(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】空気ろ過カセット、空気フィルタ、及び、フィルタ配置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/24 20060101AFI20240118BHJP
B01D 46/30 20060101ALI20240118BHJP
B01D 46/56 20220101ALI20240118BHJP
【FI】
B01D46/24 Z
B01D46/30 Z
B01D46/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023528103
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 SE2021051156
(87)【国際公開番号】W WO2022119489
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523168054
【氏名又は名称】カムフィル アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘドランド,ケニー
(72)【発明者】
【氏名】ケナドザー,ヴィンセント アルン
(72)【発明者】
【氏名】リンダール,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】クリスナン,マゲシュヴァラン ムトゥ
(72)【発明者】
【氏名】ウーグ,マシュー
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA03
4D058JA60
4D058JB03
4D058JB14
4D058JB32
4D058KA18
4D058KA23
4D058KA25
4D058SA13
4D058TA02
4D058UA25
(57)【要約】
使用中、第1の端部から第2の端部への所期の空気流方向に関して、第1の端部と第2の端部との間の長さ方向に延在する空気ろ過カセットである。空気ろ過カセットは、外側境界面と内側境界面との間に配設されたフィルタ材料と、内側境界面及びフィルタ材料によって包含された内部オープンスペースと、オープンスペースの一方の端部に配置されオープンスペースの他方の端部で閉じられる開口と、を備える。第2の端部における内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、第1の端部における内側境界と外側境界との間の平均距離よりも長く、内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、空気ろ過カセットの長さに沿って選択された位置における長さ方向に対して垂直な方向の、内側境界面と外側境界面との間のすべての距離の平均である。更に、空気ろ過カセットは、空気フィルタ及びフィルタ配置を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中、第1の端部(17、27)から第2の端部(18、28)への所期の空気流方向に関して、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さ方向(L)に延在する空気ろ過カセット(10、20)であって、
前記空気ろ過カセットは、外側境界面(13、23)と内側境界面(14、24)との間に配設されたフィルタ材料(12、22)を備え、
前記空気ろ過カセットは、前記内側境界面及び前記フィルタ材料によって包含された内部オープンスペース(15、25)と、前記オープンスペースの一方の端部(11、21)に配置され前記オープンスペースの他方の端部(16、26)で閉じられる開口(19、29)と、を有し、
前記第2の端部(18、28)における前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の平均距離(D2、D20)は、前記第1の端部(17、27)における前記内側境界と前記外側境界との間の平均距離(D1、D10)よりも長いことを特徴とし、
前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の前記平均距離は、前記空気ろ過カセットの前記長さに沿って選択された位置における前記長さ方向に対して垂直な方向の、前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間のすべての距離の平均である、空気ろ過カセット。
【請求項2】
前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の前記平均距離(D2、D20)は、前記第1の端部(17、27)と前記第2の端部(18、28)との間の前記空気ろ過カセットの前記長さ方向(L)に沿って連続的に変化するか、又は、前記第1の端部(17、27)と前記第2の端部(18、28)との間の前記空気ろ過カセットの前記長さ方向(L)に沿って段階的に変化するか、あるいは、それらの組み合わせである、請求項1に記載の空気ろ過カセット。
【請求項3】
前記内側境界面(14、24)及び前記外側境界面(13、23)は、前記長さ方向に沿って各断面において同じ断面形状を有する、請求項1又は2に記載の空気ろ過カセット。
【請求項4】
前記外側境界面(13、23)及び前記内側境界面(14、24)のうちの少なくとも1つは、円錐又はピラミッドあるいはそれらの錐台の形状を有するか、あるいは、円錐又はピラミッドの形状あるいはそれらの錐台あるいは円柱又は平行6面体の形状を有する、いくつかの連続セクションを備える、請求項1から3の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項5】
前記外側境界面(13、23)は、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、好ましくは、前記空気ろ過カセットの縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有する、請求項4に記載の空気ろ過カセット。
【請求項6】
前記内側境界面(14、24)は、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、好ましくは、前記空気ろ過カセットの場合縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有する、請求項4に記載の空気ろ過カセット。
