IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図1
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図2
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図3
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図4
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図5
  • 特表-OLED表示パネル及び電子機器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】OLED表示パネル及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/844 20230101AFI20240118BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20240118BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20240118BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H10K50/844
H10K59/12
H10K59/122
H10K50/842
G09F9/30 365
G09F9/30 309
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576692
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 CN2021138873
(87)【国際公開番号】W WO2023097796
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】202111465094.6
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲練▼ 文▲東▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC23
3K107CC25
3K107CC28
3K107DD92
3K107EE42
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107FF15
5C094AA38
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA13
5C094FB01
5C094FB02
(57)【要約】
本願はOLED表示パネル及び電子機器を開示する。OLED表示パネルは表示本体とパッケージ構造とを含み、表示本体は表示領域と表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、パッケージ構造は表示本体の一側に設置され、パッケージ構造は表示領域から非表示領域まで延伸し、パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、第2有機層は第1有機層の側表面を被覆する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLED表示パネルであって、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆する、OLED表示パネル。
【請求項2】
前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する、請求項1に記載のOLED表示パネル。
【請求項3】
前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層の前記駆動基板が所在する平面での正投影は前記第1電極の前記駆動基板が所在する平面での正投影内に位置する、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項4】
前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記第1有機層の周囲に囲設されており、前記第1電極の前記駆動基板から離れた一側に位置する、請求項3に記載のOLED表示パネル。
【請求項5】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する、請求項4に記載のOLED表示パネル。
【請求項6】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する、請求項4に記載のOLED表示パネル。
【請求項7】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層は前記遮断壁の前記表示領域に近い一側に位置し、前記第2有機層は前記第1無機層の側表面を被覆し、前記第3無機層は前記遮断壁を被覆する、請求項4に記載のOLED表示パネル。
【請求項8】
前記表示領域は有効表示領域と無効表示領域とを含み、前記無効表示領域は前記有効表示領域と前記非表示領域との間に位置し、前記第1有機層は前記有効表示領域から前記非表示領域まで延伸する、請求項1に記載のOLED表示パネル。
【請求項9】
