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特表2024-503171固形剤形を水に分散させて懸濁液を形成する方法、懸濁液および固体剤形を投与する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】固形剤形を水に分散させて懸濁液を形成する方法、懸濁液および固体剤形を投与する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/10 20060101AFI20240118BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240118BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A61K9/10
A61K47/36
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/04
A61K47/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501368
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2022076541
(87)【国際公開番号】W WO2023115688
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111569644.9
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523007476
【氏名又は名称】上海奥全生物医葯科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】盧 恩先
(72)【発明者】
【氏名】侯 朋
(72)【発明者】
【氏名】馮 龍龍
(72)【発明者】
【氏名】王 龍
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076DD27
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD67
4C076EE09F
4C076EE30F
4C076EE32F
4C076FF16
4C076FF36
4C076FF43
4C076GG45
(57)【要約】
【課題】本発明は、医薬品、食品および動物用医薬品の懸濁液の形成を促進することができる、迅速に分散する懸濁液組成物を開示する。当該組成物は、懸濁助剤、希釈剤および流動促進剤を含み、そのうち、懸濁剤、希釈剤および流動促進剤の量は、組成物が迅速に分散して懸濁液を形成することができるように選択される。また、固形製剤の懸濁液を形成し、得られた懸濁液を被験者に投与する方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形剤形を水に分散させて懸濁液を形成する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)有効成分を含む固形剤形を水に入れる工程、および
(b)水に懸濁助剤組成物を添加する工程。
前記懸濁助剤組成物は懸濁助剤、希釈剤および流動化剤を含み、かつ、前記有効成分を含まず、選択された前記懸濁助剤、前記希釈剤および前記流動化剤、ならびにそれらのそれぞれの量は、試験条件下で前記懸濁助剤組成物が以下の要件を満たすことを特徴とする。
前記懸濁助剤組成物は60秒以内に水中に溶液を形成でき、前記溶液の粘度は30cpsより大きく、ここで、試験条件として、シェーカーで120rpm/分、振動角度10°の条件で前記水20mlに前記懸濁助剤組成物のみを添加し、前記懸濁助剤組成物と前記水の混合物を得ることができる。
【請求項2】
前記懸濁助剤が処方中に0.5%~10%(w/w)の量で存在し、前記懸濁助剤はキサンタンガム、カルボマー、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記希釈剤が処方中に86%~96%(w/w)の量で存在し、前記希釈剤は、マルチトール、キシリトール、ショ糖、ソルビトールおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流動化剤が0.1%~5%(w/w)の量で処方中に存在し、前記流動化剤は二酸化ケイ素、タルクおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記懸濁助剤組成物が、0.1%~2%(w/w)の香料をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記懸濁助剤としてキサンタンガムが処方中に1%~6%(w/w)の量で存