(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】脳疾患治療用超音波映像装置及びそれを用いた超音波イメージング及び治療方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20240117BHJP
A61B 8/14 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543168
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 KR2022019444
(87)【国際公開番号】W WO2023106739
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175190
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516270991
【氏名又は名称】アイエムジーティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ソン,コン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,デ スン
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD11
4C601EE13
4C601EE14
4C601FF11
(57)【要約】
脳疾患治療用超音波映像装置及びそれを用いた超音波イメージング及び治療方法が開示される。一実施形態による脳疾患治療用超音波映像装置は、患者の脳に対して施術以前に撮影した医療映像を獲得する映像獲得部;患者の脳に対する映像イメージング及び超音波集束のための超音波信号を伝送するトランスデューサ部;脳から受信された超音波信号を基にして超音波映像を生成する映像生成部;トランスデューサ部の位置を制御して、生成される超音波映像の位置を獲得された医療映像の位置と整列する位置整列部;位置が整列された2つの映像を整合する映像整合部;及び整合映像を用いて脳病変を検出及び表示する映像表示部;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脳に対して施術以前に撮影した医療映像を獲得する映像獲得部と、
前記患者の脳に対する映像イメージング及び超音波集束のための超音波信号を伝送するトランスデューサ部と、
脳から受信された超音波信号を基にして超音波映像を生成する映像生成部と、
前記トランスデューサ部の位置を制御して、前記生成される超音波映像の位置を前記獲得された医療映像の位置と整列する位置整列部と、
位置が整列された2つの映像を整合する映像整合部と、
整合映像を用いて脳病変を検出及び表示する映像表示部と、
を含むことを特徴とする脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項2】
前記医療映像は、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)、コンピュータ断層撮影装置(CT)、陽電子放出断層撮影装置(PET)及び陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET-CT)のうち何れか1つを通じて撮影された磁気共鳴(MR)映像、コンピュータ断層(CT)映像、陽電子放出断層(PET)映像及び陽電子放出コンピュータ(PET-CT)断層映像のうち何れか1つで撮影された脳に対する映像であることを特徴とする請求項1に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項3】
前記トランスデューサ部は、
患者の脳に対する映像イメージング及び脳の病変に対する超音波集束を共に行う超音波アレイトランスデューサを含むことを特徴とする請求項1に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項4】
前記映像生成部は、
脳から受信される診断超音波信号に基づいて診断超音波焦点映像を生成し、
位置整列部は、
生成される診断超音波焦点映像の焦点位置と獲得された医療映像の病変位置とを整列することを特徴とする請求項3に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項5】
前記トランスデューサ部は、
患者の脳に対する映像をイメージングするための診断超音波信号を送受信するイメージングトランスデューサと、
脳の病変に集束超音波信号を送信する治療用トランスデューサと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項6】
前記イメージングトランスデューサは、
位相アレイイメージング経頭蓋トランスデューサであることを特徴とする請求項5に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項7】
前記映像生成部は、
脳から受信される診断超音波信号に基づいて経頭蓋超音波映像を生成し、
位置整列部は、
生成される経頭蓋超音波映像の位置と獲得された医療映像の病変位置とを整列することを特徴とする請求項5に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項8】
前記位置整列部は、
患者の頭部に着用される医療用ヘッドセットを含み、
前記医療用ヘッドセットは、
超音波トランスデューサ部を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の病変位置と一致するように超音波トランスデューサ部を所定の位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項9】
医療用ヘッドセットは、
ティルティング及び回転自在な器具と、
前記器具を駆動する駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【請求項10】
前記位置整列部は、
