(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】吸入可能なイマチニブ製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20240117BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240117BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240117BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240117BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240117BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240117BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240117BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240117BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240117BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240117BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K9/08
A61K9/10
A61K47/40
A61K47/44
A61K47/12
A61K47/28
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/20
A61K47/24
A61K47/22
A61K47/02
A61K47/04
A61K47/18
A61K9/72
A61K47/36
A61P43/00 105
A61P35/00
A61P11/00
A61P9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541251
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 US2022011448
(87)【国際公開番号】W WO2022150483
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511227266
【氏名又は名称】インカーダ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】シューラー,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ヒューリー,マイケル・レアード
(72)【発明者】
【氏名】コロン,グレース・イー
(72)【発明者】
【氏名】ウィースト,ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA93
4C076BB27
4C076CC15
4C076CC27
4C076DD01E
4C076DD23
4C076DD26
4C076DD38
4C076DD41E
4C076DD47E
4C076DD57E
4C076DD61
4C076DD63E
4C076DD67
4C076EE38
4C076EE39E
4C076EE51E
4C076FF15
4C076FF61
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA57
4C086NA10
4C086ZA42
4C086ZA59
4C086ZB21
4C086ZB26
(57)【要約】
吸入による肺疾患の治療のためのイマチニブまたはその誘導体を含む医薬組成物。肺疾患を治療する方法は有効量のイマチニブまたはその誘導体をそれを必要とする患者に吸入によって投与するステップを含む。様々な局面において、本明細書に提供される医薬組成物は吸入投与用に製剤化されたイマチニブまたはその誘導体の水性溶液または懸濁液を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)イマチニブまたはその誘導体、
(2)溶解性増進剤、および
(3)pH緩衝剤
を含む水性溶液または懸濁液を含む組成物であって、
前記水性溶液または懸濁液が、
(a)20~500mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体の濃度を有し;
(b)最大で10センチポアズの粘度を有し;
(c)3~8のpHを有する、
組成物。
【請求項2】
溶解性増進剤が、シクロデキストリン、脂質、共溶媒、有機酸、および界面活性剤からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
溶解性増進剤がシクロデキストリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度で有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
溶解性増進剤が脂質または脂肪酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂質または脂肪酸が、ポリエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール(PEG)、キチン、ヒアルロン酸、およびポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖を有する脂質、スルホン化された二糖を有する脂質、スルホン化された多糖を有する脂質;脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記溶解性増進剤が共溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記共溶媒がグリセロールまたはエタノールを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記溶解性増進剤が有機酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記有機酸が、酢酸、酸加工デンプン、アコニット酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、L-アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、オクタン酸、コール酸、クエン酸、デオキシコール酸、エリソルビン酸(D-イソアスコルビン酸、ギ酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、グリココール酸、塩酸、ナフテン酸鉄、鉄タレート、D(-)-乳酸、乳酸、L(+)-乳酸、リノール酸、リンゴ酸、L-リンゴ酸、ナイアシン(ニコチン酸)、オレイン酸、ペクチン、ペクチン酸、リン酸、L(+)-酸性酒石酸カリウム、プロピオン酸、酸加水分解タンパク質、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム、ソルビン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、硫酸、タンニン酸、L(+)-酒石酸、タウロコール酸、およびチオジプロピオン酸からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記溶解性増進剤が界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記界面活性剤がTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
イマチニブまたはその誘導体およびシクロデキストリンを含む水性溶液または懸濁液を含む組成物であって、前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度で有する、組成物。
【請求項14】
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、請求項3、4または13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記シクロデキストリンがスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、またはホスフェート-γ-シクロデキストリンを含む、請求項3、4または13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記シクロデキストリンがアニオン性のシクロデキストリンを含む、請求項3、4または13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
イマチニブまたはその誘導体およびシクロデキストリンを含む水性溶液または懸濁液を含む組成物であって、前記シクロデキストリンがアニオン性のシクロデキストリンを含む、組成物。
【請求項18】
イマチニブまたはその誘導体、シクロデキストリン、pH緩衝剤、および界面活性剤を含む水性溶液または懸濁液を含む組成物。
【請求項19】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンの塩を含む、請求項3、4または13から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記シクロデキストリンの前記塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記シクロデキストリンがスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む、請求項3、4または13から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記水性溶液または懸濁液がスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む、請求項3、4または13から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項3、4または13から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記水性溶液または懸濁液がさらにpH緩衝剤を含む、請求項13から17、21または23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記pH緩衝剤がクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む、請求項1から12または24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記pH緩衝剤がリン酸緩衝液を含む、請求項1から12または24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記水性溶液または懸濁液がさらに界面活性剤を含む、請求項13から17または21から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記界面活性剤がTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む、請求項18から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記水性溶液または懸濁液が最大で10センチポアズの粘度を有する、請求項13から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記水性溶液または懸濁液が最大で9.5センチポアズ、最大で9.0センチポアズ、最大で8.5センチポアズ、最大で8.0センチポアズ、最大で7.6センチポアズ、最大で7.4センチポアズ、最大で7.2センチポアズ、最大で7.0センチポアズ、最大で6.8センチポアズ、最大で6.6センチポアズ、最大で6.4センチポアズ、最大で6.2センチポアズ、最大で6.0センチポアズ、最大で5.8センチポアズ、最大で5.6センチポアズ、最大で5.4センチポアズ、最大で5.2センチポアズ、最大で5.0センチポアズ、最大で4.8センチポアズ、最大で4.6センチポアズ、最大で4.4センチポアズ、最大で4.2センチポアズ、最大で4.0センチポアズ、最大で3.8センチポアズ、最大で3.6センチポアズ、最大で3.4センチポアズ、最大で3.2センチポアズ、最大で3.0センチポアズ、最大で2.8センチポアズ、最大で2.6センチポアズ、最大で2.4センチポアズ、最大で2.2センチポアズ、最大で2.0センチポアズ、最大で1.8センチポアズ、最大で1.6センチポアズ、最大で1.4センチポアズ、最大で1.2センチポアズ、最大で1.0センチポアズ、最大で0.8センチポアズ、最大で0.6センチポアズ、最大で0.4センチポアズ、または最大で0.2センチポアズの粘度を有する、請求項13から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記水性溶液または懸濁液が約0.1センチポアズ、0.2センチポアズ、0.3センチポアズ、0.4センチポアズ、0.5センチポアズ、0.6センチポアズ、0.7センチポアズ、0.8センチポアズ、0.9センチポアズ、1.0センチポアズ、1.1センチポアズ、1.2センチポアズ、1.3センチポアズ、1.4センチポアズ、1.5センチポアズ、1.6センチポアズ、1.7センチポアズ、1.8センチポアズ、1.9センチポアズ、2.0センチポアズ、2.1センチポアズ、2.2センチポアズ、2.3センチポアズ、2.4センチポアズ、2.5センチポアズ、2.6センチポアズ、2.8センチポアズ、3.0センチポアズ、3.2センチポアズ、3.5センチポアズ、3.8センチポアズ、4.0センチポアズ、4.2センチポアズ、4.5センチポアズ、4.8センチポアズ、5.0センチポアズ、5.5センチポアズ、6.0センチポアズ、6.5センチポアズ、7.0センチポアズ、7.5センチポアズ、8.0センチポアズ、または8.5センチポアズの粘度を有する、請求項13から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記水性溶液または懸濁液が20~500mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項13から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記水性溶液または懸濁液が20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項1から12または32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記水性溶液または懸濁液が約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項1から12または32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
前記水性溶液または懸濁液が約80mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項1から12または32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記水性溶液または懸濁液が3~8のpHを有する、請求項13から35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記水性溶液または懸濁液の前記pHが3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7である、請求項1から12または36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記水性溶液または懸濁液の前記pHが約4.5、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6である、請求項1から12または36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記水性溶液または懸濁液の前記pHが7~8である、請求項1から12または36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記水性溶液または懸濁液の前記pHが約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0である、請求項1から12または36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを5%(w/v)~40%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを10%(w/v)~20%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを25%(w/v)~40%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記水性溶液または懸濁液が前記シクロデキストリンを約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度で有する、請求項3、4または13から40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記水性溶液を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液のpHと負に相関する、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する、請求項47または48に記載の組成物。
【請求項50】
前記水性懸濁液を含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.05mg/mL未満、0.01mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む、請求項1から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
イマチニブメシル酸塩を含まない、請求項1から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記イマチニブまたはその誘導体がイマチニブ遊離塩基を含む、請求項1から52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記イマチニブまたはその誘導体がイマチニブ遊離塩基である、請求項1から52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択される前記イマチニブまたはその誘導体の塩を含む、請求項1から52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
請求項1から55のいずれか一項に記載の組成物を含む医薬組成物。
【請求項57】
吸入投与用に製剤化されている、請求項56に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記水性溶液がさらに薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項56または57に記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記薬学的に許容される賦形剤が界面活性剤を含む、請求項58に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記界面活性剤がTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記薬学的に許容される賦形剤が脂質を含む、請求項58に記載の医薬組成物。
【請求項62】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
【請求項64】
ヒト対象により吸入されたとき感覚刺激的に忍容される、請求項59から63のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項65】
ヒト対象により吸入されたとき咳反射を誘発しない、請求項59から64のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項66】
ヒト対象により吸入されたとき口または喉に対して刺激性がないかまたは最小限である、請求項59から65のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
シクロデキストリンおよび治療有効量のイマチニブまたはその誘導体を含む水性溶液を含む医薬組成物であって、前記水性溶液が吸入投与用に製剤化されている、医薬組成物。
【請求項68】
前記水性溶液が最大で10センチポアズの粘度を有する、請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項69】
前記水性溶液が最大で2.5センチポアズの粘度を有する、請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項70】
前記水性溶液が20~500mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項67から69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項71】
前記水性溶液が20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項70に記載の医薬組成物。
【請求項72】
前記水性溶液が約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項70に記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記水性溶液が約80mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を有する、請求項70に記載の医薬組成物。
【請求項74】
前記水性溶液が3~8のpHを有する、請求項67から73のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記水性溶液の前記pHが3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7である、請求項74に記載の医薬組成物。
【請求項76】
前記水性溶液の前記pHが約4.5、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6である、請求項74に記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記水性溶液または懸濁液の前記pHが7~8である、請求項74に記載の医薬組成物。
【請求項78】
前記水性溶液の前記pHが約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0である、請求項74に記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記水性溶液がさらにpH緩衝剤を含む、請求項67から78のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項80】
前記pH緩衝剤がクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む、請求項79に記載の医薬組成物。
【請求項81】
前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項82】
前記シクロデキストリンがスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、またはホスフェート-γ-シクロデキストリンを含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項83】
前記シクロデキストリンがアニオン性のシクロデキストリンを含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
前記シクロデキストリンがスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項85】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項86】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンの塩を含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項87】
前記シクロデキストリンの前記塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である、請求項86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
前記水性溶液がスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む、請求項67から80のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項89】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを約1%(w/v)~約80%(w/v)、約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度で有する、請求項67から88のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項90】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを5%(w/v)~40%(w/v)の濃度で有する、請求項67から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項91】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを10%(w/v)~20%(w/v)の濃度で有する、請求項67から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項92】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを25%(w/v)~40%(w/v)の濃度で有する、請求項67から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項93】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度で有する、請求項67から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項94】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンを約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度で有する、請求項67から89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項95】
ヒト対象により吸入されたとき感覚刺激的に忍容される、請求項67から94のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項96】
ヒト対象により吸入されたとき咳反射を誘発しない、請求項67から95のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項97】
ヒト対象により吸入されたとき口または喉に対して刺激性がないかまたは最小限である、請求項67から96のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項98】
1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む、請求項67から97のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項99】
