(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】マルチ光学センサーポインティングデバイスシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20240117BHJP
【FI】
G06F3/0354 444
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543088
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 US2022012890
(87)【国際公開番号】W WO2022159434
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523269085
【氏名又は名称】コンター イノベーションズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラウレンツァーノ,マルコ,ヴィトー マリア
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA02
5B087BB08
5B087BB29
(57)【要約】
本明細書で説明される態様は、人間工学的ポインティングデバイスシステムを対象とする。一例では、ポインティングデバイスシステムは、細長ベース部材、細長ベース部材の少なくとも一部の上に適合するように配置されたスリーブであって、スリーブは細長ベース部材の周りを第1の方向に回転し、かつ細長ベース部材の周りを第1の方向に実質的に直交する第2の方向にスライドするように構成されていること、ならびに複数の光学センサーであって、細長ベース部材内に配置されていて、スリーブの複数の光学センサーに対する回転運動およびスリーブの複数の光学センサーに対する軸方向運動の少なくとも1つを検出するために位置付けられること、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長ベース部材と、
前記細長ベース部材の一部の上に適合するように配置されたスリーブであって、前記細長ベース部材の周りを第1の(Y)方向に回転し、かつ前記細長ベース部材の周りを、前記第1の方向に実質的に直交する第2の(X)方向にスライドするように構成されたスリーブと、
細長ベース部材の表面に沿って配置された少なくとも2つの光学センサーであって、前記少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つのセンサーの視野内の前記スリーブの内側表面から前記少なくとも2つの光学センサー信号のうちの前記少なくとも1つによって受信された少なくとも1つの信号の変化に少なくとも一部基づいて、前記スリーブの前記複数の光学センサーに対する回転運動および前記スリーブの前記少なくとも2つの光学センサーに対する軸方向運動の少なくとも1つから前記スリーブの位置読取りを検出するように位置付けられた、少なくとも2つの光学センサーと
を備える、位置決めデバイス。
【請求項2】
前記位置読取りは、前記光学センサーのうちの1つだけによって受信された信号に基づく、請求項1に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項3】
前記位置読取りは、前記スリーブによってカバーされた光学センサーから受信された信号に基づき、前記スリーブによってカバーされていない光学センサーからの前記読取りは無視される、請求項2に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項4】
前記少なくとも2つの光学センサーは、2つの光学センサーを含み、前記位置読取りは、前記2つの光学センサーから受信された信号に基づく、請求項1に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項5】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーからの前記信号の平均に基づく、請求項4に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項6】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーからの信号のうちのより高い品質から選択される、請求項4に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項7】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーからの信号に基づく前記スリーブの判断された移動方向に基づいてカバーされている可能性がより高い前記センサーから選択される、請求項4に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項8】
前記位置読取りは、前記スリーブが、前記2つの光学センサーからの信号に基づき左に移動しているという判断に基づいて左のセンサーから選択される、請求項7に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項9】
前記位置読取りは、前記スリーブが、前記2つの光学センサーからの信号に基づき右に移動しているという判断に基づいて右のセンサーから選択される、請求項7に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項10】
前記細長ベース部材の前記表面は、内側表面であり、2つの光学センサーは、前記内側表面に沿って配置されて、各センサーは、前記細長ベース部材内のそれぞれの開口部を通して前記スリーブの前記内側表面から信号を受信する、請求項4に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項11】
前記スリーブの長さは、前記2つの光学センサー間の端から端までの間隔の距離よりも少なくとも2mm大きい、請求項4に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項12】
前記スリーブの前記長さは10cmであり、前記センサー間の距離は7cmである、請求項11に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項13】
前記位置決めデバイスは、改善されたローラーマウスポインティングデバイスである、請求項1に記載の位置決めデバイス。
【請求項14】
前記改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスの少なくとも2倍のX範囲を有する、請求項13に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項15】
前記改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスよりも改善された位置決め精度を有する、請求項13に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項16】
前記改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスよりも小さい、請求項13に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項17】
前記スリーブの前記回転運動および前記軸方向運動の少なくとも1つに基づいて、前記検出された位置読取りをホストコンピュータに送信するように構成される、前記複数の光学センサーと通信する回路をさらに備える、請求項13に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項18】
前記複数の光学センサーと通信する前記回路は、前記スリーブの前記回転運動および前記軸方向運動の少なくとも1つの前記検出された位置読取りに対する表示装置内のポインタの動きを達成するように構成されているプロセッサと通信する、請求項17に記載のポインティングデバイスシステム。
【請求項19】
前記細長ベース部材の一部の上に配置されたスリーブを移動させることであって、前記スリーブは、前記細長ベース部材の周りを第1の(Y)方向に回転し、かつ、前記細長ベース部材の周りを、前記第1の方向に実質的に直交する第2の(X)方向にスライドするように構成されていることと、
