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特表2024-503043遠心圧縮機用冷却システム及びこれを含む冷凍システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】遠心圧縮機用冷却システム及びこれを含む冷凍システム
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20240117BHJP
   F25B 1/053 20060101ALI20240117BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240117BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20240117BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
F04D29/58 P
F25B1/053 Z
F25B1/00 321M
F04D29/58 Q
F04D29/42 H
H02K9/19 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541822
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 US2021065476
(87)【国際公開番号】W WO2022154964
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】17/248,166
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】コープランド エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ペレヴォースチコフ,マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】スワロー,マシュー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3H130
5H609
【Fターム(参考)】
3H130AA14
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB62
3H130AB69
3H130AC01
3H130AC11
3H130BA33E
3H130BA33G
3H130BA87E
3H130BA87G
3H130CA13
3H130DA02Z
3H130DB01X
3H130DB02X
3H130DD01X
3H130DF01Z
3H130DF03Z
3H130DG09X
5H609BB00
5H609PP02
5H609PP11
5H609QQ05
5H609QQ09
5H609RR01
5H609RR28
5H609RR36
5H609RR42
5H609RR43
5H609RR51
(57)【要約】
圧縮機のための冷却システムが、冷却剤供給ライン、冷却剤戻りライン、冷却剤戻りラインの温度及び冷却剤戻りライン内の冷却剤温度の少なくとも1つを検出するように冷却剤戻りラインに接続された温度センサ、及びコントローラを含む。冷却剤供給ラインは、冷却剤制御弁を含み、その中に画定された複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するために圧縮機のハウジングに接続可能である。冷却剤戻りラインは、冷却剤流路から冷却剤を受け取り、冷却剤を圧縮機の低圧側に戻すために、圧縮機ハウジングに接続可能である。コントローラは、冷却剤供給ラインを通る冷却剤の供給を制御するために温度センサによって検出された温度に基づいて冷却剤制御弁を制御するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心圧縮機であって:
ハウジング;
少なくとも1つのベアリングによって前記ハウジング内で回転可能に支持されたシャフト;
前記シャフトに接続された羽根車;及び
前記シャフトに動作可能に接続されたモータであって、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのベアリングと前記モータに冷却剤を供給する中に画定された複数の冷却剤流路を有する、モータ;
を有する、圧縮機と;
冷却回路であって:
前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するように前記圧縮機ハウジングに接続された冷却剤供給ラインであって、前記冷却剤供給ラインは、前記冷却剤供給ラインを通る冷却剤流を制御するための冷却剤制御弁を有する、冷却剤供給ライン;
前記複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、前記圧縮機の低圧側に冷却剤を戻すように前記圧縮機ハウジングに接続された冷却剤戻りライン;
前記冷却剤戻りラインの温度及び前記冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために前記冷却剤戻りラインに接続された温度センサ;及び
前記温度センサと前記冷却剤制御弁に接続されたコントローラであって、前記圧縮機ハウジングへの前記冷却剤の供給を制御するために前記温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記冷却剤制御弁を制御するように構成されたコントローラ;
を有する、冷却回路と;を有する、
圧縮機システム。
【請求項2】
前記温度センサは、前記冷却剤戻りラインの外面に接続され、前記外面の温度を検出する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項3】
前記圧縮機ハウジングはさらに、前記複数の冷却剤流路のそれぞれから冷却剤を受け取る共通の冷却剤出口ポートを画定し、前記冷却剤戻りラインは、前記共通の冷却剤出口ポートに接続された入口と前記遠心圧縮機の前記低圧側に接続された出口を有する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項4】
前記複数の冷却剤流路のうちの少なくとも1つは、前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却剤流路を通って、順に、前記少なくとも1つのベアリングを横切り、前記モータを通って、前記共通の冷却剤出口ポートに流れるように配置される、
請求項3に記載の圧縮機システム。
【請求項5】
前記冷却剤供給ラインは、冷却剤源に接続された入口と前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有するモータ冷却剤供給ラインを有し、前記冷却回路はさらに:
前記冷却剤制御弁の上流にある前記モータ冷却剤供給ラインに接続された入口と、前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つに前記冷却剤を供給するように前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有する少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインであって、前記少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインは、前記冷却剤制御弁の位置にかかわらず、前記圧縮機ハウジングに冷却剤を連続的に供給するように構成される、少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインを有する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項6】
前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つは、冷却剤が、前記少なくとも1つの冷却剤流路を通って、順に、前記少なくとも1つのベアリングを横切り、前記モータを通って、前記圧縮機ハウジングによって画定された共通の冷却剤出口ポートに流れるように配置され、前記少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインは前記少なくとも1つの冷却剤流路に接続される、
請求項5に記載の圧縮機システム。
【請求項7】
前記遠心圧縮機は:
前記シャフトの第1端を回転可能に支持する第1ラジアルベアリング;
前記シャフトの第2端を回転可能に支持する第2ラジアルベアリング;及び
スラストベアリング、を有し、前記複数の冷却剤流路は,、前記第1ラジアルベアリング、前記第2ラジアルベアリング、及び前記スラストベアリングのそれぞれに冷却剤を供給する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項8】
