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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240118BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240118BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20240118BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240118BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20240118BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/1335
G09F9/35
G09F9/30 349C
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349B
G09F9/30 338
G02F1/1368
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573227
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2021134122
(87)【国際公開番号】W WO2023082364
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111348662.4
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517264292
【氏名又は名称】武漢華星光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Building C5, Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,Wuhan East Lake High-tech Development Zone, Wuhan,Hubei 430079,China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 国宇
(72)【発明者】
【氏名】武 ▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】夏 ▲渝▼▲フェン▼
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H189AA14
2H189DA07
2H189DA28
2H189LA05
2H189LA10
2H189LA24
2H192AA24
2H192EA22
2H192EA43
2H192EA67
2H192GB72
2H192GD81
2H291FA14Y
2H291FA91Z
2H291FA96Y
2H291GA08
5C094BA03
5C094BA43
5C094DA13
5C094DA15
5C094DA20
5C094DB01
5C094EA10
5C094ED01
5C094ED03
5C094ED15
5C094JA07
(57)【要約】
表示パネル及び表示装置を開示する。表示パネルは表示領域と光透過領域とを含み、少なくとも1つの配向層は光透過領域に切欠きが設置される。本願は表示パネルの少なくとも1つの配向層に切欠きを設置し、それにより外部光線が表示パネルを経由して光学素子に入射するときに、配向層による光線に対するフィルタリング作用を弱め、光損失を減少させ、表示パネルの光学素子に対応する領域の光透過率を向上させ、光学素子の光取り込み量を効果的に増加させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、前記表示パネルは、対向して設置される2つの第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設置される液晶層とを含み、前記第1基板及び前記第2基板の前記液晶層に近接する一側にいずれも配向層が設置され、前記表示パネルは表示領域と光透過領域とを含み、少なくとも1つの前記配向層は前記光透過領域に切欠きが設置される、表示パネル。
【請求項2】
任意の1つの前記配向層は、いずれも前記光透過領域に切欠きが設置される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記切欠き内に光学フィルム材が充填され、前記光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記光学フィルム材の可視光反射率は前記配向層の可視光反射率未満である、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記配向層は、前記第1基板に設置される第1配向層と前記第2基板に設置される第2配向層とを含み、前記第1配向層は前記光透過領域に第1切欠きが設置され、前記第2配向層は前記光透過領域に第2切欠きが設置され、前記第1切欠きの面積と前記第2切欠きの面積とは同じであるか、又は異なる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記表示領域と前記光透過領域とは間隔をあけて設置され、前記表示パネルはさらに遷移領域を含み、前記遷移領域は前記表示領域と前記光透過領域との間の隙間領域に位置し、前記遷移領域の表示パネル膜層構造は前記表示領域の表示パネル膜層構造及び前記光透過領域の表示パネル膜層構造とは異なる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1基板は、第1ベース基板と、前記第1ベース基板に設置されるブラックマトリックス層とを含み、前記ブラックマトリックス層は前記表示領域に位置し、前記ブラックマトリックス層は前記表示領域と前記遷移領域との境界に位置するブラックマトリックスリングを含む、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1基板はさらに、前記ブラックマトリックス層上に順に積層して設置されるカラーフィルム層と第1平坦層とを含み、前記カラーフィルム層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、前記第1平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の前記第1平坦層の厚さは前記表示領域の前記第1平坦層の