位置読取りを提供するために、少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つの光学センサーの視野内の前記スリーブの内側表面から前記少なくとも2つの光学センサー信号の前記少なくとも1つによって受信された光信号の変化に少なくとも一部基づいて、前記少なくとも2つの光学センサーに対する前記スリーブの回転運動および前記少なくとも2つの光学センサーに対する前記スリーブの軸方向運動のうちの少なくとも1つから、前記細長ベース部材の表面に沿って配置された前記少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つの光学センサーから前記光信号を受信することと
を含む、位置を決定する方法。
【請求項20】
前記位置読取りは、前記少なくとも2つの光学センサーのうちの1つだけによって受信された信号に基づく、請求項19に記載の位置を決定する方法。
【請求項21】
前記位置読取りは、前記スリーブによってカバーされた光学センサーから受信された信号に基づき、前記スリーブによってカバーされていない光学センサーからの前記読取りは無視される、請求項20に記載の位置を決定する方法。
【請求項22】
前記位置読取りは、前記少なくとも2つの光学センサーのうちの2つから受信された信号に基づく、請求項19に記載の位置を決定する方法。
【請求項23】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーから受信された前記信号の平均に基づく、請求項22に記載の位置を決定する方法。
【請求項24】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーからの信号のうちのより高い品質から選択される、請求項22に記載の位置を決定する方法。
【請求項25】
前記位置読取りは、前記2つの光学センサーからの信号に基づく前記スリーブの判断された移動方向に基づいてカバーされている可能性がより高いセンサーから選択される、請求項22に記載の位置を決定する方法。
【請求項26】
前記位置読取りは、前記スリーブが、前記2つの光学センサーからの信号に基づき左に移動しているという判断に基づいて左のセンサーから選択される、請求項25に記載の位置を決定する方法。
【請求項27】
前記位置読取りは、前記スリーブが、前記2つの光学センサーからの読取りに基づき右に移動しているという判断に基づいて右のセンサーから選択される、請求項25に記載の位置を決定する方法。
【請求項28】
前記位置読取りは、改善されたローラーマウスポインティングデバイスを提供するために処理される、請求項22に記載の位置を決定する方法。
【請求項29】
前記スリーブの前記回転運動および前記軸方向運動の少なくとも1つの前記位置読取りに対する表示装置内のポインタの動きを達成するために、前記位置読取りをホストコンピュータに送信することをさらに含む、請求項28に記載の位置を決定する方法。
【請求項30】
本明細書で示して説明されるようなポインティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の背景
コンピュータシステムでは、ポインティングデバイスは一般に、その支持面に対する2次元の動きを検出することによって機能する。ポインティングデバイスは、そのデバイスのユーザーがシステム依存操作を実行するのを可能にする、「ホイール」またはボタンなどの、様々な特徴を含み得る。ポインティングデバイスの動きは典型的には、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)の細かい制御を可能にする、ディスプレイ上のポインタの動きに変換される。典型的なポインティングデバイスは、カーソルが、一旦、所望の位置に移動されると、ユーザーのボタン押下に応答してクリック操作を実行する「ポイント&クリック」の連続操作を利用する。コンピュータマウスは、かかるポインティングデバイスの一例である。他の既知の例は、トラックボール、ジョイスティック、またはタッチパッドを含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書で説明される態様および実施形態は、不必要な動作および動きを要求することなく、ユーザーによって制御可能なポインティングデバイスシステムを対象とする。具体的には、様々な実施形態は、ユーザーに対して傷害または負担を引き起こし得る有害な動きの回避を容易にする。ユーザーの腕、背中、肩、首、手、および手首への負担を最小限にすることに加えて、本明細書で説明されるポインティングデバイスシステムの態様および実施形態は、ポインティングデバイスの安定性、構造的完全性、ならびに位置合わせおよび精度を改善する。本明細書で説明される態様および実施形態は、長さが短くされ、位置精度が改善されて、機能性が向上している、改善された人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスシステムを対象とする。加えて、態様および実施形態は、細長ベース部材(ホルダー)の任意の表面(内部または外部)に沿って配置できる複数の光学センサーを含むマルチセンサー測定システムを対象とする。具体的には、本明細書で説明される態様および実施形態は、光学センサーに沿ってその上を移動している外側スリーブの動きを検出するために使用される、ハウジング(中央ホルダー)の表面に沿って配置された複数の(少なくとも2つの)光学センサーを有する人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスシステムを対象とする。具体的には、本明細書で提供される態様および実施形態は、長さを短くできるホルダーおよび外側スリーブをもたらす複数の光学センサーを備えた人間工学的ローラーマウスを提供し、そのためにローラーマウスデバイスはもっと小さくでき、同時に、測定精度および機能性が改善されているローラーマウスも提供する。本明細書で説明される態様および実施形態の様々な他の利益および利点が、図面を参照してさらに説明される。
【0003】
一態様によれば、改善された位置決めシステムが提供される。一例では、ポインティングデバイスシステムは、細長ベース部材、細長ベース部材の一部の上に適合するように配置されたスリーブであって、スリーブは、細長ベース部材の周りを第1の方向に回転し、かつ細長ベース部材の周りを、第1の方向に実質的に直交する第2の方向にスライドするように構成されて、スリーブは、その内側表面上にパターンを含むこと、ならびに細長ベース部材の表面に沿って、または細長ベース部材内に配置された複数の光学センサーであって、複数の光学センサーの視野内のパターンの変化に少なくとも一部基づいて、センサーに対するスリーブの回転運動およびセンサーに対するスリーブの軸方向運動のうちの少なくとも1つを検出するように位置付けられていること、を含む。
【0004】
一例では、ポインティングデバイスシステムは、細長ベース部材、細長ベース部材の一部の上に適合するように配置されたスリーブ、および少なくとも2つの光学センサーを含む。スリーブは、細長ベース部材の周りを第1の(Y)方向に回転し、かつ、細長ベース部材の周りを、第1の方向に実質的に直交する第2の(X)方向にスライドするように構成される。少なくとも2つの光学センサーは、細長ベース部材の表面に沿って配置されて、少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つのセンサーの視野内のスリーブの内側表面から少なくとも2つの光学センサー信号の少なくとも1つによって受信された少なくとも1つの信号の変化に少なくとも一部基づいて、複数の光学センサーに対するスリーブの回転運動および少なくとも2つの光学センサーに対するスリーブの軸方向運動のうちの少なくとも1つからスリーブの位置読取りを検出するために位置付けられる。
【0005】
一例では、位置読取りは、光学センサーのうちの1つだけによって受信された信号に基づく。
【0006】
一例では、位置読取りは、スリーブによってカバーされた光学センサーから受信された信号に基づき、スリーブによってカバーされていない光学センサーからの読取りは無視される。
【0007】
一例では、少なくとも2つの光学センサーは、2つの光学センサーを含み、位置読取りは、2つの光学センサーから受信された信号に基づく。一例では、位置読取りは、2つの光学センサーからの信号の平均に基づく。
【0008】
一例では、位置読取りは、2つの光学センサーからの信号のうちのより高い品質から選択される。
【0009】
一例では、位置読取りは、2つの光学センサーからの信号に基づくスリーブの判断された移動方向に基づいてカバーされている可能性がより高いセンサーから選択される。
【0010】
一例では、位置読取りは、スリーブが、2つの光学センサーからの信号に基づき左に移動しているという判断に基づいて左のセンサーから選択される。
【0011】
一例では、位置読取りは、スリーブが、2つの光学センサーからの信号に基づき右に移動しているという判断に基づいて右のセンサーから選択される。
【0012】
