(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ローラブルリボンユニットおよびエラストマー層を有する光ファイバケーブル構造
(51)【国際特許分類】
G02B 6/44 20060101AFI20240118BHJP
G02B 6/52 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G02B6/44 366
G02B6/44 376
G02B6/44 381
G02B6/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536854
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020065503
(87)【国際公開番号】W WO2022132148
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509094034
【氏名又は名称】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】デバン,ハロルド,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】トランド,ヘンソン,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイマン,ピーター,エー.
【テーマコード(参考)】
2H038
2H201
【Fターム(参考)】
2H038CA69
2H201AX06
2H201AX07
2H201AX13
2H201BB06
2H201BB08
2H201BB22
2H201BB25
2H201BB67
2H201BB68
2H201BB80
2H201DD13
2H201KK07
2H201KK09
2H201KK17
2H201KK22C
2H201KK29C
2H201KK34C
2H201KK45C
(57)【要約】
本発明の実施形態は、光ファイバケーブルを含む。光ファイバケーブルは、実質的に円形であり、複数の光ファイバを収容するように寸法決めされたマルチファイバユニットチューブを含む。光ファイバケーブルはまた、マルチファイバチューブ内に配置された複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットを含む。複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットは、各部分的に結合された光ファイバリボンが実質的に円形またはランダム状に形成されるように部分的に結合される。光ファイバケーブルはまた、部分的に結合された光ファイバリボンユニットの周囲に形成された少なくとも1つのエラストマー補強層を含む。光ファイバケーブルはまた、マルチファイバチューブを取り囲む外側ジャケットを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に円形であり、複数の光ファイバを収容するように寸法決めされたマルチファイバユニットチューブと、
前記マルチファイバチューブ内に配置され、実質的に円形またはランダム状に形成されるように部分的に結合される、複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットと、
前記複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットの周囲に形成された少なくとも1つのエラストマー補強層と、
前記マルチファイバユニットチューブを囲む外側ジャケットと、
を備える光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記エラストマー補強層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)または熱可塑性エラストマー(TPE)から構成される請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記エラストマー補強層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、および熱可塑性ポリアミド(TPA)からなる群から選択される材料で構成される請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記外側ジャケットは、前記マルチファイバユニットチューブ上に適用される低摩擦スキンを含む請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記低摩擦スキンは、リブ付き外面を有する請求項4に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記低摩擦スキンは、約25~約100ミクロン/メートル/摂氏温度(μm/m-℃)の熱膨張係数を有する請求項4に記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記マルチファイバユニットチューブに螺旋状に配された複数の補強部材をさらに含む請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
前記複数の補強部材は、アラミド糸から構成される請求項7に記載の光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記マルチファイバユニットチューブは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、およびポリ(ビニルクロリド)(PVC)からなる群から選択される材料で構成される請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項10】
前記外側ジャケットは、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、およびナイロン12からなる群から選択される材料で構成される請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項11】