イマチニブメシル酸塩を含まない、請求項67から97のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項100】
前記イマチニブまたはその誘導体がイマチニブ遊離塩基を含む、請求項67から99のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項101】
前記イマチニブまたはその誘導体がイマチニブ遊離塩基である、請求項67から99のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項102】
酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択される前記イマチニブまたはその誘導体の塩を含む、請求項67から99のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項103】
前記水性溶液がさらに薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項67から102のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項104】
前記薬学的に許容される賦形剤が界面活性剤を含む、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項105】
前記界面活性剤がTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項106】
前記薬学的に許容される賦形剤が脂質を含む、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項107】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項106に記載の医薬組成物。
【請求項108】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項106に記載の医薬組成物。
【請求項109】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液のpHと負に相関する、請求項67から108に記載の医薬組成物。
【請求項110】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する、請求項67から109に記載の医薬組成物。
【請求項111】
請求項56から110のいずれか一項に記載の医薬組成物の霧状の液滴、または請求項1から55のいずれか一項に記載の組成物の霧状の液滴を含むエアロゾル組成物。
【請求項112】
前記霧状の液滴が1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、1μm~2μm、2μm~5μm、2μm~4μm、2μm~3μm、または3μm~4μmの平均空気動力学的中央粒子径を有する、請求項111に記載のエアロゾル組成物。
【請求項113】
約10mg~約500mgのイマチニブまたはその誘導体を含む、請求項56から110のいずれか一項に記載の医薬組成物、もしくは請求項1から55のいずれか一項に記載の組成物、または請求項111もしくは112に記載のエアロゾル組成物の単位用量。
【請求項114】
20mg~180mg、20mg~150mg、20mg~120mg、20mg~100mg、20mg~80mg、20mg~60mg、20mg~40mg、40mg~120mg、60mg~100mg、または60mg~80mgの前記イマチニブまたはその誘導体を含む、請求項113に記載の単位用量。
【請求項115】
肺疾患を有する対象を治療する方法であって、請求項56から110のいずれか一項に記載の前記医薬組成物をそれを必要とする前記対象に吸入によって投与するステップを含む方法。
【請求項116】
約10mg~約500mgの前記イマチニブまたはその誘導体を吸入によって前記対象に投与するステップを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
20mg~180mg、20mg~150mg、20mg~120mg、20mg~100mg、20mg~80mg、20mg~60mg、20mg~40mg、40mg~120mg、60mg~100mg、または60mg~80mgの前記イマチニブまたはその誘導体を前記対象に投与するステップを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項118】
前記肺疾患が肺線維症、肺がん、または肺高血圧を含む、請求項115から117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記肺疾患が肺動脈高血圧を含む、請求項115から117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記対象に前記医薬組成物を少なくとも1日に1回投与するステップを含む、請求項115から119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記対象に前記医薬組成物を1日に2、3、4、または5回投与するステップを含む、請求項115から119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記対象に前記医薬組成物を少なくとも5、10、20、30、60、100、または300日、少なくとも1、2、3、4、または5年の期間投与するステップを含む、請求項115から121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記投与するステップがネブライザーを使用して行われる、請求項115から122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記ネブライザーがジェットネブライザー、振動メッシュネブライザー、または超音波ネブライザーである、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記医薬組成物の単回の単位用量の投与が30分以内に行われる、請求項115から124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記医薬組成物の単回の単位用量の投与が15分、10分、または5分以内に行われる、請求項115から124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記医薬組成物の前記投与が前記対象の咳反射を誘発しない、請求項115から126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記医薬組成物が、前記対象の口または喉に対して刺激性がないかまたは最小限である、請求項115から127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
請求項56から110のいずれか一項に記載の前記医薬組成物または請求項113もしくは114に記載の前記単位用量、および前記医薬組成物の肺疾患の治療のための使用説明書を含むキット。
【請求項130】
(a)請求項56から110のいずれか一項に記載の前記医薬組成物;
(b)前記医薬組成物を含有する容器;および
(c)前記医薬組成物をそれを必要とする対象にネブライザーによって投与するための説明書
を含むキット。
【請求項131】
請求項56から110のいずれか一項に記載の前記医薬組成物およびネブライザーを含むシステム。
【請求項132】
前記ネブライザーがジェットネブライザー、振動メッシュネブライザー、または超音波ネブライザーである、請求項131に記載のシステム。
【請求項133】
イマチニブまたはその誘導体を含む医薬組成物を製造する方法であって、
溶解性増進剤を含む水性溶液を準備するステップ;
前記溶解性増進剤を含む前記水性溶液に前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩を溶解し、それによりイマチニブまたはその誘導体を含有する水性溶液を生成するステップ;および
イマチニブまたはその誘導体を含有する前記水性溶液の体積、pH、オスモル濃度、または粘度を調節し、それによりイマチニブまたはその誘導体を含む前記医薬組成物を生成するステップ
を含む方法。
【請求項134】
前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩がイマチニブ遊離塩基を含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩がイマチニブ遊離塩基である、請求項133に記載の方法。
【請求項136】
前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩が、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択されるイマチニブの塩を含む、請求項133に記載の方法。
【請求項137】
前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩が0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.02%未満、0.01%未満、または0.001%未満のイマチニブメシル酸塩を含む、請求項133から136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記医薬組成物が1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む、請求項133から137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩がイマチニブメシル酸塩を含まない、請求項133から136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記医薬組成物がイマチニブメシル酸塩を含まない、請求項133から139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記溶解性増進剤が、シクロデキストリン、脂質、共溶媒、および有機酸からなる群から選択される、請求項133から140のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
溶解性増進剤がシクロデキストリンを含む、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンからなる群から選択される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記シクロデキストリンがスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、またはスルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリンを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記シクロデキストリンがアニオン性のシクロデキストリンを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項147】
前記水性溶液が前記シクロデキストリンの塩を含む、請求項142に記載の方法。
【請求項148】
前記シクロデキストリンの前記塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記水性溶液がスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項150】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項151】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを約1%(w/v)~約80%(w/v)、約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを5%(w/v)~40%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを10%(w/v)~20%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを25%(w/v)~40%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記医薬組成物が前記シクロデキストリンを約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度で含む、請求項142から150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記溶解性増進剤が脂質または脂肪酸を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項158】
前記脂質または脂肪酸が、ポリエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール(PEG)、キチン、ヒアルロン酸、およびポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖を有する脂質、スルホン化された二糖を有する脂質、スルホン化された多糖を有する脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸のような脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートからなる群から選択される、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
溶解性増進剤が共溶媒を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項160】
共溶媒がグリセロールまたはエタノールを含む、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
溶解性増進剤が有機酸を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項162】
前記有機酸が、酢酸、酸加工デンプン、アコニット酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、L-アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、オクタン酸、コール酸、クエン酸、デオキシコール酸、エリソルビン酸(D-イソアスコルビン酸)、ギ酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、グリココール酸、塩酸、ナフテン酸鉄、鉄タレート、D(-)-乳酸、乳酸、L(+)-乳酸、リノール酸、リンゴ酸、L-リンゴ酸、ナイアシン(ニコチン酸)、オレイン酸、ペクチン、ペクチン酸、リン酸、L(+)-酸性酒石酸カリウム、プロピオン酸、酸加水分解タンパク質、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム、ソルビン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、硫酸、タンニン酸、L(+)-酒石酸、タウロコール酸、およびチオジプロピオン酸からなる群から選択される、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記医薬組成物が20~500mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を含む、請求項133から162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記医薬組成物が20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を含む、請求項133から162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記医薬組成物が約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を含む、請求項133から162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
前記医薬組成物が約80mg/mLの前記イマチニブまたはその誘導体を含む、請求項133から162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
前記溶解性増進剤を含む前記水性溶液がさらにpH緩衝剤を含む、請求項133から166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
前記pH緩衝剤がクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記pH緩衝剤がリン酸緩衝液を含む、請求項167に記載の方法。
【請求項170】
前記医薬組成物が3~8のpHを有する、請求項133から169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記医薬組成物が3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7のpHを有する、請求項133から169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
前記医薬組成物が約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6のpHを有する、請求項133から169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項173】
前記医薬組成物が7~8のpHを有する、請求項133から169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項174】
前記医薬組成物が約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0のpHを有する、請求項133から169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
前記医薬組成物が最大で10センチポアズの粘度を有する、請求項133から174のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
前記医薬組成物が最大で2.5センチポアズの粘度を有する、請求項133から174のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
前記医薬組成物がさらに薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項133から176のいずれか一項に記載の方法。
【請求項178】
前記薬学的に許容される賦形剤が界面活性剤を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記界面活性剤がTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記薬学的に許容される賦形剤が脂質を含む、請求項177に記載の方法。
【請求項181】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記脂質がポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む、請求項180に記載の方法。
【請求項183】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液のpHと負に相関する、請求項133から182のいずれか一項に記載の方法。
【請求項184】
水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性が水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する、請求項142から183のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、各々参照によりその全体がすべての目的で本明細書に組み込まれる、2021年1月6日に出願された米国仮特許出願第63/134,336号、および2021年4月2日に出願された米国仮特許出願第63/170,246号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]イマチニブは、慢性骨髄性白血病(CML)においてフィラデルフィア染色体異常により生成される構成的異常なチロシンキナーゼであるBcr-Ablチロシンキナーゼを阻害することができる小分子のキナーゼ阻害剤であり、一定の種類のがんを治療するのに使用することができ、現在Novartisによりそのメシル酸塩、イマチニブメシル酸塩(mesilate)(INN)としてGleevec(米国)またはGlivec(欧州/オーストラリア)として上市され、Bcr-Abl陽性細胞株およびフィラデルフィア染色体陽性の慢性骨髄性白血病由来の新鮮な白血病細胞において増殖を阻害することができ、アポトーシスを誘発することができる。イマチニブはまた、血小板由来成長因子(PDGF)および幹細胞因子(SCF)に対する受容体チロシンキナーゼも阻害することができる。また、イマチニブメシル酸塩の注射(皮下または腹腔内)または経口送達が動物モデルおよび臨床試験に登録された患者において肺動脈高血圧に対して治療効果を有し得るという報告もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]いくつかの態様において、(1)イマチニブまたはその誘導体、(2)溶解性増進剤(enhancer)、および(3)pH緩衝剤を含む水性溶液または懸濁液を含む組成物が本明細書に開示され、水性溶液または懸濁液は、(a)20~500mg/mLのイマチニブまたはその誘導体の濃度を有し;(b)最大で10センチポアズの粘度を有し;(c)3~8のpHを有する。
【0004】
[0004]組成物のいくつかの実施形態において、溶解性増進剤は、シクロデキストリン、脂質、共溶媒、有機酸、および界面活性剤(sufactant)からなる群から選択される。組成物のいくつかの場合において、溶解性増進剤はシクロデキストリンを含む。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、溶解性増進剤は脂質または脂肪酸を含む。組成物のいくつかの場合において、脂質または脂肪酸は、ポリエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール(PEG)、キチン、ヒアルロン酸、およびポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖を有する脂質、スルホン化された二糖を有する脂質、スルホン化された多糖を有する脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸のような脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートからなる群から選択される。組成物のいくつかの場合において、溶解性増進剤は共溶媒を含む。組成物のいくつかの場合において、共溶媒はグリセロールまたはエタノールを含む。組成物のいくつかの場合において、溶解性増進剤は有機酸を含む。組成物のいくつかの場合において、有機酸は、酢酸、酸加工デンプン、アコニット酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、L-アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、オクタン酸、コール酸、クエン酸、デオキシコール酸、エリソルビン酸(D-イソアスコルビン酸)、ギ酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、グリココール酸、塩酸、ナフテン酸鉄、鉄タレート(iron tallate)、D(-)-乳酸、乳酸、L(+)-乳酸、リノール酸、リンゴ酸、L-リンゴ酸、ナイアシン(ニコチン酸)、オレイン酸、ペクチン、ペクチン酸、リン酸、L(+)-酸性酒石酸カリウム、プロピオン酸、酸加水分解タンパク質、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム、ソルビン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、硫酸、タンニン酸、L(+)-酒石酸、タウロコール酸、およびチオジプロピオン酸からなる群から選択される。いくつかの場合において、溶解性増進剤は界面活性剤を含む。いくつかの場合において、界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。
【0005】
[0005]いくつかの態様において、イマチニブまたはその誘導体およびシクロデキストリンを含む水性溶液または懸濁液を含む組成物が本明細書に開示され、水性溶液または懸濁液は約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。
【0006】
[0006]組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、またはホスフェート-γ-シクロデキストリンを含む。組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはアニオン性のシクロデキストリンを含む。
【0007】
[0007]いくつかの態様において、イマチニブまたはその誘導体およびシクロデキストリンを含む水性溶液または懸濁液を含む組成物が本明細書に開示され、シクロデキストリンはアニオン性のシクロデキストリンを含む。
【0008】
[0008]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液はさらにpH緩衝剤を含む。組成物のいくつかの場合において、pH緩衝剤はクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む。組成物のいくつかの場合において、pH緩衝剤はリン酸緩衝液を含む。
【0009】
[0009]いくつかの態様において、イマチニブまたはその誘導体、シクロデキストリン、pH緩衝剤、および界面活性剤を含む水性溶液または懸濁液を含む組成物が本明細書に開示される。
【0010】
[0010]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液はシクロデキストリンの塩を含む。組成物のいくつかの場合において、前記シクロデキストリンの塩は、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である。組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む。
【0011】
[0011]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液はさらに界面活性剤を含む。組成物のいくつかの場合において、界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。
【0012】
