IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バージニア コモンウェルス ユニバーシティーの特許一覧

特表2024-503090活性薬剤の2段階マイクロバブル送達のための方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】活性薬剤の2段階マイクロバブル送達のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/00 20060101AFI20240117BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240117BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 35/761 20150101ALI20240117BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20240117BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20240117BHJP
   C12N 15/87 20060101ALI20240117BHJP
   A61B 8/08 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61K9/00
A61P35/00
A61P35/04
A61K31/7105
A61K31/711
A61K35/761
A61K38/20
A61K49/00
A61K31/7068
A61K31/4188
C12N15/87 Z ZNA
A61B8/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542959
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2022012285
(87)【国際公開番号】W WO2022155312
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/136,675
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/209,178
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599170663
【氏名又は名称】バージニア コモンウェルス ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー ポール ビー.
(72)【発明者】
【氏名】エムダド ルニ
(72)【発明者】
【氏名】ブーパティ プラヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】プラダン アンジャン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダス スワディッシュ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】クリバノフ アレクサンダー エル.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4C087
4C601
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB13
4C076CC27
4C076EE60
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA22
4C084CA53
4C084DA12
4C084MA16
4C084MA65
4C084NA10
4C084NA13
4C084ZB261
4C085HH03
4C085HH11
4C085JJ02
4C085KA27
4C085KA28
4C085KA29
4C085LL18
4C086AA10
4C086CB05
4C086EA16
4C086EA17
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA16
4C086MA65
4C086NA10
4C086NA13
4C086ZB26
4C087AA10
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA16
4C087MA65
4C087NA10
4C087NA13
4C087ZB26
4C601DD03
4C601DE06
(57)【要約】
様々な局面において、本開示は、1つまたは複数の活性薬剤によって標的組織を処置するための方法、組成物、およびキットを提供する。ある態様において、活性薬剤の標的組織への送達は、マイクロバブルおよび超音波の投与を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性薬剤を標的組織に投与する方法であって、活性薬剤が治療剤またはイメージング剤であり、該方法が、
(a)第1のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ該活性薬剤を含まない、工程;
(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の該標的組織に向けた投与;
(c)第1の超音波の投与の後に第2のマイクロバブル組成物を該対象に投与する工程であって、第2のマイクロバブル組成物が、該活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、工程;および
(d)第2のマイクロバブルを破壊しかつ該活性薬剤を該標的組織に放出する、第2の超音波の標的組織に向けた投与
を含む、方法。
【請求項2】
第2のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、30分以内、10分以内、または5分以内に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方を投与する工程が静脈内投与を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ターゲティング部分が、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合タンパク質断片、受容体、受容体断片、受容体リガンド、ペプチド、ポリペプチド、ポリ核酸、多糖、脂質、ポリマー、腫瘍関連抗原、組織型関連抗原、血管関連抗原、またはそれらの分子の任意の組み合わせより選択される分子である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲティング部分が、組織特異的抗原または腫瘍関連抗原に結合する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記標的組織が腫瘍を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記腫瘍が転移性腫瘍である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記腫瘍が、前記対象の脳、乳房、肺、胃腸系、骨、腹腔、口腔、膵臓、腸、皮膚、頭部、頸部、脊髄、または肝臓に位置している、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記腫瘍が、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、骨癌、膵臓癌、肝臓癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌を含む、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記標的組織が、前記対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、頭部内、頸部内、脊髄内、肺内、腎臓内、または肝臓内に位置している、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記標的組織が前記対象の脳にある、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記標的組織が前記対象の膵臓にある、請求項13記載の方法。
【請求項16】
第1のマイクロバブル組成物が、前記活性薬剤の前記標的組織への送達を増加させるのに有効な量で投与される、請求項1記載の方法。
【請求項17】
第1のマイクロバブル組成物が、血液脳関門を通る前記活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量で投与される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸が、shRNA、siRNA、miRNA、lncRNA、mRNA、RNA、ベクター、プラスミド、DNA、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記活性薬剤が抗癌剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、化学療法薬、ホルモン、ポリペプチド、または癌を処置する方法における有用性を有する低分子より選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記活性薬剤がウイルスを含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記ウイルスが、アデノウイルス、向性修飾型アデノウイルス、癌ターミネーターウイルス(CTV)、レンチウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、遺伝子修飾型HIV、三成分セラノスティック癌ターミネーターウイルス(TCTV)、トリ関連ウイルス(AAV)、および/または水疱性口内炎ウイルスより選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ウイルスの複製が癌選択的プロモーターの調節下にある、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記ウイルスが、shRNA、siRNA、miRNA、センスRNA、アンチセンスRNA、またはlncRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項21記載の方法。
【請求項26】
前記活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、請求項25記載の方法。
【請求項28】
MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、請求項25記載の方法。
【請求項29】
MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項25記載の方法。
【請求項30】
MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:2に対するK122Rの変化、(b)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、(c)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化、または(d)SEQ ID NO:18に相当する変異を含む、請求項25記載の方法。
【請求項31】
前記活性薬剤がMDA-9/シンテニン阻害物質を含む、請求項1記載の方法。
【請求項32】
前記ウイルスが、MDA-9/シンテニン阻害物質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項21記載の方法。
【請求項33】
前記ポリヌクレオチド配列が、MDA-9/シンテニンsiRNA、shRNA、miRNA、lncRNA、またはアンチセンスRNA配列をコードする配列を含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記配列がSEQ ID NO:20を含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
(e)第2の超音波の投与の後に第3のマイクロバブル組成物を前記対象に投与する工程であって、第3のマイクロバブル組成物が、第2の活性薬剤またはイメージング剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、工程、および
(f)第3のマイクロバブルを破壊しかつ該第2の活性薬剤またはイメージング剤を前記標的組織に放出する、第3の超音波の前記標的組織に向けた投与
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項36】
第2の活性薬剤またはイメージング剤が第1の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、請求項35記載の方法。
【請求項37】
(g)第3の超音波の投与の後に第4のマイクロバブル組成物を前記対象に投与する工程であって、第4のマイクロバブル組成物が、第3の活性薬剤またはイメージング剤と複合体化された第3のマイクロバブルを含む、工程;および
(h)第4のマイクロバブルを破壊しかつ第3の活性薬剤またはイメージング剤を前記標的組織に放出する、第4の超音波の前記標的組織に向けた投与
をさらに含む、請求項35記載の方法。
【請求項38】
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第1の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第2の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、請求項37記載の方法。
【請求項40】
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第1および第2の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、請求項37記載の方法。
【請求項41】
前記マイクロバブル組成物が2つ以上の活性薬剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項42】
前記対象が癌を有するか、または癌を有するリスクがある、請求項1記載の方法。
【請求項43】
前記癌が固形腫瘍癌である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記癌が、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、髄芽腫、黒色腫、子宮頸癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、頭部癌、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫、甲状腺癌、内分泌系癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、胃癌、子宮癌、甲状腺癌、胆管癌、膵臓腺癌、膵管腺癌(PDAC)、皮膚皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、膵内分泌部もしくは膵外分泌部の新生物、甲状腺髄様癌(medullary thyroid cancer)、甲状腺髄様癌(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、肝細胞癌、または前立腺癌である、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記癌が脳癌である、請求項42記載の方法。
【請求項46】
前記癌が膵臓癌である、請求項42記載の方法。
【請求項47】
前記癌が転移性癌である、請求項42記載の方法。
【請求項48】
前記対象が以前に癌について処置された、請求項42記載の方法。
【請求項49】
前記対象が以前に寛解していた、請求項42記載の方法。
【請求項50】
イメージング剤が、放射性核種、陽電子放出同位体、フルオロフォア、抗体、生物発光分子、化学発光分子、光活性分子、金属、高電子密度試薬、酵素、磁気造影剤、量子ドット、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、または検出可能にされ得るタンパク質もしくはその他の実体より選択される、請求項1のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
いずれかの請求項1記載の方法を投与する工程、およびマイクロバブルを含まない抗癌治療を投与する工程を含む、必要とする対象における癌を処置する方法。
【請求項52】
マイクロバブルを含まない抗癌治療が、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
マイクロバブルを含まない抗癌治療が、マイクロバブルを含まない抗癌剤である、請求項51記載の方法。
【請求項54】
マイクロバブルを含まない抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、化学療法薬、ホルモン、ポリペプチド、または癌を処置する方法における有用性を有する低分子より選択される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
マイクロバブルを含まない抗癌剤がゲムシタビンである、請求項54記載の方法。
【請求項56】
マイクロバブルを含まない治療剤がテモゾロミドである、請求項54記載の方法。
【請求項57】
マイクロバブルを含まない活性薬剤が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項51記載の方法。
【請求項58】
活性薬剤による標的組織の処置において使用するためのキットであって、キットは第1および第2のマイクロバブル組成物を含み、
(i)活性薬剤が治療剤またはイメージング剤であり、
(ii)第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ該活性薬剤を含まず、かつ
(iii)第2のマイクロバブル組成物が、該活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、
キット。
【請求項59】
第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方が、静脈内投与用に製剤化されている、請求項58記載のキット。
【請求項60】
第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、請求項58記載のキット。
【請求項61】
第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、請求項58記載のキット。
【請求項62】
ターゲティング部分が、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合タンパク質断片、受容体、受容体断片、受容体リガンド、ペプチド、ポリペプチド、ポリ核酸、多糖、脂質、ポリマー、腫瘍関連抗原、組織特異的抗原、もしくは血管関連抗原より選択される分子、またはそれらの分子の任意の組み合わせである、請求項61記載のキット。
【請求項63】
ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、請求項62記載のキット。
【請求項64】
前記活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸が、shRNA、siRNA、miRNA、mRNA、RNA、ベクター、プラスミド、DNA、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項58記載のキット。
【請求項65】
前記活性薬剤が抗癌剤を含む、請求項58記載のキット。
【請求項66】
前記活性薬剤がウイルスを含む、請求項58記載のキット。
【請求項67】
前記ウイルスが向性修飾型アデノウイルスである、請求項66記載のキット。
【請求項68】
前記ウイルスの複製が癌選択的プロモーターの調節下にある、請求項66記載のキット。
【請求項69】
前記ウイルスが、shRNA、siRNA、またはアンチセンスRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項66記載のキット。
【請求項70】
前記ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項66記載のキット。
【請求項71】
前記活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項58記載のキット。
【請求項72】
MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、請求項70記載のキット。
【請求項73】
MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、請求項70記載のキット。
【請求項74】
MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項70記載のキット。
【請求項75】
MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:2に対するK122Rの変化、(b)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、(c)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化、または(d)SEQ ID NO:18に相当する変異を含む、請求項70記載のキット。
【請求項76】
前記活性薬剤が、MDA-9/シンテニンポリヌクレオチド阻害物質を含む、請求項58記載のキット。
【請求項77】
前記ウイルスが、MDA-9/シンテニン阻害物質をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項66記載のキット。
【請求項78】
MDA-9/シンテニンポリヌクレオチド配列が、siRNA、shRNA、miRNA、lncRNA、またはアンチセンスRNA配列をコードする配列を含む、請求項77記載のキット。
【請求項79】
前記配列がSEQ ID NO:20を含む、請求項78記載のキット。
【請求項80】
請求項58記載の使用のためのキットであって、使用が、
(a)第1のマイクロバブル組成物の投与、
(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与、
(c)第1の超音波の投与の後での第2のマイクロバブル組成物の投与、および
(d)第2のマイクロバブルを破壊する、第2の超音波の該標的組織に向けた投与
を含む、キット。
【請求項81】
第2のマイクロバブル組成物の投与が、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、30分以内、10分以内、または5分以内である、請求項80記載の使用のためのキット。
【請求項82】
前記標的組織が腫瘍を含む、請求項80記載の使用のためのキット。
【請求項83】
前記腫瘍が転移性腫瘍である、請求項82記載の使用のためのキット。
【請求項84】
前記腫瘍が、対象の脳、乳房、肺、胃腸系、骨、腹腔、膵臓、腸、皮膚、頭部、頸部、口腔、脊髄、または肝臓に位置している、請求項82記載の使用のためのキット。
【請求項85】
前記腫瘍が、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、前立腺癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌を含む、請求項82記載の使用のためのキット。
【請求項86】
前記標的組織が、対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、腹腔内、脊髄内、頭部内、頸部内、腎臓内、または肝臓内に位置している、請求項80記載の使用のためのキット。
【請求項87】
前記標的組織が対象の脳にある、請求項82記載の使用のためのキット。
【請求項88】
前記標的組織が対象の膵臓にある、請求項82記載の使用のためのキット。
【請求項89】
第1のマイクロバブル組成物の投与が、前記活性薬剤の前記標的組織への送達を増加させるのに有効な量においてである、請求項80記載の使用のためのキット。
【請求項90】
第1のマイクロバブル組成物の投与が、血液脳関門を通る活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量においてである、請求項89記載の使用のためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
ASCIIフォーマットで電子的に提出されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる配列表を、本願は含有する。該ASCIIコピーは、2022年1月9日に作成された、18,298バイトのサイズの、053151-516001WO_ST25.txtという名前のファイルに書き込まれている。
【背景技術】
【0002】
背景
癌は、死因の第1位であり、医療費増加の原因となっている。伝統的に、癌は、化学療法、放射線療法、および外科的方法を使用して処置されてきた。しかしながら、腫瘍細胞の可塑性および不均一性が、多くの癌の効果的な処置に対して、難題であり続けている。さらに、伝統的な治療は、欠点、例えば、不十分な特異性、許容されない毒性、および低過ぎる有効性を有し得る。特定の組織、特に、ターゲティングがより困難な組織、例えば、脳に、処置を向けようとする時にも、難題が生じ得る。さらに、そのような難題は、癌の処置に限定されず、関心対象の組織への非効率的なターゲティングは、治療剤の有効性を制限し、かつ/もしくは副作用を増加させるか、またはイメージング剤を使用した診断方法を制限する場合がある。
【発明の概要】
【0003】
簡単な概要
以上のことを考慮すると、活性薬剤(治療剤およびイメージング剤を含み、治療剤およびイメージング剤の両方が同時に送達される「セラノスティック」適用のためのもの)のターゲティングの改善、ならびに癌治療におけるターゲティングの改善が必要とされている。本開示は、この必要性に対処する方法および組成物を提供し、付加的な利益も提供する。
【0004】
いくつかの局面において、本開示は、活性薬剤を標的組織に投与する方法を提供する。ある態様において、活性薬剤は、治療剤またはイメージング剤である。ある態様において、方法は、(a)第1のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含有し、かつ活性薬剤を含有しない、工程;(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与;(c)第1の超音波の投与の後に第2のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第2のマイクロバブル組成物が、活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含有する、工程;および(d)第2のマイクロバブルを破壊しかつ活性薬剤を標的組織に放出する、第2の超音波の標的組織に向けた投与を含む。
【0005】
ある態様において、本明細書に記載される方法は、集束超音波(FUS)二重マイクロバブル(FUS-DMB)送達と呼ばれる。ある態様において、FUS-DMBは、脳癌、例えば、脳内に発生したもの(例えば、多形神経膠芽腫またはGBM)、および原発性腫瘍部位が脳外にある脳内の転移性腫瘍を処置するために適用される。ある態様において、FUS-DMBは、まず、送達すべき活性薬剤を欠くマイクロバブル(MB)(例えば、空のMB)を使用して、標的組織における集束超音波を使用して、血液脳関門(BBB)を一時的に開く工程、および、次いで、活性薬剤(例えば、アデノウイルスまたは治療用タンパク質)がマイクロバブルと複合体化され、それが、全身的に(または直接)投与され、FUSによって標的組織(例えば、脳または膵臓)において放出される、超音波標的マイクロバブル破壊(ultrasound-targeted microbubble-destruction)(UTMD)技術を適用する工程を含む。ある態様において、利点には、手術を必要としない、原発性GBM、再発性GBM、または(体内の他の部位からの転移に起因する)二次性脳癌の処置が含まれる。ある態様において、MBと複合体化された活性薬剤(例えば、ウイルス)の、減量手術を受けた腫瘍への直接添加、およびFUSの適用が、治療活性を増強するために使用される。
【0006】
いくつかの局面において、本開示は、活性薬剤による標的組織の処置において使用するためのキットを提供する。ある態様において、キットは、第1および第2のマイクロバブル組成物を含み、ここで、(i)活性薬剤は、治療剤またはイメージング剤であり、(ii)第1のマイクロバブル組成物は、第1のマイクロバブルを含有し、かつ活性薬剤を含有せず、(iii)第2のマイクロバブル組成物は、活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含有する。
【0007】
ある態様において、キットの使用は、(a)第1のマイクロバブル組成物の投与、(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与、(c)第1の超音波の投与の後での第2のマイクロバブル組成物の投与、および(d)第2のマイクロバブルを破壊する、第2の超音波の標的組織に向けた投与を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1A~1Cは、ある態様による、アデノウイルスを脳に送達するための集束超音波(FUS)二重マイクロバブル(FUS-DMB)送達戦略を示す。図1Aは、FUS-DMB送達プロトコルの模式図を提供する。簡単に説明すると、100μlの希釈されたマイクロバブル(MB)+Ad.5/3-CMV-Lucを尾静脈から注射し、15秒間循環させた。15秒後、マウスの脳を、(集束超音波(FUS)を使用して、1分間超音波処理した(群1;図1Bの左パネルおよび図1Cの第1のバー)。第2の群(群2;図1Bの右パネルおよび図1Cの第2のバー)には、希釈されたマイクロバブル(空)を注射し、脳領域において1分間超音波処理(FUS)し、次いで、Ad.5/3-CMV-Lucを含有するMB 100μlをI.V.注射し、MBを15秒間循環させた後、脳領域を1分間超音波処理(FUS)した(FUS-DMB送達アプローチ)。翌日、これらの動物をIVISイメージャーを使用して画像化した。図1Bは、代表的な写真を示す。図1Cは、単一の時点で個々の動物において測定された相対ルシフェラーゼ強度を示し、3匹のマウスからの平均値がプロットされている。* 統計的に有意である。
図2A図2Aおよび図2Bは、ある態様による、集束超音波(FUS)二重MB(FUS-DMB)送達、および治療用ウイルスの脳への効率的な送達を示す。図2Aは、実験プロトコルの一例の模式図を示す。マウスに、ケタミン(40mg/kg)およびキシラジン(3mg/kg)の腹腔内(I.P.)投与を介して麻酔をかけ、定位フレームに固定化した。10,000個の神経膠腫細胞(GBM-6-Luc)を含む5μlのDMEM培地の脳内注射を、ハミルトンシリンジを使用して10分間かけて実施した。頭蓋骨開口部を無菌ボーンワックスを使用して閉じ、皮膚切開部を無菌外科用ステープルまたは外科用接着剤を使用して閉じた。1週間後、これらのマウスを画像化し、腫瘍増殖に基づき、3つの群に無作為化した(IVIS Image)。これらの腫瘍を、(FUSを使用した)BBB開口の有り無しで、Ad.5/3-ヌルまたはAd.5/3-CTVのいずれかを含有するマイクロバブル(MB)の静脈内(I.V.)注射によって処置した。図2Bは、ある単一の時点での代表的な写真(上パネル)および個々の動物における相対ルシフェラーゼ強度測定値(下パネル)を示し、3匹のマウスからの平均値がプロットされている。* 統計的に有意である。
図2B図2Aの説明を参照のこと。
図3図3Aは、マイクロバブル(MB)と複合体化されたHis-MDA-7タンパク質の調製物(MDA-7-MB)の画像を示す。His-MDA-7とMBとの会合を確認するため、Alexa Fluor 488で標識されたHis-MDA-7を混合し、MB凍結乾燥物と共に一晩インキュベートした。取り込まれなかった標識されたHis-MDA-7を遠心分離によって除去し、MB(白色層)を1mlのPBSと混合し、蛍光顕微鏡下で観察した。スケール;1μm。(緑色蛍光によって同定された)標識されたHis-MDA-7は、MBの脂質殻と会合していた。図3Bは、超音波標的MB破壊(UTMD)と併用された、Alexa Fluor-His-MDA-7が被包されたMBの腫瘍特異的送達を示す。DU-145ヒト前立腺癌細胞を、ヌードマウスの左側腹部に異種移植片として確立した。Alexa Fluorで標識されたHis-MDA-7/MB複合体をヌードマウスの尾静脈から注射し、メカニカルインデックス0.7、MPa 1.8に設定されたL25リニアアレイトランスデューサを備えた携帯型超音波(SonoSite Micro-Maxx USプラットフォーム)によって、左側腹部に移植された異種移植(DU-145)腫瘍において10分間ソノポレーションを行った(sonoporated)(UTMDアプローチ)。Xenogen IVISスペクトルを使用して、蛍光画像を取得した。標識されたHis-MDA-7の放出および腫瘍特異的送達は、超音波が適用された左側腹部に主に限局していた。より明るい色は、より高い蛍光強度を示す。
図4図4は、循環血中バブルのクリアランスの後に、共有結合で付着したcVEGFによって装飾されたMBが、マウスMC38腫瘍血管系に接着していることを示す(左パネル)。Sequoia Cadence CPSイメージングモード。抗VCAM-1抗体(ナノボディ)断片で装飾されたMB(右パネル、上フレーム)または対照抗体断片(下フレーム)。対照との比較は、MC38マウス腫瘍血管系におけるターゲティングされたMBの蓄積を示す。
