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特表2024-503141時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法
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  • 特表-時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
B65G63/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543308
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021138631
(87)【国際公開番号】W WO2022156440
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110098290.8
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518370596
【氏名又は名称】青▲島▼港国▲際▼股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO PORT INTERNATIONAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.12 Jingba Road,Huangdao District,Qingdao Shandong 266000 China
(71)【出願人】
【識別番号】518370600
【氏名又は名称】青▲島▼新前湾集装箱▲碼▼▲頭▼有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO NEW QIANWAN CONTAINER TERMINAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Qi Changcheng Road,Economic And Technological Development Zone Qingdao,Shandong 266000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李永翠
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼耀徽
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲暁▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲長▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼雪▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ツォン▼安慧
(72)【発明者】
【氏名】柳▲ファン▼
(57)【要約】
本発明は、時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法を提供する。当該方法は以下のステップを含み、ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値とをそれぞれ推定し、各作業段階でのコンテナの静的推定時間をそれぞれ推定する静的推定ステップと、ブリッジクレーン作業効率の動的推定値とレールクレーン作業効率の動的推定値とをそれぞれ推定し、各作業段階でのコンテナの動的推定時間をそれぞれ推定する動的推定ステップと、を含み、各作業段階の静的推定時間および動的推定時間に基づいて、各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間と、を算出し、各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間とに基づいて、AGV作業スケジューリング指令を生成する。本発明の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法は、推定時間を組み合わせてAGVをより合理的にスケジューリングし、AGVの待機時間を短縮し、AGVのアンロード走行時間および距離を短縮し、AGVのコンテナ輸送効率を向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法であって、以下のステップを含む、即ち、
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値とをそれぞれ推定し、AGVはそれぞれ前記ブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と前記レールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と、AGV走行段階の静的推定時間と、前記ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間と、前記レールクレーン作業段階の静的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの静的推定時間をそれぞれ推定する静的推定ステップと、
前記ブリッジクレーン作業効率の動的推定値と前記レールクレーン作業効率の動的推定値とをそれぞれ推定し、AGVはそれぞれ前記ブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間と前記レールクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間と、AGV走行段階の動的推定時間と、前記ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間と、前記レールクレーン作業段階作業の動的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの動的推定時間をそれぞれ推定する動的推定ステップと、を含み、
各作業段階の前記静的推定時間と前記動的推定時間とに基づいて、各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間と、を算出し、前記総作業の推定時間は各作業段階の最終推定時間の和であり、