前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層は前記第1電極の側表面を被覆する、請求項2に記載のOLED表示パネル。
【請求項10】
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する、請求項9に記載のOLED表示パネル。
【請求項11】
前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記遮断壁と前記第2有機層との間に位置し、前記ダムの高さは前記遮断壁の高さ未満である、請求項10に記載のOLED表示パネル。
【請求項12】
前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記遮断壁と前記第1有機層との間に位置し、前記ダムの高さは前記遮断壁の高さ未満であり、前記第2有機層は前記ダムを被覆し、前記ダムと前記遮断壁との間の領域まで延伸する、請求項10に記載のOLED表示パネル。
【請求項13】
OLED表示パネルであって、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、前記表示領域は有効表示領域と無効表示領域とを含み、前記無効表示領域は前記有効表示領域と前記非表示領域との間に位置し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第1有機層は前記有効表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆し、
前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する、OLED表示パネル。
【請求項14】
電子機器であって、前記電子機器はハウジングと前記ハウジング中に設置されるOLED表示パネルとを含み、前記OLED表示パネルは、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆する、電子機器。
【請求項15】
前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する、請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】
前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層の前記駆動基板が所在する平面での正投影は前記第1電極の前記駆動基板が所在する平面での正投影内に位置する請求項15に記載の電子機器。
【請求項17】
前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記第1有機層の周囲に囲設されており、前記第1電極の前記駆動基板から離れた一側に位置する、請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する、請求項17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する、請求項17に記載の電子機器。
【請求項20】
前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層は前記遮断壁の前記表示領域に近い一側に位置し、前記第2有機層は前記第1無機層の側表面を被覆し、前記第3無機層は前記遮断壁を被覆する、請求項17に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、具体的には、OLED表示パネル及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)ディスプレイは電流型有機発光デバイスであり、OLEDディスプレイは構造が簡単で、自己発光し、応答速度が速く、超軽量で薄型であり、消費電力が低い等の利点を有するため、フレキシブルディスプレイ業界で幅広く適用されている。外部の水蒸気の侵入によりOLEDデバイスの故障のリスクが増加することがあるため、OLEDデバイス中のパネルの製造プロセスの後に、通常はパッケージを行うことにより、OLEDデバイスの故障のリスクを低減させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在主流のフレキシブルパッケージ方式は、薄膜パッケージ(Thin Film Encapsulation、TFE)、すなわち無機膜と有機膜の積層構造を採用し、無機膜は有機膜を被覆するものである。ここで、無機膜は主な水蒸気バリア膜層であり、無機膜は、通常、化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)を採用して製造される。一方、有機膜は水蒸気透過経路を延長させ、無機膜の応力を解放することに用いられ、有機膜は通常、インクジェット印刷機器の印刷用インクを採用して、レベリング及び硬化の後に形成される。通常の状況下で、外部の水蒸気がパネル内部に侵入する方式は2種あり、一方とはパネル正面から侵入することであり、他方はパネル側面から侵入することである。製品額縁が狭くなるに伴って、有機膜の境界と無機膜の境界との間の距離が益々近くなり、パネルエッジの無機膜の水バリア性が低下するか又は割れが発生するときに、外部の水蒸気が有機膜に沿って表示領域に直接入り、パネルエッジのパッケージ故障を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願実施例はOLED表示パネル及び電子機器を提供することにより、OLED表示パネルエッジのパッケージ効果を向上させる。
