(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】プローブ前進装置及び関連システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/01 20060101AFI20240117BHJP
A61M 39/12 20060101ALI20240117BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61M25/01
A61M39/12
A61M25/09 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541760
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2022011530
(87)【国際公開番号】W WO2022150537
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】アダム ジェイ.ボウド
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC10
4C066FF01
4C066FF03
4C267AA04
4C267AA28
4C267BB11
4C267BB18
4C267BB40
4C267BB53
4C267CC08
4C267FF03
4C267GG02
4C267GG05
4C267GG21
4C267HH08
(57)【要約】
プローブ前進装置は、カテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。プローブ前進装置は可撓性ハウジングを含んでもよく、これは基端端部と末端端部とを含んでもよい。プローブ前進装置は、可撓性ハウジングの基端端部に結合されたプローブ前進要素を含んでもよい。プローブ前進要素は、可撓性ハウジング内で末端方向に延びるプローブを含んでもよい。可撓性ハウジングは、プローブが末端方向に前進させられるのに応答して、軸に沿ってつぶれるように構成されていてもよい。プローブは、血液収集のためのチューブ、ガイドワイヤ、又は他の適切な要素を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリに結合するように構成されたプローブ前進装置であって、前記プローブ前進装置が、
基端端部及び末端端部を備える可撓性ハウジング、及び
前記可撓性ハウジングの前記基端端部に結合されたプローブ前進要素であって、前記プローブ前進要素は、前記可撓性ハウジング内で末端方向に延びるプローブを備え、前記可撓性ハウジングは、前記プローブが前記末端方向に前進されることに応答して、軸に沿ってつぶれるように構成されている、プローブ前進要素、
を備える、プローブ前進装置。
【請求項2】
前記プローブが、ガイドワイヤ及びチューブの1つを備える、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項3】
前記プローブ前進要素の基端端部が、血液収集装置に結合するように構成されている、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項4】
前記可撓性ハウジング内に配置された支持要素をさらに備え、前記プローブが前記支持要素を通って延びており、前記支持要素の末端端部が雄ルアーを備え、前記支持要素の基端端部が雌ルアーを備える、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項5】
前記可撓性ハウジング内に間隔をあけて配置された複数の支持要素をさらに備え、前記プローブが前記複数の支持要素を通って延びており、前記支持要素の各々の末端端部が雄ルアーを備え、前記支持要素の各々の基端端部が雌ルアーを備え、前記複数の支持要素が、前記可撓性ハウジングを通って基端に流れる血液の量を減少させる、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項6】
ハウジングの末端端部に配置されてカテーテルアセンブリに結合するように構成されたアダプタをさらに備え、アダプタ内にはセプタムが配置されていない、請求項4又は5に記載のプローブ前進装置。
【請求項7】
前記複数の支持要素の各々が、プローブにロックするように構成されている、請求項5に記載のプローブ前進装置。
【請求項8】
前記可撓性ハウジングの末端端部に配置された端部コネクタと、前記可撓性ハウジングの基端端部に配置された別のコネクタとをさらに備え、前記プローブが前記末端方向に前進させられて前記可撓性ハウジングがつぶれることに応答して、前記端部コネクタが前記別のコネクタに結合するように構成されている、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項9】
前記端部コネクタが雌ルアーアダプタを備え、前記別のコネクタが雄ルアーアダプタを備える、請求項8に記載のプローブ前進装置。
【請求項10】
前記可撓性ハウジング内に配置されて前記プローブ前進要素と前記端部コネクタとの間の整列を維持する整列ロッドをさらに備える、請求項8に記載のプローブ前進装置。
【請求項11】
前記可撓性ハウジングの少なくとも一部が透明であり、前記プローブが前記可撓性ハウジングを通して視認可能となっている、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項12】
前記プローブ前進要素と前記可撓性ハウジングの前記末端端部との間の前記可撓性ハウジング内に配置されたバイアス部材をさらに備え、前記バイアス部材は、前記プローブを後退位置にバイアスするように構成されている、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項13】
前記プローブ前進要素が、前記プローブが前記末端方向に前進させられるのに応答して、前記バイアス部材を前記末端方向に圧縮して前記軸に沿って前記可撓性ハウジングをつぶすように構成されている、請求項12に記載のプローブ前進装置。
【請求項14】
末端端部に向けて可撓性ハウジング内に配置された近傍アクセス把持要素をさらに備え、前記近傍アクセス把持要素は、弾力的に一緒に挟持されるように構成された第1の端部及び第2の端部を備えていて、前記プローブがその間に保持されるようになっている、請求項1に記載のプローブ前進装置。
【請求項15】
前記近傍アクセス把持要素は、前記可撓性ハウジング内で前記軸に沿って又は前記軸と平行に選択的に並進されるように構成されている、請求項14に記載のプローブ前進装置。
【請求項16】
プローブ前進システムであって、
血液収集装置、
可撓性ハウジングであって、基端端部、及びそれを貫通して延びる流体経路を備える、可撓性ハウジング、及び
前記基端端部に配置されて前記血液収集装置に結合されたプローブ前進要素であって、前記プローブ前進要素は、前記可撓性ハウジング内で末端方向に延びるプローブを備え、前記流体経路は、前記血液収集装置と流体連通している、プローブ前進要素、及び
前記可撓性ハウジングの末端端部に結合されていて前記流体経路と流体連通するカテーテルアセンブリであって、前記カテーテルアセンブリは、そこを通って前記プローブを受容するように構成されている、カテーテルアセンブリ、
を備える、プローブ前進システム。
【請求項17】
前記流体経路は、前記プローブが前記末端方向に前進させられるのに応答して、前記可撓性ハウジングの軸に沿ってつぶれるように構成されている、請求項16に記載のプローブ前進システム。
【請求項18】
前記プローブがチューブを備え、前記流体経路が前記チューブを通って延びている、請求項16に記載のプローブ前進システム。
【請求項19】
