(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ジブクレーン機構
(51)【国際特許分類】
B66C 23/16 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B66C23/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535975
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021087871
(87)【国際公開番号】W WO2022148706
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】グマン、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ハート、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】グレンダニン、ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】ワッターズ、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ザースキー、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】バウアー、ギルバート
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA01
3F205AC05
3F205CA03
3F205CB01
3F205CB11
3F205EA00
(57)【要約】
ジブクレーンについて高まった動作信頼性を促進する技術が提供される。1つの例では、ジブクレーンが、マスト、シャフト機構、および、ロッドを備え得る。前記マストは、ベース構造から鉛直方向に延び得る。前記シャフト機構は、前記マスト内に配置され得る。前記ロッドは、ブームアームに連結され得、前記シャフト機構内に配置され得る。前記ロッドの回転は、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置されたシャフト機構内に配置されたロッドに連結されたブームアームを備え、ここで、前記ロッドの回転が、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進する、
装置。
【請求項2】
前記ブームアームが、前記ロッドに連結された近位端を有し、前記装置が、
前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端への荷重物の連結を促進するマウンティングブラケットをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マウンティングブラケットが、前記ブームアームの前記遠位端への前記荷重物の連結を促進する複数のピックポイントを有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のピックポイントが、前記マウンティングブラケットの互いに反対の端部に近接して配置された第1および第2のピックポイントを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ブームアームが、前記ロッドに連結された近位端を有し、前記装置が、
前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端に連結されたマウンティングブラケットおよび前記ブームアームの間に介在した調整機構をさらに備え、前記調整機構が、前記ブームアームの中心線に直交する横断面内での前記マウンティングブラケットの角度方向の調整を促進する、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記調整機構が、前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離の調整をさらに促進する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ブームアームが、前記調整機構を介して前記マウンティングブラケットに取外し可能に連結された、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記ブームアームが、前記ロッドに連結された近位端を有し、前記装置が、
前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端に連結されたマウンティングブラケットおよび前記ブームアームの間に介在した調整機構をさらに備え、前記調整機構が、前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離の調整を促進する、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ブームアームが、前記ロッドに連結された近位端を有し、前記装置が、
前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端に連結されたマウンティングブラケットおよび前記ブームアームの間に介在した調整機構をさらに備え、前記調整機構が、前記ブームアームに対する前記マウンティングブラケットの角度方向の調整を促進する、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置されたシャフト機構、ここで、前記シャフト機構が、ブームアームを支持している;および
前記シャフト機構内に配置されたロッド、ここで、前記ロッドの回転が、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸の周りでの前記ブームアームの持続回転を促進する、
を備える装置。
【請求項11】
前記シャフト機構が、ステンレス鋼の円筒を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ベース構造に近接して、前記ブームアームに近接して、または、それらの組み合わせの状態で、前記シャフト機構および前記マストの間に介在したブッシング
をさらに備える、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記ブッシングが、前記マストの内部壁および前記シャフト機構の外壁に接触している、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記シャフト機構に連結された前記ブームアームの近位端および前記ベース構造の間の距離の調整を促進するように、前記シャフト機構を前記縦軸に沿って調整可能である、請求項10から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ベース構造が、荷重物を支持しているフレーム、前記フレームを支持している面、または、それらの組み合わせに固定された、請求項10から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
ベース構造から延びたマスト内に配置されたロッド;
自らの近位端を介して前記ロッドに連結されたブームアーム、ここで、前記ブームアームが、前記ベース構造に対して前記ロッドの縦軸周りで持続回転可能である;および
前記ロッドに連結された前記ブームアームの前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端への荷重物の連結を促進するマウンティングブラケット
を備える装置。
【請求項17】
1つまたは複数の調整機構をさらに備え、前記1つまたは複数の調整機構が、前記マストに対する前記ブームアームの角度方向;前記ブームアームの中心線に直交する横断面内での前記マウンティングブラケットの角度方向;前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離;前記ブームアームに対する前記マウンティングブラケットの角度方向;または、それらの組み合わせの調整を促進する、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ベース構造から鉛直方向に延びたマスト;
前記マスト内に配置されたシャフト機構;および
ブームアームに連結されており、前記シャフト機構内に配置されたロッド、ここで、前記ロッドの回転が、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進する、
を備えるジブクレーン。
【請求項19】
前記ロッドに連結された前記ブームアームの近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端への荷重物の連結を促進するマウンティングブラケット、
