分センシングトリガリング(たとえば、設定されたSLグラント)に基づくUEのためのサイドリンクリソース選択のためのスロットの選択ウィンドウパターンが、t=nをタイミングの基準として定義される。選択ウィンドウパターンは、式または予め定義された計算ルールによって実現されうる。例えば、t=nを基準とする[n+T,n+T]のフルセンシングのための対応する選択ウィンドウ804内のt=nからk個目のスロットごと(またはk個目のスロットごとの連続するいくつかのスロット)が、部分センシング(すなわち、部分センシングのための選択ウィンドウ802内のスロット)のために定義され得、図8のケースでは、k=2である。また、同じk=2の他のUEであっても、当該他のUEの選択ウィンドウパターンは異なっていてもよい。たとえば、当該他のUEのための選択ウィンドウパターンは、選択ウィンドウ802中のスロットが図8のUEのためのものであり、選択ウィンドウ804中の残りのスロットが当該他のUEのための部分センシングのためのものであるように、t=n+1をタイミングの基準として定義されうる。部分センシングのための選択ウィンドウパターンと、タイミングの基準と、に対する他の変形が可能であることが理解されよう。
【0053】
スロットは、離散的または周期的である必要はない。パターンは、t=nを基準にして、仕様、gNBまたはUE等の他の通信装置、規定者(regulator)、またはUEベンダによって予め定義されたビットマップであってもよい。パターンは、gNBなどの他の通信装置から通知されうる。パターンを、フルセンシングのための対応する選択ウィンドウ内の連続スロットの短縮ウィンドウとすることもできる。これは、乗算係数M(0<M≦1)または他の規則を適用することによって実現可能である。例えば、M=0.5の図9の例900では、部分センシングのための選択ウィンドウ902は、[n+T,n+floor(M×T)]内のすべての適用可能なスロットであり、フルセンシングのための対応する選択ウィンドウ904は、[n+T,n+T]である。係数Mは、信号情報ブロック(SIB:Signal Information Block)、RRC、設定されたSLグラント、および他の同様の方法によって明示的に通知され得るか、または仕様においてもしくはいくつかの計算ルールによって事前定義され得る。さらに、動作は、周期的送信または非周期的送信のいずれかに適用することができる。
【0054】
図10の略図1000および1010を参照する一実施の形態では、t=n(たとえば、設定されたSLグラント)における部分センシングトリガリングに基づくサイドリンクリソース選択のために、スロット1004の選択ウィンドウパターンが、システムタイミング(たとえば、絶対的なスロット番号)をタイミングの基準として定義される。パターンは、フルセンシングのための時間フレーム(すなわち、フルセンシングのための対応する選択ウィンドウ1006(略図1000の絶対的なスロット番号n1の場合)または選択ウィンドウ1008(略図1010の絶対的なチャネル番号n2の場合)と、絶対タイミング(すなわち、略図1000の絶対的なスロット番号n1または図1010のn2)をタイミングの基準とした事前に定義されたスロットオケージョン1002と、の交差部分(intersection)でありうる。例えば、図10における所定のスロットオケージョンは、floor(t/j)(ここで、j=2)のスロットである。略図1000の時間フレームは、[n+T,n+T]のフルセンシングのための対応する選択ウィンドウ1006であり、図1010の時間フレームは、[n+T,n+T]のフルセンシングのための対応する選択ウィンドウ1008である。
【0055】
スロットオケージョンは、仕様、gNB、規定者、またはUEベンダによって、式、ビットマップ、または記述規則を使用して定義されうる。スロットオケージョンは、離散的であっても連続的であってもよく、周期性があってもなくてもよい。さらに、動作は、周期的送信または非周期的送信のいずれかに適用されうる。
【0056】
図8および図9に示されるような動作または図10に示されるような動作のいずれかの場合、スロットの選択ウィンドウパターンは、t=nをタイミングの基準として定義され得、必ずしもLTEのように選択ウィンドウ内のスロットに依存しない。選択ウィンドウパターンは、式または予め定義された計算ルールによって実現されうる。
【0057】
図11の略図1100をさらに参照すると、センシングウィンドウパターンは、t=nを基準として[n-T、n-Tproc,0]のフルセンシングのための対応するセンシングウィンドウ1102内のt=nからp個目のスロットごと(またはp個目のスロットごとの連続するいくつかのスロット)として定義されうる。スロットは、LTEにおいてと同様に、周期的である必要も、離散的である必要もない。
【0058】
パターンは、仕様、gNBまたはUEなどの他の通信装置、規定者、またはUEベンダによって予め定義されたビットマップ(ワンタイムまたは再利用可能のビットマップ)であり得る。パターンは、gNBなどの他の通信装置から通知されうる。また、パターンは、乗算係数N(0<N≦1)または他の規則を適用することによって実現され得るように、フルセンシングのための対応するセンシングウィンドウの短縮された連続ウィンドウであってもよい。例えば、N=0.5である図12の略図1200を参照すると、部分センシングのためのセンシングウィンドウ1202は、[n-floor(N×T),n-Tproc,0]内の全ての適用可能なスロットであり、一方、フルセンシングのための対応するセンシングウィンドウ1204は、[n-T,n-Tproc,0]である。乗算係数は、SIB、RRC、設定されたSLグラントおよび他の同様の方法を介して明示的に通知され得るか、または仕様においてもしくはいくつかの計算ルールによって事前定義され得る。さらに、動作は、周期的送信または非周期的送信のいずれかに適用可能である。