前記可撓性ハウジングの前記基端端部がコネクタを備え、前記コネクタがシャフトを備え、前記チューブが前記シャフトから末端に延びている、請求項18に記載のプローブ前進システム。
【請求項20】
前記可撓性ハウジングの前記末端端部が端部コネクタを備え、前記シャフトは、前記端部コネクタに挿入して流体密シールを形成するように構成されている、請求項19に記載のプローブ前進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、プローブ前進装置及び関連システム並びに方法」と題する2021年1月8日に出願された米国仮出願シリアル番号第63/135,377号の優先権を主張し、その開示全体が参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
カテーテルは一般に、患者の血管系内に液体を注入するために使用される。例えば、カテーテルは、通常生理食塩水、各種医薬品、又は全非経口栄養剤を注入するために使用されることがある。カテーテルはまた、患者から血液を抜き取るためにも使用されることがある。
【0003】
カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈内留置(「IV」)カテーテルを含んでもよい。この場合、カテーテルは、鋭利な末端先端を有する導入針の上に装着されてもよい。カテーテルと導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延びて針の斜面が患者の皮膚から離れて向くように、組み立てられてもよい。カテーテルと導入針は、全体として皮膚から患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
導入針及び/又はカテーテルの血管内への適切な配置を確認するため、施術者は、一般にカテーテルを含むカテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバに血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認された後、施術者は針を抜去し、カテーテルを将来の血液吸引又は液体注入のために所定の位置に残してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カテーテルは、典型的にはアクセスポートを提供し、これによりカテーテルが患者の血管系に留置されている間、他の装置がカテーテルへのアクセスを得てもよい。これらの他の装置は、血液サンプルを得ること、流体の注入、測定の実行、モニタリングなど、様々な作業を行うために採用されてもよい。多くの場合、IVカテーテル装置のカテーテルが閉塞されることがあり(例えば、血栓やフィブリン鞘ゆえに)、そのような作業の実行を妨げることがある。カテーテルが閉塞された場合、施術者はカテーテルを通して針、ワイヤ、その他の構造物を挿入するなどして閉塞を除去しようと試みることある。しかし、現在利用可能な技術で閉塞を除去することは、常に有効であるとは限らず、しばしば実行が困難であり、患者の血管系に外傷を与えることがある。
【0006】
ここで請求される主題は、何らかの欠点を解決する実施形態や、上述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、ここに記載される幾つかの実施形態が実施され得る一例の技術分野を説明するために提供されるに過ぎない。
【0007】
概要
本開示は、全体として、カテーテル内でのプローブの前進を容易にするプローブ前進装置だけでなく、関連するシステム及び方法にも関する。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、血液サンプルを得ることを含む様々な作業を実行するために採用されてもよい。多くの場合、IVカテーテル装置のカテーテルが閉塞され(例えば、血栓又はフィブリン鞘ゆえに)、これは血液吸引の成功を妨げることがある。幾つかの実施形態では、プローブは、プローブ前進装置により前進させられて、閉塞を除去するか又は閉塞を通る経路を提供してもよい。
【0008】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置はカテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は可撓性ハウジングを含んでもよく、これは基端端部と末端端部とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素が可撓性ハウジングの基端端部に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素は、可撓性ハウジング内で末端方向に延びるプローブを含んでもよい。幾つかの実施形態において、可撓性ハウジングは、プローブが末端方向に前進させられることに応答して、軸に沿ってつぶれるように構成されてもよい。
【0009】
幾つかの実施形態では、プローブはガイドワイヤ及びチューブの一方を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素の基端端部は、血液収集装置に結合するように構成されてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、可撓性ハウジング内に配置された支持要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、支持要素の末端端部は雄ルアーを備えてもよく、支持要素の基端端部は雌ルアーを備える。幾つかの実施形態では、プローブは、支持要素を通って延びてもよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、可撓性ハウジング内に間隔をあけられた複数の支持要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブは、支持要素を通って延びてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素の各々の末端端部は雄ルアーを含んでもよく、支持要素の各々の基端端部は雌ルアーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、支持要素の各々は、プローブにロックされるように構成されてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、端部コネクタが可撓性ハウジングの末端端部に配置されてもよく、別のコネクタが可撓性ハウジングの基端端部に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブが末端方向に前進され可撓性ハウジングがつぶれることに応答して、端部コネクタは、他のコネクタに結合するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、端部コネクタは、雌ルアーアダプタを含んでもよく、他方のコネクタは、雄ルアーアダプタを含んでもよい。
