(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】RFIDシールド
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20240117BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20240117BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B90/98
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541937
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 GB2022050059
(87)【国際公開番号】W WO2022153044
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516263638
【氏名又は名称】シーエムアール サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】スティーア,ウィリアム アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130BA02
4C130BA09
4C130DA04
(57)【要約】
ロボット外科手術アームに取り付けられたロボット外科手術器具から無線通信を受信するように構成されたレシーバと、シールドであって、共通の形状を各々が有する、複数の指部と、指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、コネクタが接地に電気的に接続されたときに、指部の形状、寸法、及び配設がシールドを通した電界の透過の減衰を引き起こす、シールドと、を備える、ロボット外科手術アーム。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術アームであって、
ロボット外科手術器具と係合するように構成されたインターフェースと、
前記ロボット外科手術器具から無線通信を受信するように構成されたレシーバと、
シールドであって、
複数の指部と、
前記指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、
前記シールドが、前記コネクタが接地に電気的に接続されたときに、前記指部の形状、寸法、及び配設が前記シールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える、ロボット外科手術アーム。
【請求項2】
前記シールドが、前記ロボット外科手術器具が前記インターフェースと係合されたときに、前記ロボット外科手術器具と前記レシーバとの間にあるように位置付けられている、請求項1に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項3】
前記シールドが、前記インターフェース上に位置付けられている、請求項1又は2に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項4】
前記アームが、前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間に空気空間を備え、前記空気空間の長さが、前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間の垂直距離と等しい、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項5】
前記シールドの平面が、前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間の垂直距離に対して垂直な方向における前記シールドの断面である、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項6】
前記シールドが、前記シールドの前記指部に接着されたフォーム要素を更に備え、前記フォーム要素が、前記空気空間の前記長さと等しい前記シールドの前記平面に対して垂直な方向における長さを有し、前記フォーム要素が、前記指部と前記レシーバとの間の前記空気空間を占有するように位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項7】
前記シールドが、平面である、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項8】
前記シールドの面積が、前記シールドの前記平面の面積であり、前記シールドの前記面積が、平行平面における前記レシーバの面積よりも大きい、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項9】
前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間の前記垂直距離が、前記シールド内の隣接する指部の各対の間の垂直距離よりも大きい、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項10】
前記コネクタが、前記レシーバのローカル接地に電気的に接続されている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項11】
ロボット外科手術器具であって、
ロボット外科手術アームと係合するように構成された器具インターフェースと、
前記ロボット外科手術アームのレシーバに無線通信を伝送するように構成されたトランスミッタと、
シールドであって、
複数の指部と、
前記指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、
前記シールドが、前記コネクタが接地に電気的に接続されたときに、前記指部の形状、寸法、及び配設が前記シールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える、ロボット外科手術器具。
【請求項12】
前記シールドが、前記ロボット外科手術アームが前記インターフェースと係合されたときに、前記ロボット外科手術器具のシャフトと前記ロボット外科手術アームの前記レシーバとの間にあるように位置付けられている、請求項11に記載のロボット外科手術器具。
【請求項13】
前記シールドが、前記器具インターフェース上に位置付けられている、請求項11又は12に記載のロボット外科手術器具。
【請求項14】
各指部が、それ自体と、任意の他の指部と、又は前記コネクタとの閉ループを形成しない、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項15】
前記指部及び前記コネクタが、非鉄材料から構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項16】
前記シールドが、前記シールドを通したラジオ周波数信号の伝送を可能にするように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項17】
前記シールドが、前記シールドを通した磁界の伝送を可能にするように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項18】
前記指部が、共通の形状を有し、かつ一列に配設されており、各指部が、前記列の中の他の指部の各々に対して平行であり、各指部について、前記指部の幅と、前記指部と隣接する指部との間の垂直距離との和が、4ミリメートル未満である、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項19】
隣接する指部の各対の間の前記垂直距離に対する各指部の前記幅の比が、60:40~20:80である、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項20】
各指部が、第1の方向に延在しており、前記コネクタが、前記第1の方向に対して垂直である第2の方向に延在している、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項21】
各指部が、第1の端部及び第2の端部を有し、前記コネクタが、その第1の端部で各指部と接触する、請求項20に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項22】
