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特表2024-503189フィルターユニット、テキスタイル処理装置、その使用および微粒子の濾過方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】フィルターユニット、テキスタイル処理装置、その使用および微粒子の濾過方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/06 20060101AFI20240118BHJP
   B01D 24/46 20060101ALI20240118BHJP
   D06F 39/10 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
B01D33/06 Z
B01D33/36
D06F39/10 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532728
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 GB2021053162
(87)【国際公開番号】W WO2022118034
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】2019147.4
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517182158
【氏名又は名称】ゼロス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マットレイ,ジョセフ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コブ,トーマス アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3B166
4D116
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA11
3B166AE02
3B166BA56
3B166CA01
3B166CB11
3B166DB03
3B166DB17
3B166FA01
3B166FA06
3B166FB01
3B166GA02
3B166GA12
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
4D116AA12
4D116BB15
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4D116BC41
4D116BC42
4D116BC45
4D116BC48
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4D116FF12B
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4D116FF20B
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4D116GG03
4D116GG12
4D116GG21
4D116GG27
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4D116TT03
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4D116UU20
4D116VV09
4D116VV30
(57)【要約】
微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのフィルターユニット。フィルターユニットは、軸に沿って延在し、対向する第1の端壁および第2の端壁、およびそれらの間に延在する少なくとも1つの側壁を備え、第1および第2の端壁の両方が軸と一致する、フィルターチャンバを備える。フィルターユニットはまた、フィルターチャンバ内に収容され、軸を中心に回転するように構成され、供給液から微粒子を濾過するための1つまたは複数の濾過媒体を備える、フィルターケージを備える。フィルターユニットはまた、供給液を第1の端壁を通ってフィルターチャンバに通過させるように構成された入口を備える。フィルターユニットはまた、濾過された液体をフィルターチャンバの外へ通過させるためのフィルターチャンバの出口を備える。フィルターユニットはまた、フィルターケージの回転を駆動するように構成され、フィルターチャンバの第1の端壁からフィルターケージまで延在する、駆動シャフトを備える。第2の端壁は、開口部および取り外し可能な蓋であるか、開口部および取り外し可能な蓋を含み、第1の配置では、供給液が前記開口部を通過できないように開口部は取り外し可能な蓋によって閉じられ、第2の配置では、濾過された微粒子が開口部を通ってフィルターチャンバから取り出し可能なように取り外し可能な蓋は開口部から取り外される。本開示はまた、フィルターユニットを備えるテキスタイル処理装置、フィルターユニットおよびテキスタイル処理装置の使用、および微粒子を含む供給液から微粒子を濾過する方法に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのフィルターユニットであって、前記フィルターユニットは、
軸に沿って延在し、対向する第1の端壁および第2の端壁、および前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に延在する少なくとも1つの側壁を備えるフィルターチャンバであって、前記第1の端壁および前記第2の端壁の両方が前記軸と一致する、フィルターチャンバと、
前記フィルターチャンバ内に収容され、前記軸を中心に回転するように構成されたフィルターケージであって、前記フィルターケージが供給液から微粒子を濾過するための1つまたは複数の濾過媒体を備える、フィルターケージと、
供給液を前記第1の端壁を通して前記フィルターチャンバ内に通過させるように構成された入口と、
濾過された液体を前記フィルターチャンバの外へ通過させるための前記フィルターチャンバ内の出口と、
前記フィルターケージの回転を駆動するように構成される駆動シャフトであって、前記駆動シャフトが前記フィルターチャンバの前記第1の端壁から前記フィルターケージまで延在する、駆動シャフトと
を備え、
前記第2の端壁は、前記第2の端壁内の開口部および取り外し可能な蓋であり、または、前記第2の端壁は、前記第2の端壁内の開口部および取り外し可能な蓋を含み、第1の配置では、供給液が前記開口部を通過できないように前記開口部は前記取り外し可能な蓋によって閉じられ、第2の配置では、濾過された微粒子が前記開口部を通して前記フィルターチャンバから取り出し可能なように前記取り外し可能な蓋は前記開口部から取り外される、
フィルターユニット。
【請求項2】
濾過された微粒子が脱水状態にあるときに、濾過された微粒子を前記フィルターチャンバから取り出すように動作可能である、請求項1に記載のフィルターユニット。
【請求項3】
前記フィルターケージは、前記開口部を介して前記フィルターチャンバから取り外し可能であり、濾過された微粒子は、濾過された微粒子が中に入った前記フィルターケージを取り外すことによって、前記フィルターチャンバから取り出され、任意選択で、濾過された微粒子は、前記開口部を通して前記軸と平行な方向に除去可能である、請求項1または請求項2に記載のフィルターユニット。
【請求項4】
前記入口は、前記軸と同軸である、請求項1~3のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項5】
前記駆動シャフトは、中空であり、前記駆動シャフトは、前記入口を通過している、請求項1~4のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項6】
前記フィルターケージは、実質的に円柱、楕円体、またはプリズムであり、前記フィルターケージは、前記軸に平行に延びる、請求項1~5のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項7】
前記フィルターケージは、内部容積を取り囲み、前記入口は、前記フィルターケージの前記内部容積に供給液を送るように配置されている、請求項1~6のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項8】
前記駆動シャフトおよび前記フィルターケージはそれぞれ、前記駆動シャフトが前記フィルターケージに取り外し可能に接続して前記フィルターケージの回転を駆動することを可能にする合わせ面を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項9】
前記駆動シャフトの前記合わせ面および/または前記フィルターケージの前記合わせ面は、1つまたは複数のスプラインを備える、請求項8に記載のフィルターユニット。
【請求項10】
前記フィルターケージは、取り外し可能なキャップを備え、任意選択で、前記フィルターケージが前記フィルターチャンバ内にあるとき、前記取り外し可能なキャップは、前記第2の端壁に隣接する、請求項1~9のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項11】
前記取り外し可能なキャップは、前記取り外し可能な蓋への機械的結合を備え、任意選択で、前記機械的結合は、前記取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋との間の回転を可能にする、請求項10に記載のフィルターユニット。
【請求項12】
前記フィルターケージとともに回転するように構成されたインペラーを備える、請求項1~11のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項13】
前記インペラーは、前記フィルターケージの内部または外部から取り外し可能である、請求項12に記載のフィルターユニット。
【請求項14】
請求項10に従属する場合、前記インペラーは、前記取り外し可能な蓋または前記取り外し可能なキャップに機械的に接続される、請求項13に記載のフィルターユニット。
【請求項15】
前記フィルターユニットは、濾過された微粒子を前記フィルターケージから取り出すための取り出し要素を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項16】
前記取り出し要素は、前記フィルターケージから軸方向に引き出されるように構成されている、請求項15に記載のフィルターユニット。
【請求項17】
請求項10に従属する場合、前記取り出し要素は、前記取り外し可能な蓋または前記取り外し可能なキャップへの機械的結合を備える、請求項15または16に記載のフィルターユニット。
【請求項18】
請求項12に従属する場合、前記取り出し要素は、前記インペラーに取り付けられるか、前記インペラーに組み込まれる、請求項15から17のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項19】
前記フィルターチャンバは、前記フィルターユニットの使用時における、前記フィルターチャンバの垂直方向最上部に空気抜き出口をさらに備え、または前記フィルターチャンバの垂直方向最下部に二次ドレン出口をさら備える、請求項1~18のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項20】
前記フィルターユニットは、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するための遠心フィルターとして動作可能である、請求項1~19のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項21】
前記フィルターユニットは、遠心力を使用して濾過された微粒子を脱水するように動作可能である、請求項1~20のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項22】
前記フィルターユニットは、使用時に、前記軸が水平面に平行になるように配向される、請求項1~21のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項23】
前記濾過媒体は、10から100μm、または20から70μmの平均細孔径を有する細孔を含む、請求項1~22のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項24】
前記フィルターチャンバは、円筒形であり、前記第1の端壁と前記第2の端壁との間に延在する円筒壁を備え、任意選択で、前記出口は、前記円筒壁内にあり、任意選択で、前記出口は前記円筒壁の接線方向にある、請求項1~23のいずれかに記載のフィルターユニット。
【請求項25】
ユーザーがアクセスできる前面とその中にあるドアを備えるハウジングと、
前記ハウジング内に位置する請求項1~24のいずれかに記載のフィルターユニットと、
前記ハウジング内に収容されるドラムであって、内部容積と、前記ハウジングの前記前面の前記ドアと位置合わせされた開放端とを備えるドラムと、
を備える、テキスタイル処理装置。
【請求項26】
前記テキスタイル処理装置は、前記ハウジングの前記前面に配置された洗剤引き出しを備え、前記洗剤引き出しは、閉じた構成と開いた構成との間で移動可能であり、前記フィルターユニットは、前記洗剤引き出しの後ろに配置される、請求項25に記載のテキスタイル処理装置。
【請求項27】
前記フィルターチャンバの前記第2の端壁にある前記開口部および前記取り外し可能な蓋は、前記洗剤引き出しが開いた構成にあるときに、前記洗剤引き出しを通して使用者によってアクセス可能である、請求項26に記載のテキスタイル処理装置。
【請求項28】
前記開口部および前記取り外し可能な蓋は、前記ハウジングの前記前面にあるか、または前記開口部および取り外し可能な蓋は、前記ハウジングのフラップもしくはパネルによって覆われる、請求項25に記載のテキスタイル処理装置。
【請求項29】
前記テキスタイル処理装置は、洗濯機である、請求項25から28のいずれかに記載のテキスタイル処理装置。
【請求項30】
前記供給液は、前記テキスタイル処理装置からのものである、請求項25から29のいずれかに記載のテキスタイル処理装置。
【請求項31】
前記フィルターユニットの前記出口は、前記テキスタイル処理装置のドレンに接続されている、請求項25または請求項30に記載のテキスタイル処理装置。
【請求項32】
供給液から微粒子を濾過するための、請求項1~31のいずれかに記載のフィルターユニットまたはテキスタイル処理装置の使用。
【請求項33】
微粒子を含む供給液から微粒子を濾過する方法であって、
請求項1から24のいずれかに記載のフィルターユニットを提供することと、
微粒子を含む前記供給液を前記第1の端壁の前記入口を通して供給することと、
前記フィルターケージを回転させるために前記駆動ユニットを回転させることと、
濾過された供給液を前記出口の外へ通すことと、
前記駆動ユニットと前記入口への供給液の供給を停止することと
を含む、微粒子の濾過方法。
【請求項34】
供給液の供給を停止した後、前記駆動ユニットを操作して前記フィルターケージを回転させることによって、濾過された微粒子を脱水することを含む、請求項33に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項35】
濾過された微粒子を前記開口部を介して前記フィルターチャンバから取り出すことをさらに含む、請求項33または34に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項36】
取り出すことは、濾過された微粒子が含まれている前記フィルターケージを前記開口部を通して除去することを含む、請求項35に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項37】
請求項15から18のいずれかに従属する場合、取り出すことは、濾過された微粒子が含まれている前記フィルターケージを前記開口部を通して取り出すことと、前記フィルターケージから取り出し要素を除去することとを含む、請求項36に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項38】
供給液は、テキスタイル処理装置から供給される、請求項33から37のいずれかに記載の微粒子の濾過方法。
【請求項39】
