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特表2024-503003車椅子に固定可能な採尿システム及び関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】車椅子に固定可能な採尿システム及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20240117BHJP
   A61F 5/453 20060101ALI20240117BHJP
   A61F 5/455 20060101ALI20240117BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61F5/44 S
A61F5/453
A61F5/455
A61G5/10 704
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541290
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022011419
(87)【国際公開番号】W WO2022150462
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/134,632
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ヂィーフゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ロスバーグ マシュー ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】コンプトン クレイトン ルイス
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC37
4C098CC38
4C098CC40
4C098CD05
(57)【要約】
例は、携帯式採尿システム、使用方法及び組み立て方法に関する。携帯式採尿システム(10)は、ユーザの尿道に少なくとも近接して配置されるように構成された採尿デバイス(12)、採尿デバイスと流体連通する導管(17)、内部領域を有する採尿容器(14)、採尿容器に固定され、尿を採尿デバイスから導管に通して採尿容器の中へ促すように構成されたポンプ(16)、及び、容器に固定され、採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されたセンサを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯式採尿システムであって、
ユーザの尿道に少なくとも近接して配置されるように構成された採尿デバイス、
前記採尿デバイスと流体連通する導管、
内部領域を有する採尿容器、
前記採尿容器に固定され、又は固定可能であり、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の中へ促すように構成されたポンプ、及び、
前記容器に固定され、又は固定可能であり、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されたセンサ、
を備える、携帯式採尿システム。
【請求項2】
前記ポンプに動作可能に結合されるバッテリを更に備える、請求項1に記載の携帯式採尿システム。
【請求項3】
前記ポンプは蠕動ポンプ又はマイクロポンプを含む、請求項1又は2に記載の携帯式採尿システム。
【請求項4】
前記ポンプは、前記採尿容器に、前記導管と前記採尿容器との間で固定され、又は固定可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項5】
前記採尿容器上にあり疎水性フィルタを有する排気口を更に備え、前記疎水性フィルタが、前記採尿容器からの空気が前記排気口を通って出ることを可能にし、かつ前記採尿容器内の尿が前記排気口を通って出ることを阻止するように構成される、請求項4に記載の携帯式採尿システム。
【請求項6】
前記ポンプは前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記導管は前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器を少なくとも部分真空にすることで、前記導管を少なくとも部分真空にして、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の前記内部領域へ引くのを効果的にするよう構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項7】
前記採尿容器は略長方形であり、上面と、前記上面から突出するネックとを含み、前記バッテリ及び前記ポンプは、前記採尿容器の前記上面に配置されるか、又は配置可能である、請求項2~6のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項8】
前記採尿容器、前記バッテリ、及び前記ポンプは、一緒に略長方形の輪郭を形成する、請求項7に記載の携帯式採尿システム。
【請求項9】
前記略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cmの高さと、約15.2cm~約45.7cmの幅を有し、前記採尿容器は、約2.5cm~約15.2cmの深さを有する、請求項8に記載の携帯式採尿システム。
【請求項10】
前記排気口は、前記採尿容器の前記ネック上に配置されるか、配置可能である、請求項5及び7~9のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項11】
前記センサは、前記採尿容器の前記上面と前記ネックの間、又はそれらの交点に近接して配置されるか、配置可能である、請求項7~10のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項12】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、前記センサと通信し、前記センサによって検出された尿の前記量に少なくとも関連する前記特性が、前記採尿容器中の尿の前記量が所定の量に達したか又は超過したことを示す場合に、電子デバイスにアラートを無線送信するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項13】
前記センサは、尿が前記センサに接触するのを検出するように構成された濡れセンサ又は水センサを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項14】
前記センサは超音波センサを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項15】
前記容器及び前記ポンプは、車椅子に固定されたポーチ内に収まるサイズ及び寸法である、請求項1~14のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項16】
携帯式採尿システムを組み立てる方法であって、
ポンプとバッテリが固定された採尿容器を車椅子のポーチ内に配置し、
採尿デバイスをユーザの尿道に少なくとも近接して配置し、
前記採尿デバイスを前記採尿容器に、導管を用いて流体結合し、前記ポンプが尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の中へ促すように位置決めされた状態にあること、
を含む、方法。
【請求項17】