厚さよりも大きい、請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1基板はさらに、前記第1平坦層に設置される前記第1配向層を含み、前記第1配向層は前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記第1配向層は前記光透過領域に前記第1切欠きが設置され、前記第1切欠きのエッジは前記光透過領域と前記遷移領域との境界に位置する、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第1基板はさらに、前記第1切欠き内に充填される第1光学フィルム材を含み、前記第1光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1基板はさらに、前記第1配向層と前記第1平坦層との間に設置される支持柱層を含み、前記支持柱層は間隔をあけて設置される複数の支持柱を含み、前記複数の支持柱は前記表示領域に位置する、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2基板は、第2ベース基板と、前記第2ベース基板に設置される薄膜トランジスタ層とを含み、前記薄膜トランジスタ層は薄膜トランジスタと金属配線とを含み、前記薄膜トランジスタは前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記金属配線は前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記遷移領域に位置する前記金属配線は環状配線である、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記薄膜トランジスタ層はさらに、前記第2ベース基板に設置される層間誘電体層を含み、前記層間誘電体層は前記表示領域及び遷移領域に位置する、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第2基板はさらに、前記層間誘電体層に設置される第2平坦層を含み、前記第2平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の前記第2平坦層の厚さは前記表示領域の第2平坦層の厚さよりも大きい、請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第2基板はさらに、前記第2平坦層に設置される複合膜層を含み、前記複合膜層は前記第2平坦層上に順に積層して設置される第1透明導電層と、パッシベーション層と、第2透明導電層とを含み、前記複合膜層は前記表示領域に位置する、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第2基板はさらに、前記複合膜層に設置される第3平坦層を含み、前記第3平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の第3平坦層の厚さは前記表示領域の第3平坦層の厚さよりも大きい、請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第2基板はさらに、前記第3平坦層に設置される前記第2配向層を含み、前記第2配向層は前記表示領域、前記遷移領域及び前記光透過領域に位置し、前記第2配向層は前記光透過領域に前記第2切欠きが設置され、前記第2切欠きのエッジは前記光透過領域内に位置する、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第2基板はさらに、前記第2切欠き内に充填される第2光学フィルム材を含み、前記第2光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい、請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
表示装置であって、前記表示装置は光学素子と、バックライトモジュールと、請求項1~18のいずれか一項に記載の表示パネルとを含み、前記バックライトモジュールは前記表示パネルの一側に設置され、且つ前記バックライトモジュールは前記光透過領域に対応する位置に光透過孔が設置され、前記光学素子は前記バックライトモジュールの前記表示パネルから離れる一側に設置され、前記光学素子は前記光透過孔に対応して設置される、表示装置。
【請求項20】
前記光学素子は赤外線カメラである、請求項19に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、具体的には表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)は高画質、省電力、薄型、広い適用範囲、安定的な性能及び安全等の利点を有するため、車載、携帯電話、テレビ、携帯情報端末、デジタルカメラ、ノートパソコン、及びデスクトップコンピュータ等の各種の家庭用電子製品に広く適用され、表示装置の主流となっている。
【0003】
車載ディスプレイにおいては、ドライバー状態監視システム(Driver Monitor System、DMS)はドライバーの疲労程度を監視し、運転の安全性能を向上させることができる。同時に、DMSは自動運転、ビークルツーエブリシング及び関連技術が徐々に成熟するに伴って徐々に進化してより多くの機能を生み出し、ユーザーに徐々に認められつつある。DMSの監視ニーズを満たすために、液晶ディスプレイにおいて光学素子を増設する必要があり、該光学素子は、例えば、カメラであり、カメラをユーザーの視野範囲に直接晒すことによる誤解をできるだけ回避するために、DMS機能を配置した従来の液晶ディスプレイの多くはカメラを液晶表示パネルの裏面に隠すという解決手段を採用する。しかし、該解決手段はカメラが晒される問題を解決すると同時に、カメラが光取り込み機能を実行するときに、外部環境光は順調にカメラ内に入射するには少なくとも液晶表示パネルを通過する必要がある。そのため、カメラが外部環境光を取り込む困難性を大幅に増大させてしまい、カメラの光取り込み量が不足し、DMSの結像効果が比較的低いという問題を直接的に招く。この問題は早急に解決すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は表示パネル及びその表示装置を提供し、表示パネルの光透過率を向上させ、光学素子が外部環境光を取り込む困難性を低減させ、且つ光学素子の光取り込み量を増加させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は表示パネルを提供し、前記表示パネルは、対向して設置される2つの第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設置される液晶層とを含み、前記第1基板及び前記第2基板の前記液晶層に近接する一側にいずれも配向層が設置され、前記表示パネルは表示領域と光透過領域とを含み、少なくとも1つの前記配向層は前記光透過領域に切欠きが設置される。