【0005】
本願実施例はOLED表示パネルを提供し、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆する。
【0006】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する。
【0007】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層の前記駆動基板が所在する平面での正投影は前記第1電極の前記駆動基板が所在する平面での正投影内に位置する。
【0008】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記第1有機層の周囲に囲設されており、前記第1電極の前記駆動基板から離れた一側に位置する。
【0009】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する。
【0010】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する。
【0011】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層は前記遮断壁の前記表示領域に近い一側に位置し、前記第2有機層は前記第1無機層の側表面を被覆し、前記第3無機層は前記遮断壁を被覆する。
【0012】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記表示領域は有効表示領域と無効表示領域とを含み、前記無効表示領域は前記有効表示領域と前記非表示領域との間に位置し、前記第1有機層は前記有効表示領域から前記非表示領域まで延伸する。
【0013】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層は前記第1電極の側表面を被覆する。
【0014】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する。
【0015】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記遮断壁と前記第2有機層との間に位置し、前記ダムの高さは前記遮断壁の高さ未満である。
【0016】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記遮断壁と前記第1有機層との間に位置し、前記ダムの高さは前記遮断壁の高さ未満であり、前記第2有機層は前記ダムを被覆し、前記ダムと前記遮断壁との間の領域まで延伸する。
【0017】
本願実施例はさらにOLED表示パネルを提供し、それは、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、前記表示領域は有効表示領域と無効表示領域とを含み、前記無効表示領域は前記有効表示領域と前記非表示領域との間に位置し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第1有機層は前記有効表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆し、
前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する。
【0018】
本願実施例はさらに電子機器を提供し、前記電子機器はハウジングと前記ハウジング中に設置されるOLED表示パネルとを含み、前記OLED表示パネルは、表示本体と、パッケージ構造とを含み、
前記表示本体は、表示領域と、前記表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有し、
前記パッケージ構造は、前記表示本体の一側に設置され、前記パッケージ構造は前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、前記パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含み、前記第2有機層は前記第1有機層の側表面を被覆する。
【0019】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記パッケージ構造はさらに第2無機層と、第3無機層とを含み、前記第2無機層は前記第1有機層の前記表示本体に近い一側に位置し、前記第3無機層は前記第2有機層の前記第1無機層から離れた一側に位置する。
【0020】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記表示本体は駆動基板と、発光層と、第1電極とを含み、前記発光層は前記駆動基板上に設置され、前記表示領域に位置し、前記第1電極は前記発光層の前記駆動基板から離れた一側に被覆され、前記表示領域から前記非表示領域まで延伸し、
前記第1有機層の前記駆動基板が所在する平面での正投影は前記第1電極の前記駆動基板が所在する平面での正投影内に位置する。
【0021】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記OLED表示パネルはさらにダムを含み、前記ダムは前記第1有機層の周囲に囲設されており、前記第1電極の前記駆動基板から離れた一側に位置する。