各作業段階でのコンテナの前記最終的な推定時間と前記総作業の推定時間とに基づいて、AGV作業スケジューリング指令を生成する、
ことを特徴とする時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項2】
前記静的推定ステップでは、前記ブリッジクレーン作業効率と前記レールクレーン作業効率と、をそれぞれ推定する静的推定値は、作業効率の履歴データを取得し、前記ブリッジクレーン作業効率と前記レールクレーン作業効率をそれぞれ推定する静的推定値を含み、
前記AGV走行段階の静的推定時間の推定方法は、
AGV走行段階の履歴時間を取得し、前記AGV走行段階の静的推定時間を推定し、
前記ブリッジクレーン作業効率の静的推定値と前記レールクレーン作業効率の静的推定値とに基づいて、前記ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間と前記レールクレーン作業段階の静的推定時間とを推定し、
前記ブリッジクレーン作業効率の静的推定値と、前記レールクレーン作業効率の静的推定値と、前記AGV走行段階の静的推定時間とに基づいて、AGVがそれぞれ前記ブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と前記レールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と、を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項3】
重み付け平均法を用いて各作業段階の前記静的推定時間と前記動的推定時間とに基づいて、各作業段階におけるコンテナのそれぞれの前記最終推定時間と前記総作業推定時間と、を算出することを特徴とする請求項2に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項4】
前記動的推定ステップは、各コンテナの前記ブリッジクレーン作業段階の履歴時間と、対応するコンテナの位置とを取得することを含む作業効率推定モデルをトレーニングするステップをさらに含み、
前記履歴時間と前記位置とに基づいて前記作業効率推定モデルをトレーニングし、前記作業効率推定モデルは多価線形回帰式であり、前記作業効率推定モデルは、
【数1】
であり、
ここで、
は各コンテナの現在の作業段階での履歴時間であり、kはコンテナの位置番号であって正の整数であり、f(x)は作業効率推定モデルが出力する動的推定時間であり、wはxのパラメータ行列であり、bは定数パラメータであり、
wとbに基づいて前記ブリッジクレーン作業効率の動的推定値と前記レールクレーン作業効率の動的推定値と、を推定することを特徴とする請求項1に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項5】
前記作業効率推定モデルにおけるw及びbの特定方法は、
配列
を構築し、
時間損失
を計算し、
ここで、yは、位置iであるコンテナの現在の作業段階での実際作業時間を示し、
Jを最小とするように、wとbとを決定することを特徴とする、請求項4に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項6】
前記作業効率推定モデルが出力する前記ブリッジクレーン作業効率の動的推定値と前記レールクレーン作業効率の動的推定値と、運搬が必要なコンテナ数の入力スケジューリングシステムとに基づいて、前記ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間と前記レールクレーン作業段階の動的推定時間とをそれぞれ生成することを特徴とする請求項5に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項7】
前記動的推定ステップは、AGV走行時間推定モデルをトレーニングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項8】
前記AGV走行時間推定モデルは、前記履歴データと前記位置とに基づいて、前記AGV走行時間推定モデルをトレーニングし、前記AGV走行時間推定モデルが多項式回帰式であり、前記多項式回帰式は、
【数2】
であり、
ここで、
はAGVの前記ブリッジクレーンと前記レールクレーンとの間の走行時間履歴データであり、kはコンテナの位置番号であって正の整数であり、g(x)は前記AGV走行時間推定モデルが出力する走行段階の動的推定値であり、wはxのパラメータであり、b2は定数パラメータであることを特徴とする請求項7に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項9】
前記AGV作業スケジューリング指令を生成する前に、前記コンテナの作業優先度を決定し、前記作業優先度に基づいて前記AGV作業スケジューリング指令を生成し、
前記作業優先度の設定は、時間応答比に基づいて、
であり、
前記時間応答比が大きいほど、前記作業優先度は低くなることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【請求項10】
混合整数計画、組み合せ最適化方法及び協調フィルタリングのアルゴリズムを用いて前記AGV作業スケジュール指令を生成することを特徴とする請求項9に記載の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化ターミナルの輸送技術分野に属し、具体的には、時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナターミナル前方作業帯とは、ヤードフロントサイドラインから岸壁前ラインまでの間の領域を指し、その機能は、岸壁ブリッジ荷役船作業及びコンテナ入退場ヤード作業サービスであり、人工岸壁と半自動化ターミナルとでは、通常、人工運転のインナーセットカードが使用される。近年、人工コストの増加に伴い、ますます多くのターミナルが水平輸送機器をインナーセットカードからAGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)に転換し、AGVの使用が生産効率を大幅に向上させ、コストを節約している。
【0003】
全自動化コンテナターミナルのヤード海側では、貨物船と自動案内車とのインタラクションがブリッジによって実現され、レールクレーンにより自動案内車とヤードとのインタラクションが実現され、AGV、L-AGV、Auto Shuttle等により岸壁とヤードとの自動化作業が受け渡される。
【0004】