をさらに備える、請求項18に記載のジブクレーン。
【請求項20】
前記ベース構造に近接して、または、前記ブームアームに近接して、前記シャフト機構および前記マストの間に介在したブッシング
をさらに備える、請求項18または19に記載のジブクレーン。
【請求項21】
前記ブームアームおよび前記ロッドの間に介在し、前記マストに対する前記ブームアームの角度方向の調整を促進する調整機構
をさらに備える、請求項18から20のいずれか1項に記載のジブクレーン。
【請求項22】
前記ブームアームが、前記調整機構を介して前記ロッドに取外し可能に連結された、請求項21に記載のジブクレーン。
【請求項23】
前記ベース構造が、複数の取付け機構を介して面に固定された、請求項18に記載のジブクレーン。
【請求項24】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムにより、ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置されたシャフト機構内に配置されたロッドに連結された近位端を含むブームアームの遠位端に荷重物を連結する段階、ここで、前記ブームアームが、前記ベース構造に対して前記ロッドの縦軸の周りで持続回転可能である;および
前記システムにより、前記ブームアームを前記縦軸の周りで回転させることで前記荷重物を第1の位置から第2の位置に移送する段階
を備えるコンピュータ実装方法。
【請求項25】
前記マストに対する前記ブームアームの角度方向、前記ブームアームの中心線に直交する横断面内でのマウンティングブラケットの角度方向、前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離、または、前記ブームアームに対する前記マウンティングブラケットの角度方向を、前記システムにより調整する段階、ここで、前記マウンティングブラケットが、前記ブームアームの前記遠位端に連結されている
をさらに備える、請求項24に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷重物を移送するための機械的機構に関し、より詳細には、ジブクレーンについて、高まった動作信頼性を促進する技術に関する。
【0002】
ジブクレーンは、それら自体のベース構造を取り囲む弧周りでの荷重物の移送を促進することが可能な多用途持上デバイスである。いくつかのジブクレーンは、可動パーツ間の摩擦を最小限に抑えることにより、荷重物を移送しながらジブクレーンの回転を促進する軸受けを用いている。機械的コンポーネントとして、軸受けは、経時または使用に起因するコンポーネント劣化が理由で、経時的な故障率または摩耗故障の増大を被る。ジブクレーンが回転により荷重物を移送する限り、軸受け故障は、ジブクレーンの動作信頼性に悪い影響を与え、機器動作不能時間を増やし得る。
【発明の概要】
【0003】
以下、本発明の1つまたは複数の実施形態の基本的な理解を提供するための概要を示す。この概要は、特定の実施形態、または、請求項の主要または重要な要素を特定すること、または、その任意の範囲を規定することを意図するものではない。その唯一の目的は、後で示されるより詳細な説明の前置きとして、概念を簡略化された形式で示すことである。本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態では、ジブクレーンについて、高まった動作信頼性を促進するシステム、デバイス、および/または、方法が説明される。
【0004】
一実施形態によれば、ジブクレーンは、マスト、シャフト機構、および、縦軸を有するロッドを備え得る。前記マストは、ベース構造から鉛直方向に延び得る。前記シャフト機構は、前記マスト内に配置され得る。前記ロッドは、ブームアームに連結され得、前記シャフト機構内に配置され得る。前記ロッドの回転は、前記ベース構造に対する、前記縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進し得る。こうしたジブクレーンの1つの側面は、そのジブクレーンが動作信頼性を高めることを促進することが可能なことである。
【0005】
一実施形態では、前記ジブクレーンが、前記ブームアームおよび前記ロッドの間に介在し、前記マストに対する前記ブームアームの角度方向の調整を促進する調整機構をさらに備え得る。こうしたジブクレーンの1つの側面は、そのジブクレーンが、荷重物およびブームアームの間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供可能なことである。
【0006】
他の実施形態によれば、装置が、ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置されたシャフト機構内に配置されたロッドに連結されたブームアームを備え得る。前記ロッドの回転は、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進する。こうした装置の1つの側面は、その装置が動作信頼性を高めることを促進することを可能なことである。
【0007】
一実施形態では、前記ブームアームが、前記ロッドに連結された近位端を有し得る。一実施形態では、前記装置が、前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端に連結されたマウンティングブラケットおよび前記ブームアームの間に介在する調整機構をさらに備え得る。前記調整機構は、前記ブームアームの中心線に直交する横断面内での、前記マウンティングブラケットの角度方向の調整を促進し得る。こうした装置の1つの側面は、その装置が、荷重物およびブームアームの間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供可能なことである。
【0008】
他の実施形態によれば、装置が、シャフト機構およびロッドを備え得る。前記シャフト機構は、ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置され得る。シャフト機構は、ブームアームを支持し得る。前記ロッドは、前記シャフト機構内に配置され得る。前記ロッドの回転は、前記ベース構造に対する、前記ロッドの縦軸周りでの前記ブームアームの持続回転を促進し得る。こうした装置の1つの側面は、その装置が動作信頼性を高めることを促進することが可能なことである。
【0009】
一実施形態では、前記シャフト機構に連結された前記ブームアームの近位端および前記ベース構造の間の距離の調整を促進するように、前記シャフト機構を前記縦軸に沿って調整可能であり得る。こうした装置の1つの側面は、その装置が、荷重物およびブームアームの間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供可能なことである。
【0010】
他の実施形態によれば、装置が、縦軸を有するロッド、ブームアーム、および、マウンティングブラケットを備え得る。前記ロッドは、ベース構造から延びたマスト内に配置され得る。前記ブームアームは、前記ブームアームの近位端を介して前記ロッドに連結され得る。前記ブームアームは、前記ベース構造に対して前記縦軸の周りを持続回転可能であり得る。前記マウンティングブラケットは、前記ロッドに連結された前記ブームアームの前記近位端とは反対の前記ブームアームの遠位端への荷重物の連結を促進し得る。こうした装置の1つの側面は、その装置が動作信頼性を高めることを促進することが可能なことである。
【0011】
一実施形態では、前記装置が、以下ものの調整を促進する1つまたは複数の調整機構をさらに備え得る:前記マストに対する前記ブームアームの角度方向;前記ブームアームの中心線に直交する横断面内での前記マウンティングブラケットの角度方向;前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離;前記ブームアームに対する前記マウンティングブラケットの角度方向;または、それらの組み合わせ。こうした装置の1つの側面は、その装置が、荷重物およびブームアームの間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供可能なことである。
【0012】
他の実施形態によれば、コンピュータ実装方法が、プロセッサに動作可能に結合されたシステムにより、ベース構造から鉛直方向に延びたマスト内に配置されたシャフト機構内に配置されたロッドに連結された近位端を含むブームアームの遠位端に荷重物を連結する段階を備え得る。前記ブームアームは、前記ベース構造に対して前記ロッドの縦軸周りで持続回転可能であり得る。前記コンピュータ実装方法は、前記システムにより、前記ブームアームを前記縦軸周りで回転させることで前記荷重物を第1の位置から第2の位置に移送する段階をさらに備え得る。こうしたコンピュータ実装方法の1つの側面は、その方法が動作信頼性を高めることを促進することが可能なことである。