前記テキスタイル装置は、洗濯機である、請求項38に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項40】
前記テキスタイル処理装置は、1つまたは複数のセルロース含有衣類を処理している、請求項38または39に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項41】
前記フィルターユニットは、前記テキスタイル処理装置のハウジング内に収容されている、請求項33から40のいずれかに記載の微粒子の濾過方法。
【請求項42】
前記ハウジングは、洗剤引き出しが中に配置された前面を備え、前記洗剤引き出しは、開いた構成と閉じた構成との間で移動可能であり、前記フィルターユニットは、前記洗剤引き出しの後ろに配置されている、請求項41に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項43】
取り出すことは、最初に前記洗剤引き出しを開いた構成に移動させることを含む、請求項42に記載の微粒子の濾過方法。
【請求項44】
前記微粒子は、マイクロファイバーであるか、マイクロファイバーを含む、請求項33から43のいずれかに記載の微粒子の濾過方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルターユニットおよびフィルターユニットを備えるテキスタイル処理装置に関する。本開示はまた、フィルターユニットとテキスタイル処理装置の使用、および微粒子を含む供給液から微粒子を濾過する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維の洗濯は、世界の海洋へのマイクロプラスチック汚染の最大の原因であると考えられており、一次マイクロプラスチックの推定35%を占めている。合成繊維からのマイクロプラスチックの放出は、洗濯機での洗濯サイクル中に合成繊維が受ける機械的および化学的ストレスによって引き起こされる。これらのストレスは、マイクロファイバーが合成繊維から脱離する原因となる。その大きさのために、放出されたマイクロファイバーは、部分的に廃水処理プラントを通過して海に流れ込む。マイクロファイバーは、世界中のビーチと、太平洋、北海、大西洋、北極の水域と、深海の堆積物中に存在しており、最近では人間の臓器にも含まれていることが確認されている。それらはその大きさのために、微生物によって消費される可能性があり、微生物はそれらを消化することができず、それらを残留させて食物連鎖を通過させてしまう。
【0003】
マイクロファイバーが水系に侵入するのを防ぐ必要性が高まっている。洗濯機からの微粒子の放出を防ぐために、多数の微粒子フィルターが設計されている。微粒子フィルターは通常、孔径が100μm程度の多孔質メッシュを使用する。これらの微粒子フィルターは、より大きな合成繊維の大部分を捕捉することができるが、合成のものであってもその他のものであっても、100μmより小さいサイズの微粒子を大量に捕捉することはできない。
【0004】
微粒子を捕捉するために多くの装置が開発されている。そのようなデバイスの1つが国際公開WO2017/173215号に記載されており、Cora Ball(登録商標)と呼ばれている。Cora Ball(登録商標)は、その間で微粒子を捕捉する小さな歯を備えた複数のアームを有する。Cora Ball(登録商標)を洗濯機に入れ、洗濯物と一緒に循環させる。独立したテスト(I.E. Napper et al Science of the Total Environmental、738 (2020) 140412)では、Cora Ballの濾過効率が低いことが示され、廃水流出物から収集されたマイクロファイバーの31%が濾過された。おそらくCora Ballは、濾過効率の低下を防ぐために使用後に毎回洗浄する必要があり、ユーザーにさらなる要求が課されることになる。Cora Ballの歯の間に捕捉された微粒子は、廃水系に流入しないように洗浄せずに除去する必要がある。
【0005】
洗濯機内で使用されるもう1つの装置は、Guppy Friend(登録商標)であり、米国特許出願第2018320306号に記載されている。Guppy Friendは、洗濯物から放出される微粒子を捕捉する多孔質素材で作られたジッパー付きランドリーバッグである。同じ独立したテストでは、Guppy Friendの濾過効率は54%であることがわかった。Guppy Friendではまた、水を使用せずにバッグの内部から捕捉された微粒子を空にする必要もある。Guppy Friendではまた、天然繊維の衣服と分けて、合成繊維の洗濯用衣服を詰める必要もある。ユーザーはまた、洗濯のたびにバッグを空にする必要もある。したがって、これによりユーザーには追加の要求が課せられる。
【0006】
他の装置は、洗濯機の出口パイプと廃水ドレンの間において外部に取り付けられる。一例は、PlanetCare(www.planetcare.org)であり、それは、洗濯機の外部で使用されるフィルターを開発した。フィルターは、チャンバ内に保持された静的な垂直円筒形濾過媒体を使用する。廃水は、濾過媒体を通ってチャンバの外へ出る。フィルターが詰まると、定期的にチャンバの上部を開けて濾過媒体を取り出して交換する必要がある。装置の効率は、同じ独立したテストで29%であることがわかった。さらに、ほとんどの家庭用ドレンは洗濯機の後部にあり、洗濯機の出口パイプは通常、洗濯機の後部から出ている。これは、PlanetCareフィルターとそれに類似したフィルターは、ユーザーがアクセスできない場所、通常は洗濯機の背面に設置する必要がある可能性があり、または、フィルターを洗濯機の側面に持ってくるためにパイプを使用する場合があることを意味する。多くの場合、これはユーザーにとって現実的ではない。
【0007】
別の微粒子フィルターが、ゼロス リミテッドの名で出願された国際公開WO2019/122862号に記載されている。このフィルターは、回転フィルターケージを備えた遠心フィルターであって、フィルターケージを取り外して空にすることができる。このフィルターは、同じ独立したテストで79%の濾過効率を有することがわかった。フィルターは、洗濯機内に設置されるように設計されている。しかしながら、本発明者らは、その後、国際公開第2019/122862号に記載されたフィルターがあらゆる家庭用洗濯機に直ちに適合するわけではなく、洗濯機ハウジング内にフィルターを収容するために一部の家庭用洗濯機の内部レイアウトを調整する必要がある場合があると判断した。さらに、本発明者らは、それ以来、国際公開第2019/122862号に記載されている回転フィルターケージのアクセスしやすさを改善することを模索してきた。
【0008】
本発明者らは、以下の問題のうちの1つまたは複数に対処しようと努めた。
i.広範囲の様々な洗濯機、特に現在家庭用に販売されている洗濯機に簡単に組み込むことができるフィルターユニット。
ii.フィルターユニットへのアクセス性の向上。
iii.特に濾過された微粒子の除去に関して、フィルターユニットのメンテナンスが容易性の向上。
iv.シンプルで馴染みのある効果的な使用感を提供するために、フィルターユニットの特定の機能を洗濯機に統合したいという要望。
v.適切に高い濾過効率を維持したいという要望。
本開示の目的は、全般的に改善を提供すること、および/または上述の問題の1つまたは複数に少なくとも部分的に対処することである。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様では、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのフィルターユニットがあり、前記フィルターユニットは、
軸に沿って延在し、第1の端壁、対向する第2の端壁、およびそれらの間に延在する少なくとも1つの側壁を備えるフィルターチャンバであって、第1および第2の端壁の両方が前記軸と一致する、フィルターチャンバと、
前記フィルターチャンバ内に収容され、前記軸を中心に回転するように構成されたフィルターケージであって、前記フィルターケージが前記供給液から微粒子を濾過するための1つまたは複数の濾過媒体を備える、フィルターケージと、
供給液を前記第1の端壁を通って前記フィルターチャンバに通過させるように構成された入口と、
濾過された液体を前記フィルターチャンバの外へ通過させるための前記フィルターチャンバの出口と、
前記フィルターケージの回転を駆動するように構成される駆動シャフトであって、前記駆動シャフトが前記フィルターチャンバの前記第1の端壁から前記フィルターケージまで延在する、駆動シャフトと
を備え、
前記第2の端壁は、その中の開口部および取り外し可能な蓋であるか、その中の開口部および取り外し可能な蓋を含み、第1の配置では、供給液が前記開口部を通過できないように開口部は前記取り外し可能な蓋によって閉じられ、第2の配置では、濾過された微粒子が前記開口部を通って前記フィルターチャンバから取り出し可能なように前記取り外し可能な蓋は前記開口部から取り外される。
【0010】
[フィルターチャンバ]
フィルターチャンバには、フィルターケージと濾過媒体が含まれており、供給液の流れを濾過媒体に導く。フィルターチャンバは、密閉ユニットであってもよい。つまり、第1の配置では濾過中にフィルターチャンバが密閉され、液体はそれぞれ入口と出口からのみ出入りできる。
【0011】
フィルターチャンバは、とりわけ、実質的に円筒形、楕円形、および直方体形を含む、様々な形状をとることができる。特に好ましい形状は、円筒形状であるか、円筒形状に近い形状である。滑らかなエッジの有無にかかわらず、多角形に基づくプリズム、特に高次の多角形、すなわち5つ以上の辺を持つ多角形に基づくプリズムも、適切な形状の例である。あるいは、軸を中心とした次数2以上の回転対称性を有する形状が適切な場合もある。
【0012】
フィルターチャンバは、少なくとも50mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、または少なくとも400mmの長さを有してもよい。
【0013】
フィルターチャンバの長さは、600mm、500mm、400mm、300mm、または200mmを超えてはならない。
【0014】
フィルターチャンバは、少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mm、または少なくとも70mm、または少なくとも80mmの直径を有してもよい。
【0015】
フィルターチャンバの直径は、110mm、または100mm、または80mm、または70mm、または60mm、または50mmを超えてはならない。
【0016】
端壁および側壁は、フィルターチャンバを形成するために接続されてもよく、溶接、接着剤、クリップ、ボルト、ネジ、磁石、ネジ山、干渉面などによって接続されてもよい。クリップ、ボルト、ネジ、磁石、ネジ山、干渉面などを含む少なくともいくつかの非永続的な接続が好ましい場合がある。非永続的な接続により、分解してフィルターチャンバ内にアクセスすることが可能になる場合がある。あるいは、端壁と側壁とを一体的に形成してもよい。
【0017】
チャンバ壁は、エンジニアリング材料から作られてもよい。エンジニアリング材料には、ポリマー、金属、および/またはセラミック材料が含まれることがある。適切な金属の非限定的な例としては、アルミニウム、チタン、および合金、例えば鋼(ステンレス鋼を含む)が挙げられる。ポリマーには、熱硬化性ポリマーおよび熱可塑性ポリマーが含まることがある。適切なポリマーの非限定的な例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ(p-フェニレンオキシド)(PPO)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタールおよびポリスルホンが含まれる。
【0018】
第1の端壁および/または第2の端壁は、平面であってもよいし、より複雑な形状、例えば、とりわけ半球形や円錐形などを含んでいてもよい。第1の端壁および/または第2の端壁は、任意選択で、軸に対して垂直に位置合わせされていてもよい。
【0019】
フィルターユニットは、軸を備えている。軸は、フィルターケージの回転中心と一致し、平行であることが好ましい場合がある。軸はまた、フィルターチャンバを通る回転対称軸と一致し、平行であってもよく、またはフィルターチャンバの中心を通過してもよい(すなわち、均質な物体であると仮定されたチャンバの質量中心と一致する)。典型的には、軸は水平方向と平行である場合がある。フィルターチャンバの側壁は、軸に平行に延びていてもよい。あるいは、フィルターチャンバは、第1の端壁から第2の端壁まで広がっていてもよい。
【0020】
[取り外し可能な蓋と開口部]
第2の端壁は、開口部およびその中の取り外し可能な蓋であるか、開口部およびその中の取り外し可能な蓋を含む。第1の配置では、液体が開口部を通過できないように、開口部を取り外し可能な蓋によって閉じてもよい。したがって、取り外し可能な蓋は、第2の端壁の開口部を密閉可能であってもよい。第2の配置では、取り外し可能な蓋が開口部から取り外され、濾過された微粒子が開口部を通ってフィルターチャンバから取り出し可能となる。したがって、取り外し可能な蓋を第2の端壁の開口部から取り外すことができてもよい。
【0021】
取り外し可能な蓋は、第2の端壁の開口部に取り付けて密閉することができ、開口部から取り外してフィルターチャンバの内部へのアクセスを可能にする任意の要素を備えてもよい。取り外し可能な蓋は、とりわけ、栓、キャップ、リフトフラップ、または開口部を塞ぐのに適した任意の物理的要素を備えてもよい。取り外し可能な蓋は、開口部が閉塞されないように開口部から取り外すことができる物体と考えることができる。取り外し可能な蓋は、フィルターチャンバから、またはフィルターが使用される任意のテキスタイル処理装置から取り外し可能であってもよく、あるいは、例えばコード、チェーン、または回転可能なアームを使用してそこに保持されていてもよい。
【0022】
フィルターユニットは、取り外し可能な蓋を第2の端壁の開口部に保持するための保持手段を備えていてもよい。保持手段の非限定的な例としては、取り外し可能な蓋と第2の端壁との間のねじ山、取り外し可能な蓋と第2の端壁のうちの一方のバヨネット爪と他方のバヨネット溝、取り外し可能な蓋および/または第2の端壁の1つまたは複数のラッチ、取り外し可能な蓋と第2の端壁との間の締まり嵌め、取り外し可能な蓋および/または第2の端壁の1つまたは複数のスライド式ロックピン、または取り外し可能な端壁と第2の端壁のうちの一方の電磁ロックと他方の金属要素または磁気要素、が挙げられるが、これらに限定されない。保持手段は、開口部が取り外し可能な蓋によって閉じられるとき、取り外し可能な蓋がフィルターチャンバの第1の端壁に向かって内側への付勢力を与えるように構成されてもよい。付勢力は、フィルターケージおよび/または第2の端壁によって対抗されてもよい。
【0023】
取外し可能な蓋は、ほぼ円筒形または円板形であってもよく、第2の端壁の円形または円板形の開口部に適合するような大きさであってもよい。
【0024】
取り外し可能な蓋および/または第2の端壁は、供給液が取り外し可能な蓋の周囲から漏れるのを防ぐためのシールを備えていてもよい。適切なシールの非限定的な例としては、Xリングシール、Oリングシール、リップシール、コーンシール、Vシール、ウェッジシール、ベローズシール、ガスケット、Uカップシール、パッキンシール、およびプッシャーシールが挙げられる。特に、シールが取り外し可能な蓋にある場合、取り外し可能な蓋が第2の端壁の開口部に配置されるとき、シールは、取り外し可能な蓋と第2の端壁との間に位置するように、取り外し可能な蓋の周囲に延在してもよい。
【0025】
取り外し可能な蓋は、ハンドル、ノブ、または手で掴むのに適したサイズの他の適切な形状の要素を備えていてもよい。取り外し可能な蓋がねじ山、バヨネット爪、または回転を必要とする他の保持手段を備える場合、取り外し可能な蓋は、ハンドル、ノブ、またはユーザーが手動で取り外し可能な蓋を回転できるように形作られた他の機構を備えていてもよい。
【0026】
保持手段がバヨネット爪またはバヨネット溝を備える場合、バヨネット爪は取り外し可能な蓋に備えられ、溝は第2の端壁にあってもよい。バヨネット爪およびバヨネット溝は、爪を溝の端まで移動させるのに30度から90度の回転で十分であるように構成されてもよい。バヨネット溝は、閉じるときに取り外し可能な蓋を回転させると、取り外し可能な蓋が第1の端壁に向かって移動するように、第1の端壁に向かって傾斜していてもよい。取り外し可能な蓋を第1の端壁に向かって移動させることによって、取り外し可能な蓋を使用してフィルターケージを押して所定の位置に固定してもよい。開口部は、第2の端壁全体にわたって広がっていてもよい。したがって、取り外し可能な蓋が取り外されると、第2の端壁は完全に開口部となる。