前記容器内のセンサをユーザ又は介護者の電子デバイスに無線接続することを更に含み、ここで前記センサは、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出し、前記採尿容器内の尿の前記量が所定のレベルに達したときに前記ユーザ又は前記介護者の前記電子デバイスに通知を送信するように構成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記導管を前記採尿容器に固定して、前記採尿デバイスと前記採尿容器を前記導管に少なくとも部分的に流体結合するのを効果的にすることを更に含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
携帯式採尿システムであって、
内部領域、上面、及び前記上面から突出するネックを有する略長方形の採尿容器、
ポンプであって、前記採尿容器の前記上面に取り付けられるか取り付け可能であり、尿を、採尿デバイスから導管に通して前記採尿容器の中へ引き込む、及び/又は押し出すように構成されるポンプ、
バッテリであって、前記採尿容器の前記上面に取り付けられるか取り付け可能であり、前記ポンプに動作可能に結合され、ここで前記採尿容器、前記バッテリ、及び前記ポンプは、一緒に略長方形の輪郭を形成し、それは車椅子のポーチ内に収まるようなサイズ及び寸法であるバッテリ、及び、
センサであって、前記容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されるセンサ、
を備える、携帯式採尿システム。
【請求項20】
前記ポンプは蠕動ポンプ又はマイクロポンプを含む、請求項19に記載の携帯式採尿システム。
【請求項21】
前記採尿容器上にあり疎水性フィルタを有する排気口を更に備え、前記疎水性フィルタが、前記採尿容器からの空気が前記排気口を通って出ることを可能にし、かつ前記採尿容器内の尿が前記排気口を通って出ることを阻止するように構成される、請求項19又は20に記載の携帯式採尿システム。
【請求項22】
前記排気口は、前記採尿容器の前記ネック上に配置されるか配置可能である、請求項21に記載の携帯式採尿システム。
【請求項23】
前記ポンプは前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記導管は前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器を少なくとも部分真空にすることで、前記採尿容器の前記内部領域と流体連通する前記導管を少なくとも部分真空にし、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の前記内部領域へ引くのを効果的にするよう構成される、請求項19~22のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項24】
前記略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cmの高さと、約15.2cm~約45.7cmの幅を有し、前記採尿容器は、約2.5cm~約15.2cmの深さを有する、請求項19~23のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項25】
前記センサは、前記採尿容器の前記上面と前記ネックの間、又はそれらの交点に近接して配置されるか、配置可能である、請求項19~24のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項26】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、前記センサと通信し、前記センサによって検出された尿の前記量に少なくとも関連する前記特性が、前記採尿容器中の尿の前記量が所定の量に達したか、又は超過したことを示す場合に、電子デバイスにアラートを無線送信するように構成される、請求項19~25のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項27】
前記センサは、前記尿が前記センサに接触するのを検出するように構成された濡れセンサ又は水センサを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項28】
前記センサは超音波センサを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月7日に出願された米国仮特許出願第63/134,632号に対する優先権を主張し、その開示はその全体が、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
個人は、可動性が限られているか、又は損なわれている場合があり、そのため、通常の排尿プロセスが困難であるか、又は不可能である。例えば、個人は、可動性を損なう外科術を受けたか、又は障害を有している場合がある。別の例では、個人は、パイロット、運転手、及び危険区域での労働者が経験するような制限された移動条件を有する場合がある。更に、個人からの流体収集が、モニタリング目的又は臨床試験のために必要になる可能性もある。
【0003】
ベッドパン及び尿道カテーテル、例えばフォーリカテーテルを使用して、このような状況のいくつかに対処し得る。しかし、ベッドパン及び尿道カテーテルには、それに関連するいくつかの問題がある。例えば、ベッドパンは、不快、溢れ、及びその他の衛生上の問題を生じやすい可能性がある。尿道カテーテルは、不快、痛みを伴う場合があり、また尿路感染症を引き起こす可能性がある。従来の採尿デバイスはまた、患者が仰臥位でベッドに拘束されている場合の使用に限定される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/225668号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1872752号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/066825号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2389908号明細書
【特許文献5】国際公開第2019/212949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、流体収集デバイスのユーザ及び製造業者は、採尿するための新規かつ改良されたデバイス、システム、及び方法を求め続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集デバイス及び流体収集デバイスの使用方法に関する。一実施形態では、携帯式採尿システムが開示される。携帯式採尿システムは、ユーザの尿道に少なくとも近接して配置されるように構成された採尿デバイス、採尿デバイスと流体連通する導管、内部領域を有する採尿容器、採尿容器に固定され、尿を採尿デバイスから導管に通して採尿容器の中へ促すように構成されたポンプ、及び、容器に固定され、採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されたセンサを含む。
【0007】
一実施形態では、携帯式採尿システムを組み立てる方法が開示される。方法は、ポンプとバッテリが固定された採尿容器を車椅子のポーチ内に配置することを含む。方法はまた、採尿デバイスをユーザの尿道に近接して配置することを含む。この方法はまた、採尿デバイスを採尿容器に導管を用いて流体結合し、ポンプが尿を採尿デバイスから導管に通して採尿容器の中へ促すように位置決めされている、ことを含む。
【0008】
