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特表2024-503084ヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】ヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレー
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/122 20060101AFI20240117BHJP
   H01F 7/14 20060101ALI20240117BHJP
   H01H 50/18 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H01F7/122 B
H01F7/14 E
H01F7/14 F
H01F7/14 C
H01F7/14 D
H01H50/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542939
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2022071856
(87)【国際公開番号】W WO2022152219
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202110054313.5
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,シュミン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ジョォンボ
(72)【発明者】
【氏名】チ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ウェングアン
【テーマコード(参考)】
5E048
【Fターム(参考)】
5E048AB04
5E048AC05
5E048AD18
5E048CA02
(57)【要約】
【課題】コイル(1)と、L形アーマチュア(2)と、L形ヨーク(3)と、永久磁石(4)とを備えるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーを提供する。
【解決手段】L形アーマチュア(2)は、180度回転した後にL形ヨーク(3)の側辺に配置され、共に枠形形状の輪郭を囲んでおり、枠形の対向する2つの対角において、L形アーマチュア(2)とL形ヨーク(3)との接続箇所に所定の第1の隙間が設けられており、L形ヨーク(3)は、L形に形成された第1のヨーク部(31)と第2のヨーク部(32)とを備え、コイル(1)は、L形ヨーク(3)の第1のヨーク部(31)に配置され、永久磁石(4)の一端は、L形ヨーク(3)の第1のヨーク部(31)に接続され、L形アーマチュア(2)は、L形に形成された第1のアーマチュア部(21)と第2のアーマチュア部(22)とを備え、第1のアーマチュア部(21)は、永久磁石(4)の他端に配置されてシーソー式運動を行うことで、永久磁石(4)と部材構造が非対称であるL形アーマチュア(2)とL形ヨーク(3)との間で双安定磁気回路を形成し、コイル(4)の励起により双安定磁気回路の2つの安定状態の切替を実現する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、L形アーマチュアと、L形ヨークと、永久磁石とを備えるヒンジ型の双安定磁気回路構造であって、
前記L形アーマチュアは、180度回転した後に前記L形ヨークの側辺に配置され、共に枠形形状の輪郭を囲んでおり、前記枠形の対向する2つの対角において、前記L形アーマチュアと前記L形ヨークとの接続箇所に所定の第1の隙間がそれぞれ設けられており、前記L形ヨークは、L形に形成された第1のヨーク部と第2のヨーク部とを備え、前記コイルは、L形ヨークの前記第1のヨーク部に配置され、前記永久磁石の一端は、前記L形ヨークの前記第1のヨーク部に接続され、前記L形アーマチュアは、L形に形成された第1のアーマチュア部と第2のアーマチュア部とを備え、前記第1のアーマチュア部は、前記永久磁石の他端に配置されてシーソー式運動を行うことで、前記永久磁石と、部材構造が非対称である前記L形アーマチュア及び前記L形ヨークとの間で双安定磁気回路を形成し、コイルの励起により双安定磁気回路の2つの安定状態間の切替を実現することを特徴とする、ヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項2】
前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部と前記L形ヨークの第1のヨーク部とは、前記枠形形状の2つの対向辺にそれぞれ位置し、前記永久磁石の一端は、L形アーマチュアと前記L形ヨークとで囲まれた前記枠形形状の内部において、前記L形ヨークの第1のヨーク部に垂直に接続され、前記永久磁石の両端の端面は、磁極面であることを特徴とする、請求項1に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項3】
前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の末端の内側面は、前記L形ヨークの第2のヨーク部の端面に対応し、前記L形ヨークの第1のヨーク部の末端の内側面は、前記L形アーマチュアの第2のアーマチュア部の端面に対応することを特徴とする、請求項2に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項4】
前記双安定磁気回路は、永久磁石、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の一部、前記L形ヨーク第2のヨーク部、前記L形ヨークの第1のヨーク部の一部を経過する第1の磁気回路と、永久磁石、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の他の一部と、前記L形アーマチュアの第2のアーマチュア部、前記L形ヨークの第1のヨーク部の他の一部を経過する第2の磁気回路とからなることを特徴とする、請求項3に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項5】
前記双安定磁気回路において、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の末端の内側面が前記L形ヨークの第2のヨーク部の端面に接して前記枠形の対向する2つの対角のうちの1つの対角の第1の隙間が他の対角の第1の隙間よりも小さい場合、前記L形アーマチュアは、1つの安定状態にあり、前記L形ヨークの第1のヨーク部の末端の内側面が前記L形アーマチュアの第2のアーマチュア部の端面に接して枠形の対向する2つの対角のうちの前記他の対角の第1の隙間が前記1つの対角の第1の隙間よりも小さい場合、前記L形アーマチュアは、他の安定状態にあることを特徴とする、請求項4に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項6】
前記永久磁石は、前記L形ヨークの第1のヨーク部の中央部と前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の中央部との間に位置することを特徴とする、請求項2~5のいずれか1項に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項7】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の長さ寸法は、前記L形アーマチュアの前記第2のアーマチュア部の長さ寸法よりも大きく、前記L形ヨークの前記第1のヨーク部の長さ寸法は、前記L形ヨークの前記第2のヨーク部の長さ寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項8】
