(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】人工現実ディスプレイを充電するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542934
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 US2022013024
(87)【国際公開番号】W WO2022159526
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ブリストル, ピーター ウェズリー
(72)【発明者】
【氏名】ビアン, イネス ル
(72)【発明者】
【氏名】マルコフスキー, イゴール
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴェンジ, プニット ナレンドラ
(72)【発明者】
【氏名】リー, レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ロゴザ, ベンジャミン エリオット タンバーグ
(72)【発明者】
【氏名】チョクシ, ジェイキシャン ダクシェシュ
(57)【要約】
開示されたシステムは、(1)ユーザによって装着されるように寸法決めされた人工現実ディスプレイであって、(A)バッテリと、(B)少なくとも1つの受電用充電要素とを備える人工現実ディスプレイと、(2)人工現実ディスプレイを収納するように寸法決めされた充電ケースであって、(A)人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、(B)人工現実ディスプレイの受電用充電要素に力を加えて充電ケースのソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドとを含む充電ケースとを備えることができる。様々な他の装置、システム、及び方法も開示される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって装着されるように寸法決めされた人工現実ディスプレイであって、
バッテリと、
少なくとも1つの受電用充電要素と
を備える人工現実ディスプレイと、
前記人工現実ディスプレイを収納するように寸法決めされた充電ケースであって、
前記人工現実ディスプレイの前記バッテリの充電を容易にするために前記人工現実ディスプレイの前記受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、
前記人工現実ディスプレイの前記受電用充電要素に力を加えて前記充電ケースの前記ソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドと
を含む充電ケースと
を備える、
システム。
【請求項2】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記人工現実ディスプレイが前記充電ケース内に配置されたときに、前記人工現実ディスプレイの前記受電用充電要素を前記ソース充電要素と位置合わせするように位置決めされる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記人工現実ディスプレイが前記充電ケース内に封入されたときに、前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に前記人工現実ディスプレイを固定する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、
前記充電ケースは、前記拡張現実メガネの前記テンプルのうちの1つ又は複数を支持するように位置決めされた1つ又は複数のテンプルブロックを備え、
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、該凹部は、前記充電ケース内の前記特定の位置に前記拡張現実メガネを保持するように位置決めされる、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記充電ケース内の前記特定の位置に前記人工現実ディスプレイを保持するように位置決めされた1つ又は複数の機械的ピンを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記充電ケース内の前記特定の位置に前記人工現実ディスプレイを保持するように位置決めされた1つ又は複数の磁気ファスナを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記充電ケースが閉鎖されると前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の前記通電結合部の導通を確保する特定の位置に前記人工現実ディスプレイを押し込むように寸法決めされた空洞を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記充電ケースは、ヒンジを介して移動可能に閉じる蓋を有し、
前記充電ケースの前記空洞は、前記蓋が前記ヒンジを介して前記人工現実ディスプレイ上に移動可能に閉じられるときに、前記蓋が前記人工現実ディスプレイに圧力を加えるように寸法決めされ、前記蓋によって加えられる前記圧力は、前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の前記通電結合部の導通を確保する役割を果たす、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記充電ケースは、前記人工現実ディスプレイの前記バッテリを充電し、
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記充電ケースが受ける衝撃にもかかわらず、前記受電用充電要素が前記ソース充電要素から外れるのを防止し、かつ/又は好ましくは、
前記人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、
前記充電ケースは、
前記拡張現実メガネの少なくとも1つの前記テンプルを支持するように位置決めされ、
前記拡張現実メガネの前記少なくとも1つの前記テンプルが前記テンプルブロックによって支持されているときに、前記受電用充電要素を介した前記バッテリの充電を容易にするために前記ソース充電要素を組み込む
少なくとも1つのテンプルブロックを備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記拡張現実メガネは、フロントフレームを有し、
前記受電用充電要素は、前記拡張現実メガネの前記フロントフレームの端部に置かれ、
前記テンプルのうちの1つは、前記テンプルのうちの前記1つが折り畳まれているときに前記受電用充電要素にアクセス可能であり、前記テンプルのうちの前記1つが広げられているときにアクセス不能であるように、ヒンジを介して前記拡張現実メガネの前記フロントフレームの前記端部に結合され、及び/又は好ましくは、前記受電用充電要素は、前記テンプルのうちの前記1つが折り畳まれているときには見え、前記テンプルのうちの前記1つが広げられているときには見えないように隠される、
請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記通電結合部は、前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の電気結合部を含み、
前記受電用充電要素及び前記ソース充電要素は、互いに嵌合し、前記電気結合部を介して前記人工現実ディスプレイの前記バッテリの充電を容易にするように構成された電気コネクタを備える、
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記通電結合部は、前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の誘導結合部を含み、
前記受電用充電要素及び前記ソース充電要素は、前記誘導結合部を介して前記人工現実ディスプレイの前記バッテリの充電を容易にする起電力を誘導するように構成された電磁コイルを備え、及び/又は好ましくは、前記充電ケースは、前記ソース充電要素と前記受電用充電要素との間の前記通電結合部を介して前記人工現実ディスプレイの前記バッテリに電力を伝送する追加のバッテリを備える、
請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
拡張現実メガネ用の充電ケースであって、
基部と、
前記基部に移動可能に結合された蓋と、
前記基部と前記蓋とによって形成された空洞であって、前記拡張現実メガネを収納するように寸法決めされた空洞と、
前記人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために、前記拡張現実メガネの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、
前記拡張現実メガネが前記空洞内に配置され、前記蓋が前記基部に対して閉じられているときに、前記拡張現実メガネの前記受電用充電要素に力を加えて前記ソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドと
を備える、充電ケース。
【請求項14】
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記人工現実ディスプレイが前記充電ケース内に配置されたときに、前記人工現実ディスプレイの前記受電用充電要素を前記ソース充電要素と位置合わせするように位置決めされ、及び/又は好ましくは、前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記人工現実ディスプレイが前記充電ケース内に封入されているときに、前記受電用充電要素と前記ソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に前記人工現実ディスプレイを固定し、及び/又は好ましくは、拡張現実メガネの少なくとも1つのテンプルを支持するように位置決めされた少なくとも1つのテンプルブロックをさらに備え、
前記充電ケースの前記位置合わせガイドは、前記テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、該凹部は、前記充電ケース内の前記特定の位置に前記拡張現実メガネを保持するように位置決めされる、
請求項13に記載の充電ケース。
【請求項15】
方法であって、
人工現実ディスプレイを充電するための充電ケースの基部を製造することと、
前記基部に移動可能に結合された前記充電ケースの蓋を製造することと、
前記人工現実ディスプレイを収納する空洞を形成するために前記基部及び前記蓋を寸法決めすることと、
前記人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために前記人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素を前記充電ケースに組み込むことと、
前記人工現実ディスプレイが前記空洞内に配置されたときに前記人工現実ディスプレイの前記受電用充電要素に力を加えて前記人工現実ディスプレイの前記ソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドを前記充電ケースに組み込むことと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般に、これらの人工現実ディスプレイを収容、保管、又は保護するように設計及び/又は寸法決めされたケースを介して人工現実ディスプレイを充電することに関する。以降でさらに詳しく説明されるように、これらの装置、システム、及び方法は、多くの特徴及び利点を提供することが可能である。
【0002】
人工現実コンテンツは、全てコンピュータ生成されたコンテンツ、又はキャプチャされた(例えば、実世界)コンテンツと組み合わされた、コンピュータ生成されたコンテンツを含んでもよい。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、又はそれらの何らかの組合せを含み得、これらのうちのいずれかが、単一チャネルで、又は(閲覧者に対して3次元(3D)効果をもたらすステレオビデオなど)複数チャネルで提示され得る。それに加えて、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、あるいは例えば、人工現実でコンテンツを作り出すのに使用される、及び/又は別の形で人工現実で使用される(例えば、アクティビティを実施する)、上記の何らかの組合せと関連付けられてもよい。
