(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(54)【発明の名称】光ガイドを挿入するためのホルダを備える内視鏡
(51)【国際特許分類】
F21V 8/00 20060101AFI20240117BHJP
【FI】
F21V8/00 210
F21V8/00 241
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543315
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022055056
(87)【国際公開番号】W WO2022189195
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021105469.9
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523272096
【氏名又は名称】ペンタックス メディカル ブルガリア エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,アン ミン
(57)【要約】
本発明は、内視鏡に関し、この内視鏡は、光源(12)が配置された回路基板(10)と、内視鏡内に延在し、光源(12)からの光を受光して内視鏡の照明装置へと導く光ガイド(20)とを備える。
内視鏡は、光ガイド(20)を挿入するための光ガイド孔(32)を有するホルダ(30)をさらに備え、光ガイド(20)の断面は、光の伝達を最適化するために光源(12)の断面に対応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡であって、
光源(12)が配置された回路基板(10)と、
前記内視鏡内に延在し、前記光源(12)からの光を受光して、前記内視鏡の照明装置へと導く光ガイド(20)と
を備えており、
前記内視鏡は、前記光ガイド(20)を挿入するための光ガイド孔(32)を有するホルダ(30)をさらに備え、前記光ガイド(20)の断面は、光の伝達を最適化するために前記光源(12)の断面に対応している、
ことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記光ガイド孔(32)の自由断面は、前記光ガイド(20)の断面にほぼ等しい、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記光ガイド孔(32)は、複数にて設けられた光ガイド(201~204)の全断面と前記光源(12)の全断面とがほぼ等しくなるように、複数にて設けられた光ガイド(201~204)が回路基板(10)上に配置された前記光源(12)に面するように、複数の光ガイド(201~204)のそのような挿入のための開口部を有する、
請求項1または2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記光源(12)は、LEDである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記光ガイド孔(32)は、正方形の断面を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記ホルダ(30)のうちの前記回路基板(10)に面する側は、前記光ガイド孔(32)の周囲の部分において前記光源(12)から離間している、
請求項1~5のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記ホルダ(30)は、回路基板(10)側に突出し、前記光ガイド孔(32)の前記回路基板(10)に面する側の前記光源(12)までの距離を規定するスペーサ要素を含む、
請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記ホルダ(30)は、回路基板(10)側に突出し、前記ホルダ(30)が前記回路基板(10)上に一体的に位置するように前記回路基板(10)の係合相手と係合する係合装置を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記光ガイド孔(32)において、前記ホルダ(30)は、前記光ガイド孔(32)を取り囲む光ガイド孔周囲部分(350)を有し、
前記光ガイド孔周囲部分(350)は、前記光源(12)へと向けられた平坦面を有し、
前記光ガイド(20)は、前記光源(12)へと向けられた前記光ガイド(20)の端部が前記光源(12)へと向けられた前記光ガイド孔周囲部分(350)の表面と整列するように、前記光ガイド孔(32)に配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記光ガイド孔(32)は、前記光源(12)に中心合わせされる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源が配置された回路基板と、内視鏡内に延在し、光源からの光を受光して内視鏡の照明装置へと導く光ガイドとを備える内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