前記圧縮機ハウジングは複数の冷却剤入口ポートを画定し、各冷却剤入口ポートは前記複数の冷却剤流路の1つに接続され、前記冷却剤入口ポートの少なくとも1つは、そこを通る前記冷却剤の流れを制限するためのメータリングオリフィスを有する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項9】
前記冷却剤供給ラインは主ベアリング冷却剤供給ラインであり、前記冷却剤制御弁はベアリング冷却剤制御弁であり、前記冷却回路は、さらに、前記主ベアリング冷却剤供給ラインに接続されてそこから冷却剤を受け取る複数のベアリング冷却剤供給ラインを有し、前記主ベアリング冷却剤供給ラインは、前記ベアリング冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを供給するために冷却剤が前記ベアリング冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインを有する、
請求項1に記載の圧縮機システム。
【請求項10】
冷却剤源に接続された入口と前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有するモータ冷却剤供給ラインであって、前記モータ冷却剤供給ラインは、モータ冷却剤制御弁と、前記モータ冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを供給するように冷却剤が前記モータ冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインとを有する、モータ冷却剤供給ラインをさらに有する、
請求項9に記載の圧縮機システム。
【請求項11】
前記温度センサは第1温度センサであり、前記冷却回路はさらに前記圧縮機ハウジングの温度を検出するように前記圧縮機ハウジングに接続された第2温度センサを有し、前記コントローラは、前記第2温度センサに接続され、前記第2温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記モータ冷却剤制御弁を制御するように構成される、
請求項10に記載の圧縮機システム。
【請求項12】
前記第2温度センサは前記圧縮機ハウジングの外面に接続される、
請求項11に記載の圧縮機システム。
【請求項13】
圧縮機の冷却システムであって、前記冷却システムは:
そこを通る冷却剤流を制御する冷却剤制御弁を有する冷却剤供給ラインであって、前記冷却剤供給ラインは、圧縮機ハウジング内に画定された複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するために前記圧縮機のハウジングに接続可能である、冷却剤供給ライン;
複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、冷却剤を前記圧縮機の低圧側に戻すために、前記圧縮機ハウジングに接続可能な冷却剤戻りライン;
前記冷却剤戻りラインの温度と前記冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために前記冷却剤戻りラインに接続された温度センサ;及び
前記温度センサと前記冷却剤制御弁に接続されるコントローラであって、前記コントローラは、前記冷却剤供給ラインを通る冷却剤の供給を制御するために、前記温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記冷却剤制御弁を制御するように構成される、コントローラ;を有する、
冷却システム。
【請求項14】
前記温度センサは、前記冷却剤戻りラインの外面に接続され、前記外面の温度を検出する、
請求項13に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記冷却剤供給ラインは、冷却剤源に接続された入口を有するモータ冷却剤供給ラインを有し、前記冷却システムはさらに:
前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つに前記冷却剤を供給するように前記圧縮機ハウジングに接続可能な少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインであって、前記少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインは、前記冷却剤制御弁の上流にある前記モータ冷却剤供給ラインに接続された入口を有し、前記冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤を連続的に供給するように構成される、少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインを有する、
請求項14に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記冷却剤供給ラインは主ベアリング冷却剤供給ラインであり、前記冷却剤制御弁はベアリング冷却剤制御弁であり、前記冷却システムは、さらに、主ベアリング冷却剤供給ラインに接続されてそこから冷却剤を受け取る複数のベアリング冷却剤供給ラインを有し、前記主ベアリング冷却剤供給ラインは、前記ベアリング冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを供給するために冷却剤が前記ベアリング冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインを有する、
請求項13に記載の冷却システム。
【請求項17】
冷却剤源に接続された入口と前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有するモータ冷却剤供給ラインであって、前記モータ冷却剤供給ラインは、モータ冷却剤制御弁と、前記モータ冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを供給するように冷却剤が前記モータ冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインとを有する、モータ冷却剤供給ラインをさらに有する、
請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記温度センサは第1温度センサであり、前記冷却システムはさらに、前記圧縮機ハウジングの温度を検出するために前記圧縮機ハウジングに接続された第2温度センサを有し、前記コントローラは、前記第2温度センサに接続され、前記第2温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記モータ冷却剤制御弁を制御するように構成される、
請求項17に記載の冷却システム。
【請求項19】
前記第2温度センサは前記圧縮機ハウジングの外面に接続される、
請求項18に記載の冷却システム。
【請求項20】
圧縮機であって:
ハウジング;
少なくとも1つのベアリングによって前記ハウジング内で回転可能に支持されたシャフト;
前記シャフトに接続された羽根車;及び
前記シャフトに動作可能に接続されたモータであって、前記ハウジングは、前記少なくとも1つのベアリングと前記モータに冷却剤を供給する中に画定された複数の冷却剤流路を有する、モータ;
を有する、圧縮機;
蒸発器;
凝縮器;
膨張装置;及び
冷却回路であって:
前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するように前記圧縮機ハウジングに接続された冷却剤供給ラインであって、前記冷却剤供給ラインは、前記冷却剤供給ラインを通る冷却剤流を制御するための冷却剤制御弁を有する、冷却剤供給ライン;
前記複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、前記圧縮機の低圧側に冷却剤を戻すように前記圧縮機ハウジングに接続された冷却剤戻りライン;
前記冷却剤戻りラインの温度及び前記冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために前記冷却剤戻りラインに接続された温度センサ;及び
前記温度センサと前記冷却剤制御弁に接続されたコントローラであって、前記圧縮機ハウジングへの前記冷却剤の供給を制御するために前記温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記冷却剤制御弁を制御するように構成されたコントローラ;
を有する、冷却回路;を有する、
冷凍システム。
【請求項21】
前記温度センサは、前記冷却剤戻りラインの外面に接続され、前記外面の温度を検出する、
請求項20に記載の冷凍システム。
【請求項22】
前記圧縮機ハウジングはさらに、前記複数の冷却剤流路のそれぞれから冷却剤を受け取る共通の冷却剤出口ポートを画定し、前記冷却剤戻りラインは、前記共通の冷却剤出口ポートに接続された入口と、前記圧縮機の前記低圧側に接続された出口を有する、
請求項20に記載の冷凍システム。
【請求項23】
前記冷却剤供給ラインは、冷却剤源に接続された入口と前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有するモータ冷却剤供給ラインを有し、前記冷却回路はさらに:
前記冷却剤制御弁の上流にある前記モータ冷却剤供給ラインに接続された入口と、前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つに前記冷却剤を供給するように前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有する少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインであって、前記少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインは、前記冷却剤制御弁の位置にかかわらず、前記圧縮機ハウジングに冷却剤を連続的に供給するように構成される、少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインを有する、
請求項20に記載の冷凍システム。
【請求項24】
前記複数の冷却剤流路の少なくとも1つは、冷却剤が、前記少なくとも1つの冷却剤流路を通って、順に、前記少なくとも1つのベアリングを横切り、前記モータを通って、前記圧縮機ハウジングによって画定された共通の冷却剤出口ポートに流れるように配置され、前記少なくとも1つのベアリング冷却剤供給ラインは前記少なくとも1つの冷却剤流路に接続される、
請求項23に記載の冷凍システム。
【請求項25】
前記冷却剤供給ラインは主ベアリング冷却剤供給ラインであり、前記冷却剤制御弁はベアリング冷却剤制御弁であり、前記冷却回路はさらに、前記主ベアリング冷却剤供給ラインに接続されてそこから冷却剤を受け取る複数のベアリング冷却剤供給ラインを有し、前記主ベアリング冷却剤供給ラインは、前記ベアリング冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを供給するために冷却剤が前記ベアリング冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインを有する、
請求項20に記載の冷凍システム。
【請求項26】
前記温度センサは第1温度センサであり、前記冷却回路は:
前記圧縮機ハウジングの温度を検出するように前記圧縮機ハウジングに接続された第2温度センサ;及び
冷却剤源に接続された入口と前記圧縮機ハウジングに接続された出口を有するモータ冷却剤供給ラインであって、前記モータ冷却剤供給ラインは、モータ冷却剤制御弁と、前記モータ冷却剤制御弁の位置にかかわらず前記圧縮機ハウジングに冷却剤の連続的な流れを提供するために冷却剤が前記モータ冷却剤制御弁をバイパスすることを可能にするバイパスラインを有する、モータ冷却剤供給ライン;を有し、
前記コントローラは、前記第2温度センサに接続され、前記第2温度センサによって検出された前記温度に基づいて前記モータ冷却剤制御弁を制御するように構成される、
請求項25に記載の冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月12日に出願された米国特許出願第17/248,166号に対する優先権を主張しており、その開示は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
分野は、概して遠心圧縮機に関し、より具体的には、遠心圧縮機と共に使用される冷却及び冷凍システムに関する。
【背景技術】
【0003】
遠心圧縮機は、往復式、回転式、スクロール式、及びスクリュー式圧縮機などの容積型圧縮機の設計に比べて、いくつかの利点があるが、遠心圧縮機の羽根車の高い回転速度及び羽根車と関連するモータに適切な動作環境を提供するという関連する課題のために、低容量の冷却システムへの遠心圧縮機の組み込みは制限されている。1つの特有の課題は、モータとベアリングを適切な動作温度範囲内に維持するために、モータと圧縮機のドライブシャフトに関連するベアリングに十分な冷却を提供することである。
【0004】
この背景技術のセクションは、以下に説明及び/又は請求項に記載する本開示の様々な態様に関連する可能性のある技術の様々な側面を読者に紹介することを目的としている。この議論は、本開示の様々な態様をよりよく理解するために、読者に背景情報を提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの陳述は、先行技術の承認としてではなく、この観点から読まれるべきであることを理解すべきである。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、圧縮機システムは遠心圧縮機と冷却回路を含む。圧縮機は、ハウジング、少なくとも1つのベアリングによってハウジング内で回転可能に支持されたシャフト、シャフトに接続された羽根車、及びシャフトに動作可能に接続されたモータを含む。ハウジングは、ベアリングとモータに冷却剤を供給するその中に画定された複数の冷却剤流路を有する。冷却回路は、複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するように圧縮機ハウジングに接続された冷却剤供給ラインを含む。冷却剤供給ラインは、冷却剤供給ラインを通る冷却剤流を制御するための冷却剤制御弁を含む。冷却回路はまた、複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、冷却剤を圧縮機の低圧側に戻すように圧縮機ハウジングに接続された冷却剤戻りライン、冷却剤戻りラインの温度と冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために冷却剤戻りラインに接続された温度センサ、及び温度センサと冷却剤制御弁に接続されたコントローラを含む。コントローラは、圧縮機ハウジングへの冷却剤の供給を制御するために温度センサによって検出された温度に基づいて冷却剤制御弁を制御するように構成される。
【0006】
別の態様では、圧縮機用冷却システムが、冷却剤供給ライン、冷却剤戻りライン、冷却剤戻りラインの温度と冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために冷却剤戻りラインに接続された温度センサ、及びコントローラを含む。冷却剤供給ラインは、そこを通る冷却剤流を制御する冷却剤制御弁を含み、圧縮機ハウジング内に画定された複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するように圧縮機のハウジングに接続可能である。冷却剤戻りラインは、複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、圧縮機の低圧側に冷却剤を戻すために、圧縮機ハウジングに接続可能である。コントローラは、温度センサと冷却剤制御弁に接続され、冷却剤供給ラインを通る冷却剤の供給を制御するために温度センサによって検出された温度に基づいて冷却剤制御弁を制御するように構成される。
【0007】
さらに別の態様では、冷凍システムが、圧縮機、蒸発器、凝縮器、膨張装置、及び冷却回路を含む。圧縮機は、ハウジング、少なくとも1つのベアリングによってハウジング内で回転可能に支持されたシャフト、シャフトに接続された羽根車、及びシャフトに動作可能に接続されたモータを含む。ハウジングは、少なくとも1つのベアリングとモータに冷却剤を供給するその中に画定された複数の冷却剤流路を有する。冷却回路は、複数の冷却剤流路の少なくとも1つに冷却剤を供給するために圧縮機ハウジングに接続された冷却剤供給ライン、複数の冷却剤流路から冷却剤を受け取り、冷却剤を圧縮機の低圧側に戻すために圧縮機ハウジングに接続された冷却剤戻りライン、冷却剤戻りラインの温度と冷却剤戻りライン内の冷却剤の温度の少なくとも1つを検出するために冷却剤戻りラインに接続された温度センサ、及びコントローラを含む。冷却剤供給ラインは、冷却剤供給ラインを通る冷却剤流を制御するための冷却剤制御弁を含む。コントローラは、温度センサと冷却剤制御弁に接続され、圧縮機ハウジングへの冷却剤の供給を制御するために温度センサによって検出された温度に基づいて冷却剤制御弁を制御するように構成される。
【0008】
上記の態様に関連して注目される特徴には、様々な改良が存在する。さらなる機能が上記の態様に組み込まれてもよい。これらの改良及び追加機能は、個別に、又は任意の組み合わせで存在することがある。例えば、例示された実施形態のいずれかに関連して以下で説明する様々な機能は、単独で、又は任意の組み合わせで、上記の態様のいずれかに組み込まれることがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図は、本開示の様々な態様を示す。
【0010】
図1】例示的な冷凍システムの概略図である。
【0011】
図2図1の冷凍システムでの使用に適した例示的な圧縮機冷却システムの概略図である。
【0012】
図3図2に示す圧縮機冷却システムの一部の断面図であり、冷却剤戻りラインに接続された温度センサを示している。
【0013】
図4】2つの温度設定点に基づく図2に示す圧縮機冷却システムの冷却剤制御弁の動作を示すグラフである。