[0012]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は最大で10センチポアズの粘度を有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は最大で9.5センチポアズ、最大で9.0センチポアズ、最大で8.5センチポアズ、最大で8.0センチポアズ、最大で7.6センチポアズ、最大で7.4センチポアズ、最大で7.2センチポアズ、最大で7.0センチポアズ、最大で6.8センチポアズ、最大で6.6センチポアズ、最大で6.4センチポアズ、最大で6.2センチポアズ、最大で6.0センチポアズ、最大で5.8センチポアズ、最大で5.6センチポアズ、最大で5.4センチポアズ、最大で5.2センチポアズ、最大で5.0センチポアズ、最大で4.8センチポアズ、最大で4.6センチポアズ、最大で4.4センチポアズ、最大で4.2センチポアズ、最大で4.0センチポアズ、最大で3.8センチポアズ、最大で3.6センチポアズ、最大で3.4センチポアズ、最大で3.2センチポアズ、最大で3.0センチポアズ、最大で2.8センチポアズ、最大で2.6センチポアズ、最大で2.4センチポアズ、最大で2.2センチポアズ、最大で2.0センチポアズ、最大で1.8センチポアズ、最大で1.6センチポアズ、最大で1.4センチポアズ、最大で1.2センチポアズ、最大で1.0センチポアズ、最大で0.8センチポアズ、最大で0.6センチポアズ、最大で0.4センチポアズ、または最大で0.2センチポアズの粘度を有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約0.1センチポアズ、0.2センチポアズ、0.3センチポアズ、0.4センチポアズ、0.5センチポアズ、0.6センチポアズ、0.7センチポアズ、0.8センチポアズ、0.9センチポアズ、1.0センチポアズ、1.1センチポアズ、1.2センチポアズ、1.3センチポアズ、1.4センチポアズ、1.5センチポアズ、1.6センチポアズ、1.7センチポアズ、1.8センチポアズ、1.9センチポアズ、2.0センチポアズ、2.1センチポアズ、2.2センチポアズ、2.3センチポアズ、2.4センチポアズ、2.5センチポアズ、2.6センチポアズ、2.8センチポアズ、3.0センチポアズ、3.2センチポアズ、3.5センチポアズ、3.8センチポアズ、4.0センチポアズ、4.2センチポアズ、4.5センチポアズ、4.8センチポアズ、5.0センチポアズ、5.5センチポアズ、6.0センチポアズ、6.5センチポアズ、7.0センチポアズ、7.5センチポアズ、8.0センチポアズ、または8.5センチポアズの粘度を有する。
【0013】
[0013]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は20~500mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約80mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。
【0014】
[0014]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は3~8のpHを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液のpHは3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7である。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液のpHは約4.5、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6である。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液のpHは7~8である。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液のpHは約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0である。
【0015】
[0015]組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は5%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は10%(w/v)~20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は25%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。
【0016】
[0016]組成物のいくつかの場合において、組成物は水性溶液を含む。組成物のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液のpHと負に相関する。組成物のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する。
【0017】
[0017]いくつかの場合において、組成物は水性懸濁液を含む。
[0018]組成物のいくつかの場合において、組成物は1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.05mg/mL未満、0.01mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む。組成物のいくつかの場合において、組成物はイマチニブメシル酸塩を含まない。組成物のいくつかの場合において、イマチニブまたはその誘導体はイマチニブ遊離塩基を含む。組成物のいくつかの場合において、イマチニブまたはその誘導体はイマチニブ遊離塩基である。組成物のいくつかの場合において、組成物は、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択されるイマチニブまたはその誘導体の塩を含む。
【0018】
[0019]いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物を含む医薬組成物が本明細書に開示される。いくつかの場合において、医薬組成物は吸入投与(inhalatory administration)用に製剤化されている。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液はさらに薬学的に許容される賦形剤を含む。いくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は界面活性剤を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。いくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は脂質を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖(poly saccharide)、または脂肪酸を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき感覚刺激的に忍容される。医薬組成物のいくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき咳反射を誘発しない。医薬組成物のいくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき口または喉への刺激がないかまたは最小限である。
【0019】
[0020]いくつかの態様において、シクロデキストリンおよび治療有効量のイマチニブまたはその誘導体を含む水性溶液を含む医薬組成物が本明細書に開示され、水性溶液は吸入投与用に製剤化されている。
【0020】
[0021]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は最大で10センチポアズの粘度を有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は最大で2.5センチポアズの粘度を有する。
【0021】
[0022]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は20~500mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は約80mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。
【0022】
[0023]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は3~8のpHを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液のpHは3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7である。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液のpHは約4.5、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6である。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液または懸濁液のpHは7~8である。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液のpHは約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0である。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液はさらにpH緩衝剤を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、pH緩衝剤はクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む。
【0023】
[0024]医薬組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。医薬組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、またはホスフェート-γ-シクロデキストリンを含む。医薬組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはアニオン性のシクロデキストリンを含む。医薬組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを含む。医薬組成物のいくつかの場合において、シクロデキストリンはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液はシクロデキストリンの塩を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、前記シクロデキストリンの塩は、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む。
【0024】
[0025]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は約1%(w/v)~約80%(w/v)、約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は5%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は10%(w/v)~20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は25%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液は約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。
【0025】
[0026]いくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき感覚刺激的に忍容される。いくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき咳反射を誘発しない。いくつかの場合において、医薬組成物はヒト対象により吸入されたとき口または喉への刺激がないかまたは最小である。
【0026】
[0027]いくつかの場合において、医薬組成物は1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む。いくつかの場合において、医薬組成物はイマチニブメシル酸塩を含まない。医薬組成物のいくつかの場合において、イマチニブまたはその誘導体はイマチニブ遊離塩基を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、イマチニブまたはその誘導体はイマチニブ遊離塩基である。
【0027】
[0028]いくつかの場合において、医薬組成物は、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択されるイマチニブまたはその誘導体の塩を含む。
【0028】
[0029]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液はさらに薬学的に許容される賦形剤を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は界面活性剤を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は脂質を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む。医薬組成物のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む。
【0029】
[0030]医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液のpHと負に相関する。医薬組成物のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する。
【0030】
[0031]いくつかの態様において、本明細書に開示された医薬組成物の霧状の液滴、または本明細書に開示された組成物の霧状の液滴を含むエアロゾル組成物が本明細書に開示される。いくつかの場合において、霧状の液滴は1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、1μm~2μm、2μm~5μm、2μm~4μm、2μm~3μm、または3μm~4μmの平均空気動力学的中央粒子径を有する。
【0031】
[0032]いくつかの態様において、約10mg~約500mgのイマチニブもしくはその誘導体を含む本明細書に開示された医薬組成物、または本明細書に開示された組成物、または本明細書に開示されたエアロゾル組成物の単位用量が本明細書に開示される。いくつかの場合において、単位用量は20mg~180mg、20mg~150mg、20mg~120mg、20mg~100mg、20mg~80mg、20mg~60mg、20mg~40mg、40mg~120mg、60mg~100mg、または60mg~80mgのイマチニブまたはその誘導体を含む。
【0032】
[0033]いくつかの態様において、肺疾患を有する対象を治療する方法であって、本明細書に開示された医薬組成物を吸入によってそれを必要とする対象に投与するステップを含む方法が本明細書に開示される。
【0033】
[0034]いくつかの場合において、方法は約10mg~約500mgのイマチニブまたはその誘導体を吸入によって対象に投与するステップを含む。いくつかの場合において、方法は20mg~180mg、20mg~150mg、20mg~120mg、20mg~100mg、20mg~80mg、20mg~60mg、20mg~40mg、40mg~120mg、60mg~100mg、または60mg~80mgのイマチニブまたはその誘導体を対象に投与するステップを含む。
【0034】
[0035]いくつかの場合において、肺疾患は肺線維症、肺がん、または肺高血圧を含む。いくつかの場合において、肺疾患は肺動脈高血圧を含む。いくつかの場合において、方法は少なくとも1日に1回医薬組成物を対象に投与するステップを含む。いくつかの場合において、方法は1日に2、3、4、または5回医薬組成物を対象に投与するステップを含む。いくつかの場合において、方法は少なくとも5、10、20、30、60、100、または300日、少なくとも1、2、3、4、または5年の期間医薬組成物を対象に投与するステップを含む。
【0035】
[0036]方法のいくつかの場合において、投与するステップはネブライザーを使用して行われる。方法のいくつかの場合において、ネブライザーはジェットネブライザー、振動メッシュネブライザー、または超音波ネブライザーである。方法のいくつかの場合において、医薬組成物の単回の単位用量の投与は30分以内に行われる。方法のいくつかの場合において、医薬組成物の単回の単位投与量の投与は15分、10分、または5分以内に行われる。方法のいくつかの場合において、医薬組成物の投与は対象の咳反射を誘発しない。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は対象の口または喉への刺激がないかまたは最小限である。
【0036】
[0037]いくつかの態様において、本明細書に開示された医薬組成物または本明細書に開示された単位用量、および肺疾患の治療のための医薬組成物の使用説明書を含むキットが本明細書に開示される。
【0037】
[0038]いくつかの態様において、(a)本明細書に開示された医薬組成物;(b)医薬組成物を含有する容器;および(c)医薬組成物をそれを必要とする対象にネブライザーによって投与するための使用説明書を含むキットが本明細書に開示される。
【0038】
[0039]いくつかの態様において、本明細書に開示された医薬組成物およびネブライザーを含むシステムが本明細書に開示される。システムのいくつかの場合において、ネブライザーはジェットネブライザー、振動メッシュネブライザー、または超音波ネブライザーである。
【0039】
[0040]いくつかの態様において、イマチニブまたはその誘導体を含む医薬組成物を製造する方法であって、溶解性増進剤を含む水性溶液を準備するステップ;溶解性増進剤を含む水性溶液にイマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩を溶解することによりイマチニブまたはその誘導体を含有する水性溶液を生成するステップ;および、イマチニブまたはその誘導体を含有する水性溶液の体積、pH、オスモル濃度、または粘度を調節することによりイマチニブまたはその誘導体を含む医薬組成物を生成するステップを含む方法が本明細書に開示される。
【0040】
[0041]方法のいくつかの場合において、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩はイマチニブ遊離塩基を含む。方法のいくつかの場合において、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩はイマチニブ遊離塩基である。方法のいくつかの場合において、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩は、酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩からなる群から選択されるイマチニブの塩を含む。方法のいくつかの場合において、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩は0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.02%未満、0.01%未満、または0.001%未満のイマチニブメシル酸塩を含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.001mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩を含む。方法のいくつかの場合において、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩はイマチニブメシル酸塩を含まない。方法のいくつかの場合において、医薬組成物はイマチニブメシル酸塩を含まない。方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤は、シクロデキストリン、脂質、共溶媒、および有機酸からなる群から選択される。
【0041】
[0042]方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤はシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンからなる群から選択される。方法のいくつかの場合において、シクロデキストリンはスクシニル-α-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン、ホスフェート-α-シクロデキストリン、ホスフェート-β-シクロデキストリン、ホスフェート-γ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、またはスルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、シクロデキストリンはアニオン性のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、シクロデキストリンはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、シクロデキストリンはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、水性溶液はシクロデキストリンの塩を含む。方法のいくつかの場合において、前記シクロデキストリンの塩は、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、亜鉛塩、リジン塩、アルギニン塩、およびヒスチジン塩からなる群から選択される塩である。方法のいくつかの場合において、水性溶液はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む。
【0042】
[0043]方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約1%(w/v)~約80%(w/v)、約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は5%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は10%(w/v)~20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は25%(w/v)~40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約10%(w/v)、約12%(w/v)、約14%(w/v)、約15%(w/v)、約16%(w/v)、約18%(w/v)、または約20%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約22%(w/v)、約24%(w/v)、約26%(w/v)、約28%(w/v)、約30%(w/v)、約32%(w/v)、約34%(w/v)、約36%(w/v)、約38%(w/v)、または約40%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを含む。
【0043】
[0044]方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤は脂質または脂肪酸を含む。方法のいくつかの場合において、脂質または脂肪酸は、ポリエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール(PEG)、キチン、ヒアルロン酸、およびポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖を有する脂質、スルホン化された二糖を有する脂質、スルホン化された多糖を有する脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸のような脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートからなる群から選択される。方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤は共溶媒を含む。方法のいくつかの場合において、共溶媒はグリセロールまたはエタノールを含む。
【0044】
[0045]方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤は有機酸を含む。方法のいくつかの場合において、有機酸は、酢酸、酸加工デンプン、アコニット酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、L-アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、オクタン酸、コール酸、クエン酸、デオキシコール酸、エリソルビン酸(D-イソアスコルビン酸)、ギ酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、グリココール酸、塩酸、ナフテン酸鉄、鉄タレート、D(-)-乳酸、乳酸、L(+)-乳酸、リノール酸、リンゴ酸、L-リンゴ酸、ナイアシン(ニコチン酸)、オレイン酸、ペクチン、ペクチン酸、リン酸、L(+)-酸性酒石酸カリウム、プロピオン酸、酸加水分解タンパク質、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム、ソルビン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、硫酸、タンニン酸、L(+)-酒石酸、タウロコール酸、およびチオジプロピオン酸からなる群から選択される。
【0045】
[0046]方法のいくつかの場合において、医薬組成物は20~500mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、または約150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約80mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を含む。
【0046】
[0047]方法のいくつかの場合において、溶解性増進剤を含む水性溶液はさらにpH緩衝剤を含む。方法のいくつかの場合において、pH緩衝剤はクエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液を含む。方法のいくつかの場合において、pH緩衝剤はリン酸緩衝液を含む。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は3~8のpHを有する。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7のpHを有する。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6のpHを有する。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は7~8のpHを有する。方法のいくつかの場合において、医薬組成物は約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0のpHを有する。
【0047】
[0048]方法のいくつかの場合において、医薬組成物は最大で10センチポアズの粘度を有する。方法のいくつかの場合において、医薬組成物はさらに薬学的に許容される賦形剤を含む。方法のいくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は界面活性剤を含む。方法のいくつかの場合において、界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。方法のいくつかの場合において、薬学的に許容される賦形剤は脂質を含む。方法のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む。方法のいくつかの場合において、脂質はポリマー性の脂質、スルホン化された多糖、または脂肪酸を含む。方法のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液のpHと負に相関する。方法のいくつかの場合において、水性溶液中のイマチニブまたはその誘導体の溶解性は水性溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関する。
参照による援用
[0049]本明細書中で述べられるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各々個別の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれると具体的に個々に表示されているのと全く同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