【請求項7】
前記外側境界面(13)及び前記内側境界面(14)の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、
前記内側境界面(14)は、前記外側境界面(13)よりも前記第2の端部(18)に向かってより先細になる、請求項4から6の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項8】
前記第2の端部(18)における前記内側境界面(14)と前記外側境界面(13)との間の前記平均距離(D2)は、前記第1の端部(17)における前記内側境界と前記外側境界との間の前記平均距離(D1)よりも少なくとも10%長い、請求項7に記載の空気ろ過カセット。
【請求項9】
前記外側境界面(23)及び前記内側境界面(24)の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、
前記内側境界面(24)は、前記外側境界面(23)よりも前記第1の端部(27)に向かって先細にならない、請求項4から6の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項10】
前記第2の端部(28)における前記内側境界面(24)と前記外側境界面(23)との間の前記平均距離(D20)は、前記第1の端部(27)における前記内側境界と前記外側境界との間の前記平均距離(D10)よりも少なくとも10%長い、請求項9に記載の空気ろ過カセット。
【請求項11】
前記内側(14、24)及び前記外側(13、23)の境界面は、空気透過性構造からなり、好ましくはメッシュ又は格子材料で作られ、好適にはプラスチック材料又は金属で作られる、請求項1から10の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項12】
前記フィルタ材料(12、22)は、空気フィルタ媒体のベッドであり、好ましくは顆粒、球体、又はペレットの形であり、
前記空気フィルタ媒体は、好ましくは、ガス状汚染物質又は蒸気状汚染物質の除去のための吸着剤である、請求項11に記載の空気ろ過カセット。
【請求項13】
前記外側境界面(13、23)の最大直径は、50~200mm、好ましくは130~160mmであり、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記カセットの長さは、好ましくは150~800mm、より好ましくは230~650mmであり、
前記外側と内側の境界面間のボリュームは、好ましくは0.6~6リットルである、請求項1から12の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項14】
ベースプレート(31)及び請求項1から13に記載の1つ以上の空気ろ過カセット(10、20)を備える空気フィルタ(30)であって、
前記ベースプレートは、1つ以上の開口(32)を有し、
各空気ろ過カセット(10、20)の開口(19、29)が前記ベースプレートの開口(32)に対応するように、1つ以上の空気ろ過カセットが前記ベースプレートに載置される、空気フィルタ。
【請求項15】
互いに近接して何列かに、好ましくは2~6列に配置され、各列は好ましくは2~6個の空気ろ過カセットを含む、複数の空気ろ過カセットを備える、請求項14に記載の空気フィルタ。
【請求項16】
請求項14から15に記載の1つ以上の空気フィルタを備えるフィルタ配置(33)であって、
前記空気フィルタは、前記空気ろ過カセットが実質的に水平又は垂直方向に延在するように載置される、フィルタ配置(33)。
【請求項17】
前記1つ以上の空気フィルタの前記ベースプレート(31)を受け取るように適合された開口(37)を有するフィルタハウジング(36)を更に備え、
前記フィルタ配置は、前記空気ろ過カセット(10、20)が前記ハウジング内に位置するように前記フィルタハウジング内に配置される、請求項16に記載のフィルタ配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気流内の汚染物質の除去で使用するのに適した、空気ろ過カセット、空気フィルタ、及び、フィルタ配置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業用途において、産業設備及び作業空間に清浄な空気を提供するため、又は、こうした場所から出る空気から汚染物質を除去するために、分子、ガス、蒸気、又は粒子の形の汚染物質を空気流から除去することが求められている。汚染物質の除去は、典型的には、空気流を、汚染の要件に関して選択された特性を有するフィルタ材料を備えるフィルタを通過させることによって達成される。こうしたフィルタは、垂直壁に取り付けられた複数の管状フィルタユニットを含むことが可能であり、フィルタユニットは、フィルタ材料を備える二重壁管を含む。文献US7708795B2は、こうした空気フィルタの例を示す。
【発明の概要】
【0003】
本開示の目的は、フィルタ材料の有効利用及び動作サービス寿命の延長を実行可能にする、空気ろ過カセットを提供することである。
【0004】
したがって、本開示によれば、使用中、第1の端部から第2の端部への所期の空気流方向に関して、第1の端部と第2の端部との間の長さ方向に延在する空気ろ過カセットが提供される。空気ろ過カセットは、外側境界面と内側境界面との間に配設されたフィルタ材料を備え、空気ろ過カセットは、内側境界面及びフィルタ材料によって包含された内部オープンスペースを有し、オープンスペースの一方の端部に配置され、オープンスペースの他方の端部で閉じられる、開口を有する。
【0005】
カセットの第2の端部における内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、カセットの第1の端部における内側境界と外側境界との間の平均距離よりも長い。「第1の端部における」及び「第2の端部における」という用語は、最も外側の部分におけるか又は最も外側の部分に近い位置、好ましくは、それぞれ、第1及び第2の端部に最も近い空気ろ過カセットの全長の10%以内に配置された位置、を意味する。したがって、内側と外側の境界面間の最も長い平均距離は、好ましくは、空気ろ過カセットの第2の端部の最も外側の部分における位置に配置され、同様に、内側と外側の境界面間の最も短い距離は、好ましくは、空気ろ過カセットの第1の端部の最も外側の部分における位置に配置されるが、境界面間の距離は、空気ろ過カセットの第1及び第2の端部の最も外側の部分の一方又は両側において変化するように企図可能であり、結果として、境界面間の最も長い距離の外側に減少、及び/又は、最も短い距離の外側に増加する。