【0013】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、可撓性ハウジング内に配置された位置合わせロッドを含んで、プローブ前進要素と端部コネクタとの間の位置合わせを維持してもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジングの少なくとも一部は、プローブが可撓性ハウジングを通して見えるように、透明であってもよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、プローブ前進要素と可撓性ハウジングの末端端部との間の可撓性ハウジング内に配置されたバイアス部材を含んでもよい。幾つかの実施形態では、バイアス部材は、プローブを後退位置にバイアスするように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素は、プローブが末端方向に前進させられるのに応答して、バイアス部材を末端方向に圧縮して軸に沿って可撓性ハウジングをつぶすように構成されてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、可撓性ハウジングの末端端部に向けて可撓性ハウジング内に配置された近傍アクセス把持要素を含んでもよい。幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素は、可撓性ハウジング内のプローブの位置を操作するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素は、一緒に弾力的に挟持されるように構成された第1の端部及び第2の端部を含んで、プローブがその間に保持されるようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素は、可撓性ハウジング内で軸に沿って又は軸と平行に選択的に並進されるように構成されてもよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、プローブ前進システムは、血液収集装置、可撓性ハウジング、及びプローブ前進要素を含んでもよい。幾つかの実施形態では、流体経路が、可撓性ハウジングを通って及び/又は血液収集装置内に延びていてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進システムは、カテーテルアセンブリを含んでもよく、これは可撓性ハウジングの末端端部に結合されて流体経路と流体連通していてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、そこを通ってプローブを受容するように構成されてもよい。
【0017】
幾つかの実施形態において、流体経路は、プローブの周囲及び/又はプローブと可撓性ハウジングの内面との間に延びていてもよい。これらの実施形態において、流体経路は、プローブが末端方向に前進されるのに応答して、可撓性ハウジングの軸に沿ってつぶれるように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、プローブは、チューブを含んでもよく、流体経路は、チューブを通って延びていてもよい。幾つかの実施形態において、可撓性ハウジングの基端端部は、他のコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態において、他のコネクタは、シャフトを含んでもよく、チューブは、シャフトから末端に延びていてもよい。幾つかの実施形態において、可撓性ハウジングの末端端部は、端部コネクタを含んでもよく、シャフトは、端部コネクタ内に挿入して流体密シールを形成するように構成されてもよい。
【0018】
幾つかの実施形態では、血液吸引のためにプローブを前進させる方法は、プローブ前進装置をカテーテルアセンブリに結合することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリはカテーテルアダプタを含んでもよく、これは基端端部、末端端部、及びそこを通って延びる内腔を含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタの末端端部から延びるカテーテルを含んでもよく、これは静脈内であってもよい。幾つかの実施形態では、方法は、血液収集装置をプローブ前進装置に結合することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブは末端方向に前進されて、カテーテルアセンブリを通る流体経路を形成してもよい。幾つかの実施形態では、プローブが末端方向に前進された後、血液収集装置が作動されて流体経路を介して患者から血液を収集してもよい。
【0019】
前述の一般的な説明も以下の詳細な説明も、例であり説明的なものであって、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【0020】
図面の簡単な説明
例示的な実施形態は、添付の図面を用いてさらに具体的かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】
図1Aは、幾つかの実施形態による、例示的なプローブ前進装置の斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、幾つかの実施形態による、例示的なプローブ前進システムの上方斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、幾つかの実施形態による、チューブを含む例示的なプローブを示す、別の例示的なプローブ前進装置の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、幾つかの実施形態による、ガイドワイヤを含む例示的なプローブを示す、別の例示的なプローブ前進装置の断面図である。
【
図3】
図3は、幾つかの実施形態による別の例のプローブ前進装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態により構成された別のプローブ前進装置の断面図である。
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による例示的な可撓性ハウジング内に配置された例示的な支持要素の断面側面図である。
【
図6A】
図6Aは、幾つかの実施形態による例示的アダプタ内に配置されたセプタムの一例の断面図である。
【
図6B】
図6Bは、幾つかの実施形態による、別の例のプローブを示す
図6Aのセプタムの断面図である。
【
図6C】
図6Cは、幾つかの実施形態によるアダプタ内に配置されたセプタムの別の例の断面図である。
【
図6D】
図6Dは、幾つかの実施形態によるアダプタ内に配置されたセプタムの別の例の断面図である。
【
図6E】
図6Eは、幾つかの実施形態による、セプタムを通して前進されたプローブの例を示す、
図6Dのセプタムの断面図である。
【
図7A】
図7Aは、幾つかの実施形態による近傍アクセス把持要素の上方斜視図である。
【
図7C】
図7Cは、幾つかの実施形態による
図7Aの近傍アクセス把持要素及び例示的なプローブの斜視図である。
【
図7D】
図7Dは、幾つかの実施形態によるプローブを把持するように作動された
図7Aの近傍アクセス把持要素の斜視図である。
【
図7E】
図7Eは、幾つかの実施形態による例示的なセプタムを通してプローブを並進させるように作動された
図7Aの近傍アクセス把持要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態の説明
本明細書及び特許請求の範囲において、「カテーテルアセンブリ」という用語は、IVカテーテルを含むあらゆる装置として解釈されるべきである。「プローブ前進装置」という用語は、IVカテーテル内でプローブを前進及び/又は後退させるように構成された任意の装置として解釈されるべきである。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置は、プローブ前進装置が使用されてもよいカテーテルアセンブリとは別個の装置であってもよい。他の実施形態では、プローブ前進装置はカテーテルアセンブリを含んでもよく、又はカテーテルアセンブリと単一ユニットとしてモノリシックに形成さてもよい。
【0023】