【0059】
図8および図9に示されるような動作または図10に示されるような動作のいずれかの場合、スロットの選択ウィンドウパターンは、システムタイミング(たとえば、絶対的なスロット番号)をタイミングの基準として定義され得、必ずしもLTEのように選択ウィンドウ内のスロットに依存しない。パターンは、絶対タイミングをタイミングの基準として予め定義されたスロットオケージョンとの時間フレーム(たとえば、フルセンシングのための対応する選択ウィンドウ)の交差部分でありうる。
【0060】
図13の略図1300および1310(ここで、q=2)をさらに参照すると、事前定義されたスロットオケージョン1302は、floor(t/q)のスロットであり、一方、フレームは、[n-T、n-Tproc,0]のフルセンシングのための対応するセンシングウィンドウ(すなわち、略図1300の対応するセンシングウィンドウ1306および図1310の対応するセンシングウィンドウ1308)である。スロットオケージョン1302と対応するセンシングウィンドウ1306および1308との間に生じる交差部分は、部分センシングのためのセンシングウィンドウのためのスロット1304である。スロットオケージョン1302は、仕様、gNB、規定者、またはUEベンダによって定義され得、離散的であっても連続的であってもよく、周期性があってもなくてもよい。動作は、周期的送信または非周期的送信のいずれかに適用されうることが理解されよう。
【0061】
同じUEについて、異なる優先度、輻輳レベル、チャネルビジー比/変更要求(channel busy ratio/change request(CBR/CR))などを考慮して、パターンは異なってもよい。システムタイミング(またはt=n)をタイミングの基準とする選択ウィンドウパターンまたはセンシングウィンドウパターンのいずれかについて、同じセル(または国/領域)内のすべてのUEが、それらUEの予備リソースまたはプリエンプション信号などのために事前定義されたスロットオケージョンを使用することを試みるべきである。これにより、部分センシングを実行するUEが、空中衝突を回避することができる。サイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)による予備が最大32スロットである場合、32スロットごとに少なくとも1つのタイミングオケージョンが存在すべきである。予備は、スタンドアロンPSCCHもしくはダミーPSSCHを伴うPSCCHによる第1の段階のSCI、または第2の段階のSCIによるものでありうる。これは、周期的送信または非周期的送信のいずれかに適用することができる。
【0062】
対応するフルセンシングウィンドウ[n-T,n-Tproc,0 SL]内の非センシングスロットにおいては、UEはできるだけ省電力のためにスリープモード(マイクロスリープ/ライトスリープ/ディープスリープ)に入るべきである。離散的なスロットからなるパターンの場合、タイミング距離は、適用可能な場合、ディープ/ライトスリープの規定の遷移時間よりも大きくなるように設計されうる。
【0063】
フルセンシングのために設定されるリソースプールは、フルセンシング動作を伴うUE専用であってよく、一方、部分センシングのために設定されたリソースプールは、部分センシング動作を伴うUE専用であってよい。代替的に、部分センシングのために設定されたリソースプールは、フルセンシング動作または部分センシング動作を伴うUEによってアクセス可能であるか、またはその逆に、フルセンシングのために設定されたリソースプールは、フルセンシング動作または部分センシング動作を伴うUEによってアクセス可能である。
【0064】
フルセンシングを伴うUEと部分センシングを伴うUEの両方のためにアクセス可能な部分センシングプールの場合、フルセンシングUEは、部分センシングプールが部分センシング動作を伴うUEに対して優先されるように、フルセンシングプール中のリソースを使用しようと試みるべきである。さらに、「任意の組合せ」のリソースプールの場合、フルセンシング動作(または部分センシング)を伴うUEがより多くの特権を有するべきであるか、あるいは、フルセンシング動作を伴うUEと、部分センシング動作を伴うUEとが等しく扱われうる。
【0065】
図14は、様々な実施の形態による通信方法を示すフロー図1400を示す。ステップ1402において、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、が決定される。ステップ1404において、時間リソースの第1のサブセットの一部分が選択される。ステップ1406において、時間リソースの第1のサブセットの選択された一部分においてSL信号が送信される。
【0066】
図15は、図1図14に示される様々な実施の形態および例による、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのために実施され得る通信装置1500の部分概略図を示す。通信装置1500は、様々な実施の形態によるUEとして実装され得る。
【0067】
通信装置1500の各種の機能や動作は、階層モデルに従って各レイヤに配置されている。このモデルでは、下位レイヤは、3GPP仕様に従って上位レイヤに報告を行い、上位レイヤから命令を受信する。簡略化のために、階層モデルの詳細は、本開示では説明されない。
【0068】