【0014】
図5図1の冷凍システム100での使用に適した別の例示的な圧縮機冷却システムの概略図である。
【0015】
図6】例示的な制御スキームに基づく図5に示した圧縮機冷却システムの冷却剤制御弁の動作を示すグラフである。
【0016】
図7図1の冷凍システム並びに図2及び5の圧縮機冷却システムでの使用に適した組み立てられた圧縮機の斜視図である。
【0017】
図8図7の圧縮機の8-8線に沿って取られた断面図である。
【0018】
図面全体を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、冷凍システム100の例の概略図である。冷凍システム100は、遠心圧縮機102、凝縮器104、膨張装置106(例えば、膨張弁、オリフィス、キャピラリーチューブ)、及び蒸発器108を含む。冷凍システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、図1を参照して図示され説明されているもの以外の追加コンポーネント又は他のコンポーネントを含み得る。動作中、圧縮機102は冷媒などの作動流体を、吸引ライン110を介して低圧ガスとして受け取る。圧縮機102は、ガスを圧縮し、それによって、ガスの温度と圧力を上昇させる。加圧された高温のガスはその後凝縮器104に流れ、そこで高圧ガスは高圧液体に凝縮される。液体は、その後、液体の圧力を下げる膨張装置106を通って流れる。減圧された流体は、膨張装置106を通過した後、気体又は気体と液体の混合物である場合があり、その後、蒸発器108を通過する。蒸発器108は、熱交換器を含み得、そこを循環する流体は、冷媒流体が蒸発器108内の気体に蒸発する際に減圧冷媒流体によって冷却される。冷媒ガスはその後、吸引ライン110を介して圧縮機102に戻され、そこで再び作動流体が圧縮され、プロセスが繰り返される。
【0020】
例示的な冷凍システム100は、冷媒回路の一部(この例では凝縮器104の下流)から作動流体を引き込み、圧縮機102のモータやベアリングなどの圧縮機102のコンポーネントを冷却するためにそれを圧縮機102に導く(directs)圧縮機冷却システム112を含む。冷却システム112で使用される作動流体は、「冷却剤」と呼ばれ、圧縮機102の低圧側(例えば、吸引ライン110)に接続された出口を持つ冷却剤戻りライン114によって冷凍回路に戻される。ここでさらに説明するように、冷却システム112の冷却回路を横切る圧力差によって、冷却剤が圧縮機102を通って駆動され、冷凍回路に戻される。
【0021】
図2は、図1の冷凍システム100での使用に適した例示的な圧縮機冷却システム200の概略図である。圧縮機冷却システム200は、圧縮機202(例えば、圧縮機102)と、圧縮機202を冷却すること及び圧縮機202のコンポーネントを適切な動作温度範囲内に維持することを促進するために、圧縮機202のコンポーネントに冷却剤を供給するように構成された冷却回路204とを含む。
【0022】
図示された実施形態の圧縮機202は、第1段206と第2段208を含む二段遠心圧縮機202である。他の実施形態では、圧縮機202は単段を含む場合もあれば、二段より多くを含む場合もある。さらに他の実施形態では、圧縮機202は遠心圧縮機以外の圧縮機であってもよい。第1段206は、吸引ライン212によって蒸発器(例えば、図1に示す蒸発器108)と流体連通して接続された第1段入口210を含む。第2段208は、第1段206から圧縮冷媒を受け取る冷媒移送導管(図2には示されていない)によって第1段206の第1段出口と流体連通して接続された第2段入口214を含む。
【0023】
圧縮機202は、概して、ハウジング216と、複数のベアリング220、222、224によってハウジング216内で回転可能に支持されたシャフト218と、シャフト218の第1端228に接続された第1段羽根車226と、シャフト218の第2端232に接続された第2段羽根車230と、それらの回転を駆動するためにシャフト218に動作可能に接続されたモータ234とを含む。圧縮機202は、図2に示すものの他にコンポーネントを含み得る。
【0024】
ハウジング216は、圧縮機202のコンポーネントを1つ以上のシールされた(例えば、密閉式又は半密閉式)キャビティ内に取り囲む。いくつかの実施形態では、例えば、ハウジング216は、第1段と第2段の羽根車226、230が配置されたボリュートを画定する圧縮機202の各段のエンドキャップを含む。いくつかの実施形態では、ハウジング216は、適切な留め具(例えば、ネジ、ボルトなど)を使用して組み立てられた複数の鋳造片(cast pieces)から形成される。
【0025】
ベアリング220、222、224は、ハウジング216内でシャフト218を回転可能に支持する。図示された実施形態では、圧縮機202は、第1ラジアルベアリング220、第2ラジアルベアリング222、及びスラストベアリング224を含む。他の実施形態では、圧縮機202は、追加又はより少ないベアリングを含み得る。ベアリング220、222、224は、例えば、ローラー型ベアリング、磁気ベアリング、流体膜ベアリング、エアフォイルベアリング、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。ここに記載されているように圧縮機202が機能することを可能にする任意の適切なタイプのベアリングを含み得る。図示された実施形態では、ベアリング220、222、224のそれぞれは、エアフォイル型ベアリングを含む。
【0026】
モータ234は、圧縮機202の動作中にその回転を駆動するためにシャフト218に動作可能に接続される。モータ234は、概して、圧縮機202がここに記載されているように機能することを可能にする任意の適切なモータを含み得る。図示された実施形態では、モータ234は、電気モータであり、圧縮機202の動作中にシャフト218に回転運動を与えるための適切なコンポーネント(例えば、固定子と回転子)を含む。
【0027】
ハウジング216は、複数のベアリング220、222、224とモータ234に冷却剤を供給するその中に画定された複数の冷却剤流路236、238、240、242を有する。複数の冷却剤流路236、238、240、242は、圧縮機冷却システム200がここで説明するように機能することを可能にする任意の方法で、圧縮機ハウジング216内に配置され得る及び/又は画定され得る。例えば、冷却剤流路236、238、240、242は、圧縮機ハウジング216のコンポーネント(例えば、機械加工によるような鋳造部品)内の通路として、圧縮機202の2つ以上のコンポーネントの間(例えば、モータ234と圧縮機ハウジング216の間)に画定される通路として、及びそれらの組み合わせとして形成され得る。
【0028】
例示的な圧縮機202は、第1冷却剤流路236、第2冷却剤流路238、第3冷却剤流路240、及び第4冷却剤流路242を含む。第1冷却剤流路236はスラストベアリング224に冷却剤を供給し、第2冷却剤流路238は第1ラジアルベアリング220に冷却剤を供給し、第3冷却剤流路240は第2ラジアルベアリング222に冷却剤を供給し、第4冷却剤流路242はモータ234に冷却剤を供給する。いくつかの実施形態では、冷却剤流路236、238、240、242は共通の又は重なる部分を共有し得る。図示された実施形態では、例えば、第1冷却剤流路236は第1ラジアルベアリング220において第2冷却剤流路238と重なって繰り入れ(overlaps with and feeds into)し、第3冷却剤流路240はモータ234において第4冷却剤流路242と重なって繰り入れる。
【0029】
冷却剤流路236、238、240、242の各々は、例示された実施形態の冷却回路204に接続する対応する冷却剤入口ポート244を有する。すなわち、圧縮機ハウジング216は、複数の冷却剤流路236、238、240、242を冷却回路204に接続するための4つの外部入口接続部を含む。他の実施形態では、圧縮機ハウジング216は、より少ない外部入口接続部を持ち得る。例えば、冷却剤流路236、238、240、242のうちの2つ以上が、複数の冷却剤流路236、238、240、242に冷却剤を供給する共通の単一冷却剤入口ポート(及び冷却回路204への共通接続点)を共有し得る。このような実施形態では、共通の冷却剤入口ポートに送られる冷却剤流を圧縮機ハウジング216内で分離、分割、又はその他の方法でルーティングして、冷却剤流路236、238、240、242のうちの2つ以上に冷却剤を送ることができる。いくつかの実施形態では、例えば、ベアリング冷却剤流路(すなわち、第1、第2及び第3冷却剤流路236、238、240)は共通の冷却剤入口ポートを有し得、冷却剤流は、圧縮機ハウジング216内で内部的に別々の流路にルーティングされ得る。
【0030】