【0006】
選択可能に、任意の1つの前記配向層は、いずれも前記光透過領域に切欠きが設置される。
【0007】
選択可能に、前記切欠き内に光学フィルム材が充填され、前記光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい。
【0008】
選択可能に、前記光学フィルム材の可視光反射率は前記配向層の可視光反射率未満である。
【0009】
選択可能に、前記配向層は、前記第1基板に設置される第1配向層と前記第2基板に設置される第2配向層とを含み、前記第1配向層は前記光透過領域に第1切欠きが設置され、前記第2配向層は前記光透過領域に第2切欠きが設置され、前記第1切欠きの面積と前記第2切欠きの面積とは同じであるか、又は異なる。
【0010】
選択可能に、前記表示領域と前記光透過領域とは間隔をあけて設置され、前記表示パネルはさらに遷移領域を含み、前記遷移領域は前記表示領域と前記光透過領域との間の隙間領域に位置し、前記遷移領域の表示パネル膜層構造は前記表示領域の表示パネル膜層構造及び前記光透過領域の表示パネル膜層構造とは異なる。
【0011】
選択可能に、前記第1基板は、第1ベース基板と、前記第1ベース基板に設置されるブラックマトリックス層とを含み、前記ブラックマトリックス層は前記表示領域に位置し、前記ブラックマトリックス層は前記表示領域と前記遷移領域との境界に位置するブラックマトリックスリングを含む。
【0012】
選択可能に、前記第1基板はさらに、前記ブラックマトリックス層上に順に積層して設置されるカラーフィルム層と第1平坦層とを含み、前記カラーフィルム層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、前記第1平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の前記第1平坦層の厚さは前記表示領域の前記第1平坦層の厚さよりも大きい。
【0013】
選択可能に、前記第1基板はさらに、前記第1平坦層に設置される前記第1配向層を含み、前記第1配向層は前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記第1配向層は前記光透過領域に前記第1切欠きが設置され、前記第1切欠きのエッジは前記光透過領域と前記遷移領域との境界に位置する。
【0014】
選択可能に、前記第1基板はさらに、前記第1切欠き内に充填される第1光学フィルム材を含み、前記第1光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい。
【0015】
選択可能に、前記第1基板はさらに、前記第1配向層と前記第1平坦層との間に設置される支持柱層を含み、前記支持柱層は間隔をあけて設置される複数の支持柱を含み、前記複数の支持柱は前記表示領域に位置する。
【0016】
選択可能に、前記第2基板は第2ベース基板と、前記第2ベース基板に設置される薄膜トランジスタ層とを含み、前記薄膜トランジスタ層は薄膜トランジスタと金属配線とを含み、前記薄膜トランジスタは前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記金属配線は前記表示領域及び前記遷移領域に位置し、前記遷移領域に位置する前記金属配線は環状配線である。
【0017】
選択可能に、前記薄膜トランジスタ層はさらに、前記第2ベース基板に設置される層間誘電体層を含み、前記層間誘電体層は前記表示領域及び遷移領域に位置する。
【0018】
選択可能に、前記第2基板はさらに、前記層間誘電体層に設置される第2平坦層を含み、前記第2平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の前記第2平坦層の厚さは前記表示領域の第2平坦層の厚さよりも大きい。
【0019】
選択可能に、前記第2基板はさらに、前記第2平坦層に設置される複合膜層を含み、前記複合膜層は前記第2平坦層上に順に積層して設置される第1透明導電層と、パッシベーション層と、第2透明導電層とを含み、前記複合膜層は前記表示領域に位置する。
【0020】
選択可能に、前記第2基板はさらに、前記複合膜層に設置される第3平坦層を含み、前記第3平坦層は前記表示領域、遷移領域及び光透過領域に位置し、且つ前記光透過領域の第3平坦層の厚さは前記表示領域の第3平坦層の厚さよりも大きい。
【0021】
選択可能に、前記第2基板はさらに、前記第3平坦層に設置される前記第2配向層を含み、前記第2配向層は前記表示領域、前記遷移領域及び前記光透過領域に位置し、前記第2配向層は前記光透過領域に前記第2切欠きが設置され、前記第2切欠きのエッジは前記光透過領域内に位置する。
【0022】
選択可能に、前記第2基板はさらに、前記第2切欠き内に充填される第2光学フィルム材を含み、前記第2光学フィルム材の赤外光透過率は前記配向層の赤外光透過率よりも大きい。
【0023】
第2態様によれば、本願の実施例はさらに表示装置を提供し、前記表示装置は光学素子と、バックライトモジュールと、上記いずれか一項に記載の表示パネルとを含み、前記バックライトモジュールは前記表示パネルの一側に設置され、且つ前記バックライトモジュールは前記光透過領域に対応する位置に光透過孔が設置され、前記光学素子は前記バックライトモジュールの前記表示パネルから離れる一側に設置され、前記光学素子は前記光透過孔に対応して設置される。
【0024】
選択可能に、前記光学素子は赤外線カメラである。
【発明の効果】
【0025】
[有益な効果]
従来技術に比べて、本願が提供する表示パネル及び表示装置は、表示パネルの少なくとも1つの配向層に切欠きを設置し、それにより外部光線が上記表示パネルを経由して光学素子に入射するときに、上記配向層による光線に対するフィルタリング作用を大幅に弱め、光損失を減少させ、表示パネルの光学素子に対応する領域の光透過率を向上させ、光学素子が外部環境光を取り込む困難性を低減させ、且つ上記光学素子の光取り込み量を効果的に増加させ、上記光学素子の結像効果を改善することができる。
【0026】