図15に示されるように、通信装置1500は、回路1514と、少なくとも1つの無線送信部1502と、少なくとも1つの無線受信部1504と、少なくとも1つのアンテナ1512とを含みうる(簡略化のため、説明を目的として1つのアンテナのみが図15に示される)。回路1514は、少なくとも1つの制御部1506を含んでよい。制御部1506は、少なくとも1つの制御部1506が実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる。タスクとは、無線ネットワーク内の1つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む。回路1514は、少なくとも1つの送信信号生成部1508と、少なくとも1つの受信信号処理部1510とをさらに含んでよい。少なくとも1つの制御部1506は、少なくとも1つの無線送信部1502を介して1つ以上の他の通信装置に送信される信号(例えば、地理領域を示す信号)を生成するための少なくとも1つの送信信号生成部1508と、少なくとも1つの制御部1506の制御下で1つ以上の他の通信装置から少なくとも1つの無線受信部1504を介して受信される信号(例えば、地理領域を示す信号)を処理するための少なくとも1つの受信信号処理部1510とを制御してよい。少なくとも1つの送信信号生成部1508および少なくとも1つの受信信号処理部1510は、図15に示されるように、上述の機能のために少なくとも1つの制御部1506と通信する通信装置1500のスタンドアロンモジュールであってよい。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成部1508および少なくとも1つの受信信号処理部1510は、少なくとも1つの制御部1506に含まれうる。これらの機能モジュールの配置が柔軟であり、実際の必要性および/または要件に応じて変化してよいことは、当業者には明らかである。データ処理、仮想記憶、および他の関連する制御装置は、適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。様々な実施の形態では、動作時、少なくとも1つの無線送信部1502、少なくとも1つの無線受信部1504、および少なくとも1つのアンテナ1512は、少なくとも1つの制御部1506によって制御されうる。
【0069】
通信装置1500は、動作時、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウに必要とされる機能を提供する。たとえば、通信装置1500は、UEであり得、回路1514は、動作時、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、第1の複数の時間リソースからの、部分センシングのための選択ウィンドウである時間リソースの第1のサブセットと、を決定し、時間リソースの第1のサブセットの一部分を選択してよい。無線送信部1502は、動作時、時間リソースの第1のサブセットの選択された一部分においてSL信号を送信してよい。
【0070】
回路1514は、基準タイムスロットに基づいてリソースセンシングおよび/またはリソース選択をトリガするようにさらに設定され得、第1の複数の時間リソースは基準タイミングスロットより前であり、第2の複数の時間リソースは基準タイムスロットより後である。回路1514は、第3の複数の時間リソースを決定するようにさらに設定され得、第3の複数の時間リソースは、部分センシングリソース選択のための時間フレームであり、時間リソースの第1のサブセットは、第3の複数の時間リソースと第1の複数の時間リソースとの交差部分である。
【0071】
時間リソースの第1のサブセットは、式、計算ルール、またはビットマップ通知を使用して第1の複数の時間リソースから決定されうるか、または係数値を第1の複数の時間リソースに適用することによって決定され得、第1の係数は、0よりも大きくかつ1未満であり、式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、基準タイムスロットを基準に定義され、式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって設定される。時間リソースの第2のサブセットは、式、計算ルール、またはビットマップ通知を使用して第2の複数の時間リソースから決定されうるか、または係数値を第1の複数の時間リソースに適用することによって決定され得、第1の係数は、0よりも大きくかつ1未満であり、式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、基準タイムスロットを基準に定義され、式、計算ルール、ビットマップ通知、または係数値は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって設定される。時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットは、優先度、輻輳レベル、および/またはCBR/CRに基づいて決定され得、時間リソースの第1のサブセットおよび時間リソースの第2のサブセットのタイムスロットの最大数および/または最小数は、式、計算ルール、ビットマップ、または事前設定されたリストに基づいて決定される。時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットは、通信装置と他の通信装置との間で異なっていてもよい。通信装置と他の通信装置との間で第1の複数の時間リソースが同一であるとしても、時間リソースの第1のサブセットおよび/又は時間リソースの第2のサブセットは、通信装置と他の通信装置との間で異なっていてもよい。第1のタイムスロットにおける時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットは、第2のタイムスロットにおける時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットとは異なっていてもよい。通信装置の時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットは、通信装置および/または他の通信装置のUEID、基地局によって通知される値、優先度、輻輳レベル、CBR/CRおよびUEタイプのうちの少なくとも1つに基づいて、他の通信装置の時間リソースの第1のサブセットおよび/または時間リソースの第2のサブセットとは異なっていてもよい。通信装置は、時間リソースの第2のサブセットにおいて、かつ、時間リソースの第1のサブセットにおける選択された一部分におけるSL信号送信中にアクティブであり、第1の複数の時間リソースおよび第2の複数の時間リソースにおける他の時間リソースの場合は非アクティブであってよい。