圧縮機ハウジング216は、図示された実施形態では共通の冷却剤出口ポート246も画定している。共通の冷却剤出口ポート246は、複数の冷却剤流路236、238、240、242のそれぞれから冷却剤を受け取る。つまり、圧縮機ハウジング216と冷却剤流路236、238、240、242に送られた冷却剤の全ては、共通の冷却剤出口ポート246に戻される。いくつかの実施形態では、複数の冷却剤流路236、238、240のうち少なくとも1つは、冷却剤が少なくとも1つの冷却剤流路を、順に、少なくとも1つのベアリング220、222、224を横切り、モータ234を通って共通の冷却剤出口ポート246に流れるように配置される。このようにして、少なくとも1つの冷却剤流路を流れる冷却剤は、モータ234とベアリング220、222、224のうちの1つの両方から熱を吸収する。冷却剤は、モータ234を通って、例えば、モータ234の固定子と回転子の間を、周りにモータ234が配置されているシャフト218の部分を通って、及び/又はモータ234の回転子に画定された流路又は孔を通って流れることによって、流れ得る。
【0031】
冷却回路204は、圧縮機ハウジング216に(具体的には、複数の冷却剤流路236、238、240、242に)冷却剤を供給し、圧縮機202が一部を構成する冷凍回路(例えば、図1に示す冷凍システム100)に冷却剤を戻す。図示された冷却回路204は、複数の冷却剤供給ライン248、250、252、254、冷却剤戻りライン256、温度センサ258、及びコントローラ260を含む。
【0032】
冷却剤供給ライン248、250、252、254は、冷却剤源262と流体連通して接続され、複数の冷却剤流路236、238、240、242に冷却剤を供給するために圧縮機ハウジング216に接続される。冷却剤供給ライン248、250、252、254は、例えば、限定ではなくパイプ、ホース、チューブ、及びそれらの組み合わせを含む、圧縮機ハウジング216への冷却剤の供給を可能にする任意の適切な流体導管(硬質及び/又はフレキシブル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却剤供給ライン248、250、252、254は銅管などの金属管で構成される。図示された冷却回路204は、圧縮機ハウジング216内に画定された冷却剤流路236、238、240、242のそれぞれについて1つの4つの冷却剤供給ライン248、250、252、254を含む。より具体的には、図示された実施形態は、複数のベアリング冷却剤供給ライン248、250、252とモータ冷却剤供給ライン254を含む。ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252各々は、第1、第2、第3冷却剤流路236、238、240のうちの1つに接続されて、冷却剤を圧縮機ベアリング220、222、224の少なくとも1つに流す又は供給する。モータ冷却剤供給ライン254は、第4冷却剤流路242に接続されて冷却剤をモータ234に供給する。
【0033】
例示的な冷却剤源262は、圧縮機202がその一部である冷凍回路、具体的には、冷凍システムの凝縮器と膨張装置との間など、冷凍回路の凝縮器(例えば、図1に示す凝縮器104)の下流の冷凍回路から引き出された冷却剤である。冷却剤は、例の冷媒システムで使用されているものと同じ作動流体(例えば冷媒)である。他の実施形態では、冷却剤源262は、凝縮器など、凝縮器の下流以外の冷凍システムの一部であってもよく、又はここに記載されているように圧縮機冷却システム200を機能させることを可能にする他の適切な冷却剤源であってもよい。さらに他の実施形態では、冷却剤源262は補助液体サイクルであってもよい。
【0034】
ここでさらに説明するように、冷却剤は、冷却剤源262と戻りライン256の出口端との間の圧力差を使用して、冷却剤源262から冷却回路204を通って引き出される。他の実施形態では、冷却剤は、ポンプなどの追加又は代替手段を使用して、冷却回路204を通って導かれ得る。
【0035】
冷却剤供給ライン248、250、252、254の少なくとも1つは、対応する冷却剤供給ラインを通る冷却剤流を制御するための冷却剤制御弁264を含む。制御弁264は、対応する供給ラインを通る冷却剤の流量を変化させる又はその他の方法で制御するためにコントローラ260によって制御可能な電気的に作動可能な弁を含む。適切な弁は、例えば、限定ではなく、電磁弁、電子膨張弁、及び変調制御弁を含む。例示された実施形態では、モータ冷却剤供給ライン254は冷却剤制御弁264を含む。他の実施形態では、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252の1つ以上は冷却剤制御弁264を含み得る。さらに他の実施形態では、モータ冷却剤供給ライン254及びベアリング冷却剤供給ライン248、250、252の1つ以上は冷却剤制御弁264を含み得る。
【0036】
モータ冷却剤供給ライン254は、図示された実施形態では一次又は主冷却剤供給ラインとして構成され、冷却剤源262に接続された入口266と、第4冷却剤流路242に冷却剤を供給するために圧縮機ハウジング216に接続された出口268を有する。ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252は、図示された実施形態では分岐ラインとして構成され、それぞれ、冷却剤制御弁264の上流にあるモータ冷却剤供給ライン254に接続された入口270と、第1、第2、及び第3冷却剤流路236、238、240に冷却剤を供給するために圧縮機ハウジング216に接続された出口272を有する。他の実施形態では、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252の1つ以上の入口270は冷却剤源262に接続され得る。さらに他の実施形態では、モータ冷却剤供給ライン254は、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252の1つから延びる分岐回路として構成され得る。
【0037】
図示された冷却回路204はまた、主冷却剤供給ライン(すなわち、モータ冷却剤供給ライン254)上の遮断弁274を含んで、圧縮機をシステムの他の部分から隔離するために(例えば、サービスのために)、冷却回路全体への冷却剤の流れが遮断されることを可能にする。遮断弁274は他の実施形態では省略してもよい。
【0038】
図示された実施形態では、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252は、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252を通る冷却剤の供給を遮断する遮断弁やその他の装置がない。したがって、冷却回路204が動作している間、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252は、冷却剤制御弁264の位置に関係なく、圧縮機ハウジング216に冷却剤を継続的に供給するように構成される。このようにして、圧縮機202のベアリングは、適切な動作温度範囲内にベアリングを維持すること促進するために運転中に冷却剤が継続的に供給される。ベアリング冷却剤流路-圧縮機ハウジング216内に画定されたベアリング冷却剤供給ライン248、250、252及び関連する冷却剤流路236、238、240を含む-は、そこを通る冷却剤の流れを規制又は制限するために流路に沿った流量制限器を含むことができる。流量制限器は、ベアリング冷却剤供給ライン248、250、252に含まれ得る及び/又は圧縮機ハウジング216に統合され得る(例えば、冷却剤流路に沿ったメータリングオリフィスとして)。いくつかの実施形態では、例えば、ベアリング冷却剤流路236、238、240に関連する冷却剤入口ポート244の1つ以上は、そこを通る冷却剤の流れを制御するためのメータリングオリフィスを含む。
【0039】
冷却剤戻りライン256は、圧縮機ハウジング216に接続されて、複数の冷却剤流路236、238、240、242から冷却剤を受け取り、冷却剤を圧縮機202の低圧側に戻す。圧縮機202の低圧側は、概して、圧縮機202の圧縮段(すなわち、第1段206と第2段208)に先行する部分である圧縮機202及び冷凍回路の部分を指す。圧縮機202の低圧側は、例えば、第1段羽根車226の上流にある圧縮機202の一部、第1段206への入口、及び第1段206の入口に接続された吸引ライン212を含み得るが、これらに限定されない。
【0040】
冷却剤戻りライン256は、圧縮機ハウジング216から圧縮機202の低圧側への冷却剤の供給を可能にする任意の適切な流体導管(硬質及び/又はフレキシブル)を含むことができる。適切な導管は、例えば、パイプ、ホース、チューブ、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、冷却剤戻りライン256は、銅管などの金属管で構成される。他の実施形態では、冷却剤戻りライン256は、他の材料で構成される。さらに、いくつかの実施形態では、戻りライン256は、温度センサ258の取り付けを容易にするために、平坦な部分又はセクションを含み得る。
【0041】