図5A図5A~5Dは、免疫適格性の前立腺癌Hi-mycマウスおよび乳癌MMTV-PyMTマウスにおける、ターゲティングされた、または装飾されたマイクロバブル(D-MB)を使用したAd.5/3-CMV-lucの部位特異的送達を示す。ビオチン化抗V-CAM-1(B-VCAM-1)(100μg)をストレプトアビジンマイクロバブル(MB-SA)(およそ109MB粒子)と共にインキュベートし、ビオチン-抗V-CAM-1-ストレプトアビジン-MB(MB-SA-B-抗VCAM-1;D-MB)複合体を形成させた。D-MBの調製をバリデートするため、D-MBおよび単純なMB-SAの両方をアビジン-FITCと混合し、D-MBの形成を確認するためのフローサイトメトリーを行った(図5A)。Ad.5/3-CMV-lucと複合体化されたD-MBおよび単純なMBを、尾静脈を介して全身注射し、MB/Ad.5/3-CMV-lucの注射の6分後に、FUSを使用して、Hi-myc(図5B)およびMMTV-PyMT(図5C)において、破線の円によって示されるようにソノポレーションを行った。IVISスペクトルを使用して、D-MB/Ad.5/3-CMV-lucの注射の72時間後に、生物発光イメージング(BLI)を行った。D-MB/ad.lucを注射された後、腫瘍の部位における超音波標的MB破壊(UTMD)を受けたMMTV-PyMTマウスの解剖された腫瘍および器官のBLI画像(図5D)。
図5B図5Aの説明を参照のこと。
図5C図5Aの説明を参照のこと。
図5D図5Aの説明を参照のこと。
図6A図6Aおよび図6Bは、ある態様による、ターゲティングされたMB(抗PSMA-MB)によるアデノウイルス(Ad)の特異的送達を示す。図6Aは、左側腹部にPC-3を、右側腹部にPC-3-PIP(PSMAを過剰発現するPC-3)を皮下(s.c.)注射した後に、腫瘍異種移植片が発達したことを示す。腫瘍形成後、単独のAd.5/3-CMV-luc、またはそのままの(未装飾の)MBもしくはターゲティング(装飾)されたMB(抗PSMA-MB)と複合体化されたAd.5/3-CMV-lucを、尾静脈注射を介して注射し、注射の10分後に、超音波トランスデューサを使用することによって、マウスの右側腹部において10分間ソノポレーションを行った。図6Bは、IVIS系を使用したソノポレーションの72時間後の画像取得を示し、画像はLiving Image 4.3.1によって分析された。ターゲティング(装飾)されたMBは、隣接する器官への非特異的な送達なしに、より特異的なAdの送達を提供するが、そのままの(未装飾の)MBは、超音波が適用された腫瘍部位に加えて、隣接する組織または器官(肝臓、脾臓)にもAdを送達することが明確に示された。
図6B図6Aの説明を参照のこと。
図7A図7A~7Dは、Ad.5/3-CTVの集束超音波(FUS)二重MB(FUS-DMB)送達が、ヒトGBM腫瘍を保持するマウスの生存を有意に延長することを示す。図7A;FUS-DMB-Ad.5/3-CTV投与を示す模式図。図7B;ルシフェラーゼを発現する初代ヒトGBM6腫瘍を、ヌードマウスにおいて確立した。FUS-DMBによるAd.5/3-ヌル(左パネル)、DMBによるAd.5/3-CTV(FUSなし/中央パネル)、またはFUS-DMBによるAd.5/3-CTV(右パネル)のいずれかの静脈内注射によって、マウスを処置した。代表的なBLI画像を示す。図7C;Bのように処置された、GBM6を移植されたマウスのパーセント生存率を示すカプランマイヤー分析。* p<0.001(対照/DMB-CTV(FUSなし)との比較)。図7D;IACUCエンドポイントに到達した時にマウスを安楽死させ、脳を収集し、ホルマリンで固定した。FFPE組織切片を、MDA-7/IL-24(トランスジーン発現)、Ki-67(増殖マーカー)、CD-31(血管新生マーカー)、およびGRP-78(MDA-7/IL-24の確立された下流標的)について染色した。予想通り、FUS-DMB CTV処置のみが、MDA-7およびGRP-78の発現を増強し、Ki-67およびCD31の発現を減少させた。
図7B図7Aの説明を参照のこと。
図7C図7Aの説明を参照のこと。
図7D図7Aの説明を参照のこと。
図8図8Aおよび図8Bは、Ad.5/3-CTVのFUS-DMBまたは直接頭蓋内送達が、有意に、かつ比較可能に、神経膠腫幹細胞(GSC)腫瘍を保持するマウスの生存を延長することを示す。ルシフェラーゼを発現するGSC-8-11腫瘍をヌードマウスにおいて確立した。図8A、Ad.5/3-CTVの直接頭蓋内注射またはFUS-DMBによるAd.5/3-CTVの静脈内注射のいずれかによってマウスを処置し、IVIS画像化を使用してマウスを観察した。BLIの代表的な画像を示す。図8B、FUS-DMB-Ad.5/3-CTVまたはIC-Ad.5/3-CTVによる処置を受けた、GSC-8-11を移植されたマウスの生存分析を示すカプランマイヤー分析。両方の処置プロトコルにおいて、生存の有意な延長が観察された。これらの観察は、興味深いものであり、非外科的かつ非侵襲的にGBM患者を処置するための新規処置オプションとしての、FUS-DMBアプローチの力を強調している。* p<0.001(対照ICとの比較);@ p<0.001(対照との比較)。
図9図9Aおよび図9Bは、Ad.5/3-CTVの複数回注射が、GSCによって駆動される腫瘍を保持するマウスの生存をさらに延長することを示す。図9A、FUS-DMBによるAd.5/3-CTVの単回静脈内注射またはFUS-DMBによるAd.5/3-CTVの複数回注射によってマウスを処置し、IVIS画像化を使用してマウスを観察した。BLIの代表的な画像を示す。図9B、Aのように処置された、GSC-8-11を移植されたマウスの生存分析を示すカプランマイヤー分析。この研究は、FUS-DMBによるAd.5/3-CTVが、毒性作用なしに、動物に複数回投与され得ること、FUS-DMBによるAd.5/3-CTVの複数回投与が、単回投与より、神経膠腫を保持するマウスの生存をさらに増強することを確立する。FUS-DMBアプローチは、手術を含まない、Ad.5/3-CTVの非侵襲的な静脈内投与を含む。* p<0.001(対照との比較)。
図10図10は、FUS-DMBアプローチが、「セラノスティック」TCTVウイルスを脳に特異的にターゲティングすることができ、マウス脳内のGBMを非侵襲的に画像化することができることを示す。GBM6細胞を頭蓋内注射し、Ad.5-TCTVを含有するFUS-DMBによって処置した。IVISイメージャーを使用して、処置の24時間後にマウスを画像化した。代表的なBLI画像を示す。左パネル、マウスにDMB-Ad.5-TCTVを静脈内注射したが、FUSは適用しなかった。右パネル、マウスにDMB-Ad.5-TCTVを静脈内注射し、脳領域においてFUSを適用した(FUS-DMBアプローチ)。TCTVは、ウイルス複製、サイトカイン産生、およびイメージング可能性を癌細胞に独特にターゲティングするために、3つの別個のプロモーターを利用する、独特な三成分セラノスティックウイルスである。TCTVの条件的複製は、癌選択的(切断型PEG-3)プロモーターによって制御され、治療用成分であるMDA-7/IL-24は、ユビキタス(CMV)プロモーターの下にあり、最後に、イメージング可能性は、もう1つの癌選択的(短縮型tCCN1)プロモーターによって同期化される。この研究は、FUS-DMB-TCTVが、マウス脳内の神経膠腫を非侵襲的に画像化し、かつ処置することができることを示唆している。
図11図11は、膵臓におけるFUS-DMBアプローチを示す模式図を示す。FUS-DMBアプローチは、集束超音波を使用して、ウイルスを膵臓に全身送達するために使用され得、理論的には、体内の他の器官部位に送達するためにも使用され得る。FUS-DMBアプローチは、単一FUS MBアプローチ(UTMD-超音波標的マイクロバブル破壊アプローチ)の使用より、ウイルスの送達において効果的である。
図12図12Aおよび図12Bは、膵臓にターゲティングするための、FUS-DMBを使用したAdの全身投与を示す。KPC(Pdx-1-Cre/K-rasLSL-G12D/p53fl/fl)ホモ接合マウスに、Ad.5/3-Luc/MB複合体を尾静脈から注射し、MBを15秒間循環させた。振幅10dB、周波数1MHz、出力3.5mVを使用して、水浸型トランスデューサによって、1分間、膵臓領域にFUSを適用した。伝送の48時間後に、Xenogen IVISスペクトルイメージャーを使用して、マウスを画像化した。示された器官を収集し(Li-肝臓、Lu-肺、P-膵臓、Sp-脾臓)、BLIによってエクスビボ画像化を実施した。図12A、Ad.5/3-LucのI.V.(静脈内)注射のみ、FUSなしは、主として肝臓にルシフェラーゼシグナルの蓄積をもたらした。図12B、膵臓領域におけるFUS-DMBによるAd.5/3-LucのI.V.(静脈内)注射は、主として膵臓にルシフェラーゼの蓄積をもたらす。
図13図13Aおよび図13Bは、膵臓におけるFUS-DMBを使用した、shRNAを発現するAdの全身投与が、膵臓における標的遺伝子発現を特異的に減少させることを示す。MB/Ad(Ad.shmda-9)を、FUS-DMBを使用して、尾静脈を介してKPCマウスに全身注射した(100μl)。マウスを48時間維持し、安楽死させ、器官(脾臓、膵臓、肺、および肝臓)を収集した。これらの器官を溶解し、標準的なプロトコルを使用してRNA/タンパク質を単離した。図13A、等量のRNAを使用してcDNAを合成し、MDA-9/シンテニン/SDCBP mRNAレベルをチェックするため、リアルタイムPCRを実施した。マウスGAPDHを転写対照として使用した。* p<0.05(対照との比較)。図13B、MDA-9/シンテニン/SDCBPのウエスタンブロッティング分析。β-アクチンを負荷対照として使用した。この研究は、FUS-DMBによるAd.shMDA-9が、静脈内投与され得、他の器官と比較して膵臓において特異的にMDA-9/シンテニン/SDCBPレベルを阻害し得ることを確立する。それは、FUS-DMBによるAd.shMDA-9が、(FUSを受けていない)未処置のマウスにおいては明らかでない、膵臓を標的とするために使用され得ることも示している。
図14図14Aおよび図14Bは、二重MBアプローチが単一MBアプローチより効率的であることを示す。MB/Ad(Ad.shmda-9)を、単一MBまたはFUS-DMBのいずれかを使用して、尾静脈を介してKPCマウスに全身注射した(100μl)。マウスを安楽死させ、器官(脾臓、膵臓、肺、および肝臓)を示された時点で収集した。これらの器官を溶解し、標準的なプロトコルを使用してRNA/タンパク質を単離した。図14A、等量のRNAを使用してcDNAを合成し、MDA-9/シンテニン/SDCBP mRNAレベルをチェックするため、リアルタイムPCRを実施した。マウスGAPDHを転写対照として使用した。* p<0.05(対照との比較)。図14B、MDA-9/シンテニン/SDCBPのウエスタンブロッティング分析。β-アクチンを負荷対照として使用した。この研究は、FUS-DMBによるAd.shMDA-9が、投与可能であること、FUS-MB(単一マイクロバブル送達)と比較して、膵臓におけるMDA-9/シンテニン/SDCBPレベルの阻害において、より効率的であることを確立する。
図15図15は、Ad.5/3-shMDA-9のFUS-DMB送達が、膵臓腫瘍を保持するマウスの生存を有意に延長することを示す。まず、空のマイクロバブルを注射し、図12Aおよび図12Bに記載されたのと同じパラメータを使用して、FUSを1分間適用し、1分後、補体によって処理されたMB/Ad.shMDA-9を、KPCホモ接合マウスに尾静脈を介して全身注射し(100μl)、FUSを使用したソノポレーションを行った。次いで、これらのマウスは、Ad.shMDA-9注射の24時間後および48時間後にゲムシタビン(20mg/Kg)の腹腔内注射を受容した。同じプロセスを2回繰り返した(全部でAdhMDA-9の注射+FUS-DMB:3回;ゲムシタビン:6回)。これらのマウスを生存について観察し、カプランマイヤー分析を実施した。* p<0.01(対照との比較);** p<0.001(対照との比較)。この研究は、FUS-DMBによるAd.shMDA-9が、公知の毒性なしに、マウスに複数回投与可能であり、より良い治療効果のため、化学療法剤と組み合わせられ得ることを確立する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明の様々な態様および局面が、本明細書に示され、説明されるが、そのような態様および局面は、例として提供されるに過ぎないことが、当業者には明らかである。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変動、変化、および置換に想到する。本明細書に記載される本発明の態様の様々な代替物が、本発明の実施において利用され得ることが、理解されるべきである。
【0010】
本明細書において使用されるセクションの見出しは、整理のためのものに過ぎず、記載される主題を限定するものと解釈されてはならない。特許、特許出願、論文、書籍、マニュアル、および専門書を含むが、これらに限定されるわけではない、本願において引用された文書、または文書の一部分は、全て、事実上、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み入れられる。
【0011】
定義
他に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,NY 1994);およびSambrook and Green,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th Edition(2012)を参照すること。本明細書に記載されるものと類似の、または等価な方法、装置、および材料が、本発明の実施において使用され得る。以下の定義は、本明細書において頻繁に使用されるいくつかの用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定するためのものではない。
【0012】
本明細書において使用されるように、「約」という用語は、指定された値と合理的に類似していると当業者によって見なされる、その指定された値を含む、値の範囲を意味する。ある態様において、「約」という用語は、当技術分野において一般的に許容される測定を使用した標準偏差の範囲内を意味する。ある態様において、約とは、指定された値の+/-10%に及ぶ範囲を意味する。ある態様において、約とは、指定された値を意味する。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことを注記する。さらに、特許請求の範囲は、任意選択の要素を除外するように起草され得ることを注記する。そのため、この記載は、特許請求の範囲の要素の記載に関する「単独で」、「のみ」などの排他的な用語法の特許請求の範囲における記載、または「[特定の特色もしくは要素]が欠如している」もしくは「[特定の特色もしくは要素]を除く」もしくは「[特定の特色もしくは要素]が存在しない(含まれない等)」などの「否定的な」限定の使用を支持するためのものである。
【0014】
「核酸」、「核酸分子」、「核酸オリゴマー」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸断片」、および「ポリヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、様々な長さを有し得る、共有結合で共に連結されたヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれかのポリマー形態、またはそれらの類似体、誘導体、もしくは修飾を含むが、これらに限定されるわけではない。異なるポリヌクレオチドは、異なる三次元構造を有し得、公知または未知の様々な機能を果たし得る。ポリヌクレオチドの非限定的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、遺伝子間DNA(例えば、非限定的に、ヘテロクロマチンDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、ある配列の単離されたDNA、ある配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマーが含まれる。本開示の方法において有用なポリヌクレオチドには、天然核酸配列およびそのバリアント、人工核酸配列、またはそのような配列の組み合わせが含まれ得る。ポリヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾型ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの組み立ての前または後に施され得る。ヌクレオチドの配列には、非ヌクレオチド成分が介在していてもよい。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識成分とのコンジュゲーションによって、さらに修飾されてもよい。
【0015】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸をさし、天然に存在するアミノ酸に類似した様式で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体もさす。天然に存在するアミノ酸とは、遺伝暗号によってコードされるもの、ならびに後に修飾されるそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸類似体とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造、即ち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合したα炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムをさす。そのような類似体は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持している。アミノ酸模倣体とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似した様式で機能する化合物をさす。「天然に存在しないアミノ酸」および「非天然アミノ酸」という用語は、天然には見出されないアミノ酸類似体、合成アミノ酸、およびアミノ酸模倣体をさす。
【0016】
アミノ酸は、本明細書において、一般的に公知の3文字記号、またはIUPAC-IUB生化学的命名法委員会(Biochemical Nomenclature Commission)によって推奨される1文字記号のいずれかによって言及され得る。ヌクレオチドは、同様に、一般的に受け入れられている1文字コードによって言及され得る。
【0017】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、任意の長さのアミノ酸残基のポリマーをさすために、本明細書において交換可能に使用される。ポリマーは、直鎖型または分岐型であってよく、修飾型アミノ酸を含んでいてもよく、非アミノ酸が介在していてもよい。それらの用語には、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、またはその他の任意の操作、例えば、標識成分とのコンジュゲーションによって修飾されたアミノ酸ポリマーも包含される。「融合タンパク質」とは、単一の部分として組換え発現される、2つ以上の別々のタンパク質配列を含むキメラタンパク質をさす。
【0018】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関する、「同一」またはパーセント「同一性」という用語は、(任意で、デフォルトパラメータによって)配列比較アルゴリズムを使用して、または手動アライメントおよび目視検査によって測定されるように、同一であるか、または同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの指定された百分率(即ち、比較ウィンドウもしくは指定された領域において最大に対応するよう比較され、整列化された時、指定された領域における約60%の同一性、好ましくは、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の同一性)を有する、2つ以上の配列または部分配列をさす。ある態様において、「実質的に同一」である配列は、少なくとも80%、90%、95%、99%、またはそれ以上、同一である。核酸の場合、パーセント同一性とは、試験配列の相補鎖もさすことができ、またはそれに適用され得る。下記のように、好ましいアルゴリズムは、ギャップ等を考慮することができる。ある態様において、同一性は、少なくとも約25アミノ酸長または約25ヌクレオチド長である領域に、より好ましくは、50~100アミノ酸長または50~100ヌクレオチド長である領域に存在する。
【0019】
「配列同一性の百分率」は、比較ウインドウにおいて2つの最適に整列化された配列を比較することによって決定され、ここで、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列の比較ウインドウ内の部分は、2つの配列の最適なアライメントのため、(その付加または欠失を含まない)参照配列と比較して、付加または欠失を含み得る。百分率は、両方の配列に同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が存在する位置の数を決定して、一致する位置の数を得、その一致する位置の数を(例えば、参照配列に関する)比較ウインドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて、配列同一性の百分率を得ることによって計算される。配列同一性を決定するためのプログラムは、当業者に公知であり、非限定的に、BLAST(例えば、NCBIウェブサイトwww.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST等を参照すること、任意で、デフォルトパラメータを使用する)、Needleman-Wunschアルゴリズム(例えば、www.ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/で入手可能なEMBOSS Needleアライナーを参照すること、任意で、デフォルト設定による)を含む。
【0020】
アミノ酸またはヌクレオチド塩基の「位置」は、N末端(または5'末)に対する位置に基づき、参照配列内の各アミノ酸(またはヌクレオチド塩基)を連続的に同定する番号によって示される。最適なアライメントを決定する時に考慮しなければならない欠失、挿入、短縮、融合等のため、一般的に、N末端から単純に数えることによって決定される試験配列のアミノ酸残基番号は、参照配列の対応する位置の番号と必ずしも同じではない。例えば、バリアントが、整列化された参照配列に対して欠失を有する場合、その欠失の部位における参照配列の位置に相当するアミノ酸は、バリアントには存在しない。整列化された参照配列への挿入が存在する場合、その挿入は、参照配列において番号付けられたアミノ酸位置に対応しない。短縮または融合の場合には、参照配列または整列化された配列のいずれかに、対応する配列のいずれのアミノ酸にも対応しないアミノ酸のストレッチが存在し得る。アミノ酸変異は、(例えば、野生型配列または参照配列にあるような)元のアミノ酸、変異の位置、および元のアミノ酸から変化したアミノ酸を同定する表記によって同定され得る。例えば、「SEQ ID NO:2に対するK122R」とは、SEQ ID NO:2の122位リジンのアルギニンへの変異を示す。ヌクレオチド変異も、類似の表記スキームを使用することができる。
【0021】
「に関して番号付けられた」または「に対応する」という用語は、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列の番号付けに関して使用される時、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチドの配列を参照配列と比較する時の、指定された参照配列の残基の番号付けをさす。あるアミノ酸が、任意で、異なる位置にある、参照配列の特定の位置に対応するか否か(例えば、SEQ ID NO:2に対するK122Rの変異)は、配列アライメントによって決定され得る。一般的に、参照配列の示された位置に隣接する1つまたは複数のアミノ酸の同一性を示すアライメントは、任意で、問い合わせ配列のシフトした番号の位置に、対応するアミノ酸の変異が存在することを確認するため、問い合わせ配列の対応する位置を、参照配列に関して局所的に位置付けることを可能にする。ある態様において、変異位置を含む少なくとも3~15個のアミノ酸を含む領域は、問い合わせ配列上の変異アミノ酸の位置を除き、比較的高いパーセント同一性(例えば、少なくとも約90%、95%、または100%の同一性)で、対応する参照配列と局所的に整列化される。ある態様において、2つの配列がデフォルトパラメータによるBLASTPアライメントアルゴリズムを使用して最適に整列化された時に、問い合わせ配列のポリペプチドが、参照配列の特定の位置に整列化される場合、問い合わせMDA-7/IL-24タンパク質配列のアミノ酸は、参照配列の特定の位置に対応する。
【0022】
「MDA-7」、「IL-24」、または「MDA-7/IL-24」という用語は、MDA-7活性を有するタンパク質(その相同体、アイソフォーム、および機能性断片を含む)をさす。この用語には、組換え型もしくは天然に存在する型のMDA-7、またはMDA-7活性(例えば、野生型MDA-7と比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは100%以内の活性)を維持するそれらのバリアント、相同体、もしくはアイソフォームが含まれる。ある態様において、バリアント、相同体、またはアイソフォームは、天然に存在するMDA-7タンパク質と比較して、配列全体または配列の一部分(例えば、連続する50アミノ酸、100アミノ酸、150アミノ酸、もしくは200アミノ酸の部分)において、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。ある態様において、MDA-7タンパク質は、アクセッション番号NP_006841によって同定されるタンパク質と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、MDA-7タンパク質は、UniProt Q13007によって同定されるタンパク質と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、IL-24遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_006850に記載の核酸配列と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、IL-24遺伝子は、Ensemblリファレンス番号ENSG00000162892に記載の核酸配列と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、アミノ酸配列または核酸配列は、本願の出願時に公知の配列である。ある態様において、タンパク質は、シグナル配列を含む前駆体型である。ある態様において、シグナル配列は、ネイティブMDA-7シグナル配列ではなく、例えば、修飾されたネイティブシグナル配列、他の遺伝子(例えば、インスリン遺伝子)に由来する未修飾のシグナル配列、または他の遺伝子に由来する修飾されたシグナル配列である。ある態様において、タンパク質は、タンパク質の前駆体型のN末端にシグナル配列が存在しない成熟型のMDA-7である。成熟型は、シグナル配列を含有する前駆体型から翻訳後に作製されてもよいし、または成熟MDA-7の配列に対してN末端にシグナル配列を含まない成熟型をコードするポリヌクレオチドから直接翻訳されてもよい。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4、またはMDA-7活性を維持するか、もしくは増強する、そのバリアント、相同体、もしくはアイソフォームを含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3、またはMDA-7活性を維持するか、もしくは増強する、そのバリアント、相同体、もしくはアイソフォームを含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:2の最初の49アミノ酸を含まない。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18、またはMDA-7活性を維持するか、もしくは増強する、そのバリアント、相同体、もしくはアイソフォームを含む。MDA-7のポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列のさらなる非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるUS20200354745A1に記載されている。
【0023】
「MDA-9」、「シンテニン」、「シンデシン結合タンパク質」、「SDCBP」、または「MDA-9/シンテニン」という用語は、MDA-9活性を有するタンパク質(その相同体、アイソフォーム、および機能性断片を含む)をさす。この用語には、組換え型もしくは天然に存在する型のMDA-9、またはMDA-9活性(例えば、野生型MDA-9と比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは100%以内の活性)を維持する、それらのバリアント、相同体、もしくはアイソフォームが含まれる。ある態様において、バリアント、相同体、またはアイソフォームは、天然に存在するMDA-9タンパク質と比較して、配列全体または配列の一部分(例えば、連続する50アミノ酸、100アミノ酸、150アミノ酸、もしくは200アミノ酸の部分)において、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有する。ある態様において、MDA-9タンパク質は、アクセッション番号NP_005616によって同定されるタンパク質と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、MDA-9タンパク質は、UniProt O00560によって同定されるタンパク質と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、MDA-9遺伝子は、RefSeq(mRNA)NM_005625に記載の核酸配列と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、SDCBP遺伝子は、Ensemblリファレンス番号ENSG00000137575に記載の核酸配列と実質的に同一であるか、またはそれに対して実質的な同一性を有するバリアントもしくは相同体である。ある態様において、アミノ酸配列または核酸配列は、本願の出願の時点で公知の配列である。ある態様において、タンパク質は、シグナル配列を含む前駆体型である。MDA-9のポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列のさらなる非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるWO2017120439に記載されている。
【0024】
「シグナル配列」および「シグナルペプチド」という用語は、そのシグナルペプチドを含むタンパク質の分泌を指図することができるポリペプチド配列をさす。典型的には、シグナルペプチドは、タンパク質のN末端またはその近くにある。シグナルペプチドは、分泌されるタンパク質に直接隣接していてもよいし、1アミノ酸以上のリンカーによって接合されていてもよい。真核生物においては、分泌は、典型的には、タンパク質の小胞体への方向付けを含み、細胞外に分泌される前に、シグナルペプチドの一部または全部を除去するための切断を含み得る。細菌においては、タンパク質は、周辺質または培地に分泌され得る。シグナルペプチドが関心対象のタンパク質(例えば、MDA-7/IL-24タンパク質)に付着している時に、シグナルペプチドの非存在下より多くの関心対象のタンパク質が細胞から分泌される場合、そのシグナルペプチドは、そのシグナルペプチドを含むタンパク質の分泌を指図することができる。ある態様において、関心対象のタンパク質の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上が分泌される。ある態様において、関心対象のタンパク質の少なくとも50%が分泌される。分泌は、任意の適当な系、例えば、本明細書に記載される培養細胞において測定され得る。ある態様において、シグナル配列は、分泌プロセス中に切断によってシグナル配列全体が除去されるよう、関心対象のタンパク質に接合される。
【0025】
コードされた配列の単一のアミノ酸または小さい百分率のアミノ酸を改変するか、付加するか、または欠失させる、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失、または付加は、その改変が、化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらす場合、「保存的に修飾されたバリアント」であることを、当業者は認識する。機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換の表は、当技術分野において周知である。そのような保存的に修飾されたバリアントは、本開示の多形バリアント、種間相同体、および対立遺伝子に対して付加的なものであり、それらを除外しない。以下の8つの群は、各々、相互に保存的置換であるアミノ酸を含有する。
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)
(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照すること)。
【0026】
殺腫瘍効果の認識し得る損失なしに、タンパク質構造内のいくつのアミノ酸を他のアミノ酸に置換することができる。タンパク質の生物学的機能活性を規定するのは、タンパク質の相互作用の能力および性質であるため、タンパク質配列において、そして、当然、そのDNAコード配列においても、いくつのアミノ酸置換を施し、にも関わらず、類似の特性を有するタンパク質を得ることは可能である。従って、生物学的活性の少なくとも一部を保持しながら、本開示のポリペプチド配列、または該ポリペプチドをコードする対応するDNA配列に、様々な変化を施し得ることが企図される。そのような生物学的活性は、様々な技術、例えば、本明細書中の実施例に記載されるアッセイによって査定され得る。
【0027】