【0072】
回路1514は、第4の複数の時間リソースを決定するようにさらに設定され得、第4の複数の時間リソースは、部分センシングリソースセンシングのための時間フレームであり、時間リソースの第2のサブセットは、第4の複数の時間リソースと第2の複数の時間リソースとの交差部分である。回路1514は、通信装置をシステムタイミングに同期させるようにさらに設定され得、第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、システムタイミングに基づいて決定される。第4の複数の時間リソースは、第3の複数の時間リソースと同一の時間フレームであってよい。第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、式、計算ルール、またはビットマップに基づいて決定され得、式、計算ルール、またはビットマップは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダによって定義されうる。第3のおよび/または第4の複数の時間リソースは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットを含む。
【0073】
(制御信号)
本開示において、本開示に係る下りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC Control Element(CE)を介して送信される信号(情報)であってもよい。下りリンク制御信号は、予め定義された信号(情報)であってもよい。
【0074】
本開示に係る上りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC CEを介して送信される信号(情報)であってもよい。また、上りリンク制御信号は、予め定義される信号(情報)であってもよい。上りリンク制御信号は、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)、第1段階サイドリンク制御情報(SCI: sildelink control information)、または第2段階SCIでありうる。
【0075】
(基地局)
本開示において、基地局は、例えば、送受信点(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、遠隔無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地局送受信部(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット(base unit)、またはゲートウェイでありうる。また、サイドリンク通信では、基地局の代わりに端末が用いられてもよい。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置でありうる。基地局は、路側機でありうる。
【0076】
(上りリンク/下りリンク/サイドリンク)
本開示は、上りリンク、下りリンク、およびサイドリンクのいずれに適用されてもよい。
【0077】
本開示は、例えば、PUSCH、PUCCH、およびPRACH等の上りリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCH等の下りリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)等のサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0078】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、下りリンク制御チャネル、下りリンクデータチャネル、上りリンクデータチャネル、上りリンク制御チャネルの一例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれ、サイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれ、報知チャネルの例であり、PRACHは、ランダムアクセスチャネルの例である。
【0079】
(データチャネル/制御チャネル)
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれに適用されてもよい。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/またはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルと置き換えられ得る。
【0080】
(参照信号)