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記キサンタンガムの粒径が≦180μmであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記キサンタンガムと前記希釈剤の比率が1:35~1:45であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記懸濁助剤は、適量の水にキサンタンガムを溶かし、その溶液中の前記キサンタンガムの水中濃度が0.05%~0.5%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記希釈剤としてショ糖が93.8%~95.8%(w/w)の量で処方中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ショ糖の粒子径D90が40メッシュ~100メッシュであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記流動化剤として二酸化ケイ素が0.5~3%の量で処方中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記懸濁助剤組成物の配合量が1.5g~5gであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記水の体積が20ml~100mlであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記固形剤形が錠剤、顆粒または粉末であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記工程(a)が前記工程(b)に先行することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記懸濁助剤組成物が防腐剤を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記懸濁液が複数回の投与に使用できることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記懸濁助剤組成物が5%未満の混合均質性を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法に基づき調製された懸濁液。
【請求項21】
前記懸濁助剤としてのキサンタンガムと前記希釈剤の比率が1:35~1:45であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
被験者に固体剤形を投与する方法であって、
(a)請求項1に記載の方法に従って懸濁液を調製する工程、および(b)前記懸濁液を被験者に投与する工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬品と食品分野に関し、より具体的には固形剤形を水に分散させて懸濁液を形成する方法、懸濁液および固体剤形を投与する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最小限の錠剤サイズで個々の臨床ニーズを満たせない場合、既存の薬剤サイズの不十分さを補うために錠剤の分割投与が行われることが多い。錠剤の分割投与は、特に小児、高齢者、経鼻カニューレ投与、嚥下困難な患者などの特殊な患者群における「アンメット・メディカル・ニーズ」に応えるために重要な役割を担っている。現在、中国のほとんどの病院では、機械による切断や粉砕で投与に適した量を秤量しているが、機械切断は使用する錠剤のサイズや形状、用量に厳しい条件があり、分割投与量が大きくなるほど品質合格率は高くなり、分割投与量が1/4以下になると、品質合格率が一様に低下するなど、この方法には大きな制約があるとされている。これに対し、台湾大学病院の薬剤師が4種類の錠剤を手作業で粉砕・粉末化した後、全自動分包機を使用することで相対標準偏差を3.6~6.7%に低減することができた。しかし、錠剤の分割投与量を換算する必要があるため、時には誤差が生じることもあり、また、錠剤の分割投与時に長時間空気に触れることで、薬剤に影響を与える可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の錠剤分割投与の問題点は主に以下の点に反映されている。(1)錠剤分割投与時の用量・含量の不正確さ(2)錠剤分割投与時の類似性問題(3)錠剤分割投与時の安定性と微生物汚染問題。従来の分割投与量は、中国の主要な病院で採用されている一般的な方法だが、品質合格率が低く、一定の臨床安全性リスクがある。
【0004】