【0006】
内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、空気ろ過カセットの長さに沿って選択された任意の位置における長さ方向に対して垂直な方向の、内側境界面と外側境界面との間のすべての距離の平均である。カセットの第1の端部よりも第2の端部において境界面間のより長い距離を提供することによって、境界面間に配置されるフィルタ材料の厚みは、第2の端部においてより大きくすることが可能であり、それによってフィルタリング効率を向上させることができる。
【0007】
内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、空気ろ過カセットの第1の端部と第2の端部との間の長さ方向に沿って好適には連続的に変化し得る、又は代替として、この平均距離は、第1の端部と第2の端部との間の長さ方向に沿って段階的に変化し得る、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【0008】
内側境界面及び外側境界面は、長さ方向に沿って各断面において同じ断面形状を有し得、断面は長さ方向に対して垂直である。
【0009】
有利なことに、外側境界面及び内側境界面のうちの少なくとも1つは、円錐又はピラミッドあるいはそれらの錐台の形状を有し得るか、あるいは、円柱又は平行6面体の形状を有する、いくつかの連続セクションを備え得る。
【0010】
外側境界面は、好ましくは、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め得、好ましくは、空気ろ過カセットの縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有し、内側境界面は、好ましくは、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め得、好ましくは、空気ろ過カセットの場合縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有する。
【0011】
好ましい一実施形態によれば、外側境界面及び内側境界面の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、内側境界面は外側境界面よりも第2の端部に向かってより先細になる。次いで、第2の端部における内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、第1の端部における内側境界と外側境界との間の平均距離よりも少なくとも10%長いものとし得る。
【0012】
別の好ましい実施形態によれば、外側境界面及び内側境界面の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、内側境界面は外側境界面よりも第1の端部に向かって先細にならない。次いで、第2の端部における内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、第1の端部における内側境界と外側境界との間の平均距離よりも少なくとも10%長いものとし得る。
【0013】
内側及び外側の境界面は、好適には空気透過性構造からなり得、好ましくはメッシュ又は格子材料で作られ得、好適にはプラスチック材料又は金属で作られ得る。
【0014】
フィルタ材料は、好適には空気フィルタ媒体のベッド、好ましくは顆粒、球体、又はペレットの形であり得、空気フィルタ媒体は、好ましくは、ガス状汚染物質又は蒸気状汚染物質の除去のための吸着剤である。
【0015】
外側境界面の最大直径は、好適には80~200mm、より好ましくは130~160mmであり得、第1の端部から第2の端部までの空気ろ過カセットの長さは、好ましくは150~800mm、より好ましくは230~650mmである。
【0016】
本開示は、ベースプレート及び前述のような1つ以上の空気ろ過カセットを備える空気フィルタにも関し、ベースプレートは1つ以上の開口を有し、各空気ろ過カセットの開口がベースプレートの開口に対応するように、1つ以上の空気ろ過カセットがベースプレートに載置される。空気フィルタは、好適には互いに近接して何列かに、好ましくは3~6列に配置され、各列は好ましくは3~6個の空気ろ過カセットを含む、複数の空気ろ過カセットを備え得る。
【0017】
本開示は、前述のような1つ以上の空気フィルタを備えるフィルタ配置にも関し、空気フィルタは、空気ろ過カセットが実質的に水平方向に延在するように載置される。フィルタ配置は、1つ以上の空気フィルタのベースプレートを受け取るように適合された開口を有するフィルタハウジングを更に備え得、フィルタ配置は、空気ろ過カセットがハウジング内に位置するようにフィルタハウジング内に配置される。ハウジング内でフィルタベースプレートを受け取る開口とは反対側に別の開口が配置されるため、ハウジング内にフィルタが設置されるとき、空気はフィルタを介して流れることが可能となる。フィルタ及び空気ろ過カセットにアクセス可能であり、所望であれば取り外し又は交換できるように、ドアが提供可能である。
【0018】
本開示は、下記の詳細な説明から明らかとなろう。詳細な説明及び特定の例は、単なる例として本開示の好ましい実施形態を開示する。当業者であれば、詳細な説明における指針から、本開示の範囲内で変更及び改変が行われ得ることを理解されよう。
【0019】
本開示の前述の目的並びに付加的な目的、特徴、及び利点は、添付の図面に関連して行われる、本開示の例示の実施形態の下記の例示的及び非限定的な詳細な説明を参照することによって、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の第1の実施形態に従った、空気ろ過カセットを示す概略断面図である。
【
図3】本開示の第2の実施形態に従った、空気ろ過カセットを示す概略断面図である。
【
図5】
図1に示された本開示の第1の実施形態の変形に従った、空気ろ過カセットを示す概略断面図である。
【
図7】
図3に示された本開示の第2の実施形態の変形に従った、空気ろ過カセットを示す概略断面図である。
【
図9】第1の実施形態に従った、空気ろ過カセットを示す断面斜視図である。
【
図10】第1の実施形態に従った、空気ろ過カセットを含むフィルタを示す断面斜視図である。