【0013】
一実施形態では、前記コンピュータ実装方法が、前記マストに対する前記ブームアームの角度方向、前記ブームアームの中心線に直交する横断面内でのマウンティングブラケットの角度方向、前記マウンティングブラケットおよび前記マストの間の距離、または、前記ブームアームに対する前記マウンティングブラケットの角度方向を、前記システムにより調整する段階をさらに備え得、ここで、前記マウンティングブラケットは、前記ブームアームの前記遠位端に連結されている。こうしたコンピュータ実装方法の1つの側面は、その方法が、荷重物およびブームアームの間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供可能なことである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態を実装するための例示的な非限定動作環境の斜視図を示す。
【0015】
【
図2】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る
図1の例示的な非限定動作環境の他の斜視図を示す。
【0016】
【
図3】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る
図1の例示的な非限定動作環境の側面図を示す。
【0017】
【
図4】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る例示的な非限定マスト構造の断面図を示す。
【0018】
【
図5】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る例示的な非限定アーム構造の斜視図を示す。
【0019】
【
図6】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る
図5の例示的な非限定アーム構造の分解斜視図を示す。
【0020】
【
図7】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態係る、マストに対するブームアームの角度方向を調整する例示的な非限定調整機構を示す。
【0021】
【
図8】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ブームアームに対するマウンティングブラケットの角度方向を調整する例示的な非限定調整機構を示す。
【0022】
【
図9】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ブームアームの中心線に直交する横断面内でのマウンティングブラケットの角度方向を調整する例示的な非限定調整機構を示す。
【0023】
【
図10】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ベース構造およびブームアームの近位端の間の距離を調整する例示的な非限定シャフト機構を示す。
【0024】
【
図11】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、マストおよびマウンティングブラケットの間の距離を調整する例示的な非限定調整機構を示す。
【0025】
【
図12】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ブームアームの回転による荷重物移送の例示的な非限定の高度概念的概要を示す。
【0026】
【
図13】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、荷重物を移送するためのジブクレーンの動作を促進する例示的な非限定コンピュータ実装方法のフロー図を示す。
【0027】
【
図14】本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態が促進され得る例示的な非限定動作環境のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の詳細な説明は、単なる例示であり、実施形態および/または実施形態の適用または使用を限定することを意図するものではない。さらに、前述の背景または概要の章、または、詳細な説明の章に提示される任意の明示的または黙示的情報によって拘束される意図はない。
【0029】
ここで、図面を参照して1つまたは複数の実施形態が記載され、全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を指すために使用される。以下の説明では、説明の目的で、多くの特定の詳細を、1つまたは複数の実施形態のより完全な理解を提供すべく記載する。しかしながら、様々な場合において、これら特定の詳細なしで、1つまたは複数の実施形態を実施し得ることは明白である。
【0030】
本明細書で説明される実施形態は、先で議論された不備に対処して、ジブクレーンについて、高まった動作信頼性を促進する。例えば、先で議論されたように、いくつかのジブクレーンは、可動パーツ間の摩擦を最小限に抑えることにより、荷重物を移送しながらジブクレーンの回転を促進する軸受けを用いている。しかし、機械的コンポーネントとして、軸受けは、経時または使用に起因するコンポーネント劣化が理由で、経時的な故障率または摩耗故障の増大を被る。ジブクレーンが回転により荷重物を移送する限り、軸受け故障は、ジブクレーンの動作信頼性に悪い影響を与え、機器動作不能時間を増やし得る。対照的に、本明細書で説明される実施形態は、軸受けなしのマスト構造を実装することで、高まったジブクレーンの動作信頼性を促進可能である。
【0031】
図1から
図3は、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態を実装するための例示的な非限定動作環境100を示す。図示のように、動作環境100は、荷重物103および104にそれぞれ連結されるジブクレーン101および102を含む。
図1から
図3は荷重物103および104を円筒状チャンバ(例えば、クライオスタットの外部バキュームチャンバ)の区画された側壁として示しているが、ジブクレーン101および/または102が他のタイプの搬送荷重物に連結され得ることを当業者は理解するであろう。一般に、ジブクレーン101および102はそれぞれ、アーム構造150を機械的に支持するマスト構造120に連結されたベース構造110を備える。ベース構造110は、複数の取付け機構112を介して面200に固定可能である。一実施形態では、ジブクレーンの耐荷重により、複数の取付け機構112を成す取付け機構の数、複数の取付け機構112を成す少なくとも1つの取付け機構の長さ、または、それらの組み合わせが規定される。
【0032】
面200は、
図2から
図3に示されるように、荷重物103および104を機械的に支持する実質的に固定された基礎構造(例えば、コンクリートスラブおよび金属性プラットフォームなど)であり得る。一実施形態では、面200は、様々な荷重物への連結のために、ジブクレーン101および/または102を1つの位置から他の位置に再配置することを促進する可動プラットフォームであり得る。例えば、面200は、カート、可動プラットフォーム、および、車両などを含み得る。一実施形態では、ベース構造110およびマスト構造120間の交点に近接させて、ジブクレーン101および/または102に1つまたは複数のガセットプレート122を取り付ける(例えば、溶接する)ことが可能である。1つまたは複数のガセットプレート122は、マスト構造120に追加の機械的支持を提供可能である。1つまたは複数のガセットプレート122は、ベース構造110をマスト構造120に連結する取付け機構(例えば、溶接)をさらに強化可能である。
【0033】
図2に示されるように、マスト構造120は、荷重物103および104を支持するフレーム250に固定されたベース構造125に連結することも可能である。一実施形態では、ジブクレーン101および/または102は、ベース構造110又はベース構造125がない状態で実装可能である。例えば、ベース構造125から鉛直方向に延びるマスト構造120を用いてジブクレーン101を実装可能である。この例では、ジブクレーン101は、フレーム250を支持する面200から分離可能である。他の例としては、ジブクレーン102がフレーム250から分離されるように、ベース構造125なしでジブクレーン102を実装可能である。
【0034】