前記コイルは、コイルボビンとコイルボビンの巻線窓に巻回されたエナメル線とを備え、前記L形ヨークの前記第1のヨーク部は、前記コイルボビンの鉄心取付孔に挿着され、前記コイルボビンの巻線窓の中央部には前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部に向かう永久磁石取付孔が設けられており、前記永久磁石取付孔は、前記鉄心取付孔と連通し、前記永久磁石は、前記コイルボビンの永久磁石取付孔に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項9】
前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、前記永久磁石の他端を回転支持点として前記L形ヨークと揺動可能に協働して、シーソー式運動を実現することを特徴とする、請求項8に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項10】
前記永久磁石の他端の端面に突出した第1の凸部が設けられており、前記第1の凸部は、前記永久磁石と一体に成形され、前記永久磁石の第1の凸部は、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の内側面に当接することで、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、前記永久磁石の他端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働することを特徴とする、請求項9に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項11】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の内側面に突出した第2の凸部が設けられており、前記第2の凸部は、前記第1のアーマチュア部と一体に成形され、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の第2の凸部は、前記永久磁石の他端の端面に当接することで、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、前記永久磁石の他端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働することを特徴とする、請求項9に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項12】
前記永久磁石の他端と前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部との間に導磁部材がさらに取付されており、前記導磁部材におけるL形アーマチュアの第1のアーマチュア部に接続された一端には突出した第3の凸部が設けられており、前記第3の凸部は、前記導磁部材と一体に成形されることで、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部は、前記導磁部材の対応端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働することを特徴とする、請求項9に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項13】
前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺にリミッティングシャフトがそれぞれ設けられており、前記リミッティングシャフトの中心線は、前記永久磁石の一端から他端に、且つ前記回転支持点を経過する接続線または延長線に直交し、前記コイルボビンに前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の方向に延びる第4の凸部が設けられており、前記第4の凸部に前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の前記リミッティングシャフトに配置された溝が設けられており、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトは、前記コイルボビンの前記第4の凸部の前記溝に回転可能且つリミットに配置されていることを特徴とする、請求項9~12のいずれか1項に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項14】
前記リミッティングシャフトの中心線は、前記回転支持点と重なることを特徴とする、請求項13に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項15】
前記コイルボビンの前記第4の凸部の前記溝は、前記L形アーマチュアの前記リミッティングシャフトと円弧状で協働することを特徴とする、請求項13に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項16】
前記L形アーマチュアの前記リミッティングシャフトは、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺に一体に成形された第5の凸部であることを特徴とする、請求項13に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項17】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の一部にプラスチック部材が被覆されており、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトは、前記プラスチック部材に一体に成形され且つ前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺に対応する第6の凸部であることを特徴とする、請求項13に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項18】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部に圧力バネが接続され、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部は、前記圧力バネを介して前記コイルボビンに接続されていることを特徴とする、請求項9~12のいずれか1項に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項19】
前記圧力バネは、主片体とフラップとを備え、前記フラップは、前記主片体の両辺で折り曲げられ一方の面に突出し、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の前記L形ヨークの前記第1のヨーク部に背向する面が外部に突出してバンプが設けられ、前記主片体に第1の係合孔が設けられており、前記主片体の前記第1の係合孔は、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の前記バンプに対応して合わせ、前記圧力バネのフラップは、前記コイルボビンに延び、前記コイルボビンに接続されていることを特徴とする、請求項18に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項20】
前記圧力バネのフラップに第2の係合孔が設けられており、前記コイルボビンの対応位置に係止ブロックが設けられており、前記圧力バネのフラップの第2の係合孔は、前記コイルボビンの係止ブロックと係止して合わせることを特徴とする、請求項19に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項21】
前記圧力バネのフラップの第2の係合孔は、長尺状であり、前記第2の係合孔の一辺に係止片が設けられており、前記係止ブロックの前記圧力バネの主片体に向かう側に斜面が設けられており、前記係止ブロックの前記圧力バネの主片体に背向する側が直面とされ、前記第2の係合孔の係止片は、前記係止ブロックの直面に合わせることを特徴とする、請求項20に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項22】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の前記L形ヨークの前記第1のヨーク部に背向する面に凹部が設けられており、前記圧力バネに前記凹部に対応する弾性舌片が設けられており、前記圧力バネの弾性舌片は、前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の凹部に当接することを特徴とする、請求項19に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項23】