前記外側ジャケットは、少なくとも1つの難燃添加剤を含む請求項10に記載の光ファイバケーブル。
【請求項12】
光ファイバケーブルをダクト内に空気圧送する方法において、
前記光ファイバケーブルを提供するステップであって、前記光ファイバケーブルは、実質的に円形であり、複数の光ファイバを収容するように寸法決めされたマルチファイバユニットチューブと、前記マルチファイバチューブ内に配置され、実質的に円形またはランダム状に形成されるように部分的に結合される、複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットと、前記複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットの周囲に形成された少なくとも1つのエラストマー補強層と、前記マルチファイバユニットチューブを囲む外側ジャケットとを含むステップと、
前記光ファイバケーブルを前記ダクト内に空気圧送するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブルに関する。より具体的には、本発明は、内部にローラブルリボンユニットを有する光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバリボンは、その長さに沿って互いに結合された2つ以上の平行な光ファイバを含む。一般にマトリックスと呼ばれる材料は、ファイバを互いに接着する。「平坦な」または「カプセル化された」光ファイバリボンにおいて、平行な光ファイバは、マトリックス材料内に完全に封入されてもよい。
【0003】
ローラブルリボンまたはローラブルリボンユニットとも呼ばれる部分的に結合された光ファイバリボンでは、光ファイバリボンを形成する光ファイバは、その全長にわたって結合されない。むしろ、光ファイバは、断続的に結合され、これにより、光ファイバリボンがほぼ円筒形状に折り畳まれるか、または巻かれることを可能にする。光ファイバは、円形ケーブルに光ファイバを詰め込むことをより良好なものとし、従来の完全に結合されたリボン構造を有する光ファイバケーブルと比較して、所与のケーブル直径により多くの光ファイバが含まれるようになる。より多くの光ファイバを所与のケーブル直径に含めることを可能にすることに加えて、ローラブルリボンユニットは、以前はシングルファイバを有する光ファイバケーブルの分野であった光ファイバケーブルサイズにおける一括融着接続を提供する。
【0004】
新たな光ファイバケーブル用途は、ルース(loose)チューブケーブル構造に基づくマイクロケーブルに取って代わる空気圧送設備用に設計された光ファイバケーブルである。ルースチューブケーブル構造は、小さいケーブルダクト(例えば、14ミリメートル以下の内径を有するケーブルダクト)において効果的な空気圧送性能を提供する。
【0005】
その際に、ローラブルリボンユニットを有する光ファイバケーブル(すなわち、ローラブルリボンケーブル)は、典型的には、ローラブルリボンユニットの全てが、しばしば中心チューブまたはコアチューブと呼ばれる、ケーブルの中心の単一のチューブに含まれるとき、最大の光ファイバ密度、すなわち、所与のケーブル直径において光ファイバが最も多くなる。このような構成は、ケーブルの中心からケーブルの周囲に強度を移動させる。ケーブル構造に応じて、ケーブルの周辺にケーブルの強度を有することは、ケーブルが空気圧送される潜在的な距離を減少させ得る。
【0006】
1つの従来のローラブルリボンケーブル構造は、中央チューブの周囲に螺旋状に適用される補強部材を含む。このローラブルリボンケーブル構造は、典型的には、コアチューブ上に螺旋状に適用された補強部材の薄層を有する。このような構成は、優先的な曲げを伴わない比較的小さい直径のケーブル構造となる。しかしながら、このローラブルリボンケーブル構造に関する問題は、このローラブルリボンケーブル構造が曲げにおいて弾性ではないので、ダクト内に数個を超える曲げがある場合、ケーブル空気圧送技術を使用して比較的短い距離しか設置できないことである。ケーブル構造を曲げるのに必要なエネルギーまたは力は、ジャケット内の補強部材の移動によって消散される。また、このケーブル構造は、ダクト内に押し込まれたときに座屈する可能性もあり、ダクトとの摩擦力が大きくなる。
【0007】
LXE構造とも呼ばれる別の従来のローラブルリボンケーブル構造は、複数の線状補強部材を含む。この屈曲可能なリボンケーブル構造は、ケーブルの長さに沿って印加荷重部位から離れる方向に圧縮荷重を分散するので、圧縮荷重に対して比較的高い抵抗を有する。このケーブル構造は、概して、屈曲において弾性を有する。また、このケーブル構造は、ケーブル構造が曲げられたときにエネルギーを貯え、ケーブル構造が曲げから解放されたときにエネルギーを解放することができる。このケーブル構造は、ダクト内で座屈することを防止するのに充分な剛性にすることができ、それにより、このケーブル構造は、従来の螺旋状の補強部材ケーブル構造よりも概して改善された空気圧送性能(blowing performance)を与える。
【0008】
しかしながら、この従来のケーブル構造は、従来のルースチューブケーブル設計と比較して、空気圧送設備において依然として問題を有する。このタイプのほとんどのケーブル構造は、1つの平面においてのみ曲がる(優先曲げとしても知られる)。進行方向から複合的な方向転換を行うために、このケーブル構造は、平面から外にねじれて、ダクトの内側により多くの空間をとり、ケーブル構造をダクト壁に押し付ける。したがって、このケーブル構造は、ダクトの直径に応じて、摩擦を増加させ、またはさらにはダクト内でケーブル構造の詰まりを引き起こす。線状補強部材がコアチューブの周囲に均等に配されていると、空気圧送性能は向上するが、このケーブル構造は依然として比較的曲がりにくく、比較的容易に捻じれる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、光ファイバケーブルにおいて実施される。光ファイバケーブルは、実質的に円形であり、複数の光ファイバを収容するように寸法決めされたマルチファイバユニットチューブを含む。光ファイバケーブルはまた、マルチファイバチューブ内に配置された複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニットを含む。