(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】フォーマットをATSC3.0低電力無線に変換するドングル
(51)【国際特許分類】
H04N 21/436 20110101AFI20240117BHJP
【FI】
H04N21/436
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542705
(86)(22)【出願日】2022-01-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2022050002
(87)【国際公開番号】W WO2022153130
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】キャンデロア ブラント
(72)【発明者】
【氏名】アンスフィールド フレッド
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA17
5C164GA02
5C164TA07S
5C164TA21S
5C164UB71P
(57)【要約】
高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0テレビプロトコルを使用する技術、具体的には、コンピュータ(302)からのHDMI、USB又はVGAをATSC3.0パケットに変換(702、802、902、1002)してパケットをディスプレイ(304)に無線で送信するドングル(306、400、500、600)について説明する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェア実装型ドングルであって、
コンテンツのソースに関与するように構成された、ユニバーサルシリアルバス(USB)入力、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)入力、ビデオグラフィックアレイ(VGA)入力のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つの非高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0入力と、
前記入力からの信号をATSC3.0信号に変換するように構成された少なくとも1つの変換回路と、
前記コンテンツのソースからのコンテンツを表示するために前記ATSC3.0信号を少なくとも1つの受信機に無線で送信するように構成された少なくとも1つの無線送信機と、
を備えることを特徴とするドングル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの入力はUSB入力を含む、
請求項1に記載のドングル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの入力はHDMI入力を含む、
請求項1に記載のドングル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの入力はVGA入力を含む、
請求項1に記載のドングル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの入力はHDMI入力を含む、
請求項2に記載のドングル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの入力はVGA入力を含む、
請求項5に記載のドングル。
【請求項7】
前記変換回路は、VGA信号をHDMI信号に変換し、前記HDMI信号をATSC3.0信号に変換するように構成される、
請求項1に記載のドングル。
【請求項8】
前記変換回路は、少なくとも部分的に、
前記HDMI信号を圧縮し、
前記HDMI信号をパケット化する、
ことによって前記HDMI信号をATSC3.0信号に変換するように構成される、請求項7に記載のドングル。
【請求項9】
空きチャンネルを求めてATSC3.0放送スペクトルの少なくとも一部を検索し、
前記空きチャンネル上で前記ATSC3.0信号を送信する、
ように構成された回路を備える、請求項1に記載のドングル。
【請求項10】
前記送信機は、20ミリワット以下の電力で送信を行うピコ送信機を含む、
請求項1に記載のドングル。
【請求項11】
デジタルTVアセンブリであって、
少なくとも1つのデジタルTVと、
前記TV上に提示されるコンテンツの少なくとも1つのソースと、
前記ソースに関与して、前記ソースからのコンテンツをデジタルTV信号に変換し、前記デジタルTV信号を前記TVに無線で送信することができる少なくとも1つのドングルと、
を備えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
前記ドングルは、
前記コンテンツのソースに関与するように構成された、ユニバーサルシリアルバス(USB)入力、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)入力、ビデオグラフィックアレイ(VGA)入力のうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのデジタルTV入力と、
前記入力からの信号をデジタルTV信号に変換するように構成された少なくとも1つの変換回路と、
前記コンテンツソースからのコンテンツを表示するために前記デジタルTV信号を前記デジタルTVに無線で送信するように構成された少なくとも1つの無線送信機と、
を含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの入力はUSB入力を含む、
請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの入力はHDMI入力を含む、
請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの入力はVGA入力を含む、
請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記変換回路は、VGA信号をHDMI信号に変換し、前記HDMI信号をデジタルTV信号に変換する、