[0050]本開示の新規な特徴は特に添付の特許請求の範囲に記載される。本開示の特徴および利点のより良好な理解は、本開示の原理が利用される例示の実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することにより得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】[0051]
図1はイマチニブ遊離塩基の最大濃度(mg/mL)をpHの関数として示すグラフを示す。
【
図2】[0052]
図2はイマチニブ遊離塩基の最大濃度(mg/mL)を5および7.5のpHでパーセントヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(図中HPβCDまたは「HPBCD」)(w/v)の関数として示すグラフを示す。
【
図3A】[0053]
図3Aはイマチニブ遊離塩基の最大濃度(mg/mL)を、5および7.5のpHでのパーセントヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(図中HPβCDまたは「HPBCD」)(w/v)、ならびに5のpHでのパーセントスルホブチルエーテルβシクロデキストリン(図中SBEβCDまたは「SBEBCD」)(w/v)の関数として示すグラフを示す。
【
図3B】[0054]
図3Bは異なるpHレベルの30%SBEβCDおよび50mMリン酸緩衝液の水性溶液中約30mg/mLイマチニブ遊離塩基の例示的な懸濁液および溶液の写真を示す。
【
図4A】[0055]
図4AはIT(遊離塩基懸濁液)またはIV(メシル酸塩溶液)投与後のイマチニブの肺組織濃度を経時的に要約するプロットである。
【
図4B】[0056]
図4BはIT(遊離塩基懸濁液)またはIV(メシル酸塩溶液)投与後のイマチニブの血漿濃度を経時的に要約するプロットである。
【
図4C】[0057]
図4Cはイマチニブ遊離塩基懸濁液のIT投与後イマチニブの肺組織濃度対血漿濃度を経時的に要約するプロットである。
【
図4D】[0058]
図4Dはイマチニブメシル酸塩溶液のIV投与後イマチニブの肺組織濃度対イマチニブの血漿濃度を経時的に要約するプロットである。
【
図4E】[0059]
図4Eは対数スケールでプロットされた、イマチニブ遊離塩基懸濁液のIT投与後イマチニブの肺組織濃度対イマチニブの血漿濃度を経時的に要約するプロットである。
【
図4F】[0060]
図4Fはイマチニブメシル酸塩溶液のIV投与後イマチニブの肺組織濃度対イマチニブの血漿濃度を経時的に要約する対数スケールのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[0061]いくつかの態様において、本開示はイマチニブの水性溶液または懸濁液に関連する組成物(例えば、医薬組成物)、方法(例えば、治療の方法、組成物を作製する方法)、キット、およびシステムを提供する。本明細書に開示されるイマチニブの水性溶液または懸濁液はヒト患者において使用するための、例えば、ネブライザーによるエアロゾル化によって吸入可能な製剤として使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物および治療の方法は肺の状態を治療するのに速く、効率的で、かつ安全な治療溶液を提供するのに有利である。いくつかの実施形態において、本開示はイマチニブおよび溶解性増進剤を含む水性溶液または懸濁液形態の医薬組成物の吸入による投与に関する。
【0051】
[0062]いくつかの実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物または製剤はより薬学的に活性な成分、例えばイマチニブの、ある期間にわたる単回用量、または複数回用量での対象への送達を可能にする。いくつかの実施形態において、対象の医薬組成物または製剤は少なくとも1種の溶解性増進剤を有する。いくつかの実施形態において、溶解性増進剤はシクロデキストリン、pH緩衝剤、脂質、脂肪酸、共溶媒、または有機溶媒を含む。いくつかの場合において、本明細書に記載される医薬組成物はイマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩の溶解性を増大させるために可変の濃度の溶解性増進剤を有する。本明細書で使用される場合、溶液中の指定された溶質に関して「溶解性」という用語は、溶液中の指定された溶媒の単位量に溶解され得る溶質の最大量を意味することができる。用語「溶解性」は水性溶液に溶解されるイマチニブまたはその誘導体(例えば、イマチニブ遊離塩基)に関連して使用される場合、水性溶液中に存在する単位量の水に溶解され得るイマチニブまたはその誘導体の最大の量を意味することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される水性溶液または懸濁液中の溶解性増進剤に対するイマチニブの量は、例えば、溶解性増進剤を有さない、したがって相対的にずっと低い濃度のイマチニブを有する同等の製剤と比較して所与の用量がより速い速度で送達され得るので、吸入時間を短縮する。より短い吸入時間は対象のコンプライアンスを改善することができ、これは薬物の送達効率をさらに増大させることができる。
【0052】
[0063]いくつかの実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物または製剤は吸入する際の対象の、好ましくない咳を低減し、改善された感覚刺激特性を有し、かつ全般的な患者の吸入経験を改善する。いくつかの実施形態において、改善された全般的吸入経験は全吸入プログラムのより良好なコンプライアンスをもたらす。いくつかの実施形態において、対象がより良好な吸入コンプライアンスを有するときにより有効な薬剤送達が達成され、したがってより多くの薬物が送達される。イマチニブメシル酸塩またはイマチニブの他の塩のいくつかの水性溶液は不十分な感覚刺激特性を有する可能性があり、例えば、呼吸管に対してひどく刺激性であり得、ヒト対象により吸入されたとき口および喉に著しい好ましくない感覚を誘発する場合がある、および/または咳または激しい咳さえ誘発する可能性があって結果として連続した深い肺吸入が不可能または実行不可能になり得る。いくつかの場合において、イマチニブメシル酸塩またはイマチニブの他のある特定の塩の溶液は、例えば、霧状のエアロゾルの連続した深い肺吸入を可能にするようにヒト対象に対して感覚刺激的に認容可能ではないので、吸入可能でない。対照的に、本開示のいくつかの実施形態による製剤はその霧状のエアロゾルの深い肺吸入に適切な改善された感覚刺激特性を有することができる。いくつかの場合において、本明細書に提供される製剤、例えば、イマチニブの遊離塩基からできた水性溶液は、霧状のエアロゾルの形態で吸入される場合、口および喉に対して刺激性でなく、または最小限に刺激を抑える。例えば、対象は、本明細書に提供されるいくつかの製剤の霧状のエアロゾルを吸入するときいかなる好ましくないまたはひどく好ましくない感覚刺激も経験しないであろう。本明細書に提供されるいくつかの製剤は製剤を吸入する対象の咳反射または激しい咳を誘発しない。本明細書に提供されるいくつかの製剤を吸入する対象は本明細書に提供されるいくつかの製剤を忍容可能であると報告し得、望ましい期間の間深い肺吸入を連続して行なうことができる。
【0053】
[0064]特定の理論により縛られることはないが、イマチニブのメシル酸塩形態はその水性溶液の霧状のエアロゾルの好ましくない感覚刺激特性に寄与する。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される製剤はイマチニブ遊離塩基またはイマチニブの他の塩形態を使用して製剤を調製することによって好ましくない感覚刺激特性に関連する問題を回避する。イマチニブのメシル酸塩形態の不在は本明細書に提供されるある特定の製剤の改善された感覚刺激特性に貢献することができる。
【0054】
[0065]本開示の1つの態様において、本明細書に提供される医薬組成物の単位用量が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、単位用量は約20mg~約500mgのイマチニブ遊離塩基を含む。別の態様において、本明細書に提供される医薬組成物または単位用量および肺疾患の治療に医薬組成物を使用するための説明書を含むキットが本明細書に提供される。
【0055】
組成物
[0066]いくつかの態様において、イマチニブまたはその誘導体の水性溶液または懸濁液を含む組成物(例えば、医薬組成物または製剤)が本明細書に提供される。いくつかの場合において、組成物はイマチニブまたはその誘導体、溶解性増進剤、およびpH緩衝剤を含む水性溶液または懸濁液を含む。いくつかの実施形態において、水性溶液または懸濁液は20~500mg/mLのイマチニブの濃度を有する。いくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は最大で10センチポアズの粘度を有する。いくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は3~8のpHを有する。いくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は20~500mg/mのイマチニブまたはその誘導体の濃度を有し、最大で10センチポアズの粘度を有し、3~8のpHを有する。
【0056】
[0067]いくつかの場合において、イマチニブまたはその誘導体、およびシクロデキストリンを含む水性溶液または懸濁液を含む組成物が本明細書に提供される。いくつかの場合において、水性溶液または懸濁液は約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度のシクロデキストリンを有する。いくつかの場合において、シクロデキストリンはアニオン性のシクロデキストリンである。
【0057】
[0068]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物は20mg/mL~400mg/mL、20mg/mL~300mg/mL、20mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、20~100、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、または60mg/mL~150mg/mLのイマチニブまたはその誘導体を有する。
【0058】
[0069]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物は最大で10センチポアズ、例えば最大で9.5センチポアズ、最大で9.0センチポアズ、最大で8.5センチポアズ、最大で8.0センチポアズ、最大で7.6センチポアズ、最大で7.4センチポアズ、最大で7.2センチポアズ、最大で7.0センチポアズ、最大で6.8センチポアズ、最大で6.6センチポアズ、最大で6.4センチポアズ、最大で6.2センチポアズ、最大で6.0センチポアズ、最大で5.8センチポアズ、最大で5.6センチポアズ、最大で5.4センチポアズ、最大で5.2センチポアズ、最大で5.0センチポアズ、最大で4.8センチポアズ、最大で4.6センチポアズ、最大で4.4センチポアズ、最大で4.2センチポアズ、最大で4.0センチポアズ、最大で3.8センチポアズ、最大で3.6センチポアズ、最大で3.4センチポアズ、最大で3.2センチポアズ、最大で3.0センチポアズ、最大で2.8センチポアズ、最大で2.6センチポアズ、最大で2.4センチポアズ、最大で2.2センチポアズ、最大で2.0センチポアズ、最大で1.8センチポアズ、最大で1.6センチポアズ、最大で1.4センチポアズ、最大で1.2センチポアズ、最大で1.0センチポアズ、最大で0.8センチポアズ、最大で0.6センチポアズ、最大で0.4センチポアズ、または最大で0.2センチポアズの粘度を有する。例えば、本明細書に提供される組成物は約0.1センチポアズ、0.2センチポアズ、0.3センチポアズ、0.4センチポアズ、0.5センチポアズ、0.6センチポアズ、0.7センチポアズ、0.8センチポアズ、0.9センチポアズ、1.0センチポアズ、1.1センチポアズ、1.2センチポアズ、1.3センチポアズ、1.4センチポアズ、1.5センチポアズ、1.6センチポアズ、1.7センチポアズ、1.8センチポアズ、1.9センチポアズ、2.0センチポアズ、2.1センチポアズ、2.2センチポアズ、2.3センチポアズ、2.4センチポアズ、2.5センチポアズ、2.6センチポアズ、2.8センチポアズ、3.0センチポアズ、3.2センチポアズ、3.5センチポアズ、3.8センチポアズ、4.0センチポアズ、4.2センチポアズ、4.5センチポアズ、4.8センチポアズ、5.0センチポアズ、5.5センチポアズ、6.0センチポアズ、6.5センチポアズ、7.0センチポアズ、7.5センチポアズ、8.0センチポアズ、または8.5センチポアズの粘度を有する。
【0059】
[0070]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物は3~7、例えば3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7のpHを有する。例えば、本明細書に提供される組成物は約4.5、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.4、約5.5、または約5.6のpHを有する。いくつかの場合において、組成物はイマチニブまたはその誘導体の水性溶液を含み、3~7のpHを有する。
【0060】
[0071]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物は7~8、例えば約約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、または約8.0のpHを有する。いくつかの場合において、組成物はイマチニブまたはその誘導体の水性懸濁液を含み、3~8のpHを有する。
【0061】
[0072]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物はイマチニブメシル酸塩を有さない。いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物は実質的に低い量のイマチニブメシル酸塩、例えば、1mg/mL未満、0.5mg/mL未満、0.4mg/mL未満、0.3mg/mL未満、0.2mg/mL未満、0.1mg/mL未満、0.075mg/mL未満、0.05mg/mL未満、0.025mg/mL未満、0.01mg/mL未満、0.0075mg/mL未満、0.005mg/mL未満、0.0025mg/mL未満、0.001mg/mL未満、0.00075mg/mL未満、0.0005mg/mL未満、0.00025mg/mL未満、または0.0001mg/mL未満のイマチニブメシル酸塩、またはそれ以下を有する。いくつかの場合において、組成物は組成物に含有されるイマチニブの総量のうち0.2%未満、0.15%未満、0.1%未満、0.075%未満、0.05%未満、0.025%未満、0.02%未満、0.015%未満、0.01%未満、0.0075%未満、0.005%未満、0.0025%未満、0.002%未満、0.0015%未満、または0.001%未満のイマチニブメシル酸塩、またはさらにはそれ以下を有する。
【0062】
[0073]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物はイマチニブまたはその誘導体の水性溶液を含む。用語「溶液」は、本明細書で使用される場合、溶媒に溶解された1種または複数の溶質の均一な混合物を意味することができる。用語「溶媒」は溶質が溶解して均質な混合物を生成する物質を意味することができ、用語「溶質」は溶媒に溶解して均質な混合物を生成する物質を意味することができる。本明細書で使用される場合、用語「水性溶液」は1種または複数の溶媒の1つが水である溶液を意味することができる。
【0063】
[0074]いくつかの場合において、本明細書に提供される組成物はイマチニブまたはその誘導体の水性懸濁液である。用語「懸濁液」は、本明細書で使用される場合、溶質粒子の少なくともいくらかが溶解しないが、溶媒全体中に懸濁された不均一な混合物を意味することができる。本明細書に開示される懸濁液は、溶質(例えば、イマチニブまたはその誘導体)の一部が溶媒(例えば、水)に溶解されているが残りが水に懸濁され、その中で自由に浮遊していることができる。用語「水性懸濁液」は、本明細書で使用される場合、1種または複数の溶媒の1つが水である懸濁液を意味することができる。本明細書に提供される懸濁液は治療処置に使用され得、治療使用の直前に調製され得る(例えば、成分を混合し、未溶解のイマチニブまたはその誘導体を水を主体とする溶液に懸濁させる)。
【0064】
イマチニブ
[0075]いくつかの態様において、本明細書に開示された組成物はイマチニブまたはその誘導体を含む。本開示のいくつかの態様において、医薬組成物は肺疾患を治療するための医薬剤を含む。いくつかの実施形態において、肺疾患を治療するための医薬剤はイマチニブまたは薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中の薬学的に活性な成分はイマチニブ遊離塩基である。いくつかの実施形態において、イマチニブの薬学的に活性な成分、例えば、薬学的に許容される塩はイマチニブメシル酸塩を含む。いくつかの実施形態において、肺疾患を治療するための医薬剤はイマチニブ誘導体(例えば、ニロチニブ、ソラフェニブ、ダサチニブ)または薬学的に許容されるその塩である。例示的なイマチニブ誘導体は、すべてその全体が本明細書に組み込まれるSkobridis Kら ChemMedChem. 2010 1月;5(1):130~9頁、A.MortlockらComprehensive Medicinal Chemistry II、7巻、2007、183~220ページ、およびMusumeci Fら Expert Opin Ther Pat.2015;25(12):1411~21ページに記載されるものを含むことができる。
【0065】
[0076]イマチニブの化学構造は化合物Iに示される:
化合物I
【0066】
【0067】
[0077]薬学的に許容される塩の例には本明細書に記載される組成物と鉱酸、有機酸、または無機塩基との反応により調製される塩が含まれ、かかる塩には酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオール酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデコネート(undeconate)、およびキシレンスルホン酸塩が含まれる。
【0068】
[0078]さらに、本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物または製剤)は遊離塩基形態の化合物を、薬学的に許容される無機または有機酸、例えば、限定されないが塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などのような無機酸;および酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸(glucoheptonic acid)、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸のような有機酸と反応させることにより形成される薬学的に許容される塩として調製され得る。
【0069】
[0079]いくつかの実施形態において、遊離の酸基を含む本明細書に記載される医薬組成物は薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、もしくは硫酸塩のような適切な塩基と、アンモニア、または薬学的に許容される有機の第一級、第二級、第三級、もしくは第四級アミンと反応する。代表的な塩にはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩のようなアルカリまたはアルカリ土類塩、ならびにアルミニウム塩などが含まれる。塩基の実例には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、コリン水酸化物、炭酸ナトリウム、N+(C1~4アルキル)4、など含まれる。
【0070】
[0080]塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンにはエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、などが含まれる。本明細書に記載される化合物には含有するあらゆる塩基性窒素含有基の四級化も含まれると理解されたい。いくつかの実施形態において、水または油に可溶性または分散性の生成物がかかる四級化により得られる。
【0071】
[0081]いくつかの実施形態において、イマチニブの薬学的に許容される塩は酢酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、およびコハク酸塩を含む。
【0072】
溶解性増進剤
[0082]本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤は肺疾患を治療するための医薬剤、例えば、イマチニブもしくはその誘導体、または薬学的に許容されるその塩に水性溶液における増大した溶解性を提供する。本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤はシクロデキストリンである。本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤は脂質または脂肪酸である。本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤は共溶媒である。本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤は有機酸または一般に安全と認められる(GRAS)賦形剤酸である。本開示のいくつかの態様において、本明細書に記載される溶解性増進剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のような界面活性剤である。
【0073】
[0083]本明細書に提供される組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中の脂質または脂肪酸は、限定されないが、ポリエトキシル化ヒマシ油、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール(PEG、PEG300、PEG400)、プロピレングリコール(PG)、キチン、ヒアルロン酸、およびポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖を有する脂質、スルホン化された二糖を有する脂質、スルホン化された多糖を有する脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸のような脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートを含むことができる。本開示のいくつかの態様において、脂質はポリマー性である。本開示のいくつかの態様において、ポリマー性の脂質はポリビニルピロリドン(PVP)である。本開示のいくつかの態様において、ポリマー性の脂質はポリエチレングリコール(PEG)である。本開示のいくつかの態様において、脂質はスルホン化された多糖である。本開示のいくつかの態様において、脂質は脂肪酸である。本開示のいくつかの態様において、脂肪酸はステアリン酸(steric acid)またはオレイン酸である。本開示のいくつかの態様において、脂肪酸 リン脂質。いくつかの実施形態において、リン脂質はレシチン(lecirhin)または1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール-3-ホスホコリン(DPPC)である。
【0074】
[0084]本明細書に提供される組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中の共溶媒は、限定されないが、グリコールまたはエタノールを含むことができる。本明細書に提供される組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中の有機酸は、限定されないが酢酸、酸加工デンプン、アコニット酸、アジピン酸、ヘキサン二酸、L-アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、オクタン酸、コール酸、クエン酸、デオキシコール酸、エリソルビン酸(D-イソアスコルビン酸)、ギ酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、グリココール酸、塩酸、ナフテン酸鉄、鉄タレート、D(-)-乳酸、乳酸、L(+)-乳酸、リノール酸、リンゴ酸、L-リンゴ酸、ナイアシン(ニコチン酸)、オレイン酸、ペクチン、ペクチン酸、リン酸、L(+)-酸性酒石酸カリウム、プロピオン酸、酸加水分解タンパク質、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性リン酸アルミニウムナトリウム、ソルビン酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、硫酸、タンニン酸、L(+)-酒石酸、タウロコール酸、およびチオジプロピオン酸を含むことができる。本明細書に提供される組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中のGRAS賦形剤酸は、限定されないが、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、乳酸、およびコハク酸を含むことができる。
【0075】
シクロデキストリン
[0085]本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリンはイマチニブまたはその誘導体の溶解性増進剤として使用される。本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリンはイマチニブ遊離塩基の溶解性増進剤として使用される。本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリンはイマチニブの塩の溶解性増進剤として使用される。シクロデキストリンはデンプンに由来する環状の炭化水素である。未変性のシクロデキストリンは円筒形の構造に互いに接合されたグルコピラノース単位の数が異なる。親のシクロデキストリンは6、7、または8個のグルコピラノース単位を含有し、それぞれα-、β-、およびγ-シクロデキストリンといわれる。各シクロデキストリンサブユニットは2および3位に第二級ヒドロキシル基を、6位に第一級ヒドロキシル基を有することができる。シクロデキストリンは親水性の外部表面および疎水性の内部の空洞をもつ中空の円錐台と想像することができる。水性溶液中で、これらの疎水性の空洞は、これらの空洞に自身の構造のすべてまたは一部を嵌め込むことができる疎水性の有機化合物に対する安住の地を提供することができる。この包接錯体形成として知られる過程は錯体形成した薬物に対して増大した見掛けの水溶解度および安定性をもたらすことができる。
【0076】