【0003】
人工現実システムは、様々な異なるフォームファクタ及び又は構成で実装され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)なしで動作するように設計される場合がある。他の人工現実システムは、実世界への可視性も提供する、又は人工現実にユーザを視覚的に没入させるNEDを含み得る。いくつかの人工現実デバイスは、自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、ユーザに人工現実体感を提供するために、外部デバイスと通信及び/又は協調し得る。そのような外部デバイスの例は、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザによって着用されるデバイス、1人又は複数の他のユーザによって着用されるデバイス、及び/又は任意の他の好適な外部システムを含む。
【0004】
人工現実は、ユーザが何らかの方法で仮想オブジェクト及び/又は環境と対話することができる豊かで没入型の体験を提供し得る。これに関連して、人工現実は、ユーザに提示するために仮想オブジェクトによって変更された現実の形態を構成し得る。このような人工現実は、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、又はこれらのうちの1つ若しくは複数の何らかの組合せ及び/若しくは変形を含む及び/又は表すことができる。
【0005】
人工現実システムは、一般にゲーム及び他の娯楽目的のために実装されるが、このようなシステムはまた、レクリエーション以外の目的のためにも実装される。例えば、政府はこれらを軍事訓練シミュレーションに使用することができ、医師はこれらを手術の練習に使用することができ、エンジニアはこれらを視覚化補助として使用することができ、同僚はこれらを世界中からの個人間の交流及び協力を促進するために使用することができる。
【0006】
人工現実は、ユーザが装着するメガネなどのディスプレイシステムによって提供、サポート、及び/又は促進され得る。いくつかの例では、人工現実ディスプレイは、視覚補正及び/又は視覚改善メガネと同様及び/又は同一に見える場合がある。追加的又は代替的に、人工現実ディスプレイは、収納、保管、及び/又は保護の目的で物理的なケースに配置されてもよい。このような人工現実ディスプレイ及びその物理的ケースはまた、人工現実ディスプレイに組み込まれ、かつ/又は人工現実ディスプレイに電力を供給するために使用されるバッテリを充電する目的で、互いに嵌合し、かつ/又は係合するように設計されてもよい。
【発明の概要】
【0007】
本開示の第1の態様によれば、ユーザによって装着されるように寸法決めされた人工現実ディスプレイを備えるシステムが提供され、人工現実ディスプレイは、バッテリと、少なくとも1つの受電用充電要素と、人工現実ディスプレイを収納するように寸法決めされた充電ケースとを備え、充電ケースは、人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、人工現実ディスプレイの受電用充電要素に力を加えて充電ケースのソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドとを備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に位置決めされたときに、人工現実ディスプレイの受電用充電要素とソース充電要素とを位置合わせするように位置決めされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に封入されているときに、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを固定する。
【0010】
いくつかの実施形態では、人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、充電ケースは、拡張現実メガネのテンプルのうちの1つ又は複数を支持するように位置決めされた1つ又は複数のテンプルブロックを備え、
【0011】
充電ケースの位置合わせガイドは、テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、その凹部は、拡張現実メガネを充電ケース内の特定の位置に保持するように位置決めされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイを充電ケース内の特定の位置に保持するように位置決めされた1つ又は複数の機械的ピンを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイを充電ケース内の特定の位置に保持するように位置決めされた1つ又は複数の磁気ファスナを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、充電ケースが閉鎖されると受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを押し込むように寸法決めされた空洞を備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、充電ケースは、ヒンジを介して移動可能に閉じる蓋を有し、充電ケースの空洞は、蓋がヒンジを介して人工現実ディスプレイ上に移動可能に閉じられるとき、蓋が人工現実ディスプレイに圧力を加えるように寸法決めされ、蓋によって加えられる圧力は、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する役割を果たす。
【0016】
いくつかの実施形態では、充電ケースは、人工現実ディスプレイのバッテリを充電し、充電ケースの位置合わせガイドは、充電ケースが受ける衝撃にもかかわらず、受電用充電要素がソース充電要素から外れるのを防止する。
【0017】
いくつかの実施形態では、人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、充電ケースは、拡張現実メガネのテンプルのうちの少なくとも1つを支持するように位置決めされ、拡張現実メガネのテンプルのうちの少なくとも1つがテンプルブロックによって支持されているとき、受電用充電要素を介してバッテリを充電することを容易にするようにソース充電要素を組み込んだ、少なくとも1つのテンプルブロックを備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、拡張現実メガネはフロントフレームを有し、受電用充電要素は、拡張現実メガネのフロントフレームの端部に置かれ、テンプルのうちの1つが折り畳まれているときに受電用充電要素がアクセス可能であり、テンプルのうちの1つが広げられているときにアクセスできないように、テンプルのうちの1つは、ヒンジを介して拡張現実メガネのフロントフレームの端部に結合される。
【0019】
いくつかの実施形態では、受電用充電要素は、テンプルのうちの1つが折り畳まれているときには見え、テンプルのうちの1つが広げられているときには見えないように隠される。
【0020】
いくつかの実施形態では、通電結合部は、受電用充電要素とソース充電要素との間の電気結合部を含み、受電用充電要素とソース充電要素は、互いに嵌合しかつ電気結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするように構成された電気コネクタを備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、通電結合部は、受電用充電要素とソース充電要素との間の誘導結合部を含み、受電用充電要素とソース充電要素とは、誘導結合部を介して人工現実ディスプレイの前記バッテリの充電を容易にする起電力を誘導するように構成された電磁コイルを備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、充電ケースは、ソース充電要素と受電用充電要素との間の通電結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリに電力を伝送する追加のバッテリを備える。
【0023】
本開示の第2の態様によれば、拡張現実メガネ用の充電ケースが提供され、充電ケースは、基部と、基部に移動可能に結合された蓋と、基部と蓋とによって形成されかつ拡張現実メガネを収納するように寸法決めされている空洞と、人工現実ディスプレイの電池の充電を容易にするために、拡張現実メガネの受信側充電素子とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電素子と、拡張現実メガネが空洞内に配置され、蓋が基部に対して閉じられたとき、拡張現実メガネの受電用充電要素に力を加えて前記ソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドとを備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に位置決めされたときに、人工現実ディスプレイの受電用充電要素とソース充電要素とを位置合わせするように位置決めされる。
【0025】
いくつかの実施形態では、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に封入されているときに、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを固定する。
【0026】
いくつかの実施形態では、充電ケースは、拡張現実メガネの少なくとも1つのテンプルを支持するように位置決めされた少なくとも1つのテンプルブロックをさらに備え、充電ケースの位置合わせガイドは、テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、その凹部は、充電ケース内の特定の位置に拡張現実メガネを保持するように位置決めされる。
【0027】
本開示の第3の態様によれば、人工現実ディスプレイを充電するための充電ケースの基部を製造するステップと、基部に移動可能に結合された充電ケースの蓋を製造するステップと、基部及び蓋を寸法決めして、人工現実ディスプレイを収納する空洞を形成するステップと、充電ケースに、人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素を組み込むステップと、充電ケースに、人工現実ディスプレイが空洞内に配置されたときに人工現実ディスプレイの受電用充電要素に力を加えて人工現実ディスプレイのソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドを組み込むステップとを備える方法が提供される。
【0028】
添付の図面は、複数の例示的な実施形態を示しており、本明細書の部分である。以降の記述とともに、図面は、本開示の様々な原理を示して説明している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図2】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的なシステムの図である。
【
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態による、車載バッテリの充電を容易にする特定の機能を備えた例示的な人工現実ディスプレイの図である。
【
図5】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの分割図である。
【
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図7】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図8】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイの充電を容易にする例示的なモジュールの図である。
【