一例では、細長ベース部材の表面は、内側表面であり、2つの光学センサーは、内側表面に沿って配置されて、各センサーは、細長ベース部材内のそれぞれの開口部を通してスリーブの内側表面から信号を受信する。
【0013】
一例では、スリーブの長さは、2つの光学センサー間の端から端までの間隔の距離よりも少なくとも2mm大きい。
【0014】
一例では、スリーブの長さは10cmであり、センサー間の距離は7cmである。
【0015】
一例では、位置決めデバイスは、改善されたローラーマウスポインティングデバイスである。
【0016】
一例では、改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスの少なくとも2倍のX範囲を有する。
【0017】
一例では、改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスに対して改善された位置決め精度を有する。
【0018】
一例では、改善されたポインティングデバイスは、シングル光学センサーローラーマウスポインティングデバイスよりも小さい。
【0019】
一例では、改善された位置決めデバイスは、スリーブの回転運動および軸方向運動の少なくとも1つに基づいて検出された位置読取りをホストコンピュータに送信するように構成される、複数の光学センサーと通信する回路をさらに含む。
【0020】
一例では、複数の光学センサーと通信する回路は、スリーブの回転運動および軸方向運動の少なくとも1つの検出された位置読取りに対する表示装置内のポインタの動きを達成するように構成されるプロセッサと通信する。
【0021】
一態様によれば、改善された位置決め方法が提供される。一例では、本方法は、細長ベース部材の一部の上に配置されたスリーブを移動させることであって、スリーブは、細長ベース部材の周りを第1の(Y)方向に回転し、かつ、細長ベース部材の周りを、第1の方向に実質的に直交する第2の(X)方向にスライドするように構成されていること、ならびに位置読取りを提供するために、少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つの光学センサーの視野内のスリーブの内側表面から少なくとも2つの光学センサー信号の少なくとも1つによって受信された光信号の変化に少なくとも一部基づいて、少なくとも2つの光学センサーに対するスリーブの回転運動および少なくとも2つの光学センサーに対するスリーブの軸方向運動のうちの少なくとも1つから、細長ベース部材の表面に沿って配置された少なくとも2つの光学センサーのうちの少なくとも1つの光学センサーから光信号を受信することを含む。
【0022】
一例では、位置読取りは、少なくとも2つの光学センサーの1つだけによって受信された信号に基づく。
【0023】
一例では、位置読取りは、スリーブによってカバーされた光学センサーから受信された信号に基づき、スリーブによってカバーされていない光学センサーからの読取りは無視される。
【0024】
一例では、位置読取りは、少なくとも2つの光学センサーのうちの2つから受信された信号に基づく。一例では、位置読取りは、2つの光学センサーから受信された信号の平均に基づく。一例では、位置読取りは、2つの光学センサーからの信号のうちのより高い品質から選択される。一例では、位置読取りは、2つの光学センサーからの信号に基づくスリーブの判断された移動方向に基づいてカバーされている可能性がより高いセンサーから選択される。
【0025】
一例では、位置読取りは、スリーブが、2つの光学センサーからの信号に基づき左に移動しているという判断に基づいて左のセンサーから選択される。
【0026】
一例では、位置読取りは、スリーブが、2つの光学センサーからの信号に基づき右に移動しているという判断に基づいて右のセンサーから選択される。
【0027】
一例では、位置読取りは、改善されたローラーマウスポインティングデバイスを提供するために処理される。
【0028】
一例では、本方法は、スリーブの回転運動および軸方向運動の少なくとも1つの位置読取りに対する表示装置内のポインタの動きを達成するために、位置読取りをホストコンピュータに送信することをさらに含む。
【0029】
これらの例示的な態様および実施形態のさらに他の態様、実施形態、および利点が以下で詳細に説明される。本明細書で開示される実施形態は、本明細書で開示される原理の少なくとも1つと一致する任意の方法で他の実施形態と組み合わされ得、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「代替実施形態」、「様々な実施形態」、「1つの実施形態」または同様のものへの言及は必ずしも相互に排他的ではなく、説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを示すことを意図する。本明細書でのかかる用語の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照していない。本明細書で説明される様々な態様および実施形態は、説明される方法または機能のいずれかを実行するための手段を含み得る。
【0030】
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が添付の図面を参照して以下で説明され、図面は原寸に比例して描かれることを意図していない。図面は、様々な態様および実施形態の説明およびさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、その一部を構成するが、本発明の制限の定義は意図していない。図面では、様々な図面内で例示されている各同一またはほぼ同一の構成要素は同様の番号によって表される。明瞭さを目的として、全ての構成要素が全ての図面内でラベル付けされているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムの一例である。
【
図2】本開示の態様に従い、
図1に例示されているポインティングデバイスシステムの細長ベース部材およびスリーブの一例を示す。
【
図3】本開示の態様に従い、
図1に例示されているポインティングデバイスシステムのスリーブの切り欠き図である。
【
図4】本開示の態様に従い、スリーブの内側表面に適用され得るパターンの一例である。
【
図5A-5C】細長いホルダーの長さに沿って配置された複数の光学センサーおよびその複数の光学センサーに対する外側スリーブの異なる位置を含むマルチセンサーシステムの一実施形態を示す。
【
図6】複数の光学センサーからの読取り間の任意のハンドオーバーを判断するためのプロセスの一例を示す。
【
図7】本開示の態様に従った、内部センサーの拡張図である。
【
図8】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムの別の例を示す。
【
図9】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムのさらなる例を示す。
【
図10】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムの一例の透視図を示す。
【
図11】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムの別の例の透視図を示す。
【
図12】本開示の態様に従ったポインティングデバイスシステムのさらなる例の透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
従来型のポインティングデバイスは、人間工学的な問題などの、様々な欠陥に悩まされている。しばしば、従来型のポインティングデバイスは、無駄に広いスペースを必要とする。その上、ある従来型のポインティングデバイスの長期使用は、ユーザーに対する傷害または負担となることが知られている。それに応じて、本明細書で説明される態様および実施形態は、ポインティングデバイスの操作に必要なスペースの量を減らし、同時に、ユーザーの腕、背中、肩、首、手、または手首への負担も最小限にする。本明細書で説明される改善された人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスの様々な態様および実施形態はそれ故に、従来型のコンピュータマウスに対する代替品として開発されている。
【0033】
