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特表2024-503013ヒートシンクならびに関連する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ヒートシンクならびに関連する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240117BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20240117BHJP
   F28F 1/12 20060101ALI20240117BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20240117BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
F28D15/02 101H
F28D15/02 101A
F28D15/02 L
F28F1/12 Z
H01L23/46 B
H05K7/20 D
H05K7/20 R
H05K7/20 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541678
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 FI2021050829
(87)【国際公開番号】W WO2022148899
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】20215018
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523259167
【氏名又は名称】サーマル チャネル テクノロジーズ オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ペンティカイネン,ヴェサ
(72)【発明者】
【氏名】ヨケライネン,キンモ
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB03
5E322AB05
5E322AB06
5E322DB10
5E322DB12
5E322FA01
5F136BA02
5F136CC14
5F136CC17
5F136DA33
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
本発明の例示的な態様によれば、細長い内側コア(110)および細長い外側プロファイル(120)を備えるヒートシンク(100)が提供される。プロファイルは断面周囲を形成しており、かつ中間体積(160)がコア(110)とプロファイル(120)との間に形成されるようにコア(110)の周りにそこから離して設けられている。ヒートシンク(100)はプロファイル(120)をコア(110)に接続するブリッジ(130)も有する。プロファイル(120)は中間体積(160)を周囲環境に露出させる少なくとも1つの開口部(140)を有する。少なくとも1つの開口部(140)は内側コア(110)の伸長寸法に平行でない方向に延在している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンク(100)であって、
・伸長寸法に沿って細長い内側コア(110)と、
・外側プロファイル(120)であって、
・中間体積(160)が前記コア(110)と前記プロファイル(120)との間に形成されるように、前記コア(110)に沿ってその周りにそこから離して設けられており、かつ
・前記中間体積(160)を周囲環境に露出させる少なくとも1つの開口部(140)を備える
外側プロファイル(120)と、
・前記プロファイル(120)を前記コア(110)に接続するブリッジ(130)と、
を備える、ヒートシンク(100)であり、
前記少なくとも1つの開口部(140)は前記内側コア(110)の前記伸長寸法に平行でない方向に延在していることを特徴とする、ヒートシンク(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの開口部(140)は前記プロファイル(120)の断面周囲に沿って部品を有する方向に延在している、請求項1に記載のヒートシンク(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの開口部(140)は前記プロファイル(120)の前記周囲に沿って延在している、請求項1または2に記載のヒートシンク(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口部(140)は前記プロファイル(120)の前記周囲全体の周りに延在しており、前記プロファイルをいくつかのプロファイル部分(121、122)に分ける、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項5】
前記プロファイル(120)は伸長寸法において細長く、かつ前記プロファイル(120)の前記伸長寸法において前記プロファイル(120)に沿って互いから離間された複数の前記開口部(140)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項6】
前記開口部(140)は前記コア(110)の前記伸長寸法に対して半径方向であってその周りに回転式に設けられている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部(140)は前記ブリッジ(130)を通って延在しており、前記コア(110)を周囲環境に露出させる、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項8】
前記コア(110)は中空である、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項9】
前記コア(110)はヒートパイプ(111)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項10】
前記ヒートパイプ(111)は前記コア(110)の中に一体化されている、請求項9に記載のヒートシンク(100)。
【請求項11】
前記ヒートパイプ(111)は閉鎖されており、かつ熱サイホンサイクルを行うために相転移流体を含む、請求項9または10に記載のヒートシンク(100)。
【請求項12】
前記ブリッジ(130)は、前記中間体積(160)を通って前記コア(110)と前記プロファイル(120)との間に延在する複数のスポーク(131)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項13】
少なくとも1つのスポーク(131)は前記少なくとも1つのスポーク(131)から延在する複数のフィン(132)を含む、請求項12に記載のヒートシンク(100)。
【請求項14】
・90度超の初期延在角度(θ)が前記フィン(132)の前記プロファイル側において前記スポーク(131)と前記フィン(132)との間に形成されているか、
・前記フィン(132)の前記タンジェントが前記スポーク(131)からの距離の関数として変化し、前記フィン(132)の前記プロファイル側において前記スポーク(131)と前記フィン(132)の前記タンジェントとの間に形成される角度を増加させるか、あるいは