図4を参照すると、マスト構造120が、マスト130、マスト130内に配置されたシャフト機構140、および、シャフト機構140内に配置されたロッド410を備える。シャフト機構140の内部壁442が、ロッド410の外径415に基づいて寸法を決めることが可能な直径445を有するチャネルを画定する。直径445の寸法を決めることの1つの側面は、シャフト機構140の内部壁442により画定されるチャネルがロッド410を受け入れることが可能であるように、最小値を直径445に設定することを含み得る。直径445の寸法を定めることの他の側面は、ロッド410の外壁412およびシャフト機構140の内壁442の間の十分な接触を促進する最大値を直径445に設定し、こうすることで、ロッド410にかかるトルクの少なくとも一部分を、シャフト機構140に伝達可能にすることを含み得る。一実施形態では、直径445の最大値は、ロッド410およびシャフト機構140の間の環状部420を最小限に抑えるように設定され得る。一実施形態では、シャフト機構140は、ステンレス鋼の円筒を含み得る。一実施形態では、ロッド410は中実であり得る。一実施形態では、ロッド410は、ロッド410の縦軸417を実質的に取り囲むチャネルを伴うように中空にされ得る。
【0035】
マスト130の内部壁432が、シャフト機構140の外径447に基づいて寸法を決めることが可能な直径435を有するチャネルを画定する。直径435の寸法を決めることの1つの側面は、マスト130の内部壁432により画定されるチャネルがシャフト機構140を受け入れることが可能であるように、最小値を直径435に設定することを含み得る。直径435の寸法を決めることの他の側面は、シャフト機構140の外壁444およびマスト130の内壁432の間の接触を最小限に抑えることを促進する環状部430を、マスト130およびシャフト機構140の間に設けるような値を直径435に設定することを含み得る。こうした接触を最小限に抑えることで、ロッド410にトルクがかかる際のマスト130内でのシャフト機構140の回転を促進することが可能である。
【0036】
一実施形態では、シャフト機構140およびマスト130の間にブッシングが介在し得る。一実施形態では、環状部430内でシャフト機構140およびマスト130の間にブッシングが介在し得る。一実施形態では、ブームアーム170に近接して、ベース構造110に近接して、または、それらの組み合わせの状態で、シャフト機構140およびマスト130の間にブッシングが介在し得る。一実施形態では、ブッシングが、マスト130の内部壁432およびシャフト機構140の外壁に接触し得る。一実施形態では、
図2から
図3に示されるように、シャフト機構140に保護スリーブ240を重ねて、環状部430内への異物の侵入を軽減することが可能である。
【0037】
図1から
図3を参照すると、アーム構造150は一般に、ブームアーム170およびマウンティングブラケット190を備える。ブームアーム170の近位端172が、マスト構造120内に配置されたロッド410に調整機構160を介して連結される。ブームアーム170の近位端172にロッド410を連結することにより、ロッド410の回転が、ベース構造110に対する縦軸417周りでのブームアーム170の持続回転を促進するようになる。ブームアーム170の遠位端174が、調整機構180および280を介してマウンティングブラケット190に連結されており、このことは、
図2で最適に見られる。
【0038】
マウンティングブラケット190は、ブームアーム170の遠位端174への荷重物(例えば、荷重物103および/または104)の連結を促進することができる。そのために、マウンティングブラケット190は、ブームアーム170の遠位端174への荷重物の連結を促進する1つまたは複数のピックポイントを備え得る。例示的な動作環境100では、これらの1つまたは複数のピックポイントは、ピックポイント192および194を含み、このことは、
図2で最適に見られる。荷重物103は、ブラケット212および214を備える。ピックポイント192は、ブラケット212を通る保持機構222を受けることが可能であり、ピックポイント194は、ブラケット214を通る保持機構を受けることが可能である。
図1から
図6では、ピックポイント192および194は、マウンティングブラケット190の互いに反対の端部に近接して配置されるように示されている。しかし、他の実施形態では、マウンティングブラケット190の1つまたは複数のピックポイントは、異ならせて配列可能である。例えば、マウンティングブラケット190は、マウンティングブラケット190の中点に近接して配置されたピックポイントを備え得る。
【0039】
本明細書で説明される様々な実施形態では、アーム構造150が、荷重物およびブームアーム170の間の対応を整合させて荷重物の移送を促進することについて、追加の柔軟性を提供する1つまたは複数の調整機構をさらに備え得る。
図5から
図6を参照すると、アーム構造150は、ロッド410およびブームアーム170の近位端172の間に介在する調整機構160を備え得る。調整機構160は、保持機構561の動作により、ブームアーム170およびロッド410の取外し可能な連結を促進することができる。調整機構160は、ピン563の動作により、マスト130に対するブームアーム170の角度方向501の調整をさらに促進することができる。例えば、マスト130に対するブームアーム170の角度方向501は、
図5でピン563が描写されている調整機構160の上部クリアランス穴から、調整機構160の下部クリアランス穴565にピン563を転移させることにより調整可能である。
【0040】
アーム構造150は、マウンティングブラケット190およびブームアーム170の遠位端174の間に介在する調整機構280をさらに備え得る。調整機構280は、取付け機構581およびスロット582の動作により、マウンティングブラケット190およびマスト130の間の距離の調整を促進可能である。例えば、取付け機構581が締められた状態の時は、スロット582内での取付け機構581の動きを規制することが可能であるのに対して、取付け機構581が絞められていない状態の時は、取付け機構581のこうした動きを可能にすることができる。よって、取付け機構581を、絞められていない状態に転移させて、内向き方向503または外向き方向505で、マウンティングブラケット190およびマスト130の間の距離を調整可能である。マウンティングブラケット190およびマスト130の間の所望の距離が得られると、取付け機構を、絞められていない状態から絞められた状態に転移させることができる。
【0041】
調整機構280は、取付け機構681、取付け機構683、および、スロット686の動作により、ブームアーム170の中心線571に直交する横断面内でのマウンティングブラケット190の角度方向の調整をさらに促進可能である。例えば、取付け機構683およびスロット686の間の相互作用の下で、取付け機構683が締め付けられていない状態の時には、マウンティングブラケット190は、取付け機構681周りを自由回転することが可能である。この例では、取付け機構683およびスロット686の間の相互作用の下で、マウンティングブラケット190は、取付け機構681周りを方向511または方向509に回転することが可能である。取付け機構683を締め付けられていない状態から締め付けられた状態に転移させることにより、取付け機構681周りでのマウンティングブラケット190の回転を規制可能である。一実施形態では、調整機構280は、ブームアーム170へのマウンティングブラケット190の取外し可能な連結をさらに促進可能である。例えば、マウンティングブラケット190は、取付け機構581を取り去ることでブームアーム170から取り外すことが可能である。
【0042】
アーム構造150は、マウンティングブラケット190およびブームアーム170の遠位端174の間に介在する調整機構180をさらに備え得る。調整機構280は、保持機構583、開放スロット584、保持機構585、および、取付け機構587の動作により、ブームアーム170に対するマウンティングブラケット190の角度方向507の調整を促進可能である。例えば、取付け機構280のプレートおよびマウンティングブラケット190の間の相互作用の下で、保持機構585が取り去られ、取付け機構587が締め付けられていない状態の時には、マウンティングブラケット190は、保持機構583周りを自由回転することが可能である。保持機構585を調整機構180に挿入することにより、または、取付け機構587を締め付けられていない状態から締め付けられた状態に転移させることにより、保持機構583周りでのマウンティングブラケット190の回転を規制可能である。マウンティングブラケット190が保持機構583周りを自由回転している間、保持機構585を調整機構180に挿入することができ、こうすることで、保持機構585が、マウンティングブラケット190のクリアランス穴590を通って、マウンティングブラケット190を対応する角度方向507でロックする。一実施形態では、調整機構180は、ブームアーム170へのマウンティングブラケット190の取外し可能な連結をさらに促進可能である。例えば、保持機構583を取り外し、取付け機構587を締め付けられていない状態に転移させることにより、マウンティングブラケット190をブームアーム170から取り外すことが可能である。