本明細書で説明される態様および実施形態は、改善されたポインティングデバイスシステムおよび設計を対象とする。一例では、ポインティングデバイスシステムは、細長ベース部材(「中央ハウジングまたはホルダー」とも呼ばれる)に沿って回転可能およびスライド可能であるスリーブを含み得る。ポインティングデバイスシステムは、スリーブの回転および/または軸方向運動を検出するために配置されて、表示装置内のポインタの動きを達成するためにプロセッサと通信するように構成される、複数の光学センサーを含む。具体的には、スリーブを細長ベース部材の周りを回転させ、かつ、それを細長ベース部材に沿ってスライドさせることにより、ポインティングデバイスシステムのユーザーは、そのポインティングデバイスシステムが接続されるコンピュータシステムのグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)におけるポインタ位置のxおよびy座標を制御し得る。いくつかの例によれば、必ずしも必要ではないが、細長ベース部材は、ユーザーによって押下可能であり得、ユーザーが従来型のマウスクリックに対応する動作を実行するのを可能にする。様々な例では、必ずしも必要ではないが、ポインティングデバイスシステムは、個々に、または任意の組合せのいずれかで、支持組立体、パターンのある内側スリーブ、圧電素子、および/またはクリック圧調整器も含み得、それらの各々は、有用性だけでなく、ポインティングデバイスシステムの機能性も改善する。
【0034】
本明細書で説明される態様および実施形態は、他の人間工学的ポインティングデバイスシステムと比べて、より小さくて、改善された位置精度、および改善された機能性を有している、改善された人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスシステムを対象とする。さらに、態様および実施形態は、細長ベース部材(ホルダー)の任意の表面(内側または外側)に沿って配置できる複数の光学センサーを含むマルチセンサー測定システムを対象とする。具体的には、本明細書で説明される態様および実施形態は、光学センサーに沿ってその上をX-Y方向に移動している外側スリーブの動きを検出するために使用されるハウジング(中央ホルダー)の表面に沿って配置された複数の(少なくとも2つの)光学センサーを有する人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスシステムを対象とする。マルチセンサー測定システムから生じる利点の一部は、ホルダーの周囲に配置された外側スリーブの長さを短くでき、中央ハウジング(ホルダー)の長さを短くでき、ローラーマウスデバイス全体をより小さくできることであり、同時に、ローラーマウスデバイスは改善されたX-Y位置精度および、例えば、X方向への、より広い移動範囲などの、改善された機能性も有するという追加の利点も有する。マルチセンサー測定システムの別の利点は、小さい中央ホルダーおよび小さい外側スリーブをもつローラーマウスデバイスの小型版を可能にするものである。
【0035】
マルチセンサー技術システムの別の態様は、複数の光学センサー間の任意のハンドオーバーを扱うソフトウェアおよび/またはファームウェア機能である。マルチセンサー技術システムの別の態様は、制限された範囲の摺動面を有する任意の装置または用途に対して使用できるものであり、それはポインティングデバイスだけに制限されない。マルチセンサー技術システムの別の態様は、内部光学センサー(ホルダーの内側)または外部光学センサー(ホルダーの外側)を有する任意のローラーマウスシステムと共に使用できるものである。マルチセンサー技術システムの別の態様は、ディスプレイ内のポインタに変換できる、そのX-Y範囲に沿った外側スリーブの絶対位置のより正確な再構成を提供するものである。マルチセンサー技術システムの別の態様は、もっと多くの光学センサーが使用されて、位置決め測定がもっと正確にできるものである。マルチセンサー技術システムおよび改善された人間工学的ローラーマウスポインティングデバイスの別の態様は、もっと短いスリーブを備えて、ポインティングデバイスのX方向への移動範囲をシングル光学センサーシステムと比べて2倍にできるものであり、それは、例えば、ホルダーに沿ったX方向でのスリーブの端検出によって制限されることなく、複数のモニター(すなわち、デュアルモニター用途)間での左から右への移動を可能にし;単一モニター環境において、ユーザーがポインティングデバイスのX移動範囲の端に滅多に、または決して達しないようにポインティングデバイスのXからYへの移動を2倍にするのを可能し、それは、必要な端検出の必要性を最小限にし、かつ/または単純化する。本明細書で説明される態様および実施形態の様々な他の利益および利点は、図面を参照してさらに説明される。
【0036】
本明細書で説明されるシステムおよび装置の実施形態は、以下の記述で説明されているか、または添付の図面で例示されている構成の詳細および構成要素の配置に対する適用に制限されないことが理解される。本システムおよび装置は、他の実施形態での実装および様々な方法での実施または実行が可能である。特定の実施態様および組合せの例がここで、例示のみを目的として提供され、制限することは意図していない。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明のためであり、制限として考えられるべきでない。「~を含む(including)」、「~を含む(comprising)」、「~を有する(having)」、「~を包含する(containing)」、「~を伴う(involving)」およびその変形の本明細書での使用は、以後リストされる項目およびその均等物ならびに追加の項目を包含することを意図する。「または(or)」への言及は、「または」を使用して説明される任意の項目が、説明される項目の1つ、2つ以上、および全部のいずれかを示し得るように、包括的と解釈され得る。前および後、左および右、上部および下部、上方および下方、ならびに垂直および水平への任意の言及は、説明の便宜のためであり、本システムおよび方法またはそれらの構成要素を任意の1つの位置または空間的配向に制限しない。
【0037】
図1を参照すると、ポインティングデバイスシステム100の第1の例が示されている。一実施態様では、ポインティングデバイスシステム100は、デバイスケース102を含むことができる。デバイスケース102は、ポインティングデバイスシステム100の追加の部品および構成要素を保護して守る。
図1は、ポインティングデバイスシステム100を、取外し可能なリストレスト104を含むデバイスケース102を有するとして例示する。リストレスト104は、ポインティングデバイス100のユーザーの手首の位置決めを改善するために1つ以上のクッション106を有し得る。ポインティングデバイスシステムは、細長ベース部材108およびスリーブ110も含む。
【0038】
図1~
図2を参照すると、様々な例では、ポインティングデバイスシステム100は、細長ベース部材108(「ベース部材」または「中央ハウジング」または「ホルダー」)およびスリーブ110を含む。スリーブは、ベース部材108の一部の上に適合するように配置され、ベース部材108は、ある事例では、中空管を含み得る。
図1の例に示されるとおり、ある事例では、ベース部材108は、スリーブ110がベース部材108の周りを第1の(Y)方向(方向Aとして示されている)に回転し、かつベース部材108に沿って実質的に直交する第2の(X)方向(方向Bとして示されている)に平行移動(例えば、スライド)し得るように、スリーブ110の中心を通って同軸に延在し得る。例示を目的として、矢印インジケータAは、スリーブ110がその周りを回転するように構成される第1の(Y)方向を表し、矢印インジケータBは、スリーブ110がその周りをスライドするように構成される第2の(X)方向を表す。図のように、この例では、デバイスケース102は、スリーブ110および細長ベース部材108を、ポインティングデバイスシステム100のユーザーに対してアクセス可能にするために、それらを部分的にむき出しにする。様々な実施形態では、スリーブ110は、グリップ204などの、スリーブ110の外表面上に配置された触覚材料を含むことができる。スリーブ110は、可撓性でもあり、プラスチック、布、紙、ゴム、または他の材料の1つから成り得る。ある実施形態では、スリーブ110は、剛性材料から成り得、具体的には、細長ベース部材108の形(例えば、実質的に円筒形として示されている)を取り得る。しかし、ある他の例では、スリーブ110は、細長ベース部材108の形状とは実質的に異なる形を取り得る。ある実施形態では、スリーブは、可撓性であって、中央ハウジングの上にゆったりと適合し得、そのため細長ベース部材の形を取る必要がない。
【0039】
システム100は、ホルダーの内部またはホルダーの外部のいずれかに配置できる複数の光学センサーを含む光学センサーシステムを含む。ある実施形態では、スリーブ110の回転運動および軸方向運動の少なくとも1つを検出するために、複数の光学センサーが細長ベース部材108内に配置される。図示例では、1つ以上のスイッチが、ポインティングデバイスシステム100のケース102内に含まれていて、スリーブ110(および/または細長ベース部材108)の押下を検出して、本明細書で「クリック操作」または「マウスクリック」と呼ばれる動作を開始するために位置付けられる。例えば、システム100は、スリーブ110への下押し圧力の印加に応答して作動させるために位置付けられたクリックトリガースイッチを含み得る。様々な実施形態では、デバイスケース102は、クリックトリガースイッチなどの、デバイスケース102の内側構成要素の一部を取り囲むカバーも含んで、構成要素をちり、ほこり、湿気などから保護する。
