(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】軽量拡張
(51)【国際特許分類】
G06F 16/28 20190101AFI20240117BHJP
【FI】
G06F16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541783
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 US2022011861
(87)【国際公開番号】W WO2022150723
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タブ,ロイド
(72)【発明者】
【氏名】トイ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマン,アリー
(72)【発明者】
【氏名】タルボット,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,ケビン・エフ
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175CA01
5B175FB04
(57)【要約】
データモデル(110)の軽量拡張のための方法(302)は、データ分析システム(200)におけるモデルドキュメント(120)を参照する拡張ドキュメント(160)をメモリ(212)に最初にロードすることを含む。モデルドキュメントはデータモデルを定義し、拡張ドキュメントはデータモデルに対しての少なくとも1つの修正(180)を用いてデータモデルを拡張する。次いで、本方法は、拡張ドキュメントから、データモデルに対しての修正を抽出することを含む。最後に、本方法は、拡張ドキュメントでのデータモデルのビューの再構成を処理することなくデータモデルに対しての拡張(190)を生み出すために、修正に組み合わされるモデルドキュメントからのデータモデルをメモリ内に作り出すことを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データモデル(110)の軽量拡張のためのコンピュータ実装方法(302)であって、前記コンピュータ実装方法(302)は、データ処理ハードウェア(214)によって実行される場合、動作を前記データ処理ハードウェア(214)に実施させ、前記動作は、
データ分析システム(200)におけるモデルドキュメント(120)を参照する拡張ドキュメント(160)をメモリ(212)にロードすることを含み、前記モデルドキュメント(120)はデータモデル(110)を定義し、前記拡張ドキュメント(160)は前記データモデル(110)に対しての少なくとも1つの修正を用いて前記データモデル(110)を拡張し、前記動作はさらに、
前記拡張ドキュメント(160)から、前記データモデル(110)に対しての前記少なくとも1つの修正(180)を抽出することと、
前記拡張ドキュメント(160)での前記データモデル(110)のビューの再構成を処理することなく前記データモデル(110)に対しての拡張(190)を生み出すために、前記少なくとも1つの修正(180)に組み合わされる前記モデルドキュメント(120)からの前記データモデル(110)を前記メモリ(212)内に作り出すこととを含む、コンピュータ実装方法(302)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義されていない新しいディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての追加である、請求項1に記載の方法(302)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)からの削除である、請求項1または2に記載の方法(302)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての変更である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(302)。
【請求項5】
データモデル(110)の軽量拡張のために適合されたデータ処理システム(200)であって、前記システム(200)は、
1つまたは複数のコンピュータを備えるホスト計算プラットフォーム(210)を備え、前記1つまたは複数のコンピュータの各々は、メモリ(212)および少なくとも1つのプロセッサ(214)を備え、前記システム(200)はさらに、
動作を実施するための前記ホスト計算プラットフォームでの実行中に利用可能であるコンピュータプログラム命令を有する軽量拡張モジュール(300)を備え、前記動作は、
データ分析システム(200)におけるモデルドキュメント(120)を参照する拡張ドキュメント(160)を前記メモリ(212)にロードすることを含み、前記モデルドキュメント(120)はデータモデル(110)を定義し、前記拡張ドキュメント(160)は前記データモデル(110)に対しての少なくとも1つの修正(180)を用いて前記データモデル(110)を拡張し、前記動作はさらに、
前記拡張ドキュメント(160)から、前記データモデル(110)に対しての前記少なくとも1つの修正(180)を抽出することと、
前記拡張ドキュメント(160)での前記データモデル(110)のビューの再構成を処理することなく前記データモデル(110)に対しての拡張を生み出すことを目的として、前記少なくとも1つの修正(180)に組み合わされる前記モデルドキュメント(120)からの前記データモデル(110)を前記メモリ(212)内に作り出すこととを含む、データ処理システム(200)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの修正(180)が、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義されていない新しいディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての追加である、請求項5に記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)からの削除である、請求項5または6に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての変更である、請求項5から7のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項9】