本開示では、参照信号は、基地局と移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)またはパイロット信号と呼ばれることがある。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information - Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のうちのいずれかでありうる。
【0081】
(時間間隔)
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルの1つまたは組合せに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットのサブスロット、ミニスロット、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボル、または他の時間リソース単位などの時間リソース単位であってよい。1スロットに含まれるシンボルの数は、上述した実施の形態で例示したシンボルの数に限定されるものではなく、他のシンボルの数であってもよい。
【0082】
(周波数帯域)
本開示は、ライセンスバンドおよびアンライセンスバンドのいずれに適用されてもよい。
【0083】
(通信)
本開示は、基地局と端末との通信(Uuリンク通信)、端末と端末との通信(サイドリンク通信)、およびV2X(Vehicle to Everything)通信のいずれに適用されてもよい。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHと言い換えてもよい。
【0084】
また、本開示は、地上のネットワーク、または、衛星もしくは高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を用いた地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用することができる。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワークや、超広帯域送信ネットワークのようにシンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワークにも適用されうる。
【0085】
(アンテナポート)
アンテナポートは、1つまたは複数の物理アンテナから形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートとは、必ずしも1つの物理アンテナを指すもためはなく、複数のアンテナ等からなるアレーアンテナを指す場合もある。例えば、アンテナポートを構成する物理アンテナの数は定義されておらず、その代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することを許可される最小単位として定義される。アンテナポートはまた、プリコーディングベクトル重み付けの乗算のための最小単位として定義されうる。
【0086】
以下のステートメントが、本開示において説明されている。
【0087】
(ステートメント1)
動作時、リソース選択のための第1の複数の時間リソースと、リソースセンシングのための第2の複数の時間リソースと、を設定し、
動作時、前記第1の複数の時間リソースから時間リソースの第1のサブセットを設定する回路と、
動作時、前記時間リソースの第1のサブセットの一部分においてサイドリンク信号を送信する送信部と、を備える、
通信装置。
【0088】
(ステートメント2)
前記時間リソースの第1のサブセットは、前記通信装置と他の通信装置との間で異なり得る。
【0089】
(ステートメント3)
前記第1の複数の時間リソースが前記通信装置と前記他の通信装置との間で同一である場合であっても、前記時間リソースの第1のサブセットは、前記通信装置と他の通信装置との間で異なり得る。
【0090】
(ステートメント4)
前記回路は、動作時、前記第2の複数の時間リソースから時間リソースの第2のサブセットをさらに設定する。
【0091】
(ステートメント5)
前記時間リソースの第2のサブセットは、前記通信装置と他の通信装置との間で異なり得る。
【0092】
(ステートメント6)
第2の複数の時間リソースが前記通信装置と他の通信装置との間で同一である場合であっても、前記時間リソースの第2のサブセットは、前記通信装置と前記他の通信装置との間で異なり得る。
【0093】
(ステートメント7)
前記時間リソースの第1のサブセットおよび前記時間リソースの第2のサブセットは、周期的サイドリンク送信または非周期的サイドリンク送信のいずれかに適用され得る。
【0094】
(ステートメント8)
前記回路は、動作時、トリガリングタイムスロット/決定されたタイムスロットに基づいて、前記リソースセンシングおよび/またはリソース選択をトリガ/識別する。
【0095】
前記第1の複数の時間リソースは、前記トリガリングタイムスロット/決定されたタイムスロットより前であり、前記第2の複数の時間リソースは、前記トリガリングタイムスロット/決定されたタイムスロットより後である。
【0096】
(ステートメント9)
前記時間リソースの第1のサブセットは、式または計算ルールを使用することによって前記第1の複数の時間リソースから識別可能であり、前記式または計算ルールは、前記トリガリングタイムスロット/決定されたタイムスロットを時間の基準として定義される。
【0097】
(ステートメント10)
前記時間リソースの第1のサブセットを識別するための前記式または計算ルールは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0098】
(ステートメント11)
前記時間リソースの第1のサブセットは、前記第1の複数の時間リソースへのビットマップ通知によって識別可能であり、前記ビットマップ通知は、前記トリガリングスロット/決定されたスロットを時間の基準として関連付けられている。