各指部が、第1の端部及び第2の端部を有し、前記コネクタが、前記第1の端部と第2の端部との間の前記指部に沿った点で各指部と接触する、請求項20に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項23】
前記シールドが、第1及び第2の列の指部、並びに第1、第2、及び第3のコネクタを備え、前記第1のコネクタが、前記第1の列の指部の各指部と接触し、前記第2のコネクタが、前記第2の列の指部の各指部と接触し、前記第3のコネクタが、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタと接触する、請求項1~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項24】
各指部が、半径を有する部分円の構成を有し、各指部によって形成される前記部分円の前記半径が、他の全ての指部によって形成される前記部分円の半径と異なっており、前記指部が、互いに対して同心に配設されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項25】
各指部が、ジグザグ形状を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項26】
各指部が、直線構成を有し、前記コネクタが、直線構成を有し、各指部が、前記他の指部に対してかつ前記コネクタに対して放射状に配設されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項27】
前記指部が、放射状に配設されており、各指部について、前記指部の幅と、前記指部と隣接する指部との最小距離の和が、4ミリメートル未満であり、前記指部と前記レシーバとの間の垂直距離が、前記シールドの隣接する指部の各対の間の最小距離よりも大きい、請求項1~9又は11~17のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項28】
前記コネクタが、部分円の構成を有し、かつ前記複数の指部を部分的に取り囲むように各指部に接触する、請求項27に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科手術を補助及び実施するためにロボットを使用することが知られている。
図1及び
図2は、基部101、アーム102、及び器具105を備える、典型的な外科手術ロボット100を示している。基部は、ロボットを支持し、それ自体が、例えば、手術室の床、手術室の天井、又はトロリーに堅固に取り付けられている。アーム102は、基部と器具との間に延在する。アームは、その長さに沿って、外科手術器具105を患者に対して所望の場所に位置付けるために使用される複数の可撓性ジョイント103によって関節式に連結される。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端に取り付けられる。外科手術器具は、外科手術部位にアクセスするように、ポートで患者の身体を貫通する。
【0002】
図3に示す典型的な外科手術器具105は、器具インターフェース301を含み、これによって、外科手術器具はロボットアーム102に接続する。シャフト302は、器具インターフェース301と関節部303との間に延在している。関節部は、エンドエフェクタ106で終端し、関節部により、エンドエフェクタはシャフト302に対して移動することができる。
【0003】
外科手術ロボット工学では、器具がアームに取り付けられたときに、外科手術器具から外科手術ロボットアームに情報を伝送することが知られている。器具とアームの間で送信される通信信号には、特に、器具の同一性、器具のタイプ、器具の寿命、及び器具の使用数に関する情報が一般的に含まれる。先行技術の外科手術ロボットシステムは、一般に、外科手術ロボットアームとアームに取り付けられた任意の器具との間の有線接続を使用して、器具とアームとの間に通信信号を送信できるようにする。こうしたシステムでは、適切な配線がアームと器具との間のインターフェースに組み込まれる。したがって、インターフェースは、有線通信の伝送、並びにアームから器具への駆動の伝送を容易にし、器具を作動させる。これらの機能の両方を満たすインターフェースを設計することは、インターフェースが術野に対する無菌バリアも維持しなければならないという追加要件のため、簡単ではない。例えば、インターフェースはまた、器具が滅菌ゾーン内に位置するが、アーム(ドレープの内側)がそうでないように、アームと器具との間にドレープを固定するために必要である場合がある。
【0004】
したがって、外科手術ロボットアームから外科手術器具に情報を無線で伝送することができる外科手術ロボットシステムを考案することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の実施形態によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるロボット外科手術アームが提供されている。
【0006】
本発明の第2の実施形態によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるロボット外科手術器具が提供されている。
【0007】
特に、ロボット外科手術アームが提供されており、ロボット外科手術アームは、ロボット外科手術器具と係合するように構成されたインターフェースと、ロボット外科手術器具から無線通信を受信するように構成されたレシーバと、シールドであって、複数の指部と、指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、シールドが、コネクタが接地に電気的に接続されたときに、指部の形状、寸法、及び配設がシールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える。
【0008】
シールドは、ロボット外科手術器具がインターフェースと係合されたときに、ロボット外科手術器具とレシーバとの間にあるように位置付けられ得る。
【0009】
シールドは、インターフェース上に位置付けられ得る。
【0010】
アームは、シールドの指部とレシーバとの間に空気空間を備え得、空気空間の長さは、シールドの指部とレシーバとの間の垂直距離と等しい。
【0011】
シールドの平面は、シールドの指部とレシーバとの間の垂直距離に対して垂直な方向におけるシールドの断面であり得る。
【0012】
シールドは、シールドの指部に接着されたフォーム要素を更に備え得、フォーム要素は、空気空間の長さと等しいシールドの平面に対して垂直な方向における長さを有し、フォーム要素は、指部とレシーバとの間の空気空間を占有するように位置付けられている。
【0013】
シールドは、平面であり得る。
【0014】
シールドの面積は、シールドの平面の面積であり得、シールドの面積は、平行平面におけるレシーバの面積よりも大きくてもよい。
【0015】
シールドの指部とレシーバとの間の垂直距離は、シールド内の隣接する指部の各対の間の垂直距離よりも大きくてもよい。
【0016】
コネクタは、レシーバのローカル接地に電気的に接続され得る。
【0017】
ロボット外科手術器具が提供されており、ロボット外科手術器具は、ロボット外科手術アームと係合するように構成された器具インターフェースと、ロボット外科手術アームのレシーバに無線通信を伝送するように構成されたトランスミッタと、シールドであって、複数の指部と、指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、シールドが、コネクタが接地に電気的に接続されたときに、指部の形状、寸法、及び配設がシールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える。
【0018】
シールドは、ロボット外科手術アームがインターフェースと係合されたときに、ロボット外科手術器具のシャフトとロボット外科手術アームのレシーバとの間にあるように位置付けられ得る。
【0019】
シールドは、器具インターフェース上に位置付けられ得る。
【0020】
各指部は、それ自体と、任意の他の指部と、又はコネクタとの閉ループを形成しない可能性がある。
【0021】
指部及びコネクタは、非鉄材料から構成され得る。
【0022】
シールドは、シールドを通したラジオ周波数信号の伝送を可能にするように構成され得る。
【0023】