純粋に物理的な分割投与では投与量を満たせない場合、患者は既存の剤形や有効成分を溶媒(通常は水)に溶解又は分散させ、溶液が得られたらその液量に基づいて投与量を計算し、投与することがよくある。この投与方法の欠点は、分散した溶媒の粘度が非常に低く、有効成分が再集合して沈殿する可能性があり、投与ミスを引き起こし、臨床安全上のリスクがあることである。現在、USPやEU諸国では、薬剤師が錠剤を粉砕して分散液に注ぎ、懸濁液を形成する高粘度懸濁助剤液体が準備されている。安定性を確保するために、さまざまな種類の保存料が使用されているが、長期間服用すると子供の成長や発達に影響を与える可能性があり、また、錠剤を粉砕すると微生物汚染や薬物含量の損失が発生する可能性がある。
【0005】
薬物投与の問題を解決するために、有効成分の凝集や沈殿を妨げる粘性を有する溶媒(水など)に素早く分散・溶解し、溶媒中に均一に溶解・分散させ、正確な投与を可能にする防腐剤フリー組成物の開発が急務となっている。製剤化された液体は、投与中の安定性に優れていることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題に対し、本発明者らは、高分散性懸濁助剤組成物を提案し、前記懸濁助剤組成物は懸濁助剤、希釈剤、流動化剤と矯味剤を含み、ここで、前記懸濁助剤の含有量が0.5%~10%(w/w)、流動化剤が0.1%~5%(w/w)、希釈剤が86%~98%(w/w)である。残りは矯味剤であり、前記懸濁助剤はキサンタンガム、カルボマー、クロスカルメロースナトリウムの1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記希釈剤はマルチトール、キシリトール、ショ糖とソルビトールの中の1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記流動化剤は二酸化ケイ素、タルクの中の1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記矯味剤は甘味剤および/又は香料を含む。
【0007】
さらに、前記懸濁助組成物において、前記懸濁助剤組成物は懸濁助助剤、希釈剤、流動化剤と矯味剤を含み、ここで、前記懸濁助剤の含有量が1.0%~6.0%(w/w)、流動化剤が0.5%~3%(w/w)、希釈剤が87.5%~97%(w/w)である。残りは矯味剤であり、前記懸濁助剤はキサンタンガム、カルボマー、クロスカルメロースナトリウム1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記希釈剤はマルチトール、キシリトール、ショ糖とソルビトールの中の1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記流動化剤は二酸化ケイ素、タルクの中の1種又は1種以上の混合物から選択され得る。前記矯味剤は甘味剤および/又は香料を含む。
【0008】
本発明の目的は、第1に、溶媒中に迅速に分散および溶解することができ、活性成分の凝集および沈殿を阻害する粘度を有し、溶媒中に均一に溶解又は分散させることにより、分割投与量を正確にする組成物を提供することである。第2に、投与時の安定性を確保することにある。
【0009】
したがって、このような組成物は、それ自体で迅速に溶解し、溶解後に一定の粘度を形成し、活性成分の均一な分布を促進し、活性成分を含有する懸濁液を得ることが求められる。毎回使用する前に簡単に振とうして、活性成分は新たに均一に分布できる。
【0010】
本発明者らは、上記要件に基づき、懸濁助剤、希釈剤、流動化剤および矯味剤を含有する組成物構造を構築した。構造物の各成分は次のように作用する。
【0011】
まず、懸濁助剤によって特定の粘度が得られ、有効成分が均一に分散されるようにする。
【0012】
希釈剤は、組成物の重量を増加させ、正確な包装を容易にする。希釈剤は、懸濁助剤を均一に分散させることができ、組成物の迅速な分散および溶解に寄与する。
【0013】
流動化剤は、粒子間摩擦を低減することで、粉体(粒子)の流動性を向上させる。
【0014】
前記矯味剤は、マスキングや味調整を目的とした甘味料および/又は香料を含み、香料はニーズに応じて添加することができる。
【0015】
この構造は非常にシンプルだが、その中で要求される成分の選択は非常に厳しい。要件1:懸濁助剤は、希釈剤と流動化剤の相互作用のもとで溶媒に速やかに溶解し、錠剤やカプセル剤など異なる薬物の有効成分の均一な分布を促進して混合懸濁液を形成するという要件を満たすことができる一定の粘度を有していること。この要件は、従来の乾式懸濁剤のよりも高い要求を課している。具体的な研究内容は、キサンタンガムがより適していること、キサンタンガムは0.05%~0.5%、好ましくは0.075%~0.45%の濃度で使用し、特殊な粒径でなければこの役割を果たせないことを明らかにした研究経過を示すものである。要件2:分散時間を短縮するため、乾式混合工程を採用し、粒径の小さな希釈剤を使用しているため、迅速に分散しやすいが、粉末の流動性が悪い。さらに、流動化剤に二酸化ケイ素を選択して添加し、従来使われない1%~3%以上の量を使用してはじめて(従来の医薬品錠剤は、二酸化ケイ素が過剰になると粉塵が多くなるため、1%以上であることはほとんどない)、流動化剤が機能し出した。これは本発明と従来の錠剤の投与量との重要な違いでもあり、粉末混合と小袋サイズ(1.5g)の包装の均一性と充填精度を確保するためのものでもある。さらに、従来の乾式懸濁剤も、このような従来使われない流動化剤の投与は行っていない。
