(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】楔形の舌部挿入溝
(51)【国際特許分類】
F16B 12/12 20060101AFI20240117BHJP
F16B 12/46 20060101ALI20240117BHJP
F16B 12/26 20060101ALI20240117BHJP
A47B 47/04 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
F16B12/12 B
F16B12/46 A
F16B12/26
A47B47/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540976
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 SE2021051290
(87)【国際公開番号】W WO2022150002
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ブー
【テーマコード(参考)】
3B054
3J024
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA05
3B054BA10
3B054BA15
3B054BA17
3J024AA13
3J024BA03
3J024CA14
(57)【要約】
第1のパネル(1)と、第2のパネル(2)と、第1のパネル(1)を第2のパネル(2)に係止するための機械的係止装置とを備えるセットが開示される。第1のパネル(1)は、第1の端面(11)と、第1のパネル面(12)とを備え、第2のパネル(2)は、第2の端面(21)と、第2のパネル面(22)とを備える。機械的係止装置は、第1の端面(11)に挿入溝(3)を備え、挿入溝(3)は、第1の変位面(30)および反対側の第2の変位面(31)と、底面(32)と、深さ方向(D)とを有する。挿入溝(3)は、可撓性舌部(4)と、舌部溝(5)を備える端部舌部とを備え、可撓性舌部(4)は、第1のパネル(1)を第2のパネル(2)に係止するために舌部溝(5)と協働するように構成され、挿入溝(3)の第1の変位面および第2の変位面(30、31)は収束している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネル(1)と、第2のパネル(2)と、前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)に係止するための機械的係止装置とを備えるセットであって、前記第1のパネル(1)が、第1の端面(11)と、第1のパネル面(12)とを備え、前記第2のパネル(2)が、第2の端面(21)と、第2のパネル面(22)とを備え、前記機械的係止装置が、前記第1の端面(11)に挿入溝(3)を備え、前記挿入溝(3)が、第1の変位面(30)および反対側の第2の変位面(31)と、底面(32)と、深さ方向(D)とを有し、前記挿入溝(3)が、可撓性舌部(4)と、舌部溝(5)を備える端部舌部とを備え、前記可撓性舌部(4)が、前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)に係止するために前記舌部溝(5)と協働するように構成され、前記挿入溝(3)の前記第1の変位面(30)および前記第2の変位面(31)が収束していることを特徴とする、セット。
【請求項2】
前記挿入溝(3)の前記第1の変位面と前記第2の変位面(30、31)との間の角度(α)が、約0°超~約5°の範囲内、または約0°超~約3°の範囲内、または約1°~約2°の範囲内である、請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記挿入溝(3)の主面(M)と前記挿入溝(3)の前記第1の変位面(30)との間の角度(β)が、約0°~約5°の範囲内、または約0°~約3°の範囲内、または約1°~約2°の範囲内、または0.1°~約1°、または約0.1°の範囲内であり、前記挿入溝の前記主面が、前記挿入溝の長手方向に沿って配向されている、請求項1または2に記載のセット。
【請求項4】
前記挿入溝(3)の前記第2の変位面(31)が、前記挿入溝(3)の前記主面(M)と略平行であり、前記挿入溝の前記主面が、前記挿入溝の長手方向に沿って配向されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のセット。