シールドは、シールドを通した磁界の伝送を可能にするように構成され得る。
【0024】
指部は、共通の形状を有し得、かつ一列に配設され得、各指部は、列の中の他の指部の各々に対して平行であり得、各指部について、指部の幅と、指部と隣接する指部との間の垂直距離との和は、4ミリメートル未満であり得る。
【0025】
隣接する指部の各対の間の垂直距離に対する各指部の幅の比は、60:40~20:80であり得る。
各指部は、第1の方向に延在し得、コネクタは、第1の方向に対して垂直である第2の方向に延在し得る。
【0026】
各指部は、第1の端部及び第2の端部を有し得、コネクタは、その第1の端部で各指部と接触し得る。
【0027】
各指部は、第1の端部及び第2の端部を有し得、コネクタは、第1の端部と第2の端部との間の指部に沿った点で各指部と接触し得る。
【0028】
シールドは、第1及び第2の列の指部、並びに第1、第2、及び第3のコネクタを備え得、第1のコネクタは、第1の列の指部の各指部と接触し得、第2のコネクタは、第2の列の指部の各指部と接触し得、第3のコネクタは、第1のコネクタ及び第2のコネクタと接触し得る。
【0029】
各指部は、半径を有する部分円の構成を有し得、各指部によって形成される部分円の半径は、他の全ての指部によって形成される部分円の半径と異なり得、指部は、互いに対して同心に配設され得る。
【0030】
各指部は、ジグザグ形状を有し得る。
【0031】
各指部は、直線構成を有し得、コネクタは、直線構成を有し得、各指部は、他の指部に対してかつコネクタに対して放射状に配設され得る。
【0032】
指部は、放射状に配設され得、各指部について、指部の幅と、指部と隣接する指部との最小距離の和は、4ミリメートル未満であり、指部とレシーバとの間の垂直距離は、シールドの隣接する指部の各対の間の最小距離よりも大きくてもよい。
【0033】
コネクタは、部分円の構成を有し得、かつ複数の指部を部分的に取り囲むように各指部に接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】外科手術ロボット及び関連付けられた制御システムを示している。
【
図5】外科手術器具に取り付けるためのインターフェースを備える、外科手術ロボットアームの一部分を示している。
【
図6】シールドを備えるロボットアームの一部分を示している。
【
図8】シールドを備えるロボットアームの一部分のより詳細な図を示している。
【
図9】ロボットアームに取り付けられた器具を示しており、ロボットアームは、シールドを備える。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書に記載の外科手術ロボットシステムは、所望の外科手術手技を実施するように制御され得る。
図2に示されるように、外科手術ロボット100は、外科医コマンドインターフェース201及び制御ユニット202をまた含む、システムの一部を形成する。制御ユニットは、プロセッサ203及びメモリ204を備える。メモリ204は、モータの動作を制御して、アーム102を記載の方法で動作させるように、プロセッサによって実行可能なソフトウェアを非一時的な方式で記憶する。ソフトウェアは、プロセッサ203を制御して、モータを、外科医コマンドインターフェースからの入力に依存して駆動させることができる。制御ユニット202は、ソフトウェアの実行によって生成された出力に従ってモータを駆動するためにモータに結合される。外科医コマンドインターフェース201は、1つ以上の入力装置を含み、それによって、ユーザは、所望の方式でエンドエフェクタの運動を要求することができる。入力装置は、例えば、制御ハンドル又はジョイスティックなどの手動で操作可能な機械的入力装置であっても、光学ジェスチャセンサなどの非接触型入力装置であり得る。メモリ204に記憶されるソフトウェアは、これらの入力に応答し、プロセッサは、ソフトウェアを実行して、それに応じて、アーム及び器具のジョイントを移動させるように構成されている。要約すると、コマンドインターフェース201に位置する外科医は、所望の外科手術手技を実施するような方式で、器具105を制御して移動させることができる。制御ユニット202及び/又はコマンドインターフェース201は、アーム102から遠隔にあり得る。
【0036】
本明細書に記載される外科手術ロボットシステムは、器具とアームとの間の通信信号を無線で伝送する。器具インターフェース301を有する外科手術器具105を
図4に示す。器具インターフェースは、器具インターフェース要素405、406、及び407を備える。駆動要素は、器具インターフェース要素405、406、407を関節部303に接続し、エンドエフェクタ106の動きを制御する。器具がロボットアームに取り付けられるときに、器具インターフェース要素は、ロボットアーム上のそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素と係合し、その結果、駆動はロボットアームから器具に移動することができる。
【0037】
器具は、器具についての情報を記憶するように構成されたメモリ404を備える。情報は、器具(器具ID)の同一性、器具のタイプ、器具の寿命、及び器具の使用数のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含み得る。器具105は、器具がアームに取り付けられたときに、記憶された情報を外科手術ロボットアーム102に伝送するように構成されたトランスミッタ403を更に備える。トランスミッタは、無線通信を使用して情報を送受信するように構成されたトランシーバであり得る。アームは、器具で受信され、かつ器具メモリに書き込まれる情報、例えば、器具の使用数を送信し得る。
図4に示す実施例では、メモリ404及びトランスミッタ403の両方は、器具インターフェース301上に位置付けられる。他の実施例では、メモリ及び/又はトランスミッタは、器具の他の場所に位置し得る。
図4は、器具105のエンドエフェクタ106が一対の把持装置である、外科手術器具の実施例を示している。しかしながら、他の実施例では、器具は、滑らかなジョー、波状のジョー、一対のせん断、縫合用針、カメラ、レーザ、ナイフ、ステープラ、又は吸引器などの任意の他のタイプのエンドエフェクタを含んでもよい。器具はまた、以下でより詳細に説明するように、コーテリザー又は単極ハサミなどの電気外科手術器具であり得る。
【0038】
図5は、器具105を受容するように構成されたロボットアーム102の一部分501を示している。アーム102は、複数のリンクを含み、部分501は、アームの末端リンクである。示されるロボットアームの一部分は、アーム501aの本体の一部及び駆動アセンブリ501bを備える。アームの本体は、駆動アセンブリとアームの基部との間に延在する。駆動アセンブリは、器具105の器具インターフェース301と接合する、駆動アセンブリインターフェース502を備える。外科手術ロボットアーム102は、アームに取り付けられたときに、器具から伝送される情報を受信するように構成されたレシーバ503を備える。情報がアームから器具にも送信される実施例では、レシーバは、情報を送受信するように構成されたトランシーバであり得る。このアプリケーションは、主に、器具トランスミッタからアームレシーバへの信号の伝送を指すが、説明した原理は、アーム及び器具の両方にトランシーバが含まれており、かつ無線信号がまたアームから器具に送信される実施例に同様に適用される。
【0039】
図5に示す実施例では、レシーバ503は、アーム501aの本体内に位置付けられている。アームはまた、器具から受信した情報を記憶するように構成されたメモリ504を備える。
図5に示す実施例では、メモリ504は、駆動アセンブリインターフェース502上に位置するが、他の実施例では、メモリは、アーム上の他の場所に位置し得る。記載の実施例では、器具103上のトランスミッタ403は、ラジオ周波数無線通信信号を伝送して、ロボットアーム上のレシーバ503に情報を送信する。ラジオ周波数無線信号の送信は、レシーバに到達し、かつレシーバ内の電流を誘導する、トランスミッタでの磁界の生成を伴う。他の実施例では、異なるタイプの無線通信プロトコルを使用し得る。
【0040】
ロボットアームの駆動アセンブリは、器具がアームに取り付けられるときに、器具の関節部を駆動する。駆動アセンブリインターフェース502は、器具のインターフェース301と係合する。駆動アセンブリインターフェースの移動可能なインターフェース要素505、506、507は、ロボットアーム102による駆動を器具105に伝えるために、器具インターフェース405、406、407の対応する移動可能なインターフェース要素と係合する。