「精製された」という用語は、核酸またはタンパク質に適用される時、核酸またはタンパク質が、天然状態または全細胞溶解物において会合している1つまたは複数の他の細胞成分を本質的に含まないことを意味する。それは、例えば、均質な状態であってもよいし、または1つもしくは複数の他の化合物と混合されていてもよく、乾燥溶液または水性溶液のいずれかにあってよい。例えば、MDA-7/IL-24タンパク質(またはそれをコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)を細胞溶解物から精製し、次いで、1つまたは複数の他の薬剤(例えば、マイクロバブル、および、任意で、抗癌剤)と組み合わせることができる。そのため、精製されたMDA-7/IL-24タンパク質(またはそれをコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)を含む組成物は、付加的な化合物を含んでもよいが、一般的には、MDA-7/IL-24タンパク質(またはそれをコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)が最初に単離された溶解物または培地に存在する1つまたは複数の不純物は、存在しないか、または低下している。純度および均質性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィなどの分析化学技術を使用して決定される。調製物中に存在する優勢な種である分子は、実質的に精製されている。
【0028】
本明細書において使用されるように、「癌」という用語は、哺乳動物(例えばヒト)に見出される全ての種類の癌、新生物、または悪性腫瘍、例えば、白血病、リンパ腫、細胞腫、および肉腫をさす。本明細書において提供される化合物または方法によって処置され得る例示的な癌には、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、髄芽腫、黒色腫、子宮頸癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、頭部癌、ホジキン病、および非ホジキンリンパ腫が含まれる。本明細書において提供される化合物または方法によって処置され得る例示的な癌には、甲状腺、内分泌系、脳、乳房、子宮頸部、結腸、頭頸部、肝臓、腎臓、肺、卵巣、膵臓、直腸、胃、および子宮の癌が含まれる。さらなる例には、甲状腺癌、胆管癌、膵臓腺癌、膵管腺癌(PDAC)、皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、膵内分泌部もしくは膵外分泌部の新生物、甲状腺髄様癌(medullary thyroid cancer)、甲状腺髄様癌(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、肝細胞癌、または前立腺癌が含まれる。ある態様において、癌は、骨に転移した癌である。ある態様において、癌は、前立腺癌、例えば、前立腺癌由来骨転移である。
【0029】
本明細書において使用されるように、「転移」、「転移性」、および「転移性癌」という用語は、交換可能に使用され得、増殖性の疾患または障害、例えば、癌の、ある器官、または他の隣接していない器官もしくは身体部分からの蔓延をさす。「転移性癌」は「ステージIV癌」とも呼ばれる。癌は、起源部位、例えば、前立腺において発生し、その部位は、原発性腫瘍、例えば、原発性前立腺癌と呼ばれる。原発性腫瘍または起源部位の癌細胞の一部は、局所的な区域において周囲の正常組織に浸透し、浸潤する能力、ならびに/またはリンパ系もしくは血管系の壁に浸透し、系を通って体内の他の部位および組織に循環する能力を獲得する。原発性腫瘍の癌細胞から形成された第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性腫瘍または二次性腫瘍と呼ばれる。癌細胞が転移した時、転移性腫瘍およびその細胞は、最初の腫瘍のものと類似していると推定される。従って、前立腺癌が骨に転移した場合、骨のその部位の二次性腫瘍は、異常な骨細胞ではなく、異常な前立腺細胞からなる。骨の二次性腫瘍は、転移性骨癌と呼ばれる。従って、転移性癌という語句は、対象が原発性腫瘍を有するか、または過去に有し、かつ1つまたは複数の二次性腫瘍を有する、疾患をさす。非転移性癌または転移性ではない癌を有する対象という語句は、対象が原発性腫瘍を有するが、1つまたは複数の二次性腫瘍は有しない、疾患をさす。例えば、転移性肺癌とは、原発性肺腫瘍を有するか、またはその病歴を有し、かつ第2の位置または複数の位置、例えば、骨に、1つまたは複数の二次性腫瘍を有する対象における疾患をさす。
【0030】
本明細書において使用されるように、「対象」とは、哺乳動物、例えば、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット等)または霊長類(例えば、サルおよびヒト)であり得る。ある態様において、対象はヒトである。ある態様において、対象は、本明細書に記載される癌、例えば、転移性癌を有するか、または有する可能性のある哺乳動物(例えば、ヒト)である。ある態様において、対象は、本明細書に記載される癌、例えば、転移性癌を発症するリスクがある哺乳動物(例えば、ヒト)である。
【0031】
「処置すること」または「処置」には、本明細書において使用されるように、対象の状態についての有益なまたは所望の結果、例えば、臨床結果を得るための任意のアプローチが広く含まれる。有益なまたは所望の臨床結果には、部分的であるか、完全かに関わらず、検出可能であるか、検出不可能であるかに関わらず、1つまたは複数の症状または状態の軽減または改善、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(即ち、無増悪)、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または緩和、疾患の再発の縮小、および寛解が含まれるが、これらに限定されるわけではない。ある局面において、対象は、以前に疾患のために処置されたことがある。換言すると、「処置」には、本明細書において使用されるように、疾患の任意の治癒または改善が含まれる。処置は、疾患の症状を完全にもしくは部分的に緩和するか、疾患の根本的な原因を除去するか、疾患の期間を短縮するか、またはこれらの組み合わせを行うことができる。癌の場合、処置は、(例えば、腫瘍のサイズもしくはその変化速度によって測定される腫瘍の増殖における)癌細胞増殖の減速、停止、または逆転を含み得る。
【0032】
「防止すること」とは、本明細書において使用されるように、患者における1つまたは複数の疾患症状の発生または発生率の減少をさす。防止は、完全(検出可能な症状なし)であってもよいし、または処置しない場合に起こる可能性が高いものより少ない症状が観察される、部分的なものであってもよい。防止には、予防的処置が含まれる。
【0033】
処置期間の長さは、多様な要因、例えば、状態の重症度、患者の年齢、活性薬剤の濃度、処置において使用される組成物の活性、またはそれらの組み合わせに依存する。処置または防止のために使用される薬剤の有効投薬量は、特定の処置または予防レジメンの経過中に増加または減少し得ることも理解される。投薬量の変化は、当技術分野において公知の標準的な診断アッセイによって生じ、明らかになり得る。いくつかの場合において、慢性投与が必要とされ得る。例えば、組成物は、患者を処置するのに十分な量および期間で対象に投与される。ある態様において、本開示の組成物の投与は、対象の癌(例えば、転移性骨癌)を処置し、かつさらなる疾患系(例えば、転移、例えば、骨転移)を防止する。
【0034】
本明細書に記載される組成物は、相互に組み合わせて使用されてもよいし、または癌の処置において有用であることが公知の他の活性薬剤、例えば、抗癌剤と組み合わせて使用されてもよい。「抗癌剤」とは、その平易な通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または癌細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)をさす。ある態様において、抗癌剤は、化学療法薬である。ある態様において、抗癌剤は、癌を処置する方法における有用性を有する本明細書において同定される薬剤である。ある態様において、抗癌剤は、癌を処置するために、FDAまたは米国以外の国の類似の規制当局によって認可された薬剤である。
【0035】
本明細書において使用されるように、「投与」という用語には、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、くも膜下腔内投与、鼻腔内投与、もしくは皮下投与、または徐放性デバイス、例えば、ミニ浸透圧ポンプの埋め込みが包含される。投与は、非経口および経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内が含まれる。他の送達方式には、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチ等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。「同時投与する」とは、本明細書に記載される組成物が、1つまたは複数の付加的な治療、例えば、癌治療、例えば、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法の投与と同時に投与されるか、その直前に投与されるか、またはその直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、患者に単独で投与されてもよいし、同時投与されてもよい。同時投与には、個々に、または組み合わせて(1つより多い化合物)、化合物を同時にまたは逐次的に投与することが含まれるものとする。従って、調製物は、所望により、(例えば、代謝分解を低下させるための)他の活性薬剤と組み合わせられてもよい。ある態様において、タンパク質またはタンパク質を含む組成物を「投与すること」とは、タンパク質をコードするポリヌクレオチドではなく、タンパク質自体(例えば、MDA-7/IL-24タンパク質)を投与することをさす。
【0036】
「有効量」とは、化合物が、その化合物の非存在下と比べて、記された目的を達成する(例えば、その投与による効果を達成するか、疾患を処置するか、酵素活性を低下させるか、酵素活性を増加させるか、シグナル伝達経路を低下させるか、または疾患もしくは状態の1つもしくは複数の症状を低下させる)のに十分な量である。「有効量」の一例は、疾患の症状の処置、防止、または低下に寄与するのに十分な量であり、それは、「治療的に有効な量」とも呼ばれ得る。症状の「低下」(およびこの語句の文法的等価物)とは、症状の重症度もしくは頻度の減少、または症状の排除を意味する。薬物の「予防的に有効な量」とは、対象に投与された時に、意図された予防効果を有する、例えば、損傷、疾患、病理、もしくは状態の発症(もしくは再発)を防止するか、もしくは遅延させるか、または損傷、疾患、病理、もしくは状態、もしくはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性を低下させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回の投与によって起こらず、一連の数回の投与の後にのみ起こる場合もある。従って、予防的に有効な量は、1回または複数回の投与によって投与され得る。「活性を減少させる量」とは、本明細書において使用されるように、アンタゴニストの非存在下と比べて酵素の活性を減少させるのに必要とされるアンタゴニストの量をさす。「機能を破壊する量」とは、本明細書において使用されるように、アンタゴニストの非存在下と比べて酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要とされるアンタゴニストの量をさす。正確な量は、処置の目的に依存し、公知の技術を使用して当業者によって確認可能である(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkinsを参照すること)。
【0037】
本明細書に記載される任意の化合物について、治療的に有効な量は、最初に、細胞培養アッセイから決定され得る。目標濃度は、本明細書に記載される、または当技術分野において公知の方法を使用して測定されるような、本明細書に記載される方法を達成することができる活性化合物の濃度である。
【0038】
ヒトにおいて使用するための治療的に有効な量は、動物モデルからも決定され得る。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であることが見出された濃度を達成するよう製剤化され得る。ヒトにおける投薬量は、化合物の有効性をモニタリングし、前記のように投薬量を上方または下方に調整することによって調整され得る。上記の方法およびその他の方法に基づく、ヒトにおいて最大の有効性を達成するための用量の調整は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0039】
「治療的に有効な量」という用語は、本明細書において使用されるように、前記のように、障害を改善するのに十分な治療用組成物の量をさす。例えば、所定のパラメータについて、治療的に有効な量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増加または減少を示す。治療的有効性は、「~倍」の増加または減少としても表され得る。例えば、治療的に有効な量は、対照と比べて、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上の効果を有し得る。
【0040】
投薬量は、患者の必要性および利用される化合物によって変動し得る。本開示に関して、患者に投与される用量は、経時的に患者における有益な治療応答をもたらすのに十分なものであるべきである。用量のサイズは、有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定される。特定の状況のための適切な投薬量の決定は、実務家の技能の範囲内である。一般的に、処置は、化合物の最適用量未満である、より小さい投薬量で開始される。その後、状況下で最適効果に達するまで、投薬量が少量ずつ増加させられる。投薬量および投薬間隔は、処置される特定の臨床適応症に対して有効な、投与される化合物のレベルを提供するため、個々に調整され得る。これは、個体の病状の重症度に相応の治療レジメンを提供する。
【0041】
「薬学的に許容される賦形剤」および「薬学的に許容される担体」とは、活性薬剤の対象への投与および対象による吸収を補助し、患者に対して重大な有害な毒物学的効果を引き起こすことなく、本開示の組成物に含められ得る物質をさす。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例には、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸リンゲル、通常のショ糖、通常のブドウ糖、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング、甘味剤、風味剤、塩溶液(例えば、リンゲル溶液)、アルコール、油、ゼラチン、炭水化物、例えば、乳糖、アミロース、またはデンプン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチセルロース、ポリビニルピロリジン、および着色剤等が含まれる。そのような調製物は、滅菌され得、所望により、本開示の化合物と有害に反応しない補助剤、例えば、滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、および/または芳香物質等と混合され得る。当業者は、他の薬学的賦形剤が本開示において有用であることを認識する。
【0042】
薬学的調製物は、任意で、単位剤形である。そのような形態において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分されている。単位剤形は、包装された調製物であってよく、その包装は、個別の量の調製物、例えば、小分けされた錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプルに入れられた粉末を含有する。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、もしくはロゼンジ自体であってもよく、またはこれらのうちの任意のものの適切な数が包装された形態であってもよい。単位剤形は、凍結分散物のものであってもよい。
【0043】
本明細書において使用されるように、「マイクロバブル」という用語は、一般的に、外殻および内腔を作り出す、脂質の球状配置をさす。脂質層は、例えば、マイクロバブルを形成する際の、外殻の一部としての活性薬剤の取り込みによって、またはマイクロバブルの形成後の、活性薬剤と殻との(例えば、非共有結合性相互作用を介した)複合体化によって、安定的に分子と結合するよう修飾され得る。ある態様において、活性薬剤の送達のためのベクターとしてのマイクロバブルの使用は、微小血管が標的区域を通過する際の、集束超音波ビームによる、薬剤を負荷されたマイクロバブルの破壊を利用し、それは、非標的区域を温存しながら、マイクロバブル殻の破壊時に局所的な伝達をもたらす(例えば、米国特許出願公開第2013204166号を参照すること)。超音波/マイクロバブル標的送達(UMTD)は、インビトロで細胞に遺伝子を送達するために使用されており、より最近では、実験動物モデルにおいて、糖尿病および心血管疾患を処置するため、インビボで遺伝子を送達するために利用されている(Chen et al.(2007)Gene Ther.14:1102-1110;Fujii et al.(2009)J.Am.Coll.Cardiol.Cardiovasc.Imaging 2:869-879)。いくつかの態様において、マイクロバブルは、遺伝子または分子治療ベクターである。遺伝子ベクターとしてのマイクロバブルの使用は、ウイルス系と比べて利点を有する。UMTDにおいては、静脈内注射されたマイクロバブルが、超音波ビームが向けられる標的部位の微小循環を通過する際に破壊され、直接腫瘍内注射などの侵襲的なアプローチを必要とすることなく、選択的ペイロード送達を機能的に達成することができる。ある態様において、本発明者らがUMTDのために使用した脂質マイクロバブルは、反復投与される。ある態様において、マイクロバブルは、超音波造影剤であるため、同時に、標的組織(例えば、腫瘍)へのマイクロバブル通過を画像化することもでき、それによって、活性薬剤送達のより正確なリアルタイムの案内を可能にする。多様な手法のうちの任意のものが、多様な適当な材料からのマイクロバブルの形成において使用され得る。例えば、マイクロバブルを形成するのに有用な市販の組成物には、非限定的に、ソナゾイド(SONAZOID)、オプティソン(OPTISON)、ソノビュー(SONOVUE)、マイクロマーカー(MICROMARKER)、ポリソン(POLYSON)、およびその他のそのような超音波イメージング剤が含まれる。マイクロバブルは、ジパルミトイルホスファチジン酸およびジステアロイルホスファチジン酸(DPPA、DSPA)、ジパルミトイルホスファチジルセリンおよびジステアロイルホスファチジルセリン(DPPS、DSPS)、ホスファチジルグリセロール、例えば、ジパルミトイルホスファチジルグリセロールおよびジステアロイルホスファチジルグリセロール(DPPG、DSPG)、1,2-ビス(10,12-トリコサジノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコブネ、L-a-ホスファチジルコリン、PE-PEG2000(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000、PE-PEG2000-ビオチン、ならびにこれらのうちの1つまたは複数の組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない脂質から形成され得る。非脂質(例えば、タンパク質、および/または1つもしくは複数の活性薬剤)は、殻の1つまたは複数の脂質との複合体として、マイクロバブルの外殻の一部を形成するよう含まれ得る。内腔は、適当な気体、例えば、空気またはパーフルオロブタンによって占拠されていてよい。気体のさらなる非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるUS20160243234A1に記載されている。一般的に、マイクロバブルは、約0.1ミクロン~約100ミクロという直径の平均値または中央値を有する。マイクロバブルの形成のための組成物のさらなる非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるUS20160108429A1およびWO2020118271A1に記載されている。
【0044】
本明細書において使用されるように、「標的組織」という用語は、関連している、または類似している細胞の集合体をさす。標的組織の非限定的な例には、結合組織、筋組織、神経組織、または上皮組織が含まれる。標的組織には、皮膚の表面、気道、軟部、生殖器系、消化管の内層を形成する上皮組織;線維性結合組織、骨格結合組織、液性結合組織、血管系、骨、靭帯、腱、血液、血管、脂肪、乳輪、骨格筋、平滑筋、心筋、脳の神経組織、脳の神経組織、脊髄の神経組織、脳神経の神経組織、脊髄神経の神経組織が含まれ得る。標的組織は、健常であってもよいし、または疾患を有するもの(例えば、癌性)であってもよい。標的組織は、生存生物に由来してもよいし、またはインビトロで増殖したものであってもよい。標的組織は、移植されたものであってもよい。
【0045】
本明細書において使用されるように、「セラノスティック」という用語は、治療的という用語と診断的という用語との組み合わせをさす。セラノスティック組成物の非限定的な例は、対象における標的腫瘍の画像化および処置の両方に使用され得る組成物である。
【0046】
本明細書において使用されるように、「活性薬剤」という用語は、治療剤、イメージング剤、またはセラノスティック剤である化合物をさす。
【0047】
本明細書において使用されるように、「マイクロバブルに封入される活性薬剤」という用語は、治療剤、イメージング剤、または治療剤でもありイメージング剤でもある薬剤であり、マイクロバブルに封入される化合物をさす。
【0048】
本明細書において使用されるように、「マイクロバブルから排出される活性薬剤」という用語は、治療剤、イメージング剤、または治療剤でもありイメージング剤でもある薬剤であり、マイクロバブルから排出される化合物をさす。
【0049】
本明細書において使用されるように、「マイクロバブルを含む治療」とは、1つまたは複数の活性薬剤による処置を含み、マイクロバブルも含む治療をさす。
【0050】
本明細書において使用されるように、「マイクロバブルを含まない治療」とは、1つまたは複数の活性薬剤による処置を含み、マイクロバブルを含まない治療をさす。
【0051】
「治療剤」とは、本明細書において使用されるように、対象に投与された時に、意図された予防効果、例えば、損傷、疾患、病理、もしくは状態の発症(もしくは再発)の防止もしくは遅延、もしくは損傷、疾患、病理、もしくは状態、もしくはそれらの症状の発症(もしくは再発)の可能性の低下、または意図された治療効果、例えば、損傷、疾患、病理、もしくは状態、もしくはそれらの症状、例えば、処置の客観的もしくは主観的なパラメータの処置もしくは改善、例えば、症状の低減;寛解;縮小、もしくは損傷、病理、もしくは状態の患者による耐容性の向上;変性もしくは衰退の速度の減速;変性の最終点の衰弱性の低下;もしくは患者の身体的もしくは精神的な幸福の改善を有する薬剤(例えば、本明細書に記載される化合物または組成物)をさす。ある態様において、治療剤は、抗癌剤である。ある態様において、治療剤は、核酸、タンパク質、またはベクター(例えば、プラスミドもしくはウイルス)である。
【0052】
「抗癌(Anti-cancer)剤」および「抗癌(anticancer)剤」とは、平易な通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)をさす。いくつかの態様において、抗癌剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、またはホルモンである。いくつかの態様において、抗癌剤は、化学療法薬である。いくつかの態様において、抗癌剤は、癌を処置する方法における有用性を有する本明細書において同定される薬剤である。いくつかの態様において、抗癌剤は、癌を処置するために、FDAまたは米国以外の国の類似の規制当局によって認可された薬剤である。抗癌剤の例には、MEK(例えば、MEK1、MEK2、またはMEK1およびMEK2)阻害剤(例えば、XL518、CI-1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC-0973、ARRY-162、ARRY-300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK-733、PD318088、AS703026、BAY 869766)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソ尿素系、ナイトロジェンマスタード系(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メイファラン(meiphalan))、エチレンイミンおよびメチルメラミン系(例えば、ヘキサメチルメラミン(hexamethlymelamine)、チオテパ)、アルキルスルホン酸系(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素系(例えば、カルムスチン、ロムスチン(lomusitne)、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン系(デカルバジン))、代謝拮抗薬(例えば、5-アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロキソウリジン(floxouridine)、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)等)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセル等)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシド等)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン等)、白金系化合物(例えば、シスプラチン、オキサロプラチン(oxaloplatin)、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン系(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達の阻害剤(例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY 43-9006、ワートマニン、またはLY294002、Syk阻害剤、mTOR阻害剤、抗体(例えば、リツキサン)、ゴシフォール(gossyphol)、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン(Chlorofusin)、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5-アザ-2'-デオキシシチジン、オールトランスレチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec.RTM.)、ゲルダナマイシン、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17-AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY 11-7082、PKC412、PD184352、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;オール-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド(andrographolide);血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背側化形態形成タンパク質(anti-dorsalizing morphogenetic protein)-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗ネオプラストン(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィディコリングリシネート(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス制御剤;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン(atamestane);アトリムスチン(atrimustine);アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン(azatyrosine);バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン系(benzochlorins);ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;βアレチン(beta-alethine);ベタクラマイシン(betaclamycin)B;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド(bisnafide);ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン(budotitane);ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリアポックスIL-2;カペシタビン;カルボキサミドアミノトリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン系;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン(conagenin);クランベシジン(crambescidin)816;クリスナトール(crisnatol);クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシン(curacin)A;シクロペンタアントラキノン系(cyclopentanthraquinones);シクロプラタム(cycloplatam);サイペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート(cytarabine ocfosfate);細胞溶解因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン(deslorelin);デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン(diaziquone);ジデムニンB;ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine);ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン(diphenyl spiromustine);ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン(droloxifene);ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン(ecomustine);エデルホシン(edelfosine);エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメネ(elemene);エミテフル(emitefur);エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン(fluasterone);フルダラビン;フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)塩酸塩;ホルフェニメクス(forfenimex);ホルメスタン;フォストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphyrin);硝酸ガリウム;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン(idramantone);イルモホシン(ilmofosine);イロマスタット;イミダゾアクリドン系(imidazoacridones);イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様増殖因子1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン(iobenguane);ヨードドキソルビシン;イポメアノール(ipomeanol)、4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン(irsogladine);イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリド(kahalalide)F;ラメラリン(lamellarin)-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン(leinamycin);レノグラスチム;レンチナン(lentinan)硫酸塩;レプトルスタチン(leptolstatin);レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;リュープロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール(liarozole);直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン(lombricine);ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン(losoxantrone);ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン(lutetium texaphyrin);リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ(methioninase);メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド(mitonafide);マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン(mofarotene);モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多重腫瘍抑制因子1ベースの治療(multiple tumor suppressor 1-based therapy);マスタード抗癌剤;ミカペルオキシド(mycaperoxide)B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン(acetyldinaline);N-置換ベンズアミド系;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン(naphterpin);ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン(ormaplatin);オサテロン(osaterone);オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin);パミドロン酸;パナキシトリオール(panaxytriol);パノミフェン(panomifene);パラバクチン(parabactin);パゼリプチン(pazelliptine);ペグアスパルガーゼ;ペルデシン(peldesine);ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン
;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド(perfosfamide);ペリリルアルコール;フェナジノマイシン(phenazinomycin);酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール(picibanil);ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン(propyl bis-acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン系(purpurins);ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチルレテリプチン(retelliptine demethylated);レニウムRe186エチドロン酸塩;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノン(rubiginone)B1;ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスティム;Sdi 1模倣体;セムスチン;老化由来阻害剤(senescence derived inhibitor)1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;一本鎖抗原結合タンパク質;シゾフラン(sizofuran);ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルフォス酸(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンギスタチン(spongistatin)1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性血管作動性腸ペプチド(superactive vasoactive intestinal peptide)アンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン系;タリムスチン(tallimustine);タモキシフェンメチオジド(tamoxifen methiodide);タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン(tetrazomine);サリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣体;サイマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;サイモトリナン(thymotrinan);甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンスズ(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン;二塩化チタノセン(titanocene bichloride);トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン系;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来増殖阻害因子(urogenital sinus-derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド(vapreotide);バリオリン(variolin)B;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレソル(velaresol);ベラミン(veramine);ベルジン系(verdins);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン(zeniplatin);ジラスコルブ(zilascorb);ジノスタチンスチマラマー、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール(acodazole)塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);アメタントロン(ametantrone)酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;ビサントレン(bisantrene)塩酸塩;ビスナフィドジメシレート(bisnafide dimesylate);ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン(calusterone);カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン(carzelesin);セデフィンゴール(cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);クラドリビン;メシル酸クリスナトール(crisnatol mesylate);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン(dexormaplatin);デザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシレート(mesylate);ジアジコン;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン(enloplatin);エンプロメート(enpromate);エピプロピジン(epipropidine);エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール(erbulozole);エソルビシン(esorubicin)塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;ホスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム(fostriecin sodium);ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシ尿素;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イイモホシン(iimofosine);インターロイキンI1(組換えインターロイキンII、またはrlL.sub.2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-1a;インターフェロンγ-1b;イプロプラチン(iproplatin);イリノテカン塩酸塩;ランレオチド塩酸塩;レトロゾール;リュープロリド塩酸塩;リアロゾール(liarozole)塩酸塩;ロメトレキソール(lometrexol)ナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン(losoxantrone)塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;メゲストロール酢酸エステル;メレンゲストロール酢酸エステル;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド(mitindomide);ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン(mitocromin);ミトギリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾイエ(nocodazoie);ノガラマイシン;オルマプラチン(ormaplatin);オキシスラン(oxisuran);ペグアスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド(perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン(piposulfan);ピロキサントロン(piroxantrone)塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン(plomestane);ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン(pyrazofurin);リボプリン(riboprine);ログレチミド(rogletimide);サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン(simtrazene);スパルホサート(sparfosate)ナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム(spirogermanium)塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン(spiroplatin);ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール(sulofenur);タリソマイシン(talisomycin);テコガラン(tecogalan)ナトリウム;テガフール;テロキサントロン(teloxantrone)塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン(teroxirone);テストラクトン;チアミプリン(thiamiprine);チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン(trestolone)酢酸塩;トリシリビン(triciribine)リン酸塩;トリメトレキサート;トリメトレキサートグルクロン酸塩;トリプトレリン;ツブロゾール(tubulozole)塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジン(vinepidine)硫酸塩;ビングリシネート(vinglycinate)硫酸塩;ビンロイロシン(vinleurosine)硫酸塩;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジン(vinrosidine)硫酸塩;ビンゾリジン(vinzolidine)硫酸塩;ボロゾール;ゼニプラチン(zeniplatin);ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩、G2-M期の細胞を阻止し、かつ/または微小管の形成もしくは安定性をモジュレートする薬剤(例えば、タキソール(Taxol)(商標)(即ち、パクリタキセル)、Taxotere(商標)、タキサン骨格を含む化合物、エルブロゾール(Erbulozole)(即ち、R-55104)、ドラスタチン10(即ち、DLS-10およびNSC-376128)、ミボブリンイセチオン酸塩(即ち、CI-980)、ビンクリスチン、NSC-639829、ディスコデルモリド(即ち、NVP-XX-A-296)、ABT-751(Abbott、即ち、E-7010)、アルトリルチン(Altorhyrtins)(例えば、アルトリルチンAおよびアルトリルチンC)、スポンギスタチン系(例えば、スポンギスタチン1、スポンギスタチン2、スポンギスタチン3、スポンギスタチン4、スポンギスタチン5、スポンギスタチン6、スポンギスタチン7、スポンギスタチン8、およびスポンギスタチン9)、セマドチン塩酸塩(即ち、LU-103793およびNSC-D-669356)、エポチロン系(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(即ち、デスオキシエポチロン(desoxyepothilone)AまたはdEpoA)、エポチロンD(即ち、KOS-862、dEpoB、およびデスオキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(即ち、BMS-310705)、21-ヒドロキシエポチロンD(即ち、デスオキシエポチロンFおよびdEpoF)、26-フルオロエポチロン、アウリスタチンPE(即ち、NSC-654663)、
ソブリドチン(即ち、TZT-1027)、LS-4559-P(Pharmacia、即ち、LS-4577)、LS-4578(Pharmacia、即ち、LS-477-P)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、ビンクリスチン硫酸塩、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、即ち、WS-9885B)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、即ち、ILX-651およびLU-223651)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、クリプトフィシン52(即ち、LY-355703)、AC-7739(Ajinomoto、即ち、AVE-8063AおよびCS-39.HCl)、AC-7700(Ajinomoto、即ち、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HCl、およびRPR-258062A)、ビチレブアミド(Vitilevuamide)、ツブリシン(Tubulysin)A、カナデンソール(Canadensol)、センタウレイジン(Centaureidin)(即ち、NSC-106969)、T-138067(Tularik、即ち、T-67、TL-138067、およびTI-138067)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、即ち、DDE-261およびWHI-261)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、オンコシジン(Oncocidin)A1(即ち、BTO-956およびDIME)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリド(Fijianolide)B、ラウリマリド(Laulimalide)、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、即ち、SPIKET-P)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、即ち、MF-569)、ナルコシン(Narcosine)(NSC-5366としても公知)、ナスカピン(Nascapine)、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine、即ち、MF-191)、TMPN(Arizona State University)、バナドセンアセチルアセトネート(Vanadocene acetylacetonate)、T-138026(Tularik)、モンサトロール(Monsatrol)、イナノシン(lnanocine )(即ち、NSC-698666)、3-IAABE(Cytoskeleton/Mt.Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tuiarik、即ち、T-900607)、RPR-115781(Aventis)、エリュテロビン系(例えば、デスメチルエリュテロビン、デサエチルエリュテロビン(Desaetyleleutherobin)、イソエリュテロビン(lsoeleutherobin)A、およびZ-エリュテロビン)、カリバエオシド(Caribaeoside)、カリバエオリン(Caribaeolin)、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タカロノリド(Taccalonolide)A、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン(Diozostatin)、(-)-フェニラヒスチン(Phenylahistin)(即ち、NSCL-96F037)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、ミオセベリン(Myoseverin)B、D-43411(Zentaris、即ち、D-81862)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(即ち、SPA-110、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチン(Resverastatin)リン酸ナトリウム、BPR-OY-007(National Health Research Institutes)、およびSSR-250411(Sanofi))、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害剤、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRH)、例えば、ゴセレリンまたはリュープロリド、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン系(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、メゲストロール酢酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル)、エストロゲン系(例えば、ジエチルスチルベストロール(diethlystilbestrol)、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン系(例えば、テストステロンプロピオン酸エステル、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミド)、免疫賦活薬(例えば、カルメット-ゲラン桿菌(BCG)、レバミソール、インターロイキン2、α-インターフェロン等)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA-DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、免疫毒素(例えば、抗CD33モノクローナル抗体-カリケアマイシンコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体-シュードモナス外毒素コンジュゲート等)、放射免疫療法(例えば、111In、90Y、または131I等にコンジュゲートされた抗CD20モノクローナル抗体)、トリプトライド、ホモハリントニン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5-ノニルオキシトリプタミン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)標的型の治療または治療薬(例えば、ゲフィチニブ(Iressa(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、アファチニブ/BIBW2992、CI-1033/カネルチニブ、ネラチニブ/HKI-272、CP-724714、TAK-285、AST-1306、ARRY334543、ARRY-380、AG-1478、ダコミチニブ/PF299804、OSI-420/デスメチルエルロチニブ、AZD8931、AEE788、ペリチニブ(pelitinib)/EKB-569、CUDC-101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG-490、XL647、PD153035、BMS-599626)、ソラフェニブ、イマチニブ、スニチニブ、ダサチニブ等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0053】
「イメージング剤」とは、状態、病理学的障害、および/または疾患の存在および/または進行の検出、画像化、および/またはモニタリングを可能にする化合物である。イメージング剤には、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段、またはその他の物理学的手段によって検出可能である化合物が含まれる。例示的なイメージング剤には、非限定的に、32P放射性核種、陽電子放出同位体、蛍光色素、フルオロフォア、抗体、生物発光分子、化学発光分子、光活性分子、金属、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて使用されるもの)、磁気造影剤、量子ドット、ナノ粒子(例えば、金ナノ粒子)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、および、例えば標的ペプチドと特異的に反応性の抗体またはペプチドに放射標識を組み込むことによって、検出可能にされ得るタンパク質またはその他の実体が含まれる。抗体を標識にコンジュゲートするための当技術分野において公知の任意の方法が利用され得る。例示的なフルオロフォアには、フルオレセイン、ローダミン、GFP、クマリン、FITC、Alexa fluor(登録商標)、Cy3、Cy5、ボディパイ(BODIPY)、およびシアニン色素が含まれる。例示的な放射性核種には、フッ素-18、ガリウム-68、および銅-64が含まれる。例示的な磁気造影剤には、ガドリニウム、酸化鉄および白金鉄、ならびにマンガンが含まれる。いくつかの態様において、イメージング部分は、生物発光分子である。
【0054】
本明細書において使用されるように、「ターゲティング部分」という用語およびその等価物は、細胞または組織の表面にある所望の分子または構造を認識し、それに結合し、従って、それが会合している複合体が、非標的部位より優先的に標的部位に蓄積するよう指図する分子をさす。ターゲティング部分の非限定的な例には、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合ペプチド、受容体、および受容体に対するリガンドが含まれる。ターゲティング部分の特異的結合パートナーとは、ターゲティング部分が、標的以外の分子または構造に結合するより高い特異性(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、100倍、またはそれ以上の特異性)で、標的の分子または構造に結合することを意味する。ある態様において、ターゲティング部分は、公知の結合対(例えば、抗体/抗原、リガンド/受容体、およびレクチン/炭水化物)のメンバーである。ある態様において、ターゲティング部分を含む複合体は、ターゲティング部分を欠く比較可能な複合体より大きい程度に、投与部位の遠位の標的組織に蓄積する。
【0055】
「抗体」という用語は、抗原に特異的に結合し、それを認識する、免疫グロブリン遺伝子またはその機能性断片によってコードされるポリペプチドをさす。認識されている免疫グロブリン遺伝子には、κ型、λ型、α型、γ型、δ型、ε型、およびμ型の定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεに分類され、それが、それぞれ、免疫グロブリンのクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを規定する。
【0056】
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成され、各対は、1本の「軽鎖」(約25kDa)および1本の「重鎖」(約50~70kDa)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識を主に担う約100~110アミノ酸またはそれ以上の可変領域を規定する。「可変重鎖」、「VH」、または「VH」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む、免疫グロブリン重鎖の可変領域をさし、「可変軽鎖」、「VL」、または「VL」という用語は、Fv、scFv、dsFv、またはFabを含む、免疫グロブリン軽鎖の可変領域をさす。
【0057】
抗体の機能性断片の例には、完全な抗体分子、抗体断片、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、相補性決定領域(CDR)、VL(軽鎖可変領域)、VH(重鎖可変領域)、Fab、F(ab)2'、およびこれらの任意の組み合わせ、または標的抗原に結合し得る免疫グロブリンペプチドの任意のその他の機能性部分が含まれるが、これらに限定されるわけではない(例えば、FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY(Paul ed.,4th ed.2001を参照すること)。当業者によって理解されるように、多様な方法、例えば、酵素、例えば、ペプシンによる完全抗体の消化;または新規合成によって、様々な抗体断片を得ることができる。抗体断片は、しばしば、化学的に、または組換えDNA方法論を使用することによって、新規合成される。従って、抗体という用語には、本明細書において使用されるように、抗体全体の修飾によって作製された抗体断片、または組換えDNA方法論を使用して新規合成されたもの(例えば、一本鎖Fv)、またはファージディスプレイライブラリーを使用して同定されたもの(例えば、McCafferty et al.,(1990)Nature 348:552を参照すること)が含まれる。「抗体」という用語には、二価分子または二重特異性分子、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディも含まれる。二価分子および二重特異性分子は、例えば、Kostelny et al.(1992)J.Immunol.148:1547、Pack and Pluckthun(1992)Biochemistry 31:1579、Hollinger et al.(1993),PNAS.USA 90:6444、Gruber et al.(1994)J Immunol.152:5368、Zhu et al.(1997)Protein Sci.6:781、Hu et al.(1996)Cancer Res.56:3055、Adams et al.(1993)Cancer Res.53:4026、およびMcCartney,et al.(1995)Protein Eng.8:301に記載されている。
【0058】
「キメラ抗体」とは、(a)抗原結合部位(可変領域)が、異なる、もしくは改変されたクラス、エフェクター機能、および/もしくは種の定常領域、もしくはキメラ抗体に新しい特性を付与する全く異なる分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、増殖因子、薬物等に連結されるよう、定常領域もしくはその一部分が改変され、置換され、もしくは交換されているか;または(b)可変領域もしくはその一部分が、異なる、もしくは改変された抗原特異性を有する可変領域に改変され、置換され、もしくは交換されている抗体分子である。本発明の好ましい抗体、および本発明による使用のための好ましい抗体には、ヒト化モノクローナル抗体および/またはキメラモノクローナル抗体が含まれる。
【0059】
「ウイルス」という用語は、宿主細胞においてのみ複製する超顕微鏡的な感染体をさす。ウイルスの遺伝材料は、DNAまたはRNAのいずれかである。
【0060】
「アデノウイルス」または「Ad」という用語は、アデノウイルス科のウイルスをさす。アデノウイルスは、広範囲の脊椎動物宿主に見出される、エンベロープなし、二十面体形で、中型(直径90~100nm)の二本鎖DNAウイルスである。
【0061】
「ウイルスの向性」という用語は、特定の細胞型に感染し、最終的に、成功した感染を生じるウイルスの能力をさす。
【0062】
「向性修飾型AdV」という用語は、本来の向性から別の向性を有するよう遺伝子改変されたアデノウイルスをさす。例えば、HAd5の向性は、ファイバー/ノブと、主要なアデノウイルス受容体、コクサッキー・アデノウイルス受容体(CAR)CARとの相互作用によって主に媒介される。アデノウイルスの侵入および複製のためのCARへの依存を迂回するため、過去数年間に多くの異なるアプローチが使用されてきた。例えば、いくつかのグループは、Adベクターの標的を変えることを試みて、ファイバーのノブドメインを遺伝子修飾した。遺伝子改変には、アデノウイルス5型(Ad5)ファイバーのテールドメインおよびシャフトドメインと、Ad3のノブドメインとから構成されるキメラファイバータンパク質を含有するビリオン、またはAd11およびAd35などの別の血清型へのファイバーの交換が含まれる。Ad3ウイルスは、デスモグレインおよびCD46に結合し得るため、Ad.5/3キメラ構造を有するこれらのウイルスは、CAR、デスモグレイン、およびCD46に結合することができ、これらの受容体のいずれかの低下を有する細胞に感染する能力を増加させることができる。異なるアプローチには、Ad5ファイバーのCOOH末端におけるCOOH末端ポリリジン配列またはインテグリン結合RGDモチーフの組み込みが含まれる。向性修飾型アデノウイルスの例には、Ad.5/3-CTV、Ad5/3-C-RGD、Ad5/3-HI-RGD、Ad5/3-E2F-d24、Ad5.RGD.pK7が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0063】
「CTV」または「癌ターミネーターウイルス」という用語は、最新の微生物工学的技術によって修飾されたアデノウイルス科のウイルスをさす。癌を終結させるウイルスの非限定的な例には、参照により本明細書に組み入れられるBhoopathi,P.,et al.(2021)Cancers,13(4),85に記載されているような、3つの異なるプロモーターから3つの遺伝子を選択的に発現するセラノスティック三成分CTV(TCTV)(例えば、Ad.5-TCTV、Ad.5/3-TCTV)、および参照により本明細書に組み入れられるWO2014093270A1に記載されているような、向性修飾型癌ターミネーターウイルス(例えば、Ad.5/3-CTV;Ad.5/3-CTV-M7)が含まれる。
【0064】
組成物およびキット
いくつかの局面において、本開示は、活性薬剤による標的組織の処置において使用するための組成物およびキットを提供する。ある態様において、キットは、第1および第2のマイクロバブル組成物と活性薬剤とを含む。いくつかの態様において、第1のマイクロバブル組成物は、活性薬剤を含まない。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物は、活性薬剤を含む。いくつかの態様において、活性薬剤は、治療剤である。いくつかの態様において、活性薬剤は、イメージング剤である。
【0065】
ある態様において、第1および第2のマイクロバブル組成物は、静脈内投与用に製剤化されている。いくつかの態様において、第1の組成物は、静脈内投与用に製剤化されている。いくつかの態様において、第2の組成物は、静脈内投与用に製剤化されている。
【0066】
ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約50ミクロン、約1ミクロン~約25ミクロン、約1ミクロン~約10ミクロン、または約1ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。
【0067】
いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約1ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約2ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約1ミクロン~約2ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約1ミクロン~約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約1ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約2ミクロン~約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約2ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約3ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、約3ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。
【0068】
いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約1ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約2ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約2ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約2ミクロン~約3ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約2ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約3ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、約3ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。
【0069】
ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含む。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含有する。いくつかの態様において、第1および第2のマイクロバブルは、両方とも、ターゲティング部分を含有し、それらは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。ある態様において、第1および第2のマイクロバブルは、同じ標的に結合するターゲティング部分を含む。ある態様において、ターゲティング部分は、特定のタンパク質、特定の細胞、または特定の組織に特異的に結合する。
【0070】
ある態様において、マイクロバブルは、ターゲティング部分を含む。ある態様において、ターゲティング部分の非限定的な例には、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合タンパク質断片、受容体、受容体断片、受容体リガンド、ペプチド、ポリペプチド、ポリ核酸、多糖、脂質、ポリマー、腫瘍関連抗原、組織特異的抗原、血管関連抗原、またはそれらの分子の任意の組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体断片である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、結合タンパク質である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、結合タンパク質断片である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、受容体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、受容体断片である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、受容体リガンドである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、ペプチドである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、ポリペプチドである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、ポリ核酸である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、多糖である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、脂質である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、ポリマーである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、腫瘍関連抗原である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、組織特異的抗原である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、血管関連抗原である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、本明細書に記載される分子の任意の組み合わせである。
【0071】
ある態様において、腫瘍関連抗原は、HER2、CEA、PSA、MUC1、PSMA、CA19-9、EpCAM、GPC3、メソテリン(MSLN)、またはEGFRより選択される。ある態様において、腫瘍関連抗原は、HER2である。ある態様において、腫瘍関連抗原は、CEAである。ある態様において、腫瘍関連抗原は、PSAである。ある態様において、腫瘍関連抗原は、MUC1である。ある態様において、腫瘍関連抗原は、PSMAである。ある態様において、腫瘍関連抗原は、CA19-9である。ある態様において、腫瘍関連抗原は、EpCAMである。ある態様において、腫瘍関連抗原は、GPC3である。ある態様において、腫瘍関連抗原は、メソテリン(MSLN)である。ある態様において、腫瘍関連抗原は、EGFRである。
【0072】
ある態様において、組織特異的抗原は、糖タンパク質2、カドヘリン-9、GFAP、ネスチン、Tuj-1、胸腺細胞抗原1(Thy1)/CD90、デスミン、Cx43より選択される。ある態様において、組織特異的抗原は、糖タンパク質2である。ある態様において、組織特異的抗原は、カドヘリン-9である。ある態様において、組織特異的抗原は、GFAPである。ある態様において、組織特異的抗原は、ネスチンである。ある態様において、組織特異的抗原は、Tuj-1である。ある態様において、組織特異的抗原は、胸腺細胞抗原1(Thy1)/CD90である。ある態様において、組織特異的抗原は、デスミンである。ある態様において、組織特異的抗原は、Cx43である。
【0073】
ある態様において、ターゲティング部分は、VEGF受容体に結合するVEGFポリペプチドまたはその一本鎖バリアントを含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VEGFポリペプチドである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VEGFの一本鎖バリアントである。ターゲティング部分として有用なVEGFポリペプチドおよびその一本鎖バリアントの非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるUS20080312410A1に提供されている。
【0074】
ある態様において、ターゲティング部分は、VCAM1抗体またはそのエピトープ結合断片を含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VCAM1抗体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体のVCAM1エピトープ結合断片である。
【0075】
ある態様において、ターゲティング部分は、PSMA抗体またはそのエピトープ結合断片を含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、PSMA抗体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体のPSMAエピトープ結合断片である。
【0076】
ある態様において、活性薬剤は、抗癌剤である。いくつかの適当な抗癌剤が利用可能であり、その非限定的な例は、本明細書に提供されている。ある態様において、活性薬剤には、ベクター、例えば、プラスミドまたはウイルスが含まれる。ウイルスの非限定的な例は、アデノウイルス、癌ターミネーターウイルス(CTV)、レンチウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、遺伝子修飾型HIV、または水疱性口内炎ウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、癌ターミネーターウイルス(CTV)である。いくつかの態様において、ウイルスは、レンチウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、レトロウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、ヘルペスウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、ワクシニアウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、遺伝子修飾型ヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。いくつかの態様において、ウイルスは、水疱性口内炎ウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスは、アデノウイルスである。いくつかの態様において、ウイルスの複製は、癌選択的プロモーターの調節下にある。
【0077】
ある態様において、活性薬剤は、セラノスティックウイルスである。ある態様において、セラノスティックウイルスは、アデノウイルスである。ある態様において、アデノウイルスは、遺伝子改変されている。ある態様において、アデノウイルスは、向性修飾型ウイルスである。ある態様において、アデノウイルスは、組織選択的プロモーターを含む。ある態様において、アデノウイルスは、癌選択的プロモーターを含む。ある態様において、アデノウイルスは、組織選択的ターミネーターを含む。ある態様において、アデノウイルスは、癌選択的ターミネーターを含む。いくつかの態様において、アデノウイルスは、複数の癌選択的プロモーターを含む。いくつかの態様において、アデノウイルスは、複数の組織選択的プロモーターを含む。いくつかの態様において、アデノウイルスは、複数の癌選択的ターミネーターを含む。いくつかの態様において、アデノウイルスは、複数の組織選択的ターミネーターを含む。いくつかの態様において、アデノウイルスは、向性修飾型癌ターミネーターウイルスである。
【0078】
ある態様において、活性薬剤には、タンパク質または核酸が含まれる。いくつかの態様において、活性薬剤は、タンパク質である。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸である。いくつかの態様において、活性薬剤は、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)である。いくつかの態様において、活性薬剤は、低分子干渉RNA(siRNA)である。いくつかの態様において、活性薬剤は、アンチセンスRNAである。いくつかの態様において、活性薬剤は、lncRNAである。いくつかの態様において、活性薬剤は、DNAである。ある態様において、DNAは、shRNAまたはアンチセンスRNAをコードする。
【0079】
ある態様において、活性薬剤には、MDA-9/シンテニン阻害物質が含まれる。MDA-9/シンテニン阻害物質は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルでMDA-9/シンテニン活性を阻害することができる。ある態様において、活性薬剤は、MDA-9/シンテニンDNA配列の一部をコードする核酸配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子干渉RNA(siRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なマイクロRNA(miRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なメッセンジャーRNA(mRNA)、またはMDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なアンチセンスRNAをコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子ヘアピン型RNA(shRNA)をコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子干渉RNA(siRNA)をコードする。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なマイクロRNA(miRNA)をコードする。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なアンチセンスRNAをコードする。MDA-9/シンテニン阻害物質の組成物および方法は、参照により本明細書に組み入れられる国際特許公開WO 2017/120439およびWO 2021/127305に開示されている。
【0080】
ある態様において、活性薬剤は、SEQ ID NO:19および/またはSEQ ID NO:20に相当するMDA-9/シンテニンポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸配列SEQ ID NO:19を含む。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸配列SEQ ID NO:20を含む。
【0081】
ある態様において、活性薬剤は、MDA-9/シンテニン核酸配列の一部をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスである。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子干渉RNA(siRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なマイクロRNA(miRNA)、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なメッセンジャーRNA(mRNA)、またはMDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なアンチセンスRNAをコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子ヘアピン型RNA(shRNA)をコードする。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的な低分子干渉RNA(siRNA)をコードする。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なマイクロRNA(miRNA)をコードする。ある態様において、ポリヌクレオチドは、MDA-9/シンテニン配列の一部分に相補的なアンチセンスRNAをコードする。
【0082】
ある態様において、活性薬剤には、SEQ ID NO:19および/またはSEQ ID NO:20に相当するMDA-9/シンテニンポリヌクレオチド配列を含有するウイルスが含まれる。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸配列SEQ ID NO:19を含む。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸配列SEQ ID NO:20を含む。
【0083】
ある態様において、活性薬剤には、活性型のRNAまたはタンパク質、例えば、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの態様において、活性薬剤には、MDA-7/IL-24融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが含まれる。いくつかの態様において、活性薬剤には、MDA-/IL-24配列バリアントをコードするポリヌクレオチドが含まれる。
【0084】
ある態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するウイルスである。いくつかの態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するアデノウイルスである。いくつかの態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するウイルスである。いくつかの態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有するアデノウイルスである。いくつかの態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24配列バリアントをコードするポリヌクレオチドを含有するウイルスである。いくつかの態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24配列バリアントをコードするポリヌクレオチドを含有するアデノウイルスである。
【0085】
ある態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24タンパク質である。いくつかの態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、融合タンパク質である。いくつかの態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、配列バリアントである。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、インスリンシグナルペプチドを含む。
【0086】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列またはそのバリアントを含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0087】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約80%または少なくとも約80%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約85%または少なくとも約85%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約96%または少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約97%または少なくとも約97%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約98%または少なくとも約98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約99%または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4と約100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:4の連続する25アミノ酸、50アミノ酸、75アミノ酸、または100アミノ酸において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0088】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18のアミノ酸配列またはそのバリアントを含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0089】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約80%または少なくとも約80%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約85%または少なくとも約85%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約96%または少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約97%または少なくとも約97%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約98%または少なくとも約98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約99%または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18と約100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:18の連続する25アミノ酸、50アミノ酸、75アミノ酸、または100アミノ酸において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0090】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列またはそのバリアントを含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0091】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約80%または少なくとも約80%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約85%または少なくとも約85%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約96%または少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約97%または少なくとも約97%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約98%または少なくとも約98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約99%または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3と約100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3の連続する50アミノ酸、75アミノ酸、100アミノ酸、または150アミノ酸において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0092】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:2に対するK122Rの変化、SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、またはSEQ ID NO:4に対するK19Rの変化に相当する、リジンからアルギニンへの変異を含む。SEQ ID NO:18は、SEQ ID NO:2に対するK122Rの変異を有するアミノ酸配列の一例である。しかしながら、SEQ ID NO:18は、SEQ ID NO:2より短い配列を表すため、SEQ ID NO:18に関する変異の位置は、アミノ酸19である。にも関わらず、2つの配列間の最適なアライメントは、SEQ ID NO:18が、SEQ ID NO:2の122位に相当するSEQ ID NO:18の19位を除き100%同一であるSEQ ID NO:2内の部分と整列することを示す。さらに、SEQ ID NO:18は、SEQ ID NO:4に対するK19R変異の結果を表し、2つの配列は、変異の位置を除き完全に同一である。
【0093】
ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、ヒトインスリンシグナルペプチドである。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列またはそのバリアントを含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5に対する1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸置換を有する。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、約1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸、もしくはそれ以上の、または約1アミノ酸、2アミノ酸、3アミノ酸、4アミノ酸、5アミノ酸、6アミノ酸、7アミノ酸、8アミノ酸、9アミノ酸、10アミノ酸、もしくはそれ以上を超えるリンカーによって、MDA-7/IL-24タンパク質に接合されている。ある態様において、リンカーは、約1~10アミノ酸長、2~8アミノ酸長、3~7アミノ酸長、または4~6アミノ酸長である。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、融合タンパク質のN末端にある。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、融合タンパク質のN末端の約1アミノ酸以内、2アミノ酸以内、3アミノ酸以内、4アミノ酸以内、5アミノ酸以内、またはそれ以上にある。
【0094】
ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約80%または少なくとも約80%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約85%または少なくとも約85%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約90%または少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約95%または少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約96%または少なくとも約96%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約97%または少なくとも約97%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約98%または少なくとも約98%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約99%または少なくとも約99%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5と約100%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、インスリンシグナルペプチドは、SEQ ID NO:5の連続する5アミノ酸、10アミノ酸、15アミノ酸、20アミノ酸、または24アミノ酸において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0095】
ある態様において、融合タンパク質へのインスリンシグナルペプチドの内含は、MDA-7/IL-24タンパク質のmRNA転写物レベル、タンパク質レベル、成熟タンパク質レベル、成熟タンパク質画分、分泌、および/または抗癌活性を増加させるように機能する。ある態様において、シグナルペプチドの機能は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列からなるタンパク質(またはそれをコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)と比べて測定される。ある態様において、シグナルペプチドの機能は、インスリンシグナルペプチド(またはそれをコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)を欠く対応するMDA-7/IL-24タンパク質と比べて測定される。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質のmRNA転写物レベル、タンパク質レベル、成熟タンパク質レベル、成熟タンパク質画分、分泌、および/または抗癌活性は、約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、75%、100%、150%、200%、もしくはそれ以上、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、75%、100%、150%、200%、もしくはそれ以上、増加する。ある態様において、増加は、約5~200%、10~150%、20~100%、または40~75%である。ある態様において、増加は、少なくとも約5%である。インスリンシグナルペプチドによってもたらされる相対変化は、任意の適当な系において、例えば、本明細書に記載される培養細胞において測定され得る。
【0096】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、本明細書に記載される配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6、10~12、もしくは17のいずれか1つのヌクレオチド配列、またはそのバリアントを含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6、10~12、または17のいずれか1つと少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6、10~12、または17のいずれか1つと約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6、10~12、または17のいずれか1つと約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約80%または少なくとも約80%同一(例えば、90%、95%、もしくは100%同一)であるヌクレオチド配列を含む。
【0097】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約80%または少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約85%または少なくとも約85%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約96%または少なくとも約96%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約97%または少なくとも約97%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約98%または少なくとも約98%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約99%または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6と約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:6の連続する50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、150ヌクレオチド、200ヌクレオチド、250ヌクレオチド、300ヌクレオチド、またはそれ以上において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0098】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約80%または少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約85%または少なくとも約85%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約96%または少なくとも約96%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約97%または少なくとも約97%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約98%または少なくとも約98%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約99%または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10と約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10の連続する50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、150ヌクレオチド、200ヌクレオチド、250ヌクレオチド、300ヌクレオチド、またはそれ以上において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0099】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約80%または少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約85%または少なくとも約85%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約96%または少なくとも約96%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約97%または少なくとも約97%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約98%または少なくとも約98%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約99%または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11と約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:11の連続する50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、150ヌクレオチド、200ヌクレオチド、250ヌクレオチド、300ヌクレオチド、またはそれ以上において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0100】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約80%または少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約85%または少なくとも約85%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約96%または少なくとも約96%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約97%または少なくとも約97%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約98%または少なくとも約98%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約99%または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12と約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:12の連続する50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、150ヌクレオチド、200ヌクレオチド、250ヌクレオチド、300ヌクレオチド、またはそれ以上において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0101】