一実施形態では、携帯式採尿システムは、採尿容器、ポンプ、バッテリ、及びセンサを含む。採尿容器は、略長方形の採尿容器であり、内部領域、上面、及び上面から突出するネックを有する。ポンプは、採尿容器の上面に取り付けられ、尿を採尿デバイスから導管に通して採尿容器の中へ促すように構成される。バッテリは、採尿容器の上面に取り付けられ、ポンプに動作可能に結合される。採尿容器、バッテリ、及びポンプは、一緒に略長方形の輪郭を形成し、それは車椅子のポーチ内に収まるようなサイズ及び寸法である。センサは、容器に固定され、採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成される。
【0009】
開示された任意の実施形態からの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用され得る。更に、本開示の別の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を考慮することによって当業者には明らかになるであろう。
【0010】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、同一の参照番号は、図面に示される異なる図又は実施形態における同一、又は同様の要素又は特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による、携帯式採尿システムのブロック図である。
図2A】一実施形態による、車椅子に固定された携帯式採尿システムの後部等角図である。
図2B】一実施形態による、車椅子なしの図2Aの携帯式採尿システムである。
図3】一実施形態による、携帯式採尿システムである。
図4】一実施形態による、携帯式採尿システムを組み立てる方法の流れ図である。
図5】一実施形態による、採尿システムのコントローラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示される実施形態は、流体収集デバイス及びその使用方法に関する。本明細書に開示されるデバイス及びシステムは、個人から流体を収集するように構成される。流体収集デバイスによって集められる流体は、尿、膣分泌物、陰茎分泌物、生殖液、血液、汗、又は他の体液のうちの少なくとも1つを含み得る。本明細書に開示される実施形態は、車椅子に取り付け可能な採尿システム及び関連する方法に関する。採尿デバイスのユーザの多くは、65歳以上で可動性が制限されており、車椅子を主な移動手段として頼っている場合が多い。また、多くのユーザは、1日のかなりの時間を座位又は仰臥位で過ごしている。したがって、ユーザと介護者は、分離及び移動式の両方であり得る採尿システムの恩恵を受け、ユーザは採尿システムを使用して、自宅でも外出先でも採尿することができる。
【0013】
本明細書に記載される実施形態の少なくとも1つ、一部、又はすべてにおいて、採尿システムの構成はコンパクトであり、採尿システムを選択的かつ迅速に車椅子に固定又は取り付けることができるという技術的効果をもたらす。本明細書に記載の採尿システムの実施形態は、移動可能で目立たず、その結果、他人にユーザの失禁を知らせることなく、ユーザが社会活動に参加できるという技術的効果をもたらす。多くの実施形態では、採尿システムは更に、アラートシステムを含み、それは電子デバイスと通信してユーザ又は介護者に、尿レベルが所定のレベルに近づいたときに採尿容器を空にすること、バッテリを交換又は充電すること、及び/又は採尿システム内のポンプの真空又は吸引レベルを調整することを警告する。
【0014】
図1は、一実施形態による流体収集システム10のブロック図である。流体収集システム10は、本明細書に記載される流体収集システムの実施形態に含まれてもよい。システム10は、流体(例えば、尿)収集デバイス12(例えば、本明細書に開示される流体収集アセンブリのいずれか)、採尿容器14、及び携帯式ポンプ16を含む。流体収集デバイス10、採尿容器14、及びポンプ16は、1本以上の導管17を介して互いに流体結合され得る。例えば、流体収集デバイス10は、採尿容器14又はポンプ16のうちの1つ以上に導管17を介して動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ポンプ16は採尿容器14に直接固定されてもよい。流体収集デバイス10内に集められた流体(例えば、尿又は他の体液)は、流体収集デバイス10から、流体収集デバイス12に固定された導管17を介して除去され得る。吸引力は、導管17の入口を介して流体収集デバイス12のチャンバの中に、導管17の出口に加えられる吸引(例えば、真空)力に応答して導入され得る。
【0015】
吸引力は、導管17の出口にポンプ16によって直接的又は間接的に印加され得る。吸引力は、採尿容器14を介して間接的に印加されてもよい。例えば、導管17の出口は、採尿容器14の内部領域内に配置されるか、又は内部領域に流体結合されてもよく、追加の導管17が採尿容器14からポンプ16まで延在してもよい。したがって、ポンプ16は、流体収集デバイス12に採尿容器14を介して吸引を印加し得る。吸引力はポンプ16を介して直接的に印加されてもよい。例えば、導管17の出口はポンプ16内に配置されてもよい。追加の導管17は、ポンプ16から流体収集デバイス12の外側のポイント、例えば採尿容器14まで延在してもよい。このような例では、ポンプ16は、流体収集デバイス12と採尿容器14との間に配置され得る。
【0016】
採尿容器14は、その中に流体を保持するようなサイズと形状である。採尿容器14は、バッグ(例えば、排液バッグ)、ボトル若しくはカップ(例えば、収集ジャー)、又は尿などの体液(複数可)を貯蔵するための他の密閉容器を含み得る。いくつかの例では、導管17は、流体収集デバイス12から延在し、その中の第1のポイントで採尿容器14に取り付けられてもよい。追加の導管17は、採尿容器14に第2のポイントで取り付けられてもよく、また延長してポンプ16に取り付けられてもよい。したがって、少なくとも部分真空(例えば、吸引)は、採尿容器14を介して流体収集デバイス12を通して引かれ得る。尿などの流体は、流体収集デバイス12からポンプ16を用いて排出され得る。
【0017】
ポンプ16は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、置換ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、又は真空を生成するように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含み得る。ポンプ16は、真空又は吸引を供給して、流体収集デバイス12から流体を除去し得る。いくつかの例では、ポンプ16は、1本以上の電源コード(例えば、電源ソケットに接続された)、1つ以上のバッテリ、又は更には手動電源(例えば、手動真空ポンプ)によって給電され得る。いくつかの例では、ポンプ16は、流体収集デバイス12の外側、上、又は内部に適合するようなサイズと形状にされ得る。例えば、ポンプ16は、1つ以上の小型ポンプ又は1つ以上のマイクロポンプを含み得る。本明細書に開示される真空源は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、又はポンプ16を作動させるのに適した任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含み得る。
【0018】