【0041】
ロボット外科手術では、2つ以上の外科手術器具を使用することが一般的である。各器具は、異なるロボットアームに取り付けられ得る。他の実施例では、2つ以上の器具が、単一のロボットアームに取り付けられ得る。例えば、ロボットアームは、各々に取り付けられたそれぞれの器具と接合する複数の駆動アセンブリを備え得る。各器具は、ラジオ周波数無線通信(RFID)をアームに伝送するように構成されたトランスミッタを備える。RFID無線信号は、特定の器具、例えば、器具の同一性、器具のタイプ、器具の寿命、及び器具の使用数についての情報を含む。外科手術ロボットアームに取り付けることができる器具は、高周波電流を使用して外科手術操作を行う、電気外科手術器具を含む。
【0042】
電気外科手術器具は、電流が供給され、かつ患者の外科手術手技中に組織を切断するために使用される、電極プローブを備える、電気外科手術単極ハサミを含み得る。単極ハサミのシャフトは、動作中に電気的に通電される。ロボットアームについて、例えば、ロボットアームのどの駆動アセンブリインターフェースにどのタイプの器具が取り付けられているかを「知る」ことは有用である。これは、このような器具の動作が、器具シャフトを通電する必要性のためにより複雑であり得るため、電気外科手術器具に特に重要である。
【0043】
電流が器具を通過し、器具が通電すると、器具内に電場が生成される。器具は、アーム上のレシーバに静電容量結合され得る。静電容量結合は、この実施例では、通電された器具が、レシーバに近接するが、接触しない位置にあるときに、レシーバに電流が確立される現象を指す。ライブ器具がレシーバに結合されると、レシーバは、静電容量的に充電され、スタック状態になり得る。この場合、器具は、アーム上のレシーバによって認識されないことがある。したがって、器具は動作不能となり得、ロボット外科手術アームは再起動を必要とし得る。
【0044】
複数のロボットアームに取り付けられた複数の器具が、互いに一緒に使用されるか、又は複数の器具が、同じ外科手術ロボットアームに取り付けられる状況では、通電されていない器具は、通電された器具と一緒に使用され得る。通電されていない器具は、例えば、把持装置及びはさみを含み得る。通電された電気外科手術器具が通電されていない器具に近接して位置付けられる状況では、2つの器具の間に静電容量結合が起こり得ることが見出された。したがって、電流は、通電されていない器具内に確立され得る。
【0045】
確立される電流の正確な性質は、2つの器具の近接度、並びに電気外科手術器具に供給される電力供給の電圧、器具間の媒体の誘電率、及び両方の器具の絶縁の程度に依存する。媒体の誘電率は、湿度などの環境条件によって変化し得る。電気外科手術器具に関して上述したように、静電容量結合によって従来の(通電されていない)器具に電流が誘導されると、通電されていない器具は、アーム上のレシーバに静電容量結合され、上述したように、レシーバが受信される情報を認識する問題をもたらし得る。
【0046】
したがって、外科手術器具と、器具から伝送されるラジオ周波数信号を受信する、ロボットアーム上のレシーバとの間に発生する静電容量結合を低減することが望ましい。外科手術器具からロボットアームに(又はその逆)情報を無線で送信するために、アーム上の器具とレシーバとの間の静電容量結合を生じさせないために、アーム上の器具(容量結合により電流が誘導された場合の電気外科手術器具又は非電気外科手術器具)とラジオ周波数信号レシーバとの間にシールドを配置することが効果的であることが見出された。シールドは、器具とレシーバとの間のどこにでも配置することができる。シールドは、器具から電荷を引き離すように構成されている。言い換えれば、シールドは、器具内で形成される電界の電気シンクとして機能する。例えば、シールドは、器具とレシーバとの間ではなく、器具とシールドとの間に静電容量結合が発生するように位置付けられる。したがって、シールドは、シールドを通して器具から発生する電界の通過を低減する。シールドは、器具に由来する電界の著しい減衰を引き起こす。本出願に記載される例示的なシールドは、概して、平面構成を有し、シールドを通して、シールドの平面の一方の側面から他方にまでを意味するものとみなされる。他の実施例では、シールドが三次元であり得る場合、シールドの平面は、シールドの長手方向断面を意味するために取られ、その平面の一方の側面から他方に意味するためにシールドを通して取られる。
【0047】
図6は、シールドを備えるロボットアームの実施例を示している。
図6は、アームの末端リンク並びにアームの他のリンクを示している。
図6に見られるシールド601は、複数の指部602と、複数の指部をつなぐコネクタ603と、を備える。この実施例では、シールドは、8本の指部を備えるが、他の実施例では、シールドは、4より大きい任意の数の指部を備えることができる。指部602は、直線構成を有し、かつ一列に配設される。コネクタ603は、列内の指部の各々に対して垂直な方向に延在する。シールド601は、接地に接続されている。具体的には、シールドのコネクタ603は、シールド601が充電されないように接地に接続される。
図6に示す実施例では、コネクタ603は、レシーバ503(図示せず)のローカル接地に接続される。
【0048】
上述のように、電気外科手術又は従来的器具のシャフトに電界が作られ得る。電界がレシーバ503に到達すると、器具とレシーバとの間の静電容量結合が生じ得、これは、器具上のトランスミッタからRFID信号を受信するレシーバの能力に問題を引き起こす可能性がある。シールドは、器具とレシーバの間に位置付けられ、レシーバに到達する前に電界を減衰させる機能を果たす。器具からの電界は、シールドの指部602に小さな電流が生成されるように、シールドの指部を静電容量的に電荷する。したがって、小さな磁界がまた、シールドの指部に誘導され得る。各指部が接地に接続されているコネクタ603に接続されると、各指部の電荷は、シールドによって接地に放散される。したがって、シールドは、器具から電荷を引き離し、それを放散して、器具の電界がレシーバに到達することを防止する。このようにして、器具とレシーバとの間の静電容量結合が低減される。シールド内に誘導され得る任意の磁界も、シールドの指部に形成された任意の電荷を接地に放散することによって減少される。以下でより詳細に説明するように、シールドの正確な構造及び寸法は、(RFID信号を送信するために生成される)磁界がシールドを通過することを可能にするが、器具シャフトで生成されるものなどの電界の減衰を引き起こす。器具上のRFIDトランスミッタに由来する磁界は、シールドの影響を受けず、レシーバに到達することができる。この磁界は、シールド内に小さな電流を誘導し得るが、これらの電流もシールドによって接地に放散される。
【0049】
シールド601は、ロボットアーム102の駆動アセンブリインターフェース502上に配置される。
図6に見られるロボットアームは、概して円形の断面を有する円筒形である。外科手術器具に取り付けられるロボットアームのセクション501は、ロボットアームの端部501aが半円筒形状及び略半円断面を有するように、外科手術器具を受容するように構成された切り抜きを備える。アームの長手方向において、アームの半円筒部分501aは、したがって、1つの曲面及び1つの平面を有する。駆動アセンブリインターフェース502は、アームの端部の平面上に位置する。駆動アセンブリインターフェース要素505、506、507などの駆動アセンブリインターフェース502の構成要素は、平面においてそれぞれの器具インターフェース要素と係合する。駆動アセンブリインターフェース要素は、アームの半円形部分の平面から突出し得る。他の実施例では、駆動アセンブリインターフェース要素は、アームの平面から戻され得る。駆動アセンブリインターフェース502の平面は、アーム501aの半円形部分の平面と同一平面上にある。
図6は、アーム501bの円筒形部分が、駆動アセンブリインターフェース502の平面に対して垂直であるその端に半円形状の壁604を備えることを示している。半円形壁604は、器具がアームに取り付けられていないときに可視的である。レシーバ503は、
図6には示されていないが、壁604の後ろのロボットアームの円筒形部分に位置付けられている。これは、
図8に示されている。この実施例では、レシーバ503は、壁604の近くに位置付けられているが、壁604と接触しない。
【0050】