データモデル(110)の軽量拡張のためのコンピュータプログラム製品(216)であって、前記コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が組み込まれたコンピュータ可読記憶媒体を有し、前記プログラム命令は、デバイス(210)に動作を実施させるために前記デバイス(210)によって実行可能であり、前記動作は、
データ分析システム(200)におけるモデルドキュメント(120)を参照する拡張ドキュメント(160)をメモリ(212)にロードすることを含み、前記モデルドキュメント(120)はデータモデル(110)を定義し、前記拡張ドキュメント(160)は前記データモデル(110)に対しての少なくとも1つの修正(180)を用いて前記データモデル(110)を拡張し、前記動作はさらに、
前記拡張ドキュメント(160)から、前記データモデル(110)に対しての前記少なくとも1つの修正(180)を抽出することと、
前記拡張ドキュメント(160)での前記データモデル(110)のビューの再構成を処理することなく前記データモデル(110)に対しての拡張を生み出すことを目的として、前記少なくとも1つの修正(180)に組み合わされる前記モデルドキュメント(120)からの前記データモデル(110)を前記メモリ(212)内に作り出すこととを含む、コンピュータプログラム製品(216)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義されていない新しいディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての追加である、請求項9に記載のコンピュータプログラム製品(216)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)からの削除である、請求項9または10に記載のコンピュータプログラム製品(216)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの修正(180)は、前記モデルドキュメント(120)の前記データモデル(110)において事前に定義された既存のディメンション(150)の前記データモデル(110)に対しての変更である、請求項9から11のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム製品(216)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示はデータ分析の分野に関し、より詳細には、データ分析計算システムでのデータモデルの拡張(extension)に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
データベースという用語は、計算システムによって電子的に保存およびアクセスされる、データの組織化された集合体を意味する。次に、データベース管理システム(DBMS:database management system)は、各エンドユーザによるデータベースとの相互作用を促進することを目的として、データベースと1人または複数人のエンドユーザとの間にインターフェースを提供するコンピュータプログラムである。DBMSはさらに、一般に、基礎となるデータベース中のデータにアクセスするためのインターフェースを他のコンピュータプログラムに提供する。一般的に言うと、エンドユーザおよび他のコンピュータプログラムは、由緒ある(venerable)構造化照会言語(SQL)などの対応する照会言語に従って形成されたクエリ指令を使用して、DBMSを通してデータベースと相互作用する。
【0003】
データベース中のデータにクエリを行ったりデータベース中のデータを管理したりするためのSQLの非常に基本的な使用は多くのエンドユーザにとってそれほど難しいことではないが、より複雑なSQLクエリを作成することは気の弱い人には向かない。さらに重要なこととして、実際のクエリの構造に関係なくクエリを設定することは、データベース中のデータおよびデータ間の基本的な関係を高度に理解することを必要とする。データベースの内容を「読み込む」ことが実際的ではないという範囲内において、データベース中のデータをより深く理解するのを可能にすることを目的として、作り出したデータベースモデルを内観するのを可能にするようにデータベースをモデリングすることが知られている。実際には、現在のデータ分析ツールは既存のデータベースをモデリングするのを可能にすることに加えて、モデルによって供給される知識のみに基づいて、データベースに対して実行されることになるSQLクエリを作成することも可能にする。
【0004】
この点において、データモデルは、データベースのデータセットを組織化する手法を説明して、データセットのデータに関連するクエリの構築をガイドする、抽象モデルである。データモデルは一般に接合グラフ(join graph)を含有し、この接合グラフはその頂点の各々がテーブルを参照し、そのエッジ(edge)がテーブルに対しての参照の間の接合状態を反映する。さらに、接合グラフはこれらのテーブル中のカラムを説明することもでき、カラムは式を介して他のカラムから算出されるものであり、クエリは通常はカラムの集合体によりソーティングされ、クエリは通常はカラムの集合体によりサブトータルおよびトータルへとグループ化され、式はサブトータルまたはトータルの構築中にカラム値を組み合わせることによって算出される。クエリをデータ上に形成することが可能であるような手法のための他の提案もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データモデルを生成することは時間を要する難しいタスクであり得、基礎となるデータベース中のデータの多様な所望されるビュー(view)を説明することにおける専門知識を必要とし得る。近年の大幅な進歩によりこのような負担はいくらか低減されたが、モデルを経時的に維持することは依然として多くの人にとって非常に難易度の高いものとなり得る。