【0027】
[入口と出口]
入口および出口は、濾過中に供給液および濾過された供給液が通過するフィルターチャンバへの開口部およびフィルターチャンバからの開口部と考えることができる。任意選択で、入口および/または出口は、チャンバ壁に複数の開口部を備えてもよく、本明細書では集合的に単数形で「入口」または「出口」という。入口は通常、供給液がフィルターチャンバに入ることのできる唯一の経路であり、出口は通常、濾過中に濾過された供給液がフィルターチャンバから出る唯一の経路である。
【0028】
任意選択で、入口は軸と同軸であってもよい。あるいは、入口を軸の半径方向外側に配置してもよい。
【0029】
出口は側壁にあってもよく、任意選択で出口は側壁に対して接線方向にあってもよく、すなわち、濾過された供給液は、出口を介して円筒壁に対してほぼ接線方向に流出することができてもよい。好ましくは、側壁は円筒形の側壁であり、出口はそれに接している。あるいは、出口は第1または第2の端壁にあってもよい。通常、出口は入口よりも軸からさらに半径方向外側に位置する。
【0030】
[フィルターケージ]
フィルターケージは、1つまたは複数の濾過媒体を備える。フィルターケージは剛性構造であることが好ましい。フィルターケージは、1つまたは複数の濾過媒体を回転させることができてもよく、特に、回転中に受ける遠心力によって濾過媒体が著しく歪んだり曲がったりすることなく回転させることができてもよい。フィルターケージは、1つまたは複数の濾過媒体と一体であってもよく、またはそれらは別個であってもよい。フィルターケージは、1つまたは複数の濾過媒体をフィルターケージに固定または位置決めするのを補助するために、1つ以上のフィルターケージ固定具またはフィルターケージ位置決めコンポーネントを備えていてもよい。フィルターケージは、間に濾過媒体が保持された2つの硬質層から形成されてもよい。フィルターケージは、各格子間に一連の窓を備えた格子構造を備えていてもよい。任意選択で、濾過媒体は各窓を横切って広がっていてもよい。
【0031】
フィルターケージは、第1の端部と第2の端部とを備えていてもよい。第1の端部は、フィルターケージがフィルターチャンバ内の原位置にあるときに、第1の端壁に隣接するフィルターケージの端部であり、第2の端部は、第2の端壁に隣接するフィルターケージの端部である。任意選択で、フィルターケージの第1および第2の端部は濾過媒体を含まない。したがって、フィルターケージの第1および第2の端部は非多孔質であってもよい。
【0032】
任意選択で、フィルターケージは、フィルターケージの第1の端部に開口部を備えていてもよい。この開口部により、液体が入口からフィルターケージに入ることが可能になる場合がある。フィルターケージは内部容積を取り囲んでいてもよく、入口はフィルターケージの内部容積に供給液を送るように配置されていてもよい。フィルターケージの開口部は軸と一致していてもよい。任意選択で、供給液は、中空の駆動シャフトの中心を経由して入口から入ってもよい。駆動シャフトが中空である場合、フィルターケージの開口部は駆動シャフトと同心であってもよく、また、任意選択で駆動シャフトに隣接していてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、フィルターケージは一端が開いていてもよく、任意選択で、開いた端が第1の端部であってもよい。フィルターケージの開いた端は入口に近接し、入口からの供給物がフィルターケージに入るように位置合わせされていてもよい。
【0034】
フィルターケージは、実質的に円柱、楕円体、またはプリズムの形態であってもよい。実質的に前述の形状の形態であるフィルターケージは、それらの間の任意の形状を含むそれらの形状に近似する形態を含んでいてもよい。プリズムは、多角形が4以上の辺の数、例えば4から20の辺を有する多角形プリズムであってもよい。多角形プリズムは正多角形プリズムであってもよい。フィルターケージが円筒である場合、フィルターケージは、2つの円形端壁の間に単一の円筒形側壁を備える。フィルターケージが多角形プリズムを含む場合、側壁の数は多角形の辺の数に対応し、例えば六角形プリズムは、2つの六角形の端壁の間に6つの長方形の側壁を備えることができる。1つまたは複数の濾過媒体は、フィルターケージの1つまたは複数の側壁内または側壁上に配置されることが好ましい。好ましくは、フィルターケージは円筒形である。
【0035】
フィルターケージは回転対称であってもよく、回転に関してバランスが取れていてもよい。回転に関してバランスがとれているということは、好ましくは、フィルターケージが回転したときに、例えば100rpmまたは1500rpmまたは3000rpmで回転した場合に、過度に揺れたり振動したりする傾向がないことを意味する。
【0036】
フィルターケージは、少なくとも45mm、少なくとも95mm、少なくとも145mm、少なくとも195mm、少なくとも295mm、または少なくとも395mmの長さを有していてもよい。フィルターケージの長さは、595mm、495mm、395mm、295mm、または195mmを超えてはならない。
【0037】
フィルターケージは、少なくとも20mm、または少なくとも30mm、または少なくとも40mm、または少なくとも50mm、または少なくとも60mmの直径を有していてもよい。フィルターケージの直径は、95mm、75mm、65mm、58mm、45mm、または35mmを超えてはならない。
【0038】
フィルターケージは、取り外し可能なキャップを備えていてもよい。取り外し可能なキャップは、フィルターケージの第2の端部に配置されていてもよく、フィルターケージの第2の端部の一部を覆っていてもよく、または、フィルターケージの第2の端部全体を覆っていてもよい。取り外し可能なキャップは、取り外し可能なクロージャであれば何でもよく、それはフィルターケージに取り付けられたときに濾過されていない供給液がフィルターケージから出るのを防ぐが、フィルターケージの内部へのアクセスを可能にするためにフィルターケージから取り外し可能である。取り外し可能なキャップは、取り外し可能なキャップをフィルターケージに保持するための接続手段を備えていてもよい。接続手段の非限定的な例としては、フィルターケージと取り外し可能なキャップとの間のねじ山、取り外し可能なキャップとフィルターケージのうちの一方のバヨネット爪と他方のバヨネット溝、取り外し可能なキャップおよび/またはフィルターケージの1つまたは複数のラッチ、フィルターケージと取り外し可能なキャップとの間の締まり嵌め、または取り外し可能なキャップおよび/またはフィルターケージの1つまたは複数のスライド式ピン、が挙げられるが、これらに限定されない。任意選択で、フィルターケージがフィルター内の原位置に留まる場合にのみ、取り外し可能なキャップをフィルターケージから取り外すことができる。あるいは、またはそれに加えて、取り外し可能なキャップは、フィルターケージがフィルターチャンバから取り外された後に、フィルターケージから取り外し可能であってもよい。
【0039】
取り外し可能なキャップは、取り外し可能な蓋への機械的結合を備えていてもよい。機械的結合は、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋との間の移動の自由度が低減される任意の接続であってもよい。特に、機械的結合は、取り外し可能な蓋が特定の方向(例えば、軸に沿って)に移動すると、取り外し可能なキャップもその特定の方向に移動するように、相対的な動きを制限してもよい。任意選択で、フィルターチャンバから取り外し可能な蓋を取り外すと、取り外し可能なキャップを介してフィルターチャンバからフィルターケージを引き出すことができる。これにより、ユーザーエクスペリエンスがさらに簡素化される可能性がある。任意選択で、取り外し可能なキャップは取り外し可能な蓋に機械的に結合されない。
【0040】
機械的結合により、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋との間の回転を可能にしてもよい。結合は、取り外し可能なキャップまたは取り外し可能な蓋のうちの一方が他方に対して回転できるようにしてもよく、回転は軸の周りであってもよい。結合はスピンドルを備えていてもよい。取り外し可能なキャップおよび取り外し可能な蓋のうちの一方または両方は、スピンドルの周りを回転可能であってもよい。任意選択で、結合は、スピンドルと取り外し可能なキャップおよび/または取り外し可能な蓋との間に1つまたは複数のベアリングまたはブッシュを備えていてもよい。スピンドルは、取り外し可能なキャップまたは取り外し可能な蓋のうちの一方に強固に接続されていてもよい。一実施形態では、スピンドルは、ねじ山付きキャップ付きボルトを備えていてもよく、ボルトはナットを介して取り外し可能なキャップに接続され、ボルトのキャップ付き端部はベアリングを介して取り外し可能な蓋に接続される。
【0041】
取り外し可能な蓋がフィルターチャンバ内の原位置にあり、取り外し可能なキャップがフィルターケージ上およびフィルターチャンバ内の原位置にある場合、取り外し可能な蓋および取り外し可能なキャップは、軸上またはそれに平行な軸上に同軸に整列していてもよい。すなわち、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋の中心を通る軸は、この位置で平行かつ一致していてもよい。任意選択で、機械的結合は、軸から外れる制限された回転を可能にしてもよい。すなわち、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋の中心を通る軸が平行でなくなるように、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋とが結合を介して相対的に移動してもよい。結合は、取り外し可能なキャップと取り外し可能な蓋の軸が平行に戻るように、復元力を提供する付勢手段を備えていてもよい。
【0042】
結合は、軸から外れる制限された回転を可能にする球面ベアリングを備えていてもよい。球面ベアリングはまた、上記のような軸の周りの相対回転を提供してもよい。あるいは、スピンドルは、軸外回転を可能にするように柔軟であってもよく、スピンドルはまた、復元力を提供してもよい。
【0043】
フィルターケージが第1の端部の駆動シャフトによって回転される場合、スピンドルは、第2の端部を支持して、フィルターケージが軸から離れて回転するのを防止してもよい。
【0044】
フィルターケージは、エンジニアリング材料から作られてもよい。フィルターケージは、上記のフィルターチャンバに指定されたのと同じエンジニアリング材料で作成されてもよい。
【0045】
フィルターチャンバが前述したように円筒であるか、または円筒に近い、または円筒を含む場合、フィルターケージは、フィルターチャンバの側壁に平行に整列した軸の周りを回転してもよく、より好ましくは軸に直接沿って見たときにフィルターチャンバ内の実質的に中心にある軸の周りを回転してもよく、例えば、フィルターチャンバの側壁とフィルターケージは、軸に直接沿って見たときに同心である。
【0046】
フィルターケージは回転してもよい。フィルターケージは、濾過媒体の周囲で少なくとも2G、または少なくとも5G、または少なくとも20G、または少なくとも40G、または少なくとも100G、または少なくとも175G、または少なくとも250G、または少なくとも325G、または少なくとも450GのG力で回転してもよい。G力は、任意選択で、フィルターケージの半径方向最外側部分で10,000G、または2000G、または1000G、または500Gを超えてはならない。半径r(cm)のフィルターケージがR(毎分回転数(rpm))で回転し、gを9.81m/sの重力による加速度とすると、
G=1.118×10-5rR
となる。フィルターケージは、少なくとも100、または少なくとも800、または少なくとも1000、または少なくとも1200、または少なくとも1400、または少なくとも1800、または少なくとも2000の毎分回転数を有してもよい。濾過媒体の毎分回転数は、任意選択で、10,000、または5000、または2500、または2100を超えてはならない。
【0047】
任意選択で、フィルターケージは、開口部を介してフィルターチャンバから取り外し可能であってもよく、そして、濾過された微粒子は、濾過された微粒子が中に入ったフィルターケージを取り外すことによって、フィルターチャンバから取り出されてもよい。任意選択で、濾過された微粒子は、開口部を通して軸と平行な方向に除去可能であってもよい。
【0048】
したがって、第2の端壁の開口部は、フィルターケージが通過できるようにフィルターケージに対して十分に大きいサイズであってもよい。フィルターケージは、フィルターチャンバから取り外せるように、フィルターユニットから取り外し可能であってもよい。任意選択で、フィルターケージは、駆動シャフトから取り外し可能であってもよい。あるいは、またはそれに加えて、フィルターケージの内部は、フィルターケージを取り外す必要なく、第2の端壁の開口部を介して、使用者によってアクセス可能であってもよい。
【0049】
[濾過媒体]
本発明において使用される「濾過媒体」という用語は、「1つまたは複数の濾過媒体」を同じ意味である。濾過媒体は多孔質材料を含んでいてもよい。濾過媒体の細孔は、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、または30μm以下の平均細孔径を有してもよい。このような細孔サイズは、マイクロファイバーの除去において優れた効率を提供すると同時に、容易に閉塞しないことが分かっている。好ましさが増す順に、1つまたは複数の濾過媒体の細孔は、少なくとも1μm、少なくとも2μm、少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、または少なくとも30μmの平均細孔径を有する。典型的には、濾過媒体は、10から100μm、または20から70μmの平均細孔径を有する細孔を含む。
【0050】
平均細孔径は、算術平均細孔径であってもよい。細孔サイズは、細孔の最大の直線サイズと考えることができる。円形の細孔の場合、これは直径になる。スロットの形をとる細孔の場合、これはスロットの長さになる。
【0051】
平均は、適切な画像解析ソフトウェアを使用した光学顕微鏡または電子顕微鏡によって確立されることが好ましい。平均は、好ましくは少なくとも100個、より好ましくは少なくとも1,000個、特に少なくとも10,000個の細孔の平均である。
【0052】
フィルターユニットに存在する濾過媒体の数は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、特に20以下、最も特に10以下である。濾過媒体の好ましい数には、1、2、3、4、6、および8が含まれる。
【0053】
濾過媒体は、メッシュ、有孔シート、織布または不織繊維シート、布またはフェルト、または多孔質材料、または任意の他の既知の濾過材料を含んでいてもよい。濾過媒体がメッシュを含む場合、メッシュは、編まれたメッシュを含むワイヤまたは糸の網製品を含んでいてもよい。ワイヤまたは糸の網製品は、不織布または織物であってもよく、または複数の繊維層を含んでいてもよい。繊維層は、任意に、各層が典型的には異なる配向で平行に整列した2つ以上の繊維層を含んでいてもよい。メッシュの細孔は、ワイヤまたは糸の間の異なる間隔から形成されてもよい。
【0054】
濾過媒体が有孔シートを含む場合、細孔は穿孔であってもよい。有孔シートは、材料に穿孔を導入するための任意の公知の方法によって、材料が打ち抜かれ、刺され、切断され、切り目を入れられ、または処理される、金属材料またはポリマー材料を含んでいてもよい。
【0055】
濾過媒体が多孔質材料を含む場合、多孔質材料は、多孔質セラミック、細孔を有する層状表面(例えば、多孔質高分子膜)、または本来的に多孔質である他の任意の材料であってもよい。
【0056】
1つまたは複数の濾過媒体は平面形状であってもよく、より好ましくは1つまたは複数の濾過媒体は湾曲した形状であり、最も好ましくは1つまたは複数の濾過媒体は側壁またはフィルターケージの側壁と実質的に同じ形状をとるように湾曲している。
【0057】