図9】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図10】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図11】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的な充電ケースの図である。
【
図12】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的なシステムの図である。
【
図13】本開示の1つ又は複数の実施形態による、人工現実ディスプレイを充電するための例示的なシステムの図である。
【
図14】人工現実ディスプレイを充電するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図15】本開示の実施形態に関連して使用することが可能である、例示的な拡張現実メガネの図である。
【
図16】本開示の実施形態に関連して使用することが可能である、例示的な仮想現実ヘッドセットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書で説明される例示的な実施形態は、様々な変更形態及び代替の形態が可能であるが、特定の実施形態が、図面中で例として示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本明細書で説明される例示的な実施形態は、開示される特定の形態に限定されるものではない。むしろ、本開示は、本開示内に収まる全ての修正、組合せ、均等物、及び代替物をカバーする。
【0031】
本開示は、一般に、これらの人工現実ディスプレイを収容、保管、又は保護するように設計及び/又は寸法決めされたケースを介して人工現実ディスプレイを充電することに関する。以降でさらに詳しく説明されるように、これらの装置、システム、及び方法は、多くの特徴及び利点を提供することが可能である。
【0032】
人工現実コンテンツは、全てコンピュータ生成されたコンテンツ、又はキャプチャされた(例えば、実世界)コンテンツと組み合わされた、コンピュータ生成されたコンテンツを含んでもよい。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、又はそれらの何らかの組合せを含み得、これらのうちのいずれかが、単一チャネルで、又は(閲覧者に対して3次元(3D)効果をもたらすステレオビデオなど)複数チャネルで提示され得る。それに加えて、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、あるいは例えば、人工現実でコンテンツを作り出すのに使用される、及び/又は別の形で人工現実で使用される(例えば、アクティビティを実施する)、上記の何らかの組合せと関連付けられてもよい。
【0033】
人工現実システムは、様々な異なるフォームファクタ及び又は構成で実装され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)なしで動作するように設計される場合がある。他の人工現実システムは、実世界への可視性も提供する、又は人工現実にユーザを視覚的に没入させるNEDを含み得る。いくつかの人工現実デバイスは、自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、ユーザに人工現実体感を提供するために、外部デバイスと通信及び/又は協調し得る。そのような外部デバイスの例は、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザによって着用されるデバイス、1人又は複数の他のユーザによって着用されるデバイス、及び/又は任意の他の好適な外部システムを含む。
【0034】
人工現実は、ユーザが何らかの方法で仮想オブジェクト及び/又は環境と対話することができる豊かで没入型の体験を提供し得る。これに関連して、人工現実は、ユーザに提示するために仮想オブジェクトによって変更された現実の形態を構成し得る。このような人工現実は、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、又はこれらのうちの1つ若しくは複数の何らかの組合せ及び/若しくは変形を含む及び/又は表すことができる。
【0035】
人工現実システムは、一般にゲーム及び他の娯楽目的のために実装されるが、このようなシステムはまた、レクリエーション以外の目的のためにも実装される。例えば、政府はこれらを軍事訓練シミュレーションに使用することができ、医師はこれらを手術の練習に使用することができ、エンジニアはこれらを視覚化補助として使用することができ、同僚はこれらを世界中からの個人間の交流及び協力を促進するために使用することができる。
【0036】
人工現実は、ユーザが装着するメガネなどのディスプレイシステムによって提供、サポート、及び/又は促進され得る。いくつかの例では、人工現実ディスプレイは、視覚補正及び/又は視覚改善メガネと同様及び/又は同一に見える場合がある。追加的又は代替的に、人工現実ディスプレイは、収納、保管、及び/又は保護の目的で物理的なケースに配置されてもよい。このような人工現実ディスプレイ及びその物理的ケースはまた、人工現実ディスプレイに組み込まれ、かつ/又は人工現実ディスプレイに電力を供給するために使用されるバッテリを充電する目的で、互いに嵌合し、かつ/又は係合するように設計されてもよい。
【0037】
具体例として、拡張現実メガネ用の充電ケースは、1つ又は複数の位置合わせガイド(例えば、磁気ファスナ、凹部、機械的ピン、基準ノード、充電ケース内の特別に設計された寸法など)を介して充電ケースと拡張現実メガネとの間の電気的導通を提供及び/又は確保するように設計及び/又は寸法決めされ得る。例えば、充電ケース内の位置合わせガイドは、拡張現実メガネを充電ケース内の正しい位置に位置合わせすることを容易にし、及び/又はサポートし得る。このような位置では、拡張現実メガネ上の電気接点は、充電ケース内の充電接点と電気的に導通させることができ、それにより、ユーザによる不適切な配置にかかわらず、及び/又は、そうでなければ拡張現実メガネ上の電気接点が充電ケース内の充電接点から外れる原因となるような衝撃にもかかわらず、拡張現実メガネは充電を確実に継続する。
【0038】
いくつかの例では、位置合わせガイドは、充電ケースのテンプルブロックの磁気ファスナ及び/又は機械的溝若しくは凹部であってもよい。一例では、電気接点は、拡張現実メガネの少なくとも1つのヒンジブロック上に置かれてもよく、及び/又は拡張現実メガネの1つ又は複数のヒンジ内に隠されてもよい。この例では、充電接点は、物理的コネクタ及び/又は無線充電コイルであってもよい。追加的又は代替的に、充電ケースは、拡張現実メガネに圧力を加え、したがって閉じたときに電気的導通を確保するように設計及び/又は寸法決めされてもよい。
【0039】
以下では、
図1~
図13、
図15、及び
図16を参照して、例示的な装置、デバイス、システム、構成要素、及び人工現実ディスプレイを充電するための対応する実装形態の詳細な説明を行う。さらに、
図14に関連して、人工現実ディスプレイを充電する方法の詳細な説明が行われる。
【0040】
図1及び
図2は、人工現実ディスプレイを充電することができる例示的な充電ケース100を示す。
図1及び
図2に示すように、例示的な充電ケース100は、基部108、空洞114、及び蓋110を含む及び/又は表すことができる。いくつかの例では、蓋110は、充電ケース100の開閉を容易にするために、ヒンジ112を介して基部108に移動可能に結合されてもよい。一例では、空洞114は、充電ケース100内に人工現実ディスプレイ(
図1又は
図2には示されていない)を収納及び/又は収容するように寸法決め及び/又は形成することができる。人工現実ディスプレイは、充電ケース100の空洞114内及び/又はその近くに配置されると、人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にする特定の位置に押し込まれ得る。
【0041】
図1及び
図2に示すように、充電ケース100は、位置合わせガイド104及び/又はソース充電要素102を含む及び/又は表すことができる。いくつかの例では、位置合わせガイド104は、人工現実ディスプレイの受電用充電要素が人工現実ディスプレイのソース充電要素102と通電可能に結合される特定の位置に人工現実ディスプレイを確実に押し込みかつ/又は維持するために、集合的に役立つ様々な機能の組合せを含む及び/又は表すことができる。一例では、位置合わせガイド104は、このような通電結合部を確立し、かつ/又は維持する目的で、人工現実ディスプレイを特定の位置に固定するために充電ケース100内に置かれた1つ又は複数の磁気ファスナを含む及び/又は表すことができる。位置合わせガイド104の更なる例には、限定はしないが、機械的ピン、充電ケース100内に形成された凹部、充電ケース100内に形成された溝、基準ノード、充電ケース100及び/又は空洞114の特注の寸法、それらのうちの1つ又は複数の組合せ又は変形、及び/又は任意の他の好適な位置合わせガイドを含む。
【0042】
いくつかの例では、「通電可能に結合する」という語句及び/又は「通電結合部」という用語は、充電ケース100から人工現実ディスプレイに電力を伝送するための技術及び/又はプロセスを指す及び/又は表すことができる。このような例では、充電ケース100及び人工現実ディスプレイは、充電ケース100から人工現実ディスプレイに電気及び/又は電流を伝送することによって充電目的のこの電力伝送を達成することができる。一例では、通電結合部は、ソース充電要素102と受電用充電要素との間の電気結合部を含む及び/又は表すことができる。例えば、ソース充電要素102は、受電用充電要素と嵌合するようにかつ/又は電気結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするように構成された、1つ又は複数の電気コネクタ、ピン及び/又はプラグを含む及び/又は表すことができる。この例では、受電用充電要素は、ソース充電要素102と嵌合するようにかつ/又は電気結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするように構成された、1つ又は複数の電気コネクタ、ポート及び/又はレセプタクルを含む及び/又は表すことができる。代替的な実施形態は、ソース充電要素102が電気コネクタ、ポート、及び/又はレセプタクルを含み、及び/又は表し、受電用充電要素が電気コネクタ、ピン、及び/又はプラグを含み、かつ/又は表すように、ソース充電要素102と受電用充電要素とは逆の構成及び/又は役割を含んでもよい。
【0043】
別の例では、通電結合部は、ソース充電要素102と受電用充電要素との間の誘導充電結合部及び/又は無線充電結合を含む及び/又は表すことができる。例えば、ソース充電要素102及び/又は受電用充電要素はそれぞれ、誘導充電結合及び/又は無線充電結合を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にする起電力を誘導するように構成された1つ又は複数の電磁コイルを含む及び/又は表すことができる。この例では、交流電流がソース充電要素102を通過し、したがって、その強度が交流電流の振幅とともに変化する磁場を生成することができる。この磁場の強度が変化することにより、受電用充電要素に、対応する交流電流を生成することができる。次いで、対応する交流電流は整流器を通過し、整流器は交流電流を直流電流に変換し、今度はこの直流が人工現実ディスプレイのバッテリを充電する。
【0044】
充電ケース100は、特定のタイプの人工現実ディスプレイを封入、保護、及び/又は固定するのに好適な任意の形状を含む及び/又は形成することができる。いくつかの例では、充電ケース100は、立方体、直方体、球、及び/又は回転楕円体を形成してもよい。充電ケース100によって形成される形状の追加の例として、限定されるものではないが、円錐、円柱、角柱、四角錐、これらのうちの1つ又は複数の組合せ若しくは変形、及び/又は任意の他の好適な形状が挙げられる。
【0045】
充電ケース100は、特定のタイプの人工現実ディスプレイを封入、保護、及び/又は固定するのに好適な任意の寸法であってもよい。いくつかの例では、充電ケース100は、ソース充電要素102と受電用充電要素との間の電気的及び/又は誘導的な導通を維持するために、十分な圧力が人工現実ディスプレイに確実に加えられるように寸法決めされ得る。このような例では、充電ケース100の寸法は、ユーザによる不適切な配置、及び/又は、そうでなければソース充電要素102と受電用充電要素との係合が外れるような衝撃にもかかわらず、人工現実ディスプレイが充電ケース100内の正しい位置に確実に留まることができる。