【
図11】本開示に従った、フィルタを含むフィルタ配置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
したがって、本開示によれば、第1と第2の端部間に長さ方向に延在し、使用中、第1の端部から第2の端部への所期の空気流方向に関連する、空気ろ過カセットが提供される。
【0022】
空気ろ過カセットは、外側境界面と内側境界面との間に配設されるフィルタ材料を備える。したがって、管状フィルタ材料ボリュームは外側境界面と内側境界面との間に形成され、フィルタ材料ボリュームは、好ましくは、例えばキャップを用いて、空気ろ過カセットの第1及び第2の端部においてその端部セクションで閉じられる。内部オープンスペースは内側境界面及びフィルタ材料によって包含され、オープンスペースの一方の端部に配置された開口を有し、その他方の端部で閉じられる。したがって、空気ろ過カセットは、内部オープンスペースの開口における開口端、及び、長さ方向反対側の端部における閉口端を有するものと説明可能である。内部オープンスペースの閉口端は、エンドキャップによって密封され得る。内部オープンスペースの閉口端を密封するエンドキャップは、空気ろ過カセットの端部を密封するように配置可能であるため、フィルタ材料ボリュームの端部は閉じられることになる。
【0023】
使用中、空気ろ過カセットは、有利なことに、内部オープンスペースの閉口端、及びフィルタ材料ボリュームの任意選択での閉口端に起因して、空気ろ過カセットを通る空気流がフィルタ材料を通過せざるを得ないように、フィルタ内に載置される。これは、空気流が空気ろ過カセットを迂回するのを防ぐベースプレート又は壁に、空気ろ過カセットを載置することによって達成可能である。載置プレートが、所望であればシーリングガスケットを含む、空気ろ過カセットの開口端に取り付けられ得る。空気ろ過カセットは、好ましくは、例えば、対応する受け取り開口をベースプレートにはめ合わせるために配設された突出要素の形とすることが可能な取り付け配置によって、フィルタのベースプレートに解放可能に載置される。
【0024】
本開示の第1の実施形態において、ろ過されるべき空気は、内部オープンスペースの開口から空気ろ過カセットの閉口端に向かう方向に流れ、フィルタ材料を介して出るように意図される。
【0025】
本開示の第2の実施形態において、ろ過されるべき空気は、空気ろ過カセットの閉口端から内部オープンスペースの開口に向かう方向に流れ、フィルタ材料を介して出るように意図される。
【0026】
下記でより詳細に説明するように、空気ろ過カセット内部のオープンスペースの一方の端部における開口に対応する空気流開口を有するベースプレートに、複数の空気ろ過カセットを取り付けることが可能な、空気フィルタ配置が提供される。ベースプレートは、開口のみを介した空気流の通り道を承認する。空気ろ過カセットは、実質的にベースプレートに直角の方向に延在し、互いに近接して何列かに配置される。空気フィルタ配置は反対側の端部で開き、近接する空気ろ過カセット間に何らかのフリースペースが存在する。
【0027】
空気ろ過カセットの第2の端部における内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、空気ろ過カセットの第1の端部における内側境界と外側境界との間の平均距離よりも長い。内側境界面と外側境界面との間の平均距離は、空気ろ過カセットの長さに沿った或る位置における長さ方向に垂直な半径方向の、内側境界面と外側境界面との間のすべての距離の平均である。これは、内側境界面と外側境界面との間の距離が外周付近どこでも同じであることが可能であり、これは、内側及び外側の両方の境界面が例えば円形又は楕円形の同じ断面形状を有する場合、あるいは、境界面が同じ断面形状を有し、互いに異なる断面形状のコーナーなどを伴って形成される場合である。内側及び外側の境界面の断面形状は、外側境界面に沿って変動し得、内側境界面の断面形状は、空気ろ過カセットの長さに沿った特定の断面位置における外側境界面の断面形状とは異なり得る。したがって、内側と外側の境界面間の距離は、外側と内側の境界面間の平均距離として表される。下記では簡単にするために、特に規定されない限り、「距離」という用語は「平均距離」を示すために用いられる。
【0028】
内側境界面と外側境界面との間の距離は、空気ろ過カセットの第1の端部から空気ろ過カセットの第2の端部へと減少し、すなわち距離は所期の空気流方向で増加するため、フィルタ材料は、空気ろ過カセットの排気端部においてより大きな厚みを有する。
【0029】
したがって、内側境界面と外側境界面との間の距離は、内側と外側の境界面間の、空気ろ過カセット内にフィルタ材料を配置するために使用可能なスペースを示し、したがって、空気ろ過カセットの或る断面におけるフィルタ材料の厚みに対応する。カセットの第1の端部よりも第2の端部において境界面間のより長い距離を提供することによって、境界面間に配置されるフィルタ材料の厚みは、第1の端部よりも第2の端部においてより大きくなり得る。
【0030】
フィルタ材料の厚みが増加すると、典型的には圧力降下の増加につながり、フィルタ材料を介する空気流速度は減少し、空気とフィルタ材料との間の接触時間の増加につながる。したがって、そうでなければ典型的には円柱形の外側を有する空気ろ過カセットにおける問題となり得る、フィルタ材料を介する空気流速度の不均一さを緩和することができる。したがって、より大きなフィルタ材料厚みを排気端部に提供することによって、空気ろ過カセットは、フィルタ材料についての接触時間が空気ろ過カセット全体を通じてより均一になり得るように、寸法を決定することができる。これにより、フィルタ材料のフィルタリング能力が空気ろ過カセット全体にわたってより均一に消耗し、したがって、空気ろ過カセットの有効サービス寿命を延長することになるフィルタ材料がより効果的に利用可能であるか、又は、サービス寿命が維持されるフィルタ材料の使用が少なくなる。
【0031】
外側境界面の最大直径は、好適には50~200mmの、好ましくは130~160mmの範囲内であり得る。最大直径により、その最大点における空気ろ過カセットの直径が意図される。外側境界面がその周囲に沿って変動する直径を有する場合、平均最大直径が前述の最大直径に取って代わることになる。外側境界面の平均直径は、空気ろ過カセットの長さ方向に対して垂直な平面における断面のすべての直径の平均である。外側境界面の最小直径、すなわち、空気ろ過カセットの最も短い直径は、好適には40~150mmであり得る。第1の端部から第2の端部までの空気ろ過カセットの長さは、好ましくは150~800mm、より好ましくは230~650mmである。