請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記変換回路は、少なくとも部分的に、
前記HDMI信号を圧縮し、
前記HDMI信号をパケット化する、
ことによって前記HDMI信号をデジタルTV信号に変換するように構成される、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
空きチャンネルを求めて放送スペクトルの少なくとも一部を検索し、
前記空きチャンネル上で前記デジタルTV信号を送信する、
ように構成された回路を備える、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記送信機は、20ミリワット以下の電力で送信を行うピコ送信機を含む、
請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項20】
ドングルにおいて、ユニバーサルシリアルバス(USB)フォーマット、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)フォーマット、又はビデオグラフィックアレイ(VGA)フォーマットのコンテンツを受け取ることと、
前記ドングルを使用して、前記コンテンツを高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0フォーマットに変換することと、
前記ドングルを使用して、前記コンテンツをATSC3.0TVに無線で送信することと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、デジタルテレビを対象とする、必然的にコンピュータ技術に根ざした技術的進歩に関し、具体的には高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0に関する。
【背景技術】
【0002】
高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0規格群は、ATSC A/300に示されている、次世代放送テレビを配信するための数多くの業界技術標準の組である。ATSC3.0は、以下に限定するわけではないが、超高精細テレビから無線電話機までの数多くの受信装置に対するテレビ放送ビデオ(televised video)、双方向サービス、非リアルタイムデータ配信、及び的を絞った広告(tailored advertising)などの幅広いテレビサービスの提供をサポートする。ATSC3.0は、(「オーバージエア(Over the Air)」と呼ばれる)放送コンテンツと(「オーバーザトップ(Over the Top)」と呼ばれる)関連するブロードバンド配信コンテンツ及びサービスとの間の協調も取りまとめる。ATSC3.0は、技術が進化した際に関連する技術標準を全面的に見直す必要なく容易に進歩を組み込むことができるような柔軟性を有するように設計されている。本原理は、後述するような進歩を対象とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書で理解されるように、会議室内の人々は、ラップトップ又は他のコンピュータから出力されたプレゼンテーションを表示するためにTVを使用することがある。やはり本明細書で理解されるように、ラップトップを有線でTVに接続することは面倒であり、時にはストレスとなる場合もある。さらに、ラップトップによって出力される高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)及びビデオグラフィックアレイ(VGA)などのデータフォーマットが使用する電気信号は、長いケーブルを進む際に過剰な負荷が掛かり、最終的にポートが「駄目になる(blown)」恐れもある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、ハードウェア実装型ドングルが、コンテンツのソースに関与するように構成された少なくとも1つの非高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0入力を含む。少なくとも1つの入力は、ユニバーサルシリアルバス(USB)入力、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)入力、及びビデオグラフィックアレイ(VGA)入力のうちの1又は2以上を含む。ドングルは、入力からの信号をATSC3.0信号に変換するように構成された少なくとも1つの変換回路を含む。ドングルは、コンテンツのソースからのコンテンツを表示するために、ATSC3.0信号を少なくとも1つの受信機に無線で送信するように構成された少なくとも1つの無線送信機をさらに含む。
【0005】
本原理によれば、HDMIを物理的HDMIポートだけではなくUSBを介して(Type-C「代替モード」で)受け取ることができる。
【0006】
いくつかの実装では、変換回路が、VGA信号をHDMI信号に変換し、HDMI信号をATSC3.0信号に変換するように構成される。変換回路は、少なくとも部分的にHDMI信号を圧縮してHDMI信号をパケット化することによって、HDMI信号をATSC3.0信号に変換するようにさらに構成することができる。
【0007】
実施形態例では、ドングルが、空きチャンネルを求めてATSC3.0放送スペクトルの少なくとも一部を検索し、この空きチャンネル上でATSC3.0信号を送信するように構成された回路を含む。送信機は、20ミリワット以下の電力で送信を行うピコ送信機を含むことができる。
【0008】
別の態様では、デジタルTVアセンブリが、少なくとも1つのデジタルTVと、TV上に提示されるコンテンツの少なくとも1つのソースとを含む。アセンブリは、ソースに関与して、ソースからのコンテンツをデジタルTV信号に変換してデジタルTV信号をTVに無線で送信することができる少なくとも1つのドングルも含む。
【0009】