前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部と前記永久磁石の他端との間に所定の第2の隙間が設けられ、前記L形アーマチュアの幅方向の両側辺において、永久磁石の一端から他端までの接続線に対応する延長線に、回動軸が設けられており、該回動軸によりシーソー式運動を実現し、前記コイルボビンにL形アーマチュアの回動軸を支持する支持部が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造。
【請求項24】
ベースと、静バネ部分と、動バネ部分と、プッシュカードと、請求項1~23のいずれか1項に記載のヒンジ型の双安定磁気回路構造と、を備える磁気ラッチングリレーであって、
前記ヒンジ型の双安定磁気回路構造と静バネ部分と動バネ部分とは、ベースにそれぞれ取付され、前記プッシュカードは、ヒンジ型の双安定磁気回路構造のL形アーマチュアの第1のアーマチュア部と動バネ部分の動バネ片との間に接続されていることを特徴とする、磁気ラッチングリレー。
【請求項25】
前記ベースと前記ヒンジ型の双安定磁気回路構造のコイルのコイルボビンとは、一体射出成形された一体部材であり、前記ベースには、L形アーマチュアを装着するのに便利な貫通孔が設けられていることを特徴とする、請求項24に記載の磁気ラッチングリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リレー技術分野に関し、特に、ヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
双安定磁気回路構造は、磁気回路構造に永久磁石を加え、永久磁石を利用して、リレーの可動接点と固定接点の開と閉の状態で双方向磁場回路を形成し、磁場回路によってアーマチュアなどの可動アセンブリの動作に対して保持力の作用が発生し、さらに、リレーの可動接点と固定接点の開と閉の保持状態を実現し、コイルは、可動接点と固定接点の開と閉の瞬間にのみ励起し、コイルは、電気的保持を必要とせず、優れた省エネ効果がある。
【0003】
図1は、従来技術におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の模式図であり、図1に示すように、このヒンジ型の双安定磁気回路構造は、コイルボビン101、エナメル線102、鉄心103、2つのヨーク104、及びアーマチュア部分105を備え、エナメル線102は、コイルボビン101に巻回され、鉄心103は、コイルボビン101の鉄心取付孔に取り付けられ、2つのヨーク104のそれぞれの一端は、鉄心103の両端に固定され、2つのヨーク104のそれぞれの他端は、それぞれアーマチュア部分105に合わせるために使用され、アーマチュア部分105は、全体的な射出成形により、2つのアーマチュア106と1つの永久磁石を含み、ここで、永久磁石は2つのアーマチュア106の間にあり、プラスチック部材107内に被覆され、2つのアーマチュア106の両端はプラスチック部材107の外部にそれぞれ延び出し、工字型の形状の一体部材を形成し、2つのヨーク104の他端は、それぞれ工字型の一体部材の2辺の凹部内に配置され、アーマチュア部分105の中間は、回転可能であり、アーマチュア部分105が回転する時、アーマチュア部分105の両側の延び出すアーマチュア106は、ヨーク104にヒンジで合わせる。このようなヒンジ型の双安定磁気回路構造は、コイルを除いて8つの部材を含み、しかも組立過程において、ヨーク104、鉄心103は、カシメを必要とし、アーマチュア部分105は、全体の射出を必要とし、磁気回路構造全体の組立、成形過程は比較的に複雑である。また、動作、復帰電圧がほぼ等しいことを確保するために、リレーの可動接点と固定接点の開、閉状態における耐衝撃能力はほぼ同じであり、磁気回路構造は、対称構造、すなわちアーマチュア部分105は、対称構造とする必要があり、ヨーク104も対称構造とする必要があり、対称構造によって動作と復帰時の両辺のコイルの通電後の力腕が同じであることを保証し、これにより、動作と復帰時の両側の支点回りの回転トルクが同じであることを保証する。そのため、製品構造が複雑で、部材が多く、加工プロセスが複雑で、製作コストが高く、組み立てが複雑である弊害をもたらした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、関連技術の不足を克服し、ヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーを提供することであり、構造を改良して、部材点数を減少するだけでなく、加工プロセスも減少し、製品構造と加工技術が簡単で、製作コストが低く、組み立てが便利であるという利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様により、コイルと、L形アーマチュアと、L形ヨークと、永久磁石とを備えるヒンジ型の双安定磁気回路構造を提供し、前記L形アーマチュアは、180度回転した後にL形ヨークの側辺に配置され、共に枠形形状の輪郭を囲んでおり、枠形の対向する2つの対角において、L形アーマチュアとL形ヨークとの接続箇所に所定の第1の隙間がそれぞれ設けられており、L形ヨークは、L形に形成された第1のヨーク部と第2のヨーク部とを備え、前記コイルは、L形ヨークの第1のヨーク部に配置され、前記永久磁石の一端は、前記L形ヨークの第1のヨーク部に接続され、L形アーマチュアは、L形に形成された第1のアーマチュア部と第2のアーマチュア部とを備え、第1のアーマチュア部は、永久磁石の他端に配置されてシーソー式運動を行うことで、永久磁石と部材構造が非対称であるL形アーマチュア及びL形ヨークとの間で双安定磁気回路を形成し、コイルの励起により双安定磁気回路の2つの安定状態間の切替を実現する。
【0006】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部と前記L形ヨークの第1のヨーク部とは、前記枠形形状の2つの対向辺にそれぞれ位置し、前記永久磁石の一端は、L形アーマチュアとL形ヨークとが囲む枠形形状の内部で前記L形ヨークの第1のヨーク部に垂直接続され、前記永久磁石の両端の端面は、磁極面である。
【0007】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の末端の内側面は、前記L形ヨークの第2のヨーク部の端面に対応し、前記L形ヨークの第1のヨーク部の末端の内側面は、前記L形アーマチュアの第2のアーマチュア部の端面に対応する。
【0008】
本開示の例示的な実施例により、前記双安定磁気回路は、永久磁石、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の一部、L形ヨークの第2のヨーク部、L形ヨークの第1のヨーク部の一部を経過する第1の磁気回路と、永久磁石、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の他の一部、L形アーマチュアの第2のアーマチュア部、L形ヨークの第1のヨーク部の他の一部を経過する第2の磁気回路とからなる。
【0009】
本開示の例示的な実施例により、双安定磁気回路において、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の末端の内側面がL形ヨークの第2のヨーク部の端面に接して枠形の対向する2つの対角のうちの1つの対角の第1の隙間が他の対角の第1の隙間よりも小さい場合、L形アーマチュアは、1つの安定状態にあり、L形ヨークの第1のヨーク部の末端の内側面がL形アーマチュアの第2のアーマチュア部の端面に接して枠形の対向する2つの対角のうちの前記他の対角の第1の隙間が前記1つの対角の第1の隙間よりも小さい場合、L形アーマチュアは、他の安定状態にある。