・90度超の初期延在角度(θ)が前記フィン(132)の前記プロファイル側において前記スポーク(131)と前記フィン(132)との間に形成されており、かつ前記フィン(132)の前記タンジェントは前記スポーク(131)からの距離の関数として変化し、前記フィン(132)の前記プロファイル側において前記スポーク(131)と前記フィン(132)の前記タンジェントとの間に形成される角度を増加させる、
請求項13に記載のヒートシンク(100)。
【請求項15】
少なくとも1つのスポーク(131)は装着点として機能するためにソケット(133)を備える、請求項12~14のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項16】
前記ヒートシンク(100)は、熱源(200)を受け入れるための連結器(150)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項17】
前記連結器(150)は、前記コア(110)を受け入れるためのチャネル(151)と、前記チャネル(151)と流体連通しているベイパーチャンバー(152)とを備える、請求項16に記載のヒートシンク(100)。
【請求項18】
前記ベイパーチャンバー(152)の断面は前記チャネル(151)の断面よりも大きい、請求項17に記載のヒートシンク(100)。
【請求項19】
前記ヒートシンク(100)を構成している前記パーツ(110、120、130)は互いに一体化されている、先行する請求項のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)。
【請求項20】
放熱システムであって、
・請求項13~19のいずれか1項に記載の複数のヒートシンク(100)、および
・前記複数のヒートシンク(110)の前記コア(110)を受け入れるための複数の前記チャネル(151)を備える前記連結器(150)
を特徴とする、放熱システム。
照明器であって、
【請求項21】
・請求項15~19のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)、および
・前記連結器(150)上に装着された人工の光源(210)
を特徴とする、照明器。
【請求項22】
照明システム(1000)であって、
・それぞれが人工の光源(210)を含む複数の照明器、および
・請求項15~19のいずれか1項に記載の複数のヒートシンク(100)
を特徴とし、
・前記連結器(150)は、前記複数のヒートシンク(110)の前記コア(110)を受け入れるための複数の前記チャネル(151)を備え、
・前記複数の人工の光源(210)は前記共有される連結器(150)上に装着されている、照明システム(1000)。
【請求項23】
・内側コア(110)と、
・周囲を形成しており、かつ中間体積(160)が前記コア(110)と外側プロファイル(120)との間に形成されるように前記コア(110)の周りにそこから離して設けられている外側プロファイル(120)と、
・前記プロファイル(120)を前記コア(110)に接続するブリッジ(130)と、
を含めるための付加製造技術によりプリフォームを提供することを含むヒートシンク(100)を作製するための方法であって、
少なくとも1つの開口部(140)が前記プロファイル(120)の周囲に沿って部品を有する方向に延在し、かつ前記中間体積(160)を周囲環境に露出させるように、材料除去製造技術により前記少なくとも1つの開口部(140)を前記プロファイル(120)に設けることを特徴とする、方法。
【請求項24】
前記ヒートシンク(100)は請求項1~19のいずれか1項に記載されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記付加製造技術は押し出しである、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記材料除去製造技術は旋盤加工などのチップ除去製造技術である、先行する請求項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
先行する請求項1~19のいずれか1項に記載のヒートシンク(100)上に前記熱源(200)を装着すること、および細長いヒートシンク(100)を前記熱源(200)を下に向けた状態で垂直に対して傾斜した水平ではない角度で設置することを特徴とする、熱源(200)を受け入れ構造に設置する方法。
【請求項28】
熱交換器(2000、3000)であって、
・請求項8~19のいずれか1項に記載の第1のヒートシンク(100a)と、
・請求項8~19のいずれか1項に記載の第2のヒートシンク(100b)と、
・前記第1および第2のヒートシンク(100a、100b)の前記中空コア(110)を互いに流れ接続した状態に接続する連結器(150)と、
を備える熱交換器(2000、3000)。
【請求項29】
前記ヒートシンク(100a、100b)および前記連結器(150)は閉鎖された伝熱チャネルを形成している、請求項28に記載の熱交換器(2000)。
【請求項30】
前記熱交換器(2000)は、2つ以上のそのような対のヒートシンク(100a、100b)を備える、請求項28または29に記載の熱交換器(2000)。
【請求項31】
前記熱交換器(2000)は貫流式熱交換器であり、冷却剤が前記ヒートシンク(100a、100b)および連結器(150)を通って流れていてもよい、請求項28に記載の熱交換器(3000)。
【請求項32】
前記熱交換器(3000)は、3つ以上のそのようなヒートシンク(100a、100b、100c、100d)を連続的に接続する2つ以上のそのような連結器(150)を備える、請求項31に記載の熱交換器(3000)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は冷却のための装置に関する。特に本開示は放熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサ、LED、IGBTモジュールなどの電気部品の冷却は従来より、伝熱要素を当該部品への物理的かつ熱的接続部に取り付けることに基づいている。ヒートシンクは従来より、放熱のための表面積を最大にするためにいくつかのフィン、キンクおよび他の形状を有する細長いプロファイルを、例えばダイカストまたは押し出しすることにより作られてきた。US 2009071624 A1(米国特許出願公開第2009071624号)およびEP 2193310 B1(欧州特許第2193310号)は、外周に設けられた長手方向に延在する開口部を有する例示的な押し出しヒートシンクを開示している。
【0003】
従来のヒートシンクは特定の欠点を抱えていると見られる場合がある。ヒートシンクがダイカストにより作製される場合、ツーリングは比較的高価であり、その型の限られた寿命によりその状況はさらに悪化する。またその型の操作はプロセスペース時間を長引かせ、ダイカストで使用される通常の材料は典型的に僅かな熱伝導率しか有さず、成形された製造品は有効な放熱形状を可能にすることができない。他方で押し出しは、大量の材料を作製するために非常に有効な方法である。しかし押し出しによって作製されるヒートシンクは、押し出し形状が垂直でない向きでの有効な設置を可能にしないため、限られた設計自由度に悩まされる場合がある。
【0004】