別の態様では、方法が、ドングルにおいて、ユニバーサルシリアルバス(USB)フォーマット、又は高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)フォーマット、又はビデオグラフィックアレイ(VGA)フォーマットのコンテンツを受け取ることを含む。方法は、ドングルを使用してコンテンツを高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0フォーマットに変換し、ドングルを使用してコンテンツをATSC3.0TVに無線送信することも含む。
【0010】
本出願の詳細は、その構造及び動作の両方に関し、同様の要素を同様の参照符号で示す添付図面を参照することで最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0システムのブロック図である。
【
図2】
図1に示す装置のコンポーネントを示すブロック図である。
【
図3】高繊細マルチメディアインターフェイス(HDMI)データをデジタルTV信号に変換するドングルを示す図である。
【
図4】ビデオグラフィックアレイ(VGA)データをデジタルTV信号に変換するドングルを示す図である。
【
図5】ユニバーサルシリアルバス(USB)データをデジタルTV信号に変換するドングルを示す図である。
【
図7】USBデータをデジタルTVに送信するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図8】VGAデータをデジタルTVに送信するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図9】HDMIデータをデジタルTVに送信するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図10】VGA又はUSBデータをHDMIに変換するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図11】HDMIデータをデジタルTV信号に変換するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【
図12】ソースとTVとの間にチャンネルを確立するロジック例をフローチャート例形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0テレビなどのデジタルテレビの技術的進歩に関する。本明細書におけるシステム例は、互いにデータを交換できるように放送及び/又はネットワークを介して接続されたATSC3.0ソースコンポーネント及びクライアントコンポーネントを含むことができる。クライアントコンポーネントは、ポータブルテレビ(例えば、スマートTV、インターネット対応TV)、ラップトップ及びタブレットコンピュータなどのポータブルコンピュータ、並びにスマートフォン及び後述するさらなる例を含むその他のモバイル装置などの1又は2以上のコンピュータ装置を含むことができる。これらのクライアント装置は、様々な動作環境で動作することができる。例えば、クライアントコンピュータの一部は、一例としてMicrosoft社のオペレーティングシステム、又はUnixオペレーティングシステム、或いはApple Computer社又はAndroid(登録商標)などのGoogle社によって製造されたオペレーティングシステムを採用することができる。これらの動作環境は、Microsoft社、Google社又はMozillaによって作成されたブラウザ、或いは後述するインターネットサーバによってホストされたウェブサイトにアクセスできるその他のブラウジングプログラムなどの1又は2以上のブラウジングプログラムを実行するために使用することができる。
【0013】
ATSC3.0ソースコンポーネントは、放送送信コンポーネントと、インターネットなどのネットワークを介したデータ放送及び/又はデータ送信を行うようにソースコンポーネントを構成する命令を実行する1又は2以上のプロセッサを含むことができるサーバ及び/又はゲートウェイとを含むことができる。クライアントコンポーネント及び/又はローカルATSC3.0ソースコンポーネントとしては、Sony PlayStation(登録商標)などのゲーム機、パーソナルコンピュータなどを具体例として挙げることができる。
【0014】
クライアントとサーバとの間では、ネットワークを介して情報を交換することができる。この目的及びセキュリティのために、サーバ及び/又はクライアントは、ファイヤウォール、ロードバランサ、一時ストレージ、及びプロキシ、並びに真正性及びセキュリティを高めるその他のネットワークインフラを含むことができる。
【0015】
本明細書で使用する命令とは、システム内で情報を処理するためのコンピュータ実装ステップのことを意味する。命令は、ソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアに実装することができ、システムのコンポーネントが行うあらゆるタイプのプログラムステップを含むことができる。
【0016】
プロセッサは、アドレス回線、データ回線及び制御回線などの様々な回線、並びにレジスタ及びシフトレジスタによってロジックを実行できる汎用シングルチップ又はマルチチッププロセッサとすることができる。
【0017】
フローチャートによって説明するソフトウェアモジュール、及び本明細書におけるユーザインターフェイスは、様々なサブルーチン、手続きなどを含むことができる。本開示を限定することなく、特定のモジュールによって実行されるものとして開示するロジックは、他のソフトウェアモジュールに再分配し、及び/又は単一のモジュールに組み合わせ、及び/又は共有可能なライブラリ内で利用することもできる。フローチャート形式を使用することもできるが、ソフトウェアは、状態機械又はその他の論理的方法として実装することもできると理解されたい。
【0018】
本明細書で説明する本原理は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせとして実装することができ、従って例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及びステップについてはこれらの機能面から説明する。
【0019】