光ガイドは、LEDの発光領域に配置され、LEDとして構成された光源から光ガイドへの光の伝送を実現する。通常は、LEDは、回路基板上に配置される。
【発明の概要】
【0003】
したがって、光ガイドは、回路基板に対して正確に配置されなければならない。
【0004】
本発明の目的は、光源が配置された回路基板上に光ガイドが好都合に配置される内視鏡を提供することである。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を備える内視鏡によって達成される。
【0006】
好都合な発展が、従属請求項の主題である。
【0007】
本発明によれば、内視鏡が、光源が配置された回路基板と、内視鏡内に延在し、光源からの光を受光して内視鏡の照明装置へと導く光ガイドとを備える。内視鏡は、光ガイドを挿入するための光ガイド孔を有するホルダをさらに備え、光ガイドの断面は、光の伝達を最適化するために光源の断面に対応する。
【0008】
光ガイドの断面が光源の断面に対応しているため、光ガイド孔が光源に対して適切に配置された場合に、光ガイドの断面全体を受光に使用することができる。光ガイドのエッジ部分でさえも、光源に光ガイドの断面よりも大きい断面を持たせる必要なしに、光源からの光を受光することができる。
【0009】
この内視鏡において、光ガイド孔、したがって光ガイドを、光の伝達を最適化するために光源に対向するように配置することができる。
【0010】
光ガイド孔の自由断面を、光ガイドの断面にほぼ等しくすることができる。これにより、光ガイドが光ガイド孔内の自身の位置を維持するように、光ガイドを光ガイド孔内に配置することができる。光ガイドが光ガイド孔内で不動である場合、光源までの光ガイドの距離を、選択された好都合な距離に設定することができ、この距離が不変のままである。
【0011】
光ガイドの断面に対する光ガイド孔の断面の関係を、光ガイド孔への光ガイドのわずかな圧入が得られるように、選択することができる。
【0012】
光ガイド孔は、複数にて設けられた光ガイドの全断面と光源の全断面とがほぼ等しくなるように、複数にて設けられた光ガイドが回路基板上に配置された光源に面するように、複数の光ガイドのそのような挿入のための開口部を有することができる。したがって、光源から光ガイドへの光の入射が、有利に設計される。光ガイド孔の中心に位置する個別の光ガイドだけでなく、光ガイド孔のエッジに位置する個別の光ガイドも、光源からの光を受光することができる。それにもかかわらず、光源の断面は、個別の光ガイドの全断面よりも大きい必要はない。
【0013】
光源は、LEDであってよい。あるいは、光源は、複数のLEDの集合であってよい。複数のLEDの集合において、LEDを互いに隣接させて配置することができる。あるいは、複数のLEDの集合において、LEDを互いに離して配置することができる。さらに、光源は、1つ以上のさらなる光ガイドを含むことができる。
【0014】
光ガイド孔は、正方形の断面を有することができる。この場合、光源も等しいサイズの正方形の断面を有する。
【0015】
ホルダのうちの回路基板に面する側を、光ガイド孔の周囲の部分において光源から離間させることができる。ホルダのうちの光ガイド孔の周囲の部分は、光源と対向する。ホルダのうちの光ガイド孔の周囲の部分を光源から離間させることで、ホルダの装着時に光源との接触を防止することができる。これにより、光源の変位や損傷さえも防止される。したがって、光源の意図せぬずれを、簡単かつ確実なやり方で防止することができる。
【0016】
ホルダは、回路基板側に突出し、光ガイド孔の回路基板に面する側の光源までの距離を規定するスペーサ要素を有することができる。これにより、ホルダとの接触に対する光源の安全性が、簡単かつ費用効果の高いやり方で保証される。
【0017】
ホルダは、回路基板側に突出し、ホルダが回路基板上に一体的に位置するように回路基板の係合相手と係合する係合装置を含むことができる。結果として、回路基板へのホルダの取り付けを、迅速、容易、かつ正確に行うことができる。大量生産が可能になる。
【0018】
ホルダは、光ガイド孔において、光ガイド孔を取り囲む光ガイド孔周囲部分を有することができ、光ガイド孔周囲部分は、光源へと向けられた平坦面を有することができ、光ガイドを、光源へと向けられた光ガイドの端部が光源へと向けられた光ガイド孔周囲部分の表面と整列するように、光ガイド孔に配置することができる。
【0019】
光源へと向けられたホルダの平坦面は、対向する光源までの距離を予め規定する基準を提供する。光ガイドを、光源へと向けられた光ガイドの端部が光源へと向けられた光ガイド孔周囲部分の表面に整列するように、光ガイド孔に挿入するだけでよい。これにより、光ガイドが、光ガイドと光源との間の距離が所望の予め定められた寸法に対応するようにホルダ内に配置される。
【0020】