【0010】
本開示の例示的な実施例により、前記永久磁石は、前記L形ヨークの第1のヨーク部の中央部と前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の中央部との間に位置する。
【0011】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の長さ寸法は、前記L形アーマチュアの第2のアーマチュア部の長さ寸法よりも大きく、前記L形ヨークの第1のヨーク部の長さ寸法は、前記L形ヨークの第2のヨーク部の長さ寸法よりも大きい。
【0012】
本開示の例示的な実施例により、前記コイルは、コイルボビンとコイルボビンの巻線窓に巻回されたエナメル線とを備え、前記L形ヨークの第1のヨーク部は、コイルボビンの鉄心取付孔に装着され、前記コイルボビンの巻線窓の中央部には、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部に向かう永久磁石取付孔が設けられており、前記永久磁石取付孔は、前記鉄心取付孔と連通し、前記永久磁石は、前記コイルボビンの永久磁石取付孔に配置される。
【0013】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、永久磁石の他端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働することで、シーソー式運動を実現する。
【0014】
本開示の例示的な実施例により、前記永久磁石の他端の端面に突出した第1の凸部が設けられており、前記第1の凸部は、前記永久磁石と一体に成形され、前記永久磁石の第1の凸部は、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の内側面に当接することで、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、永久磁石の他端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働する。
【0015】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の内側面に突出した第2の凸部が設けられており、前記第2の凸部は、前記第1のアーマチュア部と一体に成形され、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の第2の凸部は、前記永久磁石の他端の端面に当接することで、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、永久磁石の他端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働する。
【0016】
本開示の例示的な実施例により、前記永久磁石の他端と前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部との間に導磁部材が取付されており、前記導磁部材におけるL形アーマチュアの第1のアーマチュア部に接続された一端には突出した第3の凸部が設けられており、前記第3の凸部は、前記導磁部材と一体に成形され、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、前記導磁部材の対応端を回転支持点としてL形ヨークと揺動可能に協働する。
【0017】
本開示の例示的な実施例により、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺にリミッティングシャフトがそれぞれ設けられており、リミッティングシャフトの中心線は、永久磁石の一端から他端に、且つ前記回転支持点を経過する接続線または延長線に直交し、前記コイルボビンに前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の方向に延びる第4の凸部が設けられており、前記第4の凸部に前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部のリミッティングシャフトに配置された溝が設けられており、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトは、前記コイルボビンの第4の凸部の溝に回転可能且つリミットに配置されている。
【0018】
本開示の例示的な実施例により、前記リミッティングシャフトの中心線は、前記回転支持点と重なる。
【0019】
本開示の例示的な実施例により、前記コイルボビンの第4の凸部の溝は、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトと円弧状で協働する。
【0020】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトは、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺に一体に成形され第5の凸部である。
【0021】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、一部にプラスチック部材が被覆され、前記L形アーマチュアのリミッティングシャフトは、前記プラスチック部材に一体に成形され且つ前記L形アーマチュアの前記第1のアーマチュア部の幅方向の両側辺に対応する第6の凸部である。
【0022】
本開示の例示的な実施例により、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部に圧力バネがさらに接続され、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部は、圧力バネを介して前記コイルボビンに接続されている。
【0023】
本開示の例示的な実施例により、圧力バネは、主片体とフラップとを備え、前記フラップは、主片体の両辺で折り曲げられ一方の面に突出し、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の前記L形ヨークの第1のヨーク部に背向する面が外部に突出してバンプが設けられ、主片体に第1の係合孔が設けられており、主片体の第1の係合孔は、L形アーマチュアの第1のアーマチュア部のバンプに対応して合わせ、前記圧力バネのフラップは、コイルボビンに延び、コイルボビンに接続されている。
【0024】
本開示の例示的な実施例により、前記圧力バネのフラップに第2の係合孔が設けられており、前記コイルボビンの対応位置に係止ブロックが設けられており、前記圧力バネのフラップの第2の係合孔は、前記コイルボビンの係止ブロックにと係止して協働する。
【0025】
本開示の例示的な実施例により、前記圧力バネのフラップの第2の係合孔は、長尺状であり、第2の係合孔の一辺に係止片が設けられており、前記係止ブロックの圧力バネの主片体に向かう側に斜面が設けられており、前記係止ブロックの圧力バネの主片体に背向する側が直面とされ、前記第2の係合孔の係止片は、前記係止ブロックの直面に合わせる。
【0026】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の前記L形ヨークの第1のヨーク部に背向する面に凹部が設けられており、前記圧力バネに前記凹部に対応する弾性舌片が設けられており、前記圧力バネの弾性舌片は、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部の凹部に当接する。
【0027】
本開示の例示的な実施例により、前記L形アーマチュアの第1のアーマチュア部と永久磁石の他端との間に所定の第2の隙間が設けられており、前記L形アーマチュアの幅方向の両側辺において、永久磁石の一端から他端までの接続線に対応する延長線に回動軸がそれぞれ設けられており、該回動軸によりシーソー式運動を実現し、コイルボビンにL形アーマチュアの回動軸を支持する支持部が設けられている。
【0028】