上記で示唆したものに加え、論理ブロック、モジュール及び回路は、プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジック、離散ハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたこれらのいずれかの組み合わせを使用して実装又は実行することができる。プロセッサは、コントローラ、状態機械、又はコンピュータ装置の組み合わせによって実装することができる。
【0020】
以下で説明する機能及び方法は、ソフトウェアで実装した場合、限定するわけではないが、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)-5、Java(登録商標)/Javascript、C#、C++などの適当な言語で書くことができ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は取り外し可能なサムドライブなどを含む他の磁気ストレージ装置などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶し、又はこれらを通じて伝送することができる。ある接続は、コンピュータ可読媒体を構築することができる。このような接続は、一例として、光ファイバ、同軸線、デジタル加入者回線(DSL)及びツイストペア線を含む有線ケーブルを含むことができる。
【0021】
1つの実施形態に含まれるコンポーネントは、他の実施形態においていずれかの適切な組み合わせで使用することができる。例えば、本明細書において説明する及び/又は図に示す様々なコンポーネントのいずれかは、組み合わせ、置き換え、又は他の実施形態から除外することができる。
【0022】
「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム(同様に、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」、及び「A、B、Cのうちの少なくとも1つを有するシステム」)」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとC全てなどを有するシステムを含む。
【0023】
図1を参照すると、「放送局設備」10としてラベルを付けたATSC3.0ソースコンポーネントの例は、典型的には1対多の関係で直交周波数分割多重(OFDM)を介してATSC3.0テレビなどの複数の受信機14にテレビデータを無線で放送するオーバージエア(OTA)設備12を含むことができる。1又は2以上の受信機14は、Bluetooth(登録商標)、低エネルギーBluetooth、その他の近距離無線通信(NFC)プロトコル、赤外線(IR)などによって実装できる、典型的には無線である短距離リンク18を介してリモコン装置、タブレットコンピュータ及び携帯電話機などの1又は2以上のコンパニオンデバイス16と通信することができる。
【0024】
また、受信機14のうちの1つ又は2つ以上は、インターネットなどの有線及び/又は無線ネットワークリンク20を介して放送局設備10のオーバーザトップ(OTT)設備22と、典型的には1対1の関係で通信することもできる。OTA設備12は、OTT設備22と同じ位置に存在することができ、或いは放送局設備10の両設備12、22は互いに離れることもでき、これらは適切な手段を通じて互いに通信することができる。いずれにせよ、受信機14は、同調したATSC3.0テレビチャンネルを介してATSC3.0テレビ信号をOTAで受信することも、或いはテレビを含む関連コンテンツをOTT(ブロードバンド)で受信することもできる。なお、本明細書の全ての図において説明するコンピュータ装置は、
図1及び
図2の様々な装置について示すコンポーネントの一部又は全部を含むことができる。
【0025】
次に
図2を参照すると、
図1に示すコンポーネント例の詳細を見ることができる。
図2には、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実装できるプロトコルスタック例を示す。放送局は、
図2に示す放送局側のために適宜に修正されたATSC3.0プロトコルスタックを使用して、(本明細書では「ブロードバンド」及び「オーバーザトップ」(OTT)と呼ぶ)コンピュータネットワークと、(本明細書では「放送」及び「オーバージエア」(OTA)と呼ぶ)無線放送とを介して1又は2以上の番組要素を配信するハイブリッドサービス配信を送信することができる。
図2には、受信機によって具現化できるハードウェアを含む例示的なスタックも示す。
【0026】
図2を放送局設備10の観点から開示すると、本明細書で説明するいずれかのメモリ又はストレージなどの1又は2以上のコンピュータ記憶媒体202にアクセスする1又は2以上のプロセッサ200は、最上位のアプリケーション層204において1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを提供するように実装することができる。アプリケーション層204は、ランタイム環境で動作する、例えばHTML5/Javascriptで書かれた1又は2以上のソフトウェアアプリケーションを含むことができる。限定するわけではないが、アプリケーションスタック204のアプリケーションは、リニアTVアプリケーション、インタラクティブサービスアプリケーション、コンパニオンスクリーンアプリケーション、個人化アプリケーション、緊急アラートアプリケーション、及び使用報告アプリケーションを含むことができる。通常、アプリケーションは、ビデオコーディング、オーディオコーディング及びランタイム環境を含む、視聴者が体験する要素を表すソフトウェアで具現化される。一例として、ユーザによるダイアログの制御、代替オーディオトラックの使用、並びに正規化及びダイナミックレンジなどのオーディオパラメータの制御などを可能にするアプリケーションを提供することができる。
【0027】