有効であるだけでなく、従来の製造方法および工具での大量生産が可能な冷却解決法を提供することがなお求められている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は独立請求項の特徴によって定められている。いくつかの具体的な実施形態は従属請求項に定められている。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、細長い内側コアおよび細長い外側プロファイルを有するヒートシンクが提供される。プロファイルは断面周囲を形成しており、かつコアとプロファイルとの間に中間体積が形成されるようにコアの周りにそこから離して設けられている。本ヒートシンクはプロファイルをコアに接続するブリッジも有する。プロファイルは中間体積を周囲環境に露出させる少なくとも1つの開口部を有する。少なくとも1つの開口部は内側コアの伸長寸法に平行でない方向に延在している。言い換えると、その延在はプロファイルの断面周囲に沿って部品を有する方向にある。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、複数のそのようなヒートシンクと、複数のヒートシンクのコアを受け入れるための複数のチャネルを有する連結器とを有する放熱システムが提供される。
【0008】
本開示の第3の態様によれば、そのようなヒートシンクと、光源を本ヒートシンクに接続するための連結器上に装着された人工の光源とを有する照明器が提供される。
【0009】
本開示の第4の態様によれば、それぞれが人工の光源を含む複数のそのような照明器と、複数のそのようなヒートシンクとを有する照明システムが提供される。連結器は、複数のヒートシンクのコアを受け入れるための複数のチャネルを特徴とし、複数の人工の光源は共有される連結器上に装着されている。
【0010】
本開示の第5の態様によれば、内側コアと、周囲を形成しており、かつコアとプロファイルとの間に中間体積が形成されるようにコアの周りにそこから離して設けられている外側プロファイルと、プロファイルをコアに接続するブリッジとを含めるための付加製造技術によりプリフォームを提供することを含む、ヒートシンクを作製するための方法が提供される。本方法では、少なくとも1つの開口部がプロファイルの周囲に沿って部品を有する方向に延在し、かつ中間体積を周囲環境に露出させるように材料除去製造技術により少なくとも1つの開口部をプロファイルに設ける。
【0011】
本開示の第6の態様によれば、そのようなヒートシンク上に装着された熱源を受け入れ構造に設置する方法であって、細長いヒートシンクを熱源を下に向けた状態で垂直に対して傾斜した水平ではない角度で設置する方法が提供される。
【0012】
本開示の第7の態様によれば、その両方が中空コアを備える第1および第2のそのようなヒートシンクと、本ヒートシンクの中空コアを互いに流れ接続した状態に接続する連結器とを備える熱交換器が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態は、以下の箇条書きにしたリストからの1つ以上の特徴を備えていてもよい。
・少なくとも1つの開口部はプロファイルの周囲に沿って延在している
・少なくとも1つの開口部はプロファイルの周囲全体の周りに延在し、プロファイルをいくつかのプロファイル部分に分ける
・プロファイルは伸長寸法において細長い
・伸長寸法は真っ直ぐな伸長軸である
・伸長寸法は本ヒートシンク被加工物の押し出し直線軸である
・プロファイルは、プロファイルの伸長寸法においてプロファイルに沿って互いから離間された複数の前記開口部を備える
・コアは伸長寸法において細長い
・開口部はコアの伸長寸法に対して半径方向であってその周りに回転式に設けられている
・少なくとも1つの開口部はブリッジを通って延在し、コアを周囲環境に露出させる
・コアは中空である
・コアはコアの中に一体化されたヒートパイプを備える
・ブリッジは中間体積を通ってコアとプロファイルとの間に延在する複数のスポークを備える
・少なくとも1つのスポークは少なくとも1つのスポークから延在する複数のフィンを備える
・90度超の初期延在角度がフィンのプロファイル側においてスポークとフィンとの間に形成されており、フィンのタンジェントはスポークからの距離の関数として変化し、フィンのプロファイル側においてスポークとフィンのタンジェントとの間に形成される角度を増加させる
・少なくとも1つのスポークはソケットを備える
・ソケットには装着点として機能するための雌ネジが設けられている
・本ヒートシンクは熱源を受け入れるための連結器を備える
・連結器はコアを受け入れるためのチャネルを備える
・連結器はチャネルと流体連通しているベイパーチャンバーを備える
・ベイパーチャンバーの断面はチャネルの断面よりも大きい
・本ヒートシンクを構成しているパーツは互いに一体化されている
・付加製造技術は押し出しである
・材料除去製造技術はチップ除去製造技術である
・材料除去製造技術は旋盤加工である
・中間体積は環状である
【0014】
本解決法の支援により、かなりの利点を得ることができる。提案されている形状は、押し出しおよび旋盤加工などの従来の製造技術により作製することができ、当該作製を大きい体積での大量生産に非常に適したものにさせる。さらに、開放された外側プロファイルにより、本ヒートシンクに沿って比較的自由に流れる気流が生じて放熱を容易にする。プロファイルの断面周囲がその周囲に部分的に沿って最後に開放される状態で、周囲空気は外側から当該周囲とコアとの間の中間体積に移動する。比較的温かいもしくは熱いコアと組み合わせられた本ヒートシンクの細長い形状は、冷却気流が煙突効果と同様にコアに沿って促進されることを意味する。開口部の周りのプロファイルの残りの部分により、空気がプロファイルを通って中間体積から容易に逃げることができず、むしろ本ヒートシンクの長手方向端から出ることを保証する。開口部のサイズ、分布および位置を変えることにより、煙突効果の流れ特性を最適化してもよい。追加または代わりとして、伸長寸法に沿って本ヒートシンクの長さを変えることにより、本ヒートシンクの容量を特定の用途に合わせてもよい。冷却気流は本ヒートシンクの効率を向上させ、それにより以前に比較的大型のヒートシンクを必要とした熱量を放散させるために必要とされる材料が減少する。
【0015】
他方でプロファイルは、本ヒートシンクの剛性を維持するために少なくとも部分的に伸長寸法に沿ってコアの周りに完全に延在していることが好ましい。開口部がプロファイルに加えてブリッジを通って延在している場合、空気は中間体積内のどこへでも流れることができる。本ヒートシンクを多くの冷却用途に適したものにさせる傾斜した向きでも自然な気流が可能となる。開口部がプロファイルの断面周囲に沿って部品を含んでいなければ、気流は当該構造が傾斜した向きで設置される場合にそれを冷却するために、あまり有効にはなり得ない。
【0016】
一実施形態によれば、本ヒートシンクはコア内部に内側流れ空洞を備える。その結果、熱源から本ヒートシンクの対向端への伝熱は非常に向上し、それにより本ヒートシンクの放熱容量全体を十分に利用することができる。
【0017】
以下では、添付の図面を参照しながら特定の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係るヒートシンクが設けられた照明器の斜視図を示す。
図2】反射器および照明器の本体を含まず、かつ簡略化されたヒートシンクを含む図1の修正版に係る照明器の斜視図を示す。