本開示の他の態様により、ベースと、静バネ部分と、動バネ部分と、プッシュカードと、上記のヒンジ型の双安定磁気回路構造とを備える磁気ラッチングリレーを提供し、前記ヒンジ型の双安定磁気回路構造と静バネ部分と動バネ部分とは、ベースにそれぞれ取付され、前記プッシュカードは、ヒンジ型の双安定磁気回路構造のL形アーマチュアの第1のアーマチュア部と動バネ部分の動バネ片との間に接続されている。
【0029】
本開示の例示的な実施例により、前記ベース前記とヒンジ型の双安定磁気回路構造のコイルのコイルボビンとは、一体射出成形された一体部材であり、前記ベースには、L形アーマチュアを装着するのに便利な貫通孔が設けられている。
【0030】
関連技術と比較して、本開示の有益な効果は、以下の通りである。
【0031】
本開示は、1つのコイル、1つのL形アーマチュア、1つのL形ヨーク及び1つの永久磁石を採用してヒンジ型の双安定磁気回路構造を構成するため、コイルを除いて3つの部材しかなく、しかも3つの部材間の組み立ては非常に便利で、関連技術と相異し、ヨーク、鉄心をカシメ接続する必要はなく、アーマチュア部分全体を射出成形する必要もなく、特に、L形アーマチュアとL形ヨークの部材構造の非対称を採用し、対称な回転モーメントを形成することもでき、従来の双安定磁気回路構造の対称構造による弊害を解決し、部材加工をより簡単にし、部材点数を減少するだけでなく、加工プロセスも減少し、製品構造と加工技術が簡単で、製造コストが低く、組み立てが便利であるという利点がある。
【0032】
以下、添付図面及び実施例に基づいて本開示をさらに詳細に説明する。しかし、本開示のヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーは、実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】従来の技術におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の模式図である。
図2】本開示の実施例一におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の断面図である。
図3】本開示の実施例一におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造(アーマチュア、ヨーク、永久磁石及びコイルが取付されない状態)の断面図である。
図4】本開示の実施例一におけるコイルの構造の模式図である。
図5】本開示の実施例一におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の設計状態の模式図である。
図6】本開示の実施例一におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の1つの状態での磁気回路の模式図である。
図7】本開示の実施例一におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の他の状態での磁気回路の模式図である。
図8】本開示の実施例一におけるL形アーマチュアの斜視構造の模式図である。
図9】本開示の実施例一における磁気ラッチングリレー(ケースなし)の斜視構造の模式図である。
図10】本開示の実施例一における磁気ラッチングリレーの斜視構造の分解の模式図である。
図11】本開示の実施例一における磁気ラッチングリレーの構造の断面図である。
図12】本開示の実施例二におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の簡易の模式図である。
図13】本開示の実施例三におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の簡易の模式図である。
図14】本開示の実施例四におけるL形アーマチュアの斜視構造の模式図である。
図15】本開示の実施例五におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の簡易の模式図である。
図16】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の斜視構造の模式図である。
図17】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の側面図である。
図18】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の構造の分解宇の模式図である。
図19】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の圧力バネとL形アーマチュアの協働の模式図である。
図20】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造のL形アーマチュアの斜視構造の模式図である。
図21】本開示の実施例六におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造の圧力バネの斜視構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施例一
図2図8に示すように、本開示のヒンジ型の双安定磁気回路構造は、1つのコイル1、1つのL形アーマチュア2、1つのL形ヨーク3、及び1つの永久磁石4を備え、L形ヨーク3は、L形に形成された第1のヨーク部31と第2のヨーク部32とを備えている。ここで、第1のヨーク部31は、縦方向に設けられ、L形ヨーク3の第2のヨーク部32は水平に設けられ、L形ヨーク3の第2のヨーク部32は上部に位置し、前記L形アーマチュア2は180度回転してL形ヨーク3の側辺に設けられ、すなわちL形アーマチュア2がL形の垂直辺を軸として180度回転した状態に配置され、L形ヨーク3と共に枠形形状の輪郭を囲み、すなわちL形アーマチュア2は、第1のアーマチュア部21と第2のアーマチュア部22を含み、第1のアーマチュア部21は、縦方向に設けられ、L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22は、水平方向に設けられ、L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22は、下部に位置し、枠形の対向する2つの対角において、L形アーマチュア2とL形ヨーク3との接続箇所には所定の第1の隙間、すなわち上部隙間H1と下部隙間H2(図5に示すように)が設けられており、動作時、上記第1の隙間が変化することができ、動作状態における第1の隙間は、動作エアギャップとも呼ばれることができる。前記コイル1は、L形ヨーク3のL形の一方の辺、すなわち縦方向に設けられた第1のヨーク部31に配置され、前記永久磁石4の一端は、前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31に接続され、L形アーマチュア2のL形のうち縦方向に設けられた第1のアーマチュア部21は、永久磁石4の他端に配置されてシーソー式運動を行うことで、永久磁石4と部材構造が非対称であるL形アーマチュア2及びL形ヨーク3との間に双安定磁気回路を形成し、コイルの励起により双安定磁気回路の2つの安定状態間の切替を実現し、すなわちL形アーマチュア2の両端がコイル1の励起によりヒンジ動作を実現する。設計状態(図5に示すように)において、L形アーマチュア2とL形ヨーク3は、1つの枠形形状の輪郭を形成し、枠形の対向する2つの対角に上部隙間H1と下部隙間H2を設けなければならない。このように、L形アーマチュア2は、シーソー式運動を行うことができ、理想的な状態では、上部隙間H1と下部隙間H2は同じでるため、L形アーマチュア2は、平衡状態で、L形アーマチュア2とL形ヨーク3の間には2つの隙間があるが、組み立て時には、上部隙間H1と下部隙間H2を同じにすることは困難であるため、L形アーマチュア2の組み込み後、組み込み時に生じる上部隙間H1と下部隙間H2の違いにより、永久磁石の作用を受けて、L形アーマチュア2とL形ヨーク3の間にはより大きな隙間(すなわち、上部隙間H1と下部隙間H2との和)が1つの箇所に存在し、従来設計された他の隙間は消滅し、L形アーマチュア2とL形ヨーク3との間には大きな隙間が1つしかないようにする。
【0035】