【0043】
図7を参照すると、調整機構720がブームアームおよびマスト710の間に介在することで、マスト710に対するブームアームの角度方向の調整を促進可能である。例えば、ブームアームは、調整機構720の動作により、第1の位置730から第2の位置731に転移可能である。第1の位置730から第2の位置731にブームアームを転移させることにより、調整機構720は、マスト710に対するブームアームの角度方向を、第1の角度方向765から第2の角度方向775に調整可能である。一実施形態では、調整機構720は、調整機構160を使用して実装可能である。一実施形態では、調整機構720は、ブームアームおよびマスト710内に配置されたロッド(例えば、ロッド410)の間に介在し得る。
【0044】
図8を参照すると、調整機構840がブームアーム830およびマウンティングブラケットの間に介在することで、ブームアーム830に対するマウンティングブラケットの角度方向の調整を促進可能である。例えば、マウンティングブラケットは、調整機構840の動作により、第1の位置850から第2の位置851に転移可能である。第1の位置850から第2の位置851にマウンティングブラケットを転移させることにより、調整機構840は、ブームアーム830に対するマウンティングブラケットの角度方向を、第1の角度方向865から第2の角度方向875に調整可能である。一実施形態では、調整機構840は、調整機構180を使用して実装可能である。
【0045】
図8から
図9を参照すると、調整機構940は、ブームアーム(例えば、ブームアーム830)の中心線903に直交する横断面901内での、マウンティングブラケットの角度方向の調整を促進し得る。例えば、マウンティングブラケットは、調整機構940の動作により、第1の位置950から第2の位置951に転移可能である。マウンティングブラケットを第1の位置950から第2の位置951に転移させることにより、調整機構940は、ブームアームを支持するマスト910の中心線905にマウンティングブラケットが実質的に平行になる角度方向から第1の角度方向965に、横断面901内でのマウンティングブラケットの角度方向を調整可能である。他の例として、マウンティングブラケットは、調整機構940の動作により、第1の位置950から第3の位置952に転移可能である。マウンティングブラケットを第1の位置950から第3の位置952に転移させることにより、調整機構940は、マスト910の中心線905にマウンティングブラケットが実質的に平行になる角度方向から第2の角度方向975に、横断面901内でのマウンティングブラケットの角度方向を調整可能である。一実施形態では、調整機構940は、調整機構280を使用して実装可能である。
【0046】
図10を参照すると、マスト1010内に配置されたシャフト機構1060が、ベース構造1001およびブームアームの間の距離の調整を促進可能である。例えば、ブームアームは、シャフト機構1060を縦軸1062に沿って調整することにより、第1の位置1030から第2の位置1031に転移可能である。第1の位置1030から第2の位置1031にブームアームを転移させることにより、シャフト機構1060は、ベース構造1001およびブームアームの間の距離を、第1の距離1065から第2の距離1075に調整可能である。一実施形態では、マスト1010およびシャフト機構1060が、それぞれ、マスト140およびシャフト機構130により実装され得る。一実施形態では、マスト1010が、シャフト機構1060の外壁に配置されたネジ山を受け入れる、ネジ山を付けられた内部壁を備え得る。一実施形態では、シャフト機構1060が、マスト1010の内壁に配置されたネジ山を受け入れる、ネジ山を付けられた外壁を備え得る。一実施形態では、縦軸1062周りでの第1の方向へのシャフト機構1060の回転により、ベース構造1001およびブームアームの間の距離を増やすことができ、縦軸1062周りでの、第1の方向とは反対の第2の方向へのシャフト機構1060の回転により、ベース構造1001およびブームアームの間の距離を減らすことができる。
【0047】
図11を参照すると、マスト1110およびマウンティングブラケットの間に介在する調整機構(例えば、調整機構1120および/または1140)が、マウンティングブラケットおよびマスト1110の間の距離の調整を促進可能である。例えば、マウンティングブラケットは、調整機構の動作により、第1の位置1150から第2の位置1151に転移可能である。第1の位置1150から第2の位置1151にマウンティングブラケットを転移させることにより、調整機構は、マウンティングブラケットおよびマスト1110の間の距離を、第1の距離1165から第2の距離1175に調整可能である。一実施形態では、調整機構は、調整機構280を使用して実装可能である。
【0048】
図12は、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ブームアームの回転による荷重物移送の例示的な非限定の高度概念的概要を示す。例として、
図12の荷重物は、
図1から
図3に示される円筒状チャンバの区画された側壁(すなわち、荷重物103および104)として実装され得る。この例では、ジブクレーン101のブームアームが、位置1210で荷重物103に連結され得、ジブクレーン102のブームアームが、位置1220で荷重物104に連結され得る。ジブクレーン101のブームアームを自体の縦軸の周りで回転させることで、位置1210から位置1215に荷重物103を移送可能である。同様に、ジブクレーン102のブームアームを自体の縦軸の周りで回転させることで、位置1220から位置1225に荷重物104を移送可能である。
【0049】
図13は、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態に係る、ジブクレーンについて、高まった動作信頼性を促進する例示的な非限定コンピュータ実装方法1300のフロー図を示す。本明細書で説明される他の実施形態において用いられる同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔さのために省略する。1310で、コンピュータ実装方法1300は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムにより、ベース構造(例えば、ベース構造110)から鉛直方向に延びたマスト(例えば、マスト130)内に配置されたシャフト機構(例えば、シャフト機構140)に連結された近位端を含むブームアーム(例えば、ブームアーム170)の遠位端に荷重物を連結する段階を備え得る。ブームアームは、ベース構造に対してシャフト機構の縦軸周りを持続回転可能であり得る。1320で、コンピュータ実装方法1300は、システムにより、ブームアームを縦軸周りで回転させることで荷重物を第1の位置から第2の位置に移送する段階をさらに備え得る。一実施形態では、システムは、シャフト機構内に配置されたロッド(例えば、ロッド410)に連結された駆動機構に関連するコントローラを作動させることにより、縦軸周りでブームアームを回転させることが可能である。一実施形態では、駆動機構は、モータまたはエンジンを備え得る。一実施形態では、コンピュータ実装方法1300は、マストに対するブームアームの角度方向、ブームアームの中心線に直交する横断面内でのマウンティングブラケットの角度方向、マウンティングブラケットおよびマストの間の距離、または、ブームアームに対するマウンティングブラケットの角度方向を、システムにより調整する段階をさらに備え得、ここで、マウンティングブラケットは、ブームアームの遠位端に連結されている。一実施形態では、マウンティングブラケットは、ブームアームの遠位端に連結され得る。
【0050】
開示された主題の様々な態様についての文脈を提供するべく、
図14および後続の説明は、開示された主題の様々な態様が実装され得る適当な環境の一般的説明を提供することが意図される。