モデルを維持することの一部としてモデルの拡張がある。この点に関して、データ分析の行使の各々の例において新しいモデルを定義することの代わりに、既存のモデルが、一般にモデルの内容の基本的なメタディスクリプションを増補することにより、拡張され得る。拡張が経時的に即興的に適用され得ることを理由として、および、データモデルの種々の部片がファイルに編成される方式に照らして、非常に熟練したエンドユーザにとっても、拡張されるデータモデルの最終的な出力を予測することが困難なものとなり得る。さらに、遠隔に配設された内容をインポートする能力を用いる場合、拡張されたデータモデルに寄与するすべてのコンポーネントの認識状態を維持することがさらに困難なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示の態様は、データモデルを拡張すること関して当技術分野の欠陥に対処し、データモデルの軽量(lightweight)拡張のための新規であり非自明である方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を提供する。本開示の実施例で、データモデルの軽量拡張のための方法は、データ分析システムにおけるモデルドキュメントを参照する拡張ドキュメントをメモリに最初にロードすることを含む。モデルドキュメントはデータモデルを定義し、拡張ドキュメントはデータモデルに対しての少なくとも1つの修正を用いてデータモデルを拡張する。次いで、本方法は、拡張ドキュメントから、データモデルに対しての修正を抽出することを含む。最後に、本方法は、拡張ドキュメントでのデータモデルのビューの再構成(redeclaration)を処理することなくデータモデルに対しての拡張を生み出すために、修正に組み合わされるモデルドキュメントからのデータモデルをメモリ内に作り出すことを含む。
【0007】
本開示のこの態様は、以下の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含むことができる。本開示の一態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義されていない新しいディメンションのデータモデルに対しての追加である。本開示の別の態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルからの削除である。本開示のさらに別の態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルに対しての変更である。
【0008】
本開示の別の開示で、データ処理システムは、データモデルの軽量拡張のために適合され得る。システムは1つまたは複数のコンピュータを有するホスト計算プラットフォームを有することができ、各コンピュータはメモリおよび少なくとも1つのプロセッサを備える。システムは、軽量拡張モジュールをさらに有する。モジュールは、動作を実施するためのホスト計算プラットフォームでの実行中に利用可能(enabled)であるコンピュータプログラム命令を有する。1つの動作は、データ分析システムにおけるモデルドキュメントを参照する拡張ドキュメントをメモリにロードすることを含み、モデルドキュメントはデータモデルを定義し、拡張ドキュメントはデータモデルに対しての少なくとも1つの修正を用いてデータモデルを拡張する。別の動作は、拡張ドキュメントから、データモデルに対しての修正を抽出することを含む。さらに別の動作は、拡張ドキュメントでのデータモデルのビューの再構成を処理することなくデータモデルに対しての拡張を生み出すために、修正に組み合わされるモデルドキュメントからのデータモデルをメモリ内に作り出すことを含む。
【0009】
本開示のこの態様は、以下の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含むことができる。本開示の一態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義されていない新しいディメンションのデータモデルに対しての追加である。本開示の別の態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルからの削除である。本開示のさらに別の態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルに対しての変更である。本開示の別の態様は、データモデルの軽量拡張のためのコンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が組み込まれたコンピュータ可読記憶媒体を有する。プログラム命令は、デバイスに動作を実施させるために、デバイスによって実行可能である。1つの動作は、データ分析システムにおけるモデルドキュメントを参照する拡張ドキュメントをメモリに最初にロードすることを含む。モデルドキュメントはデータモデルを定義し、拡張ドキュメントはデータモデルに対しての少なくとも1つの修正を用いてデータモデルを拡張する。別の動作は、拡張ドキュメントから、データモデルに対しての修正を抽出することを含む。さらに別の動作は、拡張ドキュメントでのデータモデルのビューの再構成を処理することなくデータモデルに対しての拡張を生み出すために、修正に組み合わされるモデルドキュメントからのデータモデルをメモリ内に作り出すことを含む。
【0010】
本開示のこの態様は、以下の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含むことができる。本開示の一態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義されていない新しいディメンションのデータモデルに対しての追加である。本開示の別の態様で、修正は、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルからの削除である。本開示のさらに別の態様で、修正hあ、モデルドキュメントのデータモデルにおいて事前に定義された既存のディメンションのデータモデルに対しての変更である。
【0011】