[0086]本明細書に提供される組成物(例えば、医薬組成物)中のシクロデキストリンは、限定されないが、α-シクロデキストリン(αCD)、β-シクロデキストリン(βCD)、γ-シクロデキストリン(γCD)、誘導体化されたα-シクロデキストリン、誘導体化されたβ-シクロデキストリン、および誘導体化されたγ-シクロデキストリンを含むことができる。対象組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中に使用され得るシクロデキストリンの非限定例には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン(MβCD)、スクシニル-α-シクロデキストリン(SαCD)、スクシニル-β-シクロデキストリン(SβCD)、スクシニル-γ-シクロデキストリン(SγCD)、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン(SBEαCD) スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBEβCD)、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリン、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン(CMαCD)、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン(CMβCD)、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン(CMγCD)、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン(CEαCD)、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン(CEβCD)、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン(CEγCD)、ホスフェート-α-シクロデキストリン(PαCD)、ホスフェート-β-シクロデキストリン(PβCD)、およびホスフェート-γ-シクロデキストリン(PγCD)が含まれる。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物)はヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)を含む。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物)は1種より多くのシクロデキストリン、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の異なる種のシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物)はHPβCDおよび1種または複数の他のシクロデキストリン、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の他の異なる種のシクロデキストリンを含む。いくつかの場合において、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、3-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化されたα-シクロデキストリン、誘導体化された3-シクロデキストリン、および誘導体化されたγ-シクロデキストリンからなる群から選択される。いくつかの場合において、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、3-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-3-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。
【0077】
[0087]いくつかの場合において、シクロデキストリンの塩が本明細書に開示された組成物を調製するのに使用される。例えば、限定されないが、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、クロム塩、銅塩、および亜鉛塩のようなシクロデキストリンの金属塩が使用され得る。代わりにまたは加えて、限定されないが、リジン、アルギニン、およびヒスチジン塩のような、シクロデキストリンのアミノ酸塩が使用され得る。いくつかの場合において、本明細書に開示される水性溶液または懸濁液はシクロデキストリンの塩、例えば、アニオン性シクロデキストリンの塩、例えば、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンの塩を含む。いくつかの場合において、本明細書に開示される水性溶液または懸濁液はスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウムを含む。
【0078】
[0088]いくつかの実施形態において、シクロデキストリンの濃度は、溶液の噴霧化効率(または速度)を低減する可能性がある溶液の粘度に寄与する。例えば、いくつかの場合において、シクロデキストリンの濃度が高くなるにつれて、溶液の粘度は高くなる。いくつかの場合において、組成物中のシクロデキストリンの濃度は、溶液の粘度が約0.1センチポアズ(cP)、0.2cP、0.3cP、0.4cP、0.5cP、0.6cP、0.7cP、0.8cP、0.9cP、1.0cP、1.1cP、1.2cP、1.3cP、1.4cP、1.5cP、1.6cP、1.7cP、1.8cP、1.9cP、2.0cP、2.1cP、2.2cP、2.3cP、2.4cP、2.5cP、2.6cP、2.7cP、2.8cP、2.9cP、3.0cP、3.2cP、3.4cP、3.5cP、3.6cP、3.8cP、4.0cP、4.2cP、4.4cP、4.6cP、4.8cP、5.0cP、5.2cP、5.4cP、5.6cP、5.8cP、6.0cP、6.2cP、6.4cP、6.6cP、6.8cP、7.0cP、7.2cP、7.4cP、7.6cP、7.8cP、8.0cP、8.2cP、8.4cP、8.6cP、8.8cP、9.0cP、9.2cP、9.4cP、9.6cP、9.8cP、または10.0cPのような基準値より高くならないように調節される。いくつかの場合において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中のシクロデキストリンの濃度は溶液の最大で約2%、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、38%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%(w/v)である。
【0079】
[0089]特定の理論に縛られることは望まないが、酸性条件のイマチニブまたはその誘導体(例えば、イマチニブ遊離塩基)はプロトン付加され得、その結果イマチニブ遊離塩基の溶解性の増大を導く。特定の理論に縛られることは望まないが、シクロデキストリンは、酸性条件で正に帯電したピペラジン環を安定化することによりイマチニブまたはその誘導体(例えば、イマチニブ遊離塩基)の溶解性を増大させることができる。特定の理論に縛られることは望まないが、アニオン性のシクロデキストリンは正に帯電したイマチニブまたはその誘導体(例えば、正に帯電したイマチニブ遊離塩基)の安定化を増大させることができ、溶解性を増大させる。いくつかの実施形態において、アニオン性であり得るシクロデキストリン、例えば、スクシニル-α-シクロデキストリン(SαCD)、スクシニル-β-シクロデキストリン(SβCD)、スクシニル-γ-シクロデキストリン(SγCD)、スルホブチルエーテル-α-シクロデキストリン(SBEαCD) スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBEβCD)、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン(SBEγCD)、カルボキシメチル-α-シクロデキストリン(CMαCD)、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン(CMβCD)、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン(CMγCD)、2-カルボキシエチル-α-シクロデキストリン(CEαCD)、2-カルボキシエチル-β-シクロデキストリン(CEβCD)、2-カルボキシエチル-γ-シクロデキストリン(CEγCD)、ホスフェート-α-シクロデキストリン(PαCD)、ホスフェート-β-シクロデキストリン(PβCD)、およびγ-シクロデキストリン(PγCD)は本明細書に開示される組成物および方法に使用され得る。
【0080】
[0090]本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリン、例えば、SBEβCDはイマチニブまたはその誘導体の溶解性増進剤として使用される。本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリン、例えば、SBEβCDはイマチニブ遊離塩基の溶解性増進剤として使用される。本開示のいくつかの態様において、シクロデキストリン、例えば、SBEβCDはイマチニブの塩の溶解性増進剤として使用される。いくつかの場合において、組成物(例えば、医薬組成物)中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3~約8のpHで溶液の最大で約2%、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、38%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%(w/v)である。いくつかの場合において、組成物(例えば、医薬組成物)中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3~約8のpHで溶液の最大で約20%(w/v)である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約5のpHで溶液の約2%~約80%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約5のpHで溶液の約2%~約60%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約5のpHで溶液の約2%~約50%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約5のpHで溶液の約5%~約45%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約10%~約20%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約2%~約80%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約2%~約60%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約2%~約50%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約5%~約45%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約4のpHで溶液の約10%~約20%である。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3のpHで溶液の約2%~約80%である。いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3のpHで溶液の約2%~約60%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3のpHで溶液の約2%~約50%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3のpHで溶液の約5%~約45%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3のpHで溶液の約10%~約20%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約6のpHで溶液の約2%~約80%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約6のpHで溶液の約2%~約60%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約6のpHで溶液の約2%~約50%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約6のpHで溶液の約5%~約45%である。いくつかの実施形態において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約6のpHで溶液の約10%~約20%である。
【0081】
[0091]いくつかの場合において、組成物(例えば、医薬組成物)中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約3~約8のpHで溶液または懸濁液の最大で約2%、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、38%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、または80%(w/v)であり、溶解されたイマチニブの濃度は約0.0001mg/mL~約500mg/mLである。いくつかの場合において、組成物中のシクロデキストリン、例えば、SBEβCDの濃度は約5のpHで溶液の最大で約2%~約80%(w/v)であり、溶解されたイマチニブの濃度は約1mg/mL~約200mg/mLである。
【0082】
[0092]いくつかの場合において、本明細書に開示される製剤、例えば酸性のpH範囲でイマチニブ遊離塩基およびシクロデキストリン、例えばSBEβCDを含有する製剤はイマチニブの低い体内吸収およびイマチニブの高い肺滞留時間をもたらすことができる。いくつかの場合において、本明細書に開示される製剤、例えば酸性のpH範囲でイマチニブ遊離塩基およびシクロデキストリン、例えばSBEβCDを含有する製剤は薬学的に活性な成分、例えばイマチニブまたはその誘導体の血漿中と比較して肺内の高度に優先的な保持をもたらすことができる。特定の理論に縛られることは望まないが、全身曝露を最小化すると全身性の副作用の減少をもたらすことができる。いくつかの場合において、例えばイマチニブ遊離塩基およびシクロデキストリン(例えば、SBEβCD)を含有するイマチニブまたはその誘導体の酸性溶液は肺に投与されると肺被覆液と接触した際にイマチニブまたはその塩の沈殿を起こす。
【0083】
[0093]本開示のいくつかの実施形態による酸性溶液中のイマチニブまたはその誘導体(例えば、イマチニブ遊離塩基)の溶解性は溶液のpHと負に相関することがあり、例えば、溶液のpHが高くなるにつれ、イマチニブ遊離塩基がその溶液に溶解される可能性は低くなる(例えば、実施例4および5ならびに
図2、3A、および3Bに示される)。加えて、または代わりに、本開示のいくつかの実施形態によるシクロデキストリン(例えば、SBE(登録商標)CD)を含有する酸性溶液中のイマチニブまたはその誘導体(例えば、イマチニブ遊離塩基)の溶解性は溶液中のシクロデキストリンの濃度と正に相関することがあり、例えば、SBE(登録商標)CDの濃度が高くなるにつれ、イマチニブ遊離塩基がその溶液に溶解される可能性は高くなる(例えば、実施例5~7に示される)。特定の理論に縛られることは望まないが、いくつかの場合において、肺被覆液はpHを増大させて製剤中の送達されるイマチニブまたはその誘導体を沈殿させる緩衝剤として作用する。特定の理論に縛られることは望まないが、いくつかの場合において、肺被覆液は希釈剤として作用して製剤中の送達されるイマチニブまたはその誘導体を沈殿させる。特定の理論に縛られることは望まないが、いくつかの場合において、肺被覆液はpHを増大させる緩衝剤として、および希釈剤として作用して、製剤中の送達されるイマチニブまたはその誘導体を沈殿させる。特定の理論に縛られることは望まないが、固体の沈殿されたイマチニブはイマチニブの肺組織への経時的な持続放出、より低い体内吸収、およびより長い肺滞留時間をもたらすことができる。
【0084】
[0094]いくつかの場合において、本明細書に開示された例示的な組成物の吸入投与後10分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、5時間、または10時間以内で、体循環中のイマチニブまたはその誘導体の濃度、例えば、大血管または心臓から集められた血液サンプルで測定されたイマチニブの濃度は肺組織中のイマチニブの濃度、例えば、肺から集められたサンプルで測定されたイマチニブの濃度より低い。例えば、吸入投与後10分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、5時間、または10時間以内で、血液サンプルで測定されたイマチニブの、肺から集められたサンプルと比較した濃度比は1未満、例えば約0.0001~約0.9、約0.001~約0.9、約0.01~約0.9、または約0.1~約0.9である。いくつかの実施形態において、濃度比は約0.0001、約0.0005、約0.001、約0.005、約0.008、約0.01、約0.015、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.15、約0.2、約0.25、約0.3、約0.35、約0.4、約0.45、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、または約0.9である。
【0085】
[0095]いくつかの場合において、本明細書に開示された例示的なイマチニブ組成物の吸入投与後、肺組織内のイマチニブの濃度、例えば、肺から集められたサンプルで測定されたイマチニブの濃度は、体循環中のイマチニブの濃度、例えば、大血管または心臓から集められた血液サンプルで測定されたイマチニブの濃度と比較してより低い速度で低下する。
【0086】
pH緩衝剤
[0096]本開示のいくつかの態様において、本明細書に提供される組成物はさらにpH緩衝剤を含む。いくつかの場合において、pH緩衝剤は限定されないが、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、もしくはフタル酸のものを含めた有機酸の塩、Tris、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液である。いくつかの実施形態において、組成物は1種より多くのpH緩衝剤を含む。
【0087】
[0097]いくつかの実施形態において、pH緩衝剤は、水性溶液に約3~約7のpHを提供するために本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物)中に存在する。いくつかの実施形態において、pH緩衝剤は、水性懸濁液に約3~約8のpHを提供するために本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物)中に存在する。いくつかの場合において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)のpHは約3、約4、約5、約6、約7、または約8である。いくつかの実施形態において、pH緩衝剤は水性溶液に3~6、4~6、4.5~5.5、5~6、4~7、5~7、または6~7の水性溶液のpHを提供するために本明細書に記載される組成物中に存在する。
【0088】
[0098]いくつかの実施形態において、pH緩衝剤は約0.001mg/mL~約100mg/mL、例えば約0.1mg/mL~約100mg/mLの間、約0.5mg/mL~約50mg/mL、約0.5mg/mL~約20mg/mL、約0.5mg/mL~約10mg/mL、約0.5mg/mL~5mg/mL、または約1mg/mL~約5mg/mLで水性組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、pH緩衝剤は約0.1mM~約500mM、例えば約1mM~500mM、1mM~200mM、1mM~100mM、1mM~80mM、1mM~50mM、1mM~25mM、1mM~10mM、1mM~5mM、5mM~200mM、5mM~100mM、5mM~80mM、5mM~50mM、5mM~25mM、5mM~10mM、20mM~200mM、20mM~100mM、20mM~80mM、または20mM~50mMで水性組成物中に存在する。
【0089】
薬学的に許容される賦形剤
[0099]1つの態様において、肺疾患の治療のための製剤が本明細書に提供される。製剤は本明細書に提供される組成物および薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、または経口もしくは経鼻吸入のような意図された投与経路に適した他の成分を含むことができる。薬学的に許容される賦形剤の例には、限定されることはないが、脂質、金属イオン、界面活性剤、アミノ酸、炭水化物、緩衝剤、塩、ポリマー、甘味料、など、およびこれらの組合せが含まれる。
【0090】
[0100]炭水化物の例には、限定されることはないが、単糖、二糖、および多糖が含まれる。例えば、デキストロース(無水および一水和物)、ガラクトース、マンニトール、D-マンノース、ソルビトール、ソルボースなどのような単糖;ラクトース、マルトース、スクロース、トレハロースなどのような二糖;ラフィノースなどのような三糖;ならびに他の炭水化物、例えばデンプン(ヒドロキシエチルデンプン)、およびマルトデキストリン。
【0091】
[0101]脂質の非限定例にはリン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール、キチン、ヒアルロン酸、またはポリビニルピロリドンのようなポリマー鎖を有する脂質;スルホン化された単糖、二糖、および多糖を有する脂質;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸のような脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートが含まれる。
【0092】
[0102]いくつかの場合において、リン脂質は1種または複数のホスファチジルコリンのような飽和のリン脂質を含む。例示的なアシル鎖長は16:0および18:0(例えば、パルミトイルおよびステアロイル)である。リン脂質含量は活性薬剤活性、送達様式、および他の要因により決定され得る。
【0093】
[0103]天然および合成の両方の起源のリン脂質が様々な量で使用され得る。リン脂質が存在する場合、量は通例活性薬剤をリン脂質の少なくとも単一の分子層で被覆するのに十分である。一般に、リン脂質含量は約5wt%~約99.9wt%、例えば約20wt%~約80wt%の範囲である。
【0094】
[0104]一般に、適合性のリン脂質は約40℃より高い、例えば約60℃より高い、または約80℃より高いゲルから液晶相への転移を有するものを含むことができる。組み込まれるリン脂質は比較的に長鎖(例えば、C16~C22)の飽和脂質であり得る。本開示に有用な例示的なリン脂質には、限定されることはないが、ホスホグリセリド、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキドイルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジホスファチジルグリセロール、短鎖ホスファチジルコリン、水素化されたホスファチジルコリン、E-100-3(Lipoid KG、Ludwigshafen、ドイツから入手可能)、長鎖の飽和ホスファチジルエタノールアミン、長鎖の飽和ホスファチジルセリン、長鎖の飽和ホスファチジルグリセロール、長鎖の飽和ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、およびスフィンゴミエリンが含まれる。
【0095】
[0105]金属イオンの例には、限定されることはないが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などを含む二価のカチオンが含まれる。例えば、リン脂質が使用される場合、医薬組成物はまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,709,484号および同第7,871,598号に開示される多価のカチオンも含むことができる。多価のカチオンは、医薬組成物がその保存温度(Tm)より少なくとも約20℃、例えば少なくとも約40℃高い融解温度(Tm)を示すようにリン脂質のTmを増大させるのに有効な量で存在することができる。多価カチオン対リン脂質のモル比は少なくとも約0.05:1、例えば約0.05:1~約2.0:1または約0.25:1~約1.0:1であり得る。多価のカチオン:リン脂質のモル比の例は約0.50:1である。多価のカチオンがカルシウムである場合は塩化カルシウムの形態であり得る。カルシウムのような金属イオンがリン脂質と共に含まれることが多いが、必要ではない。
【0096】
[0106]医薬組成物は1種または複数の界面活性剤を含むことができる。例えば、1種または複数の界面活性剤は液体相にあることができ、1種または複数は組成物の固体の小滴または液滴と会合する(associated with)。「会合する(associated with)」とは、医薬組成物が界面活性剤と合体する(incorporate)、界面活性剤を吸着する、界面活性剤を吸収する、界面活性剤で被覆される、または界面活性剤により形成され得ることを意味する。界面活性剤には、限定されることはないが、フッ素化および非フッ素化化合物、例えば飽和および不飽和の脂質、非イオン性洗剤、非イオン性のブロックコポリマー、イオン性の界面活性剤、およびこれらの組合せが含まれる。上述の界面活性剤に加えて、適切なフッ素化された界面活性剤が本明細書の教示と適合性であり、所望の調製物を提供するのに使用され得ることが強調されるべきである。いくつかの態様において、本明細書に記載される医薬組成物中の界面活性剤はTween、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を含む。特定の理論に縛られることは望まないが、いくつかの場合において、界面活性剤はまた組成物中で溶解性増進剤としても機能する。
【0097】
[0107]非イオン性の洗剤の例には、限定されることはないが、ソルビタンエステル、例えばソルビタントリオレエート(Span(商標)85)、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、グリセロールエステル、およびスクロースエステルがある。他の適切な非イオン性の洗剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents (McPublishing Co.、Glen Rock、N.J.)を使用して容易に特定され得る。
【0098】
[0108]ブロックコポリマーの例には、限定されることはないが、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのジブロックおよびトリブロックコポリマー、例えばポロクサマー188(Pluronic(商標)F-68)、ポロクサマー407(Pluronic(商標)F-127)、およびポロクサマー338がある。イオン性の界面活性剤の例には、限定されることはないが、スルホコハク酸ナトリウム、および脂肪酸せっけんがある。アミノ酸の例には、限定されることはないが疎水性のアミノ酸が含まれる。アミノ酸の薬学的に許容される賦形剤としての使用は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,123,936号、同第6,358,530号、および同第6,921,527号に開示されるように当技術分野で公知である。
【0099】
[0109]本開示の1つまたは複数の実施形態による医薬組成物は、必要に応じて、肺疾患の治療のための医薬剤(例えば、イマチニブまたはその誘導体、例えば、イマチニブ遊離塩基またはイマチニブ塩)および1種または複数の追加の活性薬剤の組合せを含有してもよい。追加の活性薬剤の例には、限定されることはないが、肺を介して送達され得る薬剤がある。
【0100】
[0110]追加の活性薬剤は、例えば、催眠剤および鎮静剤、精神賦活剤、トランキライザー、呼吸器薬(respiratory drug)、抗痙攣薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン剤(ドーパミン拮抗薬)、鎮痛剤、抗炎症剤、抗不安薬(精神安定剤)、食欲抑制剤、抗片頭痛薬、筋収縮薬、追加の抗感染薬(抗ウイルス薬、抗真菌薬、ワクチン) 抗関節炎薬、抗マラリヤ薬、制吐薬、抗てんかん薬、サイトカイン、成長因子、抗がん剤、抗血栓薬、抗高血圧薬、心臓脈管薬、抗不整脈薬、抗酸化剤、抗ぜんそく薬、ホルモン剤、例えば避妊薬、交感神経様作用薬、利尿剤、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、抗寄生虫薬、抗凝血剤、新生物、抗新生物薬、低血糖薬、栄養剤および栄養補助食品、成長栄養補助食品、抗腸炎(antienteritis)剤、ワクチン、抗体、診断用剤、および造影剤を含むことができる。追加の活性薬剤は、吸入により投与される場合、局所または全身的に作用することができる。