超音波トランスデューサ部の位置調整を通じて焦点深度を調節して超音波集束領域を可変することを特徴とする請求項1に記載の脳疾患治療用超音波映像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した診断及び治療技術に係り、より詳細には、映像誘導下治療(Image Guide Therapy)のための集束超音波(Focused Ultrasound:FUS)を利用したイメージイメージング及び治療技術に関する。
【0002】
本発明は、大韓民国の科学技術情報通信部、産業通商資源部、保健福祉部、食品医薬品安全処の汎部処全周期医療機器研究開発事業の一環として行った研究から導出されたものである[課題固有番号:9991006682、KMDF_PR_20200901_0009、研究課題名:市場善導型膵臓癌融合治療超音波映像誘導高強度集束超音波治療機器の商用化開発、研究管理専門機関:(財)汎部処全周期医療機器研究開発事業団、寄与率:100%、主観研究機関:(株)IMGT、研究期間:2022.3.1~2022.12.31]。
【背景技術】
【0003】
癌、腫瘍、病変のような生体組織の治療に超音波信号を利用できる。超音波を利用した治療は、超音波信号を人体の病変に照射して病変を治療する方式である。一般的な外科手術や化学的な治療(Chemotherapy)方式などに比べて、超音波治療は、相対的に患者の外傷に対する損傷が少なく、非侵襲的治療(Non-invasive treatment)を実現することができる。その適用例としては、肝癌(Liver cancer)、骨肉腫(Bone sarcoma)、乳癌(Breast cancer)、膵臓癌(Pancreas cancer)、腎臓癌(Kidney cancer)、軟組織の腫瘍(Soft tissue tumor)及び骨盤腫瘍(Pelvic tumor)など多様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態によって、非侵襲的脳疾患治療時に、患者親和的であり、小型化及び低コスト化が可能な超音波映像装置及びそれを用いた超音波イメージング及び治療方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による脳疾患治療用超音波映像装置は、患者の脳に対して施術以前に撮影した医療映像を獲得する映像獲得部;前記患者の脳に対する映像イメージング及び超音波集束のための超音波信号を伝送するトランスデューサ部;脳から受信された超音波信号を基にして超音波映像を生成する映像生成部;前記トランスデューサ部の位置を制御して、前記生成される超音波映像の位置を前記獲得された医療映像の位置と整列する位置整列部;位置が整列された2つの映像を整合する映像整合部;及び整合映像を用いて脳病変を検出及び表示する映像表示部;を含む。
【0006】
前記医療映像は、磁気共鳴断層撮影装置(Magnetic Resonance Imager:MRI)、コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography:CT)、陽電子放出断層撮影装置(Positron Emission Tomography:PET)及び陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET-CT)のうち何れか1つを通じて撮影された磁気共鳴(MR)映像、コンピュータ断層(CT)映像、陽電子放出断層(PET)映像及び陽電子放出コンピュータ(PET-CT)断層映像のうち何れか1つで撮影された脳に対する映像である。
【0007】
前記トランスデューサ部は、患者の脳に対する映像イメージング及び脳の病変に対する超音波集束を共に行う超音波アレイトランスデューサを含みうる。
【0008】
前記映像生成部は、脳から受信される診断超音波信号に基づいて診断超音波焦点映像を生成し、位置整列部は、生成される診断超音波焦点映像の焦点位置と獲得された医療映像の病変位置とを整列することができる。
【0009】
前記トランスデューサ部は、患者の脳に対する映像をイメージングするための診断超音波信号を送受信するイメージングトランスデューサ(Image Transducer);及び脳の病変に集束超音波信号を送信する治療用トランスデューサ(Treatment Transducer);を含みうる。
【0010】
前記イメージングトランスデューサは、位相アレイイメージング経頭蓋トランスデューサ(Phased Array Imaging Transcranial Transducer)である。
【0011】
前記映像生成部は、脳から受信される診断超音波信号に基づいて経頭蓋超音波映像を生成することができ、位置整列部は、生成される経頭蓋超音波映像の位置と獲得された医療映像の病変位置とを整列することができる。
【0012】
前記位置整列部は、患者の頭部に着用される医療用ヘッドセットを含み、前記医療用ヘッドセットは、超音波トランスデューサ部を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の病変位置と一致するように超音波トランスデューサ部を所定の位置に移動させることができる。
【0013】
医療用ヘッドセットは、ティルティング及び回転自在な器具;及び前記器具を駆動する駆動部;を含みうる。
【0014】
前記位置整列部は、超音波トランスデューサ部の位置調整を通じて焦点深度を調節して超音波集束領域を可変することができる。
【発明の効果】
【0015】
一実施形態による脳疾患治療用超音波映像装置及びそれを用いた超音波イメージング及び治療方法によれば、超音波映像誘導基盤の集束超音波を用いて脳疾患(Brain)を非侵襲的に治療することができる。
【0016】
一実施形態による超音波映像装置は、患者親和的であり、小型化及び低コスト化が可能であって、普遍的治療に適用可能である。例えば、中小病院でも有用に使用することができる。特に、超音波映像装置は、既撮影されたMR映像のような医療映像を利用するので、リアルタイムでMR映像撮影などを通じて医療映像を獲得しなくても良いので、小型化及び低コスト化が可能である。
【0017】