本願の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述に使用される必要がある図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下の記述における図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、さらにこれらの図面に基づいてその他の図面を獲得できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の実施例が提供する表示パネルの構造模式図を示す。
図2】本願の実施例が提供する表示パネルの上面模式図を示す。
図3】本願の実施例1が提供する表示パネルにおける第1基板の構造模式図を示す。
図4】本願の実施例1が提供するブラックマトリックスリングの図2におけるA領域での位置の模式図を示す。
図5】本願の実施例1が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示す。
図6】本願の実施例1が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。
図7】本願の実施例2が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。
図8】本願の実施例3が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示す。
図9】本願の実施例3が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。
図10】本願の実施例4が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示す。
図11】本願の実施例4が提供する表示パネルにおける第1基板の構造模式図を示す。
図12】本願の実施例5が提供する表示装置の組立分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面と併せて本願の実施例における技術的手段を明確かつ完全に記述する。明らかなように、記述される実施例は単に本願の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で獲得するすべてのその他の実施例はいずれも本願の保護範囲に属する。また、理解すべきであるように、ここに記述される具体的な実施形態は単に本願を説明及び解釈することに用いられるが、本願を制限することに用いられるものではない。本願においては、それとは逆の説明をしない場合、使用される方位語、例えば「上」及び「下」とは、通常、装置が実際に使用するか、又は動作する状態での上及び下を指し、具体的には図面における図面方向であるが、「内」及び「外」は装置の輪郭に対するものである。
【0029】
下記の開示においては本願の異なる構造を実現するために多くの異なる実施形態又は例を提供する。本願の開示を簡略化するために、下記においては特定の例の部材及び設置を記述する。勿論、それらは単に例示的なものであり、且つ本願を限定することを目的とするものではない。また、本願は異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを繰り返すことができる。このような繰り返しは簡略化及び明確化を目的とするものであり、それ自体は検討される各種の実施形態及び/又は設置の間の関係を指示しない。また、本願は各種の特定のプロセス及び材料の例を提供しているが、当業者であればその他のプロセスの適用及び/又はその他の材料の使用を想到できる。以下、それぞれ詳細な説明を行い、説明する必要がある点として、以下の実施例の記述順序は実施例の好適な順序を限定するものではない。
【0030】
図1は本願の実施例が提供する表示パネルの構造模式図を示す。図1に示すように、本願の実施例1は表示パネル10を提供し、上記表示パネル10は第1基板100と第2基板200とを含み、上記第1基板100と上記第2基板200とは対向して設置される。上記表示パネル10はさらに、上記第1基板100と上記第2基板200との間に設置される液晶層300を含む。上記液晶層300において液晶分子が分布し、上記液晶分子は駆動電界の作用下で偏向可能である。上記第1基板100及び上記第2基板200の上記液晶層300に近接する一側にはいずれも配向層が設置され、上記配向層は均一に配列する結合条件を上記液晶分子に提供し、上記液晶分子を所定の順序で配列することができる。
【0031】
図2は本願の実施例が提供する表示パネルの上面図を示し、図1及び図2と併せて示すように、上記表示パネル10は表示領域11と光透過領域12とを含む。ここで、上記表示パネル10の表示領域11に画素ユニットが設置され、且つ表示機能を実行することに用いられ、上記表示パネル10の光透過領域12は光線を透過する機能を有する。すなわち、上記光透過領域12の光透過率は上記表示領域11の光透過率よりも高く、それにより、上記表示パネル10の一側の上記光透過領域12に対応する位置に光学素子が設置されるときに、上記光線は上記表示パネル10の光透過領域12を順調に通過し、且つ上記光学素子に入射することができ、それによって、上記光学素子に感光機能を正常に実行させる。
【0032】
本実施例においては、上記第1基板100上の上記配向層は第1配向層であり、上記第2基板200上の上記配向層は第2配向層であり、上記第1配向層及び/又は上記第2配向層は上記光透過領域12に切欠き(図示せず)が設置される。少なくとも1つの上記配向層は上記光透過領域12に切欠きが設置されるため、それにより、配向層による上記表示パネル10の光透過領域12を通過する光線に対するフィルタリング作用を効果的に減少させ、光損失を減少させ、表示パネル10の光透過領域12での光透過率を向上させることができる。好適には、上記第1配向層及び上記第2配向層はいずれも上記光透過領域12に切欠きが設置され、且つ上記第1配向層における切欠きと上記第2配向層における切欠きとは対応して設置される。本実施例は上記表示パネル10の2つの上記配向層においていずれも切欠きを設置し、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での光透過率を更に向上させることができる。
【0033】
本実施例においては、上記光線は例えば、940(±10)nmの赤外光(Infrared、IR)である。上記光透過率は例えば、赤外光透過率であり、上記光学素子は例えば、赤外光検知機能を有し、人体自体が赤外光を発することができるため、上記表示パネル10の一側に位置し且つ上記光透過領域12に対応して設置される光学素子が上記赤外光を収集し且つ結像するときに、DMSの監視ニーズを実現すると同時に、ユーザーのプライバシーをよりよく保護することができる。
【0034】