現段階では、AGVが合理的にスケジューリングされ、システムの安定性がスケジューリングされ、AGVの利用率を最大化することは、ターミナルの生産効率向上のキーである。AGVの作業状態も岸壁の作業に重要な一環であり、AGVの作業状態のリアルタイム監視により作業者が生産プロセス中の問題をより早く発見することができ、AGVのスケジューリングアルゴリズムを改善及び完璧にし、自動化ターミナル全体の作業効率を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術におけるAGVによるコンテナの運搬効率が低いという技術的課題を解決し、上記課題を解決できる、時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的効果を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0007】
時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法であって、以下のステップを含む。即ち、
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値と、をそれぞれ推定し、AGVはそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と、AGV走行段階の静的推定時間と、ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間と、レールクレーン作業段階の静的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの静的推定時間をそれぞれ推定する静的推定ステップと、
ブリッジクレーン作業効率の動的推定値とレールクレーン作業効率の動的推定値と、をそれぞれ推定し、AGVはそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間と、AGV走行段階の動的推定時間と、ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間と、レールクレーン作業段階の動的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの動的推定時間をそれぞれ推定する動的推定ステップと、を含み、
各作業段階の静的推定時間と動的推定時間とに基づいて、各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間と、を算出し、前記総作業の推定時間は各作業段階の最終推定時間の和であり、
各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間とに基づいて、AGV作業スケジューリング指令を生成する。
【0008】
さらに、静的推定ステップでは、ブリッジクレーン作業効率とレールクレーン作業効率と、をそれぞれ推定する静的推定値は、作業効率の履歴データを取得し、ブリッジクレーン作業効率とレールクレーン作業効率と、をそれぞれ推定する静的推定値を含み、
AGV走行段階の静的推定時間の推定方法は、
AGV走行段階の履歴時間を取得し、AGV走行段階の静的推定時間を推定し、
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値とに基づいて、ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間とレールクレーン作業段階の静的推定時間とを推定し、
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値と、レールクレーン作業効率の静的推定値と、AGV走行段階の静的推定時間とに基づいて、AGVがそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と、を推定する。
【0009】
さらに、重み付け平均法を用いて各作業段階の静的推定時間と動的推定時間とに基づいて、各作業段階におけるコンテナのそれぞれの最終推定時間と総作業推定時間と、を算出する。
【0010】
さらに、動的推定ステップは、各コンテナのブリッジクレーン作業段階の履歴時間と、対応するコンテナの位置とを取得することを含む作業効率推定モデルをトレーニング(学習)するステップをさらに含み、
前記履歴時間と、位置とに基づいて作業効率推定モデルをトレーニング(学習)し、前記作業効率推定モデルは多価線形回帰式であり、
前記作業効率推定モデルは、
【数1】
であり、
ここで、
は各コンテナの現在の作業段階での履歴時間であり、kはコンテナの位置番号であって正の整数であり、f(x)は作業効率推定モデルが出力する動的推定時間であり、wはxのパラメータ行列であり、bは定数パラメータであり、
wとbに基づいてブリッジクレーン作業効率の動的推定値とレールクレーン作業効率の動的推定値と、を推定する。
【0011】
さらに、前記作業効率推定モデルにおけるw及びbの特定方法は、
配列
を構築し、
時間損失
を計算し、
ここで、yは、位置iであるコンテナの現在の作業段階での実作業時間を示し、
Jを最小となるように、wとbを決定する。。
【0012】
さらに、前記作業効率推定モデルが出力するブリッジクレーン作業効率の動的推定値とレールクレーン作業効率の動的推定値と、運搬が必要なコンテナ数の入力スケジューリングシステムとに基づいて、ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間とレールクレーン作業段階の動的推定時間とをそれぞれ生成する。
【0013】
さらに、動的推定ステップは、AGV走行時間推定モデルをトレーニングするステップをさらに含む。
【0014】
さらに、前記AGV走行時間推定モデルは、前記履歴データと前記位置とに基づいて、AGV走行時間推定モデルをトレーニングし、前記AGV走行時間推定モデルが多項式回帰式であり、前記多項式回帰式は、
【数2】
であり、
ここで、
はAGVの前記ブリッジクレーンと前記レールクレーンとの間の走行時間履歴データであり、kはコンテナの位置番号であり、正の整数であり、g(x)は前記AGV走行時間推定モデルが出力する走行段階の動的推定値であり、wはxのパラメータであり、b2は定数パラメータである。
【0015】
さらに、前記AGV作業スケジューリング指令を生成する前に、前記コンテナの作業優先度を決定し、前記作業優先度に基づいてAGV作業スケジューリング指令を生成し、
前記作業優先度の設定は、時間応答比に基づいて、
であり、
