(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】制御可能な変位システムを備える衣料品
(51)【国際特許分類】
A41C 3/00 20060101AFI20240117BHJP
A41D 13/00 20060101ALI20240117BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A41C3/00 Z
A41D13/00 102
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540068
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021060945
(87)【国際公開番号】W WO2022146597
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エイチ ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】イウスティニア コシュカロフ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ウン キョン リー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アンドン
(72)【発明者】
【氏名】ニーナ ヤシュコヴァ
【テーマコード(参考)】
3B131
3B211
4C038
【Fターム(参考)】
3B131AA15
3B131AB03
3B131BA02
3B131BA50
3B211AA01
3B211AA05
3B211AB01
3B211AB11
3B211AC12
4C038VA04
4C038VB29
4C038VB31
4C038VC20
(57)【要約】
サポート衣服は、サポート領域を形成し、サポート領域に隣接または近接して位置する着用者の身体部分の変位を調整可能に許容または抑制するように構成された織物層を含むことができる。衣服には、変位の制御を助ける静電型接着クラッチデバイスを含めることができる。一例では、衣服には、下着衣服またはその一部が含まれる。
【選択図】
図13A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者のためのサポート衣服であって、
サポート領域を形成し、前記サポート領域に近接して位置する前記着用者の身体部分の変位を調整可能に抑制するように構成された織物層と、
前記織物層の一部に固着された中空ストラップであって、第1の電極アセンブリと、前記第1の電極アセンブリとは別個であり、前記第1の電極アセンブリと少なくとも部分的に重なり、前記第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、を有する静電型接着クラッチデバイスを収納する、前記中空ストラップと、
前記第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給するように構成された電気信号発生器であって、前記静電型接着クラッチデバイスは、前記衣服が前記サポート領域に近接する前記身体部分の変位を許容する量を選択的に調整するように構成されている、電気信号発生器と、
を含む、サポート衣服。
【請求項2】
前記サポート衣服は、スポーツブラであり、前記サポート領域は、前記スポーツブラのカップである、請求項1に記載のサポート衣服。
【請求項3】
前記中空ストラップは、第1の中空ストラップであり、前記静電型接着クラッチは、第1の静電型接着クラッチであり、前記カップは、第1のカップであり、前記サポート衣服は、更に、第2のサポート領域を形成する前記織物層の第2の部分に固着された第2の中空ストラップを含み、前記第2の中空ストラップは、第2の静電型接着クラッチデバイスを収納し、前記第2のサポート領域は、前記スポーツブラの第2のカップである、請求項2に記載のサポート衣服。
【請求項4】
前記第1および第2のクラッチデバイスがそれぞれ、個別に制御可能である、請求項3に記載のサポート衣服。
【請求項5】
前記第1および第2のクラッチデバイスは、前記サポート衣服が前記身体部分の変位を許容する量を選択的かつ同時に調整するように構成されている、請求項3に記載のサポート衣服。
【請求項6】
前記サポート衣服は、運動用サポーターであり、前記中空ストラップは、前記サポート領域を形成する前記織物層の右側に固着された右中空ストラップであり、前記サポート衣服は、更に、前記サポート領域を形成する前記織物層の左側に固着された左中空ストラップを含み、前記右および左中空ストラップのクラッチデバイスは、前記着用者の前記身体部分の変位を選択的に抑制するように構成されている、請求項1に記載のサポート衣服。
【請求項7】
更に、前記第1および第2の中空ストラップの変位を測定するように構成された各変位センサを備え、前記クラッチデバイスは、前記変位に関する前記変位センサからの情報に応答するように構成されている、請求項6に記載のサポート衣服。
【請求項8】
更に、前記静電型接着クラッチの運動を測定し、前記測定された運動に基づいて1つ以上の信号を生成するように構成された加速度計を備える、請求項1に記載のサポート衣服。
【請求項9】
前記クラッチデバイスは、前記着用者が閾値加速度を超過していることを前記測定された運動が示す場合には、前記第1および第2の電極アセンブリを固定するように構成され、そうでない場合には、前記第1および第2の電極アセンブリのうちの一方または両方の運動を可能にするように構成されている、請求項8に記載のサポート衣服。
【請求項10】
前記第1および第2の中空ストラップは、防水収納である、請求項1に記載のサポート衣服。
【請求項11】
サポート領域を有するサポート衣服の織物層を形成することと、
前記織物層の一部に固着される中空ストラップを形成することであって、前記中空ストラップは、実質的に平面状の第1の導電性部分および実質的に平面状の第2の導電性部分を有する静電型接着クラッチデバイスを収納し、前記静電型接着クラッチデバイスは、前記織物層の着用者の身体部分に対する前記サポート領域の運動を選択的に抑制または許容することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記サポート衣服は、スポーツブラであり、前記サポート領域は、前記スポーツブラのカップである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記中空ストラップは、第1の中空ストラップであり、前記静電型接着クラッチは、第1の静電型接着クラッチであり、前記サポート衣服は、更に、前記織物層の第2の部分に固着された第2の中空ストラップを備え、前記第2の中空ストラップは、実質的に平面状の第3の導電性部分および実質的に平面状の第4の導電性部分を有する第2の静電型接着クラッチデバイスを収納している、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
更に、信号発生器を使用して、前記第1および第2の静電型接着クラッチデバイスに各電気信号を供給して、前記デバイスを作動させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の静電型接着クラッチデバイスは、同時に作動または解放されるように構成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記サポート衣服は、運動用サポーターであり、前記中空ストラップは、前記サポート領域を形成する前記織物層の右側に固着された右中空ストラップであり、前記サポート衣服は、更に、前記サポート領域を形成する前記織物層の左側に固着された左中空ストラップを含み、前記右および左中空ストラップは、前記着用者の前記身体部分の変位を選択的に抑制するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
更に、前記身体部分の加速度を測定することを含み、前記静電型接着クラッチデバイスは、前記測定された加速度が閾値加速度よりも大きい場合には作動するように構成され、そうでない場合には解放するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
更に、前記サポート領域の運動を選択的に抑制または許容することと連動して、前記クラッチデバイスの電界発光部を作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
衣料物品であって、
サポート衣服に選択的に結合するためのモジュラパネルであり、
第1の電極アセンブリと、前記第1の電極アセンブリとは別個であり、前記第1の電極アセンブリに少なくとも部分的に重なっており、前記第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、前記第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給する電気信号発生器と、を有する静電型接着クラッチデバイスであって、前記衣料物品の着用時に、前記衣料物品のサポート部分が前記サポート領域に近接する身体部分の変位を許容する量を選択的に調整するように構成されている、前記静電型接着クラッチデバイス
を含む、前記モジュラパネルを備える、衣料物品。
【請求項20】
前記モジュラパネルは、更に、前記静電型接着クラッチの加速度を測定するように構成された加速度計を備え、前記クラッチデバイスは、前記測定された加速度と指定された閾値加速度との間の関係に基づいて作動するように構成されている、請求項19に記載の衣料物品。
【請求項21】
前記静電型接着クラッチデバイスは、前記クラッチデバイスの作動と連動して発光するように構成された電界発光部品を備える、請求項19に記載の衣料物品。
【請求項22】
衣料物品と共に使用するためのモジュラデバイスであって、前記デバイスは、
前記衣料物品上の対応するインタフェースと機械的に結合するように構成されたインタフェースと、
第1の電極アセンブリと、前記第1の電極アセンブリとは別個であり、前記第1の電極アセンブリと少なくとも部分的に重なり、かつ前記第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、前記第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を有する静電型接着クラッチデバイスと、
を含む、モジュラデバイス。
【請求項23】
前記モジュラデバイスの前記インタフェースは、面ファスナを含むことで、前記モジュラデバイスを前記衣料物品に結合する、請求項22に記載のモジュラデバイス。
【請求項24】
前記モジュラデバイスの前記インタフェースは、1つ以上の磁気締結具を含むことで、前記モジュラデバイスを前記衣料物品に結合する、請求項22に記載のモジュラデバイス。
【請求項25】
前記静電型接着クラッチデバイスは、前記モジュラデバイスの前記インタフェースが前記衣料物品上の前記対応するインタフェースに結合されているときに、前記衣料物品が前記衣料物品のサポート領域内で着用者の付属器官の変位を許容する量を選択的に制御するように構成されている、請求項22に記載のモジュラデバイス。
【請求項26】
更に、加速度計を備え、前記クラッチデバイスは、前記加速度計からの情報に応答して選択的に作動するように構成されている、請求項25に記載のモジュラデバイス。
【請求項27】
衣料物品であって、
ユーザの付属器官をサポートするように構成されたサポート部分と、
前記サポート部分に結合されており、前記ユーザのウエストまたは胴の周りに着用されるように構成されているバンド部分と、
前記サポート部分および前記バンド部分に結合されている伸長可能部材と、
クラッチデバイスを前記伸長可能部材に結合するように構成されているインタフェースと、
を含む、衣料物品。
【請求項28】
前記サポート部分は、前記ユーザの乳房を受け入れ、サポートするように構成されている、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記サポート部分は、前記ユーザの陰茎または睾丸を受け入れ、サポートするように構成されている、請求項27に記載の物品。
【請求項30】
前記伸長可能部材は、更に、収縮するように構成されている、請求項27に記載の物品。
【請求項31】
前記インタフェースは、面ファスナのフック部分またはループ部分を含む、請求項27に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月30日に出願された米国特許出願第63/132265号および2021年3月22日に出願された米国特許出願第63/164146号の優先権の利益を主張しており、両内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ブラジャー、トップス、ボトムス、タイツ、レギンス、下着、帽子または他のヘッドカバー等の衣料品は、様々な活動中に着用者をサポートするように構築することができる。このような衣料品は、身体のサイズや体型の違いに適応するように構成することができ、特定の活動に合わせて構成することができる。一部の衣料品は、調整機構または適応性が制限されている場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明者らは、特に、ブラジャー、タイツ、および他の様々な衣服、下着、またはベースレイヤー(本明細書ではサポート衣服とも称する)、帽子、ヘルメット、ヘッドカバー、履物、および他の衣料品等の衣料品のフィット感および機能を改善させる必要性を認識している。一例として、個人の体型に合わせてフィットさせ、様々な動的条件(例えば、活動レベルの変化)に自動的にまたは手動で調整できる適応型ブラが挙げられる。
【0004】
例えば、適応型ブラは、着用者が休息から激しい運動へと移行する際に、最大の快適性から最大の乳房サポートの範囲の設定にわたって可変に調整することができる。適応型ブラは、動作センサに連結された自動調整メカニズムを利用して、例えば、ランニング等の活動中に乳房の不要な運動を抑制するように動的な調整を行うこともできる。適応型タイツ、運動用サポーター、または後述する他の物品等の適応型衣料品は、パフォーマンスを向上させたり、怪我の可能性を低減させたりする可能性のある動的なサポートを提供することもできる。調整可能な圧縮スリーブは、回復の補助または特定の活動中における身体構造のサポートを行うことができる。本明細書で紹介する様々なサポート衣料品の多くの例について、以下の開示によって説明する。
【0005】
本明細書で使用する「サポート衣服」という用語は、ブラジャー、スポーツブラ、タンクトップ、サポート内蔵キャミソール、水着のトップス、ボディスーツ、ベースレイヤー、タイツ、圧縮パンツ、運動用サポーター、および体組織(例えば、乳房組織)および/または着用者の解剖学的構造の他の部分をサポートするのに使用される他のスタイルまたはタイプのサポート衣服等の、任意の数のサポート衣服を含むことを意味する。また、サポート衣服には、とりわけ、下着、タイツ、レギンス、ベースレイヤー(例えば、ぴったりフィットしたトップスやボトムス)、およびスリーブが含まれ得る。更に、本明細書で使用される「サポート領域」という用語は、サポート衣服の着用時に、着用者の乳房および/または生殖器を含むがこれらに限定されない、着用者の解剖学的構造の他の部分と接触する、またはそれに隣接して配置されることが意図される任意のタイプの構造を包含することを意味する。例示的な態様において、典型的な着用者の場合、サポート衣服は、例えば、着用者の右胸に接触または隣接して配置されるように構成される第1の乳房接触面と、例えば、着用者の左胸に接触または隣接して配置されるように構成される第2の乳房接触面とを備える。例示的な態様において、サポート衣服は、離れた個々の(例えば、成形または非成形の)カップを備え、各カップは乳房接触面を含み、また、各カップは個々の乳房をカバーまたはカプセル化するように構成され、または、サポート衣服は、着用者の両方の乳房に接触する単一のまたは連続的な素材のバンドで構成されてもよい。一例では、サポート衣服は、例えば、着用者の下部生殖器に接触または隣接して配置されるように構成された雄カップ接触面を備えることができる。本明細書に記載の実施例のほとんどが適応型ブラに関するものであるが、この原理は、圧縮タイツ、圧縮スリーブ、または運動用サポーター(一般に、ジョックストラップまたはカップと称される)を含むがこれらに限定されない、様々な他のサポート衣服に適用することができる。
【0006】
本発明者らは、活動レベルの変化に基づいて、とりわけ、ある種のサポート衣料品が提供するサポートを動的に修正する必要性も認識している。サポートを修正する必要性は、長期的な快適性および活動時の機能性の向上から生じる。従って、本明細書に記載のシステムおよび方法は、適応型エンジンを含む適応型サポート衣料品にコマンドを送信する制御回路と通信する、慣性計測ユニット(IMUs)、全地球測位センサ(GPS)、または心拍数モニター等の活動センサを含むことで、検出された活動レベルの変化または位置の変化または加速または減速に応じたサポートの自動変更を容易にする。これらのシステムは、パフォーマンスを損なうことなく、着用者に一日中快適さを提供することができる。本明細書に記載のシステム、方法、およびデバイスがない場合、着用者は、様々な活動に合わせてサポート衣料品を変更するか、または手動で何度も調整する必要があるかもしれない。
【0007】
本明細書で説明する活動センサには、ユーザの身体活動レベルの表示を提供する任意のセンサ、および使用中に適応型サポート衣服に加えられる力(例えば、動的または静的)の表示を提供する任意のセンサが含まれ得る。適応型サポート衣服にセンサを組み込むことで、ストラップ、レース、ケーブル、または生地の領域等、サポート構造の一部に加えられる力に関するデータを提供することができる。歪みゲージやストレッチ静電容量センサ等の特定のセンサについては、以下に説明する。
【0008】
本発明者らは、とりわけ、解決すべき課題には、静電システムまたは静電型接着システムにおけるバルク電荷の蓄積を管理または回避することが含まれることを認識している。この課題には、このようなシステムを比較的大きな電圧信号で駆動することと、電極またはシステム自体の誘電体コンポーネントにおける誘電体吸収を回避することとが含まれ得る。この課題には、更に、消費電力を削減することと、システムにおけるまたはシステム付近の漂遊電界または電流のリスクを最小化することとが含まれ得る。この課題には、更に、振動、急速な変化、または反復的な身体運動を阻止または抑制するように、迅速に作動し得るクラッチシステムを提供することが含まれてもよい。この課題には、クラッチ力やせん断力が経時的に低下することなく、例えば少なくとも毎分約100サイクル以上の速度で、数千または数百万サイクルにわたってクラッチシステムを充電および放電することが含まれ得る。換言すると、この課題には、迅速に連続して何度も作動可能な、堅牢なクラッチシステムを提供することが含まれ得る。
【0009】
このセクションは、本特許出願の主題の概要を提供することを目的としている。本発明の排他的または網羅的な説明を提供することを意図したものではない。詳細な説明を含めることで、更なる情報を提供する。
【0010】
任意の特定の要素または動作の説明を容易に識別するために、参照番号の最上位桁は、その要素が最初に登場する図面番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、適応型サポート衣服を含むことができるシステムの一部の概略図である。
図1Bは、適応型サポート衣服を含むことができるシステムの一部の概略図である。
図1Cは、適応型サポートシステムのいくつかのコンポーネントの概略的なブロック図である。
【
図2】
図2Aは、第1の静電型接着クラッチシステムの概略上面図である。
図2Bは、第1の静電型接着クラッチシステムの概略側面図である。
図2Cは、第1のクラッチシステムの一部の一例の概略図である。
【
図3】第1のクラッチシステムを含むまたは備えることができるような、静電型接着システムの一例の概略図である。
【
図4】第2のクラッチシステムの一例の概略図である。
【
図5】第1のクラッチ制御方法の一例の概略図である。
【
図6】クラッチシステムの制御例をグラフで示す、例示的ないくつかのチャートの概略図である。
【
図7】
図7A~
図7Cは、クラッチシステムのための異なる電極アセンブリの例示的な概略断面図である。
【
図8】
図8A~
図8Bは、クラッチシステムのための異なる電極アセンブリの例示的な概略上面図である。
【
図9A】様々な電極アセンブリコンポーネントまたはアセンブリの例示的な概略上面図である。
【
図9B】様々な電極アセンブリコンポーネントまたはアセンブリの例示的な概略上面図である。
【
図9C】様々な電極アセンブリコンポーネントまたはアセンブリの例示的な概略上面図である。
【
図9D】様々な電極アセンブリコンポーネントまたはアセンブリの例示的な概略上面図である。
【
図10A】静電型接着クラッチデバイスのための例示的なカプセル材料の図である。
【
図10B】静電型接着クラッチデバイスのための例示的なカプセル材料の図である。
【
図10C】静電型接着クラッチデバイスのための例示的なカプセル材料の図である。
【
図10D】クラッチ動作インジケータを有する管の一態様を示す図である。
【
図10E】例示的な電界発光ディスプレイの概略図である。
【
図12A】クラッチデバイスの導電性部材とカプセル材料との間の接合インタフェースの簡略化された例示的な側面プロファイルを含む図である。
【
図12B】クラッチデバイスの導電性部材とカプセル材料との間の接合インタフェースの簡略化された例示的な側面プロファイルを含む図である。
【
図12C】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12D】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12E】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12F】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12G】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12H】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12I】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12J】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図12K】電極アセンブリを基板とインタフェースさせるための例示的な方法の概略図である。
【
図13C】例示的な衣服制御ユニットの概略図である。
【
図14】例示的なサポート衣服アセンブリおよび使用方法の概略図である。
【
図15】組織の変位および加速度情報を示す、例示的な第1の図の概略図である。
【
図16】組織の変位および加速度情報を示す、例示的な第2の図の概略図である。
【
図17】いくつかの実施形態による、履物に使用するために構成された静電型接着システムを含む図である。
【
図18A】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18B】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18C】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18D】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18E】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18F】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図18G】静電型接着クラッチによって制御される1つ以上のアパチャを有する例示的な衣料物品の概略図である。
【
図20】
図20Aは、弛緩構成にある例示的な衣料物品を示す図である。
図20Bは、伸張構成にある例示的な衣料物品を示す図である。
図20Cは、クラッチシステムを備えた衣料物品の一部の概略断面図である。
【
図21】
図21Aは、衣料物品のスリーブにおいて、または衣料物品のスリーブと共に使用される例示的なクラッチシステムを示す図である。
図21Bは、衣料物品のスリーブにおいて、または衣料物品のスリーブと共に使用される例示的なクラッチシステムを示す図である。
図21Cは、衣料物品のスリーブにおいて、または衣料物品のスリーブと共に使用される例示的なクラッチシステムを示す図である。
【
図22A】静電型接着クラッチデバイスによって制御可能なアクセスを有するポケットを含む例示的な衣料物品の概略図である。
【
図22B】静電型接着クラッチデバイスと共に使用するための電極構成を示す、開口したポケットの概略図である。
【
図23】本明細書で議論される様々な技術の態様を実行可能な、例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本主題の例示的な実施形態を示すシステム、方法、技術、命令シーケンス、およびコンピューティングマシンプログラム製品について説明している。以下の説明には、説明の目的で、本主題の様々な実施形態の理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、本主題の実施形態は、これらの特定の詳細の一部またはその他がなくても実施可能であることは明白であろう。実施例は、可能な変形を単に典型的に示したものにすぎない。明示的に別段の記載がない限り、構造(例えば、モジュール、デバイス、システム、またはそれらのコンポーネント等の構造コンポーネント)は、任意であり、結合または細分化することができ、また、操作(例えば、手順、アルゴリズム、または他の機能における)は、順序を変更するまたは結合あるいは細分化することができる。
【0013】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、例えばクラッチとして使用可能な、静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。クラッチとは、概して、本明細書では、少なくとも「オン」および「オフ」状態を含む、複数の異なる状態または構成のうちの特定の状態を達成するように選択的または制御可能に作動させることができるデバイスを指す。例えば、「オン」状態では、クラッチの1つ以上のコンポーネントは、例えばクラッチの少なくとも1つの他のコンポーネントに対して、特定の配向、形状、または構成を維持することができる。「オフ」状態では、クラッチの1つ以上のコンポーネントを、例えば、デバイスの1つ以上のコンポーネントがクラッチの別のコンポーネントに対して移動可能な比較的柔軟な構成を提供するように、弛緩または解放することができる。
【0014】
一例では、クラッチは、衣料品や機械等の別の物体に結合または一体化することができる。一例では、クラッチシステムまたはクラッチデバイスは、第1の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆されている第1の導電性部分を含む第1の電極アセンブリと、第2の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆されている第2の導電性部分を含む第2の電極アセンブリとを含むことができる。クラッチは、電極アセンブリの第1および第2の導電性部分に、それぞれ第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器を含むことができ、第1および第2の信号は、交流(AC)信号のそれぞれの逆極性部分を含むことができる。第1および第2の電極アセンブリは、例えば第1および第2の誘電絶縁体を含むそれぞれの表面にて、またはそれぞれの表面に沿って、少なくとも部分的に重なる構成で配置することができる。AC信号がアサートされ、電極アセンブリの導電性部分に供給されると、電極アセンブリ間の相対的な移動を抑制または阻止することができる。AC信号がアサートされないか、または電極アセンブリの導電性部分から除去されると、電極アセンブリ間の相対移動が可能になる。
【0015】
結果的に、とりわけ、静電システムまたは静電型接着システムにおけるバルク電荷または誘電体吸収の管理または回避を含み得る技術的課題は、例えば、誘電体吸収効果に悪影響を及ぼす可能性があり、ひいては、クラッチシステムの性能に悪影響を及ぼし得るDC駆動信号を使用する代わりに、AC駆動信号(単数または複数)を使用することによって、対処することができる。
【0016】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、例えば平面導電性部材と、導電性部材の少なくとも一部を包み込むハウジングとを備えたクラッチデバイスを含むことができる、静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。ハウジングは、とりわけ、導電性部材の少なくとも第1の表面に隣接して設けられた可撓性ポリマー基板と、導電性部材の反対側の第2の表面に隣接して設けられた第1の部分と、導電性部材の第1の側縁に隣接して設けられており、可撓性ポリマー基板に結合されている第2の部分と、を備える誘電体部材と、を含むことができる。
【0017】
とりわけ、漂遊電界または漂遊電流がクラッチデバイスから流出するのを抑制または防止することを含み得る技術的課題は、クラッチデバイスの1つ以上の導電性部材のためのハウジング等のハードウエアを使用することによって、少なくとも部分的に対処することができる。ハウジングは、例えば異なる誘電特性を有することができる、1つ以上の異なる材料を含むことができ、いくつかの例では、導電性部材を部分的または完全にカプセル化することができる。
【0018】
静電型接着デバイスまたはそのコンポーネントは、衣料物品を含むことができる織物および他の材料と共に使用するのに適していてもよい。即ち、デバイスまたはそのコンポーネントは、付属器官等の身体部分に適合可能であり、破損することなく屈曲するように構成することができる。例えば、デバイスまたはそのコンポーネントは、ユーザが運動している間、ユーザの身体の様々な形状および構成に湾曲、成形、および/または適応するように構成することができる。いくつかの実施形態では、デバイスまたはそのコンポーネントの可撓性は、材料に力が印加されたときの剛性の標準化された測定法である、曲げ弾性率(bend modulusまたはflexural modulus)によって測定される。本明細書に記載されるように、可撓性材料は、ASTM D790規格またはISO 178によって定義されるような可撓性である。曲げ弾性率は、例えば、材料の曲げ能力をメガパスカル(N/mm2)の単位で示す。これは、サンプルの長辺に垂直に力を印加した際の材料の剛性の尺度であり、3点曲げ試験として公知である。剛性を欠く材料は、可撓性を有するという特徴がある。曲げ弾性率は、応力-歪み曲線の最初の直線部分の傾きによって表され、応力の変化を対応する歪みの変化で割ることによって計算される。応力と歪みとの比率は、曲げ弾性率の尺度である。本明細書で議論される静電型接着デバイスの様々なコンポーネントは、0.3~10MPaの曲げ弾性率を有するポリエチレンテレフタレートまたはアクリロニトリルブタジエン等の材料を使用することができる。
【0019】
更に、本発明者らは、特に、湿潤した環境を伴う状況において、静電型接着システムの動作上の完全性を維持するという課題を特定している。身体運動の振動を阻止または抑制するのに使用される静電型接着システムは、着用者の身体付近に配置することができ、静電型接着システムを汗、涙、例えば雨、みぞれ、雪、または霧等の環境的な湿気、および水ベースの液体を生成しやすい着用者から分離するように保護機構を設けることができる。
【0020】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、防水収納内に配置された1つ以上のコンポーネントを備えたクラッチ等の静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。電子機器は、水または湿気が電子機器の敏感な領域やコンポーネントに侵入または接触するのを防ぐメカニズムの恩恵を受け得る。更に、防水収納は、静電型接着デバイスが可動性を有し得るように可撓性を有してもよく、衣料物品と一体化するように構成可能である。
【0021】
例えば、防水収納内の静電型接着クラッチデバイスは、汗や湿気の影響を受けやすいスポーツブラ、タイツ、および運動用サポーターを含む様々な衣料物品に取り付けることができる。これらの衣料物品は、収納によってもたらされる可撓性、並びに静電型接着クラッチによってもたらされる選択的な移動機能の恩恵を受ける。
【0022】
結果的に、とりわけ、水や湿気の影響を受けやすい電子機器を含み得る技術的課題は、電子機器を防水性および可撓性のカプセル内に収納することによって、少なくとも部分的に対処することができる。収納は、1つ以上の異なる材料を含むことができ、いくつかの例では、クラッチデバイスの導電性部材を部分的または完全にカプセル化することができる。
【0023】
衣料物品は、収納内に配置された加速度計も含むこともできる。加速度計は、静電型接着クラッチデバイスが結合されている身体の運動を測定するように構成され、電気信号発生器は、測定された運動に基づいて、信号を生成するように構成される。加速度計は、クラッチデバイスの少なくとも一部の加速度の大きさを測定するように構成されてもよく、電気信号発生器は、加速度の大きさに少なくとも部分的に基づいた大きさおよび/または周波数特性を有する信号を生成するように構成される。
【0024】
本発明者らは、解決すべき別の課題に、運動中の体重の周期的な上下運動の管理が含まれることを認識している。反復的な運動により身体を痛める可能性があり、結果的に、身体が損傷し、それに伴う痛みが生じ得る。具体的には、乳房が適切なサポートなしに周期的かつ反復的な運動を経験すると、乳房組織に見られるクーパー靱帯を痛める場合がある。更に、クーパー靱帯を痛めたあるいは損傷した、またはその他の理由で乳房組織をサポートできない場合、時間の経過とともに乳房のたるみが発生する可能性がある。
【0025】
更に、男性の生殖器官は、長時間の運動の後に器官に損傷を引き起こす同様の周期的な運動を経験しており、これもまた痛みを引き起こす可能性がある。足、膝、肘、および背中等、人体の他の部分でも同様の痛みを経験し得る。
【0026】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、選択的に締め付けおよび弛緩するように構成されたサポート領域を有する衣料物品等の静電型接着クラッチを含むまたは使用することができる。衣料物品は、とりわけ、サポート領域のための織物層と、静電型接着クラッチを収納するストラップと、静電型接着クラッチに1つ以上の信号を供給する信号発生器とを含むことができる。
【0027】
結果的に、とりわけ、例えば身体の運動中に、体重の上下運動を抑制または防止することを含み得る技術的課題は、選択的に締め付けおよび弛緩させることで、体重の調節可能なサポートを提供することができるサポート領域を有する衣料物品と組み合わせた静電型接着クラッチ等のハードウエアを使用することによって、少なくとも部分的に対処することができる。
【0028】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、着用者用のサポート衣服内の静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。サポート衣服は、サポート領域に近接して位置する着用者の身体部分の変位を調節可能に抑制するように構成されたサポート領域を形成する織物層を含むことができる。サポート衣服はまた、静電型接着クラッチを収納する織物層の一部に取り付けられた中空ストラップを含んでもよい。静電型接着クラッチは、第1の電極アセンブリと、第1の電極アセンブリとは別個の第2の電極アセンブリと、電気信号発生器とを含む。電気信号発生器は、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給して、静電型接着クラッチデバイスに、サポート衣服がサポート領域に近接する身体部分の変位を許容する量を選択的に調整させる。サポート衣服は、スポーツブラであってもよく、サポート領域は、スポーツブラのカップであってもよい。いくつかの実施形態では、中空ストラップは、第1の静電型接着クラッチを収納する第1の中空ストラップであり、サポート衣服は、第2の静電型接着クラッチを収納する第2の中空ストラップを含む。各静電型接着クラッチは、サポート領域を形成する織物層の第1および第2の部分に固着される。
【0029】