【請求項5】
前記挿入溝(3)の前記第1の変位面(30)と前記第1のパネル(1)の第1の側面(13)との間の角度(γ)が、約45°~約90°、好ましくは約45°~約70°、より好ましくは約60°~約65°であり、前記第1の側面(13)が、前記挿入溝(3)に直接隣接し、前記挿入溝(3)の下方に位置する前記第1のパネル(1)の面である、請求項1から4のいずれか一項に記載のセット。
【請求項6】
前記第2の変位面(31)と前記第1のパネル(1)の第2の側面(14)との間の角度(δ)が、約90°~約135°、好ましくは約110°~約125°、より好ましくは約115°~約120°であり、前記第2の側面(14)が、前記挿入溝(3)に直接隣接し、前記挿入溝(3)の上方に位置する前記第1のパネル(1)の面である、請求項1から5のいずれか一項に記載のセット。
【請求項7】
前記可撓性舌部(4)が、第1の係止面(101)と、第2の係止面(102)とを備え、
前記第1の係止面(101)が、前記可撓性舌部(4)が第1の向きで前記挿入溝(3)内に配置されるときに、前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)に第1の方向で係止するために前記舌部溝(5)と協働するように構成され、前記可撓性舌部(4)の前記第2の係止面(102)が、前記可撓性舌部(4)が第2の向きで前記挿入溝(3)内に配置されるときに、前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)に第1の方向で係止するために前記舌部溝(5)と協働するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のセット。
【請求項8】
前記第1の係止面(101)および前記第2の係止面(102)が、前記可撓性舌部(4)上に略対称に配置される、請求項7に記載のセット。
【請求項9】
前記第1のパネル(1)を前記第2のパネル(2)に係止するための第1の方向が、前記第1のパネル面(12)に対して垂直である、請求項7または8に記載のセット。
【請求項10】
前記底面(32)が、前記第1の変位面(31)と前記反対側の第2の変位面(32)との間に延在している、請求項1から9のいずれか一項に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、機械的係止装置と共に係止されるように構成されたパネルに関する。パネルは、共に組み立てられて係止されて、本棚、食器棚、ワードローブ、箱、引き出し、または家具部品などの家具製品を得てもよく、その後に解体し得るパネルであってもよい。機械的係止装置は、可撓性舌部を備えてもよい。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2015/038059号によって証明されるように、機械的係止装置を備えた家具製品が当技術分野で知られている。前述の家具製品は、挿入溝内に可撓性舌部を備える機械的係止装置によって第2のパネルに垂直に接続された第1のパネルを備える。
様々な既知の態様の上記の説明は、そのようなものの出願人の特徴付けであり、上記の説明のいずれも先行技術と見なされることを認めるものではない。
本発明の実施形態は、機械的係止装置の剛性および強度が改善された、組み立ておよび解体することができるパネルを提供する必要性に対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の特定の態様の目的は、上記の技術および既知の技術に対する改善を提供することである。具体的な目的は、機械的係止装置によって共に係止された家具パネルなどのパネルの組み立てを改善することである。パネルは、家具部品、引き出し、食器棚、本棚、ワードローブ、台所用備品、または箱などの家具製品の一部であってもよい。
本発明の少なくとも特定の態様のさらなる目的は、使用および設置が容易であり、パネルの製造中にパネルが損傷するリスクを低減する係止装置と組み立てられるように構成されたパネルの組み立てを容易にすることである。
本発明の少なくとも特定の態様のさらなる目的は、工具を使用する必要なく組み立てられるように構成されたパネルの組み立てを容易にすることである。