1つの濾過媒体がフィルターケージ内に存在する場合、濾過媒体は好ましくは円筒形である。複数の濾過媒体がフィルターケージ内にある場合、濾過媒体は好ましくは組み合わせで、フィルターケージ内に配置されたときにほぼ円筒形状を形成するように作用する。
【0058】
[駆動シャフト]
駆動シャフトは、フィルターケージの回転を駆動するように構成されており、通常、駆動シャフトはフィルターチャンバの第1の端壁からフィルターケージまで延びている。駆動シャフトは、フィルターチャンバの第1の端壁を通過していてもよい。シールは、駆動シャフトと第1の端壁との間に配置されてもよい。
【0059】
駆動シャフトは、駆動手段への機械的接続を備えていてもよい。駆動手段への機械的接続は、ベルトを介して駆動手段に接続するプーリー、駆動手段の1つまたは複数の歯車に接続する歯車、2つのスプロケット間のチェーン、または駆動手段への直接接続を含んでいてもよい。駆動手段がモータである場合、直接接続は、例えば、モータのロータに接続されるか、またはモータのロータと一体的に形成される駆動シャフトであってもよい。フィルターユニットは、フィルターチャンバと駆動シャフトとの間に1つまたは複数の回転ベアリングまたはブッシュを備えていてもよい。フィルターユニットは、駆動手段への機械的接続に隣接して駆動シャフトに接続する1つまたは複数の回転ベアリングまたはブッシュを備えていてもよい。特に、フィルターユニットは、駆動手段への機械的接続の両側で駆動シャフトに接続する2つの回転ベアリングまたはブッシュを備えていてもよい。
【0060】
任意選択で、駆動シャフトは中空であってもよい。供給液は中空の駆動シャフトの中心を通過してもよい。駆動シャフトは第1の端壁を通過していていもよく、入口は、駆動シャフトの中空内、および第1の端壁内にあってもよい。中空の駆動シャフトはまた、フィルターケージの第1の端部の開口部まで延びていてもよい。中空の駆動シャフトは、開口部を介してフィルターケージの内部に供給液を供給可能にしてもよい。
【0061】
中空の駆動シャフトはまた、中空の駆動シャフトの中心に供給液を供給するために供給液供給パイプに接続していてもよい。供給パイプと駆動シャフトとの間にシールが存在していてもよい。供給液供給パイプは、処理装置からの出口に接続してもよく、または出口の一部を構成していてもよい。供給液供給パイプは静止していてもよいが、駆動シャフトは動作中に回転可能である。供給液供給パイプと駆動軸との接続部は、ハウジングで囲まれていてもよい。駆動シャフトとハウジングとの間に1つまたは複数のシールが存在してもよい。ハウジングには、供給液供給パイプと駆動シャフトとの間からの供給液の漏出物が含まれる可能性がある。
【0062】
[結合]
駆動シャフトはフィルターケージに永久的に接続されていてもよい。あるいは、駆動シャフトとフィルターケージは、それらの間に取り外し可能な結合を備えていてもよい。駆動シャフトのフィルターケージへの取り外し可能な結合は、駆動シャフトからの駆動をフィルターケージに伝達することを可能にし、駆動シャフトとフィルターケージの分離を可能にする、任意のシステムを構成してもよい。つまり、フィルターケージは駆動シャフトから取り外し可能であってもよい。特に、駆動シャフトおよびフィルターケージはそれぞれ、駆動シャフトがフィルターケージに取り外し可能に接続してフィルターケージの回転を駆動することを可能にする合わせ面を備える。すなわち、駆動シャフトは、駆動シャフト上の合わせ面(すなわち、駆動シャフト合わせ面)を備えていてもよく、フィルターケージは、フィルターケージ上の合わせ面(すなわち、フィルターケージ合わせ面)を備えていてもよい。駆動シャフト合わせ面とフィルターケージ合わせ面は、取り外し可能であってそれらの間で駆動力を伝達するために協働するように構成されていてもよい。
【0063】
駆動シャフトの合わせ面およびフィルターケージの合わせ面は、相互に形状付けされた機構、すなわち、一方または両方の合わせ面上の1つまたは複数の外形と、他方の面上の対応する相互に形状付けされた1つまたは複数の凹部を備えていてもよい。相互に形状付けされた機構の非限定的な例としては、とりわけ、スプラインと溝、ピンとスロット、整列した歯、および半径方向に整列した段付き面が挙げられる。任意選択で、駆動シャフトの合わせ面および/またはフィルターケージの合わせ面は、1つまたは複数のスプラインを備える。
【0064】
駆動シャフトの合わせ面およびフィルターケージの合わせ面は、駆動シャフトが一方向に回転されるときのみに回転が伝達されるように構成されてもよい。相互に形状付けされた機構の非限定的な例は、軸の半径方向に平行に整列された複数の段付き面と、段付き面の先端に向かって円周方向に沿って増加する傾斜とを備えていてもよい。この機構は、第1の方向に回転して段付き面を介して相互機構の対応する段付き面を押すときに、駆動力を伝達してもよい。第2の方向では、対応する傾斜により、機構が相互にすり抜けて通過し、例えば回転ラチェットのように動作することが可能になっていてもよい。
【0065】
駆動シャフトは、駆動シャフトの残りの部分とは異なる駆動シャフトの頭部を与えるために、駆動シャフトの合わせ面に向かって広がっていてもよい。頭部は、円錐、または端に向かって狭くなる他の先細りの形状を備えていてもよく、円錐、または端に向かって狭くなる他の先細りの形状に近似していてもよい。ヘッドは、肩部、フランジ、または別の幅広部分を備えていてもよい。駆動シャフトは、合わせ面を含むためのより大きな領域を与えてもよい。
【0066】
[駆動手段]
フィルターユニットは駆動手段を備えていてもよい。駆動手段は、モータ、任意選択で電気モータを備えていていもよい。電気モータはロータを備えていてもよい。モータは、環状モータ、すなわち、ロータの中心を通る開口部を有するモータであってもよい。駆動シャフトは、ロータの開口部を通過してロータに接続されていてもよく、それによってモータが駆動シャフトの一部を取り囲み、駆動シャフトを回転させるように動作可能であってもよい。したがって、モータのロータは軸および駆動シャフトと同心であってもよい。あるいは、モータは、軸から離れて配置されていてもよく、例えば、モータのロータは、フィルターチャンバの軸と平行ではあるが一致しない軸の周りを回転してもよい。
【0067】
[インペラー]
フィルターユニットは、フィルターケージとともに回転するように構成されたインペラーを備えていてもよい。インペラーはフィルターケージとともに回転し、フィルターチャンバの供給液を回転させる。インペラーは、フィルターユニットを通して排出口から供給液を汲み上げるか駆動するのを補助してもよく、および/または1つまたは複数の濾過媒体を通して供給液を汲み上げるか駆動するのを補助してもよい。インペラーは、1から10、より好ましくは3から10、特に4、5または6のインペラーブレードを備えていてもよい。インペラーブレードは、フィルターチャンバで供給液を回転させるのに適した任意の形状をとることができる。特に、インペラーブレードは、軸から半径方向に整列した面を備えていてもよく、回転すると、面が供給液に押し込まれてフィルターチャンバの周りで回転するようにすることができてもよい。インペラーブレードは直線的であってもよく、フィルターケージの長さに沿って軸に平行に延びていてもよく、あるいは軸に対して非直線的であってもよい(例えば、軸の周りで螺旋状であってもよい)。
【0068】
インペラーブレードは、濾過媒体から半径方向内側(例えば、フィルターケージの内部)にあってもよい。インペラーブレードは、フィルターケージの半径方向外側(例えば、フィルタケージの外部)にあってもよい。
【0069】
インペラーはフィルターケージの内部または外部から取り外し可能であってもよい。あるいは、インペラーはフィルターケージに取り付けられるか、フィルターケージと一体的に形成されてもよい。インペラーが取り外し可能である場合、インペラーは、複数のインペラーブレードが接続されたアセンブリを備えていてもよい。したがって、インペラーを取り外すと、すべてのブレードが同時に取り外される。特に、インペラーは、剛性の半径方向要素または円周方向要素と相互接続された、等間隔に配置された複数の直線的なブレードを備えていてもよい。
【0070】
インペラーは、フィルターケージの取り外し可能なキャップに、または取り外し可能な蓋に、機械的に接続されてもよい。取り外し可能なキャップ、または任意選択で取り外し可能な蓋を、取り外してフィルターケージから引き離すことにより、インペラーをフィルターケージから引き出してもよい。これにより、インペラーの取り外しの容易性がさらに向上する可能性がある。
【0071】
いくつかの実施形態では、フィルターケージがフィルターチャンバの原位置に留まったまま、インペラーだけがフィルターケージから取り外し可能であってもよい。あるいは、フィルターケージがフィルターチャンバから取り外されたときに、インペラーがフィルターケージから取り外し可能であってもよい。任意選択で、フィルターケージがフィルターチャンバの原位置にあるとき、およびフィルターケージがフィルターチャンバから取り外されたときの両方で、インペラーが取り外し可能であってもよい。
【0072】
[取り出し要素]
フィルターユニットは、濾過された微粒子をフィルターケージから取り出すための取り出し要素を備えていてもよい。取り出し要素は、第2の端壁の開口部を通してフィルターチャンバから微粒子を除去するために、フィルターケージの内部から取り外し可能な要素を備えていてもよい。取り出し要素は、フィルターチャンバから微粒子を除去するために、フィルターケージから軸方向に引き出されるように適合されていてもよい。取り出し要素は、ほぼフィルターケージの長さまで延びる細長い部分を備えていてもよい。取り出し要素はまた、濾過媒体と接触するための濾過媒体接触部分を備えていてもよい。接触部分と濾過媒体との接触には、直接的な接触が含まれてもよいし、それらの間に小さな隙間、例えば、それらの間の2mm未満、または1mm未満、または0.5mm未満、または0.1mm未満の隙間が含まれていてもよい。フィルターケージの原位置にあるとき、濾過媒体接触部分は、細長い部分の端部、およびフィルターケージの第1の端部の近位に取り付けられてもよい。濾過媒体接触部分は、入口からの供給液が通過できるようにする1つまたは複数の開口部を備えていてもよい。取り出し要素がフィルターケージから引き抜かれたときに、濾過媒体接触部分は、濾過媒体に接触してその上に蓄積された微粒子を収集してもよい。つぎに、収集された微粒子は、フィルターチャンバから取り出し要素上に取り出されててもよい。濾過媒体接触部分は、濾過媒体と接触するためのスクレーパ要素を備えていてもよい。スクレーパ要素は、ゴムまたは別の柔軟な材料を含んでいてもよく、濾過媒体の形状に適合していてもよい。1つまたは複数の濾過媒体は、好ましくは剛性であり、またはフィルターケージの適所に強固に保持される。
【0073】
取り出し要素は、フィルターケージがフィルターチャンバの原位置に留まっている間のみ、フィルターケージから取り外し可能であってもよい。あるいは、取り出し素は、フィルターケージがフィルターチャンバから取り外されたときに、フィルターケージから取り外し可能であってもよい。任意選択で、取り出し要素は、フィルターケージがフィルターチャンバの原位置に留まっている間と、フィルターケージがフィルターチャンバから取り外されたときに、フィルターケージから取り外し可能であってもよい。
【0074】
取り出し要素は、取り外し可能なキャップまたは取り外し可能な蓋への機械的結合を備えていてもよい。取り外し可能なキャップまたは取り外し可能な蓋がフィルターユニットから取り外される/取り除かれるとき、取り出し要素も同時に機械的結合を介してフィルターケージから引き抜かれてもよい。これにより、取り出し要素の取り外しの容易さがさらに向上する可能性がある。取り外し要素は、インペラーに取り付けられるか、インペラーに組み込まれてもよい。すなわち、インペラーは、濾過媒体接触部分を備えていてもよく、取り出し要素として動作可能であってもよい。
【0075】
[空気抜きと二次ドレン]
出口がフィルターチャンバの垂直方向の最下部(つまり、底部)に位置している場合、濾過された供給液の最大量を重力により出口から排出することができる。したがって、この構成では、濾過後にフィルターユニットから供給液を完全に排出することができる。しかしながら、フィルターチャンバが供給液で満たされると、フィルターチャンバの上部に空気が蓄積する可能性がある。フィルターユニットは、空気を除去するために、フィルターチャンバの垂直方向最上部に空気抜き出口を備えていてもよい。空気抜き出口は、フィルターチャンバが供給液を含むときにフィルターチャンバから空気を逃がすことができるように動作可能なバルブを備えていてもよい。バルブは、フィルターチャンバに供給液を最初に充填する間、またはその直後に開いてもよい。バルブは、フィルターチャンバから空気が抜けた後に閉じてもよい。バルブは、フロート弁、またはバルブを操作するための浮力要素を備えた任意のバルブを備えていてもよい。バルブは、液体センサによる液体の検出時に閉じられてもよく、または所定の時間が経過した後、バルブは、濾過中に終始閉じられたままであってもよい。空気抜き出口は、廃水ドレンまたはフィルターチャンバの出口に接続されていてもよく、したがって、空気抜き出口を通過するあらゆる液体は、廃水ドレンに戻されてもよい。
【0076】
出口がフィルターチャンバの垂直方向の最上部(つまり、頂部)に位置している場合、空気は出口を介してフィルターチャンバから出ることができる。しかしながら、濾過後、濾過された供給液の一部がフィルターに残り、重力によって出口から排出できない場合がある。フィルターチャンバは、フィルターチャンバの垂直方向最下部(すなわち、底部)に二次ドレン出口をさらに備えてもよい。二次ドレン出口は、供給液の供給が停止したときに、保持された濾過された供給液をフィルターチャンバから排出するように動作可能であってもよい。二次ドレン出口はバルブを備えていてもよい。バルブは、濾過中は閉じたままにしてもよく、濾過後に開いて、保持された濾過された供給液を排出してもよい。二次ドレン出口は、フィルターチャンバの出口または廃水ドレンに接続していてもよい。
【0077】
フィルターチャンバの垂直方向の最上部または最下部とは、フィルターユニットの使用時において、垂直方向に関してフィルターチャンバの最頂部または最底部の領域であるフィルターチャンバの部分を指すことがある。フィルターユニットを使用するとき、フィルターユニットは通常、軸が水平方向に揃うように向けられる。フィルターチャンバの垂直方向の最上部は、典型的には空気が蓄積することがあるフィルターチャンバの領域であってもよく、フィルターチャンバの垂直方向の最下部には、重力の影響で最初に水が蓄積することがある。
【0078】
[動作]
フィルターユニットは、遠心フィルターとして動作可能であってもよく、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するために遠心力を使用するように動作可能であってもよい。遠心フィルターとして動作可能なフィルターユニット、または微粒子を濾過するために遠心力を使用するように動作可能なフィルターユニットは、供給液を回転させて供給液を濾過媒体に通してもよい。任意選択で、供給液の回転により、フィルターユニットを通して供給液を送り出してもよい。
【0079】
好ましさが増す順に、フィルターユニットは、空にするか洗浄することが必要とされる前に、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも50回および少なくとも100回のテキスタイル処理サイクルからの供給液を濾過してもよい。洗浄の必要性は、流速が初期速度の50%未満に低下した場合、またはより好ましくは流速の急激な減少が認められた場合に確立されてもよい。
【0080】
典型的には、微粒子は、濾過された供給液がフィルターチャンバから排出されたときに(のみ)、フィルターチャンバから除去されてもよい。任意選択で、微粒子は、濾過された供給液がフィルターチャンバの第2の端壁の開口部の最下点の下まで排出されたときにのみ、フィルターチャンバから除去されてもよい。
【0081】
フィルターユニットは、濾過された微粒子が脱水状態にあるときに、濾過された微粒子をフィルターチャンバから取り出すように動作可能であってもよい。脱水状態には、フィルター残留物の含水量が水の懸濁または余剰からフィルター残留物が非流動性状態になるまで減少した場合の微粒子含有フィルター残留物が含まれる場合がある。非流動性状態とは、フィルター残留物が液体と比較して多量の固体を有する状態であると考えることができ、すなわち、残留物は、スラリー、ペースト状もしくは湿った粒状材料、または実質的に乾燥した粒状材料に似ていることがある。液体と比較して多量の固体とは、少なくとも50質量%の固体、少なくとも75質量%の固体、または少なくとも90質量%の固体、および任意選択で最大98質量%の固体、または最大100質量%の固体を含むフィルター残留物であると考えることができる。脱水フィルター残留物は、任意選択で、フィルター残留物が上記で定義した液体と比較して多量の固体を含むまで水分含量が低減されたフィルター残留物を含んでいてもよい。脱水された微粒子は、フィルターケージのフィルターチャンバまたは取り出し要素から除去されてもよい。