サポート衣服はまた、第1および/または第2の静電型接着クラッチに1つ以上の電気信号を供給するように構成された信号発生器を含んでもよい。第1および第2のクラッチは、サポート衣服が身体部分の変位を許容または抑制する量を選択的に調整する。一例では、第1および第2のクラッチの作動は、それらが実質的に同時に通電または非通電されるように調整することができる。サポート衣服は、サポート領域を形成する織物層の右側に固着された中空ストラップと、織物層の左側に固着された第2の中空ストラップとを有する運動用サポーターであってもよい。各中空ストラップに配置されるようなクラッチ電極は、サポート衣服が身体部分の変位を許容する量を選択的に調整するように個別に制御可能であることができる。いくつかの実施形態では、サポート衣服は、ストラップの長さの変化または変位を測定するように構成された各ストラップのための変位センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、ストラップは防水収納である。
【0030】
いくつかの実施形態では、サポート衣服は、静電型接着クラッチ、またはクラッチが結合されている衣服あるいは身体の運動を測定し、測定された運動に基づいて1つ以上の信号を生成するように構成された加速度計を含む。サポート衣服は、着用者が加速度または速度の閾値に達するまたはそれを超過する場合に、作動するか、または特定の位置あるいは方向を保持するように構成することができ、着用者が閾値を下回る場合には、弛緩するように構成してもよい。
【0031】
解決すべき別の課題には、運動、くつろぎ、および旅行を含む様々なストレス条件下で、衣料物品の着用者の最適な体温を維持することが含まれる。特定の環境に適応するように様々な衣料物品に交換することは、面倒かつ無駄であり得る。着用者は、活動および/または環境ごとにどの衣料物品を着用するかを決定するという課題に直面するかもしれない。長距離のランニングをした後に飛行機に乗りたい着用者は、ぴったりとフィットするランニング衣料品と快適なラウンジウェアとの間で決定する必要があるかもしれない。
【0032】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、衣料物品内の静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。衣料物品は、静電型接着クラッチデバイスに結合されたアパチャを備えた織物を含む。即ち、クラッチデバイスまたはそのコンポーネントは、衣料物品内に一体化することができ、アパチャの開閉を選択的に許容する、またはアパチャを閉口構成に維持するように構成することができる。衣料物品は、静電型接着クラッチデバイスに1つ以上の信号を送信することで、アパチャを選択的に開口および/または閉口することができるように構成された電気信号発生器を含むことができる。
【0033】
結果的に、とりわけ、十分に通気性のない衣服内における保温または発汗を含み得る技術的課題は、例えば、着用者に空気流を供給するためにアパチャを選択的に制御する静電型接着クラッチデバイスシステムを有する衣料物品を使用することによって、対処することができる。
【0034】
電子機器を着用可能な物品に組み込むことは、様々な課題を引き起こし得る。着用可能な物品は、他の湿気源の中でも特に、環境条件、身体活動に従事する着用者からの汗、および洗濯によって濡れやすい場合がある。このような電子機器を防水カプセル材料にカプセル化することにより、電子部品を湿気から隔離することができるが、防水カプセル材料を損なう、または電子部品を損傷することなく、電子部品を着用可能な物品に物理的に一体化するには課題が生じる可能性がある。
【0035】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、織物に固定された静電型接着クラッチを含むまたは使用することができる。第1および第2の導電性部材をそれぞれ有する第1および第2の電極アセンブリは、弾性収納内に収納されている。弾性収納は、弾性収納の第1の位置で第1の導電性部材と第1の接合を形成し、第1の位置とは異なる弾性収納の第2の位置に近接する第2の導電性部材と第2の接合を形成する。第1および第2の導電性部材と弾性収納との間の接合の形成により、第1および第2の導電性部材の一体性を損なうことなく、収納の維持に寄与する。
【0036】
帽子やスリーブ等の衣料物品は、一貫した状況で利用されないかもしれない。例えば、帽子は、着用者の頭部から帽子が落下するのを防ぐように比較的タイトまたはぴったりとフィットすることが有利である活発な活動に従事している時と、快適性がより望まれるウォーキングまたは着座している等、非活発な活動に従事している時との両方で着用され得る。更に、そのような衣料物品は、単一のサイズが様々な頭のサイズにフィットするように適合される「フリーサイズ」構成で提供され得る。しかしながら、このような構成は、特に、比較的大きな頭または比較的小さな頭である場合に、帽子を不快なものにする可能性がある。
【0037】
一例では、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、着用者の体の一部を受け入れるように構成された開口部を形成する織物と、織物に固定され、開口部の少なくとも一部の周囲に延在する静電型接着クラッチとを含むまたは使用することができる。静電型接着クラッチは、第1の信号および第2の信号等の1つ以上の信号がクラッチの電極アセンブリに印加されるときに、開口部のサイズの増加を抑制するように構成され、1つ以上の信号が印加されないときには、開口部のサイズが増加することが可能になる。結果的に、衣料物品は、衣料物品の着用者の様々な使用例および様々な異なる身体的属性のいずれにも適応可能となり得る。
【0038】
一例において、本明細書で議論される技術的課題のうちの1つ以上に対する解決策は、第1の電極アセンブリおよび第2の電極アセンブリを有する静電型接着デバイスを含むまたは使用することができる。第1の電極アセンブリは、第1の導電性部材と、第1の導電性部材に適用され、第1の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第1のポリマー基板とを含む。第2の電極アセンブリは、第2の導電性部材と、第2の導電性部材に適用される第2のポリマー基板であって、第2の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第2のポリマー基板と、を含み、第1および第2の導電性部材は、互いに近接しており、第1および第2のポリマー基板は、互いに遠位である。
【0039】
結果的に、とりわけ、第1および第2の導電性部材が互いに対して摺動するときに湾曲したり折り畳まれたりする傾向を含み得る技術的課題は、例えば、第1および第2の導電性部材にポリマー基板を適用することによって対処することができる。ポリマー基板はまた、防水収納等の周囲の構造に対する第1および第2の導電性部材による摩擦を防止することによって、第1および第2の導電性部材の磨耗を低減することもできる。第1および第2の導電性部材が互いに近接するように第1および第2のポリマー基板を適用することによって、第1および第2の導電性部材に対する損傷の可能性を低減しつつ、第1および第2の導電性部材が依然として静電型接着デバイスとして機能し得る。
【0040】
適応型サポート衣料品システムは、ユーザが身に着ける1つ以上のセンサから得られた活動データに応答して、適応型サポート衣服(例えば、ブラジャーまたはタイツ)のフィット感およびサポートを動的に変更する。適応型サポートシステムには、履物、時計、またはサポート衣料品等の様々な身に着けるものに統合された構成要素を含めることができる。特定の例において、適応型サポートシステムは、スマートフォン、スマートウォッチ、またはシステムの他の構成要素とワイヤレスで通信する、同様の着用可能なコンピューティングデバイスを介して制御することができる。他の例において、適応型サポートシステムは、適応型サポート衣料品および/または履物に組み込まれた構成要素に内蔵された回路で制御される。以下の図面は、例示的なシステムを示し、発明者によって想定された少なくともいくつかの変形例について説明している。
【0041】
図1A~
図1Bは、いくつかの例示的な実施形態による、適応型サポート衣服および関連電子機器を含むシステムを示す図である。本例において、適応型サポート衣料品システム1は、適応型サポート衣服10、履物アセンブリ20およびスマートウォッチ30等の構成要素を含んでいる。任意に、適応型サポート衣料品システム1は、パラメータの制御または調整のために、スマートフォン35または他のハンドヘルドあるいはモバイルデバイスと通信することもできる。本例において、履物アセンブリ20は、活動センサ25を含み、適応型サポート衣服10は、適応型エンジン15を含む。本例において、適応型エンジン15は、適応型サポート衣服10内で適応型サポート構造を制御するクラッチシステム16(静電型接着クラッチ16とも称される)に連結している。任意に、システム1には、本明細書では適応型タイツとして示される、第2の適応型サポート衣服40を組み込むこともできる。
【0042】
本例において、履物アセンブリ20は、活動レベルの変化を検出するために、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、磁力計、心拍数センサ、または全地球測位センサ(GPS)等のセンサを含む活動センサ25を含んでいる。一例において、履物アセンブリ20は、加速度計、ジャイロスコープ、または他の適用可能なセンサのうちの1つ以上を組み合わせて、監視対象の身体に特定の力、向き、または角速度変化率を提供する慣性計測ユニット(IMU)を含む。IMUからのデータは、とりわけフットストライクやケイデンス等の動きを検出するために使用することができる。本例では、活動センサ25からのデータは、活動センサからの活動データに基づいて、適応型サポートの変更が必要か否かを決定する処理のために、スマートウォッチ30またはスマートフォン35に通信される。別の例では、活動データは、必要な適応サポートレベルの処理および決定のため、適応型エンジン15に直接送信される。
【0043】
フットストライクデータは、活動センサ25(例えば、IMUと力センサとの組み合わせ)等のセンサから決定することができる、より広範な一連の活動メトリックのほんの一部である。ステップメトリックには、個々のステップまたはステップカウントが含まれ得る。このメトリックのステップは、最小垂直力閾値、ステップあたりの最小平均垂直力、最小ステップ時間、および最大ステップ時間等のパラメータに基づいて定めることができる。ステップメトリックには、接触時間を含めることもでき、これは、力信号を使用して1足1ステップ(per foot per step)で算出される(例えば、垂直方向の力が50Nを超える場合の時間等)。別のステップメトリックにはスイング時間があり、これは、力信号を使用して1足1ステップで算出される(例えば、その足が50Nを超える力を生成するまで垂直力が50N未満の時間等)。ステップメトリックには、力信号を使用して、各足の接触時間とスイング時間との合計の逆数として定義することのできるケイデンスも含まれる。ステップ長は、力信号を使用して算出される別のステップメトリック(例えば、接触時間とスイング時間との合計に平均速度を掛けたもの)である。別のステップメトリックとして衝撃があり、これは少なくとも2つの方法で算出することができる。衝撃は、垂直方向の床反力の上昇ピーク速度、または垂直方向の床反力のアクティブピークであり得る。インパルスは、力信号(例えば、床反力の大きさの積分)を使用して、1足1ステップで算出される別のステップメトリックである。接触もまた、モーションデータから得られる別のステップメトリックである。例えば、200HzでサンプリングしたIMUデータを使用して、足が接触した時点における水平方向に対する足の角度が決定される。接触には、後足、中足、および前足の角度が含まれる。本明細書で説明するステップメトリックはいずれも活動データとして、または他の活動データに加えて使用して、活動レベルの決定を補助したり、適応型サポート衣服の目標とするサポートレベルを直接決定したりすることができる。
【0044】
本例において、適応型エンジン15、スマートウォッチ30、およびスマートフォン35のうちの1つまたはそれぞれは、別々に、または互いに連携して、あるいはリモートのコンピューティングリソースにアクセスして、活動データを処理し、コマンドを適応型エンジン15に送信して、必要に応じてサポート特徴を変更する制御回路を含む。適応型エンジン15は、コマンドを受信し、システムを作動させて、適応型エンジン15に連結されたクラッチシステム16との相互作用を通して、適応型サポート構造を調整する。
【0045】
図1Bは、様々なレベルのサポートを必要とする、またはその恩恵を受ける可能性のある、様々な活動の間で移行する適応型サポート衣料品システムのユーザを示している。この例において、履物アセンブリ20内に示されている活動センサ25は、リラックスした歩行から、ヨガ等の適度な運動、更にはランニングに伴うより極端な衝撃および労力まで、様々な活動レベルを検出するよう動作する。本例において、活動センサ25は、センサの解釈した活動データに基づいて現在の活動レベルを決定するアプリケーションを実行する、スマートウォッチ30の制御回路にデータを送信する。いくつかの例において、スマートウォッチ30は、スマートウォッチ30上で動作する制御回路に活動データを送信する活動センサも含むことができ、本例では、適応型ブラ等の適応型サポート衣服10によって提供されるサポートの増減に関する決定を知らせる、追加の活動レベル情報を提供する。例えば、スマートウォッチ30は、活動レベルに関連する追加情報として使用できる、組み込み型心拍数モニターを含み得る。
【0046】
快適ゾーンにおいて、適応型衣料品サポートシステム1は、適応型サポート衣服から必要とされるサポートのリラックスレベルに対応すると判断された、低レベルの身体活動を検出する。従って、制御回路は、適応型エンジン15に、適応型サポート衣服10を作動させ、快適な設定に調整するように命令する。制御アプリケーション(例えば、制御回路を動作させるアプリケーション)は、適応型サポート衣服の異なる設定へのユーザアクセスを提供する、ユーザインタフェースを含み得る。一例において、設定には、休息=快適なサポートレベル(例えば、低レベルのサポート)や、より高い衝撃=パフォーマンスサポートレベル(例えば、高レベルのサポート)等の、様々な事前に定義された活動レベルに様々なサポートレベルを関連付けることを含めることができる。他のマッピングを作成したり、ユーザインタフェースを表示して、ユーザがカスタムマッピングを生成できるようにしたりすることができる。表1は、活動レベルとサポートレベルのマッピング例を示している。
【0047】
【0048】
図に示すように、ユーザは、活動センサによって検出された運動および/または衝撃を増やすことにより、快適から低衝撃へ移行することができる。動的には、移行を検出すると、スマートウォッチ30内の制御回路は、適応型エンジン15に、適応型サポート衣服10によって提供されるサポートレベルを上げるように命令する。ユーザが快適レベルの活動(例えば、休息やウォーキング)に戻った場合、制御回路は、適応型エンジン15に、サポートレベルを快適レベルのサポートに戻すように命令することができる。あるいは、ユーザがランニングをして活動を増やした場合、システムは、適応型エンジン15がサポートレベルをより高い衝撃(パフォーマンス)レベルのサポートに上げることで、動的に応答することができる。
【0049】
特定の例において、ユーザは、複数の異なる活動関連パラメータ(例えば、心拍数、ケイデンス、衝撃等)から選択し、各パラメータの異なるレベルを異なるサポートレベルと関連付けることができる。例えば、ユーザは、心拍数とケイデンスをトリガとして使用するランニング活動分類を作成することができる。そして、ランニング活動を高いサポートレベルに対応付けることができる。サポートレベルは、クラッチ力やサポート構造における張力等の、様々なサポート構造の調整を特定のサポートレベルに関連付けることによって構成することもできる。
【0050】
図1Cは、いくつかの例示的な実施形態による、適応型サポートシステムの構成要素を示すブロック図である。なお、本明細書において、適応型サポートシステムは、適応型サポート衣料品システムとも称する。本例において、適応型サポートシステム1は、制御回路112、活動センサ120、および適応型エンジン104等の構成要素を含み、適応型エンジン104は、適応型サポート衣服102内に統合される。適応型サポート衣服102は、適応型サポート領域106を含むことができる。適応型サポート領域106は、選択的に静的および/または弾性になるように構成された1つ以上の静電型接着クラッチデバイス108と、クラッチデバイス108の作動を制御する信号を生成することができる電気信号発生器110とを含む。
【0051】
一例では、適応型サポート衣服102は、クラッチインジケータ134を含むまたは使用して、クラッチデバイス108の状態またはステータスの表示を提供することができる。例えば、クラッチインジケータ134は、触覚フィードバックデバイス、光源、または、クラッチデバイス108が係合しているか係合解除されているかを示すことができる、あるいはクラッチデバイス108が係合している程度を示す他のインタフェース手段を備えることができる。クラッチインジケータ134は、調整可能な電力信号源または他の信号発生器等、クラッチインジケータ134を駆動するように構成された回路または他のコンポーネントを備えることができる。
【0052】
制御回路112は、プロセッサ114、コンピュータ可読メモリデバイスメモリ116、および通信回路118を含む。上述の様に、いくつかの例において、制御回路112は、スマートウォッチ30またはスマートフォン35(
図1A)内に組み込むことができる。そのような例において、制御回路112は、スマートウォッチ30またはスマートフォン35ハードウエア用のオペレーティングシステム(例えば、iOSまたはアンドロイド)上で実行されるソフトウエアアプリケーション内で具現化される。従って、プロセッサ114およびメモリデバイスメモリ116は、スマートフォン35またはスマートウォッチ30の一部である。図示する例において、制御回路112は、スタンドアロンデバイスであるか、適応型サポート衣服102に組み込まれている。
【0053】
プロセッサ114は、メモリデバイスメモリ116に格納された命令にアクセスして、通信回路118を介して受信した活動データを処理する。活動データは、少なくとも処理動作中は、メモリデバイスメモリ116に保存することもできる。プロセッサ114はまた、プロセッサ114がコマンドを生成し、通信回路118を介して適応型エンジン104にコマンドを送信することを可能にする命令を処理する。適応型エンジン104に通信されたコマンドは、適応型エンジン104の作動を制御して、適応型サポート衣服のサポート特徴を変更する。
【0054】
制御回路112は、活動センサ120から活動データを受信する。この例において、活動センサ120は、ユーザの活動レベルを示すデータを生成することができるセンサのうち、IMU122、加速度計124,歪みゲージ126(例えば、変位情報を測定するように構成された静電容量ベースの歪みゲージ)、全地球測位システム(GPS128)、温度センサ130、および/または心拍(HRセンサ132)の任意の組み合わせを含み得る。活動センサ120は、上述のセンサの任意の組み合わせを含むことができ、生成した活動データを、Bluetooth(登録商標)LE(Low Energy)等の無線通信リンクを介して制御回路112に送信する。更に、上記で示唆したように、上記のシステム1の構成要素は、スマートウォッチ、スマートフォン、履物アセンブリ、または(例えば、適応型エンジンに組み込まれている)適応型サポート衣服を含むデバイス間において、任意の組み合わせで配置させることができる。
【0055】
用語「静電型接着」とは、本明細書では、一般に、静電力を使用した物理的物体の結合を指す。物体間の静電力は、静電力を使用して結合される物体内または物体上の異なる電極への電気信号の生成および供給を調整することができるコントローラ、またはプロセッサ回路によって選択的に制御可能である。静電型接着を使用する物体間の係合、結合、または接着は、例えば、結合または結合解除の観点から制御することができ、または物体間の把持力の大きさまたはせん断力の大きさの観点から制御することができる。即ち、静電型接着システムにおける物体間の係合は、二値のオン/オフの観点、または物体を結合する力や物体間の相対運動に抵抗する力の相対的な大きさまたは程度の観点から制御することができる。
【0056】
一例では、静電力の電気的制御により、様々な物体の取り付けまたは取り外しを制御することができる。例えば、静電型接着を使用して2つ以上の物体表面を接合または互いに保持することができ、それによって、誘導電界からの静電力に起因する接合表面間のグリップ、トラクション、または摩擦に影響を与えることができる。いくつかの例では、接合された表面間に誘電体を設けることができる。
【0057】
静電型接着を使用して接合される表面は、様々な表面特性または特徴を有することができる。例えば、異なる平面均一性または平坦性特性、平滑性または粗さ特性、連続性または不連続性特性、導電性、トポグラフィー、適応性または可撓性、または他の特性を有する表面を、静電型接着を使用して接合することができる。即ち、本明細書で説明する静電型接着デバイスおよび技術は、特定の材料特性または表面特性に限定されないが、材料によっては、他の材料とは異なる静電型接着特性を示し得る。例えば、一部の材料は、繰り返しの静電型接着結合および分離により適切に構成することができ、また一部の材料は、異なる材料間の相対運動により適切に構成することができる。
【0058】
いくつかの例では、静電型接着システムまたは静電型接着デバイスは、1つ以上の次元に可撓な、少なくとも1つの順応性または適合性を有する静電型接着面を含むことができる。少なくとも部分的に、静電型接着システムの第1の構成要素の順応性により、例えば、第1の構成要素は、別のデバイスの異なるまたはより適合性の低い表面であり得る、またはそれを含み得る、第2の構成要素とより効果的に結合または嵌合することができる。
【0059】
例えば、第1の静電型接着面は、第2の静電型接着面の表面粗さとは実質的に独立して静電型接着を促進するように構成された順応性を有する表面部分を含むことができる。即ち、第1の静電型接着面は、第1の静電型接着面が嵌合される第2の表面の不連続部または他の欠陥に適合するように構成することができる。一例では、静電型接着面は、微視的、メゾスコピック、および/または巨視的表面特徴に適合するように構成することができる。適切な電気刺激の影響下では、第1の静電型接着面は、第2の静電型接着面に引き付けられ、局所的に変形または屈曲することによって、第1の静電型接着面を少なくとも部分的に第2の表面に適合させることができる。いくつかの例では、一次デバイスおよび二次デバイスまたは表面間の複数の異なる接着モードを提供して、表面間の嵌合を更に強化することができる。
【0060】
一例では、静電型接着システムは、1つ以上の電極を有する少なくとも一次デバイスを含むことができる。一次デバイスは、二次デバイスあるいはターゲットに、または二次デバイスあるいはターゲットと、接着、または「クラッチ」するように構成することができる。二次デバイスも同様に、1つ以上の電極を有することができる。例えば、適切な電圧または電流信号が一方または両方のデバイスに印加されると、様々なデバイスの電極が電気的に刺激されて、別の電極またはデバイスに対する静電引力を誘発することができる。いくつかの例では、一次デバイスの表面上の電極の分極は、ターゲットデバイス内に対応する分極を誘発することができ、それによって、一次デバイスおよび二次デバイスを接着させることができる。
【0061】
一例では、制御可能な静電型接着クラッチシステムは、軽量であり、一般に比較的低電力の電気信号を使用して、他の表面および基板、例えば、他のフィルムとの結合を形成することができる静電型接着フィルムを含むまたは使用することができる。本明細書の例の多くは、帯電してフィルムを接合可能な力を生み出すことができる1つ以上の対のフィルムを備える静電型接着クラッチデバイスを含むまたは使用する。他の静電型接着材料は、フィルム以外の材料を含むことができ、または異なる種類の静電型接着材料(例えば、フィルム、織物、液体、プラスチック等)を同様に使用して、同じまたは類似の結果を提供することができる。
【0062】
図2Aは、概して、第1の静電型接着クラッチシステム200の概略上面図を示す。
図2Bは、概して、第1の静電型接着クラッチシステム200の側面図を示す。
図2Bの側面図は、第1のクラッチシステム200の様々なコンポーネントおよび特徴をより良く示すための部分分解図である。第1のクラッチシステム200の例は、静電力を使用して、第2の電極アセンブリ208に選択的かつ制御可能に結合する、または第2の電極アセンブリ208から結合解除することができる第1の電極アセンブリ202を含む。
図2Bでは、第1の電極アセンブリ202は、第2の電極アセンブリ208に近いが第2の電極アセンブリ208から結合解除されているように示されている。即ち、
図2Bにおいて、図面は、互いに分離された、例えば、静電吸着力の影響を受けていない電極アセンブリを示している。
【0063】
第1の電極アセンブリ202は、第1の導電性表面204を有する電極を含み、第2の電極アセンブリ208は、第2の導電性表面210を有する電極を含む。導電性表面は、少なくとも部分的に互いに隣接して配置可能な各部分を有することができる。第1のクラッチシステム200の例では、各表面部分は、平面として図示されているが、他の表面形状または特性(例えば、丸形表面、傾斜した表面等)も同様に使用することができる。
【0064】
一例では、電気信号、または複数の電気信号をそれぞれの電極の第1の導電性表面204および第2の導電性表面210に印加することにより、表面を接合すること、ひいては、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208を一緒に接合することができる静電力を誘発することができる。アセンブリを接合する力の強さは、とりわけ、隣接する導電性表面の表面積、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210に印加される電気信号(単数または複数)の大きさ、表面間の距離、および導電性表面間の任意の誘電体部材またはギャップの誘電率に依存し得る。
【0065】
第1のクラッチシステム200の例は、第1の導電性表面204と第2の導電性表面210との間に誘電体層を含む。第1のクラッチシステム200の例では、各導電性表面は、誘電絶縁体により少なくとも部分的にコーティングまたはカバーされている。第1のクラッチシステム200において、第1の誘電体層206は、第2の電極アセンブリ208に隣接する、または一部の配向においては第2の電極アセンブリ208に隣接し得る第1の導電性表面204の一部に沿って設けることができる。第2の誘電体層212は、第1の電極アセンブリ202に隣接する、または一部の配向においては第1の電極アセンブリ202に隣接し得る第2の導電性表面210の一部に沿って設けることができる。
【0066】
他の例では、導電性表面のうちの1つは、誘電絶縁体を含むまたは使用しており、その他は含まないまたは使用していない。誘電絶縁体は、均一に適用または堆積させることができ、または、パターンであるいは準ランダムに(例えば、単位面積当たり特定の適用範囲で)堆積させることができ、それによって、第1のクラッチシステム200の異なる接着特性に影響を与えることができる。他の例では、エアギャップを導電性表面の間に設けることができ、エアギャップは、誘電絶縁体を含むことができる。様々なスペーサを使用して、第1のクラッチシステム200の導電性表面間のエアギャップの均一性または不均一性を制御することができる。同様に、スペーサを使用して、導電性表面間に設けることができる誘電体部材にかかる圧縮力を制御することができる。
【0067】
第1のクラッチシステム200の例では、第1の電極アセンブリ202は、第1の導電性表面204の長さ方向の両端に第1のサポート214および第2のサポート216を含む。サポートは、第1の導電性表面204をほぼ平面の構成に維持するように構成することができるが、例えば、クラッチシステムの特定の幾何学的形状または用途に応じて、異なる形状または異なる構成のサポートを同様に使用することができる。同様に、第2の電極アセンブリ208は、第2の導電性表面210の長さ方向の両端に第3のサポート218および第4のサポート220を含む。一例では、サポートは、炭素繊維、アルミニウム、または他の材料を含む。
【0068】
一例では、1つ以上のサポートは、導電性部分または非導電性部分を含むことができる。一例では、第1のサポート214は、第1のリード224または電気端子に結合されている。第1のサポート214は、第1のリード224から電気信号を受信し、その電気信号を第1の導電性表面204に供給することができる導電性部分を含むことができ、または導体の基板を提供することができる。同様に、第3のサポート218は、第2のリード226または電気端子に結合され得る。第3のサポート218は、第2のリード226から電気信号を受信し、その電気信号を第2の導電性表面210に供給することができる導電性部分を含むことができ、または導体の基板を提供することができる。一例では、例えば、任意の介在する導体、材料、または信号バスの有無にかかわらず、絶縁体を使用して、様々なサポートをそれぞれの導電性表面に結合することができ、また、電気リードを導電性表面に結合することができる。例えば、第1のサポート214を絶縁体228に結合することができ、絶縁体228を第1の導電性表面204に結合することにより、第1の導電性表面204を第1のサポート214から電気的に結合解除することができる。いくつかの例では、導電性表面をそのサポート(単数または複数)から電気的に結合解除するまたは隔離することにより、利用可能な電気エネルギーを、例えばサポートを含み得る広い領域に分散させるのではなく、導電性表面に集中させるのに役立ち得る。一例では、絶縁体228は、サポートをそれぞれの導電性表面に結合する接着成分または接着層であり得る。
【0069】
第1のクラッチシステム200の例は、位置合わせデバイス222を含む。位置合わせデバイス222は、例えば、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208の特定の配向または位置合わせを維持するように、電極アセンブリを互いに結合するように構成することができる。いくつかの例では、位置合わせデバイス222は、バネ、弾性部材、または第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208を特定の配向に向けて付勢するように構成可能な他の伸縮可能なコンポーネントを備えることができる。第1のクラッチシステム200の例では、位置合わせデバイス222は、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208のそれぞれの表面部分を、実質的に隣接し、少なくとも部分的に重なる配向に付勢することができる。本明細書で使用される場合、実質的に隣接するとは、結合していることを意味することができ、または近いが結合していないもしくは結合解除されていることを意味することができ、または部分的に結合していることを意味することもでき、または、例えば表面間あるいは表面間に設けられた1つ以上の誘電体層の間の物理的接触の有無にかかわらず、表面間に静電力が発生し得るほど十分に近いことを意味することもできる。位置合わせデバイス222の複数の例、または複数の異なる向きの位置合わせデバイスを一緒に使用して、電極アセンブリの導電性部分の座屈または反りを回避するのに役立てることができる。
【0070】
一例では、第1の導電性表面204または第2の導電性表面210の導電性部分は、可撓性または順応性を有する基板上に印刷、堆積、またはスパッタリングされる導電性材料を含むことができる。例えば、導電性部分は、アルミニウムでコーティングまたはスパッタリングされるマイラー基板を含むことができる。一例では、第1のクラッチシステム200の電極アセンブリの一方または両方は、アルミニウムでスパッタリングされた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、またはBOPETフィルム上に設けられた、セラミックポリマー複合材料等の絶縁誘電体層を含むことができる。
【0071】
一例では、第1の誘電体層206または第2の誘電体層212等の誘電体層、および/または他の絶縁もしくは部分絶縁誘電体部分は、フィルムまたは他の基板に印刷、堆積、スパッタリング、またはその他の方法で適用することができる。例えば、誘電体は、実質的に非導電性の印刷可能な誘電体インクまたは同様の材料を含むことができ、または導電性部分は、導電性の印刷可能なインクまたは同様の材料を含むことができる。一例では、誘電体は、可撓性を有するまたは物理的に順応性を有する材料を含むことができる。
【0072】
一例では、アルミニウムで被覆されたフィルムは、電極アセンブリに導電性表面を提供することができ、ポリマー部分は、アルミニウムにバッキングを提供することができ、電極アセンブリに物理的歪みまたは負荷がかかったとき等に、フィルムを補強してサポートからの力に耐えるのに役立ち得る。導電性表面、またはアセンブリの厚さは、異なるフィルム、単位面積当たり異なる量のポリマー、または異なる量の導電性材料を使用することによって可変である。
【0073】
第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208のサイズおよび形状は、様々な用途に適応するように調整することができる。第1のクラッチシステム200の例では、第1の電極アセンブリ202は、第2の電極アセンブリ208の第2の導電性表面210よりも狭い幅を有する第1の導電性表面204を備えるように示されている。いくつかの例では、幅の差は、電極の端縁周囲での短絡やその他の電気的結合を防ぐのに役立ち得る。
【0074】
動作中、交流(AC)信号または直流(DC)信号等の電気信号は、第1のリード224および第2のリード226を使用して電極に印加することができる。印加された信号に応答して、反対電荷が第1の導電性表面204および第2の導電性表面210上に蓄積する可能性があり、結果的に、静電力(例えば、引力または反発力)が表面の実質的に隣接する部分の間のインタフェースにて、例えば、表面の重なり合う長さ部分にてまたはそれに沿って、発生し得る。引力の場合、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210が、従って、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208が接着または接合することができる。結果として生じる静電接着と、隣接する表面間のインタフェースにおける摩擦とにより、相対運動が妨げられ、せん断力に抵抗することができる。即ち、第1のクラッチシステム200が作動し、第1の導電性表面204と第2の導電性表面210との間に静電引力が存在する場合、あらゆる印加されるせん断応力(例えば、表面のうちの1つを他の表面に対して変位させるように、表面に平行に印加される力)に抵抗することができる。
【0075】
電気信号が除去されるまたはオフになると、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210が放電され、表面のインタフェースにおけるあらゆる静電引力を消散することができる。即ち、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210は、係合解除することができ、例えば、位置合わせデバイス222または任意の他の変位リミッタによって確立される任意の範囲内にて、互いに対して比較的自由に摺動することができる。
【0076】
本発明者らは、第1のクラッチシステム200の導電性表面間の力が、様々な幾何学的パラメータおよび電気定数ε
0の関数として表現できることを認識している。例えば、導電性表面が無限に大きい理論的条件下では、各プレートは、大きさ
の電界を生成することができ、ここで、表面上の表面電荷密度は、±σおよびσ=Q/Aである。両方の表面が結果として生じる電界に等しく寄与するため、表面間の電界は、
および電位差
であり、ここで、dは表面間の距離である。本発明者らは、表面が逆に帯電し得る故、表面間の引力F
attractiveは、プレートのうちの1つによって生成される電界に他方のプレートの電荷を乗じたものに等しいことを更に認識している。即ち、
である。引力をモデル化する方程式は、第1のクラッチシステム200のせん断力、または保持力あるいはクラッチ力を決定するために適用することができる。例えば、
であり、ここで、μは表面間の摩擦係数であり、εは表面間の誘電体の比誘電率であり、ε
0は電気定数であり、Aは表面間のインタフェースの面積(例えば、重なり合う部分の面積)であり、Vは印加電圧であり、dは表面間の誘電体の厚さまたは表面間の分離距離である。一例では、最大せん断力F
shearは、電圧が印加されていない場合の表面間の定数と垂直力F
Nの関数、またはF
shear=kF
Nとして表すことができる。
【0077】
第1のクラッチシステム200における力の理論的または理想的な方程式に少なくとも部分的に基づいて、本発明者らは、表面間のせん断力が印加電圧の二乗の関数であり、従って、電圧の極性が事実上重要ではないことを認識している。従って、本発明者らは、AC駆動信号を使用することができ、結果的に、静電型接着システムにおける望ましくない誘電体吸収を最小限に抑えることができることを認識している。
【0078】
図2Cは、概して、例示的な第1のクラッチシステム200の一部を示す。