図14は、本開示の様々な態様を実装するための適当な動作環境1400がコンピュータ1412も含み得ることを示す。コンピュータ1412はまた、処理ユニット1414、システムメモリ1416、および、システムバス1418を含み得るシステムバス1418は、限定されないが、システムメモリ1416を含むシステムコンポーネントを処理ユニット1414に結合する。処理ユニット1414は、様々な利用可能なプロセッサのいずれかであり得る。また、デュアルマイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサアーキテクチャが、処理ユニット1414として利用され得る。システムバス1418は、利用可能である任意の様々なバスアーキテクチャを使用した、メモリバスまたはメモリコントローラ、ペリフェラルバスまたは外部バス、および/または、ローカルバスを含んだいくつかタイプのバス構造のいずれかであり得、こうしたバスアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、カードバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、Firewire(登録商標)(IEEE1094)、および、スモールコンピュータシステムインタフェース(SCSI)が含まれるが、これらに限定されない。システムメモリ1416はまた、揮発性メモリ1420および不揮発性メモリ1422を含み得る。起動中などにコンピュータ1412内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入力/出力システム(BIOS)が不揮発性メモリ1422に記憶される。限定ではなく例示として、不揮発性メモリ1422は、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含み得る。揮発性メモリ1420はまた、外部キャッシュメモリとして動作するランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。限定ではなく例示として、RAMは、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクトRambus RAM(DRRAM)、ダイレクトRambus動的RAM(DRDRAM)、および、Rambus動的RAMのなどの多くの形態で利用可能である。
【0051】
コンピュータ1412はまた、取り外し可能/非取り外し可能、揮発性/非揮発性コンピュータ記憶媒体を含み得る。
図14は例えばディスクストレージ1424を示す。ディスクストレージ1424はまた、これらに限定されるものではないが、磁気ディスクドライブ、フロッピディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュメモリカード、または、メモリスティックのようなデバイスを含み得る。ディスクストレージ1424はまた、別個に、または、他の記憶媒体との組み合わせで記憶媒体を含み得、他の記憶媒体は、これらに限定されるものではないが、コンパクトディスクROMデバイス(CD-ROM)、CD記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、または、デジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光学ディスクドライブを含む。システムバス1418へのディスクストレージ1424の接続を促進するべく、インタフェース1426などの取り外し可能または非取り外し可能インタフェースが典型的には使用される。また、
図14は、適当な動作環境1400内で説明される基本的なコンピュータリソースおよびユーザの間の仲介として働くソフトウェアを示す。こうしたソフトウェアはまた、例えば、オペレーティングシステム1428を含み得る。ディスクストレージ1424に記憶され得るオペレーティングシステム1428は、コンピュータ1412のリソースを制御し割り当てるように動作する。システムアプリケーション1430は、例えば、システムメモリ1416またはディスクストレージ1424のいずれかに記憶されるプログラムモジュール1432およびプログラムデータ1434を通じて、オペレーティングシステム1428によるリソースの管理を活用する。本開示は、様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組み合わせで実装され得ることを理解されたい。ユーザは入力デバイス1436を通じてコンピュータ1412にコマンドまたは情報を入力する。入力デバイス1436は、これらに限定されるものではないが、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド、キーボード、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、テレビチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどのポインティングデバイスを含む。これらおよび他の入力デバイスは、インタフェースポート1438を介して、システムバス1418を通じて処理ユニット1414に接続する。インタフェースポート1438は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)を含む。出力デバイス1440は、同じタイプのポートのうちのいくつかを入力デバイス1436として使用する。したがって、例えば、USBポートは、入力をコンピュータ1412に提供するために、かつ、コンピュータ1412からの情報を出力デバイス1440に出力するために使用され得る。特別なアダプタを必要とする数ある他の出力デバイス1440の中でも特にモニタ、スピーカ、および、プリンタのような、いくつかの出力デバイス1440があることを示すために出力アダプタ1442が提供される。出力アダプタ1442は、限定ではなく例示として、出力デバイス1440およびシステムバス1418の間の接続手段を提供するビデオおよびサウンドカードを含む。他のデバイスおよび/またはデバイスのシステムは、リモートコンピュータ1444などの入力および出力能力の両方を提供することに留意することができる。
【0052】
コンピュータ1412は、リモートコンピュータ1444などの1つまたは複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク環境において動作し得る。リモートコンピュータ1444は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイスまたは他の共通ネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータ1412に関して説明される要素の多くまたは全ても含み得る。簡潔にする目的で、メモリストレージデバイス1446のみがリモートコンピュータ1444と共に示されている。リモートコンピュータ1444は、ネットワークインタフェース1148を通じて論理的にコンピュータ1412に接続され、次に、通信接続1450を介して物理的に接続される。ネットワークインタフェース1448は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラネットワークなどの有線および/または無線通信ネットワークを包含する。LAN技術は、ファイバ分散データインタフェース(FDDI)、銅線分散データインタフェース(CDDI)、イーサネット(登録商標)、および、トークンリングなどを含む。WAN技術は、これらに限定されるものではないが、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN(登録商標))およびそのバリエーションのような回路スイッチネットワーク、パケットスイッチングネットワーク、および、デジタル加入者回線(DSL)を含む。通信接続1450は、ネットワークインタフェース1448をシステムバス1418に接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。説明の明瞭化のために、コンピュータ1412の内側に通信接続1450が示されているが、それは、コンピュータ1412の外にあってもよい。例示の目的のみで言うと、ネットワークインタフェース1448に接続するためのハードウェア/ソフトウェアはまた、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、DSLモデムを含むモデム、ISDN(登録商標)アダプタ、イーサネット(登録商標)カードなどの内部及び外部技術を含み得る。
【0053】