ある態様において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約80%または少なくとも約80%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約85%または少なくとも約85%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約90%または少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約95%または少なくとも約95%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約96%または少なくとも約96%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約97%または少なくとも約97%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約98%または少なくとも約98%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約99%または少なくとも約99%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17と約100%同一であるヌクレオチド配列を含む。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:17の連続する50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、150ヌクレオチド、200ヌクレオチド、250ヌクレオチド、300ヌクレオチド、またはそれ以上において、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0102】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、生物学的活性を保持する。サイトカインおよびIL-10サイトカイン遺伝子ファミリーのメンバーとして、MDA-7/IL-24は、下流のシグナル伝達イベントを活性化するために、Rl型受容体およびR2型受容体(IL-20R1およびIL-20R2;IL-22R1およびIL-20R2;または独特な受容体対、IL-20R1およびIL-22R1)からなる受容体二量体を通して負のシグナルを伝達する。このような活性を測定するためのアッセイは、利用可能である(例えば、WO2018089995A1を参照すること)。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3のMDA-7/IL-24タンパク質の生物学的活性の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%、またはそれ以上を保持するバリアント、相同体、またはアイソフォームである。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3のMDA-7/IL-24タンパク質の生物学的活性の少なくとも80%を保持する。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3のMDA-7/IL-24タンパク質の生物学的活性の少なくとも90%を保持する。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、対象の癌細胞、または参照細胞株(例えば、DU-145細胞)のIL-20/IL-22受容体複合体を活性化することができる。
【0103】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質のネイティブシグナルペプチドは、組換えによってインスリンシグナルペプチドに置換される。そのような場合、ポリヌクレオチドは、MDA-7/IL-24タンパク質のネイティブシグナルペプチドをコードしない。ある態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:2のアミノ酸1~49をコードしない。ある態様において、ポリヌクレオチドから発現されるMDA-7/IL-24タンパク質は、分泌のための細胞内プロセシングの後、MDA-7/IL-24タンパク質と共に最初に翻訳されたインスリンシグナルペプチドを欠く成熟MDA-7/IL-24タンパク質となる。ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質は、生物学的活性を保持するMDA-7/IL-24タンパク質の短縮型である。例えば、MDA-7/IL-24タンパク質は、SEQ ID NO:3の最初の54アミノ酸を欠いていてもよい。
【0104】
いくつかの局面において、本開示は、本明細書に記載されるポリヌクレオチドのいずれかを含むベクターを提供する。ある態様において、ベクターは、挿入されたポリヌクレオチドが制御(例えば、転写および/または翻訳調節)配列に機能的に連結されるような発現ベクターである。これに関して、「機能的に連結される」という用語は、ベクター内の制御配列が、例えば、細胞内で発現された時に、ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳を制御するという意図された機能を果たすよう、関心対象のポリヌクレオチドがベクターに挿入されることを意味する。ベクターおよび発現調節配列は、意図された宿主または標的細胞と適合性であるように選択される。制御配列の例には、プロモーター、エンハンサー、およびその他の発現調節要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。哺乳動物細胞におけるタンパク質の発現において使用するための制御配列の非限定的な例には、サイトメガロウイルス(CMV)、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルスに由来するプロモーターおよび/またはエンハンサー(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)およびポリオーマ;非ウイルス制御配列、例えば、ユビキチンプロモーターまたはβ-グロビンプロモーター;ならびに異なる起源に由来する配列、例えば、SV40初期プロモーターに由来する配列とヒトT細胞白血病ウイルス1型の長い末端反復に由来する配列とを含有するSRαプロモーター系が含まれる。
【0105】
ある態様において、ベクターは、プラスミドベクターである。ある態様において、ベクターは、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルスベクター(Ad)、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、遺伝子修飾型HIV、水疱性口内炎ウイルス、またはその他の適当なウイルスベクターである。ある態様において、ウイルスは、アデノウイルスである。多様な適当なアデノウイルスが利用可能である。MDA-7/IL-24タンパク質の発現において使用され得るアデノウイルスの非限定的な例には、WO2018089995A1、WO2017062708A1、US20180243382A1、US20160008413A1、およびDash et al.,Cancer Res 2014;74:563-74に記載されたものが含まれる。ある態様において、ウイルス(例えば、アデノウイルス)は、標的細胞におけるウイルス複製が、対応する野生型ウイルスと比べて縮小されるか、または排除されるような、複製不全アデノウイルスである。ある態様において、ウイルス複製は、非癌細胞より癌細胞においてウイルス複製が高くなるよう、癌特異的プロモーターの調節下にある。癌特異的プロモーターの非限定的な例は、癌選択的進行上昇遺伝子(Progression Elevated Gene)-3(PEG-3)プロモーターである。アデノウイルス複製は、例えば、E1A遺伝子およびE1B遺伝子をPEG-3プロモーターの調節下に置くことによって、癌特異的にされ得る。
【0106】
いくつかの局面において、本開示は、本明細書に開示される方法において使用するためのキットを提供する。ある態様において、キットの使用は、第1のマイクロバブル組成物の投与、第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与、第1の超音波の投与の後での第2のマイクロバブル組成物の投与、および第2のマイクロバブルを破壊する、第2の超音波の標的組織に向けた投与を含む。いくつかの態様において、キットの使用は、第1のマイクロバブル組成物の投与、および第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与を含む。いくつかの態様において、キットの使用は、第2のマイクロバブル組成物の投与、および第2のマイクロバブルを破壊する、第2の超音波の標的組織に向けた投与を含む。
【0107】
ある態様において、第2のマイクロバブル組成物の投与は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、約30分以内、約10分以内、または約5分以内である。いくつかの態様において、投与は、約60分以内である。いくつかの態様において、投与は、約30分以内である。いくつかの態様において、投与は、約10分以内である。いくつかの態様において、投与は、約5分以内である。
【0108】
ある態様において、標的組織は、腫瘍を含む。いくつかの態様において、腫瘍は、転移性腫瘍である。ある態様において、腫瘍は、対象の脳、乳房、肺、皮膚、胃腸系、骨、腹腔、膵臓、頭部、頸部、口腔、脊髄、または腸に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、脳に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、乳房に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、肺に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、胃腸系に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、骨に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、腹腔に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、膵臓に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、腸に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、口腔に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、脊髄に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、頭部に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、頸部に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、皮膚または皮膚上に位置している。
【0109】
ある態様において、腫瘍には、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、骨癌、膵臓癌、肝臓癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌が含まれる。いくつかの態様において、腫瘍は、神経膠芽腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、黒色腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、乳癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、骨癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、膵臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、肝臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、結腸癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、口腔癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、頭頸部癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、脊髄癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、腎臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、肺癌である。
【0110】
ある態様において、対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、頭部内、頸部内、脊髄内、肺内、腎臓内、または肝臓内に位置している標的組織。いくつかの態様において、標的組織は、脳内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、膵臓内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、胃内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、腸内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、骨内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、皮膚内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、口腔内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、頭部内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、頸部内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、脊髄内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、肺内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、腎臓内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、肝臓内に位置している。
【0111】
ある態様において、第1のマイクロバブル組成物の投与は、活性薬剤の標的組織への送達を増加させるのに有効な量においてである。
【0112】
ある態様において、第1のマイクロバブル組成物の投与は、血液脳関門を通る活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量においてである。
【0113】
方法
いくつかの局面において、本開示は、活性薬剤を標的組織に投与する方法を提供する。ある態様において、方法は、本明細書に記載される1つまたは複数の組成物、例えば、本明細書に記載されるキットの1つまたは複数の組成物を投与する工程を含む。ある態様において、活性薬剤は、治療剤またはイメージング剤である。ある態様において、方法は、第1のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含有し、かつ活性薬剤を含有しない、工程;第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与;第1の超音波の投与の後に第2のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第2のマイクロバブル組成物が、活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含有する、工程;および第2のマイクロバブルを破壊しかつ活性薬剤を標的組織に放出する、第2の超音波の標的組織に向けた投与を含む。
【0114】
ある態様において、方法は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、約30分以内、約10分以内、および約5分以内に第2のマイクロバブル組成物を投与する工程を含む。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内に投与される。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約30分以内に投与される。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約10分以内に投与される。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物は、第1のマイクロバブル組成物の投与の約5分以内に投与される。
【0115】
ある態様において、方法は、静脈内投与によって、第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方を投与する工程を含む。いくつかの態様において、第1のマイクロバブル組成物の投与は、静脈内投与による。いくつかの態様において、第2のマイクロバブル組成物の投与は、静脈内投与による。いくつかの態様において、第1のマイクロバブル組成物および第2のマイクロバブル組成物の投与は、両方とも、静脈内投与による。
【0116】
ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、例えば、本明細書に記載されるキットの第1および/または第2のマイクロバブルに関して、本明細書に記載されるマイクロバブルである。ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約50ミクロン、約1ミクロン~約25ミクロン、約1ミクロン~約10ミクロン、または約1ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約1ミクロン~約5ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する。
【0117】
ある態様において、第1および/または第2のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含む。いくつかの態様において、第1のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含有する。いくつかの態様において、第2のマイクロバブルは、ターゲティング部分を含有する。いくつかの態様において、第1および第2のマイクロバブルは、両方とも、ターゲティング部分を含有し、それらは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。ある態様において、第1および第2のマイクロバブルは、同じ標的に結合するターゲティング部分を含む。ある態様において、ターゲティング部分は、特定のタンパク質、特定の細胞、または特定の組織に特異的に結合する。
【0118】
ある態様において、ターゲティング部分は、VEGF受容体に結合するVEGFポリペプチドまたはその一本鎖バリアントを含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VEGFポリペプチドである。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VEGFの一本鎖バリアントである。ターゲティング部分として有用なVEGFポリペプチドおよびその一本鎖バリアントの非限定的な例は、参照により本明細書に組み入れられるUS20080312410A1に提供される。
【0119】
ある態様において、ターゲティング部分は、VCAM1抗体またはそのエピトープ結合断片を含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、VCAM1抗体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体のVCAM1エピトープ結合断片である。
【0120】
ある態様において、ターゲティング部分は、PSMA抗体またはそのエピトープ結合断片を含む。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、PSMA抗体である。いくつかの態様において、ターゲティング部分は、抗体のPSMAエピトープ結合断片である。
【0121】
ある態様において、標的組織は、腫瘍を含む。いくつかの態様において、腫瘍は、転移性腫瘍である。ある態様において、腫瘍は、対象の脳、乳房、肺、皮膚、胃腸系、骨、腹腔、膵臓、頭部、頸部、口腔、脊髄、または腸に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、脳に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、乳房に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、肺に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、胃腸系に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、骨に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、腹腔に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、膵臓に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、腸に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、口腔に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、脊髄に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、頭部に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、頸部に位置している。いくつかの態様において、腫瘍は、皮膚または皮膚上に位置している。
【0122】
ある態様において、腫瘍は、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、骨癌、膵臓癌、肝臓癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌を含む。いくつかの態様において、腫瘍は、神経膠芽腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、黒色腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、乳癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、骨癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、膵臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、肝臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、結腸癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、口腔癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、頭頸部癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、脊髄癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、腫瘍は、腎臓癌である。いくつかの態様において、腫瘍は、肺癌である。
【0123】
ある態様において、対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、頭部内、頸部内、脊髄内、肺内、腎臓内、または肝臓内に位置している標的組織。いくつかの態様において、標的組織は、脳内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、膵臓内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、胃内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、腸内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、骨内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、皮膚内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、口腔内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、頭部内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、頸部内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、脊髄内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、肺内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、腎臓内に位置している。いくつかの態様において、標的組織は、肝臓内に位置している。
【0124】
ある態様において、標的組織は、対象にある。ある態様において、対象は、癌について処置されている。いくつかの態様において、対象は、以前に癌を有していた。いくつかの態様において、対象は、以前に癌からの寛解に入った。
【0125】
ある態様において、第1のマイクロバブル組成物は、例えば、標的組織における第1のマイクロバブル組成物の第1の投与および第1の超音波の投与の後の、活性薬剤の標的組織への送達を増加させるのに有効な量で投与される。ある態様において、第1のマイクロバブル組成物は、例えば、第1のマイクロバブル組成物の第1の投与および標的組織における第1の超音波の投与の後の、血液脳関門を通る活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量で投与される。ある態様において、第1のマイクロバブル組成物は、例えば、第1のマイクロバブル組成物の第1の投与および標的組織における第1の超音波の投与の後の、膵臓への活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量で投与される。ある態様において、送達の増加は、第1のマイクロバブル組成物および第1の超音波の投与の非存在下での第2のマイクロバブル組成物の投与および第2の超音波の投与と比べたものである。ある態様において、第1のマイクロバブル組成物の投与および第1の超音波の投与は、第2のマイクロバブル組成物および第2の超音波の投与によって送達される活性薬剤の送達を、約25%、50%、100%、200%、300%、もしくはそれ以上、または約25%、50%、100%、200%、300%、もしくはそれ以上より多く、増加させる。ある態様において、送達は、約50%または約50%より多く、増加する。ある態様において、送達は、約100%または約100%より多く、増加する。ある態様において、送達は、約200%または約200%より多く、増加する。
【0126】
ある態様において、活性薬剤は、例えば、本明細書に記載されるキットに関して、本明細書に記載される活性薬剤である。ある態様において、活性薬剤は、タンパク質または核酸を含む。いくつかの態様において、活性薬剤は、タンパク質である。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸である。いくつかの態様において、活性薬剤は、核酸である。いくつかの態様において、活性薬剤は、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)である。いくつかの態様において、活性薬剤は、低分子干渉RNA(siRNA)である。いくつかの態様において、活性薬剤は、アンチセンスRNAである。いくつかの態様において、活性薬剤は、DNAである。ある態様において、DNAは、shRNAまたはアンチセンスRNAをコードする。ある態様において、活性薬剤は、抗癌剤である。ある態様において、活性薬剤は、MDA-9/シンテニンの発現を阻害する(MDA-9/シンテニン阻害物質)。ある態様において、活性薬剤は、MDA-7/IL-24タンパク質(例えば、融合タンパク質)もしくはそのバリアント、それをコードするポリヌクレオチド、またはそのようなポリヌクレオチドを含むベクターであり、その非限定的な例は、本明細書に記載される。ある態様において、活性薬剤は、ウイルス、例えば、アデノウイルスを含む。ある態様において、ウイルスの複製は、癌特異的プロモーターの調節下にある。
【0127】
ある態様において、MDA-7/IL-24タンパク質を含む組成物の投与は、標的組織、例えば、腫瘍、腫瘍が外科的に除去された部位、および/または対象の骨への投与を含む。ある態様において、標的組織への投与は、標的組織もしくはその付近への注射、または標的組織への局所適用を含む。ある態様において、組成物は、標的組織の遠位に送達されるが、MDA-7/IL-24タンパク質(またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)を標的組織に輸送するように製剤化される。ある態様において、特定の組織、例えば、癌組織および/または骨組織に輸送する部分が、MDA-7/IL-24タンパク質(またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)と複合体化される。複合体化は、例えば、共有結合性または非共有結合性の相互作用によって、ターゲティング部分と直接なされてもよい。複合体化は、MDA-7/IL-24タンパク質(またはタンパク質をコードするポリヌクレオチドもしくはベクター)とターゲティング部分とが、共有結合性または非共有結合性の相互作用を介して、2つを接合する1つまたは複数の他の分子によって分離されているような、間接的なものであってもよい。一般的に、ターゲティング部分は、1つまたは複数の非標的生物学的実体(例えば、1つまたは複数の異なる組織の細胞表面成分)より高い親和性で、生物学的実体(例えば、膜成分、細胞表面受容体、細胞特異的膜抗原等)に結合するか、または他の方法で会合することができる部分である。ターゲティング部分は、典型的には、カーゴ(例えば、ポリヌクレオチド、ベクター、またはタンパク質)が、対象の体内の他の場所より高度に特定のターゲティング部位に、またはターゲティング部分の非存在下で達成されるより高度に標的部位に、局在することを可能にする。ターゲティング部分の非限定的な例には、抗体、抗原結合抗体断片、アプタマー、ペプチド、ホルモン、増殖因子、リガンド(例えば、受容体リガンド)、低分子等が含まれる。骨に輸送するターゲティング部分の例示的な例は、US20120028350A1、US20160052968A1、US20040038946A1、およびUS20180208650A1に記載されている。ある態様において、マイクロバブルは、マイクロバブルを特定の組織、例えば、癌組織、癌血管系、または骨組織に輸送するターゲティング部分と複合体化される。
【0128】
ある態様において、MDA-9/シンテニン阻害物質を含む組成物の投与は、標的組織、例えば、腫瘍、腫瘍が外科的に除去された部位、および/または対象の膵臓への投与を含む。ある態様において、標的組織への投与は、標的組織もしくはその付近への注射、または標的組織への局所適用を含む。ある態様において、組成物は、標的組織の遠位に送達されるが、MDA-9/シンテニン阻害物質を標的組織に輸送するように製剤化される。ある態様において、特定の組織、例えば、癌組織および/または膵組織に輸送する部分が、MDA-9/シンテニン阻害物質と複合体化される。複合体化は、共有結合性または非共有結合性の相互作用によって、ターゲティング部分と直接なされてもよい。複合体化は、MDA-9/シンテニン阻害物質とターゲティング部分とが、共有結合性または非共有結合性の相互作用を介して、2つを接合する1つまたは複数の他の分子によって分離されているような、間接的なものであってもよい。一般的に、ターゲティング部分は、1つまたは複数の非標的生物学的実体(例えば、1つまたは複数の異なる組織の細胞表面成分)より高い親和性で、生物学的実体(例えば、膜成分、細胞表面受容体、細胞特異的膜抗原等)に結合するか、または他の方法で会合することができる部分である。ターゲティング部分は、典型的には、カーゴ(例えば、ポリヌクレオチド、ベクター、またはタンパク質)が、対象の体内の他の場所より高度に特定のターゲティング部位に、またはターゲティング部分の非存在下で達成されるより高度に標的部位に、局在することを可能にする。ターゲティング部分の非限定的な例には、抗体、抗原結合抗体断片、アプタマー、ペプチド、ホルモン、増殖因子、リガンド(例えば、受容体リガンド)、低分子等が含まれる。ある態様において、マイクロバブルは、マイクロバブルを特定の組織、例えば、癌組織、癌血管系、または膵組織に輸送するターゲティング部分と複合体化される。