【0040】
ある例では、スリーブ110は、その外表面上に印刷された証印も含み得、ユーザーによって第2のスリーブと交換可能であり得る。図に示すように、様々な実施形態では、スリーブ110は、ベース部材108の周りの流体回転およびスライドを可能にする1つ以上のブッシング(bushing)202a、202bによって細長ベース部材108上で支持される。ベース部材108およびスリーブ110は、概ね管形状を含むとして示されているが、様々な追加の実施形態では、ベース部材108およびスリーブ110は、概ね非円形断面、少なくとも1つの平面および少なくとも1つの曲面を有する断面、または少なくとも3つの丸みのある角を有する断面を有する形状を含み得る。ベース部材108は、アルミニウムなどの、任意の耐久性のある材料から成り得る。様々な実施形態では、ベース部材108は、スリーブ110のベース部材108の周りの流体運動を提供するためにベース部材108とスリーブ110との間で低い静摩擦係数を有するように選択される。
【0041】
図3を参照すると、スリーブ110の一例が示されている。具体的には、
図3は、スリーブ110の内側(すなわち、内部)面がその中に見える、スリーブ110の切り欠き302を示している。図のように、様々な例では、スリーブ110はその内側面上にパターン304を含む。パターン304は、スリーブ110の内側面上に印刷されるか、付着されるか、または別の方法で形成され得る。パターン304は、内側面上のカラーパターン、テクスチャパターン、および/または任意の規則的もしくは不規則なデザインを含み得る。特定の例では、パターン304は、複数の光学センサーが、視野内のパターン304における変化に基づき、各光学センサー(および細長ベース部材108)に対する、スリーブ110の回転運動および軸方向運動の少なくとも1つを検出し得るように、ポインティングデバイスシステム100の複数の光学センサーの視野内に配置され得る。本明細書で説明されるように、ある例では、パターン304における変化は、パターン304の光学センサーに対する移動を含み得る。
【0042】
ここで
図4を参照すると、
図1に示されているスリーブ110の内側面に適用され得るパターン402の一例が示されている。具体的には、
図4は、交互の色パターンの一例を示す。そのパターンは、スリーブ110の長さに沿って(例えば、第2の方向Bに)延在して、複数の交互の黒い円筒セクションを含む。
図4の例では、パターン402は交互の黒い円筒セクションを含むとして示されているが、他の色および形状が様々な他の実施態様で使用され得る。一例では、パターン402は、複数のゾーンに分割され得、各ゾーンは、複数の光学センサーと通信するプロセッサによって実行される機能に対応する。例えば、ゾーンは、ポインタの移動速度の増大または減少、スリーブの端とホルダーの端との近接(スリーブの端検出)のいずれか、もしくは全部に対応し、それらに対して使用され得る。例えば、本システムは、スリーブ110が細長ベース部材108の端に近づくと開始する、端検出を提供できる。一旦、検出されると、システム100は、スリーブ110が細長ベース部材108の端から取り除かれるまで、プロセッサに表示装置内のポインタの位置を対応する方向に継続して自動的に移動させるように促す。ある他の例では、光学センサーによるあるゾーンの検出は、代替としてプロセッサに、「スクロール」モードの動作に入るように促し得る。「スクロール」モードの間、ユーザーは、スリーブ110をベース部材108の周りを回転させて、表示装置内に提示されている情報に関してスクロール動作を実行し得る。ポインティングデバイスシステム100は、カーソル端回避(cursor end avoidance)、またはカーソル自動センタリングのいずれかもしくは全部に対する機能も提供し得る。
【0043】
しかし、ある他の例では、ポインティングデバイスシステム100は、スリーブ110の動きを検出するために1つ以上の追加のセンサーを含み得る。例えば、システム100は、スリーブ110の細長ベース部材108の端に対する瞬間的な位置を監視するために配置される1つ以上のリニアホール効果センサーを含み得る。例えば、システム100は、細長ベース部材108の第1の端に配置された第1のリニアホール効果センサーおよび細長ベース部材の遠位の第2の端に配置された第2のリニアホール効果センサーを含み得る。各リニアホール効果センサーは、スリーブと、スリーブの対応する端との近接を判断するために対応する磁石と相互作用し得る。一旦、リニアホール効果センサーと対応する磁石との間の所定の閾値に達する(すなわち、磁石とリニアホール効果センサーが所定の近さに達する)と、プロセッサは、本明細書でさらに説明されるように、「スクロール」モードに入り、かつ/または1つ以上の端検出動作を実行するように促され得る。
【0044】
記述のとおり、本開示の態様によれば、細長ベース部材は、その細長ベース部材の表面上に配置された複数の光学センサーを含む。ここで
図5A~
図5Cを参照すると、ある例では、複数の光学センサー512、514が、細長ベース部材508内に配置されている(すなわち、内部光学センサー)。光学センサー512、514は、細長ベース部材508内のそれぞれの開口部を通してスリーブ510の回転運動および/または軸方向運動を検出するために配置され得る。スリーブ510の動きを検出するために、動きを検出している光学センサーは、それが光を検出しているスリーブ510の内側面によって常にカバーされている必要がある。それに応じて、改善されたローラーマウスデバイスのスリーブ510は、少なくとも1つの光学センサー512、514のそれぞれの開口部を少なくとも常に覆っている必要がある。シングルセンサーローラーマウスデバイスでは、当技術分野で知られているように、単一の光学センサーの最適な位置は、細長いホルダーの中央であり、スリーブは典型的には、細長いホルダーの長さの少なくとも半分の長さ(典型的にはもう少し)を有する。しかし、かかる配置構成に関連する問題は、スリーブの、および従って、ポインティングデバイスの動きの範囲がローラーマウスデバイスの細長いホルダーのサイズの半分に制限されることである。それに対して、本開示の態様に従ったマルチ光学センサーシステム500では、光学センサー512、514およびそれらそれぞれの開口部は、細長いホルダー508の長さに沿って間隔が空けられていて、スリーブは、
図5Cに示されるように、センサー512、514の両方をカバーするために十分に長い長さを有しているが、
図5A、
図5Bに示されるように、センサー512、514の両方を常にカバーする必要はない。例として、
図5A~
図5Cに示されるように、光学センサー512、514およびそれぞれの開口部は、細長いホルダーの長さの略1/3および2/3において均等に間隔が空けられ得る。態様および実施形態によれば、スリーブ510は、ローラーマウスシステムが対応するように設計される物理的な動きの最大速度およびシステムの最大サンプリングレートによっても決定される下限値を有するセンサー512、514と最小限のオーバーラップを有する長さを有する。ほんの一例として、決して唯一のサイズでなく、一実施形態では、センサー512、514およびそれぞれの開口部は、ホルダーの長さに沿って7cm離して配置されて、スリーブ長は10cmである。この配置構成は、わずか1msのサンプリングレートに対して設計されている。かかる配置構成では、結果として生じるスリーブの最小限のオーバーラップは、少なくとも最低数ミリメートルである。スリーブを、少なくとも数ミリメートルから3cmまでの範囲のオーバーラップを有するための長さにすることにより、スリーブの追跡の損失および他の潜在的な問題を吸収するために合理的な余裕を可能にする改善されたローラーマウスシステムが提供される。本開示の態様に従ったかかる配置構成の1つの利点は、少なくともスリーブ510のサイズおよび細長いホルダー508のサイズを縮小できることである。
【0045】