冷却剤戻りライン256の入口276は共通の冷却剤出口ポート246に接続され、冷却剤戻りライン256の出口278は圧縮機202の低圧側に接続される。冷却剤源262(例えば、凝縮器104)の冷却剤は、一般に圧縮機202の低圧側よりも高い圧力である。その結果、冷却剤源262の冷却剤と圧縮機202の低圧側との間に圧力差が存在し、これは冷却回路204を介して冷却剤を駆動することを促進する。
【0042】
冷却剤戻りライン256は、共通の冷却剤出口ポート246に接続され、冷却剤がモータ234及び/又はベアリング220、222、224から熱を吸収した後、複数の冷却剤流路236、238、240、242のそれぞれから冷却剤を受け取る。前述のように、複数の冷却剤流路236、238、240、242の少なくとも1つは、冷却剤が少なくとも1つの冷却剤流路を、順に、少なくとも1つのベアリング220、222、224を横断し、モータ234を通り、共通の冷却剤出口ポート246に流れるように配置されることができる。図示された実施形態では、例えば、第3冷却流路240は、冷却剤が、順に、第2ラジアルベアリング222を横断し、モータ234を通り、共通の冷却剤出口ポート246に流れるように配置される。その結果、冷却剤戻りライン256を流れる冷却剤は、冷却剤制御弁264がオフの位置にあっても、ベアリング220、222、224の少なくとも1つとモータ234から熱を吸収する。
【0043】
温度センサ258は、冷却剤戻りライン256に接続されて、冷却剤戻りライン256の温度と冷却剤戻りライン256内の冷却剤の温度の少なくとも一方を検出する。温度センサ258は、例えば、限定されるものではないが、サーミスタ、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、熱スイッチ、及びそれらの組み合わせを含む、ここに記載されているように冷却回路204が機能することを可能にする任意の適切な温度センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサ258は負の温度係数サーミスタを含む。
【0044】
この実施形態の温度センサ258は、圧縮機ハウジング216と冷却剤戻りライン256の完全に外側に配置され、冷却剤戻りライン256の温度を検出するように構成される。例えば図3に示すように、温度センサ258は、冷却剤戻りライン256の外面302に接続され、外面302の温度を検出するように構成される。他の実施形態では、温度センサ258は、冷却剤戻りライン256を流れる冷却剤の温度を検出するために、冷却剤戻りライン256内に延びるプローブ304(図3の破線で示されている)を含み得る。
【0045】
コントローラ260は、温度センサ258及び冷却剤制御弁264に接続され、(例えば、冷却剤制御弁264を開くこと、閉じること、又は位置を変更することによって)冷却剤制御弁264の動作を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ260は、圧縮機ハウジング216への冷却剤の供給を制御するために温度センサ258によって検出された温度に基づいて冷却剤制御弁264を制御するように構成される。例えば、コントローラ260は、温度センサ258によって検出された温度を示す温度センサ258からの信号を受信し、検出された温度を1つ以上の温度設定点と比較し、検出された温度に基づいて冷却剤制御弁264を制御し得る。
【0046】
コントローラ260は、概して、互いに通信接続され、独立して又は互いに接続して動作し得るコンピュータ、処理ユニット及び/又は類似のものの任意の適切な組み合わせを含む、任意の適切なコンピュータ及び/又は他の処理ユニットを含む(例えば、コントローラ260は、コントローラネットワークの全部又は一部を形成し得る)。コントローラ260は、1つ以上のモジュール又はデバイスを含み得、そのうちの1つ以上は圧縮機202内に封入されているか、又は圧縮機202から離れた場所に配置されている。コントローラ260は、様々なコンピュータ実装機能(例えば、ここに開示されている計算、決定、及び機能の実行)を実行するように構成された、1つ以上のプロセッサ(複数可)280及び関連するメモリデバイス(複数可)282を含み得る。ここで使用されるとき、「プロセッサ」という用語は、集積回路を指すだけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及びその他のプログラマブル回路も指す。さらに、コントローラ260のメモリデバイス(複数可)282は、概して、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク(登録商標)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタル多用途ディスク(DVD)及び/又はその他の適切なメモリ素子を含むメモリ素子(複数可)であり得る又はこれらを含むがこれらに限定されない。このようなメモリデバイス(複数可)282は、概して、プロセッサ(複数可)によって実装されたときに、冷却剤制御弁264を制御すること及び/又はその他の様々な適切なコンピュータ実装機能を含むがこれらに限定されない個々に記載される様々な機能をコントローラ260に実行させる適切なコンピュータ可読命令を格納するように構成され得る。
【0047】
コントローラ260及び/又はコントローラ260のコンポーネントは、冷却回路204の他のコンポーネント及び/又は冷却回路204が組み込まれている冷凍システム内に統合又は組み込まれ得る。例えば、コントローラ260は、冷却剤制御弁264及び/又は、圧縮機202及び冷凍システムの他の機能及び動作を制御するシステムコントローラ内に組み込まれ得る。
【0048】
コントローラ260は、温度センサ258によって検出された温度のみに基づいて冷却剤制御弁264を制御するように構成することができる。前述のように、例えば、温度センサ258は、各冷却剤流路236、238、240、242から冷却剤を受け取る冷却剤戻りライン256又は冷却剤戻りライン256自体内の冷却剤の温度を検出するように構成される。さらに、冷却剤流路の少なくとも1つ(例えば、第3冷却剤流路240)は、共通の冷却剤出口ポート246に到達する前に、冷却剤がベアリング220、222、224の少なくとも1つとモータ234を通過するように配置される。これにより、冷却剤戻りライン256を流れる冷却剤は、圧縮機ベアリング220、222、224とモータ234の両方から熱を吸収する。したがって、冷却剤戻りライン256内の冷却剤の温度と冷却剤戻りライン256の温度は、ベアリング220、222、224とモータ234の温度の指標を提供し、モータ234に追加の冷却剤が必要な場合(したがって、冷却剤制御弁264が開かれるべきである)、又はモータ234に追加の冷却剤が必要ない場合(したがって、冷却剤制御弁264は閉じられるべきである)を決定するために使用できる。
【0049】
コントローラ260は、温度センサ258によって検出された温度を示す温度センサ258からの信号を受信し、検出された温度を1つ以上の温度設定点(例えばコントローラのメモリ282に格納されている)と比較するように構成できる。比較に基づいて、コントローラ260は、冷却剤制御弁264を開き、それによってモータ冷却剤供給ライン254とモータ234を通る追加の冷却剤流を許可するか、又は冷却剤制御弁264を閉じて、それによってモータ冷却剤供給ライン254とモータ234を通る冷却剤流を減らすように構成できる。冷却剤制御弁264を「開くこと」及び「閉じること」は、絶対的に開くこと及び閉じること(すなわち、弁を完全に開くこと及び閉じること)、又は弁を相対的に開くこと及び閉じること(例えば、弁を既に開いている以上に開くこと、弁を既に閉じている以上に閉じること)を指すことができる。
【0050】
1つ以上の温度設定点は、例えば、モータの測定温度と温度センサ258によって検出された温度を比較することによって、動作前に経験的に決定することができる。いくつかの実施形態では、例えば、単一の温度設定点を、モータ234の測定温度が最大許容動作温度に達したときに、温度センサによって検出された温度に基づいて決定することができる。この場合、温度設定点は、モータ234の測定温度が最大許容動作温度にあるときに、温度センサ258によって検出された温度よりも一定の度数低い温度(例えば、10°C、20°C、30°Cなど)として設定され得る。単一の温度設定点を使用する実施形態では、コントローラ260は、温度センサ258によって検出された温度が温度設定点を超えたときに冷却剤制御弁264を開き、温度センサ258によって検出された温度が温度設定点を下回ったときに冷却剤制御弁264を閉じることができる。
【0051】
コントローラ260は、代替的に、又は、追加的に、2つの温度設定点などの複数の温度設定点に基づいて冷却剤制御弁264を制御し得る。そのような実施形態では、2つの温度設定点が、適切な温度の窓又は範囲を定め得る。そのような実施形態では、コントローラ260は、温度センサ258によって検出された温度が第1の、より高い温度設定点を上回るときに冷却剤制御弁264を開き、温度センサ258によって検出された温度が第2の、より低い温度設定点を下回ったときに冷却剤制御弁264を閉じることができる。
【0052】