【0099】
(ステートメント12)
前記時間リソースの第1のサブセットを識別するための前記ビットマップ通知は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0100】
(ステートメント13)
前記時間リソースの第1のサブセットは、前記第1の複数の時間リソースに第1の係数を適用することによって決定することができ、第1の係数は、0より大きくかつ1未満である。
【0101】
(ステートメント14)
前記時間リソースの第1のサブセットを決定するための前記第1の係数は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0102】
(ステートメント15)
前記時間リソースの第1のサブセットは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットを含む。
【0103】
(ステートメント16)
前記時間リソースの第1のサブセットは、前記第1の複数の時間リソース内で周期的に設定される。
【0104】
(ステートメント17)
第1のタイムスロットにおける前記時間リソースの第1のサブセットは、第2のタイムスロットにおける前記時間リソースの第1のサブセットとは異なり得る。
【0105】
(ステートメント18)
前記通信装置の前記時間リソースの第1のサブセットは、UEID、基地局によって通知される値、優先度、輻輳レベル、CBR/CR、およびUEのタイプのうちの少なくとも1つに基づいて、前記他の通信装置の時間リソースの第1のサブセットとは異なる。
【0106】
(ステートメント19)
前記回路は、動作時、前記通信装置をシステムタイミングに同期させる。
【0107】
(ステートメント20)
前記時間リソースの第1のサブセットは、第3の複数の時間リソースと前記第1の複数の時間リソースとの交差部分である。
【0108】
(ステートメント21)
前記第3の複数の時間リソースは、前記システムタイミングを時間の基準とする。
【0109】
(ステートメント22)
前記第3の複数の時間リソースは、式、計算ルール、またはビットマップによって識別することができる。
【0110】
(ステートメント23)
前記第3の複数の時間リソースを識別するための式、計算ルール、またはビットマップは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0111】
(ステートメント24)
前記第3の複数の時間リソースは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットからなる。
【0112】
(ステートメント25)
前記時間リソースの第2のサブセットは、式または計算ルールを使用することによって前記第2の複数の時間リソースから識別可能であり、前記式または計算ルールは、前記トリガリングタイムスロット/決定されたタイムスロットを時間の基準とする。
【0113】
(ステートメント26)
前記時間リソースの第2のサブセットを識別するための式または計算ルールは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0114】
(ステートメント27)
前記時間リソースの第2のサブセットは、前記第2の複数の時間リソースへのビットマップ通知によって識別され得、前記ビットマップ通知は、トリガリングスロット/決定されたスロットを時間の基準とする。
【0115】
(ステートメント28)
前記時間リソースの第2のサブセットを識別するためのビットマップは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0116】
(ステートメント29)
前記時間リソースの第2のサブセットは、前記第2の複数の時間リソースに第2の係数を適用することによって識別可能であり、前記第2の係数は、0よりも大きくかつ1未満である。
【0117】
(ステートメント30)
前記時間リソースの第2のサブセットを決定するための前記第2の係数は、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって識別され得る。
【0118】
(ステートメント31)
前記時間リソースの第2のサブセットは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットを含む。
【0119】
(ステートメント32)
前記時間リソースの第2のサブセットは、前記第2の複数の時間リソース内で周期的に設定され得る。
【0120】
(ステートメント33)
第1のタイムスロットにおける前記時間リソースの第2のサブセットは、第2のタイムスロットにおける前記時間リソースの第2のサブセットとは異なり得る。
【0121】
(ステートメント34)
前記通信装置の前記時間リソースの第2のサブセットは、UEID、基地局によって通知される値、優先度、輻輳レベル、CBR/CR、およびUEのタイプのうちの少なくとも1つに基づいて、他の通信装置の時間リソースの第2のサブセットとは異なる。
【0122】
(ステートメント35)
前記時間リソースの第2のサブセットは、第4の複数の時間リソースと前記第1の複数の時間リソースとの交差部分である。
【0123】
(ステートメント36)
前記第4の複数の時間リソースは、システムタイミングを時間の基準とする。
【0124】
(ステートメント37)
前記第4の複数の時間リソースは、前記第3の複数の時間リソースと同一であり得る。
【0125】
(ステートメント38)
前記第4の複数の時間リソースは、式、計算ルール、またはビットマップによって識別することができる。
【0126】
(ステートメント39)