図2Cにおいて、第1の電極アセンブリ202は、第2の電極アセンブリ208に隣接しており、電圧信号が各電極アセンブリに印加される。図面において、「+」記号は、第1の電極アセンブリ202の第1の導電性表面204に印加される正の電圧信号を表し、「-」記号は、第2の電極アセンブリ208の第2の導電性表面210に印加される負の電圧信号を表している。逆極性の信号が印加された結果として、電界230が生成される。図示の例では、第1の電極アセンブリ202は、第2の電極アセンブリ208の負に帯電した部分を引き付ける正に帯電した部分を含む。電界230は、静電力を引き起こして、電極アセンブリを互いに引き寄せ、せん断力F
shearに抵抗する。第1のクラッチシステム200が耐え得る最大せん断力F
shearは、上記の方程式で与えられ、とりわけ、電界230が存在する面積、印加される電圧の二乗、およびアセンブリの導電性部分の間の誘電体の特性の関数である。
【0079】
一例では、第1のクラッチシステム200の複数のインスタンスを一緒に使用して、強化されたクラッチを提供することができる。例えば、複数のインスタンスを並列または直列に提供することができる。一般に、本明細書で説明する適用例は、第1のクラッチシステム200の単一のインスタンスを参照して提示されているが、一般に、サイズの制約、電力の制約、および/または性能目標に応じて複数のインスタンスを使用することができる。
【0080】
図3は、概して、第1のクラッチシステム200を含むまたは備えることができるような静電型接着システム302の一例を示す。静電型接着システム302は、プロセッサ回路304、信号発生器306、およびクラッチ電極アレイ322を含むことができる。一例では、静電型接着システム302は、エネルギー源308、ユーザインタフェース310、およびセンサ314を含むことができる。一例では、静電型接着システム302の1つ以上のコンポーネントは、
図1Cの例の適応型サポートシステム100のコンポーネントを含むまたは備えることができる。
【0081】
図3の例では、静電型接着システム302の1つ以上のコンポーネントは、エネルギー源308から電力を受け取ることができる。エネルギー源308は、バッテリまたは他のACまたはDC電気エネルギー源を含むことができる。一例では、エネルギー源308は、例えば、運動源、RFあるいは他の電磁源、または他の場所から電力を回収するのに使用できるような電力回収回路を含む。
【0082】
プロセッサ回路304は、本明細書の他の場所で説明するように、汎用または専用プロセッサを含むことができる。プロセッサ回路304は、信号発生器306、エネルギー源308、ユーザインタフェース310、センサ314、またはクラッチ電極アレイ322のうちの1つ以上から情報を受信し、それに応答して、静電型接着システム302の1つ以上の動作を制御するように構成することができる。
【0083】
信号発生器306は、クラッチ電極アレイ322にDC信号またはAC信号を供給するように構成された電気信号発生器を含むことができる。一例では、信号発生器306は、プロセッサ回路304によって指定される特性を有する電気信号を発生するように構成されている。例えば、信号発生器306は、プロセッサ回路304から受信した命令に従って、指定された大きさ、周波数、パルス幅、パルスもしくは波形形態、または他の特性を有する電気信号を生成するように構成することができる。
【0084】
クラッチ電極アレイ322は、信号発生器306から電気信号を受信し、例えばクラッチシステムまたはクラッチデバイスの一部を含み得る、1つ以上の電極に信号を供給するように構成することができる。一例では、クラッチ電極アレイ322は、第1の電極324、第2の電極326、または第nの電極328を含む他の電極を含む。クラッチ電極アレイ322内の異なる電極は、個別にアドレス可能であり、信号発生器306からそれぞれ異なる信号を受信することができる。一例では、クラッチ電極アレイ322内の各電極は、電極アセンブリの一部を含むことができる。例えば、第1の電極324は、
図2Aの例の第1の電極アセンブリ202の第1の導電性表面204を含むまたは備えることができ、第2の電極326は、
図2Aの例の第2の電極アセンブリ208の第2の導電性表面210を含むまたは備えることができる。
【0085】
一例では、ユーザインタフェース310は、ユーザに情報を提供する、またはユーザから情報を受信するように構成可能な様々なシステムまたはデバイスまたはモジュールを含むことができる。ユーザには、人間のオペレータ、または補助デバイス、または静電型接着システム302用の他のコントローラを含めることができる。一例では、ユーザインタフェース310は、例えばクラッチ力、クラッチ感度、電力消費特性、または他の情報を含み得る、静電型接着システム302の所望の動作または動作特性に関する命令または情報をユーザから受信するように構成されている。ユーザインタフェース310は、システムの同じ特性または他の特性に関するフィードバックまたは他の情報をユーザに提供するように構成することができる。例えば、ユーザインタフェース310は、提供するクラッチ力のユーザ指定の指示を受信するように構成することができ、ユーザインタフェース310は、システム内で適用されるまたは提供されるまたは利用可能な実際のクラッチ力の指示を同じまたは異なるユーザに報告するように構成することができる。
【0086】
一例では、ユーザインタフェース310は、触覚要素312を含むことができる。触覚要素312は、ユーザに情報を伝達するように触覚感覚を生成または提供するように構成することができる。情報には、例えば、クラッチ状態表示、クラッチ力表示、または静電型接着システム302に関する他の情報が含まれ得る。
【0087】
一例では、静電型接着システム302は、1つ以上のセンサ314を含むまたは使用することができる。プロセッサ回路304は、1つ以上のセンサ314からセンサ信号情報を受信し、それに応答して、クラッチ動作や静電型接着システム302の他の動作を制御することができる。生理学的センサ316、運動学的センサ318、または変位センサ320を含む、様々な種類のセンサを使用することができる。一例では、生理学的センサ316は、静電型接着システム302のユーザに関する生理学的情報を感知するように構成される。例えば、生理学的センサ316は、心拍数センサ、酸素飽和レベルセンサ、ECGセンサ、脈拍センサ、音響センサ、外胚葉または電気皮膚反応センサ、筋酸素センサ、またはユーザに関する生理学的情報を測定するように構成されたその他のセンサのうちの1つ以上を含むことができる。
【0088】
一例では、運動学的センサ318は、単軸または多軸の加速度計、ジャイロスコープ、歪みセンサ、慣性測定ユニット(IMU)センサ、または静電型接着システム302の、または静電型接着システム302の構成要素の、または静電型接着システム302が結合されているあるいは影響を与えるように構成されている身体あるいは物体の、運動学または運動に関する情報を提供するように構成された他のセンサを含むことができる。一例では、身体の異なるセグメントまたは部分の運動(例えば、絶対的または相対的)を監視するため等、身体の周囲の異なる位置等に、運動学的センサ318の複数のインスタンスを設けることができる。一例では、運動学的センサ318からの情報を使用して、身体の活動レベル、姿勢、位置、または他の特徴を決定することができる。
【0089】
一例では、変位センサ320は、距離または変位情報を測定するように構成されたデバイスを含むことができる。例えば、変位センサ320は、第1のクラッチシステム200の異なる部分の相対位置を測定するように構成することができる。例えば、変位センサ320は、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208の重なり合う部分に関する情報、または位置合わせデバイス222の伸張特性に関する情報、または静電型接着システム302の構成要素の配向あるいは位置に関する他の情報を測定または提供するように構成することができる。
【0090】
センサ314は、環境センサ、全地球測位システム(GPS)センサ、光センサ、近接センサ、または他のセンサ等、本明細書で特に列挙していない他のセンサも含むことができる。
【0091】
図4は、概して、第2のクラッチシステム400の一例を示す。第2のクラッチシステム400は、第1のクラッチシステム200および/または静電型接着システム302の構成要素を含むまたは使用することができる。例えば、第2のクラッチシステム400は、第1のクラッチシステム200の例の第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208のうちの1つに対応し得るような、基準電極アセンブリ402を含むことができ、第2のクラッチシステム400は、第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208のうちの他方に対応し得るような、可動電極アセンブリ414を含むことができる。
【0092】
基準電極アセンブリ402は、第2のクラッチシステム400の少なくとも1つの電極を他方に対して固定または参照する第1のクラッチフレーム404を含むことができる。可動式電極アセンブリ414は、第2のクラッチシステム400の異なる電極に結合される第2のクラッチフレーム416を含むことができる。
図4の例では、基準電極アセンブリ402は、第1のクラッチフレーム404に結合された第1のポリマー基板406と、第1のポリマー基板406に結合された第1の導電性部材408と、第1の導電性部材408に結合された第1の誘電体部材410とを含む。可動式電極アセンブリ414も同様に、第2のポリマー基板418、第2の導電性部材420、および第2の誘電体部材422を含む。
【0093】
様々な例において、第1および第2のポリマー基板406、408は、使用中に第1および第2の電極アセンブリ202、208が座屈するまたは折り畳まれる可能性を防止または低減させる剛性を提供するが、第1のクラッチシステム200が本明細書に開示されるような着用可能物品において有用であるように柔軟でもあるように構成される。様々な例において、第1および第2のポリマー基板406、418は、ポリオレフィン発泡体であるか、またはポリオレフィン発泡体を含む。様々な例において、ポリオレフィン発泡体は、第1および第2の導電性部材408、420とポリオレフィン発泡体との間の接着層を使用して、第1および第2の導電性部材408、420のそれぞれに適用され、この場合、接着層は、第1および第2のポリマー基板406、418の一部であると理解され得る。様々な例において、ポリマー基板は、約0.25ミリメートルの厚さを有するが、必要に応じてこれより大きいまたはより小さい厚さも考えられる。様々な例において、第1および第2のポリマー基板406、418は、5703LE感圧粘着フォームテープで形成される。
【0094】
基準電極アセンブリ402または可動式電極アセンブリ414の様々な構成要素は、
図2A、
図2B、または
図2Cの例の第1の電極アセンブリ202または第2の電極アセンブリ208の構成要素を含むまたはそれらに対応することができる。例えば、第1のポリマー基板406は、第1のサポート214または第2のサポート216に対応することができ、または第2のポリマー基板418は、第3のサポート218または第4のサポート220に対応することができる。第1の導電性部材408は、第1の導電性表面204に対応することができ、または第2の導電性部材420は、第2の導電性表面210に対応することができる。第1の誘電体部材410は、第1の誘電体層206に対応することができ、または第2の誘電体部材422は、第2の誘電体層212に対応することができる。第2のクラッチシステム400の例は、第1のクラッチシステム200の位置合わせデバイス222に対応し得るような、弾性アライナー428の複数のインスタンスを含む。第1のクラッチシステム200の議論において同様に上で説明したように、弾性アライナー428を設けることで、基準電極アセンブリ402および可動式電極アセンブリ414を定位置に配置または維持し、それにより、第1の導電性部材408と第2の導電性部材420との間に電界を生成することによって、静電気力を誘発させて電極アセンブリを一緒に保持することができる。
【0095】
使用時、第2のクラッチシステム400は、インタフェース430において、またはインタフェース430に沿って、可動式電極アセンブリ414の第2の誘電体部材422に実質的に隣接して配置された基準電極アセンブリ402の第1の誘電体部材410を含む。電極アセンブリをこのように配置すると、第1の導電性部材408と第2の導電性部材420との間に電界を誘発させることができ、結果的に、静電気力を生じさせて、インタフェース430にて基準電極アセンブリ402と可動式電極アセンブリ414とを一緒に接合させることができる。電界が存在しない場合、可動式電極アセンブリ414は、基準電極アセンブリ402に対して移動するように構成することができる。一例では、可動式電極アセンブリ414は、平面内で、例えば基準電極アセンブリ402の平面に平行に移動することができる。
【0096】
図4の例は、
図3の例の変位センサ320を含むまたはそれに対応することができる、第1の変位センサ426を含む。第1の変位センサ426は、第2のクラッチフレーム416に結合することができ、第2のクラッチフレーム416と共に移動することができる。第1の変位センサ426は、例えば特定の軸線に沿った、センサと基準点との間の距離d
xを測定するように構成することができる。基準点は、例えば、第1のクラッチフレーム404上に配置または第1のクラッチフレーム404に結合することができる、変位センサ基準要素412によって提供することができ、または第2のクラッチシステム400の他の場所に設けることができる。一例において、第1の変位センサ426は、複数の次元での、または複数の軸線に沿った、変位または位置情報を測定するように構成することができる。例えば、第1の変位センサ426は、x、y、および/またはz方向における変位センサ基準要素412に対するセンサの位置を測定するように構成することができる。
【0097】
図4の例は、
図3の例の運動学的センサ318を含むまたはそれに対応することができるような、加速度計424を含む。加速度計424は、可動式電極アセンブリ414の第2のクラッチフレーム416の加速度を測定するように構成することができる。本明細書の他の場所で説明したように、加速度計424からの情報を使用して、第2のクラッチシステム400の作動を決定または制御すること、または第2クラッチシステム400によって印加されるクラッチ力を制御することができる。
【0098】
実際には、第1の導電性部材408および第2の導電性部材420が電気端子に結合され、例えば信号発生器306からの電気信号によって駆動されると、アセンブリは、充電および放電可能なコンデンサを形成する。端子間に電圧が印加されると、コンデンサが静電引力を充電および生成する。引力により、導電性部材を一緒にさせ、それによって摩擦を増加させ、あらゆる相対的な運動が抑制される。電圧が除去または低減されると、静電引力が除去または低減され、導電性部材が効果的に解放され、互いに対してより自由に摺動できるようになる。
【0099】
図5は、概して、例示的な第1のクラッチ制御方法500を示す。第1のクラッチ制御方法500は、第1のクラッチシステム200、静電型接着システム302、あるいは第2のクラッチシステム400、または本明細書で説明される他のシステムあるいはデバイスの様々な要素を含むまたは使用することができる。
【0100】
ブロック502において、第1のクラッチ制御方法500は、静電型接着クラッチシステムのためのユーザ制御命令を受信することを含むことができる。一例では、ブロック502は、ユーザインタフェース310を使用して、ユーザから制御命令を受信することを含むことができる。一例では、ブロック502は、センサ314のうちの1つ以上を使用して、ユーザから制御命令を受信することを含むことができる。例えば、ユーザ制御命令は、クラッチシステムを有効または無効にする、またはシステムを動作させる程度または大きさを制御するユーザ命令を含むことができる。即ち、ユーザ制御命令は、システムが提供すべきクラッチ力またはせん断抵抗力の量(例えば、相対量または絶対量)を示すことができる。
【0101】
ブロック504において、第1のクラッチ制御方法500は、静電型接着クラッチシステムの状態を検出または決定することを含むことができる。一例では、ブロック504は、センサ314のうちの1つ以上を使用して、クラッチシステムの状態、位置、または他の状態を決定することを含むことができる。一例では、ブロック504は、例えば変位センサ320を使用して、クラッチシステム内の電極の相対位置を決定することと、相対位置に関する情報をプロセッサ回路304に提供することとを含むことができる。一例では、ブロック504は、クラッチシステムの加速度、またはクラッチシステムが結合されている身体の加速度、またはクラッチシステムが制御するように構成されている身体の加速度を決定することと、加速度情報をプロセッサ回路304に提供することと、を含むことができる。
【0102】
一例では、ブロック504は、静電型接着システム302またはその構成要素の1つ以上の特性を測定することを含むことができる。一例では、ブロック504は、フィルタ(例えば、平滑化フィルタまたはノイズ低減フィルタ)を適用すること、または測定された特性を処理して、静電型接着システム302またはシステム自体の構成要素に関する位置、方向、構成、またはその他の情報を決定することを含むことができる。一例では、ブロック504は、1つ以上の電極アセンブリ構成要素の位置合わせ、位置、および/または方向を決定することを含むことができる。
【0103】
ブロック506において、第1のクラッチ制御方法500は、ブロック504からの静電型接着システムの検出された状態に基づいて、クラッチ制御信号を生成することを含むことができる。例えば、ブロック506は、プロセッサ回路304を使用して、ユーザインタフェース310またはセンサ314、または他のソースからの情報を処理して、システムのクラッチを制御可能な信号を生成することを含むことができる。一例では、ブロック506は、クラッチシステムのためのオン/オフの二値表示を生成することを含むことができ、またはブロック506は、提供されるシステムのためのクラッチ力の大きさを示す信号を生成することを含むことができる。例えば、ブロック506は、提供されるクラッチ力の異なる量に対応する異なる制御信号を生成することを含むことができる。
【0104】
ブロック508において、第1のクラッチ制御方法500は、静電型接着クラッチシステム内の電極にクラッチ電極駆動信号を供給することを含むことができる。例えば、ブロック508は、信号発生器306を使用して、クラッチ電極アレイ322にDC信号またはAC信号を供給することを含むことができる。一例では、ブロック508は、クラッチ電極アレイ322内の異なる電極に異なる電気信号を供給することを含む。一例では、ブロック508は、同じAC信号の逆極性コンポーネントをクラッチシステム内のそれぞれ異なる電極に供給し、それによって、電極間に静電力を誘発させ、クラッチ力を生成することを含む。
【0105】
一例では、ブロック506および/またはブロック508は、プロセッサ回路304を使用して、または別のローカルまたはリモートコントローラを使用して、検出された状態に関する様々な計算を実行すること、校正情報を使用すること、以前に検出されたあるいは保存された状態に関する情報を使用すること、以前に画定された制御パラメータを使用すること、または他の情報を使用することにより、静電型接着システム302の様々な態様を制御することを含むことができる。計算の結果により、例えば、アプリケーションまたは制御アルゴリズムに従って、静電型接着システム302に様々な異なる応答または制御のうちの1つを実行させることができる。一例では、プロセッサ回路304または他のコントローラは、とりわけ、ステートマシン、フィードバックループ、フィードフォワードコントローラ、ルックアップテーブル(LUTs)、比例積分偏差(PID)コントローラ、パラメトリックコントローラ、モデルベースコントローラ、運動学的モデルベースコントローラ、または状態空間コントローラを含むことができる。コントローラの様々なパラメータをトレーニングまたは最適化することができる。一例では、様々なパラメータまたはアルゴリズムは、例えば複数の異なるユーザからの情報を使用して、入力をより良く理解し、応答するよう、機械学習または深層学習を含むまたは使用することができる。一例では、静電型接着システム302のコントローラは、例えば、使用パターン、システム自体あるいはその構成要素の特性(劣化または磨耗を含む)、または他の情報に基づいて、システムの挙動または性能を改善、適応、または改善あるいは更新するよう再構成するように構成することができる。
【0106】
一例では、静電型接着クラッチシステム用のモデルベースのコントローラは、例えば、様々な体型を有し得る、様々なユーザへのシステムの適応を容易にすることができ、または、例えば、トレーニングデータやトレーニング期間により、またはそれらなしで、異なる環境または異なる条件下でのシステムの適応を容易にすることができる。例えば、ユーザまたはユースケースに関する先験的な情報を使用して、制御モデルパラメータを指定または設定することができる。一例では、システムまたはユーザの検出された変化または特性に基づいてモデルを更新することができる。例えば、モデルパラメータは、例えば、着用者の身体部分の形状あるいは重量、またはシステムあるいはユーザの身体の適応性に応じて更新することができる。一例では、モデルパラメータからの変化または偏差は、クラッチシステムのコンポーネントの変化またはユーザの変化を示す可能性がある。例えば、パラメータの変化は、システムのコンポーネントの故障または磨耗を示すことができ、ユーザに(例えば、ユーザインタフェース310を使用して)通知することができる。付加的または代替的に、自動的に交換品を提供可能な製造業者またはベンダー等の遠隔オペレータまたはシステムに通知を提供することができ、それによって、ユーザエクスペリエンスを向上させることができる。一例では、モデルパラメータの変化は、例えば怪我や疲労を示し得る、ユーザの歩き方や姿勢の変化を示すことができる。ユーザは、ユーザインタフェース310を使用して、そのような変化について通知または警告を受けることができる。
【0107】
図6は、クラッチシステムの制御例をグラフで示した、例示的ないくつかのチャート600を概略的に示している。チャート600は、加速度信号チャート602、クラッチ信号チャート604、および電圧信号チャート606を含む。チャート600は、加速度情報、クラッチ制御、および電極駆動電圧信号がどのように対応し得るかの一例を概略的に示す共通の時間軸を含む。
【0108】
加速度信号チャート602の例は、例えば、静電型接着システム302の例の運動学的センサ318から受信または導出できる、加速度信号608を含む。加速度信号608は、身体、静電型接着システム302、または静電型接着システム302の構成要素の加速度の大きさを示すことができる。例えば、加速度信号608は、
図4の例において本明細書で説明されるような、クラッチシステムの特定の電極または電極アセンブリの加速度を示すことができる。
図6の例では、加速度信号608は、概略的に、適度に一定の周波数および変化する大きさを有する振動信号として示されている。この例では、加速度信号608の第1の部分または前半部分は、第1の加速度大きさ特性を有する振動加速度表示信号を含み、加速度信号608の第2の部分または後半部分は、より大きな第2の加速度大きさ特性を示す。
【0109】
加速度信号チャート602は、固定の大きさAth1を有する第1の加速度大きさ閾値610と、固定の大きさAth2を有する第2の加速度大きさ閾値612とを含む。加速度閾値は、超過した場合に、静電型接着システム302の制御状態または制御状態の変化を示す大きさの閾値を表す。例えば、加速度信号608が第1の加速度大きさ閾値610よりも小さい加速度大きさを示す場合、システムは、第1の制御状態を有することができ、加速度信号608が第1の加速度大きさ閾値610よりも大きく、かつ第2の加速度大きさ閾値612よりも小さい加速度大きさを示す場合、システムは、第2の制御状態を有することができ、加速度信号608が第2の加速度大きさ閾値612よりも大きい加速度大きさを示す場合、システムは、第3の制御状態を有することができる。
図6の例は、大きさ閾値条件を固定値または静的な値として示しているが、例えば、加速度信号608のモルフォロジーに基づいて、または加速度信号608の絶対的または相対的変化に基づいて、他の大きさ閾値条件を使用することもできる。2つよりも少ないまたは多い閾値条件を同様に使用することができ、
図6の例では説明目的で2つの閾値条件が使用されている。
【0110】
図6の例は、様々な制御状態が加速度信号608の加速度大きさ閾値に基づいて指定または決定できることを示している。他の加速度に基づく変化またはトリガも同様に使用可能である。例えば、加速度信号608の周波数を使用して、制御状態の変化をトリガすることができ、または加速度信号608の周波数の変化を使用することができる。
【0111】
クラッチ信号チャート604の例には、クラッチ制御信号614が含まれる。
図6の例では、クラッチ制御信号614は、静電型接着クラッチの制御信号がオンであるかあるいはオフであるかを示す二値信号である。オンの状態では、クラッチ制御信号614は、電気信号がクラッチシステム内の1つ以上の電極に提供されることを示すことができ、オフの状態では、クラッチ制御信号614は、電気信号が除去されるか、または異なる値に変更されることを示すことができる。一例では、クラッチ制御信号614がハイまたはオンである場合、プロセッサ回路304は、信号発生器306に第1の制御信号を供給するように構成することができ、それに応答して、信号発生器306は、クラッチ電極アレイ322の1つ以上の電極に電気信号を供給することができる。クラッチ制御信号614がローまたはオフである場合、プロセッサ回路304は、信号発生器306に第2の制御信号を供給するように構成することができ、それに応答して、信号発生器306は、クラッチ電極アレイ322の1つ以上の電極に供給される電気信号の値を変更することができ、または信号発生器306は、電気信号の供給を停止することができる。一例では、クラッチ制御信号614がローまたはオフである場合、クラッチ電極アレイ322内の1つ以上の電極を接地または基準電圧源に結合することができる。
【0112】
一例では、クラッチ制御信号614は、2つより多くの状態または値を有する多値信号とすることができる。即ち、クラッチ制御信号614は、システムによって提供されるクラッチ制御の異なるレベルを示す状態または値を有することができる。例えば、第1の状態では、クラッチ制御信号614は、ゼロクラッチ、またはクラッチ電極アレイ322内の電極に電気信号が供給されていないことを示すことができる。別の第2の状態では、クラッチ制御信号614は、中程度のクラッチまたはクラッチ電極アレイ322内の電極に中間の大きさの電気信号が供給されていることを示すことができる。別の第3の状態では、クラッチ制御信号614は、高いクラッチまたはクラッチ電極アレイ322内の電極に高い大きさの電気信号が供給されていることを示し、それによって、第2の状態よりもより大きな電界およびより大きな静電力を誘発させる。対応する異なるクラッチ力を持つより多くの状態も同様に使用可能である。
【0113】
電圧信号チャート606の例には、クラッチ電圧信号616が含まれる。
図6の例では、クラッチ電圧信号616は、例えば信号発生器306を使用して、クラッチ電極アレイ322内の1つ以上の電極に供給され得る第1のAC信号の一部を表す。例えば、クラッチ電圧信号616は、第1の電極324に供給可能な第1のAC信号を示すことができ、実質的に同時に、相補的な逆極性の第2のAC信号を第2の電極326に供給することができる。AC信号が供給されると、第1の電極324と第2の電極326との間に静電力が誘発され、それによって、電極を互いに保持するクラッチ力が提供される。AC信号の大きさは、結果として生じるクラッチ力の大きさに影響を与え得る。例えば、AC信号の電圧の大きさが増加すると、それに対応してクラッチ力が増加する可能性がある一方、電圧の大きさが減少すると、それに対応してクラッチ力が減少する可能性がある。一例では、AC信号のデューティサイクルは、結果として生じるクラッチ力の大きさに影響を与える可能性がある。例えば、オン時間の増加(例えば、AC信号の供給)は、対応するクラッチ力の増加を引き起こす可能性がある一方、オン時間の減少は、対応するクラッチ力の減少を引き起こす可能性がある。
【0114】
例えば、t
1とt
2との間の第1のクラッチ期間中、クラッチ電圧信号616は、第1のAC信号の大きさv
1を有するAC信号を含むことができる。その後のt
3とt
4との間の第2のクラッチ期間中、クラッチ電圧信号616は、同じ第1のAC信号の大きさv
1を有するAC信号を含むことができる。一例では、AC信号の大きさは、同じクラッチ期間中の加速度信号608の大きさに基づくことができ、または加速度信号608の大きさと1つ以上の加速度大きさ閾値との間の関係に基づくことができる。換言すると、
図6の例では、クラッチ電圧信号616の大きさは、加速度信号608の大きさと、第1の加速度大きさ閾値610および第2の加速度大きさ閾値612との間の関係に依存するか、またはその関係に部分的に基づくことができる。加速度信号608が第1および第2のクラッチ期間中に第2の加速度大きさ閾値612を超えない故に、クラッチ電圧信号616の大きさは、v
1に設定され得る。
【0115】
図6の例には、t
5とt
6との間の第3のクラッチ期間、t
6とt
7との間の第4のクラッチ期間、およびt
8とt
9との間の第5のクラッチ期間の例が含まれている。第3のクラッチ期間の例では、加速度信号608は、時間t
5にて第1の加速度大きさ閾値610を超え、それにより、クラッチ制御信号614の状態のオフからオンへの変化をトリガする。第3のクラッチ期間中、加速度信号608は、第1の加速度大きさ閾値610を超えるが、第2の加速度大きさ閾値612を超えないため、クラッチ電圧信号616の大きさは、第1のAC信号の大きさv
1に設定または維持することができる。この例では、加速度信号608は、時間t
6にて第2の加速度大きさ閾値612を超えることができ、それに応じて、クラッチ電圧信号616の大きさは、第1のAC信号の大きさv
1から第2のAC信号の大きさv
2に変化することができる。即ち、クラッチシステム内の1つ以上の電極に供給される電圧信号の大きさは、対応する加速度の増加に関する情報に応答して増加し得る。
図6の例では、クラッチ電圧信号616は、例えば、第3および第4のクラッチ期間に対応する同じ時間間隔にわたる加速度信号608の変化に起因して、第3のクラッチ期間から第4のクラッチ期間に段階的な変化を示す。
【0116】
一例では、クラッチ電圧信号616は、段階的な方法以外の方法で制御または変化してもよい。例えば、クラッチ電圧信号616の大きさは、加速度信号608の大きさにより直接的または類似的に依存することができる。即ち、加速度信号608がクラッチ力要求(例えば、身体または他の物体の運動または運動の変化に起因する)を示し得るまたはその代用となり得るため、プロセッサ回路304および信号発生器306は、加速度信号608の大きさに応じて、クラッチ電極アレイ322内のクラッチ電極のための1つ以上の駆動信号の大きさを変更することができる。
図6の例では、第5のクラッチ期間は、対応する時間における加速度信号608のエンベロープ特性またはモルフォロジー特性にほぼ対応する大きさエンベロープ特性またはモルフォロジー特性を有するクラッチ電圧信号616の一例を示す。換言すると、クラッチ電圧信号616の大きさは、加速度信号608の大きさの増加に対応して増加し得る。
図6の例では、クラッチ電圧信号616の大きさは、例えば、加速度信号608の大きさのピーク値に対応し得る、おおよそ第3のAC信号大きさv
3まで増加する。一例では、クラッチ電圧信号616の大きさの変化により、加速度信号608の変化を多かれ少なかれ即座に追跡することができ、または、クラッチ電圧信号616の大きさの変化は、加速度信号608の変化の関数であり得る。例えば、加速度信号608からの大きさの変化に関する情報を平滑化することができ、その平滑化された情報を使用して、クラッチ電圧信号616の大きさを制御することができる。
【0117】
一例では、クラッチ電圧信号616の周波数は、固定または動的であり得る。例えば、クラッチ電圧信号616の周波数は、とりわけ、加速度信号608の大きさ、クラッチ制御信号614の周波数、クラッチシステムの電力またはバッテリ状態、ユーザの好み、または他の周波数制御インジケータに依存し得る。
図6の例では、クラッチ電圧信号616の周波数は、第1、第2、第3、および第4のクラッチ期間ではほぼ同じであり、クラッチ電圧信号616の周波数は、第5のクラッチ期間では低下する。例えば、クラッチシステムの所望の動作または電力消費特性に応じて、他のクラッチ電圧信号616の周波数または周波数の変化も同様に使用することができる。
【0118】
本発明者らは、とりわけ、解決すべき課題には、クラッチシステムをオン状態とオフ状態との間で迅速に作動させることが含まれることを認識している。例えば、課題には、少なくとも約60Hz、または120Hz、またはそれ以上のレートでクラッチシステムがオン状態とオフ状態(例えば、電力が供給されている状態と電力が供給されていない状態)との間で循環することが含まれ得る。即ち、課題には、静電的にアクティブな状態またはグリップ状態と、静電的にアクティブでない状態または弛緩状態との間で、例えば1秒間に複数回変化することができる効果的なクラッチを提供することが含まれ得る。この課題には、とりわけ、例えば、システムの容量性またはコンデンサ様のコンポーネントで発生し得るような、第1のクラッチシステム200、静電型接着システム302、または第2のクラッチシステム400等の静電型接着システムにおける誘電体吸収の管理を含むことができる。誘電体吸収現象は、実際には、システム内の電極上または電極間の望ましくない電荷の蓄積を表すものとして理解され得る。クラッチシステムにおける誘電体吸収は、特に、比較的高い電圧刺激信号が比較的長期間、クラッチ電極に印加された場合に発生し得る。
【0119】
例えば、第1のクラッチシステム200は、誘電体吸収を受けやすい構成の第1の電極アセンブリ202および第2の電極アセンブリ208を含むことができる。第1の導電性表面204および第2の導電性表面210は、コンデンサのプレートのように機能することができ、コンデンサは、誘電体吸収の効果を示すことが理解されている。例えば、クラッチを作動させるためにクラッチシステムが充電され、その後、放電されて開放されると、誘電体吸収に起因して導電性表面間に電圧を発生させることができる。即ち、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210を信号発生器306等の電圧源に再接続しなくとも、第1の導電性表面204および第2の導電性表面210を含む「コンデンサ」は、様々なアセンブリを含む誘電性分子双極子に対する電圧刺激または作動信号の影響に起因する電圧メモリを示すことができる。換言すると、クラッチシステムは、システムの効率を損なう可能性のある誘電体吸収や残留電圧の影響を受けやすく、システムがオン状態とオフ状態とを繰り返す速度を損なう可能性がある。例えば、第1の導電性表面204と第2の導電性表面210との間に残留電圧が存在する場合、クラッチがクラッチサイクル間で完全に係合解除されるのを防ぐことができ、またはシステムあるいはそのコンポーネントが、例えば、システムの望ましい動作に有害であるかまたは悪影響を与える可能性があり、従って、ユーザエクスペリエンスに有害であり得る中間クラッチ位置にて、不用意にまたは中間的に作動する可能性がある。
【0120】
本発明者らは、急速作動問題に対する解決策には、クラッチシステムにおける誘電体吸収に対処することが含まれ得ることを認識している。この解決策は、例えば、経時的に変化する極性を有する電圧刺激信号、即ち、
図6の例におけるクラッチ電圧信号616等の交流(AC)信号を使用して、システムを作動させることを含むことができる。本発明者らは、クラッチシステムのせん断力F
shearが印加電圧の二乗の関数であり、従って、せん断力が印加駆動電圧の極性に依存しないことを認識している。換言すると、本発明者らは、ACクラッチ電圧信号616を使用してクラッチシステムを刺激することは、DC駆動信号に比べて有益であり得ることを認識しており、なぜなら、AC信号は、最大せん断力に悪影響を与えることなく、バルク電荷、または誘電体吸収の影響を低減するのに役立ち得るからである。
【0121】
静電型接着クラッチシステムの電気駆動信号は、数ボルトから数百ボルトの範囲に及ぶ可能性がある。様々な機械的特徴を使用して、クラッチシステムの電極を物理的に分離し、それによって、電極と他の物体との間の電気的接触を防ぐことができる。例えば、機械的特徴は、短絡を引き起こす可能性のある2つ以上のアクティブ電極間の接触を防止するのに役立ち、または電極と他の敏感な物体あるいは表面(例えば、身体組織)との間の接触を防止するのに役立ち得る。
【0122】
図7A、
図7B、および
図7Cは、クラッチシステム用の異なる電極アセンブリの断面図の例を概略的に示しており、電極アセンブリは、様々な絶縁特性を含むことができる。例えば、
図7Aは、第1の例示的なアセンブリ702aの断面図を含む。第1の例示的なアセンブリ702aは、本明細書で議論される他の電極アセンブリのうちの1つ以上を含むまたはそれに対応することができる。