本明細書に記載される採尿システムの実施形態の少なくとも1つ、一部、又はすべては、採尿システムを車椅子に選択的に固定式又は取り付け式にすることが可能な技術的効果をもたらす構成を含む。図2Aに戻ると、採尿システム200は、車椅子250に固定又は取り付けられて示される。車椅子250は、多数の異なる従来の車椅子のいずれかを含み得て、背もたれ252、2つのハンドル254、及び2つのアーム256を含み得る。いくつかの実施形態では、車椅子250は、ポーチ202を車椅子250の背もたれ252に含み得て、採尿システム200の貯蔵システム210を支持し得る。ポーチ202は、車椅子250の背もたれ252に確実に又は取り外し式に固定され得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、採尿システム200は、ポーチ202に加えて、又はその代わりに容器支持体を含み得て、容器支持体は、車椅子250に取り外し可能に固定、取り付け、又は吊り下げて、採尿システム200の貯蔵システム210を支持するように構成される。例えば、容器支持体は、パック又はバッグを含んでもよく、それは車椅子250の1つ以上のハンドル254から吊り下げるか、又はそれに固定するように構成された1本以上のストラップを有する。
【0019】
採尿システム200は、採尿デバイス212(図2Bに示す)、導管217、及び貯蔵システム210を含み得る。採尿デバイス212は、ユーザの尿道に少なくとも近接して位置決めされるように構成された男性又は女性の採尿デバイスを含み得る。PCT国際出願第PCT/US2019/029616号は、男性及び女性両方の流体収集デバイスの様々な実施形態を記載しており、その開示全体がこの参照により援用される。更に、採尿デバイス212は、採尿システム200において、男性及び女性の採尿デバイスの異なる種類、変形、及びサイズ間で交換可能であってもよい。一般に、採尿デバイス212は、尿道に近接又は隣接して配置され、尿又は他の流体をユーザから吸い上げるように構成されたサイズの表面を含み得る。尿又は他の流体は、表面から採尿デバイス212内のリザーバまで吸い上げられてもよい。
【0020】
採尿システム200はまた、採尿デバイス212の内部領域(例えば、リザーバ)及び採尿容器214の内部領域と流体連通する導管217を含む。導管217は、採尿デバイス212と採尿容器214との間に配置され得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、採尿システム200はまた、追加の導管を含み、ポンプ216と採尿容器214の内部領域との間の流体連通を提供し得る。いくつかの実施形態では、ポンプ216は採尿容器214に直接固定されてもよく、追加の導管は採尿システム200になくてもよい。導管217は、柔軟性チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、導管217の少なくとも一部分は実質的に不透明であり、それにより、第1の導管217内の尿の視認を防ぐ。
【0021】
図2Bに戻ると、採尿システム200は、貯蔵システム210も含む。貯蔵システム210は、採尿容器214を含み得て、採尿容器214は、導管217を介して採尿デバイス212から受け取った尿を貯蔵する内部領域を有する。採尿容器214は、異なる実施形態によれば、不透明であっても透明であってもよい。いくつかの実施形態では、採尿容器214は、ハンドル又は注ぎ口のうちの少なくとも一方を含む。採尿容器214に採取された尿は、キャップ又はカバーを取り外した後に、注ぎ口を通して空にされ得る。採尿容器214は再利用可能であり、皿洗い機で安全に使用でき、ポリカーボネート又はガラスなどの一般に硬質の材料を含み得る。
【0022】
採尿容器214は、車椅子の背もたれ252のポーチ202内に収まるサイズ及び寸法にすることができる。いくつかの実施形態では、採尿容器214は、略長方形(例えば、直方体又は直角プリズム)であり、上面213と、上面213から突出するネック211とを含む。バッテリ219及びポンプ216は、採尿容器214の上面213に取り付けられ、及び/又は上面213に配置されるか配置可能であり得る。バッテリ219及びポンプ216が採尿容器214に固定されると、採尿容器214、バッテリ219、及びポンプ216は、一緒に略長方形の輪郭を形成し得る。
【0023】
貯蔵システム210は、車椅子250の背もたれ252のポーチ202内に収まるサイズ及び寸法にすることができ、略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cm、約15.2cm~約22.9cm、約22.9cm~約30.5cm、約30.5cm~約38.1cm、又は約38.1cm~約45.7cmの高さを有し得る。略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cm、約15.2cm~約22.9cm、約22.9cm~約30.5cm、約30.5cm~約38.1cm、又は約38.1cm~約45.7cmの幅を有し得る。採尿容器214は、約2.5cm~約15.2cm、約2.5cm~約5.1cm、約5.1cm~約7.6cm、約7.6cm~約10.2cm、約10.2cm~約12.7cm、又は約12.7cm~約15.2cmの深さを有し得る。
【0024】
貯蔵システム210はまた、センサ215を含み得て、センサ215は、採尿容器214に固定され、採尿容器214の内部領域内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ215は、負圧センサ、濡れセンサ、水センサ、超音波センサ、レーザセンサー、又は紫外線(UV)センサを含む。いくつかの実施形態では、センサ215は、少なくとも尿の量に関連する特性のフィードバックを、容器内の尿がセンサ215まで上昇してセンサ215に接触する場合に提供する。いくつかの実施形態では、センサ215は、少なくとも尿の量に関連する特性の連続的又は定期的なフィードバックを、センサ215が尿に触れることなく提供するように構成され得る。センサ215は、センサ215の少なくとも一部分が採尿容器214の内部領域内にある状態で採尿容器に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ215は、採尿容器214の上部に配置され、採尿容器214の内部領域に尿が集まる場所へ下に向けられる。
【0025】
負圧センサ、濡れセンサ、又は水センサを有する実施形態では、センサ215は採尿容器214内に配置され、採尿容器214が満杯、又は容積に達する前に、採尿容器214内の尿を感知又は検出するという技術的効果をもたらし得る。例えば、センサ215は、採尿容器214の上面213とネック211との交点の間又はそこに近接して配置され得る。したがって、採尿容器214は、ネック211の容積を、センサ215が尿を検出するときと、採尿容器214が満杯又は容積に達するときとの間のバッファとして含み得る。いくつかの実施形態では、センサ215は、1つ以上の所定の閾値で尿を検出するように構成され得る。例えば、センサ215は、尿が採尿容器214の総容積の25%、50%、75%、90%、及び/又は95%になったときを検出し得る。いくつかの実施形態、例えば、負圧センサ又は濡れセンサを含む実施形態では、所定の閾値は、尿がセンサ215に接触したときの採尿容器214内の尿のレベルである。
【0026】