この実施例では、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21と前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31とは、それぞれ前記枠形形状の2つの対向辺に位置し、前記永久磁石4の一端は、L形アーマチュアとL形ヨークとで囲まれた枠形形状の内部で前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31と垂直接続され、設計状態では(図5に示すように)、永久磁石4は、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21と前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31とそれぞれ垂直であり、前記永久磁石4の両端の端面は磁極面であり、永久磁石4のL形ヨーク3の第1のヨーク部31に近接する面がN極、永久磁石4のL形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21に近接する面がS極(図6図7に示す)である。
【0036】
この実施例では、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の末端の内側面は、前記L形ヨーク3の第2のヨーク部32の端面に対応し、前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31の末端の内側面は、前記L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22の端面に対応する。
【0037】
この実施例では、前記双安定磁気回路は、永久磁石4、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の一部、L形ヨーク3の第2のヨーク部32、L形ヨーク3の第1のヨーク部31の一部を経過する第1の磁気回路と、永久磁石4、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の他の一部、L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22、L形ヨーク3の第1のヨーク部31の他の一部を経過する第2の磁気回路と、からなる。
【0038】
この実施例では、前記双安定磁気回路は、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の末端の内側面が前記L形ヨーク3の第2のヨーク部32の端面に接して枠形の対向する2つの対角のうちの1つの対角の動作エアギャップが他の対角の動作エアギャップよりも小さい場合(図6に示す上部隙間H1が下部隙間H2よりも小さい)、前記L形アーマチュア2が1つの安定状態にある。L形ヨーク3の第1のヨーク部31の端部の内側面がL形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22の端面に接して枠形の対向する2つの対角のうちの前記他方の対角の動作エアギャップが前記1つの対角の動作エアギャップよりも小さい場合(図7に示す下部隙間H2が上部隙間H1よりも小さい)、前記L形アーマチュア2は、他の安定状態にある。L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の末端の内側面とL形ヨーク3の第2のヨーク部32の端面は、互いに協働する動作極面であり、図5及び図6に示すように、この実施例は、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の末端の内側面を一定の傾斜面として、L形ヨーク3の第2のヨーク部32の端面との整合や接合を実現し、勿論、L形ヨーク3の第2のヨーク部32の端面を傾斜面としてもよい。同様に、L形ヨーク3のうち、第1のヨーク部31の末端の内側面と前記L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22の端面も互いに協働する動作極面であり、一方は協働を容易にするために斜面に設けられている。
【0039】
この実施例では、前記永久磁石4は、前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31の中央部と前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の中央部との間に位置する。
【0040】
この実施例において、前記L形アーマチュア2のL形の一方の辺(第1のアーマチュア部21)の長さ寸法は、前記L形アーマチュア2のL形の他方の辺(第2のアーマチュア部22)の長さ寸法よりも大きく、すなわち、図5に示すように、第1のアーマチュア部21の縦方向の長さ寸法は、第2のアーマチュア部22の水平方向の長さ寸法よりも大きく、前記L形ヨーク3のL形の一方の辺(第1のヨーク部31)の長さ寸法は、前記L形ヨーク3のL形の他方の辺(第2のヨーク部32)の長さ寸法よりも大きく、すなわち、図5に示すように、第1のヨーク部31の縦方向の長さ寸法は、第2のヨーク部32の水平方向の長さ寸法よりも大きい。
【0041】
この実施例では、前記コイル1は、コイルボビン12と、コイルボビンの巻線窓に巻回されたエナメル線11とを含み、前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31は、コイルボビン12の鉄心取付孔121に挿着され、前記コイルボビン12の巻線窓の中央には、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21に向かう永久磁石取付孔123が設けられ、前記永久磁石取付孔123は、前記鉄心取付孔121と連通し、前記永久磁石4は、前記コイルボビンの永久磁石取付孔123に設けられている。
【0042】
この実施例では、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21は、永久磁石4の他端を回転支持点としてL形ヨーク3と揺動可能に協働することで、シーソー式運動を実現する。
【0043】
この実施例では、図5に示すように、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の内側面に突出した第2の凸部23が設けられており、第2の凸部23は、第1のアーマチュア部21と一体に成形され、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の第2の凸部23は、前記永久磁石4の他端の端面に当接して、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21は、永久磁石4の他端を回転支持点としてL形ヨーク3と揺動可能に協働する。
【0044】
この実施例では、図8に示すように、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の幅方向Wの両側辺に、L形アーマチュア2をリミットするためのリミッティングシャフト24がそれぞれ設けられており、リミッティングシャフト24の中心線Lは、永久磁石4の一端から他端まで垂直に交差し、前記回転支持点を経過する接続線または延長線であり、図4に示すように、前記コイルボビン12には、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の方向に延びる第4の凸部122が設けられており、前記第4の凸部122には、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21のリミッティングシャフト24に配置された溝124が設けられており、前記L形アーマチュア2のリミッティングシャフト24は、前記コイルボビン12の第4の凸部122の溝124に回転可能に配置されている。好ましい効果は、リミッティングシャフトの中心線Lを回転支持点に重ね合わせることである。
【0045】
この実施例では、前記コイルボビン12の第4の凸部122の溝124は、前記L形アーマチュア2のリミッティングシャフト24と円弧状で接触して協働している。
【0046】