本発明の少なくとも特定の態様のさらなる目的は、使用および設置が容易であり、その誤った設置のリスクを低減する係止装置と組み立てられるように構成されたパネルの組み立てを容易にすることである。
本発明の少なくとも特定の態様のさらなる目的は、より安定した審美的な方法で組み立てられるように構成されたパネルの組み立てを容易にすることである。
【0005】
本明細書から明らかになるこれらおよび他の目的および利点の少なくともいくつかは、第1のパネルと、第2のパネルと、第1のパネルを第2のパネルに係止するための機械的係止装置とを備えるセットによって達成されており、第1のパネルは第1の端面と、第1のパネル面とを備え、第2のパネルは第2の端面と、第2のパネル面とを備え、機械的係止装置は第1の端面に挿入溝を備え、挿入溝は第1の変位面および反対側の第2の変位面と、底面と、深さ方向を有し、挿入溝は可撓性舌部と、舌部溝を備える端部舌部とを備え、可撓性舌部は、第1のパネルを第2のパネルに係止するために舌部溝と協働するように構成され、挿入溝の第1の変位面および第2の変位面が収束することを特徴とする。
【0006】
一態様によれば、挿入溝の第1の変位面と第2の変位面との間の角度は、約0°超~約5°、好ましくは約0°超~約3°、より好ましくは約1°~約2°である。
【0007】
一態様によれば、挿入溝の主面と挿入溝の第1の変位面との間の角度は、約0°~約5°、好ましくは約0°~約3°、より好ましくは約1°~約2°である。挿入溝の主面は、挿入溝の長手方向に沿って配向されている。
【0008】
一態様によれば、挿入溝の第2の変位面は、挿入溝の主面と略平行である。
【0009】
一態様によれば、挿入溝の第1の変位面と第1のパネルの第1の側面との間の角度は、約45°~約90°、好ましくは約45°~約70°、より好ましくは約60°~約65°である。
【0010】
一態様によれば、第2の変位面と第1のパネルの第2の側面との間の角度は、約90°~約135°、好ましくは約110°~約125°、より好ましくは約115°~約120°である。
【0011】
一態様によれば、可撓性舌部は、第1の係止面と、第2の係止面とを備え、第1の係止面は、可撓性舌部が第1の向きで挿入溝内に配置されるときに、第1のパネルを第2のパネルに第1の方向に係止するために舌部溝と協働するように構成され、可撓性舌部の第2の係止面は、可撓性舌部が第2の向きで挿入溝内に配置されるときに、第1のパネルを第2のパネルに第1の方向に係止するために舌部溝と協働するように構成される。
【0012】
一態様によれば、第1の係止面および第2の係止面は、可撓性舌部上に略対称に配置される。
【0013】
一態様によれば、第1のパネルを第2のパネルに係止するための第1の方向は、第1のパネル面に対して垂直である。
【0014】
一態様によれば、底面は、第1の変位面と反対側の第2の変位面との間に延在する。
【0015】
一態様によれば、第1のパネルおよび/または第2のパネルのコアは、好ましくはMDF、HDF、OSB、WPC、合板、またはパーティクルボードで作られた木材主体型コアであってもよい。プラスチックコアコアはまた、熱硬化性プラスチックまたは熱可塑性プラスチック、例えばビニル、PVC、PUまたはPETを含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、充填剤を含んでもよい。
【0016】
一態様によれば、第1のパネルおよび/または第2のパネルは、無垢材製であってもよい。
【0017】
一態様によれば、第1のパネルおよび/または第2のパネルは、1つまたは複数の面上に、箔または単板などの装飾層を備えてもよい。
【0018】
本発明の実施形態が可能であるこれらおよび他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態および態様の以下の説明から明らかになり、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1のパネルの例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図2】可撓性舌部が舌部溝内に配置されている、第1のパネルの例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図3】組み立て中の本発明の例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図4】組み立て中の本発明の例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図5】挿入溝を作成するために使用される工具の例示的な実施形態の図を示す。