複数のセンサー512、514は、2つの光学センサーに制限される必要はなく、3つ以上の光学センサーにできること、ならびにそれぞれの開口部は細長いホルダーの長さの1/3および2/3のところに配置する必要はないことが理解される。スリーブ510の長さならびに、複数の光学センサー512、514およびそれぞれの開口部の位置は、いずれの時点においても、光学センサー512、514およびそれぞれの開口部の少なくとも1つがスリーブ510によってカバーされるように中央ホルダーに沿って配置できる。その結果、本明細書で開示される態様および実施形態によれば、スリーブは、2つの光学センサー間のシームレスなハンドオーバーを可能にするために、複数の光学センサーのうちの2つの隣接する光学センサー間の最大距離よりもわずかに長い必要があるだけである。態様および実施形態によれば、内部光学センサーは、スリーブ510と、細長ベース部材108の1つ以上の端との近接をさらに検出し得ることも理解される。それに応じて、ある例では、ポインティングデバイスシステム500は、スリーブ510の全ての動き(例えば、回転、軸方向、および端検出)を検出する複数の光学センサーを含み得る。細長いホルダーの端に配置されて、例えば、端検出を検出するために使用される光学センサーを含む実施形態に対して、スリーブは、ホルダーの長さに沿った複数の光学センサーのうちの2つの隣接する光学センサー間の最大距離、およびホルダーの長さに沿った光学センサーと動き検出の範囲の端に対して使用されるホルダーの端の光学センサーとの間の距離の2つのうちの大きい方よりも長い必要があるだけである。これらの配置構成の各々は、他のポインティングデバイスと比較して改善された効率、改善された位置精度、ならびに削減されたサイズおよび複雑さを有するローラーマウスデバイスの利益をもたらす。
【0046】
改善されたローラーマウスポインティングデバイスおよびマルチセンサー技術システムの別の態様は、複数の光学センサーからの読取り間の任意のハンドオーバーを扱うセンサー検出およびハンドオーバー機能である。
図6を参照すると、本開示の態様および実施形態に従ったマルチセンサーハンドオーバー機能のフローチャートが示されている。その機能は、例えば、ソフトウェアおよび/またはファームウェアで実装できる。一般に、本システムは、複数のセンサーによって検出されたスリーブの動きおよび複数のセンサーのカバー状態を定期的に監視し、その情報を使用してスリーブのX-Y運動を正確に判断してそれをカーソルの動きに変換する。一般に、各光学センサーは、「カバーされている」または「カバーされていない」のいずれかと考えられる論理状態を有するために時間内にスナップショットで判断される。論理状態がカバーされている場合、センサーはアクティブと考えられて情報がそれから収集される。センサーが「カバーされていない」と考えられる場合、そのセンサーはからの情報は無視される。2つ以上のセンサーがカバーされている場合、センサー読取りによって生じる検出されたX運動は、複数の方式に従った全ての読取りの組合せである。態様および実施形態によれば、複数のセンサーからの情報は、次の複数の考えられる方式に従って使用できる:
1.各センサーからの読取りの品質を監視して、最も高い品質を備えた読取りだけを使用する、
2.各センサーからの読取りを使用して、読取りの平均を決定する、または
3.センサー読取りによって決定されたスリーブの動きの方向に基づき、カバーされている可能性が最も高い(カバーされていない可能性が低い)センサーからの読取りを選択する。具体的には、左のセンサーからの情報は、左のセンサーに向かう方向で、動きがある速度を上回っている場合に使用される。両方のセンサーがスリーブによってカバーされていると考えられるスリーブの領域では、スリーブの動きが右に向かっていると判断される場合、右のセンサーからの情報が使用される。スリーブがどちらの方向に移動しているか、およびどちらのセンサー情報を選ぶべきかを判断するために、2つのセンサー運動の平均が決定される。例えば、
図5Cを見ると、スリーブが右に向かって移動している場合、スリーブの移動中、センサー514が最もアクティブであるので、読取りは、センサー514から取得される。同様に、スリーブが左に向かって移動している場合、X方向読取りは、左のセンサー512から取得される。
【0047】
複数の光学センサーからの読取り間の任意のハンドオーバーを決定するためのプロセスが、
図6に関してここで説明される。プロセスは602から始まる。読取りが複数のセンサーで取得される前に、604で予め選択された時間間隔が経過するのを可能にする。その時間間隔の後、測定が両方のセンサーにおいて取得されて(606)これらの測定から各センサーがカバーされているか、またはカバーされていないと考えられるかどうかが判断される。右のセンサーがカバーされていないと判断される場合(608)、X-Y位置を決定するために左のセンサーからの読取りが使用される(610)。左のセンサーがカバーされていないと判断される場合(612)、X-Y位置を決定するために右のセンサーからの読取りが使用される(614)。両方のセンサーがカバーされていると考えられる場合(616)、本明細書で開示される複数の方式のいずれかに従って(620)、両方のセンサーからの読取りが使用される(618)。最終的な読取りが次いでホストコンピュータに送信されて(622)X-Yポインタ移動に変換される。プロセスは次いで繰り返される(624)。センサー間でのシームレスなハンドオーバーに対する別の態様は、読取りの同時性を相関させる能力である。センサー間で共有される時間ベースがないので、時分割アプローチが使用される。具体的には、同じ時間スロット内での読取りは、スリーブの移動時における同じサンプルスナップショットを指すと考えられる。
【0048】
ここで説明される機能および方法は、任意の数のセンサーに適用できることが理解される。それに応じて、2つのセンサーだけを有するマルチセンサーサブシステムの一例が示されているが、他のデバイスでは、ここで説明される機能および方法は、3つの以上の光学センサーを有するローラーマウスポインティングデバイスと共に使用できることが理解される。かかる配置構成の利点は、本明細書で記述される追加の利点の全ても提供しながら、スリーブおよび細長いホルダーの長さが、2つのセンサーを使用するデバイスさえよりも、削減できることである。
【0049】
ある例では、各光学センサー512、514は、細長いホルダー508内のそれぞれの開口部を通して光を放出および検出するレーザーセンサーである。各光学センサーは、スリーブ510の移動中、スリーブ510の内側面上のパターンにおける変化に少なくとも一部基づいて、スリーブ510の細長いホルダー508に対する移動を検出する。
図7は、複数の光学センサー512、514(
図5を参照)に対して使用できて、細長ベース部材708内に配置できる、内部光学センサー702の一例の拡張断面図を示す。内部光学センサー702は、センサーハウジング704に取り付けられ得、センサーハウジング704は、細長ベース部材710内のセンサー回路基板706に、または細長ベース部材710の表面上に取り付けられる。一例では、内部光学センサー702はレーザーセンサーを含むが、他の例では、任意の他の適切な光学センサーなどの、任意の適切なタイプのセンサーが使用され得る。一例では、内部光学センサー702は、スリーブ(例えば、
図5のスリーブ510)の内側面に、光を供給して、それからの反射光を検出する。スリーブの移動は、内部光学センサー702の視野内のパターン、およびスリーブの内側面からの反射光の特性を変化させる。センサー支持710は、センサー回路基板706、および内部光学センサー702を細長ベース部材708内で固定する。様々な例では、細長ベース部材708は、光学センサー702がスリーブの内側面とそれを通して光学的に接触する、それぞれの開口部を有する。光学センサー512、514(
図5を参照)によって検出された動きは、少なくともセンサー回路基板706を通して他のシステム構成要素(例えば、ポインティングデバイスシステムと通信するプロセッサ)に伝達される。一例では、スリーブの内側面上のパターンは、端近接検出を容易にし得るが、ある他の例では、対応するポインティングデバイスシステム600は、本明細書で開始されているように、追加の光学センサー、ホール効果センサー、および接触スイッチなどの、1つ以上の端検出センサーも(または代替として)含み得る。加えて、精密X-Y測定を提供する複数のセンサーでは、端検出も必要ない可能性があることが分かった。具体的には、バーの長さおよびセンサーの間隔情報と結合された、「カバーの損失」のセンサー情報を持つ、位置情報を提供する複数のセンサーでは、その配列構成は、スリーブのその範囲に沿った絶対位置のより正確な再構成を可能にする。より多くのセンサーが使用されれば、それだけ正確である。従って、必ずしも端検出を提供する必要さえない可能性があり、それによりポインティングデバイスをさらに単純化する。そのため本配置構成の別の態様および利点は、利用可能な動きセンサーに完全に基づいて、外側スリーブの絶対位置再構成を提供することである。これは、端検出にとって適切であるだけでなく、スリーブの絶対X位置をホスト上の何らかの制御された要素にマッピングすることが望まれる用途におけるデバイスの使用にとっても適切である。
【0050】