この実施例では、前記L形アーマチュア2のリミッティングシャフト24は、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の幅方向Wの両側辺に一体に成形された第5の凸部である。
【0047】
図6に示すように、磁気回路構造は1つの状態にあり、コイルに通電励磁がない場合、永久磁石4は、永久磁石磁気回路S1と永久磁石磁気回路S2を通じて2つの並列な磁気回路を形成し、ここで、永久磁石磁気回路S1の上部の動作エアギャップは、永久磁石磁気回路S2の下部の動作エアギャップより小さく、永久磁石磁気回路S1の磁気抵抗が最小で、磁束が最大であるため、アーマチュア2は図6の状態に維持される。別の状態に切り換える必要がある場合、コイルに一方向の励起が印加され、コイル磁気回路S3の磁束は、下部の動作エアギャップで永久磁石磁気回路S2の磁束と重畳され、永久磁石磁気回路S1と相互に弱められる。下部の動作エアギャップの磁束が上部の動作エアギャップ中の磁束より大きい場合、アーマチュア2は、図7の状態に切り替えられ、コイル励起が除去された後、この時、永久磁石磁気回路S2の磁気抵抗が最小で、磁束が最大で、アーマチュア2は、図7の状態に保持される。図6に示す状態に切り換える必要がある場合、コイルに逆方向の励起が印加され、コイル磁気回路S3の磁束は、上部の動作エアギャップで永久磁石磁気回路S1の磁束と重畳され、永久磁石磁気回路S2と相互に弱められ、上部の動作エアギャップの磁束が下部の動作エアギャップの磁束より大きい場合、アーマチュア2は、図6の状態に切り替わり、コイル励起が除去された後、この時、永久磁石磁気回路S1の磁気抵抗が最小で、磁束が最大で、アーマチュア2は、図6の状態に保持される。
【0048】
図2図11に示すように、本開示の磁気ラッチングリレーは、ベース5、静バネ部分6、動バネ部分7、プッシュカード8、及び前記ヒンジ型の双安定磁気回路構造を備え、ヒンジ型の双安定磁気回路構造と静バネ部分6と動バネ部分7とは、それぞれベース5に取り付けられ、プッシュカード8は、ヒンジ型の双安定磁気回路構造のL形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21と動バネ部分の動バネ片との間に接続されている。ここで、図10に示すように、ベース5とコイルボビン12は、一体射出成形された一体部材であり、ベース5には、L形アーマチュアが取り付けられるのに便利な貫通孔51が設けられている。図9に示すように、プッシュカード8は、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21と動バネ部分7の動バネ片71との間に接続され、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の幅方向Wの両側辺には第7の凸部25が設けられ、第7の凸部25は、リミッティングシャフト24の上方に設けられ、L形アーマチュア2の第7の凸部25は、プッシュカード8と協働することでプッシュカード8を作動させるために用いられる。組み立て時、L形ヨーク3は、第1のヨーク部31を用いてコイルボビンの鉄心取付孔121に直接上から下に挿入することができ、永久磁石4は、コイルボビンの永久磁石取付孔123に直接挿入することもでき、L形アーマチュア2は、ベースとコイルボビンに上から下に直接取り付けることができ、従来の技術と相異し、ヨーク、鉄心はカシメを必要とせず、アーマチュア部分は、全体の射出成形を必要としない。
【0049】
本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーは、コイル1、1つのL形アーマチュア2、1つのL形ヨーク3及び1つの永久磁石4を用いてヒンジ型の双安定磁気回路構造を構成し、コイルを除いて3つの部材しかなく、かつ3つの部材間の組み立ては非常に便利で、従来の技術と相異し、ヨーク、鉄心をかしめ接続する必要はなく、アーマチュア部分全体を射出成形する必要もなく、特に部材構造の非対称を採用して、部材の加工を更に簡単にして、部材の数量を減らして、加工プロセスも減らして、製品構造と加工技術が簡単で、製作コストが低くて、組み立てが便利な利点がある。
【0050】
実施例二
図12に示すように、本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーであり、実施例一との違いは、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の内側面に第2の凸部が設けられなく、永久磁石4の他端の端面に突出した第1の凸部41が設けられており、第1の凸部41は、永久磁石4と一体に成形され、前記永久磁石4の第1の凸部41は、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の内側面に当接することで、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21は、永久磁石4の他端を回転支持点としてL形ヨーク3と揺動可能に協働することである。
【0051】
実施例三
図13に示すように、本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーであり、実施例一との違いは、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の内側面に第2の凸部が設けられなく、前記永久磁石4の他端と前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21との間に導磁部材42が取付されており、前記導磁部材42におけるL形アーマチュアの第1のアーマチュア部21に接続された一端に突出した第3の凸部421が設けられており、該第3の凸部421は、導磁部材42と一体に成形されることで、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21は、前記導磁部材42の対応端を回転支持点としてL形ヨーク3と揺動可能に協働することである。
【0052】
実施例四
図14に示すように、本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーであり、実施例一との違いは、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の一部にプラスチック部材26が被覆されており、前記L形アーマチュア2のリミッティングシャフトは、前記プラスチック部材26に一体に形成され且つ前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の幅方向Wの両側辺に対応する第6の凸部27であることである。
【0053】
実施例五
図15に示すように、本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーであり、実施例一との違いは、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21と永久磁石4の他端との間に所定の第2の隙間H3が設けられており、前記L形アーマチュア2の幅方向の両側辺において、永久磁石4の一端から他端までの接続線に対応する延長線に、回動軸28がそれぞれ設けられ、該回動軸28を利用してL形アーマチュア2のシーソー式運動を実現し、前記コイルボビン12には、L形アーマチュア2の回動軸28を支持するための支持部125が設けられており、この実施例における支持部125は、半密閉式ブッシングであることである。
【0054】
この実施例では、回動軸28をL形アーマチュア2に直接に設けてもよく、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の一部にプラスチック部材を被覆し、プラスチック部材から回動軸28を一体射出成形してもよい。
【0055】
実施例六
図16図21に示すように、本開示におけるヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレーであり、実施例一と違いは、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21に圧力バネ9がさらに接続されており、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21は、圧力バネ9を介して前記コイルボビン12に接続されていることである。即ち、この実施例では、リミッティングシャフトの代わりに圧力バネ9を使用し、L形アーマチュア2に対するリミットを実現する。