図3図2に係る照明器の分解断面図を示す。
図4】拡張されたフィンを有する修正されたブリッジを特徴とする別の実施形態に係るヒートシンクの斜視図を示す。
図5図4に係るヒートシンクの軸方向立面図を示す。
図6】曲線状のフィンを有する修正されたブリッジを特徴とするさらに別の実施形態に係るヒートシンクの斜視図を示す。
図7】共有される連結器上に図2に係る複数の照明器が装着された状態の照明システムの斜視図を示す。
図8図6に係る照明システムの断面図を示す。
図9】共有される連結器上に図2に係る複数のヒートシンクが装着された状態の熱交換器の斜視図を示す。
図10図8に係る熱交換器の断面図を示す。
図11図4に係る複数のヒートシンクが直列に接続された状態の熱交換器を通る流れの斜視図を示す。
図12】拡張板が設けられた図2に係る照明器の斜視図を示す。
図13】拡張板が設けられた図7に係る照明システムの斜視図を示す。
図14】ひだが寄せられた拡張板が設けられた図7に係る照明システムの斜視図を示す。
図15】折り目が付けられた拡張板が設けられた図7に係る照明システムの斜視図を示す。
図16】修正されたプロファイル形状を特徴とする別の実施形態に係るヒートシンクの斜視図を示す。
図17】開口部の修正された向きを特徴とする別の実施形態に係るヒートシンクの斜視図を示す。
図18図17のヒートシンクの例示的な開口部の延在方向を決定する原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
【0020】
本明細書では「近位端」という表現は、熱源の近位にある本ヒートシンクの端部を指す。逆に「遠位端」は、熱源の遠位にある本ヒートシンクの端部、すなわち近位端に対する対向端を指す。
【0021】
本明細書では「伸長寸法」という表現は最大寸法の軸を指してもよい。真っ直ぐなプロファイルの場合、当該軸は直線状である。曲がったプロファイルの場合、当該軸は曲線状であってもよい。特に実用的な実施形態によれば、伸長寸法は、開口部が被加工物に導入される前の本ヒートシンクの押し出し直線軸である。
【0022】
本明細書では「断面」図は、特に説明がない限り、考察されている部品の伸長寸法を横切って切断されているものとして理解されるべきである。
【0023】
本明細書では「周囲」という言葉は、連続的または断続的周囲の両方を包含するように理解されるべきである。周囲は、仮想平面上への鋳造されたプロファイルの伸長寸法を横切って切断されたプロファイルの断面形状の投影として理解してもよい。
【0024】
本明細書では「相転移」、「相変化」および「相シフト」という表現は同義で使用される。
【0025】
本明細書では開口部が延在する方向は、最初に縁部に沿った所与の点において開口部を画定している対向する縁部間の最短距離を見つけ、次いで最短距離で縁部を接続する想像線セグメントの中心点を確立し、細長い開口部に沿ってそれを繰り返し、その中心点を接続し、それにより得られる接続線が開口部の延在方向を定めることにより定められる。図18は、図17の開口部140を用いてこの原理を示す。例示的な開口部140は、2つの細長く、かつ相互に対向する側縁部E1、E2および側縁部E1、E2を互いに接続する2つの曲線状の相互に対向する末端縁部E3、E4によって境界が定められている。図示されている例では、5つの第1の参照点P1.1、P2.1、P3.1、P4.1、P5.1は開口部140の第1の細長い側縁部E1に沿って定められており、それにより5つの対応する点P1.2、P2.2、P3.2、P4.2、P5.2が第1の参照点P1.1、P2.1、P3.1、P4.1、P5.1から最短距離で対向する第2の細長い側縁部E2上に定められている。延在方向DEは、第1および第2の参照点P1.1とP1.2、P2.1とP2.2、P3.1とP3.2、P4.1とP4.2、P5.1とP5.2を接続するセグメント線SL1、SL2、SL3、SL4、SL5の中心点CP1、CP2、CP3、CP4、CP5を接続することにより形成されている。図示されている例では真っ直ぐな延在方向が得られているが、延在方向は代わりとして開口部の形状に応じて曲線状であってもよく、あるいは別の真っ直ぐでない形状を有していてもよいことに留意すべきである。
【0026】
本明細書では「ある方向に延在する」という表現は、限定されるものではないが延在方向が開口部がその最大伸長を有する方向であることを意味することを含む。
【0027】
図1図3は、少なくともいくつかの実施形態に係るヒートシンク100により冷却される照明器を示す。図1図3の装置は2つの主要パーツ、すなわち熱源200とヒートシンク100とを備える。照明器は適用可能な熱源の一例として開示されており、例えば別の熱源、例えばIGBTモジュール、プロセッサ、高電力IC、レーザーダイオード、PCBもしくは電子モジュール、RF部品(ラジエーターまたはフィルタなど)あるいは任意の他の予見可能な熱を発生する電気もしくは光学部品と置き換えることができる。照明器は、切頭円錐反射器220を通してLEDチップ210を収容するほぼ円筒状の本体230を有する。照明器は、簡潔性のために図から省略されているレンズまたは対物レンズなどのさらなる光学系を備えていてもよい。
【0028】
LEDチップ210は、熱源200をヒートシンク100に接続する連結器150上に装着されている。本例では連結器150は、一方で熱源200に、他方でヒートシンク100に接続するように成形されているほぼ円筒状のピースの形態をなしている。照明器の本体230は、焼嵌め、ねじ山、熱嵌め、ろう付け、溶接、接着または貼り付けによって熱源200の同様に成形された本体230に取り付けられていてもよい。連結器150の外側円筒面は例えば、雌ネジに適合するように設計された雄ネジを本体230上に含んでいてもよい。連結器150の上面はLEDチップ210の回路基板を収容するために平らであってもよい。連結器150は熱源200の配線のための貫通部分として貫通孔も備えていてもよい。
【0029】
ヒートシンク100は3つの主要部分、すなわちコア110と、コア110を取り囲んでいるプロファイル120と、それらの間に中間体積160が形成されるようにコア110をプロファイル120に接続するブリッジ130とを有する。最初にコア110を考察する。コア110は細長く、これはそれが1つの主要な伸長寸法を有することを意味している。図示されている実施形態では、伸長寸法は真っ直ぐであるが、コアは代わりとして曲線状の伸長寸法に沿って細長くてもよい。コア110は、コア110をほぼ円筒状の形状にさせる伸長寸法を横切るほぼ円形の断面を有する。あるいは、コアの外側断面形状は楕円形、三角形、四角形、六角形または任意の好適な形状に変えることができる。図示されている回転対称性は要件ではない。
【0030】
コア110の直径は肩部112を経て一端で減少している。その減少の目的は、コア110を連結器150に設けられた受け入れチャネル151の中に装着することである。実際には、連結器150はヒートシンク100を受け入れるために熱源200に対する対向側に開口部を備える。より具体的には、連結器150の底側はコア110を受け入れるためのチャネル151を備える。
【0031】