一実施形態による超音波映像装置は、既撮影された医療映像を、診断超音波焦点映像や侵襲的でなく映像診断が可能な経頭蓋トランスデューサ(Transcranial Transducer)を用いて獲得した経頭蓋超音波映像と整合した後、整合映像を用いて診断及び治療を行うので、脳に対する正確な治療が可能である。
【0018】
医療用ヘッドセットを用いて医療映像を診断超音波焦点映像または経頭蓋超音波映像と機構的に整合することができ、整合以後、治療部位に集束するための焦点深度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による脳疾患治療用超音波映像装置(以下、「超音波映像装置」と称する)の構成を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による超音波トランスデューサ部の構造を示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態による位置整列部の構造を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による医療映像及び超音波映像の整合例を示す図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による超音波映像装置の外観を示す図面である。
【
図6】本発明の他の実施形態による超音波トランスデューサ部及び位置整列部の構造を示す図面である。
【
図7】本発明の他の実施形態による医療映像及び超音波映像の整合例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを果たす方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態として具現可能であり、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。明細書の全体に亘って同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。
【0021】
本発明の実施形態を説明するに当って、公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略し、後述する用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0022】
添付のブロック図の各ブロックとフローチャートとの各段階の組み合わせは、コンピュータプログラムインストラクション(実行エンジン)によって行われてもよく、これらのコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサに搭載されることができるので、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサを通じて行われるそのインストラクションがブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行う手段を生成する。
【0023】
これらのコンピュータプログラムインストラクションは、特定の方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を指向することができるコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されることも可能なので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されたインストラクションは、ブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。
【0024】
そして、コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上に搭載されることも可能なので、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上で一連の動作段階が行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を行うインストラクションは、ブロック図の各ブロック及びフローチャートの各段階で説明される機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0025】
また、各ブロックまたは各段階は、特定の論理的機能を実行するための1つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができ、幾つかの代替実施形態では、ブロックまたは段階で言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目しなければならない。例えば、相次いで示されている2つのブロックまたは段階は、実に、実質的に同時に行われることも可能であり、また、そのブロックまたは段階が必要に応じて該当する機能の逆順に行われることも可能である。
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施形態は、さまざまな他の形態に変形され、本発明の範囲が、次に詳述する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、当業者に本発明をより完全に説明するために提供される。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による脳疾患治療用超音波映像装置(以下、「超音波映像装置」と称する)の構成を示す図面である。
【0028】
一実施形態による超音波映像装置1は、超音波映像誘導基盤の集束超音波(Focused Ultra Sound:FUS)を利用した脳(Brain)疾患の非侵襲的治療用の装備である。
【0029】
図1を参照すれば、超音波映像装置1は、映像獲得部11、トランスデューサ部12、映像生成部13、位置整列部14、映像整合部15及び映像表示部16を含む。
【0030】