【0046】
充電ケース100は、任意の様々な材料を含む及び/又は含有することができる。一例では、充電ケース100の基部108、蓋110、及び/又はヒンジ112は、無線通信の通過を容易にしかつ/又はこのような無線通信と干渉しない少なくとも1つのタイプのプラスチック材料を含む及び/又は表すことができる。換言すると、プラスチック材料は、充電ケース100を介して人工現実ディスプレイと外部装置との間で無線通信をやり取りすることを可能にすることができる。このような材料の更なる例としては、これらに限定されないが、セラミック、ポリマー、金属、複合材料、木材、発泡体、射出成形材料、ナイロン、ポリカーボネート、これらの1つ又は複数の組合せ又は変形、及び/又は任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0047】
いくつかの例では、ヒンジ112は、蓋110及び/又は基部108と同じ材料から構築及び/又は形成されたリビングヒンジを構成する及び/又は表すことができる。このような例では、基部108、蓋110、及び/又はヒンジ112は、単一のユニットの異なる領域及び/又は部分を表すことができる。一例では、プラスチックは、基部108、蓋110、及び/又はヒンジ112が作られる材料に好適な選択であり得る。この例では、基部108、蓋110、及び/又はヒンジ112がプラスチックで作られている場合、充電ケース100は、人工現実ディスプレイ内の少なくとも1つのアンテナのための透明な領域及び/又はゾーンを含み及び/又は提供することができる。このような透明な領域及び/又はゾーンは、充電ケース100を介して人工現実ディスプレイ内のアンテナが無線通信を送信及び/又は受信することを可能にすることができる。
【0048】
図3は、人工現実ディスプレイ308を充電するための例示的なシステム300を示す。
図3に示すように、例示的なシステム300は、人工現実ディスプレイ308が充電ケース100(
図3には明示的に示されていない)内に載置され及び/又は配置される、一組のテンプルブロック304(1)及び304(2)を含み及び/又は表すことができる。いくつかの例では、テンプルブロック304(1)及び304(2)は、充電ケース100に組み込まれた構成要素又は機能を構成し及び/又は表すことができる。一例では、テンプルブロック304(1)は、その主な目的が充電ケース100内で人工現実ディスプレイ308の片側を(例えば、フロントフレームで)支持し、維持し、及び/又は位置決めすることであるという点で、受動的であり得る。この例では、テンプルブロック304(2)は、支持、維持、及び/又は位置決めの機能性に加えて、人工現実ディスプレイ308を充電するためのソース充電要素102を組み込んでいるという点で、能動的であり得る。
【0049】
図3に示すように、人工現実ディスプレイ308は、テンプル312(1)及び312(2)を含む一対の拡張現実メガネを構成し及び/又は表すことができる。いくつかの例では、テンプル312(1)及び312(2)は、人工現実ディスプレイ308がコンパクトなサイズ及び/又はフォームファクタを達成できるように、それぞれのヒンジで折り畳むことができる。このような例では、テンプル312(1)及び312(2)が折り畳まれると、人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100内に適切に嵌合することができ、及び/又はテンプルブロック304(1)及び304(2)上に載置することができる。
【0050】
いくつかの例では、人工現実ディスプレイ308は、人工現実ディスプレイ308のバッテリの充電を容易にする受電用充電要素302を含む及び/又は組み込むことができる。一例では、人工現実ディスプレイ308がユーザによって装着されたときに受電用充電要素302を視界から隠すように、受電用充電要素302を人工現実ディスプレイ308に組み込むことができる。例えば、受電用充電要素302は、人工現実ディスプレイ308のフロントフレームとテンプル312(2)との間のインタフェースに置かれても、及び/又は位置決めされてもよい。換言すれば、受電用充電要素302は、テンプル312(2)がヒンジを介してフロントフレームに結合されている人工現実ディスプレイ308のフロントフレームの一端に(例えば、ヒンジブロックに)置かれても及び/又は位置決めされてもよい。
【0051】
いくつかの例では、ヒンジは、テンプル312(2)が人工現実ディスプレイ308のフロントフレームに対して折り畳む、及び/又は広げることを可能にし得る。一例では、受電用充電要素302が、テンプル312(2)が取り付けられているフロントフレームの端部に置かれている及び/又は位置決めされている場合、受電用充電要素302は、テンプル312(2)が折り畳まれているときにアクセス可能であり、及び/又はテンプル312(2)が広げられているときにアクセス不可能であり得る。追加的又は代替的に、受電用充電要素302は、テンプル312(2)が折り畳まれているときに見ることができ、及び/又はテンプル312(2)が広げられているときに視界から隠すことができる。
【0052】
いくつかの例では、テンプルブロック304(1)及び304(2)は、充電ケース100内で人工現実ディスプレイ308が自己センタリングすることを可能にする特定の位置に取り付けられてもよい。換言すれば、テンプルブロック304(1)及び304(2)の位置及び/又は寸法は、テンプル312(1)及び312(2)のいずれが最初に又は2番目に折り畳まれるかにかかわらず、充電のために人工現実ディスプレイ308が正しい位置に高位置から移動する及び/又は落下することを集合的に保証することができる。例えば、テンプル312(2)が最初に折り畳まれ、テンプル312(1)が2番目に折り畳まれた場合、人工現実ディスプレイ308は、テンプルブロック304(1)及び/又は位置合わせガイド104からの大きな影響及び/又は誘導を受けずに、充電ケース100内の正しい位置にまっすぐに高位置から移動する及び/又は落下することができる。しかしながら、テンプル312(1)が最初に折り畳まれ、テンプル312(2)が2番目に折り畳まれる場合、人工現実ディスプレイ308は、テンプルブロック304(1)からの適切な誘導を受けずに、正しい位置に高位置から移動する及び/又は落下するのを妨害及び/又は阻止される可能性がある。
【0053】
したがって、テンプルブロック304(1)の位置及び/又は寸法は、テンプル312(1)が最初に折り畳まれ、テンプル312(2)が2番目に折り畳まれても、人工現実ディスプレイ308を充電ケース100内の正しい位置に誘導及び/又は整列させることができる。例えば、テンプル312(1)が最初に折り畳まれ、テンプル312(2)が2番目に折り畳まれる場合、人工現実ディスプレイ308は、受電用充電要素302の近くのフロントフレームの端部がテンプルブロック304(2)に当たるように高位置から移動する及び/又は落下することができる。受電用充電要素302の近くのフロントフレームの端部がテンプルブロック304(2)に当たると、この接触は、最初に受電用充電要素302がソース充電要素102と通電可能に結合することを妨げる障害が回避されるように、人工現実ディスプレイ308をテンプルブロック304(1)に向かって効果的に移動させ、及び/又は強制することができる。この例では、次いで、テンプルブロック304(1)は、人工現実ディスプレイ308を引力によってテンプルブロック304(2)の方へ誘導、及び/又は押し戻すことができる。人工現実ディスプレイ308がテンプルブロック304(2)に向かう途中の特定の地点に到達すると、磁気ファスナ(
図3には必ずしも示されていない)は、人工現実ディスプレイ308を充電ケース100内の正しい位置に誘導、及び/又は引っ張ることができる。
【0054】
人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100内に収まるのに、及び/又はテンプルブロック304(1)及び304(2)上に載置するのに好適な任意の形状を含む、及び/又は形成することができる。いくつかの例では、人工現実ディスプレイ308は、メガネ及び/又は眼鏡の形状をとることがあり、及び/又はメガネ及び/又は眼鏡に類似して見えることがある。さらに、人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100内に収納するのに、及び/又はテンプルブロック304(1)及び304(2)に跨るのに好適な任意の寸法であってもよい。一例では、人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100の基部108及び/又は蓋110との接触を回避するように寸法決めされてもよい。別の例では、人工現実ディスプレイ308は、蓋110が充電ケース100内に封入されたときに人工現実ディスプレイ308に圧力及び/又は力を加えることができるような寸法にすることができる。
【0055】
人工現実ディスプレイ308は、任意の様々な材料を含む及び/又は含有することができる。一例では、人工現実ディスプレイ308のフレームは、少なくとも1つのタイプのナイロンを含む及び/又は表すことができる。このような材料の更なる例としては、これらに限定されないが、セラミック、ポリマー、金属、複合材料、木材、発泡体、射出成形材料、ナイロン、ポリカーボネート、これらの1つ又は複数の組合せ又は変形、及び/又は任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0056】
いくつかの例では、人工現実ディスプレイ308のフレームは、経時的に(例えば、使用、損耗、及び/又は特定の状態若しくは要素への曝露に起因して)反る、及び/又は変形することがある。例えば、人工現実ディスプレイ308のフロントフレームは、その長さが効果的に縮小するように曲がることができる。その結果、人工現実ディスプレイ308のフロントフレームは、テンプルブロック304(1)がこのような反り及び/又は変形を補償するように寸法決め及び/又は位置決めされない限り、テンプルブロック304(1)及び304(2)を跨ぐ、及び/又はこれらを横切って延びることができない可能性がある。
【0057】
一例では、テンプルブロック304(1)は、このような反り及び/又は変形にもかかわらず、人工現実ディスプレイ308を支持し、かつ/又は維持するように設計された棚を含み、かつ/又は表すことができる。この例では、棚は、人工現実ディスプレイ308が反ったり変形したりした後に、人工現実ディスプレイ308がテンプルブロック304(1)から高位置から移動しないように寸法決めすることができる。
【0058】
図4は、人工現実ディスプレイ308の例示的な実装を示す。
図4に示すように、人工現実ディスプレイ308は、ヒンジを介してフロントフレーム400に結合されたテンプル312(1)及び312(2)を含む、及び/又は表すことができる。いくつかの例では、人工現実ディスプレイ308は、磁気ファスナ402(1)及び402(2)、ならびに/又は受電用充電要素302(1)及び302(2)を含み、及び/又は表すことができる。一例では、磁気ファスナ402(1)及び402(2)、ならびに/又は受電用充電要素302(1)及び302(2)は、テンプル312(2)が取り付けられているフロントフレーム400の端部に組み込まれてもよい。この例では、磁気ファスナ402(1)及び402(2)、ならびに/又は受電用充電要素302(1)及び302(2)の位置決めにより、人工現実ディスプレイ308のユーザは、テンプル312(2)を移動させることによって、磁気ファスナ402(1)及び402(2)、ならびに/又は受電用充電要素302(1)及び302(2)に容易にアクセスする及び/又は隠すことができる。
【0059】
一例では、人工現実ディスプレイ308のフロントフレーム400に組み込まれた磁気ファスナ402(1)及び402(2)は、充電ケース100のテンプルブロック304(2)に組み込まれた対応する磁気ファスナとインタフェース接続し、嵌合し、及び/又は係合することができる。追加的又は代替的に、人工現実ディスプレイ308のフロントフレーム400に組み込まれた受電用充電要素302(1)及び302(2)は、充電ケース100のテンプルブロック304(2)に組み込まれた対応するソース充電要素とインタフェース接続し、嵌合し、及び/又は係合することができる。