【0129】
ある態様において、活性薬剤またはイメージング剤を標的組織に投与する方法は、第3のマイクロバブル組成物を含む。ある態様において、第3のマイクロバブル組成物は、第2の超音波の投与の後に投与される。
【0130】
ある態様において、活性薬剤またはイメージング剤を標的組織に投与する方法は、第4のマイクロバブル組成物を含む。ある態様において、第4のマイクロバブル組成物は、第3の超音波の投与の後に投与される。
【0131】
ある態様において、第3のマイクロバブル組成物は、第2の活性薬剤を含む。ある態様において、第4のマイクロバブル組成物は、第3の活性薬剤を含む。いくつかの態様において、第2の活性薬剤は、第1の活性薬剤と同じである。いくつかの態様において、第3の活性薬剤は、第1の活性薬剤と同じである。いくつかの態様において、第3の活性薬剤は、第2の活性薬剤と同じである。
【0132】
ある態様において、第3のマイクロバブル組成物は、第2のイメージング剤を含む。ある態様において、第4のマイクロバブル組成物は、第3のイメージング剤を含む。いくつかの態様において、第2のイメージング剤は、第1のイメージング剤と同じである。いくつかの態様において、第3のイメージング剤は、第1のイメージング剤と同じである。いくつかの態様において、第3のイメージング剤は、第2のイメージング剤と同じである。
【0133】
ある態様において、マイクロバブル組成物は、複数の活性薬剤と複合体化される。ある態様において、マイクロバブル組成物は、複数のイメージング剤と複合体化される。ある態様において、マイクロバブル組成物は、2つの活性薬剤と複合体化される。ある態様において、マイクロバブル組成物は、2つのイメージング剤と複合体化される。ある態様において、マイクロバブル組成物は、活性薬剤およびイメージング剤と複合体化される。
【0134】
ある態様において、マイクロバブルと複合体化されていない付加的な活性薬剤またはイメージング剤を投与する工程を含む、必要とする対象を処置する方法がある。
【0135】
ある態様において、マイクロバブルと複合体化されていない付加的な抗癌剤を投与する工程を含む、必要とする対象を処置する方法がある。ある態様において、抗癌剤は、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法より選択される。いくつかの態様において、抗癌剤は、化学療法である。いくつかの態様において、抗癌剤は、ホルモン療法である。いくつかの態様において、抗癌剤は、放射線療法である。いくつかの態様において、抗癌剤は、免疫療法である。
【0136】
ある態様において、抗癌剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、化学療法薬、ホルモン、ポリペプチド、または癌を処置する方法における有用性を有する低分子より選択されるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、抗癌剤は、アルキル化剤である。いくつかの態様において、抗癌剤は、代謝拮抗薬である。いくつかの態様において、抗癌剤は、天然生成物である。いくつかの態様において、抗癌剤は、化学療法薬である。いくつかの態様において、抗癌剤は、ホルモンである。いくつかの態様において、抗癌剤は、ポリペプチドである。いくつかの態様において、抗癌剤は、癌を処置する方法における有用性を有する低分子である。
【0137】
ある態様において、抗癌剤は、ゲムシタビンである。ある態様において、抗癌剤は、テモゾロミドである。
【0138】
ある態様において、抗癌剤は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0139】
実験プロトコル
マイクロバブルと活性薬剤/イメージング剤との複合体形成:
マイクロバブル(MB)を、活性薬剤(AA)を含有する緩衝液(例えば、PBS)で再構成する。MBおよび活性薬剤を、ある温度(例えば、4℃)で、ある期間(例えば、2時間)インキュベートする。インキュベーション後、封入されていない活性薬剤を、不活性化し、かつ/または除去する。MB/AAを、対象への投与のために適当な緩衝液(例えば、PBS)に添加することができる。
【0140】
集束超音波(FUS)波動の発生およびマウスの処置:
集束超音波(FUS)は、より広く公知の超音波診断適用と同じ音波伝搬の概念を利用する。FUSは、単一の幾何学的焦点を有するか、または超音波を電子的に操縦するためフェーズドアレイを使用する、凹型トランスデューサを利用し得る。FUSの出力は、機械的効果、熱的効果、またはその両方を誘導するため、超音波処理中に送達される。FUSトランスデューサ(例えば、Olympus America Inc.より購入された2.25MHz、0.50インチエレメント径、スタンダードケーススタイル、ストレートUHFコネクタ)を、バブル投与直後(例えば、15秒)に超音波処理を実施するために使用する。トランスデューサは、電力増幅器(例えば、E&I 3100LA,ENI Inc.,Rochester,NY,USA)を通して、ファンクションジェネレータ(例えば、AGI-E4436B,Agilent Technologies,Palo Alto,CA,USA)によって駆動される。脱気された蒸留水で満たされたコーンが、トランスデューサ系に取り付けられている。FUSは、マイクロバブルが投与された後に、対象に適用される(例えば、3.5mV、10dB、1MHz)。
【0141】
静脈内FUS-DMB対象研究:
(活性薬剤またはイメージング剤を含まない)希釈されたマイクロバブルを、(例えば、マウスの尾静脈から)対象に注射し、ある時間(例えば、15秒間)循環させる。循環後、対象を、選択された領域(例えば、脳、膵臓、肝臓、腎臓)において、ある時間(例えば、1分間)超音波処理(FUS)する。任意で、(活性薬剤またはイメージング剤を含む)第2のマイクロバブルアリコートを対象に注射し、バブルを循環させた後、ある時間(例えば、1分間)超音波処理する。任意で、(活性薬剤またはイメージング剤を含む)第3のマイクロバブルアリコートを対象に注射し、バブルを循環させた後、ある時間(例えば、1分間)超音波処理する。任意で、(活性薬剤またはイメージング剤を含む)第4のマイクロバブルアリコートを対象に注射し、バブルを循環させた後、ある時間(例えば、1分間)超音波処理する。任意で、本明細書に記載されるプロトコルを使用して、(4を超える)任意の数の(活性薬剤またはイメージング剤を含む)マイクロバブルアリコートを対象に注射することができる。対象は、IVISイメージャーを使用して画像化され、生存、毒性、または有効性の分析のために追跡され得る。
【0142】
頭蓋内FUS-DMB対象研究 - 腫瘍形成:
対象に麻酔をかけ、定位フレームに固定化する。シリンジに取り付けられた針を、腫瘍細胞蓄積のために十分な空間を有する右基底核に挿入する。ブレグマ近くの頭蓋骨に侵入点。癌細胞(例えば、30,000個の神経膠腫細胞)の脳内注射は、腫瘍の形成を開始させることができる。頭蓋骨開口部を無菌ボーンワックスで塞ぎ、皮膚切開部を無菌外科用ステープルを使用して閉じる。
【0143】
いくつかの局面において、本開示は、それを必要とする対象における癌の処置のための薬剤の製造における、本明細書に記載される組成物またはキットの使用を提供する。ある態様において、組成物は、本明細書に記載されるポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物を含む。
【0144】
配列
SEQ ID NO:1(MDA-7/IL-24タンパク質をコードするヌクレオチド配列)
【0145】
SEQ ID NO:2(MDA-7/IL-24タンパク質のアミノ酸配列)
【0146】
SEQ ID NO:3(MDA-7/IL-24タンパク質のアミノ酸配列)
【0147】
SEQ ID NO:4(MDA-7/IL-24タンパク質のアミノ酸配列)
【0148】
SEQ ID NO:5(インスリンシグナルペプチド(sp)のアミノ酸配列)
【0149】
SEQ ID NO:6(インスリン(sp)-MDA-7配列のコード化)
【0150】
SEQ ID NO:7(Flt3(sp)-MDA-7配列のコード化)
【0151】
SEQ ID NO:8(BM40(sp)-MDA-7配列のコード化)
【0152】
SEQ ID NO:9(IL-2(sp)-MDA-7配列のコード化)
【0153】
SEQ ID NO:10(MDA-7(K22R)配列のコード化)
【0154】
SEQ ID NO:11(インスリン(sp)-MDA-7-K122Rのコード化)
【0155】
SEQ ID NO:12(インスリン(sp)-M4のコード化)
【0156】
SEQ ID NO:13(IL2(sp)-M4のコード化)
【0157】
SEQ ID NO:14(Flt-3(sp)-M4のコード化)
【0158】
SEQ ID NO:15(MDA-7(sp)-M4のコード化)
【0159】
SEQ ID NO:16(Flt-3(sp)-M4(K122R)のコード化)
【0160】
SEQ ID NO:17(インスリン(sp)-M4(K122R)のコード化)
【0161】
SEQ ID NO:18(MDA-7/IL-24タンパク質(K122R)のアミノ酸配列)
【0162】
SEQ ID NO:19(Ad.shMDA-9に対して使用される特異的ヘアピン型低分子干渉(siRNA)オリゴヌクレオチド)、センス鎖
【0163】
SEQ ID NO:20(Ad.shMDA-9に対して使用される特異的ヘアピン型低分子干渉(siRNA)オリゴヌクレオチド)、アンチセンス鎖
【0164】
P態様
1.活性薬剤を標的組織に投与する方法であって、活性薬剤が治療剤または造影剤であり、方法が
(a)第1のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ活性薬剤を含まない、工程;
(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与;
(c)第1の超音波の投与の後に第2のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第2のマイクロバブル組成物が、活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブル組成物を含む、工程;および
(d)第2のマイクロバブルを破壊しかつ活性薬剤を標的組織に放出する、第2の超音波の標的組織に向けた投与:
を含む、方法。
【0165】
2.第2のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、30分以内、10分以内、または5分以内に投与される、態様P1の方法。
【0166】
3.第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方を投与する工程が静脈内投与を含む、態様P1またはP2の方法。
【0167】
4.第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、態様P1~P3のいずれか1つの方法。
【0168】
5.第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、態様P1~P4のいずれか1つの方法。
【0169】
6.ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、態様P5の方法。
【0170】
7.標的組織が腫瘍を含む、態様P1~P8のいずれか1つの方法。
【0171】
8.腫瘍が転移性腫瘍である、態様P9の方法。
【0172】
9.腫瘍が対象の脳、乳房、肺、胃腸系、骨、腹腔、膵臓、または腸に位置している、態様P9またはP10の方法。
【0173】
10.腫瘍が神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、または肺癌を含む、態様P9~P11のいずれか1つの方法。
【0174】
11.標的組織が対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、または肝臓内に位置している、態様P1~P12のいずれか1つの方法。
【0175】
12.標的組織が対象の脳にある、態様P1~P13のいずれか1つの方法。
【0176】
13.第1のマイクロバブル組成物が、活性薬剤の標的組織への送達を増加させるのに有効な量で投与される、態様P1~P14のいずれか1つの方法。
【0177】
14.第1のマイクロバブル組成物が、血液脳関門を通る活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量で投与される、態様P16の方法。
【0178】
15.活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸がshRNA、siRNA、RNA、またはDNAを含む、態様P1~P17のいずれか1つの方法。
【0179】
16.活性薬剤が抗癌剤を含む、態様P1~P17のいずれか1つの方法。
【0180】
17.活性薬剤がウイルスを含む、態様P1~P17のいずれか1つの方法。
【0181】
18.ウイルスがアデノウイルスである、態様P21の方法。
【0182】
19.ウイルスの複製が癌特異的プロモーターの調節下にある、態様P21またはP22の方法。
【0183】
20.ウイルスが、shRNA、siRNA、またはアンチセンスRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、態様P21~P23のいずれか1つの方法。
【0184】
21.ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様P21~P23のいずれか1つの方法。
【0185】
22.活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様P1~P17のいずれか1つの方法。
【0186】
23.MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、態様P25またはP26の方法。
【0187】
24.MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、P25~P27のいずれか1つの方法。
【0188】
25.MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、態様P25~P28のいずれか1つの方法。
【0189】
26.MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、または(b)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化に相当する変異を含む、態様P25~P29のいずれか1つの方法。
【0190】
27.活性薬剤による標的組織の処置において使用するためのキットであって、キットは第1および第2のマイクロバブル組成物を含み、
(i)活性薬剤が治療剤またはイメージング剤であり、
(ii)第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ活性薬剤を含まず、かつ
(iii)第2のマイクロバブル組成物が、活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、
キット。
【0191】
28.第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方が静脈内投与用に製剤化されている、態様P58のキット。
【0192】
29.第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、態様P58またはP59のキット。
【0193】
30.第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、態様P58~P60のいずれか1つのキット。
【0194】
31.ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、態様P61のキット。
【0195】
32.活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸がshRNA、siRNA、RNA、またはDNAを含む、態様P58~P63のいずれか1つのキット。
【0196】
33.活性薬剤が抗癌剤を含む、態様P58~P63のいずれか1つのキット。
【0197】
34.活性薬剤がウイルスを含む、態様P58~P63のいずれか1つのキット。
【0198】
35.ウイルスがアデノウイルスである、態様P66のキット。
【0199】
36.ウイルスの複製が癌特異的プロモーターの調節下にある、態様P66またはP67のキット。
【0200】
37.ウイルスが、shRNA、siRNA、またはアンチセンスRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、態様P66~P68のいずれか1つのキット。
【0201】
38.ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様P66~P68のいずれか1つのキット。
【0202】
39.活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様P58~P63のいずれか1つのキット。
【0203】
40.MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、態様P70またはP71のキット。
【0204】
41.MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、態様P70~P72のいずれか1つのキット。
【0205】
42.MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、態様P70~P73のいずれか1つのキット。
【0206】
43.MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、または(b)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化に相当する変異を含む、態様P70~P74のいずれか1つのキット。
【0207】
N態様
1.
活性薬剤を標的組織に投与する方法であって、活性薬剤が治療剤またはイメージング剤であり、該方法が、
(a)第1のマイクロバブル組成物を対象に投与する工程であって、第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ該活性薬剤を含まない、工程;
(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の該標的組織に向けた投与;
(c)第1の超音波の投与の後に第2のマイクロバブル組成物を該対象に投与する工程であって、第2のマイクロバブル組成物が、該活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、工程;および
(d)第2のマイクロバブルを破壊しかつ該活性薬剤を該標的組織に放出する、第2の超音波の該標的組織に向けた投与
を含む、方法。
2.
第2のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、30分以内、10分以内、または5分以内に投与される、態様N1の方法。
3.
第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方を投与する工程が静脈内投与を含む、態様N1またはN2の方法。
4.
第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、態様N1~N3のいずれか1つの方法。
5.
第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、態様N1~N4のいずれか1つの方法。
6.
ターゲティング部分が、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合タンパク質断片、受容体、受容体断片、受容体リガンド、ペプチド、ポリペプチド、ポリ核酸、多糖、脂質、ポリマー、腫瘍関連抗原、組織型関連抗原、血管関連抗原、またはそれらの分子の任意の組み合わせより選択される分子である、態様N5の方法。
7.
前記ターゲティング部分が、組織特異的抗原または腫瘍関連抗原に結合する、態様N6の方法。
8.
前記ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、態様N6の方法。
9.
前記標的組織が腫瘍を含む、態様N1~N8のいずれか1つの方法。
10.
前記腫瘍が転移性腫瘍である、態様N9の方法。
11.
前記腫瘍が、前記対象の脳、乳房、肺、胃腸系、骨、腹腔、口腔、膵臓、腸、皮膚、頭部、頸部、脊髄、または肝臓に位置している、態様N9またはN10の方法。
12.
前記腫瘍が、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、骨癌、膵臓癌、肝臓癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌を含む、態様N9~N11のいずれか1つの方法。
13.
前記標的組織が、前記対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、頭部内、頸部内、脊髄内、肺内、腎臓内、または肝臓内に位置している、態様N1~N12のいずれか1つの方法。
14.
前記標的組織が前記対象の脳にある、態様N13の方法。
15.
前記標的組織が前記対象の膵臓にある、態様N13の方法。
16.
第1のマイクロバブル組成物が、前記活性薬剤の前記標的組織への送達を増加させるのに有効な量で投与される、態様N1~N15のいずれか1つの方法。
17.
第1のマイクロバブル組成物が、血液脳関門を通る前記活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量で投与される、態様N16記載の方法。
18.
前記活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸が、shRNA、siRNA、miRNA、lncRNA、mRNA、RNA、ベクター、プラスミド、DNA、またはそれらの任意の組み合わせを含む、態様N1~N17のいずれか1つの方法。
19.
前記活性薬剤が抗癌剤を含む、態様N1~N17のいずれか1つの方法。
20.
前記抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、化学療法薬、ホルモン、ポリペプチド、または癌を処置する方法における有用性を有する低分子より選択される、態様N19の方法。
21.
前記活性薬剤がウイルスを含む、態様N1~N17のいずれか1つの方法。
22.
前記ウイルスが、アデノウイルス、向性修飾型アデノウイルス、癌ターミネーターウイルス(CTV)、レンチウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、遺伝子修飾型HIV、三成分セラノスティック癌ターミネーターウイルス(TCTV)、トリ関連ウイルス(AAV)、および/または水疱性口内炎ウイルスより選択される、態様N21の方法。
23.
前記ウイルスの複製が癌選択的プロモーターの調節下にある、態様N21またはN22の方法。
24.
前記ウイルスが、shRNA、siRNA、miRNA、センスRNA、アンチセンスRNA、またはlncRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、態様N21~N23のいずれか1つの方法。
25.
前記ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N21~N23のいずれか1つの方法。
26.
前記活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N1~N17のいずれか1つの方法。
27.
MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、態様N25またはN26の方法。
28.
MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、態様N25~N27のいずれか1つの方法。
29.
MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、態様N25~N27のいずれか1つの方法。
30.
MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:2に対するK122Rの変化、(b)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、(c)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化、または(d)SEQ ID NO:18に相当する変異を含む、態様N25~N28のいずれか1つの方法。
31.
前記活性薬剤がMDA-9/シンテニン阻害物質を含む、態様N1~N17のいずれか1つの方法。
32.
前記ウイルスが、MDA-9/シンテニン阻害物質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N21~N23のいずれか1つの方法。
33.
前記ポリヌクレオチド配列が、MDA-9/シンテニンsiRNA、shRNA、miRNA、lncRNA、またはアンチセンスRNA配列をコードする配列を含む、態様N32の方法。
34.
前記配列がSEQ ID NO:20を含む、態様N33の方法。
35.
(e)第2の超音波の投与の後に第3のマイクロバブル組成物を前記対象に投与する工程であって、第3のマイクロバブル組成物が、第2の活性薬剤またはイメージング剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、工程、および
(f)第3のマイクロバブルを破壊しかつ該第2の活性薬剤またはイメージング剤を前記標的組織に放出する、第3の超音波の前記標的組織に向けた投与
をさらに含む、態様N1~N34のいずれか1つの方法。
36.
第2の活性薬剤またはイメージング剤が第1の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、態様N35の方法。
37.
(g)第3の超音波の投与の後に第4のマイクロバブル組成物を前記対象に投与する工程であって、第4のマイクロバブル組成物が、第3の活性薬剤またはイメージング剤と複合体化された第3のマイクロバブルを含む、工程;および
(h)第4のマイクロバブルを破壊しかつ第3の活性薬剤またはイメージング剤を前記標的組織に放出する、第4の超音波の前記標的組織に向けた投与
をさらに含む、態様N35~N36のいずれか1つの方法。
38.
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第1の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、態様N37の方法。
39.
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第2の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、態様N37の方法。
40.
第3の活性薬剤またはイメージング剤が第1および第2の活性薬剤またはイメージング剤と同じである、態様N37の方法。
41.
前記マイクロバブル組成物が2つ以上の活性薬剤を含む、態様N1~N40のいずれか1つの方法。
42.
前記対象が癌を有するか、または癌を有するリスクがある、態様N1~N41のいずれか1つの方法。
43.
前記癌が固形腫瘍癌である、態様N42の方法。
44.
前記癌が、脳癌、神経膠腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、前立腺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、髄芽腫、黒色腫、子宮頸癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、頭部癌、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫、甲状腺癌、内分泌系癌、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、胃癌、子宮癌、甲状腺癌、胆管癌、膵臓腺癌、膵管腺癌(PDAC)、皮膚皮膚黒色腫、結腸腺癌、直腸腺癌、胃腺癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、浸潤性乳癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌、非小細胞肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、悪性膵インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、泌尿生殖器癌、悪性高カルシウム血症、子宮内膜癌、副腎皮質癌、膵内分泌部もしくは膵外分泌部の新生物、甲状腺髄様癌(medullary thyroid cancer)、甲状腺髄様癌(medullary thyroid carcinoma)、黒色腫、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、肝細胞癌、または前立腺癌である、態様N43の方法。
45.
前記癌が脳癌である、態様N42の方法。
46.
前記癌が膵臓癌である、態様N42の方法。
47.
前記癌が転移性癌である、態様N42の方法。
48.
前記対象が以前に癌について処置された、態様N42の方法。
49.
前記対象が以前に寛解していた、態様N42の方法。
50.
イメージング剤が、放射性核種、陽電子放出同位体、フルオロフォア、抗体、生物発光分子、化学発光分子、光活性分子、金属、高電子密度試薬、酵素、磁気造影剤、量子ドット、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、または検出可能にされ得るタンパク質もしくはその他の実体より選択される、態様N1~N49のいずれか1つの方法。
51.
態様N1~N50のいずれか1つの方法を投与する工程、およびマイクロバブルを含まない抗癌治療を投与する工程を含む、必要とする対象における癌を処置する方法。
52.
マイクロバブルを含まない抗癌治療が、化学療法、ホルモン療法、放射線療法、または免疫療法である、態様N51の方法。
53.
マイクロバブルを含まない抗癌治療が、マイクロバブルを含まない抗癌剤である、態様N51の方法。
54.
マイクロバブルを含まない抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、天然生成物、化学療法薬、ホルモン、ポリペプチド、または癌を処置する方法における有用性を有する低分子より選択される、態様N53の方法。
55.
マイクロバブルを含まない抗癌剤がゲムシタビンである、態様N54の方法。
56.
マイクロバブルを含まない治療剤がテモゾロミドである、態様N54の方法。
57.
マイクロバブルを含まない活性薬剤が、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、態様N51~N56のいずれか1つの方法。
58.
活性薬剤による標的組織の処置において使用するためのキットであって、キットは第1および第2のマイクロバブル組成物を含み、
(i)活性薬剤が治療剤またはイメージング剤であり、
(ii)第1のマイクロバブル組成物が、第1のマイクロバブルを含み、かつ該活性薬剤を含まず、かつ
(iii)第2のマイクロバブル組成物が、該活性薬剤と複合体化された第2のマイクロバブルを含む、
キット。
59.
第1のマイクロバブル組成物、第2のマイクロバブル組成物、またはその両方が、静脈内投与用に製剤化されている、態様N58のキット。
60.
第1および/または第2のマイクロバブルが、約1ミクロン~約5ミクロン、または約2.5ミクロン~約4ミクロンという直径の平均値または中央値を有する、態様N58またはN59のキット。
61.
第1および/または第2のマイクロバブルがターゲティング部分を含む、態様N58~N60のいずれか1つのキット。
62.
ターゲティング部分が、抗体、抗体断片、結合タンパク質、結合タンパク質断片、受容体、受容体断片、受容体リガンド、ペプチド、ポリペプチド、ポリ核酸、多糖、脂質、ポリマー、腫瘍関連抗原、組織特異的抗原、もしくは血管関連抗原より選択される分子、またはそれらの分子の任意の組み合わせである、態様N61のキット。
63.
ターゲティング部分が、(a)VEGFポリペプチドもしくはその一本鎖バリアント、(b)VCAM1抗体もしくはそのエピトープ結合断片、または(c)PSMA抗体もしくはそのエピトープ結合断片を含む、態様N62のキット。
64.
前記活性薬剤がタンパク質または核酸を含み、任意で、核酸が、shRNA、siRNA、miRNA、mRNA、RNA、ベクター、プラスミド、DNA、またはそれらの任意の組み合わせを含む、態様N58~N63のいずれか1つのキット。
65.
前記活性薬剤が抗癌剤を含む、態様N58~N63のいずれか1つのキット。
66.
前記活性薬剤がウイルスを含む、態様N58~N63のいずれか1つのキット。
67.
前記ウイルスが向性修飾型アデノウイルスである、態様N66のキット。
68.
前記ウイルスの複製が癌選択的プロモーターの調節下にある、態様N66またはN67のキット。
69.
前記ウイルスが、shRNA、siRNA、またはアンチセンスRNAをコードするポリヌクレオチドを含む、態様N66~N68のいずれか1つのキット。
70.
前記ウイルスが、MDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N66~N68のいずれか1つのキット。
71.