映像獲得部11は、患者の脳に対して施術以前に撮影した医療映像を獲得する。この際、医療映像は、磁気共鳴断層撮影装置(MRI)、コンピュータ断層撮影装置(CT)、陽電子放出断層撮影装置(PET)及び陽電子放出コンピュータ断層撮影装置(PET-CT)のうち何れか1つを通じて撮影された磁気共鳴(MR)映像、コンピュータ断層(CT)映像、陽電子放出断層(PET)映像及び陽電子放出コンピュータ(PET-CT)断層映像のうち何れか1つで撮影された脳に対する映像である。前述した医療映像は、既定の期間以内に撮影した患者映像であって、既定の期間内に含まれれば、データに大きな変化がないので、有効なデータとして活用することができる。また、リアルタイムで医療映像を撮影する必要がないので、コストが節減され、装置1の小型化を果たしうる。
【0031】
トランスデューサ部12は、患者の脳に対する映像イメージング(Imaging)及び超音波集束(Focusing)のための超音波信号を伝送する。
【0032】
一実施形態によるトランスデューサ部12は、1つのトランスデューサを用いて患者の脳に対する映像イメージング及び脳の病変に対する超音波集束を共に行う超音波アレイトランスデューサである。例えば、診断超音波信号受信及び集束超音波信号送信を共に行うことができる。これについての実施形態は、
図2及び
図3を参照して後述する。
【0033】
他の実施形態によるトランスデューサ部12は、イメージングトランスデューサと治療用トランスデューサとが分離された形態である。イメージングトランスデューサは、患者の脳に対する映像を映像化するための診断超音波信号を送受信する。治療用トランスデューサは、脳疾患の治療を目的として脳の病変に集束超音波信号を送信する。この際、イメージングトランスデューサは、位相アレイイメージング経頭蓋トランスデューサである。これについての実施形態は、
図6を参照して後述する。
【0034】
映像生成部13は、脳から受信された超音波信号を基にして超音波映像を生成する。位置整列部14は、トランスデューサ部12の位置を制御して超音波映像の位置を映像獲得部11を通じて獲得された医療映像の位置と整列する。
【0035】
一実施形態による映像生成部13は、脳から受信される診断超音波信号に基づいて診断超音波焦点映像を生成することができ、位置整列部14は、生成される診断超音波焦点映像の焦点位置と獲得された医療映像の位置とを整列することができる。
【0036】
他の実施形態による映像生成部13は、脳から受信される診断超音波信号に基づいて経頭蓋超音波映像を生成することができ、位置整列部14は、生成される経頭蓋超音波映像の位置と獲得された医療映像の位置とを整列することができる。
【0037】
位置整列部14は、医療用ヘッドセットを利用した定位法で位置を整列することができる。この際、医療用ヘッドセットは、超音波トランスデューサ部12を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の位置と一致するように超音波トランスデューサ部12を所定の位置に移動させることができる。このために、医療用ヘッドセットは、ティルティング及び回転のための器具を含みうる。
【0038】
位置整列部14は、超音波トランスデューサ部12の超音波集束領域を可変する駆動部を含みうる。この際、駆動部は、ティルティング及び回転器具を駆動して超音波トランスデューサ部12の超音波集束領域を可変することができる。例えば、焦点深度(Focus Depth)を調節することができる。超音波集束領域の可変例は、
図3及び7を参照して後述する。
【0039】
映像整合部15は、位置整列部14を通じて位置が整列された2つの映像を整合する。映像整合の実施形態は、
図4及び
図7を参照して後述する。
【0040】
映像表示部16は、整合映像を用いて脳病変を検出及び表示する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による超音波トランスデューサ部の構造を示す図面である。
【0042】
図1及び
図2を参照すれば、超音波トランスデューサ部12は、超音波アレイトランスデューサ121及び制御部122を含む。
【0043】
細部的に、
図2の(a)は、超音波アレイトランスデューサ121の側面を示す図面であり、
図2の(b)は、超音波アレイトランスデューサ121の平面を示す図面である。
【0044】
超音波アレイトランスデューサ121は、1つのトランスデューサを用いて患者の脳に対する映像イメージング及び脳の病変に対する超音波集束を共に行うことができる。この際、送信(Tx)及び受信(Rx)を共に行うことができる。例えば、診断超音波信号受信及び集束超音波信号送信を共に行うことができる。例えば、超音波アレイトランスデューサ121は、250KHzの集束超音波信号送信、750KHzの診断超音波信号送信、750KHzの診断超音波信号受信を1つの超音波アレイトランスデューサ121を通じて共に行うことができる。
【0045】
超音波アレイトランスデューサ121は、複数のサブアレイ123を含み、各サブアレイ123は、音響放出表面及び複数のトランスデューサエレメントを含む。制御部122は、複数のトランスデューサエレメントに駆動信号を提供し、複数のトランスデューサエレメントは、制御部122の駆動信号によって、それぞれの音響放出表面から音響エネルギーを放出して患者の脳の病変を除去することができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による位置整列部の構造を示す図面である。
【0047】
より細部的に、
図3の(a)は、位置整列部14を中心に側面を示す図面であり、
図3の(b)は、平面を示す図面である。
【0048】
図1及び
図3を参照すれば、位置整列部14は、患者の頭部に着用される医療用ヘッドセット141の形態である。この際、位置整列部14は、医療用ヘッドセット141を用いて超音波トランスデューサ部12を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の位置と一致するように超音波トランスデューサ部12を所定の位置に移動させることができる。このために、位置整列部14は、ティルティング及び回転自在な器具142及び器具142を駆動する駆動部(図示せず)を含み、駆動部は、器具142を駆動して超音波トランスデューサ部12の位置を移動させることができる。駆動部は、制御部122の指示を受ける。