【0032】
内側及び外側の境界面は、好適には通気性構造で構成され得、好ましくはメッシュ又は格子材料で作られ得、好適にはPPなどのプラスチック材料、あるいはアルミニウム又はスチールなどの金属で作られ得る。非常に微粒子のフィルタ媒体が使用される場合、フィルタ媒体が外側へ落ちるのを防ぐために織又は不織ライニングが使用可能である。
【0033】
内側境界面と外側境界面との間の距離は、第1の端部と第2の端部との間で空気ろ過カセットの長さ方向に沿って連続的に変化する、又は、第1の端部と第2の端部との間で空気ろ過カセットの長さ方向に沿って段階的に変化する、あるいはその組み合わせである。
【0034】
外側及び内側の境界面間に形成されるボリュームの断面形状は、或る断面での内側及び外側の境界面の断面形状に依存する。内側及び外側の境界面は、任意の断面形状を有することが可能であり、好ましくは、円形、楕円形、四角形、長方形、六角形、八角形などの、少なくとも1つの平面に関して対称形である。内側境界面は、好ましくは、長さ方向に沿った各断面において、外側境界面と同じ断面形状を有し得る。それによって、内側と外側の境界面間の距離は、内側及び外側の境界面の周囲付近の各半径位置における内側と外側の境界面間の実際の距離と実質的に同じとなり、結果として、空気ろ過カセットの長さに沿った所与のセクションにおいて、半径方向に一様なフィルタ材料厚みを生じさせ、したがって、フィルタ材料を介した半径方向の均一な空気流を生じさせる。
【0035】
フィルタ材料は、好適には空気フィルタ媒体のベッド、好ましくは顆粒、球体、又はペレットの形であり得、1~6mm(顆粒)、1~6mm(ペレット)、又は1~6mm(球体直径)のサイズを有し得る。空気フィルタ媒体は、好ましくは、活性炭又は活性アルミナなどの、ガス状汚染物質又は蒸気状汚染物質の除去のための吸着剤である。フィルタ材料は、粒子フィルタ材料とすることもできる。空気ろ過カセットは、0.6~6リットルのフィルタ媒体を含み得る。
【0036】
フィルタ材料は、顆粒、球体、又はパレットの焼結体とすることが可能であり、そうである場合、フィルタ材料は自立式となるため、上述の通気性構造は不必要であり得る。
【0037】
内側境界面及び外側境界面は、好適には、長さ方向に沿って各断面において同じ断面形状を有し得、空気ろ過カセットの製造及び組み立てを容易にし得る。
【0038】
外側境界面及び内側境界面のうちの少なくとも1つは、好ましくは円錐又はピラミッド、あるいはそれらの錐台の形状を有し得、それによって、空気ろ過カセットの第2の端部において、内側と外側の境界面間に、より長い距離を提供することを容易にする。代替として、内側及び外側の境界面はいくつもの連続セクションを備え得、セクションは、円錐又はピラミッドあるいはそれらの錐台の形状、あるいは円柱又は平行6面体の形状を有することが可能であり、すべてのセクションは、円錐/ピラミッドセクションを有することが可能であり、あるいは、1つ以上の円柱又は平行6面体セクションは、1つ以上の円錐/ピラミッドセクションと組み合わせることが可能である。
【0039】
外側境界面は、有利なことに、空気ろ過カセットの閉口端、すなわち、第1の実施形態では排気端部、及び第2の実施形態では吸気端部に向かって、先細になるような形状を有し得る。カセットの先細外側面は、空気ろ過カセットの外側に通気道に使用可能な増加したスペースを提供し、これが更にフィルタ材料を介する圧力降下を低下させることができる。先細外側境界形状は、円錐又はピラミッドあるいはそれらの錐台の形状を有するように外側境界面を提供することによって好適に得ることができる。空気ろ過カセットの縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角の外側境界面は、最適な圧力降下の低下を得るために好適であり得る。内側境界面は、空気ろ過カセットの長さに沿ったフィルタ材料厚みの変動を可能にするために、好ましくは、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め得るため、空気ろ過カセット全体を通じてより均一な接触時間を与える。傾斜角は、好ましくは、空気ろ過カセットの場合縦の中心軸に関して1~10°であり得る。
【0040】
第1の実施形態において、内側及び外側の境界面は、好ましくは両方とも円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、この場合、内側境界面は外側境界面よりも第2の端部(排気端部)に向かってより先細になる。したがって、内側と外側の境界面間に配設されるフィルタ材料の厚みは、吸気端部よりも排気端部の方が大きい。前述のように、本実施形態では、吸気端部は空気ろ過カセットの開口端である。空気ろ過カセットの長さに沿って空気流の或る部分がどこを通るかにかかわらず、空気流とフィルタ材料との間の均一な接触時間を得るために、第2の端部(排気端部)における内側と外側の境界面間の距離は、第1の端部(吸気端部)における内側と外側の境界面間の距離よりも、好ましくは少なくとも10%長い。本実施形態では、排気端部における内側と外側の境界面間の距離は、吸気端部における距離よりも最大3倍長くてよい。
【0041】
第2の実施形態において、内側及び外側の境界面は、好ましくは両方とも円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、この場合、内側境界面は外側境界面よりも第1の端部(吸気端部)に向かってより先細にならない。前述のように、本実施形態では、吸気端部は空気ろ過カセットの閉口端である。したがって、本実施形態においても、内側と外側の境界面間に配設されるフィルタ材料の厚みは、吸気端部よりも排気端部の方が大きい。空気ろ過カセットの長さに沿って空気流の或る部分がどこを通るかにかかわらず、空気流とフィルタ材料との間の均一な接触時間を得るために、第2の端部(排気端部)における内側と外側の境界面間の距離は、第1の端部(吸気端部)における内側と外側の境界面間の距離よりも、好ましくは少なくとも10%長い。本実施形態では、吸気端部における内側と外側の境界面間の距離は、排気端部における距離よりも最大3倍長くてよい。
【0042】