コア110はチャネルを含めるために中空であってもよい。チャネルは伸長寸法方向に延在している。図示されている例によれば、チャネルはコア110を通って延在している。そのような延在は、そのことについてさらに言うと、コア110およびヒートシンク100の残りの部分が押し出しによって作製される場合には予見可能である。但しチャネルは代わりとして目に見えないものであってもよい。実際にはコア110、プロファイル120およびブリッジ130は代わりとして被加工物の中に押し出されていてもよく、次いでこれはチャネルおよび開口部を含めるために機械加工されている。押し出しまたは穴あけによって作製されているかを問わず、コア110は2つ以上のチャネルを備えていてもよく、ここではチャネルは互いに同じもしくは異なるサイズを有していてもよい。
【0032】
コア110の第2の端部を閉鎖するために、チャネルは、チャネルの残りの部分と比較して拡大した部分である座部113と、座部113の中に挿入されるプラグ114とを備えていてもよい。当然のことながら、コア110の内部チャネルは通常のチャネル断面に一致するプラグ、またはコア110の第2の端部に対してシールする完全に外部のリードなどの他の手段でシールすることができる。コア110のチャネルは、熱源に近位の端部および熱源に遠位の端部からの伸長寸法に沿った伝熱を容易にするために使用してもよい。
【0033】
予見可能な変形によれば、コアは、コアを貫通し、かつ両端で塞がれているチャネルを備えていてもよい。熱源はプラグを通るコアの端部または側面のいずれかの上に装着されていてもよい。
【0034】
一実施形態によれば、コア110はヒートパイプ111を備える。ヒートパイプ111は、例えばコアを一体部材としてヒートパイプと共に鋳造または押し出しすることにより中空コア110の中に一体化されていてもよい。あるいはヒートパイプは、例えば圧縮嵌めまたは溶接によりコアに追加されていてもよい。ヒートパイプ111は閉鎖されている。ヒートパイプ111は一端で連結器150によって、他端でプラグ114によって閉鎖されていてもよい。ヒートパイプ111は相間移動流体を含む。相間移動流体は好ましくは、ヒートパイプ111内で熱サイホンサイクルを行うために使用される。
【0035】
一実施形態によれば、内部チャネルはヒートパイプ111として機能する。連結器150に取り付けられると、コア110のヒートパイプ111は連結器151のチャネル151と流体連通した状態になる。次いで熱源200によって発生した熱はヒートパイプ原理の支援により遠位端に伝達させることができる。従ってチャネル151およびヒートパイプ111によって形成された内側流れ空洞は好ましくは閉鎖されており、かつ熱サイホンサイクルを行うために相間移動流体を含んでいる。伝熱をさらに促進するために、連結器150はチャネル151と流体接続しているベイパーチャンバー152を備えていてもよい。ベイパーチャンバー152は、熱源(図1図3のLEDチップ210)を受け入れるための連結器150の表面に近接しているチャネル151の拡大部分であってもよい。
【0036】
上述のように、断続的かつ浮遊性のシェルを作り出すために、外側プロファイル120はコア110を取り囲んでいる。プロファイル120はコア110と伸長寸法を共有している。コア110と同様に、伸長寸法は曲線状であってもよい。但し、押し出しによる製造を可能にするために真っ直ぐな向きが好ましい。プロファイル120は伸長寸法を横切って見た場合に円形の断面形状を有していてもよく、あるいは例えば楕円形、三角形、四角形または六角形などの任意の予見可能な形状を有していてもよい。図16は、ほぼ六角形のプロファイル120を有する図1のヒートシンクの変形を含む。プロファイルは丸い角によって接続された6つの面を含む。ヒートシンク100は2つの開口部、すなわち短いものと長いものを含み、プロファイル120を3つの部分に分ける。中間体積160はコア110とプロファイル120との間の空間の中に形成されている。中間体積160は、図1図15および図17に示されている例では環状であり、ブリッジ130を収容している。
【0037】
外側プロファイル120には、中間体積160を環境に露出させるための少なくとも1つの開口部140が設けられている。本ヒートシンク概念のいくつかの用途では1つの開口部140で十分な場合があるが、図示されている実施形態は、その伸長寸法に沿ってプロファイル120上に、連続的であって離間された状態で配置された4つの開口部141、142、143、144を特徴とする。4つの開口部141~144はプロファイル120をそれぞれの4つのプロファイル部分121、122、123、124に分ける。ここからは単に開口部140と呼ぶ4つの例示的な開口部141、142、143、144は、外側プロファイル120の周囲に沿って少なくとも部分的に延在している。図示されている開口部140は、周囲に沿ってプロファイル120の周りに延在するように構成されており、こうして開口部140を放射状にするだけでなくプロファイル120の伸長寸法に対して回転式にさせる。開口部140のそのような放射状の性質により、プロファイル120をコア110の周りの環のようにし、従ってその環は伸長寸法に沿って立面図において見た場合に円形を有しているかそれ以外の形状の形態を有していてもよい。
【0038】
但し開口部140は、図に示すようにプロファイル120の周囲全体の周りに延在している必要はない。代わりに開口部140は、周囲の一部のみにわたって延在していてもよい(図示せず)。追加または代わりとして開口部140は、開口部140の伸長寸法がプロファイル120の断面形状の周囲に沿って1つの部品およびプロファイル120の伸長寸法に沿って別の部品を有するように細長くてもよい。言い換えると、開口部140はプロファイル120の伸長寸法に対して真っ直ぐな角度で延在していてもよく、あるいはプロファイル120の伸長寸法に対して対角線すなわち斜めの向きに延在していてもよい。図1図16に示されている例では、開口部140の伸長寸法はプロファイル120の伸長寸法に沿って部品を有していない。図17に示されている例では、開口部160は、プロファイル120の周囲および偶然にも真っ直ぐであるプロファイル120の伸長寸法、すなわちプロファイル120の軸寸法の両方に沿って部品を有する方向に延在している。開口部140は僅かに螺旋状の形状を有する。プロファイル120の端部を非断続的状態のままにするために、開口部140はプロファイル120の伸長寸法全体に沿って延在していないことが好ましい。これにより当該ピースの剛性を高める。斜めの開口部は、図17に示すようにプロファイル120のみを貫通していてもよく、あるいはブリッジを通ってコアまで延在していてもよい。開口部140はヒートシンク100のコア110まで延在し、従ってブリッジ130を通って切断されていてもよいことが図1図3からも分かる。そのような深い切断は任意である。図示されていない実施形態によれば、ブリッジ130はいずれも開口部140によって影響を受けないかその小さい部分のみが影響を受ける。
【0039】