前記第4の複数の時間リソースを識別するための前記式、計算ルール、またはビットマップは、規格化、基地局、規定者、またはUEベンダのいずれかによって定義され得る。
【0127】
(ステートメント40)
前記第4の複数の時間リソースは、周期的または非周期的のいずれかである連続的または離散的なタイムスロットを含む。
【0128】
(ステートメント41)
前記回路は、動作時、様々な優先度、輻輳レベル、CBR/CRなどに基づいて、時間リソースの様々な第1のサブセットを設定することができる。
【0129】
(ステートメント42)
前記回路は、動作時、様々な優先度、輻輳レベル、CBR/CRなどに基づいて、時間リソースの様々な第2のサブセットを設定することができる。
【0130】
(ステートメント43)
同一のセルカバレッジ下の、または同じ国/地域内の前記通信装置および他の通信装置は、同一の第3の複数の時間リソースを使用すべきである。
【0131】
(ステートメント44)
同一のセルカバレッジ下の、または同じ国/地域内の前記通信装置および他の通信装置は、同一の第4の複数の時間リソースを使用すべきである。
【0132】
(ステートメント45)
前記通信装置は、前記時間リソースの第2のサブセットにおいてのみアクティブであり、前記第2の複数の時間リソースにおける他の時間リソースの場合は非アクティブであり得る。
【0133】
(ステートメント46)
通信装置は、前記時間リソースの第1のサブセットにおける送信のために選択された時間リソースにおいてのみアクティブであり、前記第1の複数の時間リソースにおける他の時間リソースにたいしては非アクティブであり得る。
【0134】
(ステートメント47)
前記回路は、動作時、フルセンシング動作を伴う他の通信装置のための第1の複数の時間周波数リソースを設定する。
【0135】
(ステートメント48)
前記回路は、動作時、部分センシング動作を伴う他の通信装置のための第2の複数の時間周波数リソースを設定する。
【0136】
(ステートメント49)
前記回路は、動作時、フルセンシングを伴う他の通信装置および部分センシング動作を伴う他の通信装置のための第3の複数の時間周波数リソースを設定する。
【0137】
(ステートメント50)
前記第1の複数の時間周波数リソースは、フルセンシング動作を伴う前記他の通信装置専用であり得るか、またはフルセンシング動作を伴う前記他の通信装置および部分センシング動作を伴う前記他の通信装置の両方によって使用され得る。
【0138】
(ステートメント51)
前記第2の複数の時間周波数リソースは、部分センシング動作を伴う前記他の通信装置専用であり得るか、または、フルセンシング動作を伴う前記他の通信装置および部分センシングを伴う前記他の通信装置の両方によって使用され得る。
【0139】
(ステートメント52)
フルセンシング動作を伴う前記他の通信装置は、前記第1の複数の時間周波数リソースの使用を優先し、次いで、前記第3の複数の時間周波数リソースまたは前記第2の複数の時間周波数リソースの使用を優先すべきである。
【0140】
(ステートメント53)
部分センシング動作を伴う前記他の通信装置は、前記第2の複数の時間周波数リソースの使用を優先し、次いで、前記第3の複数の時間周波数リソースまたは前記第1の複数の時間周波数リソースの使用を優先すべきである。
【0141】
(ステートメント54)
前記第3の複数の時間周波数リソースは、フルセンシング動作を伴う前記他の通信装置に対してより特権を与えられ得るか、またはフルセンシング動作を伴う前記他の通信装置および部分センシング動作を伴う前記他の通信装置に対してより特権を与えられ得る。
【0142】
上述のように、本開示の実施の形態は、部分センシングを伴うNRサイドリンクUEのための選択ウィンドウおよびセンシングウィンドウのための、UEにおける省電力を有利に実現する高度な通信システム、通信方法、および通信装置を提供する。
【0143】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的にまたは全体的に、一つのLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されうる。LSIは個々のチップから設定され得、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから設定されうる。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサまたは専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されうる。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0144】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。
【0145】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物または移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、および上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0146】
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーターまたは計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在してよいあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0147】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0148】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続または連結される、制御部やセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、制御部やセンサが含まれる。