【0016】
前記希釈剤は、好ましくはショ糖又はマルチトールであり、前記希釈剤は、87.5~97%(w/w)、好ましくは93.8~95.8%(w/w)である。
【0017】
前記矯味剤に含まれる甘味料は、好ましくは0.1~2%(w/w)、より好ましくは0.1~1%(w/w)のスクラロースである。スクラロースは、菓子、食品、医薬品の甘味料として使用されており、経口投与では吸収されず、糞便中に排泄される。本特許組成物では、甘味料として使用される。
【0018】
香料は、医薬品や食品の矯味剤として広く使われており、ストロベリー、グレープ、オレンジなどが市販されている。本特許組成物では、矯味剤として使用される。
【0019】
本発明により製造される製品は、5gまでのサイズが好ましく、より好ましくは、1.5gが20ml又は25ml、5.0gが50~100mlである。
【0020】
本発明では、異なる技術的解決策の個々の成分の比率を合計して100%とする。
【0021】
本発明のより好ましい処方は、キサンタンガム、スクロース又はマルチトール、コロイド状二酸化ケイ素およびスクラロースを、1.0%~6%(w/w)、89%~97%(w/w)、0.5~3%(w/w)、0.1~2%、各成分を100%まで添加し、さらに0.1~1%の香料を含み、キサンタンガムD90が0.18mm以下、スクロース又はマルトースD90が40~100メッシュの範囲である。このときのキサンタンガムと希釈剤の比率は1:10~1:100、好ましくは1:34~45であり、液体(溶媒好ましくは水)に調製後のキサンタンガムの濃度範囲は0.075%~0.45%(w/v)であることが好ましい。サイズは、好ましくは1~5g、より好ましくは1.5~5gである。
【0022】
本発明はさらに、薬剤の有効成分および/又は他の薬学的に許容される賦形剤と、上記の懸濁助剤混合物とを含む単回投与又は分割投与の医薬組成物を提供する。
【0023】
この組成物は、希釈剤の割合が比較的多く、懸濁助剤の量が比較的少ないため、成分を十分に混合するためには、流動性と混合均一性に関する問題を解決する必要がある。
【0024】
本発明は、さらに、以下の工程を含む、前記懸濁助剤組成物の調製方法を提供する。
【0025】
(1)希釈液の所定量を秤量し、ふるいにかけ、予備とする。
【0026】
(2)懸濁助剤、流動化剤、矯味剤の所定量をホッパーに秤量し、(1)の希釈剤をホッパーに添加しながら混合する。
【0027】
(3)(2)で得られた混合物をコミルによって混合する。
【0028】
(4)(3)で得られた混合物を全混合する。
【0029】
(5)では、(4)で得られた混合物をサイズの異なる袋に充填して、前記組成物を得る。
【0030】
上記工程で製造された製品は、混合均一性が良好であり、スクラロース含有量10部(処方量0.5%)を指標としてRSD(相対標準偏差)を測定すると、RSDは3.0%未満に達することができ、高い内部統制基準となった。
【0031】
本発明は、薬物懸濁剤の調製における、上記の懸濁助剤組成物の応用を提供する。前記薬物は、水に容易に溶けるか不溶性の個々の有効成分であるか、又はプレーン錠剤、カプセル、又は他の関連製剤のいずれであってもよい。
【0032】
前記組成物は、患者又は家族が以下のように調製する。
【0033】
(1)純水を適量取り、混合瓶に注ぎ、服用する固形薬や食品を加え、振とうして、完全に分散させる。
【0034】
(2)本特許に記載された組成物を注ぎ、振とうして、均質な懸濁剤を形成する。
【0035】
(3)そのまま全量摂取するか、投与器具を用いて懸濁剤の適量摂取を行う。
【0036】
本発明を適用できる固形医薬又は食品としては、通常の錠剤、散剤、口腔内崩壊錠、カプセル、顆粒、バルク又は粉体等が挙げられる。
【0037】