光ガイド孔を光源に中心合わせすることができる。光ガイド孔、したがって光ガイドが、光源に中心合わせされたとき、光ガイドへの最適化された光入射を達成することができる。このとき、光ガイドのエッジは、光源のエッジに正確に対向する。
【0021】
上述した本発明の態様を、適宜組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の実施形態における本発明による回路基板を備えるホルダの概略の側面図を示している。
【
図2】
図1からのホルダの下側からの概略の斜視図を示している。
【
図4】ホルダの上側からの概略の斜視図を示している。
【
図5】回路基板のないホルダの概略の側面図を示している。
【
図6】下方からの概略の斜視図を示しており、ホルダが回路基板に組み合わせられている。
【
図7】概略の側面図を示しており、ホルダが回路基板に取り付けられている。
【
図8】概略の断面図を示しており、ホルダが回路基板に取り付けられている。ここで、ホルダおよび回路基板は、ホルダの中央においてホルダの長手方向に切断されている。
【
図10】回路基板への光ガイドの配置の概略の側面図を示しており、ホルダは省略されている。光ガイドから光源までの距離を示している。
【
図11】電源を有する回路基板を含むホルダの別の概略の側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を、実施形態に基づいて、図面を参照して、以下で詳細に説明する。図面における図は、必ずしも縮尺どおりではなく、わかりやすくするために歪ませて示されている場合もある。
【0024】
第1の実施形態
図1~
図11を参照して、本発明の第1の実施形態を以下で説明する。
【0025】
本発明による内視鏡は、好ましくは、その遠位部分に、内視鏡の周囲を照明することができる照明装置(図示せず)を有する。照明された眺めを、カメラ(図示せず)によって取り込むことができる。カメラは、内視鏡の遠位端に配置される。本実施形態において、照明装置用の光は、LED12として構成された光源によってもたらされる。光は、LED12から光ガイド20を介して照明装置に導かれる。
【0026】
この目的のために、本発明による内視鏡は、例えば制御体(図示せず)内など、内部の適切な位置に、LED12が配置された回路基板10を有する。
【0027】
本実施形態において、LED12は、回路基板10に載せられ、適切に固定されて配置される。例えば、LED12は、回路基板10にはんだ付けされる。LED12は、LED12の光出力面が光ガイド20に面するように回路基板10上に配置される。
【0028】
LED12から発せられた光を結合させるために、光ガイド20は、ホルダ30によって保持される。ホルダ30は、LED12に面する光ガイド20の光ガイド入力面と光ガイド20に面するLED12の光出力面との間の所望の距離寸法が保証されるように、光ガイド20を保持する。とくに、ホルダ30は、
図1に示されるように、光ガイド20の端部をLED12へと向けて保持する。
【0029】
図1~
図5を参照して、ホルダ30を以下でさらに詳細に説明する。
【0030】
本実施形態において、ホルダ30は、細長い形状を有し、やはり細長い回路基板10と平行に延在する。ホルダ30および回路基板10は、細長い形状および図に示される詳細に限定されない。ホルダ30は、ホルダ本体31を有する。ホルダ本体31は、光ガイド20が後述のように配置されるホルダ本体31を貫いて延びる光ガイド孔32を有する。本実施形態において、光ガイド孔32は、ホルダ本体31における中心貫通孔を形成する。ホルダ本体31における光ガイド孔32の位置は、所望に応じて適切に選択することが可能である。
【0031】
これにより、ホルダ本体31は、光ガイド孔32がホルダ本体31に開口する2つの面を有する。とくには、ホルダ本体31は、ホルダ本体31の外面に光ガイド孔32のそれぞれのオリフィス(開口部)310、330を有する。1つのオリフィス(開口部)310が、ホルダ本体31のうちの回路基板10に面する面301に位置し(
図2を参照)、1つのオリフィス(開口部)330が、ホルダ本体31のうちの回路基板10から遠ざかる方を向いた面302に位置する(
図4を参照)。
図1および
図2において、ホルダ本体31のうちの回路基板10に面する面301は、ホルダ30の下面を形成し、ホルダ本体31のうちの回路基板10から遠ざかる方を向いた面302は、ホルダ30の上面を形成する。ホルダ30の下面は、回路基板側301とも呼ばれ、ホルダ30の上面は、光ガイド側302とも呼ばれる。本実施形態において、回路基板側301および光ガイド側302は、ホルダ30の反対向きの面を形成する。
【0032】
ホルダ本体31は、回路基板側301に、ホルダ本体31から回路基板10へと突出する突出部34を少なくとも有する。本実施形態において、突出部34は、