【0060】
図5は、充電ケース100の例示的な実施態様の分割
図500を示す。
図5の分割
図500に示すように、充電ケース100の例示的な実施態様は、基部108の左側面514及び基部108の右側面512を含むことができる。
図5の分割
図500では、左側面514及び右側面512は、テンプルブロック304(1)及び304(2)の互いに対する意図的なオフセット及び/又は位置ずれを示すために、反対の位置で表され、及び/又は示され得る。
【0061】
いくつかの例では、充電ケース100の例示的な実施態様は、テンプルブロック304(1)及び304(2)が充電ケース100内で互いに幾分オフセット及び/又は位置ずれしていることを含んでもよい。一例では、テンプルブロック304(1)及び304(2)は、充電ケース100内の正しい位置に人工現実ディスプレイ308を案内又は誘導する役割を果たす及び/又は機能する凹部508(1)及び508(2)をそれぞれ含む及び/又は形成することができる。追加的又は代替的に、凹部508(1)及び508(2)は、充電ケース100内で互いに幾分オフセット及び/又は位置ずれしていてもよい。例えば、テンプルブロック304(2)に形成された凹部508(2)の上面側は、充電ケース100内のテンプルブロック304(1)の上面側と整列し得る。この例では、テンプルブロック304(2)の底面側は、充電ケース100内のテンプルブロック304(1)に形成された凹部508(1)の底面側と整列し得る。
【0062】
図6及び
図7は、充電ケース100の例示的な実施態様を示す。
図6及び
図7に示すように、充電ケース100は、磁気ファスナ502(1)及び502(2)及び/又は電源充電要素102(1)及び102(2)をテンプルブロック304(2)に含め、及び/又は組み込むことができる。一例では、人工現実ディスプレイ308のフロントフレーム400に組み込まれた磁気ファスナ402(1)及び402(2)は、テンプルブロック304(2)に組み込まれた磁気ファスナ502(1)及び502(2)とインタフェース接続し、嵌合し、及び/又は係合することができる。そうすることにより、これらの磁気ファスナは、充電ケース100内の所定の位置に人工現実ディスプレイ308を固定する及び/又は取り付けることができる。充電ケース100内の所定の位置に人工現実ディスプレイ308が固定された及び/又は取り付けられた結果として、人工現実ディスプレイ308に組み込まれた受電用充電要素302(1)及び302(2)は、充電ケース100が1つ又は複数の衝撃及び/又は外力を受けた場合でも、テンプルブロック304(2)内のそれぞれ電源充電要素102(1)及び102(2)との電気的導通を確立及び/又は維持することができる。
【0063】
図8は、充電ケース100内の人工現実ディスプレイ308の充電を容易にする例示的なモジュール800を示す。
図8に示すように、モジュール800は、磁気ファスナ502(1)及び502(2)、ならびに/又はソース充電要素102(1)及び102(2)を収納する回路基板802を含む、及び/又は表すことができる。いくつかの例では、回路基板802は、磁気ファスナ502(2)を取り付けるように寸法決めされた磁石スロット804を含む及び/又は形成することができる。このような例では、回路基板802はまた、磁気ファスナ502(1)を取り付けるように寸法決めされた別の磁石スロット(
図8では明示的にラベル付けされていない)を含む及び/又は形成することができる。回路基板802は、充電ケース100のテンプルブロック304(2)内に組み込まれ、及び/又は固定されてもよい。
【0064】
一例では、磁気スロット804内への磁気ファスナ502(2)の取り付けは、圧入、締まり嵌め、摩擦嵌め、及び/又は圧縮嵌めによって達成及び/又は完遂することができる。追加的又は代替的に、磁石スロット804はめっきされてもよく、導電性接着剤(例えば、導電性エポキシ又は接着剤)を塗布して、磁石スロット804内の磁気ファスナ502(2)の保持を強化してもよい。この例では、磁石スロット804上のめっき及び/又は他のめっきにより、充電ケース100が人工現実ディスプレイ308と通信できるようになり、及び/又はその逆も可能になり得る。例えば、回路基板802は、充電ケース100に組み込まれた磁気ファスナ502(1)及び502(2)、ならびに人工現実ディスプレイ308に組み込まれた磁気ファスナ402(1)及び402(2)を介して、1つ又は複数の通信信号を人工現実ディスプレイ308に渡す及び/又は供給することができる。したがって、充電ケース100に組み込まれた磁気ファスナ502(1)及び502(2)、ならびに人工現実ディスプレイ308に組み込まれた磁気ファスナ402(1)及び402(2)は、充電ケース100及び/又は人工現実ディスプレイ308を通り抜ける及び/又は跨ぐ通信バス、例えば、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)バス及び/又は集積回路間(I2C)バスなど通信バスの一部を形成及び/又は表すことができる。
【0065】
図9、
図10、及び
図11は、蓋110が基部108に対して閉じられるとき及び/又は音を立てて閉じられるときの充電ケース100の例示的な実施態様を示す。
図9、
図10、及び
図11に示すように、例示的な充電ケース100は、オープナーノッチ902及び/又は充電インジケータ904を含む及び/又は組み込むことができる。一例では、オープナーノッチ902は、蓋110を閉位置から開くことを容易にする機械的部材、延長部、及び/又は機構を含む及び/又は表すことができる。追加的又は代替的に、充電インジケータ904は、充電ケース100内の人工現実ディスプレイ308の充電状態を示すために何らかの方法で照らす光(例えば、発光ダイオードなど)を含む及び/又は表すことができる。
【0066】
図12及び
図13は、人工現実ディスプレイ308及び充電ケース100を含む例示的なシステム1200を示す。
図12及び
図13に示すように、テンプル312(1)及び312(2)がそれぞれヒンジ1302(1)及び1302(2)を介して折り畳まれたときに、人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100内に配置され得る。この配置では、人工現実ディスプレイ308は、充電ケース100内のテンプルブロック304(1)及び304(2)上に配置及び/又は載置することができる。
【0067】
いくつかの例では、人工現実ディスプレイ308は、受電用充電要素302とソース充電要素102との間の電気結合部を介してそのバッテリを充電することができる。一例では、充電ケース100は、テンプルブロック304(1)及び304(2)からの支持によって人工現実ディスプレイ308を水平位置に維持するように設計され得る。この例では、テンプルブロック304(1)及び304(2)は、充電ケース100内で互いに対して異なる高さに位置決め及び/又はオフセットされてもよい。例えば、
図13に示すように、テンプルブロック304(2)は、充電ケース100内において、テンプルブロック304(1)よりも上方に位置決めされてもよい。この例では、テンプルブロック304(1)と304(2)との高低差は、支持対象が異なることに起因し得る。
【0068】
一例では、テンプルブロック304(1)は、人工現実ディスプレイ308のテンプル312(1)とインタフェース接続するように、及び/又はそれを支持するように設計され得る。この例では、テンプルブロック304(2)は、人工現実ディスプレイ308のフロントフレーム400と(例えば、ヒンジブロックで)インタフェース接続するように、及び/又はそれを支持するように設計され得る。
【0069】
一例では、テンプルブロック304(1)は、人工現実ディスプレイ308がその元の状態及び/又は初期状態から反った後及び/又は変形した後でも、人工現実ディスプレイ308を支持し続ける勾配、傾斜、及び/又は傾きを有するように成形され得る。この例では、テンプルブロック304(1)の勾配、傾斜、及び/又は傾きはまた、このような反り及び/又は変形にもかかわらず、人工現実ディスプレイ308を充電ケース100内の水平位置に維持するのにも役立ち得る。
【0070】
図14は、人工現実ディスプレイの充電を容易にする充電ケースを製造及び/又は組み立てるための例示的な方法1400のフロー図である。方法1400は、人工現実ディスプレイの充電を容易にする充電ケースの基部を製造するステップ(1410)を含むことができる。ステップ1410は、
図1~
図13に関連して上述したもののいずれかを含む様々な方法で実施することができる。例えば、コンピューティング機器の製造業者又は下請業者は、充電ケースの基部を製造及び/又は生産することができる。この例では、充電ケースは、人工現実ディスプレイを充電するように設計及び/又は構成され得る。
【0071】
方法1400はまた、基部に移動可能に結合された充電ケースの蓋を製造するステップ(1420)を含むことができる。ステップ1420は、
図1~
図13に関連して上述したもののいずれかを含む様々な方法で実施することができる。例えば、コンピューティング機器の製造業者又は下請業者は、充電ケースの蓋を製造及び/又は生産することができる。この例では、充電ケースの蓋は、ヒンジ(例えば、リビングヒンジ)を介して充電ケースの基部に移動可能に結合されてもよい。
【0072】
方法1400は、人工現実ディスプレイを収納する空洞を形成するために基部及び蓋を寸法決めするステップ(1430)をさらに含むことができる。ステップ1430は、
図1~
図13に関連して上述したもののいずれかを含む様々な方法で実施することができる。例えば、コンピューティング機器の製造業者又は下請業者は、人工現実ディスプレイを収納する空洞を形成するために基部及び蓋を寸法決め及び/又は設計することができる。
【0073】
方法1400は、人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素を充電ケースに組み込むステップ(1440)をさらに含むことができる。ステップ1440は、
図1~
図13に関連して上述したもののいずれかを含む様々な方法で実施することができる。例えば、コンピューティング機器の製造業者又は下請業者は、少なくとも1つのソース充電要素を充電ケースの基部に組み込むことができる。この例では、ソース充電要素は、人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために、人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成することができる。
【0074】
最後に、方法1400は、人工現実ディスプレイが空洞内に配置されたときに、受電用充電要素に力を加えてソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドを、充電ケースに組み込むステップ(1450)を含むことができる。ステップ1450は、
図1~
図13に関連して上述したもののいずれかを含む様々な方法で実施することができる。例えば、コンピューティング機器の製造業者又は下請業者は、少なくとも1つの位置合わせガイドを充電ケースに組み込むことができる。この例では、位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが空洞内に配置されたときに、受電用充電要素に力を加えてソース充電要素と通電可能に結合させることができる。
【0075】
例示的実施形態
実施例1、システムは、(1)ユーザによって装着されるように寸法決めされた人工現実ディスプレイであって、(A)バッテリと、(B)少なくとも1つの受電用充電要素とを備える人工現実ディスプレイと、(2)人工現実ディスプレイを収納するように寸法決めされた充電ケースであって、(A)人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、(B)人工現実ディスプレイの受電用充電要素に力を加えて充電ケースのソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドとを含む充電ケースとを備えることができる。
【0076】