【0101】
[0111]追加の活性薬剤は限定されないが小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖、ステロイド、生理学的効果を生じさせることができるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含むいくつかの構造クラスの1つに入ることができる。
【0102】
[0112]この開示で使用するのに適した追加の活性薬剤の例には、限定されることはないがカルシトニン、アンフォテリシンB、エリスロポエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレデース(ceredase)、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、アルファ-1プロテアーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-1受容体、インターロイキン-2、インターロイキン-1受容体拮抗薬、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロインスリン、インスリン類似体(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,922,675号に記載されるモノ-アシル化インスリン)、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体、例えばオクトレオチド、バソプレッシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン(insulintropin)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、神経成長因子(NGF)、組織増殖因子、表皮細胞増殖因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮増殖因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドチモシンアルファ1、IIb/IIa阻害剤、アルファ-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート(bisphosponate)、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維性膜貫通調節因子(CFFR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、殺菌/透過性増大タンパク質(BPI)、抗CMV抗体、13-cisレチノイン酸、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピラマイシン(spiromycin)、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン、およびスウィノリド(swinolide)A;フルオロキノリン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン(moxifloxicin)、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン(irloxacin)、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、およびシタフロキサシン、テイコプラニン、ラモプラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート(colistimethate)、ポリミキシン、例えばポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリン、例えばペニシリナーゼ感受性薬剤、例えばペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリナーゼ耐性薬剤、例えばメチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン;グラム陰性菌活性薬剤、例えばアンピシリン、アモキシシリン、およびヘタシリン、シリン(cillin)、およびガランピシリン;抗緑膿菌性ペニシリン、例えばカルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、およびピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフポドキシム、セフプロジル、セフトブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラドリン(cephradrine)、セフォキシチン、セファマンドール(cefamandole)、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフィネタゾール(cefinetazole)、セフタジジム、ロラカルベフ、およびモキサラマタム、モノバクタム、例えばアズトレオナム;およびカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、ペンタミジンイセチオン酸塩(isethiouate)、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ベクロメタゾンジプレピオネート(diprepionate)、トリアムシノロンアセタミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウム臭化物、フルニソリド、クロモリンナトリウム、エルゴタミン酒石酸塩ならびに該当する場合には以上のものの類似体、作用薬、拮抗薬、阻害剤、および薬学的に許容される塩形態の1種または複数が含まれる。ペプチドおよびタンパク質に関連して、本開示は合成、天然、グリコシル化、非グリコシル化、ペグ化形態、ならびにそれらの生物学的に活性な断片、誘導体、および類似体を包含することが意図される。
【0103】
[0113]本開示で使用される追加の活性薬剤はさらに裸の核酸分子、ベクター、関連ウイルス小滴(associated viral droplet)、プラスミドDNAもしくはRNAまたは細胞のトランスフェクションもしくは形質転換に適した、例えば、アンチセンスを含む遺伝子治療に適したタイプの他の核酸構築物のような核酸を含むことができる。さらに、活性薬剤はワクチンとして使用するのに適した生の弱毒化または死滅ウイルスを含むことができる。他の有用な薬物には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhysician’s Desk Reference(最新版)に列挙されるものが含まれる。
【0104】
[0114]活性薬剤の組合せが使用される場合、薬剤は単一の種類の医薬組成物として組み合わせて、または別個の種類の医薬組成物として個別に提供され得る。
[0115]本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は味がない可能性がある。これに関連して、場合により矯味剤が組成物に含まれてもよいが、本組成物はいくつかの実施形態においてシクロデキストリン以外の矯味剤を含まず、矯味剤なしでも味がない。
【0105】
[0116]いくつかの実施形態において、本明細書に提供される医薬組成物は組成物の感覚刺激特性を改善するために甘味料を含む。甘味料は天然の甘味物質、例えばある種の砂糖、または人工の甘味料であってもよい。特定の理論に縛られることは望まないが、医薬組成物中の甘味料の存在は組成物の感覚刺激特性を改善することができる。いくつかの場合において、医薬組成物中の甘味料の存在は対象のコンプライアンスを改善することができる。医薬組成物中の甘味料の存在は組成物の送達効率を増大させることができる。いくつかの実施形態において、医薬組成物中の甘味料の存在は組成物の治療効果を高めることができる。
【0106】
[0117]医薬組成物に使用され得る人工甘味料の非限定例には、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、チクロ、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、および糖アルコール(例えば、エリトリトール、加水分解水添デンプン、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、およびキシリトール)、例えばSweet n’低粉末甘味料、Truvia粉末甘味料、Equal(アスパルテーム)、Stevia粉末小袋、Aspen Naturals液体ステビア、Now Better Stevia液体甘味料、Sweet N’ Low液体甘味料、Quick Sweet:Neotame液体甘味料、またはSplenda粉末小袋のような市販品に使用されるもの、またはそれらの薬学的に許容される塩が含まれる。いくつかの実施形態において、医薬組成物はサッカリンを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物はサッカリンの塩を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物はサッカリンナトリウムを含む。
【0107】
[0118]医薬組成物に使用され得る天然の甘味物質には、限定されないが、スクロース、リュウゼツラン、ブラウンシュガー、粉糖(粉砂糖)、コーンシロップ、デキストロース、フルクトース、濃縮果汁、グルコース、高フルクトースコーンシロップ、蜂蜜、転化糖、ラクトース、麦芽糖、マルトース、メープルシロップ、糖蜜、花蜜、粗糖、およびシロップが含まれる。糖は液体溶液の粘度を増大させることができ、したがって医薬組成物に添加されるあらゆる糖の濃度は、いくつかの実施形態において、ある特定の閾値より低くしっかり調節される。
【0108】
[0119]いくつかの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤または担体はラクトース、マンニトール、ソルビトール、エリトリトール、ラフィノース、スクロース、キシリトール、トレハロース、デキストロース、シクロデキストリン、マルチトール、マルトース、グルコース、ヒドロキシアパタイト、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0109】
[0120]上述の薬学的に許容される賦形剤に加えて、他の薬学的に許容される賦形剤を医薬組成物に加えて液滴の剛性、生産収率、放出用量および沈着、保存可能時間、および患者の承諾を改善することが望ましい可能性がある。かかる任意の薬学的に許容される賦形剤には、限定されることはないが、着色剤、矯味剤、緩衝剤、吸湿剤、抗酸化剤、および化学安定剤が含まれる。いくつかの実施形態において、組成物は1種または複数のオスモル濃度調節剤、例えば塩化ナトリウムを含み得る。例えば、塩化ナトリウムは溶液のオスモル濃度を調節するために溶液に加えられ得る。
【0110】
[0121]1つまたは複数の実施形態において、本明細書に記載される水性の医薬組成物は本質的に肺疾患を治療するための医薬剤(例えば、イマチニブ)、水、pH緩衝剤、溶解性増進剤、およびオスモル濃度調節剤で構成される。いくつかの実施形態において、オスモル濃度調節剤はエアロゾル化された医薬組成物の安定性を提供し、吸入されたエアロゾル化された医薬組成物に対する好ましくない作用(例えば、咳)を低減し、エアロゾル化の効率、または液滴の大きさに影響し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される水性の医薬組成物のオスモル濃度は医薬品用途に許容される(例えば、等浸透圧、生理的オスモル濃度、低浸透圧、生理的に低張性、高張性、生理的に高張性)。いくつかの実施形態において、水性の医薬組成物のオスモル濃度は約0.001mOsm~約2,000mOsm、例えば約0.1mOsm~約1,000mOsm、約1mOsm~約200mOsm、約100mOsm~約200mOsm、約100mOsm~約500mOsm、約200mOsm~約400mOsm、約250mOsm~約350mOsm、約300mOsm~約400mOsm、約300mOsm~約2,000mOsm、または約1,000mOsm~2,000mOsmである。いくつかの場合において、オスモル濃度調節剤は塩化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムのような塩である。
【0111】
霧状のエアロゾル
液滴
[0122]吸入可能な製剤のエアロゾル液滴の分配は、空気動力学的中央粒子径(MMAD)-エアロゾルの質量の半分がある値より小さい液滴に、および半分がより大きな液滴に含有されるその値の大きさ;体積平均直径(VMD);質量中央直径(MMD);微細液滴分率(FDF)-直径<5umである液滴の割合のいずれかで表され得る。これらの測定量は異なるネブライザーおよび薬物の組合せのインビトロ性能の比較のために使用されている。一般に、微細液滴分率が高いほど肺に沈着することになる放出用量の割合が高い。一般に、吸入された液滴は2つの機構のうちの1つにより沈着することになる:インパクション(impaction)は通常より大きな液滴で優勢であり、沈降(sedimentation)はより小さい液滴で主流である。インパクションは、吸入された液滴の運動量が、液滴が気流に従わず、生理的な表面に出会うほど十分に大きいときに起こり得る。対照的に、沈降は主として吸入された気流と共に進む非常に小さい液滴が気流内でのランダムな拡散の結果として生理的な表面と出会ったとき深い肺で起こり得る。
【0112】
[0123]肺投与に対して、上気道は通常中および下気道よりも避けられる。肺の薬物送達は口および喉を介したエアロゾルの吸入により達成され得る。約5ミクロンより大きい空気動力学的中央粒子径(MMAD)を有する液滴は一般に肺に到達しない;代わりに、喉の後ろに突き当たる傾向があり、飲み込まれ、恐らく経口で吸収される。約1~約5ミクロンの直径を有する液滴は上部~中部肺領域(誘導気道)に到達するには十分小さいが、大き過ぎて肺胞に到達しない。より小さい、即ち約0.5~約2ミクロンの液滴は肺胞領域に到達することができる。約0.5ミクロンより小さい直径を有する液滴も沈降により肺胞領域に沈着され得るが、非常に小さい液滴は吐き出される可能性がある。液滴の大きさの測定量は体積平均直径(VMD)、質量中央直径(MMD)、またはMMADということができる。これらの測定はインパクションにより(MMDおよびMMAD)またはレーザーにより(VMD)行なうことができる。液体粒子の場合、VMD、MMDおよびMMADは周囲の条件、例えば標準の湿度が維持されれば同じであり得る。しかしながら、湿度が維持されなければ、MMDおよびMMADの決定はインパクター測定の間の脱水のためVMDより小さくなる。本明細書の目的から、VMD、MMDおよびMMAD測定はVMD、MMDおよびMMADの記載が比較できるように標準条件下でなされると考えられる。
【0113】
[0124]エアロゾル粒子の大きさは空気動力学的中央粒子径(MMAD)で表され得る。大きな液滴(例えば、MMAD-5um)は大き過ぎて上気道の屈曲を通り抜けることができないので上気道に沈着する可能性がある。小さい液滴(例えば、MMAD-2um)は下気道で不十分に沈着し、したがって吐き出されるようになる可能性があり、上気道沈着の追加の機会を提供する。それ故に、繰り返される吸入および呼気の間の大きな液滴の吸入インパクションおよび小さい液滴の沈下の両方に由来する上気道沈着から不耐容性(例えば、咳および気管支けいれん)が起こる可能性がある。
【0114】
[0125]したがって、一実施形態において、中肺での沈着を最大にし、上気道沈着に関連する不耐容性を最小にするために最適な液滴の大きさ(例えば、MMAD=1-5um)が使用される。さらに、定義された液滴サイズの限られた幾何標準偏差(GSD)での生成は沈着および耐容性を最適にすることができる。狭いGSDは所望のMMADサイズ範囲外の液滴の数を制限する。一実施形態において、約2.5ミクロン以下のGSDで約1ミクロン~約5ミクロンのMMADを有する本明細書に開示される1種または複数の化合物を含有するエアロゾルが提供される。別の実施形態において、2ミクロン以下のGSDで約2.8ミクロン~約4.3ミクロンのMMADを有するエアロゾルが提供される。別の実施形態において、1.8ミクロン以下のGSDで約2.5ミクロン~約4.5ミクロンのMMADを有するエアロゾルが提供される。
【0115】
[0126]いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるいずれかの方法で使用されるネブライザーは液体ネブライザーである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるいずれかの方法で使用されるネブライザーはジェットネブライザー、超音波ネブライザー、パルス式膜型ネブライザー(pulsating membrane nebulizer)、多数の孔がある振動するメッシュもしくはプレートを含むネブライザー、または振動発生機および水性チャンバーを含むネブライザーである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるいずれかの方法で使用されるネブライザーは多数の孔がある振動するメッシュまたはプレートを含むネブライザーである。いくつかの実施形態において、液体ネブライザーは哺乳動物に投与されたイマチニブもしくはその誘導体、またはその塩の肺沈着を達成し;約1.0um~約2.5umの水性溶液の放出された液滴サイズ分布の幾何標準偏差(Geometric Standard Deviation)(GSD)を提供し;約1um~約5umの高効率液体ネブライザーで放出された水性溶液の液滴サイズの空気動力学的中央粒子径(MMAD);約1um~約5umの体積平均直径(VMD);および/または約1um~約5umの質量中央直径(MMD)を提供し;少なくとも約30%の液体ネブライザーから放出された液滴の微細液滴分率(FDF=%s5ミクロン)を提供し;少なくとも0.1mL/分の出力速度を提供し:および/または少なくとも約25%の水性溶液を哺乳動物に提供する。
【0116】
[0127]いくつかの実施形態において、組成物(例えば、医薬組成物または製剤)は1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、1μm~2μm、2μm~5μm、2μm~4μm、2μm~3μm、または3μm~4μmの平均の空気動力学的中央粒子径を有する霧状の液滴でエアロゾル化される。
【0117】
ネブライザー
[0128]一実施形態において、ネブライザーは本明細書に記載される組成物のエアロゾルの形成を可能にすることを基準にして選択される。いくつかの実施形態において、霧状またはエアロゾル化された組成物のMMADは主に約1~約5ミクロンのMMADを有する。
【0118】
[0129]肺へのネブライザーによる効率的な薬剤送達は吸入器デバイス、製剤、および吸入操作を含むいくつかの要因に依存する。医薬組成物はエアロゾル化デバイスを用いて投与され得る。エアロゾル化デバイスはネブライザー、定量噴霧式吸入器、または液体用量点滴デバイスであり得る。エアロゾル化デバイスはミクロンまたはサブミクロンの大きさの穴を通した医薬調製物の噴出とそれに続く微細な液滴へのレイリー分裂を含むことができる。医薬組成物はWO99/16420に記載されるネブライザーにより、WO99/16422に記載される定量噴霧式吸入器により、WO99/16421に記載される液体用量点滴装置により送達され得、これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そこで、吸入器は液滴または液滴および推進剤を含有するキャニスターを含むことができ、吸入器はキャニスターの内部と連通した絞り弁を含む。推進剤はヒドロフルオロアルカンであり得る。
【0119】
[0130]例えば、医薬組成物は液体溶液であり得、それを必要とする患者の肺の通気道に投与され得るエアロゾル化された医薬を提供するために、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるWO99/16420に開示されるもののようなネブライザーで投与され得る。当技術分野で公知のネブライザーは特許請求された製剤の投与のために容易に用いられ得る。呼気により賦活されるかまたは呼気により作動されるネブライザー、および開発されたかまたは開発される他のタイプの改善を含むものも本開示の製剤と適合性であり、その範囲内であると企図される。
【0120】
[0131]いくつかの場合において、ネブライザーは呼気により賦活されるかまたは呼気により作動されるネブライザーである。いくつかの場合において、ネブライザーは手持ちの吸入器デバイス(例えば、AeroEclipse(登録商標)呼気により作動されるネブライザー(Breath Actuated Nebulizer)(BAN))である。いくつかの場合において、ネブライザーは圧縮空気源を有する。いくつかの場合において、ネブライザーは液体医薬をエアロゾルに変換する。いくつかの場合において、ネブライザーは医薬調製物をミクロンまたはサブミクロンの大きさの穴に通して噴出させることにより液体医薬をエアロゾルに変換する。いくつかの場合において、ネブライザーは液体医薬を肺に吸入され得るようにエアロゾルに変換する。いくつかの場合において、ネブライザーは小体積ネブライザーである。いくつかの場合において、ネブライザーは小体積ジェットネブライザーである。いくつかの場合において、エアロゾル化された医薬はデバイスを通して吸入されたときだけ生成される。いくつかの場合において、医薬は呼気の間または治療の休憩中カップ(cup)内に含有される。いくつかの場合において、医薬は吸入される直前までカップ内に含有される。
【0121】
[0132]ネブライザーはエネルギーを液体組成物に付与して液体をエアロゾル化し、患者の肺系統、例えば肺への送達を可能にすることができる。ネブライザーは液体組成物を含有するリザーバーを有する容器のような液体送達システムを含む。液体組成物は一般に溶液中にあるかまたは液体媒体内に懸濁された活性薬剤を含む。
【0122】
[0133]一般にジェットネブライザーと呼ばれる、本方法およびキットで使用され得る1つのタイプのネブライザーにおいて、圧縮ガスが容器内のオリフィスを通して噴出される。圧縮ガスのため液体がノズルを通して引き出され、引き出された液体は流動するガスと混ざってエアロゾル液滴を形成することができる。次いで液滴の雲が患者の呼吸管に投与され得る。一般に振動メッシュネブライザーと呼ばれる、本方法およびキットで使用され得る別のタイプのネブライザーにおいては、機械的エネルギーのようなエネルギーがメッシュを振動させる。このメッシュの振動が液体組成物をエアロゾル化してエアロゾル雲を作り出し、これが患者の肺に投与される。本方法およびキットで使用され得るもう1つ別のタイプのネブライザーにおいて、噴霧はミクロンまたはサブミクロンの大きさの穴を通して噴出させ、続いてレイリー分裂により微細な液滴にすることを含む。代わりにまたは加えて、組成物は液体形態であってもよく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、およびいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0011358号および同第2004/0035413号に記載されるネブライザーを使用してエアロゾル化され得る。ネブライザーの他の例には、限定されることはないが、Galway、IrelandのAerogen Ltd.から入手可能なAeroneb(登録商標)GoまたはAeroneb(登録商標)Proネブライザー;Midlothian、Va.のPARI Respiratory Equipment, Inc.から入手可能なPARI eFlowおよび他のPARIネブライザー;East Brunswick、N.J.のLumiscope Company, Inc.から入手可能なLumiscope(登録商標)Nebulizer 6600もしくは6610;および京都、日本のOmron Healthcare,Inc.から入手可能なOmron NE-U22が含まれる。ネブライザーの他の例にはMedspray(Enschede、The Netherlands)およびPulmotree Medical GmbH(Munchen、ドイツ)により生産されたデバイスが含まれる。
【0123】
[0134]圧縮ガスを使用しないで液滴を形成するような振動するメッシュタイプのネブライザー、例えばAeroneb(登録商標)Proは投薬効率および一貫性において予想外の改善を提供することができる。圧縮空気を導入するのではなく、振動する穴あきまたは穴なしの膜を使用して微細な液滴を生成することにより、エアロゾル化された組成物を、流動特性に実質的に影響することなく導入することができる。加えて、このタイプのネブライザーを使用したとき生成された液滴を低い速度で導入することができ、それにより液滴が望まない領域に駆動される可能性が減少する。噴出/レイリージェット分裂タイプのネブライザーを使用したときも、生成された液滴を低い速度で導入することができることにより、液滴が望まない領域に駆動される可能性が減少する。
【0124】
[0135]いくつかの場合において、本方法およびキットで使用され得るネブライザーは振動するメッシュタイプである。いくつかの場合において、本方法およびキットで使用され得るネブライザーは加圧されたジェットタイプである。いくつかの場合において、本方法およびキットで使用され得るネブライザーは噴出/レイリー分裂タイプである。いくつかの場合において、ネブライザーは軽量で(最大で60g、最大で100g、最大で200g、最大で250g)ほとんど音がしない。いくつかの場合において、ネブライザーは1メートルで35A加重(A-weighted)デシベル(dBA)未満の騒音レベルを有する。いくつかの場合において、ネブライザーは6mLの医薬カップ能力(medication cup capacity)を有する。いくつかの場合において、ネブライザーは0.3mL未満の残留量(residual volume)を有する。いくつかの場合において、ネブライザーは0.4mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは0.5mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは0.6mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは0.7mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは0.8mL/分の平均流量を生じる、いくつかの場合において、ネブライザーは0.9mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは1.0mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは1.1mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは1.2mL/分の平均流量を生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMADの平均液滴サイズを生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMAD~4.0μm MMADの間の平均液滴サイズを生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMADの平均液滴サイズを生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMAD~5.0μm MMADの間の平均液滴サイズを生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMADの平均液滴サイズを生じる。いくつかの場合において、ネブライザーは3.0μm MMAD~6.0μm MMADの間の平均液滴サイズを生じる。本方法およびキットで使用され得るさらに別のタイプのネブライザーにおいて、超音波が生成されて直接組成物を振動させ、エアロゾル化する。本明細書に開示される組成物はまた定量噴霧式吸入器によるようなエアロゾル化を介して患者の肺に投与されることもできる。かかる製剤の使用は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、WO99/16422に開示されるように優れた用量再現性および改善された肺沈着を提供する。当技術分野で公知の定量噴霧式吸入器(MDI)は特許請求される組成物の投与に用いられ得る。呼気により賦活されるかまたは呼気により作動されるMDIおよび加圧式MDI(pMDI)、ならびに開発されたかまたは開発される他のタイプの改善を含むものも本開示の製剤と適合性であり、したがって、その範囲内と考えられる。MDIおよびネブライザーと共に、本開示の1以上の実施形態の製剤は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO99/16421に開示される液体用量点滴またはLDI技術と組み合わせて使用され得ると了解される。液体用量点滴は肺への製剤の直接投与を含む。LDIに関して製剤は、好ましくは部分液体換気または全体液体換気と共に使用される。また、本開示の1つもしくは複数の実施形態はさらに投与の前、その間、またはその後に治療有効量の生理的に許容されるガス(例えば酸化窒素または酸素)を薬剤微粒分散液に導入することを含み得る。