本実施例においては、上記切欠き内に光学フィルム材が充填され、且つ上記光学フィルム材の光透過率は上記配向層の光透過率よりも大きい。上記切欠き内に光透過率がより高い光学フィルム材を充填することによって、上記表示パネル10の光透過領域12での光透過率を向上させると同時に、上記配向層における切欠きを補い、平坦化を実現することができる。
【0035】
本実施例においては、上記光学フィルム材の可視光反射率は上記配向層の可視光反射率未満である。上記光学フィルム材の可視光反射率が上記配向層の可視光反射率未満であるため、それにより上記表示パネル10の均一化表示効果を向上させ、表示品質を向上させることができる。
【0036】
本実施例においては、上記光学フィルム材は例えば反射防止増透膜であり、上記反射防止増透膜は上記配向層の切欠き内に充填される。上記反射防止増透膜は可視光の上記表示パネル10での反射率を減少させ、赤外光の上記表示パネル10での透過率を増加させることができる。
【0037】
引き続き図2に参照されるように、本実施例においては、上記表示領域11と上記光透過領域12とは間隔をあけて設置され、上記表示パネル10はさらに遷移領域13を含む。上記遷移領域13は上記表示領域11と上記光透過領域12との間の隙間領域に位置する。上記遷移領域13の表示パネル膜層構造は、上記表示領域11の表示パネル膜層構造及び上記光透過領域12の表示パネル膜層構造とは異なり、上記配向層は、少なくとも上記表示パネル10の遷移領域13に設置される。対応するように、上記表示領域11と上記光透過領域12との間に位置する隙間領域にも配向層が設置されるため、それにより上記表示領域11と上記遷移領域13との境界領域付近に位置する液晶分子は、上記表示領域11に位置する液晶分子と同じ配向形態を有し、上記表示領域11の表示効果を確実にする。
【0038】
本実施例においては、上記遷移領域13は上記光透過領域12を取り囲み、上記表示領域11は上記遷移領域13を取り囲む。
【0039】
本実施例においては、上記表示パネル10は例えば、さらに非表示領域を含み、上記非表示領域は上記表示領域11に隣接し、且つ上記非表示領域は上記表示領域11を取り囲んで設置される。
【0040】
[実施例1]
図3は本願の実施例1が提供する表示パネルにおける第1基板の構造模式図を示し、図4は本願の実施例1が提供するブラックマトリックスリングの図2におけるA領域での位置の模式図を示し、図5は本願の実施例1が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示し、図6は本願の実施例1が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。以下、図3図6と併せて、上記表示パネル10における第1基板100及び第2基板200の具体的な膜層構造を詳細に説明する。
【0041】
本実施例においては、上記配向層は、上記第1基板100に設置される第1配向層160と、上記第2基板200に設置される第2配向層280とを含み、上記第1配向層160は上記光透過領域12に第1切欠き161が設置され、上記第2配向層280は上記光透過領域12に第2切欠き281が設置され、上記第1切欠き161の面積と上記第2切欠き281の面積とは同じである。
【0042】
本実施例においては、上記第1基板100は第1ベース基板110を含み、上記第1ベース基板110は上記第1基板100上のその他の膜層構造のキャリアであり、それは剛性基板、又はフレキシブル基板であってもよく、その材質はガラス、プラスチック、又は光透過性に優れたその他の無機、又は有機材料であってもよい。好適には、上記第1ベース基板110は剛性ガラス基板である。
【0043】
本実施例においては、上記第1基板100はさらに、上記第1ベース基板110に設置されるブラックマトリックス層120を含み、上記ブラックマトリックス層120は上記表示領域11に位置する。すなわち、上記光透過領域12には上記ブラックマトリックス層120が設置されていない。上記光透過領域12において光透過率が比較的低いブラックマトリックス層120を省いているため、それにより上記表示パネル10の光透過率を更に向上させることができる。具体的には、上記表示領域11に位置するブラックマトリックス層120に格子状のブラックマトリックス構造121が形成され、上記ブラックマトリックス構造121の赤外光透過率は0%である。上記第1基板100の上記光透過領域12にブラックマトリックス構造121が設置されていないため、それにより上記光透過領域12の赤外光透過率を大幅に向上させることができる。更に、上記ブラックマトリックス構造121は上記表示領域11と上記遷移領域13との境界に位置するブラックマトリックスリング1211を含む。すなわち、上記ブラックマトリックスリング1211は上記表示領域11と上記遷移領域13との分割線である。
【0044】
本実施例においては、上記第1基板100はさらに、上記ブラックマトリックス層120に順に積層して設置されるカラーフィルム層130及び第1平坦層140を含む。上記カラーフィルム層130は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置し、上記第1平坦層140は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置し、上記光透過領域12の上記第1平坦層140の厚さは上記表示領域11の上記第1平坦層140の厚さよりも大きい。具体的には、上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置するカラーフィルム層130は同じプロセスによって作製されて形成される。上記表示領域11のカラーフィルム層130は複数種の色のカラーレジストユニットを含み、上記カラーレジストユニットはカラー表示機能を実現することに用いられる。上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する第1平坦層140は同じプロセスによって作製されて形成され、上記第1平坦層140の上記第1ベース基板110から離れる表面は1つの平らな面であり、平坦化機能を実現することに用いられる。上記カラーフィルム層130の赤外光透過率は98%であり、上記第1平坦層140の赤外光透過率は100%であり、上記カラーフィルム層130及び上記第1平坦層140の赤外光透過率がいずれも比較的高いため、上記表示領域11及び上記光透過領域12にいずれも上記カラーフィルム層130及び上記第1平坦層140が保留される。
【0045】