図5を再度参照すると、他の構成要素の中でとりわけ、
図5は、対応するスイッチ(図示せず)を有する1つ以上のボタン516、およびスクロールホイール518も含むシステム500を示す。1つ以上のボタン516、およびスクロールホイール518の任意の1つのアクティブ化は、ユーザーが、従来型のマウスによって一般に実行される機能を実行するのを可能にする。例えば、各ボタン516は対応するスイッチを有し得、それは、押下された場合に、コピー、貼り付け、右クリック、左クリック、またはダブルクリックなどの、動作を表し得る。対応するボタンの押下は、対応するスイッチを作動させて、所与の動作を実行するために信号を生成し得る。各ボタン516は追加として、対応する動作が生じていることをユーザーに示すために音声フィードバック(例えば、クリック音)を提供し得る。例示されたボタンの各々は、独立してプログラム可能であり得、ユーザー選好に基づいて動作を割り当てられ得る。各ボタンは、コピー、貼り付け、右クリック、左クリック、またはダブルクリック機能を実行するように個別に構成され得ると説明されるが、様々なさらなる実施形態では、複数のボタン516は、ユーザー定義機能を実行するためにユーザーによっても構成可能であり得ることも理解される。
【0051】
前述のとおり、ポインティングデバイスシステム500の様々な実施形態は、コンピュータシステム、または類似のデバイスと通信して、スリーブ510の細長ベース部材508に対する動きをコンピュータシステムの表示装置上のポインタの動きに変換するように構成され得る。例えば、通信は、例えば、ケーブルを含み得る、有線接続(図示せず)を通した通信を含み得る。しかし、様々な追加の実施態様では、ポインティングデバイスシステム500は、対応するコンピュータシステムに対する有線接続の欠如によって特徴付けられる。すなわち、有線接続は、無線接続で置換され得る。一般に、ポインティングデバイスシステム500およびコンピュータシステムを無線送信機/受信機と接続しているワイヤーを置換すると、ポインティングデバイスシステム500の人間工学をさらに改善して、ユーザーの作業空間から障害物を取り除く。
【0052】
ある実施形態では、回路基板(図示せず)もセンサーハウジング内に配置できる。例えば、回路基板は、複数の光学センサー(例えば、センサー回路基板を介して)、1つ以上のスイッチ、クリックトリガー、およびポインティングデバイスシステムの1つ以上の他の構成要素と結合されて、それらと通信し得る。具体的には、回路基板は、スリーブの細長ベース部材の周りの検出された運動に応答してコンピュータシステムのプロセッサとデータの送受信を行うように構成され得る。本明細書で説明されるポインティングデバイスシステムの様々な構成要素は、単一の共通プリント回路基板に、または2つ以上のプリント回路基板の間で分散してのいずれかで、取り付けられる。回路基板は、1つ以上の締め具(例えば、ねじ)を用いてデバイスケースに固定され得る。回路基板は、コンピュータシステムにおける無線送信機/受信機との無線通信のための無線送信機/受信機を含む送信機回路を含み得る。例えば、送信機は、無線周波数(RF)送信機を含み得、それは、例えば、USBポートに接続できるUSBタイプのデバイスの形にできる。コントローラは、送信機に電気的に接続されるか、またはそうでなければ、送信機と関連付けられて、スリーブ510の検出された回転および平行移動に関するデータの送信を引き起こす。スリーブ510の送信された動きは、コンピュータインタフェース回路により、表示装置に対するカーソル制御信号に変換される。送信機は、スリーブ510のベース部材508の周りの移動、クリック操作、スクロールホイールおよびボタンアクティブ化を含む、情報をコード化して送信する。受信機は、送信および応答可能に復号された情報を受信するように構成される。様々な実施形態では、受信機は、コンピュータシステムの周辺マウス入力にプラグインするように構成される。インタフェースを最小限にするために、一実施形態の送信機および受信機は、2.4GHzの周波数で動作するように構成され得る。様々な実施形態は、ポインティングデバイスシステム500とコンピュータシステムとの間で通信するために、ブルートゥース(登録商標)送信機/受信機、または当技術分野で使用される任意の他の無線信号送信機/受信機を使用し得ることも理解される。本明細書では、ブルートゥース(登録商標)は、別名ピコネットとして知られている、近距離アドホックネットワークを指す。
【0053】
様々な実施形態では、回路基板は、USBケーブルによって供給された電力を電源に供給するように構成されたユニバーサルシリアルバス(USB)回路をさらに含む。ある実施形態では、ポインティングデバイスシステム500は、USBケーブルを介してコンピュータシステムと通信するようにも構成され得る。例えば、ポインティングデバイスシステム500は、検出されたスリーブ510の移動およびクリック操作などの、情報をケーブルを介してコンピュータシステムに送信するように構成され得る。それに応じて、USB回路は、センサー回路基板などの、回路基板および様々な他のシステム500構成要素と選択的に通信し得る。様々な実施形態では、USBケーブルは取外し可能であり、ポインティングデバイスシステム500は、コンピュータシステムに対する全ての有線接続が無しで構成される。
【0054】
図5には明示的に示されていないが、ポインティングデバイス500は、再充電可能電源も含み得る。様々な実施形態では、再充電可能電源は、充電式バッテリーを含む。電源は、回路基板およびセンサー回路基板上に配置された構成要素と電気通信しているか、またはそれに対して電力を供給するように構成される。例えば、一例の再充電可能電源は、充電式リチウムイオン(LiOn)バッテリーを含み得る。様々な例では、ポインティングデバイスシステム100、500は、デスクトップコンピュータなどの、コンピュータシステムのプロセッサと通信し得る。改善されたポインティングデバイスシステムが一緒に使用できるコンピュータシステムの多くの例がある。例としてであるが、それらに制限されず、これらの例は、とりわけ、ネットワークアプライアンス、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、ネットワーク化されたクライアント、サーバー、メディアサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバー、およびウェブサーバーを含む。コンピュータシステムの他の例は、モバイルコンピュータシステム(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、および携帯情報端末)およびネットワーク機器(例えば、負荷分散装置、ルーター、およびスイッチ)を含み得る。モバイルコンピュータシステムの特定のモデルの例は、Appleから入手可能なiOSオペレーティングシステムを実行するiPhone、iPad、および、iPodタッチ、Samsung Galaxyシリーズ、LG Nexus、およびMotorola Droid XのようなAndroidデバイス、Blackberry Limitedから入手可能なBlackberryデバイス、ならびにエリア電話装置を含む。
【0055】
様々な実施形態のコンピュータシステムは、プロセッサ、メモリ、相互接続要素、インタフェース、およびデータ記憶要素を含み得る。本明細書で開示される態様、機能、およびプロセスの少なくとも一部を実装するために、プロセッサは、操作されたデータをもたらす一連の命令を実行する。プロセッサは、任意のタイプのプロセッサ、マルチプロセッサまたはコントローラであり得る。プロセッサ例は、市販のプロセッサ、例えば、Intel Xeon、Itanium、Core、Celeron、もしくはPentiumプロセッサ、AMD Opteronプロセッサ、Apple A4もしくはA5プロセッサ、Sun UltraSPARCプロセッサ、IBM Power5+プロセッサ、IBMメインフレームチップ、または量子コンピュータなどを含み得る。プロセッサは、相互接続要素によって、1つ以上のメモリ装置を含む、他のシステム構成要素に接続される。
【0056】
メモリは、コンピュータシステムの動作中に、プログラム(例えば、プロセッサによって実行可能になるようにコード化された一連の命令)およびデータを格納する。従って、本メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)またはスタティックメモリ(「SRAM」)などの、比較的高性能の、揮発性、ランダムアクセスメモリであり得る。しかし、本メモリは、ディスクドライブまたは他の不揮発性記憶装置などの、データを格納するための任意の装置を含み得る。
【0057】