図1に示されている実施形態は、第1のプロファイル部分と連結器150との間に空間を有した状態でプロファイル120を5つの連続するプロファイル部分に分ける5つの開口部を有する例を示す。図2および図3は、第1のプロファイル部分と連結器150との間に空間を有した状態でプロファイル120を4つの連続するプロファイル部分に分ける4つの開口部を有する図1の構造の微修正を示す。開口部140は両方の例において、ヒートシンク100の伸長寸法に沿って互いから等しい軸方向のカバー度および距離を有する。図4の実施形態は、プロファイル120をそれぞれの14個のプロファイル部分121…1214に分ける14個の開口部141…1414を有する修正された例を示す。図4のヒートシンク100は例示を目的として「上下逆さ」に示されている。ヒートシンク100は熱源が底にある状態で設置されることが意図されている。ヒートシンク100は垂直または傾斜した向きで延在していてもよい。図4の開口部の軸方向のカバー度は、各連続する開口部141…1414の軸方向のカバー度がヒートシンク100の近位端から遠位端に向かって減少し、プロファイル部分121…1214の軸方向高さの増加をもたらすように変わる。従って各連続する開口部間の距離は、等しいままであってもよく、近位端から遠位端に向かって減少していてもよい。図の残りは、プロファイル120を4つのプロファイル部分に分ける3つの開口部を提案する図6、プロファイル120を4つのプロファイル部分に分ける4つの開口部を提案する図8および図10、ならびにプロファイル120を9つのプロファイル部分に分ける10個の開口部を提案する図11により、さらなる修正を示す。
【0040】
開口部140のサイズおよび分布、すなわちプロファイル120の閉鎖および開放パーツ間の関係を変えることにより、冷却気流の煙突効果を調整してもよい。さらに、本ヒートシンクに中間体積から周囲環境またはその逆に移動する空気を促進するためのファンまたは匹敵する能動的流動装置(図示せず)を設けることにより、気流をさらに促進させてもよい。図4の例では、熱源の近くの近位端にある第1の開口部141は熱源から最も遠い遠位端にある第14の開口部1414と比べて比較的大きい。近位端から遠位端へと伸長寸法に沿って開口部サイズを減少させることにより、周囲空気は熱源の近くで中間体積に自由に入ることができるが、遠位端に向かう煙突効果により、比較的狭い開口部からであっても空気が引き出される。前記第1の開口部と最後の開口部との間にある開口部は徐々に、線形に、あるいは漸増的にサイズを変えてもよい。
【0041】
次にブリッジ130を考察する。ブリッジ130はコア110とプロファイル120との間に機械的接続を提供する。ブリッジ130は一体化された部品であってもよく、これはコア110、プロファイル120およびブリッジ130が非破壊的な方法で分解することができない1つのピースとして構築されていることを意味する。ブリッジ130は、コア110の伸長寸法に対してほぼ放射状にコア110から延在している。図示されている実施形態は、開口部140によって影響を受けるヒートシンク100の部分からは省略されているブリッジ130を示す。上述のように、ブリッジ130は開口部において完全または部分的に除去されないままであってもよい(図示せず)。ブリッジ130はコア110とプロファイル120との間の中間体積160を占めるので、ブリッジ130は中実のピースではなく、有効な冷却のために中間体積160内ならびに中間体積160と周囲環境との間の気流を容易にするいくつかのより小さい要素から構成されていることが有利である。
【0042】
図2図3は、コア110とプロファイル120との間に延在する一連の放射状スポーク131を含むブリッジ130の1つの例を示す。図示されている例は、コア110の周りに均等に広げられている6つの真っ直ぐなスポーク131を含む。図1図4および図5は、図2および図3の単純な真っ直ぐなスポークの修正版を示す。図5に最も良く示されているように、スポーク131の表面積はフィン132を追加することにより増加させてもよい。フィン132はほぼ横向きにスポーク131から延在している。フィン132はスポーク131の両側または片側のみに設けられていてもよい。各連続するフィン132の長さは、製造を容易にするためにコア端部からプロファイル端部に向かって増加してもよい。大ざっぱに言うと、フィン132の長さと相互距離は、中間体積160における空気の自由な流れを可能にするために最大化すべきである。但し実際には、押し出しおよび機械加工による本ヒートシンクの作製はフィン132の寸法への限界をもたらす。押し出し工具は例えば、押し出し材料の最適化された流れ特性を提供するために押し出し工具の最大トング比または好ましい幾何学的特性などの制限を有する場合がある。他方、過度に長いフィンは旋盤加工中に振動を引き起こす場合がある。
【0043】
後で分かるように、開口部140はチップ除去製造技術により作製してもよい。切断工具をコア110に向かって半径方向に駆動させてブリッジ130を通して切断する際に、切断縁はスポーク131に沿って移動し、それによりフィン132は機械加工のための終点または切断深さとして機能してもよい。ブリッジ130からのチップの分離を促進するために、スポーク131とフィン132との間の角度θは、切断縁のためのガイド面を作り出すために90度超になるように構築されている。フィン132の外面は、「取り外し」ためにコア110に向かって僅かな曲線を含めるように成形されていてもよく、このように機械加工プロセスの終了を支援する。より具体的には、フィン132のタンジェントはスポーク131からの距離の関数として変化する。言い換えると、切断工具とフィン132との間の迎角をスポーク131からの距離の関数として減少させる。切断縁が僅かに軽減された角度でフィン132と接触している状態で、バリ取りを最小限に抑えるかさらには無くしてもよい。開口部がブリッジ130を通って延在している場合、コア110は機械加工を終了するために同様に成形された表面を含んでいてもよい。より具体的には、図5に示すように、コア110にあるスポーク131のステムはフィン132と同様のバリ取り防止形状を含んでいてもよい。
【0044】
熱源、連結器、制御装置、調整接合部などの部品のための装着点として機能するために、ソケット133として機能するための拡大部分の代わりまたは追加として伸長寸法に沿ってヒートシンク120を通る穴またはネジポケットを導入すること、またはその後に付加製造工程後に機械加工することにより、ヒートシンク100の付加製造段階中に追加または代わりの装着点をプロファイル120、ブリッジ130またはコア110に設けてもよい。ソケット133は雌ネジを含めてネジ結合を容易にするために、好ましくは機械加工された穴134を含んでいてもよい。当然のことながら、リベット、接着剤の使用などの他の取り付け手段も予見可能である。穴134は、近位端と遠位端との間のソケット133に電力および/または制御ケーブルを通すためにさらに利用してもよい。図5はまた、ヒートパイプ111に含まれている流体の逆流を促進するために、どのようにしてヒートパイプ111の表面を波状にさせるかを示す。特に傾斜した設置では、ヒートパイプ111は戻ってきた液体をヒートパイプ111の周囲の周りに分散させるためのスプラインまたは他の長手方向に延在する溝を含むことが有利である。そのような波状の利点は、反対方向に急増する蒸気から若干分離される液体力学的挙動により、戻ってきた流体が溝の底において流れることができる点にある。そのような波状がない場合、戻ってきた液体が全て集まって重力場においてヒートパイプの最も低い部分に沿って流れ、従って連結器150の沸騰面上の小さい領域に集まる。追加または代わりとして、銅ロッドまたは匹敵する要素をコア110の内部チャネルの中に導入することにより、ヒートパイプ効果をさらに高めてもよい。
【0045】