前記時間応答比が大きいほど、前記作業優先度は低くなる。
【0016】
さらに、混合整数計画、組み合せ最適化方法及び協調フィルタリングのアルゴリズムを用いてAGV作業スケジュール指令を生成する。
【発明の効果】
【0017】
従来技術を比較して、発明の利点と積極的な効果は、本発明の時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法であって、静的推定と動的推定とを組み合わせた方法を用いてコンテナが各作業段階でそれぞれ使用される時間を推定し、推定された時間に結合してAGVのスケジューリングをより合理的にし、AGV待機時間を減少させ、AGVアンロード運転時間と距離を短縮し、AGV運搬効率を向上させることである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【0019】
図1】本発明が提案する時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確するために、次に、添付の図面と併せて、本発明の具体的な実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「横」、「内」、{外}などの方向または位置関係を示す用語は、添付図面に示される方向または位置関係に基づいていることに留意する必要がある。これらは、説明のためのものであり、当該装置または要素が特定の方向を有し、特定の方向で構成され、動作しなければならないことを示すまたは示唆するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして解釈することはできない。さらに、「第1」および「第2」という用語は、記述的な目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして理解されることはない。
【0022】
実施例1
コンテナターミナルにおける貨物の積み下ろしのプロセスは、まず、ブリッジクレーンで貨物船からAGVにコンテナを移し、そして、AGVがコンテナをヤードに搬送し、レールクレーンでコンテナをヤード内の指定位置に積み上げるもので、AGVの数には限界があり、スケジューリングに無理があると、AGVの待機時間が長くなって、輸送効率が悪くなる。上記問題を解決するために、本実施形態では、時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法を提案し、図1に示すように、以下のステップを含む。
【0023】
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値と、をそれぞれ推定し、AGVはそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間と、AGV走行段階の静的推定時間と、ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間と、レールクレーン作業段階の静的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの静的推定時間をそれぞれ推定する静的推定ステップと、
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値と、をそれぞれ推定し、AGVはそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の動的推定時間と、AGV走行段階の動的推定時間と、ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間と、レールクレーン作業段階の動的推定時間と、を含む、各作業段階でのコンテナの動的推定時間をそれぞれ推定する動的推定ステップと、を含み、
各作業段階の静的推定時間と動的推定時間とに基づいて、各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間と、を算出し、前記総作業の推定時間は各作業段階の最終推定時間の和であり、
各作業段階でのコンテナの最終的な推定時間と総作業の推定時間とに基づいて、AGV作業スケジューリング指令を生成する。
【0024】
時間推定モデルに基づくAGVスケジューリング方法は、静的推定と動的推定とを組み合わせた方法を用いてコンテナが各作業段階でそれぞれ使用される時間を推定し、推定された時間に合わせてAGVをより合理的にスケジューリングし、AGV待機時間を減少させ、AGVアンロード運転時間と距離を短縮し、AGVのコンテナ輸送効率を向上させる。
【0025】
静的設定と動的調節とを組み合わせた方法で各作業段階の時間を推定することは、実際の生産作業状況に応じて手動調節を行うことができるだけでなく、動的調節の方法を用いてAGVスケジューリングの前後順序を改善及び完璧にし、ターミナル全体の作業効率を向上させることができる。
【0026】
好ましい実施例として、静的推定ステップでは、ブリッジクレーン作業効率とレールクレーン作業効率と、をそれぞれ推定する静的推定値は、以下のステップを含み、即ち、
【0027】
作業効率の履歴データを取得し、ブリッジクレーン作業効率の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値をそれぞれ推定し、ブリッジクレーン作業効率とレールクレーン作業効率の推定は、主に2つの変数に基づいて、即ち、1、現在の実際作業状況である。2、履歴データである。オペレータは、2つの変数を結合し、作業効率静的推定を行う。推定は、加重平均法を用いて行うことができる。
【0028】
AGV走行段階の静的推定時間の推定方法は、
AGV走行段階の履歴時間を取得し、AGV走行段階の静的推定時間を推定する。
【0029】
ブリッジクレーン作業段階の静的推定時間と、レールクレーン作業段階の静的推定時間とに基づいて、ブリッジクレーン作業段階の静的推定値とレールクレーン作業効率の静的推定値とを推定する。AGV走行時間の推定は、二つの変数に基づいて、即ち、1、現在の実際作業状況である。2、固定時間行列であり、当該行列は履歴データを基にして、2つの変数を結合することによって、AGV走行時間を推定する。
【0030】
ブリッジクレーン作業効率の静的推定値と、レールクレーン作業効率の静的推定値と、AGVの走行段階の静的推定時間とに基づいて、AGVがそれぞれブリッジクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間とレールクレーン作業とのインタラクション段階の静的推定時間を推定する。