実施例2、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に配置されたときに、人工現実ディスプレイの受電用充電要素をソース充電要素と位置合わせするように位置決めされる、実施例1に記載のシステム。
【0077】
実施例3、充電ケースの位置合わせガイドが、人工現実ディスプレイが充電ケース内に封入されたときに、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを固定する、実施例1及び2のいずれか一例に記載のシステム。
【0078】
実施例4、(1)人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、(2)充電ケースは、拡張現実メガネのテンプルの1つ又は複数を支持するように位置決めされた1つ又は複数のテンプルブロックを備え、(3)充電ケースの位置合わせガイドは、テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、その凹部は、充電ケース内の特定の位置に拡張現実メガネを保持するように位置決めされる、実施例1~3のいずれか一例に記載のシステム。
【0079】
実施例5、充電ケースの位置合わせガイドは、充電ケース内の特定の位置に人工現実ディスプレイを保持するように位置決めされた1つ又は複数の機械的ピンを備える、実施例1~4のいずれか一例に記載のシステム。
【0080】
実施例6、充電ケースの位置合わせガイドが、充電ケース内の特定の位置に人工現実ディスプレイを保持するように位置決めされた1つ又は複数の磁気ファスナを含む、実施例1~5のいずれか一例に記載のシステム。
【0081】
実施例7、充電ケースの位置合わせガイドは、充電ケースが閉鎖されると受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを押し込むように寸法決めされた空洞を備える、実施例1~6のいずれか一例に記載のシステム。
【0082】
実施例8、(1)充電ケースは、ヒンジを介して移動可能に閉じる蓋を有し、(2)充電ケースの空洞は、蓋がヒンジを介して人工現実ディスプレイ上に移動可能に閉じられるときに、蓋が人工現実ディスプレイに圧力を加えるように寸法決めされ、蓋によって加えられる圧力は、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する役割を果たす、実施例1~7のいずれか一例に記載のシステム。
【0083】
実施例9、(1)充電ケースは人工現実ディスプレイのバッテリを充電し、(2)充電ケースの位置合わせガイドは、充電ケースが受ける衝撃にもかかわらず、受電用充電要素がソース充電要素から外れるのを防止する、実施例1~8のいずれか一例に記載のシステム。
【0084】
実施例10、(1)人工現実ディスプレイは、一組のテンプルを有する拡張現実メガネを含み、(2)充電ケースは、(A)拡張現実メガネの少なくとも1つのテンプルを支持するように位置決めされ、(B)拡張現実メガネの少なくとも1つのテンプルがテンプルブロックによって支持されているときに、受電用充電要素を介したバッテリの充電を容易にするためにソース充電要素を組み込む、少なくとも1つのテンプルブロックを備える、実施例1~9のいずれか一例に記載のシステム。
【0085】
実施例11、(1)拡張現実メガネはフロントフレームを有し、(2)受電用充電要素は拡張現実メガネのフロントフレームの端部に置かれ、(3)テンプルの1つは、テンプルの1つが折り畳まれているときに受電用充電要素にアクセスでき、テンプルの1つが広げられているときにアクセスできないように、ヒンジを介して拡張現実メガネのフロントフレームの端部に結合されている、実施例1~10のいずれか一例に記載のシステム。
【0086】
実施例12、受電用充電要素は、テンプルのうちの1つが折り畳まれているときには見え、テンプルのうちの1つが広げられているときには見えないように隠される、実施例1~11のいずれか一例に記載のシステム。
【0087】
実施例13、(1)通電結合部は、受電用充電要素とソース充電要素との間の電気結合部を含み、(2)受電用充電要素及びソース充電要素は、互いに嵌合し、電気結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするように構成された電気コネクタを備える、実施例1~12のいずれか一例に記載のシステム。
【0088】
実施例14、(1)通電結合部は、受電用充電要素とソース充電要素との間の誘導結合部を含み、(2)受電用充電要素及びソース充電要素が、誘導結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にする起電力を誘導するように構成された電磁コイルを備える、実施例1~13のいずれか一例に記載のシステム。
【0089】
実施例15、充電ケースは、ソース充電要素と受電用充電要素との間の通電結合部を介して人工現実ディスプレイのバッテリに電力を伝送する追加のバッテリを備える、実施例1~14のいずれか一例に記載のシステム。
【0090】
実施例16、拡張現実メガネ用の充電ケースは、(1)基部と、(2)基部に移動可能に結合された蓋と、(3)基部と蓋とによって形成された空洞であって、拡張現実メガネを収納するように寸法決めされた空洞と、(4)人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために拡張現実メガネの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素と、(5)拡張現実メガネが空洞内に配置され、蓋が基部に対して閉じられているときに、拡張現実メガネの受電用充電要素に力を加えてソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドとを備えることができる。
【0091】
実施例17、充電ケースの位置合わせガイドは、人工現実ディスプレイが充電ケース内に配置されたときに、人工現実ディスプレイの受電用充電要素をソース充電要素と位置合わせするように位置決めされる、実施例16に記載の充電ケース。
【0092】
実施例18、充電ケースの位置合わせガイドが、人工現実ディスプレイが充電ケース内に封入されているときに、受電用充電要素とソース充電要素との間の通電結合部の導通を確保する特定の位置に人工現実ディスプレイを固定する、実施例16又は17のいずれか一例に記載の充電ケース。
【0093】
実施例19、拡張現実メガネの少なくとも1つのテンプルを支持するように位置決めされた少なくとも1つのテンプルブロックをさらに備え、充電ケースの位置合わせガイドは、テンプルブロックに形成された1つ又は複数の凹部を備え、その凹部は、充電ケース内の特定の位置に拡張現実メガネを保持するように位置決めされる、実施例16~18のいずれか一例に記載の充電ケース。
【0094】
実施例20、方法は、(1)人工現実ディスプレイを充電するための充電ケースの基部を製造することと、(2)基部に移動可能に結合された充電ケースの蓋を製造することと、(3)人工現実ディスプレイを収納する空洞を形成するように基部及び蓋を寸法決めすることと、(4)人工現実ディスプレイのバッテリの充電を容易にするために、人工現実ディスプレイの受電用充電要素とインタフェース接続するように構成された少なくとも1つのソース充電要素を充電ケースに組み込むことと、(5)人工現実ディスプレイが空洞内に配置されたときに、人工現実ディスプレイの受電用充電要素に力を加えて人工現実ディスプレイのソース充電要素と通電可能に結合させる少なくとも1つの位置合わせガイドを充電ケースに組み込むこととを含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、コンピュータ可読命令を格納又は搬送することができる、任意の形態のデバイス、キャリア、又は媒体を指す。コンピュータ可読媒体の例としては、非限定的に、搬送波などの伝送タイプの媒体、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、及びフロッピーディスク)などの非一時的タイプの媒体、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、及びブルーレイディスク)、電子記憶媒体(例えば、固体ドライブ及びフラッシュメディア)、ならびに他の分配システムが挙げられる。
【0096】
本開示の実施形態は、様々なタイプの人工現実システムを含むか、又はそれらとともに実装される場合がある。人工現実は、ユーザに提示する前に何らかの形で調節されている1つの形態の現実であり、例えば、仮想現実、拡張現実、複合現実、ハイブリッド現実、あるいは上記の何らかの組合せ及び/又は派生物を含んでもよい。人工現実コンテンツは、全てコンピュータ生成されたコンテンツ、又はキャプチャされた(例えば、実世界)コンテンツと組み合わされた、コンピュータ生成されたコンテンツを含んでもよい。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、又はそれらの何らかの組合せを含み得、これらのうちのいずれかが、単一チャネルで、又は(閲覧者に対して3次元(3D)効果をもたらすステレオビデオなど)複数チャネルで提示され得る。それに加えて、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、あるいは例えば、人工現実でコンテンツを作り出すのに使用される、及び/又は別の形で人工現実で使用される(例えば、アクティビティを実施する)、上記の何らかの組合せと関連付けられてもよい。
【0097】
人工現実システムが、様々な異なるフォームファクタ及び構成において実装され得る。いくつかの人工現実システムは、ニアアイディスプレイ(NED)なしで動作するように設計される場合がある。他の人工現実システムは、実世界への可視性をやはり提供する(例えば、
図15の拡張現実システム1500など)か、又はユーザを人工現実に視覚的に没入させる(例えば、
図16の仮想現実システム1600など)NEDを含んでもよい。いくつかの人工現実デバイスは、自己完結型システムであり得るが、他の人工現実デバイスは、ユーザに人工現実体感を提供するために、外部デバイスと通信及び/又は協調し得る。そのような外部デバイスの例は、ハンドヘルドコントローラ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ユーザによって着用されるデバイス、1人又は複数の他のユーザによって着用されるデバイス、及び/又は任意の他の好適な外部システムを含む。
【0098】
図15に移ると、拡張現実システム1500は、左側のディスプレイデバイス1515(A)及び右側のディスプレイデバイス1515(B)をユーザの目の前で保持するように構成されたフレーム1510を有する、アイウェアデバイス1502を含んでもよい。ディスプレイデバイス1515(A)と1515(B)とは、ユーザに画像又は一連の画像を提示するために、一緒に又は独立して動作することができる。拡張現実システム1500は2つのディスプレイを含むが、本開示の実施形態は、単一のNED又は2つを超えるNEDを有する拡張現実システムで実施することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、拡張現実システム1500は、センサ1540などの1つ又は複数のセンサを含む場合がある。センサ1540は、拡張現実システム1500の動きに応答して測定信号を生成し得、フレーム1510の実質的に任意の部分上に位置決めされ得る。センサ1540は、位置センサ、慣性測定ユニット(IMU)、深度カメラアセンブリ、構造化光エミッタ及び/又は検出器、若しくはそれらの任意の組合せなど、様々な異なるセンシングメカニズムの1つ又は複数を表してもよい。いくつかの実施形態では、拡張現実システム1500は、センサ1540を含むことが可能であり、又は含まないことも可能であり、又は複数のセンサを含むことも可能である。センサ1540がIMUを含む実施形態では、IMUは、センサ1540からの測定信号に基づいて較正データを生成し得る。センサ1540の例には、限定されないが、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、動きを検出する他の好適なタイプのセンサ、IMUのエラー訂正のために使用されるセンサ、又はこれらの何らかの組合せが含まれ得る。
【0100】