いくつかの実施形態では、センサ215は更に、コントローラを含む。コントローラは、センサ215に含まれていてもよく、又はセンサ215と通信するように構成された別個の構成要素であってもよい。コントローラは、他の電子デバイスに通知又はアラートを送信するように構成された通信インタフェースを含み得る。例えば、通信インタフェースは、通知又はアラートを、選択された無線周波数で、BLUETOOTH(登録商標)を介して、又はWI-FIを介して、別の電子デバイス、例えばユーザ又は介護者のスマートフォンに送信するように構成され得る。特に、コントローラは、ユーザ又は介護者のスマートフォン又は他の電子デバイスに、採尿容器214内の尿が所定の閾値にあることをセンサ215が検出したときに、テキストメッセージ又は他のアラートを送信するように構成され得る。コントローラは、充電式バッテリなどの外部バッテリ又は内部バッテリによって給電されてもよい。図5は、採尿システム200又は300のコントローラを含み得るコントローラ500の追加の詳細を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザ又は介護者の電子デバイスに、センサ215によって検出された尿の量に少なくとも関連する特性が、採尿容器214中の尿の量が所定の量に達したか、又は超過したことを示す場合に、アラートを無線で送信するように構成される。例えば、センサ215からのデータに基づいて、コントローラは、採尿容器214内の尿がセンサ215に接触している、というテキストメッセージなどのアラートを、電子デバイスに無線で送信し得て、採尿容器214を空にすることが推奨される。いくつかの実施形態では、コントローラは、アラートと、選択された頻度、例えば選択された時間及び/又は量の間隔を無線送信し得る。コントローラは、ユーザ又は介護者の電子デバイスに、コントローラ又はポンプの少なくとも一方に給電するバッテリが低下した場合に、アラートを無線で送信し得る。
【0028】
ポンプ216は、手動真空ポンプ、電動真空ポンプ、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、置換ポンプ、磁気駆動ポンプ、蠕動ポンプ、マイクロポンプ、それらの任意の組み合わせ、又は少なくとも部分真空を生成するように構成された任意のポンプのうちの1つ以上を含み得る。ポンプ216は、少なくとも部分真空又は吸引を供給して、流体収集デバイス212から流体を除去し得る。ポンプ216は、導管217を通して尿を押し出してもよい。いくつかの例では、ポンプ216は、1つ以上のバッテリ219によって給電され得る。いくつかの例では、ポンプ216は、採尿容器214とともにポーチ202内に収まるサイズ及び形状であり得る。ポンプ216は、スイッチ、ボタン、プラグ、リモコン、又はポンプ216を作動させるのに適した任意の他のデバイスのうちの1つ以上を含み得て、及び/又はポンプ216は、尿が導管217、又は採尿容器214への流入の少なくとも一方において感知されたときに作動するように構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ポンプ216は採尿容器214に取り付けられる。例えば、蠕動及び/又はマイクロポンプが採尿容器214に取り付けられてもよい。ポンプ216は、採尿デバイスから尿を静かに引き、及び/又は、尿を導管217に通して採尿容器214の内部領域に推し進め、又は押し出すように構成され得る。いくつかの実施形態では、導管217の一端部は、採尿容器214上のポートに取り付けられてもよく、導管217の一部分は、ポンプ216に固定されるか、又は少なくとも部分的にポンプ216内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ216は、採尿容器214の内部領域と流体連通していてもよく、採尿容器214の内部領域を少なくとも部分真空にすることで、尿を採尿デバイス212から導管217に通して採尿容器214へ促すのに効果的となるように構成されてもよい。
【0030】
採尿システム200はまた、充電式リチウムバッテリなどのバッテリ219を含んでもよい。バッテリ219は、ポンプ216、フィルタ215、及び/又はコントローラのうちの少なくとも1つに給電するように構成される。いくつかの実施形態では、バッテリ219は、通常、交流電源によって供給される電力を提供するのに有効な充電を含む。
【0031】
採尿システム200はまた、疎水性フィルタを有する排気口222を採尿容器214上に含み、疎水性フィルタは、採尿容器からの空気が排気口222を通って出ることを可能にし、かつ採尿容器内の尿が排気口222を通って出ることを阻止するように構成される。排気口222は、採尿容器214の出口又は注ぎ口を覆ってもよい。例えば、排気口222は、採尿容器214のネック211の上部に配置されてもよく、又は配置可能であってもよい。排気口222のフィルタは、採尿容器214内の尿の少なくとも一部の臭気が採尿システム200から漏れるのを防止する技術的効果をもたらし得る。排気口222は、採尿容器214の内部領域からの空気が排気口222を通過するのを、ポンプ216が作動されて尿及び/又は空気を採尿容器214の内部領域に導くときに可能にし得る。いくつかの実施形態では、排気口222は、取り外し可能であり、採尿容器214を、排気口222によって覆われた採尿容器214の開口部を通して空にすることを可能にする。
【0032】
図3は、一実施形態による採尿システム300の一部分である。図3には示されていないが、採尿システム300は採尿デバイスを含み得る。特に断りのない限り、採尿システム300は、採尿システム200の任意の態様、例えば、センサ215、バッテリ219、排気口222、及び導管217を含み得る。採尿システム300はまた、採尿容器314を含む。採尿容器314は、採尿容器214の任意の態様、例えば、採尿容器214に関連して上述した材料、形状、及び寸法を含み得る。採尿システム300は更に、ポンプ316を含む。ポンプ316は、上述のポンプ216の任意の態様を含み得る。
【0033】
採尿システム300では、ポンプ316は、採尿容器314の内部領域を少なくとも部分真空にすることで、導管217を少なくとも部分真空にし、採尿デバイスからの尿を導管217に通して、採尿容器314の内部領域へ促すのに効果的であるように構成される。したがって、ポンプ316の一部分は、採尿容器314の内部領域と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ316は、採尿容器314の上面に取り付けられるか、又は付着され得る。追加の導管は、いくつかの実施形態によれば、ポンプ216を採尿容器214の内部領域に流体結合することができる。導管217は、採尿容器314上のポートに固定され、採尿デバイスの内部領域と採尿容器314の内部領域との間の流体連通を提供するのに効果的となり得る。
【0034】
図4は、一実施形態による、携帯式採尿システムを組み立てる方法400の流れ図である。方法400は、ポンプとバッテリが固定された採尿容器を車椅子のポーチ内に配置する動作410を含む。方法400は、採尿デバイスをユーザの尿道の近くに配置する動作420も含む。いくつかの実施形態では、方法400は、導管を採尿容器に固定し、採尿デバイス及び採尿容器を導管と少なくとも部分的に流体結合するのに効果的な動作を含む。この方法はまた、導管を用いて採尿デバイスを採尿容器に流体結合する動作430を含む。方法は更に、ポンプを車椅子に取り付ける動作430を含む。いくつかの実施形態では、方法400は、容器内のセンサをユーザ又は介護者の電子デバイスに無線接続する動作を含む。センサは、採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出し、採尿容器内の尿の量が所定のレベルに達したときにユーザ又は介護者の電子デバイスに通知を送信するように構成され得る。
【0035】
上述の方法400の動作は、例示を目的としたものである。例えば、方法400の動作は、異なる順序で実行され、複数の動作に分けられ、変更され、補足され、又は組み合わせられてもよい。一実施形態では、方法400の動作の1つ以上は、方法400から省略され得る。方法400の任意の動作は、本明細書に開示する携帯式採尿システムのいずれかを使用することを含み得る。