図4は、線402と線404で示される2つの温度設定点に基づく冷却剤制御弁264の動作を示すグラフ400である。第1及び第2温度設定点402と404は、概して、それを超えると冷却剤制御弁264が開き、それを下回ると冷却剤制御弁264が閉じる温度範囲を定める。温度範囲は、例えば、限定するものではないが、2°F、5°F、10°F、15°F、20°F、25°F、30°F、35°F、40°F、50°F、又はそれより上を含む、ここに記載されているように圧縮機202が機能することを可能にする任意の適切な温度範囲であり得る。温度センサ258によって検出された温度は、図4の曲線406で示されている。図4に示すように、検出された温度406が第1温度設定点402を超えると、コントローラ260は冷却剤制御弁264を開いてモータ234に追加の冷却剤を供給する。モータ234に供給された追加の冷却剤は、追加の熱がモータ234(例えば固定子から)から取られるので、冷却剤戻りライン256の冷却剤の温度及び冷却剤戻りライン256の温度が最初は上昇し、その後低下することをもたらし、検出された温度406が低下することをもたらす。検出された温度406が第2温度設定点404を下回る温度に低下すると、コントローラ260は冷却剤コントロール弁264を閉じ、モータ234への冷却剤流を減少させる。その結果、図4に示すように、冷却剤戻りライン256の冷却剤の温度が上昇する。検出された温度406が再び第1温度設定点402を超える温度に達すると、コントローラ260は再び冷却剤制御弁264を開いてモータ234に追加の冷却剤を供給し、サイクルを繰り返す。
【0053】
図5は、図1の冷凍システム100での使用に適した別の例の圧縮機冷却システム500の概略図である。圧縮機冷却システム500は、冷却剤戻りライン256に接続された第1温度センサ258を含む冷却回路502を含む。さらに、冷却回路502は、圧縮機ハウジング216の温度を検出するために、圧縮機ハウジング216(例えば、圧縮機ハウジング216のシェル)に接続された第2温度センサ504を含む。第2温度センサ504は、本実施形態では、圧縮機ハウジング216の外面に接続され、外面の温度を検出するように構成される。
【0054】
さらに、本実施形態では、冷却回路502は、モータ冷却剤供給ライン254から分岐して複数のベアリング冷却剤供給ライン248、250、252のそれぞれに供給する主ベアリング冷却剤供給ライン506を含む。主ベアリング冷却剤供給ライン506は、圧縮機ベアリング220、222、224への追加の又は補助の冷却剤の流れを制御するために使用されるベアリング冷却剤制御弁508を含み、モータ冷却剤供給ライン254は、モータ234への追加の又は補助の冷却剤の流れを制御するモータ冷却剤制御弁510を含む。より具体的には、モータ冷却剤供給ライン254と主ベアリング冷却剤供給ライン506のそれぞれは、それぞれのバイパスライン512、514を含む。バイパスライン512、514は、モータ冷却剤制御弁510とベアリング冷却剤制御弁508の位置に関係なく、モータ234と圧縮機ベアリング220、222、224それぞれに冷却剤を連続的に供給するためにそれぞれのモータ冷却剤制御弁510とベアリング冷却剤制御弁508を冷却剤がバイパスすることを可能にする。バイパスライン512、514は、そこを通る冷却剤の流れを制限又は調整するためのメータリングオリフィス又は他のメータリング(metering)装置を含むことができる。モータ冷却剤制御弁510は、モータ234に追加又は補助の冷却剤の流れを提供するために開き得、ベアリング冷却剤制御弁508は、ベアリング220、222、224に追加又は補助の冷却剤の流れを提供するために開き得る。
【0055】
図5に示すように、モータ冷却剤制御弁510とベアリング冷却剤制御弁508は、コントローラ260に接続されている。コントローラ260は、第1温度センサ258と第2温度センサ504によって検出された温度に基づいて、ベアリング冷却剤制御弁508とモータ冷却剤制御弁510を制御(すなわち、開閉する)するように構成することができる。例えば、コントローラ260は、第1温度センサ258によって検出された温度に基づいてベアリング冷却剤制御弁508を制御し、第2温度センサ504によって検出された温度に基づいてモータ冷却剤制御弁510を制御するように構成することができる。特に、コントローラ260は、第1温度センサ258によって検出された温度を第1温度センサ258に関連する第1温度設定点と比較し、その比較に基づいてベアリング冷却剤制御弁508を開閉することができる。例えば、コントローラ260は、第1温度センサ258によって検出された温度が第1温度設定点を上回っている場合に、ベアリング冷却剤制御弁508を開いてベアリング220、222、224への補助的な冷却剤流を提供し、第1温度センサ258によって検出された温度が第1温度設定点を下回っている場合に、ベアリング冷却剤制御弁508を閉じてベアリング220、222、224への冷却剤流を減少させることができる。同様に、コントローラ260は、第2温度センサ504によって検出された温度が第2温度設定点を上回っている場合に、モータ冷却剤制御弁510を開いてモータ234への補助的な冷却剤流を提供し、第2温度センサ504によって検出された温度が第1温度設定点を下回っている場合には、モータ冷却剤制御弁510を閉じてモータ234への冷却剤流を減少させることができる。
【0056】
図6は、例示的な制御スキーム又はアルゴリズムによるベアリング冷却剤制御弁508とモータ冷却剤制御弁510の動作を示すグラフ600である。この制御スキームでは、モータ冷却剤制御弁510は線602で示される固定又は設定されたモータ温度設定点に基づいて制御され、ベアリング冷却剤制御弁508は線604で示される可変ベアリング温度設定点に基づいて制御される。第1温度センサ258によって検出された温度は図6の曲線606で示され、第2温度センサ504によって検出された温度は図6の曲線608で示される。
【0057】
この実施形態では、ベアリング温度設定点604は、第2温度センサ504によって検出された圧縮機ハウジング216の検出温度608に基づいて、継続的又は連続的(例えば、定期的又はリアルタイムで)に決定される。具体的には、ベアリング温度設定点604は、圧縮機ハウジング216の測定温度608からオフセット温度610を減算することによって計算又は決定される。図6に示すように、例えば、圧縮機ハウジング216の測定温度608が上昇すると、ベアリング温度設定点604も同じ量だけ上昇するが、オフセット温度610だけ測定温度608からオフセットされたままになる。オフセット温度610は、例えば、限定されるものではないが、0°Fから30°Fの範囲、0°Fから25°Fの範囲、5°Fから30°Fの範囲、5°Fから20°Fの範囲、5°Fから15°Fの範囲、10°Fから25°Fの範囲、及び10°Fから20°Fの範囲を含む、圧縮機500がここで説明されているように機能することを可能にする任意の適切なオフセット温度とすることができる。
【0058】
図6に示すように、圧縮機ハウジング216の検出温度608がモータ温度設定点602を超えるとき、コントローラ260はモータ冷却剤制御弁510を開いて、モータ234に追加の冷却剤を供給する。モータ234に供給される追加の冷却剤は、一定時間後に圧縮機ハウジング216の温度が低下することをもたらし、その結果、検出された温度608が低下する。圧縮機ハウジング216の検出された温度608がモータ温度設定点602を下回る温度に低下すると、コントローラ260はモータ冷却剤制御弁510を閉じ、モータ234への冷却剤流を減少させる。これにより、図6に示すように、モータ234と圧縮機ハウジング216の温度が上昇する。
【0059】
さらに、冷却剤戻りライン256の検出温度606がベアリング温度設定点604を超えるとき、コントローラ260はベアリング冷却剤制御弁508を開いて、ベアリング220、222、224に追加の冷却剤を供給する。ベアリング220、222、224に供給される追加の冷却剤は、一定時間後に冷却剤戻りライン256の冷却剤の温度と冷却剤戻りライン256の温度を低下させることをもたらし、その結果、検出温度606が低下する。冷却剤戻りライン256の検出温度606がベアリング温度設定点604を下回る温度に低下するとき、コントローラ260はベアリング冷却剤制御弁508を閉じて、ベアリング220、222、224への冷却剤の流れを低下させる。その結果、図6に示すように、冷却剤戻りライン256の冷却剤温度が上昇する。このサイクルは、圧縮機500の動作中に繰り返される。モータ温度設定点602とオフセット温度610は、動作前に経験的に決定することができる。
【0060】
図7は、図1の冷凍システム100並びに図2及び5の圧縮機冷却システム200、500での使用に適した例示的な圧縮機700の斜視図である。図8は、図7の圧縮機700の線8-8に沿って取られた断面図である。図示された実施形態では、圧縮機700は二段遠心圧縮機であるが、他の実施形態では、圧縮機700は単段又は二段より多くを含んでもよい。さらに他の実施形態では、圧縮機700は遠心圧縮機以外の圧縮機であってもよい。