シールドは、平面形状を有し、シールドの平面は、ロボットアームの端末インクの長手方向軸に対して垂直である。示される実施例では、シールドは、シールドの平面が駆動アセンブリインターフェースの平面に対して垂直になるように、駆動アセンブリインターフェース502上に位置付けられている。シールドの平面は、アームの半円筒部分501aの平面に対して垂直である。シールドは、アームの円筒部分501bに対して近位に位置付けられている。シールド601は、ロボットアームの半円形壁604に当接して位置付けられている。シールドの平面は、ロボットアームの断面と同一平面上にある。
【0051】
図8は、壁604とシールド601との間のインターフェースをより詳細に示す。明確にするために、シールド601の指部構造は示されていない。指部間のギャップを含むシールド601によって包含される総面積は、面積A
sとして示されている。
図8は、アームの半円形壁が、シールドを受容するように構成された空洞605を備えることを示している。
図8では、空洞の内壁が点線で示されている。本実施例の壁604と同一平面上の空洞の平面の面積は、シールドA
sによって包含される面積と等しい。レシーバ503がまた、点線で示されている。レシーバ503は、空洞605の後ろに位置付けられている。壁604及びシールド601と同じ平面におけるレシーバの面積は、A
Rとして示されている。示される実施例では、レシーバは、空洞605の背面に隣接して位置する。この実施例では、シールド601及び半円形壁604の平面は、同一平面上にある。言い換えれば、シールドは、半円形壁に対して平行である。シールド601とレシーバ503との間の垂直距離は、
図8に示すように、lと等しい。
【0052】
他の実施例では、ロボットアームは、異なる形状を有してもよく、例えば、アームは、正方形又は長方形の断面を有し得るが、シールド及びレシーバ503の相対的な場所は同じである。
【0053】
シールドは、シールドを通して器具上のトランスミッタ403に由来する磁界の通過を可能にするが、器具シャフトに由来する任意の電界を含む電界の通過を著しく減衰させるように構成されている。
図8に示す配置では、シールド601の面積A
sは、レシーバ503の面積A
Rよりも大きい。シールドの平面の面積は、平行な平面におけるレシーバの面積よりも大きい。この設計の利点は、シールドが、器具からレシーバに接近している高割合の電界の通過を防止することである。シールドは、そうでなければ、RFIDレシーバに到達する、器具シャフトに由来する電界を減衰する。
【0054】
簡潔に上述のように、電流及び小さな磁界がシールドの指部に誘導される。シールドとレシーバが互いに近接しすぎると、シールドに誘導された磁界がレシーバに移動され得、これは、ロボットアーム上のレシーバに問題が生じさせる場合がある。シールドに誘導される磁界は、トランスミッタによって送信されるRFID信号と類似の周波数を有し得る。器具及びレシーバに関して上述したように、静電容量結合はまた、シールドとレシーバとの間に発生し得る。シールドがレシーバに結合されると、レシーバは、静電容量的に充電され、スタック状態になり得る。この場合、器具は、アーム上のレシーバによって認識されないことがある。したがって、器具は動作不能となり得、ロボット外科手術アームは再起動を必要とし得る。したがって、シールドは、シールドとレシーバとの間の静電容量結合を最小化するように、レシーバに対して位置付けられる。
【0055】
図8に見られる空洞605は、シールド(空洞の前面と一直線に位置する)とレシーバ(空洞の後ろに位置する)との間に空気空間が存在するように、大部分が空である。空気空間の長さ、すなわち、レシーバとシールドとの間の垂直距離はlである。シールドの平面によって占有される面積は、A
sとして示される。A
sは、それらの間の空間を含む指部によって占有される面積である。シールドとレシーバとの間の空気空間は、空洞605の体積からシールド601の体積を引いた体積と等しい体積を有する。
以下の方程式(1)に示すように、シールド601とレシーバ503との間の空気空間は、シールドとレシーバとの間の静電容量を減少させる、すなわち、2つの構成要素間の結合を減少させる効果を有する。距離lが大きいほど、シールドとレシーバとの間の静電容量結合は小さくなる。これにより、シールドとレシーバの間の干渉の可能性が低減される。
【0056】
【数1】
Cは、シールドとレシーバとの間の静電容量であり、
【数2】
は、空気の相対誘電率であり、A
Rは、レシーバの面積(すなわち、シールドとレシーバとの間の重複面積)であり、lは、シールドとレシーバとの間の垂直距離である。
【0057】
図8に見られるシールドとレシーバlとの間の距離は、シールド601とレシーバ503との間の静電容量又は誘電率が無視できる程度又は一定であるほど十分に大きい。静電容量が一定である実施例では、レシーバは、必要に応じて、静電容量の一定を考慮するように調整され得る。
【0058】
図9は、アーム102に取り付けられた器具105を示している。器具インターフェース301は、ロボットアーム(図示せず)の駆動アセンブリインターフェース502に取り付けられ、器具105は、アームの半円形壁604に当接する。器具インターフェース要素405、406、及び407は、アーム(図示せず)上のそれぞれの駆動アセンブリインターフェース要素505、506、及び507と係合する。
図9は、従来の通電されていない器具、特に一対のはさみを示すが、器具は、任意の通電されていない又は通電された器具であり得る。
【0059】
器具がアームに取り付けられたときに、シールド601は、概して、器具上のトランスミッタ403とアーム上のレシーバ503との間に位置付けられる。上述のように、シールドは、シールドを通してラジオ周波数信号(すなわち、器具上のトランスミッタに由来する磁界)の通過を可能にするが、器具シャフトに由来するものを含む電界を、シールドに誘導された電流を接地に放散することによって減衰させるように構成されている。したがって、器具とレシーバとの間の静電容量結合を低減するために、シールド601は、器具とレシーバとの間のどこにでも配置され得る。単極ハサミなどの通電された器具では、電界の起源は、電流が通過する器具のシャフトである。同様に、
図9に示すような従来的な器具が通電された器具と静電容量結合する場合、従来的な器具のシャフト302は、別個の電界の起源となる可能性が高い。したがって、シールドは、器具がロボットアームと係合するときに、シールドが器具シャフト302とレシーバ503との間に位置するように、ロボットアームのどこにでも位置付けられ得る。
【0060】
シールド601は、レシーバ503で受信することができるが電界の減衰を引き起こすように、シールドを通してラジオ周波数信号の通過を可能にする。この用途では、シールドは、平面構成を有し、シールドを通して、平面の一方の側面から他方にまでを意味するものとみなされる。
【0061】
図6、
図8、及び
図9に示す実施例では、シールドは、半円形壁604に隣接する駆動アセンブリインターフェース上に位置付けられている。他の可能な実施例では、シールドは、駆動アセンブリインターフェース上の他の場所に位置付けられる。一部の実施例では、シールドは、アーム上の他の場所に位置付けられる。
図7に示すような更なる実施例では、シールドは、器具上に位置付けられる。シールドは、器具がロボットアームと係合するときに、シールドが器具シャフト302とレシーバ503との間に位置付けられるように、器具上のどこにでも位置付けられ得る。
図7に示すように、シールドは、器具インターフェース301上に位置付けられ得るが、他の実施例では、器具上の他の場所に位置し得る。
図7に示す実施例では、シールドは、器具インターフェースから突出するように位置付けられる。示されるシールドは、平面形状を有し、シールドの平面は、器具インターフェース301の平面に対して垂直である。
【0062】
図6に示した配設では、シールド601は、一列に配列された複数の指部602を備える。同じシールドを、
図10により詳細に示す。この例示的なシールドは、8本の指部を備えるが、他の実施例では、シールドは、4より大きい任意の数の指部を備え得る。
図10は、各指部が細長い形状であり、かつ直線構成を有することを示している。各指部は、列の他の指部全てに対して平行である。シールド601はまた、指部602の各々に接触するコネクタ603を備える。この実施例では、コネクタはまた、直線構成を有する。コネクタは、各指部が延在する方向に対して垂直な方向に指部の列に沿って延在する。コネクタは、各それぞれの指部の同じ端で各指部に接触する。指部及びコネクタは、例えば、アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、スズ、又は亜鉛などの任意の非鉄材料からなり得る。代替的な実施例では、シールドは、鉄材料から構成されてもよく、レシーバは、シールドの任意の偏光を考慮するように必要に応じて調整される。