図1A及び1Bは、カテーテル72内でプローブ46を前進させるためのプローブ前進装置30を示す。幾つかの実施形態では、プローブ46は、血液が流れてもよいチューブを含んでもよい。他の実施形態では、プローブ46は、例えばニッケルチタンガイドワイヤのようなガイドワイヤを含んでもよい。
【0024】
プローブ前進装置30の様々な実施形態は、例えば血液サンプルを得ることを含む様々な作業を実行するために採用されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30は、カテーテルアセンブリ62を通してプローブ46を送達して、閉塞された(例えば、血栓又はフィブリン鞘ゆえに)カテーテル72の一部を清浄してもよい。このような閉塞の清浄に失敗すると、血液吸引の成功が妨げられることがある。ここに提示される幾つかの実施形態は、プローブ46の座屈長柱(buckling column)の有効長さを短くし、及び/又はプローブ46が末端に前進される際の抗力を低減してもよい。
【0025】
ここで
図1Aを参照すると、例示的な実施形態の第1セットにおいて、プローブ前進装置30は、基端端部36及び末端端部38を有する可撓性ハウジング32を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、例えば、ポリエチレン、PEEK、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリプロピレン、及びポリウレタンのうちの1又は複数などの、可撓性生体適合性プラスチック材料又は他の適切な可撓性医療グレードポリマーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、障害物及び/又は前進或いはその中のプローブ46の視覚化を容易にするために、透明材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、つぶれることが可能な内腔又は流体経路を形成するアコーディオン様構造を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、軸42と整列されてもよい。幾つかの実施形態において、軸42は、可撓性ハウジング32の中心又は長手方向軸を含んでもよく、これは基端端部36及び末端端部38を通って延びていてもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は可撓性ハウジング32の基端端部に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、剛性又は弾力性材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32の断面形状に実質的にマッチする形状を含んでもよい。図示されるように、例えば、可撓性ハウジング32はシリンダを形成し、一方、プローブ前進要素44は、シリンダの直径に実質的にマッチする直径を有する円を形成することができる。このようにして、幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32の基端端部36を実質的に閉塞してもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32の基端端部36を実質的に閉塞するための任意の適切な形状を含んでもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30の基端端部36は、末端端部38に配置された対応するルアーアダプタ又は結合特徴部に結合するように構成されたルアーアダプタ又は他の結合特徴部を含んでもよい。このようにして、幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、基端端部36の結合特徴部を末端端部38の対応する結合特徴部に結合することにより、圧縮され又は完全に圧縮されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30の基端端部36は、雄ルアーを含んでもよく、これは末端端部38の雌ルアーに結合するように構成されたシャフト81を含んでもよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、プローブ46は、可撓性ハウジング32内のプローブ前進要素44から末端方向に延びてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46はガイドワイヤ又はチューブを含んでもよい。幾つかの実施形態では、チューブはシリンダ状であってもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、プローブ46が末端方向に前進させられると軸42に沿ってつぶれるように構成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、可撓性ハウジング32のアコーディオン様構造は、プローブ46が末端方向に前進するのに応答して漸次短くなる長さを有する可撓性ハウジング32をもたらしてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、プローブ前進装置30は、近傍アクセス把持要素52をさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、可撓性ハウジング32内及び/又は末端端部38に近傍して配置されてもよい。近傍アクセス把持要素52の幾つかの実施形態は、可撓性ハウジング32内のプローブ46の位置を操作するように構成されてもよい。このようにして、プローブ46は、カテーテル(例えば、
図1Bのカテーテル72を参照)の一部又は全部を通って前進して障害物を清浄し、それにより血液吸引の成功を容易にしてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、例えばОシール又は適切なゴム或いはプラスチックシールなどのシールが、プローブ前進要素44と可撓性ハウジング32の基端端部36との間に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、ルアーアダプタ又は他の結合特徴部が、プローブ前進要素44に結合され又はプローブ前進要素44と一体化されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、ルアーアダプタ又は他の結合特徴部は、基端端部36にシールを形成してもよい。このようにして、幾つかの実施形態では、プローブ46はガイドワイヤを含んでもよく及び/又は可撓性ハウジング32はVACUTAINER(登録商標)LUER-LOK(商標)アクセス装置(「LLAD」、ニュージャージー州フランクリンレイクのBecton Dickinson & Companyから入手可能)、注射器、又は他の適切な血液収集装置を使用して血液が吸引され得る気密流体経路を形成してもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、プローブ46はチューブを含んでいてもよく、チューブはプローブ前進要素44から延びていてもよい。幾つかの実施形態では、チューブが可撓性ハウジング32を通って末端方向に前進させられるとき、チューブは流体経路を形成して、これを通って例えばLLAD又は注射器などの血液収集装置60を使用して血液が吸引され得るようになっていてもよい。
【0032】