図7Aの例では、第1の例示的なアセンブリ702aは、第1の電極ハウジング710aによって収納されている第1の導電性部材706aを含む。一例では、第1の電極ハウジング710aは、第1の導電性部材706aを気密封止し、環境から絶縁する。
【0123】
第1の電極ハウジング710aは、少なくとも第1のポリマー基板704aおよび第1の誘電体部材708aを備えることができる。
図7Aの例では、第1の導電性部材706aの底面は、第1のポリマー基板704aの上面に結合されている。第1の導電性部材706aは、第1のポリマー基板704aに、例えばそれらの付近のまたは隣接する各表面に沿って、堆積または別の方法で取り付けることができる。
図7Aの例では、第1の誘電体部材708aは、第1の導電性部材706aの他の側面または表面の周囲に結合することができる。例えば、第1の誘電体部材708aは、第1の誘電体部材708aの上面および側面の周りに設けられるか、またはそれらに結合させることができ、第1の誘電体部材708aを第1のポリマー基板704aに結合することによって、第1の誘電体部材708aと第1のポリマー基板704aとの間の第1の導電性部材706aを収納することができる。
【0124】
第1の例示的なアセンブリ702aは、第1のポリマー基板704aを貫通して、第1の導電性部材706aと第1の電極ハウジング710a内のアクセス端子との間に電気信号通信経路を提供する第1の導電性リード712aを含む。一例では、結果として得られる信号通信経路を使用して、第1の導電性部材706aを信号発生器306に結合することができる。
【0125】
図7Bは、第2の例示的なアセンブリ702bの断面図を含む。第2の例示的なアセンブリ702bは、本明細書で説明される他の電極アセンブリのうちの1つ以上を含むまたはそれに対応することができる。
図7Bの例では、第2の例示的なアセンブリ702bは、第2の電極ハウジング710bによって収納されている第2の導電性部材706bを含む。一例では、第2の電極ハウジング710bは、第2の導電性部材706bを気密封止し、環境から絶縁する。
【0126】
第2の電極ハウジング710bは、少なくとも第2のポリマー基板704bおよび第2の誘電体部材708bを備えることができる。
図7Bの例では、第2の導電性部材706bの側面および底面の少なくとも一部は、第2のポリマー基板704bに結合または埋め込まれ得る。
図7Bの例では、第2の誘電体部材708bは、第2の導電性部材706bの他の側面または表面の周囲に結合され得る。例えば、第2の誘電体部材708bは、第2の誘電体部材708bの上面の周りに設けられるか、またはそれに結合することができ、第2の誘電体部材708bの側面の全部または一部の周りに結合することができる。誘電体部材およびポリマー基板を結合することにより、第2の誘電体部材708bと第2のポリマー基板704bとの間に第2の導電部材706bを包み込むことができる。
【0127】
第2の例示的なアセンブリ702bは、第2の導電性部材706bから離れるように第2の電極ハウジング710bまで延在する、または第2の電極ハウジング710bを貫通する第2の導電性リード712bを含む。
図7Bの例では、第2の導電性リード712bは、第2のポリマー基板704bおよび/または第2の誘電体部材708b上またはそれらの間に配置されて、第2の導電性部材706bと第2の電極ハウジング710b内のアクセス端子との間に電気信号通信経路を提供する。他の導電性リード構成または付属品も同様に使用して、例えば、信号発生器306と、クラッチシステム内の電極アセンブリの導電性部材との間の電気通信を提供することができる。
【0128】
図7Cは、第3の例示的なアセンブリ702cの断面図を含む。第3の例示的なアセンブリ702cは、本明細書で説明される他の電極アセンブリのうちの1つ以上を含むまたはそれに対応することができる。
図7Cの例では、第3の例示的なアセンブリ702cは、第3のポリマー基板704cと第3の誘電体部材708cとの間に結合された少なくとも第3の導電性部材706cを備えることができる。
図7Cの例では、第3の導電性部材706cの底面は、第3のポリマー基板704cの上面に結合されている。第3の導電性部材706cは、第3のポリマー基板704cに、例えば、それらの付近のまたは隣接する各表面に沿って、堆積または別の方法で取り付けることができる。
図7Cの例では、第3の誘電体部材708cは、例えば、第3の導電性部材706cの側面に、またはそれに沿って結合されることなく、第3の導電性部材706cの反対側の第2の側面に結合することができる。第3の導電性部材706cの側面は、信号発生器306等の外部回路との結合を容易にするように、被覆されていない、または露出されていてもよい。
【0129】
図7Cの例は、第3の誘電体部材708c上に設けられる、または第3の誘電体部材708cに結合される平滑剤714を含む。平滑剤714は、第3の誘電体部材708cの表面のあらゆる凹凸を平滑化または充填し、それによって、表面に低い摩擦係数を提供するように構成された材料を含むことができる。一例では、クラッチシステムは、一対の電極アセンブリを含むことができ、これらのアセンブリの少なくとも1つは、平滑剤を含むことができる。アセンブリが面対面で互いに隣接して設けられており、表面が互いに摺動または移動する繰り返し応力に曝されている場合、平滑剤は、システムの寿命をより延ばし、電極アセンブリ(単数または複数)の磨耗を軽減するのに役立ち得る。一例では、平滑剤714は、第3の誘電体部材708c上に比較的薄い層で堆積可能な、インクベース、ポリマーベース、または他の印刷可能材料を含み得る。一例では、平滑剤714は、第3の誘電体部材708cと同様の誘電率特性を有することができる。
【0130】
一例では、平滑剤714のメニスカスは、誘電体部材708cの表面エネルギー特性を低下させることができ、メニスカスは、静電接着の開始を支援することができる。平滑剤714は、誘電率の低い空気を介して短絡する可能性がある誘電体部材708c内の細孔または空隙(例えば、欠陥)を充填するのに役立ち得る。一例では、平滑剤714は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)または他のシリコン作動油またはグリースを含むことができる。
【0131】
第1の例示的なアセンブリ702a、第2の例示的なアセンブリ702b、または第3の例示的なアセンブリ702cの例では、それぞれの誘電体材料またはポリマー材料は、既存の材料またはサブアセンブリであってもよく、または印刷、堆積、または電極アセンブリの組み立て時に形成された材料を含んでもよい。例えば、電極アセンブリは、その上に導電性部材を印刷または堆積できるフィルムベースのポリマー基板を含むことができる。誘電体部材は、導電性部材およびポリマー基板の上に堆積あるいは印刷、またはオーバープリントできる誘電体材料を含むことができる。オーバープリントによって、誘電体材料をポリマー基板に、または
図7Aおよび
図7Bの例に示すような他の介在材料に接合することができる。一例では、誘電体材料または平滑剤714は、被覆の均一性を最大化するのに役立つように、複数のパスまたは層に堆積される印刷材料を含むことができる。いくつかの例では、平滑剤714または誘電体材料をパターン化されたまたは不規則な方法で印刷または堆積して、異なる摩擦特性またはクラッチ挙動を提供することができる。
【0132】
例示的なクラッチシステムでは、特定の対の電極アセンブリにおける電極アセンブリは、同様にまたは異なるように構成することもできる。例えば、アセンブリ、またはアセンブリの構成要素の高さ、長さまたは幅特性は、類似していても異なっていてもよい。一例では、同じ対の異なる電極アセンブリは、アセンブリ間の比較的広い範囲の(例えば、異なる軸線に沿った、複数の方向への)相対運動を容易にするか、またはそれに適応するように、異なる長さまたは幅特性を有することができる。一アセンブリを別のアセンブリに対して横方向に移動できるように幾らかのクリアランスまたは余地を設けることにより、アセンブリの表面に溝や窪みを形成し得る反復的な摩耗を軽減するのに役立ち得る。
【0133】
図8Aおよび
図8Bは、クラッチシステム用の異なる電極アセンブリの上面図の例を概略的に示しており、電極アセンブリは、導電性部分と他の物体との間の接触を最小限に抑えるまたは防止するのに役立ち得る様々な絶縁特性またはコンポーネントを含むことができる。例えば、
図8Aは、第4の例示的なアセンブリ802aの上面図を含む。第4の例示的なアセンブリ802aは、本明細書で議論される他の電極アセンブリのうちの1つ以上を含むまたはそれに対応することができる。
図8Aの例では、第4の例示的なアセンブリ802aは、第4のポリマー基板804aおよび第4の誘電体部材808aを含むハウジングによって少なくとも部分的に包み込まれた第4の導電性部材806aを含む。
図8Aの例では、第4の誘電体部材808aは、
図7Aおよび
図7Bの断面図の例に同様に示されるように、第4の導電性部材806aの上面および側面上に堆積される。
図8Aの例は、駆動信号源、例えば信号発生器306と第4の導電性部材806aとの間に電気信号経路を提供する第3の導電性リード810を含む。
【0134】
図8Bは、第5の例示的なアセンブリ802bの上面図を含む。第5の例示的なアセンブリ802bは、本明細書で議論される他の電極アセンブリのうちの1つ以上を含むまたはそれに対応することができる。
図8Bの例では、第5の例示的なアセンブリ802bは、第5のポリマー基板804bおよび第5の誘電体部材808bを含むハウジングによって部分的に包み込まれた第5の導電性部材806bを含む。
図8Bの例では、第5の誘電体部材808bは、第5の導電性部材806bの上面および長さ方向の側面の上に堆積される。第5の導電性部材806bの幅方向の側面は、露出されるか、または第5の誘電体部材808bによって被覆されていなくてもよい。
図8Aおよび
図8Bの例は、概略的に、側面が基板および誘電体媒体によって部分的または全体的に被覆またはカプセル化され得ることを示しており、図示されたもの以外の置換および構成も同様に使用することができる。
【0135】
図9A、
図9B、
図9Cおよび
図9Dは、様々な電極アセンブリコンポーネントまたはアセンブリの例の概略的な上面図を示す。本明細書の他の箇所で同様に説明したように、異なる電極アセンブリの導電性コンポーネントがクラッチシステム内で互いに隣接して設けられると、静電力が発生して、アセンブリを一緒に保持することができる。力の大きさは、電極アセンブリを駆動するために使用される電気信号に依存する場合があり、また、導電性コンポーネント自体の構成に依存する場合もある。即ち、本発明者らは、クラッチシステムにおけるクラッチ力の大きさは、導体の幾何学的形状または形状によって少なくとも部分的に制御することができ、ひいては、信号発生器306等から電気信号を受信すると、導体の周りの電界の分布密度に影響を与える可能性があることを認識している。
【0136】
例えば、
図9Aは、
図8Bの例に同様に示されるような、基板コンポーネント、導電性部材、および誘電体コンポーネントを含む、第6の例示的なアセンブリ902aの一例を概略的に示す。
図9Aの例では、誘電体コンポーネントは、誘電体勾配部材904を含む。誘電体勾配部材904は、導電性部材の上面の周囲に不均一または不規則に堆積された誘電体材料を含むことができる。一例では、勾配は、誘電体勾配部材904の可変の厚さを表すことができ、または誘電体コンポーネントの可変の誘電率特性を表すことができる。誘電勾配部材904の可変の厚さまたは誘電率特性は、第6の例示的なアセンブリ902aを備えるクラッチシステムの挙動または電力消費に影響を与える可能性がある。
【0137】
図9Bは、基板コンポーネントおよび導電性部材を含む、第7の例示的なアセンブリ902bを概略的に示す。誘電体コンポーネントは、第7の例示的なアセンブリ902bを含む電極アセンブリに任意に含めることができるが、そのような誘電体は、図面から省略されている。第7の例示的なアセンブリ902bは、不規則な導電性部材906を含む。即ち、不規則な導電性部材906は、本明細書の他の場所で説明される他の導電性部材またはコンポーネントのうちの1つ以上と同様の導電性部材を含むことができるが、不規則な導電性部材906は、側縁特徴、表面特徴、または不規則な形状のその他の特徴が含まれる。
図9Bの例では、導電性部材の長手方向の側面に切り込みが入れられている。
【0138】
不規則な導電性部材906が信号発生器306等から駆動信号を受信すると、不規則な導電性部材906は、その表面領域の周囲に電界を提供することができる。表面積が不規則であるため、結果として生じる電界は、不均一になり得る。結果として、第7の例示的なアセンブリ902bを備えるクラッチシステムの挙動は、より均一な導電性部材を備えるシステムの挙動とは異なる可能性がある。
【0139】
いくつかの例では、第7の例示的なアセンブリ902bは、クラッチシステムが異なる、個別の「ストップ」またはクラッチ位置を特徴とする場合に使用することができる。位置は、特定の電極の向きに対応することができる。例えば、クラッチシステムは、それぞれの隣接する導電性部材の比較的広い部分が異なる電極アセンブリ内で重なり合う場所で停止するように構成することができ、これは、例えば、そのような領域間には、それらの表面積が比較的大きいことに起因して、より大きな電界が発生する可能性があるからである。より狭い部分は、より小さな電界を示すことができ、アセンブリを個別の位置のうちの1つに「スリップ」または移動させることができる。
【0140】
図9Cは、基板コンポーネントおよび導電性部材を含む第8の例示的なアセンブリ902cの一例を概略的に示す。誘電体コンポーネントは、任意に、第8の例示的なアセンブリ902cを含む電極アセンブリに含めることができるが、そのような誘電体は、図面からは省略されている。第8の例示的なアセンブリ902cは、テーパ状の導電性部材908を含む。この例では、テーパ状の導電性部材908は、第8の例示的なアセンブリ902cの第1の側面付近にて、基板単位面積当たり、より大きな導電性表面積特性を有し、第8の例示的なアセンブリ902cの対向する第2の側面付近にて、基板単位面積当たり、より小さな導電性表面積特性を有する。
図9Bの例と同様に、第8の例示的なアセンブリ902cを備えるクラッチシステムのクラッチ動作は、テーパ状の導電性部材908の形状および配向によって影響を受けるまたは変化する可能性がある。
【0141】
図9Dは、基板コンポーネントおよび導電性部材を含む第9の例示的なアセンブリ902dの一例を概略的に示す。誘電体コンポーネントは、任意に、第9の例示的なアセンブリ902dを含む電極アセンブリに含めることができるが、そのような誘電体は、図面からは省略されている。第9の例示的なアセンブリ902dは、穿孔導電性部材910を含む。穿孔導電性部材910は、例示的なアセンブリが電気信号により駆動されるときに、電界に影響を与えることができる、様々なサイズ、形状、または向きの穿孔または貫通孔を有するように構成することができる。一例では、穿孔を規則的または不規則に分布させることによって、異なる電界を提供することができる。
【0142】
一例では、クラッチシステムは、同様のまたは異なる構成の電極または導電性部材または導体を備えることができる。例えば、第7の例示的なアセンブリ902bは、第8の例示的なアセンブリ902cに対向するクラッチシステム内の第1の電極アセンブリとして提供され得る。別の例では、第7の例示的なアセンブリ902bの2つの別個のインスタンスをクラッチシステム内に設けることができる。別の例では、第6の例示的なアセンブリ902aは、第9の例示的なアセンブリ902dに対向するクラッチシステム内の第1の電極アセンブリとして提供され得る。異なる電極導体のタイプ、形状、サイズ、および配向の他の組み合わせおよび順列も同様に使用して、異なるタイプのクラッチ動作および異なる量のクラッチ力を提供することができる。
【0143】
図10Aは、例えば、衣料物品とともに使用するための静電型接着クラッチデバイスのための例示的なカプセル材料1000の第1の図を含む。例示的なカプセル材料1000は、可撓性または順応性を有する材料で作製することができ、クラッチデバイスを含む電極または電極アセンブリのための保護エンクロージャを形成することができる。電気信号発生器、加速度計、または他のデバイス等のクラッチシステムの他のコンポーネントまたはデバイスをエンクロージャ内に設けることができる。
【0144】
図10Aでは、例示的なカプセル材料1000は、クラッチデバイスの電極を設けることができる細長いスリーブ、または中空管1008を備える。電極は、クラッチデバイスが係合解除されたときに相互に横方向に摺動するように構成することができ、管またはスリーブは、電極がその中に保持されるように、対応して拡張または収縮するように構成することができる。一例では、例示的なカプセル材料1000は、第1の端部1004および第2の端部1006を含む。例示的なカプセル材料1000は、第1の端部1004および第2の端部1006のそれぞれにて織物または衣料物品に取り付けられ得る。第1または第2の端部の一方または両方が、水密シールを形成することで、中空管1008内の内容物を保護するのに役立ち得る(
図10Cに示す)。管1008、または細長い可撓性収納は、弾性材料で作製することができ、リブ状織物を含むこともできる。リブ状織物は、ゴム引き素材で構成されている。収納は、収納の外面に撥水仕上げを含んでもよい。
【0145】
一例では、静電型接着クラッチの第1の電極アセンブリは、細長い可撓性収納の第1の端部に固定することができ、静電型接着クラッチの第2の電極アセンブリは、細長い可撓性収納の第2の端部に固定することができる。細長い可撓性収納の中央または中間部分は、第1および第2の電極アセンブリに対して移動するように構成されている。細長い可撓性収納は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に気密嵌合を形成することができる。
【0146】
一例では、可撓性収納は、熱可塑性ポリウレタンでコーティングされたストレッチニット材料で作られている。可撓性収納は、例えば、トリコットポリエステル(例えば、85%ポリエステル、15%スパンデックスの混合物)製の、スパンデックス等のポリウレタンでコーティングされた4方向ストレッチ材料で作製することができる。可撓性収納は、実質的に防風性および防水性があってもよく、黒色ポリウレタンコーティングを施した薄いネオプレン素材等の伸縮性のある生地で作ることができる。
【0147】
別の例では、収納は、防水性、耐水性、撥水性、またはそれらの任意の変形であるように作製される。収納は、水の浸入に関する様々な規格に準拠するように作製可能である。例えば、収納は、IPX2、IPX7、IPX8または他の適切な浸水保護レベル等の電気機械器具の外郭による保護等級(IPC)によって規定される家庭用電子機器の浸水基準に準拠させることができる。IPC試験IPX2には、最大15°まで傾けた場合の滴下水が含まれ、エンクロージャがその通常位置から最大15°までの角度で傾けられた場合に垂直に滴下する水が有害な影響を及ぼさないと規定されている。試験時間は、10分間であり、1分あたり3mmの降雨量に相当する水量を伴う。
【0148】
IPC試験IPX7は、最大1メートルの浸漬を伴い、規定された圧力および時間の条件下でエンクロージャが水に浸漬された場合(例えば、最大1メートルの浸水の場合)、有害な量の水の浸入は不可能でなければならないと述べている。試験時間は、30分間であり、浸漬深さはデバイスの底部で測定して最大1mであり、デバイスの頂部で測定して少なくとも15cmである。
【0149】
IPC試験IPX8は、例えば、3~5ATMで、1メートルを超える浸漬を伴い、これは、実質的に水深30mまたは50mに相当し得る。この試験は、製造業者が指定した条件下で機器が継続的に水に浸漬されるのに適しているか否かを判断するのに役立つ。
【0150】
国際電気標準会議(IEC)規格60529(または、同等の欧州規格EN60529)は、侵入、塵埃、偶発的接触、および水に対して機械的ケースおよび電気的エンクロージャによって提供される保護の程度を分類および評価する。水の浸入を測定または評価できる他の規格には、IEC規格60529、MIL-STD-810、および/またはDIN40050-9が含まれ得る。
【0151】
一例では、収納を含む静電型接着デバイスは、収納が適用される布地と同様のまたは同じドレープ特性でドレープするように作製することができる。ドレープとは、一般に、端縁にて保持されたときの生地の形状やプロファイルを指し、あるいは、テーブルクロスやスカートとして使用されるときに生地が物体を覆う方法を指し、後者の場合、対象となる材料が自重で重力に反応した結果として生じる、生地の成形性と呼ばれることが多い。静電型接着デバイス(例えば、静電型接着クラッチおよび収納)は、一例では、デバイスが使用される生地と実質的に同じドレープ特性を有することができる。例えば、静電型接着デバイスのコンポーネントおよび収納は、ドレープ係数の決定に関するISO規格9073-9:2008に記載されている技術を利用して決定できるように、それらが使用される生地または他の織物のドレープ係数に対応して作製することができる。
【0152】
図10Bは、デバイスの背面側から見た例示的なカプセル材料1000の第2の図を含む。いくつかの例では、例示的なカプセル材料1000の本体は、衣料物品と視覚的に一致するようにリブ1002または他の適切なテクスチャを含んでもよい。リブ1002はまた、例示的なカプセル材料1000と衣料物品の織物との間に摩擦保持を提供する機能的な機構としても機能し得る。リブ1002は、ゴム、シリコン、または比較的高い摩擦係数を有する他の順応性を有する材料で作製することができる。更に、リブ1002を有する部分を含む、例示的なカプセル材料1000の外面1014の全部または一部は、防水または撥水仕上げでコーティングされてもよい。リブ1002は、例示的なカプセル材料1000の本体上、例示的なカプセル材料1000の片側上、例示的なカプセル材料1000の両側上、または任意の他の適切な組み合わせに配置することができる。
【0153】
例えば、リブ材料は、4方向ストレッチ材料(例えば、スパンデックスまたは他の適切な材料)を弾性バンディング材料に接合することによって作ることができる。弾性バンディング材料は、熱活性化フィルム(例えば、Sampo Corp.社によるNASA-T)を用いて、収納(例えば、例示的なカプセル材料1000)に接合することができる。接合により、収納が集まってリブ状パターンが形成される。
【0154】
図10Cは、例示的なカプセル材料1000の第3の側端面図を示す。第1および第2の電極アセンブリは、開口部1010にて例示的なカプセル材料1000に挿入することができる。即ち、電極アセンブリは、それらが中空管1008内またはその内側で横方向にカプセル化され得るように、例示的なカプセル材料1000内に導入することができる。信号発生器110、加速度計124、またはセンサ120等の他のコンポーネントを、付加的または代替的に、例示的なカプセル材料1000内に挿入およびカプセル化することができる。例示的なカプセル材料1000は、第1および第2の電極アセンブリの周りに、同様に包み込まれる任意の他の構成要素と共に、気密嵌合または気密封止を形成することができる。カプセル材料は、横方向および/または長手方向に伸長するように構成することができる。
【0155】
一例では、カプセル材料またはハウジングは、包み込まれた第1および第2の電極アセンブリを互いに向かって付勢するのに役立ち、アセンブリが互いに対して横方向に移動または摺動できるように十分な間隔を維持しながら、アセンブリが緊密に接触した状態を維持することを促進する。
【0156】
一例では、中空管1008は、透明または半透明の材料を含むことができる。この例では、管の内側に配置されたクラッチデバイスの電極がユーザに見える可能性がある。一例では、管は、(例えば、半透明のオイルまたは他の流体を使用して)流体で満たされ得る。管は、クラッチデバイスのクラッチ状態、または管内に包み込むことができるようなクラッチデバイスによって提供されるクラッチ力の大きさを示す照明強度または色調等により、任意に照明することができる。一例では、管自体または管内部の材料は、電界発光性を有していてもよく、即ち、(例えば、クラッチデバイスまたは別のソースからの)電気信号または電界に応答して発光するように構成することができる。
【0157】
図10Dは、管内、管付近、または管に結合されたクラッチデバイスのクラッチ動作に関する情報を提供可能なクラッチインジケータ134を備えた、例示的なカプセル材料1000の中空管1008の一例を概略的に示す。
図10Dの例では、クラッチインジケータ134は、LED回路1018として具現化される、発光ダイオードまたはLED等の1つ以上の光源を含む。LED回路1018は、管の内側または外側等で中空管1008に結合することができる。管は、任意に、透明または半透明の材料を含むことができる。LED回路1018は、例えば中空管1008の長さに沿って分布または配置することができる、1つ以上のLEDデバイスを備えることができる。LED回路1018を含むLEDデバイスは、同じあるいは異なる波長または色調のライトを放射するように構成することができ、または、各デバイスが複数の異なる波長または色調で発光するように構成することができる。
【0158】
LED回路1018は、LED回路1018を含む1つ以上のLEDデバイスに電力信号を供給するように構成された照明駆動回路1016に結合することができる。照明駆動回路1016は、例えば、信号発生器110から照明命令を受信することができる。一例では、照明駆動回路1016は、信号発生器110によって供給されるクラッチ駆動信号特性に基づいて、LED回路1018によって放射される光の明るさまたは色調を制御することができる。例えば、比較的大きいクラッチ駆動信号(例えば、中空管1008内に配置されたクラッチデバイスの強い作動に対応する)が信号発生器110によってクラッチデバイス108に供給された場合、照明駆動回路1016は、比較的大きな電力信号をLED回路1018に供給し、それによって、LED回路1018を含むLEDデバイスを明るく照明する。より低い大きさのクラッチ駆動信号(例えば、中空管1008内に配置されたクラッチデバイスの弱い作動または無作動に対応する)が信号発生器110によってクラッチデバイス108に供給されると、照明駆動回路1016は、比較的低電力の信号をLED回路1018に供給し、それによって、LEDデバイスを弱く照明することができる。同様に、照明駆動回路1016を使用して、LED回路1018を制御して、信号発生器110からの1つ以上の信号の特性に応じて、または適応型サポートシステム100の他のセンサ120のうちの1つ以上からの情報に基づいて、異なる色調の光を発することができる。従って、例えばLED回路1018を備えるクラッチインジケータ134は、ユーザまたは適応型サポートシステム100の装着者に、システムの動作または状態に関する視覚的フィードバックを提供することができる。フィードバックを使用して、例えば、システムが機能していることを検証したり、異なる歩行やケイデンスを使用するようにユーザを訓練する等、ユーザの訓練を支援したりすることができる。
【0159】
LEDデバイスについて言及したが、他の照明源も同様に中空管1008内で、または中空管1008と共に使用することができる。例えば、液晶、電界発光材料または燐光材料、ランプ、または他の光源を同様に使用することができる。一例では、中空管1008は、流体を含むまたは流体で満たすことができ、流体は照明されてもよい。流体は、任意に、液体を含むことができ、一例では、クラッチデバイスを液体に浸漬することができる。一例では、液体は、例えば、数千回のクラッチ作動サイクル等にわたる、クラッチデバイスの寿命を延ばすのに役立つ粘度または他の特性を有することができる。
【0160】
図10Eは、電界発光ディスプレイ静電型接着クラッチ、またはELD EACを備えることができる一対の電極アセンブリの一例を概略的に示す。この例は、第1のELD電極アセンブリ1020および第2のELD電極アセンブリ1030を含むことができる。
図10Eの例では、いくつかの層をより良く図示するために、ELDアセンブリをそれぞれ分解図で示している。使用時には、第1および第2のELD電極アセンブリ1020および1030は、第1の静電型接着クラッチシステム200の例に同様に示されるように、少なくとも部分的に重なり合うように設けることができる。使用中、
図10Eの破線間の部分によって示すように、重なり合う領域は、発光することができる。一例では、電極アセンブリのうちの一方または両方が発光するように構成することができる。
【0161】
第1のELD電極アセンブリ1020の例は、フィルム基板1021、導電層1022、蛍光体層1023、および誘電体層1024を含むことができる。第2のELD電極アセンブリ1030の例は、フィルム基板1034、導電層1033、蛍光体層1032、および誘電体層1031を含むことができる。一例では、フィルム基板1021および1034は、例えば、透明なポリマーフィルムであり得る、例えば、約50μmの厚さを有することができる、PETEフィルムを含むことができる。蛍光体層1023および1032は、白色光または有色光等の光を放出するように構成可能な電界発光材料を含むことができる。一例では、蛍光体層は、DuPont 8150L/8152B材料を含むことができる。各蛍光体層は、堆積または印刷することができ、約5000オングストロームの厚さを有することができる。一例では、第1のELD電極アセンブリ1020の導電層1022は、例えば約5000オングストロームの厚さを有することができる、アルミニウムコーティングまたは他の導電性材料を含むことができる。一例では、第2のELD電極アセンブリ1030の導電層1033は、酸化インジウムスズ(ITO)材料またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等の導電性ポリマーを含むことができる。従って、導電層は、実質的に半透明の材料を含むことができ、いくつかの例では、約2000オングストロームの厚さを有することができる。導電層の少なくとも1つに半透明または透明な材料を提供することにより、システムから発せられ得る光の量を最大化するのに役立つ。他の例では、導電層に穿孔するまたは不規則な形状とすることができ、それにより、導電層の少なくとも1つが蛍光体層から発せられる光を遮断しないようにする。
図10Eの例では、誘電体層1024および1031は、DuPont LuxPrint8153等の誘電体インクを含むことができる。誘電体層1024および1031は、約32マイクロメートルの厚さを有することができる。様々な厚さに関する情報は、単なる例示として提供されており、他の寸法も同様に使用可能である。
【0162】
図11は、収納方法1100を介する衣料物品のための静電型接着システムの組み立て例を概略的に示す。収納方法1100は、第1のクラッチシステム200、静電型接着システム302、あるいは第2のクラッチシステム400、または本明細書で説明する他のシステムあるいはデバイスの様々な要素を含むまたは使用することができる。
【0163】
ブロック1102では、収納方法1100は、静電型接着クラッチシステム用の静電型接着クラッチデバイスを組み立てることを含むことができる。一例では、ブロック1102は、クラッチデバイスの第1および第2の電極アセンブリを受け入れる防水エンクロージャを形成する細長い可撓性収納を組み立てることを含むことができる。ブロック1102はまた、電気信号発生器を組み立てるまたは提供することを含むことで、第1および第2の電極アセンブリに第1および第2の駆動信号を供給して、クラッチシステムを作動させることができる。
【0164】
一例では、加速度計を収納内に配置することができる。加速度計は、静電型接着クラッチデバイスが結合されている身体の運動を測定するように構成することができ、電極アセンブリを駆動するように構成された電気信号発生器は、加速度計からの測定された運動に基づいて駆動信号を生成するように構成することができる。収納が高速で加速すると、加速度計が速度を測定し、測定された速度情報がプロセッサに送信されて、その速度が、静電型接着クラッチが通電されるべきであることを示す指定の閾値を満たすか否かを判断することができる。速度が閾値を満たすという判断に従って、プロセッサは、次に、静電型接着クラッチデバイスの電極アセンブリに1つ以上の信号を供給するよう命令を電気信号発生器に送信することができる。
【0165】
ブロック1104では、組み立てられた静電型接着クラッチデバイスを可撓性収納に挿入することができ、収納は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に防水エンクロージャを提供することができる。電気信号発生器は、第1および第2の電極アセンブリと共に可撓性収納内に挿入することもでき、または信号リードを可撓性収納の一部に、または可撓性収納の一部を介して結合することもできる。一例では、収納は、収納の少なくとも第1の端部にて衣料物品の織物材料に取り付けることができる。収納により、衣料物品は選択的に静的になる(即ち、クラッチ状態)または柔軟になることができる。
【0166】
一例では、収納内の静電型接着クラッチの第1の電極アセンブリは、収納の第1の端部に対して実質的に固定することができる。静電型接着クラッチの第2の電極アセンブリは、収納の第2の端部に対して固定することができ、収納の中間セクションは、第1および第2の電極アセンブリに対して移動するように構成することができる。
【0167】
ブロック1106では、可撓性収納内の静電型接着クラッチを織物材料に固定することができる。例えば、可撓性収納は、スポーツブラ用の2つのストラップシステムの第1のストラップを含むことができる。可撓性収納は、スポーツブラのストラップに縫い付ける、取り付ける、埋め込む、その他の方法で固着することができる。
【0168】
一例では、電気信号発生器は、静電型接着デバイスに信号を供給することができる。ブロック1106を参照して与えられた例を続けると、着用者はスポーツブラをランニングのために着用するかもしれない。スポーツブラのストラップには、静電型接着クラッチデバイスを収納する可撓性収納が含まれる。加速度計424は、着用者の加速度を測定することができ、加速度が閾値条件を満たすと、電気信号発生器は、静電型接着デバイスをオンにする信号を静電型接着デバイスに供給することができ、それにより、第1および第2の電極アセンブリの重なり合う部分を静的にするか、または互いに関して固定される。スポーツブラのこの静的な位置決めまたはロック機能は、着用者の身体が痛みを伴う、または有害な速度で加速および減速するのをサポートすることができる。
【0169】
一例では、加速度計は、静電型接着デバイスの少なくとも一部、または静電型接着デバイスが結合されている身体部分の加速度の大きさを測定するように構成することができる。信号発生器306のような電気信号発生器は、加速度の大きさに少なくとも部分的に基づいた大きさおよび/または周波数特性を有する信号を生成するように構成することができる。
【0170】
一例では、織物または着用可能物品の有効な弾性または適応性は、クラッチシステムを使用して、身体の運動に関する情報に基づいて調整することができる。例えば、物品の着用者が(例えば、ランニング中)高速で加速する場合、着用者の測定された加速度を使用して、1つ以上の特定の信号を静電型接着クラッチデバイスに印加することによって、衣料物品内の、または衣料物品と一体化されたクラッチシステムを硬化させる(例えば、静止状態を維持するまたは静止状態にする)ことができる。衣料物品の剛性または静的性質により、着用者が運動を経験している間、その物品が着用者をサポートすることができる。
【0171】
図12Aおよび
図12Bは、それぞれ、クラッチデバイスの一部(例えば、第1の導電性部材408)と例示的なカプセル材料1202との間の熱接合インタフェースの簡略化した側面例1200a、1200bを含む。例1200a、1200bは、説明の目的で簡略化されており、第1のクラッチシステム200、第2のクラッチシステム400、または本明細書に開示される任意のクラッチシステムのあらゆる構成要素を同様に組み込むことができることを理解されたい。しかしながら、第1の導電性部材408と例示的なカプセル材料1202との間の接合を明確にするために、他の構成要素は省略されている。例1200aおよび1200bは、例1200aにおいては、例示的なカプセル材料1202が第1の導電性部材408の第1の主面上に(例えば、第1の主面上のみに)設けられているの一方で、例1200bにおいては、例示的なカプセル材料1202が第1の導電性部材408を包囲しており、第1の主面および反対側の第2の主面と接触しているという点で異なる。
【0172】
例1200a、1200bは、穿孔された導電性部材910に関して示されている。しかしながら、限定されないが、
図9A~
図9Dの例の全てを含む、第1の導電性部材408の任意の特定の実装が考えられること、また、穿孔された導電性部材910に関連して記載した原理が任意の第1の導電性部材408に適用可能であることを認識され、理解されるべきである。更に、第1の導電性部材408は、例1200a、1200bの目的で提示されているが、同じ原理が第2の導電性部材420および本明細書に記載の任意のシステムまたは機器の任意の導電性部材に適用されることを認識し、理解されたい。
【0173】