【0063】
図6に示し、かつ
図8により詳細に示す実施例では、空気空間は、シールド601の指部602とレシーバ503との間に(空洞605内に)存在する。一部の実施例では、空気空間は、例えば、低密度フォームなどのフォームで充填される。フォームは、シールドの指部に接着され得る。
図10に示す実施例では、シールドは、指部602に接着されるフォーム要素606を備える。指部の平面は、フォーム要素の平面に対して平行である。フォーム要素の面積は、シールドA
sの平面の面積と等しい。この実施例のフォームの奥行きは、フォーム要素が空洞605を充填するように、シールドとレシーバ(
図8に見られるl)との間の垂直距離と等しい。フォーム要素の体積は、シールド602の指部とレシーバ503との間の空気空間の体積と等しくてもよい(
図8を参照)。この実施例では、指部602及びフォーム要素606を備える、シールドの体積は、空洞605の体積と等しい。他の実施例では、フォーム要素の体積は、シールドとレシーバとの間の体積が空気及びフォームからなるように、空気空間の体積よりも小さい。更なる実施例では、シールドはフォーム要素を備えないが、アーム自体は、器具がアームに取り付けられるときに、シールドとレシーバとの間に位置付けられるフォームを備える。
【0064】
フォーム要素606のフォームは、低い誘電率を有し、これは、以下の方程式(2)で示されるように、シールド601とレシーバ503との間の静電容量は低いままであり、すなわち、2つの構成要素間の結合が弱いことを意味する。
【0065】
【数3】
Cは、シールドとレシーバとの間の静電容量であり、
【数4】
は、空気の相対誘電率であり、
【数5】
は、フォームの相対誘電率であり、A
Rは、レシーバの面積(すなわち、シールドとレシーバとの間の重複面積)であり、lは、シールドとレシーバとの間の垂直距離である。
【0066】
フォームは、空気よりも高い誘電率を有し、これは、静電容量Cがわずかに増加することを意味する。しかしながら、シールドとレシーバとの間の「スペーサ」としてフォーム要素を使用することは、製造中及び使用中に、構成要素間の距離lを固定することができることを意味する。したがって、フォーム要素を備えるシールドは、シールドとレシーバとの間の距離をその最大値に維持することができ、シールドとレシーバとの間の静電容量結合を低減させる効果を有するという点で有利である。他の実施例では、シールドは、例えば、プラスチック又はゴムなどの低誘電率を有する別の材料の基材上に一列の指部を備え得る。
【0067】
図6及び
図10に見られるシールド601は、コネクタ603によってつながれた直線上の指部602を備える。好ましくは、シールドは、シールド上の機械的歪みを低減するように、内側隅に丸みを含む。指部は、1つ以上の非鉄材料からなる。コネクタはまた、シールド自体がそれ自体の周りの磁界を生成しないように、1つ以上の非鉄材料から形成される。例えば、指部及びコネクタは、アルミニウム、銅、鉛、ニッケル、スズ、及び亜鉛のうちの1つ以上からなり得る。指部は、コネクタと同じ材料からなり得る。他の実施例では、指部及びコネクタは、異なる材料で形成され得る。一部の実施例では、コネクタ603は、銅テープで形成され得る。
【0068】
シールド601は、接地に接続されている。具体的には、コネクタ603は、シールド601が充電されないように接地に接続される。
図6の実施例では、コネクタ603は、レシーバ503(図示せず)のローカル接地に接続される。上述のように、シールドと外科手術器具との間の静電容量結合により、シールドの指部に小さな電流が生成され得る。こうした電流は、シールドの接地への接続により放散される。
【0069】
シールド601は、(接地に放散されない)電流がシールド内に形成されないように、閉ループを備えない。シールド内には、いかなる「ループ」電流も形成されない。したがって、シールド内のいかなる電流も、シールド内にそれら自身の磁界を誘導することができない。シールドに誘導される任意の磁界は、器具によって送信されるラジオ周波数通信と類似の周波数を有し、これらの信号を受信するレシーバに干渉するであろう。したがって、シールドの周りに形成されるこのような任意のフィールドを最小化することが望ましい。シールド601の指部602のいずれも、いかなる閉ループを形成しない。指部のいずれも、他の指部又はコネクタとのいかなる閉ループを形成しない。「ループ」電流は、十分に大きな面積を有するシールドの個々の指部にも生成され得る。したがって、シールドの指部は、個々の指部にループ電流が形成されないほど十分に小さい。シールドには閉ループが何も含まれていないため、「ループ」電流の経路はなく、接地された接続により、シールドは電荷を保持しない。
【0070】
シールドは、非鉄材料で形成されるため、シールド自体は、磁界を生成しない。
【0071】
上述のように、シールドに誘導される任意の磁界は、器具トランスミッタによって送信されるラジオ周波数通信と類似の周波数を有し、これらの信号を受信するレシーバに干渉するであろう。したがって、レシーバに干渉するのに十分な強度である、シールドの周りに発生する磁界の可能性を低減することが望ましい。
図10に示すシールドでは、各指部602は、他の全ての指部の幅と等しい幅wを有する。指部602は、シールドの幅にわたって均等に間隔を置いている。言い換えれば、一対の指部の間のギャップdは、指部の列の中の他の全ての一対の指部の間のギャップと等しい。他の実施例では、指部の幅wは、各指部に対して変化し得る。一対の指部の間のギャップの幅は、任意の他の一対の指部の間のギャップの幅とは異なり得る。ギャップは、隣接する指部間の静電容量結合が最小化されるように十分に大きな幅dを有し、すなわち、ギャップdは、ギャップが、2つ以上の指部間の回路を閉めるように静電容量的にブリッジできないほど十分に大きい。ギャップ幅dは、指部の幅wよりも大きいことが好ましい場合がある。
【0072】
一般的に、指部は小さな幅wを有することが望ましい。この利点は、指部にループ電流が誘導される可能性を低減することである。また、指部の周りに誘導される任意の磁界は、レシーバに到達する可能性が低い。更に、シールドの指部が細かい場合、シールドは、RFID信号の磁界に対してより「透明」に見える。
【0073】
また、歯d間のギャップが小さいことも望ましい。歯間の小さなギャップは、器具によって生成される電界が歯を通り抜けてより深く浸透せず、レシーバに到達し干渉する可能性が低いことを意味する。歯間のギャップは、十分に小さく、それにより、シールドは、器具に由来する電界の通過を低減するが、ループ電流及び大きな磁界がシールド内に形成されるようには小さくない。ギャップdは、0.1mm~2mmの値を有し得る。
【0074】
前に説明したように、
図8に見られるシールドとレシーバlとの間の距離は、シールド601とレシーバ503との間の静電容量又は誘電率が無視できる程度又は一定であるほど十分に大きい。歯間のギャップdは、シールドとレシーバとの間の距離lよりも小さくなければならない。一実施例では、シールドとレシーバlとの間の垂直距離が5~6mmである場合、有効なシールドは、1.2mm以下の幅wを有する指部を有することが見出された。
【0075】
図8に示す配置では、シールド601の面積A
sは、レシーバ503の面積A
Rよりも大きい。シールドの平面の面積は、平行な平面におけるレシーバの面積よりも大きい。この設計の利点は、シールドが、レシーバに接近している高割合の電界の通過を最小化することである。したがって、シールドは、そうでなければ、RFIDレシーバに到達する、器具シャフトに由来する電界を著しく減衰する。シールドA
sの面積は、レシーバA
Rの面積の150%~400%とし得る。
【0076】
トランスミッタ403の面積がレシーバ503の面積よりも大きい実施例では、シールドの面積は、トランスミッタの面積の150%~400%であり得る。
【0077】
レシーバA
Rの面積=15mm
2である1つの実施例によると、シールドA
sの面積=25mm
2である。シールドとレシーバlとの間の垂直距離は、3mmである。ピッチp(