本発明は、考えられる任意の技術詳細レベルで統合化されたシステム、装置、コンピュータ実装方法、および/または、コンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数のコンピュータ可読記憶媒体)を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持および記憶し得る有形のデバイスであってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、限定されないが、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または、上述のものの任意の適当な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非包括的リストはまた、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピディスク、命令が記録されたパンチカードまたは溝における凸構造などの機械的に符号化されたデバイス、および、上述のものの任意の適当な組み合わせを含み得る。本明細書では、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波管または他の送信媒体を伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、または、ワイヤを介して送信される電気信号などの一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0054】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードされてもよく、または、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/または、無線ネットワークを介して、外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/または、エッジサーバを含むことができる。各コンピューティングデバイス/処理デバイス内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を各コンピューティングデバイス/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。本開示の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の構成データ、または、Smalltalk(登録商標)またはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含めた1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で全体を実行すること、ユーザのコンピュータ上で一部分を実行することができ、ユーザのコンピュータ上で一部分を、リモートコンピュータ上で一部分を実行すること、または、リモートコンピュータまたはサーバ上で全体を実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得るか、または、その接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに対して行われ得る。いくつかの実施形態において、本発明の態様を実行するべく、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または、プログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0055】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、および、コンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して説明されている。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、および、フローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることが理解されるであろう。これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータ、または、マシンを生成するための他のプログラマブルデータ処理装置に提供し、こうすることで、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装する手段を作成するようにしてもよい。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または、他のデバイスに特定の様式で機能するように指示することが可能なコンピュータ可読記憶媒体にも記憶することができ、これにより、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作の態様を実装する命令を有する製品を備えるようになる。また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または、他のデバイスにロードして、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または、他のデバイス上で一連の動作行為を実行させることでコンピュータ実装プロセスを作成することもでき、これにより、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または、他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定される機能/行為を実装するようになる。
【0056】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、および、コンピュータプログラム製品の考えられる実装形態のアーキテクチャ、機能、および、動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または、一部分を表し得る。いくつかの代替実装形態において、ブロックにおいて記載される機能は、図に記載された順序とは別の順序で生じ得る。例えば、連続して示されている2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、または、こうしたブロックは、場合によっては、関係する機能性次第で逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、および、ブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合せは、指定された機能または動作を実行するか、または、専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合せを実行する専用ハードウェアベースシステムにより実装され得ることにも留意されたい。
【0057】
本主題は、1つのコンピュータおよび/または複数のコンピュータの上で実行されるコンピュータプログラム製品のコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で上述されてきたが、当業者ならば、本開示が他のプログラムモジュールと組み合わせて実施できることを認識するであろう。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、かつ/または、特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。さらに、当業者であれば、本発明のコンピュータ実装方法は、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサコンピュータシステム、ミニコンピューティングデバイス、メインフレームコンピュータ、コンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えばPDA(登録商標)、電話機)、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルコンシューマ用または産業用電子機器などを含む他のコンピュータシステム構成で実施され得ることを認識するであろう。示されている態様は、通信ネットワークを介してリンクされるリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境においても実施され得る。しかしながら、本開示の全てではないがいくつかの態様は、スタンドアロンのコンピュータで実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールはローカルおよびリモートのメモリストレージデバイスの両方に位置し得る。例えば、1つまたは複数の実施形態において、コンピュータ実行可能コンポーネントは、1つまたは複数の分散メモリユニットを含み得る、または、それらから構成され得るメモリから実行され得る。本明細書では、「メモリ」および「メモリユニット」という用語は相互に置換え可能である。さらに、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態は、分散方式(例えば、1つまたは複数の分散メモリユニットからのコードを実行するために協働的に組み合わせる、または、動作する複数のプロセッサ)でコンピュータ実行可能コンポーネントのコードを実行し得る。本明細書では、「メモリ」という語は、1つの位置における単一のメモリまたはメモリユニット、または、1つまたは複数の位置における複数のメモリまたはメモリユニットを包含し得る。
【0058】