本特許に記載の懸濁助剤組成物を用いて調製される薬物懸濁液としては、タダラフィル錠、アニラセタム錠、エナラプリル錠、カプトプリル錠、ワルファリンナトリウム錠、クロピドグレル硫酸塩錠、メソプロロール錠、プロプラノロール錠、シルデナフィル錠、ベシル酸アムロジピン錠、アスピリン発泡錠、スピロノラクトン錠、ハイドロクロロチアジド錠、ワルファリンナトリウム、フロセミド錠、Leucogenタブレット、メトロニダゾール錠、リネゾリド錠、レボチロキシン錠、フェノバルビタール錠、ボニゾン錠、ビタミンB1・B2錠、ウルソデオキシコール酸錠、イノシン錠、ジゴキシン錠、ボセンタン錠、アミオダロン錠、プレドニン錠、ジアゼパン錠、フルコナゾールのカプセル、炭酸D3カルシウム錠、ブロミピリダモール錠、レベチラセタム錠、アルプラゾラム錠、セチリジン錠、コエンザイムQ10錠、ジピリダモール錠、ジシクロミン錠、トピラマート錠、リファンピシンカプセル、アシクロビル錠、フェノルジピン錠、レグラネット錠、デスモプレッソ酢酸塩錠、メトホルミン塩酸塩錠、プラゾシン塩酸塩錠など、分割投与が必要なものや苦味や飲みにくさがあるものを含むが、これらに限定されない。
【0038】
前記組成物は、製薬工場において、以下のように製剤化するために使用される。
【0039】
(1)有効成分を含有する顆粒又は粉末の調製を行う。
【0040】
(2)本特許に記載された組成物と十分に混合する。
【0041】
(3)一回分に包装し、乾式懸濁剤を得る。
【0042】
前記組成物は、プロセス中に水や有機溶媒を使用することなく、化学反応や非適合性のない直接混合によって調製される。
【0043】
有益な効果。
【0044】
1.本発明の方法により調製された懸濁助剤組成物は、適当な水に速やかに分散して均一な粘性含有液体を形成し、固形薬剤を正確に服用することができ、また嚥下困難な人が固形薬剤や食品を服用するのを補助することができる。また、本発明は、動物への薬剤投与にも利用することができる。
【0045】
2.患者や家族が自分で調製できる一回分包装は、投薬ミスが少なく、専門の薬剤師が調製する必要がない。
【0046】
3.本発明の方法によって調製された組成物は、活性成分又はその組み合わせと直接混合して、乾式懸濁剤を調製することができる。
【0047】
4.本発明の方法により調製された組成物は、非常に優れたマスキング効果を有し、漢方薬のマスキングなど、様々な場面でのマスキングに好適である。
【0048】
5.本発明の方法によって調製された組成物は、水を含まず、安定で、持ち運びが容易である。
【0049】
6.本発明の方法によって調製された組成物は、防腐剤および消泡剤を含まず、各成分は子供用の医薬品および食品に広く使用されており、特許組成物におけるそれらの用量はFDAIIGの制限値以下であるので、特許組成物は安全性が良好で、子供の使用に適するものである。
【0050】
7.本発明で使用する賦形剤は、いずれも一般的に使用されている医薬用賦形剤であり、固相混合しても互いに副作用がなく、安定な医薬製剤である。
【0051】
本発明に記載の懸濁助剤組成物と従来の懸濁剤との違いについて。
【0052】
1.現段階では、固相の懸濁助剤組成物を別途用意することはできず、液体タイプの懸濁助剤は基本的に医師の指示に頼っており、服薬コンプライアンスが低い。
【0053】
2.本発明は、使用濃度に制限があり、任意に構成することはできないが、服薬コンプライアンスが良好で、適切な容器により支援することができる。
【0054】
3.従来の乾式懸濁剤は、分割投与という要素がほとんど考慮されておらず、一回限りの即席飲料として相場が決まっているのに対し、本製品は均質な懸濁剤として構成できるため、複数回にわたり、飲用できる。
【0055】
4.従来の乾式懸濁剤は、原料や賦形剤の相性、薬物の不純物などを考慮する必要があったが、本製品はそのリスクを回避することができる。
【0056】
5.従来の乾式懸濁剤は、分散時間が通常1分以上であるため、キサンタンガムの粒子径に特別な要件はなかった。対して、本製品の分散時間は1分未満であり、キサンタンガムの粒子径に厳しい要求があるため、乾式懸濁剤より厳しい要件が求められ、本製品の開発における重要な指標となっている。
【0057】
6.従来の乾式懸濁剤は流動性が良かったが、本製品の粉末は流動性が悪いため、粉末混合の均一性と小袋サイズ(1.5g)での充填精度を確保するために従来使われない二酸化ケイ素を流動化剤として使用する必要がある。
【0058】
したがって、本発明の懸濁助剤組成物の開発と従来の乾式懸濁剤の開発は、研究が異なる技術的な問題であり、得られた懸濁助剤組成物と懸濁剤は非常に大きなギャップがあり、通常比較することはできない。
【発明の効果】
【0059】
本発明における固形剤形を水に分散させて懸濁液を形成する方法および懸濁液では、懸濁助剤組成物が、それ自体で迅速に溶解し、溶解後に一定の粘度を形成し、活性成分の均一な分布を促進し、活性成分を含有する懸濁液を得ることができる。
また、本発明における固体剤形を投与する方法では、投与時の安定性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0060】
スクラロースは、菓子、食品、医薬品の甘味料として使用されており、経口投与では吸収されず、糞便中に排泄される。本特許組成物では、甘味料として使用される。