前述のように、本開示は、ベースプレート及び1つ以上の空気ろ過カセットを備える空気フィルタにも関する。ベースプレートは、プラスチック材料又は金属で作られ、1つ以上の開口を有することができる。1つ以上の空気ろ過カセットは、各空気ろ過カセットの開口がベースプレートの開口に対応するように、ベースプレートに載置される。空気フィルタは、好適には互いに近接して何列かに、好ましくは3~6列に配置され、各列は好ましくは3~6個の空気ろ過カセットを含む、複数の空気ろ過カセットを備え得る。例えば空気フィルタは、4×4配置内に16の空気ろ過カセットを備えることが可能であり、およそ600×600mmのサイズを有することが可能である。ベースプレートは、好ましくはフィルタ配置内の開口に収まるように設計される。空気ろ過カセットは、好ましくはベースプレートに解放可能に取り付けられるため、吸着剤が消耗したときにリサイクル可能である。
【0043】
本開示は、前述の1つ以上の空気フィルタを備えるフィルタ配置にも関し、空気フィルタは、空気ろ過カセットが実質的に水平方向に延在し、好ましくは、任意の空気ダクトの断面域を覆うために縦横に配置されるように、載置される。フィルタ配置は、1つ以上の空気フィルタのベースプレートを受け取るように適合された開口を有するフィルタハウジングも備え得、フィルタ配置は、空気ろ過カセットがハウジング内に位置するように、フィルタハウジング内に配置される。
【0044】
本開示は、下記の詳細な説明から明らかとなろう。詳細な説明及び特定の例は、本開示の好ましい実施形態を単なる例として開示する。当業者であれば、本開示の範囲内で変更及び改変が可能である旨を、詳細な説明におけるガイダンスから理解する。
例示の実施形態
【0045】
次に、本開示の好ましい例示の実施形態が示された添付の図面を参照しながら本開示を説明する。しかしながら、本開示は他の形で具体化可能であり、本明細書で開示された実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。開示される実施形態は、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0046】
図1は、本開示に従った第1の実施形態の概略断面図であり、
図2a及び
図2bは、それぞれ
図1の線A-A及びB-Bに沿った概略図である。本実施形態において、空気ろ過カセット10は、第1の端部17と第2の端部18との間で長さ方向Lに延在し、所期の空気流方向は、
図1において白い矢印で示されるように、使用中、第1の端部から第2の端部への方向である。したがって空気は、開口端から、内部オープンスペース15の開口19を介し、フィルタ材料12を介して出る方向に、空気ろ過カセットを介して流れる。フィルタ材料12は、外側境界面13と内側境界面14との間に配設され、内部オープンスペース15は、内側境界面及びフィルタ材料によって包含される。開口19は内部オープンスペースの一方の端部11に配置され、内部オープンスペースはその他方の端部16で閉じられる。空気ろ過カセットの端部は、内部オープンスペースの端部及びフィルタ材料の端部の両方を覆うエンドキャップ(図示せず)によって密封することができる。第1の実施形態のこの変形において、内部及び外部の境界面はどちらも、正方形底面のピラミッド錐台41の形状を有し、空気ろ過カセットの長さ全体にわたって断面形状は同じである。図に示されるように、空気ろ過カセットの第2の(排気)端部18における内側境界面14と外側境界面13との間の距離D
2は、第1の(吸気)端部17における内側境界と外側境界との間の距離D
1よりも長く、内側境界面14は外側境界面13よりも第2の端部18に向かってより先細になる。
【0047】
図3は、本開示に従った第2の実施形態の概略断面図であり、
図4a及び
図4bは、それぞれ
図3の線C-C及びD-Dに沿った概略図である。本実施形態において、空気ろ過カセット20は、第1の端部27と第2の端部28との間で長さ方向Lに延在し、所期の空気流方向は、
図3において白い矢印で示されるように、使用中、第1の端部から第2の端部への方向である。したがって空気は、閉口端から、フィルタ材料22を介し、内部オープンスペース25の開口29を介して出る方向に、空気ろ過カセットを介して流れる。フィルタ材料22は、外側境界面23と内側境界面24との間に配設され、内部オープンスペース25は、内側境界面及びフィルタ材料によって包含される。開口29は内部オープンスペースの一方の端部21に配置され、内部オープンスペースはその他方の端部26で閉じられる。空気ろ過カセットの端部は、内部オープンスペースの端部及びフィルタ材料の端部の両方を覆うエンドキャップ(図示せず)によって密封することができる。第2の実施形態のこの変形において、内部及び外部の境界面はどちらも、円形円錐台42の形状を有し、空気ろ過カセットの長さ全体にわたって断面形状は同じである。図に示されるように、空気ろ過カセットの第2の(排気)端部28における内側境界面24と外側境界面23との間の距離D
20は、第1の(吸気)端部27における内側境界と外側境界との間の距離D
10よりも長く、内側境界面24は外側境界面23よりも第1の端部27に向かってより先細にならない。
【0048】
図1から
図4a、
図4bに示される第1及び第2の実施形態の変形において、内側境界面14、24と外側境界面13、23との間の距離D2、D20は、内側及び外側の境界面が円錐又はピラミッド形状を有するように、第1の端部17、27と第2の端部18、28との間の空気ろ過カセットの長さ方向(L)に沿って連続的に変化する。
図5から
図8a、
図8bに示される第1及び第2の実施形態の変形において、内側境界面14、24と外側境界面13、23との間の距離D2、D20は、内側及び外側の境界面が、円錐又はピラミッド形状を有するセクション及び円柱形状を有するセクションの両方を含むように、第1の端部17、27と第2の端部18、28との間の空気ろ過カセットの長さ方向(L)に沿って段階的に変化する。
【0049】
図6a及び
図6bは、それぞれ、
図5の線A-A及びB-Bに沿った概略図であり、
図5は、
図1に示される本開示の第1の実施形態の変形に従った、第1の実施形態の概略断面図である。本実施形態において、空気ろ過カセット10は、第1の端部17と第2の端部18との間で長さ方向Lに延在し、所期の空気流方向は、