【0031】
本実施形態では、各作業段階の静的推定時間及び動的推定時間に基づいて、各作業段階でのコンテナのそれぞれの最終推定時間と総作業推定時間とを加重平均法により算出することが好ましい。
【0032】
本ステップでは、ビッグデータ処理関連アルゴリズム、動的推定ブリッジクレーン作業効率とレールクレーン作業効率、推定されたAGV走行時間、推定されたAGVがブリッジクレーンとのインタラクション時間とレールクレーンとのインタラクション時間を運用する。
【0033】
具体的には、動的推定ステップは、各コンテナのブリッジクレーン作業段階の履歴時間と、対応するコンテナの位置とを取得することを含む作業効率推定モデルをトレーニングするステップをさらに含み、
前記履歴時間と、前記位置とに基づいて前記作業効率推定モデルをトレーニングし、前記作業効率推定モデルは多価線形回帰式であり、前記作業効率推定モデルは、
【数3】
であり、
ここで、
各コンテナの現在の作業段階での履歴時間であり、kはコンテナの位置番号であって、正の整数であり、f(x)は前記作業効率推定モデルが出力する動的推定時間であり、wはxのパラメータ行列であり、bは定数パラメータであり、
wとbに基づいてブリッジ作業効率の動的推定値とレールクレーン作業効率の動的推定値と、を推定する。
【0034】
ブリッジクレーン作業効率の動的推定とレールクレーン作業効率の動的推定は、多価の線形回帰方法を用いて、履歴データからブリッジクレーン作業を行う際の各コンテナの履歴時間を計算し、従属変数とし、各コンテナに対応する履歴位置データを結合して、引数とし、ブリッジクレーンの遠隔操作者の効率が相対的に安定している場合、引数と従属変数とが線形関係を有する。複数の線形回帰モデルを用いて、履歴データサンプルからパラメータを算出した後、現在のコンテナの位置情報に基づいて推定作業に必要時間を推定することができる。
【0035】
前記作業効率推定モデルにおけるw及びbの特定方法は、
配列
を構築し
時間損失
を計算し、
ここで、yは、位置iであるコンテナの現在の作業段階での実際作業時間を示し、
Jを最小となるように、wとbを決定する。
【0036】
作業効率推定モデルから出力されたブリッジクレーン作業効率の動的推定値と、レールクレーン作業効率の動的推定値と、運搬が必要なコンテナ数の入力スケジューリングシステムとに基づいて、ブリッジクレーン作業段階の動的推定時間とレールクレーン作業段階の動的推定時間をそれぞれ生成する。
【0037】
動的推定ステップは、AGV走行時間推定モデルをトレーニングするステップをさらに含む。
【0038】
前記AGV走行時間推定モデルは、前記履歴データと前記位置とに基づいて、AGV走行時間推定モデルをトレーニングし、前記AGV走行時間推定モデルが多項式回帰式であり、前記多項式回帰式は、
【数4】
であり、
ここで、
はAGVの前記ブリッジクレーンと前記レールクレーンとの間の走行時間履歴データであり、kはコンテナの位置番号であって正の整数であり、g(x)は前記AGV走行時間推定モデルが出力する走行段階の動的推定値であり、wはxのパラメータであり、b2は定数パラメータである。
【0039】
AGV走行時間推定は多項式回帰を採用する方法であり、決定されたAGV2点間走行道を前提として、AGVがUターンする必要があるか否かの情報は既に与えられている。
【0040】
(w、b)(j=1,・・・,n)は推定されたパラメータである。
上式のxに代えて、zを用いることは、z=(z1,z2,・・・,z)の線形関数h(z)を求めることに相当し、線形関数h(z)を用いてデータをフィッティングして、損失
を最小化する。トレーニングの目標は、損失(損失関数)を最小化する1組のパラメータ
を見つけることである。
【0041】
また、L1正則化項を追加することで、重要ではない非線形関係を除去することも可能である。
【数5】
【0042】
このアルゴリズムでは、履歴サンプル中の時間データをそのまま直接計算してYとし、出発点および終点とUターン情報(折り返し点情報)をXとし、損失関数を最小化する方向でパラメータを更新する。
【0043】
AGVがブリッジクレーンとのインタラクション時間推定は、ブリッジクレーン作業効率とAGV走行時間推定に基づいて、履歴インタラクション時間及びインタラクティブエリア距離等のデータ情報を同時に結合し、ガウス過程回帰モデルを用いて時間推定を行う。
【0044】
AGVがブリッジクレーンとのインタラクション時間推定は、S 21におけるASC作業効率及びS 22におけるAGV走行時間推定に基づいて、履歴インタラクション時間及びインタラクティブエリア距離等のデータ情報を同時に結合し、ガウス過程回帰モデルを用いて時間推定を行う。
【0045】
トレーニングセット及びテストセットを用いてテストを行った後、履歴データを回帰モデルに導入して、1つのガウス回帰曲線を得て、AGVがレールクレーンとのインタラクション時間を推定する。
【0046】
トレーニングセット及びテストセットを用いてテストを行った後、履歴データを回帰モデルに導入し、1つのガウス回帰曲線を得て、AGVがブリッジクレーンとのインタラクション時間を推定する。
【0047】
前記AGV作業スケジューリング指令を生成する前に、前記コンテナの作業優先度を決定し、前記作業優先度に基づいてAGV作業スケジューリング指令を生成し、
前記作業優先度の設定は、時間応答比に基づいて、
であり、
前記時間応答比が大きいほど、前記作業優先度は低くなる。
【0048】
混合整数計画、組み合せ最適化方法、協調フィルタリングアルゴリズムを用いてAGV作業スケジューリング指令を生成する。
【0049】
この作業優先度動的調整方法は、短作業を考慮する同時に作業の飢餓状態も克服したことを両立させ、長い作業でもタイムリーな処理を得ることができる。
【0050】
以上の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、これに限定されるものではなく、前述した実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、上記実施例に記載の技術案を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置換したりすることができるが、これらの修正や置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の保護しようとする技術的解決手段の精神と範囲から逸脱するものではない。
図1
【国際調査報告】