【0022】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第1無機層、前記第2無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する。
【0023】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層及び前記第3無機層はいずれも前記遮断壁を被覆する。
【0024】
選択可能に、本願のいくつかの実施例において、前記第2有機層は前記第1電極の側表面を被覆し、
前記OLED表示パネルはさらに遮断壁を含み、前記遮断壁は前記駆動基板上に設置され、前記第2有機層の前記表示領域から離れた一側に位置し、前記第2無機層は前記ダムの前記表示領域に近い一側に位置し、前記第1有機層は前記第2無機層の側表面を被覆し、前記第1無機層は前記遮断壁の前記表示領域に近い一側に位置し、前記第2有機層は前記第1無機層の側表面を被覆し、前記第3無機層は前記遮断壁を被覆する。
【発明の効果】
【0025】
従来技術におけるOLED表示パネルに比べて、本願により提供されたOLED表示パネルはパッケージ構造中に第1有機層及び第2有機層を設置して、第2有機層を第1有機層の側表面に被覆させる。外部の水蒸気がパネルエッジからパッケージ構造に侵入したときに、もしパネルエッジ箇所での無機膜層の水バリア性が低下するか又は割れが発生しても、外部の水蒸気はまず第2有機層に入った後に、次に第1有機層に入ることになる。2層の有機層を設置することにより、水蒸気の侵入経路を延長させて、表示領域への水蒸気の侵入時間を遅らせることが可能であり、それによりOLED表示パネルエッジのパッケージ効果を向上させる。
【0026】
本願実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、以下の記述における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を必要としない前提において、さらにそれらの図面に基づいて他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の第1実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
図2】本願の第2実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
図3】本願の第3実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
図4】本願の第4実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
図5】本願の第5実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
図6】本願の第6実施例により提供されたOLED表示パネルの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願実施例における図面を組み合わせて、本願実施例における技術的解決手段を明確で、完全に記述する。明らかなように、記述された実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要としない前提において得たすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。加えて、理解されるように、ここで記述された発明を実施するための形態は本願を説明して解釈することにのみ用いられ、本願を制限することに用いられない。本願においては、逆の説明が行われていない状況下では、使用された方位詞、例えば「上」及び「下」は、通常、装置が実際に使用又は稼働している状態下での上及び下を指し、具体的には図面における図面方向であり、一方、「内」及び「外」は装置の輪郭に対するものである。
【0029】
本願実施例は、OLED表示パネル及び電子機器を提供する。以下、それぞれ詳細に説明を行う。ただし、以下の実施例の記述順序は実施例の好ましい順序を限定するものとしてはいない。
【0030】
本願は、表示本体とパッケージ構造とを含むOLED表示パネルを提供する。表示本体は表示領域と、表示領域の周囲に設置された非表示領域とを有する。パッケージ構造は表示本体の一側に設置される。パッケージ構造は表示領域から非表示領域まで延伸する。パッケージ構造は順に設置された第1有機層と、第1無機層と、第2有機層とを含む。第2有機層は第1有機層の側表面を被覆する。
【0031】
これにより、本願により提供されたOLED表示パネルは、パッケージ構造中に第1有機層及び第2有機層を設置して、第2有機層を第1有機層の側表面に被覆させ、外部の水蒸気がパネルエッジからパッケージ構造に侵入したときにパネルエッジ箇所での無機膜層の水バリア性が低下するか又は割れが発生すると、外部の水蒸気がまず第2有機層に入った後に、次に第1有機層に入ることになる。2層の有機層を設置することにより、水蒸気侵入経路を延長させて、表示領域への水蒸気の侵入時間を遅らせることが可能であり、それによりOLED表示パネルエッジのパッケージ効果を向上させる。
【0032】
以下、具体的な実施例を介して本願により提供されたOLED表示パネルを詳細に論述する。
【0033】