【0061】
圧縮機700は概して、冷媒圧縮の各段階が達成される少なくとも1つのシールされたキャビティを形成する圧縮機ハウジング702を含む。圧縮機700は、吸引ライン706から冷媒を受け取り、冷媒蒸気を第1圧縮段708に導入する第1冷媒入口704、第1冷媒出口710、圧縮された冷媒を第1圧縮段708から第2圧縮段714に移送する冷媒移送導管712、冷媒蒸気を第2圧縮段714に導入する第2冷媒入口716、及び第2冷媒出口718を含む。冷媒移送導管712は、第1冷媒出口710及び第2冷媒入口716それぞれに両端で動作可能に接続される。第2冷媒出口718は、圧縮された冷媒を第2圧縮段714から、圧縮機700が組み込まれた冷却システム又は冷凍システム(例えば、冷凍システム100)に送り出す。
【0062】
さらに図8を参照すると、圧縮機ハウジング702は、第1圧縮段708を囲む第1ハウジング端部又はキャップ802と、第2圧縮段714を囲む第2ハウジング端部又はキャップ804を含む。第1圧縮段708と第2圧縮段714は、圧縮機700の両端に配置されるが、圧縮機700の同じ端に配置することもできる。第1圧縮段708は、第1冷媒入口704を経由して流入する冷媒に運動エネルギーを付加するように構成された第1羽根車806を含む。第1羽根車806によって冷媒に与えられた運動エネルギーは、シールされたキャビティへの移送の際に冷媒速度が遅くなるにつれて、増加した冷媒圧力(すなわち、圧縮)に変換される(例えばディフューザー)。同様に、第2圧縮段714は、第2冷媒入口716を経由して流入する第1圧縮段708から移送される冷媒に運動エネルギーを加えるように構成された第2羽根車810を含む。第2羽根車810によって冷媒に与えられる運動エネルギーは、シールされたキャビティへの移送の際に冷媒速度が遅くなるにつれて、増加した冷媒圧力(すなわち、圧縮)に変換される(例:ディフューザー)。圧縮された冷媒は、第2冷媒出口718を経由して第2圧縮段714から出る。
【0063】
第1羽根車806と第2羽根車810は、ドライブシャフト814の両端で結合されている。ドライブシャフト814は、第1羽根車806と第2羽根車810が、冷媒を第2冷媒出口718から出る事前に選択されたターゲット(例えば質量流量)に圧縮するために選択された回転速度で回転するように、第1羽根車806と第2羽根車810の間に位置するモータ816に動作的に結合される。任意の適切なモータが圧縮機700に組み込まれ得、電気モータを含むが、これに限定されない。例示的な圧縮機700は、圧縮機ハウジング702に接続された固定子818と、ドライブシャフト814に接続された回転子820を有する電気モータを含む。固定子818と回転子820との間には、冷却剤が底を通って流れることを可能にするエアギャップ(air gap)(図8においてラベルを付けられていない)が確定される。ドライブシャフト814は、第1及び第2ラジアルフォイルベアリング822、824、及びスラストフォイルベアリング826によって支持される。圧縮機700の追加コンポーネントや動作など、圧縮機700の追加の詳細は、米国特許出願公開第2020/0256347号に記載されており、その開示は参照によりここに組み込まれる。
【0064】
図8に示すように、圧縮機ハウジング702は、ベアリング822、824、826とモータ816に冷却剤を供給するその中に画定された複数の冷却剤流路828、830、832、834を有する。例示的な圧縮機700は、第1冷却剤流路828、第2冷却剤流路830、第3冷却剤流路832、及び第4冷却剤流路834を含む。第1冷却剤流路828はスラストベアリング826に冷却剤を供給し、第2冷却剤流路830は第1ラジアルベアリング822に冷却剤を供給し、第3冷却剤流路832は第2ラジアルベアリング824に冷却剤を供給し、第4冷却剤流路834はモータ816に冷却剤を供給する。圧縮機ハウジング702はまた、図示された実施形態では共通の冷却剤出口ポート836も画定する。共通の冷却剤出口ポート836は、複数の冷却剤流路828、830、832、834のそれぞれから冷却剤を受け取る。
【0065】
第1冷却剤流路828は、半径方向内向きに第1ハウジング端部802を通って、スラストベアリング826の周りを、軸方向に第1ベアリングハウジング808とドライブシャフト814との間でドライブシャフト814に沿って、そして共通の冷却剤出口ポート836に半径方向外向きに延びる。第2冷却剤流路830は、半径方向内向きに第1ベアリングハウジング808を通って第1ラジアルベアリング822に、軸方向に第1ラジアルベアリング822とドライブシャフト814に沿って、そして共通の冷却剤出口ポート836に変形方向外向きに延びる。第3冷却剤流路832は、半径方向内向きに第2ベアリングハウジング812を通って第2ラジアルベアリング824に、軸方向に第2ラジアルベアリング824とドライブシャフト814に沿って、半径方向外向きに固定子818と回転子820との間に画定されたエアギャップに向かって、軸方向にエアギャップを通って、半径方向外向きに共通の冷却剤出口ポート836に延びる。第4冷却剤流路834は、圧縮機ハウジング702によって画定された螺旋溝838を通って固定子818の周りを螺旋状に延びる。次に、第4冷却剤流路834は、半径方向内向きに固定子818と回転子820との間に画定されたエアギャップに、軸方向にエアギャップを通って、そして半径方向外向きに共通の冷却剤出口ポート836に延びる。
【0066】
図8に示すように、冷却剤流路828、830、832、834は、圧縮機ハウジング702の共通部分又は重なる部分を共有できる。例えば、第1冷却剤流路828は第1ラジアルベアリング822で第2冷却剤流路238と重なって繰り入れ、第3冷却剤流路832はモータ816で第4冷却剤流路834と重なって繰り入れる。さらに、図8に示して前述したように、例示的な圧縮機ハウジング702内の冷却剤流路828、830、832、834は、冷却剤が冷却剤流路828、830、832、834の少なくとも1つを、順に、少なくとも1つのベアリング822、824、826を横切り、モータ816を通って共通の冷却剤出口ポート836に流れるように配置される。例えば、第3冷却剤流路832は、第2ラジアルベアリング824とモータ816(例えば、固定子818と回転子820を横切って流れることによって)に冷却剤を供給し、冷却剤がベアリング822、824、826とモータ816の両方から熱を吸収することをもたらす。
【0067】
冷却剤戻りライン840(図7図8に模式的に示す)は、共通の冷却剤出口ポート836に接続された入口842と、圧縮機700の低圧側に冷却剤を戻すために吸引ライン706に接続された出口844を有する。吸引ライン706は、概して、圧縮機ハウジング702に供給される冷却剤よりも低圧であり、この冷却剤は圧縮機700が組み込まれている冷凍システムの比較的高圧側、例えば凝縮器の下流から供給することができる。その結果、冷却剤源の冷却剤と吸引ライン706との間に圧力差が存在し、複数の冷却剤流路828、830、832、834を介して冷却剤を駆動することを促進する。
【0068】
記載されたシステム及び方法の実施形態は、遠心圧縮機冷却システムに関連する以前のシステム及び方法と比較して優れた結果を達成する。例えば、ここに開示された冷却回路及び関連する冷却剤制御弁及びスキームは、圧縮機のベアリングに連続的な冷却剤を提供し、それによってベアリングを保護する一方で、温度フィードバックに基づいて追加の冷却のためにモータに追加の冷却剤を供給することを可能にする。さらに、ここに開示された冷却システムは、外部又は追加の液体ポンプを使用する必要がなく、追加のコンポーネントをほとんど又はほとんど必要としないため、比較的単純で信頼性の高い圧縮機冷却システムを提供する。
【0069】
冷媒圧縮機などの圧縮機システム及び方法の例示的な実施形態は、上記で詳細に説明されている。システム及び方法は、ここに記載されている特定の実施形態に限定されず、むしろ、システム及び方法の構成要素は、ここに記載されている他の構成要素とは独立して別個に使用することができる。例えば、ここに記載されている冷却回路は、遠心圧縮機以外の圧縮機で使用することができ、例えば、スクロール圧縮機、回転圧縮機、及び往復圧縮機を含むが、これらに限定されない。
【0070】
本開示又はその実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「1つの("a"、"an")」、「その("the")」及び「前記("said")」は、要素の1つ以上があることを意味することを意図している。用語「有する」、「含む」及び「持つ」は、包括的であることを意図しており、リストされた要素以外の追加要素が存在する可能性があることを意味する。特定の向き(例えば、「上部」、「下部」、「側部」など)を示す用語の使用は、説明の便宜のためであり、記載された項目の特定の方向を必要としない。
【0071】
開示の範囲を逸脱することなく、上記の構成及び方法に様々な変更を加えることができるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】