本開示の1つまたは複数の実装形態の詳細が添付図面および以下の記述に記載される。記述および図面から、ならびに特許請求の範囲から、他の態様、特徴、および利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】データモデルの軽量拡張のためのプロセスを示す図解的な図である。
【
図2】データモデルの軽量拡張のために適合されたデータ分析データ処理システムの概略図である。
【
図3】データモデルの軽量拡張のためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
種々の図の同様の参照符号は同様の要素を示している。
詳細な説明
本開示の態様はデータモデルの軽量拡張を実現する。本開示の実施例によると、データモデルに対しての拡張が、拡張内でデータモデルを参照することおよび拡張内にデータモデルに対しての少なくとも1つの修正を含むこと、の2つのパートで定義され得る。各修正が新しいディメンションをデータモデルに追加することができるか、既存のディメンションをデータモデルから削除することができるか、またはデータモデルの既存のディメンション中の値を変更することができる。重要なこととして、拡張自体はデータモデルのためのビューを再定義する必要がなく、単に、データモデルのアイデンティティを参照して修正を実現する。こうすることで、データモデルがデータモデルの完全な再設定を必要とすることなく拡張され得、データモデルに対しての拡張が、データモデルに対しての変更を区分してデータモデルのライフサイクルを通してのデータモデル管理を促進するために、データモデル自体のモデルドキュメントではなく、1つまたは複数の拡張に反映され得る。
【0014】
さらなる実例で、
図1が、データモデルの軽量拡張のためのプロセスを図解的に示す。
図1に示されるように、データベース100中のデータのためのデータモデル110がモデルドキュメント120内で定義されて維持され得る。モデルドキュメント120が1つまたは複数のディメンション150を設定することができ、データモデル110に名前を与える名前メンバー130を有することができる。次いで、データ分析アプリケーション140Aが、データモデル110中のデータの1つまたは複数の視覚化を生成することを含めた、データモデル110に対してのクエリを管理する。ユーザインターフェース140Bが、データモデルドキュメント120の多様なディメンション150の表示を提供するデータ分析アプリケーション140Aに関連付けられて提示される。
【0015】
ユーザインターフェース140Bがさらに、多様なディメンション150のうちの選択したディメンション150のための値を変更することと、新しいディメンションをデータベース100から追加することと、データモデルドキュメント120からディメンション150のうちの既存のディメンション150を消去することとを含めた、データモデルドキュメント120の多様なディメンション150の操作を可能にする。ユーザインターフェース140Bがさらに、別個の拡張ドキュメント160内でのデータモデルドキュメント120に対しての変更を維持するために利用可能であるユーザインターフェース制御(図示せず)を含む。この点に関して、拡張ドキュメント160が、データモデルドキュメント120に対しての参照170、および、ディメンション150のうちの既存の1つのディメンション150を削除または省略(drop)することと、ディメンション150のうちの既存の1つのディメンション150を変更することと、新しいディメンションを追加することとを含めて、データモデルドキュメント120のディメンション150を修正するための1つまたは複数の指令180を含むことができる。
【0016】
データ分析アプリケーション140Aがさらに、拡張済みモデル190を生み出すことを目的として、参照するデータモデルドキュメント120に対してその中での変更を適用することにより、拡張ドキュメント160を処理する。データ分析アプリケーション140Aがさらに、拡張ドキュメント160の指令180に従って修正されたデータモデル110によって定義されるように、拡張済みデータモデル190に対してのデータクエリを処理する。結果として、データモデル110が、元のデータモデル110の要素および拡張ドキュメント160に記載される変更を含むデータモデルの完全な再定義を必要とすることなく、軽量的に拡張され得、それによって、データモデル120のライフサイクルを管理し、拡張ドキュメント160の1つまたは複数のインスタンスを参照してデータモデル120に対しての経時的な多様な変更を認識する、より難易度の低いモードを提供することができる。
【0017】
図1に関連して説明されるプロセスはデータ分析データ処理システム200内で実施され得る。さらなる実例では、
図2が、データモデルの軽量拡張のために適合されたデータ分析データ処理システム200を概略的に示す。システム200が1つまたは複数のサーバのホスト計算システム210を有し、1つまたは複数のサーバの各々が、コンピュータ通信ネットワーク260を介して1つまたは複数のクライアントコンピュータ240およびデータベース250に通信可能に連結された、メモリハードウェア212および少なくとも1つのプロセッサ214を備える。データ分析アプリケーション220がホスト計算プラットフォーム210のメモリハードウェア212内で実行され、ユーザインターフェースを提供し、このユーザインターフェース内でデータベース250中のデータのための1つまたは複数のデータモデル230が定義され、1つまたは複数の対応する視覚化を引き起こすためにこのユーザインターフェースに対して多様なクエリが実施される。
【0018】
重要なこととして、軽量拡張モジュール300が、対応する拡張270においてデータモデル230のうちの多様なデータモデル230のディメンションを拡張するために、ホスト計算プラットフォーム210内での実行中に動作可能であるコンピュータプログラム命令を有する。プログラム命令が、加えて、クライアントコンピュータ240内で表示するための拡張ユーザインターフェース280を提供するために利用可能であり、拡張ユーザインターフェース280では、データモデル230のうちの選択した1つのデータモデル230のディメンションが表示され、拡張ユーザインターフェース280を介して、ディメンションのうちの選択した1つのディメンションのための値を変更することと、ディメンションのうちの既存の1つのディメンションを省略することと、新しいディメンションを追加することとを含めて、データモデル230のうちの選択した1つのデータモデル230に対しての1つまたは複数の変更が定義される。プログラム命令がさらに、拡張ユーザインターフェース280内で設定された変更を、拡張270のうちの対応する1つの拡張270内で維持するのに利用可能である。