図2に示されるように、ホルダ本体31の各々の長手方向端部において、回路基板側301に設けられている。突出部34は、接触面として機能する回路基板側301の表面340を有する。ホルダ30が回路基板10に固定された状態で、回路基板10は、接触面340に接触(当接)する。好ましくは、接触面340は、回路基板10との良好な接触(当接)を達成するために平坦である(
図1を参照)。側面から見たとき(
図5)、接触面340は、回路基板10に対する垂直方向に(回路基板10に対して垂直に)、回路基板側301の光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310から離間している。
【0033】
突出部34は、回路基板側301の光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310の回路基板10までの距離を規定するスペーサ要素として機能する。
【0034】
さらに、ホルダ本体31は、回路基板側301に、係合装置としての弾性係合フック35を有する。本実施形態においては、ホルダ本体31から回路基板10へと突出する2つの係合フック35が設けられる。本実施形態において、係合フック35の各々は、光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310と突出部34との間に位置する。係合フック35は、ホルダ本体31に固定されている。係合フック35は、その弾性により、ホルダ本体31に対して移動(枢動)可能である。本実施形態において、係合フック35は、光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310から遠ざかる方を向いたノーズを有し、ノーズは、後述されるように回路基板10と係合することができる。
【0035】
ホルダ本体31は、回路基板側301に、挿入突起37をさらに有する。本実施形態においては、2つの挿入突起37が設けられ、突出部34の接触面340に位置している。挿入突起37は、ホルダ30から遠ざかる方を向いた端部において(外形寸法が小さくなるように)先細りであってよい。挿入突起37は、ホルダ30から遠ざかる方を向いた端部において、丸みを有することができる。挿入突起37は、ホルダ30を回路基板10に対して正確に位置決めする役割を果たす。
【0036】
したがって、本実施形態において、各々の係合フック35は、光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310と挿入突起37との間にそれぞれ位置する。
【0037】
光ガイド孔32は、ホルダ本体31を光ガイド側302から回路基板側301まで貫通する。本実施形態において、光ガイド孔32は、正方形の断面を有する。光ガイド孔32は、周壁320を有する。光ガイド孔32は、回路基板側301のオリフィス(開口部)310および光ガイド側302のオリフィス(開口部)330を有する。
【0038】
光ガイド側302のオリフィス(開口部)330は、
図4を参照すると、光ガイド側302からの光ガイド20の挿入を容易にし、LED12に面する光ガイド20の端面の損傷を回避するために、傾斜している(面取りされている)。
【0039】
回路基板側301のオリフィス(開口部)310は、傾斜して(面取りされて)いない(
図2を参照)。回路基板側301のオリフィス(開口部)310は、光ガイド孔周囲部分を形成する平坦な(均一な)表面部分350によって囲まれている。光ガイド孔32は、オリフィス(開口部)310において、表面部分350に対して垂直に(90度の角度で)延びる。表面部分350は、LED12に対向する。本実施形態において、表面部分350は、回路基板側301において2つの突出部34の間に広がる(
図2を参照)。表面部分350は、光源12の方を向いた平坦面を有する。
【0040】
次に、ホルダ30における光ガイド20の配置を説明する。
【0041】
ホルダ30を回路基板10に取り付ける前に、光ガイド20がホルダ30に挿入される。
【0042】
光ガイド20は、光ガイド側302から光ガイド孔32へと挿入され、光ガイド20が回路基板側301において表面部分350のオリフィス(開口部)310からLED12に向かって突出するまで、光ガイド孔32を通って押し込まれる。
【0043】
次いで、適切な押し込み装置または手動にて、表面部分350のオリフィス(開口部)310から突出する光ガイド20が、光ガイド20の光ガイド入力面がLED12へと向けられた表面部分350の平坦面と整列するまで、光ガイド孔32内に押し戻される。
【0044】
これにより、ホルダ30に対する光ガイド20の光ガイド入力面の相対位置を正確に定めることが可能になる。
【0045】
したがって、その後に、ホルダ30が回路基板10に取り付けられるときに、回路基板10上に配置されたLED12に対する光ガイド20の光ガイド入力面の相対位置および距離が、正確に定められる。
【0046】
回路基板10を、以下でさらに詳細に説明する。
【0047】
【0048】
回路基板10は、LED12が適切な位置に配置される回路基板本体11を有する。回路基板本体11は、ホルダ30へと向けられる上面101と、ホルダ30の反対側の下面102とを有する(