アプリケーション層204の下位にはプレゼンテーション層206が存在する。プレゼンテーション層206は、受信機に実装された時に無線で放送されたオーディオビデオコンテンツを復号して1又は2以上のディスプレイ及びスピーカ上で再生するメディア処理ユニット(MPU)208と呼ばれる放送オーディオビデオ再生装置を放送(OTA)側に含む。MPU208は、国際標準化機構(ISO)ベースメディアファイルフォーマット(BMFF)データ表現210、及び高効率ビデオコーディング(HEVC)のビデオを、例えばドルビーオーディオ圧縮(AC)-4フォーマットのオーディオで提示するように構成される。ISO BMFFは、「セグメント」とプレゼンテーションメタデータとに分割される時間ベースのメディアファイルのための一般的ファイル構造である。基本的に、各ファイルは、それぞれがタイプ及び長さを有する一群のネスト化オブジェクト(nested objects)である。MPU208は、暗号解読を容易にするために、放送側暗号化メディア拡張(encrypted media extension:EME)/共通暗号化(common encryption:CENC)モジュール212にアクセスすることができる。
【0028】
図2には、放送側では、プレゼンテーション層206が、アプリケーション層204にアクセス可能な非リアルタイム(NRT)コンテンツ218を配信するために、動画専門家集団(MPEG)メディア転送プロトコル(MMTP)シグナリングモジュール214、又は単方向トランスポートを介したリアルタイムオブジェクト配信(real-time object delivery over unidirectional transport:ROUTE)シグナリングモジュール216のいずれかを含むシグナリングモジュールを含むことができることをさらに示す。NRTコンテンツは、限定するわけではないが、記憶された代替広告を含むことができる。ROUTEセッションにはオーディオビデオ(AV)ストリームが含まれる。ROUTEセッション内では層状符号化トランスポート(Layered coding transport:LCT)チャンネルが設定される。各LCTチャンネルは、ビデオ、オーディオ、キャプション又はその他のデータのいずれかを搬送する。
【0029】
ブロードバンド(OTT又はコンピュータネットワーク)側では、受信機によって実装された場合、プレゼンテーション層206が、インターネットからのオーディオビデオコンテンツを復号して再生するために、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を介した1又は2以上の動的適応型ストリーミング(DASH)プレーヤ/デコーダ220を含むことができる。この目的のために、DASHプレーヤ220は、ブロードバンド側のEME/CENCモジュール222にアクセスすることができる。DASHコンテンツは、ISO/BMFFフォーマットのDASHセグメント224として提供することができる。
【0030】
プレゼンテーション層206のブロードバンド側は、放送側と同様に、ファイル226内にNRTコンテンツを含むとともに、再生シグナリングを提供するシグナリングオブジェクト228を含むことができる。
【0031】
プロトコルスタック内のプレゼンテーション層206の下位にはセッション層230が存在する。セッション層230は、放送側にはMMTPプロトコル232又はROUTEプロトコル234のいずれかを含む。
【0032】
セッション層230は、ブロードバンド側にはHTTP-secure(HTTP(S))として実装できるHTTPプロトコル236を含む。セッション層230のブロードバンド側は、HTTPプロキシモジュール238及びサービスリストテーブル(SLT)240を採用することもできる。SLT240は、基本サービスリストを構築して放送コンテンツのブートストラップ発見を提供するために使用されるシグナリング情報のテーブルを含む。「ROUTEシグナリング」テーブルには、ROUTEトランスポートプロトコルによってユーザデータグラムプロトコル(UDP)を介して配信されるメディアプレゼンテーション記述(MPD)が含まれる。
【0033】
プロトコルスタック内のセッション層230の下位には、低遅延かつ損失耐性のある(loss-tolerating)接続を確立するためのトランスポート層242が存在する。トランスポート層242は、放送側ではユーザデータグラムプロトコル(UDP)244を使用し、ブロードバンド側では伝送制御プロトコル(TCP)246を使用する。
【0034】
図2に示す非限定的なプロトコルスタック例は、トランスポート層242の下位にネットワーク層248も含む。ネットワーク層248は、IPパケット通信のために両方の側においてインターネットプロトコル(IP)を使用し、放送側ではマルチキャスト配信が典型的であり、ブロードバンド側ではユニキャストが典型的である。
【0035】
ネットワーク層248の下位には、両方の側に関連するそれぞれの物理媒体上で通信を行うための放送送信/受信設備252及び(単複の)コンピュータネットワークインターフェイス254を含む物理層250が存在する。物理層250は、インターネットプロトコル(IP)パケットを関連する媒体上での伝送に適するように変換し、受信機における誤り訂正を可能にする順方向誤り訂正機能を追加し、変調及び復調機能を組み込むために変調及び復調モジュールを含むことができる。物理層250は、長距離送信及び帯域幅効率向上のためにビットをシンボルに変換する。物理層250は、通常、OTA側には直交周波数分割多重(OFDM)を使用して無線でデータを放送する無線放送送信機を含み、OTT側にはインターネットを介してデータを送信するコンピュータ送信コンポーネントを含む。
【0036】
ブロードバンド側では、プロトコルスタック内の様々なプロトコル(HTTP/TCP/IP)を通じて送信されるDASH業界フォーラム(DASH Industry Forum:DASH-IF)プロファイル形式のデータを使用することができる。ISO BMFFに基づくDASH-IFプロファイル形式のデータのメディアファイルは、放送配信及びブロードバンド配信の両方のための配信、メディアカプセル化及び同期フォーマットとして使用することができる。
【0037】
通常、各受信機14は、放送局設備のプロトコルスタックと相補的なプロトコルスタックを含む。
【0038】
図1の受信機14は、