【0125】
[0136]水性製剤は水力または超音波噴霧化を用いる液体ネブライザーによりエアロゾル化され得る。推進剤に基づくシステムは適切な加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)を使用し得る。所望の粒子サイズおよび分布は適当なデバイスを選ぶことにより得られ得る。いくつかの実施形態において、ネブライザーはジェットネブライザー、振動メッシュネブライザー、または超音波ネブライザーである。
【0126】
すぐに使える製剤
[0137]本明細書に提供される医薬組成物は、即時使用のために、肺疾患の治療にすぐに使える状態である。対照的に、イマチニブを含む他の薬物製剤は、経口用の液体懸濁液のための粉末形態、または使用に先立ち希釈を要する濃縮液体形態/ストック溶液であり、追加の成分およびステップを必要とする。本明細書に記載される医薬組成物は追加のステップの必要なく肺疾患関連症状への即時使用を提供する水性液体形態である。本明細書に記載される医薬組成物のすぐに使える製剤は 静脈内投与のような侵襲的な手法。
【0127】
[0138]いくつかの実施形態において、すぐに使える医薬組成物は肺疾患または肺疾患の症状を治療するために単回使用用量である。いくつかの実施形態において、単回使用用量は単回使用用の体積のカートリッジまたは容器に入れられる。いくつかの実施形態において、単回使用投与量は医薬組成物の追加適用用の体積のカートリッジまたは容器に入れられる。いくつかの実施形態において、すぐに使える医薬組成物は複数回投与量製剤である。いくつかの実施形態において、すぐに使える薬剤製剤の複数回投与量製剤は、複数回投与量を含有する体積のカートリッジまたは容器に入れられる。いくつかの実施形態において、複数回投与量製剤は噴霧化のためにすぐに使える医薬組成物をカートリッジまたは容器に再充填することを要する。いくつかの実施形態において、複数回投与量使用のためのカートリッジまたは容器を再充填するための計量具および/または移行具がキットに含まれる。
【0128】
治療の方法
肺疾患
[0139]本明細書に提供される方法、組成物、およびキットは吸入、例えば、経口または経鼻吸入による医薬組成物の投与を含むことができる。肺疾患の例は、限定されないが、ぜんそく、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感染症(例えば、肺炎、結核、インフルエンザ)、コクシジオイデス症、コロナウイルス、細胞遺伝学的器質化肺炎(COP)、肺動脈高血圧、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス肺疾患、中東呼吸器症候群(MERS)、中皮腫、非結核性抗酸菌肺疾患(NTM)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、肺がん、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、アルファ-1アンチトリプシン欠乏症(AAT)、石綿肺、アスペルギルス症、気管支拡張症、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、急性気管支炎、気管支肺異形成症、慢性気管支炎、慢性の咳、炭坑労働者塵肺症(黒肺病)、嚢胞性線維症、電子タバコまたはベイピング使用に関連する肺障害(EVALI)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫、ヒストプラズマ症、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、過敏性肺炎、特発性肺線維症(IPF)、間質性(institial)肺疾患(ILD)、サルコイドーシス、レジオネラ症、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、原発性線毛運動不全症(PCT)、肺動脈高血圧(PAH)、珪肺、または肺線維症を含むことができる。本明細書に記載される医薬組成物は肺障害、呼吸器疾患、および気管または気管支障害に関連する疾患および症状を治療するのに使用され得る。いくつかの場合において、肺障害はタバコの煙、感染(例えば、細菌、ウイルス、真菌)、ラドン、アスベスト、大気汚染、微粒子、がれきの吸入および/または曝露に起因し得る。いくつかの場合において、肺障害または肺障害の症状は肺の損傷、睡眠時無呼吸、肺の虚脱、または肺塞栓に起因し得る。
【0129】
[0140]したがって、本開示のいくつかの例による医薬組成物は広範囲の患者を治療し、および/または予防を提供するために使用され得る。本明細書に記載される治療および/または予防を受けるのに適した患者は、それを必要とするあらゆる哺乳動物患者であり、好ましくはそのような哺乳動物はヒトである。対象の例には、限定されることはないが、小児科の患者、成人患者、および高齢の患者が含まれる。いくつかの場合において、組成物は症状の迅速な消散および正常な洞調律の回復のための治療としてだけが意図され、予防とは考えられない。例えば、患者が健康である場合、薬物の必要はなく、これにより、散発性または断続的投薬に起因して治療のベネフィットリスク比および全般的な安全性が増大し、必要とされるときだけ、日常生活に支障をきたすような症状を低減し洞調律を回復することに、より大きな重点がおかれるようになり得る。
【0130】
[0141]本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、臨床所見時の年齢、ある特定の血流力学基準、電気生理学的特徴、および前治療のようなある特定の生理学的または人工統計学的要因を含むかまたは欠く対象においてより有効であり得る。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療の前48時間以内に起きた肺疾患の発症に苦しむ。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は、治療の前1時間~48時間に起きた肺疾患の発症に苦しむ。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は再発性の肺疾患を患う。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は継続中の肺疾患用処方薬を有する。いくつかの実施形態において、肺疾患を治療するための経口医薬はイマチニブ、または薬学的に許容されるその塩である。
【0131】
[0142]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は年齢が18歳を超える。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は年齢18歳を下回る。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は年齢85歳以下である。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は18歳~85歳である。
【0132】
[0143]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は重度の腎臓機能障害を示さず、対象のeGFRは治療時に30mL/分/1.73m2未満である。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に透析を受けていない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に異常な肝機能を示さない。いくつかの実施形態において、異常な肝機能は肝疾患または顕著な肝臓攪乱の生化学的証拠である。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に未矯正の低カリウム血症を示さない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に3.6mEq/L未満の血清カリウムを示さない。
【0133】
[0144]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に吸入医薬を必要とする確定した肺疾患を示さない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象はイマチニブもしくはその活性な代謝体のいずれかに対して過敏性、またはその経歴をもたない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象はCYP 2D6の阻害剤である全身性の薬物を付随して投与されない。いくつかの実施形態において、CYP 2D6の阻害剤は抗鬱剤、神経弛緩剤、または抗ヒスタミン剤である。いくつかの実施形態において、CYP 2D6の阻害剤はプロプラノロールまたはリトナビルである。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象はCYP 2D6誘発物質である全身性の薬物を付随して投与されない。いくつかの実施形態において、CYP 2D6誘発物質はフェニトイン、フェノバルビタール、またはカルバマゼピンである。
【0134】
[0145]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に先天的な肺疾患を示さない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に失神を示さない。
【0135】
[0146]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に肺疾患症状以外のあらゆる重度または命を脅かす医学的状態を示さない。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に急性の病原性感染症を示さない。
【0136】
[0147]いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は医薬組成物の投与前12ヵ月以内に薬物またはアルコール依存性を示さなかった。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物で治療される対象は治療時に40Kg/m2を超える肥満度指数を示さない。
【0137】
[0148]本明細書に提供される治療は吸入、例えば、経口または経鼻吸入を含むことができるかまたはそれに適していることができる。いくつかの場合において、経口吸入による投与中、医薬剤は口を介して患者により吸入され、肺により吸収される。いくつかの場合において、経鼻吸入による投与中、医薬剤は鼻を通して患者により吸入され、鼻粘膜および/または肺により吸収される。
【0138】
[0149]吸入経路は初回通過肝代謝を回避することができ、したがって、投薬変動性が除外され得る。経口の錠剤または丸薬の場合と異なり、薬物が例えば、錠剤、丸薬、液剤、または懸濁剤として胃腸管を通る経口経路によって投与されるときに経験される代謝経路と投与が無関係なので患者の代謝率は問題にならない。作用の速い開始、潜在的な有効性の改善、および/または用量の低減が鼻の粘膜および/または肺からの薬物の速い吸収と共に達成され得る。
【0139】
[0150]肺を介する薬物の速い吸収速度は肺の中央および周辺領域に侵入するのに十分小さいエアロゾルが利用できる肺の大きな表面積のために達成され得る。その結果、吸入により送達される薬物の吸収の速度および程度はIV経路の投与に匹敵する血漿濃度対時間プロファイルを生じることができる。
【0140】
[0151]いくつかの場合において、本明細書に提供される治療は必要な場合には1回より多く対象に提供される。例えば、治療は少なくとも1日に1回、例えば、1日に1、2、3、4、5、6、8、または10回対象に投与され得、例えば、医薬組成物が対象により吸入される。いくつかの場合において、治療は延長された期間、例えば、少なくとも5、10、20、30、60、100、または300日、少なくとも1、2、3、4、または5年の期間対象に投与され得、その間対象は毎日、または1日おきに、または2、3、4、5、6、7、または10日おきに治療の投与を受ける。治療が対象に投与される各々の日、対象は少なくとも1回、例えば、1、2、3、4、5、6、8、または10回治療の投与を受けることができ、例えば本明細書に提供される医薬組成物を吸入することができる。
【0141】
用量
[0152]医薬組成物は必要な場合に患者に投与され得る。
[0153]いくつかの実施形態において、単位投薬量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位投与量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約500mgであり、肺疾患を治療するための医薬剤はイマチニブまたは薬学的に許容されるその塩である。いくつかの実施形態において、単位投与量は肺疾患を治療するための医薬剤の約30mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位投与量は肺疾患を治療するための医薬剤の約40mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位投与量は肺疾患を治療するための医薬剤の約50mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約100mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約120mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約150mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約200mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約250mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約300mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約350mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約400mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約450mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約30mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約450mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約400mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約350mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約300mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約250mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約200mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約150mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約120mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約100mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約50mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約40mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約30mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約30mg~約450mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約40mg~約400mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤約50mg~約350mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約100mg~約300mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約150mg~約250mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約100mg~約150mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約20mg~約200mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は肺疾患を治療するための医薬剤の約200mg~約500mgである。いくつかの実施形態において、単位用量は約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、または約500mgの肺疾患を治療するための医薬剤である。
【0142】
[0154]いくつかの場合において、水性溶液中の本明細書に記載される医薬組成物の単位用量は20mg/mL~500mg/mLのイマチニブである。いくつかの場合において、単位用量は20~500mg/mL、2~450mg/mL、20~400mg/mL、20~350mg/mL、20~300mg/mL、20~250mg/mL、20~200mg/mL、20~150mg/mL、20~120mg/mL、20~100mg/mL、20mg/mL~80mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~80mg/mL、40mg/mL~100mg/mL、40mg/mL~120mg/mL、40mg/mL~150mg/mL、40mg/mL~200mg/mL、40mg/mL~250mg/mL、40mg/mL~300mg/mL、40mg/mL~350mg/mL、40mg/mL~400mg/mL、40mg/mL~450mg/mL、40mg/mL~500mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、60mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~200mg/mL、60mg/mL~250mg/mL、60mg/mL~300mg/mL、60mg/mL~350mg/mL、60mg/mL~400mg/mL、60mg/mL~450mg/mL、60mg/mL~500mg/mL、80mg/mL~100mg/mL、80mg/mL~120mg/mL、80mg/mL~150mg/mL、80mg/mL~200mg/mL、80mg/mL~250mg/mL、80mg/mL~300mg/mL、80mg/mL~350mg/mL、80mg/mL~400mg/mL、80mg/mL~450mg/mL、80mg/mL~500mg/mL、100mg/mL~120mg/mL、100mg/mL~150mg/mL、100mg/mL~200mg/mL、100mg/mL~250mg/mL、100mg/mL~300mg/mL、100mg/mL~350mg/mL、100mg/mL~400mg/mL、100mg/mL~450mg/mL、100mg/mL~500mg/mL、120mg/mL~150mg/mL、120mg/mL~200mg/mL、120mg/mL~250mg/mL、120mg/mL~300mg/mL、120mg/mL~350mg/mL、120mg/mL~400mg/mL、120mg/mL~450mg/mL、120mg/mL~500mg/mL、150mg/mL~200mg/mL、150mg/mL~250mg/mL、150mg/mL~300mg/mL、150mg/mL~350mg/mL、150mg/mL~400mg/mL、150mg/mL~450mg/mL、150mg/mL~500mg/mL、200mg/mL~250mg/mL、200mg/mL~300mg/mL、200mg/mL~350mg/mL、200mg/mL~400mg/mL、200mg/mL~450mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、250mg/mL~300mg/mL、250mg/mL~350mg/mL、250mg/mL~400mg/mL、250mg/mL~450mg/mL、250mg/mL~500mg/mL、300mg/mL~350mg/mL、300mg/mL~400mg/mL、300mg/mL~450mg/mL、300mg/mL~500mg/mL 350mg/mL~400mg/mL、350mg/mL~450mg/mL、350mg/mL~500mg/mL、400mg/mL~450mg/mL、400mg/mL~500mg/mL、mg/mL、または450mg/mL~500mg/mLのイマチニブである。
【0143】
[0155]本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、改善された放出用量効率を有することができる。本開示のエアロゾル化された液滴の放出用量(ED)は約30%より多い、例えば約40%より多い、約50%より多い、約60%より多い、または約70%より多くてもよい。肺疾患の治療のための医薬剤(例えば、イマチニブ遊離塩基、イマチニブ塩、イマチニブメシル酸塩、イマチニブ誘導体)の用量は単回の吸入中に投与され得るか、またはいくつかの吸入中に投与され得る。医薬剤の変動は医薬組成物をより頻繁に投与することにより低減され得るか、または医薬組成物をより少ない頻度で投与することにより増大され得る。したがって、本明細書に提供される医薬組成物は1日に約4回~1月に約1回、例えば1日に約1回~2週おきに約1回、2日おきに約1回~1週間に約1回、および1週間毎に約1回投与され得る。
【0144】
[0156]いくつかの場合において、肺疾患の治療のための医薬剤は2つ以上の吸入によって送達される。いくつかの場合において、2つ以上の吸入の時間は約0.1~10分である。肺疾患の治療のための医薬剤は記載された用量で60分未満、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満、7分未満、5分未満、3分未満、2分未満、または1分未満投与される。いくつかの場合において、所要の用量の肺疾患を治療するための医薬剤(例えば、イマチニブ)の送達は1、2、3、4、5、または6つの吸入で完了される。いくつかの場合において、各々の吸入は約0.5、1、1.2、1.5、1.8、2、2.2、2.5、2.8、3、3.2、3.5、3.8、4、4.2、4.5、4.8、または5分間行われる。いくつかの場合において、各々の吸入は5分より長く行われる。いくつかの場合において、各々の吸入は最大4.5分行われる。いくつかの場合において、各々の吸入は少なくとも60の吸入呼気(inhalation breath)、50の吸入呼気、40の吸入呼気、30の吸入呼気、20の吸入呼気、10の吸入呼気、8の吸入呼気、6の吸入呼気、4の吸入呼気、3の吸入呼気、2の吸入呼気または1の吸入呼気を含む。いくつかの場合において、各々の吸入は100以下の吸入呼気、90以下の吸入呼気、80以下の吸入呼気、70以下の吸入呼気、60以下の吸入呼気、50以下の吸入呼気、40以下の吸入呼気、30以下の吸入呼気、または20以下の吸入呼気を含む。いくつかの場合において、抗不整脈医薬剤の吸入は1秒、2秒、3秒、または4秒より長く続く肺による深い呼吸により行われる。いくつかの場合において、肺疾患の治療のための医薬剤の吸入は約1秒、2秒、3秒、または4秒続く肺による深い呼吸によって行われる。
【0145】
[0157]いくつかの実施形態において、肺疾患の治療のための医薬剤の吸入送達中、対象は2つの吸入の間に一息つくか、または一息つくように指示される。そのような実施形態において、2つの吸入の間の一息は約0.1~10分、例えば、0.2~5、1~5、1.5~5、2~5、3~5、4~5、1~1.5、1~2、1~2.5、1~3、1~3.5、1~4、1.5~2、1.5~2.5、または1.5~3分続く。いくつかの場合において、対象は2つの吸入の間に約1分間の一息をつくかまたは一息つくように指示される。いくつかの場合において、単回用量の送達のための吸入パターンは以下のとおりである:最初の吸入約4~4.5分間、約1分間の一息、および第2の吸入約4~4.5分間;最初の吸入約4~4.5分間、約30秒間の一息、および第2の吸入約4~4.5分間;最初の吸入約4~4.5分間、約1分間の第1の一息、および第2の吸入約4~4.5分間;約1分間の第2の一息、および第3の吸入約4~4.5分間;または最初の吸入約4~4.5分間、約30秒間の第1の一息、および第2の吸入約4~4.5分間;約30秒間の第2の一息、および第3の吸入約4~4.5分間。
【0146】
[0158]1つのバージョンにおいて、本明細書に記載される医薬組成物は毎日投与され得る。この場合、イマチニブの日々の投与量は約0.1mg~約600mg、例えば約0.5mg~約500mg、約1mg~約400mg、約2mg~約300mg、および約3mg~約200mgの範囲である。
【0147】
[0159]いくつかの場合において、本明細書に提供される治療は必要な場合に1回より多く対象に提供される。例えば、本開示は、肺疾患の症状が静まらず、最初の吸入後に生じるならば、フォローアップ吸入を含むことができる。いくつかの場合において、肺疾患の症状が最初の吸入の30分以内に静まらなければ、フォローアップ投与量は最初の投与量より高いかまたは同じである。
【0148】
[0160]別のバージョンにおいて、医薬組成物は肺疾患を発症しそうな対象に予防的に投与される。例えば、肺疾患の病歴を有する患者はイマチニブを含む医薬組成物で予防的に治療されて肺疾患を発症する可能性を低減することができる。
【0149】
[0161]医薬組成物は肺疾患を予防するのに有効ないずれかの投薬計画で患者に投与され得る。実例となる予防のための投薬計画は本明細書に記載される肺疾患を治療するための医薬剤を1週に付き1~21投与することを含む。
【0150】
[0162]肺疾患の治療のために対象に送達されるイマチニブの量(例えば、対象により吸入されるときマウスピースを出るイマチニブ遊離塩基のおよその量)は約20mg~約500mg、例えば20mg~30mg、20mg~40mg、20mg~50mg、20mg~60mg、20mg~70mg、20mg~80mg、20mg~90mg、20mg~100mg、20mg~110mg、20mg~120mg、20mg~130mg、20mg~140mg、20mg~150mg、20mg~160mg、20mg~170mg、20mg~180mg、20mg~200mg、20mg~250mg、20mg~300mg、20mg~350mg、20mg~400mg、20mg~500mg、50mg~60mg、50mg~70mg、50mg~80mg、50mg~90mg、50mg~100mg、50mg~120mg、50mg~150mg、50mg~200mg、50mg~250mg、50mg~300mg、50mg~350mg、50mg~400mg、50mg~450mg、50mg~500mg、100mg~120mg、100mg~150mg、100mg~200mg、100mg~250mg、100mg~300mg、100mg~350mg、100mg~400mg、100mg~450mg、100mg~500mg、150mg~200mg、150mg~250mg、150mg~300mg、150mg~350mg、150mg~400mg、150mg~450mg、150mg~500mg、200mg~250mg、200mg~300mg、200mg~350mg、200mg~400mg、200mg~450mg、200mg~500mg、40mg~150mg、50mg~150mg、60mg~150mg、70mg~150mg、80mg~150mg、90mg~150mg、100mg~150mg、110mg~150mg、120mg~150mg、130mg~150mg、140mg~150mg、30mg~140mg、40mg~130mg、50mg~120mg、60mg~110mg、70mg~110mg、または80mg~100mgであり得る。