図1に参照されるように、本願の第1実施例はOLED表示パネル100を提供する。OLED表示パネル100は表示本体10とパッケージ構造20とを含む。表示本体10は表示領域101と、表示領域101の周囲に設置された非表示領域102とを有する。パッケージ構造20は表示本体10の一側に設置される。パッケージ構造20は表示領域101から非表示領域102まで延伸する。パッケージ構造20は順に設置された第1有機層21と、第1無機層22と、第2有機層23とを含む。第2有機層23は第1有機層21の側表面を被覆する。
【0034】
具体的には、表示本体10は駆動基板11と、発光層12と、第1電極13と、光学被覆層14とを含む。
【0035】
ここで、駆動基板11は薄膜トランジスタ基板であってもよい。上記薄膜トランジスタ基板はベースと、ベース上に設置された金属酸化物薄膜トランジスタ(図示せず)とを含む。関連技術はいずれも従来技術であり、ここで詳細な説明は省略する。
【0036】
発光層12は駆動基板11上に設置され、表示領域101に位置する。第1電極13は発光層12の駆動基板11から離れた一側に被覆される。第1電極13は表示領域101から非表示領域102まで延伸する。ここで、第1電極13は陽極であってもよく、陰極であってもよい。本実施例において、第1電極13は陰極であり、このときに、駆動基板11の発光層12に近い一側には陽極が設置される(図示せず)。関連技術はいずれも従来技術であり、ここで詳細な説明は省略する。
【0037】
光学被覆層14は第1電極13の発光層12から離れた一側に被覆される。ここで、光学被覆層14の材料は高屈折率の有機材料であってもよい。
【0038】
ただし、本願の各図面においては発光層12の構造のみが示され、各実施例を容易に記述することに用いられている。本願のOLED表示パネル100はさらにアレイに配置された複数の発光デバイス(図示せず)を含み、上記発光デバイスは陽極と、発光層12と、陰極とで構成される。関連技術はいずれも従来技術であり、ここで詳細な説明は省略する。
【0039】
本実施例において、表示領域101は、有効表示領域1011と無効表示領域1012とを含む。無効表示領域1012は、有効表示領域1011と非表示領域102との間に位置する。ここで、有効表示領域1011内には発光画素(図示せず)が設置され、無効表示領域1012内には仮想画素(図示せず)が設置される。第1電極13及び第1有機層21はいずれも有効表示領域1011から非表示領域102まで延伸する。第1有機層21の駆動基板11が所在する平面での正投影は第1電極13の駆動基板11が所在する平面での正投影内に位置する。すなわち、第1有機層21の境界は第1電極13の上方に位置する。
【0040】
非表示領域102と有効表示領域1011との間には無効表示領域1012が設置されている。従って、本実施例では、第1有機層21の境界を第1電極13の上方に位置させて、たとえ外部の水蒸気が第1有機層21内に侵入しても、まず無効表示領域1012に入ることになり、有効表示領域1011の表示に影響を及ぼすことはないため、有効表示領域1011のパッケージ効果を確実にすることができる。加えて、第1有機層21は非表示領域102の空間を別に占用することがない。従って、上記のように設置すると非表示領域102の空間を節約することができ、さらに額縁を狭めることが可能であり、OLED表示パネル100の狭額縁設計の実現に有利である。
【0041】
さらに、パッケージ構造20はさらに第2無機層24と第3無機層25とを含む。第2無機層24は、第1有機層21の表示本体10に近い一側に位置する。第3無機層25は第2有機層23の第1無機層22から離れた一側に位置する。ここで、第1無機層22、第2無機層24及び第3無機層25の材料はいずれも酸化ケイ素、窒化ケイ素及び窒素酸化ケイ素のうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0042】
従来技術においては、OLED表示パネルのパッケージは一般的に無機膜、有機膜及び無機膜の3層パッケージ構造であり、有機膜は2層の無機膜の間に介設されている。しかしながら、パネルサイズの拡大に伴い、パネルの製造プロセスにおいて異物が落下してくる可能性も増大してしまい、既存の3層パッケージ構造は表示パネル全体のパッケージ効果を確保することができずに、製品の製造歩留まりが低減する。従って、本実施例では、第2無機層24、第1有機層21、第1無機層22、第2有機層23及び第3無機層25を含有する5層パッケージ構造20を設置することにより、さらにOLED表示パネル100全体のパッケージ効果を向上させ、パネル製造プロセスにおいて異物が落下することによりもたらされる歩留まりの損失を低減させることができる。
【0043】
また、従来技術において設計された、有機膜と無機膜とを含有する2層パッケージ構造に対して、いくつかの実施例においては、パッケージ構造20中には第1無機層22と第3無機層25のみが設置され、第2無機層24が省略されるようにしてもよい。すなわち、第1有機層21は光学被覆層14に直接接触するが、ここで詳細な説明は省略する。
【0044】
本実施例において、OLED表示パネル100はさらにダム30を含む。ダム30は第1有機層21の周囲に囲設されている。ダム30は第1電極13の駆動基板11から離れた一側に位置する。該設置では第1有機層21の周囲にダム30を設置することにより、第1有機層21が成膜する時に溢れ出すことを回避することが可能であり、第1有機層21の成膜の形態を向上させることに有利である。
【0045】