【0082】
フィルターユニットは、遠心力を使用して濾過された微粒子を脱水するように動作可能であってもよい。すなわち、濾過後、フィルターチャンバから水を排出し、フィルターケージを回転させて、微粒子を含むフィルター残留物から水を除去してもよい。回転は、上で定義したような脱水状態が達成されるまで継続してもよい。任意選択で、濾過された微粒子を脱水するための回転は、濾過中の回転よりも高いG力で行われてもよい。任意選択で、脱水するように動作可能なフィルターは、毎分少なくとも1,000回転、または少なくとも1,200回転、または少なくとも1,400回転、または少なくとも1,800回転、または少なくとも2,000回転、または少なくとも5,000回転、または少なくとも10,000回転で回転可能なフィルターケージを備えていてもよい。
【0083】
[供給液]
供給液は、テキスタイル処理装置からの液体流出物であってもよい。好ましくは、供給液は、ペースト、スラッジ、または半固体の形態ではない。供給液は水性液体であることが好ましい。供給液体が水以外の液体を含む場合、これらはアルコール、ケトン、エーテル、環状アミドなどであってもよい。好ましくは、供給液は、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も特に少なくとも90重量%の水を含む。
【0084】
供給液は微粒子を含む。本明細書で使用される「微粒子」という用語は、1mm未満、または0.5mm未満、または0.1mm未満の最長直線寸法を有する任意の粒子状材料を指すことがある。微粒子は、最長直線寸法が1μm以上であってもよい。最長直線寸法は、適切な画像解析ソフトウェアを使用した光学顕微鏡または電子顕微鏡によって測定できる。微粒子は、テキスタイル、特にテキスタイルの繊維および単繊維に由来する微粒子であってもよく、特にマイクロファイバーであってもよい。
【0085】
供給液は、より大きな粒子、例えば、寸法が1mmを超える粒子を含んでいてもよい。本明細書で使用される「固体材料」という用語は、供給液中の微粒子、および場合によってはより大きな粒子を指すことがある。
【0086】
供給液は、フィルターユニットに入る前に、30重量%未満、または20重量%未満、または10重量%未満(固体材料と液体の総質量の百分率として)の固体材料を含んでいてもよい。供給液は、少なくとも0.001重量%、または少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.1重量%(固体材料と液体の総質量の百分率として)の固体材料を含んでいてもよい。
【0087】
供給液は、0.01重量%から約5重量%の固体材料、または約0.1重量%から約3.5重量%の固体材料(固体材料と液体の総質量の百分率として)を含んでいてもよい。
【0088】
フィルターユニットの入口は、テキスタイル処理装置の出口に接続されていてもよい。テキスタイル処理装置からの供給液は、流出供給物であってもよい。「流出供給物」という用語は、好ましくは、テキスタイル処理装置のサイクル、例えば、洗濯サイクルからの流出液に由来する供給液を指す。
【0089】
あるいは、供給液はテキスタイル処理装置の研磨供給物であってもよい。「研磨供給物」という言葉は、好ましくは、ある一部のテキスタイル処理中にテキスタイル処理装置に存在する液体を意味する。通常、研磨供給物はフィルターユニットとテキスタイル処理装置の間で再循環される。
【0090】
[マイクロファイバー]
微粒子は、マイクロファイバーであってもよいし、マイクロファイバーを含んでいてもよい。特に、第1の態様のフィルターユニットは、マイクロファイバーを含む供給液からマイクロファイバーを濾過可能であってもよい。本明細書で使用される「マイクロファイバー」という用語は、好ましくは、最長直線寸法が1mm未満であるマイクロファイバーを意味する。好ましくは、好ましさが増す順に、マイクロファイバーは、500μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、または100μm以下の最長直線寸法を有する。
【0091】
マイクロファイバーという用語は、追加的または代替的に、10マイクロメートル未満の直径を有する繊維を意味することがある。
【0092】
最長直線寸法と直径は、適切な画像解析ソフトウェアを使用した光学顕微鏡または電子顕微鏡によって測定可能である。好ましくは、マイクロファイバーの最長直線寸法および/または直径は平均である。平均は算術平均であることが好ましい。算術平均は、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1,000、特に少なくとも10,000のマイクロファイバーを測定することによって確立される。
【0093】
マイクロファイバーは、合成材料、半合成材料または天然材料またはそれらの混合物であってもよく、それらを含んでいてもよい。合成材料を含むマイクロファイバーには、ポリアミド、ポリエステル、アクリルに由来するものが含まれるが、これらに限定されない。天然材料を含むマイクロファイバーには、羊毛、綿および絹に由来するもの、特にセルロースを含むものが含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
[効率、流速および濾過された供給液]
濾過された供給液は、濾過媒体を通過した供給液を指してもよい。濾過された供給液は、濾過により微粒子の部分が除去された供給液である。本明細書で使用される場合、「効率」という用語は、供給液から除去される微粒子の質量百分率を指すことがある。
【0095】
本明細書に開示されるフィルターユニット、テキスタイル処理装置、方法および使用は、好ましさが増す順に、供給液に元々存在するすべての微粒子に関する乾燥質量比で、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、および少なくとも99%を除去することができる。
【0096】
効率は、供給液を濾過することによって確立できる。効率は、さまざまな種類の微粒子にわたって測定できる。好ましくは、効率は、第一に、1ミクロンの孔径を有するフィルターバッグを使用して収集された任意の処理サイクルからのすべての微粒子を捕捉し、乾燥重量を測定することによって確立される。乾燥質量Wtotavは、通常、平均値である。Wtot自体は、Wf1-Wi1で与えられ、ここで、Wf1は、収集された乾燥微粒子を加えた1ミクロンのフィルターバッグの最終乾燥重量、Wi1は、濾過前の最初のフィルターバッグの乾燥重量である。Wtotavは単にWtot値の平均であり、通常は3×Wtot値の平均である。
【0097】
同様の方法で、第二に、フィルターユニットを通過した少量の微粒子は、フィルターユニットを出た後に1ミクロンのフィルターバッグに収集された供給液中の微粒子の乾燥重量を捕捉して測定することによって確立できる。フィルターユニットを通過した微粒子のこの乾燥質量は、Wncであり、それ自体は、Wf2-Wi2によって計算され、ここで、Wf2は、収集された乾燥微粒子を加えた1ミクロンのフィルターバッグの最終乾燥合計であり、Wi2は、濾過前の最初のフィルターバッグの乾燥重量である。
【0098】
そして、効率は、(Wtotav-Wnc)/Wtotav×100によって与えられる。
【0099】
フィルターバッグおよび濾過された微粒子の乾燥は、好ましくは摂氏50度の温度で少なくとも12時間実施される。
【0100】
好ましさが増す順に、フィルターユニットを通過する供給物の流速は、少なくとも1リットル/分、少なくとも2リットル/分、少なくとも3リットル/分、少なくとも4リットル/分、少なくとも5リットル/分、少なくとも6リットル/分、少なくとも7リットル/分、少なくとも8リットル/分、少なくとも9リットル/分、少なくとも10リットル/分、少なくとも15リットル/分、少なくとも20リットル/分、少なくとも25リットル/分、少なくとも30リットル/分、少なくとも35リットル/分、または少なくとも40リットル/分である。
【0101】
通常、流速は、毎分1000リットル、毎分500リットル/分、毎分100リットル、または毎分50リットルを超えない。
【0102】
好ましさが増す順に、フィルターユニットは、少なくとも100ml、少なくとも250ml、少なくとも500ml、少なくとも750ml、少なくとも1,000ml、または少なくとも2,000mlの容量を有する。
【0103】
典型的には、フィルターユニットは、20,000ml以下、10,000ml以下、5,000ml以下、3,000ml以下、2,000ml以下、または1,000ml以下の容量を有する。
【0104】
容量は、通常、フィルターチャンバに水を満杯まで満たすことによって測定される。これは通常、摂氏20度の温度の水を使用して行われる。
【0105】
好ましさが増す順に、流速:容量の比は、流速がリットル/分で表され、容量がリットルで表される場合、少なくとも0.5:1、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、または少なくとも25:1である。
【0106】
流速:容量の比は、一般的には1000:1以下、より一般的には500:1以下、または100:1以下である。
【0107】
[テキスタイル処理装置]
第2の態様によれば、
ユーザーがアクセスできる前面とその中にあるドアを備えるハウジングと、
前記ハウジング内に位置する前記第1の態様によるフィルターユニットと、
前記ハウジング内に収容されるドラムであって、内部容積と、前記ハウジングの前記前面の前記ドアと位置合わせされた開放端とを備えるドラムと
を備えるテキスタイル処理装置が提供される。
【0108】
テキスタイル処理装置は、テキスタイルを処理するのに適した任意の装置であってもよい。特に、テキスタイル処理装置は、テキスタイルの洗浄に適していてもよい。特に、テキスタイルは、天然繊維(例えば、セルロース含有繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル)、または天然繊維と合成繊維の組み合わせを含んでいてもよい。テキスタイルは、織られた繊維を含んでいてもよい。特に、テキスタイルは、衣類を構成していてもよい。
【0109】
テキスタイル処理装置は、液体を含む処理配合物を用いてテキスタイルを洗浄するように適合されていてもよく、ドラムは、テキスタイルおよび処理配合物を回転させるのに適していてもよい。テキスタイル処理装置は、ドラムを回転させるための駆動ユニットと、第1の態様によるフィルターユニットとを備えていてもよい。特に、テキスタイル処理装置は、洗濯機であってもよい。
【0110】
テキスタイル処理装置は、ハウジングの前面に配置された洗剤引き出しを備えていてもよい。洗剤引き出しは、閉じた構成と開いた構成との間で移動可能であってもよい。開いた構成では、ユーザーは、テキスタイル用洗浄剤(例えば、洗剤)を追加することができる。フィルターユニットは、洗剤引き出しの後ろに配置されていてもよい。フィルターユニットの第2の端壁にある開口部および取り外し可能な蓋は、洗剤引出しが開いた構成にあるときに、洗剤引き出しを通してユーザーによってアクセス可能であってもよい。
【0111】
洗剤引き出しは、取り外し可能な蓋に機械的に接続されていてもよい。洗剤引き出しを開けると、取り外し可能な蓋がフィルターチャンバから引き離されてもよい。また、同様に、洗剤引き出しを閉じると、取り外し可能な蓋が戻ってフィルターチャンバを閉じてもよい。これらの実施形態では、フィルターケージまたは取り出し要素は、取り外し可能な蓋を介して洗剤引き出しに結合されていてもよい。したがって、洗剤引き出しが開かれると、実施形態に応じて取り出し要素またはフィルターケージを介して、微粒子がフィルターチャンバから取り出されてもよい。同様に、洗剤引き出しが閉じられると、取り出し要素またはフィルターケージがフィルターチャンバに戻されてもよく、取り外し可能な蓋が開口部に戻されてもよい。
【0112】
あるいは、開口部および取り外し可能な蓋は、ユーザーがアクセスできるように、ハウジングの前面で直接アクセス可能であってもよく、または開口部および取り外し可能な蓋は、ハウジングのフラップまたはパネルによって覆われていてもよい。
【0113】
フィルターユニットの入口は、供給液がテキスタイル処理装置の処理サイクルからのものとなるように、テキスタイル処理装置に接続されていてもよい。テキスタイル処理装置が洗濯機である場合、供給液は洗濯サイクルからの流出物であってもよい。
【0114】
フィルターユニットの出口は、テキスタイル処理装置のドレンに接続されていてもよい。テキスタイル処理装置のドレンは、廃水ドレン(例えば、下水道への接続)に接続してもよい。
【0115】
テキスタイル処理装置には、衣類の製造に使用される衣類またはテキスタイルの着色(例えば、染色)、ストーンウォッシュ、研磨、および表面処理の適用に適合した機械が含まれていてもよい。テキスタイル処理装置は、一度に15kg以下、または25kg以下、または50kg以下、または100kg以下、または500kg以下の乾燥テキスタイルを処理できる能力を有していてもよい。テキスタイル処理装置のドラム容積は、最大で100L、500L、1000L、または5000Lであってもよい。
【0116】
テキスタイル処理装置は洗濯機であってもよく、家庭用洗濯機であっても業務用洗濯機であってもよい。家庭用洗濯機は、一度に洗濯できる乾燥テキスタイルの量が15kg以下であってもよい。通常、家庭用洗濯機は、フロントローディング式洗濯機または縦型洗濯機のいずれかである。フロントローディング式洗濯機や縦型洗濯機では、前面はドアを含む面である。したがって、縦型洗濯機では、前面は上面である。家庭用の洗濯機は、幅60cm、奥行き60cm、高さ85cm程度のものが多い。家庭用洗濯機のドラムは、好ましくは、少なくとも1リットル、より好ましくは少なくとも10リットル、および、好ましくは150リットル以下、または120リットル以下の容積を有する。
【0117】
市販の洗濯機は、一度に15kgを超える乾燥テキスタイルを洗濯できる容量を備えている場合がある。テキスタイル処理装置のドラムは、120リットルを超える、150リットルを超える、200リットルを超える、400リットルを超える、900リットルを超える、または1400リットルを超える容量を有する場合がある。このような大きな寸法のドラムは、商業用途または産業用途に特に適している。ドラムの容量には任意の上限があってもよく、ドラムの容量は20,000リットル以下、または10,000リットル以下であることが好ましい。
【0118】
テキスタイル処理装置はまた、駆動ユニットを備えていてもよい。駆動ユニットは、テキスタイル処理装置のドラムを回転させるように動作可能である。ドラムを回転させるための駆動ユニットはモータであってもよく、好ましくは電気モータであってもよい。
【0119】
処理配合物中の液体は、上記の供給液について記載したとおりであってもよい。液体は、染料、顔料、界面活性剤、酵素、酸、塩基、緩衝剤、酸化剤、ビルダー、殺生物剤、および汚れ防止剤から選択される1つまたは複数の処理添加剤を含んでいてもよい。
【0120】
テキスタイル処理装置は、第1の態様によるフィルターユニットに電気的に接続されていることが好ましい。テキスタイル処理装置は、第1の態様によるフィルターユニットに好ましくは接続されているコントローラユニットを備えていてもよい。
【0121】
テキスタイル処理装置のコントローラは、プロセッサによって動作されたときにフィルターユニットに接続されまたはフィルターユニットの一部として含まれる駆動手段を動作させる、プログラムがロードされたメモリを備えていてもよい。同様に、1つまたは複数のバルブは、コントローラによって動作されてもよい。動作されるバルブは、入口、出口、二次ドレン出口、または空気抜き出口(すなわち、空気抜きバルブ)に関連付けられたバルブであってもよい。このようにして、フィルターユニットの動作は、テキスタイル処理装置の直接制御下にあってもよい。
【0122】