図9を参照)。
【0049】
適切な導電路(図示せず)も、回路基板本体11に設けられている。さらに、供給ケーブル121が、回路基板本体11上に設けられる(
図6を参照)。供給ケーブル121は、電力を供給するために使用され、プロセッサ(図示せず)から回路基板本体11に導かれ、ソケット120へと通じることができる。これを、とりわけ、LED12に電力を供給するために使用することができる。
【0050】
回路基板10を他の目的に用いることができる。さらに、回路基板本体11に、遠位端に配置されたカメラから到来するカメラケーブル19を設けることができる。カメラケーブル19を、供給ケーブル121およびソケット120を介してカメラに電力を供給するために使用することができる。
【0051】
回路基板本体11上で、係合フック35に対応する位置に、係合相手として係合孔16が形成されている。係合孔16は、係合フック35を挿入して係合させることができるように形成される。係合孔16の形状は、係合フック35の断面の形状に合わせられる。係合孔16は、係合フック35を挿入して、そのノーズを下面102に係合させることができるように充分に大きい(
図6および
図8を参照)。
【0052】
さらに、回路基板本体11上で、挿入突起37に対応する位置に、センタリング孔17が形成されている。ホルダ30の挿入突起37が、回路基板10に対するホルダ30の所望の位置決めを保証するために、センタリング孔17に挿入される。
【0053】
このように、回路基板10に対するホルダ30の所望の位置決めが得られるように、2つの係合孔16および2つのセンタリング孔17が、回路基板本体11に形成される。
【0054】
回路基板10に対するホルダ30の所望の位置決めは、
図1、
図7、
図8、および
図10に示されるように、光ガイド20の光ガイド入力面がLED12に対して中心合わせされるような位置決めである。
【0055】
光ガイド20を、以下でさらに詳細に説明する。
【0056】
この実施形態において、光ガイド20は、断面がほぼ正方形の本体として形成され、光ガイド20の断面は、LED12の断面に対応する。光ガイド20は、4つの平行な個別の光ガイド201、202、203、および204の束として形成される。4つの個別の光ガイド201、202、203、および204は、
図7および
図8に示されている。4つの個別の光ガイド201、202、203、および204の各々は、例えば円形または正方形の断面を有することができるが、断面の正確な形状は限定されない。
図7は、ホルダ30の側面図を示しており、2つの個別の光ガイド203および204が、ホルダ30の一方(前方、すなわち観察者に面する)の長手方向側面に配置されている。
図8は、ホルダ30の中心を通る長手方向の断面図を示しており、2つの個別の光ガイド201および202が、ホルダ30の他方(後方)の長手方向側面に配置されている。4つの個別の光ガイド201、202、203、および204の各々は、同じ直径を有し、互いに並んで接触(当接)する。これにより、4つの個別の光ガイド201、202、203、および204のそれぞれ2つが互いに接触する。したがって、断面において見ると、ほぼ正方形の本体が、4つの個別の光ガイド201、202、203、および204の4つの個別の断面からもたらされる。
【0057】
光ガイド孔32は、4つの個別の光ガイド201、202、203、および204の本体が光ガイド孔32内でスライド可能であるが自由ではないようなサイズとなるように選択される。光ガイド20は、外部からの影響を受けずに光ガイド孔32から抜け出すことができてはならない。
【0058】
本発明によれば、LED12に対する光ガイド20の光ガイド入力面の相対位置を、正確に定めることができる。光ガイド20がLED12に対して中心合わせされ、光ガイド20の光ガイド入力面とLED12の光出力面との間の所望の距離が、回路基板10の上面101からLED12の既知の高さに、ホルダ30によって予め定められる。
【0059】
光ガイド20(1つの光ガイドまたは複数の個別の光ガイド)およびLED12の関連する断面は、光の伝達を最適化するようにほぼ等しい。
【0060】
結果として、LED12によって発せられる光について、光ガイド20の光ガイド入力面における光入射が、きわめて低損失である。
【0061】
光ガイド20の光ガイド入力面とLED12の光出力面とがホルダ30によって離されるため、一定の公差が生じても、光ガイド20の光ガイド入力面がLED12の光出力面に接触する可能性がない。
【0062】
したがって、ホルダ30を含む本発明の構造は、量産に好適に用いることが可能である。
【0063】
ホルダ30への光ガイド20の正確な挿入が、簡単かつ迅速である。複数の個別の光ガイドを使用する場合の光ガイド入力面の整列を、簡単かつ安全なやり方で保証することができる。
【0064】
光ガイド20または複数の個別の光ガイドに合わせた光ガイド孔32の形状およびサイズにより、光ガイド20が、光ガイド孔32に充分に堅固かつ確実に据えられる。