図6は、図2および図3の実施形態の修正を示す。第1にコア110は中実であり、すなわちチャネルを特徴としない。熱源はコア110の端部または側面に取り付けられていてもよい。第2にスポーク131は曲線状である。曲線部は、各スポーク131に隣接するヒートシンク100の伸長寸法に平行に延在する軸の周りに設けられている。曲線部はヒートシンク100の旋盤加工方向に直角の拡張部品を作り出し、これは開口部の作製中に有利である。曲線部は本ヒートシンクを正しい方向に回転させた場合に旋盤加工中に共振を引き起こすリスクを減らすことができる。スポークの形状は代わりとして、文字SまたはZに似ている形状などの真っ直ぐまたは曲線状以外の形状を含めるために変えてもよい。
【0046】
あるいはコアは、銅などの高導電性材料の挿入物が挿入されるチャネルを含んでいてもよい。この挿入物は中実であっても、例えばヒートパイプを含めるために中空であってもよい。
【0047】
図1図6に示されている例示的なヒートシンク100は全て、プロファイル120に対して中心に位置するコア110を有する。コアは代わりとして、プロファイルに対して中心を外れていてもよい(図示せず)。従って、ブリッジもそのような非対称に対応するために偏心であってもよい。
【0048】
開口部およびフィンのサイズおよび配置を変えることに加えて、本ヒートシンクにさらなる部品を追加して放熱をさらに促進してもよい。図12は、プロファイル120、より詳細にはプロファイル部分の1つ以上に追加することができるさらなる拡張板170を提案している。図12は、ヒートシンク100から分離されたそのような拡張板170の1つを示す。図に示すように拡張板170は、プロファイル120を受け入れるための開口部173、およびシート171から延在し、開口部173を画定し、かつプロファイル120に取り付けられるカラー172と共に、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鋼またはスズなどの金属の単純なシート171を含んでいてもよい。カラー172はそれらの間にある接着剤、はんだ、サーマルペーストなどの伝熱促進剤を介してプロファイル120に取り付けられていてもよい。従って好適な接合方法としては、接着、はんだ付け、溶接、焼嵌めなどが挙げられる。そのような拡張プレート170の導入により、放熱を促進するためのプロファイル120の放散表面積が非常に大きくなる。
【0049】
上に確立されているように、新規なヒートシンク概念を変えて様々な利点を得てもよい。図7図11および図13図15は、いくつかの実用的な用途および本ヒートシンク概念のさらなる変形を示す。
【0050】
図7および図8は、図2および図3の実施形態の変形として本ヒートシンク概念の実用的な用途を示す。図7および図8は、5つのLEDチップ210a、210b、210c、210d、210e有する熱源と、全てが共有される連結器150上に装着されたそれぞれの5つの関連するヒートシンク100a、100b、100c、100d、100eとを有する照明システム1000を示す。従って細長い連結器150は5つの離間されたチャネルと、それぞれの熱発生要素および本ヒートシンクを伝熱接続状態に接続するためのベイパーチャンバー152とを備える。ヒートシンク100a…100eは連結器150に対してほぼ直角に装着されている。当然のことながら、LEDチップ210a…210eの数および配置は、例えばLEDチップ210a…210eを行列に配置し、LEDチップ210a…210eの数を増加または減少させ、かつ/または連結器を真っ直ぐでない形態、例えば2次元もしくは3次元曲線に成形することにより変えることができる。
【0051】
図9および図10は、図2および図3の実施形態の変形として本ヒートシンク概念の別の実用的な用途を示す。図9および図10は、図7および図8の実施形態と同様の共有される細長い連結器150を備えているが、ヒートシンクが連結器150の両側に設けられた状態の熱交換器2000を示す。従って熱交換器2000は、連結器150の片側に配置された5つの100a…100eの第1のヒートシンクセットおよび連結器150の対向側に配置された5つの100f…100jの第2のヒートシンクセットを特徴とする。対向するヒートシンク100aと100f、100bと100g、100cと100h、100dと100i、100eと100jが互いに位置合わせされている。さらに、ヒートシンク100のコア110のための連結器150上のチャネル151は内部チャネル、例えば対のヒートシンク100aと100f、100bと100g、100cと100h、100dと100i、100eと100jのヒートパイプ111を互いに流体連通させるために、連結器150を貫通している。従って連結器150の片側から発生する熱を、接合されたヒートパイプ111の支援により2つの側面間の伝熱接続を介して連結器150の他の側面に伝達させてもよい。連結器150の対向側に広く行き渡っているガスまたは液体間の相互汚染を防止するために、連結器150は2つの側面を互いから分離するように成形されていてもよい。連結器150は例えば、流路または反応容器の一部を形成するように成形されていてもよい。
【0052】
図11は、貫流式ラジエーター3000を示す本ヒートシンク概念のさらに別の実用的な用途を示す。貫流式ラジエーター3000は、それらのそれぞれの内側チャネルが直列に接続されており、かつ連結器150により互いに流体連通している状態で連続的に配置された4つのヒートシンク100a、100b、100c、100c、100dを備える。提案されている実施形態に係る連結器150は、それぞれ直列に第1および最後のヒートシンク100a、100dの入口および出口において真っ直ぐであってもよく、かつ/または小型の蛇行状ラジエーターを形成するために前のヒートシンクの出口を連続するヒートシンクの入口に接続するために曲がっていてもよい単純なパイプの形態をなしている。上述のようにヒートシンク100は、9つのプロファイル部分と、入口および出口として機能するために両端で完全に露出されているコアとを有する図4に示されている形態の変形である。あるいはヒートシンク100a、100b、100c、100c、100dは真っ直ぐまたはそれ以外の形状の構成および/またはより少ないまたはより多いヒートシンクがラジエーター3000に含まれている状態で配置されていてもよい。図11は直列に接続された本ヒートシンクを示しているが、平行な構成も予見可能である。あるいは当該構成は、平行に接続された1つまたは2つ以上のヒートシンクを備えた異なるユニットと直列に配置されたいくつかのヒートシンクユニットを備えていてもよい。ラジエーター3000は、内側チャネルおよび関連する気流促進ブリッジ130およびプロファイル120を用いて、冷却剤に含まれている熱を周囲環境に放散させるためにヒートシンク100a、100b、100c、100c、100dを介して冷却剤を供給することにより作動させることができる。
【0053】
図13は、図12に示されている拡張板170が備えられた、共有される連結器150上に装着された5つのLEDチップ210a…210eおよびそれぞれの5つの関連するヒートシンク100a…100eを特徴とする図7の実施形態の組み合わせを示す。図13の実施形態では、各プロファイル部分は2つ以上の拡張板170を保持している。図12の変形として、拡張板170は細長く、かつそれぞれの5つの平行なプロファイル120を収容するために5つの相互に平行な開口部が設けられている。
【0054】
図14は、図13に示されている拡張板170の変形を示す。図14の拡張板170はシート171上の各平行な開口部172間にひだ174を含む。ひだ174は設置およびプロファイル120との位置合わせを支援するために、拡張板170の柔軟性を高める。ひだ174は、その周りで拡張板170が比較的容易に曲がることができる弾性変形軸を形成している。