代替的に、または追加的に、フィルターユニットは、コントローラを備えていてもよい。フィルターユニットのコントローラは、テキスタイル処理装置のコントローラの動作に関連する情報を感知または送られてもよく、フィルターユニットのコントローラは、プロセッサによって動作されたときにフィルターユニットに接続されまたはフィルターユニットの一部をとして含まれる駆動手段および/またはフィルターユニットに関連するバルブ動作させる、プログラムがロードされたメモリを有している。このように、フィルターユニットは、テキスタイル処理装置の直接制御下にないが、その代わりにテキスタイル処理装置が何を行っているかを「認識」しており、それに応じて応答することができる。一例として、フィルターユニットのコントローラは、テキスタイル処理装置の廃水バルブが開いたこと、および/または廃水ポンプが作動したことを感知してもよく、つぎに、フィルターユニットの駆動手段に電力を供給すること、および/または空気抜きバルブを動作させてフィルターユニットによる濾過を開始することによって応答してもよい。コントローラのメモリは、フィルターユニットの一部として構成されてもよく、無線通信を介してアクセス可能であってもよい。
【0123】
フィルターユニットおよび/またはテキスタイル処理装置は、センサ(例えば、テキスタイル処理装置のドレン出口またはフィルターチャンバの圧力センサまたは液体センサ、および/またはフィルターユニットに送られる流出液の体積を測定するセンサ)を備えていてもよい。フィルターユニットまたはテキスタイル処理装置のコントローラは、そのようなセンサからの入力に基づいてフィルターユニットを自動的に動作させるように構成されていてもよい。代替的に、またはこれに加えて、フィルターユニットまたはテキスタイル処理装置のコントローラは、洗濯サイクルに関する条件が特定された後(例えば、洗濯サイクルの完了後)、フィルターユニットを動作させるように構成されていてもよい。
【0124】
テキスタイル処理装置は、前記ドラムが回転可能に取り付けられるタブであって、前記ドラムは側壁を有し前記側壁は前記処理配合物が前記ドラムから出ることを可能にするように構成された1つまたは複数の開口を備える、タブと、前記ドラムの下に配置され任意選択で前記タブの中または下に配置された収集器であって、前記ドラムを出る前記処理配合物を収集するように構成された収集器と、本明細書に開示されるフィルターユニットと、前記収集器と前記フィルターユニットの前記入口との間の第1の流路とを備えていてもよい。
【0125】
フィルターユニットの出口は、ドラムに流体的に接続されていてもよい。このようにして、フィルターユニットを通過した液体は、ドラムに戻されてもよい。フィルターユニットの出口は、ドレンに流体的に接続されていてもよい。任意選択で、フィルターユニットの出口は、ドレンおよびドラムに流体的に接続されていてもよい。任意選択で、テキスタイル処理装置は、フィルターユニットの出口から出る液体濾過液が選択的にドラムに再循環されるかドレンに送られるように構成された制御バルブを備えている。
【0126】
テキスタイル処理装置は、前記処理配合物を前記収集器から前記ドラムに再循環させるための再循環手段をさらに備えていてもよく、前記フィルターユニットは前記再循環手段に含まれている。このようにして、フィルターユニットは、収集器からドラムへの再循環中に処理配合物を濾過する。典型的には、再循環手段は、ポンプと、収集器とドラムを接続するダクトとを備えている。
【0127】
テキスタイル処理装置は、本発明の第1の態様によらない第2のフィルター、または処理配合物がフィルターユニットの入口に入る前に第2のフィルターを通過するように配置されたトラップを備えていてもよい。第2のフィルターまたはトラップは、洗濯物を洗濯するときにポケットからコイン、石、または他の物品などの固体材料の大きな破片または物品がフィルターに入るのを防ぐための粗いフィルタ(例えば、コイントラップ)であってもよい。
【0128】
[使用]
第3の態様によれば、供給液から微粒子を濾過するための、第1の態様のフィルターユニットまたは第2の態様のテキスタイル処理装置の使用が提供される。
【0129】
第3の態様によるテキスタイル処理装置の使用は、テキスタイルの処理を含んでいてもよい。特に、テキスタイルは、合成繊維を含むテキスタイルおよび/または綿またはポリコットンなどのセルロースを含むテキスタイルを含む処理を含んでいてもよい。テキスタイル処理装置は、第2の態様で説明したものであってもよい。
【0130】
使用は、第4の態様の方法により実行されてもよい。
【0131】
[方法]
第4の態様によれば、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過する方法が提供され、この方法は、
第1の態様によるフィルターユニットを提供することと、
微粒子を含む前記供給液を前記第1の端壁の前記入口を通して供給することと、
前記フィルターケージを回転させるために前記駆動シャフトを回転させることと、
濾過された供給液を前記出口の外へ通すことと、
前記駆動ユニットと前記入口への供給液の供給を停止することと
を含む。
【0132】
この方法は、供給液の供給を停止した後、駆動ユニットを操作してフィルターケージを回転させることによって、濾過された微粒子を脱水することを含んでいてもよい。
【0133】
この方法は、濾過された微粒子を第2の端壁の開口部を介してフィルターチャンバから取り出すことを含んでいてもよい。
【0134】
任意選択で、取り出すことは、濾過された微粒子が含まれているフィルターケージを第2の端壁の開口部を通して除去することを含んでいてもよい。
【0135】
任意選択で、取り出すことは、濾過された微粒子が含まれているフィルターケージを第2の端壁の開口部を通して除去することと、フィルターケージから取り出し要素を除去することとを含んでいてもよい。任意選択で、取り出すことは、取り出し要素をフィルターケージおよびフィルターチャンバから第2の端壁の開口部を通して除去することを含んでいてもよい。
【0136】
任意選択で、供給液は、テキスタイル処理装置から供給されてもよい。テキスタイル処理装置は、任意選択で、第2の態様による任意のテキスタイル処理装置であってもよい。さらに、供給液は、第1または第2の態様で説明したような任意の供給液体であってもよい。特に、本方法のテキスタイル処理装置は、洗濯機であってもよい。フィルターユニットは、テキスタイル処理装置のハウジング内に収容されていてもよい。ハウジングは、洗剤引き出しが中に配置された前面を備えていてもよく、洗剤引き出しは、開いた構成と閉じた構成との間で移動可能であり、フィルターユニットは、洗剤引き出しの後ろに配置されている。
【0137】
任意選択で、テキスタイル処理装置は、1つまたは複数のセルロース含有衣類を処理していてもよい。したがって、供給液は、セルロースマイクロファイバーと処理からの流出物とを含んでいてもよい。典型的には、微粒子は、マイクロファイバーであるか、マイクロファイバーを含む。
【0138】
任意選択で、取り出すことは、最初に洗剤引き出しを開いた構成に移動させることを含んでいてもよい。
【0139】
入口を通して微粒子を含む供給液を供給するステップは、供給液でフィルターチャンバを満たすことによってフィルターチャンバをプライミングするステップを最初に含んでいてもよい。プライミングは、処理装置のポンプを操作して供給液をフィルターユニット内に送り出すことを含んでいてもよい。プライミングは、空気抜き出口を操作してフィルターチャンバから空気を除去することを含んでいてもよい。任意選択で、チャンバにプライミングを行った後、駆動シャフトを回転させて濾過を開始してもよい。
【0140】
任意選択で、フィルターケージの回転および入口への供給液の供給を停止した後、二次ドレン出口へのバルブを開いて、濾過された残留供給液をフィルターチャンバから排出してもよい。
【0141】
入口への供給液の供給を停止することは、フィルターユニットの上流のバルブを閉じることを含んでいてもよく、または入口に供給液を供給するポンプの動作を停止することを含んでいてもよい。
【0142】
フィルターケージの回転を停止することは、駆動ユニットの動作を停止することを含んでいてもよい。
【0143】
脱水は、1つまたは複数の濾過媒体上の微粒子から水を遠心力で除去するためにフィルターケージを回転させることを含んでいてもよい。脱水のための回転は、任意選択で、濾過時の回転よりも高いG力で行われてもよい。
【0144】
入口への供給液の供給は、テキスタイル処理装置の単一の処理サイクルからのものであってもよい。単一の処理サイクルからの供給液は、1つの連続的な流れで送られてもよく、または単一の処理サイクルからの供給液の供給は、断続的に供給されてもよい。
【0145】
第4の態様の方法は、マイクロファイバーであるかマイクロファイバーを含む微粒子、特に、第1および第2の態様で定義されたマイクロファイバーを濾過するのに特に適していてもよい。
【0146】
第4の態様の方法で濾過される微粒子は、液体媒体中で処理されたテキスタイルに由来してもよい。
【0147】
テキスタイル処理装置によって行なわれる処理には、洗浄、着色(特に染色および顔料着色)、研磨、エイジング、柔軟化、すすぎ、漂白、滅菌、のり抜きおよび毛玉取り、およびそれらの組み合わせが含まれていてもよい。この方法は、前述したようにテキスタイル処理装置から生じる流出物である供給液を濾過するのに特に適している。好ましくは、テキスタイル処理装置は、ドラム内で1つまたは複数のテキスタイルおよび液体媒体を回転(特に、タンブル)するために使用される。流出物中の繊維の少なくとも一部は、合成繊維を含んでいてもよい。合成繊維の例として、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0148】
供給液は、フィルターユニットを通過する際、5から95℃、より好ましくは5から70℃、特に10から60℃の温度であってもよい。
【0149】
好ましさが増す順に、第1の態様によるフィルターユニットまたは第2の態様によるテキスタイル処理装置は、詰まりが生じる前または洗浄が必要となる前に、少なくとも2回、3回、4回、5回、10回、20回、30回、50回、および100回の処理サイクルからの流出供給物を濾過することができる。
【0150】
好ましさが増す順に、第1の態様によるフィルターユニットまたは第2の態様によるテキスタイル処理装置は、詰まりが生じる前または洗浄が必要となる前に、総体積が少なくとも10リットル、50リットル、100リットル、500リットル、1000リットル、5000リットルおよび10,000リットルの供給物を濾過することができる。
【0151】
フィルターユニットは、流出物がフィルターユニットを一度(そして一度だけ)流れるように動作されてもよい。この方法または動作は、比較的速い。あるいは、フィルターユニットは、1つの処理サイクルの供給物がフィルターユニットを1回以上循環するように動作されてもよい。この動作方法では、必要な濾過時間が長くなる可能性があるが、特に優れた濾過効率を与えることができる。好ましくは、供給物は、フィルターユニットを通って少なくとも1、2、3、4および5回循環される。好ましくは、供給液体は、フィルターユニットを通って100回以下循環される。供給液の濾過サイクル数は、処理サイクルにおいてフィルターユニットを通過した液体の総体積を、その処理サイクルで使用される新たな液体の体積で割ったものとして計算されてもよい。例えば、20リットルの新しい液体が洗浄サイクルで使用され、40リットルがフィルターユニットを通過した場合、フィルターユニットは、2サイクルの濾過を行ったことになる。
【0152】
上述の特徴、好ましいもの、および実施形態は、組み合わせが許す場合には、各図に適用可能であってもよいことが理解されるであろう。本開示の態様は、以下の図を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0153】
図1は、本開示によるフィルターユニットの断面概略側面図を示す。
【0154】
図2aは、本開示による別のフィルターユニットの等角図を示す。
【0155】
図2bは、図2aのフィルターユニットの断面図を示す。
【0156】
図2cは、フィルターケージがフィルターチャンバから取り外された図2aおよび2bのフィルターユニットの等角図を示す。
【0157】
図2dは、インペラーがフィルターケージから取り外された図2cのフィルターユニットの等角図を示す。
【0158】
図2eは、図2aから2dのフィルターユニットの駆動シャフトの等角図を示す。
【0159】
図2fは、図2aから2dのフィルターユニットのフィルターケージを備えた図2eの駆動シャフトの等角図を示す。
【0160】
図2gは、インペラーおよび濾過媒体を除いた図2aから2dのフィルターユニットのフィルターケージの等角図を示す。
【0161】
図2hは、図2aから2dのフィルターユニットのインペラーの等角図を示す。
【0162】
図2iは、洗剤引出しが閉じた構成にあるときの洗剤引出し内の図2aから2dのフィルターユニットの等角図を示す。
【0163】
図2jは、洗剤引出しが開いた構成にあるときの洗剤引出し内の図2aから2dのフィルターユニットの等角図を示す。
【0164】
図3は、本開示による別のフィルターユニットの断面図を示す。
【0165】
図4は、本開示による別のフィルターユニットの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0166】
図1を参照すると、フィルターユニット100が示されている。フィルターユニット100は、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのものである。フィルターユニット100は、フィルターチャンバ101を備えている。フィルターチャンバ101は、中空構造であり、軸2に沿って延びている。フィルターチャンバ101は、互いに対向して軸2と一致する第1の端壁101aと第2の端壁101bとを備えている。図1では、第1および第2の端壁は、それらの間に側壁101cを有し、この実施形態では、側壁は円筒形の壁であり、第1の端壁101aおよび第2の端壁101bと組み合わせて、フィルターチャンバ101におおよそ円筒の形状を与える。しかしながら、フィルターチャンバは、本明細書に記載されるような他の形態をとってもよい。フィルターケージ102は、フィルターチャンバ101内に配置されている。フィルターケージ102は、軸2の周りを回転するように配置されている。フィルターケージ102は、多孔質の濾過媒体103を支持する剛性構造である。濾過媒体103は、供給液が濾過媒体を通過する際に、供給液から微粒子を濾過する。この実施形態では、濾過媒体は、フィルターケージ102の円筒壁を囲んでいる。しかしながら、他の構成も想定される。
【0167】
入口104は、フィルターチャンバ101の第1の端壁101aに備えられている。入口104は、濾過媒体103によって供給液が濾過されるように、フィルターチャンバ101に供給液が入ることを可能にする。出口105もフィルターチャンバ101に備えられている。出口105は、濾過された供給液がフィルターチャンバ101から出ることを可能にする。図1に示す実施形態では、出口105は、フィルターチャンバの最上部で側壁の接線に示されている。しかしながら、限定されるものではないが、図2aおよび図3に示される出口構成を含む、出口の他の構成も想定される。
【0168】
フィルターユニット100はまた、駆動シャフト107aを備えている。駆動シャフト107aは、第1の端壁101aからフィルターケージ102まで延びている。図1に示される実施形態では、駆動シャフト107aも第1の端壁101aを通って延び、第1の端壁101a内に入口104を画定する。図1に示される実施形態では、駆動シャフト107aは、密閉ベアリング108を通って延びている。駆動シャフト107aは、駆動シャフト107aの回転がフィルターケージ102の回転を駆動するように、フィルターチャンバ101内のフィルターケージ102と協働するように配置されている。
【0169】
駆動シャフト107aは、フィルターケージ102への非永久的な接続を含んでいてもよい。しかしながら、永久的な接続も本開示の範囲内である。図1に示す実施形態では、非永久的な接続は、2つの協働する合わせ面107c、102aの形態をとる。駆動シャフト107aは、駆動シャフト合わせ面107cを備え、フィルターケージ102は、フィルターケージ合わせ面102aを備えている。これらの2つの面は協働して、駆動シャフト107aに加えられたトルクがフィルターケージ102に伝達される。協働する合わせ面107c、102aは、数ある中で、スプライン、連結要素、および摩擦面を備えていてもよい。