【0036】
図5は、一実施形態による、本明細書で説明されるシステム及び方法のいずれかとともに使用され得るコントローラ500の概略図である。例えば、センサ215のコントローラ、又は採尿システム200、300に関連付けられた別のコントローラは、コントローラ500の任意の態様を含み得る。コントローラ500は、本明細書に開示される例示的な動作又はステップのいずれか、例えば、センサ215又は他の電子デバイスと有線又は無線で通信すること、及び/又は採尿容器214、314内の尿の量を決定すること、を実施するように構成され得る。
【0037】
一実施形態によれば、コントローラ500は少なくとも1つのコンピューティングデバイス510を含む。少なくとも1つのコンピューティングデバイス510は、上述の動作のうちの1つ以上を実行するように構成され得る例示的なコンピューティングデバイスである。コンピューティングデバイス510は、少なくとも1つのプロセッサ520、メモリ530、記憶装置540、入力/出力(「I/O」)デバイス/インタフェース550、及び通信インタフェース560を含み得る。例示的なコンピューティングデバイス510が図5に示されるが、図5に示した構成要素は、コントローラ500又はコンピューティングデバイス510を限定することを意図したものではない。追加又は代替の構成要素が、いくつかの例において使用され得る。更に、いくつかの例では、コントローラ500又はコンピューティングデバイス510は、図5に示されるものよりも少ない構成要素を含み得る。例えば、コントローラ500は、1つ以上の追加のコンピューティングデバイス512を含まなくてもよい。いくつかの例では、少なくとも1つのコンピューティングデバイス510は、複数のコンピューティングデバイスを含み得る。図5に示されるコンピューティングデバイス510の構成要素は、以下で更に詳しく説明する。
【0038】
いくつかの例では、プロセッサ(複数可)520は、命令(例えば、本明細書に開示される方法のいずれかの1つ以上の部分を実行するための命令)を実行するためのハードウェアを含み、例えば、コンピュータプログラムを構成する命令を実行する。例えば、命令を実行するために、プロセッサ(複数可)520は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ530、又は記憶装置540から命令を取り出し(又はフェッチし)、それらをデコードして実行し得る。特定の例では、プロセッサ(複数可)520は、容積測定テーブルに関連するテーブルなどのデータ用の1つ以上の内部キャッシュを含み得る。一例として、プロセッサ(複数可)520は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、及び1つ以上のトランスレーションルックサイドバッファ(TLB)を含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリ530又は記憶装置540内の命令のコピーであってもよい。いくつかの例では、プロセッサ520は、本明細書に開示される例示的な方法のいずれかの1つ以上の部分を実行するように構成され得る(例えば、プロセッサ520に格納される、又はそれによって実行されるプログラムを含む)。
【0039】
いくつかの例では、プロセッサ520は、本明細書に開示される動作のいずれかを実行するか、又はコンピューティングデバイス510若しくはコントローラ500の1つ以上の部分に、本明細書に開示される動作の少なくとも1つを実行させるように構成される。このような構成は、少なくとも1つのプロセッサ520によって実行可能な1つ以上の動作プログラム(例えば、コンピュータプログラム製品)を含み得る。例えば、プロセッサ520は、採尿容器内の尿の量を自動的に決定し、採尿容器内の尿がセンサに近接していることを自動的に決定し、採尿容器内の尿の量が所定の閾値になるか、若しくは超過する場合にアラートを自動的に送信し、フィルタの交換が提案されると自動的にアラートを送信し、及び/又はバッテリの交換若しくは充電が提案されると自動的にアラートを送信するように構成され得る。
【0040】
少なくとも1つのコンピューティングデバイス510(例えば、サーバ)は、少なくとも1つのメモリ記憶媒体(例えば、メモリ530及び/又は記憶装置540)を含み得る。コンピューティングデバイス510は、プロセッサ(複数可)520に動作可能に接続されるメモリ530を含んでもよい。メモリ530を用いて、プロセッサ(複数可)520によって実行されるデータ、メタデータ、及びプログラムを格納し得る。メモリ530は、揮発性及び不揮発性メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、固体ディスク(SSD)、フラッシュ、相変化メモリ(PCM)、又は他の種類のデータストレージのうちの1つ以上を含み得る。メモリ530は、内部メモリであっても分散メモリであってもよい。
【0041】
コンピューティングデバイス510は、データ又は命令を格納するためのストレージを有する記憶装置540を含み得る。記憶装置540は、少なくとも1つのプロセッサ520に動作可能に接続され得る。いくつかの例では、記憶装置540は、上述したもののいずれかのような非一時的なメモリ記憶媒体を含み得る。記憶装置540(例えば、非一時的記憶媒体)は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。記憶装置540は、リムーバブル又は非リムーバブル(又は固定された)メディアを含んでもよい。記憶装置540は、コンピューティング装置510の内部にあっても外部にあってもよい。いくつかの例では、記憶装置540は、不揮発性、固体メモリを含み得る。いくつかの例では、記憶装置540は読み取り専用メモリ(ROM)を含み得る。適切な場合、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、電気的に変更可能なROM(EAROM)、又はフラッシュメモリ、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。いくつかの例では、メモリ530及び/又は記憶装置540(例えば、メモリ記憶媒体(複数可))の1つ以上の部分は、1つ以上のデータベースを格納し得る。
【0042】
いくつかの例では、採尿容器内の尿の量の履歴、採尿容器内の尿の量の傾向、フィルタ交換の履歴、及び/又はバッテリ交換若しくは充電の履歴のうちの1つ以上は、メモリ記憶装置、例えば、少なくとも1つのプロセッサ520(例えば、プロセッサの内部キャッシュ)、メモリ530、又は記憶装置540のうちの1つ以上に記憶されてもよい。いくつかの例では、少なくとも1つのプロセッサ520は、メモリ記憶媒体(複数可)、例えばメモリ530又は記憶装置540のうちの1つ以上に(例えば、バス570を介して)アクセスするように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサ520は、データ(例えば、ルックアップテーブル)を受信し、メモリ記憶媒体(複数可)内の複数のデータポイントとして記憶し得る。少なくとも1つのプロセッサ520は、そこに格納され、メモリ記憶媒体(複数可)内のデータにアクセスするように構成されたプログラムを実行して、採尿容器内の尿の量を自動的に決定し、採尿容器内の尿がセンサに近接していることを自動的に決定し、採尿容器内の尿の量が所定の閾値になるか、若しくは超過するとアラートを自動的に送信し、フィルタの交換が提案されると自動的にアラートを送信し、及び/又はバッテリの交換若しくは充電が提案されると自動的にアラートを送信し得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサ520は、メモリ530又は記憶装置540などのメモリ記憶媒体(複数可)内の1つ以上のルックアップテーブルにアクセスし得る。