【0049】
位置整列部14は、医療用ヘッドセット141を用いて超音波集束領域を可変することができる。例えば、位置整列部14は、駆動部を通じて超音波トランスデューサ部12の位置調整を通じて焦点深度31を調節して超音波集束領域を可変することができる。
図4は、本発明の一実施形態による医療映像及び超音波映像の整合例を示す図面である。
【0050】
図1及び
図4を参照すれば、映像整合部15は、位置整列部14を通じて位置が整列された医療映像41及び超音波焦点映像42を整合して整合映像43を生成する。超音波焦点映像42は、
図2の超音波アレイトランスデューサ121を用いて獲得された超音波信号を用いて生成された映像である。
【0051】
図4では、医療映像41の例としてMR映像を図示しているが、医療映像41は、CT映像、PET映像及びPET-CT断層映像である。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態による超音波映像装置の外観を示す図面である。
【0053】
図1及び
図5を参照すれば、超音波映像装置1は、本体18に超音波トランスデューサ部12と映像表示部16とを備える。位置整列部14は、医療ヘッドセットの形態で患者の頭部に装着される。超音波トランスデューサ部12は、
図5に示したように、超音波治療ヘッドの形態である。
【0054】
図6は、本発明の他の実施形態による超音波トランスデューサ部及び位置整列部の構造を示す図面である。
【0055】
より細部的に、
図6の(a)は、超音波トランスデューサ部内のイメージングトランスデューサを中心に側面を示す図面であり、
図6の(b)は、位置整列部を中心に側面を示す図面であり、
図6の(c)は、位置整列部を中心に平面を示す図面である。
【0056】
図1及び
図6を参照すれば、一実施形態による超音波トランスデューサ部12は、治療トランスデューサ123及びイメージングトランスデューサ124が分離された形態である。
【0057】
治療トランスデューサ123は、患者治療のための集束超音波を放射するように構成される。治療トランスデューサ123は、集束超音波放射面を有する形態である。治療トランスデューサ123は、集束超音波信号を発生させて脳の治療領域に集束(Focusing)する。治療トランスデューサ123は、複数個で構成されたアレイ構造であり、アレイを構成する複数個の治療トランスデューサがランダムな形態に配置される。
【0058】
イメージングトランスデューサ124は、脳に対する診断映像を獲得するためである。施術者は、イメージングトランスデューサ124によって獲得される診断映像を確認しながら治療トランスデューサ123を用いて集束超音波治療を施術することができる。イメージングトランスデューサ124は、超音波信号を患者の脳に送信し、脳から反射した超音波信号を受信できるように構成することができる。例えば、イメージングトランスデューサ124は、円筒状のケーシングに圧電素子などが内蔵されて構成することができる。
【0059】
イメージングトランスデューサ124は、
図6に示したように、位相アレイイメージング経頭蓋トランスデューサである。軽頭蓋トランスデューサは、超音波を脳の軽頭蓋に伝達するために超音波を発生させる超音波トランスデューサを人体の頭蓋骨に密着及び支持させる。人体の頭蓋骨は、人種、年齢、性別によって多様なサイズ及び形状に形成され、超音波が伝達されなければならない患部、すなわち、脳の位置も多様である。したがって、位置整列部14は、患者の頭蓋骨の形状及びサイズ、超音波が伝達されなければならない脳の位置によってイメージングトランスデューサ124を一定に密着及び支持できるように位置を調整することができる。
【0060】
位置整列部14は、患者の頭部に着用される医療用ヘッドセット141の形態である。この際、位置整列部14は、医療用ヘッドセット141を用いてイメージングトランスデューサ124を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の位置と一致するようにイメージングトランスデューサ124を所定の位置に移動させることができる。このために、位置整列部14は、ティルティング及び回転自在な器具142及び器具142を駆動する駆動部(図示せず)を含み、駆動部は、器具142を駆動してイメージングトランスデューサ124の位置を移動させることができる。
【0061】
位置整列部14は、医療用ヘッドセット141を用いて超音波集束領域を可変することができる。例えば、位置整列部14は、駆動部を通じて治療トランスデューサ123の位置調整を通じて焦点深度71を調節して超音波集束領域を可変することができる。
【0062】
図7は、本発明の他の実施形態による医療映像及び超音波映像の整合例を示す図面である。
【0063】
図1、
図6及び
図7を参照すれば、イメージングトランスデューサ124は、経頭蓋トランスデューサであり、映像生成部13は、患者の脳から受信される診断超音波信号に基づいて経頭蓋超音波映像を生成する。位置整列部14は、生成される経頭蓋超音波映像の位置と獲得された医療映像の病変位置とを整列することができる。
【0064】
位置整列部14は、
図6の医療用ヘッドセット141を用いてイメージングトランスデューサ124を通じて獲得される超音波映像の位置が医療映像の位置と一致するようにイメージングトランスデューサ124を所定の位置に移動させることができる。
【0065】
映像整合部15は、位置整列部14を通じて位置が整列された医療映像71及び経頭蓋超音波映像72を整合して整合映像73を生成する。
図7では、医療映像71としてMR映像を図示しているが、医療映像71は、CT映像、PET映像及びPET-CT断層映像である。
【0066】
位置整列部14は、整合以後、医療用ヘッドセット141を用いて超音波集束領域を可変することができる。
【0067】
以上、本発明について、その実施形態を中心に説明した。当業者ならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれるものと解釈しなければならない。
【国際調査報告】