【0149】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0150】
様々な実施の形態のいくつかの特性がデバイスを参照して説明されているが、対応する特性は、様々な実施の形態の方法にも適用され、逆もまた同様であることが理解されよう。
【0151】
当業者であれば、広く記載された本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施の形態に示されるように、本開示に対して多数の変形および/または修正を行うことができることを理解するであろう。
【0152】
したがって、本実施の形態は、あらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットに関する制御情報を受信する受信部と、
前記制御情報に基づいて決定される前記時間リソースの第1のサブセットで部分的なセンシングを実行する回路と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記時間リソースの第1のサブセットは、周期性を持って離散的である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記時間リソースの第1のサブセットは、基準スロットからのXスロットごとである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記時間リソースの第1のサブセットは、他の通信装置とは異なる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングにより送信される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットに関する制御情報を受信し、
前記制御情報に基づいて決定される前記時間リソースの第1のサブセットで部分センシングを実行する、
通信方法。
【請求項7】
前記時間リソースの第1のサブセットは、周期性を持って離散的である、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記時間リソースの第1のサブセットは、基準スロットからのXスロットごとである、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項9】
前記時間リソースの第1のサブセットは、他の通信装置とは異なる、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項10】
前記制御情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングにより送信される、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項11】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットであって、部分的なセンシングに使用される前記第1のサブセットに関する制御情報を生成する回路と、
前記制御情報を送信する送信部と、
を備える基地局。
【請求項12】
前記時間リソースの第1のサブセットは、周期性を持って離散的である、
請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
前記時間リソースの第1のサブセットは、基準スロットからのXスロットごとである、
請求項11に記載の基地局。
【請求項14】
前記時間リソースの第1のサブセットは、他の通信装置とは異なる、
請求項11に記載の基地局。
【請求項15】
前記制御情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングにより送信される、
請求項11に記載の基地局。
【請求項16】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットであって、部分的なセンシングに使用される前記第1のサブセットに関する制御情報を生成し、
前記制御情報を送信する、
通信方法。
【請求項17】
前記時間リソースの第1のサブセットは、周期性を持って離散的である、
請求項16に記載の通信方法。
【請求項18】
前記時間リソースの第1のサブセットは、基準スロットからのXスロットごとである、
請求項16に記載の通信方法。
【請求項19】
前記時間リソースの第1のサブセットは、他の通信装置とは異なる、
請求項16に記載の通信方法。
【請求項20】
前記制御情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングにより送信される、
請求項16に記載の通信方法。
【請求項21】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットに関する制御情報の受信を制御する受信回路と、
前記制御情報に基づいて決定される前記時間リソースの第1のサブセットで部分的なセンシングを実行することを制御する実行回路と、
を備える集積回路。
【請求項22】
フルセンシングに使用される時間リソースの第1のサブセットであって、部分的なセンシングに使用される前記第1のサブセットに関する制御情報の生成を制御する生成回路と、
前記制御情報の送信を制御する送信回路と、
を備える集積回路。
【国際調査報告】