幾つかの実施形態では、プローブ46は、カテーテル72先端を移動させること、カテーテル72から血栓又は他の障害物を除去すること、新しい血液源に新しい流体経路を延ばすこと、血栓を抑えること、1つ又は複数の弁を開くこと、及びカテーテル72を障害物から遠ざけることのうちの1つ又は複数により、障害物を清浄してもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46の位置及び/又は配置は、血液吸引のための経路の清浄を容易にするために、最初の展開後に調整されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30は、プローブ46の最初の前進が完了したことを示す触覚及び/又は聴覚フィードバックを使用者に提供してもよい。
【0033】
ここで
図1Bを参照すると、プローブ前進システム78は、血液収集装置60、プローブ前進装置30、及びカテーテルアセンブリ62を含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、基端端部68、末端端部70、及び末端端部70から延びるカテーテル72を有するカテーテルアダプタ64を含んでもよい。幾つかの実施形態では、延長チューブ66がカテーテルアダプタ64のサイドポートから延びてもよい。
図1Bは、幾つかの実施形態による、雄ルアーを基端端部68又はコネクタ69に挿入してプローブ前進装置30をカテーテルアセンブリ62に結合する直前の、プローブ前進システム78を示す。
【0034】
幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32の基端端部36に配置され、血液収集装置60に結合され得る。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32内で末端方向に延びるプローブ46を含んでもよい。幾つかの実施形態において、可撓性ハウジング32は、プローブ46が末端方向に前進させられるのに応答して、軸42に沿ってつぶれるように構成され得る。
【0035】
可撓性ハウジング32の幾つかの実施形態では、血液収集装置60と流体連通するつぶれることが可能な流体経路を形成することができる。これらの実施形態及び他の実施形態では、血液はプローブ46の周囲を流れてもよく、これはガイドワイヤを含んでもよい。他の実施形態では、プローブ46はチューブを含んでもよく、血液はチューブを通って流れてチューブと可撓性ハウジング32の内面との間には流れ込まなくてもよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30は、可撓性ハウジング32内に配置されて可撓性ハウジング32の末端端部38の端部コネクタ54に結合するように構成されたコネクタ要素50を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32の少なくとも一部は、プローブ46が外面34を通して視認可能であるように透明であってもよい。幾つかの実施形態において、シャフト81及び/又はプローブ46は、コネクタ50の穴を通って嵌合するように構成されてもよく、又はコネクタ50の対応するルアーに結合するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、コネクタ50は、全体として円形のディスク及び/又は全体として円形のディスクから末端コネクタ54まで末端に延びる延長部を含んでもよく、これに延長部が取り付けられてもよい。
【0037】
以下により詳細に議論されるように、幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素52は、末端端部38に近傍して可撓性ハウジング32内に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素52は、コネクタ要素50の延長部に固定されてもよい。近傍アクセス把持要素52の幾つかの実施形態は、可撓性ハウジング32内のプローブ46の位置を操作するように構成されてもよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、例えばバネなどのバイアス部材56が、コネクタ要素50と基端端部36との間に延在して、プローブ46が後退位置にバイアスされるようになっていてもよい。幾つかの実施形態において、バイアス部材56は、プローブ46が末端方向に前進させられるとき、圧縮されてもよい。幾つかの実施形態において、バイアス部材56は、プローブ46を基端方向に自動的に後退させるように構成されてもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、可撓性ハウジング32の末端端部38に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、プローブ前進装置30に結合されて、つぶれることが可能な流体経路及び/又はプローブ46を通る流体経路と流体連通してもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、そこを通ってプローブ46を受容するように構成されていてもよい。
【0040】
ここで
図2A-2Bを参照すると、幾つかの実施形態では、プローブ46の前進は、プローブ前進装置30の基端端部36を把持してプローブ46をカテーテル72に向けて及び/又はカテーテル72を通って末端に移動させることにより達成されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30の基端端部36は、プローブ46の位置を操作するために基端端部36を把持することを容易にする形状及び/又はテクスチャを含んでもよい。幾つかの実施形態では、
図2の1つ以上の特徴を
図1A及び/又は
図1Bの1つ以上の特徴と組み合わせてもよいことが理解される。
図2Aは、幾つかの実施形態による、チューブとしてのプローブ46を示す。幾つかの実施形態では、チューブは、接着剤又は他の適切な方法を介してなど、流体密な方式でシャフト81内に固定されてもよい。
図2Bは、ガイドワイヤとしてのプローブ46を示しており、これは接着剤又は他の適切な方法を介してシャフト81に固定されてもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤはシャフト81に埋め込まれていてもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤは血栓除去を容易にするために様々な形状を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤは直線部分及び/又は螺旋部分79を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤの末端端部は、鈍い要素81を含んでもよく、これは静脈への損傷を避けるために、ボール、丸みを帯びた表面、又は別の鈍い要素を含んでもよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、プローブ46は、カテーテルアセンブリを通って末端方向に移動され、患者の血管系又は静脈内に移動されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30の基端端部36は、プローブ46を末端方向にさらに前進させるために、可撓性ハウジング32を容易にするように、回転されてもよく、又はその向きを他の方法で調整されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46は、それがカテーテル72を通って延ばされるまで、末端方向に前進させられてもよい(例えば、
図1B参照)。
【0042】
幾つかの実施形態では、プローブ46は、カテーテル72の先端の内側に形成された血栓又はカテーテル72が皮膚に差し込まれたときに生じるカテーテル72のS字カーブなど、前進を阻害する障害物に遭遇することがある。これらの実施形態では、末端端部38の近傍に配置された近傍アクセス把持要素52が、プローブ46を支持して前進させるために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、減少された座屈柱長を提供することにより、プローブ46がより容易に操作されるようになっていてもよい。