【0061】
香料は、医薬品や食品の矯味剤として広く使われており、ストロベリー、グレープ、オレンジなどが市販されている。本特許組成物では、矯味剤として使用される。
【0062】
嗜好性を高めるために、本特許のスクリーニング処方組成には、いずれもスクラロースが適量添加されている。
【実施例
【0063】
本発明は、以下の非限定的な実施形態によって例示される。本実施例では、処方のスクリーニングに1.5gサイズを使用しているが、サイズが大きくなると製品の分散時間が長くなり、分散には振とうや攪拌が必要となり、利用者の順応性を考慮して、分散時間を60秒以内と制限かけた。また、懸濁助剤が安定した懸濁液を生成し、正確な分割投与を容易にするために、懸濁助剤が水で分散された後に形成される液体の粘度は、30cps以下であることが好ましい。
【0064】
実施例1 懸濁助剤担体の種類の選択
【0065】
均一な懸濁剤を形成し、正確な投与を容易にするために、分散後に形成される液体は適度な粘度を持つ必要がある。懸濁助剤担体の種類によって分散効果や分散時間が異なるため、最適な懸濁助剤担体をスクリーニングするために、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを選択し、同時に検討を行い、処方組成を表1に示すように設定した。処方に水19mlを加えて20mlの粘性液とし、評価した結果を表2に示す。
【0066】
キサンタンガムはXANTURAL(登録商標)D90が180(D90=0.18mm)、マルチトールはD90が40メッシュ、懸濁助剤:希釈剤は約1:15、二酸化ケイ素は従来量の1%(w/w)と高用量を選択。
【0067】
(表1)懸濁助剤の担体別処方組成(単位:mg)
【0068】
調製方法は以下の通りである(すべての実験例でこの調製方法を採用した)。
【0069】
(1)希釈液の所定量を40メッシュのふるいにかけ、予備とする。
【0070】
(2)懸濁助剤、流動化剤、甘味料、その他の薬用又は食用賦形剤の所定量をホッパーに秤量し、(1)で40メッシュのふるいを通過した希釈剤をホッパーに加え、回転数を14rpm、混合時間を7分間とする。
【0071】
(3)(2)で得られた混合物を、ふるい目開き1016μm、回転数3000rpmのコミルにより混合する。
【0072】
(4)(3)で得られた混合物を混合し、ホッパーにて、回転数を14rpm、混合時間を21分とする。
【0073】
(5)では、(4)で得られた混合物をサイズの異なる袋に充填して、前記組成物を得る。
【0074】
表1の処方基本項目の評価結果を表2にまとめた。
(表2)
【0075】
処方1(カルボマー含有)と処方2(カルボキシメチルセルロースナトリウム含有)は、いずれも分散時間が60秒以上であり、内部統制の要件を満たしていないことが判明した。ヒドロキシプロピルメチルセルロースとポビドンを含む処方(4、5、6)は、分散時間は比較的早いものの、粘度が低く(30cp未満)、適切な懸濁剤を形成しないため、要件も満たさない(処方4、5、6の使用を増やすと分散時間が大幅に増え、気泡が大量に入りやすくなる)。キサンタンガムを含む処方(処方3)が適切な粘度を持ち、素早く(60秒以内)分散できることに驚き、その後処方3を最適化した。
【0076】
理論的には高速分散はできるだけ早くする必要があるので、60秒弱がこの製品の最低基準となるが、通常乾式懸濁剤はこの基準を重視しないので、粘度は必要だが、分散時間は必ずしも必要というわけではない。また、その逆もまた然り。
【0077】
実施例2 キサンタンガムの種類のスクリーニング
【0078】
キサンタンガムの種類によって粒径が異なる。粒径の違いは、従来の乾式懸濁剤にはほとんど影響しないが、本発明における組成物の混合均一性、分散性に影響を与える可能性があり、その影響を調べるため、著者らはXANTURAL(登録商標)11K(D90=1.1mm)、XANTURAL(登録商標)180(D90=0.18mm)、XANTURAL(登録商標)75(D90=0.075mm)を選定して考察し、処方組成と評価結果を表3、4に示した。
【0079】
(表3)キサンタンガムの種類別処方組成(単位:mg)
【0080】
表3の処方基本項目の評価結果を表4にまとめた。
(表4)
【0081】
処方7(D90=1.1mm)の粘度は条件を満たしたが、しかし、分散が61秒で、まだキサンタンガム不溶物があり、分散効果は要件を満たしていない。処方3および処方8の粘度と分散時間および分散後、溶液の状態は要件を満たした。<0.18mmでキサンタンガム粒径D90は、粘度と分散時間が満たされている場合でも、製品の外観と製品の機能に影響を与え、かつ、より細かい粒子径が良いわけではない。懸濁助剤自体のサイズは非常に制限されている。
【0082】
実施例3 キサンタンガムの配合量のスクリーニング