【0043】
コンピューティングデバイス510はまた、1つ以上のI/Oデバイス/インタフェース550を含み、これらを設けて、ユーザがコンピューティングデバイス510に入力し、コンピューティングデバイス510から出力を受信し、その他にコンピューティングデバイス510との間でデータを転送することを可能にする。これらのI/Oデバイス/インタフェース550には、マウス、キーパッド若しくはキーボード、タッチスクリーン、カメラ、光スキャナ、ネットワークインタフェース、ウェブベースのアクセス、モデム、ポート、他の既知のI/Oデバイス、又はそれらI/Oデバイス/インタフェース550の組み合わせを含み得る。タッチスクリーンは、スタイラス又は指を用いて作動され得る。
【0044】
I/Oデバイス/インタフェース550は、ユーザに出力を提示するための1つ以上のデバイスを含み得て、限定するものではないが、グラフィックスエンジン、ディスプレイ(例えば、表示画面又はモニタ)、1つ以上の出力ドライバ(例えば、ディスプレイドライバ)、1つ以上のオーディオスピーカ、及び1つ以上のオーディオドライバを含み得る。特定の例では、I/Oデバイス/インタフェース550は、グラフィックデータをディスプレイに提供してユーザに提示するように構成される。グラフィックデータは、1つ以上のグラフィクユーザインタフェース及び/又は特定の実装に役立ち得る他の任意のグラフィックコンテンツを表し得る。
【0045】
コンピューティングデバイス510は、通信インタフェース560を更に含み得る。通信インタフェース560は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含むことができる。通信インタフェース560は、コンピューティングデバイス510と1つ以上の追加のコンピューティングデバイス512若しくは1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットベースの通信)のための1つ以上のインタフェースを提供する場合がある。例えば、通信インタフェース560は、イーサネット又は他の有線ベースのネットワークと通信するためのネットワークインタフェースコントローラ(NIC)又はネットワークアダプタ、あるいはWI-FIなどの無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)又は無線アダプタを含み得る。1つ以上の追加のコンピュータデバイス512は、ユーザのスマートフォン、介護者のスマートフォン、車椅子上の電子デバイス、及び/又はヘルスケアシステムのコンピュータデバイスを含み得る。
【0046】
任意の適切なネットワーク及び任意の適切な通信インタフェース560が使用されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス510は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、又はインターネットの一つ以上の部分、あるいはこれらの2つ以上の組み合わせと通信し得る。これらのネットワークの1つ以上の、1つ以上の部分は、有線でも無線でもよい。一例として、コントローラ500又はコンピューティングデバイス510の1つ以上の部分は、無線PAN(WPAN)(例えば、BLUETOOTH(登録商標) WPAN)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、セルラ電話ネットワーク(例えば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)ネットワークなど)、又は他の適切な無線ネットワーク、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。コンピューティングデバイス510は、必要に応じて、これらのネットワークのいずれかに対する任意の適切な通信インタフェース560を含み得る。
【0047】
コンピューティングデバイス510は、バス570を含み得る。バス570は、コンピューティングデバイス510の構成要素を相互に結合するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含み得る。例えば、バス570は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)若しくは他のグラフィックスバス、拡張業界基準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ペリフェラルコンポーネント相互接続(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCIe)バス、シリアルアドバンスドテクノロジアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダードローカルアソシエーション(VLB)バス、又は別の適切なバス、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0048】
本明細書で使用する場合、用語「約」又は「実質的に」は、「約」又は「実質的に」によって±10%、又は±5%修正された用語の許容可能な変動を指す。更に、用語「未満」「又はより小さい」「より大きい」「以上」又は「又はより大きい」は、エンドポイントとして、「未満」「又はより小さい」「より大きい」「以上」又は「又はより大きい」によって修正される値を含む。
【0049】
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、別の態様及び実施形態も企図される。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯式採尿システムであって、
ユーザの尿道に少なくとも近接して配置されるように構成された採尿デバイス、
前記採尿デバイスと流体連通する導管、
内部領域を有する採尿容器、
前記採尿容器に固定され、又は固定可能であり、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の中へ促すように構成されたポンプ、
前記採尿容器上にあり疎水性フィルタを有する排気口であって、前記疎水性フィルタが、前記採尿容器からの空気が前記排気口を通って出ることを可能にし、かつ前記採尿容器内の尿が前記排気口を通って出ることを阻止するように構成される、排気口、及び、
前記容器に固定され、又は固定可能であり、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されたセンサ、
を備える、携帯式採尿システム。
【請求項2】
前記ポンプに動作可能に結合されるバッテリを更に備える、請求項1に記載の携帯式採尿システム。
【請求項3】
前記ポンプは蠕動ポンプ又はマイクロポンプを含む、請求項1又は2に記載の携帯式採尿システム。
【請求項4】
前記ポンプは、前記採尿容器に、前記導管と前記採尿容器との間で固定され、又は固定可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項5】