いくつかの例では、拡張現実システム1500はまた、集合的に音響トランスデューサ1520と呼ばれる、複数の音響トランスデューサ1520(A)~1520(J)を含むマイクロホンアレイを含んでもよい。音響トランスデューサ1520は、音波によって誘発される空気圧の変動を検出する変換器を表してもよい。各音響トランスデューサ1520は、音を検出し、検出された音を電子フォーマット(例えば、アナログ又はデジタル形式)に変換するように構成されてもよい。
図15におけるマイクロホンアレイは、例えば、10個の音響トランスデューサ、即ち、ユーザの対応する耳の内側に配置されるように設計されることが可能である音響トランスデューサ1520(A)及び1520(B)、フレーム1510上の様々な場所に位置決めされることが可能である音響トランスデューサ1520(C)、1520(D)、1520(E)、1520(F)、1520(G)、及び1520(H)、ならびに/又は対応するネックバンド1505上に位置決めされることが可能である音響トランスデューサ1520(I)及び1520(J)を含むことが可能である。
【0101】
いくつかの実施形態では、音響トランスデューサ1520(A)~(J)の1つ又は複数は出力変換器(例えば、スピーカ)として使用されてもよい。例えば、音響トランスデューサ1520(A)及び/又は1520(B)は、イヤホン又は他の任意の好適なタイプのヘッドホン若しくはスピーカであり得る。
【0102】
マイクロホンアレイの音響トランスデューサ1520の構成は、異なる場合がある。拡張現実システム1500は10個の音響トランスデューサ1520を有するように
図15に示されているが、音響トランスデューサ1520の数は10より多くても少なくてもよい。いくつかの実施形態では、より多くの数の音響トランスデューサ1520を使用することにより、収集されるオーディオ情報の量、及び/又はオーディオ情報の感度及び精度を増大させることができる。対照的に、より少数の音響トランスデューサ1520を使用することは、収集されたオーディオ情報を処理するために、関連するコントローラ1550によって必要とされる計算力を減少させ得る。加えて、マイクロホンアレイの各音響トランスデューサ1520の位置は、変動し得る。例えば、音響トランスデューサ1520の位置は、ユーザ上の定義された位置、フレーム1510上の定義された座標、各音響トランスデューサ1520に関連する向き、又はそれらの何らかの組合せを含み得る。
【0103】
音響トランスデューサ1520(A)及び1520(B)は、耳介の後方、耳珠の後方、及び/又は耳殻若しくは窩内など、ユーザの耳の異なる部分に位置決めされてもよい。又は、外耳道内部の音響トランスデューサ1520に加えて、耳の上又は周りに追加の音響トランスデューサ1520が存在する場合がある。音響トランスデューサ1520をユーザの外耳道の近くに位置決めすることで、音がどのように外耳道に到達するかに関する情報を、マイクロホンアレイが収集することを可能にすることができる。少なくとも2つの音響トランスデューサ1520を(例えば、両耳マイクロホンとして)ユーザの頭の両側に位置決めすることにより、拡張現実デバイス1500は、両耳聴覚をシミュレートし、ユーザの頭の周りの3D立体音場を捕捉することができる。いくつかの実施形態では、音響トランスデューサ1520(A)及び1520(B)は、有線接続1530を介して拡張現実システム1500に接続される場合があり、他の実施形態では、音響トランスデューサ1520(A)及び1520(B)は、ワイヤレス接続(例えば、Bluetooth接続)を介して拡張現実システム1500に接続される場合がある。さらに他の実施形態では、音響トランスデューサ1520(A)及び1520(B)は、拡張現実システム1500とともに全く使用されない場合がある。
【0104】
フレーム1510上の音響トランスデューサ1520は、テンプルの長さに沿って、ブリッジを横切って、ディスプレイデバイス1515(A)及び1515(B)の上方若しくは下方で、又はそれらの何らかの組合せを含む、様々な異なる手法で位置決めされてもよい。音響トランスデューサ1520はまた、マイクロホンアレイが拡張現実システム1500を装着しているユーザを取り囲む広範囲の方向で、音を検出できるように配向されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンアレイ内の各音響トランスデューサ1520の相対的な位置決めを決定するために、拡張現実システム1500の製造中に最適化プロセスが実施される場合がある。
【0105】
いくつかの例では、拡張現実システム1500は、ネックバンド1505などの外部デバイス(例えば、ペアデバイス)を含むか、又はそれに接続される場合がある。ネックバンド1505は、通常、任意のタイプ又は形態のペアリデバイスを表す。したがって、ネックバンド1505の以下の考察は、充電ケース、スマートウォッチ、スマートフォン、リストバンド、他のウェアラブルデバイス、手持ち式コントローラ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、他の外部計算デバイスなど、他の様々なペアリングしたデバイスにも当てはまってもよい。
【0106】
示されているように、ネックバンド1505は、1つ又は複数のコネクタを介してアイウェアデバイス1502に結合され得る。コネクタは、ワイヤード又はワイヤレスであり得、電気的及び/又は非電気的(例えば、構造的)構成要素を含み得る。いくつかの場合には、アイウェアデバイス1502及びネックバンド1505は、アイウェアデバイス1502とネックバンド1505との間の有線接続又はワイヤレス接続なしに独立して動作し得る。
図15は、アイウェアデバイス1502及びネックバンド1505上の例示的な場所におけるアイウェアデバイス1502及びネックバンド1505の構成要素を示しているが、これらの構成要素は、アイウェアデバイス1502及び/又はネックバンド1505上で他のどこかに配置されること、及び/又は異なる形で分散されることが可能である。いくつかの実施形態では、アイウェアデバイス1502及びネックバンド1505の構成要素は、アイウェアデバイス1502、ネックバンド1505、又はそれらの何らかの組合せとペアになる1つ又は複数の追加の周辺デバイス上に位置する場合がある。
【0107】
拡張現実アイウェアデバイスとの、ネックバンド1505など、ペアリング外部デバイスは、アイウェアデバイスが、十分なバッテリと拡張された能力のための計算力とを依然として提供しながら、一対のメガネのフォームファクタを達成することを可能にし得る。拡張現実システム1500のバッテリ電源、計算リソース、及び/又は追加的機能の一部又は全部は、ペアデバイスによって提供され得るか、又はペアデバイスとアイウェアデバイスとの間で共有され得るので、所望の機能を依然として保持しながら、アイウェアデバイス全体の重量、熱プロファイル、及びフォームファクタが低減される。例えば、ユーザは自分の頭で耐えられるよりも重い荷重を自分の肩で耐えることができるので、ネックバンド1505は、そうでない場合アイウェアデバイス上に含まれるはずの構成要素がネックバンド1505に含まれることを可能にすることができる。ネックバンド1505はまた、熱を周囲環境に拡散及び分散させるために、その上により大きい表面積を有することもできる。これにより、ネックバンド1505は、単体のアイウェアデバイス上で場合によっては可能であったかもしれないよりも大きなバッテリ及び計算キャパシティを可能にし得る。ネックバンド1505内で支えられる重量は、アイウェアデバイス1502内で支えられる重量よりもユーザにとってあまり侵害するものではないので、ユーザは、重い単体のアイウェアデバイスを装着することを耐えるよりも長い時間の間、より軽いアイウェアデバイスを装着すること、ならびにペアデバイスを携行及び装着することを耐えることができ、これにより、ユーザが人工現実環境を自分の毎日の活動により完全に組み込むことが可能になる。
【0108】
ネックバンド1505は、アイウェアデバイス1502と、及び/又は他のデバイスと通信可能に結合され得る。これらの他のデバイスは、拡張現実システム1500にいくつかの機能(例えば、追跡、位置特定、深度マッピング、処理、記憶など)を提供することができる。
図15の実施形態では、ネックバンド1505は、マイクロホンアレイの一部である(又はそれら自体のマイクロホンサブアレイを潜在的に形成する)2つの音響トランスデューサ(例えば、1520(I)及び1520(J))を含む場合がある。ネックバンド1505は、コントローラ1525と電源1535も含み得る。
【0109】
ネックバンド1505の音響トランスデューサ1520(I)及び1520(J)は、音を検出し、検出された音を電子フォーマット(アナログ又はデジタル)に変換するように構成される場合がある。
図15の実施形態においては、音響トランスデューサ1520(I)及び1520(J)は、ネックバンド1505上に位置決めすることが可能であり、それによって、ネックバンドの音響トランスデューサ1520(I)及び1520(J)と、アイウェアデバイス1502上に位置決めされているその他の音響トランスデューサ1520との間の距離を増大させる。いくつかの事例では、マイクロホンアレイの音響トランスデューサ1520間の距離を長くすることにより、マイクロホンアレイを介して実施されるビーム形成の精度を向上させることができる。例えば、音が音響トランスデューサ1520(C)及び1520(D)によって検出され、音響トランスデューサ1520(C)と1520(D)との間の距離が、例えば、音響トランスデューサ1520(D)と1520(E)との間の距離より長い場合、検出された音の決定された音源の位置は、音が音響トランスデューサ1520(D)及び1520(E)によって検出された場合より正確であり得る。
【0110】
ネックバンド1505のコントローラ1525は、ネックバンド1505及び/又は拡張現実システム1500上のセンサによって生成された情報を処理することができる。例えば、コントローラ1525は、マイクロホンアレイによって検出された音を記述するマイクロホンアレイからの情報を処理することができる。各検出された音について、コントローラ1525は、検出された音がマイクロホンアレイに到着した方向を推定するために、到着方向(DOA)推定を実施し得る。マイクロホンアレイが音を検出する際、コントローラ1525は、音声データセットに情報を投入することができる。拡張現実システム1500が慣性測定ユニットを含む実施形態では、コントローラ1525は、アイウェアデバイス1502上に位置するIMUから慣性及び空間の計算を算出することができる。コネクタは、拡張現実システム1500とネックバンド1505との間、及び拡張現実システム1500とコントローラ1525との間で情報を伝達することができる。情報は、光データ、電気データ、ワイヤレスデータの形態、又は任意の他の送信可能なデータ形態にあり得る。拡張現実システム1500によって生成された情報の処理をネックバンド1505に移動することは、アイウェアデバイス1502中の重み及び熱を低減し、アイウェアデバイス1502をユーザにとってより快適にし得る。
【0111】
ネックバンド1505中の電源1535は、アイウェアデバイス1502に及び/又はネックバンド1505に電力を供給し得る。電源1535には、限定されないが、リチウムイオン電池、リチウム-ポリマー電池、一次リチウム電池、アルカリ電池、又は他の任意の形態の電源が含まれ得る。場合によっては、電源1535は有線の電源であってもよい。アイウェアデバイス1502上の代わりにネックバンド1505上に電源1535を含むことは、電源1535によって生成された重み及び熱をより良く分散させるのを助け得る。
【0112】
言及されたように、いくつかの人工現実システムは、人工現実を実際の現実と混合させるのではなく、現実世界のユーザの知覚のうちの1つ又は複数を仮想体験と実質的に置き換えることができる。このタイプのシステムの一例は、ユーザの視野をほとんど又は完全にカバーする、
図16における仮想現実システム1600など、頭に装着されるディスプレイシステムである。仮想現実システム1600は、フロントリジッドボディ1602及びユーザの頭の周りに一致する形状のバンド1604を含み得る。仮想現実システム1600は、出力オーディオトランスデューサ1606(A)及び1606(B)を含む場合もある。さらに、
図16に示されていないが、フロントリジッドボディ1602は、1つ若しくは複数の電子ディスプレイ、1つ若しくは複数の慣性測定ユニット(IMU)、1つ若しくは複数の追跡エミッタ若しくは検出器、及び/又は人工現実体験を生み出すための任意の他の好適なデバイス若しくはシステムを含む、1つ又は複数の電子要素を含む場合もある。