【0043】
実際、幾つかの実施形態では、プローブ46は、それがカテーテル72又はカテーテルアセンブリ62を通過するときの小さい慣性モーメントを有してもよい。幾つかの実施形態では、チューブ又はプローブ46の一部は、伸長位置でカテーテルアセンブリ62により十分に支持されてもよいが、他の部分は支持されなくてもよい。その結果、これらの支持されていない部分は、挿入荷重が印可されるとき、座屈してもよい。
【0044】
この点に関しては、オイラーの座屈方式が示している:
Pcr=pi^2 EI/L^2
ここで、慣性曲げモーメントIは、ソリッドワイヤ又はガイドワイヤの場合I=pi^4/4に等しく、チューブの場合I=pi(Ro^4-Ri^4)/4に等しい。幾つかの実施形態では、プローブ46はカテーテル72の内径を通過しなければならないため、R値が非常に小さくてもよく、その結果、座屈しやすい非常に柔軟なカラムになってもよい。しかし、幾つかの実施形態では、押し込む距離を短くすると、カラムが著しく硬くなって、必要な挿入力を支えるようになってもよい。
【0045】
幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素52は、ゴム、プラスチック、金属、又は任意の他の適切な材料を含んで、可撓性ハウジング32内でプローブ46を把持及び/又は操作してもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、プローブ46の並進を促進してもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、可撓性ハウジング32を通して使用者により感じられ及び/又は操作されてもよい外部特徴部を含んでもよい。幾つかの実施形態において、近傍アクセス把持要素52は、プローブ46と相互接続又は係合するように構成された1つ以上の表面をさらに含んでもよい。例えば、幾つかの実施形態では、表面は、近傍アクセス把持要素52とプローブ46との間の確実な相互接続を容易にするために、1つ以上の溝、くぼみ、又は他のテクスチャ或いは材料を含んでもよい。
【0046】
幾つかの実施形態において、使用者は、近傍アクセス把持要素52を操作して、プローブ46の長さの少なくとも一部を把持してもよい。幾つかの実施形態において、使用者は、プローブ46を移動させるために近傍アクセス把持要素52を移動させてもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、カテーテル72内でプローブ46を前進又は後退させるために、軸42に沿って並進又は移動されてもよい。幾つかの実施形態では、使用者は、近傍アクセス把持要素52を可撓性ハウジング32の基端端部36と同時に操作して、プローブ46をカテーテル72に向けて及び/又はカテーテル72内を通って移動させてもよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、末端コネクタ54はアダプタ80を含んでもよく、これは基端側の雌ルアーアダプタ及び/又は末端側の雄ルアーアダプタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30の基端端部36は、例えば、
図2に図示されているような雄ルアーなどのルアーアダプタを含んでよく、これは幅57を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46の末端への前進及び可撓性ハウジング32がつぶれることに応答して、雄ルアーは、端部コネクタ54の雌ルアー内に挿入するように構成されて、雄ルアーが端部コネクタ54をシールするようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、雌ルアーの幅又は形状は、雄ルアーの幅又は形状を受容してもよい。幾つかの実施形態では、雄ルアーはアダプタ80の内面に接触してシールを形成し、これはプローブ46が末端に前進されて可撓性ハウジング32がつぶされたときにアダプタ80を通る流体の流れを減少又は防止させてもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、雄ルアーを雌ルアーに結合することにより圧縮又は完全に圧縮されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30はセプタムを含まなくてもよく、これがプローブ46の抵抗を低減させてもよい。他の実施形態では、プローブ前進装置30はセプタムを含んでもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、血液吸引のためにプローブ46を前進させる方法は、プローブ前進装置30(例えば、
図1~7参照)をカテーテルアセンブリ62(例えば、
図2B参照)に結合することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリ62は、基端端部68、末端端部70、及び末端端部70から延びるカテーテル72、を有するカテーテルアダプタ64を含んでもよい。
【0049】
プローブ前進装置30の幾つかの実施形態は、可撓性ハウジング32及びプローブ前進要素44を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、基端端部36及び末端端部38を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、基端端部36と末端端部38との間、及び/又はガイドワイヤを含んでもよいプローブ46の周囲に、つぶれることが可能な流体経路を形成してもよい。他の実施形態では、
図2に示されるように、流体経路は、チューブを含んでもよいプローブ46を通って延びていてもよい。これらの実施形態では、流体経路は、チューブと可撓性ハウジング32との間に延びていなくてもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32の基端端部36に結合されてもよい。プローブ前進装置30の幾つかの実施形態は、可撓性ハウジング32内で末端方向に延びるプローブ46を含んでもよい。幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32は、プローブ46が末端方向に前進させられるのに応答して、軸42に沿ってつぶれるように構成されてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、方法は、血液収集装置60をプローブ前進装置30に結合することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46は末端方向に並進されて、カテーテルアセンブリ62を通る流体経路を形成してもよい。最後に、幾つかの実施形態では、血液収集装置60は、作動されて流体経路を介して患者から血液を収集してもよい。
【0052】
次に
図3を参照すると、幾つかの実施形態では、整列機構58が可撓性ハウジング32内に配置されて、可撓性ハウジング32の基端端部36と末端端部38との間の整列を維持してもよい。幾つかの実施形態では、整列機構58の第1の端部59は、プローブ前進要素44にスライド可能に結合されてもよい。幾つかの実施形態において、整列機構58の第2の端部61は、端部コネクタ54に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、端部コネクタ54はアダプタ80を含んでもよく、又はアダプタ80に結合されてプローブ前進装置30とカテーテルアセンブリ62又は別の装置との間に流体経路を生成してもよい。幾つかの実施形態では、アダプタ80は雄ルアー又は他の適切なアダプタを含んでもよい。