本実施例においては、上記第1基板100はさらに、上記第1平坦層140に設置される第1配向層160を含む。上記第1配向層160は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置し、上記第1配向層160は上記光透過領域12に上記第1切欠き161が設置され、上記第1切欠き161のエッジは上記光透過領域12と上記遷移領域13との境界に位置する。すなわち、上記第1配向層160の上記第1切欠き161を形成するエッジは上記遷移領域13と上記光透過領域12との分割線である。上記第1配向層160の赤外光透過率は92%であり、上記第1配向層160が上記光透過領域12において欠けているため、それにより上記光透過領域12の赤外光透過率を大幅に向上させることができる。
【0046】
本実施例においては、上記第1基板100はさらに、上記第1切欠き161内に充填される第1光学フィルム材170を含み、上記第1光学フィルム材170の光透過率は上記第1配向層160の光透過率よりも大きい。上記第1基板100の上記光透過領域12に対応する領域に光透過率がより高い第1光学フィルム材170が形成されるため、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を効果的に向上させることができる。
【0047】
本実施例においては、上記第1光学フィルム材170の可視光反射率は上記第1配向層160の可視光反射率未満であり、上記第1光学フィルム材170の可視光反射率を低減させることによって、上記表示パネル10の均一化表示効果を向上させ、表示パネル10の表示品質を改善することができる。
【0048】
本実施例においては、上記第1光学フィルム材170は例えば反射防止増透膜であり、上記反射防止増透膜は上記第1配向層160の第1切欠き161内に充填される。上記反射防止増透膜は可視光の上記表示パネル10での反射率を減少させ、赤外光の上記表示パネル10での透過率を増加させることができる。
【0049】
本実施例においては、上記第1基板100はさらに、上記第1配向層160と上記第1平坦層140との間に設置される支持柱層150を含む。上記支持柱層150は間隔をあけて設置される複数の支持柱を含み、上記支持柱は上記第1基板100と上記第2基板200との間に1つの安定した間隔距離を形成して、表示パネル10の正常な表示を確実にすることができる。具体的には、上記複数の支持柱は上記表示領域11に位置し、すなわち、上記支持柱は上記光透過領域12に設置されず、支持柱が赤外光を回折し得るため、さらに表示パネルの一側に位置する光学素子の結像効果に影響を与えるが、本願は上記光透過領域12に上記支持柱が設置されず、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を更に向上させると同時に、回折現象を回避し、上記光学素子の結像効果を向上させることができる。
【0050】
本実施例においては、上記第2基板200は、第2ベース基板210と、上記第2ベース基板210に設置される薄膜トランジスタ層とを含む。上記薄膜トランジスタ層は薄膜トランジスタと金属配線とを含み、上記薄膜トランジスタは上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置し、上記金属配線は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置する。すなわち、上記光透過領域12に上記薄膜トランジスタ及び上記金属配線が設置されず、薄膜トランジスタ及び金属配線は一般的には、光が透過しない金属材料を含む。よって、上記光透過領域12に上記薄膜トランジスタ及び金属配線が設置されないため、上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を更に向上させることができる。
【0051】
本実施例においては、上記薄膜トランジスタは例えば、低温多結晶シリコン(LTPS)薄膜トランジスタである。上記薄膜トランジスタ層は複数種の膜層を含み、上記複数種膜層は例えば、上記第2ベース基板210に順に積層して設置される遮光層、バッファ層、第1金属層、ゲート絶縁層、活性層、層間誘電体層220及び第2金属層を含む。ここで、上記遮光層は上記活性層のチャネル領域に対応して設置される遮光パターンを含み、上記遮光層は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置する。上記バッファ層は窒化ケイ素膜層と酸化ケイ素膜層とから形成されるラミネート構造であり、上記バッファ層は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する。上記第1金属層はゲート及び金属配線を含み、上記第1金属層は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置する。上記ゲート絶縁層は酸化ケイ素膜層であり、上記ゲート絶縁層は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する。上記活性層はチャネル領域と、高濃度ドープ領域と、低濃度ドープ領域とを含み、上記活性層は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置する。上記層間誘電体層220は窒化ケイ素膜層と酸化ケイ素膜層とから形成されるラミネート構造であり、上記層間誘電体層220は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する。上記第2金属層はソースと、ドレインと、金属配線とを含み、上記第2金属層は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置する。勿論、本願の実施例は上記薄膜トランジスタのタイプを制限せず、上記薄膜トランジスタのタイプはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ、又は酸化物薄膜トランジスタであってもよい。
【0052】
本実施例においては、上記第2基板200はさらに、上記層間誘電体層220に設置される第2平坦層230を含む。上記第2平坦層230は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する。具体的には、上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する第2平坦層230は同じプロセスによって作製されて形成され、上記第2平坦層230の上記第2ベース基板210から離れる表面は1つの平らな面であり、平坦化機能を実現することに用いられる。
【0053】