【
図6A】工具が挿入溝を作成しているときの第1のパネルの例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図6B】
図6Aに示される円で囲まれた領域の拡大図を示す。工具は端部位置に配置され、挿入溝の底面も作成する。
【
図7A】工具が挿入溝を作成し、工具が後退されているとき、すなわち工具がもはや挿入溝の底面まで下方に延在しないときの第1のパネルの例示的な実施形態の側面図を示す。
【
図7B】
図7Aに示された円で囲まれた領域の拡大図を示しており、工具が後退されているときに、工具が第1の変位面および反対側の第2の変位面の両方と同時に相互作用しないことが分かる。
【
図8A】本発明による第1のパネルおよび第2のパネルの異なる例示的な実施形態を示す。
【
図8B】本発明による第1のパネルおよび第2のパネルの異なる例示的な実施形態を示す。
【
図8C】本発明による第1のパネルおよび第2のパネルの異なる例示的な実施形態を示す。
【
図9】組み立てられた状態の本発明によるパネルのセットの例示的な実施形態を示す。
【
図10】組み立てられた状態の本発明によるパネルのセットの例示的な実施形態の3D図を示す。
【
図11A】本発明の例示的な実施形態による可撓性舌部の異なる図を示す。
【
図11B】本発明の例示的な実施形態による可撓性舌部の異なる図を示す。
【
図11C】本発明の例示的な実施形態による可撓性舌部の異なる図を示す。
【
図12】本発明の例示的な実施形態による可撓性舌部の異なる図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の具体的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付の図面に示される実施形態の「発明を実施するための形態」で使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
本明細書で使用される用語は、本開示の特定の態様を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。
【0021】
「含む」、「備える」という語は、列挙されたもの以外の他の要素またはステップの存在を必ずしも除外するものではなく、要素に先行する「a」または「an」という語は、複数のそのような要素の存在を除外するものではないことに留意されたい。さらに、いかなる参照符号も特許請求の範囲を限定するものではなく、例示的な態様は、少なくとも部分的にハードウェアおよびソフトウェアの両方によって実施されてもよく、いくつかの「手段」、「ユニット」または「装置」は、同じハードウェアによって表されてもよいことに留意されたい。
【0022】
本明細書に開示される本発明の異なる態様、代替形態および実施形態は、本明細書に記載される他の態様、代替形態および実施形態の1つまたは複数と組み合わせることができる。2つ以上の態様を組み合わせることができる。
【0023】
本発明の第1の実施形態は、例えば、第1のパネル1と、第2のパネル2と、第1のパネル1を第2のパネル2に係止するための機械的係止装置とを備えるセットを含む
図3~
図4に示されている。第1のパネル1は、第1の端面11と、第1のパネル面12とを備え、第2のパネル2は、第2の端面21と、第2のパネル面22とを備える。機械的係止装置は、第1の端面11に挿入溝3を備え、挿入溝3は、第1の変位面30および反対側の第2の変位面31と、底面32と、深さ方向Dとを有する。挿入溝3は、可撓性舌部4を備える。機械的係止装置は、舌部溝5を備える端部舌部をさらに備え、可撓性舌部4は、第1のパネル1を第2のパネル2に係止するために舌部溝5と協働するように構成される。挿入溝3の第1の変位面30および第2の変位面31は、例えば楔形の挿入溝をもたらすように収束している。これにより、収束する第1の変位面30および第2の変位面31が可撓性舌部4が挿入溝3に挟まれるのを防止し得るので、第1のパネル1および第2のパネル2の組み立てを改善し得る。さらに、これにより、機械的係止装置の剛性および強度を改善することができる。例えば、例示的な実施形態では、可撓性舌部4および舌部溝5は、可撓性舌部4が舌部溝5に挿入されると、圧縮圧力下で、挿入溝3の長手方向範囲の一部のみに沿って第1の変位面30および第2の変位面31の両方に接触し、挿入溝3の開口部に近い挿入溝3の長手方向範囲の別の部分で第1の変位面30および第2の変位面31の一方のみに接触する(または、両方の面30、31に接触するが、より低い圧縮圧力で接触する)ように構成される。