【0170】
駆動シャフト107aは、図1に示すように、環状モータ107bによって回転されてもよい。しかしながら、例えば、ベルトギアまたは非環状モータによって駆動される他の実施形態は、本開示の範囲内である。
【0171】
図1に示される実施形態では、駆動シャフト107aは中空であり、フィルターチャンバ101内およびフィルターケージ102の内部に供給液を供給する機能も有する。しかしながら、中実の駆動シャフトおよび別個の入口を含む他の構成は、本開示の範囲内である。図1に示す実施形態では、フィルターケージ102は、供給物がフィルターケージ102内に送られるように、第1の壁に隣接する端部に駆動シャフト107aを通して受けるための開口部も備えている。
【0172】
フィルターチャンバ101の第2の端壁101bは、開口部106bを備えている。開口部106bは、液体が開口部106bを通過できないように、取り外し可能な蓋106aによって第1の配置に閉じることができる。濾過された微粒子をフィルターチャンバ101から取り出すことができるように、取り外し可能な蓋106aを開口部106bから取り外して第2の配置にすることができる。図1に示される実施形態では、取り外し可能な蓋106aは、フィルターチャンバ101の第2の端壁101bの開口部106bにネジ山で固定される。
【0173】
使用時に、取り外し可能な蓋106aは、開口部106b内に配置される(すなわち、第1の配置)。供給液が入口104を介してフィルターチャンバ101に供給される。フィルターケージ102が回転して供給液が濾過媒体を通過して出口105を介してフィルターチャンバ101から出るように、駆動シャフト107aが回転する。供給液の供給が停止し、濾過された残留供給液が出口105から排出される。任意選択で、濾過媒体103上に蓄積された濾過された微粒子は、フィルターケージ102をさらに回転させることによって脱水されてもよい。脱水後、フィルターケージ102の回転が停止する。取り外し可能な蓋106aは、開口部106bから取り外される(すなわち、第2の配置)。濾過された微粒子は、第2の端壁101bの開口部106bを通ってフィルターチャンバ101から除去される。図1に示す実施形態では、フィルターケージ102は、開口部106bを通ってフィルターチャンバ101から取り外されるように構成されている。したがって、微粒子は、フィルターケージ102を介して開口部106bを通って除去される。
【0174】
図2aから2dを参照すると、別のフィルターユニット200が示されている。フィルターユニット200は、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのものである。図2aを参照すると、フィルターユニット200が等角図で示されている。図2bには、フィルターユニット200の中心を通る断面図が示されている。図2cには、フィルターチャンバからフィルターケージが取り外されたフィルターユニット200が等角図で示されている。図2dには、フィルターチャンバからフィルターケージが取り外され、フィルターケージからインペラーが取り外されたフィルターユニット200が等角図で示されている。
【0175】
フィルターユニット200は、おおよそ中空円筒のフィルターチャンバ201を備えている。フィルターチャンバ201は、互いに対向してフィルターチャンバ201の中心を通過する軸2と一致する第1の端壁201aおよび第2の端壁201b(図2bに示す)を備えている。フィルターチャンバ201の円筒形の側壁201cは、第1の端壁と第2の端壁との間に延びている。フィルターチャンバ201は、第1の端壁201aから第2の端壁201bに向かってわずかに広がっている。
【0176】
入口204は、フィルターチャンバ201の中へ、および特にフィルターケージ202の中へ供給液が入ることを可能にする。入口204は、フィルターチャンバ201の第1の端壁201aの開口部である。以下で説明するように、駆動シャフト207aは、入口204を通過している。出口205はまた、フィルターチャンバ201の円筒形の側壁201cに、チャンバの垂直方向最上部の高い位置に設けられている。出口205は、濾過された供給液がフィルターチャンバ201から出ることを可能にする。出口205が高い位置にあると、供給液中の気泡がフィルターチャンバ201から出ることができる。しかしながら、これは、残留する液体の体積が出口205のレベルより下のフィルターチャンバ201内に保持されることがあることを意味する。フィルターユニット200はまた、フィルターチャンバ201から残留液を排出するために、円筒形の側壁201cの底部に二次ドレン出口208を備えている。二次出口はまた、残留液を排出するように動作可能なバルブ244(図2iのみに示す)を備えていてもよい。
【0177】
第2の端壁201bは、開口部206bと取り外し可能な蓋206aとから全体が構成される。フィルターユニット200では、開口部206bおよび取り外し可能な蓋206aが第2の端壁201bの全体を占める。取り外し可能な蓋206aは、図2dに示すように、フィルターチャンバ201の第2の端壁201bのバヨネット溝215に適合する3つのバヨネット爪226を備えている。バヨネット溝215は、取り外し可能な蓋206aが30度と90度の間の角度(すなわち、1/12回転から1/4回転の間)を回転して、第2の端壁201bに固定されるか、そこから取り外されるような寸法に作られている。バヨネット溝215は、閉じるときに取り外し可能な蓋206aを回転させると、取り外し可能な蓋206aが第1の端壁201aに向かって移動するように、第1の端壁201aに向かって角度が付けられている。取り外し可能な蓋206aを第1の端壁201aに向かって移動させることによって、取り外し可能な蓋206aを使用してフィルターケージ202を押して駆動シャフト207aに対して所定の位置に固定してもよい。取り外し可能な蓋206aはまた、液体が取り外し可能な蓋206aの周りに漏れるのを防ぐために、図2bに示されるようなOリングシール216を備えている。取り外し可能な蓋206aがフィルターチャンバ201から取り外されると、フィルターケージ202を取り出すのに十分な大きさの開口部が第2の端壁201bに現れる。
【0178】
図2bでは、フィルターチャンバ201内に配置されたフィルターケージ202が示されている。図2cでは、フィルターチャンバ201から取り外されたフィルターケージ202が示されている。フィルターケージ202はまた、図2fおよび図2gに詳細に示されている。フィルターケージは、第1の端部202aを備え、これはケージがフィルターチャンバ内の原位置にあるとき、フィルターチャンバ201の第1の端壁201aに隣接して配置される。
フィルターケージ202は、剛性の格子構造271で形成され、多孔質の濾過媒体203が格子構造の内面に固定されている。フィルターケージ202の格子構造271は円筒に近似し、多孔質の濾過媒体203が格子に固定されると、多孔質の濾過媒体203も円筒に近づく。多孔質の濾過媒体203は図2fに示されており、明確にするために他の図では省略されている。多孔質の濾過媒体203は、供給液が濾過媒体203を通過するときに、供給液から微粒子を濾過する。多孔質の濾過媒体203は、メッシュ、有孔シート、織布または不織繊維シート、布またはフェルト、または他の多孔質材料を含んでいてもよい。フィルターケージ202は、第1の端部に開口部273を備えている。開口部は、駆動シャフト207aの中心からの供給液がフィルターチャンバ201の内部に入ることを可能にする。図2fに示すように、Oリングシール266をフィルターケージ202の外側の開口部の周囲に配置してもよい。これにより、フィルターケージと駆動シャフト207aのヘッド207fとの間で供給液が漏れるのを防ぐことができる。
【0179】
フィルターケージ202は、濾過されていない供給液が濾過媒体203を迂回するのを防止する取り外し可能なキャップ211を備えている。取り外し可能なキャップ211は、フィルターケージ202の第2の端部(すなわち、フィルターケージ202がフィルターチャンバ201内の原位置にあるとき、フィルターチャンバ201の第2の端壁201bに最も近い端部)に位置する。取り外し可能なキャップ211は、ユーザーによって取り外すことができ、フィルターケージ202上のバヨネット爪274と相互作用する溝221を備えている。爪上で溝を回転させると、取り外し可能なキャップ211がフィルターケージ202に対してロックされる。バヨネット溝221は、取り外し可能なキャップ211が30度と90度の間の角度(すなわち、1/12回転から1/4回転の間)を回転して所定の位置にロックされるような寸法に作られていてもよい。バヨネット溝221はまた、取り外し可能なキャップ211を回転させるとキャップがフィルターケージ202に対して引っ張られて所定の位置にロックされるように、角度を付けられてもよい。Oリングシール212は、取り外し可能なキャップ211とフィルターケージ202との間に存在してもよく、図2bでは、取り外し可能なキャップ211に取り付けられているのが示されている。
【0180】
フィルターケージ202の取り外し可能なキャップ211は、取り外し可能な蓋206aに接続されている。取り外し可能なキャップ211と取り外し可能な蓋206aとの間の接続は、取り外し可能なキャップ211と取り外し可能な蓋206aとの間の自由な相対回転を可能にするスピンドル213を備えている。スピンドルにより、取り外し可能なキャップ211または取り外し可能な蓋206aが他方に対して自由に回転することが可能になる。これにより、バヨネット爪274、226を関連する溝221、215内に配置することが容易になる。スピンドル213は、フィルターチャンバ201内のフィルターケージ202の回転を支持する支持軸としても機能する。フィルターユニット200内のスピンドル213は、球面ベアリング214を介して取り外し可能な蓋206aに結合されており、これにより、取り外し可能な蓋206aと取り外し可能なキャップ211との間で軸2の周りの相対回転が可能になる。球面ベアリング214はまた、スピンドルと取り外し可能な蓋206aとの間の軸外移動を可能にする。これにより、取り外し可能なキャップ211または取り外し可能な蓋206aのバヨネット爪274、226をそれぞれの溝221、215内に配置しようとするときのユーザーによる操作を改善することができる。フィルターケージ202の取り外し可能なキャップ211を取り外し可能な蓋206aに接続することにより、取り外し可能な蓋をフィルターユニット200から取り外すと、フィルターケージ202が開口部206bを介してフィルターチャンバ201から引き抜かれる。
【0181】
フィルターユニット200は、フィルターケージ202内に収容されてそこから取り外し可能なインペラー230を備えている。図2bは、フィルターチャンバ201内およびフィルターケージ202内のインペラー(図2bでは符号なし)を示し、図2dは、フィルターチャンバ201から取り外されたインペラー230を示し、図2hは、分離したインペラーを示す。インペラーは、インペラー230の周囲に等間隔に配置された複数のインペラーブレード210を備え、ブレードは、軸2から半径方向に整列した面を備えている。インペラー230はまた、図2gに示すように、フィルターケージ202の第1の端部内のスロット272に収まる3つの駆動ピン275を備えている。駆動ピン275は、インペラー230がフィルターケージ202とともに回転することを確実にする。フィルターケージ上のスロット272はそれぞれ、約30°の円弧を通って延びており、これにより、駆動ピン275をスロット272と位置合わせする際のユーザーの自由度が増大する。
【0182】
図2cおよび図2dを参照すると、インペラー230は、インペラー230の一端の周りにスクレーパ要素209を備えている。スクレーパ要素209は、インペラー230がフィルターケージ202から引き抜かれると、スクレーパ要素209が濾過媒体203に対して引っ張られてそこに蓄積された濾過された微粒子を除去するように、濾過媒体203と接触する。
【0183】
フィルターユニット200は、図2eに詳細に示される駆動シャフト207aを備えている。駆動シャフトは、フィルターチャンバ201の第1の端壁201aを通って延びている。駆動シャフト207aは、中空の中心を備えている。中空の中心は、フィルターチャンバ201内およびフィルターケージ202内へ供給液を供給する。駆動シャフト207aは、第1の端壁201aを通り、駆動シャフト207aおよび第1の端壁201a内に入口204を画定する。駆動シャフト207aの回転により、フィルターケージ202が回転する。
【0184】
駆動シャフト207aは、フィルターケージ202上の同等の合わせ面と協働するように構成された合わせ面を備えている(図2eを参照)。図2eに示す実施形態における駆動シャフト207aの合わせ面は、中央に円錐状の突起を備えたフランジに近い形状のヘッド207fの形態をとっている。ヘッド207fは、図2fに詳細に示されるフィルターケージ202上の同等の段付き構造264に対応する段付き構造261を備えている。駆動シャフト207aが一方向に回転すると、駆動が段付き構造261の面を介して段付き構造264の対応する面に伝達されフィルターケージ202を回転させるように、段付き構造261は、半径方向に整列した3つの面を備えている。フィルターケージ202と駆動シャフト207aとの間の相対回転は、駆動シャフト207aのヘッド207fに対するフィルターケージの配置を容易にする可能性がある段付き構造261、264によって可能になる。さらに、フィルターケージおよびヘッド207fは、ケージをヘッドに対して保持するのに役立ち、フィルターケージ202が所定の位置に配置されたときにユーザーに触覚フィードバックを与えるために、磁石265を備えていてもよい。
【0185】
駆動シャフト207aはまた、フィルターケージ202と駆動シャフト207aとの間の連結部分の間からの供給液の漏れを防止するためにOリングシールを収容することができる凹部262を備えている。
【0186】
駆動シャフト207aの合わせ面からの他端では、駆動シャフトは、洗濯機からの出口に接続可能な差し口としての図2aおよび図2bに示される供給液の供給パイプ217に接続している。供給物の供給パイプは、駆動シャフト207aの内部に供給液を届ける。駆動シャフト207aは、2組の回転ベアリング207dに取り付けられている。一方のシール207b1は、供給液の供給パイプ217と駆動シャフト207aとの間から漏れる流体からベアリングを保護し、第2のシール207b2は、駆動シャフト207aと第1の壁201aとの間からの流体が漏れるのを防止する。
【0187】
駆動シャフト207aは、駆動手段により駆動される。駆動手段は、駆動シャフト207a(図2b参照)に固定されてベアリング207dの間に取り付けられたプーリー207eを備えている。プーリー207eは、モータプーリー218(図2aを参照)の周りにも延びるベルト219によって回転される。モータプーリーは、モータ241(明確にするために図2iのみに示す)によって駆動される。
【0188】
使用時、インペラー230は、取り外し可能なキャップ211がフィルターケージ202に対して密閉された状態で、フィルターケージ202の内側に配置される。フィルターケージ202は、フィルターチャンバ201およびフィルターチャンバ201の第2の端壁201b内の開口部206b内に密閉された取り外し可能な蓋206aの内側に配置され、すなわち、液体が取り外し可能な蓋206aを通過できないような第1の配置である。この位置では、取り外し可能な蓋206aは、フィルターチャンバ内に付勢され、順に、フィルターケージ202の段付き構造264が駆動シャフト207aの段付き構造261に対して付勢されるように、フィルターケージ202が駆動シャフト207aに対して付勢されている。この構成では、駆動シャフトの回転により、インペラー230、フィルターケージ202、および取り外し可能なキャップ211が回転する。この構成では、フィルターユニットは密閉されており、液体は、入口204、出口205、または二次ドレン出口208を介してのみフィルターチャンバに出入り可能である。
【0189】