コンピュータシステムの構成要素は、相互接続要素によって結合される。相互接続要素は、命令およびデータを含む、通信が、コンピュータシステムのシステム構成要素間でやり取りされるのを可能にする。コンピュータシステムは、入力装置、出力装置および入力/出力装置の組合せなどの、1つ以上のインタフェース装置も含む。インタフェース装置は、入力を受信するか、または出力を提供し得る。より詳細には、出力装置は情報を外部に提示するためにレンダリングし得る。入力装置は、本明細書で説明される人間工学的ポインティングデバイスの様々な実施形態などの、外部情報源から情報を受け入れ得る。入力装置は無線であり得、人間工学的ポインティングデバイスシステムは、ブルートゥース(登録商標)などの、無線信号を介してコンピュータシステムに伝達し得る。
【0058】
データ記憶要素は、プロセッサによって実行されるプログラムまたは他のオブジェクトを定義する命令がその中に格納される、コンピュータ可読および書込み可能な不揮発性、または持続性データ記憶媒体を含む。データ記憶要素は、媒体上もしくは媒体内に記録されて、プログラムの実行中にプロセッサによって処理される、情報も含み得る。
【0059】
図1~
図7は、マルチ光学センサーサブシステムを有する改善されたポインティングデバイスシステムのいくつかの例、およびそれらの他の構成要素を示しているが、本開示の態様は、
図1~
図7を参照して説明されるそれらの特定の例に制限されるべきではない。様々な修正および変形が前述の教示に照らして明らかになり得る。例えば、
図8~
図12の各々は、本開示のマルチ光学センサーサブシステムがその中に組み込まれ得る、異なるポインティングデバイスシステム配置構成を示す。その上、
図8~
図12に示されるポインティングデバイスシステム配置構成の様々な態様は、
図1~
図7を参照して説明されるような例に組み込まれ得る。
【0060】
例えば、
図8および
図9を参照すると、マルチ光学センサーサブシステムをその中に含むことができる内部センサーポインティングデバイスシステムの他の例が示されている。
図8では、ポインティングデバイスシステム1500は、細長ベース部材1502およびデバイスケース1504を含むとして示されている。デバイスケース1504は、他の構成要素の中でとりわけ、回路基板、クリックトリガー、1つ以上のスイッチ、および圧電素子などの、追加の部品を含み得る。図のように、ポインティングデバイス1500は、細長ベース部材1502の一部の上に適合するスリーブ1506も含む。スリーブ1506は、細長ベース部材1502の一部の周りを回転可能であり、細長ベース部材1502の長さに沿ってスライド可能でもある。少なくとも
図1および
図2を参照して例示および説明されるスリーブ110と同様に、スリーブ1506は、ブッシング1508aおよび1508bによって支持されて、外面上にグリップ1510を含み得る。リストサポート1512も示されている。
【0061】
図9は、
図8に示されているポインティングデバイスシステム1500のそれと類似した配置構成を有するポインティングデバイスシステム1600を示す。具体的には、
図9は、細長ベース部材1602、スリーブ1604、およびデバイスケース1606を示す。デバイスケース1606は、他のハードウェアの中でとりわけ、回路基板、1つ以上のスイッチ、および圧電素子などの、ポインティングデバイスシステム1600の追加の構成要素の部分を取り囲んで、それらの構成要素をちり、ほこり、湿気および同様のものから保護する。異なるカバーおよび異なるレイアウトが実装され得、ポインティングデバイスシステム1600の意図する位置(例えば、デスクトップ、リモートコンピュータ端末など)に基づいて調整され得る。
【0062】
ここで
図10を参照すると、本明細書で開示される任意の実施態様で公表できるポインティングデバイスシステム支持組立体の一例が示されている。ある例(図示せず)では、一対のブラケットおよび支柱が細長ベース部材1702およびスリーブ1704を支えて浮かせ(suspend)得るが、ある他の実施形態では、他の支持組立体が使用され得る。例えば、
図10では、一対の板ばね1706aおよび1706bが示されている。細長ベース部材1702およびスリーブ1704は、細長ベース部材1702の端に近接して配置されている、板ばね1706aおよび1706bによって支持される。一対の板ばねが説明を目的として示されているが、ある例では、細長ベース部材1702は、細長ベース部材1702の一方の端に位置付けられた単一の板ばねによって支持され得る。ユーザーによって力がスリーブ1704上に概ね下向きに印加されると、板ばね1706a、1706bは偏向してスリーブ1704および細長ベース部材1702の沈下を可能にする。ここで説明されるとおり、様々な例では、下向きの動きは、クリックトリガーを作動させ得、それは、例えば、ポインティングデバイスでドラッグアンドドロップ操作を実行するために、使用され得る。ある例では、各板ばね1706a、1706bの応力は、クリックトリガーを作動させる下押し圧力を調整するために調整され得る。
【0063】
ここで
図11を参照すると、マルチ光学センサーサブシステムを含み、一対のソレノイド1802a、1802bを有する支持組立体も組み込んでいるポインティングデバイスシステム1800の一例が示されている。各ソレノイド1802a、1802bは、それぞれのプランジャ、コイル、およびプランジャ戻しばねを含む。細長ベース部材1804およびスリーブ1806は、ソレノイド1802a、1802bによって支持され、それらは細長ベース部材1804の端に近接して配置されて、板ばね1808a、1808bと機械的に通信している。ユーザーによって力がスリーブ1806上に概ね下向きに印加されると、ソレノイドプランジャ(複数可)は、板ばね1808a、1808bと同様に、偏向して、スリーブ1806の沈下を可能にする。
【0064】
ここで
図12を参照すると、マルチ光学センサーサブシステムを含むように修正できるポインティングデバイスシステム1900の別の例の透視図が示されている。図のように、ポインティングデバイスシステム1900は、本明細書で説明される他のポインティングデバイスシステム例と同じ構成要素の多くを含み得る。例えば、ポインティングデバイスシステム1900は、他の構成要素の中でとりわけ、デバイスケース1902、細長ベース部材1904、回路基板1906、スリーブ1908、複数の光学センサー、およびクリックトリガーを含み得る。
【0065】
図12は、細長ベース部材1904およびスリーブ1906を支えて浮かせるために使用できる支持組立体の別の例をさらに示す。具体的には、
図12は、細長ベース部材1904の遠位端に配置された第1の支持1908aおよび第2の支持1908bを示す。各支持1908a、支持1908bは、細長ベース部材1904を受け入れるように構成されて、細長ベース部材1904および取り囲んでいるスリーブ1908を浮かせ、その沈下を可能にする。支持システムは、第1および第2の支持1908a、1908bの間に置かれた複数の支持レール1910も含み得る。様々な例では、支持レール1910は、スリーブ1908の外表面に実質的に隣接して配置される。さらなる例では、支持レール1910は、1つ以上の可撓性中空ロッドを含むことができる。
【0066】
様々な実施形態では、デバイスケースは、デバイスケースの基部1902に連結された第1の旋回軸1912a、およびデバイスケースの基部1902に連結された第2の旋回軸1912bを含む。第1の旋回軸1912aは、第1の支持1908aからの第1の角度拡張1914aを受け入れるように構成され得、第2の旋回軸1912bは、第2の支持1914bからの第2の角度拡張1914bを受け入れるように構成され得る。それに応じて、第1の角度拡張1914aおよび第2の角度拡張1914bは、それぞれ、デバイスの基部1902に対して細長ベース部材1904またはスリーブ1906に印加されている下押し圧力に応答して、第1の旋回軸1912aおよび第2の旋回軸1912bの周りを旋回するように構成される。様々な実施形態では、第1および第2の旋回軸1912a、1912bは、第1の角度拡張1914aおよび第2の角度拡張1912bの回転軸に沿った回転を実質的に位置合わせするために、実質的に位置合わせされる。本明細書でさらに詳細に説明されるように、かかる下押し圧力は、クリック操作を開始するために使用できる。
【0067】
少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様をこのように説明しているが、様々な変更、修正、および改善が当業者には容易に思い付くことが理解される。かかる変更、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図されて、本開示の範囲内であることが意図される。それに応じて、前述の説明および図面はほんの一例である。
【国際調査報告】