本願では、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、および、「インタフェース」などの語は、コンピュータ関連のエンティティ、または、1つまたは複数の特定の機能性を備えた動作マシンに関連するエンティティを指すこと、および/または、含むことができる。本明細書で開示されるエンティティは、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または、実行中のソフトウェアのいずれかであり得る。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、および/または、コンピュータであり得るが、これらに限定されるものではない。例として、サーバ上で実行されているアプリケーションおよびサーバの両方が、コンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントが、プロセスおよび/または実行のスレッド内に存在することが可能であり、コンポーネントが、1つのコンピュータに局在すること、および/または、2つまたはそれより多くのコンピュータの間で分散することが可能である。他の例では、それぞれのコンポーネントが、様々なデータ構造が記憶された様々なコンピュータ可読媒体から実行され得る。コンポーネントは、1つまたは複数のデータパケット(例えば、ローカルシステム、分散システム内の他のコンポーネント、および/または、他のシステムを伴うインターネットなどのネットワークに渡る他のコンポーネントと、信号を介して対話する1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に従うなどして、ローカルおよび/またはリモートのプロセスを介して通信し得る。他の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションによって動作される電気または電子回路によって動作される機械部品によって提供される固有の機能性を有する装置であり得る。そのような場合において、プロセッサは、装置の内部または外部にあり得、ソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションの少なくとも一部分を実行し得る。更に別の例として、コンポーネントは、機械部品を用いず電子コンポーネントを通じて固有の機能性を提供する装置であり得、当該電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能性を少なくとも部分的に提供するソフトウェアまたはファームウェアを実行するためのプロセッサまたは他の手段を含み得る。ある態様において、コンポーネントは、例えばクラウドコンピューティングシステム内の仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートし得る。
【0059】
さらに、「または」という語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別様の指定がない限り、または、文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを用いる」は、固有の包含的並び替えのうちのいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを用いる場合、XがBを用いる場合、または、XがAおよびBの両方を用いる場合、前述のいずれの場合でも、「XはAまたはBを使用する」が満たされる。さらに、本明細書および添付の図面で使用される冠詞「a」および「an」は、特に明記しない限り、または、文脈から単数形を指すことが明らかでない限り、一般に「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである。本明細書では、「例」および/または「例示的」という語は、例、実例、または、例示として機能することを意味するために使用される。疑義を回避するために、本明細書に開示される主題は、そのような例により限定されるものではない。さらに、「例」および/または「例示的」として本明細書において記載される任意の態様または設計は、他の態様または設計より好ましい、または、有利であると必ずしも解釈されるわけではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造および技法を除外する意図もない。
【0060】
本明細書で用いられているように、「プロセッサ」という用語は、限定されないが、シングルコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行機能を有するシングルプロセッサ、マルチコアプロセッサ、ソフトウェアマルチスレッド実行機能を有するマルチコアプロセッサ、ハードウェアマルチスレッド技術を有するマルチコアプロセッサ、並列プラットフォーム、および、分散共有メモリを有する並列プラットフォームを有する実質的に任意のコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指すことができる。さらに、プロセッサとは、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または、本明細書で説明される機能を実行するために設計されたそれらの任意の組み合わせを指し得る。さらに、プロセッサは、空間利用を最適化し、または、ユーザ機器のパフォーマンスを強化するべく、これらに限定されるものではないが、分子および量子ドットベースのトランジスタ、スイッチ、および、ゲートなどのナノスケールアーキテクチャを利用し得る。プロセッサはまた、コンピューティング処理ユニットの組み合わせとして実装され得る。本開示において、「記憶」、「ストレージ」、「データ記憶」、「データストレージ」、「データベース」、および、コンポーネントの動作および機能性に関連する実質的に任意の他の情報記憶コンポーネントなどの用語は、「メモリ」またはメモリを含むコンポーネントにおいて具現化される「メモリコンポーネント」エンティティを指すために用いられる。本明細書で説明されるメモリおよび/またはメモリコンポーネントは、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれかであり得るか、または、揮発性および不揮発性メモリの両方を含み得ることを理解されたい。限定ではなく例示として、不揮発性メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含み得る。揮発性メモリは、例えば、外部キャッシュメモリとして機能できるRAMを含むことができる。限定ではなく例示として、RAMは、同期RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクトRambus RAM(DRRAM)、ダイレクトRambus動的RAM(DRDRAM)、および、Rambus動的RAM(RDRAM)など多くの形態で利用可能である。さらに、本明細書でのシステムまたはコンピュータ実装方法の開示メモリコンポーネントは、これらのタイプのメモリおよび他の任意の適当なタイプのメモリを含むことが意図されるが、それらを含むことに限定されるものではない。
【0061】
先で説明されてきたものは、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然、本開示を説明する目的で、コンポーネントまたはコンピュータ実装方法の想定されるあらゆる組み合わせを説明することは不可能であるが、当業者であれば、本開示の多くの更なる組み合わせおよび入れ替えが可能であることを認識し得る。さらに、詳細な説明、特許請求の範囲、付録および図面において、「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesse)」および同様の用語が使用される範囲で、そのような用語は、特許請求の範囲の過渡的な単語として使用される場合に「備える(comprising)」と解釈されるので、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることを意図している。
【0062】
様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されているが、網羅的であること、または、開示された実施形態に限定することを意図するものではない。説明された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの修正および変形が、当業者には明らかであろう。本明細書において使用される専門用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術の実用的な適用またはそれに対する技術的改善を最適に説明し、または、本明細書において開示される実施形態を他の当業者が理解することを可能にするように選択された。
【国際調査報告】