例1200a、1200bでは、例示的なカプセル材料1202は、ホットメルト、高周波あるいは超音波溶接、または当技術分野で公知の任意の他の技術等の任意の適切な機構によって、第1の導電性部材408に接合されている。例示的なカプセル材料1202の加熱により、例示的なカプセル材料1202は、例えば、第1の導電性部材408、誘電体部材410、ポリマー基板、または他の構成要素のうちの任意の1つ以上に形成され得るような、開口部1204等の穴または開口部内に流入する。穴の存在により、第1の導電性部材408と例示的なカプセル材料1202との間の接合および確実かつ弾性のあるインタフェースを促進することができる一方、穴のない第1の導電性部材408の例でも、第1の導電性部材408と例示的なカプセル材料1202との間の接合を提供することができる。いくつかの例では、電極アセンブリの接合される部分は、貫通孔を含まず、その代わりに、隣接する部材との接着剤ベースの結合を強化するように構成された粗いまたは不均一な表面を含む。
【0174】
第1の導電性部材408および/または例示的なカプセル材料1202を加熱するか、または他の方法でエネルギーを付与することにより、第1の導電性部材408および/または例示的なカプセル材料1202の材料を溶融して一緒に流動させ、接合領域1206を形成することができる。接合領域1206は、導電性部材408または910および例示的なカプセル材料1202の分子が混ざり合うまたは混合する領域である。導電性部材408または910および例示的なカプセル材料1202の冷却後に接合領域1206に結合が形成され、例示的なカプセル材料1202を導電性部材に固定する傾向があり、またその逆も同様である。
【0175】
第1の導電性部材408および例示的なカプセル材料1202の材料は、両方の材料の加熱に適合するように選択し、それにより、第1の導電性部材408および例示的なカプセル材料1202の基礎となる完全性を損なうまたは破壊することなく、接合領域1206内に強固な接合を形成することができる。一例では、接合領域1206に近接する第1の導電性部材408は、マイラーからなる。一例では、例示的なカプセル材料1202は、マイラーのガラス転移温度よりも低い溶融温度を有するエラストマー繊維を有するニット織物で形成される。
【0176】
本明細書で詳細に説明するように、第1の導電性部材408および第2の導電性部材420は、互いに対して横方向に摺動するように構成されている。結果的に、例1200a、1200bは、例示的なカプセル材料1202の第1の端部またはその近傍で例示的なカプセル材料1202に接合された第1の導電性部材408を示す。そのような例では、第2の導電性部材420は、第1の端部に対向する、例示的なカプセル材料1202の第2の端部またはその近傍で例示的なカプセル材料1202に接合され得る。結果として、第1および第2の導電性部材408、420は、本明細書で詳述するように、導電性部材の運動がクラッチ200の動作によって阻害されない場合、例示的なカプセル材料1202を含むハウジングの中央部分の内側に沿って横方向に摺動するように適合される。
【0177】
第1の導電性部材408と、例示的なカプセル材料1202を含むまたは備えるハウジングとを含む、結果的に得られた接合物品は、例示的なカプセル材料1202を着用可能物品に固定することによって、本明細書に開示されるような着用可能な物品または衣料品に組み込むことができる。様々な例において、例示的なカプセル材料1202は、第1の導電性部材408等のクラッチの導電性部材を通過する機構を使用せずに、着用可能物品に縫い付ける、締結する、接合する、または他の方法で固定することができる。そうすることにより、クラッチの導電性部材の構造的完全性を維持し、並びに、例示的なカプセル材料1202の防水性を維持することに寄与し得る。しかしながら、クラッチの導電性部材の機能能力を損なうことなく、またはクラッチデバイスあるいはシステムの耐久性を損なうことなく、縫製等、第1の導電性部材408に接触する締結技術を利用可能であることを認識および理解されるべきである。
【0178】
図12C~
図12Kは、電極を電源またはコントローラに結合するのに使用できるような、クラッチデバイスの電極を基板または他の導体に取り付けるための例示的な方法を概略的に示す。まず、例えば約200μmの厚さを有する熱活性化フィルム(例えば、Sampo Corp.社によるNASA-T)を、任意に、特定の深さまたは幅のオーバーハング部分を有する(
図12C参照)電極の露出した導電性部分(例えば、アルミニウムを含む;
図12Cにて「AL」とラベル付けされている)に適合するように切断することができる。電極の誘電体でコーティングされた部分(例えば、DuPont LuxPrint8153等の誘電体インクでコーティングされた部分)は、電極の露出した導電性部分に隣接させることができる。次に、複数のワイヤ導体(例えば、28AWG)の端部を広げるまたは扇形にすることができる(
図12D)。端部は、導体の露出部分の深さとほぼ同じ長さに切断することができる。次いで、扇状ワイヤを露出した導電性部分(例えば、
図12Cの例では「AL」とラベル付けされた部分)上に配置し、任意に、センタリングすることができる。ワイヤの絶縁は、アセンブリの厚さまたは嵩を最小限に抑えるように、マイラーの端縁に、またはその端縁に隣接して設けることができる(
図12E参照)。
【0179】
次に、熱活性化フィルムの2つのストリップのそれぞれの片側からライナーまたはバッキングを除去することができる。ストリップを使用して、間に導体とマイラーとを挟むことによって、複数のワイヤ導体およびマイラーを取り付けることができる(例えば、取り付け前に、導体/マイラーアセンブリから離間したストリップを示す、
図12Fを参照)。次に、例えば、マスキングテープやその他の非永久接着材料等のマスキング剤または保護材料のストリップをフィルムの端縁と導体の両側とに適用して、更なる処理のためにアセンブリを所定の位置に一時的に保持する(アセンブリ上の所定の位置にあるテープのストリップを示す、
図12Gを参照)。
【0180】
次に、アセンブリは、両面ヒートプレスの対向するプレートの端縁のちょうど内側に位置するように位置合わせまたは調整することができる。
図12Hの例では、ヒートプレスのプレートは、「HOT(熱い)」とラベル付けされたブロックとして示されている。プレスのプラテンの各側面は、剥離剤(例えば、硫酸紙または類似のもの)で被覆することができる。導体は、プラテンに接触せずに剥離剤の間に縫い付けることができ、電極アセンブリの誘電体(例えば、インクでコーティングされた)部分は、任意に、プラテン領域の外側に設けることができる。次に、プレスを使用して、フィルムおよび導体を所定の位置に留めることができ、例えば、導体のワイヤが電極の導電性部分と電気的に接触するようにする。プレスは、最適な接合を確保するように調整または最適化することができる(例えば、約190°Fで、約6秒間、約6PSI圧力で加熱するよう設定する)。プレスサイクル後、マスキング剤および剥離剤を除去または切断することができる(
図12I)。
【0181】
次に、地合いが均一な、または不織材料を含むような、ポリマーウェビング(例えば、伸縮性または非伸縮性)を提供することができる。ウェビングは、約W/2、または電極アセンブリの幅の半分の幅を有することができる。一例では、ウェビングを約6Dの長さに切断し、それにより、折り畳まれた部分が約3Dの幅を有するようにすることができる(
図12J)。次に、テープまたは他の接着剤を使用して、ワイヤ部分が2つのウェブの間に設けられた状態で、ウェビングをマイラーに対して所定の位置に保持することができる(
図12K)。次に、アセンブリを、剥離剤を用いてヒートプレス内で位置合わせし、(例えば、約240°Fで約11秒間、約6PSIで)再加熱することができる。熱プレスの後、アセンブリを取り外し、テープまたは他の剥離剤を除去し、アセンブリを所望の寸法にトリミングする、または余分な材料を除去することができる。次に、任意にセンサを取り付け、任意に熱プレスして、センサをアセンブリに固定することができる。センサを結合するための他の手段を使用することもできる。センサは、例えば、電極アセンブリまたはウェビングの変位を測定するように構成された伸縮センサまたは他のセンサを含むことができる。別のセンサまたは同じセンサの別の部分を同様に反対向きの電極に取り付けて、クラッチ用の完全な電極アセンブリを提供することができる。
【0182】
図13Aは、例示的な衣料品1300を概略的に示す。左収納1304の左正面図、右収納1306の右正面図、左の固定点1308、右の固定点1310、右カップ1312、および左カップ1314を有する、サポート衣服1302の女性の正面図が示されている。
【0183】
例示的な衣料品1300は、サポート領域に近接して位置する着用者の身体部分の変位を調整可能に抑制するように構成されたサポート領域を形成する織物層を有する着用者用のサポート衣服の一例である。例示的な衣料品1300は、織物層の一部に固着された中空ストラップを含むこともできる。中空のストラップは、第1の電極アセンブリおよび第2の電極アセンブリを有する静電型接着クラッチデバイスを収納する。第1および第2の電極アセンブリは、少なくとも部分的に重なり合っており、他方に対して横方向に摺動するように構成されている。例示的な衣料品1300はまた、信号発生器110等の電気信号発生器を含むことで、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給することができ、静電型接着クラッチデバイスは、例示的な衣料品1300がサポート領域に近い身体部分の変位を可能とする量を選択的に調整するように構成することができる。
【0184】
例示的な衣料品1300は、スポーツブラであり、サポート領域は、スポーツブラの右カップ1312および左カップ1314である。左収納および右収納と呼ばれる中空ストラップを、左収納1304の正面図および右収納1306の正面図として
図13Aに示す。中空ストラップはそれぞれ、コントローラによって(例えば、制御回路112によって)個別にアドレス可能または制御可能であり、サポート衣服が身体部分の変位を可能にする絶対量または相対量を選択的に調整することができる。例えば、着用者がより大きな左胸を有する場合、左収納1304は、右収納1306が右胸に提供するのとは異なるレベルのサポートを提供することができる。
【0185】
図13Bは、例示的な衣料品1300の背面図を示す。サポート衣服1320の背面図は、左収納1316の背面図および右収納1318の背面図を示す。サポート衣服は、サポート衣服内に埋め込まれるか、またはサポート衣服に結合される衣服制御ユニット1322を含み得る。衣服制御ユニット1322は、クラッチの作動を制御するように構成されたシステムまたはプロセッサを含むことができる。
【0186】
サポート衣服はまた、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の電気信号を供給するように構成された信号発生器を含んでもよい。信号発生器は、衣服制御ユニット1322内等で、例示的な衣料品1300に取り付けられてもよい。代替的および/または付加的に、信号発生器は、第1および第2の電極アセンブリとともに収納内に埋め込まれてもよい。
【0187】
サポート衣服は、着用者または着用者の身体部分が閾値よりも高い加速度で測定された場合に、着用者の身体部分の変位を抑制するように構成される。サポート衣服は、リラックスするか、またはサポート衣服が屈曲することを可能にするように構成されている。
【0188】
いくつかの実施形態では、サポート衣服は、サポート領域を形成する織物層の右側に固着された右中空ストラップ(例えば、静電型接着クラッチデバイス用の可撓性収納)と、サポート領域を形成する織物層の左側に取り付けられた左中空ストラップとを有する運動用サポーターである。左右の中空ストラップは両方とも連携して動作し、着用者の対応する身体部分の変位を選択的に抑制または許可する。
【0189】
図示される実施形態には女性用サポート衣服が含まれるが、本明細書では、関節ブレース(例えば、膝ブレース)、運動用サポーター、運動用ガードル、脛当て、サッカーパッド、重量挙げサポートストラップ、様々なスポーツ用のスニーカー(例えば、ゴルフ、マウンテンバイク、スキー、登山)、および着用者をサポートする機能を備えた他の適切な衣服を含む他の衣服も考えられる。更に、下着、ベスト、靴下、スリーブ、保護具(例えば、ヘルメット、パッド、シールド)を含む更なる衣服も考えられ、これらは本明細書で議論される解決策の範囲内である。
【0190】
いくつかの実施形態では、静電型接着クラッチデバイスは、モジュラ衣料品システムの一部を含むことができる。例えば、サポート衣服(または他の衣服または衣料物品)は、静電型接着クラッチデバイス、または他のタイプのクラッチデバイス、または1つ以上の他のシステムまたはデバイスを任意に含むまたは使用するように構成することができる。一例では、クラッチデバイスは、衣服の前部、側部、または後部に、またはそれらの上に設けられるモジュラ取付機構を含むことができる。例えば、デバイスは、サポート衣服の前部に、例えば胸の間に取り付けるように構成することができ、または、サポート衣服の後部に、またはその上に、例えば肩甲骨の間に取り付けるように構成することができる。システムのモジュラ性質は、例えば、能動デバイスを衣服と一体化させる必要なしに(例えば、製造時点で縫い付けられるか、またはその他の方法で恒久的に固着される)、(例えば、
図13A~
図13Bに関して説明したように)異なるレベルまたはタイプの制御またはサポートをユーザに提供することができる。一例では、クラッチのモジュラ取り付けのためのサポートを備えた衣服はまた、1つ以上のストラップ、またはストラップを通すことができる中空の導管も含み、衣服を選択的に結合することで、例えば、
図13A~
図13Bに関連して記載したような機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、サポート衣服は、モジュラクラッチデバイスを含むまたは使用するように構成された男性用運動用サポーターを含むことができる。
【0191】
図13Cは、衣服制御ユニット1322の一例を示す。この例は、左収納1316の背面図および右収納1318の背面図を示す。衣服制御ユニット1322は、サポート衣服1302に取り付けられるように構成されたモジュラデバイスとすることができ、静電型接着クラッチデバイスを含んでもよい。静電型接着クラッチデバイスは、右収納1318、左収納1316内に設けられてもよく、および/または制御ユニットベース1336に隣接して配置されてもよい。
【0192】
衣服制御ユニット1322は、調整ストラップ、静電型接着クラッチデバイス、または1つ以上のセンサ等を含むことができる、左および右ストラップ1324および1326を含むことができる。ストラップ1324および1326は、ベース1336に物理的に結合することができ、様々な取り付け機構1338、1340、1342、1344、1346、および1348によってサポート衣服1320に取り付けることができる。取り付け機構には、Oリング、Dリング、面ファスナ、ジッパー、スナップ、縫製、または衣服制御ユニット1322をサポート衣服の一部に結合するための任意の他のタイプの適切な取り付け機構が含まれ得る。一例では、衣服制御ユニット1322は、右コネクタ1332および/または左コネクタ1334を介して、サポート衣服および/またはサポート衣服に取り付けられたサブコンポーネントに結合される。右コネクタ1332および左コネクタ1334を使用して、加速度計、ジャイロスコープ、GPS、心拍数モニター、EKGモニター、またはその他のセンサ等のセンサを含む追加のモジュラユニットを取り付けることができる。
図13Cの例では、衣服制御ユニット1322は、制御回路112を備えることができる、またはプロセッサ回路304を備えることができる、または静電型接着クラッチデバイスを選択的に作動させる別の専用コントローラを備えることができる、コントローラ1350を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、衣服制御ユニット1322は、サポート衣服の前側の位置、例えば胸部の間、またはサポート衣服の後側の位置、例えば肩甲骨の間に配置され得る。モジュラユニットは、例えば、サポート衣服との一体化またはサポート衣服への恒久的な取り付け(例えば、縫い付けまたはその他の方法による恒久的な固定)を行わずに、本明細書に記載されるようにユーザの身体の動的サポートを提供するのに役立ち得る。モジュラユニットは、1つ以上の中空ストラップ(例えば、右中空ストラップ1326および左中空ストラップ1324)を含むことで、サポート衣服に選択的に結合し、
図13A~
図13Bに関して説明したような機能を提供することができる。
【0194】
クラッチデバイスもしくはクラッチシステム、またはそのモジュラコンポーネントは、女性用または男性用等、他の様々なサポート衣服とともに使用するために提供することができる。
図13Dは、第1の男性用サポート衣服1350の正面図を概略的に示す。男性用サポート衣服1350は、左脚部分1352、右脚部分1354、カップ部分1356、およびウエストバンド部分1358を含む。男性用サポート衣服1350は、ウエスト、脚、または股周りを含む、衣服の様々な領域を選択的に拘束または弛緩させるクラッチシステムを含むことができる。
図13Eは、第2の男性用サポート衣服1360またはジョックストラップの一例を概略的に示す。いくつかの例では、第1および第2の男性用サポート衣服1350および1360を一緒に使用することができる。
【0195】
第2の男性用サポート衣服1360の例は、ウエストバンド1364、カップ部分1366、左中空ストラップ1370を有する左脚バンド1368、および右中空ストラップ1374を有する右脚バンド1372を含む。一例では、第2の男性用サポート衣服1360は、ウエストバンド1364に結合された衣服制御回路1362を含むことができる。カップ部分1366は、様々な織物層および対応するシェル(例えば、プラスチックカップ)を含むことで、着用者の陰茎および睾丸のサポートおよび保護を提供することができる。
【0196】
図13Eの例では、中空ストラップ(例えば、左中空ストラップ1370および右中空ストラップ1374)は、左脚バンド1368または右脚バンド1372の織物層に結合するまたは埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、静電型接着クラッチデバイス用の可撓性収納または管を備えることができるような中空ストラップを脚バンドに固着することができ、1つ以上のクラッチ電極アセンブリを含むことができる。電極アセンブリは、選択的に通電または非通電することで、カップ部分1366の変位を選択的に抑制または許容することができる。第2の男性用サポート衣服1360の例は、更に、信号発生器110のような電気信号発生器を含むことで、電極アセンブリに1つ以上の信号を供給することができる。いくつかの実施形態では、右中空ストラップ1370および左中空ストラップ1374に設けられたクラッチは、独自のフィット感を提供するよう独立して機能するように構成され、または調整された方法で変位を選択的に抑制または許容するように連携して機能するように構成され得る。
【0197】
図14は、サポート衣服アセンブリおよび使用方法1400の一例を概略的に示す。サポート衣服は、第1のクラッチシステム200、静電型接着システム302、あるいは第2のクラッチシステム400、または本明細書で議論される他のシステムあるいはデバイスの様々な要素を含むまたは使用することができる。
【0198】
ブロック1402では、サポート衣服アセンブリおよび使用方法1400は、例えばサポート領域を有する、サポート衣服用の織物層を形成することを含む。サポート衣服は、スポーツブラ、運動用サポーター、またはサポート領域を有する別のサポート衣服であることができる。サポート領域は、スポーツブラのカップまたは運動用サポーターのカップであることができる。サポート領域は、特定の形状に成形された画定された領域を有することができ、あるいは、可撓性または順応性を有する材料で作られた領域であってもよい。
【0199】
ブロック1404では、サポート衣服アセンブリおよび使用方法1400は、静電型接着クラッチを収納する中空ストラップを形成することを含む。中空ストラップは、
図11の例の収納方法1100を介して製造される可撓性収納であってもよい。一例では、中空ストラップは、第1および第2の電極アセンブリを含むことができる。
【0200】
ブロック1406にて、サポート衣服アセンブリおよび使用方法1400は、織物層と中空ストラップとを一緒に固着することを含むことができる。例えば、サポート領域を有する織物層は、中空ストラップと結合して、サポート領域と接触する身体部分に選択的なサポートを提供することができる。ストラップは、サポート領域の近距離内にあることで、最大のサポート能力を提供するように企図されている。
【0201】
ブロック1408にて、サポート衣服アセンブリおよび使用方法1400は、静電型接着デバイスに信号を供給することを含むことができる。信号は、静電型接着デバイスが係合すべきことを示す電気信号発生器からのものであり、サポート衣服の形状を維持させることができる。例えば、ユーザがスポーツブラを着用している場合、着用者にぴったりとフィットする素材が既に前もって選択されている。しかしながら、ユーザがランニングをしている場合、素材が伸長して動いてしまい、ぴったりとフィットするだけでは十分なサポートが得られなくなる可能性がある。意図されたサポート衣服は、素材の伸長や屈曲を制限する機構を提供し、当初の意図どおりにぴったりとフィットしたサポートをユーザに提供する。
【0202】
図15は、第1の
図1500の一例を含む。第1の
図1500は、ランナーの結合乳房組織が経時的に受ける歪みを表す第1の位置信号1502と、第1の加速度信号1504とを含む。第1の位置信号1502は、同じランナーの同じ期間にわたる胸部組織の変位に基づく。即ち、第1の
図1500は、ランナーの体幹または胴体に対するランニング中の乳房組織の位置変化と、ランナーの体幹または胴体の対応する垂直加速度との間の関係を示す。
【0203】
本発明者らは、乳房組織のクーパー靱帯の歪みは、特にランニング中等の反復動作の期間中に、痛みを伴う、または不快である可能性があることを認識している。
図15の例から、第1の位置信号1502にスパイクがあり、靱帯上の重大な歪みを示していることが観察できる。最大歪みのタイミングは、一般に、例えば、胴体の運動方向の急速な変化に対応し得るような、組織の移動の下限を表すことができる、第1の加速度信号1504の変曲点に対応する。
【0204】
例えば、人がランニングしているとき、ランニング動作の自然なケイデンスにより、乳房組織が上下に動く。人がランニングしている間、この動作がステップごとに繰り返される。この繰り返しの跳ね返り動作により、靭帯、特にクーパー靭帯に歪みがかかり、長期にわたる損傷や痛みを引き起こす可能性がある。更に、時間の経過とともに、靱帯における繰り返しの歪みにより胸が垂れる可能性がある。
【0205】
図16は、いくつかの実施形態による、サポート衣服の性能を示す第2の
図1600の一例を示す。第2の
図1600は、第2の加速度信号1604、第2の位置信号1602、およびクラッチ制御信号1606を含む。この例では、第2の加速度信号1604は、第1の加速度信号1504にほぼ対応し、例えばランニング中の胴体の位置変化を表すことができる。クラッチ制御信号1606は、例示的な衣料品1300等のブラジャー用のクラッチシステム等のクラッチシステムの作動を表すことができる。第2の位置信号1602によって表されるランナーは、例示的な衣料品1300のブラジャーを着用することができる。
【0206】
図16の例では、第2の位置信号1602は、
図15の第1の位置信号1502と比較して、歪みの減少を示している。歪みの減少は、クラッチおよびリリースを行うように構成された少なくとも2つの電極アセンブリを有する静電型接着デバイスを含むシステムの使用に起因し得る。この静電型接着クラッチシステムは、例示的な衣料品1300等の衣料物品内に埋め込むことができる。衣料物品は、選択的にクラッチおよび解放を行うことで、着用者の運動に合わせて靭帯にかかる歪みを軽減することができる。
【0207】
例えば、ランナーは、スポーツブラ内に埋め込まれた静電型接着システムを有するサポート型スポーツブラを着用することができる。人がランニングしていることをシステムが認識すると、システムは、人の走行ペースに対応する間隔で、静電型接着クラッチに通電および非通電するように信号を送る。上向きおよび/または下向きの加速時には、クラッチを通電させて、衣料物品を安定した非弾性位置に静的に保持することができる。静電型接着クラッチは、運動中の人をサポートする。人がもはやランニング中ではないことをシステムが認識すると、システムは、静電型接着クラッチにオフになるかスリープ状態に入るように信号を送り、衣料物品が可撓性を有する、順応性を有する、または弛緩状態に戻ることを可能にする。
【0208】
図17は、いくつかの実施形態による、履物に使用するために構成された静電型接着システムを含む。一例では、履物物品1702は、ベース部分1704および履物ストラップ1706を含む。いくつかの実施形態では、ベース部分1704は、最大の快適性および可撓性を得るためにニット材料で作製されている。いくつかの実施形態では、履物ストラップ1706は、履物ストラップを選択的に固定、静的、または剛性にすることを可能にする静電型接着システム(例えば、静電型接着システム302)を含む。一例では、履物1702は、静電型接着システムの選択的サポートシステムによって提供されるサポート要素を依然として有しつつ、カジュアルでスタイリッシュな履物オプションとして着用することができる。
【0209】
例えば、カジュアルウェアとして快適であるが、ランニングにも快適なスリッポンスニーカーにより、着用者は1つのスニーカーを多目的に着用することができる。
図17に示すように、履物1702は、履物1702の上部を被覆するストラップ部分を含む。ストラップは、例えば、着用者のランニング中にストライドサイクルの一部にて脚を強固に収納することによって、またストライドサイクルの別の部分にて脚の収納を緩めることによって、ストラップを履物に固定し、更なるサポートを提供するために、機械的接着システムおよび静電型接着システムを含むことができる。
【0210】
履物1702は、スポーツモード、チルモード、またはダイナミックモードを含む複数の活動モードをサポートするように構成することができる。履物は、(例えば、履物内での足の運動、加速度計の読み取り値、または他の適切なセンサからの)感知された入力に基づいて、クラッチ作動のレベルまたはタイミングを調整することができる。スポーツモードは、着用者に最高レベルのサポートを提供し、着用者を地面との不快な接触から保護することができる。チルモードは、ユーザが激しい運動中の状態にないときに、リラックスしたフィット感を提供することができる。ダイナミックモードは、スポーツモードとチルモードとの間のハイブリッドフィットを提供することができる。いくつかの実施形態では、各モードは、着用者からの入力に基づいて手動で選択することができる。いくつかの実施形態では、各モードは、履物によって、または静電型接着システム内にある、あるいは静電型接着システムに結合されている別のセンサによって、自動的に構成される。他の衣料物品には、異なる活動モードを含むまたは使用するように同様に構成することができる静電型接着システムが含まれ得る。
【0211】
一例では、履物1702の運動は、例えば、電極の相対的な運動を監視することによって、クラッチシステム自体から、または加速度計等の運動センサから感知され得る。動作情報を使用して、足をサポートするクラッチシステムを選択的に作動させることができる。
【0212】
図18Aは、いくつかの実施形態による、静電型接着クラッチシステムに結合された1つ以上のアパチャを有する第1のクールダウンジャケット1800a等の衣料物品を含む。第1のクールダウンジャケット1800aは、第1のアパチャ1802および第2のアパチャ1804等の1つ以上のアパチャを含むことができる。第1のアパチャ1802および第2のアパチャ1804はそれぞれ、静電型接着システムを含むまたは使用することができる。例えば、アパチャの反対側部分は、クラッチシステムのそれぞれの電極を備えることができる。電極が作動すると、アパチャを選択的に開閉させることができる。即ち、アパチャの反対側にあるクールダウンジャケット1800のそれぞれの部分に電極を結合させるまたはそれぞれの部分と電極を一体化させることができ、それにより、電極を使用して、アパチャを開閉させることができる。
【0213】
第1のアパチャ1802に示されるように、第1の直交クラッチデバイス1806および第2の直交クラッチデバイス1808は、第1のアパチャ1802によって提供される開口部に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、アパチャのサイズに応じて、単一の直交デバイスまたは複数の直交デバイスを使用してもよい。直交デバイスはそれぞれ、静電型接着システム302等の静電型接着システムを含んでもよい。デバイスはそれぞれ、第1のクールダウンジャケット1800aの織物または他の材料内に埋め込まれるか、またはそれに結合させることができ、あるいは、機能的および/または審美的目的のために衣料物品の最上層の上に配置することができる。
【0214】
第2のアパチャ1804の例に示されるように、第1の平行クラッチデバイス1810および第2の平行クラッチデバイス1812は、第2のアパチャ1804によって提供される開口部に隣接して配置することができる。第1の平行クラッチデバイス1810および第2の平行クラッチデバイス1812は、互いに平行に、かつ第2のアパチャ1804の長手方向に対して平行に配置することができる。
【0215】
図18Bは、いくつかの実施形態による、第2のクールダウンジャケット1800b等の衣料物品の図を示す。
図18Bの例では、第1および第2の側方アパチャ1822および1828は、クールダウンジャケット1800bの胴体領域に向かってそれぞれの脇下領域に延在することができる。ジャケットの第1の側では、クラッチデバイスの反対向きまたは直交する電極1824および1826を、第1の側方アパチャ1822によって提供される開口部に隣接して配置することができる。ジャケットの第2の側では、平行な電極1830および1832を第2の側方アパチャ1828によって提供される開口部に隣接して配置することができる。胴体アパチャ1834および1838等の追加のアパチャには、それぞれのクラッチデバイス1836および1840の対応する電極を設けることができる。アパチャに隣接または近接するクラッチデバイスの電極は、アパチャを選択的に開閉することにより、アパチャを通る、従って衣料物品を通して着用者まで通る空気流を許可または抑制するように構成することができる。様々なクラッチデバイスまたは電極用の制御アセンブリは、クールダウンジャケット1800b上のどこにでも配置することができるが、図示の例には示されていない。電極の挙動を制御する導体は、ジャケットを構成する織物または他の材料を通って、またはそれに隣接して経路付けることができる。
【0216】
図18Cは、いくつかの実施形態による、第3のクールダウンジャケット1800c等の衣料物品の図を示す。
図18Cの例では、側方アパチャ1816は、ジャケットの上方後部でクールダウンジャケット1800の裏側を横断している。1つ以上のクラッチデバイスをアパチャに隣接して結合することができる。図示の例では、1つ以上のクラッチデバイスの複数の上方電極1814は、側方アパチャ1816に対して直交方向に配置することができ、1つ以上のクラッチデバイスの複数の下方電極1818は、側方アパチャ1816に対して直交方向に配置することができる。対となっている上方および下方電極は、一緒におよび/または独立してクラッチするように構成することができる。
【0217】
一例では、第3のクールダウンジャケット1800cは、温度センサ130等の埋め込み型温度センサを含むことで、着用者の体温を測定する。着用者の体温が指定された閾値温度より低い場合、様々な上方電極および下方電極に通電して、側方アパチャ1816またはその一部を閉鎖することができる。着用者の体温が指定された閾値温度より高い場合、上方および下方電極の通電を停止して、繊維材料を弛緩させ、側方アパチャ1816を通ってより多くの空気流が着用者に到達できるようにすることができる。
【0218】
いくつかの実施形態では、第3のクールダウンジャケット1800cは、フラップ1820を含むことで、側方アパチャ1816を被覆する。フラップ1820は、手動固着機構を含むことで、フラップをアパチャ上に物理的に結合する。一部の衣料物品には、複数のアパチャと、各アパチャに対応するフラップまたはクラッチとを含んでもよい。
【0219】
図18Dは、いくつかの実施形態による、第4のクールダウンジャケット1800d等の衣料物品の図を示す。
図18Dの例では、側方アパチャ1842は、下方後部にてクールダウンジャケット1800の裏側を横断している。クラッチを設けることで、側方アパチャ1842を選択的に開閉できるようにしてもよい。例えば、クラッチは、側方アパチャ1842の第1の側に沿って配置された上方クラッチ電極1844を含むことができ、また、反対側の側方アパチャ1842の第2の側に沿って配置された下方クラッチ電極1846を含むことができる。換言すれば、電極は、側方アパチャ1842と実質的に平行に設けられる細長い電極を備えることができる。上方および下方クラッチ電極1844および1846を選択的に通電してアパチャ1842を閉鎖するか、または通電を停止してアパチャ1842を開口することができる。第4の冷却ジャケット1800dの例は、クラッチを被覆するフラップ1848を含むことができる。一例では、電極の直交配置と平行配置との組み合わせを使用することができる。アパチャに対する鋭角および鈍角の位置決めを含む他の配向も同様に使用することができる。
図18A~
図18Dの例は、異なるクールダウンジャケットとして図示されているが、クールダウンジャケットの様々な特徴を一緒に使用する、または様々な組み合わせで結合することができる。
【0220】
図18E~
図18Gは、いくつかの実施形態による、一対のクールダウンパンツ1851等の衣料物品を含む一例1850を示す。衣料物品は、一対のレギンスまたはパンツ1851等の下半身の衣料品アイテムであってもよい。レギンスまたはパンツ1851は、アパチャを有する脚パネルを含むことができる。アパチャの側縁または部分は、1つ以上の静電型接着クラッチデバイスの電極に結合されることで、レギンスまたはパンツのアパチャを選択的に開閉することができる。アパチャの可能な位置には、内腿領域1854または外腿領域1852が含まれる。
【0221】
図18Fに示すように、クールダウンパンツ1851は、膝領域1858の後部および/または足首領域1856にアパチャを有するパネルを含むことができる。アパチャは、典型的には、大量の体熱や発汗を発生させる身体領域に対応するような、パンツ上の任意の他の位置に設けることができる。
図18Gに示すように、クールダウンパンツ1851は、織物の縫い目またはポケットにスリットを含むことができ、アパチャ1860のメッシュパネルによって示されるように、アパチャにまたはアパチャの下にメッシュ層を含むことで、可撓性を有し、通気性がありながら連続的である衣料物品を提供することができる。
【0222】
本明細書で議論される衣料物品におけるクラッチデバイスまたはクラッチシステムは、クラッチ電極が互いに引き付けられるように動作するように構成することができ、または係合解除あるいは弛緩するように構成することができる。一例では、クラッチ電極、または電極を含む衣服の部分が互いに反発できるように、他の特徴を含めることができる。即ち、クラッチ電極は、アパチャ(例えば、スリットまたはポケット)を開口するように構成可能なアパチャ制御機構の一部を含むことで、体熱の選択的な排出をする、または発汗の放散を助けることができる。アパチャは、電気信号の作動がない場合に、ゴム紐等の任意の機械的手段を使用して付勢することで、常開または常閉の構成を達成することができる。
【0223】
図19は、換気方法1900の一例を概略的に示す。換気方法1900は、第1のクラッチシステム200、静電型接着システム302、もしくは第2のクラッチシステム400、または本明細書で議論される他のシステムもしくはデバイスの様々な要素を含む、または使用することで、衣料物品を選択的に通気することができる。
【0224】
ブロック1902において、換気方法1900は、物品の状態または身体の状態を感知することを含むことができる。ブロック1902は、例えば、センサ120のうちの1つを使用して、着用可能な物品に関する情報、または物品の近くにある身体または物品を着用している身体に関する情報を感知することを含むことができる。一例では、ブロック1902は、着用可能な物品の運動に関する情報、または着用可能な物品の温度あるいは水分含有量に関する情報を感知することを含むことができる。一例では、ブロック1902は、物品の着用者の活動レベル、または物品の着用者の体温に関する情報を感知することを含むことができる。
【0225】
ブロック1904では、換気方法1900は、例えば、物品または身体に関する状態情報を指定された閾値条件と比較することを含むことができる。例えば、ブロック1904は、ブロック1902で取得された体温情報を閾値体温と比較することを含むことができる。別の例では、ブロック1904は、ブロック1902で取得された運動情報を閾値運動条件と比較することを含むことができる。