具体的には、ダム30の数は1つであってもよい。このときに、ダム30は環状構造であってもよく、第1有機層21は上記環状構造で形成された収納空間内に位置する。或いは、ダム30の数は複数であってもよく、複数のダム30は順に配置され、第1有機層21の周囲に囲設されている。ここで、ダム30の材料はエポキシ樹脂又はアクリル酸樹脂等の有機材料を含んでもよい。
【0046】
第2有機層23は第1電極13の側表面を被覆する。第1電極13は通常、金属材料を採用して製造され得るため、上記のような設置では、第2有機層23を第1電極13の外側に設置することにより、第1電極13が外部の水蒸気に侵入される確率を低減させることができ、さらに第1電極13が酸化により腐食される確率を低減させることにより、デバイスの故障の確率を低減させることが可能である。よって、OLED表示パネル100の耐用年数を延長させることができる。
【0047】
本実施例において、OLED表示パネル100はさらに遮断壁40を含む。遮断壁40は駆動基板11上に設置される。遮断壁40は第2有機層23の表示領域101から離れた一側に位置する。遮断壁40は第2有機層23を製造する時に使用される有機材料が溢れ出すことを防止することに用いられる。また、第1無機層22、第2無機層24及び第3無機層25はいずれも遮断壁40を被覆し、それによってパネルエッジの水酸素バリア性能を向上させる。
【0048】
具体的には、遮断壁40は、第1層41と第2層42とを含む。第1層41は第2層42と駆動基板11との間に位置する。ここで、第1層41は駆動基板11における平坦化層(図示せず)と同一のプロセスを採用して製造されてもよく、第2層42は駆動基板11における画素画定層(図示せず)と同一のプロセスを採用して製造されてもよい。関連技術はいずれも従来技術であり、ここで詳細な説明は省略する。ただし、いくつかの実施例において、遮断壁40は第1層41と第2層42のうちの一方のみを含んでもよく、本願は遮断壁40の構造を具体的に限定しない。
【0049】
これにより、本実施例において、もしも第1無機層22、第2無機層24及び第3無機層25のうちの1つ又は複数において水バリア性が低下するか又は割れが発生しても、有効表示領域1011の非表示領域102に近い一側に第1有機層21と、第1有機層21の側表面を被覆する第2有機層23とが設けられているため、外部の水蒸気が非表示領域102から侵入したときに、外部の水蒸気がまず第2有機層23に入った後に、次に第1有機層21に入ることになる。単層有機層のパッケージ方式に比べて、本実施例では、パネルエッジの水蒸気の侵入経路を増大し、水蒸気の侵入時間を遅らせ、それによりOLED表示パネル100のエッジのパッケージ効果を向上させることができ、OLED表示パネル100の耐用年数を延ばすことができ、製品の製造歩留まりを向上させることに役立つ。
【0050】
図2に参照されるように、本願の第2実施例はOLED表示パネル200を提供する。本願の第2実施例により提供されたOLED表示パネル200と第1実施例との相違点は、第2無機層24がダム30の表示領域101に近い一側に位置し、第1有機層21が第2無機層24の側表面を被覆することである。
【0051】
本願の発明者は、実験で調査した結果、大サイズの表示パネルにおいてIGZO薄膜トランジスタのような金属酸化物薄膜トランジスタを採用するときには、パネル電気性能を考慮して、通常は水素含有量が比較的小さな酸化ケイ素又は窒化ケイ素を材料として使用して無機層を製造し、薄膜トランジスタの無機層に近いほど水素含有量が低くなるために薄膜トランジスタデバイス中への水素の拡散確率を低減させ、それにより薄膜トランジスタの電気性能への水素の影響を低減させることを発見した。しかしながら、無機層中の水素含有量が比較的低いときには、無機層の水蒸気バリア効果を低減させることがあり、パネルエッジの無機層が水蒸気の侵入により故障するというリスクが増加する。
【0052】
従って、本実施例では、第1有機層21を第2無機層24の側表面に被覆させ、すなわち、第2無機層24を内部へ収縮させることにより、水蒸気が第2無機層24の側面に沿って侵入することを防止することを可能にし、さらに第2無機層24が水蒸気の侵入により故障するというリスクを低減させ、さらにパネルエッジのパッケージ効果を向上させることができる。また、上記のような設置により第2無機層24の非表示領域102での占用空間を減少させて、非表示領域102内の無機膜層の総厚さを減少させ、非表示領域102の膜層応力を減少させる点において有利であり、よってパネルエッジ膜層の間の剥離のリスクを低減させ、それによりOLED表示パネル200の非表示領域102での屈曲性能を向上させることができる。
【0053】
さらに、第2無機層24を内部へ収縮させた後で、第1有機層21の第2無機層24の外部に位置する部分は光学被覆層14に直接接触する。光学被覆層14は有機膜層であり、第1有機層21と光学被覆層14との間に優れた結合力を有する。従って、本実施例は第1有機層21と表示本体10との間の結合力を向上させ、すなわち、パッケージ構造20と表示本体10との間の結合力を向上させることができ、よってパネルの信頼性を向上させる点において有利である。
【0054】
図3に参照されるように、本願の第3実施例はOLED表示パネル300を提供する。本願の第3実施例により提供されたOLED表示パネル300と第2実施例との相違点は、第1無機層22が遮断壁40の表示領域101に近い一側に位置する。第1無機層22の境界は、第1電極13と遮断壁40との間に位置する。第2有機層23が第1無機層22の側表面を被覆する、ということである。
【0055】