図10に示す)は、1つの指部の幅と、指部と隣接する指部との間のギャップの幅との合計(p=w+d)として定義される。言い換えれば、ピッチは、指部の一端と隣接する指部の同じ端との間の距離と等しい。このスケールの実施例では、ピッチは、0.1~2mmの任意の範囲内にあり得る。この特定の実施例では、ピッチpは、1mmであり、ここで、d=0.4mmであり、w=0.6mmである。この実施例では、指部幅とギャップ幅(w:d)の比率は、6:4である。
【0078】
比率w:dは、6:4~2:8であり得る。特に、シールドとレシーバとの間の距離がそれほど大きくないシナリオでは、シールドの隣接する指部間の静電容量結合が低減されるので、比率2:8が好ましい。
【0079】
別の実施例では、シールドの面積は、レシーバの面積より大きくないが、シールドとレシーバとの間の距離は、前の実施例よりも大きく、AR=50mm2、As=25mm2であり、シールドとレシーバとの間の距離lは、6mmである。ピッチp=4mmである。この実施例では、各指部の幅w=0.8mmである。各指部間のギャップの幅d=3.2mmである。他の実施例では、シールドのピッチは、0.1~10mmで任意の範囲にあり得る。
【0080】
図11及び
図12は、その他のシールド設計を示している。前述のシールド601によれば、各シールドは、指部602及びコネクタ603を備える。
図11及び
図12では、指部及びコネクタは、単線で表されるため、各指部及びコネクタの幅は、示されていない。各指部の寸法及び指部の各々の間のギャップは、前述の範囲内である。
【0081】
図11に示される例示的なシールドでは、601a、601b、及び601cは各々、互いに平行であり、かつ均等に間隔を置いた指部を備える。指部の数及び各指部の形状は、各設計によって異なる。指部及びコネクタの相対的な位置がまた変化する。すでに説明したシールド601によれば、各シールドは、非鉄材料を含み、閉ループを含まず、動作中に接地に接続されている。
【0082】
シールド601aは、一列に配設された複数の直線上の指部を備える。示される実施例では、シールドは、7本の指部を備える。前述のように、コネクタ603が指部の各々の端部に位置付けられる代わりに、この実施例では、コネクタは、指部の長さに沿ってその2つの端部の間で各指部に接触する。図示の例示のシールド603aでは、コネクタは、各指部の中心を隣接する指部の中心につなぎ、かつ指部602aの各々に対して垂直である。言い換えれば、コネクタは、それぞれの指部の長さに沿って各指部を途中でつなぐ。他の実施例では、コネクタは、その長さに沿って任意の点で各指部に接触し得る。コネクタは、指部に対して任意の角度であり得る。
【0083】
シールド601bは、2つの列の直線上の指部602bを備え、各列は、複数の指部を有する。
図11に示す実施例では、各列は、12本の指部を含む。2つの列は、一方の列の指部が他方の列の指部と平行になるように配設される。コネクタ603bは、「I」形状を有する。指部の各列について、各指部は、コネクタ603bの一部分によってその隣接する指部に接続される。各列について、コネクタ603bは、指部の各々の一方の端に位置付けられており、かつ指部に対して垂直である。第1の列では、コネクタ603bの第1の部分は、第1の列の指部が第2の列の指部の方を向くように、その列の指部の一端をつなぐ。第2の列では、コネクタ603bの第2の部分は、第2の列の指部が第1の列の指部の方を向くように、その列の指部の反対側の端をつなぐ。言い換えれば、両方の列の指部は、「I」形状のコネクタ603bによって囲まれた長方形面積内に位置付けられる。コネクタの第3の部分は、2つの列の指部をつなぐように、コネクタの第1の部分と第2の部分とをつなぐ。コネクタの第1及び第2の部分は、指部に対して垂直である。第3の部分は、指部に対して平行である。
【0084】
シールド601cは、複数の平行指部を備える。
図11に示す実施例は、3本の指部を有するシールドを示している。各指部602cは、「ジグザグ」形状を有する。このシールドのようなシールドの実施例では、各指部は、前述したように直線構成を有する同等の指部よりも大きな面積を覆う。したがって、細長い及び真っ直ぐでない指部を備えるシールドの実施例は、直線上の指部のみを備えるシールドよりも少ない指部を備え得る。例えば、こうしたシールドは、4本未満の指部を備え得る。コネクタ603cは、両端の間に指部の長さに沿って各指部に接触する。示される実施例では、コネクタ603cは、各指部の中心を隣接する指部の中心につなぐ。言い換えれば、コネクタは、それぞれの指部の長さに沿って、それぞれの指部を隣接する指部に途中でつなぐ。各指部は、交互の「ジグザグ」形状を有するが、概して第1の方向に延在し、ここで、各指部は、同じ方向に延在する。コネクタ603cは、垂直方向に延在する。
【0085】
シールド601dは、複数の指部を備える。
図12に示す実施例では、シールドは、4本の指部を有する。各指部602dは、部分的な円の構成を有し、すなわち、各指部は、円から円の隙間を引いた形状を有する。各指部の円の中のギャップは、隣接する指部の間の幅と少なくとも同じ幅を有する。ギャップは、0.1mm~2mmの幅を有し得る。各指部は、指部が同心に配設されるように、他の指部の各々とは異なる有効半径を有する。各指部は、他の指部の各々と等しいサイズのギャップを有する部分円から形成され得る。他の実施例では、各指部は、他の指部とは異なるサイズのギャップを含む部分円から形成されてもよく、例えば、各指部は、その指部によって形成される部分円の半径に対して同じ割合(例えば、
【数6】
)のギャップを有し得る。各指部によって形成されるそれぞれの円のギャップは、各それぞれの円に対して同じ角度位置に位置付けられる。言い換えれば、各指部のギャップは、シールドの全体的な形状でより大きな空間を形成する他の指部の各々のギャップと一致する。コネクタ603dは、直線構成を有し、かつ隣接する指部を接続する。コネクタ603dは、指部602dに対して放射状に位置付けられている。図示の実施例では、コネクタは、それぞれの指部の長さに沿ってほぼ半分で指部の各々に接触するように位置付けられている。言い換えれば、コネクタは、指部602d内に形成されたギャップの反対側に位置付けられている。他の実施例では、コネクタは、それぞれの指部の端部の1つに近く、それが指部のギャップにより近くに位置付けられるように、各指部に接触し得る。
【0086】
シールド601eは、中心点の周りに放射状に配設された複数の直線上の指部を備える。シールドは、任意の数の指部を備え得る。シールドは、中心点に対して放射状にまた配設されるコネクタを更に備える。指部とコネクタは、中心点で交わる。隣接する指部の間、及びコネクタに隣接する指部とコネクタとの間には、規則的な角分離がある。言い換えれば、隣接する指部の間の角間隔は、隣接する指部の全ての対に対して同一であり、かつコネクタとその隣接する指部との間の角間隔と同一である。
【0087】
図12は、シールド601eが3つの指部602e及びコネクタ603eを備える、実施例を示している。各指部の長さは、同じである。指部602eは、その長さに沿って途中で交差する。コネクタ603eはまた、指部に対して放射状に配設される。コネクタは、指部の長さよりもわずかに長い長さを有し、また、中心点において指部の各々を交差する。この実施例では、第1の指部は、コネクタ603eに対して垂直に配設される。第2及び第3の指部は、互いに対して垂直に配設される。第2の指部と第3の指部は、第1の指部とコネクタから45度回転オフセットされる。したがって、この実施例では、隣接する指部の間、及びコネクタに隣接する指部の間の角分離は、45度である。シールドは、8本スポークのアスタリスクに似た外観を有する。各隣接する一対の指部の間、及び指部とコネクタとの間のギャップの幅は、前述の実施例に従って、指部の長さに沿って一定ではない。隣接する指部の間のギャップ、及びコネクタと隣接する指部との間のギャップは、シールドの中心に向かって減少する。したがって、隣接する指部の間、及びコネクタと隣接する指部との間の静電容量結合は、シールドの外縁の方よりも、シールドの中心に近い方により強い。
【0088】
シールド601fは、放射状に配設された複数の直線上の指部602fを備える。シールドは、任意の数の指部を備え得る。隣接する指部の間に規則的な角分離があり得る。言い換えれば、隣接する指部の間の角度は、隣接する指部の全ての対に対して同じであり得る。他の実施例では、隣接する指部の間の角分離は、一対の指部を除く全ての指部に対して等しくてもよい。シールドは、部分的円形形状を有し、かつコネクタが複数の指部を取り囲むように隣接する指部をその外縁で接続する、コネクタを更に備える。言い換えれば、コネクタは、円から円のギャップを引いた形状を有する。ギャップの両側に位置する隣接する指部の間の角分離は、隣接する指部の他の全ての対の間の角分離とは異なる場合がある。