部分的に結合された光ファイバリボンユニットは、部分的に結合された各光ファイバリボンが略円形またはランダム形状に形成されるように部分的に結合される。光ファイバケーブルはまた、部分的に結合された光ファイバリボンユニットの周囲に形成された少なくとも1つのエラストマー補強層を含む。光ファイバケーブルはまた、マルチファイバチューブを取り囲む外側ジャケットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、中央チューブの周囲に螺旋状に適用された補強部材を有する従来のローラブルリボンケーブル構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、複数の線状補強部材を有する別の従来のローラブルリボンケーブル構造の斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、エラストマー内側層を有するローラブルリボンケーブル構造の斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、
図3のエラストマー内側層を有するローラブルリボンケーブル構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、同様の参照番号は、図面の説明を通して本発明の理解を高めるために同様の構成要素を示す。また、特定の特徴、構成、および配置が、以下で論じられるが、そのようなものは、例証目的のみのために行われることを理解されたい。当業者は、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、他のステップ、構成、および配置が有用であることを認識するであろう。
【0012】
図1は、中央チューブの周囲に螺旋状に適用された補強部材を有する従来のローラブルリボンケーブル構造10の斜視図である。ケーブル構造10は、断続的に結合される1つ以上の部分的に結合された光ファイバリボンユニット12を含むので、各光ファイバリボンユニット12が略円筒形状に折り畳まれるかまたは巻かれることを可能にする。
【0013】
部分的に結合された光ファイバリボンユニット12は、マルチファイバユニットチューブ、中央チューブまたはコアチューブ14内に配置される。マルチファイバユニットチューブ14は、実質的に円形であり、部分的に結合された光ファイバリボンユニット12をその中に収納可能な寸法を有する。マルチファイバユニットチューブ14は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)、又は他の好適な材料(単数又は複数)から作製される。
【0014】
ケーブル構造10は、防水テープ16の比較的薄い層を有する。防水テープ16は、後述の補強部材18間の水の通過を防止する。あるいは、ケーブル構造10は、止水粉末または他の適切な止水材料を含む。
【0015】
ケーブル構造10はまた、マルチファイバユニットチューブ14上に螺旋状に適用される補強部材18の比較的薄い層を有する。補強部材18は、アラミドヤーン、ガラスファイバヤーン、または他の適切な材料であり得る。
【0016】
ケーブル構造10はまた、マルチファイバユニットチューブ14及び補強部材18の周囲に形成された外側ジャケット22を有する。外側ジャケット22は、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン12、または他の好適な材料(単数または複数)から構成される。
【0017】
上述のように、ケーブル構造10は、優先的な曲げを伴わない比較的小さい直径のケーブル構造である。しかしながら、ケーブル構造10は、ダクト内に数個を超える屈曲部がある場合、ケーブル空気圧送技術を使用して短い距離だけ設置することができる。ケーブル構造10は、曲げにおいて弾性を有するものではなく、ケーブル構造10を曲げるのに必要なエネルギー又は力は、外側ジャケット22内の補強部材18の移動を通じて分散される。また、ケーブル構造10はまた、ダクト内に押し込まれたときに座屈する可能性があり、ダクトとのより大きな摩擦力をもたらす。
【0018】
図2は、複数の線状補強部材を有する別の従来のローラブルリボンケーブル構造30の斜視図である。ケーブル構造30は、断続的に結合される1つ以上の部分的に結合された光ファイバリボンユニット32を含むので、各光ファイバリボンユニット32が略円筒形状に折り畳まれるかまたは巻かれることを可能にする。
【0019】
部分的に結合された光ファイバリボンユニット32は、マルチファイバユニットチューブ、中央チューブまたはコアチューブ34内に配置される。マルチファイバユニットチューブ34は、実質的に円形であり、部分的に結合された光ファイバリボンユニット32をその中に収容するような寸法である。マルチファイバユニットチューブ34は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)、又は他の好適な材料(単数又は複数)から構成される。
【0020】
ケーブル構造30はまた、マルチファイバユニットチューブ34の外側に沿って位置決めされた複数の線状補強部材36を有する。補強部材36は、アラミドヤーン、ガラスファイバヤーン、または他の適切な材料であり得る。
【0021】
ケーブル構造30はまた、マルチファイバユニットチューブ34及び補強部材36の周囲に形成された外側ジャケット38を有する。外側ジャケット38は、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン12、または他の好適な材料(単数または複数)から構成される。
【0022】
上述したように、ケーブル構造30は、ケーブル構造30の長さに沿って印加荷重部位から離れる方向に圧縮荷重を分散させるので、ケーブル構造30は圧縮荷重に対して比較的高い耐性を有する。ケーブル構造30は、概して、屈曲において弾性を有するものであり、ケーブル構造30は、ケーブル構造30が屈曲されると、エネルギーを蓄え、ケーブル構造30が屈曲から解放されると、エネルギーを放出することができる。ケーブル構造30は、ダクトで座屈することを防止するのに充分な剛性に作ることができ、これは、ケーブル構造30に、従来の螺旋状補強部材のケーブル構造10よりも全体的に改善された空気圧送性能を与える。