前記活性薬剤が、MDA-7/IL-24タンパク質、またはMDA-7/IL-24タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N58~N63のいずれか1つのキット。
72.
MDA-7/IL-24タンパク質が融合タンパク質である、態様N70またはN71のキット。
73.
MDA-7/IL-24タンパク質がインスリンシグナルペプチドを含む、態様N70~N72のいずれか1つのキット。
74.
MDA-7/IL-24タンパク質が、SEQ ID NO:3または4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、態様N70~N73のいずれか1つのキット。
75.
MDA-7/IL-24タンパク質が、(a)SEQ ID NO:2に対するK122Rの変化、(b)SEQ ID NO:3に対するK73Rの変化、(c)SEQ ID NO:4に対するK19Rの変化、または(d)SEQ ID NO:18に相当する変異を含む、態様N70~N73のいずれか1つのキット。
76.
前記活性薬剤がMDA-9/シンテニンポリヌクレオチド阻害物質を含む、態様N58~N63のいずれか1つのキット。
77.
前記ウイルスが、MDA-9/シンテニン阻害物質をコードするポリヌクレオチドを含む、態様N66~N68のいずれか1つのキット。
78.
MDA-9/シンテニンポリヌクレオチド配列が、siRNA、shRNA、miRNA、lncRNA、またはアンチセンスRNA配列をコードする配列を含む、態様N76またはN77のキット。
79.
前記配列がSEQ ID NO:20を含む、態様N78のキット。
80.
態様N58~N79のいずれか1つの使用のためのキットであって、使用が、
(a)第1のマイクロバブル組成物の投与、
(b)第1のマイクロバブルを破壊する、第1の超音波の標的組織に向けた投与、
(c)第1の超音波の投与の後での第2のマイクロバブル組成物の投与、および
(d)第2のマイクロバブルを破壊する、第2の超音波の該標的組織に向けた投与
を含む、キット。
81.
第2のマイクロバブル組成物の投与が、第1のマイクロバブル組成物の投与の約60分以内、30分以内、10分以内、または5分以内である、態様N80の使用のためのキット。
82.
前記標的組織が腫瘍を含む、態様N80またはN81の使用のためのキット。
83.
前記腫瘍が転移性腫瘍である、態様N82の使用のためのキット。
84.
前記腫瘍が、対象の脳、乳房、肺、胃腸系、骨、腹腔、膵臓、腸、皮膚、頭部、頸部、口腔、脊髄、または肝臓に位置している、態様N82またはN83の使用のためのキット。
85.
前記腫瘍が、神経膠芽腫、黒色腫、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、前立腺癌、結腸癌、口腔癌、頭頸部癌、脊髄癌、神経芽細胞腫、腎臓癌、または肺癌を含む、態様N82またはN83の使用のためのキット。
86.
前記標的組織が、対象の脳内、膵臓内、胃内、腸内、骨内、皮膚内、口腔内、腹腔内、脊髄内、頭部内、頸部内、腎臓内、または肝臓内に位置している、態様N80の使用のためのキット。
87.
前記標的組織が対象の脳にある、態様N82~N86のいずれか1つの使用のためのキット。
88.
前記標的組織が対象の膵臓にある、態様N82~N86のいずれか1つの使用のためのキット。
89.
第1のマイクロバブル組成物の投与が、前記活性薬剤の前記標的組織への送達を増加させるのに有効な量においてである、態様N80~N88のいずれか1つの使用のためのキット。
90.
第1のマイクロバブル組成物の投与が、血液脳関門を通る活性薬剤の送達を増加させるのに有効な量においてである、態様N89の使用のためのキット。
【実施例
【0208】
本明細書に記載される実施例および態様は、例示のみを目的としており、それを考慮すれば、様々な修飾または変化が当業者に示唆され、それらは、本願の本旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが理解される。本明細書において引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は、事実上、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0209】
実施例1:MBによる二重処置(FUS-DMB送達)アプローチ
本発明者らは、(後に、MBで送達され、UTMDを使用したFUSによって放出される)ルシフェラーゼを発現するアデノウイルスのアクセスを可能にするため、BBBを一時的に開くため、裸のMB(活性薬剤を欠くマイクロバブル)と共にFUSを使用した。図1A~1Cに示されるように、(UTMDによる)FUSは一時的にBBBを開き、ルシフェラーゼを発現するアデノウイルス(MBに組み込まれたAd.CMV-Luc)が、侵入し、次いで、2回目のFUSの後に脳内に放出されることを可能にする。マウスは、手技の少なくとも3週間後に、注目すべき症状なしに生存していたため、このプロトコルは、明白な毒性作用を引き起こさなかった。
【0210】
次に、集束超音波(FUS)二重MB(FUS-DMB)送達アプローチを使用した、FUSおよびUTMDを使用した、治療用アデノウイルス(Ad.5/3-CTV)の脳腫瘍へのターゲティングされた送達の可能性を試験した。マウスの脳に頭蓋内注射された時に(極めて侵襲性であり、脳内の腫瘍細胞の指のような突起(fingerlike projections)を伴う)ヒト疾患を再現する、高度に侵襲性の初代ヒト神経膠芽腫細胞株であるGBM-6を、この研究において使用した。MBに被包された、Ad.5/3-CTVを含むGBM-6-Luc(ルシフェラーゼを発現するGBM-6クローン)を、脳腫瘍を保持するマウスに全身送達し、IVISを通して治療的応答をモニタリングした。FUSおよびUTMDによるMB-Ad.5/3-CTVの治療的送達の前に、空のMBによるFUSおよびUTMDを受けた実験群(集束超音波(FUS)二重MB(FUS-DMB)送達戦略)は、蛍光の減少および動物の生存率の増強によって示されるように、ロバストな腫瘍抑制を示した(図2Aおよび2B)。
【0211】
これらの所見は、裸のMBおよびFUSによってBBBを開いた後、治療用アデノウイルス(Ad.5/3-CTV)を「潜在的(stealth manner)」に循環中に投与し、MB+FUSによって、脳内の標的GBM腫瘍に送達することが可能であることを実証している。この戦略は、GBM-6腫瘍を有する動物において、手術を必要とすることなく、有意な治療活性をもたらした。GBMを有する患者に関して、この戦略は、腫瘍の減量手術を必要とすることなく、FUS-DMB送達アプローチを使用して、裸のMBおよびFUSによってBBBを開いた後、患者において、治療用ウイルスを含むMBを全身投与し、FUSを適用することを可能にする(例えば、図2Bを参照すること)。原理的に、このアプローチは、手術を必要とすることなく、原発性GBMならびに(原発性腫瘍除去および化学療法および/または放射線療法の後に大部分の患者において発生する)再発性GBMに対して使用され得る。このアプローチは、脳内に定着する(乳房または黒色腫などの他の部位からの)転移性腫瘍を処置するためにも適用され得る。
【0212】
治療用ウイルスの全身送達に加えて、本発明者らは、治療用タンパク質をインビボで送達するためにMBおよびUTMDアプローチを使用する可能性も試験した。Hisタグ付きMDA-7/IL-24(His-MDA-7)を、Ni-NTAカラムクロマトグラフィを使用することによって精製した。1mg/mlのHis-MDA-7溶液を、0.1M重炭酸ナトリウムを含有するAlexa Fluor 488と混合した後、セントリコン(3kDカットオフMW)を使用した遠心分離によって、取り込まれていない色素を除去した。His-MDA-7の標識(Alexa Fluor-His-MDA-7)の確認は、発光スペクトル変化に基づき分光蛍光法で得られた。Alexa Fluor-His-MDA-7をMBと共に一晩インキュベートし、MB内の標識されたタンパク質複合体の局在を緑色蛍光によってモニタリングし、MBの脂質殻と会合していることを見出した(図3A)。UTMDアプローチを使用した、MBと複合体化された標識されたAlexa Fluor-His-MDA-7のインビボの送達を試験するため、ヌードマウスの左側腹部にDU-145腫瘍異種移植片を確立した。MBと複合体化されたAlexa Fluor-His-MDA-7を、マウスの尾静脈に投与した。図3Bに示されるように、UTMD Alexa Fluor-MDA-7は、マウスの左側腹部の腫瘍内に主に位置していた。これらの研究は、静脈内投与され、次いで、超音波に供された時に、インビボで標的特異的に治療用タンパク質を送達する、MBの有用性を確認する。
【0213】
実施例2:腫瘍、転移、および腫瘍血管系へのMBの送達の増強
多様な分子マーカーが、腫瘍血管系の血管内皮上に過剰発現されている。MBのターゲティングを容易にするため、(ターゲティングリガンドとも呼ばれる)ターゲティング部分、例えば、抗体によって、MBを装飾することができる。ターゲティング部分は、ビオチン-ストレプトアビジンスペーサーを介して、または直接的な化学的カップリング、好ましくは、チオール-マレイミドを介した定方向カップリングを介して、MBの表面に付着させられ得る。直接的な治療関連性において、後者のアプローチは、臨床への転換のための成功裏の戦略を提供する。
【0214】
マイクロバブル表面に一本鎖VEGF分子を付着させることによって、VEGFR2への成功したMBターゲティングが達成された。1バブル当たりおよそ100,000個未満のターゲティングリガンド分子が、VEGFR2を過剰発現する腫瘍血管系への成功したターゲティングを確実にするのに十分である(図4、左パネル)。腫瘍血管系へのMBターゲティングのための別の標的は、VCAM-1である。MB表面上に抗VCAM-1抗体断片が成功裏に配置され、インビボのマウス腫瘍動物モデルにおいて、ターゲティングされた画像化が達成された(図4、右パネル)。
【0215】
ターゲティングされたMBを作製するため、フローサイトメトリーデータによって確認されたように、ビオチン-ストレプトアビジンコンジュゲーション化学を使用して、マウス抗V-CAM-1抗体によってそれを機能化した(図5A)。ターゲティングされた、または装飾されたMB(D-MB)を、2つのトランスジェニック動物、Hi-Myc(前立腺癌)(図5B)およびPyMT(乳癌)(図5C)において、部位特異的送達についてさらにバリデートした。MBと複合体化されたAd.lucを、I.V.経路を通して投与し、その後、対応する腫瘍部位においてソノポレーションを行った。送達の72時間後に、IVISスペクトルを使用して、BLI画像化を行った(図5Bおよび図5C)。両方のモデルにおいて、Ad.lucがソノポレーションの部位に送達されることが示された。微量のBLIシグナルが肝臓から得られた。より定方向性のFUSを提供し得る次世代ソノポレーション装置を使用することによって、改善された送達が達成され得る。肝臓以外に、二次性腫瘍(PyMTモデルにおけるソノポレーションを受けていない乳腺腫瘍、図5D)または腎臓には、Ad.luc送達の痕跡がほとんど得られず、このことから、Adの全身送達のための標的UTMDアプローチの有用性が示され、従って、原理的に、増強されたペイロード送達を有する、治療用ウイルスの全身送達の効果的な手段が提供された。
【0216】
このアプローチは、(本発明の二重MB UTMDアプローチを使用した)治療用ウイルス、組換えタンパク質、および化学療法の、脳内のGBMまたは転移性腫瘍への送達のみならず、体内の異なる解剖学的部位における原発腫瘍、転移、および腫瘍血管系への送達も容易にするために使用され得る。
【0217】
本発明者らは、前立腺特異膜抗原(PSMA)と特異的に結合するターゲティング(装飾)されたMB(d-MB)を生成した。PE-抗PSMA-MBと呼ばれるターゲティング(装飾)されたMBは、PC-3-PIP細胞(PSMAを過剰発現するPC-3細胞)と特異的に結合したが(図6Aおよび6B)、ターゲティング(装飾)されていないMB(PE-IgG-MB)の結合は、装飾されたMBと比較して限定された結合を示した(データは示されない)。次に、PC-3腫瘍およびPC-3-PIP腫瘍の異種移植片を含有するインビボヌードマウスモデルにおいて、d-MBの送達の有効性を調べた。UTMDテクノロジーと併用されたMBによる、遺伝子または治療用Adの部位特異的送達を観察するため、PC-3細胞およびPC-3-PIP細胞を、ヌードマウスの左側腹部および右側腹部にそれぞれs.c.注射した(図6Aおよび6B)。両側腹部における腫瘍増殖に差はなく、両側腹部の腫瘍サイズがおよそ100mm3に達した後、尾静脈注射によってMBをマウスに注射した。MB(単純なMB)にコンジュゲートされたAd.5/3-CMV-lucおよび抗PSMA-MB(ターゲティングされたMB)にコンジュゲートされたAd.5/3-CMV-lucおよび遊離のAd.5/3-CMV-lucを注射し、UTMDアプローチを使用して、マウスの右側腹部(PC-3-PIPを保持する腫瘍)においてソノポレーションを行い、Ad.5/3-CMV-luc送達の注射の72時間後にマウスを画像化した。単純なMBおよびターゲティングされたMBの両方が、ソノポレーションの標的部位にAdを送達し得ることが見出された。単純なMBの場合、Adの送達は、単純に、超音波が適用された領域におけるMBからの放出によるものであり、ターゲティングされたMBと比較して、BLIのシグナル強度は低かった。さらに、単純なMBの場合のシグナルは、ターゲティングされたMBによるAdの収束的な放出と比較して、より広い区域にあり、このことから、ターゲティングされたMBによるAdの送達が、より特異的であることが示された。ターゲティングされたMBによる、Adのより特異的な送達は、ターゲティングされたMBの、腫瘍細胞の表面における活発な結合と、その後の標的部位における超音波の適用による、Adの放出によるものであり得る。従って、ターゲティングされたMBの使用は、周囲の腫瘍領域におけるAdの非特異的送達を制限した。送達効果は、本明細書に記載されるように、ターゲティングされたMBと二重MBアプローチとの組み合わせによってさらに増強され得る。
【0218】
実施例3:Ad.5/3-CTVの集束超音波(FUS)二重MB(FUS-DMB)送達は、ヒトGBM腫瘍を保持するマウスの生存を有意に延長する
GBM6細胞の頭蓋内注射:
マウスに(ケタミン、40mg/kg;キシラジン、3mg/kg)のi.p.投与を介して麻酔をかけ、定位フレームに固定化した。ハミルトンシリンジに取り付けられた24ゲージ針を右基底核に3.5mmの深さまで挿入し、次いで、腫瘍細胞蓄積のための空間を作るため、0.5mm引き抜いた。頭蓋骨の侵入点は、ブレグマの2mm外側、1mm背側であった。30,000個の神経膠腫細胞(GBM6/GBM6-Luc/GSC-8-11-Luc)を含む5μlのDMEM培地の脳内注射を、10分間かけて実施した。頭蓋骨開口部を無菌ボーンワックスで塞ぎ、皮膚切開部を無菌外科用ステープルを使用して閉じた。
【0219】
Ad.5/3-CTV処置手技:
腫瘍細胞移植の10日後に、上記と同じ麻酔手技および定位フレーム座標を使用した脳内腫瘍への定位注射を介して、アデノウイルスベクターを投与した。2μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁したウイルスベクターを、6分間かけて低速注入によって送達した。次いで、これらのマウスを、IACUCエンドポイントまで毎週画像化し、生存分析のために使用した。
【0220】
マイクロバブル-アデノウイルス複合体:
パーフルオロカーボンMBを、示されたアデノウイルスの1×1011ウイルス粒子を含有する1mlのPBSで再構成し、4℃で2時間インキュベートした。インキュベーション後、4℃で3時間、20%FBSで処理することによって、封入されていない表面会合Adを不活性化し、未結合のアデノウイルスを除去するため、2回洗浄した。最後に、処置前に、MB/Adを1mlのPBSに溶解させた。補体によって処理されたMB/Adを、尾静脈を介して全身注射し、(集束超音波を使用して)ソノポレーションを行った。
【0221】
集束超音波(FUS)波動の生成および血液脳関門(BBB)を通過するためのマウスの処置:
集束超音波(FUS)は、より広く公知の超音波診断適用と同じ音波伝搬の概念を利用する。しかしながら、画像化のためにいくつかの組織界面で生成されたエコーを取得し、表示する代わりに、FUSは、一般的に、単一の幾何学的焦点を有するか、またはそれを電子的に操縦するためにフェーズドアレイを使用する凹型トランスデューサを利用し、その出力の大部分は、機械的効果、熱効果、またはその両方を誘導するため、超音波処理中に送達される。FUSトランスデューサ(Olympus America Inc.より購入された2.25MHz、0.50インチエレメント径、スタンダードケーススタイル、ストレートUHFコネクタ)を、バブル投与の直後(15秒)に超音波処理を実施するために使用する。トランスデューサは、電力増幅器(E&I 3100LA,ENI Inc.,Rochester,NY,USA)を通して、ファンクションジェネレータ(AGI-E4436B,Agilent Technologies,Palo Alto,CA,USA)によって駆動される。脱気された蒸留水で満たされたコーンが、トランスデューサ系に取り付けられている。100μlの希釈されたマイクロバブルをマウスに注射し、IV直後に、FUSを適用し(3.5mV、10dB、1MHz)、エバンスブルー実験によってBBB開口を観察した。
【0222】
実施例4:FUS-DMBを使用したAdの全身投与
FUS-DMB全身送達:
100μlの希釈されたMBを尾静脈から注射し、15秒間循環させた。15秒後、マウスを本明細書に記載されるように1分間超音波処理(超音波)した。次に、Adを含有する100μlのマイクロバブルをマウスにI/V注射し、バブルを15秒間循環させた後、1分間超音波処理した。これらの動物を、IVISイメージャーを使用して画像化し、生存分析のために追跡した。
【0223】
実施例5:膵臓を標的とするためのFUS-DMBを使用したAdの全身投与
KPCマウスモデルにおけるshMDA-9の膵臓送達:
膵管腺癌(PDAC)のKPCマウスモデルは、2005年に最初に記載されたものであり、Cre-Loxテクノロジーによって、Kras遺伝子およびTrp53遺伝子の内在性変異対立遺伝子の条件的活性化が組み込まれている。具体的には、LSL-KrasG12D/+;LSL-Trp53R172H/+マウスを、膵臓特異的Pdx-1プロモーターの発現下でCreリコンビナーゼを発現するPdx-1-Creマウスと交配することによって、Krasの活性化点変異(G12D)およびTrp53のドミナントネガティブ変異(R172H)が、マウス膵臓において条件的に活性化される。Creによって媒介される組換えが、loxPが隣接した終止コドン(LSL)を切り出すように作用し(Creを発現する細胞においてのみ起こるイベント)、それによって、マウス膵臓において特異的に変異Kras遺伝子および変異Trp53遺伝子の条件的発現をもたらす。
【0224】
静脈内FUS-DMB:
100μlの希釈されたMBを尾静脈から注射し、15秒間循環させた。15秒後、マウスを、膵臓領域において、前記のように1分間超音波処理(超音波)した。次に、Ad(Luc/shMDA-9)を含有する100μlのマイクロバブルをマウスにI/V注射し、バブルを15秒間循環させた後、1分間超音波処理した。これらの動物を、IVISイメージャーを使用して画像化し、生存分析のために追跡した。
【0225】
ウエスタンブロット分析:
KPCホモ接合マウスにおいて、まず、空のマイクロバブルを注射し、前記のパラメータを使用して1分間FUSを適用し、1分後、補体によって処理されたMB/Adを、尾静脈を介して全身注射し(100μl)、FUSを使用してソノポレーションを行った。これらのマウスを示された時点で観察し、画像化するか、または安楽死させ、種々の器官(脾臓、膵臓、肺、および肝臓)を収集した。これらの器官を溶解し、標準的なプロトコルを使用してタンパク質を単離し、SDS-PAGEを使用して等量のタンパク質を分離した。ウエスタンブロット分析を、MDA-9特異的抗体を使用して実施した。β-アクチンを負荷対照として使用した。
【0226】
リアルタイムPCR分析:
KPCホモ接合マウスにおいて、まず、空のマイクロバブルを注射し、前記のパラメータを使用して1分間FUSを適用し、1分後、補体によって処理されたMB/Adを、尾静脈を介して全身注射し(100μl)、FUSを使用してソノポレーションを行った。これらのマウスを示された時点で観察し、画像化するか、または安楽死させ、種々の器官(脾臓、膵臓、肺、および肝臓)を収集した。これらの器官を溶解し、標準的なプロトコルを使用してRNAを単離し、等量のRNAを使用して、製造業者のプロトコルに従ってcDNAを合成した。MDA-9 mRNAレベルをチェックするため、リアルタイムPCRを実施した。マウスGAPDHを転写対照として使用した。
【0227】
統計分析
全てのデータが、3回の独立した実験からの平均値±S.D.を表す。統計分析は、スチューデントt検定(Microsoft excel)、ピアソンの相関(GraphPad prismソフトウェア)のいずれかを使用して実施された。P<0.05を有意と見なした。
【0228】
生存分析:
カプランマイヤー曲線を、PRISM Graph PADソフトウェアを使用して生成し、生存関数を推定するために使用した。ゲムシタビンは、腹腔内注射を介して20mg/kgの用量で与えられた。
【0229】
参考文献
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【配列表】
2024503090000001.app
【国際調査報告】