【0065】
係合機能により、ホルダ30を回路基板10に容易かつ確実に取り付けることができる。
【0066】
光ガイド20の光ガイド入力面とLED12の光出力面との間の所定の距離は、例えば、0.001mm~10mmの範囲であってよい。
【0067】
代替例
本実施形態において、ホルダ30は、直方体の形状に示されている。ホルダ30の形状は限定されず、所望に応じて選択することが可能である。
【0068】
本実施形態において、回路基板側301および光ガイド側302は、ホルダ30の反対向きの面を形成するが、本発明はこれに限られない。代替例において、光ガイド孔32が光ガイド20を挿入するためのオリフィス(開口部)330を有する側としての光ガイド側302は、ホルダ30の側面であってよく、回路基板側301は、本実施形態と同様に、ホルダ30の下面を形成する。この変形例において、光ガイド孔32は、本実施形態のように真っ直ぐに延びるのではなく、円弧の形状を有する。
【0069】
スペーサ要素としての突出部34は、LED12が回路基板10に埋め込まれる場合に省略することができる。LED12に面する光ガイド20の光ガイド入力面と光ガイド20に面するLED12の光出力面との間の離間の寸法を、回路基板10内のLED12の埋め込み深さによって調整することができる。
【0070】
本実施形態において、接触面340は、回路基板10が接触(当接)するように平坦である。あるいは、接触面340は、不均一(凸部および凹部を有する)であってもよい。その場合、回路基板10に垂直な方向において見たとき、LED12とLEDに面する光ガイド20の端部との間の距離を、面340のうちの回路基板に向かって最も遠く突出している点と、光ガイド孔32に隣接する光ガイド孔周囲部分との間の距離寸法の設定に基づいて、調整することができる。
【0071】
本実施形態において、光ガイド20は、LED12の光出力面から離間している。代替案において、光ガイド20は、ホルダ本体31からの突出部34の突出量を適切に選択することによって、LED12の光出力面に接触(当接)することができる。
【0072】
係合フック35および係合孔16の数および構造は、任意に選択することが可能である。
【0073】
挿入突起37およびセンタリング孔17の数および構造は、任意に選択することが可能である。
【0074】
本実施形態において、係合フック35の各々は、光ガイド孔32のオリフィス(開口部)310と突出部34との間に位置し、挿入突起37は、突出部34上にそれぞれ形成されている。係合フック35および挿入突起37の両方の正確な位置は、ホルダ本体31の他の位置に選択することも可能である。
【0075】
本実施形態において、表面部分350は、回路基板側301において2つの突出部34の間に広がる。あるいは、表面部分350は、ホルダ30の下面301からLED12へと突出することができる。この変形例において、LED12へと突出する突出部は、ホルダ30の下面301に形成され、光ガイド孔32は、突出部内に延在し、LED12に向かって開口する。したがって、この突出部のうちのLED12へと向いた側は、オリフィス(開口部)310と、オリフィス(開口部)310を取り囲む平坦面とを含む。
【0076】
光ガイド20内の個別の光ガイドの数について、限定は存在しない。光ガイド20は、ただ1つの個別の光ガイドまたは適切な複数の個別の光ガイドを備えることができる。適切な複数の個別の光ガイドを、互いに平行に配置された個別の光ガイドが全体としての断面において光ガイド孔32の形状に適合するほぼ正方形の形状を形成する場合に、得ることができる。例えば、適切な複数の個別の光ガイドは、各々が等しい数の行および列を有する個別の光ガイドの行列配置を備えることができる。光ガイド20が単一の個別の光ガイドである場合、その断面は、正方形または円形であってよい。
【0077】
「光ガイドの断面が光源の断面に対応する」という表現は、光ガイドが、光源の正方形断面にサイズに関して対応する円形断面を有する場合も含む。
【符号の説明】
【0078】
10 回路基板
11 回路基板本体
12 LED(光源)
16 係合孔(係合相手)
17 センタリング孔
19 カメラケーブル
20 光ガイド
30 ホルダ
31 ホルダ本体
32 光ガイド孔
34 突出部(スペーサ要素)
35 係合フック(係合装置)
37 挿入突起
101 回路基板の上面
102 回路基板の下面
120 ソケット
121 供給ケーブル
201 個別のライトガイド
202 個別のライトガイド
203 個別のライトガイド
204 個別のライトガイド
301 ホルダの下面(回路基板側)
302 ホルダの上面(光ガイド側)
310 回路基板側301における光ガイド孔32のオリフィス(開口部)
320 光ガイド孔の周壁
330 光ガイド側302における光ガイド孔32のオリフィス(開口部)
340 接触面
350 光ガイド孔に隣接かつLEDに対向する表面(表面部分)(光ガイド孔周囲部分)
【国際調査報告】