図2に示すように、(TVを制御するセットトップボックスと同等の)ATSC3.0TVチューナ256を有するインターネット対応TVを含むことができる。受信機14は、Android(登録商標)ベースのシステムとすることができる。或いは、受信機14は、コンピュータ化されたインターネット対応(「スマート」)電話機、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、及びウェアラブルコンピュータ装置などによって実装することもできる。それにもかかわらず、本明細書で説明する受信機14及び/又は他のコンピュータは、本原理を実施する(例えば、他の装置と通信して本原理を実施し、本明細書で説明するロジックを実行し、本明細書で説明する他のいずれかの機能及び/又は動作を実行する)ように構成されると理解されたい。
【0039】
従って、受信機14は、このような原理を実施するために、
図1に示すコンポーネントの一部又は全部によって確立することができる。例えば、受信機14は、高精細又は超高精細「4K」又はそれ以上のフラットスクリーンによって実装されて、ディスプレイ上のタッチを介してユーザ入力信号を受け取るタッチ対応型であることも又はそうでないこともできる1又は2以上のディスプレイ258を含むことができる。受信機14は、本原理に従ってオーディオを出力するための1又は2以上のスピーカ260と、例えば受信機14を制御する可聴コマンドを受信機14に入力するための、例えばオーディオ受信機/マイクなどの少なくとも1つのさらなる入力装置262とを含むこともできる。受信機14の例としては、1又は2以上のプロセッサ266の制御下でインターネット、WAN、LAN、PANなどの少なくとも1つのネットワークを介して通信するための1又は2以上のネットワークインターフェイス264をさらに挙げることができる。従って、インターフェイス264は、限定するわけではないがメッシュネットワークトランシーバなどの無線コンピュータネットワークインターフェイスの一例であるWi-Fiトランシーバとすることができる。インターフェイス264は、以下に限定するわけではないが、Bluetooth(登録商標)トランシーバ、Zigbee(登録商標)トランシーバ、赤外線通信協会(IrDA)トランシーバ、無線USBトランシーバ、有線USB、有線LAN、電力線又はMultimedia over Coax Alliance(MoCA)とすることができる。プロセッサ266は、例えば画像の提示及び入力の受信を行うようにディスプレイ258を制御することなどの、本明細書で説明した受信機14の他の要素を含めて本原理を実施するように受信機14を制御すると理解されたい。さらに、ネットワークインターフェイス264は、例えば有線又は無線モデム又はルータ、或いは無線電話トランシーバ又は上述したWi-Fiトランシーバなどの他の適切なインターフェイスとすることができる。
【0040】
上記に加えて、受信機14は、別のCE装置に(有線接続を使用して)物理的に接続するための、高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI)ポート又はUSBポートなどの1又は2以上の入力ポート268、及び/又は受信機14にヘッドフォンを接続して受信機14からヘッドフォンを通じてユーザにオーディオを提示するためのヘッドフォンポートを含むこともできる。例えば、入力ポート268は、有線又は無線を介してオーディオビデオコンテンツのケーブル又は衛星ソースに接続することができる。従って、ソースは、独立した又は統合されたセットトップボックス又は衛星受信機とすることができる。或いは、ソースは、ゲーム機又はディスクプレーヤとすることもできる。
【0041】
受信機14は、いくつかの事例では受信機のシャーシ内にスタンドアロン装置として、受信機のシャーシの内部又は外部の、オーディオビデオ(AV)プログラムを再生するためのパーソナルビデオ録画装置(PVR)又はビデオディスクプレーヤとして、或いは取り外し可能記憶媒体として具現化される、一時的信号ではないディスクベースストレージ又はソリッドステートストレージなどの1又は2以上のコンピュータメモリ270をさらに含むことができる。また、いくつかの実施形態では、受信機14が、例えば少なくとも1つの衛星又は携帯電話タワーから地理的位置情報を受け取ってこの情報をプロセッサ266に提供し、及び/又は受信機14がプロセッサ266と共に配置される高度を決定するように構成された、限定するわけではないが、携帯電話受信機、全地球測位衛星(GPS)受信機、及び/又は高度計などの位置又は場所受信機272を含むことができる。しかしながら、例えば3次元全てにおいて受信機14の位置を決定するために、本原理に従って携帯電話受信機、GPS受信機及び/又は高度計以外の別の好適な位置受信機を使用することもできると理解されたい。
【0042】
受信機14の説明を続けると、いくつかの実施形態では、受信機14が、本原理に従って写真/画像及び/又はビデオを収集するために、熱探知カメラ、ウェブカメラなどのデジタルカメラ、及び/又は受信機14に統合されてプロセッサ266によって制御可能なカメラのうちの1つ又は2つ以上を含むことができる1又は2以上のカメラ274を含むことができる。また、受信機14には、Bluetooth(登録商標)及び/又はNFC技術を使用して他の装置と通信するためのBluetooth(登録商標)トランシーバ276又は他の近距離通信(NFC)要素をそれぞれ含めることもできる。NFC要素例は、無線周波数識別(RFID)要素とすることができる。
【0043】
さらに、受信機14は、プロセッサ266に入力を提供する(加速度計、ジャイロスコープ、サイクロメータ又は磁気センサ及びこれらの組み合わせなどのモーションセンサなどの)1又は2以上の補助センサ278、リモコン装置からIRコマンドを受け取るための赤外線(IR)センサ、光学センサ、速度及び/又はケイデンスセンサ、(ジェスチャコマンドを検知するための)ジェスチャセンサなどを含むこともできる。無線リモコンからコマンドを受け取るためにIRセンサ280を設けることもできる。受信機14に電力を供給するためにバッテリ(図示せず)を設けることもできる。
【0044】
コンパニオン装置16は、上述した受信機14に関連して示した要素の一部又は全部を含むことができる。