【0083】
D90が0.18mmのキサンタンガムを使用した実験例1および2を基に、サイズが変わらない場合、キサンタンガムの量の違いは、分散効果および分散時間、ひいては有効成分の懸濁状態に直接影響すると考え、本特許では、キサンタンガムを0.5%、1.0%、2.67%、4.33%、6.0%および7.0%含んだ組成物の製品への影響も検討した。処方と評価結果を表5、表6に示す。この時のキサンタンガムと希釈剤の比率は1:196~1:13であった。
【0084】
(表5)キサンタンガムの配合量別処方組成(単位:mg)
【0085】
表5の処方基本項目の評価結果を表6にまとめた。
(表6)
【0086】
0.5%~6.0%のキサンタンガムでは、処方の分散時間はいずれも60秒以下であるが、0.5%のキサンタンガムを含む処方の粘度は10cp以下と低く、活性物質を均一に懸濁することができず、分注投与量に大きな誤差が発生した。キサンタンガムの配合量が7%の場合、分散時間は90秒であった。分散効果と分散時間を合わせて、組成物中のキサンタンガムの量は1.0%~6.0%が好ましく(この時、キサンタンガムと希釈剤の比率は約1:10~1:100、すなわち92.5~98%(w/w)のマルチトールは適格)、液体に製剤した後に キサンタンガムの濃度範囲は、好ましくは0.075%~0.45%である。
【0087】
本発明で得られる結果は、使用するキサンタンガムの濃度、キサンタンガムと希釈剤の比率などの複合的な要因によるものである。したがって、使用するキサンタンガムの濃度と希釈剤の両方が、本発明で検討すべき重要な課題である。本特許では、希釈剤を開発の優先順位の一つとしており、次のステップとして希釈剤の種類を最適化することにしている。
【0088】
実施例4 希釈剤の種類のスクリーニング
【0089】
希釈剤は、組成物の重量を増加させ、正確な包装に寄与する。また、希釈剤は、組成物の迅速な分散に寄与する。希釈剤の種類によって溶解性、流動性が異なるため、同時に検討する希釈剤としてソルビトール、ショ糖粉末、キシリトール、マルトデキストリン、乳糖、微結晶セルロースを選択し、処方組成と評価結果を表7、8に示す。
【0090】
(表7)希釈剤の種類別処方組成(単位:mg)
【0091】
表7の処方基本項目の評価結果を表8にまとめた。
(表8)
【0092】
ソルビトール、ショ糖粉末、キシリトール、マルチトールを含む処方はいずれも分散性、分散時間が良好で透明な液状となり、マルトデキストリン、乳糖を含む処方は分散時間が遅く、長時間にわたり未溶解の球体が見られた。微結晶セルロースを含む処方は分散こそ早いが、微結晶セルロースが不溶性のため、液体状態が悪くなってしまった。そこで、より安価なショ糖パウダー(処方15)を選び、さらに検討を重ねた。
【0093】
実施例5 ショ糖粉末の投与量のスクリーニング
【0094】
ショ糖粉末は、乾燥結合剤、チュアブル錠や錠剤などの可溶化剤、甘味料として使用され、口当たりや粘性を高めるために食品や経口液剤の希釈剤として広く使用されている。本特許組成物では、希釈剤として使用される。ショ糖粉末の配合量の違いは、混合均一性や分散効果に直接影響し、87.5%、93.8%、95.8%、96.9%について製品への影響を検討し、処方構成と評価結果を表9、10に示す。ショ糖粉末の粒径D90は60-80メッシュであり、この実験は開発した製剤規格の選択に直接影響した。表9では、異なるショ糖比率を利用し、それぞれ500mg-2000mgの製剤規格を用いた(二酸化ケイ素とスクラロースの量は変更せず、ショ糖含有量を別途調整した)。
【0095】
サイズごとに水に溶かしたため、使用するキサンタンガムの濃度を一定に保つことができた。
【0096】
(表9)ショ糖粉末の配合量別処方組成(単位:mg)
【0097】
表9の基本項目の評価結果を表10にまとめた。
(表10)
【0098】
RSD:同一バッチから採取した10サンプルのスクラロース含有量を測定し、その相対標準偏差を表したもの。
【0099】
87.5%~96.9%のショ糖粉末は粘度に大きな影響を与えず、RSDは要求値(5%未満)であった。しかし、96.9%ショ糖粉末を含む処方の混合均一性のRSDは3.95%と高く、87.5%ショ糖粉末の規格は500mgで1包の重量で大きな偏差が生じる傾向があった。したがって、本特許では87.5%-96.9%のショ糖粉末が選ばれ、好ましくは93.8%-95.8%であった。
【0100】
実施例6 ショ糖粉末の粒子径のスクリーニング
【0101】
実施例5でショ糖粉末の適用範囲を決定した後、本特許ではショ糖粉末の配合量を90%以上とし、粒子径が製品の混合均一性に直接影響するようになり、20-40メッシュ、40-60メッシュ、60-80メッシュ、80-100メッシュのD90が製品混合の均一性に及ぼす影響について検討した。
【0102】