【0113】
人工現実システムは、様々なタイプの視覚フィードバック機構を含む場合がある。例えば、拡張現実システム1500及び/又は仮想現実システム1600の表示装置は、1つ又は複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、デジタルライトプロジェクト(DLP)マイクロディスプレイ、反射型液晶プロジェクタ(LCoS)マイクロディスプレイ、及び/又は任意の他の好適な種類の表示スクリーンを含み得る。これらの人工現実システムは、両目に対して単一の表示画面を含んでもよく、又は各目に表示画面を提供してもよく、それによって可変焦点調節又はユーザの屈折異常補正のための追加の柔軟性を可能にしてもよい。これらの人工現実システムの一部はまた、1つ又は複数のレンズ(例えば、従来の凹若しくは凸レンズ、フレネルレンズ、調節可能な液体レンズなど)を有する光学サブシステムを含んでもよく、それを通してユーザは表示画面を見てもよい。これらの光学サブシステムは、コリメートする(例えば、物体がその物理的距離よりも遠い距離に見えるようにする)、拡大する(例えば、物体がその実際のサイズよりも大きく見えるようにする)、及び/又は光を(例えば、見る者の目に)中継することを含む、様々な目的に役立ってもよい。これらの光学サブシステムは、非瞳孔形成アーキテクチャ(光を直接コリメートするが、いわゆる糸巻き型歪曲をもたらす単レンズ構成など)、及び/又は瞳孔形成アーキテクチャ(糸巻き型歪曲を無効化するいわゆる樽型歪曲を生み出す多レンズ構成など)で使用されてもよい。
【0114】
表示画面を使用することに加えて、又はその代わりに、本明細書に記載する人工現実システムの一部は、1つ又は複数の投影システムを含んでもよい。例えば、拡張現実システム1500及び/又は仮想現実システム1600中のディスプレイデバイスは、周辺の光が通過することを可能にするクリアなコンバイナレンズなど、ディスプレイデバイス中に(例えば、導波路を使用して)光を投影する、マイクロLEDプロジェクタを含んでもよい。ディスプレイデバイスは、投影された光をユーザの瞳孔に向けて屈折させることができ、ユーザが人工現実コンテンツと現実世界の両方を同時に視ることを可能にすることができる。ディスプレイデバイスは、導波路構成要素(例えば、ホログラフィック型、平面型、回折型、偏光型、及び/又は反射型の導波路要素)、光操作面及び光操作要素(回折型、反射型、及び屈折型の要素ならびに格子など)、結合要素などを含む様々な異なる光学構成要素のいずれかを使用してこれを完遂する場合がある。人工現実システムは、仮想網膜ディスプレイで使用される網膜プロジェクタなど、任意の他の好適なタイプ又は形式の画像投影システムを有するように構成される場合もある。
【0115】
本明細書で説明する人工現実システムはまた、様々なタイプのコンピュータビジョン構成要素及びサブシステムを含んでもよい。例えば、拡張現実システム1500及び/又は仮想現実システム1600は、二次元(2D)若しくは3Dカメラ、構造化された光送信機及び光検出器、飛行時間深度センサ、シングルビーム若しくはスイープレーザ距離計、3D LiDARセンサ、ならびに/又は任意の他の好適なタイプ若しくは形式の光学センサなどの1つ若しくは複数の光学センサを含む場合がある。人工現実システムは、これらのセンサのうちの1つ又は複数からのデータを処理して、ユーザの位置を識別し、現実世界をマッピングし、現実世界環境に関するコンテキストをユーザに提供し、かつ/又は様々な他の機能を実行することができる。
【0116】
本明細書で説明する人工現実システムはまた、1つ若しくは複数の入力及び/又は出力音声変換器を含んでもよい。出力音声変換器は、ボイスコイルスピーカ、リボンスピーカ、静電型スピーカ、圧電スピーカ、骨伝導変換器、軟骨伝導変換器、耳珠振動変換器、及び/又は他の任意の好適なタイプ若しくは形態の音声変換器を含んでもよい。同様に、入力音声トランスデューサは、コンデンサマイクロホン,ダイナミックマイクロホン,リボンマイクロホン、及び/又は他の任意の種類若しくは形態の入力トランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態では、単一のトランスデューサが、オーディオ入力とオーディオ出力の両方のために使用され得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明する人工現実システムはまた、ヘッドウェア、グローブ、ボディスーツ、手持ち式コントローラ、環境デバイス(例えば、椅子、フロアマットなど)、及び/又は他の任意のタイプのデバイス若しくはシステムに組み込まれてもよい、触覚(即ち、力覚)フィードバックシステムを含んでもよい。触覚フィードバックシステムは、振動、力、牽引、テクスチャ、及び/又は温度を含む、様々なタイプの皮膚性フィードバックを提供し得る。触覚フィードバックシステムはまた、動き及びコンプライアンスなど、様々なタイプの運動感覚フィードバックを提供し得る。触覚フィードバックは、モーター、圧電アクチュエータ、流体システム、及び/又は様々な他のタイプのフィードバックメカニズムを使用して実装され得る。触覚フィードバックシステムは、他の人工現実デバイスとは関係なく、他の人工現実システム内で、かつ/又は他の人工現実システムと連携して実装される場合がある。
【0118】
触覚の知覚、可聴コンテンツ、及び/又は可視コンテンツを提供することにより、人工現実システムは、全体的な仮想体験を生み出し、様々な状況及び環境におけるユーザの現実世界体験を高めることができる。例えば、人工現実システムは、特定の環境内のユーザの知覚、記憶、又は認識を支援又は拡張することができる。いくつかのシステムは、実世界中の他の人々とのユーザの相互作用を向上させ得るか、又は仮想世界中の他の人々とのより没入できる相互作用を可能にし得る。人工現実システムは、教育目的(例えば、学校、病院、政府組織、軍隊組織、企業などにおける教育又は訓練用)、娯楽目的(例えば、ビデオゲームをプレイするため、音楽を聴くため、ビデオコンテンツを見るためなど)、及び/又は(例えば、補聴器、視覚教材などのような)アクセシビリティ目的に使用される場合もある。本明細書に開示された実施形態は、これらの状況及び環境ならびに/又は他の状況及び環境のうちの1つ又は複数におけるユーザの人工現実体験を可能にするか、又は高めることができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムの1つ又は複数のオブジェクト(例えば、センサに関連するデータ、及び/又は活動情報)は、1つ又は複数のプライバシー設定と関連付けられている場合がある。これらのオブジェクトは、例えば、ソーシャルネットワーキングシステム、クライアントシステム、サードパーティシステム、メッセージングアプリケーション、写真共有アプリケーション、バイオメトリックデータ取得アプリケーション、人工現実アプリケーションなどの任意の好適なコンピューティングシステム又はアプリケーション、及び/又は他の任意の好適なコンピューティングシステム又はアプリケーションに保存されるか、又は他の方法で関連付けられ得る。
【0120】
オブジェクトについてのプライバシー設定(又は「アクセス設定」)は、例えば、オブジェクトと関連付けて、許諾サーバ上のインデックスに、別の好適な様式で、又はそれらの任意の好適な組合せなど、任意の好適な様式で記憶され得る。オブジェクトのプライバシー設定は、アプリケーション(人工現実アプリケーションなど)内で、オブジェクト(又はオブジェクトに関連付けられた特定の情報)にアクセス、記憶、又はその他の方法で使用(例えば、閲覧、共有、修正、コピー、実行、表面化、又は識別)する方法を指定することができる。オブジェクトについてのプライバシー設定が、特定のユーザ又は他のエンティティがそのオブジェクトにアクセスすることを可能にするとき、オブジェクトは、そのユーザ又は他のエンティティに関して「可視」であるものとして説明され得る。一例として、人工現実アプリケーションのユーザは、ユーザプロファイルページのプライバシー設定を指定して、ユーザプロファイルページ上の人工現実アプリケーション情報にアクセスすることができるユーザの集合を特定し、その結果、他のユーザがその情報にアクセスすることを排除することができる。別の例として、人工現実アプリケーションは、プライバシーポリシー/ガイドラインを記憶することができる。プライバシーポリシー/ガイドラインは、どのエンティティ及び/又はどのプロセス(例えば、内部調査、広告アルゴリズム、機械学習アルゴリズム)によってユーザのどの情報にアクセスできるかを指定することができ、がユーザのどの情報にアクセスできるかを指定することができ、したがって、ユーザのある特定の情報のみがあるエンティティ又はプロセスによってアクセスされることが保証される。
【0121】
特定の実施形態では、オブジェクトのプライバシー設定は、オブジェクトと関連付けられた特定の情報へのアクセスが許可されるべきではないユーザ又は他のエンティティの「ブロックリスト」を指定していてもよい。場合によっては、ブロックリストは、サードパーティエンティティを含み得る。ブロックリストは、オブジェクトが可視でない1つ又は複数のユーザ又はエンティティを指定し得る。
【0122】
オブジェクトに関連付けられたプライバシー設定は、許諾されるアクセス又はアクセスの拒否の任意の好適なグラニュラリティを指定し得る。一例として、アクセス又はアクセス拒否は、特定のユーザ(例えば、私のみ、私のルームメート、私の上司)、特定の隔たりがあるユーザ(例えば、友人、友人の友人)、ユーザグループ(例えば、ゲームクラブ、私の家族)、ユーザネットワーク(例えば、特定の雇用主の従業員、特定の大学の学生又は卒業生)、全てのユーザ(「パブリック」)、ユーザなし(「プライベート」)、第三者システムのユーザ、特定のアプリケーション(例えば、第三者アプリケーション、外部ウェブサイト)、他の好適なエンティティ、又はそれらの任意の好適な組合せに対して指定され得る。特定の実施形態では、ユーザと関連付けられた同じタイプの異なるオブジェクトが異なるプライバシー設定を有していてもよい。加えて、特定のオブジェクトタイプのオブジェクトに対して、1つ又は複数のデフォルトのプライバシー設定を設定してもよい。
【0123】
本明細書で説明及び/又は図示されたステップのプロセスパラメータ及びシーケンスは、単に例として与えられており、必要に応じて変動させられ得る。例えば、本明細書で図示及び/又は説明されたステップは、特定の順序で示されるか又は考察され得るが、これらのステップは、図示又は考察された順序で実行される必要が必ずしもあるとは限らない。本明細書で説明及び/又は図示された様々な例示的な方法はまた、本明細書で説明又は図示されたステップのうちの1つ又は複数を省略するか、又は開示されたものに加えて追加のステップを含み得る。
【0124】
上記の説明は、他の当業者が、本明細書で開示された様々な態様の例示的な実施形態を最も良く利用することを可能にするために提供された。この例示的な説明は、網羅的なものではないか、又は開示されたいずれかの厳密な形態に限定されるものではない。多くの変更形態及び変形形態が、本開示の範囲から逸脱することなく可能である。本明細書で開示された実施形態は、あらゆる点で限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。本開示の範囲を決定する際には、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物への参照が行われるべきである。
【0125】
特に断りのない限り、本明細書及び/又は特許請求の範囲で使用される「~に接続された」及び「~に結合された」という用語(ならびにそれらの派生語)は、直接接続と間接(即ち、他の要素又は構成要素を介した)接続の両方を可能にするものと解釈されるべきである。加えて、「a」又は「an」という用語は、明細書及び/又は特許請求の範囲で使用するとき、「少なくとも1つの~」を意味するものと解釈されるべきである。最後に、使用が容易なように、明細書及び/又は特許請求の範囲で使用される、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語(及びそれらの派生語)は、「備える(comprising)」という単語と交換可能であり、「備える」という単語と同じ意味を有する。
【国際調査報告】