【0226】
ブロック1906では、換気方法1900は、クラッチを選択的に作動させて衣料物品の換気を行うことを含むことができる。例えば、ブロック1906は、ブロック1902で感知された物品状態または身体状態情報に基づいて、クールダウンジャケット1800内の1つ以上のクラッチデバイスを作動させることを含むことができる。
【0227】
一例では、換気方法1900は、限定しないが、ショーツ、レギンス、パンツ、運動用サポーター、スウェットパンツ、または換気システムを備えた他の衣料物品を含む、様々な異なる物品に適用することができる。一例では、換気方法1900は、例えば、1つ以上の入力に基づいて、複数の異なる物品またはデバイスの間で換気を調整することを含むことができる。例えば、体温センサからの同じ情報に応答して、ジャケットの通気とパンツの通気とを一緒に作動させることができる。換気システムを含むまたは使用することができる衣料物品には、脇の下、胸部、および背中を含む身体の高温領域、または発汗しやすい身体部分の上に着用されるように構成された衣料物品が含まれるが、これらに限定されない。
【0228】
図20Aおよび
図20Bは、それぞれ、弛緩構成および伸張構成にある帽子2002の例2000を示す。
図20Cは、ハット2002の残部に対する第1のクラッチシステム200の位置決めを示す、ハット2002の一部の詳細な側面断面図である。第1のクラッチシステム200が説明されているが、本明細書に記載のあらゆるクラッチシステムが付加的または代替的に組み込み可能であることを認識されたい。
【0229】
帽子2002は、ニット、織物、キャンバス、または帽子として利用可能な他の生地あるいは材料等の織物2004から形成される。織物2004および帽子2002は、より一般的には、着用者の頭部を受け入れ、着用者の頭頂部を覆うように寸法決めされた開口部2006を形成する。第1のクラッチシステム200が開口部に近接して(覆い隠されて)固定されているため、着用者が開口部2006のサイズを拡大する能力は制限されるかもしれない。第1のクラッチシステムは、織物2004に縫い付けられ、締結され、または他の方法で固着され、それにより、本明細書に開示されるように、第1のクラッチシステム200の動作が本明細書に開示されるように、織物2004の伸張を抑制できるようにすることができる。
【0230】
第1のクラッチシステム200は、開口部2006の全周ではなく一部の周囲に延在するように図示されている。しかしながら、第1のクラッチシステム200が開口部2006の全周の周囲に延在してもよいことは認識され、理解されるべきである。更に、1つの第1のクラッチシステム200のみが図示されているが、複数の第1のクラッチシステム200がハット2002に含まれてもよいことが認識され理解されるべきである。追加の第1のクラッチアセンブリ200は、開口部2006の他の部分の周りにあってもよく、または、帽子2002の周囲の他の位置に配置することで、本明細書に開示される原理と一致するそれらの位置の弾性または伸縮性を選択的に抑制することができる。
【0231】
織物2004は、弾性であってもよく、または1つ以上の寸法に伸縮可能であってもよく、これにより、開口部2006のサイズが、第1の幅2008から、第1の幅2008よりも大きい第2の幅2010まで増加することができる。例示を目的として、2つの幅のみが図示されているが、開口部2006の幅は、織物2004が破損することなく伸びる能力の限界までの幅の範囲にわたって増加または減少し得ることが認識および理解されるべきである。従って、第1の幅2008および第2の幅2010は、限定ではなく例示の目的で提示されている。
【0232】
第1のクラッチシステム200の動作は、着用者が開口部2006のサイズを第1の幅2008から第2の幅2010に拡大する能力を抑制する可能性がある。例えば、プロセッサ回路304により、信号発生器306に第1および第2の電極アセンブリ202、208を通電させると、第1のクラッチシステム200は、拡張することが抑制され、その結果、開口部2006は、第1の幅2008から第2の幅2010まで増加することができなくなる。第1のクラッチシステム200の動作により、信号発生器306が第1および第2の電極アセンブリ202、208に通電しているとき、帽子2002は、第2の幅2010から第1の幅2008に弛緩して戻るのを妨げられない場合がある。結果的に、第1のクラッチシステム200は、開口部2006の最大幅を設定するように構成されてもよいが、必ずしも開口部2006の最小幅を設定する必要はない。
【0233】
図20Cに示されるように、帽子2002の織物2004は、第1のクラッチシステム200、またはその1つ以上の構成要素が配置されるキャビティ2012を形成することができる。あるいは、第1のクラッチシステム200は、織物2004の側面に固定されてもよく、または織物2004の層の間に、または任意の適切な構成あるいは機構に従って固定されてもよい。
【0234】
第1のクラッチシステム200は、本明細書に記載されているのと同じ制御システムに従って動作することができる。従って、1つ以上のセンサは、帽子2002の向きまたは使用を検出し、帽子2002の使用状況に応じて、第1のクラッチシステム200を係合または係合解除することができる。
【0235】
図21A~
図21Cは、例示的な実施形態における、第1のクラッチシステム200のスリーブ2102への組み込みを示す。スリーブ2102は、単一の着用可能な物品として図示されているが、本明細書で開示される原理は、シャツまたはジャケットの首、腰または腕のアパチャ、パンツの腰または足首または他の脚開口部のアパチャ、または任意の他の適切な着用可能な物品等の、スリーブまたは他のアパチャあるいは開口部が組み込まれた任意の着用可能な物品に適用することができる。スリーブ2102は、複数の第1のクラッチシステム200A、200Bが一緒に動作するシステムの動作を説明するために提供されている。スリーブ2102は、弾性または伸縮性のある織物または他の材料から形成され、第1の端部2108および第1の端部の反対側の第2の端部2110に開口部2106を有するほぼ管状形状に形成され得る。
【0236】
スリーブ2102は、それぞれ、第1の端部2108および第2の端部2110に近接する開口部2106の周囲に位置する第1の例示的なクラッチシステム2116および第2の例示的なクラッチシステム2118を含む。第1の例示的なクラッチシステム2116および第2の例示的なクラッチシステム2118は、独立して制御可能であることで、帽子2002の開口部2006と同じように、第1の端部2108および第2の端部2110に近接する開口部2106を独立して拡張可能または拡張不能にすることができる。結果的に、スリーブ2102は、第1の端部2108および第2の端部2110の一方または両方で、第1の幅2112または第2の幅2114を有することが可能になり得る。結果的に、
図21Bに示されるように、第1の例示的なクラッチシステム2116は作動しているが、第2の例示的なクラッチシステム2118は作動していない場合、第1の端部2108に近接した開口部2106は、第1の幅2112に保持される一方、第2の端部2110に近接した開口部2106は、第2の幅2114まで拡大することができる。第1の例示的なクラッチシステム2116が停止されると、
図21Cに示されるように、第1の端部2108に近接する開口部2106も第2の幅2114まで拡張することができる。
図21Aは、第1の幅2112で第1の端部および第2の端部の両方に近接する開口部2106を備える弛緩状態のスリーブ2102を示す。
【0237】
図22Aおよび
図22Bは、静電型接着クラッチデバイスによって制御可能なポケット開口部2206を備えるポケットアセンブリ2204、またはポケットクラッチを含む例示的な衣料品2202を概略的に示す。
図22Aは、例示的な衣料品2202の概略頂面図を示し、
図22Bは、部分的に開口した構成にあるポケットアセンブリ2204の概略図を示す。クラッチデバイスの様々な部分が
図22Bの例に示されており、クラッチデバイスは、ポケットアセンブリ2204の内部へのアクセスを制御することができる。
【0238】
図22Bの例では、ポケットアセンブリ2204は部分的に開口しており、ポケット端縁2216は、衣料品生地2214またはポケットアセンブリ2204のベース部分から離れて配置されている。ポケットアセンブリ2204が開口しているとき、物体をポケットアセンブリ2204の内部領域2208に容易に挿入したり、内部領域2208から容易に取り出したりすることができる。ポケットアセンブリ2204は、ポケット端縁2216に隣接して設けられた外部クラッチ電極2210を含むことができ、ポケットアセンブリ2204は、衣料品生地2214にまたはその上に設けられた内部クラッチ電極2212を含むことができる。機械的バイアスまたは弾性バイアスにより、または電極間の静電型接着力の作動により、ポケットアセンブリ2204が閉鎖されているとき、外部クラッチ電極2210および内部クラッチ電極2212は、互いに実質的に位置合わせされ、隣接することができる。例えば、
図22Aの上面図では、ポケットアセンブリ2204が閉鎖されているとき、電極は、例示的な衣料品2202の織物または生地部分によって隠すことができる。
【0239】
一例では、アパチャ制御機構は、クラッチの電極に対応する織物領域が互いに反発し、それによって、アパチャ(例えば、スリット、またはポケット)を開口するよう動作するように構成することができる。アパチャは、ゴム紐等の機械的手段を使用して開口構成または閉口構成に向かって付勢することができ、それにより、反発モードにあるとき、アパチャが反対の構成をとることができる。一例では、ポケットの開口部にクラッチデバイスを含む外部クラッチ電極2210および内部クラッチ電極2212を含むようなポケットアセンブリ2204は、開口したまたは弛緩したポケット構成に向けて付勢することができ、任意に、ゴム紐等の機械的手段の使用を含むことができる。ポケットクラッチの電極が引力信号(例えば、反対の極性を有する信号)を使用して通電されると、ポケットアセンブリ2204のポケット開口部2206を効果的に密閉することができる。即ち、通電されると、ユーザは、ポケットの内部領域2208に物体を挿入するまたはポケットの内部領域2208から物体を取り出すために、電極間に発生する静電力に打ち勝つ必要がある。ポケットのアパチャ制御機構が反発するように構成されている場合、ポケットアセンブリ2204のポケット開口部2206は、強制的に開口構成にすることができる。
【0240】
一例では、ポケットクラッチは、第1のクラッチシステム200を含むまたは使用することができ、または適応型サポートシステム100の一部、またはそのコンポーネントを備えることができる。アパチャを介してポケットアセンブリ2204の内部領域2208へのアクセスを制御することができるポケットクラッチは、例えば、例示的な適応型サポートシステム100のセンサ120のうちの1つ以上を含む、センサからの情報を使用して任意に自動的に制御することができる。例えば、ポケットクラッチは、加速度計124が運動(例えば、特定の活動レベル閾値を満たすまたは超える運動)を検出したとき、または、特定の向き(例えば、上下逆または逆向き等、ポケット内の物体が落ちる可能性のある向きまたは位置)を検出したときに、ポケットを密閉または閉鎖するように作動することができる。
【0241】
一例では、ポケットクラッチは、指定された配向または動作条件下で、またはユーザコマンドに応答して、ポケットアセンブリ2204を解放するように作動させることができる。従って、アパチャまたはポケット開口部2206は、適切な制御またはコマンドを用いてユーザによってアクセスが許可されない限り、または許可されるまで、アクセスを選択的にロックアウトすることによって、盗難を防止するのに役立ち得る。一例では、ユーザは、ジェスチャーベースのロックまたはロック解除コマンドを使用して、ポケットへのアクセスまたはクラッチ動作を制御することができ、ジェスチャーコマンドは、センサ120のうちの1つ以上を使用して検出することができる。
【0242】
一例では、ポケットクラッチは、選択的に通電されるように構成された露出した(またはほぼ露出した、または部分的に露出した)電極部分を含むことができる。露出した電極は、任意に、例えばポケット端縁2216等、アパチャにてクラッチあるいはその付近に、またはポケット開口部2206あるいはその付近の衣料品生地2214の外向き面上に、外部クラッチ電極2210または内部クラッチ電極2212のうちの一方の一部を含むことができるか、または別個の電極を含むことができる。露出した電極は、触れたときに抑止的なショックを与えるように構成することができる。例えば、ポケットクラッチが作動してポケットアセンブリ2204を閉鎖構成に保持するとき、露出した電極部分が予期しないスリの手にショックを与えることによって盗難抑止力を増強または強化することができる。露出した電極部分は、ユーザによって放電されるか、またはポケットへのアクセスを可能にするように、例えば、指定されたセンサ信号に基づいて自動的に放電することができる。一例では、露出した電極を駆動するためにショック抑止回路を設けることができる。この回路は、電源、コンデンサ、および任意に、少ない電流で比較的大きな電圧を生成するように構成可能な変圧器を含むことができる。
【0243】
図23は、マシン2300に本明細書で説明した方法論のうちのいずれか1つ以上を実行させるための命令2308(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリ、または他の実行可能コード)を実行可能なマシン2300のブロック図である。例えば、命令2308は、機械2300に、クラッチシステムの制御等、本明細書に記載の方法のうちのいずれか1つ以上を実行させることができる。命令2308により、一般的なプログラムされていないマシン2300は、説明され、図示された機能を説明された方法で実行するようにプログラムされた特定のマシン2300に変換される。マシン2300は、スタンドアロンの装置として動作してもよく、または複数の異なるクラッチデバイスまたはクラッチシステムの動作または作動を調整する等、他の機械に連結(例えば、ネットワーク化)されてもよい。ネットワーク展開において、マシン2300は、サーバ・クライアントネットワーク環境においてサーバマシンまたはクライアントマシンとして動作してもよく、またはピア・ツー・ピア(または分散)ネットワーク環境においてピアマシンとして動作してもよい。マシン2300は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、エンターテイメントメディアシステム、携帯電話、スマートフォン、モバイルデバイス、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、スマートホームデバイス(例えば、スマートアプライアンス)、その他のスマートデバイス、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、またはマシン2300によって実行されるアクションを指定する命令2308を逐次またはその他の方法で実行することができる任意のマシンであり得るが、これらに限定されない。更に、マシン2300は1つのみ図示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明する方法論のいずれか1つ以上を実行するために、個別にまたは共同で命令2308を実行するマシンの集合体を含むともみなされるものとする。
【0244】
マシン2300は、プロセッサ2302,メモリ2304,およびI/Oコンポーネント2342を含んでもよく、これらは、バス2344を介して相互通信するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、プロセッサ2302(例えば、CPU(Central Processing Unit)、RISC(Reduced Instruction Set Computing)プロセッサ、CISC(Complex Instruction Set Computing)プロセッサ、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、RFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)、その他のプロセッサ、またはそれらの任意の適切な組み合わせ)は、例えば、命令2308を実行することができるプロセッサ2306および2310を含んでもよい。「プロセッサ」という用語は、同時期に命令を実行することができる2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と称されることもある)から構成されるマルチコアプロセッサを含むことが意図されている。
図23は複数のプロセッサ2302を示しているが、マシン2300は、1つのコアを有する1つのプロセッサ、複数のコア(例えば、マルチコアプロセッサ)を有する1つのプロセッサ、1つのコアを有する複数のプロセッサ、複数のコアを有する複数のプロセッサ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0245】
メモリ2304は、メインメモリ2312、スタティックメモリ2314、および記憶装置2316を含んでもよく、どちらもバス2344を介してプロセッサ2302にアクセス可能である。メインメモリ2304,スタティックメモリ2314、および記憶装置2316は、本明細書で説明する方法論または機能のいずれか1つ以上を具体化する命令2308を格納する。命令2308はまた、マシン2300で実行されている間に、完全にまたは部分的に、メインメモリ2312内、スタティックメモリ2314内、記憶媒体2316内の機械可読媒体2318内、少なくとも1つのプロセッサ2302内(例えば、プロセッサのキャッシュメモリ内)、またはそれらの組み合わせ内に存在してもよい。
【0246】
I/Oコンポーネント2342は、入力を受信し、出力を提供し、出力を生成し、情報を送信し、情報を交換し、測定値をキャプチャする等の多種多様な構成要素を含み得る。特定のマシンに含まれる特定のI/Oコンポーネント2342は、マシンのタイプによって異なる。例えば、携帯電話等の携帯マシンには、タッチ入力デバイスまたは他のそのような入力メカニズムが含まれる可能性があるが、ヘッドレスサーバマシンはそのようなタッチ入力デバイスを含まない可能性がある。I/Oコンポーネント2342は、
図23に示されていない他の多くのコンポーネントを含み得ることが理解されよう。多様な例示的な実施形態において、I/Oコンポーネント2342は、出力コンポーネント2328および入力コンポーネント2330を含み得る。出力コンポーネント2328は、視覚的コンポーネント(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、またはブラウン管(CRT)等のディスプレイ)、音響コンポーネント(例えば、スピーカ)、触覚コンポーネント(例えば、振動モータ、抵抗メカニズム)、信号発生器110または信号発生器306等のその他の信号発生器等を含み得る。入力コンポーネント2330は、英数字入力コンポーネント(例えば、キーボード、英数字入力を受信するように構成されたタッチスクリーン、光学キーボード、または他の英数字入力コンポーネント)、ポイントベースの入力コンポーネント(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、その他のポインティング機器)、触覚入力コンポーネント(例えば、物理ボタン、タッチまたはタッチジェスチャの位置および/または力を提供するタッチスクリーン、あるいはその他の触覚入力コンポーネント)、音声入力コンポーネント(例えば、マイク)等を含み得る。
【0247】
更なる例示的な実施形態において、I/Oコンポーネント2342は、他の広範囲のコンポーネントの中で、生体認証コンポーネント2332,運動コンポーネント2334,環境コンポーネント2336,または位置コンポーネント2338を含み得る。例えば、生体認証コンポーネント2332は、表情(例えば、手の表情、顔の表情、声の表情、ボディジェスチャ、または視線追跡)を検出するコンポーネント、生体信号(例えば、血圧、心拍数、体温、発汗、または脳波)を測定するコンポーネント、人を識別するコンポーネント(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、または脳波ベースの識別)等を含み得る。運動コンポーネント2334は、加速度センサコンポーネント(例えば、加速度計)、重力センサコンポーネント、回転センサコンポーネント(例えば、ジャイロスコープ)等を含み得る。環境コンポーネント2336は、例えば、照明センサコンポーネント(例えば、光度計)、温度センサコンポーネント(例えば、周囲温度を検出する1つ以上の温度計)、湿度センサコンポーネント、圧力センサコンポーネント(例えば、気圧計)、音響センサコンポーネント(例えば、背景ノイズを検出する1つ以上のマイクロフォン)、近接センサコンポーネント(例えば、近くの物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全のための危険ガス濃度の検出、または大気中の汚染物質を測定するガス検出センサ)、または周囲の物理的環境に対応する表示、測定、または信号を提供し得る他のコンポーネントを含み得る。位置コンポーネント2338は、位置センサコンポーネント(例えば、GPS受信機コンポーネント)、高度センサコンポーネント(例えば、高度が導き出され得る空気圧を検出する高度計または気圧計)、方向センサコンポーネント(例えば、磁気系)等を含み得る。
【0248】
通信は、多種多様な技術を使用して実施することができる。I/Oコンポーネント2342は、更に、カップリング2324およびカップリング2326をそれぞれ介して、マシン2300をネットワーク2320またはデバイス2322に結合するように動作可能な通信コンポーネント2340を含んでもよい。例えば、通信コンポーネント2340は、ネットワーク2320とインタフェースするためのネットワークインタフェースコンポーネントまたは他の適切なデバイスを含んでもよい。更なる例において、通信コンポーネント2340は、有線通信コンポーネント、無線通信コンポーネント、携帯通信コンポーネント、近距離無線通信(NFC)コンポーネント、Bluetooth(登録商標)コンポーネント(例えば、Bluetooth(登録商標)Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)コンポーネント、および他のモダリティを介して通信を提供する他の通信コンポーネントを含んでもよい。デバイス2322は、別のマシンや多種多様な周辺デバイス(例えば、USBを介して結合された周辺デバイス)であってもよい。
【0249】
更に、通信コンポーネント2340は、識別子を検出してもよいし、識別子を検出するように動作可能なコンポーネントを含んでもよい。例えば、通信コンポーネント2340は、無線自動識別(RFID)タグ読み取りコンポーネント、NFCスマートタグ検出コンポーネント、光学読み取りコンポーネント(例えば、統一商品コード(UPC)バーコード等の一次元バーコード、多次元バーコードおよびその他の光学コードを検出する光学センサ)、または音響検出コンポーネント(例えば、タグ付けされた音声信号を識別するマイクロフォン)を含んでもよい。更に、インターネットプロトコル(IP)ジオロケーションによる位置情報、Wi-Fi(登録商標)信号の三角測量による位置情報、特定の場所を示し得るNFCビーコン信号の検出による位置情報等、通信コンポーネント2340を介して様々な情報を導き出すことができる。
【0250】
様々なメモリ(例えば、メモリ2304、メインメモリ2312、スタティックメモリ2314、および/またはプロセッサ2302のメモリ)および/または記憶装置2316は、本明細書に記載される方法論または機能のうちのいずれか1つ以上を具体化するか、またはそれらによって使用される1つ以上のセットの命令およびデータ構造(例えば、ソフトウェア)を格納することができる。これらの命令(例えば、命令2308)は、プロセッサ2302によって実行されると、開示された実施形態を実装するように様々な動作を引き起こす。
【0251】
命令2308は、ネットワークインタフェースデバイス(例えば、通信コンポーネント2340に含まれるネットワークインタフェースコンポーネント)を介した伝送媒体を使用し、そして多くの周知の転送プロトコル(例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP))のいずれか1つを利用して、ネットワーク2320を介して送受信してもよい。同様に、命令2308は、カップリング2326(例えば、ピア・ツー・ピア結合)を介したデバイス2322への伝送媒体を使用して送受信してもよい。
【0252】
本開示の様々な態様は、本明細書で特定されるアクティブウェアまたは衣料品関連のまたはクラッチシステムの課題に対する解決策を提供するのに役立ち得る。例えば、本開示の様々な態様は、アクチュエータを衣料品内に統合するための、可撓性および伸縮性のある、防水のカプセル化を対象とする。
【0253】
一例において、態様1は、防水エンクロージャを形成する細長い収納と、防水エンクロージャ内に配置された第1の電極アセンブリと、防水エンクロージャ内に配置された第2の電極アセンブリであって、第2の電極が第1の電極とは別個であり、少なくとも部分的に重なっており、第1の電極に対して摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリにそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器であって、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成することができる、電気信号発生器と、細長い可撓性収納の少なくとも第1の端部にて細長い可撓性収納を取り付けることができる織物材料と、を含む静電型接着クラッチデバイスを含むまたは使用することができる衣料物品等の主題を含むまたは使用することができ、クラッチデバイスの作動は、衣料物品の一部を選択的に固定する(例えば、静止状態に維持するまたは固定構成あるいは配向にする)または可動させる(例えば、可動性あるいは可撓性を有するか、またはそうでなければクラッチデバイスまたは衣料品または収納の少なくとも一部の運動を可能とする)ように構成される。
【0254】
態様2は、弾性材料で作られる、または弾性材料を含む可撓性収納としての細長いケースを含むことができ、または任意に態様1と組み合わせて含むことができる。
【0255】
態様3は、リブ状織物を含む収納の側方部分を含むことができ、または任意に態様1または2のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0256】
態様4は、ゴムを含むリブ状織物を含むことができ、または任意に態様3と組み合わせて含むことができる。
【0257】
態様5は、収納の外向き表面上の撥水仕上げを含むことができ、または任意に態様1~4のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0258】
態様6は、細長い可撓性収納の第1の端部に対して実質的に固定された静電型接着クラッチの第1の電極アセンブリと、細長い可撓性収納の第2の端部に対して実質的に固定された静電型接着クラッチの第2の電極アセンブリと、を含むことができ、または任意に態様1~5のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、細長い収納の中間セクションは、第1および第2の電極アセンブリに対して移動するように構成されている。
【0259】
態様7は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に気密嵌合を形成する細長い収納を含むことができ、または任意に態様1~6のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0260】
態様8は、収納の内側または内部に設けられる加速度計を含むことができ、または任意に態様1~7のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、加速度計は、クラッチデバイスを結合することができる身体の運動を測定するように構成され、電気信号発生器は、測定された運動に基づいて、信号を生成するように構成することができる。
【0261】
態様9は、クラッチデバイスの少なくとも一部の加速度の大きさを測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様8と組み合わせて含むことができ、電気信号発生器は、加速度の大きさに少なくとも部分的に基づく大きさおよび/または周波数特性を有する信号を生成するように構成することができる。
【0262】
態様10は、細長い収納の少なくとも一部を照明する光を提供するように構成された光源を含むことができ、または任意に態様1~9のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0263】
態様11は、電極アセンブリに供給される第1および第2の信号のうちの少なくとも一方の特性に基づいて、光源によって提供される光の輝度を含むことができ、または任意に態様10と組み合わせて含むことができる。
【0264】
態様12は、静電型接着クラッチデバイスの組み立てを含む方法を含むことができ、または任意に、先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、デバイスは、エンクロージャを形成する細長い可撓性収納と、エンクロージャ内に配置された第1の電極アセンブリと、エンクロージャ内に配置された第2の電極アセンブリであって、第2の電極が第1の電極とは別個であり、少なくとも部分的に重なっており、第1の電極に対して摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリにそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を含み、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成することができる。態様12の方法は、織物材料を静電型接着クラッチデバイスの細長い可撓性収納の少なくとも第1の端部に固定することを含むことができ、細長い可撓性収納により、織物材料が選択的に静止状態を維持するか、または柔軟になることが可能となる。
【0265】
態様13は、クラッチデバイスの収納を提供するように構成された防水弾性材料を含む細長い可撓性収納を含むことができ、または任意に態様12と組み合わせて含むことができる。
【0266】
態様14は、リブ状織物を有する収納の側部を含むことができ、または任意に態様12または13のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0267】
態様15は、ゴム引き材料を有するまたはゴム引き材料を含むリブ状織物を含むことができ、または任意に態様12~14のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0268】
態様16は、収納の外向き表面上の撥水仕上げを含むことができ、または任意に態様12~15のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0269】
態様17は、細長い可撓性収納の第1の端部に対して実質的に固定された静電型接着クラッチの第1の電極アセンブリと、細長い可撓性収納の第2の端部に対して実質的に固定された静電型接着クラッチの第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリに対して移動するように構成された細長い可撓性収納の中間セクションと、を含むことができ、または任意に態様12~16のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0270】
態様18は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に気密嵌合を形成する細長い可撓性収納を含むことができ、または任意に態様12~17のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0271】
態様19は、収納内にまたは収納に結合された加速度計を含むことができ、または任意に態様12~18のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、加速度計は、クラッチデバイスが結合されているまたはクラッチデバイスを結合することができる身体の運動を測定するように構成することができ、電気信号発生器は、測定された運動に基づいて信号を生成するように構成することができる。
【0272】
態様20は、クラッチデバイスの少なくとも一部の加速度の大きさを測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様19と組み合わせて含むことができ、電気信号発生器は、加速度の大きさに少なくとも部分的に基づく大きさおよび/または周波数特性を有する信号を生成するように構成することができる。
【0273】
態様21は、衣料物品用の静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、デバイスは、防水エンクロージャを形成する細長い可撓性収納と、防水エンクロージャ内に配置された第1の電極アセンブリと、防水エンクロージャ内に配置された第2の電極アセンブリであって、第2の電極が第1の電極とは別個であり、少なくとも部分的に重なっており、第1の電極に対して摺動するように構成された第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリにそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を含み、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されているときには、第1の電極アセンブリは、第2の電極アセンブリに対して実質的に静止している(例えば、静止位置または不動位置に維持される)ように構成される。
【0274】
態様22は、細長い可撓性収納内に配置された加速度計を含むことができ、または任意に態様21と組み合わせて含むことができ、加速度計は、クラッチデバイスを結合することができる身体の運動を測定するように構成されており、電気信号発生器は、測定された運動に基づいて信号を生成するように構成することができる。
【0275】
態様23は、光を供給して、細長い可撓性収納またはその中のコンポーネントの少なくとも一部を照明するように構成された照明または光源を含むことができ、または任意に態様21または22のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0276】
態様24は、光源用のドライバーを含むことができ、または任意に態様23と組み合わせて含むことができ、ドライバーは、電気信号発生器によって提供される第1および第2の信号のうちの少なくとも一方の大きさに基づいて、光源によって提供される光の大きさまたは量を制御するように構成することができる。
【0277】
本開示の様々な態様は、静電型接着アクチュエータにおけるバルク電荷の蓄積を最小限に抑えるためのシステムおよび方法を対象とする。例えば、態様25は、第1の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる第1の導電性部分を含む第1の電極アセンブリと、第2の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる第2の導電性部分を含む第2の電極アセンブリと、電極アセンブリの第1および第2の導電性部分にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を備える静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、第1および第2の信号は、それぞれ交流(AC)信号の逆極性部分を含む。態様25では、第1および第2の電極アセンブリは、少なくとも部分的に重なっており、第1および第2の誘電絶縁体を含むそれぞれの表面で互いに対して摺動するように構成することができる。
【0278】
態様26は、互いに対して直線的に移動するように構成された第1および第2の電極アセンブリの少なくとも一方を含むことができ、または任意に態様25~17のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0279】
態様27は、約50のデューティサイクルを有するパルス幅変調信号としてAC信号を生成するように構成された電気信号発生器を含むことができ、または任意に態様25または26のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0280】
態様28は、平均デューティサイクルが約50%であるパルス幅変調信号としてAC信号を生成するように構成された電気信号発生器を含むことができ、または任意に態様25~27のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0281】