供給物の供給パイプ217には供給液が供給され、順に、供給パイプから駆動シャフト207aの内部に供給液が供給される。供給液は、駆動シャフト207aを通過し、フィルターケージ202の第1の端部で開口部273を通過する。供給液は、フィルターケージ202に入り、そこでフィルターケージ202上の濾過媒体203を通過しなければならない。モータ241は、ベルト219およびプーリー218、207eを介して駆動シャフト207aの回転を駆動するように動作する。駆動シャフト207aの回転は、段付き構造261、264を介してフィルターケージ202に伝達される。フィルターケージ202の回転も、駆動ピン275およびスロット272を介してインペラーに伝達される。フィルターケージ202のインペラー230および着脱可能なキャップ211の回転は、球面ベアリング214の内部で回転するスピンドル213によって支持される。インペラーブレード210は、フィルターチャンバ201の内側で供給液を回転させ、圧力勾配を確立し、供給液がフィルターチャンバ201を通って流れて濾過媒体203を介して出口から出るようにする。供給液が濾過媒体203を通過すると、微粒子が供給液から濾過され、フィルターケージ202の内側に保持される。濾過が終了すると、供給液の供給とモータ241の動作が停止される。フィルターチャンバ201内に保持された濾過された流体は、バルブ244が開いたときに二次ドレン出口208から排出可能である。
【0190】
図2iおよび図2jを参照すると、フィルターユニット200が洗濯機の洗剤引き出しに関連して示されている。洗剤引き出しは、洗剤トレイ246を備え、洗剤トレイは、洗濯洗剤を入れることができるスロット251を備えている。洗剤トレイ246は、引き出しハウジング247の内側にあり、引き出しハウジング247内でスライド可能である。引き出しハウジング247はまた、洗濯洗剤が洗濯機内で消費される前に洗剤引き出しから出る洗剤出口250も備えている。図2iでは、洗剤引き出しが閉じた構成で示されており、ここで、フィルターユニット200は洗剤トレイ246の前面によって隠されている。図2iはまた、引き出しハウジング247から出て廃水ドレン(図示せず)に接続される延長ホース242に接続されたフィルターユニットの出口205を示す。二次ドレン出口208はまた、ホース243に接続されて示され、順に、ホース243はバルブ244に接続されて最終的にドレン差し口245に接続され、ドレン差し口245は廃水ドレン(図示せず)および/または延長ホース242に接続されている。この構成では、取り外し可能な蓋206aにはアクセスできず、洗剤トレイ246によって隠されている。図2jでは、洗剤引き出しは、使用者が取り外し可能な蓋206aにアクセスできるように、洗剤トレイ246が引き出しハウジング247から引き出された開いた構成で示されている。
【0191】
フィルターユニット200は、1回または複数回の濾過の反復後に空にされてもよい。フィルターユニット200は、洗剤引き出し246を開け、フィルターチャンバ201の第2の端壁201bから取り外し可能な蓋206aを取り外す、すなわち、第2の配置によって空になる。取り外し可能な蓋206aは、取り外し可能な蓋206aのバヨネット爪226がフィルターチャンバ201のバヨネット溝215から出るまで、取り外し可能な蓋206aを回転させることによって取り外すことができる。フィルターケージ202は、スピンドル213および取り外し可能なキャップ211を介して取り外し可能な蓋206aに接続されている。フィルターケージ202は、濾過された微粒子を収容しており、したがって、図2cに示すように、第2の端壁201b内の開口部206bを通してフィルターチャンバ201から取り外すことができる。つぎに、取り外し可能なキャップ211のバヨネット爪274がフィルターケージ202のバヨネット溝221から出るまで回転させることによって、取り外し可能なキャップ211をフィルターケージ202から取り外すことができる。インペラー230は、取り外し可能なキャップ211に接続されており、フィルターケージ202に対して取り外し可能なキャップ211を引くと、インペラー230がフィルターケージ202から引き出される。インペラー230がフィルターケージ202から引き出されると、インペラー上のスクレーパ要素209が濾過媒体203を横切って引っ張られる。濾過媒体203の内面上に蓄積された濾過された微粒子は、スクレーパ要素209に移され、フィルターケージ202から除去される。濾過された微粒子は、ユーザーがスクレーパ要素209から除去することができる。つぎに、フィルターユニット200は、インペラー230をフィルターケージ202内に配置し、取り外し可能なキャップ211を元に戻し、続いてフィルターケージ202をフィルターチャンバ201に戻し、取り外し可能な蓋206aを元に戻すことによって、逆に再組み立てすることができる。その後、フィルターユニット200は、濾過を再開する準備が整う。
【0192】
図3を参照すると、別のフィルターユニット300が示されている。フィルターユニット300は、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのものである。フィルターユニット300は、フィルターチャンバ301を備えている。フィルターチャンバ301は中空構造であり、軸2に沿って延びている。フィルターチャンバ301は、互いに対向して軸2と一致する第1の端壁301aと第2の端壁301bとを備えている。図3では、第1の端壁と第2の端壁は、それらの間に側壁を有し、この実施形態では、側壁は円筒形の壁であり、第1の端壁301aおよび第2の端壁301bと組み合わせて、フィルターチャンバ301おおよそ円筒の形状を与える。フィルターケージ302は、フィルターチャンバ301内に配置されている。フィルターケージ302は、軸2の周りを回転するように配置されている。密閉された環状スラストベアリング333は、フィルターチャンバ301の第1の端壁上に配置されている。フィルターケージは、スラストベアリングに取り外し可能に接続する剛性リップを備えた開放端を備えている。2つの環状リップシール334、335は、それらの間にフィルターケージ302を受け入れるために、環状スラストベアリング333に取り付けられている。リップシール334、335は、環状ベアリングとフィルターケージ302との間の流体の漏出を防止するだけでなく、フィルターケージ302の縁を所定の位置に保持するようにも機能する。環状スラスト軸受333に対してフィルターケージ302をさらに保持するために、環状スラスト軸受333およびフィルターケージ302の表面上に磁石(例えば、モリブデン磁石)が存在してもよい。フィルターケージ302は、多孔質の濾過媒体303を備え、多孔質の濾過媒体は、供給液が濾過媒体303を通過するときに供給液から微粒子を濾過する。
【0193】
入口304は、フィルターチャンバ301の第1の端壁301aに備えられており、軸2から半径方向外側にある。入口304は、供給液が濾過媒体303によって濾過されるように、濾過チャンバ301中に供給液が入ることを可能にする。出口305もまた、フィルターチャンバ301に備えられている。出口305により、濾過された供給液がフィルターチャンバ301から出ることが可能になる。出口305は、フィルターチャンバ301内に滞留する流体を最小限に抑えるために、フィルターチャンバ内の垂直方向の最も低い位置に配置されている。フィルターチャンバ301は、空気抜き出口336およびバルブ337も備えている。
【0194】
フィルターユニット300はまた、駆動シャフト307aを備えている。駆動シャフト307aは、第1の端壁301aを通って延び、図3に示す実施形態では、フィルターケージ302の全長に沿って密閉ベアリング307bを通って延びている。駆動シャフト307aの回転がフィルターケージ302の回転を駆動するように、駆動シャフト307aは、フィルターチャンバ301内のフィルターケージ302に接続されている。
【0195】
駆動シャフト307aは、フィルターケージ302への非永久的な接続を含んでいてもよい。図3に示す実施形態では、非永久的な接続は、2つの協働する合わせ面の形態をとっていてもよい。駆動シャフト307aは、合わせ面307cを備え、フィルターケージ302は、合わせ面302aを備える。これらの2つの面は、駆動シャフト307aに加えられたトルクがフィルターケージ302に伝達されるように協働してもよい。協働する合わせ面307c、302aは、数ある中で、スプライン、連結要素、および摩擦面を備えていていもよい。駆動シャフト307aは、図3に示すように、環状モータ307dによって回転されてもよい。しかしながら、例えば、ベルトギアまたは非環状モータによって駆動される他の実施形態は、本開示の範囲内である。図3に示す実施形態では、駆動シャフト307aは中実である。
【0196】
フィルターチャンバ301の第2の端壁301bは、全体が開口部306bと取り外し可能な蓋306aからなる。開口部306bは、供給液または濾過された供給液が通過できないように、取り外し可能な蓋306aによって第1の配置に閉じることができる。開口部306bを通して濾過された微粒子をフィルターチャンバ301から取り出すことができるように、取り外し可能な蓋306aを取り外すことによって、開口部306bを開いて第2の配置にすることができる。図3に示される実施形態では、取り外し可能な蓋306aは、フィルターチャンバ301の開口部306bの中へネジ山で固定される。
【0197】
使用時に、取り外し可能な蓋306aは、開口部306bを覆って配置される。供給液は、フィルターチャンバ301に供給され、入口304を介してフィルターケージ302内に供給される。空気抜き出口336を介してフィルターチャンバから空気を放出するために、バルブ337が開かれる。空気が除去されると、バルブ337が閉じられる。フィルターケージ302が回転して液体がフィルターユニット300を通過するように、駆動シャフト307aが回転する。供給液の供給が停止し、濾過された残留供給液が出口305から排出される。任意選択で、濾過媒体303上に蓄積された濾過された微粒子は、フィルターケージ302を継続的に回転させることによって脱水されてもよい。取り外し可能な蓋306aは、開口部306bから取り外されてもよい(すなわち、第2の配置)。濾過された微粒子は、フィルターケージをフィルターチャンバ301から引き出すことによって、開口部306bを通してフィルターチャンバ301から除去されてもよい。図3に示す実施形態では、フィルターケージ302は、第2の配置にあるときに、開口部306bを通してフィルターチャンバ301から取り外されるように構成されている。したがって、微粒子は、フィルターケージ302を介して開口部306bを通して除去されてもよい。フィルターケージ302は、開口端からユーザーによって微粒子が空にされてもよく、フィルターケージ302の開口端のリップを環状リップシール334、335の間に配置して環状スラストベアリング333に対して配置することでフィルターチャンバ301内に元に戻して置かれてもよい。
【0198】
図4を参照すると、別のフィルターユニット400が示されている。フィルターユニット400は、微粒子を含む供給液から微粒子を濾過するためのものである。フィルターユニット400は、フィルターチャンバ401を備えている。フィルターチャンバ401は中空構造であり、軸2に沿って延びている。フィルターチャンバ401は、互いに対向して軸2と一致する第1の端壁401aと第2の端壁401bとを備えている。図4では、第1の端壁と第2の端壁は、それらの間に延びる4つの側壁(そのうちの2つは図4に示す401cおよび401d)を有し、フィルターチャンバに全体として直方体の形状を与える。フィルターケージ402は、フィルターチャンバ401内に配置されている。フィルターケージ402は、軸2の周りを回転するように配置されている。フィルターケージ402は、多孔質の濾過媒体を備え、多孔質の濾過媒体は、供給液が濾過媒体を通過するときに供給液から微粒子を濾過する。
【0199】
入口404は、フィルターチャンバ401の第1の端壁401aに備えられている。入口404は、供給液が濾過媒体によって濾過されるように、フィルターチャンバ401に供給液が入ることを可能にする。出口405もまた、フィルターチャンバ401に備えられている。出口405により、濾過された供給液体がフィルターチャンバ401から出ることが可能になる。
【0200】
フィルターユニット400はまた、駆動シャフト407aを備えている。駆動シャフト407aは、第1の端壁401aを通って延び、図4に示す実施形態では、密閉ベアリング407bを通って延びている。駆動シャフト407aの回転がフィルターケージ402の回転を駆動するように、駆動シャフト407aは、フィルターケージ402に永久的に接続されている。
【0201】
駆動シャフト407aは、図4に示すように、環状モータ441によって回転される。環状モータは、防水密閉ケース内に収められている。しかしながら、例えば、ベルトギアまたは非環状モータによって駆動される他の実施形態は、本開示の範囲内である。
【0202】
駆動シャフト407aは、中空であり、第1の端壁401aを通って、フィルターチャンバ401内およびフィルターケージ402の内部に延びている。第1の端壁401a内の駆動シャフト407aは、入口404を画定する。
【0203】
フィルターチャンバ401の第2の端壁401bは、開口部406bおよび取り外し可能な蓋406aを備える。開口部406bは、供給液または濾過された供給液が開口部406bを通過できないように、取り外し可能な蓋406aによって第1の配置に閉じることができる。濾過された微粒子をフィルターチャンバ401から取り出すことができるように、取り外し可能な蓋406aを取り外すことによって、開口部406bを開いて第2の配置にすることができる。図4に示される実施形態では、取り外し可能な蓋406aは、フィルターチャンバ401の第2の端壁401b内の開口部406bの中へネジ山で固定される。
【0204】
フィルターケージ402は、第2の端部(フィルターチャンバ202内の原位置にあるとき、第2の端壁401bに最も近いフィルターケージ402の端部)に取り外し可能なキャップ411を備えている。第2の端部は、ベアリング426を介して取り出し要素490に接続されている。フィルターケージ402内の原位置にあるとき、取り出し要素490は、取り外し可能なキャップ411に隣接するところからフィルターケージ402の第1の端部まで延びている(フィルターケージ402の第1の端部は、フィルターチャンバ401内の原位置にあるとき、フィルターチャンバ401aの第1の端部に隣接するフィルターケージ402の端部である)。取り出し要素490は、フィルターケージ402上の濾過媒体と接触するのに適切な寸法のスクレーパ要素409を備えている。
【0205】
使用時に、取り外し可能な蓋406aは、開口部406b内に配置される。供給液が入口404を介してフィルターチャンバ401に供給される。フィルターケージ402が回転するように、駆動シャフト407aがモータ441によって回転する。供給液が濾過媒体を通過して出口405から出る。供給液の供給が停止し、濾過された残留供給液が出口405から排出される。任意選択で、濾過媒体上に蓄積された濾過された微粒子は、フィルターケージ402をさらに回転させることによって脱水されてもよい。フィルターケージ402の回転が停止すると、つぎに取り外し可能な蓋406aは、開口部406bから取り外される。フィルターケージ402は、フィルターチャンバ401内の原位置に留まる。つぎに取り外し可能なキャップ411は、フィルターチャンバ401内でアクセス可能となり、フィルターチャンバ401内の原位置でフィルターケージ402から取り外すことができる。取り外し可能なキャップ411を取り外すと、スクレーパ要素409および取り出し要素490が濾過媒体に沿って引っ張られる。濾過された微粒子は、スクレーパ要素409に移され、第2の端壁401b内の開口部406bを通ってフィルターチャンバ401から除去される。
【0206】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、「含む」だけでなく、「からなる」および「本質的にからなる」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、Xだけから構成されていてもよいし、何か追加のもの、例えばX+Yを含んでもよい。本明細書で使用される場合、単数形の単語は、単数形に限定されず、文脈上別段の必要がない限り、複数形を含むものと理解される。したがって、「一つの品目」などの単語は、「1つまたは複数の品目」のことも意味する。本明細書に記載される任意の品目、特徴、パラメータ、または構成要素は、必要に応じて、本発明の任意の態様に関連する場合があることが理解されるであろう。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図2j
図3
図4
【国際調査報告】