(表11)きび砂糖粉末の粒径別処方組成(単位:mg)
【0103】
表11の基本項目の評価結果を表12にまとめた。
(表12)
【0104】
したがって、ショ糖の粒径は製品の品質に直接影響を与える。ショ糖粉末D90が40~100メッシュの範囲にある場合、分散時間および粘度に大差はなく、混合均一性は非常に良好であった。ショ糖粉末D90が20~40メッシュの範囲にある場合、混合均一性はRSD6.76%で失敗と見なされた。したがって、40メッシュ-100メッシュのショ糖粉末D90が好ましい。
【0105】
実施例7 コロイド状二酸化ケイ素の投与量のスクリーニング
【0106】
この製品は特効薬と考えることができ、識別剤としてスクラロースのRSDを実験したところ(スクラロースは処方量が最も少ない)、本発明では流動化剤を含まなければならないことが判明された。コロイド状二酸化ケイ素は医薬品、化粧品、食品に広く使用されている。粒径が小さく、比表面積が大きいため、流動性に優れ、乾燥粉末の流動性を向上させるために多くのプロセスで利用できる特徴を持っている。本特許組成物では流動化剤として使用されている。二酸化ケイ素を0%、0.5%、1.0%、2.0%、3.0%添加した場合の組成への影響(表13)を検討した(表14)。
【0107】
(表13)コロイド状二酸化ケイ素の配合量別処方組成(単位:mg)
【0108】
表13の基本項目の評価結果を表14にまとめた。
(表14)
【0109】
スクラロースは製剤中に0.5%以下しか含まれず、均質な混合には粉体の良好な流動性が求められる。コロイド状二酸化ケイ素の配合量が0.5%~3%の範囲であれば、混合均一性(スクラロース含有量で測定)が良好で、分散効果や分散時間も要件を満たしている。しかし、二酸化ケイ素がない場合は、RSDが5.43%となり、混合均一性が損なわれた(RSD>5%)。
【0110】
0.5%二酸化ケイ素では、混合均一性が内部コントロールに達しなかった(RSD<3.0%)。二酸化ケイ素が1~3%の場合、混合均一性は非常に良好(RSD<3.0%)であったため、好ましい二酸化ケイ素の量は0.5~3%、好ましくは1.0~3.0%であった。
【0111】
実施例8 異なるサイズの処方組成および分散時間(単位:mg)
【0112】
処方15に従って仕様スクリーニングを行い、異なるサイズの組成物の分散時間を調べた結果を表15に示した。サイズが大きくなると、分散時間が長くなる。サイズは5g以下が好ましくとされ、それ以上のサイズでは機能性も変わってしまう可能性がある。
【0113】
(表15)サイズ別の処方組成および分散時間(単位:mg)
【0114】
したがって、今回の結果から、1.5g~5gの大きさの処方15が適切であることが示唆された。
【0115】
実施例9 香料の処方
【0116】
実験例9は、追加の補足実験に属し、本特許の発明者は、多数の試験と各処方の比率の組成の最終決定を通じて、香料に対する患者の要求を考慮し、著者らはまた、それぞれ香料を含む処方を準備し、その組成と評価パラメータは、次の表16および表17に示す。
【0117】
(表16)香料を含む処方組成(単位:mg)
【0118】
表16の処方基本項目の評価結果を表17にまとめた。
(表17)
【0119】
各処方の混合均一性はすべての処方で<3.0%であり、分散時間および粘度は要件を満たしているため、ショ糖の量を適度に減らし、少量の香料を加えたところで、本製品の均一性に影響を与えることはない。提供されたデータはショ糖のみに基づいており、低カロリーのマルチトールを用いて製品を製造した場合、また同じ仕様やソルビトール、キシリトールなどを用いた場合にも同じ結論が得られた。
【0120】
実施例
表18に示す実施例(シルデナフィル錠を除く)で使用した薬剤は、すべてJD医薬より購入したものであり、さらにそれらを用いた実施例の検討結果を表19にまとめた。
【0121】
(表18)薬剤情報および調製懸濁剤の最終濃度
【0122】
調製方法は以下の通りである。
【0123】
1.水24ml又は19mlを、混合容器に注ぎ、上記の錠剤1錠を加え、振とうして、完全に分散させる。
【0124】
2.本特許に記載の組成物1.5g(処方11又は処方15)を注ぎ、30秒間振とうした後、最終容量を25ml又は20mlとし、最終濃度は表18に示すとおりとする。
【0125】
3.調合した懸濁剤の上、中、下にそれぞれ1mlを取り、HPLCでその含有量を測定する。
【0126】
(表19)各種薬剤の調製懸濁剤の含有量に関するデータのまとめ
【0127】
このデータから、調合した懸濁剤の結果は、いずれも90.0%~110.0%の範囲にあり、含有量は要件を満たし、RSDはいずれも5%未満であると結論付けることができる。本特許の処方11と処方15の懸濁助剤組成物を使用することで、各種錠剤の正確な分割投与が可能になる。
【国際調査報告】