前記ポンプは前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記導管は前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器を少なくとも部分真空にすることで、前記導管を少なくとも部分真空にして、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の前記内部領域へ引くのを効果的にするよう構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項6】
前記採尿容器は略長方形であり、上面と、前記上面から突出するネックとを含み、前記バッテリ及び前記ポンプは、前記採尿容器の前記上面に配置されるか、又は配置可能である、請求項2に記載の携帯式採尿システム。
【請求項7】
前記採尿容器、前記バッテリ、及び前記ポンプは、一緒に略長方形の輪郭を形成する、請求項6に記載の携帯式採尿システム。
【請求項8】
前記略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cmの高さと、約15.2cm~約45.7cmの幅を有し、前記採尿容器は、約2.5cm~約15.2cmの深さを有する、請求項7に記載の携帯式採尿システム。
【請求項9】
前記排気口は、前記採尿容器の前記ネック上に配置されるか、配置可能である、請求項6~8のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項10】
前記センサは、前記採尿容器の前記上面と前記ネックの間、又はそれらの交点に近接して配置されるか、配置可能である、請求項6~9のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項11】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、前記センサと通信し、前記センサによって検出された尿の前記量に少なくとも関連する前記特性が、前記採尿容器中の尿の前記量が所定の量に達したか又は超過したことを示す場合に、電子デバイスにアラートを無線送信するように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項12】
前記センサは、尿が前記センサに接触するのを検出するように構成された濡れセンサ又は水センサを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項13】
前記センサは超音波センサを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項14】
前記容器及び前記ポンプは、車椅子に固定されたポーチ内に収まるサイズ及び寸法である、請求項1~13のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項15】
携帯式採尿システムを組み立てる方法であって、
ポンプとバッテリが固定された採尿容器を車椅子のポーチ内に配置することと、
採尿デバイスをユーザの尿道に少なくとも近接して配置することと、
尿を前記採尿デバイスから導管に通して前記採尿容器の中へ促すように位置決めされた前記ポンプとともに、前記採尿デバイスを前記採尿容器に、前記導管を用いて流体結合することと、を含み、
前記採尿容器が疎水性フィルタを有する排気口を備え、前記疎水性フィルタが、前記ポンプが尿を前記採尿デバイスから前記導管を通して促している時に、前記採尿容器からの空気が前記排気口を通って出ることを可能にし、かつ前記採尿容器内の尿が前記排気口を通って出ることを阻止するように構成される、方法。
【請求項16】
前記容器内のセンサをユーザ又は介護者の電子デバイスに無線接続することを更に含み、ここで前記センサは、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出し、前記採尿容器内の尿の前記量が所定のレベルに達したときに前記ユーザ又は前記介護者の前記電子デバイスに通知を送信するように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記導管を前記採尿容器に固定して、前記採尿デバイスと前記採尿容器を前記導管に少なくとも部分的に流体結合するのを効果的にすることを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
携帯式採尿システムであって、
内部領域、上面、及び前記上面から突出するネックを有する略長方形の採尿容器、
ポンプであって、前記採尿容器の前記上面に取り付けられるか取り付け可能であり、尿を、採尿デバイスから導管に通して前記採尿容器の中へ引き込む、及び/又は押し出すように構成されるポンプ、
バッテリであって、前記採尿容器の前記上面に取り付けられるか取り付け可能であり、前記ポンプに動作可能に結合され、ここで前記採尿容器、前記バッテリ、及び前記ポンプは、一緒に略長方形の輪郭を形成し、それは車椅子のポーチ内に収まるようなサイズ及び寸法であるバッテリ、
前記採尿容器上にあり疎水性フィルタを有する排気口であって、前記疎水性フィルタが、前記採尿容器からの空気が前記排気口を通って出ることを可能にし、かつ前記採尿容器内の尿が前記排気口を通って出ることを阻止するように構成される、排気口、及び、
センサであって、前記容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器内の尿の量に少なくとも関連する特性を検出するように構成されるセンサ、
を備える、携帯式採尿システム。
【請求項19】
前記ポンプは蠕動ポンプ又はマイクロポンプを含む、請求項18に記載の携帯式採尿システム。
【請求項20】
前記排気口は、前記採尿容器の前記ネック上に配置されるか配置可能である、請求項18に記載の携帯式採尿システム。
【請求項21】
前記ポンプは前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記導管は前記採尿容器に固定されるか固定可能であり、前記採尿容器を少なくとも部分真空にすることで、前記採尿容器の前記内部領域と流体連通する前記導管を少なくとも部分真空にし、尿を前記採尿デバイスから前記導管に通して前記採尿容器の前記内部領域へ引くのを効果的にするよう構成される、請求項18~20のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項22】
前記略長方形の輪郭は、約15.2cm~約45.7cmの高さと、約15.2cm~約45.7cmの幅を有し、前記採尿容器は、約2.5cm~約15.2cmの深さを有する、請求項18~21のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項23】
前記センサは、前記採尿容器の前記上面と前記ネックの間、又はそれらの交点に近接して配置されるか、配置可能である、請求項18~22のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項24】
コントローラを更に備え、前記コントローラが、前記センサと通信し、前記センサによって検出された尿の前記量に少なくとも関連する前記特性が、前記採尿容器中の尿の前記量が所定の量に達したか、又は超過したことを示す場合に、電子デバイスにアラートを無線送信するように構成される、請求項18~23のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項25】
前記センサは、前記尿が前記センサに接触するのを検出するように構成された濡れセンサ又は水センサを含む、請求項18~24のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【請求項26】
前記センサは超音波センサを含む、請求項18~24のいずれか一項に記載の携帯式採尿システム。
【国際調査報告】