【0024】
【0025】
第1のパネル1および第2のパネル2は、家具製品用のパネルであることが好ましく、家具製品のフレームの一部であってもよい。
【0026】
家具製品の場合、セットは、好ましくは、第1のパネル面12が第2のパネル面22に対して垂直または略垂直になるように、第1のパネル1を第2のパネル2に係止するように構成される。
【0027】
挿入溝3の第1の変位面30と第2の変位面31との間の角度αは、約0°超~約5°、好ましくは約0°超~約3°、より好ましくは約1°~約2°であってもよい。
【0028】
挿入溝3の主面Mと挿入溝3の第1の変位面30との間の角度βは、約0°~約5°、または約0°~約3°、または約1°~約2°、または約0.1°~約1°、または約0.5であってもよい。
【0029】
挿入溝3の主面Mと挿入溝3の第1の変位面30との間の角度βは、約0.1より大きくてもよい。
【0030】
挿入溝3の第2の変位面31は、挿入溝3の主面Mと略平行であってもよい。本実施形態では、第1の変位面30のみが挿入溝3の主面Mから分岐している。
【0031】
挿入溝3の第1の変位面30と第1のパネル1の第1の側面13との間の角度γは、約45°~約90°、好ましくは約45°~約70°、より好ましくは約60°~約65°であってもよい。第1の側面13は、第1のパネル1の、挿入溝3に直接隣接し、挿入溝3の下方に位置する面である。
【0032】
第2の変位面31と第1のパネル1の第2の側面14との間の角度δは、約90°~約135°、好ましくは約110°~約125°、より好ましくは約115°~約120°であってもよい。第2の側面14は、第1のパネル1の、挿入溝3に直接隣接し、挿入溝3の上方に位置する面である。
【0033】
底面32は、第1の変位面31と反対側の第2の変位面32との間に延在していてもよい。
【0034】
図3~
図4は、本発明の一態様の家具製品の組み立て中の図を示す。第2のパネル2は、
図3に示す第1のパネル面12に垂直な方向に第1のパネル1に対して第2のパネル2を変位させることによって組み立てられ得る。機械的係止装置は、第1のパネル1および第2のパネル2が係止位置にあり、可撓性舌部が
図4に示す第2のパネルの舌部溝5内に延在するときに、第1のパネル1を第2のパネル2に自動的に係止するように構成されてもよい。
【0035】
図8A~
図8Cは、本発明の第1のパネル1および第2のパネル2の異なる実施形態を示す。
図8Aのパネル1”は2つの第2の端面21を備え、
図8Bのパネル1’は2つの第1の端面11を備え、
図8Cのパネル1は1つの第1の端面11と、1つの第2の端面21とを備える。
【0036】
図8Aによる2つのパネル1”は、例えば、箱の組み立てのために
図8Bによる2つのパネル1’と共に使用することができ、一方、例えば、
図8Cによる4つのパネル1は、箱の組み立てのために使用することができる。あるいは、
図8Aによる1つのパネル1”、
図8Bによる1つのパネル1’、および
図8Dによる2つのパネル1を、箱などの家具製品の組み立てに使用することができる。
【0037】
図9は、
図8Cに示すような4つのパネル1のセットを係止位置に示し、箱61を形成する。
【0038】
図10は、家具製品62を形成する係止位置にある、本発明による4つのパネル1の3D図を示す。機械的係止装置は、パネルが組み立てられたときに見えず、非常に審美的な結果をもたらす。
【0039】
上記の本発明の異なる実施形態では、第1のパネル1および第2のパネル2は、家具製品用のパネルであることが好ましく、家具製品のフレームの一部であってもよい。
【0040】
家具製品の場合、セットは、好ましくは、第1のパネル面12が第2のパネル面22に対して垂直または略垂直になるように、第1のパネル1を第2のパネル2に係止するように構成される。
【0041】
図11A~
図11Cおよび
図12は、一実施形態による可撓性舌部4の異なる図を示す。