【0019】
その後、プログラム命令が、ホスト計算プラットフォーム210のメモリハードウェア212内で拡張済みのデータモデルを生み出すことを目的として、データモデル230のうちの参照した1つのデータモデル230を検索して拡張270のうちの1つの拡張270内の変更をデータモデル230のうちの参照した1つのデータモデル230に適用することにより、拡張270のうちの1つの拡張270を処理することができる。このような変更は、データモデル230のうちの参照した1つのデータモデル230に対しての1つまたは複数のディメンションの追加、データモデル230のうちの参照した1つのデータモデル230からの1つまたは複数のディメンションの削除、および、データモデル230のうちの参照した1つのデータモデル230内での1つまたは複数のディメンションの修正を含む。最後に、データ分析アプリケーション220が、ホスト計算プラットフォーム210のメモリハードウェア212内での拡張済みのデータモデルに対してのクエリを処理することができる。
【0020】
軽量拡張モデル300の動作の別の実例では、
図3が、データモデルの軽量拡張のためのプロセス302を示すフローチャートである。ブロック310から開始して、データ分析アプリケーション140Aにロードするための拡張ドキュメントが選択され、ブロック320で、拡張ドキュメント160がメモリ212にロードされる。ブロック330で、拡張ドキュメント160の内容が解析され、ブロック340で、拡張ドキュメント160によって拡張されたデータモデル110の証明(identification)が抽出される。次いで、ブロック350で、参照したデータモデル110のためのデータモデルドキュメント120が固定のストレージ100から読み出され、メモリ212にロードされる。ブロック360で、既存のディメンション150を修正すること、新しいディメンションを追加すること、および既存のディメンション150を省略すること、のうちの任意またはすべてを含めた、拡張ドキュメント160の指令180が、データモデルドキュメント160のデータモデル110に適用される。拡張ドキュメント160の指令180の適用が拡張済みのデータモデルを生み出す。最後に、拡張済みのデータモデル190がデータ分析アプリケーション140A内での使用のために起動される。
【0021】
本開示は、システム、方法、コンピュータプログラム製品、またはその任意の組み合わせ内で、具体化され得る。コンピュータプログラム製品が、プロセッサに本開示の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体を有することができる。コンピュータ可読記憶媒体が、命令実行デバイスによって使用されるための命令を保持および保存することができる有形デバイスとなり得る。コンピュータ可読記憶媒体が、例えば、限定しないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または上記の任意の適切な組み合わせであってもよい。
【0022】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令が、コンピュータ可読記憶媒体から個別の計算/処理デバイスにダウンロードされ得るか、あるいはネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。コンピュータ可読プログラム命令が、全体としてユーザのコンピュータで実行され得るか、部分的に独立ソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータで実行され得るか、部分的にユーザのコンピュータかつ部分的にリモートコンピュータで実行され得るか、あるいは全体としてリモートコンピュータまたはサーバで実行され得る。本開示の態様による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のブロックのフローチャートの説明図および/またはブロック図を参照して、本明細書で、本開示の態様を説明する。フローチャートの説明図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに、フローチャートの説明図および/またはブロック図内のブロックの組み合わせが、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得る、ことが理解されよう。
【0023】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または、機械を生み出すための他のプログラム可能データ処理装置、のプロセッサに提供され得、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに明記される機能/活動を実施するための手段を作り出す。これらのコンピュータ可読プログラム命令がさらに、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、および/または特定の様式で機能する他のデバイス、に指示を出すことができるコンピュータ可読記憶媒体に保存され得、その結果、中に保存する命令を有するコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに明記される機能/活動の態様を実施する命令を有する製造品を有する。
【0024】
コンピュータ可読プログラム命令がさらに、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、あるいは、一連の動作ステップを、コンピュータ上で、他のプログラム可能装置上で、またはコンピュータ実施プロセスを引き起こすための他のデバイス上で、実施するための他のデバイス、の上にロードされ得、その結果、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイスで実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに明記される機能/活動を実施する。