【0023】
しかしながら、従来のケーブル構造30は、従来のルースチューブケーブル設計と比較して、空気圧送設備において依然として問題を有する。ケーブル構造30のタイプのほとんどのケーブル構造は、1つの平面においてのみ曲がる(優先曲げとしても知られる)。進行方向から複合的な方向転換を行うために、ケーブル構造30は平面から外に捻じれて、ダクトの内側により多くの空間をとり、ケーブル構造30をダクト壁に押し付ける。したがって、ケーブル構造30は、ダクトの直径に応じて、摩擦を増大させるか、またはさらにはダクト内のケーブル構造30の詰まりを引き起こす。線状補強部材36がマルチファイバユニットチューブ34の周囲に均一に配されていると、空気圧送性能が向上する。しかしながら、ケーブル構造30は、依然として比較的曲がりにくく、比較的容易に捻じれる。
【0024】
図3は、本発明の実施形態による、エラストマー内側層を有するローラブルリボンケーブル構造50の斜視図である。
図4は、本発明の実施形態による、
図3のエラストマー内側層を有するローラブルリボンケーブル構造50の断面図である。ケーブル構造50は、断続的に結合される1つまたは複数の部分的に結合された光ファイバリボンユニット52を含むので、各光ファイバリボンユニット52が、ほぼ円筒形状またはランダム形状を含む他の好適な形状に折り畳まれるかまたは巻かれることを可能にする。
【0025】
部分的に結合された光ファイバリボンユニット52は、マルチファイバユニットチューブ、中央チューブまたはコアチューブ54内に配置される。マルチファイバユニットチューブ54は、実質的に円形であり、部分的に結合された光ファイバリボンユニット52をその中に収容可能な寸法を有する。
【0026】
マルチファイバユニットチューブ54は、任意の好適な材料(単数または複数)で作製することができる。例えば、マルチファイバユニットチューブ54は、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)、又は他の好適な材料(単数又は複数)で構成することができる。難燃添加剤は、耐火性を付与するのを助けるためにマルチファイバチューブ54に組み込むことができ、これは、ケーブル構造50の一部又は全部が建物の内側に配備される場合に望ましい場合がある。マルチファイバユニットチューブ54は、均質なチューブとすることができる。あるいは、マルチファイバユニットチューブ54は、共押出しによって製造された多層チューブであってもよい。
【0027】
実施形態では、マルチファイバユニットチューブ54は、約6.0ミリメートル(mm)の外径および約5.0mmの内径を有することができる。このようなマルチファイバユニットチューブ54は、12個の部分的に結合された光ファイバリボンユニット52を収容することができ、各部分的に結合された光ファイバリボンユニット52は、リボン当たり12個のファイバを有する(合計144個の光ファイバ)。
【0028】
ケーブル構造50はまた、部分的に結合された光ファイバリボンユニット52の周囲に形成された、またはケーブル構造50に組み込まれたエラストマー層56を有する。あるいは、エラストマー層56は、マルチファイバユニットチューブ54の周囲に形成される。エラストマー層56は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)もしくは熱可塑性エラストマー(TPE)、またはスチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、および熱可塑性ポリアミド(TPA)などの他の好適な材料(単数または複数)から作製されるか、またはそれらを含むことができる。本発明の実施形態によれば、エラストマー層56は、優先的な曲げ又は過度のエネルギー分散なしにケーブル構造50に弾性曲げ特性を与える。
【0029】
ケーブル構造50はまた、マルチファイバユニットチューブ54及びエラストマー層56の周囲に形成された外側ジャケット58を有する。外側ジャケット58は、任意の好適な材料または複数の材料で作製することができる。例えば、外側ジャケット58は、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン12、または他の好適な材料(単数または複数)から作製することができる。ケーブル構造50に耐火性を付与するために、外側ジャケット58に難燃性添加剤を組み込むことができる。一実施形態では、外側ジャケット58は、屋外プラント光ファイバケーブルのICEA-S-87-640規格に準拠するように、約1.2mmの公称のジャケット厚さを有する中密度ポリエチレン(MDPE)から作製される。
【0030】
他の実施形態では、外側ジャケット58は、比較的高密度のポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、または他の適切な材料を使用してマルチファイバユニットチューブ54の上に適用される比較的低摩擦のスキン(skin)とすることができる。比較的低摩擦のスキンは、ケーブル構造50とケーブル構造50が空気圧送されるダクトとの間の摩擦を低減する。あるいは、低摩擦スキンは、リブ付き外面を有することができる。低摩擦スキンはまた、ケーブル構造50の温度範囲を拡張するために、比較的低い熱膨張係数、例えば、25~100ミクロン/メートル/摂氏温度(μm/m-°C)を有することができる。
【0031】
他の実施形態では、ケーブル構造50がより大きな引張強度を必要とする場合、補強部材の薄層をエラストマー層56上に螺旋状に適用することができる。螺旋状に適用された補強部材の薄層は、ケーブル構造50の空気圧送距離を減少させるエネルギー分散層を追加することなく、ケーブル構造50の引張強度を改善する。
【0032】
添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の全範囲によって定義される本発明の意図および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される本発明の実施形態に多くの変更および置換を行うことができることは、当業者には明らかである。
【国際調査報告】