態様29は、少なくとも約10Hzの周波数を有するAC信号を含むことができ、または任意に態様25~28のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0282】
態様30は、約50Hz未満であり得る周波数を有するAC信号を含むことができ、または任意に態様29と組み合わせて含むことができる。
【0283】
態様31は、クラッチデバイスを結合することができる身体の運動を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様25~30のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、測定された運動に基づいて、AC信号を生成するように構成することができる。
【0284】
態様32は、クラッチデバイスの運動を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様25~31のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、信号発生器は測定された運動に基づいて、AC信号に基づいてAC信号を生成するように構成することができる。
【0285】
態様33は、クラッチデバイスの少なくとも一部の加速度の大きさを測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様32と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、測定された加速度の大きさに依存する大きさおよび/または周波数特性を有するAC信号を生成するように構成することができる。
【0286】
態様34は、クラッチデバイスの少なくとも一部の加速度の変化の周波数を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様32と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、加速度の変化の測定された周波数に依存する大きさおよび/または周波数特性を有するAC信号を生成するように構成することができる。
【0287】
態様35は、信号発生器を制御して、クラッチデバイスの加速度に関するまたはクラッチデバイスを結合することができる身体の加速度に関する加速度計からの情報に基づいてAC信号を生成するように構成されたプロセッサ回路を含むことができ、または任意に態様25~34のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0288】
態様36は、加速度計を含むことができ、または任意に態様35と組み合わせて含むことができ、プロセッサ回路は、加速度計から加速度表示信号を受信し、加速度計からの加速度表示信号に基づいて振動運動を識別し、識別された振動運動に基づいて信号発生器を制御するように構成することができる。
【0289】
態様37は、振動運動の大きさまたは周波数特性を識別し、それに応答して、AC信号の大きさ特性を更新し、それによって、クラッチデバイスのせん断抵抗力特性を更新するように構成されたプロセッサ回路を含むことができ、または任意に態様36と組み合わせて含むことができる。
【0290】
態様38は、クラッチ力表示を受信し、それに応じて、電気信号発生器を制御して、クラッチ力表示に基づいてAC信号の周波数または大きさ特性を更新するように構成されたプロセッサ回路を含むことができ、または任意に態様25~37のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0291】
態様39は、第1および第2の電極アセンブリの相対変位に関する情報に基づいてクラッチ力表示を提供するように構成された変位センサを含むことができ、または任意に態様38と組み合わせて含むことができる。
【0292】
態様40は、制御可能に拡張可能および収縮可能な部分を有する着用可能な衣服を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、着用可能な衣服は、拡張可能および収縮可能な部分に結合されたクラッチデバイスを備え、クラッチデバイスは、第1の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる実質的に平坦な第1の導電性部分と、第2の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる実質的に平坦な第2の導電性部分と、クラッチデバイスの第1および第2の導電性部分にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を含み、第1および第2の信号は、交流(AC)クラッチ制御信号を含む。態様40では、クラッチデバイスの第1および第2の導電性部分は、第1および第2の誘電絶縁体を含むそれぞれの表面で少なくとも部分的に重なり得る。
【0293】
態様41は、着用可能な衣服の運動または方向を感知するように構成されたセンサを含むことができ、または任意に態様40と組み合わせて含むことができる。態様40では、電気信号発生器は、センサからのセンサ信号に基づいてACクラッチ制御信号の周波数または大きさ特性を更新するように構成することができ、センサ信号は、着用可能な衣服の感知された運動または方向に関する情報を含むことができる。
【0294】
態様42は、拡張可能および収縮可能な部分の寸法の変化を測定するように構成された変位センサを含むことができ、または任意に態様40または41のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、電気信号発生器は、拡張可能および収縮可能な部分の寸法の測定された変化に基づいて、ACクラッチ制御信号の周波数または大きさ特性を更新するように構成することができる。
【0295】
態様43は、ACクラッチ制御信号を約50%のデューティサイクルを有するパルス幅変調信号として生成するように構成された電気信号発生器を含むことができ、または任意に態様40~42のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0296】
態様44は、少なくとも約10Hzかつ約50Hz未満の周波数を有するACクラッチ制御信号を含むことができ、または任意に態様43と組み合わせて含むことができる。
【0297】
態様45は、平面状の第1の導電性部分を含む第1の電極アセンブリと、平面状の第2の導電性部分を含む第2の電極アセンブリと、第1および第2の導電性部分の間に設けられた第1の誘電体部材と、電極アセンブリの第1および第2の導電性部分にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器とを備える静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、第1および第2の信号は、それぞれ、交流(AC)クラッチ制御信号の逆極性部分を含み、第1および第2の電極アセンブリは、第1および第2の導電性部分を含む表面に沿って少なくとも部分的に重なり得る。
【0298】
態様46は、デバイスハウジングを含むことができ、または任意に態様45と組み合わせて含むことができ、第1の電極アセンブリは、デバイスハウジングに対して実質的に固定することができ、第2の電極アセンブリは、デバイスハウジングおよび第1の電極アセンブリに対して移動するように構成することができる。
【0299】
態様47は、第1の導電性部分に結合され、デバイスの第1の導電性部分と第2の導電性部分との間に設けられる第1の誘電体部材を含むことができ、または任意に態様45または46のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0300】
態様48は、第2の導電性部分に結合され、第1の誘電体部材と第2の電極アセンブリの第2の導電性部分との間に設けられる第2の誘電体部材を含むことができ、または任意に態様47と組み合わせて含むことができる。
【0301】
態様49は、約50%の平均デューティサイクルを有するパルス幅変調信号としてACクラッチ制御信号を生成するように構成された電気信号発生器を含むことができ、または任意に態様45~48のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0302】
態様50は、少なくとも約10Hzかつ約50Hz未満の周波数を有するACクラッチ制御信号を含むことができ、または任意に態様49と組み合わせて含むことができる。
【0303】
態様51は、クラッチデバイスの運動を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様45~50のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、測定された運動に基づいて、ACクラッチ制御信号を生成するように構成することができる。
【0304】
本開示の様々な態様は、静電型接着アクチュエータの摩耗を最小限に抑えることを目的としている。例えば、態様52は、着用者の身体の一部を受け入れるように構成された開口部を形成する織物と、織物に固定されており、開口部の少なくとも一部の周りを延在する静電型接着クラッチとを備える適応型着用可能物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。態様52では、静電型接着クラッチは、第1の導電性部材と、第1の導電性部材に適用され、第1の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第1のポリマー基板とを含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材の一部に重なる第2の導電部材を含む第2の電極アセンブリであって、第2の導電性部材と、第2の導電性部材に適用される第2のポリマー基板であって、第2の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第2のポリマー基板とを含む第2の電極アセンブリと、を含むことができる。この例では、第1および第2の導電性部材は、第1および第2のポリマー基板が互いに対して遠位にある状態で、互いに近接することができる。態様52は、電極アセンブリの第1および第2の導電性部材にそれぞれ第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器を含むまたは使用することができ、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには、第2の電極アセンブリに対して静的な状態を維持するように構成することができる。態様52では、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されるときに、開口部のサイズの増加を抑制するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されていないときには、開口部のサイズの増加を可能にすることができる。
【0305】
態様53は、内部に第1および第2の電極アセンブリが配置される防水収納を更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様52と組み合わせて含むことができる。
【0306】
態様54は、弾性防水収納に力を加えることができない場合に、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納としての防水収納を含むことができ、または任意に態様53と組み合わせて含むことができる。
【0307】
態様55は、第1の接着層を有する第1の導電性部材に適用される第1のポリマー基板と、第2の接着層を有する第2の導電性部材に適用される第2のポリマー基板とを含むことができ、または任意に態様52~54のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0308】
態様56は、第1および第2のポリマー基板がポリオレフィン発泡体であることを含むことができ、または任意に態様55と組み合わせて含むことができる。
【0309】
態様57は、約0.25ミリメートルの厚さを有する第1および第2のポリマー基板を含むことができ、または任意に態様56と組み合わせて含むことができる。
【0310】
態様58は、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づいて第1および第2の信号を適用させるように構成されたコントローラを含む静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様52~57のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0311】
態様59は、コントローラに動作可能に結合され、適応型衣料物品の検出された状態に基づいてセンサ信号を出力するように構成されたセンサと、センサ信号を入力として受信するように構成されたコントローラとを備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様58と組み合わせて含むことができる。
【0312】
態様60は、加速度計、ジャイロ、または圧力センサのうちの少なくとも1つであるセンサを含むことができ、または任意に態様59と組み合わせて含むことができる。
【0313】
態様61は、コントローラに動作可能に結合され、ユーザからコマンドを受信し、コントローラによる入力として受信され得るコマンドを示す信号を出力するように構成されたユーザ入力を更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様52~17のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0314】
態様62は、着用者の身体の一部を受け入れるように構成された開口部を含むように織物を形成することと、静電型接着クラッチを織物に固定することと、開口部の少なくとも一部の周囲に延在させることと、を含む、適応型着用可能物品を作製する方法を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。一例では、静電型接着クラッチは、第1の導電性部材と、第1の導電性部材に適用され、第1の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第1のポリマー基板とを含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材の一部に重なる第2の導電性部材を含む第2の電極アセンブリであって、第2の導電性部材と、第2の導電性部材に適用される第2のポリマー基板であって、第2の導電性部材の剛性よりも高い剛性を有する第2のポリマー基板とを含む第2の電極アセンブリと、を含み、第1および第2の導電性部材は、第1および第2のポリマー基板が互いに対して遠位にある状態で、互いに近接している。態様62は、電極アセンブリの第1および第2の導電性部材にそれぞれ第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器を含むことができ、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには、第2の電極アセンブリに対して静的な状態を維持するように構成することができ、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されるときには、開口部のサイズの増加を抑制するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されていないときには、開口部のサイズの増加を許可するまたは可能にすることができる。
【0315】
態様63は、内部に第1および第2の電極アセンブリが配置される防水収納を更に含む静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様62と組み合わせて含むことができる。
【0316】
態様64は、弾性防水収納に力を加えることができない場合に、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納としての防水収納を含むことができ、または任意に態様63と組み合わせて含むことができる。
【0317】
態様65は、第1の接着層を用いて第1の導電性部材に適用される第1のポリマー基板を含むことができ、または任意に態様62~64のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、第2のポリマー基板を第2の接着層を用いて第2の導電性部材に適用することができる。
【0318】
態様66は、ポリオレフィン発泡体を含む第1および第2のポリマー基板を含むことができ、または任意に態様65と組み合わせて含むことができる。
【0319】
態様67は、約0.25ミリメートルの厚さを有する第1および第2のポリマー基板を含むことができ、または任意に態様66と組み合わせて含むことができる。
【0320】
態様68は、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づく第1および第2の信号を適用させるように構成されたコントローラを備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様62~67のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0321】
態様69は、コントローラに動作可能に結合され、適応型衣料物品の検出された状態に基づいてセンサ信号を出力するように構成されたセンサと、センサ信号を入力として受信するように構成されたコントローラとを更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様68と組み合わせて含むことができる。
【0322】
態様70は、加速度計、ジャイロ、または圧力センサのうちの少なくとも1つであるセンサを含むことができ、または任意に態様62と組み合わせて含むことができる。
【0323】
態様71は、ユーザ入力を備えており、コントローラに動作可能に結合され、ユーザからコマンドを受信して、コントローラが入力として受信可能なコマンドを示す信号を出力するように構成された静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様62~70のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0324】
本開示の様々な態様は、衣料品に使用するための静電型接着システムを対象とする。例えば、態様72は、サポート領域に近接して配置される着用者の身体部分の変位を調整可能に抑制するように構成されたサポート領域を形成する織物層と、織物層の一部に固着される中空ストラップと、を含む、着用者のためのサポート衣服を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。態様72では、中空ストラップは、第1の電極アセンブリと、少なくとも部分的に重なり合い、第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された、第1の電極アセンブリとは別個の第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給する電気信号発生器と、を有する静電型接着クラッチデバイスを収納している。態様72では、静電型接着クラッチデバイスは、サポート衣服がサポート領域に近接する身体部分の変位を許容する量を選択的に調整するように構成することができる。
【0325】
態様73は、スポーツブラとしてのサポート衣服およびスポーツブラのカップとしてのサポート領域を含むことができ、または任意に態様72と組み合わせて含むことができる。
【0326】
態様74は、第1の中空ストラップを含む中空ストラップ、第1の静電型接着クラッチとしての静電型接着クラッチ、および第1のカップとしてのカップを含むことができ、または任意に態様73と組み合わせて含むことができ、サポート衣服は、第2のサポート領域を形成する織物層の第2の部分に固着された第2の中空ストラップを含むことができ、第2の中空ストラップは、第2の静電型接着クラッチデバイスおよびスポーツブラの第2のカップとしての第2のサポート領域を収納する。
【0327】
態様75は、選択的にクラッチまたは締め付け、および弛緩または係合解除するように個別に制御可能である第1および第2の中空ストラップをそれぞれ含むことができ、または任意に態様74と組み合わせて含むことができる。
【0328】
態様76は、信号発生器を含むことができ、または任意に態様74と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、第1および第2の静電型接着クラッチに1つ以上の電気信号を供給するように構成されている。
【0329】
態様77は、サポート衣服が互いに実質的に同時に身体部分の変位を可能にする量を選択的に調整する第1のクラッチおよび第2のクラッチを含むことができ、または任意に態様76と組み合わせて含むことができる。
【0330】
態様78は、運動用サポーターとしてのサポート衣服を含むことができ、または任意に態様72~77のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、中空ストラップは、サポート領域を形成する織物層の右側に固着された右中空ストラップであることができ、サポート衣服は、サポート領域を形成する織物層の左側に固着された左中空ストラップを更に含むことができ、左右の中空ストラップは、着用者の身体部分の変位を選択的に抑制するように構成することができる。
【0331】
態様79は、ストラップが締め付けられるときおよび/または弛緩するときのストラップの変化を測定するように構成された、第1および第2の中空ストラップのそれぞれのための変位センサを含むことができ、または任意に態様78と組み合わせて含むことができる。
【0332】
態様80は、それぞれの表面で部分的に重なる第1および第2の電極アセンブリを含むことができ、または任意に態様72~79のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0333】
態様81は、静電型接着クラッチに1つ以上の信号を供給して、選択的にクラッチする、または締め付けおよび弛緩させるように構成された信号発生器を含むことができ、または任意に態様72~80のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0334】
態様82は、静電型接着クラッチの運動を測定し、測定された運動に基づいて、1つ以上の信号を生成するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様72~81のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0335】
態様83は、着用者が閾値よりも高い加速度にあり得るときに締め付けられ、着用者が閾値よりも低い加速度にあり得るときに弛緩するように構成されたサポート衣服を含むことができ、または任意に態様82と組み合わせて含むことができる。即ち、態様83は、測定された運動が、着用者が閾値加速度を超過していることを示す場合に、第1および第2の電極アセンブリを固定するように構成され、そうでない場合には、第1および第2の電極アセンブリの一方または両方の動作を可能にするように構成されたクラッチデバイスを含むことができる。
【0336】
態様84は、防水収納として第1および第2の中空ストラップを含むことができ、または任意に態様72~83のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0337】
態様85は、サポート領域を有するサポート衣服の織物層を形成することと、織物層の一部に固着される中空ストラップであって、実質的に平面状の第1の導電性部分と実質的に平面状の第2の導電性部分とを有する静電型接着クラッチデバイスを収納する中空ストラップを形成することとを含む方法を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、静電型接着クラッチデバイスは、織物層の着用者の身体部分に対するサポート領域の運動を選択的に抑制または許容する。
【0338】
態様86は、スポーツブラとしてのサポート衣服およびスポーツブラのカップとしてのサポート領域を含むことができ、または任意に態様85と組み合わせて含むことができる。
【0339】
態様87は、第1の中空ストラップとしての中空ストラップおよび第1の静電型接着クラッチとしての静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様86と組み合わせて含むことことができ、サポート衣服は、織物層の第2の部分に固着された第2の中空ストラップを含むことができ、第2の中空ストラップは、実質的に平面の第1の導電性部分および実質的に平面の第2の導電性部分を有する第2の静電型接着クラッチデバイスを収納する。
【0340】
態様88は、信号発生器を含むことができ、または任意に態様87と組み合わせて含むことができ、信号発生器は、第1および第2の静電型接着クラッチに1つ以上の電気信号を供給するように構成されている。
【0341】
態様89は、ほぼ同時に、即ち、互いに同時に選択的に締め付けおよび弛緩するように構成された第1のクラッチおよび第2のクラッチを含むことができ、または任意に態様88と組み合わせて含むことができる。即ち、第1および第2のクラッチデバイスは、ほぼ同時に作動または係合解除されるように構成することができる。
【0342】
態様90は、運動用サポーターとしてのサポート衣服、サポート領域を形成する織物層の右側に固着された右中空ストラップとしての中空ストラップを含むことができ、または任意に態様85~89のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、サポート衣服は、更に、サポート領域を形成する織物層の左側に固着された左中空ストラップを含むことができ、右中空ストラップおよび左中空ストラップは、着用者の身体部分の変位を選択的に抑制するように構成されている。
【0343】
態様91は、静電型接着クラッチの加速度を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様85~90のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、サポート衣服は、着用者が閾値よりも高い加速度で加速している時には締め付け、着用者が閾値よりも低い加速度で加速している時には弛緩するように構成することができる。換言すれば、態様91は、身体部分の加速度を測定することを含むことができ、静電型接着クラッチデバイスは、測定された加速度が閾値加速度よりも高い場合には作動するように構成することができ、そうでない場合には、係合解除するように構成することができる。
【0344】
態様92は、サポート領域の選択的な締め付けおよび弛緩と連携して、クラッチデバイスの電界発光部を作動させることを含むことができ、または任意に態様85~91のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0345】
態様93は、サポート衣服に選択的に結合するためのモジュラパネルを備える衣料物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、モジュラパネルは、第1の電極アセンブリと、少なくとも部分的に重なっており、第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された、第1の電極アセンブリとは別個の第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を有する静電型接着クラッチデバイスを含み、静電型接着クラッチデバイスは、サポート衣服に結合されたときにサポート衣服がサポート領域に近接する身体部分の変位を許容する量を選択的に調整するように構成されている。
【0346】
態様94は、静電型接着クラッチの加速度を測定するように構成された加速度計を更に備えるモジュラパネルを含むことができ、または任意に態様93と組み合わせて含むことができ、クラッチデバイスは、測定された加速度と指定された閾値加速度との間の関係に基づいて作動するように構成することができる。
【0347】
態様95は、クラッチデバイスの作動と連携して発光するように構成することができる電界発光コンポーネントを含む静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に態様93または94のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0348】
態様96は、衣料物品と共に使用するためのモジュラデバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例と組み合わせて含むことができ、デバイスは、衣料物品上の対応するインタフェースと機械的に結合するように構成されたインタフェースを備え、静電型接着クラッチデバイスは、第1の電極アセンブリと、少なくとも部分的に重なり、第1の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成された、第1の電極アセンブリとは別個の第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリに1つ以上の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を有する。
【0349】
態様97は、モジュラデバイスを衣料物品に結合するように面ファスナを含むモジュラデバイスのインタフェースを含むことができ、または任意に態様96と組み合わせて含むことができる。
【0350】
態様98は、モジュラデバイスを衣料物品に結合するように1つ以上の磁気締結具を含むモジュラデバイスのインタフェースを含むことができ、または任意に態様96または97のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0351】
態様99は、モジュラデバイスのインタフェースが衣料物品上の対応するインタフェースに結合されているときに、衣料物品が衣料物品のサポート領域における着用者の付属器官の変位を可能にする量を選択的に制御するように構成された静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に態様96~98のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0352】
態様100は、加速度計を含むことができ、または任意に態様99と組み合わせて含むことができ、クラッチデバイスは、加速度計からの情報に応答して、選択的に作動するように構成することができる。
【0353】
態様101は、ユーザの付属器官をサポートするように構成されたサポート部分と、サポート部分に結合されており、ユーザの腰または胴の周りに着用されるように構成されたバンド部分と、サポート部分およびバンド部分に結合された伸長可能部材と、クラッチデバイスを伸長可能部材に結合するように構成されたインタフェースとを備える衣料物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。
【0354】
態様102は、ユーザの胸部(例えば、乳房組織)を受け入れてサポートするように構成されたサポート部分を含むことができ、または任意に態様101と組み合わせて含むことができる。
【0355】
態様103は、ユーザの股間領域(例えば、陰茎または睾丸)を受け入れてサポートするように構成されたサポート部分を含むことができ、または任意に態様101または102のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0356】
態様104は、収縮するように更に構成された伸長可能部材を含むことができ、または任意に態様101~103のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0357】
態様105は、面ファスナのフック部分またはループ部分を含むインタフェースを含むことができ、または任意に態様101~104のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0358】
本開示の様々な態様は、衣料品のフィット感または形状を対象としている。例えば、態様106は、着用者の身体部分を受け入れるように構成された開口部を形成する織物と、織物に固定されており、開口部の少なくとも一部の周りを延在している静電型接着クラッチとを含む適応型衣料物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。静電型接着クラッチは、第1の導電性部材を含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材に部分的に重なる第2の導電性部材を含む第2の電極アセンブリと、電極アセンブリの第1および第2の導電性部材にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器とを含むことができる。態様106では、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成され得る。態様106では、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されているときには、開口部のサイズの増加を抑制するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されていないときには、開口部のサイズの増加を可能にすることができる。換言すれば、第1および第2の信号が存在しない場合、第1の電極アセンブリは、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されているときには、第1の電極アセンブリは、第2の電極アセンブリに対して横方向に固定されるように構成することができる。静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されるときに、開口部のサイズの変更を抑制または阻止するのに役立つように使用または構成することができ、第1および第2の信号が存在しないまたは除去されているときには、開口部のサイズを調整することができる。
【0359】
態様107は、内部に第1および第2の電極アセンブリが配置されている防水収納を備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様106と組み合わせて含むことができる。
【0360】
態様108は、弾性防水収納に力を加えることができない場合に、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納としての防水収納を含むことができ、または任意に態様107と組み合わせて含むことができる。
【0361】
態様109は、防水織物としての織物を含むことができ、または任意に態様106~108のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、織物は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に防水シールを形成するように構成することができる。
【0362】
態様110は、織物に力が加えられない、または力が及ばないときに、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置またはバイアス位置に戻すように構成された弾性織物としての織物を含むことができ、または任意に態様109と組み合わせて含むことができる。
【0363】
態様111は、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づいて第1および第2の信号を適用させるように構成されたコントローラを更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様106~110と組み合わせて含むことができる。
【0364】
態様112は、コントローラに動作可能に結合され、適応型衣料物品の検出された状態に基づいて、センサ信号を出力するように構成されたセンサを更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様111と組み合わせて含むことができ、コントローラは、センサ信号を入力として受信するように構成することができる。
【0365】
態様113は、加速度計、ジャイロ、または圧力センサのうちの少なくとも1つとしてセンサを含むことができ、または任意に態様112と組み合わせて含むことができる。
【0366】
態様114は、コントローラに動作可能に結合され、ユーザからコマンドを受信するように構成され、コントローラによる入力として受信可能なコマンドを示す信号を出力するように構成された、ユーザ入力を更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様111~113のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0367】