図12に示す実施例では、ギャップの両側に位置する隣接する指部間の角分離は、隣接する指部の他の全ての対の間の角分離よりも大きい。
【0089】
図12に示す実施例では、シールド601fは、7本の指部を備える。シールド601eを参照して記載したように、隣接する各一対の指部の間のギャップの幅は、指部の長さに沿って一定ではない。隣接する指部の間のギャップは、シールドの中心に向かって減少する。したがって、隣接する指部の間の静電容量結合は、シールドの外縁の方よりも、シールドの中心に近い方により強い。シールド601eとは異なり、シールド601fの指部602fは、中心点では交わらない。シールド601fでは、反対側の指部は、互いにシールドの中心に向かって近づくが、交わらない。シールドの中心で接近する向かい合った指部の間の距離は、隣接する指部の間の少なくとも最小の幅(すなわち、シールドの中心に向かって隣接する指部の間の距離)と等しい。いくつかの実施例では、対向する指部の間の最小距離は、1~2mmである。他の実施例では、各指部の長さの割合l
fとして、対向する指部の間の距離は、各指部の長さの6分の1~10分の1、すなわち、
【数7】
である。シールド601fでは、コネクタ603fは、部分的円形形状を有し、かつコネクタが複数の指部を取り囲むように隣接する指部をその外縁で接続する。言い換えれば、コネクタは、円から円のギャップを引いた形状を有する。円の中のギャップは、隣接する指部の間の最小の幅と少なくとも同じ幅を有する。一実施例によれば、コネクタ内のギャップは、1~2mmの幅を有し得る。他の実施例では、ギャップは、
【数8】
の幅を有してもよく、ここで、rは、コネクタによって形成される部分円の半径である。
【0090】
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴及び2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴又は組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴又は特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴又は特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術アームであって、
ロボット外科手術器具と係合するように構成されたインターフェースと、
前記ロボット外科手術器具から無線通信を受信するように構成されたレシーバと、
シールドであって、
複数の指部と、
前記指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、
前記シールドが、前記コネクタが接地に電気的に接続されたときに、前記指部の形状、寸法、及び配設が前記シールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える、ロボット外科手術アーム。
【請求項2】
前記シールドが、前記ロボット外科手術器具が前記インターフェースと係合されたときに、前記ロボット外科手術器具と前記レシーバとの間にあるように位置付けられている、請求項1に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項3】
前記シールドが、前記インターフェース上に位置付けられている、請求項1又は2に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項4】
前記アームが、前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間に空気空間を備え、前記空気空間の長さが、前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間の垂直距離と等しい、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項5】
前記シールドが、前記シールドの前記指部に接着されたフォーム要素を更に備え、前記フォーム要素が、前記空気空間の前記長さと等しい前記シールドの前記平面に対して垂直な方向における長さを有し、前記フォーム要素が、前記指部と前記レシーバとの間の前記空気空間を占有するように位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム。
【請求項6】
前記シールドの前記指部と前記レシーバとの間の前記垂直距離が、前記シールド内の隣接する指部の各対の間の垂直距離よりも大きい、先行請求項のいずれか一項に記載の外科手術ロボットアーム。
【請求項7】
ロボット外科手術器具であって、
ロボット外科手術アームと係合するように構成された器具インターフェースと、
前記ロボット外科手術アームのレシーバに無線通信を伝送するように構成されたトランスミッタと、
シールドであって、
複数の指部と、
前記指部の各々と接触しているコネクタと、を備え、
前記シールドが、前記コネクタが接地に電気的に接続されたときに、前記指部の形状、寸法、及び配設が前記シールドを通した電界の透過の減衰を引き起こすように構成されている、シールドと、を備える、ロボット外科手術器具。
【請求項8】
前記シールドが、前記ロボット外科手術アームが前記インターフェースと係合されたときに、前記ロボット外科手術器具のシャフトと前記ロボット外科手術アームの前記レシーバとの間にあるように位置付けられている、請求項
7に記載のロボット外科手術器具。
【請求項9】
前記シールドが、前記器具インターフェース上に位置付けられている、請求項
7又は
8に記載のロボット外科手術器具。
【請求項10】
前記指部が、共通の形状を有し、かつ一列に配設されており、各指部が、前記列の中の他の指部の各々に対して平行であり、各指部について、前記指部の幅と、前記指部と隣接する指部との間の垂直距離との和が、4ミリメートル未満である、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項11】
各指部が、第1の方向に延在しており、前記コネクタが、前記第1の方向に対して垂直である第2の方向に延在して
おり、各指部が、第1の端部及び第2の端部を有し、前記コネクタが、その第1の端部で、又は前記第1の端部と第2の端部との間の前記指部に沿った点で各指部と接触する、先行請求項のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項12】
前記シールドが、第1及び第2の列の指部、並びに第1、第2、及び第3のコネクタを備え、前記第1のコネクタが、前記第1の列の指部の各指部と接触し、前記第2のコネクタが、前記第2の列の指部の各指部と接触し、前記第3のコネクタが、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタと接触する、請求項1~
10のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項13】
各指部が、半径を有する部分円の構成を有し、各指部によって形成される前記部分円の前記半径が、他の
すべての指部によって形成される前記部分円の半径と異なっており、前記指部が、互いに対して同心に配設されている、請求項1~
11のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項14】
各指部が、直線構成を有し、前記コネクタが、直線構成を有し、各指部が、前記他の指部に対してかつ前記コネクタに対して放射状に配設されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【請求項15】
前記指部が、放射状に配設されており、各指部について、前記指部の幅と、前記指部と隣接する指部との最小距離の和が、4ミリメートル未満であり、前記指部と前記レシーバとの間の垂直距離が、前記シールドの隣接する指部の各対の間の最小距離よりも大き
く、前記コネクタが、部分円の構成を有し、かつ前記複数の指部を部分的に取り囲むように各指部に接触する、請求項1~
9のいずれか一項に記載のロボット外科手術アーム又はロボット外科手術器具。
【国際調査報告】