図5において白い矢印で示されるように、使用中、第1の端部から第2の端部への方向である。したがって空気は、開口端から、内部オープンスペース15の開口19を介し、フィルタ材料12を介して出る方向に、空気ろ過カセットを介して流れる。フィルタ材料12は、外側境界面13と内側境界面14との間に配設され、内部オープンスペース15は、内側境界面及びフィルタ材料によって包含される。開口19は内部オープンスペースの一方の端部11に配置され、内部オープンスペースはその他方の端部16で閉じられる。空気ろ過カセットの端部は、内部オープンスペースの端部及びフィルタ材料の端部の両方を覆うエンドキャップ(図示せず)によって密封することができる。第1の実施形態のこの変形において、内側境界面は、空気ろ過カセットの長さ全体にわたって、外側境界面と同じ断面形状を有し、両方の境界面は、空気ろ過カセットの長さに沿って3つのセクションを備え、第1のセクション43aは円形円錐台の形状を有し、第2のセクション43bは円柱形状を有し、第3のセクション43cは円形円錐台の形状を有する。図に示されるように、空気ろ過カセットの第2の(排気)端部18における内側境界面14と外側境界面13との間の距離D
2は、第1の(吸気)端部17における内側境界と外側境界との間の距離D
1よりも長く、内側境界面14は外側境界面13よりも第2の端部18に向かってより先細になる。
【0050】
図7は、
図3に示された本開示の第2の実施形態の変形に従った空気ろ過カセットの概略断面図であり、
図8a及び
図8bは、それぞれ、
図3の線C-C及びD-Dに沿った概略図である。本実施形態において、空気ろ過カセット20は、第1の端部27と第2の端部28との間で長さ方向Lに延在し、所期の空気流方向は、
図7において白い矢印で示されるように、使用中、第1の端部から第2の端部への方向である。したがって空気は、閉口端から、フィルタ材料22を介し、内部オープンスペース25の開口29を介して出る方向に、空気ろ過カセットを介して流れる。フィルタ材料22は、外側境界面23と内側境界面24との間に配設され、内部オープンスペース25は、内側境界面及びフィルタ材料によって包含される。開口29は内部オープンスペースの一方の端部21に配置され、内部オープンスペースはその他方の端部26で閉じられる。空気ろ過カセットの端部は、内部オープンスペースの端部及びフィルタ材料の端部の両方を覆うエンドキャップ(図示せず)によって密封することができる。第1の実施形態のこの変形において、内側境界面は、空気ろ過カセットの長さ全体にわたって、外側境界面と同じ断面形状を有し、両方の境界面は、空気ろ過カセットの長さに沿って3つのセクションを備え、第1のセクション44aは矩形ピラミッド型錐台の形状を有し、第2のセクション44bは矩形平行6面体形状を有し、第3のセクション44cは矩形ピラミッド型錐台円錐台の形状を有する。図に示されるように、空気ろ過カセットの第2の(排気)端部28における内側境界面24と外側境界面23との間の距離D
20は、第1の(吸気)端部27における内側境界と外側境界との間の距離D
10よりも長く、内側境界面24は外側境界面23よりも第1の端部27に向かってより先細にならない。
【0051】
図9は、本開示の第1の実施形態に従った、空気ろ過カセットの断面斜視図であり、すなわち、空気は吸気端部17における開口19から閉口端18に向かって流れるように意図される。本例では内側及び外側の境界面は、全体長さ又は空気ろ過カセットに沿って円形断面形状を有する。外側及び内側境界面13、14は、プラスチック材料又は金属で作ることが可能な格子材料からなる。第2の実施形態の空気ろ過カセット(
図3に概略的に図示)はもちろん、本外観を有する格子材料で作られる内側及び外側の境界面も有することができる。
図9は、空気ろ過カセットの開口端における外側と内側の境界面13、14の間で、ボリュームの端部セクションがエンドキャップ33を用いてどのように閉じられ密封されるかを示す。エンドキャップ33は、空気ろ過カセットをベースプレート31に解放可能に取り付けるための取り付け手段35を含む。エンドキャップ34は、空気ろ過カセットの閉口端において、フィルタ材料ボリューム及び内部オープンスペースを密封する。
【0052】
図10は、各空気ろ過カセット10の開口19がベースプレートの開口32に対応するように、ベースプレート31とベースプレートに載置された複数の空気ろ過カセット10とを含む、フィルタ30の断面斜視図である。
図10は、第1の実施形態に従った空気ろ過カセットを示すが、内部オープンスペースの開口がベースプレートの開口と位置合わせされた、第2の実施形態の空気ろ過カセットも同様に載置可能である。
【0053】
図11は、本開示に従った空気ろ過カセット10、20を備えるフィルタ30を含む、フィルタ配置33の斜視図である。空気フィルタは、空気ろ過カセットが実質的に水平方向に延在するように、フィルタ配置内に載置される。フィルタ配置は、内側でフィルタのベースプレート31を受け取るように適合され、外側でハウジング内に空気を送達する空気ダクトに取り付けるように適合された、開口37を有するフィルタハウジング36を備える。更にフィルタは、空気ろ過カセット10、20がハウジング内部に位置するように、フィルタハウジング内に配置される。ハウジングは、ろ過された空気がハウジングから流出できるように、反対側に別の開口(図示せず)を有する。フィルタ及び空気ろ過カセットにアクセス可能であり、所望であれば除去又は置換が可能であるように、ドア38が提供される。
【0054】
当業者であれば、本開示が前述の好ましい実施形態に限定されるものではないことを理解されよう。当業者であれば、添付の特許請求の範囲内での改変及び変形が可能であることを更に理解されよう。加えて、開示された実施形態に対する変形は、当業者が請求する開示を実施する際に、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から理解及び達成可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中、第1の端部(17、27)から第2の端部(18、28)への所期の空気流方向に関して、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さ方向(L)に延在する空気ろ過カセット(10、20)であって、
前記空気ろ過カセットは、外側境界面(13、23)と内側境界面(14、24)との間に配設されたフィルタ材料(12、22)を備え、
前記空気ろ過カセットは、前記内側境界面及び前記フィルタ材料によって包含された内部オープンスペース(15、25)と、前記オープンスペースの一方の端部(11、21)に配置され前記オープンスペースの他方の端部(16、26)で閉じられる開口(19、29)と、を有し、