本実施例では、第2有機層23を第1無機層22の側表面に被覆させ、すなわち、第1無機層22を内部へ収縮させることにより、水蒸気が第1無機層22の側面に沿って侵入することを防止することが可能であり、さらに第1無機層22が水蒸気の侵入により故障するというリスクを低減させて、さらにパネルエッジのパッケージ効果を向上させることができる。また、上記のような設置により第1無機層22の非表示領域102での占用空間を減少させるため、さらに非表示領域102内の無機膜層の総厚さを減少させ、それによりさらに非表示領域102の膜層応力を減少させて、パネルエッジ膜層の間の剥離のリスクを低減させることができ、さらにOLED表示パネル300の非表示領域102での屈曲性能を向上させることに役立つ。
【0056】
図4に参照されるように、本願の第4実施例はOLED表示パネル400を提供する。本願の第4実施例により提供されたOLED表示パネル400と第1実施例との相違点は、第1有機層21が第1電極13の側表面を被覆する。OLED表示パネル400においてはダム30が設置されていないということである。
【0057】
本実施例では、第1有機層21を第1電極13の側表面に被覆させることにより、第1有機層21と第2有機層23を同時に第1電極13の外側に位置させて、さらに第1電極13外側の水蒸気侵入経路を延長させることができる。それにより水蒸気が第1電極13に入る時間を遅らせて、さらに第1電極13に外部の水蒸気が侵入する確率を低減させ、さらにデバイスの故障の確率を低減させることができる。また、本実施例では、ダム30の設置が省略されるため、遮断壁40の遮断作用により、第1有機層21及び第2有機層23の成膜過程において有機材料が溢れ出すことを同時に防止することができ、さらにOLED表示パネル400の製造コストの節約に有利である。
【0058】
図5に参照されるように、本願の第5実施例はOLED表示パネル500を提供する。本願の第5実施例により提供されたOLED表示パネル500と第1実施例との相違点は、第1有機層21が第1電極13の側表面を被覆する。ダム30が遮断壁40と第2有機層23との間に位置する。ダム30の高さが遮断壁40の高さ未満であることである。
【0059】
本実施例では、第1有機層21を第1電極13の側表面に被覆させることにより、第1有機層21と第2有機層23を同時に第1電極13の外側に位置させ、さらに第1電極13外側の水蒸気侵入経路を延長させることができる。それにより水蒸気が第1電極13に入る時間を遅らせ、さらに第1電極13が外部の水蒸気に侵入される確率を低減させて、さらにデバイスの故障確率を低減させることができる。また、ダム30及び遮断壁40の2重遮断作用により、有機材料が溢れ出す確率を大幅に向上させることが可能であり、それにより第1有機層21及び第2有機層23の成膜の形態を向上させることに有利である。
【0060】
図6に参照されるように、本願の第6実施例はOLED表示パネル600を提供する。本願の第6実施例により提供されたOLED表示パネル600と第5実施例との相違点は、第2有機層23がダム30を被覆し、ダム30と遮断壁40との間の領域まで延伸することである。
【0061】
本実施例では、第2有機層23をダム30と遮断壁40との間の領域まで延伸させ、すなわち、第2有機層23の境界をダム30と遮断壁40との間に置く。それにより、さらに第2有機層23の非表示領域102での占用面積を増大し、第2有機層23の境界から表示領域101までの距離を増大させ、さらに外部の水蒸気の有機膜層における侵入経路を延長させることができる。それにより、さらにOLED表示パネル600エッジのパッケージ効果を向上させることが可能である。
【0062】
本願は更に電子機器を提供し、上記電子機器は電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートコンピュータ、デジタルフレーム、ナビゲータ等の表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。ここで、上記電子機器はハウジングと、ハウジング中に設置されたOLED表示パネルとを含み、OLED表示パネルは上記のいずれか実施例に記載のOLED表示パネルであってもよく、OLED表示パネルの具体的な構造は上記実施例の記述を参照することができ、ここで詳細な説明は省略する。
【0063】
以上では、本願実施例により提供されたOLED表示パネル及び電子機器を詳細に紹介しており、本文では具体的な例を適用して本願の原理及び実施形態を論述する。以上の実施例の説明は本願の方法及びその核心思想への理解を助けることに用いられるものに過ぎず、同時に、当業者にとって、本願の思想に応じて、発明を実施するための形態及び適用範囲のいずれについても変化を加えることができ、以上より、本明細書の内容は本願を制限するものとして理解すべきではない。
【符号の説明】
【0064】
10 表示本体
11 駆動基板
12 発光層
13 第1電極
14 光学被覆層
20 パッケージ構造
21 第1有機層
22 第1無機層
23 第2有機層
24 第2無機層
25 第3無機層
30 ダム
40 遮断壁
41 第1層
42 第2層
100 OLED表示パネル
101 表示領域
102 非表示領域
200 OLED表示パネル
300 OLED表示パネル
400 OLED表示パネル
500 OLED表示パネル
600 OLED表示パネル
1011 有効表示領域
1012 無効表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】