本実施例においては、上記第2基板200はさらに、上記第2平坦層230に設置される複合膜層を含む。上記複合膜層は上記第2平坦層230に順に積層して設置される第1透明導電層240、パッシベーション層250及び第2透明導電層260を含む。上記複合膜層は上記表示領域11に位置し、すなわち、上記光透過領域12に上記複合膜層が設置されず、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を更に向上させることができる。具体的には、上記第1透明導電層240及び上記第2透明導電層260を形成する材質は酸化インジウム錫(ITO)であり、上記パッシベーション層250を形成する材質は窒化ケイ素であり、上記複合膜層の赤外光透過率は72%であり、上記光透過領域12に上記複合膜層が設置されないため、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を顕著に向上させることができる。
【0054】
本実施例においては、上記第2基板200はさらに、上記複合膜層に設置される第3平坦層270を含む。上記第3平坦層270は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置し、且つ上記光透過領域12の第3平坦層270の厚さは上記表示領域11の第3平坦層270の厚さよりも大きい。具体的には、上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する第3平坦層270は同じプロセスによって作製されて形成される。上記第3平坦層270の上記第2ベース基板210から離れる表面は1つの平らな面であり、平坦化機能を実現することに用いられる。
【0055】
本実施例においては、上記第2基板200はさらに、上記第3平坦層270に設置される第2配向層280を含む。上記第2配向層280は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置し、上記第2配向層280は上記光透過領域12と上記遷移領域13との境界領域に第2切欠き281を形成する。すなわち、上記第2配向層280の上記第2切欠き281を形成するエッジは上記遷移領域13と上記光透過領域12との分割線である。上記第2配向層280は上記光透過領域12に上記第2切欠き281が設置され、上記第2切欠き281のエッジは上記光透過領域12と上記遷移領域13との境界に位置する。すなわち、上記第2配向層280の上記第2切欠き281を形成するエッジは上記遷移領域13と上記光透過領域12との分割線であり、上記第2切欠き281の面積は上記第1切欠き161の面積に等しい。上記第2配向層280の赤外光透過率は92%であり、上記第2配向層280が上記光透過領域12に欠いているため、それにより上記光透過領域12の赤外光透過率を大幅に向上させることができる。
【0056】
本実施例においては、上記第2基板200はさらに、上記第2切欠き281内に充填される第2光学フィルム材290を含む。上記第2光学フィルム材290の光透過率は上記第2配向層280の光透過率よりも大きい。上記第2基板200の上記光透過領域12に対応する領域に光透過率がより高い第2光学フィルム材290が形成されるため、それにより上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を効果的に向上させることができる。
【0057】
本実施例においては、上記第2光学フィルム材290の可視光反射率は上記第2配向層280の可視光反射率未満であり、上記第2光学フィルム材290の可視光反射率を低減させることによって、上記表示パネル10の均一化表示効果を向上させ、表示パネル10の表示品質を改善することができる。
【0058】
本実施例においては、上記第2光学フィルム材290は例えば反射防止増透膜であり、上記反射防止増透膜は上記第2配向層280の第2切欠き281内に充填される。上記反射防止増透膜は可視光の上記表示パネル10での反射率を減少させ、赤外光の上記表示パネル10での透過率を増加させることができる。
【0059】
[実施例2]
図7は本願の実施例2が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。図7に示すように、本願の実施例2は表示パネル10を提供し、上記表示パネル10は本願の実施例1における表示パネル10の構造と類似するため、本実施例においては同じ部分を再度詳細に説明しない。
【0060】
相違点として、本願の実施例2が提供する表示パネル10における層間誘電体層220は上記表示領域11及び遷移領域13に位置する。すなわち、上記層間誘電体層220は上記光透過領域12に設置されず、それにより上記光透過領域12の膜層構造を簡略化し、膜層の数量を減少させ、上記表示パネル10の光透過領域12での赤外光透過率を更に向上させることができる。
【0061】
上記第2基板200はさらに、上記層間誘電体層220に設置される第2平坦層230を含む。上記第2平坦層230は上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置し、且つ上記光透過領域12の上記第2平坦層230の厚さは上記表示領域11の第2平坦層230の厚さよりも大きい。具体的には、上記表示領域11、遷移領域13及び光透過領域12に位置する第2平坦層230は同じプロセスによって作製されて形成され、上記第2平坦層230の上記第2ベース基板210から離れる表面は1つの平らな面であり、平坦化機能を実現することに用いられる。
【0062】
[実施例3]
図8は本願の実施例3が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示し、図9は本願の実施例3が提供する表示パネルにおける第2基板の構造模式図を示す。図3図8及び図9と併せて示すように、本願の実施例3は表示パネル10を提供し、上記表示パネル10は本願の実施例1における表示パネル10の構造と類似しており、例えば、実施例3における第1基板100は実施例1における第1基板100の構造と同じであるため、本実施例においては同じ部分を再度詳細に説明しない。
【0063】