態様115は、帽子としての適応型衣料物品を含むことができ、または任意に態様106~114のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0368】
態様116は、着用者の腕または脚の周りに着用されるように構成されたスリーブとしての適応型衣料物品を含むことができ、または任意に態様106~115のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0369】
態様117は、衣料物品内にある、または衣料物品に結合されているポケットの開口部またはアパチャ部分を含む開口部を含むことができ、または任意に態様106~116のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0370】
態様118は、着用者の身体部分を受け入れるように構成された開口部を有する織物を形成することと、静電型接着クラッチを織物に固定することとを含む方法を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、静電型接着クラッチは、開口部の少なくとも一部の周囲に延在している。態様118では、静電型接着クラッチは、少なくとも、第1の導電性部材を含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材に部分的に重なる第2の導電性部材を含む第2の電極アセンブリと、電極アセンブリの第1および第2の導電性部材にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を含むことができ、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには、第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成することができ、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されるときには、開口部のサイズの増加を抑制するように構成され、第1および第2の信号が印加されていないときには、開口部のサイズが増加することを可能にするように構成することができる。
【0371】
態様119は、内部に第1および第2の電極アセンブリが配置される、または配置され得る防水収納を更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様118と組み合わせて含むことができる。
【0372】
態様120は、力が解放されるか、または弾性防水収納に力が加えられないときに、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納としての防水収納を含むことができ、または任意に態様119と組み合わせて含むことができる。
【0373】
態様121は、防水織物としての織物を含むことができ、または任意に態様118~120のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、織物は、第1および第2の電極アセンブリの周囲に防水シールを形成するように構成することができる。
【0374】
態様122は、力が解放されるか、または織物に力が加えられないときに、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性織物としての織物を含むことができ、または任意に態様121と組み合わせて含むことができる。
【0375】
態様123は、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づいて第1および第2の信号を適用させるように構成されたコントローラを更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様118~122のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0376】
態様124は、コントローラに動作可能に結合され、適応型衣料物品の検出された状態に基づいて、センサ信号を出力するように構成されたセンサを更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様123と組み合わせて含むことができ、コントローラは、センサ信号を入力として受信するように構成されている。
【0377】
態様125は、加速度計、ジャイロスコープ、または圧力センサのうちの少なくとも1つとしてのセンサを含むことができ、または任意に態様124と組み合わせて含むことができる。
【0378】
態様126は、コントローラに動作可能に結合され、ユーザからコマンドを受信し、コントローラによる入力として受信可能なコマンドを示す信号を出力するように構成された、ユーザ入力を更に備える静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様124または125のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0379】
態様127は、衣服ベース層と、衣服ベース層に少なくとも部分的に固着されたポケット部分であって、ポケット部分の第1の端縁にポケットアパチャを含むポケット部分と、第1および第2の電極を含む静電型接着クラッチアセンブリと、を備える衣服を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、
第1の電極は、ポケット部分の第1の端縁にあるポケットアパチャにまたはポケットアパチャ付近に結合することができ、第2の電極は、衣服ベース層に結合することができ、第1および第2の電極は、静電型接着クラッチアセンブリの作動に従って、ポケットアパチャを選択的に閉鎖し、閉鎖位置または密封位置に保持するように構成され得る。
【0380】
態様128は、静電型接着クラッチアセンブリ用のコントローラを含むことができ、または任意に態様127と組み合わせて含むことができ、コントローラは、それぞれの電気信号を第1および第2の電極に供給し、それによって、クラッチアセンブリを制御するように構成することができる。
【0381】
態様129は、加速度計を含むことができ、または任意に態様128と組み合わせて含むことができ、コントローラは、加速度計からの情報に基づいて、第1および第2の電極にそれぞれの電気信号を供給するように構成することができる。
【0382】
態様130は、衣服の着用者に関する向きまたは姿勢情報を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様129と組み合わせて含むことができ、コントローラは、加速度計を使用して測定された向きまたは姿勢情報に基づいて、第1および第2の電極にそれぞれの電気信号を供給するように構成することができる。
【0383】
態様131は、衣服の着用者に関する活動レベル情報を測定するように構成された加速度計を含むことができ、または任意に態様129と組み合わせて含むことができ、コントローラは、加速度計を使用して測定された活動レベル情報に基づいて、第1および第2の電極にそれぞれの電気信号を供給するように構成することができる。
【0384】
本開示の様々な態様は、選択的に通気される衣料品を対象としている。例えば、
【0385】
態様132は、衣料物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、物品は、衣料物品内にアパチャと、衣料物品に結合され、または衣料物品内に一体化され、衣料物品のアパチャを選択的に開閉するように構成された静電型接着クラッチデバイスと、アパチャを選択的に開閉する1つ以上の信号をクラッチデバイスに送信するように構成された電気信号発生器と、を含む。
【0386】
態様133は、アパチャを開口して空気流が可撓性アパチャを通過できるようにするように構成された静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に態様132と組み合わせて含むことができる。例えば、静電型接着クラッチデバイスの電極は、係合解除することによってアパチャを開口し、そこを空気流が通過できるように構成することができる。
【0387】
態様134は、アパチャを被覆するフラップを含むことができ、または任意に態様132または133と組み合わせて含むことができ、フラップは、静電型接着クラッチデバイスに結合され、アパチャを選択的に被覆するまたは露出させるように構成されている。
【0388】
態様135は、アパチャ上でフラップを物理的に結合する手動固着機構を含むことができ、または任意に態様134と組み合わせて含むことができる。
【0389】
態様136は、複数のアパチャのうちの第1のアパチャとしてのアパチャと、複数のフラップのうちの第1のフラップとしてのフラップとを含むことができ、または任意に態様134と組み合わせて含むことができ、第1のフラップは、第1のアパチャに対応している。
【0390】
態様137は、静電型接着クラッチデバイスに結合された温度センサを含むことができ、または任意に態様136と組み合わせて含むことができ、フラップは、物品の着用者の体温が閾値温度未満の場合にアパチャを被覆し、着用者の体温が閾値温度より高い場合にはアパチャを露出させるように構成することができる。
【0391】
態様138は、複数のフラップのうちの対応するフラップを有する複数のアパチャのうちの各アパチャと、対応する静電型接着クラッチデバイスを有する各フラップと、を含むことができ、または任意に態様136と組み合わせて含むことができる。
【0392】
態様139は、下半身衣料品としての物品であって、右脚パネルおよび左脚パネルの下部を横断する細長い垂直アパチャを有する右脚パネルおよび左脚パネルを含むことができる物品を含むことができ、または任意に態様132~138のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0393】
態様140は、水平に配向され、衣料物品にわたって横方向に延在するアパチャを含むことができ、または任意に態様132~139のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0394】
態様141は、上半身の背面を横断する細長い水平アパチャを有する上方後部パネルを含む上半身衣料品としての衣料物品と、対応する細長い水平フラップと、を含むことができ、または任意に態様132~140のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0395】
態様142は、静電型接着クラッチデバイスに結合された温度センサを含むことができ、または任意に態様132~141のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、静電型接着クラッチデバイスは、物品の着用者の体温に基づいてアパチャを選択的に開閉するように構成される。
【0396】
態様143は、第1および第2の電極アセンブリを有する静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に態様132~142のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、電気信号発生器は、第1および第2の電極アセンブリにそれぞれ第1および第2の信号を供給するように構成されており、第1および第2の信号は、交流クラッチ制御信号の逆極性コンポーネントである。
【0397】
態様144は、衣料物品にアパチャを形成することと、衣料物品に静電型接着クラッチデバイスであって、衣料物品のアパチャを選択的に開閉するように構成された静電型接着クラッチを一体化することと、衣料物品内に、電気信号発生器であって、クラッチデバイスに1つ以上の信号を送信して、アパチャを選択的に開閉するように構成されている電気信号発生器を一体化することと、を含む方法を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができる。
【0398】
態様145は、アパチャを開口して、アパチャを空気流が通ることを可能にするように構成された静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に態様144と組み合わせて含むことができる。
【0399】
態様146は、アパチャを被覆するためのフラップを形成することを含むことができ、または任意に態様144または145のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、フラップは、静電型接着クラッチデバイスに結合され、アパチャを選択的に被覆するまたは露出するように構成されている。
【0400】
態様147は、静電型接着クラッチデバイスに結合される温度センサを一体化することを含むことができ、または任意に態様146と組み合わせて含むことができ、フラップは、物品の着用者が閾値温度未満の温度を有するときに、アパチャを被覆し、着用者が閾値温度よりも高い温度を有するときに、アパチャを露出させるように構成される。
【0401】
態様148は、水平に配向され、衣料物品にわたって横方向に延在するアパチャを含むことができ、または任意に態様144~147のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0402】
態様149は、第1および第2の電極アセンブリを有する静電型接着クラッチデバイスと、第1および第2の電極アセンブリにそれぞれ第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器とを含むことができ、または任意に態様144~148のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、第1および第2の信号は、交流静電型接着クラッチ制御信号の逆極性部分である。
【0403】
態様150は、下半身衣料品としての、右脚パネルおよび左脚パネルの下部を横断する細長い垂直アパチャを有する右脚および左脚パネルを含むことができる物品を含むことができ、または任意に態様144~149のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0404】
態様151は、アパチャ上でフラップを物理的に結合する手動固着機構を含むことができ、または任意に態様146と組み合わせて含むことができる。
【0405】
本開示の様々な態様は、衣料品における静電型接着デバイスまたは静電デバイスの隔離を対象としている。例えば、態様152は、静電型接着クラッチ用の電極デバイスであって、平面状の導電性部材および導電性部材の少なくとも一部を包み込むハウジングを含む電極デバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例と組み合わせて含むことができ、ハウジングは、導電性部材の少なくとも第1の表面に隣接して設けられた可撓性ポリマー基板と、導電性部材の反対側の第2の表面に隣接して設けられた第1の部分と、導電性部材の第1の側縁に隣接して設けられ、可撓性ポリマー基板に結合された第2の部分とを含む誘電体部材とを含むことができる。
【0406】
態様153は、導電性部材の第1の側縁とは反対側の第2の側縁に隣接して設けられ、可撓性ポリマー基板に結合された第3の部分を含む誘電体部材を含むことができ、または任意に態様152と組み合わせて含むことができる。
【0407】
態様154は、導電性部材の第1の側縁に結合されたポリマー基板を含むことができ、または任意に態様152または153と組み合わせて含むことができる。
【0408】
態様155は、ポリマー基板上に堆積された金属を含む平面状の導電性部材を含むことができ、または任意に態様152~154のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、誘電体部材は、金属上に堆積される実質的に非導電性材料を含むことができる。
【0409】
態様156は、空気の誘電率よりも大きくなり得る誘電率を有する弾性誘電体インクを含む誘電体部材を含むことができ、または任意に態様152~155のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0410】
態様157は、導電性部材の第1の表面に隣接する誘電体部材の厚さを約30マイクロメートル未満とすることができることを含む、または任意に態様152~156のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0411】
態様158は、ポリマー基板または誘電体部材の一部に設けられた導電性パススルーを有するハウジングであって、導電性部材を気密に隔離するように構成することができるハウジングを含むことができ、または任意に態様152~157のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0412】
態様159は、可撓性誘電体材料を含む誘電体部材を含むことができ、または任意に態様152~158のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0413】
態様160は、ハウジングの誘電体部材側に提供される平滑剤を含むことができ、または任意に態様152~159のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、平滑剤は、ハウジングの摩擦係数特性を低減するように構成することができる。
【0414】
態様161は、可撓性または順応性を有する部材としてハウジングおよび導電性部材を含むことができ、または任意に態様152~160のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0415】
態様162は、第1の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる第1の導電性部分を含む第1の電極アセンブリと、第2の誘電絶縁体によって少なくとも部分的に被覆することができる第2の導電性部分を備える第2の電極アセンブリと、を備える静電型接着クラッチデバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、第1および第2の導電性部分は異なる幅を有し、第1および第2の電極アセンブリは、第1および第2の誘電絶縁体を含むそれぞれの表面にて、少なくとも部分的に重なることができ、第1の電極アセンブリは、第1の導電性部分の長さ方向に第2の電極アセンブリに対して移動可能であり得る。
【0416】
態様163は、クラッチフレームを含むことができ、または任意に態様162と組み合わせて含むことができ、第2の電極アセンブリは、クラッチフレームに対して固定することができ、第1の電極アセンブリは、クラッチフレームに対して移動可能にすることができる。
【0417】
態様164は、異なる表面積特性を有する第1および第2の導電性部分を含むことができ、または任意に態様162または163と組み合わせて含むことができる。
【0418】
態様165は、第2の導電性部分の第2の平面に平行に位置合わせされ、第2の導電性部分の第2の平面と重なることができる第1の導電性部分の第1の平面を含むことができ、または任意に態様162~164のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0419】
態様166は、第1の導電性部分の幅方向に第2の電極アセンブリに対して移動可能な第1の電極アセンブリを含むことができ、または任意に態様162~165のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0420】
態様167は、導電性部分が平行であって、かつ少なくとも部分的に重なるように、第1および第2の電極アセンブリを結合するように構成されたクラッチフレームを含むことができ、または任意に態様166と組み合わせて含むことができる。
【0421】
態様168は、クラッチフレームおよび第1の電極アセンブリを結合する弾性テンショナを含むことができ、または任意に態様167と組み合わせて含むことができ、弾性テンショナは、第1および第2の誘電絶縁体を含む表面において、第1および第2の電極アセンブリを面接触させるよう付勢するように構成することができる。
【0422】
態様169は、電極アセンブリの第1および第2の導電性部分にそれぞれ、第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器を含むことができ、または任意に態様162~168のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、第1および第2の信号は、交流(AC)クラッチ制御信号のそれぞれの部分を含み、第1および第2の信号に応答して、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に静電型接着引力を発生させることができる。
【0423】
態様170は、静電型接着クラッチ用の電極デバイスを含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、電極デバイスは、第1の基板と、可撓性基板上に配置された導電性の第1のトレースであって、高さ、幅、および長さを有する第1のトレースと、基板とは反対側の導電性トレース上に配置された誘電体部材とを備え、誘電体部材の少なくとも一部は、第1のトレースの側縁上に延在し、可撓性基板と結合することができる。
【0424】
態様171は、薄膜ポリマー基板を含む第1の基板を含むことができ、または任意に態様170と組み合わせて含むことができる。
【0425】
態様172は、第1のトレースの複数の側面にわたって延在しており、第1の基板に対して第1のトレースの少なくとも一部をカプセル化している誘電体部材を含むことができ、または任意に態様170または171と組み合わせて含むことができる。
【0426】
態様173は、外部クラッチ信号ドライバおよび第1のトレースに電気的に結合される導電性パススルーを含むことができ、または任意に態様172と組み合わせて含むことができ、導電性パススルーは、第1の基板または誘電体部材を介して電気信号経路を提供する。
【0427】
態様174は、第1のトレース上および第1の基板の表面上に堆積された誘電体インクを含む誘電体部材を含むことができ、または任意に態様170~173のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0428】
態様175は、第1のトレース上および第1の基板の表面上に印刷された誘電体ポリマーを含む誘電体部材を含むことができ、または任意に態様170~174のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0429】
態様176は、空気の誘電率よりも大きい場合があり得る誘電体部材の誘電率を含むことができ、または任意に態様170~175のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0430】
態様177は、空気の誘電率よりも小さい場合があり得る誘電体部材の誘電率を含むことができ、または任意に態様170~176のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0431】
態様178は、約30マイクロメートル未満であり得る第1のトレースに隣接する誘電体部材の厚さを含むことができ、または任意に態様170~177のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0432】
態様179は、第1のトレースの反対側の誘電体部材上に提供されるポリマー平滑剤を含むことができ、または任意に態様170~178のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができる。
【0433】
本開示の様々な態様は、織物および他の材料と共に静電型接着デバイスまたはそのコンポーネントを使用することを対象としている。例えば、態様180は、着用者が着用するように構成された織物と、織物に固定されており、第1の導電性部材を含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材の一部に重なる第2の導電性部材を含む第2の電極アセンブリと、中に第1および第2の電極アセンブリを配置することができる弾性ケースであって、弾性ケースの第1の位置にて第1の導電性部材との第1の接合を形成し、第1の位置とは異なる弾性ケースの第2の位置に近接する第2の導電性部材と第2の接合を形成する弾性ケースと、第1および第2の信号を電極アセンブリの第1および第2の導電性部材にそれぞれ供給するように構成された電気信号発生器と、を備える静電型接着クラッチと、を備える着用可能な物品を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されていないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されているときには、第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成することができる。態様180では、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されているときには、開口部のサイズの増加を抑制するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されていないときには、開口部のサイズを増加させることができるようにすることができる。
【0434】
態様181は、防水弾性収納として弾性収納を含むことができ、または任意に態様180と組み合わせて含むことができる。
【0435】
態様182は、弾性防水収納から力が取り除かれると、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納を含むことができ、または任意に態様181と組み合わせて含むことができる。
【0436】
態様183は、第1および第2の導電性部材と、それぞれ第1および第2の接合を形成するように構成されたポリマーから少なくとも部分的に形成することができる弾性防水収納を含むことができ、または任意に態様182と組み合わせて含むことができる。
【0437】
態様184は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)としてポリマーを含むことができ、または任意に態様183と組み合わせて含むことができる。
【0438】
態様185は、第1の結合が形成され得る第1の位置に近接した穴を形成する第1の導電性部分と、第2の結合が形成され得る第2の位置に近接した穴を形成する第2の導電性部材と、を含むことができ、または任意に態様184と組み合わせて含むことができる。
【0439】
態様186は、マイラーから形成される第1および第2の導電性部材を含むことができ、または任意に態様185と組み合わせて含むことができる。
【0440】
態様187は、コントローラを更に備え、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づいて第1および第2の信号を適用させるように構成された静電型接着クラッチを含む、または任意に態様180~186と組み合わせて含むことができる。
【0441】
態様188は、センサを更に備え、コントローラに動作可能に結合され、検出された適応型衣料物品の状態に基づいてセンサ信号を出力するように構成された静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様180~187のいずれか1つ以上と組み合わせて含むことができ、コントローラは、センサ信号を入力として受信するように構成することができる。
【0442】
態様189は、加速度計、ジャイロスコープ、または圧力センサのうちの少なくとも1つとしてセンサを含むことができ、または任意に態様188と組み合わせて含むことができる。
【0443】
態様190は、着用者が着用するように構成された織物を形成することと、静電型接着クラッチを織物に固定することとを含む、適応型衣料物品の製造方法を含むことができ、または任意に先行する態様または例のいずれかと組み合わせて含むことができ、静電型接着クラッチは、第1の導電性部材を含む第1の電極アセンブリと、第1の導電性部材に部分的に重なる第2の導電性部材を含む第2の電極アセンブリと、第1および第2の電極アセンブリが内部に配置される弾性収納であって、弾性収納の第1の位置で第1の導電性部材と第1の接合を形成し、第1の位置とは異なる弾性収納の第2の位置に近接する第2の導電性部材と第2の接合を形成する弾性収納と、電極アセンブリの第1および第2の導電性部材のそれぞれに第1および第2の信号を供給するように構成された電気信号発生器と、を含み、第1の電極アセンブリは、第1および第2の信号が印加されないときには、第2の電極アセンブリに対して横方向に摺動し、第1および第2の信号が印加されるときには、第2の電極アセンブリに対して静止状態を維持するように構成することができる。態様190では、静電型接着クラッチは、第1および第2の信号が第1および第2の電極アセンブリに印加されるときには、開口部のサイズの増加を抑制するように構成することができ、第1および第2の信号が印加されないときには、開口部のサイズを増加させることができるようにすることができる。
【0444】
態様191は、防水弾性収納として弾性収納を含むことができ、または任意に態様190と組み合わせて含むことができる。
【0445】
態様192は、弾性防水収納から力が取り除かれると、第1および第2の電極アセンブリを弛緩位置に戻すように構成された弾性防水収納を含むことができ、または任意に態様191と組み合わせて含むことができる。
【0446】
態様193は、第1および第2の導電性部材とそれぞれ第1および第2の接合を形成するように構成されたポリマーから少なくとも部分的に形成された弾性防水収納を含むことができ、または任意に態様192と組み合わせて含むことができる。
【0447】
態様194は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)としてポリマーを含むことができ、または任意に態様193と組み合わせて含むことができる。
【0448】
態様195は、第1の接合が形成され得る第1の位置に近接した穴を形成する第1の導電性部分と、第2の接合が形成され得る第2の位置に近接した穴を形成する第2の導電性部材と、を含むことができ、または任意に態様194と組み合わせて含むことができる。
【0449】
態様196は、マイラーから形成されたまたはマイラーを含む第1および第2の導電性部材を含むことができ、または任意に態様195と組み合わせて含むことができる。
【0450】
態様197は、コントローラを更に備え、電気信号発生器に動作可能に結合され、電気信号発生器に、受信した入力に基づいて第1および第2の信号を適用させるように構成された静電型接着クラッチを含む、または任意に態様190~196と組み合わせて含むことができる。
【0451】
態様198は、センサを更に備え、コントローラに動作可能に結合され、検出された適応型衣料物品の状態に基づいてセンサ信号を出力するように構成された静電型接着クラッチを含むことができ、または任意に態様197と組み合わせて含むことができ、コントローラは、センサ信号を入力として受信するように構成することができる。
【0452】
態様199は、加速度計、ジャイロスコープ、または圧力センサのうちの少なくとも1つとしてセンサを含むことができ、または任意に態様198と組み合わせて含むことができる。
【0453】
これらの非限定的な態様はそれぞれ、それ自体で独立することができ、または本明細書の他の場所で議論した他の態様、例、または特徴のうちの1つ以上と様々な順列または組み合わせで組み合わせることができる。
【0454】
上記の説明には、詳細な説明の一部を構成する添付の図面に関する記載が含まれている。図面は、例示として、本発明を実施することができる具体的な実施形態を示している。これらの実施形態を本明細書では「実施例」とも称する。このような実施例は、図示または説明されたものに加えていくつかの要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される実施例も想定している。更に、本発明者らは、特定の例(またはその1つ以上の態様)に関して、または本明細書に示すまたは記載する他の例(またはその1つ以上の態様)に関して、図示または説明されたそれらの要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは順列を使用する例も想定している。
【0455】
本文書において、「1つの」という用語は、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の他の任意の事例または用法とは関係なく、1つ以上を含むように用いられている。本文書では、「または」という用語は、非排他的なことを指すのに用いられ、または、特に別段の断りのない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」、「AではなくB」および「AとB」を含むように用いられる。本文書では、「含む」および「において」という用語は、「備える」および「この場合」というそれぞれの用語の平易な英語の同意義として用いられている。また、以下の請求項において、「含む」および「備える」という用語は、オープンエンド(open-ended)であり、即ち、請求項におけるそのような用語の後に挙げられているものの他に要素を含むシステム、デバイス、物品、組成、設計またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内にあるものと見なされる。更に、以下の請求項において、「第1の」、「第2の」および「第3の」等の用語は、単に呼び名として用いられており、それらの対象物に対して数的な要件を課す意図はない。
【0456】
とりわけ、「平行」、「垂直」、「丸」または「四角」等の幾何学的な用語は、文脈上別のことを示さない限り、絶対的な数学的厳密さを要求する意図はない。代わりに、該幾何学的な用語は、製造または同等の機能によるばらつきを許容する。例えば、ある要素が「丸」または「略丸」と記述される場合、正確に円形ではないコンポーネント(例えば、やや長円形または多面多角形のもの)もこの記述により包含される。
【0457】
本明細書に記載する方法例は、機械またはコンピュータで少なくとも部分的に実施することができる。いくつかの例は、上述の例で説明した方法を実行するために、電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化された、コンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含み得る。このような方法の実施には、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高レベル言語コード等のコードを含めることができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。そのようなコードは、コンピュータプログラム製品の一部を構成することができる。更に、一例において、コードは、実行中または他の場合等に、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形に格納することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクやデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0458】
上記の説明は、例示的であることを意図したものであり、制限的なものではない。例えば、上記の実施例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。他の実施形態は、上記の説明を確認した上で、当業者によって使用されてもよい。読者が技術的な開示内容の性質をすぐに確認できるよう、要約書を提供する。要約書は、特許請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないとの理解のもとに提出される。また、上記の発明の詳細な説明においては、開示を簡潔化するために、様々な特徴がまとめられている場合がある。これは、特許請求されていない開示された特徴が、いずれかの請求項にとって不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、開示された特定の実施形態の全ての特徴よりも少なくてもよい。従って、以下の特許請求の範囲は、実施例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立して成り立ち、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で相互に組み合わせることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求項の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【国際調査報告】