【0045】
図3に、上述したコンポーネント及び技術の一部又は全部を有することができるコンポーネントを含むシステム300を示す。ラップトップ、カムコーダ又はディスクプレーヤなどのオーディオビデオ(AV)コンテンツのソース302は、ソース302のポートに差し込むことによってソース302に関与できるハードウェア実装型ドングル306を介して、高度テレビシステム委員会(ATSC)3.0TVなどのデジタルTV304にコンテンツを送信する。図示の例では、ドングル306が、ソース302からHDMIデータを受け取るためのHDMIポート308と、ソース302からVGAデータを受け取るためのVGAポート310と、ソース302との間でUSBデータを受信及び/又は送信するためのUSBポート312とを含む。ドングル306は、TV304にデジタルTV信号を送信するための少なくとも1つのアンテナ314を含む。
【0046】
図3の例には、HDMIポート308がソース302と通信してソース302からHDMIコンテンツを受け取ることを示す。
図3では、VGAポート310は接続されておらず、USBポート312はソース302に接続されてソース302に制御信号を送信する。いくつかの実施形態では、ドングル306が、VGAポート310及びUSBポート312を省略してHDMIポート308のみを含み、或いはVGAポート310を省略してHDMIポート308及びUSBポート312のみを含むこともできる。
【0047】
ドングル306は、HDMI(ビデオ及びオーディオ)をATSC3.0インターネットプロトコル(IP)パケットなどのデジタルTVパケットに変換し、ピコ送信電力を使用してTV304に無線でデジタルTV信号を送信する。ピコ送信電力は、例えば20ミリワット以下の、又は50ミリワット以下の、又は100ミリワット以下の、又は5ミリワット以下のミリワット範囲の送信電力を意味する。従って、この無線信号は、ソース302と同じ室内のTV304が使用することはできるが、一般にTV304が配置された建物から漏出するには弱すぎ、ただし乾式壁(drywall)を越えて別の会議室に伝播するには十分な強度を有することができる。
【0048】
ドングル306は、ソース302からのデータをTV304に送信するチャンネル、典型的にはチャンネル3又はチャンネル4を選択するためのハードウェアスイッチ316を含むことができる。或いは、チャンネルは、USBポート312のインターフェイスを介して選択することもできる。コンテンツは、平文状態又は暗号化状態でTV304に送信することができる。コンテンツを暗号化する場合には、ATSC3.0信号上でデジタル著作権管理(DRM)が呼び出される。また、ATSC3.0がAC4オーディオを使用していることを認識して、HDMIオーディオがAC4オーディオに変換される。
【0049】
図4に、以下の例外を除いて構成及び動作における全ての基本面が
図3に示すドングル306と同一であるドングル400を示す。
図4に示すドングル400は、ソース302からHDMIデータを受け取るためのHDMIポート402と、ソース302からVGAデータを受け取るためのVGAポート404と、ソース302との間でUSBデータを受信及び/又は送信するためのUSBポート406とを含む。
【0050】
図4の例では、VGAポート404がソース302と通信してソース302からVGAコンテンツを受け取ることを示す。
図4では、HDMIポート402は接続されておらず、USBポート406はソース302に接続されてソース302に制御信号を送信する。いくつかの実施形態では、ドングル400が、HDMIポート402及びUSBポート406を省略してVGAポート404のみを含み、或いはHDMIポート402を省略してVGAポート404及びUSBポート406のみを含むこともできる。
【0051】
ドングル400は、VGAをATSC3.0インターネットプロトコル(IP)パケットなどのデジタルTVパケットに変換し、ピコ送信電力を使用してTV304に無線でデジタルTV信号を送信する。VGAにはオーディオは存在しない。アナログオーディオ入力は任意であり、AC-4として符号化される。
【0052】
図5に、以下の例外を除いて構成及び動作における全ての基本面が
図3に示すドングル306と同一であるドングル500を示す。
図5に示すドングル500は、ソース302からHDMIデータを受け取るためのHDMIポート502と、ソース302からVGAデータを受け取るためのVGAポート504と、ソース302との間でUSBデータを受信及び/又は送信するためのUSBポート506とを含む。
【0053】
図4の例では、USBポート506がソース302と通信してソース302からUSBコンテンツを受け取ることを示す。
図5では、HDMIポート502及びVGAポート504は接続されておらず、USBポート506はソース302に接続されて、ソース302からUSB AVデータを受け取ることに加え、ソース302に制御信号を送信する。いくつかの実施形態では、ドングル500が、HDMIポート502及びVGAポート504を省略してUSBポート506のみを含むこともできる。
【0054】
ドングル500は、ソース302からのUSB AVデータをデジタルTV信号に変換してAVデータをTV304に送信する。
【0055】
図6に、図示の非限定的な例ではVGA能力を有していないドングル例600のコンポーネントを示す。
図6に示すドングル600のコンポーネントは、本明細書で説明するドングルのいずれかに組み込むことができる。
【0056】
ドングル600は、HDMI入力ポート602及びUSB入力ポート604を含む。USB入力ポート604は、Display Port及びHDMIなどのための「代替モード」をサポートするタイプCポートとすることができる。
【0057】
HDMI受信機606は、HDMIポート602からHDMIを受け取り、タイプCポートコントローラなどのUSBコントローラ608は、USBポート604と通信を行う。
【0058】