図11Aは上面図であり、
図11Bは側面図であり、
図11Cは底面図であり、
図12は、
図11Aに示す位置Cにおける可撓性舌部4の断面図を示す。可撓性舌部4は、第1の係止面101と、第2の係止面102とを備えてもよい。第1の係止面101は、可撓性舌部4が第1の向きで挿入溝3内に配置されるときに、第1のパネル1を第2のパネル2に第1の方向に係止するために舌部溝5と協働するように構成されてもよい。可撓性舌部4の第2の係止面102は、可撓性舌部4が第2の向きで挿入溝3内に配置されるときに、第1のパネル1を第2のパネル2に第1の方向に係止するために舌部溝5と協働するように構成されてもよい。
【0042】
第1の係止面101および第2の係止面102は、
図12に見られるように、可撓性舌部4上に略対称に配置されてもよい。
【0043】
第1のパネル1を第2のパネル2に係止するための第1の方向は、第1のパネル面12に対して垂直であってもよい。
【0044】
可撓性舌部4は、組み立ておよび分解中に挿入溝3内で可撓性舌部4の圧縮および変位を可能にするための可撓性材料を含んでもよい。
【0045】
可撓性舌部4は、組み立て中に挿入溝3内で可撓性舌部4の圧縮および変位を可能にするために可撓性である要素と、係止強度を改善するために可撓性が低い別の要素とを備えてもよい。
【0046】
可撓性舌部4は、挿入溝3の底面32に配置されてもよい。
【0047】
可撓性舌部4は、係止位置において舌部溝5と挿入溝3の底面32との間に配置されてもよい。
【0048】
挿入溝3および舌部溝5は、フライス加工またはソーイング加工などの機械的な切削加工によって形成されてもよい。
図5は、第1のパネル1の挿入溝3を作成するために使用され得る工具Tの一実施形態の図を示す。
【0049】
図6Aは、工具Tが挿入溝を作成しているときの第1のパネル1の一実施形態の側面図を示す。
図6Bは、
図6Aに示す円で囲まれた領域の拡大図を示す。工具Tは端部位置に配置され、したがって挿入溝3の最終底面32も作成する。
【0050】
図7Aは、工具Tが挿入溝3を作成して後退されているとき、すなわち工具Tがもはや挿入溝3の底面32まで下方に延在しないときの第1のパネル1の一実施形態の側面図を示す。
図7Bは、工具Tが後退されているときに工具Tがもはや第1の変位面30と相互作用しない、
図7Aに示される円で囲まれた領域の拡大図を示す。工具Tが部分的に挿入溝3内にあり、後退されているとき、工具Tと第1の変位面30との間に距離63があってもよい。これにより、挿入溝3の形成後に工具Tが後退されているときに第1の変位面30が工具Tによって損傷するリスクを最小限に抑えることができる。
【0051】
工具Tは、工具Tと第2の変位面との間の距離に起因して工具Tが後退されているときに第2の変位面31ともはや相互作用しないように構成されてもよい。
【0052】
工具Tは、工具Tと第1の変位面30との間の距離63に起因して工具Tが後退されているときに、第1の変位面31および第2の変位面31ともはや相互作用しないように構成されてもよい。
【0053】
損傷した変位面は、例えば、第1のパネル1および第2のパネル2の組み立て中に、または可撓性舌部4が挿入溝3に挿入されるときに、可撓性舌部4が挿入溝3に挟まれるという効果を有し得る。
【0054】
損傷した変位面はまた、係止強度が低下する、または第1のパネル1および第2のパネル2が係止位置に変位するのを防止されるという効果を有し得る係止装置内のばらばらの破片の結果を有し得る。
【0055】
工具Tは、深さ方向Dと同じ方向に作用する。工具Tの回転軸は、主面M/深さ方向Dに対して垂直であってもよい。
【0056】
第1のパネル1および/または第2のパネル2のコアは、好ましくはMDF、HDF、OSB、WPC、合板、またはパーティクルボードで作られた木材主体型コアであってもよい。プラスチックコアコアはまた、熱硬化性プラスチックまたは熱可塑性プラスチック、例えばビニル、PVC、PUまたはPETを含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、充填剤を含んでもよい。
【0057】
第1のパネル1および/または第2のパネル2はまた、無垢材製であってもよい。
【0058】
第1のパネル1および/または第2のパネル2は、1つまたは複数の面上に箔または単板などの装飾層を備えてもよい。
【国際調査報告】