【0055】
図15は、図7図13および図14に示されている照明システム1000のさらに別の変形を示す。第1に拡張板170には、シート171上の各平行な開口部172間に折り目175が設けられている。折り目175は拡張板170内の連続する開口部172間に平面ずれを導入する。その理由は、照明システム1000の第2の主要変形にある。図15の実施形態によれば、ヒートシンク100a…100eは細長い共有される連結器150に対して斜めの角度で、すなわち真っ直ぐでない角度で装着されている。斜めの装着角度の目的は、連結器150の垂直設置(図15に水平で示されている)を可能にし、それによりヒートパイプに含まれている流体が連結器150に向かって下に流れることである。言い換えると、連結器に対する本ヒートシンクの傾斜した装着角度により、コアを重力場に対して位置合わせされていない向きにさせる。
【0056】
上で簡単に言及したように、本ヒートシンク概念は従来の製造機器による製造の点で特に有利である。ヒートシンク100の製造は任意の終了工程と共に3つの主要製造工程を有する。最初に押し出し、鋳造、3D印刷、射出成形などの付加製造技術によりプリフォームを作製する。プリフォームは、そのような製造技術に適した材料から作製してもよく、かつ好適な伝熱性を有する。予見可能な原料としては、アルミニウム、銅、合金または複合材などが挙げられる。プリフォームはコア110、外側プロファイル120およびブリッジ130を備え、これらは好ましくは同じ付加製造段階において提供される。従って、これらの3つの主要パーツ110、120、130は互いに一体化されている。
【0057】
第1の主要製造工程が完了した状態で、第2の主要製造工程においてプリフォームに開口部140を設ける。開口部140はチップ除去製造技術または別の材料除去技術により追加してもよい。好ましい材料除去技術は旋盤加工である。図示のように、プロファイル120がほぼ円形の断面形状を有する場合、それをスピンドルノーズに容易に取り付けることができる。特定の実施形態によれば、第2の製造工程はスルースピンドルフィードによりCNC旋盤において行う。旋盤加工はプロファイル120を通り、かつ任意にブリッジ130を通って半径方向に延在する開口部140を作製するために特に有利である。開口部が本ヒートシンクの伸長寸法に部品を含む方向に延在している場合、多軸CNC機械は好ましいオプションであり得る。
【0058】
2つの主要製造工程は、ヒートシンクのプリフォームを適当な長さに切断するための切断段階である第3の段階の前または後に行ってもよい。この切断は旋盤加工、CNC機械加工、プラズマ切断、レーザー切断、水切断などの従来の方法により行ってもよい。
【0059】
当該製品は必要であれば、本ヒートシンクに対する面取りまたは他の軽減された縁部の機械加工および/またはバリ取りにより仕上げてもよい。さらに本ヒートシンクの材料を腐食に対して処理するか、それ以外に見た目のために向上させてもよい。
【0060】
開示されている本発明の実施形態は本明細書に開示されている特定の構造、プロセス工程または材料に限定されず、関連技術の当業者によって認識されるようにそれらの均等物にまで及ぶことを理解されたい。本明細書で用いられている用語は特定の実施形態を説明するためにのみ使用されており、限定を意図したものではないことも理解すべきである。
【0061】
本明細書全体を通して「一実施形態」という言及は、その実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、本明細書全体を通した様々な場所での「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0062】
本明細書で使用される複数の項目、構造的要素、構成的要素および/または材料は便宜上、共通のリストの中で提示されている場合がある。但しこれらのリストは、当該リストの各メンバーが別個かつ固有のメンバーとして個々に特定されているかのように解釈されるべきである。従ってそのようなリストの個々のメンバーはそれに反する指示がない限り、共通のグループでのそれらの提示のみに基づいて同じリストの任意の他のメンバーの事実上の均等物として解釈されるべきではない。また本発明の様々な実施形態および例は、それらの様々な構成要素の代替物と共に本明細書において言及される場合がある。当然ながらそのような実施形態、例および代替物は互いに事実上の均等物として解釈されるべきではなく、本発明の別個かつ独立した表現として解釈されるべきである。
【0063】
さらに、記載されている特徴、構造または特性を1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせてもよい。以下の説明では、本発明の実施形態の徹底的な理解を提供するために長さ、幅、形状などの数多くの特定の詳細が提供されている。但し関連する技術の当業者であれば、特定の詳細の1つ以上がなくても、あるいは他の方法、部品、材料などを用いて本発明を実施できることを認識しているであろう。他の例では、本発明の態様を曖昧にすることを避けるために周知の構造、材料または動作については詳細に図示または説明していない。
【0064】
上記例は1つ以上の特定の用途における本発明の原理の例示であり、発明力を行使せず、かつ本発明の原理および概念から逸脱することなく、形態、使用および実装の詳細における数多くの修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。従って、以下に記載されている特許請求の範囲による場合を除いて、本発明が限定されることは意図されていない。
【0065】
「を備える」および「を含む」という動詞は、列記されていない特徴の存在を排除または要求のどちらもしない非限定的なものとして本明細書で使用されている。従属請求項に列記されている特徴は、特に明記されていない限り相互に自由に組み合わせ可能である。さらに本明細書全体を通して、「一」または「一つの」すなわち単数形の使用は複数形を排除しないことを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本ヒートシンクの概念は、例えば図1図2および図3に示されている照明器、図7図8図13図14および図15に示されている照明システム1000、図9および図10に示されている熱交換器2000、ならびに図11に示されているラジエーター3000において使用される放熱解決法として利用することができる。また図示されている概念は例えば図7に示されているセットアップにより、IGBTモジュールなどの1つの熱源をいくつかのヒートシンクと共に提供することにより適用してもよく、ここでは流路は熱源が装着される連結器において接続される。
【符号の説明】
【0067】
【表1】
【0068】
引用例一覧
US 2009071624 A1
EP 2193310 B1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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図11
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図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】