HDMI受信機606及びUSBコントローラ608は、ソリッドステートストレージ又はディスクベースストレージとして実装できる少なくとも1つのコンピュータメモリ612にアクセスする中央処理装置(CPU)などの少なくとも1つのプロセッサ610と通信する。プロセッサ610は、ATSC3.0コントローラなどのデジタルTVエンコーダ614と通信し、デジタルTVエンコーダ614は、ATSC3.0対応デジタルTV変調器などの変調器616に、アンテナ618を介して(例えば、チャンネル3又はチャンネル4を介して)送信できるように信号を送信する。
【0059】
図7に、本原理による、本明細書のドングルが実装できるUSB-デジタルTV変換ロジックを示す。ブロック700から開始して、例えば
図3に示すソース302からUSB AVデータが受け取られ、ブロック702においてATSC3.0フォーマットなどのデジタルTVフォーマットに変換される。このAVデータは、ブロック704において、例えば
図3に示すTV304に無線で送信される。
【0060】
図8に、本原理による、本明細書のドングルが実装できるVGA-デジタルTV変換ロジックを示す。ブロック800から開始して、例えば
図3に示すソース302からVGA AVデータが受け取られ、ブロック802においてATSC3.0フォーマットなどのデジタルTVフォーマットに変換される。このAVデータは、ブロック804において、例えば
図3に示すTV304に無線で送信される。
【0061】
図9に、本原理による、本明細書のドングルが実装できるHDMI-デジタルTV変換ロジックを示す。ブロック900から開始して、例えば
図3に示すソース302からHDMI AVデータが受け取られ、ブロック902においてATSC3.0フォーマットなどのデジタルTVフォーマットに変換される。このAVデータは、ブロック904において、例えば
図3に示すTV304に無線で送信される。
【0062】
図10に、USB又はVGAをデジタルTVフォーマットに変換する中間ロジックを示す。ブロック1000においてUSBデータ又はVGAデータが受け取られ、ブロック1002においてHDMIフォーマットに変換される。
【0063】
図11に、例えば
図3に示すソース302から直接HDMIが受け取られた場合、又は
図11に示すように元々のVGA又はUSBデータからHDMIUが生成された場合に使用できるその後のロジックを示す。ブロック1100において、通常は非圧縮状態でHDMIデータが受け取られる。必要な場合には、ブロック1102においてHDMIデータを復号又は暗号化することができる。ブロック1100から、又は使用する場合にはブロック1102から、ブロック1104においてドングルがHDMIを圧縮する。
【0064】
ブロック1106に進み、HDMIをIPフォーマットにパケット化してデジタルTV(例えば、ATSC3.0)フォーマットに構成する。ブロック1108において、デジタルTVフォーマットのAVを無線送信機に送信し、ブロック1110において無線送信機が信号をTVに送信し、ブロック1112においてTV上にAVを提示する。
【0065】
なお、ストリームには、TVが10個のチャンネルのうちの1つに正しくチューニングしてその取得をブートストラップするためのシグナリングを挿入することができる。1つのTVに対して1つのドングルを使用することができるが、プライバシーに関する問題がない場合にはパスワードをオフにして、ソース302からのコンテンツを複数のTV上に提示することができる(多くのTVに対して1つのドングル)。
【0066】
図12及び
図13でさらに解説する。ブロック1200から開始して、1つの実施形態では、本明細書のいずれかのドングルがチャンネルスキャンを実行することができる。ブロック1202において、スキャン中に識別される最初の空きチャンネルを選択することができる。ブロック1203においてパスワードを受け取ることができ、このパスワードが正しければ、ブロック1204において、ドングルがブロック1202で識別されたチャンネルを介してTVに信号を送信することができる。
【0067】
図13に、
図12による例示的なスクリーンショットを示す。ドングルは、
図3に示すTV304に、
図12のブロック1202におけるチャンネルの指示を1300において提示させることができる。ドングルは、1304においてTVにランダムパスワードなどのパスワードを提示させることもできる。ソース302は、ドングルのための制御アプリケーションを含むことができ、TVを視聴してソース302を動作させる人物は、制御アプリを開き、1300に示されているチャンネルを選択し、1302に示されているパスワードを入力する。入力すべきパスワードは、ソース302及びTV304と同じ室内の人々のみに見える。このパスワードを使用して、TVに無線で送信される信号を暗号化することができる。例えば、128ビットキーを使用する高度暗号化標準(Advanced Encryption Standard:AES)を採用し、パスワードキーを128ビットにハッシュ化することができる。表示/提示アプリは、このパスワードキーをAES暗号化ハードウェアに直接適用することができる。予想されるキーは、会議室内の人々のみが利用できる一意的なものになるようにTVが生成する必要があるため、この特定の問題については他のDRMを無視(使用しない)することができる。
【0068】
本明細書で説明した方法は、プロセッサ、好適に構成された特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)モジュール、又はその他によって実行されるソフトウェア命令として実装することができる。ソフトウェア命令は、採用する場合にはCD ROM又はフラッシュドライブなどの非一時装置に具現化することができる。或いは、ソフトウェアコード命令は、無線信号又は光信号などの一時的構成で、又はインターネットを介したダウンロードを通じて具現化することもできる。
【0069】
いくつかの実施形態例を参照しながら本原理について説明したが、これらの実施形態は限定的であるように意図するものではなく、本明細書において特許請求する主題は様々な別の構成を用いて実装することもできると理解されるであろう。
【符号の説明】
【0070】
10 放送局設備
12 オーバージエア側
14 受信機
16 コンパニオンデバイス
18 短距離リンク
20 有線及び/又は無線ネットワークリンク
22 オーバーザトップ側
【国際調査報告】