【0025】
図の中のフローチャートおよびブロック図が、本開示の種々の態様によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能である実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の中の各ブロックが、設定される論理関数を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または一部分を表すことができる。いくつかの代替的実装形態では、ブロックに記載される機能が図に記載される順序とは別に行われてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、あるいは、ブロックが、場合によっては、伴われる機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。さらに、ブロック図および/またはフローチャートの説明図の各ブロック、ならびに、ブロック図および/またはフローチャートの説明図の中のブロックの組み合わせが、設定された機能または活動を実施するかあるいは専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実施され得る、ことが留意されよう。
【0026】
最後に、本明細書で使用される専門用語は特定の態様を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図されない。本明細書で使用される場合の単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で明白に別の意味で示されない限り、複数形も含むことを意図される。「include」、「includes」、および/または「including」という用語が、本明細書で使用される場合に、言及する特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するものであるが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除しない、ことがさらに理解されよう。
【0027】
以下の特許請求の範囲中の機能要素と併せたすべての手段またはステップの対応する構造、材料、活動、および均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求される要素との組み合わせで機能を実施するための任意の構造、材料、または活動を含むことを意図される。本開示の説明は例示および説明を目的として提示されるものであるが、包括的であることまたは開示される形態の開示に限定されることを意図されない。本開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者には多くの修正形態および変形形態が明らかとなろう。実施例は、本開示の原理および実際的な用途を最良に説明することを目的として、ならびに、企図される特定の使用に適するような種々の修正形態を用いる種々の態様のために当業者が本開示を理解するのを可能にすることを目的として、選択されて説明されたものである。
【0028】
多数の実装形態を説明してきた。しかし、本開示の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正形態が作られ得ることが理解されよう。したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データモデ
ルの軽量拡張のためのコンピュータ実装方
法であって、前記コンピュータ実装方
法は、データ処理ハードウェ
アによって実行される場合、動作を前記データ処理ハードウェ
アに実施させ、前記動作は、
データ分析システ
ムにおけるモデルドキュメン
トを参照する拡張ドキュメン
トをメモ
リにロードすることを含み、前記モデルドキュメン
トはデータモデ
ルを定義し、前記拡張ドキュメン
トは前記データモデ
ルに対しての少なくとも1つの修正を用いて前記データモデ
ルを拡張し、前記動作はさらに、
前記拡張ドキュメン
トから、前記データモデ
ルに対しての前記少なくとも1つの修
正を抽出することと、
前記拡張ドキュメン
トでの前記データモデ
ルのビューの再構成を処理することなく前記データモデ
ルに対しての拡
張を生み出すために、前記少なくとも1つの修
正に組み合わされる前記モデルドキュメン
トからの前記データモデ
ルを前記メモ
リ内に作り出すこととを含む、コンピュータ実装方
法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの修
正は、前記モデルドキュメン
トの前記データモデ
ルにおいて事前に定義されていない新しいディメンショ
ンの前記データモデ
ルに対しての追加である、請求項1に記載の方
法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの修
正は、前記モデルドキュメン
トの前記データモデ
ルにおいて事前に定義された既存のディメンショ
ンの前記データモデ
ルからの削除である、請求項1または2に記載の方
法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの修
正は、前記モデルドキュメン
トの前記データモデ
ルにおいて事前に定義された既存のディメンショ
ンの前記データモデ
ルに対しての変更である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方
法。
【請求項5】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項6】
データモデ
ルの軽量拡張のために適合されたデータ処理システ
ムであって、前記システ
ムは、
1つまたは複数のコンピュータを備えるホスト計算プラットフォーム(210)を備え、前記1つまたは複数のコンピュータの各々は、
請求項5に記載のコンピュータプログラムを格納するメモ
リおよび
前記コンピュータプログラムを実行する少なくとも1つのプロセッ
サを備え
る、データ処理システム。
【国際調査報告】