相違点として、本願の実施例3が提供する表示パネル10における第1切欠き161と第2切欠き281との面積は異なる。具体的には、第1基板100上の第1配向層160は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置し、上記第1配向層160は光透過領域12に第1切欠き161が形成され、上記第1切欠き161のエッジは上記光透過領域12と上記遷移領域13との境界に位置する。すなわち、上記第1配向層160の上記第1切欠き161を形成するエッジは上記遷移領域13と上記光透過領域12との分割線であり、第2基板200上の第2配向層280は上記表示領域11、上記遷移領域13及び上記光透過領域12に位置し、上記第2配向層280は上記光透過領域12に上記第2切欠き281が設置され、上記第2切欠き281のエッジは上記光透過領域12内に位置する。すなわち、上記第2切欠き281の面積は上記第1切欠き161の面積未満であり、それにより光線の干渉回折を減少させ、表示パネル10の一側に設置される光学素子の結像効果を向上させることができる。
【0064】
[実施例4]
図10は本願の実施例4が提供する第1切欠き及び第2切欠きの図2におけるA領域での位置の模式図を示し、図11は本願の実施例4が提供する表示パネルにおける第1基板の構造模式図を示す。図6図10及び図11と併せて示すように、本願の実施例4は表示パネル10を提供し、上記表示パネル10は本願の実施例4における表示パネル10の構造と類似しており、例えば、第2基板200が挙げられるため、本実施例においては同じ部分を再度詳細に説明しない。
【0065】
相違点として、本願の実施例4が提供する表示パネル10における第1切欠き161と第2切欠き281との面積は異なる。具体的には、第2基板200上の第2配向層280は上記表示領域11及び上記遷移領域13に位置し、上記第2配向層280は光透過領域12に第2切欠き281を形成し、上記第2切欠き281のエッジは上記光透過領域12と上記遷移領域13との境界に位置する。すなわち、上記第2配向層280の上記第2切欠き281を形成するエッジは上記遷移領域13と上記光透過領域12との分割線であり、第1基板100上の第1配向層160は上記表示領域11、上記遷移領域13及び上記光透過領域12に位置し、上記第1配向層160は上記光透過領域12に上記第1切欠き161が設置され、上記第1切欠き161のエッジは上記光透過領域12内に位置する。すなわち、上記第1切欠き161の面積は上記第2切欠き281の面積未満であり、それにより光線の干渉回折を減少させ、表示パネル10の一側に設置される光学素子の結像効果を向上させることができる。
【0066】
[実施例5]
図12は本願の実施例5が提供する表示装置の組立分解図を示す。図12に示すように、本願の実施例5は表示装置を提供し、上記表示装置は上記実施例1~4における表示パネル10と、偏光片20と、光学素子40と、バックライトモジュール30とを含む。ここで、上記表示パネル10は、第1基板100と、第2基板200と、上記第1基板100と上記第2基板200との間に設置される液晶層300とを含む。上記表示パネル10は光線を透過できる光透過領域12を含み、上記バックライトモジュール30は上記表示パネル10の一側に設置され、上記表示パネル10に表示に必要な光源を提供することに用いられる。上記バックライトモジュール30の上記光透過領域12に対応する位置に光透過孔31が設置され、上記偏光片20は偏光軸が互いに垂直な第1偏光片21及び第2偏光片22を含む。上記第1偏光片21は上記第1基板100の上記液晶層300から離れる一側に設置され、上記第2偏光片22は上記第2基板200の上記液晶層300から離れる一側に設置される。
【0067】
本実施例においては、上記光学素子40は上記バックライトモジュール30の上記表示パネル10から離れる一側に設置され、且つそれぞれ上記表示パネル10の光透過領域12に対応して設置され、及び上記バックライトモジュール30の光透過孔31に対応して設置される。上記光学素子40は上記表示パネル10の光透過領域12及び上記バックライトモジュール30の光透過孔31を順に通過する光線を受けて、感光結像を実現することに用いられる。上記光学素子40は例えば、DMSの監視機能を実行することに用いられる。上記光線は赤外光であり、上記赤外光は上記第1偏光片21、上記液晶層300及び上記第2偏光片22を直接通過する機能を有し、上記光学素子40は対応して赤外線カメラであり、上記赤外線カメラはユーザーのプライバシーをよりよく保護することができる。しかし、説明する必要がある点として、本願の実施例は上記光線のタイプ及び上記光学素子40の感光タイプを制限せず、上記光線は赤外光を除くその他の光線であってもよく、対応するように、上記光学素子40は上記その他の光線を検知する機能を有してもよい。
【0068】
以上のように、本願は表示パネル及び表示装置を提供し、上記表示パネルは、対向して設置される2つの第1基板及び第2基板と、上記第1基板と上記第2基板との間に位置する液晶層とを含み、上記第1基板及び上記第2基板の上記液晶層に近接する一側にいずれも配向層が設置される。ここで、上記表示パネルは表示領域と光透過領域とを含み、少なくとも1つの上記配向層は、上記光透過領域に切欠きが設置される。本願は、表示パネルの少なくとも1つの配向層に切欠きを設置し、それにより外部光線が上記表示パネルを経由して光学素子に入射するときに、上記配向層による光線に対するフィルタリング作用を大幅に弱め、光損失を減少させ、表示パネルの光学素子に対応する領域の光透過率を向上させ、光学素子が外部環境光を取り込む困難性を低減させ、且つ上記光学素子の光取り込み量を効果的に増加させ、且つ結像効果を改善することができる。
【0069】
以上、本願の実施例が提供する表示パネル及び表示装置を詳細に紹介し、本明細書においては具体的な例を適用して本願の原理及び実施形態を述べた。以上の実施例の説明は単に本願の方法及びそのコアの思想を理解するのを助けることに用いられ、同時に、当業者であれば、本願の思想に基づいて、具体的な実施形態及び適用範囲に変更を行うことができる。以上のように、本明細書の内容は本願を制限するものであると理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0070】
10 表示パネル
11 表示領域
12 光透過領域
13 遷移領域
20 偏光片
21 第1偏光片
22 第2偏光片
30 バックライトモジュール
31 光透過孔
40 光学素子
100 第1基板
110 第1ベース基板
120 ブラックマトリックス層
121 ブラックマトリックス構造
130 カラーフィルム層
140 第1平坦層
150 支持柱層
160 第1配向層
170 第1光学フィルム材
200 第2基板
210 第2ベース基板
220 層間誘電体層
230 第2平坦層
240 第1透明導電層
250 パッシベーション層
260 第2透明導電層
270 第3平坦層
280 第2配向層
290 第2光学フィルム材
300 液晶層
1211 ブラックマトリックスリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】