【0053】
図示されているように、幾つかの実施形態では、整列機構58は、プローブ前進要素44と端部コネクタ54との間に、軸42に沿って又は軸42と平行に延びる剛性又は弾力性のあるロッド又は他の適切な構造を含んでもよい。この方式で、幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、可撓性ハウジング32が圧縮されてプローブ46を前進させるにつれて、整列機構58に沿って末端方向にスライドしてもよい。同様に、幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44は、プローブ46が後退させられるにつれて、整列機構58に沿って基端方向にスライドしてもよい。
【0054】
次に
図4を参照すると、幾つかの実施形態では、プローブ46は、血栓除去を容易にするために様々な形状を含んでもよいガイドワイヤを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤは、直線部分及び/又は螺旋部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤの末端端部は、静脈への損傷を避けるためにボール又は別の鈍い要素を含んでもよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、挟持要素を含んでもよく、これは衣服のピン又は他の挟持機構と同様に、プローブ46を挟持するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、挟持要素の対向する側面は、プローブ46を挟持するために使用者により一緒にされてもよく、これが、プローブ46の進路が妨げられた場合にその前進を容易にしてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44の雄ルアーのシャフト81は、(可撓性ハウジング32が圧縮された状態で)近傍アクセス把持要素52からアダプタ80の内部まで到達するのに十分な長さであって、プローブ前進装置30を密封してもよい。幾つかの実施形態では、挟持要素の対向する側面間の空間は、シャフト81を通過させるのに十分な大きさであるか、又はシャフト81の幅よりも大きくてもよい。幾つかの実施形態では、血液は、プローブ前進装置30を通って基端に、及び収集のためにシャフト81を通って基端に流れてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46は、ガイドワイヤを含んでもよく、シャフト81から延びていてもよく及び/又はプローブ前進装置30の長手方向軸と整列するように曲げられていてもよい。
【0057】
ここで
図5を参照すると、幾つかの実施形態では、プローブ前進装置30は、1つ以上の支持要素51a~c(本開示では「支持要素51」と総称されることがある)を含んでもよく、これらは、基端端部36と末端端部38の端部コネクタ54との間の可撓性ハウジング32内に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、支持要素51の各々は、嵌合ルアー及びシールルアーを含んでもよい。さらに詳細には、幾つかの実施形態において、支持要素51の各々の末端端部は、雄ルアーを含んでもよく、支持要素51の各々の基端端部は、雌ルアーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51は、したがって、互いに結合するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51の第1ものの末端端部は、支持要素51の第1ものに対してすぐ末端にある支持要素51の第2のものの基端端部に結合してもよい。幾つかの実施形態において、支持要素51の第1ものの基端端部は、支持要素51の第1ものに対してすぐ基端にある支持要素51の第3ものの末端端部に結合してもよい。幾つかの実施形態において、プローブ46は、支持要素51を通って延びてもよく、これはプローブ46を支持してプローブ46が末端方向に前進する間の座屈を低減してもよい。
【0058】
幾つかの実施形態では、支持要素51の各々は、ロック及びロック解除するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51は、近傍アクセス把持要素52と同様に、ユーザによる挟持に応答してロックするように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、特定の支持要素51がロックされるとき、特定の支持要素51がプローブ46を挟持して特定の支持要素51の移動がプローブ46を移動させるようになっていてもよい。幾つかの実施形態において、特定の支持要素51がロック解除されるとき、特定の支持要素51は、プローブ46を挟持せずプローブ46が特定の支持要素51を通ってスライドすることを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51の第3のものは、支持要素51の第1のものに対してロックされ末端に前進させられ及び/又はロック解除されてもよい支持要素51の第1のものに結合されてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51のうちの第1のものが、次にロックされてもよく、支持要素51の第3のものがロック解除されてもよく、続いて支持要素51の第1のもの及びプローブ46が末端に前進してもよい。幾つかの実施形態において、支持要素51の第1のものは、支持要素51の第2のものに対して末端に前進させられてもよく、及び/又は、支持要素51の第2のものと一緒に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51の第1のものが、次にロック解除されてもよく、支持要素51の第2のものがロックされてもよく、続いて支持要素51の第2のもの及びプローブ46が末端に前進してもよい。幾つかの実施形態では、支持要素51は、プローブ46が前進を阻害する障害物に遭遇したとき、プローブ46の前進を促進してもよい。
【0059】
幾つかの実施形態において、支持要素51は、プローブ46の長さに沿った様々な点でプローブ46を支持することを含む、幾つかの利点を提供してもよく、これはプローブ46の前進の間の座屈を低減してもよい。また、幾つかの実施形態では、末端端部38と基端端部36との間の支持要素51は、可撓性ハウジング32を通って流れる血液を減少させてもよい。幾つかの実施形態では、血液が支持要素51を通過するのが困難なことがあるため、アダプタ80内に配置されるセプタムが少なく(又は無く)なってもよく、これはプローブ46が前進される際のプローブ46への引っ張りを低減させてもよい。幾つかの実施態様では、セプタムによって生じる引っ張りはプローブ46の座屈の可能性を増加させることがある。
【0060】
ここで
図6A、6B、及び6Cを参照すると、幾つかの実施形態では、セプタム88(又は複数のセプタム88)がアダプタ80内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88は、カテーテル72内への又はカテーテル72を通る最初の配置後のプローブ46の調節を容易にしてもよい(例えば、
図1Bを参照)。
図6Aに示されるように、幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32がつぶれること及びプローブ46の末端方向への移動に応答して、シャフト81及び/又はプローブ46がセプタム88を通って移動されてもよい。