【0056】
この実施例では、図18に示すように、前記圧力バネ9は、主片体91と、主片体91の2辺で折り曲げ一方の面に向かって突出するフラップ92とを含み、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31に背向する面には、外側に突出したバンプ291が設けられており、前記主片体91には、第1の係止孔911が設け、前記主片体91の第1の係止孔911は、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21のバンプ291に対応して協働し、圧力バネ9のフラップ92は、前記コイルボビン12に伸び、コイルボビン12に接続されている。圧力バネ9の主片体91は可撓性であり、これにより、圧力バネ9がL形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21に接続された後、L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21がシーソー式運動を行うことができることを保証する。
【0057】
この実施例では、図18に示すように、前記圧力バネ9のフラップ92に第2の係合孔921が設けられており、前記コイルボビン12の対応位置に係止ブロック126が設けられており、前記圧力バネ9のフラップ92の第2の係合孔921は、前記コイルボビン12の係止ブロック126と係止して協働する。
【0058】
この実施例では、前記圧力バネ9のフラップ92の第2の係合孔921は、長尺状であり、第2の係合孔921の一辺に係止片922が設けられており、図16~17に示すように、前記係止ブロック126の圧力バネ9の主片体91に向ける側に斜面1261が設けられており、前記係止ブロック126の圧力バネ9の主片体91に背向する側が直面1262とし、前記第2の係合孔921の係止片922が前記係止ブロック126の直面1262と協働する。
【0059】
この実施例では、図18に示すように、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31に背向する面に凹部292が設けられており、前記圧力バネ9が前記凹部292に対応して弾性舌片93を設け前記圧力バネ9に前記凹部292に対応する弾性舌片93が設けられており、前記圧力バネ9の弾性舌片93は、前記L形アーマチュア2の第1のアーマチュア部21の凹部292に当接する。
【0060】
上記は本開示の好適な実施例にすぎず、本開示のいかなる形式上の制限でもない。本開示は、上記のように好適な実施例で開示されているが、本開示を限定するために使用されるものではない。当業者によく知られているいかなる技術者も、本開示の技術的範囲を逸脱することなく、上述の開示された技術的内容を用いて本開示の技術的範囲に対して多くの可能性のある変動および修飾を行ったり、等化された等価な実施例に修正したりすることができる。したがって、本開示の技術案から逸脱していない内容は、本開示の技術に基づいて上記実施例に対して実質的に行ったいかなる簡単な修正、均等な変化及び修飾も、本開示の技術案の保護の範囲内にあるべきである。
【0061】
本開示は、2021年1月15日に出願された出願番号が202110054313.5であり、名称が「ヒンジ型の双安定磁気回路構造及び磁気ラッチングリレー」である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
発明の実施例では、用語「第1」、「第2」、「第3」は説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するために理解されない。「取り付け」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的に接続してもよい。「接続」は、直接接続でもよいし、中間媒体を介して間接接続でもよいし、電気接続でもよいし、磁気接続でもよい。本発明の実施例における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
本発明の実施例の説明において、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などが示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、単に、本発明の実施例の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指す装置又はユニットが特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示す又は暗示するのではなく、発明の実施形態に対する制限とは理解できない。
実施例一
図2図8に示すように、本開示のヒンジ型の双安定磁気回路構造は、1つのコイル1、1つのL形アーマチュア2、1つのL形ヨーク3、及び1つの永久磁石4を備え、L形ヨーク3は、L形に形成された第1のヨーク部31と第2のヨーク部32とを備えている。ここで、第1のヨーク部31は、縦方向に設けられ、L形ヨーク3の第2のヨーク部32は水平に設けられ、L形ヨーク3の第2のヨーク部32は上部に位置し、前記L形アーマチュア2は180度回転してL形ヨーク3の側辺に設けられ、すなわちL形アーマチュア2がL形の垂直辺を軸として180度回転した状態に配置され、L形ヨーク3と共に枠形形状の輪郭を囲み、すなわちL形アーマチュア2は、第1のアーマチュア部21と第2のアーマチュア部22を含み、第1のアーマチュア部21は、縦方向に設けられ、L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22は、水平方向に設けられ、L形アーマチュア2の第2のアーマチュア部22は、下部に位置し、枠形の対向する2つの対角において、L形アーマチュア2とL形ヨーク3との接続箇所には所定の第1の隙間、すなわち上部隙間H1と下部隙間H2(図5に示すように)が設けられており、動作時、上記第1の隙間が変化することができ、動作状態における第1の隙間は、動作エアギャップとも呼ばれることができる。前記コイル1は、L形ヨーク3のL形の一方の辺、すなわち縦方向に設けられた第1のヨーク部31に配置され、前記永久磁石4の一端は、前記L形ヨーク3の第1のヨーク部31に接続され、L形アーマチュア2のL形のうち縦方向に設けられた第1のアーマチュア部21は、永久磁石4の他端に配置されてシーソー式運動を行うことで、永久磁石4と部材構造が非対称であるL形アーマチュア2及びL形ヨーク3との間に双安定磁気回路を形成し、コイルの励起により双安定磁気回路の2つの安定状態間の切替を実現し、すなわちL形アーマチュア2の両端がコイル1の励起によりヒンジ動作を実現する。設計状態(図5に示すように)において、L形アーマチュア2とL形ヨーク3は、1つの枠形形状の輪郭を形成し、枠形の対向する2つの対角に上部隙間H1と下部隙間H2を設けなければならない。このように、L形アーマチュア2は、シーソー式運動を行うことができ、理想的な状態では、上部隙間H1と下部隙間H2は同じでるため、L形アーマチュア2は、平衡状態で、L形アーマチュア2とL形ヨーク3の間には2つの隙間があるが、組み立て時には、上部隙間H1と下部隙間H2を同じにすることは困難であるため、L形アーマチュア2の組み込み後、組み込み時に生じる上部隙間H1と下部隙間H2の違いにより、永久磁石の作用を受けて、L形アーマチュア2とL形ヨーク3の間にはより大きな隙間(すなわち、上部隙間H1と下部隙間H2との和)が1つの箇所に存在し、従来設計された他の隙間は消滅し、L形アーマチュア2とL形ヨーク3との間には大きな隙間が1つしかないようにする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
図14
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正の内容】
図18
【国際調査報告】