前記フィルタ材料が、前記内側及び外側境界面を形成する通気性構造間に配設され、好ましくは顆粒、球体、又はペレットの形の、空気フィルタ媒体のベッド、あるいは、顆粒、球体、又はペレットの焼結体であること、並びに、前記第2の端部(18、28)における前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の平均距離(D2、D20)が、前記第1の端部(17、27)における前記内側境界と前記外側境界との間の平均距離(D1、D10)よりも長いこと、を特徴とし、
前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の前記平均距離は、前記空気ろ過カセットの前記長さに沿って選択された位置における前記長さ方向に対して垂直な方向の、前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間のすべての距離の平均である、空気ろ過カセット。
【請求項2】
前記内側境界面(14、24)と前記外側境界面(13、23)との間の前記平均距離(D2、D20)は、前記第1の端部(17、27)と前記第2の端部(18、28)との間の前記空気ろ過カセットの前記長さ方向(L)に沿って連続的に変化するか、又は、前記第1の端部(17、27)と前記第2の端部(18、28)との間の前記空気ろ過カセットの前記長さ方向(L)に沿って段階的に変化するか、あるいはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の空気ろ過カセット。
【請求項3】
前記内側境界面(14、24)及び前記外側境界面(13、23)は、前記長さ方向に沿って各断面において同じ断面形状を有する、請求項1又は2に記載の空気ろ過カセット。
【請求項4】
前記外側境界面(13、23)及び前記内側境界面(14、24)のうちの少なくとも1つは、円錐又はピラミッドあるいはそれらの錐台の形状を有するか、あるいは、円錐又はピラミッドの形状あるいはそれらの錐台あるいは円柱又は平行6面体の形状を有する、いくつかの連続セクションを備える、請求項1から3の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項5】
前記外側境界面(13、23)は、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、好ましくは、前記空気ろ過カセットの縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有する、請求項4に記載の空気ろ過カセット。
【請求項6】
前記内側境界面(14、24)は、円錐又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、好ましくは、前記空気ろ過カセットの場合縦の中心軸に関して1~10°の傾斜角を有する、請求項4に記載の空気ろ過カセット。
【請求項7】
前記外側境界面(13)及び前記内側境界面(14)の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、
前記内側境界面(14)は、前記外側境界面(13)よりも前記第2の端部(18)に向かってより先細になる、請求項4から6の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項8】
前記第2の端部(18)における前記内側境界面(14)と前記外側境界面(13)との間の前記平均距離(D2)は、前記第1の端部(17)における前記内側境界と前記外側境界との間の前記平均距離(D1)よりも、少なくとも10%長い、請求項7に記載の空気ろ過カセット。
【請求項9】
前記外側境界面(23)及び前記内側境界面(24)の両方は、円錐形状又はピラミッド形状あるいはそれらの錐台の境界を定め、
前記内側境界面(24)は、前記外側境界面(23)よりも前記第1の端部(27)に向かって先細にならない、請求項4から6の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項10】
前記第2の端部(28)における前記内側境界面(24)と前記外側境界面(23)との間の前記平均距離(D20)は、前記第1の端部(27)における前記内側境界と前記外側境界との間の前記平均距離(D10)よりも、少なくとも10%長い、請求項9に記載の空気ろ過カセット。
【請求項11】
空気透過性構造からなる前記内側(14、24)及び前記外側(13、23)の境界面は、メッシュ又は格子材料で作られ、好適にはプラスチック材料又は金属で作られる、請求項1から10の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項12】
前記フィルタ材料ベッドの前記空気フィルタ媒体は、ガス状汚染物質又は蒸気状汚染物質の除去のための吸着剤である、請求項11に記載の空気ろ過カセット。
【請求項13】
前記外側境界面(13、23)の最大直径は、50~200mm、好ましくは130~160mmであり、
前記第1の端部から前記第2の端部までの前記カセットの長さは、好ましくは150~800mm、より好ましくは230~650mmであり、
前記外側と内側の境界面の間のボリュームは、好ましくは0.6~6リットルである、請求項1から12の何れか一項に記載の空気ろ過カセット。
【請求項14】
ベースプレート(31)及び請求項1から13に記載の1つ以上の空気ろ過カセット(10、20)を備える空気フィルタ(30)であって、
前記ベースプレートは、1つ以上の開口(32)を有し、
各空気ろ過カセット(10、20)の開口(19、29)が前記ベースプレートの開口(32)に対応するように、1つ以上の空気ろ過カセットが前記ベースプレートに載置される、空気フィルタ。
【請求項15】
互いに近接して何列かに、好ましくは2~6列に配置され、各列は好ましくは2~6個の空気ろ過カセットを含む、複数の空気ろ過カセットを備える、請求項14に記載の空気フィルタ。
【請求項16】
請求項14から15に記載の1つ以上の空気フィルタを備えるフィルタ配置(33)であって、
前記空気フィルタは、前記空気ろ過カセットが実質的に水平又は垂直方向に延在するように載置される、フィルタ配置(33)。
【請求項17】
前記1つ以上の空気フィルタの前記ベースプレート(31)を受け取るように適合された開口(37)を有するフィルタハウジング(36)を更に備え、
前記フィルタ配置は、前記空気ろ過カセット(10、20)が前記ハウジング内に位置するように前記フィルタハウジング内に配置される、請求項16に記載のフィルタ配置。
【国際調査報告】