図6Aは、幾つかの実施形態に従って、セプタム88を通って末端に移動するプローブ46を示す。
【0061】
幾つかの実施形態では、プローブ46は、例えば
図6Aに図示されているようにチューブを含んでもよく、カテーテル72を通って延びたときに血液を吸引するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46は、例えば
図6Bに図示されているように、ガイドワイヤを含んでもよく、シャフト81から延びて及び/又はシャフト81に埋め込まれてもよい。
【0062】
図6Cに示されるように、幾つかの実施形態では、可撓性ハウジング32がつぶれること及びプローブ46の末端方向への移動に応答して、ガイドワイヤを含んでもよいプローブ46は、セプタム88を通って移動されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、プローブ46は、シャフト81に埋め込まれてもよく及び/又は中心から外れてもよい。したがって、幾つかの実施形態では、セプタム88は中心から外れたスリットを含んでいてもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、1つ以上のOリング89が、アダプタ80内及び/又はセプタム88の基端に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、Oリング89及び/又はセプタム88のエラストマー領域90は、多数の異なる軸方向位置間でのプローブ46の移動を容易にしながら、プローブ46の支持及び流体密封を容易にしてもよい。幾つかの実施形態では、Oリング及びエラストマー領域90は、チューブ又はシャフト81の周囲にシールを形成してもよい。
【0064】
幾つかの実施形態では、セプタム88は、プローブ46の前進前及び前進中に、血液が可撓性ハウジング32によって包囲された内腔内に流入するのを防止してもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88はまた、プローブ46がそこを貫通して延在するカテーテル72の留置中に、及び/又はプローブ46の後退中に、可撓性ハウジング32により包囲された内腔内に血液が流入するのを防止してもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88は、シャフト81とアダプタ38との間にシールを提供してもよく、これはプローブ46がガイドワイヤである場合に、血液収集のための吸引の適用を容易にしてもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88によって提供されるシャフト81とアダプタ38との間のシールは、十分な保持を生成して、使用者が血液収集装置60を介して血液を吸引し、軸方向の前進を介してなど、プローブ46の位置を調節している間、使用者が基端端部36を放すことを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ46又はチューブ内に流入する流体経路の閉塞がある場合、プローブ46の位置を調整することは、流体経路を開放してプローブ46及び/又は血液収集装置60への血液の流入を促進してもよい。
【0065】
図6A~6Eに示されているように、セプタム88の形状は様々であってよい。ここで
図6D~6Eを参照すると、セプタム88の内面は、バンプ91及び/又は他のバンプ93を含んでもよく、これはOリング89及びエラストマー領域90と同様の機能を提供してもよい。さらに詳細には、バンプ91及び/又は他のバンプ93は、プローブ46又はシャフト81の周囲にシールを形成してもよく、及び/又はプローブ46又はシャフト81を支持してもよい。幾つかの実施形態では、バンプ91はセプタムの折り畳まれた部分の一方の側にあってもよく、他のバンプ93は折り畳まれた部分の反対側にあってもよい。幾つかの実施形態では、折り畳まれた部分は、エラストマー領域90と同じ又は類似の機能を果たしてもよく、シャフト81の周囲にシールを提供してもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88の基端端部は、プローブ46の案内を容易にするための導出部又はテーパ部分95を含んでもよい。幾つかの実施形態では、セプタム88は、
図6D~6Eに図示されているように、H字形断面を含んでもよく、H字形断面の中間部分及びセプタム88は、シャフト81及び/又はプローブ46がセプタム88を通って移動するのに応答して、開いてもよい。これらの実施形態において、中間部分は、エラストマー領域90に向けて折り畳まれてもよい。
【0066】
ここで
図7A~7Eを参照すると、幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、ヒンジ86を有する弾性材料を含んで、近傍アクセス把持要素52が第1の端部74と第2の端部76との間でプローブ46を把持又は挟持するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、ヒンジ86は、ばね傾向を有するように形成されて、第1の端部74及び第2の端部76を開放位置に維持してもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、それと一体化された又はそれに結合されたバイアス機構を含んで、第1の端部74と第2の端部76との間の開放位置を維持してもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52は、可撓性ハウジング32を通して視認可能であってもよく、可撓性ハウジング32を通して近傍アクセス把持要素52を視認及び/又は操作することを容易にするサイズ及び形状を含んでいてもよい。
【0067】
幾つかの実施形態において、プローブ46の前進が妨げられる場合、近傍アクセス把持要素52は、プローブ46を把持するように作動されてもよい。幾つかの実施形態では、近傍アクセス把持要素52及びプローブ46は、末端方向に手動で並進されて、プローブ46を移動して障害物を克服又は迂回してもよい。幾つかの実施形態において、プローブ前進要素44及び/又は近傍アクセス把持要素52は、障害物を通過又は他の方法で克服した後、プローブ46をさらに前進させてもよい。幾つかの実施形態では、プローブ前進要素44及び/又は近傍アクセス把持要素52は、可撓性ハウジング32内でプローブ46を基端方向に後退させるために利用されてもよい。
【0068】
図1~7の1つ以上の実施形態が組み合わされてもよいことが理解される。例えば、
図1Aのプローブ前進装置30は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、
図1Bのプローブ前進装置30と類似又は同一であってもよい。別の例として、
図1Aのプローブ前進装置30は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、
図2のプローブ前進装置30と類似又は同一であってもよい。さらなる例として、
図3のプローブ前進装置30は、1つ又は複数の特徴及び/又は動作の点で、
図4のプローブ前進装置30と類似又は同一であってもよい。
【0069】
本明細書で援用されるすべての実施例及び条件文は、読者が本発明及び本技術をさらに発展させるために本発明者が貢献した概念を理解するのを助ける教育的な目的のために意図されたものであり、そのような具体的に援用された実施例及び条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされ得ることが理解されるべきである。
【国際調査報告】