【0151】
[0163]1つのバージョンにおいて、肺疾患の治療のために対象に送達されるイマチニブの量(例えば、対象により吸入されるときエアロゾル化デバイスを出るイマチニブのおよその量)は少なくとも約20mg、少なくとも約30mg、少なくとも約40mg、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mg、少なくとも約200mg、少なくとも約225mg、少なくとも約250mg、少なくとも約275mg、少なくとも約300mg、少なくとも約325mg、少なくとも約350mg、少なくとも約375mg、少なくとも約400mg、少なくとも約425mg、少なくとも約450mg、少なくとも約470mg、または少なくとも約500mgである。
【0152】
[0164]1つのバージョンにおいて、肺疾患の治療のために対象に送達されるイマチニブの量(例えば、対象により吸入されるときマウスピースを出るイマチニブのおよその量)は最大で約20mg、最大で約30mg、最大で約40mg、最大で約50mg、最大で約60mg、最大で約70mg、最大で約80mg、最大で約90mg、最大で約100mg、最大で約110mg、最大で約120mg、最大で約130mg、最大で約140mg、最大で約150mg、最大で約160mg、最大で約170mg、最大で約180mg、最大で約190mg、最大で約200mg、最大で約225mg、最大で約250mg、最大で約275mg、最大で約300mg、最大で約325mg、最大で約350mg、最大で約375mg、最大で約400mg、最大で約425mg、最大で約450mg、最大で約475mg、または最大で約500mgである。
【0153】
[0165]いくつかの場合において、肺疾患の治療のために対象に送達されるイマチニブの量(例えば、対象により吸入されるときマウスピースを出るイマチニブのおよその量)は約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、または約500mgである。
【0154】
キットおよびシステム
[0166]1つの態様において、吸入による肺疾患の治療のためのキットも本明細書に提供される。キットは1種または複数の医薬剤、例えば、イマチニブの塩、または本明細書に記載されるいくつかの追加の活性薬剤を含むことができる。いくつかの場合において、キットは医薬剤または組成物のための容器を含む。いくつかの場合において、上で述べた医薬剤の単位用量がキット内に提供される。いくつかの場合において、キットはまた医薬剤を含有するための容器(container)/容器(receptacle)も含む。
【0155】
[0167]本開示の1つまたは複数の実施形態による医薬組成物は所望であれば肺疾患の治療のための医薬剤(例えば、イマチニブ遊離塩基、イマチニブ塩)および1種または複数の追加の活性薬剤の組合せを含有してもよい。医薬組成物は投与の前にエアロゾル化され得るか、またはエアロゾルの形態でユーザーに提示され得る。
【0156】
[0168]いくつかの場合において、すべての出発物質は医学用途の基準に合致する確立された技術により殺菌される。通例、製造機器は使用前に殺菌される。医薬組成物のいくつかまたはすべての他の追加の薬学的に許容される担体もしくは賦形剤、可溶化剤、またはその他の追加の成分(例えば、シクロデキストリン、例えば、SBEβCDまたはHPβCD;例えば、酸、例えば、酢酸、塩酸、硝酸、またはクエン酸;例えば、サッカリン、例えば、サッカリンナトリウム、例えば、脂質または脂肪酸、例えば、共溶媒)は適切な容器に加えることができる。
【0157】
[0169]いくつかの場合において、キットは本明細書に記載される医薬組成物を含有するための別々の容器(container)/容器(receptacle)を含む。いくつかの他の場合において、キットは医薬組成物を含有するための単一の容器を含む。キットはさらにキットを使用する方法の説明書を含むことができる。説明書はデータシート、マニュアル、1枚の紙の形態で提示され、キットの1つもしくは複数の容器またはデバイスに印刷され得る。あるいは、説明書は電子的形態で提供され、例えばディスクで利用できるか、またはキットから利用できるウェブリンクとオンラインであり得る。キットの使用のための説明書は、あらゆる適用可能な」症状、例えば肺疾患を治療するための医薬組成物およびエアロゾル化デバイス(例えば、ネブライザー)の使用のための説明書を含むことができる。キットの使用のための説明書は肺疾患を治療するために医薬組成物およびエアロゾル化デバイス(例えば、ネブライザー)の使用のための説明書を含むことができる。いくつかの場合において、キットはノーズクリップを含む。ノーズクリップは吸入中対象の鼻を通る空気の通過を妨げ、ネブライザーから出たエアロゾルの全吸入体積の割合を増大させるために使用され得る。
【0158】
[0170]医薬組成物の単位用量を容器に入れることができる。容器はエアロゾル化デバイスに挿入され得る。容器は医薬組成物を含有し、医薬組成物を使用可能な状態で提供するために適切な形状、大きさ、および材料であり得る。例えば、容器は医薬組成物と有害な反応を起こさない材料を含む壁を含むことができる。加えて、壁はカプセルが開かれて医薬組成物がエアロゾル化されるのを可能にする材料を含むことができる。
【0159】
[0171]いくつかの場合において、容器内の医薬組成物は低下した温度(例えば、2~8℃)で延長された期間安定であり、医薬組成物の安定性を延ばし得る。
用語論
[0172]本明細書で使用される場合、単数形態「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は文脈が明らかに他を指示しない限り複数の指示対象を含むことができる。したがって、例えば、「肺疾患の治療のための医薬剤」への言及は単一の活性薬剤だけでなく2つ以上の異なる活性薬剤の組合せまたは混合物も含むことができる。
【0160】
[0173]本明細書で「一実施形態」、「1つのバージョン」、または「1つの態様」への言及は文脈から他が明らかでない限り1つもしくは複数のかかる実施形態、バージョンまたは態様を含むことができる。
【0161】
[0174]本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される溶媒和物」とは、医薬剤の生物学的な活性および/または特性の1つもしくは複数を保持し、生物学的またはその他望ましくないことのない溶媒和物を意味することができる。薬学的に許容される溶媒和物の例には、限定されることはないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、またはこれらの組合せと組み合わせた肺疾患の治療のための医薬剤が含まれる。
【0162】
[0175]本明細書で使用される場合、用語「塩」は用語「薬学的に許容される塩」と等価であり、遊離の酸および塩基の生物学的な活性および特性の1つまたは複数を保持し、生物学的またはその他望ましくないことのない塩を意味することができる。薬学的に許容される塩の実例には、限定されることはないが、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩(phenyipropionate)、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、およびマンデル酸塩が含まれる。
【0163】
[0176]参照数値に関して用語「約」はその値からプラスマイナス10%の範囲の値を含むことができる。例えば、量「約10」は9、10、および11の参照数を含む9~11の量を含む。参照数値に関して用語「約」はまたその値からプラスマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の範囲の値も含むことができる。
【0164】
[0177]本明細書で使用される場合、用語「治療すること」および「治療」は重症度および/または症状の頻度の低減、症状および/または根本原因の排除、症状および/または根本原因の発生の可能性の低下、および/または損傷の改善を意味することができる。したがって、本明細書に提供される活性薬剤で患者を「治療すること」とは感受性の個体における特定の状態、疾患、または障害の予防ならびに臨床的に症状のある個体の治療を含むことができる。
【0165】
[0178]本明細書で使用される場合、「名目(nominal)量」とは投与される単位用量容器内に含有される量を意味することができる。
[0179]本明細書で使用される場合、「有効量」とは治療有効量および予防的に有効な量の両方を網羅する量を意味することができる。
【0166】
[0180]本明細書で使用される場合、活性薬剤の「治療有効量」とは、所望の治療結果を達成するのに有効な量を意味することができる。所与の活性薬剤の治療有効量は治療される障害または疾患の種類および重症度ならびに患者の年齢、性別、および体重のような要因に対して変化することができる。いくつかの場合において、「吸入」(例えば、「経口吸入」または「経鼻吸入」)は、いくつかの例において1、2、3、4、5、6、7、8、9、またはそれ以上の呼気のような1つまたは複数の呼気を必要とする可能性がある1つの単位用量容器に含有される医薬剤の治療有効量の吸入送達を意味する。例えば、有効量が90mgであり、各々の単位用量容器が30mgを含有するならば、有効量の送達は3回の吸入を必要とすることができる。
【0167】
[0181]他に断らない限り、用語「治療有効量」は「予防的に有効な量」、例えば、感受性の個体において特定の状態、疾患、または障害の発生または再発を予防するのに有効な活性薬剤の量を含むことができる。
【0168】
[0182]本明細書で使用される場合、語句「最小有効量」は有効量を達成するのに必要な医薬剤の最小量を意味することができる。
[0183]本明細書で使用される場合、「質量中央直径」または「MMD」は、通例、例えばある範囲の液滴サイズからなる多分散系の液滴集団の複数の液滴のメジアン直径を意味することができる。
【0169】
[0184]本明細書で使用される場合、「粒子」はエアロゾル化された医薬組成物の「液滴」を意味することができる。
[0185]本明細書で使用される場合、「幾何学的直径」は、文脈から他が示されない限り顕微鏡検査により決定される単一の液滴の直径を意味することができる。
【0170】
[0186]本明細書で使用される場合、「空気動力学的中央粒子径」または「MMAD」は、通例多分散系の集団の、複数の液滴または液滴(a plurality of droplets or droplets)のメジアン空気力学的サイズを意味することができる。「空気動力学的直径」は、一般に空気中で粉末として同一の沈下速度を有する単位密度球の直径であり得、したがってエアロゾル化された粉末または他の分散された液滴もしくは液滴製剤をその沈下挙動の点から特徴付けるのに有用な手段である。空気動力学的直径は液滴または液滴形状、密度、および液滴の物理的なサイズまたは液滴を含む。本明細書で使用される場合、MMADは文脈から他が示されない限りカスケードインパクションにより決定されるエアロゾル化された液滴の空気力学的液滴または液滴サイズ分布のメジアンを意味する。
【0171】
[0187]「薬学的に許容される」成分とは、生物学的またはその他望ましくないことがない成分を意味し、例えば、成分は本開示の医薬組成物に組み込まれ得、いかなる有意な望ましくない生物学的作用を引き起こしたり、または含有される製剤のあらゆる他の成分と有害なように相互作用したりすることなく本明細書に記載される患者に投与され得る。用語「薬学的に許容される」が賦形剤に対して使用される場合、その成分は毒物および製造試験の所望の基準に合致するか、または米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)により作製されたInactive Ingredient Guideに含まれることを含意することができる。
【0172】
[0188]本明細書で使用される場合、「活性ネブライザー」または「ネブライザー」は、リザーバーまたは単位用量形態でデバイス内に含有される医薬組成物を分散させ、エアロゾル化するのに専ら患者の吸気努力だけに頼らない吸入デバイスを指し、加圧されたガスおよび振動または回転エレメントのような、薬物組成物を分散させ、エアロゾル化するためにエネルギーを提供するための手段を含む吸入器デバイスを含む。
【0173】
[0189]本明細書で使用される場合「室温」とは18℃~25℃の温度を意味することができる。
【実施例】
【0174】
[0190]以下の実施例は本開示のいくつかの実施形態をさらに例示するために提供されるが、本開示の範囲を制限することは意図されてない;その例示という性質により当業者に公知の他の手順、方法論、または技術が代わりに使用され得ると理解される。
【0175】
実施例1:溶液中の製剤の感覚刺激試験。
[0191]この実施例は液体溶液中のイマチニブのある特定の例示的な製剤の感覚刺激特性を例示する。
【0176】
[0192]1つの実験において、本開示のいくつかの実施形態によるイマチニブの例示的な製剤を表1に示すように調製し、ボランティアの対象により最小の体積で彼らの感覚刺激特性について試験した。
【0177】
[0193]例示的な製剤を調製するために、イマチニブメシル酸塩またはイマチニブ遊離塩基を、無菌の水または指定した賦形剤(例えば、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、塩化ナトリウム、ラクトース一水和物、ホスフェート(phosphate)、無水デキストロース、またはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)を含有する無菌の水溶液に直接溶解した。得られた溶液のpHを測定し、必要なときには水を加えて最終溶液を作製した。各々の溶液を0.22μmフィルターに通してろ過し、最終溶液のオスモル濃度を測定し、決定した。
【0178】
[0194]4人の個体に、最小体積(<1.5mL)の1つまたは複数の例示的な製剤の深い肺吸入を1~2分間隔で行なうように指示した。各個体に、吸入した溶液の味を記載し、もしあればその咳反射、および吸入中吸入後の両方で喉および口での溶液の感覚を記録するように依頼した。表2は個体によってなされた観察の概要である。試験した製剤のうち、イマチニブメシル酸塩で作った製剤の殆どが試験した個体の咳反射を誘発し、刺激性であると報告されたことが判明した。いくつかの場合において、試験者は激しい咳反射または刺激のために吸入を完了することができなかった。対照的に、イマチニブ遊離塩基で作った例示的な製剤13は咳反射を誘発しなかったか、または非常に少しだけ咳もしくは口に刺激の感覚を誘発した。
【0179】
実施例2:例示的なイマチニブ製剤
[0195]表3は本開示のある特定の実施形態による様々な溶解性増進剤を有する例示的なイマチニブ製剤のリストである。
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
実施例3:ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HPβCD)を用いた溶解性研究
[0196]この実施例は液体溶液中イマチニブ遊離塩基のある特定の製剤の溶解特性を例示する。
【0232】
[0197]イマチニブ遊離塩基は4~8の生理的に関連するpH範囲で水に対する可溶性が不十分であった(
図1)。
図1はイマチニブ遊離塩基の最大濃度(mg/mL)をpHの関数として示す。
図1に見られるように、より低いpHはイマチニブ遊離塩基の溶解性を改善した。pH3で、イマチニブ遊離塩基の濃度はおよそ0.30mg/mLであった。pH6で、イマチニブ遊離塩基の濃度は<0.01mg/mLであった。
【0233】
実施例4:HPβCDおよびpHを用いた溶解性研究
[0198]この実施例は液体溶液中のイマチニブ遊離塩基のある特定の製剤の溶解特性を例示する。
【0234】
[0199]
図2は5および7.5のpHでのイマチニブ遊離塩基の最大濃度をパーセントHPβCDの関数として示す。イマチニブ遊離塩基の改善された溶解性が7.5のpHで示された。45%HPβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の量は8.7mg/mLであった。HPβCDの添加は溶解性を改善し、例えば、イマチニブ遊離塩基の最大濃度は、それぞれ、0%HPβCDでの<0.01mg/mLから45%HPβCDでの8.7mg/mLに増大した。pH5および約5%のHPβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度はおよそ2mg/mLであった。pH5および25~30%のHPβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は9.5mg/mLであった。pHが低下すると、試験したすべての濃度でイマチニブ遊離塩基の溶解性が改善された。pHが7.5から5.0に低下するとHPβCDで2.5~5.8mg/mLの濃度増大が提供された。観察された最大のイマチニブ遊離塩基濃度は9.5mg/mLであった。
【0235】
実施例5:HPβCDまたはスルホブチルエーテルβシクロデキストリン(SBEβCD)およびpHを用いた溶解性研究
[0200]この実施例は液体溶液中のイマチニブ遊離塩基のある特定の例示的な製剤の溶解特性を例示する。
【0236】
[0201]
図3Aはイマチニブ遊離塩基の最大濃度を異なるpHレベルでパーセントシクロデキストリン(HPβCDまたはスルホブチルエーテルβシクロデキストリン(SBEβCD))の関数として示す。溶液中のイマチニブ遊離塩基の溶解性およびHPβCDの濃度(w/v)間の関連をpH5および7.5で試験した。溶液中のイマチニブ遊離塩基の溶解性およびSBEβCDの濃度(w/v)間の関連をpH5で試験した。pH5および約5%のHPβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の最大濃度はおよそ2mg/mLであった。pH5および25~30%間のHPβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は9.5mg/mLであった。pH5および10%のSBEβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は約70mg/mLであった。結果は、pH5の水中の0.02mg/mLであったイマチニブ遊離塩基と比較して約3500倍の溶解性増大を示した。データは、pH5での4.4mg/mLであった10%HPβCD(w/v)と比較して約16倍の溶解性増大を示した。溶液中の(イマチニブ/SBEβCD)のモル比は3.1であった。pH5および20%SBEβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は約160mg/mLであった。結果は、pH5の水中のイマチニブ遊離塩基と比較して少なくとも約8000倍の溶解性増大を示した。データは、6.8mg/mLであったpH5での20%HPβCD(w/v)と比較して約25倍の溶解性増大を示した。溶液中の(イマチニブ/SBEβCD)のモル比は3.5であった。
【0237】
[0202]さらに、pH5および25%SBEβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は約200mg/mLであった。pH5および30%SBEβCD(w/v)で、溶解したイマチニブ遊離塩基の濃度は約225mg/mLであった。
【0238】
[0203]
図3Bは異なるpH条件での例示的なイマチニブ溶液および懸濁液の写真を示す。約30mg/mLのイマチニブ遊離塩基を3つの異なるビヒクル(3つの異なるpHレベル:7、5、および3に調節した50mMリン酸緩衝液中30%SBEβCD)と混合した。写真により示されるように、pH=7で、白色の懸濁液が得られ、pH5およびpH3では透明な溶液が得られた。このデータは、SBEβCDを含有する水性溶液中のイマチニブ遊離塩基の溶解性がpH依存性である可能性があることを示し、例えば、SBEβCD水性溶液のpHが低いほど、溶液中のイマチニブ遊離塩基の溶解性は高くなる。
【0239】
実施例6:SBEβCDおよび水での希釈を用いた溶解性研究
[0204]この実施例は水での希釈の、シクロデキストリンベースの製剤中のイマチニブ遊離塩基の溶解性に対する効果を例示する。
【0240】
[0205]1つの実験において、水での希釈の際の例示的なイマチニブ遊離塩基製剤中のイマチニブ遊離塩基の溶解性を調べた。簡単にいうと、例示的なイマチニブ遊離塩基溶液(50mg/mLイマチニブ遊離塩基、10%SBEβCD、pH5.1)を注射用水(WFI)中40倍に希釈した。希釈の際、イマチニブは沈殿した。希釈後の最終懸濁液のpHは5.4と測定された。イマチニブはpH5.4ではまだ主にプロトン付加されているので、観察されたイマチニブの沈殿はpH-依存性の効果ではない可能性がある。
【0241】
[0206]別の実験において、別の例示的なイマチニブ溶液(100mg/mLイマチニブ遊離塩基、15%w/v SBEβCD、50mMリン酸緩衝液、pH5.0)を水で20倍に希釈した。希釈の際、イマチニブはまた沈殿した。得られた懸濁液は以下の実施例9に示されるラット薬物動態研究の気管内(IT)アーム(arm)で使用された。
【0242】
実施例7:SBEβCDおよび希釈を用いた溶解性研究
[0207]この実施例はpHを一定に保った希釈の、シクロデキストリンベースの製剤中のイマチニブ遊離塩基の溶解性に対する効果を調べる。
【0243】
[0208]1つの実験において、pHを一定に保って希釈する際の例示なイマチニブ遊離塩基製剤中のイマチニブ遊離塩基の溶解性を試験する。簡単にいうと、様々な例示的なイマチニブ遊離塩基溶液(体積100mL、飽和イマチニブ遊離塩基、異なるSBEβCD濃度、pH5)の各々をリン酸緩衝液(50mM、pH5)で希釈して最終SBEβCD濃度1.5%(w/v)の製剤とする。イマチニブ遊離塩基のSBEβCD溶液中の溶解性は、実施例5および
図3Aで示された測定に基づいて、pHが一定であるにも関わらず希釈の際に低下すると予測される。表4は1.5%(w/v)の最終SBEβCD濃度を得る希釈の際の各々の溶液中のイマチニブ遊離塩基の予測される沈殿を要約する。
【0244】
【0245】
実施例8:スルホブチルエーテルβシクロデキストリン(SBEβCD)ベースの製剤の味覚試験
[0209]この実施例は液体溶液中のイマチニブ遊離塩基のある特定の例示的な製剤の感覚刺激特性を例示する。
【0246】
[0210]次の2つの製剤を吸入する試験者5(T5)を試験した:
a.40mg/mLイマチニブ、10%w/v SBEBCD、50mMリン酸緩衝液(pH5)
b.80mg/mLイマチニブ、20%w/v SBEBCD、50mMリン酸緩衝液(pH5)。
【0247】
[0211]T5は2つの製剤の各々を約2分吸入(連続吸入)した後、咳をしなかった。T5は咳、咳をしたいとの願望、または喉の刺激を全く経験しなかった。
[0212]T5はSBEβCDを用いたイマチニブ遊離塩基製剤は咳(有害反応)を生じなかったと述べた。同じ試験者T5はまたイマチニブメシル酸塩製剤も味をみ、イマチニブメシル酸塩製剤を吸入したとき激しく咳をした。
【0248】
実施例9:ラットにおける例示な製剤の試験
[0213]この実施例は、それぞれ、静脈内(IV)および気管内(IT)投与後のラットにおける例示的なイマチニブ遊離塩基/シクロデキストリン製剤(「イマチニブ遊離塩基」)およびイマチニブメシル酸塩製剤(「イマチニブメシル酸塩」)の薬物動態を例示し、比較する。
【0249】
[0214]ITラット投薬に適合性のイマチニブ遊離塩基の濃度は5mg/mLであることが判明した。しかしながら、例示なイマチニブ遊離塩基製剤(100mg/mLイマチニブ遊離塩基、15%w/vスルホブチルエーテルβシクロデキストリン(SBEβCD)、50mMリン酸緩衝液、pH5.0)は希釈の際に沈殿したことが観察され、したがって100mg/mLイマチニブ遊離塩基製剤は投薬直前に水で20倍に希釈し、5mg/mL懸濁液としてIT投与した。6mg/mLイマチニブメシル酸塩(5mg/mLイマチニブ遊離塩基と等価)溶液製剤は研究のIVアームで比較基準として使用した。いずれの群も1mg/kg用量のイマチニブ遊離塩基と等価な単回用量を受けた。各群4匹の動物をサンプル収集のために投与後6つの時点1~3、5、10、20、30、または60分で安楽死させた。肺組織および血液を分析のために採取した。
【0250】
[0215]すべての動物はその予定された剖検まで生存した。研究中異常な臨床観察は認められなかった。研究中被験物質に関連した体重変化は観察されなかった。全般的に、動物剖検結果に著しく目立ったものはなかった。
【0251】
[0216]材料および方法
【0252】
【0253】
【0254】
[0217]試験系:72匹の雄、8週齢のSprague Dawleyラット(Charles River Laboratories)を研究に使用した。研究開始時の体重範囲245.8~317gであった。
【0255】
[0218]実験計画および実行:簡単にいうと、動物を研究に移行した後、以下の研究計画に従ってすべての動物をランダムに治療群に割り当てた。動物を試験物質の製剤R1の静脈内(IV)投与、または製剤R2の気管内(IT)投与で処理した。各群4匹の動物を表7に概要を示すように投与後6つの時点でサンプル収集のために安楽死させた。
【0256】
【0257】
[0219]薬物動態
[0220]血漿および肺濃度対時間データを、JMPバージョン15.2.0を使用して解析した。各々の時点の平均が最小2匹の動物を有する群/時点に対して報告される。JMPバージョン15.2.0の非線形モデルフィットプラットフォームを用いる2コンパートメントIVボーラス投薬モデルフィットを使用して次のPKパラメーターを推定した:最大の観察濃度(Cmax)、Cmaxが観察される時間(Tmax)およびゼロから最後に測定された濃度までの血漿濃度対時間曲線下面積(AUC60min)。AUC60minは台形積分法を使用してモデル曲線から計算した。結果を下記表8に示す。
【0258】
【0259】
[0221]表8の治療利点(Rd)は次の式を使用して計算した:
【0260】
【0261】
[0222]IVデータは、イマチニブの高いLogP(脂溶性)、イマチニブの分布の観察された体積(身体内のイマチニブの量対イマチニブの血漿濃度の比として計算される)、および肺に対する心拍出量に基づいて、サンプル収集期間は肺に優先的に蓄積する物質の分布相を示すことを示唆する。この観察はイマチニブの肺への直接投与が経口またはIV経路による全身性送達と比較して改善された安全性を提供することができるということを示す。イマチニブは肺組織に優先的に蓄積するので吸入により肺への直接送達は全身曝露を最小限に抑えることができる。特に、イマチニブ遊離塩基/シクロデキストリン製剤のIT投与によるイマチニブの肺への直接送達はイマチニブメシル酸塩製剤のIV投与と比較して4倍の治療利点を示す(Rd=4)。この治療利点はまた、イマチニブ遊離塩基/シクロデキストリン製剤のIT投与またはイマチニブメシル酸塩製剤のIV投与後の肺対血漿のイマチニブの濃度を経時的に要約するプロットを示す
図4A~4Fにも見ることができる。
【0262】
[0223]本開示の好ましい実施形態が本明細書に示され記載されて来たが、当業者には自明であるようにかかる実施形態は単に例としてのみ提供される。多くの変形、変化、および置換が本開示から逸脱することなく当業者には想到される。本開示の実施形態の様々な代替手段が本開示を実施する際に用いられ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本開示の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにその均等物はそれにより包含されることが意図される。
【国際調査報告】